JP2004338518A - 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動力配分制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004338518A
JP2004338518A JP2003136782A JP2003136782A JP2004338518A JP 2004338518 A JP2004338518 A JP 2004338518A JP 2003136782 A JP2003136782 A JP 2003136782A JP 2003136782 A JP2003136782 A JP 2003136782A JP 2004338518 A JP2004338518 A JP 2004338518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
force distribution
torque
distribution control
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003136782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4543622B2 (ja
Inventor
Hirotaka Kusukawa
博隆 楠川
Takeo Nishijima
丈夫 西島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003136782A priority Critical patent/JP4543622B2/ja
Publication of JP2004338518A publication Critical patent/JP2004338518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4543622B2 publication Critical patent/JP4543622B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】トルク配分アクチュエータへの不要なトルク伝達を抑えることで、トルク配分アクチュエータの耐久・信頼性の向上を図ることができる四輪駆動車の駆動力配分制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジントルクを左右前輪14,15と左右後輪7,8に分配する駆動系に設けられたトランスファクラッチ9と、車両状態に応じた前後輪トルク配分となる左右前輪14,15への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トランスファクラッチ9に対し指令する差動制限コントローラ20と、を備えた四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、前記差動制限コントローラ20は、発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する駆動力配分制御手段と、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間Taが経過した後、前記駆動力配分制御を禁止する第1駆動力配分制御禁止手段と、を有する手段とした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御により前後輪へのトルク配分を制御する四輪駆動車の駆動力配分制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の四輪駆動車の駆動力配分制御装置は、アクセル開度と車速により駆動力配分制御領域と差回転制御領域とに分けた制御領域マップ設定手段を有し、検出されるアクセル開度と車速による運転点が制御領域マップ上において、駆動力配分制御領域である場合は、大トルク指令による駆動力配分制御を実行し、運転点が制御領域マップ上において、差回転制御領域である場合に、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じたトルク指令による差回転制御を実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−225658号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の四輪駆動車の駆動力配分制御装置にあっては、アクセル開度と車速のみによって制御仕様を決める構成となっていたため、登坂路での連続登坂のように、従駆動輪への連続的な大トルク伝達が不要な走行シーンにおいても、運転点が駆動力配分制御領域に存在する限り、駆動力配分制御が継続的に実行されることになり、高トルクにて滑り締結されるトルク配分アクチュエータの耐久・信頼性(例えば、ユニット油温・ギヤ系の疲労強度)の低下を引き起こすという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、トルク配分アクチュエータへの不要なトルク伝達を抑えることで、トルク配分アクチュエータの耐久・信頼性の向上を図ることができる四輪駆動車の駆動力配分制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
車両状態に応じた前後輪トルク配分となる前後輪の一方への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を、前後輪にトルクを分配する駆動系に設けられたトルク配分アクチュエータに対し指令するトルク配分コントローラを備えた四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
