JPH06115372A - 車両の従動輪差動制限装置 - Google Patents

車両の従動輪差動制限装置

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JPH06115372A
JPH06115372A JP29223592A JP29223592A JPH06115372A JP H06115372 A JPH06115372 A JP H06115372A JP 29223592 A JP29223592 A JP 29223592A JP 29223592 A JP29223592 A JP 29223592A JP H06115372 A JPH06115372 A JP H06115372A
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differential
differential limiting
vehicle
limiting device
turning
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Toshiro Kondo
敏郎 近藤
Fumitaka Ando
文隆 安藤
Yasuhiro Nakajima
康宏 中島
Takao Imada
隆夫 今田
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性と耐久性に優れ、車両の従動輪の差動
を制限するとともに車両の旋回度合いに応じて差動制限
を緩め得るような車両の従動輪差動制限装置を提供す
る。 【構成】 後輪駆動型自動車の左右の前輪(従動輪)の
差動を、自動車の走行状態と旋回度合いに応じて制限す
る為、左右の前輪8a,8bの車軸9a,9bに夫々自
在継手10a,10bを介して左右1対の軸部材11
a,11bが配設され、両軸部材11a,11b間に多
板粘性クラッチ12が設けられ、そのソレノイド21へ
の駆動電流をコントロールユニット20で制御すること
で、自動車1の走行状態に応じた差動制限を行うととも
に旋回度合いに応じて差動制限を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の従動輪差動制限
装置に関し、特に左右の従動輪の差動を制限する差動制
限を、車両の旋回度合いの増大に応じて緩めるように構
成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車は、一般に、左右1対の駆動輪と
左右1対の従動輪とを備えているが、従来の自動車で
は、円滑な旋回走行を達成する為に左右の駆動輪間の差
動を許容する差動装置が設けられているが、左右の従動
輪は、夫々独立に路面に従動するように構成され、左右
の従動輪間の差動を制限する差動制限装置は、全く設け
られていない。
【0003】つまり、従来の自動車の左右の従動輪は、
単に、重量を支持し、姿勢安定性を確保し、制動力を確
保し、旋回横力を分担する機能を達成するに過ぎず、左
右の従動輪を介して自動車のステアリング特性や走行特
性を変化させるようには構成されていない。ここで、実
開昭61−94427号公報には、車両の直進安定性を
高める為に、左右の駆動輪の車軸間に多板摩擦クラッチ
からなる差動制限手段を設け、左右の従動輪の車軸間に
も前記同様の多板摩擦クラッチからなる差動制限手段を
設けた車両用車軸装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公報の車両用車軸
装置では、多板摩擦クラッチを制御する制御手段を全く
備えていないため、単に、車両のステア特性のアンダー
ステア化を図り、直進安定性を高め得るに過ぎない。し
かし、アンダーステア傾向を強めて直進安定性を高める
と、旋回時の旋回性能の低下を来たし、旋回性能が極度
に低下してしまうという問題がある。本発明の目的は、
車両の旋回度合いに応じて差動制限を緩め得るような車
両の従動輪差動制限装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の従動輪
差動制限装置は、左右1対の駆動輪と左右1対の従動輪
とを備えた車両において、左右の従動輪の差動を制限す
