JPH04364187A - β−ラクタム化合物のアミノ中間体の製造法 - Google Patents

β−ラクタム化合物のアミノ中間体の製造法

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JPH04364187A
JPH04364187A JP3205200A JP20520091A JPH04364187A JP H04364187 A JPH04364187 A JP H04364187A JP 3205200 A JP3205200 A JP 3205200A JP 20520091 A JP20520091 A JP 20520091A JP H04364187 A JPH04364187 A JP H04364187A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】セファロスポリン抗生物質分野における密
度の高い研究の結果、臨床的に重要なセファロスポリン
化合物が数多く得られた。この分野で極く最近開発され
たものの一つに、3位にハロゲンが直接結合しているセ
フエム化合物がある。数種の3−ハロゲン−3−セフエ
ム類が米国特許第3,925,372号、同第4,06
4,343号および同第3,962,227号に記載さ
れている(Chauvette)。これらの強力な抗菌
化合物は、対応する3−ヒドロキシ−3−セフエム類を
ハロゲン化して製造される。3−ヒドロキシ−3−セフ
エムを3−クロロもしくは3−ブロモ−3−セフエムに
ハロゲン化する方法は、具体的には、3−ヒドロキシ−
3−セフエム化合物を、通常はジメチルホルムアミドの
存在下に、ホスゲン、オキサリルクロリド、チオニルク
ロリド、チオニルブロミドを含むブロム化剤もしくはク
ロル化剤、あるいは三塩化リンと三臭化リンのようなハ
ロゲン化リンと反応させて実施する。
【0002】半合成ペニシリンおよびセファロスポリン
抗生物質の製造における化学的修飾も、6位または7位
にアシルアミノ基を有するβ−ラクタム基質で行われて
いる。これらは反応条件下において安定ではあるが、最
高の抗菌活性を得るには好ましくない。従って、すべて
ではないが、殆んどの既知の臨床的に重要なペニシリン
およびセファロスポリンの製造に共通する工程は、6−
もしくは7−アシルアミノ基を開裂して、所望のかたち
に再アシル化することができるような6−もしくは7−
アミノ化合物を得る工程である。ペニシリンおよびセフ
ァロスポリンのアシルアミノ側鎖の開裂に最も広く用い
られている方法は、6−もしくは7−アシルアミノ化合
物を、まず対応するイミノハライドに変換し、さらにイ
ミノエーテルに変換した後に酸加水分解またはアルコー
リシスによって核(6−もしくは7−アミノ)化合物を
得る方法である。この一般法およびその改良法について
は、下記米国特許に記載されている。第3,549,6
28号、第3,575,970号,第3,697,51
5号,第3,845,043号および第3,868,3
68号。
【0003】数多くの酸ハライド類、特にリン、炭素お
よび硫黄またはその酸素酸から誘導した酸クロリドは、
上記3工程のアミド開裂工程におけるイミノハライド中
間体の製造に有用であると開示されている。特に好まし
いイミノハライド形成剤としては、塩化ホスホリル、五
塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル、ホスゲン、オキ
サリルクロリドおよび三塩化カテキルリンがある。実験
経験から、五塩化リンがイミノハライド中間体の製造に
おける好ましい酸ハライド試薬である。
【0004】セファロスポリンスルホキシドも、セファ
ロスポリン抗生物質の合成において広く用いられている
中間体である。セファロスポリンのスルホキシド型を用
いて実施した反応または合成が完了した後にスルホキシ
ド基を還元すると、還元された、あるいはスルフィド状
態のセファロスポリン化合物が得られる。
【0005】セファロスポリンスルホキシドの還元に関
する好ましい先行技術は、マーフィー等の方法である〔
Murphy et al.,米国特許第3,641,
014号〕。 この方法においては、セファロスポリンスルホキシドは
、 1)  水素および水素化触媒 2)  第一スズ、第一鉄、第一銅または第一マンガン
カチオン 3)  ジチオナイト、ヨージドまたはフエロシアニド
、4)  三価のリン化合物、 5)  ハロシラン類、または 6)  クロロメチレンイミニウムクロリドで還元され
ている。これらの還元剤のあるものは、アセチルクロリ
ドあるいは三塩化リンのような活性剤を必要とする。例
えば、ナトリウムジチオネートは、還元に際してアセチ
ルクロリドで活性化される。セファロスポリンスルホキ
シドの別な還元方法は、米国特許第4,044,002
号に開示されており(Hatfield)、同特許には
臭素捕集剤の存在下にアシルブロミドを用いてセファロ
スポリンスルホキシドを還元する方法が詳述されている
。さらに、最近、ジメチルホルムアミドの存在下に三塩
化リン、五塩化リン、またはホスゲンを用いて3−ヒド
ロキシセフエムスルホキシド類を還元/クロロ化する方
法が報告されている(Kukolja and Spr
y)。
【0006】我々は、最近、リン酸素酸からではなくて
、そのアリールエステルから誘導した新しい化合物群を
見い出した。さらに詳述すると、特定の亜リン酸トリア
リールを当量の塩素もしくは臭素と反応させると、反応
初期に、熱力学的には不安定ではあるが、動力学的にコ
ントロールされた生成物が得られ、β−ラクタム化合物
の製造に好都合に用いられることを見出した。これらの
新規亜リン酸トリアリール−ハロゲン化合物については
、本件と同じ日に出願した係属中の米国出願第8,46
9号に開示されている。
【0007】本発明は、最近見い出された亜リン酸トリ
アリール−ハロゲン化合物を用いて、下記の2工程の反
応を実施する手法に関する: (a)6−もしくは7−アシルアミンペニシリンもしく
はセファロスポリンのハロゲン化を行い、次いで(b)
得られた6−もしくは7−ハロアルキリデンアミノ体を
アミノ化する手法。 本発明は、特に下記■および■に記載する具体化された
製法を提供するものである: ■  6−アシルアミノペニシリンもしくは7−アシル
アミノセファロスポリンを、実質的に無水の不活性有機
溶媒中、約30℃以下において、ハロゲン化剤化合物1
当量に対して約1.0乃至約1.2当量の第三アミン塩
基の存在下に、約1.0乃至約2.0当量の亜リン酸ト
リアリール−ハロゲンコンプレックスと反応させて、6
−ハロアルキリデンアミノペニシリンもしくは7−ハロ
アルキリデンアミノセファロスポリン(以下、便宜的に
ペニシリンもしくはセファロスポリン・イミノハライド
という)を得、次いでハロアルキリデンアミノ体が完全
に形成された後に少なくとも3倍過剰のC1〜C15脂
肪族アルコールと塩化水素を加えて、6−アミノペニシ
リンまたは7−アミノセファロスポリンを製造する方法
。ただし、6−アシルアミノペニシリンもしくは7−ア
シルアミノセファロスポリンがヒドロキシ、アミノもし
くはカルボキシで置換されている場合には、これらの置
換基を通常のヒドロキシ、アミノもしくはカルボキシ保
護基で保護しておくものとする。また、6−アシルアミ
ノペニシリンもしくは7−アシルアミノセファロスポリ
ンは下記式(IV)で表わされる化合物である。
【0008】
【化6】 〔式中、Rはカルボン酸保護基;R1は水素もしくはメ
トキシ;R7CO−はカルボン酸から誘導したアシル基
;Yは
【化7】 から選んだ二価のラジカル;をそれぞれ表わす。但し、
Aは水素、塩素、臭素、保護ヒドロキシ、C1〜C4ア
ルコキシ、メチル、C1〜C4のアルカンスルホニルオ
キシもしくはC1〜C4アルキルフェニルスルホニルオ
キシ;Bは 1)  C2〜C4アルカノイル、カルバモイルオキシ
もしくはC1〜C4アルキルカルバモイルオキシ、2)
  C1〜C4アルコキシ、 3)  塩素もしくは臭素、または 4)  式−SR9で表わされる基(但し、R9は、(
a)  C1〜C4アルカノイル、(b)  C1〜C
4アルキル、フェニルまたはC1〜C4アルキル、C1
〜C4アルコキシ、保護ヒドロキシ、塩素、臭素、フッ
素、ニトロ、シアノ、メタンスルホンアミドおよびトリ
フルオロメチルから選んだ1または2個の置換基で置換
されたフェニル、または(c)  酸素、硫黄および窒
素から選んだ1〜4個のヘテロ原子を含む、非置換また
はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、塩素、
臭素、オキソ、ハロ(C1〜C4アルキル)、保護アミ
ノ、保護アミノ(C1〜C4アルキル)、保護ヒドロキ
シ、保護ヒドロキシ(C1〜C4アルキル)、保護カル
ボキシもしくは保護カルボキシ(C1〜C4アルキル)
で置換された5または6員環のヘテロ環である。);を
それぞれ表わす。〕
【0009】■  亜リン酸トリアリール−ハロゲンコ
ンプレックスを、式(V)で表わされる7−アシルアミ
ノセファロスポリン化合物と反応させ、次いでハロアル
キリデンアミノ体が完全に形成された後に少なくとも3
倍過剰のC1〜C15脂肪族アルコールと塩化水素を加
えて、6−アミノペニシリンまたは7−アミノセファロ
スポリンを製造する方法。
【化8】 〔式中、Rはカルボン酸保護基;R1は水素もしくはメ
トキシ;R7CO−はカルボン酸から誘導したアシル基
;Mは水素、塩素、臭素、保護ヒドロキシ、C1〜C4
アルコキシ、メチル、C1〜C4アルキルフェニルスル
ホニルオキシもしくは式−CH2Bで表わされる基;B
は1)  C2〜C4アルカノイル、カルバモイルオキ
シもしくはC1〜C4アルキルカルバモイルオキシ;2
)  C1〜C4アルコキシ、 3)  塩素もしくは臭素、または 4)  式−SR9で表わされる基(但し、R9は、(
a)  C1〜C4アルカノイル、(b)  C1〜C
4アルキル、フェニルまたはC1〜C4アルキル、C1
〜C4アルコキシ、保護ヒドロキシ、塩素、臭素、フッ
素、ニトロ、シアノ、メタンスルホンアミドおよびトリ
フルオロメチルから選んだ1または2個の置換基で置換
されたフェニル、または(c)  酸素、硫黄および窒
素から選んだ1〜4個のヘテロ原子を含む、非置換また
はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、塩素、
臭素、オキソ、ハロ(C1〜C4アルキル)、保護アミ
ノ、保護アミノ(C1〜C4アルキル)、保護ヒドロキ
シ、保護ヒドロキシ(C1〜C4アルキル)、保護カル
ボキシもしくは保護カルボキシ(C1〜C4アルキル)
で置換された5または6員環のヘテロ環である。);を
それぞれ表わす。〕
【0010】6−および7−アシルアミノ基の具体例と
しては、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミ
ド、ブチルアミド、クロロアセトアミド、2−ブロモプ
ロピオンアミド、シアノアセトアミド、トリフルオロメ
チルチオアセトアミド、4−t−ブトキシカルボニルア
ミノ−4−t−ブトキシカルボニルブチルアミド、ベン
ズアミド、4−メチルベンズアミド、3−ニトロベンズ
アミド、2−ヨードベンズアミド、4−ベンジルオキシ
ベンズアミド、3−シアノベンズアミド、2,6−ジク
ロロベンズアミド、4−トリフルオロメチルベンズアミ
ド、3,4−ジエトキシベンズアミドおよび3−メタン
スルホンアミドベンズアミドがあげられる。
【0011】R7が式:R0−(Q)m−CQ1Q2で
示される基を表わす場合、アシルアミノ基の具体例には
フェニルアセトアミド、4−ブロモフェニルアセトアミ
ド、3,5−ジニトロフェニルアセトアミド、4−ベン
ジルオキシフェニルアセトアミド、フェノキシアセトア
ミド、4−クロロフェノキシアセトアミド、2−プロポ
キシフェノキシアセトアミド、4−カルバミルフェノキ
シアセトアミド、シクロヘキサジエニルアセトアミド、
フェニルチオアセトアミド、2,5−ジクロロフェニル
チオアセトアミド、3−ニトロフェニルチオアセトアミ
ド、2−トリフルオロメチルフェニルチオアセトアミド
、2−フェニルプロピオンアミド、2−フェノキシプロ
ピオンアミド、2−フェニル−2−メチルプロピオンア
ミド、2−(4−クロロフェニル)プロピオンアミド、
2−フリルアセトアミド、2−チエニルアセトアミド、
5−イソオキサゾリルアセトアミド、2−チアゾリルア
セトアミド、2−チエニルプロピオンアミド、5−チア
ゾリルアセトアミド、2−クロロアセトアミドチアゾー
ル−5−イルアセトアミド、5−ブロモチエン−2−イ
ルアセトアミド、1−テトラゾリルアセトアミド、5−
テトラゾリルアセトアミドなどが含まれる。
【0012】R7が式:R0−CH(W)−(但し、W
は保護されたヒドロキシである。)で表わされる置換ア
リールアルキル基であるとき、アシルアミノ基の具体例
には、2−ホルミルオキシ−2−フェニルアセトアミド
、2−ベンジルオキシ−2−(4−メトキシフェニル)
アセトアミド、2−(4−ニトロベンジルオキシ)−2
−(3−クロロフェニル)アセトアミド、2−クロロア
セトキシ−2−(4−メトキシフェニル)アセトアミド
、2−ベンジルオキシ−2−フェニルアセトアミド、2
−トリメチルシリルオキシ−2−(4−クロロフェニル
)アセトアミド、2−ベンズヒドリルオキシ−2−フェ
ニルアセトアミドなどがあげられる。
【0013】Wが保護されたアミノ基である場合の具体
例には、2−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルア
ミノ)−2−フェニルアセトアミド、2−(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−2−フェニ
ルアセトアミド、2−クロロアセトアミド−2−(1,
4−シクロヘキサジエン−1−イル)アセトアミド、2
−(4−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)−
2−(4−メトキシフェニル)アセトアミド、2−ベン
ズヒドリルオキシカルボニルアミノ−2−フェニルアセ
トアミド、2−(1−カルボメトキシ−2−プロペニル
)アミノ−2−フェニルアセトアミド、2−(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−チエ
ニル)アセトアミドなどがある。
【0014】Wが保護されたカルボキシ基である場合、
式:R7CONH−で表わされる基の具体例には2−(
4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−(2−チ
エニル)アセトアミド、2−ベンズヒドリルオキシカル
ボニル−2−フェニルアセトアミド、2−(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニル)−2−(4−クロロ
フェニル)アセトアミド、2−t−ブトキシカルボニル
−2−(4−ベンジルオキシフェニル)アセトアミドな
どがある。式:
【化9】 で表わされるイミド基はマレインイミド、3−エチルマ
レインイミド、3,4−ジメチルマレインイミド、スク
シンイミド、フタルイミドおよび3,4,5,6−テト
ラヒドロフタルイミドである。
【0015】式(XII)におけるR9は非置換のヘテ
ロ環であって、その具体例としては、ピリジル、ピラジ
ニル、ピリダジニル、ピリミジル、1,2,4−トリア
ジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、1,
2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1
,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−オキサ
ジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,
4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、2H−テ
トラゾリルなどがあげられる。
【0016】R9で表わされる好ましいヘテロ環は下記
のとおりである:
【化10】 〔式中、aは水素またはC1〜C4アルキルである〕

0017】これらの製法に用いられている亜リン酸トリ
アリール−ハロゲンコンプレックスは、最近、特定の亜
リン酸トリアリールと塩素もしくは臭素との反応から得
られた化合物である。式(II):
【化11】 で表わされる亜リン酸トリアリールを、実質的に無水の
不活性有機溶媒中、当量の塩素もしくは臭素と反応させ
ると式(I):
【化12】 で表わされる動力学的にコントロールされた生成物が得
られる。但し、上記式中、Zは水素、ハロゲン、C1〜
C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ、Xは塩素
もしくは臭素をそれぞれ表わす。 Zの定義におけるハロゲンには、塩素、臭素またはヨウ
素が含まれる。また、C1〜C4のアルキルにはメチル
、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−
ブチル、t−ブチルおよびイソブチルが、C1〜C4ア
ルコキシにはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t
−ブトキシおよびブトキシが包含される。
【0018】動力学的にコントロールされた生成物の一
般式に記載された点(・)は、ただ単に当量のハロゲン
と亜リン酸トリアリールが化学的に結合(combin
e)されたものであって、その結合様式が、通常点なし
〔例えば、(PhO)3PCl2〕で表わされる熱力学
的に安定な既知誘導体の結合様式と異なることを示す。 この亜リン酸トリアリール・ハロゲン動力学的コンプレ
ックスの分子構造は正確には決定されていないが、物理
化学的データによれば、この動力学的生成物のリン中心
はカチオンの性質を持っている。本明細書中の“動力学
的化合物”、“動力学的コンプレックス”、“亜リン酸
トリアリール−ハロゲンコンプレックス(化合物)”、
“動力学的にコントロールされたハロゲン化(還元)剤
化合物”および“動力学的にコントロールされた生成物
”という用語はすべて同義語として用いられている。
【0019】動力学的にコントロールされたハロゲン化
剤化合物の製造に適する亜リン酸トリアリールには、亜
リン酸トリフェニル、亜リン酸トリ(p−メトキシフェ
ニル)、亜リン酸トリ(o−クロロフェニル)、亜リン
酸トリ(p−クロロフェニル)、亜リン酸トリ(p−ト
リル)、亜リン酸トリ(o−トリル)、亜リン酸トリ(
m−ブロモフェニル)、亜リン酸トリ(p−ブロモフェ
ニル)、亜リン酸トリ(p−ヨードフェニル)、亜リン
酸トリ(p−プロピルフェニル)、亜リン酸トリ(p−
t−ブチルフェニル)、亜リン酸トリ(m−トリル)、
亜リン酸トリ(p−イソプロポキシフェニル)などが含
まれる。入手しやすいことから、亜リン酸トリフェニル
が好ましい。
【0020】動力学的にコントロールされたハロゲン化
剤化合物の製造および以下に記載する還元法と還元−ハ
ロゲン化における媒質としては広範囲の不活性有機溶媒
が用いられる。ここで言う不活性有機溶媒とは、本発明
の反応条件下において、反応体とも生成物とも事実上反
応しない有機溶媒を意味する。ハロゲン化剤化合物はプ
ロトン性化合物と反応しやすいので、水、アルコール類
、アミン類(第三アミン以外)、チオール類、有機酸お
よびその他のプロトン性化合物は、この場合の反応媒質
から除かれる。
【0021】実質的に無水の非プロトン性の有機溶媒が
好ましい。本明細書で言う“実質的に無水”の溶媒とし
ては、一般には無水有機溶媒が好ましいが、市販の溶媒
に含まれている微量の水分は無視してもよい。本明細書
に記載の動力学的生成物は溶媒中の水分と反応するが、
過剰の試薬を用いることによって容易に加水分解による
損失分を補うことが出来る。通常の実験室的手法を用い
て溶媒を乾燥し、反応混合物を湿気から遮断するのが好
ましい。
【0022】適当な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン
、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタ
ン、ベンゼン、トルエン、o−、m−もしくはp−キシ
レン、メシチレンなどの脂肪族および芳香族炭化水素類
;ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンの
ような環状および非環状エーテル類;酢酸エチル、ギ酸
メチル、酢酸メチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、酢酸(
sec−ブチル)、プロピオン酸メチル、酪酸メチルの
ようなカルボン酸エステル類;アセトニトリル、プロピ
オンニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;クロ
ロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロ
ロエタン(エチレンジクロリド)、1,1,2−トリク
ロロエタン、1,1−ジブロモ−2−クロロエタン、2
−クロロプロパン、1−クロロブタン、クロロベンゼン
、フルオロベンゼン、o−、m−もしくはp−クロロト
ルエン、o−、m−もしくはp−ブロモトルエン、ジク
ロロベンゼンなどの芳香族および脂肪族ハロゲン化炭化
水素類;およびニトロメタン、ニトロエタン、1−もし
くは2−ニトロプロパン、ニトロベンゼンなどのニトロ
化合物が適する。
【0023】動力学的にコントロールされた亜リン酸ト
リアリール・ハロゲン化合物の製造またはそのハロゲン
化工程の媒質として特定の不活性有機溶媒を用いること
は必須要件ではないが、至適溶媒の選択に際しては極性
、融点もしくは沸点、およびハロゲン化生成物の単離の
容易さを考慮するとよい。動力学的にコントロールされ
た生成物の製造において好ましい溶媒は、炭化水素類、
特に芳香族炭化水素類およびハロゲン化炭化水素類であ
る。クロロホルム以外のハロゲン化炭化水素が好ましく
、最も好ましのが塩化メチレンである。
【0024】亜リン酸トリアリールおよび塩素もしくは
臭素の動力学的にコントロールされた反応によって得ら
れたハロゲン化剤化合物を溶液中で放置すると、主とし
て亜リン酸トリアリールの性質、溶媒、ハロゲンおよび
溶液の温度に依存して、様々な割合で対応する熱力学的
化合物に変換もしくは異性化される。実験データによれ
ば、酸(HX)もしくは過剰の亜リン酸トリアリールが
存在すると、動力学的生成物から熱力学的生成物への変
換率が高くなる。
【0025】亜リン酸トリフェニルと塩素を塩化メチレ
ン中、室温において反応させて得られた動力学的にコン
トロールされた生成物の半減期は、31P核磁気共鳴ス
ペクトルによれば約8時間である。同一条件下における
亜リン酸トリフェニル−臭素動力学的コンプレックスの
半減期は約39時間であった。すでに指摘したように、
動力学的コンプレックスの半減期(変換速度)は、溶媒
およびハロゲン化水素酸(HX)もしくは過剰の亜リン
酸トリアリールの存在によって影響され得る。従って、
例えば、動力学的コンプレックスの製造に用いる溶媒を
十分に乾燥させなかった場合には半減期が短くなり、ま
た、動力学的コンプレックスと溶媒中の水分との反応で
生成したハロゲン化水素酸は安定型への変換率を増加さ
せる。表Iは、亜リン酸トリフェニルと塩素との反応で
得られた動力学的にコントロールされた生成物およびそ
の対応する熱力学的にコントロールされた生成物の諸性
質をまとめたものである。
【0026】
【表1】
【0027】動力学的にコントロールされた生成物とは
、2つ以上の生成物が得られる反応においては、より早
く形成された生成物を意味し、その熱力学的安定性は考
慮しない。生成物が熱力学的平衡に達する前にこのよう
な反応を中止すると、より早く形成される生成物の方が
より多く存在するので、この反応は動力学的にコントロ
ールされているという。不活性有機溶媒中の亜リン酸ト
リアリールと塩素もしくは臭素との反応を含めて、いく
つかの例では、動力学的にコントロールされた生成物の
形成率と熱力学的平衡化率は、動力学的にコントロール
された生成物の相当量が熱力学的に安定な生成物に異性
化または平衡化される前に、動力学的にコントロールさ
れた生成物が形成され、使用されるような比率(反応速
度)になっている。
【0028】動力学的にコントロールされた生成物の生
成と安定性を最大にするために、初期生成物の熱力学的
平衡化のポテンシャルが最少となるように反応条件が選
択される。動力学的コントロールを最も簡単に行うには
、反応温度および動力学的生成物が形成された後のその
生成物の温度を低くすることであり、さらに、得られた
動力学的生成物を直ちに次の反応に用いることなどによ
って熱力学的平衡化が起るべき時間を最小限にすること
である。
【0029】具体的には、反応体である亜リン酸トリア
リールと塩素もしくは臭素を、実質的に無水の不活性有
機溶媒中、約30℃以下で反応させる。動力学的にコン
トロールされた生成物はもっと高温でも形成されるが、
このような条件は、熱力学的に安定な生成物への異性化
を助ける。ハロゲン化剤化合物は約30℃以下で製造す
るのが好ましい。最低反応温度は、反応溶媒の凝固点に
よって定まる。最も好ましい反応温度は約−70℃乃至
約0℃である。
【0030】亜リン酸トリアリールそのものも、塩素も
しくは臭素との動力学的反応生成物と幾分反応して、対
応する熱力学的生成物への変換率を実質的に増加させる
。従って、必須要件ではないが、動力学的化合物が形成
される間、混液中に過剰のハロゲンが存在することが好
ましい。これは、亜リン酸トリアリールを当量のハロゲ
ン溶液に加えることによって、あるいはハロゲンと亜リ
ン酸トリアリールを所望の温度において同時に一定量の
不活性有機溶媒に加えることによって実施される。
【0031】両反応体の同時添加は、反応混液に常にハ
ロゲンの色が残っているような割合で行い、亜リン酸ト
リアリールの最後の1滴でこの色を消すようにして実施
する。また、過剰のハロゲンは、アセチレン類またはア
ルケン、ジエン、シクロアルケンもしくはビシクロアル
ケンを含むオレフィン類のような公知ハロゲン捕集剤を
用いて脱色することも出来る。好ましい捕集剤はC2〜
C6アルケン(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレ
ンもしくはアミレン)である。
【0032】本発明に用いる動力学的にコントロールさ
れた亜リン酸トリアリール−ハロゲンコンプレックスは
、その溶液にpKb値が約6乃至約10の第三アミン塩
基約10乃至約100モル%を添加することによって安
定化される。例えば、塩化メチレン中で亜リン酸トリフ
ェニルと塩素との反応で得られる動力学的にコントロー
ルされた生成物の溶液に約50モル%のピリジンを加え
ると、室温で長時間放置しても、31P NMRによっ
て検定される熱力学的平衡生成物は微量である。第三ア
ミン塩基は、新しく調整した亜リン酸トリアリール−ハ
ロゲンコンプレックスの溶液に加えるか、または、必要
に応じて亜リン酸トリアリールとハロゲンとの反応混合
物に加えて、動力学的にコントロールされた生成物の安
定した溶液を得ることも出来る。
【0033】ハロゲン捕集剤   本発明の還元工程が進むにつれて、塩素もしくは臭
素(使用した亜リン酸トリアリール−ハロゲンコンプレ
ックスによる)が副生成物として得られる。このハロゲ
ン副生成物とセファロスポリン生成物との望ましくない
反応を避けるには、形成された塩素もしくは臭素と反応
させるか、あるいはこのハロゲンを不活性化させるため
にハロゲン捕集剤を用いる。本明細書に言う“ハロゲン
捕集剤”とは、塩素もしくは臭素と容易に反応し、本発
明の製法において還元剤として用いている亜リン酸トリ
アリール−ハロゲンコンプレックスとは反応しない有機
物質のことである。
【0034】本発明に用い得るハロゲン捕集剤の具体例
には、アルケン、シクロアルケン、ビシクロアルケン、
ジエン、シクロジエン、ビシクロジエン、アルキンまた
は塩素もしくは臭素と容易に電子置換し得る置換芳香族
炭化水素類(例えば、一価フェノールとエーテルおよび
一価と多価フェノールのエステル類)があげられる。こ
のようなハロゲン捕集剤の具体例には、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−
ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、異性体ノネンなどのC2〜C10アルケ
ン類;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテ
ンおよびシクロオクテンのような5〜8個の環炭素を有
するシクロアルケン類;ペンタジエン、ヘキサジエン、
ヘプタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ン、シクロオクタジエン、2,3−ジメチルブタジエン
−1,3−イソプレンなどのC4〜C8ジエン類および
5〜8個の環炭素を有するシクロジエン類;アセチレン
、メチルアセチレン、エチルアセチレン、ジメチルアセ
チレン、1−ペンチン、2−ペンチン、異性化ヘキシン
、3−メチル−1−ブチン、3,3−ジメチル−1−ブ
チンおよび塩素もしくは臭素が容易に付加し得るアセチ
レン結合を有するアセチレン類(フェニレンアセチレン
は塩素捕集剤としては不充分である)のようなC2〜C
6アルキン類;カムフェンおよびピネンのような二環の
不飽和炭化水素類;フェノールエーテル類、置換フェノ
ールエーテル類、および下記式(XVIII)で表わさ
れる低級アルカノイルフェノールエステル類がある。
【0035】
【化13】 〔式中、R’4はC1〜C4アルキルもしくはC2〜C
5アルカノイル;R’5およびR’6は独立して水素、
C1〜C4アルコキシ、C2〜C5アルカノイルもしく
はC1〜C4アルキルをそれぞれ表わす〕
【0036】このような誘導体の具体例には、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンジメチルエ
ーテル、アニソール、フェネトール、m−ジメトキシベ
ンゼン、ペラトロール、プロピオン酸フェニル、酢酸フ
ェニル、二酢酸レゾルシノール、および塩素もしくは臭
素と容易に反応する同様なフェノールエーテル類および
エステル類が含まれる。好ましいハロゲン捕集剤はC2
〜C6アルケン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレ
ン、アミレン、シクロペンテンもしくはシクロヘキセン
である。
【0037】理論的には、本発明法で還元されるスルホ
キシド1当量に対して少なくとも1モル当量のハロゲン
が生成されるので、このセファロスポリンスルホキシド
の還元においては、セファロスポリンスルホキシド出発
物質1当量に対して少なくとも1モル当量のハロゲン捕
集剤を用いる。通常は、出発物質1当量に対して約1乃
至約3モル当量のハロゲン捕集剤を用いるが、さらに過
剰量のハロゲン捕集剤を用いても還元工程に影響を及ぼ
すことはない。
【0038】本発明のハロゲン化に用いられる出発物質
の7−アシルアミノセファロスポリンおよび6−アシル
アミノペニシリンはすべて公知物質であるか、常法によ
って公知物質から製造し得るものである。本発明に用い
られるペニシリンおよびセファロスポリン化合物の製法
は、特許および化学文献に十分に記載されている。例え
ば、3−エキソメチレンセファム化合物は米国特許第3
,932,393号、同第4,052,387号、およ
び同第4,060,688号に記載されており、2−メ
チル−3−セフエム類は、Journal of th
e American Chemical Socie
ty,97,5020(1975)および98,234
2(1976)に記載されている。また、Penici
llins and Cephalosporins(
E.H.Flynn,ed.,Academic Pr
ess,New York,1972)には広範囲のペ
ニシリン類およびセファロスポリン類ならびにこれらの
製造法が記載されている。
【0039】本発明の出発物質は下記一般式で示される
【化14】 〔式中、R、R1、R7およびYは前記と同意義である
。〕この出発物質については、保護されていないアミノ
、ヒドロキシ、カルボキシまたは他のプロトン性置換基
が存在しない限り、それぞれのR、R1、YおよびR7
の性質は、本発明の重要々件ではない。本発明法の条件
下においては修飾されるのは6位あるいは7位のアミド
基である(−CONH−から
【化15】 への変換。但し、Xは塩素もしくは臭素である。)。 R、R1、R7およびYは影響を受けない。他の殆んど
の化学 的製法と同様に、生成物として得られるイミノ
ハライドもしくは核エステルの収率が、反応に用いる基
質毎に異なることは言うまでもない。
【0040】本発明方法の7−アシルアミノセファロス
ポリン出発物質は、下記式(V)で表わされる1−オキ
サデチアセフエム化合物であってもよい。
【化16】 [式中、R、R1およびR7は前記と同意義であり、M
は前記−Aもしくは−CH2Bである]。これらも公知
化合物であるか、あるいは常法によって公知化合物から
得られる化合物である。この化合物は、本発明に用い得
る対応する1−カルバーデチアセフエムおよび1−アザ
−デチアセフエムと同様に、米国特許第4,123,5
28号に開示されている。
【0041】前記各製法は、それぞれ第三アミン塩基の
存在下に実施する。具体的には、ハロゲン化剤1当量あ
たり約1.0乃至1.2当量、好ましくは約1.0当量
の第三アミン塩基を用いる。本発明の製法および後述す
るエノール−ハロゲン化/イミノ−ハロゲン化の組合せ
に好ましい第三アミン塩基のpKb値は約1乃至約10
、さらに好ましくは約6乃至約10である。本発明に用
いられる適切な第三アミン塩基の具体例には、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エ
チルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミンなどのト
リアルキルアミン類; ジメチルアニリン、ジエチルア
ニリン、N,N−ジエチル−4−メチルアニリン、N−
メチル−N−エチルアニリン、N,N−ジメチルトルイ
デンなどのジアルキルアリールアミン類; ピリジン、
コリジン、キノリン、イソキノリン、2,6−ルチジン
、2,4−ルチジン、トリエチレンジアミン、1,5−
ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)
、1,5−ジアゾビシクロ[5.4.0]−5−ウンデ
セン(DBU)、トリエチレンジアミンなどの単環およ
び二環の第三アミン類; およびジビニルベンゼンとビ
ニルピリジンから得られた共重合体のような重合性第三
アミン塩基[Halensleben and Wur
m, Angew.Chem.Intl.Ed.Eng
l.,15,163(1976)]がある。最も好まし
い第三アミン塩基はピリジンである。
【0042】セファロスポリンスルホキシド  本発明
製法の第1工程は、一般に広範囲の公知セファロスポリ
ンスルホキシド類の還元に適用出来る。対応するセファ
ロスポリン化合物に還元し得るセファロスポリンスルホ
キシド類は下記式(XII)で表わされる。
【化17】 [式中、R1、R2、R3、R’およびYは前記と同意
義である]これらの出発物質は、保護されていないアミ
ノ基もしくは非エノール性ヒドロキシ基を有しない限り
、R1、R2、R3およびYの性質は重要要件ではない
。R1、R2、R3およびYは本発明の製法によって影
響を受けない。他の殆んどの化学的製法と同様に、本製
法によるセファロスポリン生成物の収率は、セファロス
ポリン毎に異なる。
【0043】本発明の製法に用いられるスルホキシド類
については米国特許に記載されている。前記式(XII
)においてAが(C1〜C4アルコキシ)カルボニルも
しくは(C2〜C6ハロアルコキシ)カルボニルである
化合物については米国特許第3,953,436号に開
示されている(Spry)。また、3−ヒドロキシ−3
−セフエムスルホキシド類および3−エキソメチレンセ
フエムスルホキシド類については米国特許第3,917
,587号(Chauvette)および同第4,05
2,387号(Kukolja)に記載されている。さ
らに、AがC1〜C4アルカンスルホニルオキシ、フェ
ニルもしくは置換フェニルスルホニルオキシであるスル
ホキシド類は、米国特許第3,985,737号に記載
の製法に従って製造される。2−メチル−3−セフエム
類は、Journalof the American
 Chemical Society, 97,502
0(1975)および98,2342(1976)に記
載されており、さらに、米国特許第3,647,786
号にはセファロスポリンスルホキシド類の一般的な合成
法が開示されている(Cooper)。
【0044】本発明の製法において好ましいセファロス
ポリンスルホキシド類は、前記式において、R’がカル
ボン酸保護基、R1が水素、R2が水素、R3が式:R
7CO−で表わされるアシル基(但し、式中R7はR0
−(Q)m−CQ1Q2 で表わされるアリールアルキ
ル基を表わし、R0は2−チエニル、フェニルもしくは
置換フェニル、Qは酸素原子、mは0もしくは1、Q1
およびQ2は水素である。)、そしてYが
【化18】 で表わされる二価のラジカル(式中、Aは前記と同意義
である。)をそれぞれ表わす場合である。
【0045】セファロスポリンカルボン酸を用いて本発
明を実施すると、動力学的コンプレックスはスルホキシ
ドと反応するだけではなく、カルボキシとも反応して、
通常の単離工程では酸に加水分解される酸ハライドを形
成するので、収率は低下する。セファロスポリンスルホ
キシドの4−カルボキシ基は、本発明によって還元する
前に保護しておくのが好ましい。セファロスポリンスル
ホキシド酸を用いた場合に、還元生成物の収率を増加さ
せるには、さらに1当量の動力学的コンプレックスを用
いることが出来る。混液を水溶液で処理すると、対応す
るセファロスポリン酸が単離される。
【0046】前記定義中の“保護されたアミノ”とは、
通常用いられるアミノ保護基、例えば、t−ブトキシカ
ルボニル(t−BOC)、ベンジルオキシカルボニル、
4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニル、またはアセト酢酸メチルで形成された
1−カルボメトキシ−2−プロペニルで置換されたアミ
ノ基を意味する。J.W.Barton著 “Prot
ective Groups in Organic 
Chemistry”(J.F.W.McOmie編,
 PlenumPress, New York, N
.Y.,1973)第2章に記載のアミノ保護基も適す
る。
【0047】“保護されたヒドロキシ”とは、ホルミル
オキシ、クロロアセトキシ、ベンジルオキシ、ベンズヒ
ドリルオキシ、トリチルオキシ、4−ニトロベンズヒド
リルオキシ、トリメチルシリルオキシ、フェナシルオキ
シ、t−ブトキシ、メトキシメトキシ、テトラヒドロピ
ラニルオキシなどのヒドロキシ基で形成された、容易に
開裂し得る基を意味する。他の保護ヒドロキシ基、例え
ばC.B.Reese著、Protective Gr
oups in Organic Chemistry
(同上)第3章に記載の基も、本明細書で言う “保護
ヒドロキシ” に含まれる。
【0048】“カルボン酸保護基”とは、化合物の他の
官能基が反応する間、カルボン酸の官能性を阻止あるい
は保護するのに用いられる通常のカルボン酸保護基を意
味する。このようなカルボン酸保護基の特徴は、加水分
解あるいは加水素分解によって対応するカルボン酸に容
易に開裂し得る点にある。カルボン酸エステル保護基の
具体例には、メチル、t−ブチル、ベンジル、4−メト
キシベンジル、C2〜C6アルカノイルオキシメチル、
2−ヨードエチル、4−ニトロベンジル、ジフェニルメ
チル(ベンズヒドリル)、フェナシル、4−ハロフェナ
シル、ジメチルアリル、2,2,2−トリクロロエチル
、トリ(C1〜C3アルキル)シリル、スクシンイミド
メチルおよび同様なエステル形成基が含まれる。
【0049】これらの保護基はカルボキシをエステルと
して保護するに加えて、第三アミン塩基の存在下にアセ
チルクロリド、プロピオニルクロリド、イソブチリルク
ロリドなどの酸クロリド類と混合無水物を形成して保護
することもある。他の公知カルボキシ保護基、例えば、
E.Haslam著 “Protective Gro
ups in OrganicChemistry” 
(同上)第5章に記載の基も本明細書で言うカルボキシ
保護基として適する。このようなエステル形成基の性質
は重要要件ではない。
【0050】前記定義において記載したヒドロキシ、ア
ミノおよびカルボキシ保護基はすべてではない。このよ
うな保護基の機能は、本発明が実施される間、反応性の
基を保護し、後の段階で、他の分子に影響を及ぼすこと
なく除去し得る点にある。この分野では多くの保護基が
知られており、本明細書に記載しなかった他の保護基も
、本発明に用いる基質に適用出来る。
【0051】亜リン酸トリフェニル−ハロゲンコンプレ
ックス(Z=水素)は、本発明のハロゲン化において好
ましいハロゲン化剤であり、最も好ましいのは亜リン酸
トリフェニル−塩素動力学的コンプレックスである。エ
ノール−ハロゲン化の場合に最も良い結果が得られるの
は、エノール基質1当量に対して約1.1乃至約1.2
当量のハロゲン化剤を用いた場合である。エノール−ハ
ロゲン化/イミノ−ハロゲン化の場合には、エノール基
質1当量に対して約2.2乃至約2.4当量、最も好ま