前記トルク配分コントローラは、
発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する駆動力配分制御手段と、
車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間が経過した後、前記駆動力配分制御を禁止する第1駆動力配分制御禁止手段と、
を有する手段とした。
【0006】
ここで、「駆動力配分制御手段」とは、例えば、アクセル開度や変速機出力軸トルクやエンジン出力軸トルク等のエンジントルク相当値により設定された目標伝達トルク特性に基づくフィードフォワード制御により、発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する手段をいう。
【0007】
【発明の効果】
よって、本発明の四輪駆動車の駆動力配分制御装置にあっては、第1駆動力配分制御禁止手段において、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間が経過した後、発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する駆動力配分制御を禁止し、トルク配分アクチュエータへの不要なトルク伝達を抑えることで、トルク配分アクチュエータの耐久・信頼性の向上を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の四輪駆動車の駆動力配分制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例に基づいて説明する。
【0009】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の四輪駆動車の駆動力配分制御装置が適用された後輪駆動ベースの四輪駆動車を示す全体システム図である。
【0010】
四輪駆動車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1、自動変速機2、リヤプロペラシャフト3、リヤディファレンシャル4、リヤドライブシャフト5,6、左後輪7、右後輪8、トラスファクラッチ9(トルク配分アクチュエータ)、フロントプロペラシャフト10、フロントディファレンシャル11、フロントドライブシャフト12,13、左前輪14、右前輪15、とを備えている。
なお、左右後輪7,8が、主駆動輪に相当し、左右前輪14,15が従駆動輪に相当する。
【0011】
前記エンジン1は、エンジンコントローラ16からの指令により燃料噴射制御等が行われ、前記自動変速機2は、自動変速コントローラ17からの指令によりにより変速制御等が行われる。
【0012】
前記トランスファクラッチ9の締結制御を行う前後差動制限システムは、前後差動制限アクチュエータ19と、該前後差動制限アクチュエータ19に対し締結指令または解放指令を出力する差動制限コントローラ20(トルク配分コントローラ)と、を有して構成される。
【0013】
前記トランスファクラッチ9としては、例えば、油圧多板クラッチや電磁多板クラッチ等が適用され、締結により左右後輪7,8と左右前輪14,15の差動を制限する前後差動制限機能を有する。つまり、トランスファクラッチ9の締結により駆動トルクが、左右後輪7,8からトランスファクラッチ9を介して左右前輪14,15へ伝達されるというトルク配分作用により左右後輪7,8と左右前輪14,15の差動を制限する。
【0014】
前記差動制限コントローラ20には、アクセル開度センサ21(アクセル開度検出手段),前後加速度センサ22,モード切替スイッチ23等からの情報が入力される。前記モード切替スイッチ23は、2WD固定モードと4WD固定モードとオートモードとの切り替えを手動により行う手段である。そして、モード切替スイッチ23の4WD固定モードを選択すると前後輪の差動制限作用が最も強くなる。また、モード切替スイッチ23のオートモードを選択すると、例えば、前後輪回転速度差やアクセル開度や前後加速度等に応じ付与されるクラッチ締結トルクが大きいと前後輪の差動許容量が小さくて強い差動制限作用を示し、クラッチ締結トルクが小さくなるほど前後輪の差動許容量が次第に大きくなる。
【0015】
前記各輪7,8,14,15をブレーキ液圧により制動するアンチロックブレーキシステムは、図1に示すように、ブレーキペダル30、ブースタ31、マスタシリンダ32、マスタシリンダ液圧パイプ33,34、ABSアクチュエータ35、左後輪ホイールシリンダ液圧パイプ36、右後輪ホイールシリンダ液圧パイプ37、左前輪ホイールシリンダ液圧パイプ38、右前輪ホイールシリンダ液圧パイプ39、左後輪ホイールシリンダ40、右後輪ホイールシリンダ41、左前輪ホイールシリンダ42、右前輪ホイールシリンダ43、ブレーキコントローラ44、とを備えている。
【0016】
前記ABSアクチュエータ35は、オイルポンプや液圧制御バルブ等により構成され、通常制動時には、マスタシリンダ液圧パイプ33,34に対応して分けられた2つのブレーキ液圧系統を介して各輪7,8,14,15にブレーキ液圧を供給する。ABS作動時には、各輪7,8,14,15の制動ロックを抑えるように、減圧・保持・増圧の3モードによりブレーキ液圧を制御する。
【0017】
前記ブレーキコントローラ44には、ブレーキランプスイッチ45,左前輪速センサ46(車速検出手段),右前輪速センサ47(車速検出手段),左後輪速センサ48,右後輪速センサ49等からの情報が入力される。
【0018】
前記エンジンコントローラ16と自動変速コントローラ17と差動制限コントローラ20とブレーキコントローラ44とは、情報交換を行う双方向通信線50により互いに連結されていて、ブレーキコントローラ44が入力した車輪速情報は、双方向通信線50を介して前記差動制限コントローラ20に供給される。
【0019】
次に、作用を説明する。
【0020】
[トルク配分制御処理]