る差動制限手段と、車両の旋回度合いを検出する旋回度
合い検出手段と、前記旋回度合い検出手段の出力を受け
て、車両の旋回度合いの増大に応じて差動制限を緩める
ように差動制御手段を制御する制御手段と備えたもので
ある。但し、前記旋回度合いとは、舵角、又は横加速
度、又はヨーレート、等のパラメータで示される車両の
旋回の度合いのことである。ここで、前記制御手段を、
舵角検出手段で検出された舵角に基いて演算される舵角
速度の増大に応じて差動制限を緩めるように構成しても
よく(請求項2)、また、旋回度合い検出手段を、車両
の横加速度を検出する横加速度センサで構成してもよく
(請求項3)、また、前記旋回度合い検出手段を、車速
を検出する車速センサと舵角を検出する舵角センサとを
含み、車速と舵角とに基いて旋回度合いを求めるように
構成してもよい(請求項4)。
【0006】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両の従動輪差動制
限装置においては、差動制限手段は、左右の従動輪の差
動を制限し、旋回度合い検出手段は車両の旋回度合いを
検出し、制御手段は、旋回度合い検出手段の出力を受け
て、車両の旋回度合いの増大に応じて差動制限を緩める
ように差動制御手段を制御する。このように、車両の旋
回度合いの増大に応じて、差動制限を緩めるように構成
したため、旋回度合いが小さな高速走行時におけるアン
ダーステア化を図って直進安定性を高めることができる
うえ、旋回走行時には差動制限を緩めることで、旋回性
能を確保して旋回走行性を確保できる。請求項2におい
ては、舵角速度の増大に応じて差動制限を緩めるので、
ワインディング走行時等における旋回性能を十分に確保
して旋回走行性を確保できる。請求項3においては、旋
回度合い検出手段を横加速度センサで構成するため、旋
回度合い検出手段の構成が簡単化する。請求項4におい
ては、通常設けられる車速センサと舵角センサを有効活
用できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。この実施例は、後輪駆動型の自動車の従動輪
差動制限装置(以下、差動制限装置という)に本発明を
適用した場合の例であり、図1に示すように、後輪駆動
型自動車1において、車体の前部にエンジン2と自動変
速機3とが縦向きに配置され、自動変速機3からの出力
回転は、ドライブ軸5と、左右1対の後輪6a,6b
(駆動輪)の車軸7a,7b間に設けられた差動装置5
とを介して左右の車軸7a,7bに伝達される。
【0008】左右1対の前輪8a,8b(従動輪)の車
軸9a,9bには、回転伝達可能な自在継手10a,1
0bを介して左右1対の車軸部材11a,11bが夫々
連結され、左右の車軸部材11a,11b間には、差動
制限装置の多板粘性クラッチ12(これが、差動制限機
構又は差動制限手段に相当する)が配設され、左側の車
軸部材11aは、多板粘性クラッチ12の軸部材に一体
的に連結され、また、右側の車軸部材11bは多板粘性
クラッチ12のケースに一体的に連結されている。尚、
操舵ハンドル14に連結された操舵機構14も図示して
ある。
【0009】前記差動制限装置は、左右の前輪8a,8
bの差動(回転速度差)を、自動車1の走行状態や旋回
度合いに応じて制限する為のもので、この差動制限装置
は、前記多板粘性クラッチ12と、これを制御するコン
トロールユニット20と、各種センサ類22〜26とで
構成されている。前記多板粘性クラッチ12は、その軸
部材に固着された複数の内側クラッチ板と、これら内側
クラッチ板間に配設されてケースに固着された複数の外
側クラッチ板と、ケース内に充填されて内側クラッチ板
と外側クラッチ板間に粘性力を作用させる電磁粘性流体
と、ケース内の一端側部分に設けられたソレノイド21
等で構成されている。前記ソレノイド21により電磁粘
性流体に作用させる磁界を強くするのに応じて、電磁粘
性流体の粘度が大きくなり、内側クラッチ板と外側クラ
ッチ板間に作用する粘性力が強くなるように、つまり、
左右の前輪8a,8bの差動を制限する差動制限力が強
くなるように構成してある。
【0010】前記センサ類としては、操舵ハンドルの舵
角θhを検出する舵角センサ22、自動車1の車速Vを