しくは約2.3当量のハロゲン化剤化合物を用いる。
【0052】反応条件   本発明のハロゲン化工程は約0℃以下で実施するの
が好ましい。より好ましい反応温度は約−10℃以下で
ある。本発明は、一般に約−70℃以下では実施しない
。 最も好ましい反応温度は約−10℃乃至約−70℃であ
る。利点はないが、本発明のクロル化を30℃以上また
は−70℃以下で実施してもさしつかえない。反応媒質
の凝固点および基質の溶解度が低温における条件限定要
因であるが、高温の選択における主要因子は熱力学的に
不安定なハロゲン化剤の機能である。ハロゲン化剤を溶
液中で前記第三アミン塩基で安定化させてある場合には
、高温域における本発明の実施は殆んど問題がなくなり
、ハロゲン化剤を著しく消費することもハロゲン化工程
を阻害することもなく、容易に高温で実施し得る。
【0053】上記イミノハライドを形成する反応は、通
常約30℃以下、好ましくは約0℃以下、最も好ましく
は約−10℃以下で実施する。本工程は一般に約−70
℃以下では実施しない。最も好ましい温度範囲は約−1
0℃乃至約−70℃である。
【0054】本発明を30℃以上または−70℃以下で
実施してもさしつかえない。反応媒質の凝固点および基
質の溶解度が低温における条件限定要因であるが、高温
の選択における主要因子は熱力学的に不安定なハロゲン
化剤およびイミノハライド生成物の機能である。前述の
ように、ハロゲン化剤を溶液中、第三アミン塩基で安定
化させると、温度の上限はそれほど重要な要因ではなく
なり、ハロゲン化剤の相当量を損失することも、ハロゲ
ン化に影響を及ぼすこともなく、高温で反応を実施する
ことが出来る。
【0055】本発明の還元工程は、実質的に不活性な有
機溶媒中で実施される。このような溶媒に関する記載と
その具体例については亜リン酸トリアリール−ハロゲン
コンプレックスのところで示した。この製法に好ましい
溶媒は炭化水素類、特に芳香族炭化水素類およびハロゲ
ン化炭化水素類である。クロロホルム以外のハロゲン化
炭化水素類が好ましく、最も好ましいのは塩化メチレン
である。
【0056】具体的には一般に約30℃以下、好ましく
は約10℃以下で実施する。この反応は約−50℃以下
では実施しない。最も好ましい温度範囲は約0℃乃至約
−30℃である。
【0057】本発明の還元工程を約30℃以上または−
50℃以下で実施してもさしつかえない。反応媒質の凝
固点、基質の溶解度および反応速度が低温における条件
限定要因であるが、高温の選択を回避すべき原因となる
因子は熱力学的に不安定な亜リン酸トリアリール−ハロ
ゲンコンプレックスとセファロスポリン生成物の安定性
である。亜リン酸トリアリール−ハロゲンコンプレック
スを前述のように、溶液中で第三アミン塩基で安定化さ
せると高温はそれほど重要な因子ではなくなり、還元剤
の相当量を損失することも、還元に影響を及ぼすことも
なく、容易に高温で反応を実施し得る。
【0058】本発明の還元工程は、具体的には、固体も
しくは溶液としてのセファロスポリンスルホキシドを、
不活性有機溶媒中、所望の温度において、亜リン酸トリ
アリール−ハロゲンコンプレックス(スルホキシド1当
量に対して約1乃至約1.3モル当量)とハロゲン捕集
剤(スルホキシド1当量に対して約1乃至約3モル当量
)とを混液に加えることによって実施される。この反応
は、例えば、薄層クロマトグラフィーで追跡することが
出来る。還元は、好ましい反応条件下においては約30
分乃至約2時間で通常完了する。セファロスポリン生成
物の単離精製は、抽出、結晶化、再結晶、濾過および摩
砕を含む通常の実験室手法で実施される。セファロスポ
リン生成物は公知化合物であって、保護基を脱離すると
抗生物質として、あるいは他のセファロスポリン化合物
の中間体として有用である。
【0059】本発明において還元剤として用いられてい
る亜リン酸トリアリール−ハロゲンコンプレックスは強
力なハロゲン化剤でもある。このコンプレックスは塩基
の存在下に、エノール性ヒドロキシ基を対応するビニル
クロリドに、また、アミド基を対応するイミノハライド
に変換し得る。亜リン酸トリアリール−ハロゲン動力学
的コンプレックスの多様反応性は、本発明の各具体例に
おいて利用している。従って、本発明は、セファロスポ
リンスルホキシドの還元/ハロゲン化の工程をも包含し
得る。本発明のこのような一面については以下の反応図
I〜IIIに示されている。
【0060】反応図I:   還元/エノール−ハロゲ
ン化
【化19】
【0061】反応図II:   還元/イミノ−ハロゲ
ン化
【化20】
【0062】反応図III:   還元/エノール−ハ
ロゲン化/イミノ−ハロゲン化
【化21】 [式中、Rはカルボキシ保護基を表わし、R1、R2、
R3、R7、XおよびYは前記と同意義である。但し、
Yが
【化22】 である場合、Aはヒドロキシではない。
【0063】反応図IIおよびIIIに示されているイ
ミノハライド生成物は単離し得るし、あるいは公知の手
法(イミノエーテルを経たアルコーリシス)によって対
応する核エステルに変換し得る。
【化23】
【0064】反応図Iの還元/エノール−ハロゲン化に
おいては、3−ヒドロキシセファロスポリンスルホキシ
ドを、実質的に無水の不活性有機溶媒中、約30℃以下
において、少なくとも1モル当量の捕集剤の存在下に約
2乃至約3当量の亜リン酸トリアリール−ハロゲン動力
学的コンプレックスと反応させて3−ハロセファロスポ
リンを製造する。
【0065】本発明工程の一例を示す反応図IIにおい
ては、7−アシルアミノセファロスポリンスルホキシド
を、実質的に無水の不活性有機溶媒中、約30℃以下に
おいて、少なくとも1当量のハロゲン捕集剤と約1.0
乃至約2.0当量の第三アミン塩基の存在下に、約2乃
至約3の亜リン酸トリアリール−ハロゲン動力学的コン
プレックスと反応させてセファロスポリンイミノハライ
ドを製造する。
【0066】反応図IIIは本発明工程の好ましい一例
を示すものであって、7−アシルアミノ−3−ヒドロキ
シセファロスポリン・スルホキシドを、実質的に無水の
不活性有機溶媒中、約30℃以下の温度において、少な
くとも1当量のハロゲン捕集剤と約2乃至約5当量の第
三アミン塩基の存在下に、約3乃至約5当量の亜リン酸
トリアリール−ハロゲンコンプレックスと反応させるこ
とによって3−ハロセファロスポリンイミノハライドを
製造している。反応図IIIに示した製法で最も良い結
果が得られるのは、溶媒として塩化メチレンを用い、ま
た、7−アシルアミノ−3−ヒドロキシセファロスポリ
ンスルホキシド出発物質1当量に対して約4.4当量の
亜リン酸トリフェニル−塩素動力学的コンプレックスと
約3.8当量のピリジンを用いた場合である。
【0067】反応図I〜IIIに示した多効果/一段階
工程は、亜リン酸トリアリール−ハロゲンコンプレック
スを用いて実施したセファロスポリンスルホキシドの一
般的な還元法の場合と同じ反応条件下に実施する。(1
)セファロスポリンスルホキシドの特定の構造的条件、
(2)反応図IIおよびIIIに示した製法における第
三アミン塩基の存在要件、および(3)個々の多変換工
程に対する独特な化学量論的条件を除けば、反応図I〜
IIIに示した多変換工程の諸要件はすべて、本発明の
基本製法の要件と同じである。これらの要件には、温度
範囲、溶媒、亜リン酸トリアリール−ハロゲン動力学的
コンプレックス、ハロゲン捕集剤およびその選択が含ま
れている。
【0068】上記の工程によって得られるセファロスポ
リン生成物は、例えば、抽出、結晶、再結晶および摩砕
など、通常の実験室手法によって単離精製される。イミ
ノハライド生成物は酸触媒によるアルコーリシスもしく
は加水分解に対して感受性を示し、さらに求核性攻撃に
も感受性を示すことから、生成物を単離する際には、こ
のようなイミノハライドの反応が生じる反応条件を避け
る注意が必要である。例えば、プロピレンオキシドのよ
うな非求核性酸捕集剤の濃度を一定に保つことによって
中性の条件を保持すると、イミノハライドの溶液を水お
よび食塩水で洗浄して減圧下に蒸発させて、実質的に純
粋な生成物を得ることが出来る。
【0069】第1の工程で得られるイミノハライド生成
物は対応する7−アミノセファロスポリン類への中間体
であるので、本発明の製法においては第2工程として得
られたイミノハライド生成物を還元/ハロゲン化反応の
混液から単離しないで、好ましくはそのまま過剰のC1
〜C15脂肪族アルコールと、より好ましくはβ−ジ置
換第一級脂肪族アルコールまたは1,2−もしくは1,
3−ジオールと反応させて対応する核エステルに変換す
る。
【0070】β−ジ置換脂肪族アルコールおよび1,2
−もしくは1,3−ジオールを用いて、セフエムイミノ
ハライドをイミノエーテル中間体を経てセフエム核エス
テルに変換する改良アルコーリシスについては米国特許
第3,845,043号に開示されている。
【0071】イミノエーテル化およびそれに続くイミノ
ハライド生成物のアルコーリシスには、C4〜C12β
−ジ置換第一級脂肪族アルコール、C3〜C15脂肪族
1,3−ジオールまたはC2〜C12脂肪族1,2−ジ
オールが好ましい。
【0072】β−ジ置換第一級脂肪族アルコールとして
は、式:
【化24】 [式中、RXおよびRYはβ−ジ置換第一級脂肪族アル
コールの炭素数が4乃至約12個となるようなアルキル
基を表わす。また、RXとRYは互いに隣接する炭素原
子と一体となってC5〜C8シクロアルキル基を形成す
ることもある。]で表わされる化合物が適する。
【0073】このようなアルコール類の具体例としては
イソブタノール、2−メチルブタノール、2−エチルブ
タノール、2−エチルヘキサノール、ヒドロキシメチル
シクロペンタン、ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2
−ブチルオクタノール、2−プロピルヘキサノールなど
が挙げられる。1,2−もしくは1,3−ジオール類と
しては下記式のものが適する。
【化25】 [式中、RcおよびRdは水素または1,2−ジオール
の炭素数が2乃至12個となるようなアルキル; Rw
およびRzは各々水素、メチルもしくはエチル; Re
およびRfは水素または1,3−ジオールの炭素数が3
乃至15個となるような炭化水素基をそれぞれ表わす]
【0074】1,2−ジオール類の具体例には1,2−
プロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,
2−ブタンジオール、3,4−ペンタンジオールおよび
3,4−ヘキサンジオールが、また、1,3−ジオール
類の具体例には1,3−プロパンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル
−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオー
ルおよび2,2−ジフェニル−1,3−プロパンジオー
ルが含まれる。イミノハライド生成物の開裂に最も好ま
しいアルコールもしくはジオールはイソブタノール、1
,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオー
ルである。
【0075】本発明においては、イミノハライド生成物
の開裂に過剰のアルコールまたはジオールを用いる。こ
のアルコールまたはジオールの過剰量は重要要件ではな
いが、前記1,2−もしくは1,3−ジオールを用いる
場合には約2〜3倍過剰で充分である。また、β−ジ置
換第一級脂肪族アルコールを用いる場合には、約3〜6
倍の過剰量が一般に好ましい。アルコールもしくはジオ
ールはさらに過剰に用いても反応に影響を及ぼさないの
で、しばしば10〜15倍、一般には3〜15倍過剰に
用いられる。イミノハライドの開裂に前記以外の脂肪族
アルコールを用いる場合には、さらに過剰、具体的には
10〜100倍過剰に用いる。このアルコールもしくは
ジオールは本発明に従って得られたイミノクロリドが含
まれるハロゲン化反応混液に加えるだけである。
【0076】イミノエーテルの形成を経たイミノハライ
ドのアルコーリシスは酸触媒で実施する。ハロゲン化反
応混液は一般に十分酸性であるので、混液に酸を加えな
くてもアルコールもしくはジオールの添加によってアル
コーリシスがおこる。しかしながら、アルコーリシス率
を高め、それ故に核エステルの形成率を高めるには、混
液を、例えば、アルコールもしくはジオールの添加後に
塩化水素を加えることによって酸性化するのが好ましい
。これは塩化水素を混液に短時間導通することによって
達成される。しかし、他の有機および無機酸を用いるこ
とも出来る。具体的には少なくとも約1当量の塩化水素
を導通して核エステルの形成を促進させる。
【0077】生成物の核エステルは、濾取するだけで結
晶性の塩酸塩として単離することが出来る。前記製法に
従って製造した非結晶性の核エステルは、通常の実験室
手法によって混液から単離される。また、この核エステ
ルは単離せずに溶液中に反応(アシル化)させることが
出来る。公知の手法を用いて核エステルをアシル化する
と7−アシルアミノセファロスポリンエステルが得られ
、そのまま次の化学修飾に用いる中間体として使用して
もよいし、脱エステル化して公知抗生物質としてもよい
【0078】前記還元/エノール・イミノハロゲン化(
反応図III)を、亜リン酸トリアリール−塩素コンプ
レックスを用いて得られたイミノクロリドのアルコーリ
シス工程と組合わせると、対応する7−アシルアミノ−
3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボン酸スルホ
キシドから7−アミノ−3−クロロ−3−セフエム−4
−カルボン酸エステルを製造する改良法が得られる。先
行技術においては、この変換は3工程、即ち、還元、ク
ロル化および側鎖の開裂、あるいは2工程、即ち、還元
とクロロ化を組合わせて次に側鎖を開裂させるか(米国
特許第3,115,643号参照)、もしくはスルホキ
シドを還元した後にクロル化と側鎖の開裂を組合わせて
(米国特許第4,044,002号参照)実施されてい
る。本発明により、還元、クロル化および開裂は中間体
を単離せずに、一工程で実施することが出来、生成物が
高収率で得られる。
【0079】3−ハロセフエム核エステルは公知化合物
であって通常のアシル化技術によってアシル化され、既
知抗生物質に脱エステル化し得る。特に重要であるのは
、比較的新規で臨床的にも重要な抗生物質である7−(
D−2−フェニル−2−アミノアセトアミド)−3−ク
ロロ−3−セフエム−4−カルボン酸の製法におけるこ
の核エステル中間体の有用性である。
【0080】本発明の好ましい一例を示すと、式:
【化
26】 で表わされる7−アミノ−3−クロロ−3−セフエム−
4−カルボン酸エステル・塩酸塩は、 (a) 亜リン酸トリフェニルと塩素の当量を、実質的
に無水の不活性有機溶媒中で反応させて得られた動力学
的にコントロールされた生成物約4.0乃至約5.0当
量を、実質的に無水の不活性有機溶媒中、約−10℃乃
至約−30℃において、約3.5乃至約4.0当量のピ
リジンと約1乃至約3当量のC2〜C6アルケンの存在
下に7−アシルアミノ−3−ヒドロキシ−3−セフエム
−4−カルボン酸エステルスルホキシドと反応させ;(
b) 3−クロロ−3−セフエムイミノクロリドの形成
が完了したならば約3乃至約15当量のイソブタノール
、1,3−プロパンジオールもしくは1,2−プロパン
ジオールを加え; そして (c) 混液を塩酸で酸性化して 製造される。最も好ましい不活性有機溶媒は塩化メチレ
ンである。
【0081】3−ヒドロキシ−3−セフエムスルホキシ
ド基質としては、7位に通常のペニシリンおよびセファ
ロスポリンカルボキシアミド基を有するものが好ましい
。特に好ましい3−ヒドロキシ−3−セフエムスルホキ
シド類は、 式:  R0−(Q)m−CQ1Q2CONH−[式中
、R0は2−チエニル、フェニルまたは置換フェニル、
Qは酸素原子、mは0もしくは1、Q1およびQ2は独
立して水素をそれぞれ表わす。]で表わされるアシルア
ミノ基を有する化合物である。
【0082】反応性からは必要ではないが、経済的理由
から好ましいのは7−置換フェニルアセトアミド、フェ
ノキシアセトアミドおよび2−チエニルアセトアミドで
ある。同様に、生成物の塩酸塩の結晶性性質、および、
それ故に高純度の核エステルを容易に単離し得ることか
ら、この好ましい製法例におけるカルボキシ保護基とし
ては4−ニトロベンジル基が好ましい。
【0083】
【0084】以下の実施例は本発明をさらに詳述するも
のであるが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例において、核磁気共鳴スペクト
ルはNMRと省略し、その化学シフトはδ値(ppm単
位)で示し、結合定数Jは1秒あたりの振動数(Hz)
で示した。NMRスペクトルは、テトラメチルシランを
標準物質として用いて、Varian Associa
tes T−60スペクトロメーターで測定した。
【0085】実施例1 4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ−2−フェ
ニルエチリデン)イミノ−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレート   −15℃において塩素を塩化メチレン50mlに導
通すると同時に亜リン酸トリフェニル(TPP)3.2
ml(12.3mmol)を滴下した。塩素とTPPの
添加速度は、両者を添加する間、混液に塩素の淡黄色が
認められる割合とした。TPP添加終了間際に塩素の添
加を停止した。 次に黄色の混液が脱色されるまでTPPを加えた。さら
に塩素を導通し、最後の1滴で混液が脱色されるように
残りのTPPを加えた。
【0086】得られた亜リン酸トリフェニル−塩素動力
学的コンプレックス(TPP−C)の溶液に、−15℃
において4’−ニトロベンジル  7−フェニルアセト
アミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート4.68g(10mmol)を加え、さらにピリジ
ン1.01ml(12.5mmol)を含む塩化メチレ
ン4mlを12分間にわたって滴下した。混液を−10
℃乃至−15℃においてさらに15分間撹拌し、プロピ
レンオキシド2.1mlを加えた。冷却浴を取り除き、
混液をさらに15分間撹拌すると温度は約0℃に上昇し
た。混液を水25mlで洗浄し、塩化カルシウム・2水
和物で乾燥して減圧下に蒸発に付すと、シロップ状物質
が得られ、結晶化した。得られた生成物は、プロピレン
オキシド6滴を含むジエチルエーテル25mlの存在下
に粉末化して濾取し、エーテルで洗浄して室温において
減圧乾燥すると標記化合物4.58g(94.2%)が
白色の結晶として得られた。融点132〜133℃
【0087】NMR(CDCl3, ピリジンd−5)
δ  2.18(s,3)、3.37(ABq,2,J
=16Hz)、3.96(s,2)、5.05(d,1
,J=5Hz)、5.37(s,2)、5.5(d,1
,J=5Hz)、7.3(s,5,ArH)、7.4〜
8.4(m,4,ArH)。 元素分析  C23H20N3O5SCl  計算値:
C,56.35;H,4.15;N,8.65;S,6
.60;Cl,7.30  実験値:C,56.60;
H,4.25;N,8.83;S,6.49;Cl,7
.07
【0088】実施例2 2’,2’,2’−トリクロロエチル  6−(1−ク
ロロ−2−フェニルエチリデン)イミノペニシラネート
  実施例1に記載の製法に従って、亜リン酸トリフェ
ニル−塩素コンプレックス(約12.3mmol)およ
び塩化メチレン45mlから成る溶液を調製し、−30
℃において2’,2’,2’−トリクロロエチル  6
−フェニルアセトアミドペニシラネート4.66g(1
0mmol)を加え、さらに塩化メチレン5mlを用い
てペニシリンエステルを混液に流し入れた。この溶液に
、ピリジン,1.01ml(12.5mmol)を含む
塩化メチレン4mlを20分間にわたって滴下し、混液
を−20℃乃至−30℃で約15分間撹拌した後にプロ
ピレンオキシド2.1mlを加えて塩化水素および過剰
のクロル化剤を分解した。
【0089】混液を、15分間を要して約0℃に暖め、
氷水25mlで洗浄して塩化カルシウム・2水和物で乾
燥した。この溶液を減圧下に蒸発に付すと油状物質11
gが得られ、ジエチルエーテル約1mlを加えると結晶
化した。さらにプロピレンオキシド4滴を含むジエチル
エーテル25mlを加えて室温で5分間撹拌し、白色の
結晶性物質に濾取してジエチルエーテル25mlで洗浄
し、室温において減圧乾燥すると標記化合物2.52g
が得られた。融点84〜85.5℃。濾液を減圧下に1
2gのスラリーに濃縮し、エーテル/ヘキサン(1:1
)20mlで希釈して標記化合物をさらに1.06g得
た。総収量74%
【0090】NMR(CCl4) δ  1.56(s,3)、1.68(s,3)、3.
