JPH07334789A - マイクロチップを内蔵した道路標識、ならびにこれを用いた路車間通信システム - Google Patents

マイクロチップを内蔵した道路標識、ならびにこれを用いた路車間通信システム

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JPH07334789A
JPH07334789A JP6130205A JP13020594A JPH07334789A JP H07334789 A JPH07334789 A JP H07334789A JP 6130205 A JP6130205 A JP 6130205A JP 13020594 A JP13020594 A JP 13020594A JP H07334789 A JPH07334789 A JP H07334789A
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vehicle
road
sign
signal
communication
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JP6130205A
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English (en)
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Ryotaro Fukui
良太郎 福井
Masato Arisumi
正人 有住
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な埋設工事だけで設置でき、大量の情報
を走行中の車両に供給できる道路標識を提供する。 【構成】 カプセル5 の内部に、緩衝材4 を介してアン
テナ3 とマイクロチップ6 が内蔵されている。このマイ
クロチップ6 は、走行中の車両からの励起電波をアンテ
ナ3 を介して受信し、この励起電波を電力に変換して、
内部に記憶した道路情報を、電波に載せてアンテナ3 を
介して走行中の車両に向けて送信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両と、車両の走行
経路に設置された装置との間で通信を行なう装置に関
し、特に、両者の間で無線による情報通信を行なう装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の走行経路に簡単な設備を設
け、これによって走行中の車両に情報を提供するシステ
ムとして、たとえばカリフォルニア大学などで研究され
たIVHSプログラムのものなどが、よく知られている。
【0003】このシステムは、具体的には、車両の走行
経路に沿って永久磁石を一定間隔、たとえば1m間隔で設
置し、この永久磁石のN 極、S 極の区別によって、ひと
つの永久磁石によって1 ビットの情報を表わそうとする
ものである。永久磁石の設置間隔が1mであれば、数十m
の距離で数十ビット分の情報を表わすことができる。こ
の永久磁石のN 極、S 極の区別を、車両に設けられた磁
気センサによって検出することにより、車両が情報を得
ることができる。このようにして、道路の曲率や勾配な
どを、車両が知ることが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなシステムで
は、永久磁石1 個が1 ビット分の情報を示すので、情報
量が増加すると、どうしても長い距離が必要になる。た
とえば永久磁石の設置間隔が1mの場合には、1 キロバイ
トの情報を伝えるには約8.2km の距離が必要になる。
【0005】ところが、道路の曲率や勾配などは、短い
距離の間にさまざまに変化するケースも考えられる。こ
のようなケースを想定すると、大量の情報を長い距離に
わたって伝達することには困難が伴う。その結果、どう
しても伝達できる情報が限られたものになる。
【0006】また、同じく永久磁石の設置間隔が1mの場
合には、60km/hで走行中の車両に1キロバイトの情報を
伝えるには、8 分以上の時間を要することになる。この
情報伝達速度は、車両側での情報処理能力を考えると、
満足すべき速さとは言えない。この情報伝達速度を向上
させることは、永久磁石の設置間隔を短くしたり、車両
の走行速度を引き上げたりすれば可能であるが、いずれ
にせよ情報伝達速度の飛躍的な向上は、望めない。
【0007】ここでいう時間は、勿論車輌が走行する時
間についてであり、渋滞や信号待ちなどで停止している
時間は、含まれない。
【0008】また、永久磁石によって発生する磁気が、
他の車載機器に悪影響を及ぼす危険性も、否定できな
い。特に、地磁気センサを用いたナビゲーションシステ
ムなどの機器に対して、誤動作などの影響を及ぼすこと
が、考えられる。さらに、このシステムに用いられるよ
うな永久磁石は、比較的大型のものでなければならず、
埋め込みに手間がかかるというデメリットもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上に述べた課題を解決
するために、この発明においては、まず路面側において
は、車両との無線通信の機能を備えた電子回路を、ワン
チップの集積回路として路面に埋め込み可能な部品に内
蔵させ、さらにこの電子回路に各種の情報を予め記憶さ
せ、あるいは記憶可能にしたものと、直近を走行する車
両からの励起に反応して、この電子回路に対して動作の
ための電力を供給する電源と、電子回路と車両との間の
無線通信のためのアンテナなどの回路部品とを設けた。
【0010】一方、車輌側においては、路面に埋め込ま
れた電子回路との間で通信を行なうための通信回路と、
やはり路面に埋め込まれた電源を励起するための励起手
段とを設けたものである。
【0011】
【作用】各種の情報を記憶したワンチップの電子回路が