検出する車速センサ23、ブレーキ装置のブレーキ油圧
Pを検出する油圧センサ24、悪路判定の為に車体の上
下加速度Gを検出する上下加速度センサ25、路面の摩
擦係数μを検出するμセンサ26等が設けられ、これら
センサ類の検出信号がコントロールユニット20へ供給
されている。
【0011】前記コントロールユニット20は、検出信
号を変換するA/D変換器や波形整形回路、入出力イン
ターフェース、マイクロコンピュータ、前記ソレノイド
21に制御された駆動電流を供給する駆動回路、等で構
成され、前記マイクロコンピュータには、後述の差動制
限制御の制御プログラムが予め入力格納されている。こ
こで、前記差動制限装置を設けるのは、走行特性をアン
ダーステア側へ補正したり、高速走行時の直進安定性や
加速時の操縦安定性を向上させながらも、旋回性能を確
保したり、低μ路走行時や制動時のスリップを抑制して
安全性を向上させたりする為である。
【0012】次に、前記差動制限装置の多板粘性クラッ
チ12における差動制限力を、自動車1の走行状態に応
じて制御する差動制限制御のルーチンについて、図2の
フローチャートを参照しつつ説明する。尚、図2におい
てSi(i=1,2,・・)は各ステップを示す。自動
車1のエンジン2の始動とともに制御が開始されると、
S1において前記センサ類から自動車1の走行状態に関
連する諸物理量(舵角θh、車速V、ブレーキ油圧P、
上下加速度G、路面μ)の信号が読み込まれる。次に、
S2において、上下加速度Gが所定値以上か否か判定す
ることで、走行中の道路が悪路か否か判定され、悪路で
ないときには、S3において左右の前輪8a,8bの差
動を制限する差動制限力Fが、図3のマップ(Map
(θh,V))から演算される。
【0013】図3のマップは、旋回度合いを表すパラメ
ータとして舵角θhを採用し、この舵角θhと車速Vと
をパラメータとして差動制限力Fを設定したもので、自
動車の旋回性能を確保し、かつ高速走行の安定性を高め
る為に、旋回度合いの増大に応じて差動制限力Fが小さ
くなり、また、車速Vの増大に応じて差動制限力Fが大
きくなるように、図3のマップが予め設定されている。
但し、図3のマップの代わりに、自動車の横加速度(旋
回度合いに相当する)を検出する横加速度センサで検出
した横加速度又は自動車のヨーレート(旋回度合いに相
当する)を検出するヨーレートセンサで検出したヨーレ
ートと、車速Vとをパラメータとして差動制限力Fを設
定したマップを用いることもできる。
【0014】一方、S2の判定の結果、悪路走行時に
は、S4へ移行し、S4において、差動制限力Fが、図
4のマップ(Map(G))から演算され、同時に補正
係数F1、F2、F3、F4が全て1.0に設定され
る。図4のマップは、上下加速度Gが所定値以上の悪路
の領域における差動制限力Fを設定したもので、上下加
速度Gの増大に応じて差動制限力Fが小さくなるように
設定してある。これにより、悪路走破性を確保すること
ができる。S4の演算後にはS15へ移行する。但し、
図4のマップは、上下加速度Gと車速Vをパラメータと
するマップに設定してもよい。
【0015】悪路でない場合、S3にて差動制限力Fを
演算後には、S5へ移行し、ブレーキ油圧Pに基いて制
動状態か否か判定され、制動状態のときはS6において
制動補正係数F1がF1=1.2に設定され、また、制
動状態でないときはS7において制動補正係数F1がF
1=1.0に設定され、夫々、S8へ移行する。次に、
S8において、路面μに基いて雪道や濡れた路面等の低
μ路か否か判定され、低μ路のときはS9において路面
μ補正係数F2がF2=1.2に設定され、また、低μ
路でないときはS10において路面μ補正係数F2がF
2=1.0に設定され、夫々、S11へ移行する。
【0016】次に、S11において、車速Vの変化率に
基いて、加速状態か否か判定され、加速状態のときはS
12において加速補正係数F3がF3=1.2に設定さ
れ、また、加速状態でないときはS13において加速補
正係数F3がF3=1.0に設定され、夫々、S14へ
移行する。次に、S14において、舵角速度補正係数F
4が図5のマップから演算される。図5のマップは、舵
角速度(dθ/dt)と車速Vをパラメータとして、舵