96(s,2)、4.57(s,1)、4.8(s,2
)、5.3(d,1,J=4Hz)、3.93(d,1
,J=4Hz)、7.3(s,5)。 元素分析  C18H18N2O3SCl4  計算値
: C44.65;H,3.75;N,5.78;S,
6.62;Cl,29.29  実験値: C44.7
6;H,3.84;N,5.90;S,6.71;Cl
,29.06
【0091】実施例3 4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ−2−フェ
ノキシエチリデン)イミノ−3−クロロ−3−セフエム
−4−カルボキシレート   実施例1に記載の製法に従って、亜リン酸トリフェ
ニル−塩素コンプレックス(約12.3mmol)と塩
化メチレン45mlから成る溶液を調製し、−15℃に
おいて4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセト
アミド−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート5.04g(10mmol)を、塩化メチレン5m
lを用いて溶液に流し入れた。直ちにピリジン1.01
ml(12.5mmol)を含む塩化メチレン4mlを
15分間にわたって滴下し、−10℃乃至−15℃でさ
らに15分間撹拌した後にプロピレンオキシド2.1m
lを加えた。冷却浴を取り除き、15分間で温度を約0
℃に昇温し、氷水25mlで洗浄して塩化カルシウム・
2水和物で乾燥し、減圧下に濃縮してシロップ状物質約
20gを得た。
【0092】この残渣にジエチルエーテル約50mlを
加えても結晶は認められなかった。エーテルを残渣から
デカンテーションし、残渣を減圧乾燥して濃厚な油状物
質11gを得た。この残渣は各50mlのエーテル/ヘ
キサン(1:1)で3回洗浄した。得られた濃厚油状物
質をジエチルエーテル25mlで摩砕し、結晶化した生
成物を濾取してエーテルで洗浄し、室温で減圧乾燥する
と標記化合物3.58g(68.6%)が淡い着色した
結晶として得られた。融点94〜97℃。
【0093】NMR(CDCl3, ピリジンd−5)
δ  3.56(ABq,2,J=18Hz)、4.8
(s,2)、5.13(d,1,J=5Hz)、5.3
(s,2)、5.53(bd,1,J=5Hz)、6.
8〜8.3(m,9)。 元素分析  C22H17N3O6SCl2  計算値
:C,50.59;H,3.28;N,8.04;S,
6.14;Cl,13.57  実験値:C,50.3
2;H,3.36;N,8.20;S,5.92;Cl
,13.57
【0094】実施例4 4’−ニトロベンジル  6−(1−クロロ−2−フェ
ノキシエチリデン)イミノペニシラネート   4’−ニトロベンジル  6−フェノキシアセトア
ミドペニシラネート9.71g(20mmol)および
塩化メチレン75mlから成る溶液を約15分間、塩化
カルシウム・2水和物で乾燥した。溶液を濾過して約4
0mlに濃縮し、TPP−C溶液への添加用とした。実
施例1に記載の製法に従って亜リン酸トリフェニル−塩
素コンプレックス(約24.3mmol)および塩化メ
チレン約50mlから成る溶液を−15℃乃至−20℃
で調製した。TPP−C溶液を−40℃に冷却し、上記
ペニシリンエステル溶液を加えると混液の温度は約−2
2℃に昇温した。ピリジン2.02ml(25mmol
)を含む塩化メチレン8mlを−20℃乃至−30℃に
おいて15分間にわたって滴下し、約15分間撹拌した
後にプロピレンオキシド4.2ml(60mmol)を
加えた。
【0095】混液を約15分間で0℃に暖め、氷水50
mlで速やかに洗浄して塩化カルシウム・2水和物で乾
燥した。乾燥した溶液を濾過し、減圧下に約27gに濃
縮した。次にエーテル50mlおよび四塩化炭素20m
l(2回)を順次加え、得られた溶液はその都度減圧下
に留去して油状物質とした。核磁気共鳴スペクトルによ
れば、この粗製生成物は亜リン酸トリフェニルを含む標
記化合物であった。 NMR(CDCl3) δ  1.33(s,3)、1.46(s,3)、4.
46(s,1)、4.8(s,2)、5.2(s,2)
、5.3(d,1,J=4Hz)、5.57(d,1,
J=4Hz)、6.7〜8.3(m,9)。
【0096】実施例5 4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ−2−フェ
ノキシエチリデン)イミノ−3−アセトキシ−3−セフ
エム−4−カルボキシレート   塩化メチレン45mlを−10℃に冷却し、亜リン
酸トリフェニル3.16ml(12mmol)を滴下す
ると同時に塩素を導通した。この同時添加は、亜リン酸
エステルの最後の1滴で脱色されるまでは、混液が常に
淡黄色(塩素が過剰)であるように調製した。この溶液
に、塩化メチレン5mlを用いて4’−ニトロベンジル
  7−フェノキシアセトアミド−3−アセトキシ−3
−セフエム−4−カルボキシレート5.28g(10m
mol)を流し込んだ。さらにピリジン1.01ml(
12.5mmol)を含む塩化メチレン5mlを−10
℃において15分間にわたって滴下した。
【0097】これを−10℃でさらに15分間撹拌した
後にプロピレンオキシド2.1ml(30mmol)を
加えた。 混液を0℃において10分間撹拌した後に氷水50ml
で洗浄し、塩化カルシウムで乾燥して減圧下に蒸発に付
した。得られた油状物質はエーテルから結晶化しなかっ
た。残渣から減圧下に溶媒を完全に留去し、四塩化炭素
25mlを加えて再び蒸発乾固した。NMRスペクトル
によれば、この末精製生成物は標記イミノクロリドであ
った。 NMR(CDCl3) δ  2.06(s,3)、3.41(ABq,2,J
=18Hz)、4.83(s,2)、5.05(d,1
,J=5Hz)、5.28(s,2)、5.56(bd
,1,J=5Hz)、6.8〜8.3(m,ArH)。
【0098】実施例6 4’−ニトロベンジル  7−[1−クロロ−2−(2
−チエニル)エチリデン]イミノ−3−メチル−3−セ
フエム−4−カルボキシレート   実施例1に記載の製法に従って亜リン酸トリフェニ
ル−塩素コンプレックス(約12mmol)と塩化メチ
レン45mlから成る溶液を調製し、塩化メチレン5m
lを用いて4’−ニトロベンジル  7−(2−チエニ
ルアセトアミド)−3−メチル−3−セフエム−4−カ
ルボキシレート4.74g(10mmol)を−10℃
において流し込んだ。 5分後にピリジン1.01ml(12.5mmol)を
含む塩化メチレン5mlを20〜30分間にわたって滴
下し、−10℃で約30分間撹拌した後に室温まで暖め
、約2時間撹拌した。
【0099】この混液にプロピレンオキシド2.1ml
(30mmol)を加え、10分後に混液を氷水50m
lで洗浄し、塩化カルシウム・2水和物で乾燥して減圧
下に蒸発に付した。得られた油状物質に塩化メチレン−
エーテル(1:1)を加えて結晶化させ、標記化合物2
.03g(41.3%)を濾取した。融点129〜13
2℃。濾液を蒸発に付すと、さらに1.95g(39.
6%)の標記化合物が得られた。総収率80.9%。 NMR(CDCl3) δ  2.16(s,3)、3.33(ABq,2,J
=18Hz)、4.16(s,2)、5.03(d,1
,J=4Hz)、5.33(s,2)、5.5(bd,
1,J=4Hz)、6.8〜8.4(m,ArH)。 元素分析  C21H18N3O5S2Cl  計算値
:C,51.27;H,3.69;N,8.54;S,
13.03  実験値:C,51.30;H,3.72
;N,8.31;S,12.91
【0100】実施例7 4’−ニトロベンジル  7−(α−クロロベンジリデ
ン)イミノ−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキ
シレート   実施例1に記載の製法に従って、亜リン酸トリフェ
ニル3.16ml(12mmol)を用いて塩化メチレ
ン45ml中で亜リン酸トリフェニル−塩素コンプレッ
クスの溶液を調製した。この溶液に、−10℃において
4’−ニトロベンジル  7−ベンズアミド−3−メチ
ル−3−セフエム−4−カルボキシレート4.14g(
10mmol)およびピリジン1.01ml(12.5
mmol)を加えた。氷浴を取り除いて0℃に加熱し、
約3分間撹拌するとイミノクロリドの結晶化が始まった
。室温において1時間放置した後に結晶を濾取してエー
テルで洗浄し、乾燥して標記化合物2.28g(48.
3%)を得た。融点175℃。濾液を塩化メチレンで希
釈して希塩酸および食塩水で順次洗浄し、塩化カルシウ
ム・2水和物で乾燥した。この溶液を減圧下に留去し、
得られた油状物質をジエチルエーテルで摩砕して濾取し
、エーテルで洗浄して乾燥すると標記化合物の二次晶1
.72g(36.4%)が得られた。総収率84.7%
【0101】NMR(CDCl3) δ  2.20(s,3)、3.43(ABq,2,J
=18Hz)、5.15(d,1,J=5Hz)、5.
37(s,2)、5.75(d,1,J=5Hz)、7
.2〜8.4(m,ArH)。 元素分析  C22H18N3O5SCl  計算値:
C,55.99;H,3.84;N,8.90;S,6
.79;Cl,7.51  実験値:C,56.16;
H,4.06;N,9.00;S,6.54;Cl,7
.67
【0102】実施例8 4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ−2−フェ
ノキシエチリデン)イミノ−3−メチル−3−セフエム
−4−カルボキシレート   実施例1に記載の製法に従って、塩化メチレン45
ml中で亜リン酸トリフェニル3.95ml(15mm
ol)および塩素を用いて亜リン酸トリフェニル−塩素
コンプレックスの溶液を調製し、塩化メチレン5mlを
用いて4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセト
アミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート4.84g(10mmol)を加えた。さらにピリ
ジン1.3ml(15.6mmol)を含む塩化メチレ
ン8mlを−10℃において30分間にわたって滴下し
た。氷浴を取り除いて混液を30分間撹拌し、プロピレ
ンオキシド2.1ml(30mmol)を加えた。10
分後に混液を氷水50mlで洗浄して塩化カルシウム・
2水和物で乾燥し、減圧下に蒸発に付し、得られた油状
物質にジエチルエーテル50mlを加えて結晶化して標
記化合物3.44g(68.6%)を濾取した。融点1
10〜111℃ NMR(CDCl3, ピリジンd−5)δ  2.1
6(s,3)、3.26(ABq,2,J=18Hz)
、4.83(s,2)、5.01(d,1,J=5Hz
)、5.28(s,2)、5.52(bd,1,J=5
Hz)、6.7〜8.2(m,ArH)。
【0103】実施例9 4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ−2−フェ
ノキシエチリデン)イミノ−3−メチレンセフアム−4
−カルボキシレート/4’−ニトロベンジル  7−ア
ミノ−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート・
塩酸塩  実施例1に記載の製法に従って亜リン酸トリ
フェニル−塩素化合物(約12.3mmol)の溶液を
調製し、4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセ
トアミド−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレー
ト4.84g(10mmol)を加え、さらにピリジン
1.01ml(12.5mmol)を含む塩化メチレン
4mlを15分間にわたって滴下した。混液を−10℃
乃至−15℃で約15分間撹拌した後にプロピレンオキ
シド2.1ml(30mmol)を加え、15分後に混
液を氷水25mlで素早く洗浄して塩化カルシウム・2
水和物で約5分間乾燥し、減圧下に蒸発に付し、得られ
た濃厚油状物質約11gを四塩化炭素25mlに溶解し
た。四塩化炭素を留去して得られた生成物のNMRスペ
クトルによれば、この生成物は亜リン酸トリフェニルを
含む標記イミノクロリドであった。 NMR(CCl4) δ  3.4(ABq,2)、4.87(s,2)、5
.30(m,3)、5.45(s,2)、6.7〜8.
4(m,ArH)。
【0104】粗製のイミノクロリドを塩化メチレン50
mlに溶解してイソブタノール5.1ml(55mmo
l)および塩化水素で処理した。混液の温度が約20℃
乃至約30℃に昇温してから冷却浴を使用した。室温で
2時間放置した後に生成物を濾取して洗浄乾燥し、4’
−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチレンセフア
ム−4−カルボキシレート・塩酸塩3.58g(92.
7%)を白色に近い結晶として得た。融点180〜18
1℃NMR(DMSO,d−6) δ  3.67(bs,2)、5.0(d,1,J=5
Hz)、5.35〜5.53(m,6)、7.6〜8.
4(m,ArH)。
【0105】実施例10 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  イソブ
タノール4.1ml(44mmol)および塩化メチレ
ン40mlから成る溶液に、25℃において、実施例1
で製造した4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ
−2−フェニルエチリデン)イミノ−3−メチル−3−
セフエム−4−カルボキシレート2.89g(8mmo
l)を加えた。 得られた溶液を緩和な速度で約1分15秒間塩化水素で
処理すると標記核エステルの塩酸塩がゼラチン状固体と
して沈澱し、直ちに結晶化して溶液をペースト状にした
【0106】撹拌効果は無かったので混液を塩化メチレ
ン40mlで希釈し、得られた希アルコリシス混液を室
温で2時間撹拌し、標記化合物2.52g(81.6%
)を濾取した。融点183.5℃。濾液を塩化水素で処
理するとさらに0.47gの標記化合物が得られた(融
点183.5℃)。このアルコリシスの合計収率は96
.8%。 NMR(DMSO  d−6) δ  2.21(s,3)、3.65(ABq,2,J
=16Hz)、5.18(q,2,J=4Hz,β−ラ
クタムH)、5.41(s,2)、7.6〜8.4(m
,ArH)。
【0107】実施例11 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  (A)
  4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトア
ミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレー
トから   亜リン酸トリフェニル2.89ml(11mmol
)および塩化メチレン50mlから成る溶液に、−15
℃において塩素を導通して亜リン酸トリフェニル−塩素
コンプレックスの溶液を調製した。この溶液に4’−ニ
トロベンジル  7−フェノキシアセトアミド−3−メ
チル−3−セフエム−4−カルボキシレート5.02g
(10mmol)およびピリジン0.85ml(11.
5mmol)を加えて−15℃乃至−10℃において1
時間撹拌し、イソブタノール6.0ml(64.8mm
ol)を加えた。冷却浴を取り除き、混液を2時間にわ
たって室温に暖めると、約15分後に標記核エステル・
塩酸塩が結晶化し、これを濾取して塩化メチレンで洗浄
し、乾燥すると標記化合物3.55g(92%)が白色
の結晶として得られた。融点189℃(分解)。
【0108】(B)  4’−ニトロベンジル  7−
ヘプタノイルアミド−3−メチル−3−セフエム−4−
カルボキシレートから   基質として4’−ニトロベンゾイル  7−ヘプタ
ノイルアミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボ
キシレート4.61g(10mmol)を用いて工程(
A)の実験操作を繰り返し、核エステル・塩酸塩6.3
2g(93.8%)を白色の結晶として得た。融点18
8.5℃(分解)。
【0109】(C)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから(テトラヒドロフラン中) 
 亜リン酸トリフェニル(11mmol)およびテトラ
ヒドロフラン(THF)から成る溶液に、−10℃にお
いて塩素を導通して亜リン酸トリフェニル−塩素コンプ
レックスの溶液を調製し、4’−ニトロベンジル  7
−フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム
−4−カルボキシレート4.84g(10mmol)を
加えた。続いてピリジン0.95ml(11mmol)
を加えて−10℃で1時間撹拌し、室温に暖めてさらに
2時間撹拌した。次にイソブタノール6.0ml(65
mmol)を加え、2時間後に結晶性の核エステル・塩
酸塩を濾取してTHFで洗浄し、乾燥した。収量3.0
3g(78.5%)。融点151〜153℃(分解)
【0110】(D)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから(アセトニトリル中)  亜
リン酸トリフェニル(約11mmol)およびアセトニ
トリル45mlから成る溶液に、−10℃において塩素
を導通して亜リン酸トリフェニル−塩素コンプレックス
の溶液を調製し、この溶液に4’−ニトロベンジル  
7−フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエ
ム−4−カルボキシレート4.84g(10mmol)
およびピリジン0.95ml(11mmol)を−10
℃において加えた。混液を−10℃で2時間撹拌した後
に氷浴を取り除き、さらに2時間撹拌した後にイソブタ
ノール6.0ml(65mmol)を加えた。結晶種を
植えて生成物を結晶化させ、1時間撹拌した後に濾取し
てアセトニトリルで洗浄し、乾燥した。収量2.55g
(66.1%)。融点184℃(分解)。
【0111】(E)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから(酢酸エチル中)   亜リン酸トリフェニル−塩素試薬の形成およびその
開裂工程の溶媒として酢酸エチルを用いた点を除いて工
程(D)の操作を繰返した。収量2.48g(64.2
%)。融点177〜179℃(分解)。
【0112】(F)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから[亜リン酸トリ(o−トリル
)−塩素コンプレックスを使用]   亜リン酸トリ(o−トリル)−塩素コンプレックス
は以下のようにして製造した。亜リン酸トリ(o−トリ
ル)3.91g(11mmol)を塩化メチレン45m
lに加えて窒素雰囲気中で−10℃に冷却し、黄色を呈
するまで塩素を導通した。次に亜リン酸トリ(o−トリ
ル)約0.5mmolを加えて溶液を脱色し、4’−ニ
トロベンジル7−フェノキシアセトアミド−3−メチル
−3−セフエム−4−カルボキシレート4.84g(1
0mmol)およびピリジン1.01ml(12.5m
mol)を加えた。冷却浴を取り除いて90分間撹拌し
、イソブタノール5.1ml(55mmol)を加えた
。混液に塩化水素を導通してからおよそ5分後に結晶化
が開始し、90分後に生成物を濾取して塩化メチレン2
5mlで洗浄し、減圧乾燥した。収量3.46g(89
.6%)。融点184℃(分解)。
【0113】(G)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから[塩基としてジビニルベンゼ
ン−ビニルピリジン共重合体を使用]   塩化メチレン50mlに、−10℃において塩素を
導通し、次に溶液が常に黄色を呈する割合で亜リン酸ト
リフェニルを滴下して亜リン酸トリフェニル−塩素動力
学的コンプレックスの溶液を調製した。亜リン酸トリフ
ェニルの滴下がほぼ完了した時点で塩素の浸漬を停止し
た。 次に溶液が脱色されるまで亜リン酸トリフェニルを加え
た。亜リン酸トリフェニルは合計3.0ml(11.4
mmol)使用した。
【0114】この溶液に4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレート5.0g(10.3mmol)を
加え、さらにジビニルベンゼン−ビニルピリジン共重合
体5.0gを加えた。冷却浴を取り除いて混液を室温で
2時間撹拌し、重合体を濾去して約20mlの塩化メチ
レンで洗浄した。濾液をイソブタノール6.0ml(6
4.8mmol)で処理して塩化水素を約2分間導通す
ると、およそ3分後に核生成物・塩酸塩の結晶化が始ま
り、それを1時間後に濾取して塩化メチレンで洗浄し、
乾燥した。核エステル・塩酸塩の収量は2.98g(7
5%)であった。融点183℃(分解)。
【0115】(H)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから[亜リン酸トリ(p−メトキ
シフェニル)−塩素コンプレックスを使用]   亜リン酸トリ(p−メトキシフェニル)−塩素コン
プレックスの溶液は以下のようにして調製した。塩化メ
チレン45mlに、−10℃乃至−20℃において亜リ
ン酸トリ(p−メトキシフェニル)4.6g(11.5
mmol)および塩化メチレン約5mlから成る溶液を
滴加し、同時に終点が無色となるように塩素を導通した
。亜リン酸試薬を全部添加した後に、さらに塩素を加え
て溶液を淡黄色に着色した。過剰の塩素による溶液の色
は、亜リン酸エステルをさらに加えなくても消えた。
【0116】得られた溶液に、塩化メチレン5mlを用
いて4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトア
ミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレー
ト4.84g(10mmol)を流し込み、次いでピリ
ジン1.01ml(12.5mmol)を含む塩化メチ
レン4mlを15分間にわたって加えた。混液を−10
℃において15分間撹拌した後にイソブタノール5.1
ml(55mmol)を加えた。塩化水素を混液に導通
し、短時間後に冷却浴を取り除いた。室温において2時
間放置した後に核エステル・塩酸塩0.89g(23%
)を濾取した。融点173〜174℃。
【0117】(I)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから[塩基としてトリエチルアミ
ンを使用]   塩化メチレン45mlに、−10℃において亜リン
酸トリフェニル3.16ml(12mmol)と同時に
塩素を導通して亜リン酸トリフェニル−塩素動力学的コ
ンプレックスの溶液を調製した。この間、溶液を淡黄色
に保った。さらに亜リン酸トリフェニル(0.5mmo
l)を加えて溶液を脱色した。得られた溶液に、塩化メ
チレン5mlを用いて4’−ニトロベンジル  7−フ
ェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−4
−カルボキシレート4.84g(10mmol)を流し
込んだ。5分後にトリエチルアミン1.8ml(13m
mol)を含む塩化メチレン8mlを15分間にわたっ
て加えた。混液を−10℃において15分間撹拌した後
に冷却浴を取り除き、イソブタノール5.1ml(55
mmol)を加えた。次に塩化水素を約3分間導通し、
結晶種を植えて室温に暖めた。2時間後に標記核エステ
ル・塩酸塩1.28g(33.2%)を濾取した。融点
180.5℃(分解)。
【0118】(J)  4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セフエム−
4−カルボキシレートから[塩基としてDBUを使用]
  トリエチルアミン塩基の代わりに1,5−ジアザビ
シクロ[5.4.0]−5−ウンデセン(DBU)1.