埋め込まれた路面上を、車輌が走行する。
【0012】この際に、車両側の励起手段が、車輌に近
い励起手段を励起する。励起された励起手段は、電子回
路に電力を供給する。
【0013】この電子回路は、車輌に搭載された通信回
路との間に回線を開いて、自らが記憶する情報を、車輌
に伝達する。
【0014】
【実施例】図1 に、この発明の実施例の標識の構造を示
す。図1 において、1 は標識の周囲と同じアスファルト
で成型されたキャップ部、2 は、やはりアスファルトで
成型されているが、キャップ部1 あるいは標識の周囲と
は異なる色に着色された摩耗表示部、3 はコイル状の送
受信兼用のアンテナ、4 は衝撃を吸収する性質を有する
緩衝材、5 は高い防水性と機械的強度を有する樹脂製の
鉛筆状の形状で中空のカプセル、6 はアンテナ3 に接続
されたマイクロチップ、7 はカプセル5 の一部であって
円錐状を成す埋込先端部である。この埋込先端部7 は、
機械的強度を確保することを目的のひとつとして、金属
性であってもよい。
【0015】図1 に示す通り、カプセル5 の先端の埋込
先端部7 は、円錐状になっている。このため、この埋込
先端部7 から、カプセル5 を、すなわち図示した標識全
体を、地中に埋め込むことが容易にできる。この形状
は、埋め込みの作業の便を考慮した形状の一例である
が、必ずしもこの形状に拘束されるものではない。たと
えば、円柱状でもよい。カプセル5 の内部には緩衝材4
が詰められている。この緩衝材4 の内部には、コイル状
のアンテナ3と、このアンテナ3 に接続された集積回路
のマイクロチップ6 が埋め込まれている。
【0016】この緩衝材4 は、標識を路面に埋め込む際
に、内部のマイクロチップ6 などを、衝撃から保護する
はたらきを持つ。その他、標識に衝撃や大きな荷重がか
かったときにも、同様に、内部を保護する。
【0017】また、摩耗表示部2 の色がキャップ部1 な
らびに周囲の色と異なるのは、キャップ部1 が路面の表
面とともに摩滅した際に、周囲と異なる色の摩耗表示部
2 が路面に露出して、標識の交換が必要であることを知
らせ、摩耗の進行によって内部のアンテナ3 などに損傷
が及ぶ事態を未然に防ぐことを、目的とするものであ
る。実際の使用時には、周囲と異なる色が路面に露出し
た時点で、標識を路面から抜いて、新しい標識と交換す
るようにすればよい。
【0018】また、緩衝材4 は、ウレタンなどの衝撃吸
収性の高い材質でできており、カプセル5 の内部の全体
にわたって充填された形になっている。また、中心部に
は、アンテナ3 やマイクロチップ6 を収納するための孔
を有している。このような形状は、たとえばカプセル5
の内部に熔融ウレタンを注入して、この熔融ウレタンが
硬化したのちに、切削加工によって中心部に孔を開ける
ことにより、得られる。
【0019】この標識を用いるシステムの構成を、図2
に示す。図において、3 は図1 と同様のアンテナを示
す。その他、11は電力生成器であり、アンテナ3 に入感
した励起電波を起電力に変えて、マイクロチップ6 に内
蔵された各回路に供給する。励起電波については、後述
する。12は復調増幅器、1 3 は変調増幅器である。いず
れも、信号を変調あるいは復調し、かつ増幅する回路で
ある。14は発振器であり、発振作用によって変調のため
の搬送波を変調増幅器13に供給する。15はデータ変換器
であり、ディジタル・アナログ変換、パラレル・シリア
ル変換などを行なう。16は制御処理部であり、マイクロ
チップ6 に内蔵された回路全体を制御する。17はメモリ
であり、マイクロチップ6 の動作に必要な各種のデータ
を記憶する。
【0020】なお、アンテナ3 にばね用ステンレス鋼な
どの弾性に富む導電性材料を用いることにより、アンテ
ナ3 自体にも、緩衝材4 と同様の衝撃吸収性能を持たせ
ることが可能である。
【0021】また、車載局の構造を、図3 に示す。図に
おいて、21ならびに22は、送信用ならびに受信用のアン
テナである。受信用のアンテナ22は、所定の間隔をおい
て複数設けられている。23は変調増幅器、24は復調増幅
器である。いずれも、信号を変調あるいは復調し、かつ
増幅する回路である。25は発振器であり、発振作用によ
って変調のための搬送波を変調増幅器23に供給する。26
はデータ変換器であり、ディジタル・アナログ変換、パ
ラレル・シリアル変換などを行なう。27は制御処理部で
あり、車載局に内蔵された回路全体を制御する。28はメ
モリであり、車載局の動作に必要な各種のデータを記憶
する。29はアクチュエータであり、制御処理部27の指令
に従って車輌の所定の部分、たとえばスロットルやステ
アリングを制御する。30はセンサであり、車輌の被制御
部分の情報を制御処理部27に送る。31は電界強度検知器
であり、複数設けられた受信用アンテナ22の電界強度を
検知する。
【0022】次いで、上記のシステムの動作について説
明する。
【0023】図5 に、車載局と標識とからの電波の送信
状態を、模式的に示す。図5 において、標識A ならびに
標識B として示されているのは、路面上に隣接して設置
された標識であり、車輌の進行方向に向かって、標識A
、標識B の順に設置されている。
【0024】また、図6 には、通信の手順の概要を表わ
すフロー・チャートを示す。
【0025】図6 のステップ101 において、車載局の発
振器25は、常時発振しており、励起電波として図5 に示
すように134kHzの搬送波を恒常的に発生する。この搬送
波は、主にマイクロチップ6 を駆動するための電力の供
給を目的とするもので、比較的大きなエネルギを有する
電磁波である。この搬送波は、変調増幅器23に送られ、
ここで励起電波に載せるべき情報信号によって変調され
る。
【0026】図5 では、この情報信号を振幅変調によっ
て搬送波に載せた例を、模式的に示している。この情報