角速度補正係数F4を1.0以下の値に設定したもの
で、舵角速度の増大に応じて、舵角速度補正係数F4が
小さくなり、また、車速Vの増大に応じて、舵角速度補
正係数F4が大きくなるように設定してある。これによ
り、旋回時の舵角速度に応じて、差動制限力Fを小さく
設定でき、また、車速Vに応じて、差動制限力Fを大き
く設定できる。
【0017】S14の演算後、S15において目標差動
制限力Ftが次式で演算される。 Ft=F×F1×F2×F3×F4 次に、S16において、目標差動制限力Ftが所定値F
c未満か否か判定し、Ft<FcのときはS18へ移行
し、また、Ft<FcでないときはS17において、F
tがFcに設定され、その後S18へ移行する。前記F
cは、差動制限を最大限行う場合にも、僅かの差動を許
容する為に目標差動制限力Ftをクリップする為のもの
であるが、差動を全く許容しない場合には、高速走行時
に路面の僅かの凹凸等で走行安定性が損なわれるからで
ある。
【0018】次に、S18においては、S15で設定さ
れた目標差動制限力Ftに基づく制御信号がソレノイド
21の駆動回路に出力され、その駆動回路からソレノイ
ド21へ駆動電流が出力され、S18の後リターンして
繰り返しS1〜S18が実行される。その結果、多板粘
性クラッチ12の差動制限力が目標差動制限力Ftとな
るように制御され、左右の前輪8a,8bの差動を制限
する差動制限が行われることになる。尚、S6、S9、
S12に示した「1.2」の値は、一例を示す値に過ぎ
ず、この値に限定されるものではない。
【0019】次に、以上説明した自動車の従動輪差動制
限装置の作用について説明する。前記多板粘性クラッチ
12は、電磁粘性流体を介して差動制限力を伝達する構
成であるため、クラッチ板が摩耗することがないから、
クラッチ板の摩耗による特性変化がなく、信頼性に優
れ、耐久性に優れる。更に、図3のマップに設定したよ
うに、旋回度合いの増大に応じて差動制限を緩めるた
め、峠道をワインディング走行する時や交差点等で旋回
する時の旋回性能を確保できる。
【0020】同時に、車速Vの増大に応じて差動制限を
強めるため、低速時の旋回性能を確保しつつも高速時の
アンダーステア傾向を強めて直進安定性を高め走行安定
性を高めることができる。更に、直進時(舵角θh=
0)には、最大限の差動制限を行ない、且つ、図2のS
16とS17を介して目標差動制限力Ftをクリップ
し、高速走行時の最大限の差動制限においても、僅かの
差動を許容するように構成してあるため、直進時の直進
安定性を極度に高めつつ、路面の凹凸による走行安定性
の低下を防止できる。
【0021】更に、悪路走行時に差動制限を緩めること
で、悪路走破性を高めることができ、また、低μ路にお
いては差動制限を強めることで、低μ路におけるスリッ
プを防止することができ、また、加速時には差動制限を
強めることで、オーバーステア傾向の強い後輪駆動型自
動車においてオーバーステア傾向を緩和できる。尚、図
3のマップの代わりに、図6に示すようなマップを設け
てもよい。この図6のマップでは、横加速度に相当する
旋回度合い(C×θh×V2 、但しCは所定の定数)
と、車速Vとをパラメータとして、差動制限力Fを設定
したもので、旋回度合いの増大に応じて差動制限力Fが
小さくなり、また、車速Vの増大に応じて差動制限力F
が大きくなるように、設定してある。
【0022】第1別実施例 次に、前記実施例の一部を変更した実施例について説明
する。本実施例は、前輪駆動型の自動車の左右の後輪の
差動を制限する従動輪差動制限装置に関するもので、図
7に示すように、前輪駆動型の自動車30において、左
右1対の前輪31a,31bの車軸32a,32b間に
エンジンと自動変速機とからなるパワーユニット33が
横置きに配置され、操舵ハンドル34とそれに連結され
た操舵機構35も図示してある。
【0023】左右1対の後輪36a,36b(従動輪)
の車軸37a,37b間に前記多板粘性クラッチ12と
同様の多板粘性クラッチ38が横向きに配設され、左側
の後輪36aの車軸37aが多板粘性クラッチ38の軸
部材に一体的に連結され、また、右側の後輪36bの車
軸37bが多板粘性クラッチ38のケースに一体的に連
結され、この多板粘性クラッチ38により左右の後輪3