95ml(13mmol)を用いて工程(I)の操作を
くり返して核エステル・塩酸塩0.59g(15.3%
)を得た。融点181℃(分解)
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】実施例12 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メトキシ−
3−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  亜リ
ン酸トリフェニル0.4ml(1.5mmol)および
塩化メチレン10mlから成る溶液を撹拌し、溶液が黄
緑色を呈するまで塩素を−10℃において導通した。亜
リン酸トリフェニルを少量滴加すると溶液は完全に脱色
された。得られた溶液に4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−メトキシ−3−セフエム
−4−カルボキシレート0.5g(1mmol)、さら
にピリジン0.12ml(1.5mmol)を加えた。 冷却浴を取り除いて混液を室温で1.5時間撹拌し、イ
ソブタノール0.6ml(6.4mmol)を加えると
、5分以内に標記核・塩酸塩の結晶化が始まった。1.
5時間後に標記化合物0.3g(75%)を灰白色の結
晶として濾取した。融点185℃(分解)。
【0123】NMR(DMSO  d−6)δ  3.
92(bs,2),4.0(s,3),5.02(d,
1,J=5Hz),5.32(d,1,J=5Hz),
5.45(s,2),7.6〜8.4(m,ArH)。 元素分析  C15H16N3O6SCl    計算
値:C,44.84;H,4.01;N,10.46;
Cl,8.82;            S,7.9
8    実験値:C,44.69;H,4.17;N
,10.34;Cl,9.05;          
  S,7.77
【0124】実施例13 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチレンセ
フアム−4−カルボキシレート・塩酸塩   4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトア
ミド−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート・
1−オキシド5.02g(10mmol)、アミレン2
.4ml(22.5mmol)および塩化メチレン50
mlから成る溶液に、15℃においてアセチルブロミド
1.67ml(22.5mmol)を10分間にわたっ
て滴下した。混液を0℃に冷却して氷水25mlを加え
、30分間撹拌した。塩化メチレン層を分離して各25
mlの水および稀食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥して減圧下に25mlに濃縮した。
【0125】亜リン酸トリフェニル2.89ml(11
mmol)および塩化メチレン25mlから成る溶液に
、溶液が黄色を呈するまで−10℃において塩素を導通
して亜リン酸トリフェニル−塩素動力学的コンプレック
スの溶液を調製し、さらに亜リン酸トリフェニル0.1
2ml(0.46mmol)を加えて溶液を脱色した。 得られた溶液に、−10℃において前記濃縮液を加えた
。次にピリジン0.93ml(11.5mmol)を加
えて氷浴を取り除き、混液を室温に暖めた。1時間後に
イソブタノール5.1ml(55mmol)を加えると
約10分後に結晶化が始まった。混液を室温で90分間
撹拌した後に標記核エステル・塩酸塩3.17g(82
.1%)を濾取した。融点182℃(分解)NMR(D
MSO  d−6) δ  3.6(bs,2),4.95(d,2,J=5
Hz),5.33〜5.7(m,6),7.6〜8.4
(m,Ar H)。
【0126】実施例14 ベンズヒドリル  7−アミノ−3−アセトキシメチル
−3−セフエム−4−カルボキシレート   2,4−ジクロロベンゾイル  セファロスポリン
C  ジベンズヒドリルエステル1.39g(1.5m
mol)および塩化メチレン10mlから成る溶液に、
−35℃においてピリジン0.484ml(6mmol
)を加えた。得られた溶液に、塩化メチレン10ml中
、−10℃において亜リン酸トリフェニル1.57ml
(6mmol)と塩素から製造した亜リン酸トリフェニ
ル−塩素試薬の溶液を加えて約18℃で150分間反応
させた後に混液を−5℃に冷却し、イソブタノール3.
0mlで処理した。混液を約20℃に暖めて溶媒を留去
し、得られた暗褐色のシロップ状残渣を塩化メチレン2
0mlおよび水10mlに溶解した。
【0127】塩酸を加えて水層のpH値を0.9に調整
し、塩化メチレン層を分離してpH7.5において水で
抽出した。塩化メチレン層を硫酸マグネシウムで乾燥し
て減圧下に蒸発に付し、得られた暗褐色のシロップ状物
質約3.5gを酢酸エチル−トルエン(3:7)3.5
mlに溶解して、9mmカラムを用いてシリカゲル40
g上にクロマトグラフした。最初に酢酸エチル−トルエ
ン(3:7)混液で溶出し、次にトルエン−酢酸エチル
(1:1)混液で溶出すると標記化合物0.24g(3
6%)が得られた。
【0128】実施例15 7−アミノ−3−アセトキシメチル−3−セフエム−4
−カルボン酸(7−ACA)   2,4−ジクロロベンゾイル  セファロスポリン
C2.94g(5mmol)、キノリン0.16ml(
1.34mmol)、N,N−ジエチルアニリン2.3
9ml(15mmol)および塩化メチレン30mlか
ら成るスラリーに、室温においてアセチルクロリド2.
45ml(34.5mmol)を加えた。混液を−25
℃に冷却してジエチルアニリン0.6ml(3.75m
mol)を加え、さらに亜リン酸トリフェニル3.68
ml(14mmol)および塩化メチレン15mlから
誘導した亜リン酸トリフェニル−塩素試薬の溶液を加え
た。
【0129】冷却浴を取り除いて混液を2時間にわたっ
て室温に暖めた。混液を−15℃に冷却してプロピレン
グリコール8.5ml(116mmol)を加え、20
℃において約0.5時間撹拌した後に再び−15℃に冷
却し、氷水25mlと合併した。水層を分離し、水酸化
アンモニウム3.3mlを加えてpHを3.5に調整し
、氷浴で1.5時間撹拌して7−ACA0.4g(29
%)を濾取した。
【0130】実施例16 7−アミノ−3−メチル−3−セフエム−4−カルボン
酸(7−ADCA)   7−フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−セ
フエム−4−カルボン酸3.40g(10mmol)、
キノリン0.158ml(1.34mmol)、N,N
−ジエチルアニリン2.38ml(15mmol)およ
び塩化メチレン30mlから成るスラリーに、室温にお
いてアセチルクロリド2.46ml(34.5mmol
)を加えた。混液を18〜22℃において約6時間撹拌
して−15℃に冷却し、N,N−ジエチルアニリン0.
6ml(3.75mmol)および亜リン酸トリフェニ
ル3.68mlと塩素によって塩化メチレン15ml中
で得られた亜リン酸トリフェニル−塩素試薬の溶液を加
えた。冷却浴を取り除き、次の7分間で混液をほぼ室温
まで暖めた。
【0131】混液を−20℃に冷却してイソブタノール
10.7ml(116mmol)を加え、再び冷却浴を
取り除いた。アルコールを加えてから約45分後に多量
の固体沈澱がみとめられた。室温でさらに0.5時間放
置した後に混液を0℃に冷却し、7−ADCA1.95
g(73%)を濾取した。NMRスペクトルによれば、
生成物には若干の不純物が含まれていた。
【0132】実施例17 7−アミノ−3−アセトキシメチル−3−セフエム−4
−カルボン酸(7−ACA)   7−フェノキシアセトアミド−3−アセトキシメチ
ル−3−セフエム−4−カルボン酸ナトリウム4.18
g(9.76mmol)、キノリン0.154ml(1
.31mmol)、N,N−ジエチルアニリン2.91
ml(18.2mmol)、および塩化メチレン29m
lから成るスラリーに、アセチルクロリド2.40ml
(33.6mmol)を室温において加えた。室温にお
いて1時間15分放置した後に混液を−35℃に冷却し
、塩化メチレン15ml中で亜リン酸トリフェニル3.
6ml(13mmol)および塩素から製造した亜リン
酸トリフェニル−塩素動力学的コンプレックスの溶液を
加えた。混液を−25℃乃至−20℃において約60分
間撹拌してイソブタノール10.5mlを加え、0℃に
暖めて2時間撹拌した。この混液を氷水50gに注加し
、水層を分離してpH3.5に調整した。この水溶液を
窒素雰囲気中、氷浴で1時間撹拌して7−ACA2.7
g(78%)を濾取した。
【0133】実施例18 7−アミノ−3−アセトキシメチル−3−セフエム−4
−カルボン酸(7−ACA)   セファロスポリンCのナトリウム塩4.55gをク
ロロホルム(Amylene−inhibited)1
42mlに懸濁し、これを67mlまで蒸留した。この
クロロホルム懸濁液を26℃に冷却してキノリン0.4
64ml(3.94mmol)、ジエチルアニリン6.
95ml(43.5mmol)およびアセチルクロリド
9.30ml(131mmol)を加え、7分間にわた
って撹拌しながら約35℃に暖め、加熱を中止した。2
時間撹拌した後、ビユフナー濾斗で、ガラス濾紙にハイ
フロ紙を重ねたものを用いて濾過した。
【0134】塩素と亜リン酸トリフェニル8.9ml(
34mmol)を−20℃においてクロロホルム35m
lに同時に添加して調製した亜リン酸トリフェニル−塩
素試薬の溶液を、−30℃において上記濾液とジエチル
アニリン3.2ml(20mmol)との混液に加えた
。混液を−20℃乃至−15℃で60分間撹拌した後に
−35℃に冷却し、プロピレングリコール15mlを加
えた。この混液を0℃で2時間撹拌して氷51gに注加
し、クロロホルム層を分離して氷水5gで再抽出した。 水性抽出液を合し、水酸化アンモニウム約7.5mlを
加えてpH値を3.5に調整し、液面に気流を吹きつけ
て残っているクロロホルムを除去しながら氷浴で60分
間撹拌した。スラリーを濾過し、得られた生成物を水6
ml、メタノール15mlおよびアセトン5mlで順次
洗浄し、7−ACA(風乾済み)1.87g(73%)
を得た。
【0135】実施例19 7−アミノ−3−アセトキシメチル−3−セフエム−4
−カルボン酸(7−ACA)   (A)  シクロヘキサンで安定化し、4Aモレキ
ュラーシーブスで乾燥させた塩化メチレン80mlにセ
ファロスポリンC・ナトリウム塩・2水和物4.8g(
10mmol)を懸濁し、水酸化カリウムで乾燥させた
ジエチルアニリン7.4g(8ml,50mmol)お
よびアセチルクロリド4.7g(4.3ml,60mm
ol)を加えた。混液を氷浴中、30〜40℃で1時間
、さらに室温で2時間撹拌し、不溶性物質1.65gを
濾去した。
【0136】反応混液を氷−アルコール浴で冷却し、以
下のように調製した亜リン酸トリフェニル−塩素動力学
的化合物の溶液に加えた。まず、亜リン酸トリフェニル
6.8g(5.8ml,22mmol)を無水塩化メチ
レン100mlに加えて氷−アルコール温度に冷却し、
溶液が黄色を呈するまで塩素を導通した。さらに亜リン
酸トリフェニルを2〜3滴加えると溶液は脱色された。 この上記2つの溶液を氷−アルコール温度において混合
し、ジエチルアニリン3.3g(3.5ml,22mm
ol)および塩化メチレン20mlから成る溶液を10
分間にわたって加えた。混液を冷却下に2時間撹拌し、
さらに約−35℃に冷却して、3Aモレキュラーシーブ
スで乾燥したイソブタノール6.0g(7.4ml,8
0mmol)で処理した。
【0137】次に塩化水素を約30秒間導通して混液を
一夜冷却した。この塩化メチレン溶液に水20mlを加
え、得られた2層混液を5分間強撹拌した。塩化メチレ
ン層を分離して水20mlで洗浄し、水層と洗浄液を合
して酢酸エチルで洗浄し、飽和炭酸水素アンモニウム溶
液を加えてpHを3.8に調整した。氷浴温度で30分
間放置した後に水性スラリーを濾過して7−ACA1.
5g(減圧乾燥、83%)を得た。
【0138】(B)  セファロスポリンC・ナトリウ
ム塩・2水和物4.8g(10mmol)をテトラヒド
ロフラン(5Aモレキュラーシーブスで乾燥済み)80
mlに懸濁し、水酸化カリウムで乾燥したジエチルアニ
リン7.4g(8.0ml,50mmol)およびアセ
チルクロリド4.7g(4.3ml,60mmol)を
加えた。この混液を水浴中、約30〜40℃で1時間、
さらに室温で約2.5時間撹拌し、不溶物質5.7gを
濾去した。
【0139】混液を氷−アルコール浴で冷却し、工程(
A)と同様に調製した亜リン酸トリフェニル−塩素コン
プレックス溶液(但し、塩化メチレンの代わりにテトラ
ヒドロフランを溶媒として用いた)に加え、ジエチルア
ニリン3.3g(22mmol)およびテトラヒドロフ
ラン20mlから成る溶液を10分間にわたって滴下し
た。混液を冷却下に2時間撹拌し、さらに約−35℃に
冷却してプロピレングリコール16mlで処理した。塩
化水素を約15秒間導通して混液を一夜冷却し、工程(
A)と同様な処理をすると7−ACA1.2g(45%
)が得られた。
【0140】(C)  N−クロロアセチル・セファロ
スポリンCキノリン塩・1水和物3.3g(5mmol
)を塩化メチレン(シクロヘキサンで安定化し、4Aモ
レキュラーシーブスで乾燥済み)40mlに懸濁し、水
酸化カリウムで乾燥したジエチルアニリン3.0g(2
0mmol)およびアセチルクロリド1.9g(1.8
ml,25mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。 混液を氷−アルコール浴で冷却し、亜リン酸トリフェニ
ル3.4g(11mmol)を用いて前記工程(A)と
同様に調製した亜リン酸トリフェニル−塩素コンプレッ
クスの溶液に加えた。
【0141】この混液にジエチルアニリン1.6g(1
1mmol)および塩化メチレン10mlから成る溶液
を10分間にわたって滴下して冷却下に2時間撹拌し、
さらに約−35℃に冷却してイソブタノール(3Aモレ
キュラーシーブスで乾燥済み)3.7mlで処理した。 混液に塩化水素を約15秒間導通して一夜冷却し、工程
(A)に記載の操作を実施して7−ACA  730m
g(54%)を得た。
【0142】実施例20 2’,2’,2’−トリクロロエチル  7−アミノ−
3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレート・塩
酸塩(ベンゼン中)   (A)  ベンゼン45mlに、10〜15℃にお
いて塩素および亜リン酸トリフェニル3.16ml(1
2mmol)を同時に加えた。亜リン酸トリフェニルの
最後の1滴で溶液が透明になるまでは、混液はわずかに
黄色を呈していた。この溶液に2’,2’,2’−トリ
クロロエチル  7−フェニルアセトアミド−3−メチ
ル−3−セフエム−4−カルボキシレート4.64g(
10mmol)を加えて10〜15℃において5分間撹
拌し、ピリジン1.1ml(12.5mmol)を含む
ベンゼン8mlを15分間にわたって加えた。混液を合
計45分間撹拌した後にイソブタノール5.1ml(5
5mmol)を加え、塩化水素を約90秒間導通した。 混液を室温において2時間撹拌し、この間に結晶化した
標記核エステル・塩酸塩3.5g(91.6%)を濾取
した。融点179℃(分解)。 NMR(DMSO  d−6) δ    2.27(s,3),3.6(ABq,2,
J=16Hz),5.00(s,2),5.12(q,
2,J=4Hz,β−ラクタムH)。
【0143】(B)  10〜15℃の代わりに室温(
20〜25℃)で実施する点を除いて実施例20工程(
A)の操作を繰り返して標記核エステル・塩酸塩3.2
6g(85.4%)を得た。融点179℃(分解)
【0
144】実施例  21 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  亜リン
酸トリフェニル2.63ml(10mmol)および塩
化メチレン50mlから成る溶液に、0〜5℃において
、溶液が黄色を呈するまで塩素を導通した。溶液が透明
になるまで亜リン酸トリフェニルを滴加して過剰の塩素
を除去した。これには、さらに0.47ml(1.8m
mol)の亜リン酸トリフェニルを要し、その結果11
.8mmolの亜リン酸トリフェニル−塩素動力学的化
合物が得られた。 この溶液に4’−ニトロベンジル  7−フェノキシア
セトアミド−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキ
シレート5.04g(10mmol)およびピリジン1
.01ml(12.5mmol)を含む塩化メチレン2
mlを加えると混液の温度が5〜12℃に昇温した。
【0145】混液を室温で2時間撹拌してイソブタノー
ル5.1ml(55mmol)を加えると10分以内に
標記核エステル・塩酸塩の結晶化が始まった。これを1
.5時間後に濾取して乾燥すると標記化合物3.71g
(91.4%)がほぼ白色の結晶して得られた。融点1
80〜181℃(分解) NMR(DMSOd−6) δ  3.7(bs,2),5.33(q,2,β−ラ
クタムH),5.46(s,2),7.5〜8.4(A
rH)。
【0146】実施例22 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  亜リン
酸トリフェニル2.89ml(11mmol)と塩化メ
チレン50mlから成る溶液に、0〜5℃において、溶
液が黄色を呈するまで塩素を導通した。次に亜リン酸ト
リフェニル0.17ml(0.65mmol)を加えて
透明な溶液とし、0〜5℃において塩化メチレン5ml
を用いて4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセ
トアミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシ
レート4.84g(10mmol)を流し込んだ。
【0147】次にピリジン1.01ml(12.5mm
ol)を加えると混液は5〜10℃に昇温した。混液を
室温に暖めて2時間撹拌し、イソブタノール5.1ml
(55mmol)を加え、約20分後に塩化水素を微量
導通すると生成物が直ちに結晶化した。2.5時間後に
生成物を濾取して乾燥し、標記核エステル・塩酸塩3.
29g(85.3%)を得た。融点177℃(分解)。 濾液を塩化水素で処理するとさらに0.32gの標記化
合物が得られた。総収率93%。
【0148】実施例23 4’−ニトロベンジル 7−アミノ−3−メチル−3−
セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  亜リン酸
トリフェニル2.89ml(11mmol)と塩化メチ
レン50mlから成る溶液に、5〜10℃において、溶
液が淡黄色を呈するまで塩素を導通した。次に亜リン酸
トリフェニルを2滴加えて透明な溶液とし、5〜10℃
において4’−ニトロベンジル  7−フェニルアセト
アミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート4.67g(10mmol)、さらにピリジン0.