信号は、励起電波が路上の車輌からの電波であり、車輌
以外からの、たとえばテレビやラジオの放送電波ではな
いことを示す信号、マイクロチップ6 の中に記憶された
道路情報を更新することを示す信号、車輌が他の標識と
の通信に失敗して、後述する縮退処理を行なったことを
示す信号などが、必要に応じて加えられる。
【0027】また、後述する問い合わせ信号や、標識の
識別番号を含む信号なども、ここに加えられるのが望ま
しい。その後、変調された搬送波が、励起電波として送
信用アンテナ21から送信される。このとき、励起電波を
変調する上記のような信号は、必要がない場合には加え
られない。この場合には、搬送波が無変調のまま、送信
用アンテナ21から送信される。
【0028】なお、この情報信号は、各々の標識に対し
て個別に送信されなければならない。そこで、図5 に示
すt1とt2との間の、車載局と標識A とが通信する期間に
少なくとも1 回、t3とt4との間の、車載局と標識B とが
通信する期間に少なくとも1回、情報信号を搬送波に載
せて送信する必要がある。この情報信号は、車載局と各
々の標識とが通信する期間の、初めのうちに送信完了と
なることが望ましい。特に、車載局と標識とが半二重の
手順で通信を行なうときには、早期に送信を完了しなけ
ればならない。その理由は、この情報信号のあとに、標
識から車載局への信号送信が行なわれる時間を確保しな
ければならないためである。そこで、励起した標識から
送られる搬送波を車載局が受信すると、車載局が標識に
対して信号を送信することにする。
【0029】このような車輌が標識に接近すると、標識
のアンテナ3 の周囲で励起電波による電界強度が強ま
る。さらに、車輌が標識から水平距離にして約50cmにま
で接近すると、図6 のステップ108 において、標識内部
のマイクロチップ6 に内蔵された電力生成器11が起動し
て、マイクロチップ6 の各部に電力を供給する。ただ
し、ここで約50cmとしたのは、あくまで一例であり、こ
の距離は、道路に埋設される標識の間隔などに応じて、
適宜決定されるべきである。
【0030】このマイクロチップ6 の各部のうち、発振
器14は、132kHzまたは136kHzで発振する。この発振信号
は、変調増幅器13を介してアンテナ3 に送られて、搬送
波として送信される。このときには、標識から送信され
るのは、132kHzまたは136kHzの搬送波である。また、同
時にステップ109 において、制御処理部16が、車載局か
らの信号を処理するためのプログラム読み込みなどの前
処理を実行する。また、後述する応答信号や、自標識の
識別番号を含む信号などは、制御処理部13によって生成
され、データ処理部15においてパラレル−シリアル変換
ならびにディジタル−アナログ変換を施されたのちに、
変調増幅器13において搬送波を変調して、適宜送信され
る。
【0031】ここで、車輌がどの程度標識に近づいたと
きに電力生成器11が励起するかは、電力生成器11の特性
と、マイクロチップ6 の動作電圧によって定まるもので
あり、上記の50cm以外にも、特に電力生成器11の設計に
よって、任意に定めることが可能である。但しここで、
一台の車輌から発射された電波により、複数の標識のマ
イクロチップ6 が同時に励起されることは、通信の信頼
性の面から、好ましくない。この同時励起を回避するた
めには、送信用アンテナ21と標識との最小距離を、標識
の設置間隔に比べて短くすればよい。ここでは、送信用
アンテナ21の位置を、図4 に示すように地上高15cmとし
て、車輌の底部付近に配置する。ここで、標識の設置間
隔を1mとする。
【0032】この条件で、たとえば送信用アンテナ21と
標識との距離が50cm未満の状態で標識のマイクロチップ
6 が励起するものとすれば、送信用アンテナ21が標識と
次の標識とのちょうど中間に位置するとき、送信用アン
テナ21と標識との距離は約53cmとなり、複数の標識が同
時に送信用アンテナ21に対してこれより短い距離になる
ことは、ない。したがって、同時励起は回避できる。図
5 でみれば、時刻t2において標識A の励起が終了したあ
との時刻t3において、はじめて標識B が励起を開始して
いる。
【0033】このためには、車輌が標識から約50cmの距
離にまで接近したときに電力生成器11が発生する電圧
と、電力生成器11を除くマイクロチップ6 の内部の各電
子回路の動作電圧とを等しく設定しておけばよい。これ
は、回路の具体的な設計の段階で、容易に実現できる条
件である。
【0034】ただし、マイクロチップ6 の励起直後に
は、マイクロチップ6 をはじめとする回路の動作が不安
定になり、送るべき信号に誤りを生じやすいなどの可能
性も、考えられる。このような場合には、通信に先立っ
て、あらかじめ車載局から問い合わせ信号を送信して、
これを標識が受信すると、標識から応答信号を送信する
ように定めておけばよい。この応答信号を、車載局が正
確に受信できれば、マイクロチップ6 が安定して動作し
ていると考えられるので、車載局が次の動作を行なうよ
うにすればよい。一方、応答信号を受信できないか、あ
るいは受信した応答信号に誤りが多い場合には、車載局
が次の動作を行なわず、繰り返し問い合わせ信号を送信
するようにすればよい。
【0035】このようにして、所定回数繰り返して問い
合わせ信号を送信しても、応答信号を正確に受信できな
い場合には、車載局が、標識の励起に失敗したものと判
断するようにすればよい。このように、励起に失敗した
と考えられるときの処理については、たとえば、後述す
る縮退処理などが考えられる。
【0036】また、励起電波が標識に到達してからマイ
クロチップ6 が動作を開始するまでの時間は、100 マイ
クロ秒程度まで、技術的、経済的な困難を伴うことなく
短縮できる。これは、通常の車輌の走行速度に対して、
充分迅速な反応である。このように、励起電波が標識に