図2は第1実施例の差動制限コントローラ20にて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0021】
ステップS1では、アクセル開度ACCと車速Vとが読み込まれ、ステップS2へ移行する。
ここで、アクセル開度ACCは、アクセル開度センサ21からのセンサ信号に基づいて演算される。また、車速Vは、左前輪速センサ46と右前輪速センサからのセンサ信号に基づく左前輪速と右前輪速との平均値により演算される。
【0022】
ステップS2では、ステップS1で演算されたアクセル開度ACCがアクセル足離し領域の値以下か否かが判断され、YESの場合はステップS9へ移行し、NOの場合はステップS3へ移行する(アクセル足離し操作検出手段)。
ここで、アクセル足離し領域の値は、アクセル開度センサ21の誤差を考慮して零に近い小さな値に設定される。なお、アクセル開度ACCによるアクセル足離し操作の判断に代え、アクセルスイッチ等を用いても良い。
【0023】
ステップS3では、アクセル開度ACCと車速Vによる運転点が、図3に示す駆動力配分制御領域と差回転制御領域とに分けた制御領域マップ上にて駆動力配分制御領域に存在するか否かが判断され、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はステップS8へ移行する。
ここで、図3に示す制御領域マップは予め差動制限コントローラ20のメモリに記憶設定されている(制御領域マップ設定手段)。
【0024】
ステップS4では、ステップS3にて駆動力配分制御領域に存在すると判断された時点から起動される第1タイマー値T1が、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間Ta以上か否かが判断され、YESの場合はステップS7へ移行し、NOの場合はステップS5へ移行する。
ここで、第1設定時間Taとしては、車両発進から定常走行に移行するまでに要する時間、例えば、長くても1分〜2分に設定される。
【0025】
ステップS5では、第1タイマー値T1が制御周期毎に1づつ加算され、ステップS6へ移行する。
【0026】
ステップS6では、エンジントルク相当値に応じたフィードフォワード制御による従駆動輪へのトルク指令値と、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じたフィードバック制御による従駆動輪へのトルク指令値と、のセレクトハイによる指令値を目標伝達トルクとして設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る(駆動力配分制御手段)。
ここで、「エンジントルク相当値」とは、例えば、アクセル開度や変速機出力軸トルクやエンジン出力軸トルク等をいい、「フィードフォワード制御による従駆動輪へのトルク指令値」とは、前記エンジントルク相当値により設定された目標伝達トルク特性に基づき、発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令をいう。
【0027】
ステップS7では、ステップS4において第1タイマー値T1が、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間Ta以上であると判断された場合、第1タイマー値T1をリセットし、ステップS8へ移行する。
ここで、ステップS4→ステップS7→ステップS8へ移行する流れは、第1駆動力配分制御禁止手段に相当する。
【0028】
ステップS8では、ステップS3において差回転制御領域と判断されたとき、または、ステップS7にて第1タイマー値T1がリセットされたとき、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じて従駆動輪へ伝達するトルクを目標伝達トルクとして設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る(差回転制御手段)。
【0029】
ステップS9では、ステップS2においてアクセル足離し操作時であると判断されたとき、このアクセル足離し操作判断時点から起動される第2タイマー値T2が、アクセル足離し操作検出による旋回入りから旋回脱出までに要する第2設定時間Td以上か否かが判断され、YESの場合はステップS12へ移行し、NOの場合はステップS10へ移行する。
ここで、第2設定時間Tdは、通常路面での旋回走行時、カーブの入りでのアクセル戻し(アクセルOFF)からカーブの出口でのアクセル踏み増し(アクセルON)までの時間であり、例えば、10秒程度に設定される。
【0030】
ステップS10では、第2タイマー値T2が制御周期毎に1づつ加算され、ステップS11へ移行する。
【0031】
ステップS11では、ステップS10にて第2タイマー値T2が加算されたとき、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じて従駆動輪へ伝達するトルクを目標伝達トルクとして設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令し、ステップS9へ戻る。
ここで、ステップS9→ステップS10→ステップS11を繰り返す流れは、第2駆動力配分制御禁止手段に相当する。
【0032】
ステップS12では、ステップS9においてアクセル足離し操作判断時点から起動される第2タイマー値T2が第2設定時間Td以上であると判断されると、第2タイマー値T2をリセットし、リターンへ移行する。
【0033】
[トルク配分制御作用]
勾配のきつい山岳路で連続登坂走行をしているときであって、発進からの連続登坂走行の後、カーブに進入した場合を例にとり、図4に示すタイムチャートに基づいてトルク配分制御作用を説明する。
【0034】