6a,36bの差動を制限できるように構成してある。
尚、この多板粘性クラッチ38は、前記多板粘性クラッ
チ12と同様に、電磁粘性流体を充填した構成のもので
ある。自動車30の走行状態に応じて左右の後輪36
a,36bの差動を制限する為の差動制限装置は、多板
粘性クラッチ38と、コントロールユニット39と、前
記実施例と同様のセンサ類とで構成されている。
【0024】このコントロールユニット39で多板粘性
クラッチ38のソレノイドを制御する制御ルーチンは、
前記実施例と同様であるので、その説明は省略する。但
し、前輪駆動型の自動車30では、走行特性がアンダー
ステア傾向となるため、加速時のアンダーステア傾向を
緩和する為に、図2のS12においては、加速補正係数
F3がF3=0.8に設定される。以上の差動制限装置
の作用・効果については、基本的に前記実施例と同様で
あるので、説明を省略する。
【0025】第2別実施例 次に、前輪駆動型の自動車の左右の後輪の差動を、流体
圧又は流体力を介して制限する差動制限装置の実施例に
ついて説明する。図8に示すように、前輪駆動型の自動
車40において、前記第1別実施例と同様に左右1対の
前輪41a,41b、パワーユニット42、操舵ハンド
ル43、操舵機構44等が前記と同様に設けられてい
る。
【0026】更に、流体圧又は流体力を介して左右の後
輪45a,45bの差動を制限する為の差動制限手段と
して、車体に固定された左右1対の油圧ポンプ/モータ
47a,47bであって、その軸部材が左右1対の後輪
45a,45bの車軸46a,46bに夫々連結された
油圧ポンプ/モータ47a,47bと、左側の油圧ポン
プ/モータ47aの吐出口48aと右側の油圧ポンプ/
モータ47bの吸入口49bとを接続する油路50と、
右側の油圧ポンプ/モータ47bの吐出口48bと左側
の油圧ポンプ/モータ47aの吸入口49aとを接続す
る油路51と、左側の油圧ポンプ/モータ47aの近く
において油路50と油路51とを接続する油路に介装さ
れた制御バルブ52aと、右側の油圧ポンプ/モータ4
7bの近くにおいて油路50と油路51とを接続する油
路に介装された制御バルブ52bとが設けられている。
前記制御バルブ52a,52bは、その流量を電気的に
制御可能な構成のものである。差動制限装置は、前記差
動制限手段と、コントロールユニット53と、前記実施
例と同様のセンサ類とで構成され、前記コントロールユ
ニット53は、センサ類で検出される走行状態に応じて
左右の制御バルブ52a,52bを制御して差動制限制
御を行う。
【0027】この差動制限装置の作用について説明する
と、左右の制御バルブ52a,52bを全閉状態に保持
すると、油圧ポンプ/モータ47aから吐出された油の
全量が油圧ポンプ/モータ47bに吸入され、また、油
圧ポンプ/モータ47bから吐出された油の全量が油圧
ポンプ/モータ47aに吸入されるため、左右の後輪4
5a,45b間に差動がない状態では、両油圧ポンプ/
モータ47a,47b殆ど抵抗なく回転するが、左右の
後輪45a,45b間に差動が生じると、その差動を解
消する方向の流体抵抗が作用して、差動制限を行う。そ
して、両制御バルブ52a,52bを開くと、その開度
に応じた流量の油が流れるため、開度に応じて差動制限
作用が低下する。両制御バルブ52a,52bを全開状
態にすると、油圧ポンプ/モータ47aから吐出した油
圧の全量が制御バルブ52aを介して油圧ポンプ/モー
タ47aへ吸入され、また、油圧ポンプ/モータ47b
から吐出した油圧の全量が制御バルブ52bを介して油
圧ポンプ/モータ47bへ吸入されるため、差動制限作
用が得られなくなる。
【0028】従って、両制御バルブ52a,52bの開
度を全閉から全開の範囲で制御することで、差動制限力
を最大から最小の範囲に亙って変化させることができ
る。前記コントロールユニット53により、両制御バル
ブ52a,52bを制御する制御特性は、前記実施例と
同様であるので、その説明を省略する。尚、前記油圧ポ
ンプ47a,47bとしては、例えばベーンポンプ/モ
ータやその他の油圧ポンプ/モータを適用可能である
し、また、油温による油の粘性の影響を補償することも
ある。
【0029】この実施例の差動制限装置では、油圧ポン