到達してからマイクロチップ6 が動作を開始するまでの
時間を、回路設計によって一定の長さ以下に抑制できる
場合には、少なくともこの時間だけ車載局が信号を含ま
ない励起電波だけを送るようにしてもよい。このような
手法を採れば、上述の問い合わせ信号を送る手法を採る
必要は、なくなる。
【0037】また、さきに、車輌が標識から約50cmの距
離にまで接近したときに標識のマイクロチップ6 が励起
するようにして、複数の標識が同時に励起することを回
避することを述べたが、これに代えて、各々の標識に個
別の識別番号を記憶させておき、この識別番号を車載局
が指定して、指定された識別番号を持つ標識と通信を行
なうようにしてもよい。このときには、隣接した標識
が、互いに1 ずつ異なる値の識別番号を持つようにして
おけばよい。
【0038】これに対して、車載局は、指定した識別番
号を記憶しておき、次には記憶された識別番号よりも1
だけ大きい値と、1 だけ小さい値の識別番号を、両方指
定するようにすればよい。この指定された識別番号は、
車載局から送信される信号波に乗せられて、送信され
る。この識別番号を、前述の問い合わせ信号として用い
てもよい。この場合には、指定された識別番号を持つ標
識からの応答があるまで、一定の回数を上限として車載
局が識別番号を示す問い合わせ信号を繰り返し送信する
ことになる。
【0039】上記において、周波数を134kHzと136 もし
くは132kHzとしたのは一例であり、混信を防止できれ
ば、この周波数に固執する必要は無い。たとえば、時分
割多重方式を用いて車載局と標識とが交互に送信するよ
うにすれば、同一周波数を用いることも、考えられる。
【0040】標識からの搬送波を、図6 のステップ102
において車載局側で検出する。標識のアンテナ3 から送
信される前述の132kHzもしくは136kHzの搬送波を、車載
局の受信用アンテナ22a もしくは22b で受信すると、こ
の搬送波が復調増幅器24a もしくは24b へ送られる。こ
こで、搬送波が応答信号や標識の識別番号を示す信号を
含む方式であれば信号の復調が、搬送波のみの場合には
増幅のみが、それぞれ行なわれる。同時に、受信用アン
テナ22a と22b のいずれの電界強度が強いかが測定さ
れ、その測定結果は、制御処理部27と選択器32に送られ
る。
【0041】制御処理部27では、この測定結果から、車
輌の位置が標識に対して、すなわち現在走行中の車線に
対して左寄りか右寄りかを、判定する。ただしこの時点
では、上記の電界強度の差が所定量を越えて大きくない
限り、判定結果に基づくステアリング角制御は、実行さ
れない。また、選択器32では、受信用アンテナ22a と22
b のいずれの電界強度が強いかの測定結果を基に、復調
増幅器24a もしくは24b のうち、より強い電界強度から
得られた出力を選択して、データ変換器26に入力する。
【0042】同時に、標識から搬送波が送信されている
ことは、車輌に近い標識のマイクロチップ6 が励起し
て、標識側で通信の準備が整ったことと考えられるの
で、車載局側では、ステップ103 において、発振器25で
生成した134kHzの搬送波を、制御処理部27で作成されて
データ変換器26で変換された信号で変調増幅器23におい
て変調して、信号波を生成して、これを送信用アンテナ
21を介して送信する。ここには、信号波が車載局のもの
であることを示す情報を加えておく。
【0043】また、通信手順に関する車載局側の条件な
どを、ここに追加して送信するようにしてもよい。たと
えば、車載局側で対応可能な最高通信速度、通信を半二
重で行なうか、あるいは全二重でもよいかの区別、やり
とりするデータの種類と順序、などを加えることが、考
えられる。勿論、必要に応じてその他の信号を送信する
ようにしてもよい。たとえば、車輌の走行速度などが考
えられる。
【0044】また、前述の問い合わせ信号を送信する場
合には、制御処理部27で作成される信号の最初の部分
に、問い合わせ信号を挿入するようにしてもよい。その
問い合わせ信号に対して標識から応答信号が返ってきた
場合には、制御処理部27でこれを検出して、同じ制御処
理部27が、他の信号をデータ変換器26に送り、信号波を
再び生成して送信するようにすればよい。
【0045】アンテナ3 が車載局からの信号波を受信す
ると、この信号波は復調増幅器12に送られて、通常の復
調処理と増幅を施される。その後、この信号波はデータ
変換器15に送られて、シリアル−パラレル変換と、アナ
ログ−ディジタル変換とを施されてから、制御処理部16
へ送られる。
【0046】制御処理部16では、ステップ110 において
信号の有無を監視しており、信号を検出すると、受信し
た信号を一旦メモリ17に記憶して、信号の処理が間に合
わない事態を回避する。この記憶は、制御処理部16の信
号処理能力などに余裕がある場合には、省略されても構
わない。
【0047】次いで、この記憶された信号をメモリ17か
ら改めて読み出して、ステップ111において、この信号
が、車載局からの信号が満たすべき条件として予め定め
られた内容、もしくは形式を有しているか否かを調べ
る。ここで、異なる信号フォーマットを有する他の無線
通信機などからの電波を受信した場合には、その電波に
含まれる信号は無視される。
【0048】この結果、車載局からの信号波であること
を確認すると、制御処理部16は、所定のプログラムに従
って、メモリ17から、車載局に対して送信すべき情報を
読み出す。この情報には、道路に関する情報として、た
とえばキロポスト位置、トンネル入口での前照灯点灯指
示、車線No. 、道路曲率、道路勾配、設計最高速度、通
行制限区分、通行制限時間帯などを示すものを含む。
【0049】読み出された道路情報は、制御処理部16を
経てデータ変換器15に送られ、パラレル−シリアル変
換、ディジタル−アナログ変換等を施されて、無線伝送