先ず、アクセル踏み込み操作を行ってt0の時点にて発進すると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6では、駆動力配分制御と差回転制御とのセレクトハイによる指令値を目標伝達トルクとする前後輪トルク配分制御が実行される。
【0035】
そして、ステップS4において、第1タイマー値T1が車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間Ta以上であると判断されるt1の時点までは、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返され、駆動力配分制御と差回転制御とのセレクトハイによる指令値を目標伝達トルクとする前後輪トルク配分制御が実行される。
【0036】
よって、例えば、アクセル開度ACCが大きいほど大きな伝達トルクが従駆動輪である左右前輪14,15に伝達され、エンジントルクを4輪7,8,14,15に対しほぼ等配分にて分配することで、左右後輪7,8の駆動スリップを抑えた高い駆動性能により連続登坂路を走破することができる。
【0037】
そして、ステップS3においては駆動力配分制御領域であるとの判断にかかわらず、第1タイマー値T1が第1設定時間Ta以上であると判断されるt1の時点になると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS7→ステップS8へと進む流れとなり、ステップS8では、左右後輪7,8(主駆動輪)と左右前輪14,15(従駆動輪)の速度差に応じて左右前輪14,15へ伝達するトルクを目標伝達トルクとする前後輪トルク配分制御が実行される。
【0038】
よって、駆動力配分制御がt4の時点まで継続される従来の制御仕様時とは異なり、t1の時点で駆動力配分制御から差回転制御へと切り換わり、左右前輪14,15へ伝達されるトルクが落とされることで、例えば、トランスファクラッチ9が油圧クラッチユニットである場合には、過度な油温上昇が防止されるし、左右前輪14,15へのユニット内トルク伝達経路にギヤやチェーン等を有する場合はその疲労強度が確保され、トランスファクラッチ9の耐久・信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
次に、勾配のきつい山岳路のカーブ進入直前のt3の時点で、アクセル足離し操作を行うと、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS9→ステップS10→ステップS11へと進む流れとなり、ステップS11では、左右後輪7,8(主駆動輪)と左右前輪14,15(従駆動輪)の速度差に応じて左右前輪14,15へ伝達するトルクを目標伝達トルクとする前後輪トルク配分制御がそのまま継続される。
【0040】
そして、駆動力配分制御がt5の時点から開始される従来の制御仕様時とは異なり、ステップS9において、第2タイマー値T2が旋回入りから旋回脱出までに要する第2設定時間Td以上であると判断されるt7の時点までは、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS9→ステップS10→ステップS11へと進む流れが繰り返され、差回転制御による前後輪トルク配分制御がそのまま継続される。
【0041】
よって、実際の走行シーンでは、頻繁にアクセルON/OFFを繰り返すため、アクセルOFF操作(t3)から第2設定時間Td(t7)までの間の時間域を設定、つまり、駆動力配分制御の不感帯時間域を設定することにより、頻繁に駆動力配分制御になることで従駆動輪へ大トルクを伝達する頻度を抑えることができ、トランスファクラッチ9の耐久・信頼性の向上を図ることができる。
【0042】
そして、カーブを抜けた時点t6において、再度アクセルの踏み込み操作を行うことで、t7の時点で駆動力配分制御領域であると判定されると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6では、駆動力配分制御と差回転制御とのセレクトハイによる指令値を目標伝達トルクとする前後輪トルク配分制御が実行される。
【0043】
次に、効果を説明する。
第1実施例の四輪駆動車の駆動力配分制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0044】
(1) エンジントルクを左右前輪14,15と左右後輪7,8に分配する駆動系に設けられたトランスファクラッチ9と、車両状態に応じた前後輪トルク配分となる左右前輪14,15への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トランスファクラッチ9に対し指令する差動制限コントローラ20と、を備えた四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、前記差動制限コントローラ20は、発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する駆動力配分制御手段と、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間Taが経過した後、前記駆動力配分制御を禁止する第1駆動力配分制御禁止手段と、を有するため、トルク配分アクチュエータであるトランスファクラッチ9への不要なトルク伝達を抑えることで、トランスファクラッチ9の耐久・信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
(2) 前記差動制限コントローラ20は、アクセル足離し操作を検出するアクセル足離し操作検出ステップS2と、アクセル足離し操作検出による旋回入りから旋回脱出までに要する第2設定時間Tdが経過するまでは前記駆動力配分制御を禁止する第2駆動力配分制御禁止手段と、を有するため、駆動力配分制御になることで従駆動輪へ大トルクを伝達する頻度を抑えることができ、この結果、トランスファクラッチ9の耐久・信頼性の向上を図ることができる。