プ/モータ47a,47bを左右の後輪45a,45b
の近くに配置できるため、車体中央部のスペースの制約
無しに配置でき、レイアウト的に有利であり、また、流
体圧や流体力で差動制限する構成であるので、クラッチ
板等の摩耗が生じることがなく、信頼性と耐久性に優れ
る。
【0030】第3別実施例 次に、前輪駆動型の自動車の左右の後輪の差動を、流体
圧又は流体力を介して制限する差動制限装置の別の実施
例について説明する。図9に示すように、前輪駆動型の
自動車60において、前記第1別実施例と同様に左右1
対の前輪61a,61b、パワーユニット62、操舵ハ
ンドル63、操舵機構64等が設けられている。
【0031】更に、流体圧又は流体力を介して左右の後
輪65a,65bの差動を制限する為の差動制限手段と
して、車体に固定された左右1対の油圧ポンプ/モータ
67a,67bであって、その軸部材が左右1対の後輪
65a,65bの車軸66a,66bに夫々連結された
油圧ポンプ/モータ67a,67bと、油圧ポンプ/モ
ータ67aの吐出口68aと吸入口69aとを接続する
油路70aと、油圧ポンプ/モータ67bの吐出口68
bと吸入口69bとを接続する油路70bと、両油路7
0a,70bに夫々介装された左右1対の制御バルブ7
1a,71bとが設けられている。
【0032】各油圧ポンプ/モータ67a,67bにお
いて、制御バルブ71a,71bを全開状態に保持する
と、吐出油の全量が同一の油圧ポンプ/モータに吸入さ
れるため、差動制限作用は全く得られないが、制御バル
ブ71aの開度を絞ると、油圧ポンプ/モータ67aに
流体抵抗が作用し、また、制御バルブ71bの開度を絞
ると、油圧ポンプ/モータ67bに流体抵抗が作用する
ことになる。
【0033】従って、コントロールユニット72によ
り、センサ類で検出される走行状態に応じて制御バルブ
71a,71bを制御し、回転速度の大きい方の後輪6
5a又は後輪65bに対応する制御バルブ71a又は制
御バルブ71bの開度を絞ることで、回転速度の大きい
方の後輪65a又は後輪65bの回転速度を低下させ、
左右の後輪65a,65b間の差動を制限することがで
きる。尚、前記左右の制御バルブ70を介して差動制限
する制御特性は、基本的に前記実施例と同様であるの
で、その説明を省略する。本実施例の差動制限装置によ
れば、前記第2別実施例と同様の作用・効果が得られ
る。
【0034】第4別実施例 次に、前輪駆動型の自動車の左右の後輪の差動を、左右
の後輪のブレーキユニットを介して制限するように構成
した差動制限装置の実施例について説明する。図10に
示すように、前輪駆動型の自動車80において、その前
部には、左右の前輪81a,81b、パワーユニット8
2、操舵ハンドル83、操舵機構84等が設けられてい
る。
【0035】ここで、左右の後輪85a,85bを制動
する為のブレーキ装置について説明すると、左右の後輪
85a,85bの車軸86a,86bには、夫々、ブレ
ーキ装置のブレーキディスク87a,87bが固定的に
連結され、各ブレーキディスク87a,87bには、キ
ャリパー88a,88bが夫々付設され、これらキャリ
パー88a,88bの油圧シリンダへの油圧は、ブレー
キペダル89で操作されるブレーキブースタ90とマス
タシリンダ91とで発生してマスタシリンダ91から左
右のキャリパー88a,88bの油圧シリンダへ夫々供
給される。以上のブレーキ装置は、通常の自動車に設け
られている一般的な構成のものである。
【0036】ここで、本実施例の差動制限装置において
は、差動制限手段として、左右のブレーキディスク87
a,87bに夫々付設された補助キャリパー92a,9
2bと、これら補助キャリパー92a,92bに油圧を
供給する油圧供給装置93とが設けられている。但し、
補助キャリパー92a,92bを設けるのは、油圧供給
装置93から左右のキャリパー88a,88bの油圧シ
リンダに油圧を供給して差動制限するように構成する場
合には、非制動時に左右のキャリパー88a,88bの
油圧シリンダの油圧を一定に保持できずブレーキ装置の
制動性能が変動するので、それを防止する為である。
【0037】前記油圧供給装置93は、電動モータ94
で駆動される油圧ポンプ95と、その油圧ポンプ95で
発生した油圧を分配する分配バルブ96と、分配バルブ