に適した形に変換される。その後、ステップ112 におい
て、発振器14で発生した搬送波をこの変換された道路情
報の信号で変調、増幅して、これをアンテナ3 を介し
て、車載局に向けて送信する。発振器14は、電力発生器
11からの電力の供給によって、マイクロチップ6 が励起
している間、引き続き発振しているものである。
【0050】このときの送信波として、前述の励起電波
と異なる周波数を用いることにすれば、全二重通信が可
能である。一例としては、132kHzまたは136kHzの搬送波
を用いることが可能である。
【0051】送信を完了したのち、マイクロチップ6 は
ステップ113 において終了処理を行なう。この終了処理
は、マイクロチップ6 において、一時的に用いられるバ
ッファの値を初期化するなどして、再度マイクロチップ
6 が励起したときに、誤動作などを起こさないようにす
るものである。この処理の具体的な内容は、本発明にと
って重要ではなく、また当業者にとっては自明な範囲に
属する事項であると思われるので、ここではその説明を
省略する。
【0052】この信号を、車載局側では、ステップ104
において受信用アンテナ22で受信する。この受信用アン
テナ22は、図4 に示すように、車体の底部付近に、車輌
の進行方向と垂直に約50cmの間隔をおいて2 個設けられ
ている。
【0053】ここで、まずそれぞれの受信用アンテナ22
a ならびに22b が標識から受信する電波が、それぞれ左
右の復調増幅器24a ならびに24b へ送られて復調増幅さ
れ、さらにデータ変換器15でアナログ−ディジタル変換
ならびにシリアル−パラレル変換を施されて、制御処理
部27へ送られる。この制御処理部27では、ステップ104
において信号を常時監視している。
【0054】ここで、左右の復調増幅器24a と24b とか
らは、同じ信号が出力されると考えられるが、このうち
一方だけを、原則的にはデータ変換器で変換すればよ
い。そこで、電界強度検出器31での検出結果に基づい
て、選択器32によって、電界強度が大きいほうの復調増
幅器からの出力を、データ変換器15で採用すればよい。
【0055】ただし、これは必ずしも左右の復調増幅器
24a もしくは24b の出力の一方のみを変換するというこ
とには、限定されない。たとえば、両方の出力にそれぞ
れ独立にアナログ−ディジタル変換ならびにシリアル−
パラレル変換を施して、両方のディジタル出力をデータ
変換器15で比較して、信号の誤り訂正を行なうようにし
てもよい。この誤り訂正の具体的な手法については、よ
く知られた種々の手法を利用でき、また回路構成につい
ても同様であるので、手法の詳細な説明については、こ
こでは省略する。
【0056】ここで、制御処理部27は、受信した信号が
標識からのものであるかどうかを照合する。ここで信号
が標識のものでないと判明すれば、その後の処理は行な
われず、再びステップ104 で制御処理部が標識からの信
号を監視する。一方、標識からの信号だと判明すれば、
ステップ105 において、電界強度の検出を含む信号の解
析が、制御処理部27で実行される。
【0057】ここで、電界強度の検出について、補足す
る。すなわち、2 個の受信用アンテナ22a ならびに22b
が標識から受信する電波の電界強度は、それぞれのアン
テナ22a 、22b と電波を送信する標識との距離により、
当然に異なってくる。そこで、両方のアンテナ22a 、22
b の電界強度を知れば、電波を送信した標識がアンテナ
22のどちら寄りであるか、すなわち車輌がどちらに寄っ
て走行しているかが判定できる。そこで、左右別々の系
統として、左側には受信用アンテナ22a の他に復調増幅
器24a を、右側には受信用アンテナ22b の他に復調増幅
器24b をそれぞれ設けて、独立して信号の処理を実行で
きるようにしておく。ここに、受信用アンテナ22a と22
b 、復調増幅器24a と24b とは、同じ処理を行なうもの
で、同じ構造であってよい。また、それぞれの復調増幅
器24a と24b とに、電界強度検出器31を設けて、左右ど
ちらの電界強度が強いかを検出するようにすればよい。
このとき、電界強度の検出には、たとえば復調増幅器24
a ならびに24b に自動利得制御を用いるのであれば、こ
の増幅利得を検出して電界強度の検出に代えるようにし
てもよい。
【0058】また、受信した信号を左右の復調増幅器24
a もしくは24b ならびにデータ変換器15で復調、増幅、
変換したものを、ステップ105 において制御処理部27で
解析することで、標識に記憶されていた道路情報を復元
する。
【0059】これらの電界強度検出の結果に基づいて、
車輌が左もしくは右に寄ったときに、車輌の操舵系を制
御して逆方向に寄るようにしてやれば、車輌は適切な範
囲を走行するようになる。なお、この制御を行なうため
には、電界強度と併せてヨーレート・センサを用いて車
輌の回転速度を計測したり、標識から受信した道路情報
のうちカーブの情報の有無などに応じて制御の目標値を
変更したりすれば、さらに安定した走行を実現すること
ができる。
【0060】たとえば車輌の前方に右カーブが存在する
ことが、標識から受信した道路情報から判明した場合に
は、車輌が当該右カーブに進入するより早くから、車輌
を右側に寄せ、さらにカーブの脱出後には車輌を左側に
寄せるような制御をすれば、いわゆるアウト・イン・ア
ウトのコーナリングが可能になり、車輌の走行安定性の
向上に効果がある。また、操舵系の制御でなく、左もし
くは右に寄ったときに、適切な範囲からのずれの有無や
ずれの程度を可視的な表示や合成音声などによって運転
者に知らせるだけの簡易なシステムも、考えられる。運
転者に知らせるための手段としては、図形、合成映像、
警告音などがある。あるいは、車両の運動状況における
特徴、たとえばステアリング操作に見られる特有の周期
的な変化などから運転者が眠っていると推測される場合