【0046】
(3) 前記差動制限コントローラ20は、発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する駆動力配分制御手段と、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じて従駆動輪へトルクを伝達する指令を出力する差回転制御手段と、を有し、前記駆動力配分制御禁止手段は、駆動力配分制御を禁止したとき、差回転制御に切り換えるため、大トルク伝達による駆動力配分制御を禁止してもその後、アクセル踏み込み操作による駆動スリップの発生を最小に抑えることができる。
【0047】
(4) アクセル開度ACCを検出するアクセル開度センサ21と、車速Vを検出する左右前輪速センサ46,47と、アクセル開度ACCと車速Vにより駆動力配分制御領域と差回転制御領域とに分けた制御領域マップ設定手段と、を設け、前記差動制限コントローラ20の第1駆動力配分制御禁止手段は、駆動力配分制御領域の選択に基づいて車両の発進後に駆動力配分制御による連続走行状態の経過時間が、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間Taに達すると、強制的に差回転制御に移行するため、平坦路走行時等において差回転制御領域の選択による第1設定時間Taに達する前の差回転制御への移行を確保しながら、駆動力配分制御領域の選択が継続される登坂路走行時等において第1設定時間Taを待っての差回転制御への移行を確保することができる。
【0048】
(5) アクセル開度ACCを検出するアクセル開度センサ21と、車速Vを検出する左右前輪速センサ46,47と、アクセル開度ACCと車速Vによりにより駆動力配分制御領域と差回転制御領域とに分けた制御領域マップ設定手段と、を設け、前記差動制限コントローラ20の第2駆動力配分制御禁止手段は、アクセル足離し操作が検出されると、アクセル踏み込みにより駆動力配分制御領域に入ってもアクセル足離し操作検出による旋回入りから旋回脱出までに要する第2設定時間Tdが経過するまでは差回転制御のみを実行するため、駆動力配分制御と差回転制御との選択自由度を確保しながら、確実に駆動力配分制御になることで従駆動輪へ大トルクを伝達する頻度を抑えることができる。
【0049】
(6) 前記駆動力配分制御手段は、エンジントルク相当値に応じたフィードフォワード制御による従駆動輪へのトルク指令値と、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じたフィードバック制御による従駆動輪へのトルク指令値と、のセレクトハイによる指令値を出力するため、例えば、発進時に大きなホイールスピンにより差回転制御でのトルク指令値がアクセル開度によるトルク指令値よりも大きいときには、差回転制御でのトルク指令値が選択されることで、より高い発進加速性能を達成することができる。
【0050】
以上、本発明の四輪駆動車の駆動力配分制御装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0051】
例えば、第1実施例では、後輪駆動ベースの4輪駆動車への適用例を示したが、前輪駆動ベースの4輪駆動車へ適用することもできる。
【0052】
第1実施例では、駆動力配分制御を禁止したとき、差回転制御に切り換える例を示したが、駆動力配分制御を禁止したらトルク配分アクチュエータ(トランスファクラッチ)を解放し、2輪駆動状態へ移行する例としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の四輪駆動車の駆動力配分制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例装置の差動制限コントローラにて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1実施例装置の差動制限コントローラに設定してある制御領域マップを示す図である。
【図4】勾配がきつい登坂路走行時に第1実施例装置の差動制限コントローラにて実行されるトルク配分制御作用を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 リヤプロペラシャフト
4 リヤディファレンシャル
5,6 リヤドライブシャフト
7 左後輪
8 右後輪
9 トラスファクラッチ(トルク配分アクチュエータ)
10 フロントプロペラシャフト
11 フロントディファレンシャル
12,13 フロントドライブシャフト
14 左前輪
15 右前輪
16 エンジンコントローラ
17 自動変速コントローラ
19 前後差動制限アクチュエータ
20 差動制限コントローラ(トルク配分コントローラ)
21 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
22 前後加速度センサ
23 モード切替スイッチ
44 ブレーキコントローラ
46 左前輪速センサ(車速検出手段)
47 右前輪速センサ(車速検出手段)
48 左後輪速センサ
49 右後輪速センサ

Claims (6)

  1. エンジントルクを前輪と後輪に分配する駆動系に設けられたトルク配分アクチュエータと、
    車両状態に応じた前後輪トルク配分となるように前後輪の一方への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トルク配分アクチュエータに対し指令するトルク配分コントローラと、
    を備えた四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記トルク配分コントローラは、
    発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する駆動力配分制御手段と、