85ml(10.5mmol)を加えた。この溶液を室
温に暖め、2時間後に15℃に冷却してイソブタノール
5.1ml(55mmol)を加えた。混液を室温にお
いて2時間撹拌し、この間に結晶化した生成物を3回に
分けて濾取した。総収量3.5g(90.6%)。融点
188℃(分解)。
【0149】実施例24 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチル−2
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  基質と
して4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトア
ミド−3−メチル−2−セフエム−4−カルボキシレー
ト4.84g(10mmol)を用いた点を除いて、実
施例23に記載の操作を繰り返し、標記核エステル・塩
酸塩3.27g(84.7%)を得た。融点184℃(
分解)。 NMR(DMSO  d−6) δ  1.96(s,  ),5.12(bs,2),
5.4(m),6.34(bs,1),7.6〜8.4
(ArH)。
【0150】実施例25 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチレンセ
フアム−4−カルボキシレート・塩酸塩   基質として4’−ニトロベンジル  7−フェノキ
シアセトアミド−3−メチル−2−セフアム−4−カル
ボキシレート4.83g(10mmol)を用いた点を
除いて、実施例23に記載の操作を繰り返して標記核エ
ステル・塩酸塩3.58g(92.8%)を得た。融点
176.5〜177℃(分解)。NMRスペクトルによ
れば、この生成物は実施例9で得られた生成物と同一で
あった。
【0151】実施例26 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−アセトキシ
−3−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  亜
リン酸トリフェニル2.89ml(11mmol)と塩
化メチレン50mlから成る溶液に、5〜10℃におい
て、溶液が黄色を呈するまで塩素を導通した。次に亜リ
ン酸トリフェニルを3滴加えて透明な溶液とし、冷却浴
を取り除いて4’−ニトロベンジル  7−フェノキシ
アセトアミド−3−アセトキシ−3−セフエム−4−カ
ルボキシレート5.28g(10mmol)およびピリ
ジン0.85ml(10.5mmol)を加え、室温で
2時間撹拌した後にイソブタノール6.0ml(64.
8mmol)を加えると8分以内に生成物の結晶化が始
まった。これを2時間後に濾取して標記核エステル・塩
酸塩2.57g(59.9%)を白色の結晶として得た
。融点160℃(分解)。濾液中にも生成物がみとめら
れたが単離しなかった。 NMR(DMSOd−6) δ  2.2(s,3),3.93(bs,2),5.
45(m),7.6〜8.4(ArH)。
【0152】実施例27 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩[亜リン酸
トリ(p−クロロフェニル)−塩素動力学的コンプレッ
クスを使用]   亜リン酸トリ(p−クロロフェニル)5.17g(
12.5mmol)、ピリジン0.27ml(3.28
mmol)および塩化メチレン25mlから成る溶液に
、−70℃において塩素を導通した。アミレン0.40
mlを加えて過剰の塩素を除去し、4’−ニトロベンジ
ル  7−フェノキシアセトアミド−3−メチル−3−
セフエム−4−カルボキシレート2.42g(5mmo
l)およびピリジン0.79ml(9.22mmol)
を含む塩化メチレン4mlを11分間にわたって滴下し
た。3時間後に冷却浴を取り除いてイソブタノール6.
94mlを加え、混液を約−10℃に暖めた後に塩化水
素を約1分間導通した。15分後に混液を濾取し、標記
化合物1.86g(96%)を白色の固体として得た。 融点184〜185℃(分解)。
【0153】実施例28 ベンジル  7−(1−クロロ−2−フェニルエチリデ
ン)−7−メトキシ−3−アセトキシメチル−3−セフ
エム−4−カルボキシレート   ピリジン0.1mlを含む塩化メチレン45ml中
で、−15℃において塩素と亜リン酸トリフェニル(1
2.3mmol)から製造した亜リン酸トリフェニル−
塩素コンプレックスの溶液に、ベンジル  7−フェニ
ルアセトアミド−7−メトキシ−3−アセトキシメチル
−3−セフエム−4−カルボキシレート5.11g(1
0mmol)を加え、さらにピリジン1.01ml(1
2.5mmol)を含む塩化メチレン4mlを10分間
にわたって滴下した。−15℃乃至−10℃において5
0分間撹拌した後にプロピレンオキシド2.1ml(3
0mmol)を加え、0℃においてさらに10分間撹拌
した後に氷水25mlで洗浄して塩化カルシウムで乾燥
し、減圧下に蒸発に付してシロップ状物質11gを得た
。生成物を四塩化炭素中で3回摩砕し、エーテル50m
lに溶かし、沈澱0.5gを、デカンテーションして除
去し、減圧下に約25mlに濃縮した。
【0154】得られた油状物質をヘキサン25mlで稀
釈し、ヘキサン−エーテル(1:1)で2回洗浄し、減
圧下に四塩化炭素から2回蒸発に付し、標記化合物2.
5gを泡状物質として得た。 IR  (CHCl3)  1780,1730cm−
1  NMR(CDCl3,ピリジン  d−5)δ 
 1.96(s,3),3.3(ABq),3.43(
s,2),3.93(s,2),4.86(ABq),
4.93(s,1),5.25(s,1),7.3(A
rH)。
【0155】実施例29 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・臭化水素酸塩  
ピリジン2.10ml(26mmol)を含む塩化メチ
レン100ml中で、−10℃乃至−15℃において亜
リン酸トリフェニル6.67ml(25.4mmol)
と臭素1.30ml(25.4mmol)から製造した
亜リン酸トリフェニル−臭素コンプレックスの溶液25
.4mlに、4’−ニトロベンジル  7−フェノキシ
アセトアミド−3−メチル−3−セフエム−4−カルボ
キシレート9.67g(20mmol)を加えた。−1
0℃乃至−15℃において1時間放置した後に冷却浴を
取り除き、イソブタノール13.88ml(150mm
ol)を加えた。混液を室温で2時間撹拌し、標記化合
物4.76g(55.3%)を濾取した。融点179〜
181℃(分解)
【0156】元素分析  C15H16N3O5SBr
    計算値:C,41.87;H,3.75;N,
9.77;S,7.45;           Br
,18.57    実験値:C,42.04;H,3
.57;N,9.54;S,7.54;       
    Br,18.37  NMR(DMSO  d
−6) δ  2.2(s,3),3.65(bs,2),5.
27(m,2,β−ラクタムH),5.42(s,2)
,7.6〜8.4(m,4,ArH)。
【0157】実施例30 ベンズヒドリル  7−(α−クロロ−4−メチルベン
ジリデンイミノ)−7−メトキシ−3−(1−メチル−
1,2,3,4−テトラゾール−5−イルチオ)メチル
−1−デチア−1−オキサ−3−セフエム−4−カルボ
キシレート   ベンズヒドリル  7−(4−メチルベンズアミド
)−7−メトキシ−3−(1−メチル−1,2,3,4
−テトラゾール−5−イルチオ)メチル−1−デチア−
1−オキサ−3−セフエム−4−カルボキシレート20
0mgおよび重クロロホルム10mlから成る溶液に、
−15℃乃至0℃において、数時間にわたって亜リン酸
トリフェニル−塩素コンプレックス(常法により製造)
4当量およびピリジン4当量を加えた。過剰量のコンプ
レックスとピリジンを要したのは、オキサセフエム出発
物質中に不純物が含まれていたためである。四塩化炭素
およびエーテルを順次加えて塩および不純物を沈澱させ
、溶媒を留去して油状物質を得た。
【0158】この油状物質のエーテル抽出液のNMRス
ペクトルによれば、この物質には標記化合物と亜リン酸
トリフェニルが含まれていた。 NMR(CDCl3) δ  2.25(s,3),3.53(s,3),3.
65(s,3),4.16(s,2),4.53(bs
,2),5.16(s,1,C6−H)。
【0159】実施例31 4’−ニトロベンジル  7−フェニルアセトアミド−
3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート  
亜リン酸トリフェニル2.89ml(11mmol)を
塩化メチレン50mlに溶かした溶液に、−15℃にお
いて溶液が黄変するまで塩素を導通した。この溶液に亜
リン酸トリフェニル2滴を加えて脱色し、得られた亜リ
ン酸トリフェニル−塩素試薬溶液に4’−ニトロベンジ
ル  7−フェニルアセトアミド−3−ヒドロキシ−3
−セフエム−4−カルボキシレート4.54g(10m
mol)を加え、さらにピリジン0.89ml(11m
mol)を塩化メチレン8mlに溶かした溶液を40分
間にわたって滴下した。ピリジン溶液を加える間、反応
温度を−15℃乃至−10℃に保った。
【0160】次いで混液を−15℃乃至−10℃におい
てさらに60分間撹拌し、冷却浴を取り除いた。濃塩酸
1mlを加えて、上記反応で得られた少量のイミノクロ
リドを加水分解した。混液を室温で30分間撹拌した後
に3Aエタノール100mlで稀釈し、15分間撹拌し
て標記化合物2.67g(54.7%)を白色の結晶と
して濾取した。融点214℃(分解)。濾液を約50m
lに減圧濃縮し、標記化合物の2次晶1.52g(31
.1%)を単離した。総収率85.8%
【0161】NMR(DMSO  d−6):δ  3
.62(s,2),3.94(ABq,2,J=18H
z),5.3(d,1,J=5Hz),5.52(s,
2),5.82(q,1,J=5,8Hz),7.2〜
8.4(ArH)。 元素分析  C22H18N3O6SCl    計算
値:C,54.16;H,3.72;N,8.61;C
l,7.27;           S,6.57     実験値:C,53.91;H,3.92;N,
844;Cl,7.27;           S,
6.55
【0162】実施例32 4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトアミド
−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート 
 実施例1に記載の方法に従って、亜リン酸トリフェニ
ル6.31ml、塩化メチレン45mlおよび塩素から
、−15℃において亜リン酸トリフェニル−塩素動力学
的生成物を製造した。この溶液に、−15℃乃至−10
℃において4’−ニトロベンジル  7−フェノキシア
セトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カル
ボキシレート5.24g(10mmol)を加え、最後
に塩化メチレン5mlで洗い込んだ。ピリジン1.01
ml(12.5mmol)を塩化メチレン8mlに溶か
した溶液を30分間にわたって滴下し、−10℃で2時
間撹拌して濃塩酸1mlを加えた。混液をさらに30分
間撹拌した後に、各100mlの水で3回洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得ら
れた油状物質を2Bエタノール100mlから結晶化さ
せて標記化合物4.19g(83.2%)を得た。融点
142.5〜146℃。
【0163】NMR(CDCl3) δ  3.7(ABq,2,J=18Hz),4.60
(s,2),5.12(d,1,J=5Hz),5.4
(s,2),5.93(q,1,J=5,9Hz),6
.8〜8.4(ArH)。 元素分析  C22H18N3O7SCl計算値:C,
52.44;H,3.60;N,8.34;S,6.3
6;Cl,7.04 実験値:C,52.67;H,3.73;N,8.12
;S,6.15;Cl,6.95
【0164】実施例33 4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトアミド
−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート[
亜リン酸トリ(o−トリル)−塩素コンプレックス使用
]  亜リン酸トリ(o−トリル)3.91g(10m
mol)を塩化メチレン45mlに溶かした溶液に、溶
液が黄変するまで塩素を−10℃において導通した。亜
リン酸エステル約0.5mmolを加えて溶液を脱色し
、−10℃において塩化メチレン5mlを用いて4’−
ニトロベンジル  7−フェノキシアセトアミド−3−
ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレート5.
4g(10mmol)を流し込んだ。
【0165】次いでピリジン1.01ml(12.5m
mol)を加えて混液を−10℃で90分間撹拌し、濃
塩酸1mlを加えた。混液をさらに30分間撹拌し、各
25mlの水(2回)および稀食塩水25mlで順次洗
浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し
た。得られた油状残渣を2Bエタノール50mlから結
晶化させて標記化合物3.35g(66.5%)を得た
。NMRスペクトルによれば、この生成物は実施例32
の生成物と同一であった。
【0166】実施例34 4’−ニトロベンジル  7−フェノキシアセトアミド
−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート 
 (A)  塩基を用いないクロロ化  実施例31に
記載の方法に従って、−10℃において亜リン酸トリフ
ェニル2.89mlの塩化メチレン溶液から亜リン酸ト
リフェニル−塩素試薬の溶液を調製した。 この溶液に4’−ニトロベンジル  7−フェノキシア
セトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カル
ボキシレート4.86g(10mmol)を加えて−1
0℃で2時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TL
C)によれば、約2時間後にはクロル化がおよそ50%
完了し、イミノクロリドが多少みとめられた。
【0167】(B)  2,6−ルチジン  上記工程
(A)の混液に2,6−ルチジン1.2ml(10.5
mmol)を加えて−10℃で60分間撹拌し、濃塩酸
1mlを加えた。冷却浴を取り除いて混液をさらに30
分間撹拌し、各100mlの水(2回)および稀食塩水
100mlで順次洗浄した。混液を硫酸マグネシウムで
乾燥して減圧下に溶媒を留去し、得られた油状残渣を2
Bエタノール75mlから結晶化させて標記化合物3.
83g(76%)を得た。融点124〜126℃。
【0168】実施例35 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  (A)
  塩化メチレン;ピリジン  亜リン酸トリフェニル
6.31ml(25mmol)および塩化メチレン45
mlから成る溶液に、溶液が黄変するまで、−10℃に
おいて塩素を導通した。亜リン酸トリフェニル数滴を加
えて溶液を脱色し、−15℃において4’−ニトロベン
ジル7−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム
−4−カルボキシレート4.86g(10mmol)を
加え、さらにピリジン2.02ml(12.5mmol
)および塩化メチレン8mlから成る溶液を40分間に
わたって滴下した。混液を−10℃において30分間撹
拌し、イソブタノール9.25ml(100mmol)
を加えた。 氷浴を取り除いて塩化水素で約30秒間処理した。5分
以内に生成物の結晶化が始まったが、混液は約20℃に
おいて2時間撹拌し、標記核エステルの塩酸塩3.33
g(82%)を濾取した。融点181℃(分解)。 NMR(DMSO  d−6) δ  4.06(bs,2),5.33(q,2,J=
4.5Hz,β−ラクタムH),5.5(s,2),7
.8〜8.3(ArH),〜8.6(brs,−NH3
)。
【0169】(B)  1,2−ジクロロエタン:ピリ
ジン  塩化メチレンの代わりに1,2−ジクロロエタ
ンを溶媒として用いた点を除いて、前記実施例35(A
)に記載の方法を繰返し、標記化合物3.10g(76
.4%)を得た。
【0170】(C)  塩化メチレン;キノリン  ピ
リジン塩基の代わりにキノリンを用いた点を除いて上記
工程(A)を繰返し、標記化合物3.20g(79.8
%)を単離した。融点181℃(分解)。
【0171】(D)  塩化メチレン;イソキノリン 
 ピリジン塩基の代わりにイソキノリンを用いた点を除
いて上記工程(A)を繰返した。混液は前記混液よりも
幾分暗色であり、標記化合物の収量は2.29g(56
.4%)であった。融点181℃(分解)。
【0172】(E)  塩化メチレン;N,N−ジメチ
ルアニリン   ピリジン塩基の代わりにN,N−ジメチルアニリン
を用いた点を除いて上記工程(A)を繰返し、標記化合
物0.91g(22.4%)を単離した。融点182℃
(分解)。
【0173】(F)  アセトニトリル;ピリジン  
亜リン酸トリフェニル7.9ml(30mmol)およ
びアセトニトリル45mlから成る混液に、−10℃に
おいて塩素を導通した。混液が固化したので10℃に暖
め、再び液化させた。塩素は混液が黄色を呈するまで導
通し、次いで亜リン酸トリフェニル0.1mlを加えて
溶液を脱色した(約30.4mmolの亜リン酸トリフ
ェニル−塩素動力学的化合物が形成された)。
【0174】この溶液に4’−ニトロベンジル  7−
フェノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエ
ム−4−カルボキシレート5.4g(10mmol)を
加え、さらにピリジン2.42ml(30mmol)を
含むアセトニトリル8mlを0℃乃至10℃において3
0分間にわたって滴下した。混液を1時間撹拌した後に
冷却浴を取り除き、室温で90分間撹拌した。さらにイ
ソブタノール9.25ml(100mmol)を加えて
室温で90分間放置し、標記化合物0.95g(23.
4%)を得た。融点186℃(分解)。
【0175】(G)  4’−ニトロベンジル  7−
フェニルアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム
−4−カルボキシレートから   実施例35工程(A)に従って、塩素、亜リン酸ト
リフェニル2.89ml(11mmol)および塩化メ
チレン45mlから、亜リン酸トリフェニル−塩素動力
学的化合物の溶液を調製した。この溶液に4’−ニトロ
ベンジル  7−フェニルアセトアミド−3−ヒドロキ
シ−3−セフエム−4−カルボキシレート2.3g(5
mmol)を加え、さらにピリジン0.89ml(11
mmol)および塩化メチレン5mlから成る溶液を、
−15℃乃至−10℃において、撹拌下に15分間隔で
滴下した。
【0176】混液を−15℃乃至−10℃において1.
5時間撹拌した後に冷却浴を取り除き、イソブタノール
6ml(64.8mmol)を加えた。混液を1時間撹
拌しながら23℃に暖め、結晶化した生成物を濾取する
と標記化合物1.59g(78.3%)が白色の結晶と
して得られた。融点188℃(分解)。
【0177】(H)  亜リン酸トリ(o−トリル)−
塩素動力学的コンプレックスを使用   亜リン酸トリ(o−トリル)9.24g(26mm
ol)および塩化メチレン45mlから成る溶液に、溶
液が黄変するまで塩素を−10℃において導通した。亜
リン酸エステル約0.5mmolを加えて過剰の塩素を
除去し、塩化メチレン5mlを用いて4’−ニトロベン
ジル  7−フェノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ
−3−セフエム−4−カルボキシレート5.44g(1
0mmol)を流し込んだ。ピリジン2.58ml(3
2mmol)を含む塩化メチレン8mlを−10℃にお
いて30分間にわたって滴下し、同温において30分間
撹拌した後にイソブタノール9.25ml(100mm
ol)を加えた。氷浴を取り除いて塩化水素を約60秒
間導通し、室温で90分間撹拌し、標記化合物3.31
g(81.5%)を濾取した。融点183℃(分解)。
【0178】実施例36 4’−ニトロベンジル  7−(1−クロロ−2−フェ
ノキシエチリデン)イミノ−3−クロロ−3−セフエム
−4−カルボキシレート   イソブタノールの代わりにプロピレンオキシド4.
2mlを加えた点を除いて実施例35(A)の操作を繰
返した。混液を0℃で15分間撹拌して氷水50mlで
洗浄し、塩化カルシウム・2水和物で乾燥して減圧下に
蒸発に付すと暗色のシロップ状物質21gが得られた。 プロピレンオキシド数滴を含むジエチルエーテルを残渣
に加えると少量のタールが沈澱した。
【0179】次に塩化メチレン5mlを加え、得られた
溶液を約1gの暗色タールからデカンテーションした。 減圧下に溶媒を留去し、得られたシロップ状物質をエー
テル−ヘキサン(1:1)50mlで摩砕して3回デカ
ンテーションし、得られた半固体を数日間冷蔵庫で保管
した後エーテルで摩砕して固体1.08gを得た。この
固体はNMRによって4’−ニトロベンジル  7−フ
ェノキシアセトアミド−3−クロロ−3−セフエム−4
−カルボキシレートと同定された。濾液を減圧下に蒸発
に付し、得られた泡状物質を塩化メチレン数mlに溶解
してエーテルで稀釈し、さらにプロピレンオキシド数滴
を含む2Bアルコール約50mlで稀釈すると標記イミ
ノクロリド0.24gが結晶化した。融点97〜98℃
。生成物の構造はNMRスペクトルで確認した。
【0180】NMR  (CDCl3,ピリジン  d
−5)δ  3.56(ABq,2,J=18Hz),
4.8(s,2),5.03(d,1,J=5Hz),
5.3(s,2),5.53(d,1,J=5Hz),
6.9〜8.3(ArH)。 実施例37
【0181】4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3
−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸
塩  (A)  亜リン酸トリフェニル6.31ml(
24mmol)および塩化メチレン45mlから成る溶
液に、−10℃において過剰の塩素を導通して亜リン酸
トリフェニル−塩素化合物(約25.5mmol)の溶
液を調製した。さらに亜リン酸トリフェニル(約1.5
mmol)を加えて黄色の溶液を脱色した。この溶液に
、塩化メチレン5mlを用いて4’−ニトロベンジル 
 7−フェノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−
セフエム−4−カルボキシレート5.24g(10mm
ol)を流し込んだ。
【0182】さらにピリジン2.02mlを含む塩化メ
チレン8mlを40分間にわたって滴下し、温度は−1
0℃乃至−15℃に維持した。混液を−10℃乃至−1
5℃において25分間撹拌した後にイソブタノール9.