などには、緊急に覚醒と注意の喚起を促す目的で電気シ
ョックを用いるなどの手法も、非常用として考えられ
る。このような制御を行なうためには、標識のひとつご
とに、曲率半径が何m のカーブが何m 先から始まる、と
いう情報を記憶させておけばよい。この情報に基づい
て、車輌側で自車輌の速度を考慮して、カーブの開始地
点の手前何m から車線内の左寄りに走行し、カーブの開
始地点の手前何m から右に操舵を開始するというような
制御が可能になる。また、標識ひとつあたりの情報量が
多いために、カーブの途中で曲率半径が変化する、いわ
ゆる複合カーブでも、曲率半径の変化を車輌に伝達する
ことができる。このためには、各々の標識に、当該標識
の近傍、あるいは数m ないし十数m 先でのカーブの曲率
半径を記憶させておいてもよいし、特に曲率半径の変化
を示す警告信号を記憶させておいて、車輌に特別な速度
制御を行なわせるようにしてもよい。
【0061】このような制御の内容、あるいはその他の
技術的要請に応えるため、標識を埋設する間隔を、上記
の1m以外とすることも、当然に考えられる。このように
標識の間隔を設定する際には、上述のように励起電波の
強度などについて設計段階で検討を加えるようにすれば
よい。
【0062】ここでは、車載局側に、受信用アンテナ等
を左右一対設ける例を示したが、必ずしもこの例に限定
されるものではない。たとえば、かかる受信用アンテナ
等を左右一対の中央にひとつ追加すれば、電界強度の検
出をさらに高精度で行なうことが可能であろう。また、
受信用アンテナなどを左右に複数対設けるようにしても
よい。このときには、左右の受信用アンテナの対ごと
に、アンテナの間隔を異ならせて設ければ、車両の車線
に対する位置を、より高精度で検出することが可能であ
ろう。
【0063】また、実際に使用に供される道路において
は、金属片が落下していたり、付近に電磁波の放射源が
あったりして、無線通信のために良好な環境を確保しに
くいことがある。その結果、実際に標識と車載局との通
信に失敗するおそれがある。このような場合には、信号
のやりとりを行なえないまでも、標識からの搬送波の有
無だけでも検出する処理を行なうことなどが、考えられ
る。このような処理を行なえば、たとえば信号の内容が
乱れて誤り訂正が事実上不可能な状態でも、受信用アン
テナ22a と22b との受信電界強度を比較して、自車両が
車線の右寄りか左寄りかを判断することは、可能であ
る。このように、受信した電波の状態に応じて制御の内
容を制限する、いわゆる縮退処理を行なうことも、考え
られる。また、制御の内容を制限するだけでなく、標識
から送られる信号の内容によっては、すでに通信を終了
した標識から送られてきた道路情報をそのまま流用し
て、この道路情報を通信に失敗した標識から送られてき
たものと見做して、車両の制御を行なうことが望ましい
ケースも、考えられる。特に、道路情報のうちでも内容
が場所によって唐突に変化することが無い種類の情報に
ついては、このように以前の情報をそのまま用いて車両
の制御を行なうことが、車両の安定した走行のために、
有効となる場合がある。その他、縮退処理の内容とし
て、さまざまなものが考えられる。
【0064】この縮退処理を実行するためには、車載局
と標識との間の通信に用いられる電波と、それ以外の電
波の電界強度のバランスや電界の種類を問わない絶対的
な電界強度などを、車載局側で監視することが、有効な
手段の一例として考えられる。たとえば、標識から送信
されるべき132kHzもしくは136kHzの電波による電界が絶
対的に弱い、あるいは、自車両が全体に強い電界の中に
あるのに、132kHzもしくは136kHzの電波による電界が相
対的に弱いときには、標識から送信される信号内容を信
頼できないものとして縮退処理を行なうことなどが、考
えられる。むろん、標識から送られてくる信号の内容
に、信号伝搬の過程などでの誤りが多い場合にも、同様
に縮退処理が有効である。
【0065】ステップ106 において車両が走行を続行す
ると判断される場合、たとえばエンジンのクランク軸あ
るいは車輪のいずれかが回転している場合には、エンジ
ンのクランク軸あるいは車輪などから得られた情報や、
各種センサ29から得られる情報をもとに、制御処理部27
がアクチュエータ3 0 などを制御して、ステップ107に
おいて車両の走行を制御する。その制御が完了すると、
前述のステップ101 以降の処理が反復継続される。一
方、ステップ106 において車両が走行を続行しないと判
断される場合には、この処理は終了する。
【0066】また、メモリ17に記憶される情報を、更新
可能にすることも、考えられる。具体的には、メモリ17
のうち、道路情報を記憶させる部分を、消去可能なメモ
リ素子によって構成する。たとえば、EEP-ROM などを用
いる。そこで、制御処理部16を動かすプログラムに、車
載局からの所定の信号に応じて動作するサブルーチンを
設けておく。このサブルーチンの内容を、メモリ17に記
憶された道路情報を一旦消去して、車載局から送られて
きた新しい道路情報を、従来の道路情報が消去された記
憶領域に、重ねて記憶されるようにすることができる。
【0067】具体的な処理手順としては、まず車載局が
最寄りの標識からの搬送波を受信したのちに、この車載
局から所定の識別信号を送信する。この識別信号につい
ては、たとえば道路を管理する事業者が所有する特定の
車輌だけに記憶させるようにすればよい。励起した標識
では、この識別信号を受信すると、識別信号が正規のも
のであるか否かを確認する。その結果、正規の信号でな
いとすれば、既に述べた通りの、一般の車輌に対する動
作を行なう。一方、正規の信号であると確認された場合
には、自標識に固有の番号を示す信号と、正規の信号と
確認したことを示す信号を車載局に送信して、そののち
には情報信号の送信を行なわず、信号の送信を中止して
車載局からの送信を待つ。
【0068】車載局側では、自標識に固有の番号を示す
信号と、正規の信号と確認した旨を示す信号を標識から
受信すると、メモリ17に記憶されるべき新しい道路情報
を含む信号波を、送信する。
【0069】この信号波を受信した標識では、信号波の
内容を一旦メモリ17の内部の図示しない受信バッファに
記憶したのちに、メモリ17に記憶されていた従来の道路
情報を消去して、その後に今回受信した新しい道路情報
を記憶させる。その後、道路情報を更新したことを示す
信号を、送信する。
【0070】一方、車載局では、標識から送信されてき
た固有の番号を示す信号と、道路情報を更新したことを
示す信号を、受信するごとに集計する。この集計結果
を、予め用意されたデータベースと照合する。その結
果、標識が存在するはずであるのに固有の番号を示す信
号を受信しなかった、あるいは、道路情報を更新したこ
とを示す信号を受信しなかった場合には、その標識が存
在する場所をメモリ17の所定の領域に記憶、もしくは適
切な手段を用いて表示する。
【0071】このときに用いるデータベースの作成のた
めには、実際に道路上を車載局から励起電波を送信しつ
つ走行し、標識から折り返し送信される信号を収集する
ことにより、標識の存在を知ることができる。同一の路
線について実際の走行を数回繰り返して信号を収集すれ
ば、信頼性を向上させることが可能である。
【0072】このようにすれば、たとえば要人警護や陸
上競技などのために、一時的に交通規制を敷く必要があ
る場合には、規制対象となる区域と時間帯とを車輌に記
憶させて、この車輌で規制対象となる区域を予め走行し
ておけばよい、というシステムも、考えられる。
【0073】このときには、一般の車両に搭載された車
載局から現在時刻を示す信号を送信して、この信号を受
信した標識では、この時刻を受信して、自標識が設置さ
れた区域が規制対象になっているか、現在の時刻が規制
対象の時間帯に入っているか、を照合するようにすれば
よい。照合の結果、規制対象である、と判断されれば、
その旨を車載局に伝える信号を送信するようにすればよ
い。その信号に応じて、車載局は自車両に対して信号を
発信したり、自動運転が可能なシステムであれば、迂回
路を探索したりするようにすればよい。
【0074】また、このようにマイクロチップ6 が計時
機能を備えている場合には、別の応用として、一定時間
内に道路を通行する車両台数を計測することも、容易に
可能である。この車両台数が所定の値を越えて増加した
場合には、その先で交通渋滞が発生することが予測され
る。そこで、通過する車両台数が所定の値を越えて増加
した場合には、標識が車載局に対して渋滞の発生を予測
する警告信号を送信するようにしてもよい。
【0075】一般に、交通渋滞が発生する区間は、特定
の区間に限定される傾向があるので、車載局ではこのよ
うな区間の付近で警告信号を受信した場合には、かかる
特定の区間を回避すべく、運転者に警告を発するように
してもよい。車載局において、警告信号を受信した地点
が、特に交通渋滞を起こしやすい区間の付近であるかど
うかの判断については、従来すでに製品化されているナ
ビゲーション・システムなどを用いて、容易に実現可能
である。たとえば、交通渋滞を起こしやすい区間の中心
位置の座標を既存の地図データベースに追加して記憶さ
せておき、車載局が警告信号を受信した時点で、かかる
中心位置と自車両の現在位置との直線距離を比較すれ
ば、付近であるか否かの判断は容易である。
【0076】一方、上記のように標識の記憶内容を更新
する車両を特定の車両に限定するのでなく、一般の車両
も記憶内容の一部を更新できるようにすることも、考え
られる。このようにすれば、車両相互間の通信の補助と
して上記のシステムを用いることも、可能である。すな
わち、先行する車両が標識に情報を記憶させて、かかる
情報を後続の車両が読み出すようにすればよい。
【0077】このような形態の例として、特定の車両が
走行中に事故に遭遇した場合に、その車両が自動的に直
近の標識に緊急情報を記録することが、考えられる。こ
のようにすれば、後続の車両は、緊急情報が記録された
標識の上を通過した際に、事故の発生を検知することが
できる。これに基づいて、車両が運転者に警告を発する
ようにしたり、回避制御を行なうようにしたりすれば、
被害の拡大を未然に防止することができる。このような
例では、記録された緊急情報は、所定時間の経過後、も
しくは所定台数の車両が当該標識の上を通過したのち
に、マイクロチップによって消去させるようにしておけ
ばよい。
【0078】また、上記のような一般の自動車への利用
の他に、新交通システムなどの専用軌道を走行する車
両、工場施設内で利用される搬送用車両や搬送機器、ゴ
ルフ場の敷地内で用いられるカートへの応用などが、考
えられる。さらに、空港の敷地、たとえばエプロンと滑
走路の間に標識を埋設して、航空機の誘導、あるいは航
空機を牽引する特殊車両の自動運転などが、考えられ
る。さらに、標識を歩道に埋設し、上記の車載局と同様
の回路を、たとえばヘッドフォンステレオ様の携帯可能
な形状に構成すれば、路上の観光案内、展示場における
説明や順路誘導の用に供することも、考えられる。
【0079】また、電力生成器11として、上記のような
励起電波を利用するものに代えて、たとえば太陽電池を
用いるなど、別の手法で電力を供給するものを用いても
よい。この点に関しては、電力に変換されるべきエネル
ギとして、車両以外から供給されるものを利用してもよ
い。たとえば、電力生成器11として太陽電池を用いる場
合、自然の太陽光のエネルギを利用することも、当然に
可能である。ただし、たとえば太陽光を利用する場合に
は、車両が標識の付近に存在するか否かにかかわらずマ
イクロチップ6 に電力が供給される可能性がある。この
ときには、互いに隣合った複数の標識が同時に信号波を
送信しないようにするなど、マイクロチップ6 の動作に
制限を設けることも、考えられる。
【0080】さらに、信号の媒体として、電波に代えて
赤外線、可視光線、紫外線などを用いることも可能であ
る。この場合には、マイクロチップ6 の内部もしくは外
部に発光素子ならびに受光素子を設けて、それぞれ変調
増幅器13ならびに復調増幅器12の一部に想到する役割を
果たさせることが、考えられる。また、キャップ部1な
らびに摩耗表示部2 を、媒体となる光線を透過するよ
うに、すなわち可視光線に対してなら透明にすることに
なる。また、摩耗表示部2 の下面を凸レンズ状に形成す
るなどして、集光部として機能させることも、考えられ
る。
【0081】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、道路に埋め込まれた標識に情報を電気的に記憶させ
るようにしたので、ひとつの標識に記憶させる情報量を
増やすことができるという効果がある。また、標識に記
憶された情報を、車載局から電力を供給したうえで、標
識と車載局との間で通信を行なって車載局が読み出すよ
うにしたので、情報の読み出しが高速で行なえるという
効果がある。また同じ構成によって、車両が停車中で
も、情報の読み出しが行なえるという効果がある。さら
に、道路情報の更新のための設備を車両に設置して、こ
の車両を走行させながら、標識に記録された道路情報を
更新させることができるという効果がある。さらに、標
識が自ら時刻などを監視して、道路情報を変更すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施例の道路標識の構成を示す断面図で
ある。
【図2】道路標識に内蔵されるマイクロチップの回路構
成を示すブロック図である。
【図3】車載局の回路構成を示すブロック図である。
【図4】車載局のアンテナの配置を示す説明図である。
【図5】標識の励起の状態を示す説明図である。
【図6】通信手順を示すフロー・チャートである。
【符号の説明】
3 アンテナ 5 カプセル 6 マイクロチップ 11 電力生成器 14 発振器 16 制御処理部 21 アンテナ 22 アンテナ 25 発振器 27 制御処理部 28 メモリ 31 電界強度検知器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線により通信を行なう通信手段と、通
    信に必要な情報を記憶する記憶手段と、必要に応じて前
    記情報を読み出すとともに、前記通信手段を制御する制
    御手段と、前記の各手段に電力を供給する電源手段とを
    内蔵したことを特徴とする、道路標識。
  2. 【請求項2】 請求項1 に記載の道路標識であって、前
    記の通信手段、記憶手段、制御手段ならびに電源手段
    が、道路に埋設可能なカプセルに内蔵されていることを
    特徴とする、道路標識。
  3. 【請求項3】 請求項1 もしくは2 に記載の道路標識で
    あって、前記電源手段が、カプセル外から供給された電
    磁波を電力に変換して、前記の通信手段、記憶手段、な
    らびに制御手段に供給することを特徴とする、道路標
    識。
  4. 【請求項4】 請求項1 ないし3 のいずれかに記載の道
    路標識であって、前記通信手段、記憶手段、ならびに制
    御手段が、前記電源手段が電力の供給を開始することに
    よって、所定の手順に従って通信を始めることを特徴と
    する、道路標識。
  5. 【請求項5】 請求項1 ないし4のいずれかに記載の道
    路標識であって、前記記憶手段が、該道路標識を設置す
    べき道路に関する情報を記憶することを特徴とする、道
    路標識。
  6. 【請求項6】 道路に設けられた道路標識と道路上を走
    行可能な車両との間で通信を行なう路車間通信システム
    であって、道路標識と車両とが、無線により通信を行な
    う通信手段と、通信に必要な情報を記憶する記憶手段
    と、必要に応じて前記情報を読み出すとともに、前記通
    信手段を制御する制御手段と、前記の各手段に電力を供
    給する電源手段とを、それぞれ有することを特徴とす
    る、路車間通信システム。
  7. 【請求項7】 請求項6 に記載の路車間通信システムで
    あって、前記車両が、前記道路標識の位置を検出する位
    置検出手段と、検出された前記道路標識の位置に応じて
    当該車両を制御する車両制御手段とを有することを特徴
    とする、路車間通信システム。
  8. 【請求項8】 請求項6 に記載の路車間通信システムで
    あって、前記車両が、前記道路標識の位置を検出する位
    置検出手段と、検出された前記道路標識の位置に応じて
    乗員に警告を発する警告手段とを有することを特徴とす
    る、路車間通信システム。
  9. 【請求項9】 請求項6 ないし8 のいずれかに記載の路
    車間通信システムであって、前記道路標識に設けられた
    電源手段が、前記車両から供給された電磁波を電力に変
    換して、前記の通信手段、記憶手段、ならびに制御手段
    に供給することを特徴とする、路車間通信システム。
  10. 【請求項10】 請求項9 に記載の路車間通信システム
    であって、前記車載局が、前記道路標識において前記電
    源手段が前記通信手段、記憶手段、ならびに制御手段に
    電力を供給したのちに前記道路標識との通信を開始する
    ことを特徴とする、路車間通信システム。
JP6130205A 1994-06-13 1994-06-13 マイクロチップを内蔵した道路標識、ならびにこれを用いた路車間通信システム Pending JPH07334789A (ja)

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