    車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間が経過した後、前記駆動力配分制御を禁止する第1駆動力配分制御禁止手段と、
    を有することを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  2. 請求項1に記載された四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記トルク配分コントローラは、
    アクセル足離し操作を検出するアクセル足離し操作検出手段と、
    アクセル足離し操作検出による旋回入りから旋回脱出までに要する第2設定時間が経過するまでは前記駆動力配分制御を禁止する第2駆動力配分制御禁止手段と、
    を有することを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記トルク配分コントローラは、
    発進性能確保を目的として従駆動輪へ大トルクを伝達する指令を出力する駆動力配分制御手段と、
    主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じて従駆動輪へトルクを伝達する指令を出力する差回転制御手段と、を有し、
    前記駆動力配分制御禁止手段は、駆動力配分制御を禁止したとき、差回転制御に切り換えることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  4. 請求項3に記載された四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    アクセル開度と車速により駆動力配分制御領域と差回転制御領域とに分けた制御領域マップ設定手段と、を設け、
    前記トルク配分コントローラの第1駆動力配分制御禁止手段は、駆動力配分制御領域の選択に基づいて車両の発進後に駆動力配分制御による連続走行状態の経過時間が、車両発進から定常走行に移行するまでに要する第1設定時間に達すると、強制的に差回転制御に移行することを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  5. 請求項3に記載された四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    アクセル開度と車速により駆動力配分制御領域と差回転制御領域とに分けた制御領域マップ設定手段と、を設け、
    前記トルク配分コントローラの第2駆動力配分制御禁止手段は、アクセル足離し操作が検出されると、アクセル踏み込みにより駆動力配分制御領域に入ってもアクセル足離し操作検出による旋回入りから旋回脱出までに要する第2設定時間が経過するまでは差回転制御のみを実行することを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載された四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分制御手段は、エンジントルク相当値に応じたフィードフォワード制御による従駆動輪へのトルク指令値と、主駆動輪と従駆動輪の速度差に応じたフィードバック制御による従駆動輪へのトルク指令値と、のセレクトハイによる指令値を出力することを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
JP2003136782A 2003-05-15 2003-05-15 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 Expired - Fee Related JP4543622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003136782A JP4543622B2 (ja) 2003-05-15 2003-05-15 四輪駆動車の駆動力配分制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003136782A JP4543622B2 (ja) 2003-05-15 2003-05-15 四輪駆動車の駆動力配分制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004338518A true JP2004338518A (ja) 2004-12-02
JP4543622B2 JP4543622B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=33526608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003136782A Expired - Fee Related JP4543622B2 (ja) 2003-05-15 2003-05-15 四輪駆動車の駆動力配分制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4543622B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223242A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Honda Motor Co Ltd 車両挙動制御装置
JP2011031830A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Honda Motor Co Ltd 四輪駆動車両のトルク配分制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0138687B2 (ja) * 1981-09-30 1989-08-16 Fuji Heavy Ind Ltd