25ml(100mmol)を加えた。氷浴を取り除き
、塩化水素を約30秒間導通した。次に結晶種を植えて
20℃で約2時間撹拌し、標記化合物3.49g(86
%)を白色の結晶として得た。融点179〜180℃(
分解)。
【0183】(B)  イソブタノールの代わりに1,
3−プロパンジオール3.61mlを用いた点を除いて
前記工程(A)を繰返し、標記化合物3.25g(80
%)を単離した。融点182℃(分解)。
【0184】実施例38〜50 各々記載の亜リン酸トリアリールおよびハロゲンから誘
導したハロゲン化剤を用い、実施例31に記載の一般法
に従って以下の変換反応を実施した。 実施例38 亜リン酸トリフェニル−塩素を用いて2’,2’,2’
−トリクロロエチル  7−フェニルアセトアミド−3
−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレートを
2’,2’,2’−トリクロロエチル−7−フェニルア
セトアミド−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキ
シレートに変換した。
【0185】実施例39 亜リン酸トリフエニル−臭素を用いてベンズヒドリル 
 7−ホルムアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−
4−カルボキシレートをベンズヒドリル  7−ホルム
アミド−3−ブロモ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ートに変換した。
【0186】実施例40   亜リン酸トリ(4−メトキシフエニル)−塩素を用
いて t−ブチル  7−アセトアミド−3−ヒドロキ
シ−3−セフエム−4−カルボキシレートをt−ブチル
7−アセトアミド−3−クロロ−3−セフエム−4−カ
ルボキシレートに変換した。
【0187】実施例41   亜リン酸トリ(o−トリル)−塩素を用いて4’−
メトキシベンジル  7−ベンズアミド−3−ヒドロキ
シ−3−セフエム−4−カルボキシレートを4’−メト
キシベンジル  7−ベンズアミド−3−クロロ−3−
セフエム−4−カルボキシレートに変換した。
【0188】実施例42   亜リン酸トリフエニル−塩素を用いて2−ヨードエ
チル  7−フエノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ
−3−セフエム−4−カルボキシレートを2−ヨードエ
チル  7−フエノキシアセトアミド−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレートに変換した。
【0189】実施例43   亜リン酸トリフエニル−臭素を用いて4’−ニトロ
ベンジル  7−メトキシ−7−フエニルアセトアミド
−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレー
トを4’−ニトロベンジル  7−メトキシ−7−フエ
ニルアセトアミド−3−ブロモ−3−セフエム−4−カ
ルボキシレートに変換した。
【0190】実施例44   亜リン酸トリ(4−エチルフエニル)−塩素を用い
て4’−クロロフエナシル7−(2−フエニルプロピオ
ンアミド)−3−ヒドロキシ−3−セフアム−4−カル
ボキシレートを4’−クロロフエナシル  7−(2−
フエニルプロピオンアミド)−3−クロロ−3−セフエ
ム−4−カルボキシレートに変換した。
【0191】実施例45   亜リン酸トリフエニル−塩素を用いてベンジル  
7−メトキシ−7−(2−チエニル)アセトアミド−3
−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレートを
ベンジル  7−メトキシ−7−(2−チエニル)アセ
トアミド−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシ
レートに変換した。
【0192】実施例46   亜リン酸トリ(2−エトキシフエニル)−塩素を用
いて4’−ニトロベンジル7−(5−テトラゾリル)ア
セトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カル
ボキシレートを4’−ニトロベンジル  7−(5−テ
トラゾリル)アセトアミド−3−クロロ−3−セフエム
−4−カルボキシレートに変換した。
【0193】実施例47   亜リン酸トリ(p−プロピルフエニル)−臭素を用
いてピバロイルオキシメチル7−[2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノ−2−フエニルアセトアミド]−3−ヒ
ドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレートをピバ
ロイルオキシメチル7−[2−t−ブトキシカルボニル
アミノ−2−フエニルアセトアミド]−3−ブロモ−3
−セフエム−4−カルボキシレートに変換した。
【0194】実施例48   亜リン酸トリフエニル−塩素を用いて4’−ニトロ
ベンジル  7−[2−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)−2−フエニルアセトアミド]−3−
ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレートを4
’−ニトロベンジル  7−[2−(4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニルアミノ)−2−フエニルアセトアミ
ド]−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレー
トに変換した。
【0195】実施例49   亜リン酸トリ(o−トリル)−塩素を用いて4’−
ニトロベンジル  7−[2−クロロアセトアミドチア
ゾール−5−イルアセトアミド]−3−ヒドロキシ−3
−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニトロベン
ジル  7−[2−クロロアセトアミドチアゾール−5
−イルアセトアミド]−3−クロロ−3−セフエム−4
−カルボキシレートに変換した。
【0196】実施例50   亜リン酸トリフエニル−臭素を用いて2’,2’,
2’−トリクロロエチル  7−クロロアセトアミド−
3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレート
を2’,2’,2’−トリクロロエチル  7−クロロ
アセトアミド−3−ブロモ−3−セフエム−4−カルボ
キシレートに変換した。
【0197】実施例51〜59 下記亜リン酸トリアリールおよび塩素から誘導したクロ
ル化剤と下記3−ヒドロキシセフエム類を用いて、前記
実施例35(A)に記載の方法に従って4’−ニトロベ
ンジル  7−アミノ−3−クロロ−3−セフエム−4
−カルボキシレート・塩酸塩を製造した。 実施例51   4’−ニトロベンジル  7−ホルムアミド−3−
ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレート;亜
リン酸トリフエニル
【0198】実施例52   4’−ニトロベンジル  7−フエニルアセトアミ
ド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート;亜リン酸トリ(o−トリル)
【0199】実施例53   4’−ニトロベンジル  7−(2−チエニルアセ
トアミド)−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カル
ボキシレート;亜リン酸トリフエニル
【0200】実施例54   4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトア
ミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシ
レート;亜リン酸トリフエニル
【0201】実施例55   4’−ニトロベンジル  7−ベンズアミド−3−
ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレート;亜
リン酸トリフエニル
【0202】実施例56   4’−ニトロベンジル  7−フエニルチオアセト
アミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキ
シレート;亜リン酸トリ(o−トリル)
【0203】実施例57   4’−ニトロベンジル  7−[2−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)−2−フエニルアセトアミド]−
3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレート
;亜リン酸トリフエニル
【0204】実施例58   4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトア
ミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシ
レート;亜リン酸トリ(p−メトキシフエニル)
【02
05】実施例59   4’−ニトロベンジル  7−フエニルアセトアミ
ド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート;亜リン酸トリ(p−トリル)
【0206】実施例60〜67 塩素もしくは臭素および下記亜リン酸トリアリールから
誘導したハロゲン化剤を用いて、実施例35(A)に記
載の一般法に従って下記変換反応を実施した。 実施例60   亜リン酸トリフエニルを用いてt−ブチル  7−
フエニルアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム
−4−カルボキシレートをt−ブチル  7−アミノ−
3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレートに変
換した。
【0207】実施例61   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−メトキシ−7−フエノキシアセトアミド−3
−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレートを
4’−ニトロベンジル  7−メトキシ−7−アミノ−
3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレートに変
換した。
【0208】実施例62   亜リン酸トリ(o−トリル)を用いて2’,2’,
2’−トリクロロエチル  7−アセトアミド−3−ヒ
ドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレートを2’
,2’,2’−トリクロロエチル  7−アミノ−3−
ブロモ−3−セフエム−4−カルボキシレートに変換し
た。
【0209】実施例63   亜リン酸トリ(p−エトキシフエニル)を用いてベ
ンジル  7−(4−クロロフエノキシアセトアミド)
−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレー
トをベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3−セフエ
ム−4−カルボキシレートに変換した。
【0210】実施例64   亜リン酸トリフエニルを用いてベンズヒドリル  
7−メトキシ−7−フエニルアセトアミド−3−ヒドロ
キシ−3−セフエム−4−カルボキシレートをベンズヒ
ドリル  7−メトキシ−7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレートに変換した。
【0211】実施例65   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−(3−ニトロベンズアミド)−3−ヒドロキ
シ−3−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニト
ロベンジル  7−アミノ−3−ブロモ−3−セフエム
−4−カルボキシレートに変換した。
【0212】実施例66   亜リン酸トリ(m−トリル)を用いて4’−メトキ
シベンジル7−(2−ホルミルオキシ−2−フエニルア
セトアミド)−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カ
ルボキシレートを4’−メトキシベンジル  7−アミ
ノ−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート
に変換した。
【0213】実施例67   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−(2−チエニルアセトアミド)−3−ヒドロ
キシ−3−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニ
トロベンジル  7−アミノ−3−ブロモ−3−セフエ
ム−4−カルボキシレートに変換した。
【0214】実施例68〜75 塩素もしくは臭素および下記亜リン酸トリアリールから
誘導したハロゲン化剤を用いて、実施例36に記載の一
般法に従って下記変換反応を実施した。 実施例68   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−メトキシ−7−ベンズアミド−3−ヒドロキ
シ−3−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニト
ロベンジル  7−メトキシ−7−(α−クロロベンジ
リデン)イミノ−3−クロロ−3−セフエム−4−カル
ボキシレートに変換した。
【0215】実施例69   亜リン酸トリ(o−トリル)を用いてベンジル  
7−フエニルアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフ
エム−4−カルボキシレートをベンジル  7−(1−
クロロ−2−フエニルエチリデン)イミノ−3−クロロ
−3−セフエム−4−カルボキシレートに変換した。
【0216】実施例70   亜リン酸トリフエニルを用いて2’,2’,2’−
トリクロロエチル  7−(2−チエニルアセトアミド
)−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ートを2’,2’,2’−トリクロロエチル  7−[
1−クロロ−2−(2−チエニル)エチリデン]イミノ
−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレートに
変換した。
【0217】実施例71   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−メトキシベン
ジル  7−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフ
エム−4−カルボキシレートを4’−メトキシベンジル
  7−(1−クロロエチリデン)イミノ−3−クロロ
−3−セフエム−4−カルボキシレートに変換した。
【0218】実施例72   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−フエノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ−
3−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニトロベ
ンジル  7−(1−ブロモ−2−フエノキシエチリデ
ン)イミノ−3−ブロモ−3−セフエム−4−カルボキ
シレートに変換した。
【0219】実施例73   亜リン酸トリ(o−メトキシフエニル)を用いてt
−ブチル  7−(2−クロロアセトキシ−2−フエニ
ルアセトアミド)−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4
−カルボキシレートをt−ブチル  7−(1−クロロ
−2−クロロアセトキシ−2−フエニルエチリデン)イ
ミノ−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレー
トに変換した。
【0220】実施例74   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−(4−クロロベンズアミド)−3−ヒドロキ
シ−3−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニト
ロベンジル  7−(4−クロロ−α−クロロベンジリ
デン)イミノ−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボ
キシレートに変換した。
【0221】実施例75   亜リン酸トリフエニルを用いて4’−ニトロベンジ
ル  7−フエニルアセトアミド−3−ヒドロキシ−3
−セフエム−4−カルボキシレートを4’−ニトロベン
ジル  7−(1−ブロモ−2−フエニルエチリデン)
イミノ−3−ブロモ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ートに変換した。
【0222】実施例76 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−ブロモ−3−セフエム−4−カルボキシレート(
亜リン酸トリフエニル−臭素を使用)   臭素2.30ml(45mmol)および塩化メチ
レン90mlから成る溶液に、−70℃において亜リン
酸トリフエニル12.22ml(mmol)を加えて溶
液を脱色した。この溶液に、塩化メチレン10mlを用
いて4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトア
ミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシ
レート10.6g(20mmol)を流し込んだ。混液
を−35℃乃至−30℃に暖め、ピリジン3.64ml
(45mmol)を含む塩化メチレン16mlを35分
間にわたって滴下した。4時間後に氷水50mlを加え
て混液を0.5時間撹拌すると3つの層に分かれた。中
間層の塩化メチレン層を水50mlおよび食塩水で洗浄
して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、29.7gになるま
で減圧下に溶媒を留去した。これにメタノール150m
lを加えて結晶化を誘発し、標記化合物3.78gを得
た。融点138〜139℃
【0223】NMR(DMSO  d−6)δ  4.
0(ABq,C2−H),4.65(s,2,側鎖CH
2),5.28(d,1,J=5Hz),5.47(s
,2,エステルCH2),5.8(q,1,J=5,8
Hz),6.9〜8.4(ArH)。
【0224】実施例77 ベンジル  7−(1−クロロ−2−フエニルエチリデ
ン)−7−メトキシ−3−アセトキシメチル−3−セフ
エム−4−カルボキシレート   ピリジン0.1mlを含む塩化メチレン45ml中
で、−15℃において塩素と亜リン酸トリフエニル(1
2.3mmol)から製造した亜リン酸トリフエニル−
塩素コンプレックスの溶液ベンジル  7−フエニルア
セトアミド−7−メトキシ−3−アセトキシメチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート5.11g(10m
mol)を加え、さらにピリジン1.01ml(12.
5mmol)を含む塩化メチレン4mlを10分間にわ
たって滴下した。−15℃乃至−10℃において50分
間撹拌した後にプロピレンオキシド2.1ml(30m
mol)を加え、0℃においてさらに10分間撹拌して
氷水25mlで洗浄し、塩化カルシウムで乾燥して減圧
下に蒸発に付した。
【0225】得られたシロップ状物質11gを四塩化炭
素で3回摩砕し、エーテル50mlに溶解した。このエ
ーテル性溶液を沈澱物0.5gからデカンテーションし
、減圧下に約25mlに濃縮した。これをヘキサン25
mlで希釈し、得られた油状物質をヘキサン−エーテル
(1:1)で2回洗浄し、さらに減圧下において四塩化
炭素溶液から2回蒸発させて、標記化合物2.5gを泡
状物質として得た。 IR(CHCl3)  1780,1730cm−1 
 NMR(CDCl3,ピリジン  d−5):δ  
1.96(s,3),3.3(ABq),3.43(s
,2),3.93(s,2),4.86(ABq),4
.93(s,1),5.25(s,1),7.3(Ar
H)。
【0226】実施例78 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩[亜リン酸
トリ(p−クロロフエニル)−塩素動力学的コンプレッ
クス使用]   亜リン酸トリ(p−クロロフエニル)10.34g
、ピリジン0.53ml(6.5mmol)および塩化
メチレン50mlから成る溶液に、−70℃において塩
素の塩化メチレン溶液15mlを加えた。アミレン0.
52mlを加えて過剰の塩素を除去し、得られた亜リン
酸トリ(p−クロロフエニル)−塩素コンプレックス溶
液に、塩化メチレン10mlを用いて4’−ニトロベン
ジル  7−フエノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ
−3−セフエム−4−カルボキシレート5.28gを流
し込んだ。
【0227】次にピリジン1.57ml(19.5mm
ol)を含む塩化メチレン9mlを33分間にわたって
滴下し、2時間後に混液を2℃に暖めた。イソブタノー
ル6.94mlを加え、塩化水素を2分間導通して混液
を減圧下に濃縮し、得られたシロップ状物質に酢酸エチ
ル50mlを加えた。得られたゴム状物質をメタノール
約100mlで摩砕し、白色の固体、即ち、亜リン酸ト
リ(p−クロロフエニル)を濾去した。濾液を減圧下に
蒸発乾固し、得られた残渣にトルエン−酢酸エチル(1
:1)15mlを加え、さらにゴム状残渣を溶解するに
充分な量のメタノールを加えた。この混液を約5分間放
置すると、標記化合物0.97gが白色の固体として結
晶化した。融点184〜186℃(分解)
【0228】実施例79 4’−ニトロベンジル  7−フエニルアセトアミド−
3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート  塩化
メチレン75mlに、−20℃において塩素および亜リ
ン酸トリフエニル10mlを、混液が淡緑色を示すよう
な割合で加えた。混液の温度は−20℃乃至−25℃に
維持した。添加終了後、アミレン3mlを加え、得られ
た亜リン酸トリフエニル−塩素動力学的コンプレックス
(TPP−C)の溶液を−30℃において保存した。上
記TPP−C溶液5.0mlとアミレン0.5mlから
成る混液を撹拌し、4’−ニトロベンジル  7−フエ
ニルアセトアミド−3−メチレンセフアム−4−カルボ
キシレート・1−オキシド500mgを加えた。混液を
10℃で45分間撹拌し、メタノール2mlを加えて減
圧下に蒸発乾固した。
【0229】残渣をエーテルでスラリーして標記生成物
410mgを濾取した。本生成物および実施例80〜8
6の生成物の核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、以下
の表IIに記した。
【0230】実施例80 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート  実
施例79に記載の方法に従って4’−ニトロベンジル 
 7−フエノキシアセトアミド−3−メチレンセフアム
−4−カルボキシレート・1−オキシド500mgを還
元して標記化合物370mgを得た。
【0231】実施例81 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート 
 実施例79に記載の方法に従って4’−ニトロベンジ
ル  7−フエノキシアセトアミド−3−クロロ−3−
セフエム−4−カルボキシレート・1−オキシド500
mgを還元してた標記化合物310mgを得た。
【0232】実施例82 4’−ニトロベンジル  7−(2−チエニルアセトア
ミド)−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート   実施例79に記載の方法に従って4’−ニトロベン
ジル  7−(2−チエニルアセトアミド)−3−メチ
ル−3−セフエム−4−カルボキシレート・1−オキシ
ド500mlを還元して標記化合物260mgを得た。
【0233】実施例83 4’−ニトロベンジル  7−ヘプタノイルアミノ−3
−メチル−3−セフエム−4−カルボキシレート  実
施例79に記載の方法に従って4’−ニトロベンジル 
 7−ヘプタノイルアミノ−3−メチル−3−セフエム
−4−カルボキシレート・1−オキシド500mgを還
元して標記化合物270mgを得た。
【0234】実施例84 4’−メトキシベンジル  7−(2−チエニルアセト
アミド)−3−メチル−3−セフエム−4−カルボキシ
レート   実施例79に記載の方法に従って4’−メトキシベ
ンジル  7−(2−チエニルアセトアミド)−3−メ
チル−3−セフエム−4−カルボキシレート・1−オキ
シド500mgを還元して標記化合物470mgを得た
【0235】実施例85 ベンジル  7−(2−チエニルアセトアミド)−3−
メチル−3−セフエム−4−カルボキシレート  実施
例79に記載の方法に従ってベンジル  7−(2−チ
エニルアセトアミド)−3−メチル−3−セフエム−4
−カルボキシレート・1−オキシド300mgを、亜リ
ン酸トリフエニル−塩素コンプレックス溶液3mlおよ
びアミレン0.3mlを用いて還元し、標記化合物24
0mgを得た。
【0236】実施例86 2’,2’,2’−トリクロロエチル  7−フエノキ
シアセトアミド−3−メチレンセフアム−4−カルボキ
シレート   実施例79に記載の方法に従って2’,2’,2’
−トリクロロエチル  7−フエノキシアセトアミド−
3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート・1−オ
キシド300mgを、TPP−C溶液3mlおよびアミ
レン0.3mlを用いて還元し、標記化合物80mgを
得た。
【0237】
【表2】
【0238】実施例87 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート  (
安定化させたTPP−Cを使用)   ピリジン0.8ml(10mmol)を含む塩化メ
チレン150mlに、−20℃において塩素および亜リ
ン酸トリフエニル20mlを加えた。この添加は溶液が
淡緑色を呈する速度で行ない、この間、反応溶媒を−2
0℃に維持した。安定化させた亜リン酸トリフエニル−
塩素動力学的コンプレックスの溶液に、アミレン8ml
および4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセト
アミド−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート
・1−オキシド19.13gを加えた。混液を−15℃
乃至−20℃において約1時間撹拌し、室温に暖めて減
圧下に濃縮し、得られたシロップ状残渣にメタノール4
0mlを加えて30分間撹拌し、標記化合物11.58
gを濾取し、標準物質のNMRと比較して固定した。
【0239】実施例88 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレー
ト  塩化メチレン45mlに−15℃において亜リン
酸トリフエニル6.1mlおよび塩素を加えてTPP−
Cコンプレックスの溶液を調製した。塩素に対する澱粉
−ヨウ素反応が陰性となるまで亜リン酸トリフエニルを
加え、得られた溶液に、−15℃においてアミレン3m
lおよび4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセ
トアミド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボ
キシレート・1−オキシド10.6gを加えた。40分
後に混液を室温に暖め、未反応の出発物質5.08gを
濾去した。濾液を約35mlに減圧濃縮し、0℃に冷却
して酢酸10mlを加えると、標記化合物の酢酸ソルベ
ート1.81gが2回の濾過により得られた。 NMR(CDCl3) δ  2.05(s,3,(CH3COOH),3.6
(bs,2)4.53(S,2),5.01(d,1,
J=4Hz),5.31(ABq,2),5.65(q
,1,J=4,9Hz),6.8〜8.4(ArH)。
【0240】実施例89 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−クロロ−3−セフエム−4−カルボキシレート 
 実施例88に記載の方法に従って、−20℃において
塩化メチレン70mlおよび亜リン酸トリフエニル17
.1mlを用いてTPP−Cコンプレックスの溶液を調
製した。これにアミレン2.2mlおよび4’−ニトロ
ベンジル  7−フエノキシアセトアミド−3−ヒドロ
キシ−3−セフエム−4−カルボキシレート・1−オキ
シド10.6gを加えると混液は−8℃に昇温した。4
5分後に、ピリジン3mlを含む塩化メチレン15ml
を70分間にわたって添加し、その後、−10℃乃至−
15℃に45分間保持した。混液を約35mlに減圧濃
縮して2Bエタノール10mlを加え、さらに濃縮して
酢酸数mlを加え、結晶化した標記化合物3.2gを濾
取した(二次晶を含む)。 この生成物の構造は、標記化合物の標準物質のNMRデ
ータと比較して同定した。
【0241】実施例90 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩  約−2
0℃乃至約−10℃において塩化メチレン150mlに
塩素と亜リン酸トリフエニル36.8ml[以下に使用
するセフエムスルホキシド(22.3g)に対して3.
5当量]を、溶液が黄色を呈するように同時添加して亜
リン酸トリフエニル−塩素動力学的コンプレックス溶液
を調製した。亜リン酸トリフエニルの最後の一滴を加え
ると混液は塩素に対するヨウ素−澱粉反応で陰性を示し
た。混液を−25℃に冷却してアミレン5.1mlおよ
び4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミ
ド−3−ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレ
ート・1−オキシド22.3gを順次加え、−15℃乃
至−10℃で25分間撹拌した後にピリジン11ml(
セフエムスルホキシド1当量あたり3.4当量)を含む
塩化メチレン30mlを53分間にわたって滴下した。 添加が終了してから15分後にイソブタノール37ml
(10当量)を加え、塩化水素を6分間導通した。結晶
化した標記化合物を濾取して塩化メチレン100mlで
洗浄し、減圧乾燥した。収量6.4g(37%)。 NMR(DMSO  d−6) δ  4.06(bs,2),5.33(q,2,J=
4.5Hz,β−ラクタムH),5.5(s,2),7
.8〜8.3(ArH),〜8.6(vbs,−NH3
)。
【0242】実施例91〜134 至適反応条件を見い出すために実施例90に記載の反応
を細かく検討し、その結果を表IIIにまとめた。実施
例90に記載の方法を実施し、試薬量および反応時間は
表に記載のとおりとした。基質となるセフエムスルホキ
シドとその使用量22.3g、ピリジンの溶媒としての
塩化メチレン30mlおよびイソブタノール37mlは
、いずれの実施例においても一定とした。
【0243】
【表3】
【表4】
【表5】
【0244】実施例135 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート   実施例90に記載の方法に従って、亜リン酸トリフ
エニル23ml、塩素および塩化メチレン100mlか
ら亜リン酸トリフエニル−塩素(TPP−C)コンプレ
ックス溶液を調製した。この溶液に、−10℃乃至−1
5℃においてシクロペンテン5.28ml(セフエムス
ルホキシド出発物質に対して3.0当量)および4’−
ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド−3−
ヒドロキシ−3−セフエム−4−カルボキシレート・1
−オキシド11.15gを加えた。ピリジン6.3ml
を含む塩化メチレン15mlを60分間にわたって滴下
し、この間の温度を−10℃乃至−15℃に保った。次
にイソブタノール18.5mlを約3分間導通し、混液
を室温に暖めて2時間後に標記化合物を濾取した。収率
80.4%。
【0245】実施例136〜139 ハロゲン捕集剤を変えた点を除いて実施例135に記載
の製法および試薬(当量)を用いた。表IVは、実施例
135〜139の結果をまとめたものである。
【表6】
【0246】実施例140 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート・塩酸塩(アセトニ
トリル使用)   (A)  実施例90に記載の方法に従って、亜リ
ン酸トリフエニル23.0ml、塩素およびアセトニト
リル100mlからTPP−Cコンプレックスを調製し
、アミレン3.2mlおよび4’−ニトロベンジル  
7−フエノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セ
フエム−4−カルボキシレート・1−オキシド11.1
5gを加えた。さらにピリジン6.2mlのアセトニト
リル溶液およびイソブタノール18.5mlを順次加え
た。混液に塩化水素を導通すると40℃に昇温し、これ
を氷浴を用いて約25℃に冷却した。標記化合物は28
℃で結晶化し、その収率は46.5%であった。
【0247】(B)  反応媒質としてテトラヒドロフ
ラン100mlを用いた点を除いて上記工程(A)の一
般法を実施し、イソブタノールおよび塩化水素を添加し
た後に塩化メチレン約25mlを加えた。収率35.1
【0248】実施例141 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−クロロ−3
−セフエム−4−カルボキシレート(室温)  ピリジ
ン0.93mlを含む塩化メチレン100mlに、21
〜25℃において、混液が淡緑色を呈する速度で塩素と
亜リン酸トリフエニル22.9mlを同時に添加して調
製した亜リン酸トリフエニル−塩素コンプレックス溶液
に、アミレン4.2mlおよび4’−ニトロベンジル 
 7−フエノキシアセトアミド−3−クロロ−3−セフ
エム−4−カルボキシレート・1−オキシド11.2g
を加えると混液は約30℃に昇温した。この混液を22
℃に冷却し、ピリジン5.3mlを含む塩化メチレン1
5mlを1時間にわたって滴下した。ピリジン溶液の添
加が終了してから15分後にイソブタノール18.5m
lを加え、塩化水素を5分間導通して2時間後に標記化
合物5.69gを濾取した。
【0249】実施例142 4’−ニトロベンジル  7−アミノ−3−メチレンセ
フアム−4−カルボキシレート・塩酸塩   実施例90に記載の方法に従って塩素と亜リン酸ト
リフエニル31.6mlから亜リン酸トリフエニル−塩
素コンプレックスを調製し、アミレン5.1mlおよび
4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート・1−
オキシド19.13gを加えた。30分後にピリジン6
.3mlを含む塩化メチレン16mlの滴下を開始し、
1時間にわたって実施した。15分後に、ピリジン3.
1mlを含む塩化メチレン8mlをさらに0.5時間に
わたって加え、滴下終了15分後にイソブタノール37
mlを加えた。混液に塩化水素を6分間導通し、2時間
後に標記化合物10.5g(69.5%)を濾取した。 NMR(DMSO  d−6) δ  3.67(bs,2),5.0(d,1,J=5
Hz),5.35〜5.53(m,6),7.6〜8.
4(m,A rH)。
【0250】実施例143 4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド
−3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート(亜リ
ン酸トリフエニル−臭素動力学的コンプレックスを使用
)  (A)  塩化メチレン150mlに、−30℃
において亜リン酸トリフエニル19.9mlおよび臭素
3.9mlを加えて亜リン酸トリフエニル−臭素コンプ
レックス溶液を調製した。臭素に対するヨウ素−澱粉反
応が陰性を示した後でも混液はわずかに着色していた。 この溶液に、−45℃においてアミレン8mlおよび4
’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトアミド−
3−メチレンセフアム−4−カルボキシレート・1−オ
キシド19.14gを加えた。薄層クロマトグラフィー
(TLC}によれば、還元は20分後に完了していた。 混液を室温に暖めて約40mlに減圧濃縮し、メタノー
ル40mlを加えると30秒以内に結晶化が始まり、標
記化合物14.06g(76.8%)を濾取してNMR
で構造を同定した。
【0251】(B)  亜リン酸トリフエニル−臭素コ
ンプレックス溶液を−60℃に冷却してからアミレンお
よび3−メチレンセフアムスルホキシドを加えた点を除
いて工程(A)の方法を実施した。混液を−40℃乃至
−45℃に保った。TLCによれば反応は1時間後に完
了し、標記化合物14.06gを単離した。
【0252】実施例144〜153 実施例79に記載の方法に従って、以下に記載の亜リン
酸トリアリール−ハロゲンコンプレックスを用いてセフ
ァロスポリンスルホキシドを還元した。
【0253】実施例144   ベンズヒドリル  7−ホルムアミド−3−アセト
キシメチルセフエム−4−カルボキシレート・1−オキ
シド;亜リン酸トリフエニル−塩素コンプレックス
【0
254】実施例145   4’−メトキシベンジル  7−[2−(2−チエ
ニル)アセトアミド]−3−クロロ−3−セフエム−4
−カルボキシレート・1−オキシド;亜リン酸トリフエ
ニル−臭素コンプレックス
【0255】実施例146   2’,2’,2’−トリクロロエチル  7−クロ
ロアセトアミド−3−ブロモメチル−3−セフエム−4
−カルボキシレート・1−オキシド;亜リン酸トリ(p
−メトキシフエニル)−塩素コンプレックス
【0256】実施例147   ベンジル  7−ベンズアミド−3−メチル−3−
セフエム−4−カルボキシレート・1−オキシド;亜リ
ン酸トリフエニル−塩素コンプレックス
【0257】実施例148   4’−ニトロベンジル  7−フエノキシアセトア
ミド−3−セフエム−4−カルボキシレート・1−オキ
シド;亜リン酸トリフエニル−塩素コンプレックス
【0
258】実施例149   t−ブチル  7−[2−(2−フリル)−2−メ
トキシイミノアセトアミド]−3−(1−メチル−1,
2,3,4−テトラゾール−5−イル)チオメチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・1−オキシド;亜
リン酸トリフエニル−塩素コンプレックス
【0259】実施例150   ベンズヒドリル  7−(2−ホルミルオキシ−2
−フエニルアセトアミド)−3−(1−メチル−1,2
,3,4−テトラゾール−5−イル)チオメチル−3−
セフエム−4−カルボキシレート・1−オキシド;亜リ
ン酸トリ(p−クロロフエニル)−塩素コンプレックス
【0260】実施例151   4’−ニトロベンジル  7−(4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニルアミノ)−3−メトキシメチル−3
−セフエム−4−カルボキシレート・1−オキシド;亜
リン酸トリ(トリール)−塩素コンプレックスもしくは
亜リン酸トリフエニル−臭素コンプレックス
【0261】実施例152   4’−メトキシベンジル  7−フエニルアセトア
ミド−3−アセチルチオメチル−3−セフエム−4−カ
ルボキシレート・1−オキシド;亜リン酸トリフエニル
−塩素コンプレックス
【0262】実施例153   ベンズヒドリル  7−[2−(2−チエニル)ア
セトアミド]−3−メトキシカルボニル−3−セフエム
−4−カルボキシレート・1−オキシド;亜リン酸トリ
(p−メトキシフエニル)−臭素コンプレックス
【02
63】実施例154〜163 実施例144〜153の出発物質として用いられている
7−アシルアミノセファロスポリンスルホキシドは亜リ
ン酸トリアリール−ハロゲンコンプレックスとピリジン
塩基を用いて前記反応図IIに従って対応するセファロ
スポリンイミノハライドに変換され、さらにイミノクロ
リドのアルコーリシス用にイソブタノール、1,2−プ
ロパンジオールもしくは1,3−プロパンジオールを用
いて対応する7−アミノセファロスポリンエステルに変
換した。
【0264】実施例163〜172 実施例90に記載の方法に従って、以下に示す7−アシ
ルアミノ−3−ヒドロキシセファロスポリンスルホキシ
ドエステルを、記載の試薬を用いて対応する7−アミノ
−3−クロロセファロスポリンエステルに変換した。
【0265】
【表7】
【0266】実施例173 7−(2−チエニルアセトアミド)−3−メチル−3−
セフエム−4−カルボン酸   過剰の塩素を含む塩化メチレン75mlに−20℃
乃至−35℃において亜リン酸トリフエニル10mlを
加えて亜リン酸トリフエニル−塩素コンプレックス溶液
を調製した。過剰の塩素を除去するにはアミレン3ml
を用いた。亜リン酸トリフエニル−塩素コンプレックス
溶液30ml(12.9mmol)に、0℃においてア
ミレン0.5mlと7−(2−チエニルアセトアミド)
−3−メチル−3−セフエム−4−カルボン酸スルホキ
シド0.90g(2.2mmol)を加えると、スルホ
キシドは0〜5℃において5分後に溶解した。混液を0
〜5℃において25分間撹拌すると、この間に沈澱が形
成された。水0.1mlを加えて5分間撹拌し、さらに
エーテル50mlを加えて生成物を濾取し、45℃(1
20mmHg)で2日間観光して標記スルフイド0.5
gを得た。
【0267】NMR  (DMSO  d−6)δ  
8.21(d,J=8Hz,NH),7.38(m),
    6.96(d,J=4Hz),5.67(d,
d,J=5,8Hz,C7−H),4.81(d,J=
5Hz,C6−H),3.82(s),3.60(AB
,C2−H),203(s,メチル)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (a)式(II): 【化1】 で表わされる亜リン酸トリアリールと塩素または臭素を
    不活性有機溶媒中で当量づつ反応させて得られる動力学
    的にコントロールされた生成物であって式(I):【化
    2】 で表わされる亜リン酸トリアリール−ハロゲンコンプレ
    ックスをハロゲン化剤として使用し、第三アミン塩基の
    存在下、実質的に無水の不活性有機溶媒中、約30℃以
    下においてこれを6−アシルアミノペニシリンもしくは
    7−アシルアミノセファロスポリンと反応させて、6−
    ハロアルキリデンアミノペニシリンもしくは7−ハロア
    ルキリデンアミノセファロスポリンを製造し、次いで(
    b)ハロアルキリデンアミノ体が完全に形成された後に
    C1〜C15脂肪族アルコールと塩化水素を加えて、6
    −アミノペニシリンまたは7−アミノセファロスポリン
    を製造する方法。[式中、Xは塩素もしくは臭素、Zは
    水素、ハロゲン、C1〜C4アルキルもしくはC1〜C
    4アルコキシをそれぞれ表わす。但し、6−アシルアミ
    ノペニシリンもしくは7−アシルアミノセファロスポリ
    ンがヒドロキシ、アミノもしくはカルボキシで置換され
    ている場合には、まず、これらの基を通常のヒドロキシ
    、アミノもしくはカルボキシ保護基で保護しておくもの
    とする。]
  2. 【請求項2】  請求項1に記載の工程(b)において
    、C4〜C12β−ジ置換第一級脂肪族アルコール、C
    2〜C121,2−ジオールまたはC3〜C151,3
    −ジオールを加えることを特徴とする請求項1に記載の
    製造法。
  3. 【請求項3】  アルコールまたはジオールがイソブタ
    ノール、1,2−プロパンジオールまたは1,3−プロ
    パンジオールである請求項2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】  使用するハロゲン化剤が亜リン酸トリ
    フェニル−塩素コンプレックスである請求項1〜請求項
    3までのいずれかに記載の製造法。
  5. 【請求項5】  下記式(V)で表わされる7−アシル
    アミノセファロスポリンを使用して対応する7−アミノ
    体を得ることを特徴とする請求項1に記載の製造法。 【化3】 [式中、Rはカルボン酸保護基;R1は水素もしくはメ
    トキシ;R7CO−はカルボン酸から誘導したアシル基
    ;Mは水素、塩素、臭素、保護ヒドロキシ、C1〜C4
    アルコキシ、メチル、C1〜C4アルキルフェニルスル
    ホニルオキシもしくは 式:  −CH2B で表わされる基をそれぞれ表わす。但し、Bは1) C
    1〜C4アルカノイル、カルバモイルオキシもしくはC
    1〜C4アルキルカルバモイルオキシ、2)C1〜C4
    アルコキシ、 3)塩素もしくは臭素、または 4)式−SR9で表わされる基(但し、R9は、(a)
      C1〜C4アルカノイル、(b)  C1〜C4ア
    ルキル、フェニルまたはC1〜C4アルキル、C1〜C
    4アルコキシ、保護ヒドロキシ、塩素、臭素、フッ素、
    ニトロ、シアノ、メタンスルホンアミドおよびトリフル
    オロメチルから選んだ1または2個の置換基で置換され
    たフェニル、または(c)  酸素、硫黄および窒素か
    ら選んだ1〜4個のヘテロ原子を含む、非置換またはC
    1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、塩素、臭素
    、オキソ、ハロ(C1〜C4アルキル)、保護アミノ、
    保護アミノ(C1〜C4アルキル)、保護ヒドロキシ、
    保護ヒドロキシ(C1〜C4アルキル)、保護カルボキ
    シもしくは保護カルボキシ(C1〜C4アルキル)で置
    換された5または6員環のヘテロ環である。)を表わす
    。]
  6. 【請求項6】  式(XIX)で表わされる核エステル
    ・塩酸塩を得ることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の製造法。 【化4】 [式中、Rはカルボン酸保護基である]
  7. 【請求項7】 
     亜リン酸トリフェニル−塩素コンプレックスが、式(
    III): 【化5】 で表わされる化合物であって、下記(a)〜(d)の諸
    性質を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のい
    ずれかに記載の製造法。 (a)  31P核磁気共鳴(CH2Cl2)−3.7
    ppm(リン酸に対して); (b)  赤外線吸収スペクトル(CH2Cl2)11
    20〜1190(vs),1070(vs),1035
    (s),1010(vs),990(vs),640(
    m),625(m),580(w),510(s),4
    65(w);(c)  水と反応して塩酸とリン酸トリ
    フェニルを与える;(d)  ブタノールと反応して塩
    酸、ブチルクロリドおよびリン酸トリフェニルを与える
  8. 【請求項8】  6−ハロアルキリデンアミノペニシリ
    ンまたは7−ハロアルキリデンアミノセファロスポリン
    に少なくとも3倍過剰のC1〜C15脂肪族アルコール
    と塩化水素を加えて、6−アミノペニシリンまたは7−
    アミノセファロスポリンを製造する方法。
  9. 【請求項9】  C4〜C12β−ジ置換第一級脂肪族
    アルコール、C2〜C121,2−ジオールまたはC3
    〜C151,3−ジオールを加える請求項8に記載の製
    造法。
  10. 【請求項10】  アルコールまたはジオールがイソブ
    タノール、1,2−プロパンジオールまたは1,3−プ
    ロパンジオールである請求項9に記載の製造法。
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