96から延びて左側の補助キャリパー92aの油圧シリ
ンダに接続された油路98aと、分配バルブ96から延
びて右側の補助キャリパー92bの油圧シリンダに接続
された油路98bと、油路98a,98bに夫々介装さ
れた制御バルブ97a,97bとで構成されている。そ
れ故、両制御バルブ97a,97bを介して左右の補助
キャリパー92a,92bの油圧シリンダの油圧を制御
することにより、左右の後輪85a,85bの差動制限
を行うことができる。
【0038】このように、差動制限装置は、左右1対の
ブレーキディスク87a,87bに夫々付設された左右
1対の補助キャリパー92a,92bと、油圧供給装置
93と、両制御バルブ97a,97bを制御するコント
ロールユニット99と、前記実施例と同様のセンサ類と
で構成され、コントロールユニット99は、センサ類で
検出される走行状態に応じて制御バルブ97a,97b
を制御することで、左右の後輪に対する差動制限を行
う。但し、その差動制限制御の制御特性は、前記実施例
のものと同様であるので、説明を省略する。
【0039】第5別実施例 次に、多板摩擦クラッチを適用した差動制限装置の実施
例について説明する。図11に示すように、前輪駆動型
の自動車の左右の後輪の差動を制限する為の差動制限装
置は、油圧付勢型の多板摩擦クラッチ100と、油圧供
給装置101と、コントロールユニット102で構成さ
れている。前記油圧付勢型の多板摩擦クラッチ100に
ついて説明すると、そのケース103は、左側の後輪の
車軸105に一体的に連結され、また、その軸部材10
4は、右側の後輪の車軸106に一体的に連結され、ケ
ース103内において軸部材104には、複数の内側ク
ラッチ板107がスプライン嵌合され、ケース103の
内部において内側クラッチ板107間に位置する複数の
外側クラッチ板108がケース103の内周部にスプラ
イン嵌合され、更に皿バネ109と、ピストン部材11
0とが図示のように設けられ、ケース103内のピスト
ン110の右側の油室111には、油圧供給装置101
から油圧が供給され、油室111の油圧を制御すること
により、軸部材105と軸部材106間の差動を制限す
るように構成してある。尚、皿バネ109は省略可能で
ある。
【0040】油圧供給装置101は、電動モータ112
で駆動される油圧ポンプ113と、その吐出口から延び
て油室111に接続された油路114と、油路114に
介装された制御バルブ115とで構成され、制御バルブ
115は、コントロールユニット102により制御され
る。前記油室111の油圧が十分に低いときには、内側
クラッチ板107と外側クラッチ板108間に摩擦力が
作用しないため差動制限作用が得られず、油室111の
油圧を高めていくと、その油圧に応じて内側クラッチ板
107と外側クラッチ板108間に摩擦力が作用するた
め、差動制限作用が得られる。
【0041】尚、前記コントロールユニット102によ
って行う差動制限制御の制御特性は、基本的に前記実施
例と同様であるので、その説明は省略する。尚、この差
動制限装置を後輪駆動型自動車の左右の前輪の差動を制
限するのにも適用できる。尚、前記多板摩擦クラッチ1
00の代わりに摩擦板同士の摩擦接触により締結力を伝
達する機構の電磁クラッチを設け、その電磁クラッチを
それに供給される駆動電流の大きさに応じて締結力を変
化させ得るように構成し、電磁クラッチに供給する駆動
電流を制御することにより、差動制限力を制御するよう
に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る後輪駆動型自動車の従動輪差動制
限装置の構成図である。
【図2】図1の差動制限装置の差動制限制御のフローチ
ャートである。
【図3】差動制限力のマップの線図である。
【図4】差動制限力のマップの線図である。
【図5】舵角速度補正係数のマップの線図である。
【図6】変形例に係る差動制限力のマップの線図であ
る。
【図7】第1別実施例に係る前輪駆動型自動車の従動輪
差動制限装置の構成図である。
【図8】第2別実施例に係る前輪駆動型自動車の従動輪
差動制限装置の構成図である。
【図9】第3別実施例に係る前輪駆動型自動車の従動輪
差動制限装置の構成図である。
【図10】第4別実施例に係る前輪駆動型自動車の従動
輪差動制限装置の構成図である。
【図11】第5別実施例に係る差動制限装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
8a,8b 前輪 9a,9b 車軸 12 多板粘性クラッチ 20 コントロールユニット 22〜26 センサ類 36a,36b 後輪 37a,37b 車軸 38 多板粘性クラッチ 39 コントロールユニット 45a,45b 後輪 46a,46b 車軸 47a,47b 油圧ポンプ/モータ 50,51 油路 52a,52b 制御バルブ 53 コントロールユニット 65a,65b 後輪 66a,66b 車軸 67a,67b 油圧ポンプ/モータ 70a,70b 油路 71a,71b 制御バルブ 72 コントロールユニット 85a,85b 後輪 86a,86b 車軸 87a,87b キャリパー 92a,92b 補助キャリパー 93 油圧供給装置 97a,97b 制御バルブ 99 コントロールユニット 100 油圧付勢型多板摩擦クラッチ 101 油圧供給装置 102 コントロールユニット 115 制御バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今田 隆夫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右1対の駆動輪と左右1対の従動輪と
    を備えた車両において、 左右の従動輪の差動を制限する差動制限手段と、 車両の旋回度合いを検出する旋回度合い検出手段と、 前記旋回度合い検出手段の出力を受けて、車両の旋回度
    合いの増大に応じて差動制限を緩めるように差動制御手
    段を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする車両の従動輪差動制限装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、舵角検出手段で検出さ
    れた舵角に基いて舵角速度を演算し、前記舵角速度の増
    大に応じて差動制限を緩めるように構成されたことを特
    徴とする請求項1に記載の車両の従動輪差動制限装置。
  3. 【請求項3】 前記旋回度合い検出手段は、車両の横加
    速度を検出する横加速度センサからなることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両の従動輪差動制限装置。
  4. 【請求項4】 前記旋回度合い検出手段は、車速を検出
    する車速センサと舵角を検出する舵角センサとを含み、
    車速と舵角とに基いて旋回度合いを求めるように構成さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載の車両の従動輪差
    動制限装置。
JP29223592A 1992-10-05 1992-10-05 車両の従動輪差動制限装置 Pending JPH06115372A (ja)

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DE4333961A DE4333961A1 (de) 1992-10-05 1993-10-05 Vorrichtung zur Begrenzung des Antriebsrad-Differentials für Fahrzeuge
US08/570,253 US5685386A (en) 1992-10-05 1995-12-11 Driven wheel differential limiting apparatus for vehicle

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5752575A (en) * 1994-10-27 1998-05-19 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Torque distribution control system in vehicle
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