JPH0699756A (ja) * 1992-09-17 1994-04-12 Mazda Motor Corp 車両の制御装置
JPH11278082A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Toyota Motor Corp 車両用トルク配分クラッチの制御装置
JPH11278088A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Toyota Motor Corp 車両用トルク配分クラッチの制御装置および車両用パーキングブレーキターン判定装置
JP2001225658A (ja) * 2000-02-18 2001-08-21 Nissan Motor Co Ltd 四輪駆動車の駆動力配分制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0138687B2 (ja) * 1981-09-30 1989-08-16 Fuji Heavy Ind Ltd
JPH0699756A (ja) * 1992-09-17 1994-04-12 Mazda Motor Corp 車両の制御装置
JPH11278082A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Toyota Motor Corp 車両用トルク配分クラッチの制御装置
JPH11278088A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Toyota Motor Corp 車両用トルク配分クラッチの制御装置および車両用パーキングブレーキターン判定装置
JP2001225658A (ja) * 2000-02-18 2001-08-21 Nissan Motor Co Ltd 四輪駆動車の駆動力配分制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223242A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Honda Motor Co Ltd 車両挙動制御装置
JP2011031830A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Honda Motor Co Ltd 四輪駆動車両のトルク配分制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4543622B2 (ja) 2010-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10137774B2 (en) Control device for 4WD vehicle
US9376015B2 (en) Control apparatus for 4WD vehicle
US9758037B2 (en) Control system for four-wheel drive vehicle
JP3520915B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪トルク配分制御装置
US9272700B2 (en) Control system for four-wheel drive vehicle
JP4539700B2 (ja) 4輪駆動車の駆動系制御装置
JPH02270641A (ja) 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
US7832518B2 (en) Torque distribution control in a motor vehicle
KR20180042796A (ko) 차량을 위한 제어 장치
JP5841584B2 (ja) パワートレインの制御装置
JP5195309B2 (ja) 車両用制御装置、車両用制御装置の制御方法、駆動力配分制御装置及び駆動力配分制御装置の制御方法
CN110626327A (zh) 四轮驱动车辆的控制装置
US20010025734A1 (en) Driving force control system for four-wheel drive vehicles
EP3916269B1 (en) Vehicle driving device and hybrid vehicle
JP4543622B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP5669842B2 (ja) 4個の駆動車輪を有する自動車両の前端部と後端部との間のエンジントルクの分配方法および装置
JP4193534B2 (ja) 差動制限制御装置
JP4254428B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP5206229B2 (ja) 前後輪駆動車用の駆動力配分制御装置
US7290636B2 (en) Device and method for controlling distribution of drive force of four-wheel drive car
KR100494769B1 (ko) 4륜 구동 차량용 센터 액슬 디스커넥트 시스템 및 그제어방법
JP5837391B2 (ja) 車両の駆動状態制御装置
JP2005042814A (ja) 駆動力自働断続装置。
JP4665485B2 (ja) 車両の路面摩擦係数判別装置
JP2021160471A (ja) ブレーキ装置及び、ブレーキ装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20051117

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees