以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る遊技球揚送装置100は、遊技機10で使用された後に排出された遊技球を、再び遊技機10に上方から補給するために揚送する装置である。以下、1台の遊技機10から構成されたいわゆる単体島としての遊技機島1に設置した場合を例に説明する。
先ず、遊技機島1の概要から説明する。図1〜図3に示すように、遊技機島1は、フロア上に載置する遊技機設置枠2をフレームとし、該遊技機設置枠2内に遊技機10の他、遊技球揚送装置100と、その上側に配置されて揚送後の遊技球を研磨するための遊技球研磨装置200と、を備えて成る。かかる遊技機島1は、遊技球を循環して使用することにより独立して構成されるいわゆる単体島である。遊技球研磨装置200は、遊技球揚送装置100の一部として組み合わされている。
遊技機10は、遊技球としてパチンコ球を使用して遊技を行うものである。遊技機10の左端に隣接して、カードや紙幣の挿入により遊技球を貸し出す球貸機(カードユニット)20が並設されている。図2、図3に示すように、遊技機10の正面下部には、遊技球を機内の遊技盤面上に打ち出すためのハンドル11、打ち出す遊技球を貯留する上受け皿12、上受け皿12から溢れ出た遊技球を受ける下受け皿13等が設けられている。球貸機20は、遊技者に貸し出す遊技球を上受け皿12に遊技機10内部より払い出すが、球貸機20自体からノズルを介して上受け皿12に払い出すタイプもある。
また、下受け皿13の下方に位置する天板上には、下受け皿13内の遊技球を随時落下させることができる玉箱仕様の景品球計数機14が配設されている。景品球計数機14は、前記球貸機20とユニットとして一体に組み合わされており、いわゆる各台計数機と称されるものである。かかる景品球計数機14は、既に一般的であるので詳細な説明は省略するが、玉箱部分に貯められた遊技球を底面にある排出口より遊技機10内部に排出する時に、遊技球を整列レーンで一列に整列させながらセンサで計数するものである。
図1、図3に示すように、遊技機10の背面側下方には、入球回収タンク30が配設され、入球回収タンク30とは別に景品球回収樋40が配設されている。入球回収タンク30は、遊技者がハンドル11の回転操作により遊技機10に投入した遊技球である「入球」を受け入れて、入球回収樋31(図3参照)を介して後述する整列レール130に受け渡すものである。一方、景品球回収樋40は、遊技者が遊技機10から獲得した遊技球である「景品球」を景品球計数機14から受け入れて、整列レール130に受け渡すものである。
図1、図3、図4に示すように、遊技球揚送装置100は、遊技機10の右端の後方に沿うように立設され、前記入球回収タンク30から受け入れる入球と、前記景品球回収樋40から受け入れる景品球とを、それぞれ別々に揚送するように構成されている。遊技球揚送装置100は、全長に亘り上下方向に延びる状態で軸周りに回転駆動される螺旋体110と、該螺旋体110の外周に沿って上下方向に延び、螺旋体110の外周側からピッチ間に一部が嵌った遊技球を螺旋体110の回転駆動に伴い上方に導く一対の揚送路121,122と、を有して成る。
図5〜図8に示すように、各揚送路121,122は、上下方向に延びるパイプ本体101の内部に形成されている。パイプ本体101には、その全長に亘り軸心に沿って延び、螺旋体110を挿通させる円形断面の縦孔である挿通路102が形成されている。挿通路102は、螺旋体110の回転駆動を阻害することなく、螺旋体110の外周を保持できる内径に設定されている。この挿通路102の両側に、該挿通路102と平行に延びる縦孔として各揚送路121,122が形成されている。
各揚送路121,122は、前記挿通路102の両側に沿って互いに対称に延び、該挿通路102の全長に亘って連通する円弧形断面の縦孔として形成されている。各揚送路121,122は、遊技球の移動を阻害することなく、遊技球の外周を保持できる内径に設定されている。各揚送路121,122に収まった遊技球の一部が前記挿通路102内に迫り出して、後述する螺旋体110の外周側からピッチ間に嵌るようになっている。なお、各揚送路121,122の具体的な断面形状は、遊技球を保持できれば足り、必ずしも円形に限られるものではない。
各揚送路121,122のうち、一方は、前記入球回収タンク30から受け入れた入球を揚送する入球揚送路121として、他方は、景品球回収樋40から受け入れた景品球を揚送する景品球揚送路122として、それぞれ設定されている。パイプ本体101は、一体の成形品に対して後から挿通路102および各揚送路121,122を穿設加工しても良いが、あるいは、2分割された部材の互いの対向面に挿通路102および各揚送路121,122を半分ずつ切削ないし成形加工してから、この2分割された部材を貼り合わせても良い。
図6に示すように、パイプ本体101の上端側は、前記挿通路102の上端口を成す主管部103と、その両側で前記各揚送路121,122の上端出口を成す一対の分岐管部104,104とに三ツ股に形成されている。入球揚送路121の上端出口には、入球揚送路121を通過する入球を計数する入球計数手段123が設けられている。また、景品球揚送路122の上端出口には、景品球揚送路122を通過する景品球を計数する景品球計数手段124が設けられている。入球計数手段123と景品球計数手段124は、それぞれ対応する分岐管部104に設けられている。
入球計数手段123と景品球計数手段124は、それぞれ上端出口を通過する遊技球を1つずつ検出可能なものであり、具体的には例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。入球計数手段123と景品球計数手段124は、前記景品球計数機14と同様にそれぞれ信号線を介して図示省略した制御手段に接続されている。制御手段は、CPU,ROM,RAMを具備したマイクロコンピュータからなり、遊技機島1に設置されている各種関連機器を制御するものである。
螺旋体110は、金属線材を螺旋状に曲げて形成したコイルバネから成る。螺旋体110は、その全長に亘り上下方向に延びる状態で前記挿通路102に挿通され、軸回りに回転駆動されるものである。螺旋体110のピッチ間の間隙は、遊技球の外径よりも小さく設定されており、各揚送路121,122の下端入口より導入された遊技球は、螺旋体110の外周側からピッチ間に一部が嵌った状態で、該螺旋体110の回転駆動に伴い上方に揚送される。
図5、図6に示すように、螺旋体110は、ピッチ間の隙間に連通して軸方向に延びる中空部111を備えるが、本実施の形態に係るコイルバネでは、その内側全体がそのまま中空部111となっている。かかる中空部111は、揚送中の遊技球より分離された異物の落下経路として設定されている。なお、螺旋体110は、コイルバネの他にも例えば、円筒の外周にスクリュー羽根を取り付け、スクリュー羽根のピッチ間の隙間に適宜スリットを開設して、各スリットを円筒内部に連通させた構造のもの等が考えられる。
螺旋体110の上端口113は、前記パイプ本体101の上方に延出しており、後述するメインシャフト145に対して端末キャップ114を介して取り付けられている。これにより、螺旋体110は動力源によって、下方より上方へ遊技球を押し上げるのではなく、引っ張り上げる形態で回転駆動される。また、螺旋体110の下端口112は、前記パイプ本体101の下方に延出しており、次述する整列レール130にある異物排出用の開口部133を貫通した状態で自由に回転可能に配されている。
図1、図3、図5に示すように、前記螺旋体110および前記各揚送路121,122の下端側には、揚送する遊技球である入球と景品球とを別々に受け入れて供給する整列レール130が設けられている。この整列レール130は、前記入球回収樋31および景品球回収樋40の各下流端と前記パイプ本体101の下端側との間に配設されている。整列レール130は、入球回収樋31から受け渡された入球を入球揚送路121の下端入口に導くと共に、景品球回収樋40から受け渡された入球を景品球揚送路122の下端入口に導くものである。
図9〜図14に示すように、整列レール130は合成樹脂により一体成形されたものであり、入球を受け入れる入球回収路131と、景品球を受け入れる景品球回収路132と、前記螺旋体110を貫通させる異物排出用の開口部133が形成されている。入球回収路131は、前記入球回収樋31の下流端に連なる一端側から前記入球揚送路121の下端入口に連なる他端側に亘り、入球を一列に整列させた状態で流下させる凹状断面形に形成されており、一端側から他端側にかけて緩やかに下り傾斜している。
景品球回収路132は、前記景品球回収樋40の下流端に連なる一端側から前記景品球揚送路122の下端入口に連なる他端側に亘り、景品球を多列の状態から徐々に一列に集約して整列させた状態で流下させる凹状断面形に形成されている。この景品球回収路132の凹状断面形は、一端側は多列の景品球を受け入れるべく幅広に形成されているが、徐々に窄まって他端側は景品球を一列に整列させる溝幅となる。また、景品球回収路132の一端側から他端側にかけて緩やかに下り傾斜し、かつ入球回収路131寄りの円弧形に延びる側端縁から反対側の直線状に延びる側端縁に向ってアール断面形状の傾斜が設けられている。
図5に示すように、整列レール130の他端側には、前記パイプ本体101が垂直に立設されている。パイプ本体101の挿通路102と整列レール130の開口部133とは、互いに上下方向に連通している。パイプ本体101の下端より螺旋体110は下方に延出しており、この螺旋体110の下端口112は、さらに下方に延びて前記開口部133を貫通した状態で外部に露出している。なお、遊技機設置枠2には、前記開口部133の丁度真下に位置する箇所に螺旋体110の下端口112を臨む異物排出口3が設けられている。
前記各揚送路121,122の下端入口は、それぞれ整列レール130の入球回収路131と景品球回収路132の他端側である下流端に連通接続されている。図9、図10に示すように、各回収路131,132の下流端は、それぞれ前記開口部133(を貫通した螺旋体110)の軸心に対して線対称に配置されている。ここで各回収路131,132の下流端は、螺旋体110の回転方向に沿って遊技球が放出される向きに設定されている。
また、入球回収路131および景品球回収路132のそれぞれの下流端に続く所定長さの部位は、互いに前記螺旋体110の直径方向に対して平行に延びるように配置されている。このような各回収路131,132のそれぞれの下流端側の配置により、詳しくは後述するが各揚送路121,122の下端入口において、最初に螺旋体110に接する遊技球が揚送されるまでは、次に続く遊技球は螺旋体110に接触しない状態となる。
さらに、入球回収路131および景品球回収路132のそれぞれの下流端より遊技球1つ分だけ手前位置には、各回収路131,132を流下してきた一列に並ぶ遊技球の上段に重なる遊技球に当接し、該上段の遊技球の進入を防ぐと共に、それぞれ対応する各揚送路121,122の下端入口に到達した遊技球の逆流を防止するリブ134が設けられている。
図10〜図12に示すように、詳しく言えばリブ134は、各回収路131,132の下流端内壁より遊技球1つ分だけ高い位置で所定幅で突出している。リブ134は、その下端側では各回収路131,132の下流端内壁より突出することなく遊技球を通過させるが、下流端内壁より突出する部位では遊技球の通過を阻止する。図13、図14に示すように、リブ134の所定幅は、リブ134の下端側を通過する遊技球に対して通過を阻止された上段の遊技球が接触しない程度の幅に設定されている。
このようなリブ134により、詳しくは後述するが遊技球は1つずつ各揚送路121,122の下端入口に円滑に導入される。リブ134は、整列レール130においてアンダーカット形状となるため、整列レール130全体と一緒に一体成形することはできず、図15、図16に示すように別体として成形され、各回収路131,132の下流端内壁に後から取り付けられる。リブ134の下端側には、遊技球を徐々に各揚送路121,122の下端入口に向けて下方に押し出すべく下方に湾曲したテーパー溝135が設けられている。
また、図1,図18に示すように、前記各揚送路121,122の上端側には、揚送後の遊技球を研磨するための遊技球研磨装置200が配置されている。この遊技球研磨装置200を駆動するための動力源は、前記螺旋体110を回転駆動する動力源と共用の電動モータ140から構成されている。さらに、遊技球研磨装置200の上方には、前記各揚送路121,122の上端出口より放出された遊技球を受け入れて貯留するための貯留部150が設けられている。
遊技球研磨装置200は、前記螺旋体110の上端口113の直ぐ上側に配設され、該螺旋体110と同軸回りに回転駆動される研磨用歯車210と、該研磨用歯車210の外周に沿って配され、研磨用歯車210の歯溝212aから一部が露出する遊技球に接して研磨する研磨手段と、前記研磨用歯車210の回転駆動に伴い順次押し出された遊技球を後述する貯留部150まで導く移送路230と、を有して成る。
図23に示すように、研磨用歯車210は、筒状のケーシング220内に回転可能に軸支され、ベースフレーム201に取り付けられている。ベースフレーム201には、動力源である前記電動モータ140も取り付けられている。研磨用歯車210は、略円柱形のシリンダー状に形成されており、その内部を貫通するメインシャフト145の軸回りに回転可能に軸支されている。研磨用歯車210の上下端には、メインシャフト145が相対的に回転可能に貫通する軸受部211a,211bが設けられている。
図22に示すように、研磨用歯車210は全体的にはシリンダー状に形成されている。さらに詳しくは、研磨用歯車210の上部は太径部210aとなっており、この太径部210aの外周に沿って、案内歯212が柱面の母線に沿って延びるように形成されている。各案内歯212間にある歯溝212aは、遊技球の半分以上を抱き込むように円弧状断面形状に形成されている。
歯溝212aの溝口は、遊技球を歯溝212a内から外側へ離脱不能なように、遊技球の最大径より幅狭に設定されている。すなわち、歯溝212aは、その歯溝212aの上端側から受け入れた遊技球を下端側へ案内可能であり、歯溝212a内には、複数の遊技球が上下に重なる状態で順次収容されるように設定されている。
一方、研磨用歯車210の太径部210aの下側は、外径が徐々に先細りになる縮径部210bとなっている。この縮径部210bの外周には、前記案内歯212に連続して柱面の母線に沿って延びる係止歯213が形成されている。各係止歯213のピッチは、前記各案内歯212の広めのピッチより徐々に狭くなっており、係止歯213の歯溝213a間は、前記歯溝212aから受け入れた遊技球同士を徐々に近づけて接触させるように設定されている。
さらに、縮径部210bの下側は、この縮径部210bの下端の最小外径と同一外径に延出する細径部210cとなっており、この細径部210cの外周にも、前記案内歯212に連続して柱面の母線に沿って延びる係止歯214が形成されている。係止歯214の歯溝214a間は、前記係止歯213の歯溝213aから案内された遊技球同士を接触させた状態に保つように設定されている。
図23、図20に示すように、ケーシング220の上部には、前記各揚送路121,122の上端出口より排出された遊技球を受け入れて貯留する貯留部150が一体に設けられている。この貯留部150は、トレイ状に形成されており、その一端側の底部には、前記研磨用歯車210の上端面に連通して、貯留部150内の遊技球をそのまま研磨用歯車210の露出した歯溝212aの上端開口に導く大口径の受入口151が開設されている。ただし、受入口151の一部は、貯留部150の底部をなすカバー部150aにより覆われ塞がれている。
また、貯留部150の底部における前記受入口151の近傍には、前記各揚送路121,122の上端出口がそれぞれ連通する一対の放出口152,152が開設されている。各放出口152は、それぞれ前記各揚送路121,122の上端出口である前記各分岐管部104に連通接続されている。ここで各放出口152と各分岐管部104とは、変形ないし伸縮自在なジャバラ管105を介して間接的に接続されている。
図23に示すように、ケーシング220の中段部分の筒壁には研磨用開口部221が開設されている。この研磨用開口部221は、研磨手段を構成する研磨シート240(図24参照)を外部から内部に進入させ、かつ、研磨用歯車210の案内歯212の外周に沿わせて配索できるように成っている。前記研磨用歯車210の回転駆動に伴って、前記歯溝212aから一部が露出した遊技球に研磨シート240が繰り返し接することにより遊技球は研磨される。この研磨シート240について詳しくは後述する。
図18に示すように、ケーシング220の下部には、前記研磨用歯車210の回転駆動に伴って順次下方へ押し出された遊技球を再び前記貯留部150まで導くための移送路230が連通接続されている。ケーシング220の下部の内周壁には、前記係止歯214の歯溝214aに案内された遊技球に当接し、遊技球を一列に整列させた状態で前記移送路230の下端入口に向けて押し出すためのガイドリブ222が設けられている。
前記移送路230は、遊技球の直径よりわずかに大きい内径を有し、遊技球を1列に整列させた状態で移送するパイプ部材から構成されている。この移送路230は、ケーシング220の下部に連通接続された下端入口より斜め上方に湾曲し、その上端出口は、前記貯留部150の底部に開設された再導入口153に連通接続されている。図20に示すように、再導入口153は、同じく貯留部150の底部に開設されている前記受入口151に対して前記各放出口152よりも離れた位置に配されている。
図18〜図20に示すように、貯留部150の底部には、各放出口152と再導入口153を含む位置より該再導入口153を境にして一端側にある前記受入口151に向って遊技球を自重で流下させる研磨用傾斜150bが形成されている。この研磨用傾斜150bの最上位となる傾斜頂端150cは、前記再導入口153の直径方向に延びるように配されており、該傾斜頂端150cより貯留部150の他端側に向って、遊技球を自重で流下させる補給用傾斜150dが形成されている。
各放出口152と再導入口153との間には、再導入口153より放出された遊技球を各放出口152の近傍を回避させて前記受入口151に導くように隔壁150eが設けられている。再導入口153から排出された遊技球は、図20中の遊技球の流れを表わす矢印に示すように、隔壁150eによって前記受入口151に直接向うことなく、隔壁150eに沿うように前記研磨用傾斜150bを流下し、回り込むように前記受入口151に導入される。
また、前記貯留部150の他端側には、補給樋160が接続されている。この補給樋160は、貯留部150の他端側から遊技機10の上方に亘って斜め下方に延びるように配設されている。貯留部150が遊技球で充満して貯留量が過剰な場合に、該過剰な遊技球は、前記傾斜頂端150cを乗り越えて補給用傾斜150dを下り補給樋160に流入するように設定されている。
図18,図20に示すように、補給樋160の上流側には、遊技球の有無を検知するための検知センサ161が設けられている。この検知センサ161は、補給樋160の上流側に遊技球が滞留した場合に継続してONとなり、かかるON状態が所定時間(例えば2秒)以上継続した時、遊技球が充満している旨の信号を出力するように設定されている。なお、検知センサ161は、具体的には例えば、光電スイッチ、レベルスイッチあるいはリミットスイッチ等により構成されている。
また、補給樋160の途中には、流下する遊技球を整列させた状態にして遊技機10に補給する配給シュート162が配設されている。ここで配給シュート162としては、例えば出願人が既に提案している特開2011−104042号公報に記載された発明等を利用すると良い。配給シュート162と遊技機10とは、落下する遊技球を導くジャバラ163を介して連通している。なお、図1において、配給シュート162と球貸機20とを結ぶジャバラ163は、本実施の形態では球貸機20自体からは遊技球を払い出さないために閉じられている。
図18、図23に示すように、ベースフレーム201における前記研磨用歯車210の側方には、電動モータ140が取り付けられている。電動モータ140には、ギアヘッド141および駆動軸141aが一体に組み付けられている。駆動軸141aには、外径の異なる大小2つの平歯車142,143が固設されている。前記研磨用歯車210の軸受部211aには平歯車215が固設されており、この平歯車215と前記平歯車142とに、タイミングベルト144が巻き掛けられている。これにより、研磨用歯車210は、前記電動モータ140の動力が伝達されて回転駆動するように構成されている。
また、前記螺旋体110の上端口113には端末キャップ114が取り付けられており、この端末キャップ114に対して前記メインシャフト145の下端が一体に回転可能に連結されている。メインシャフト145における端末キャップ114の直ぐ上側には、平歯車115が固設されており、この平歯車115と前記平歯車143とに、タイミングベルト146が巻き掛けられている。これにより、螺旋体110は、前記電動モータ140の動力が伝達されて回転駆動するように構成されている。
図23に示すように、前記研磨手段は、前記ケーシング220の研磨用開口部221に配される研磨シート240(図24参照)と、該研磨シート240を収容して前記研磨用歯車210を臨む位置に着脱可能な収納ケース250と、前記研磨シート240を前記収納ケース250から繰り出すと共に前記研磨用歯車210の外周に沿って移動させる繰出機構と、該繰出機構を前記研磨用歯車210の回転に連動させる連動機構と、を有して成る。
前記電動モータ140のギアヘッド141の側方には、連動機構が配設されている。かかる連動機構は、支持ブラケット270と、この支持ブラケット270内に回転可能に支持された3つのシャフト271〜273とを備えている。支持ブラケット270内では、シャフト271の回転は、ウォームおよびウォームホィールを介してシャフト272に伝達され、シャフト272の回転は、ウォームおよびウォームホィールを介してシャフト273に伝達される。
前記シャフト273には、研磨シート240を繰り出すための繰出ローラ274が固設されている。この繰出ローラ274の外周面には、滑り止めのためのローレット目、その他の刻み目が刻設されている。繰出ローラ274は前記繰出機構の主要部を構成するものであり、前述した連動機構によって研磨用歯車210の回転駆動に連動するように設定されている。なお、前記シャフト271は、プーリ等の伝達機構を介して前記駆動軸141aの回転力が伝達されるように構成されている。
また、繰出ローラ274は、研磨用歯車210の回転駆動時の案内歯212による遊技球の移動速度に応じた速度で、研磨シート240を次述する収納ケース250から繰り出すと共に、研磨用歯車210の外周に沿って移動するように構成されている。すなわち、前記連動機構は、前記研磨用歯車210の回転速度を所定比率で減速させた速度で前記繰出機構により前記研磨シート240を移動させるものである。
図23に示すように、前記ケーシング220の研磨用開口部221を臨む位置には、研磨シート240の収納ケース250を着脱自在に取り付けられるようになっている。図24、図25に示すように、収納ケース250は、研磨シート240を収納するカセットケース状のものである。ケーシング220には、収納ケース250を装着した状態に拘束するためのロック部材258が設けられている。
詳しく言えばロック部材258は、アーム状に形成されており、その基端が揺動可能に枢支され、揺動端にはストッパ259が設けられている。このストッパ259は、ケーシング220に装着した状態にある収納ケース250の湾曲した先端面に対して一方向から係脱可能に設定されている。図24に示すように、ロック部材258を収納ケース250の長手方向と平行になるまで揺動させると、ストッパ259が収納ケース250の先端面に係合して収納ケース250を装着した状態に拘束することができる。
研磨シート240は、遊技球を研磨し得る材質から成る細幅状の不織布であり、図24に示す筒状の巻き軸241にテープロール状に巻着された状態で収容される。研磨シート240は、前記繰出機構によって収納ケース250から繰り出されて研磨に使用された後、再び収納ケース250内に回収される。収納ケース250内には、研磨シート240の未使用部分、すなわち未だ巻き軸241に巻着された部分と、再び収納ケース250内に回収された使用済み部分とを、それぞれ区分する隔壁252が配されている。この隔壁252は、図示した形状に立設された壁状の部材である。
収納ケース250の前面部は、研磨用歯車210の外周に沿うように円弧形に凹む断面形状に形成されており、この部位にクッション部材253が装着されている。クッション部材253はフェルト等の弾力性のある材料で成形される。研磨シート240は、収納ケース250の一側端側にあるガイド溝254を通ってクッション部材253の一端側へ繰り出され、クッション部材253の弾発力で研磨用歯車210側の遊技球を押圧可能な状態で案内歯212の外周に沿うように、クッション部材253の一端側からその他端側へ延ばされている。
研磨シート240の研磨に使用される部位の先端側は、前記繰出機構により再び収納ケース250内に回収される。収納ケース250において前記ガイド溝254に対向する側には、前記繰出ローラ274と対接して、その間に研磨シート240を挟み込むための保持ローラ255が回転可能に軸支されている。保持ローラ255の外周面は、ウレタン等の弾力性のある材料で成形される。
研磨シート240は、その途中が前記繰出ローラ274と保持ローラ255との間に挟み込まれた状態で、前記繰出ローラ274の回転駆動に伴い、収納ケース250内に順次回収されるようになっている。ここで収納ケース250内に回収された使用済み部分は、隔壁252で区画された空間内に自由に折り畳まれながら収納されることになる。また、図25に示すように、収納ケース250の上面側は、開閉可能な蓋部256として形成されている。
次に、前述した本実施の形態の作用について説明する。
図2において、遊技者は遊技を開始するに際し、球貸機20にカードや紙幣を挿入して相当額分の数だけ遊技球の貸し出しを受ける。本実施の形態の場合、貸し出された遊技球は上受け皿12に直接払い出される。遊技機10では、ハンドル11の回転操作により上受け皿12内の遊技球が1つずつ遊技盤面上に打ち出される。このように遊技機10に投入された遊技球である「入球」は、遊技機10内部で図1,図3に示す入球回収タンク30に回収され、入球回収樋31を介して整列レール130に受け渡される。
遊技盤面上に打ち出された遊技球が各種入賞口に入賞すると、予め決められた数量の遊技球が上受け皿12に払い出される。このように遊技者が遊技機10から獲得した遊技球である「景品球」は、下受け皿13を経て景品球計数機14内に回収された後、遊技者の操作に基づき随時計数された後、図3,図4に示す景品球回収樋40の傾斜に沿って流下し整列レール130に受け渡される。景品球計数機14による景品球の計数結果は、制御手段に出力されて集計管理される。
図4に示すように、入球回収樋31や景品球回収樋40の下流端には整列レール130が配置されており、遊技球は整列レール130によって入球と景品球とが別々に区分けされたまま遊技球揚送装置100に供給される。図9,図10に示すように、整列レール130には、入球を受け入れる入球回収路131と、景品球を受け入れる景品球回収路132とがあり、それぞれ対応する各揚送路121,122の下端入口まで入球と景品球を別々に導くことができる。
入球回収路131に受け入れられた入球は、そのまま一列に整列した状態で入球回収路131内を流下し、入球揚送路121の下端入口まで導かれる。一方、景品球回収路132には景品球が多列の状態で一度に多量に受け入れられる場合も多く、景品球回収路132に受け入れられた景品球は、景品球回収路132内を流下しつつ多列の状態から徐々に集約されて、最後は前記入球回収路131と同様に一列に整列した状態で景品球揚送路122の下端入口まで導かれる。
遊技機10では一般に、入球は機内に順次排出されるが、景品球は一度に多量に排出されることが多い。このような特性に応じて、入球回収路131と景品球回収路132によれば、単に入球と景品球を区別して受け入れるだけではなく、それぞれ想定される数量の遊技球を効率良く受け入れることが可能となり、入球揚送路121と景品球揚送路122とに別々に迅速かつ円滑に受け渡すことができ、揚送能力を高めることができる。なお、景品球回収路132の底面には前述したアール断面形状の傾斜があるため、景品球を効率良く一列の状態に集約するだけでなく、景品球回収路132の底面上にゴミが溜まるのを防ぐことができる。
図9〜図12に示すように、各回収路131,132の下流端より遊技球1つ分だけ手前位置には前述したリブ134がある。このリブ134は、図13中のaで示すように、各回収路131,132を流下してきた一列に並ぶ遊技球の上段に重なる遊技球に当接し、該上段の遊技球の進入を防ぐことができる。また、各揚送路121,122の下端入口に到達した遊技球には、回転中の螺旋体110との接触により図13中のbで示すように押し戻される方向の力がかかるが、リブ134のテーパー溝135によって遊技球の逆流を防止することができる。さらに、図13中のcで示すように、リブ134は、リブ134の下端側を通過する遊技球に対して通過を阻止された上段の遊技球が接触しない程度の幅に設定されているから、球詰まりが防止されると共にリブ134の破損を防止することもできる。
また、図17(a)に示すように、各回収路131,132の下流端は、螺旋体110の軸心に対して線対称に配置され、かつ、それぞれの下流端に続く所定長さの部位は、螺旋体110の直径方向に対して互いに平行に配置されている。これにより、各揚送路121,122の下端入口に到達して螺旋体110に最初に接する遊技球が揚送されるまで、次に続く遊技球は螺旋体110に接触しない状態となる。すなわち、図17(a)において、最初の遊技球に続く2番目の遊技球は、1番目の遊技球と接触する(P1)ほか、各回収路131,132の下流端内壁と接触する(P2)だけで、さらに螺旋体110に接触することはない。
これにより、螺旋体110の下端側が蛇行しても、各揚送路121,122の下端入口に到達した最初の遊技球の次に続く2番目の遊技球が、最初の遊技球や各揚送路121,122の内壁のほか、螺旋体110にも接触して3点で係合するような事態はなく、かかる事態に起因した遊技球のブリッジ形成による球詰まりが発生することを防止することができる。
仮に、図17(b)に示すように、回収路131の下流端に続く所定長さの部位が螺旋体110の直径方向に対して互いに平行でない場合には、1番目の遊技球が揚送される時に螺旋体110の下端側が蛇行すると、2番目の遊技球は1番目の遊技球と接触する(P1)ほか、回収路131の下流端内壁と接触し(P2)、さらに螺旋体110にも接触する(P3)ことになり、3点での係合に起因した遊技球のブリッジ形成による球詰まりが発生する虞が高い。
整列レール130によって、遊技球は入球と景品球とが区別されたまま遊技球揚送装置100に供給される。遊技球揚送装置100の螺旋体110が回転駆動すると、整列レール130の一端側に立設されているパイプ本体101に沿って、各揚送路121,122の下端入口より遊技球は揚送される。螺旋体110を回転駆動する電動モータ140は、補給樋160の上流側にある検知センサ161(図18参照)からの信号出力に応じて作動する。
図5において、各揚送路121,122の下端入口に対して一列に導入された遊技球は、その一部が螺旋体110の外周側からピッチ間に嵌った状態となり、螺旋体110の回転駆動に伴って各揚送路121,122内を上方に移動する。螺旋体110は、ピッチ間の隙間に連通して軸方向に延びる中空部111を備えており、該中空部111には、揚送中の遊技球より分離された異物が前記隙間を通って入り込むことになる。
中空部111は異物の落下経路となっているから、中空部111に侵入した異物はそのまま落下して外部へ排出される。螺旋体110の下端口112は、パイプ本体101の下方に延出し、さらに、整列レール130にある異物排出用の開口部133を貫通した状態で自由に回転可能に配されている。これにより、遊技球から分離された異物はパイプ本体101内に留まることなく、容易に外部に排出することができる。螺旋体110の下端口112より落下した異物は、遊技機設置枠2にある異物排出口3から外部に排出される。
前記螺旋体110は全長に亘り上下方向に延びるものであり、水平方向や湾曲して延びる部位がなく、中空部111の途中で異物が停滞する虞もない。また、本実施の形態では、前記螺旋体110はコイルバネから成り、このコイルバネの内側をそのまま中空部111としたから、極めて簡易に構成することができる。また、コイルバネのピッチ間は広い隙間であると共に、外径の大きさに応じて広い中空部111が得られるため、異物を取り込み排出する効率を高めることができる。
また、螺旋体110の軸心を間にして、各揚送路121,122を互いに等間隔に並ぶように設けたことにより、限られたスペースで入球と景品球とを区別して効率良く揚送することが可能となる。ここで各揚送路121,122は、一方が入球を揚送する入球揚送路121となり、他方が景品球を揚送する景品球揚送路122となるから、遊技球の揚送過程で入球と景品球とを明確に区別することができる。これにより、各揚送路121,122ごとに遊技球を計数することができる。
すなわち、図1に示すように、入球揚送路121の上端出口には、該入球揚送路121を通過する入球を計数する入球計数手段123があり、景品球揚送路122には、該景品球揚送路122を通過する景品球を計数する景品球計数手段124があり、遊技球の揚送過程で入球と景品球とを別々に計数することができる。各計数手段123,124は具体的にはセンサから成り、遊技球を1つずつ検出する度にパルス信号を出力する。これらのパルス信号は、制御手段に入力されてバックアップメモリに収集管理される。
また、景品球に関しては、景品球計数手段124とは別に景品球計数機14によって、景品球揚送路122に導入される前に計数される。この景品球計数機14による計数結果も、前記景品球計数手段124の計数結果と別に制御手段に入力されて収集管理される。ここで制御手段は、制御プログラム機能の1つとして判定手段を有しており、景品球計数手段124から出力された計数結果と、景品球計数機14から出力された計数結果とを判定手段によって比較し、各計数結果が一致するか否かを判定する。各計数結果が一致しない場合には、球こぼれや景品球計数手段124ないし景品球計数機14の故障を知ることができる。
また、前記遊技球揚送装置100による遊技球の揚送過程においては、揚送中の遊技球を研磨することはない。従って、遊技球の研磨にかかる摩擦抵抗が、遊技球揚送装置100の駆動系に直接的に負荷を与えることはない。しかも、螺旋体110の途中で遊技球を研磨する場合に生じ得る、螺旋体110に無理な力がかかって変形する事態も防止することができる。本実施の形態では、前記パイプ本体101の上方に、揚送後の遊技球を研磨するための遊技球研磨装置200を配置している。
このように、遊技球を揚送した後、改めて研磨することにより、前述した揚送の過程で異物が取り除かれた比較的汚れの少ない遊技球を、よりいっそうと十分に研磨することが可能となる。遊技球研磨装置200を前記螺旋体110ないし前記各揚送路121,122から分離して設けたが、遊技球研磨装置200を駆動するための動力源である電動モータ140を、前記螺旋体110を回転駆動する動力源と共用としたことにより、部品点数および消費電力の低減が可能となり、余計なコストアップを防ぐことができる。
図18において、前記電動モータ140の作動による平歯車143の回転は、タイミングベルト146を介して平歯車115に伝達され、これにより、平歯車115とメインシャフト145を介して一体の螺旋体110がパイプ本体101内で回転駆動する。同様に前記電動モータ140の作動による平歯車142の回転は、タイミングベルト144を介して平歯車215に伝達され、これにより、平歯車215とメインシャフト145を介して一体の研磨用歯車210がケーシング220内で回転駆動する。
また、図18において、各揚送路121,122を通って揚送された入球と景品球は、パイプ本体101の上端にある分岐管部104に接続したジャバラ管105を通り、それぞれ各放出口152から貯留部150内に放出されて貯留される。貯留部150内で入球と景品球とが混じり合い、研磨用傾斜150bによって確実に受入口151まで導かれる。受入口151に落下した遊技球は研磨用歯車210の歯溝212aに流入する。歯溝212aの上端側に入った遊技球は、その自重で歯溝212aの下端側へ移動し、歯溝212aの上端側には新たな遊技球が入ることになる。
歯溝212a内の遊技球は、前記螺旋体110と同期する研磨用歯車210の回転駆動に伴って順に歯溝212aの下端側へ案内される。続いて遊技球は、歯溝213aないし歯溝214aを経た後、ケーシング220の下部でガイドリブ222により一列に整列した状態となり、前記移送路230を通って再び貯留部150内に再導入口153から放出される。ここで再導入口153は、前記受入口151に対して各放出口152よりも離れた位置にあるため、貯留部150内においては、揚送されたばかりの遊技球ほど研磨されやすい。
再導入口153から放出された遊技球は、該再導入口153を境とする研磨用傾斜150bによって再び前記受入口151まで導かれたり、同じく再導入口153を境とする補給用傾斜150dによって、貯留部150が遊技球で満杯状態である場合には補給樋160に向うことになる。このように貯留部150内が遊技球で満杯状態でなければ、一度研磨された遊技球であっても再び受入口151に落下して、繰り返し研磨用歯車210の歯溝212aに流入することになる。
図20、図21に示すように、再導入口153と各放出口152との間には隔壁150eがあるため、この隔壁150eによって、再導入口153より放出された遊技球は各放出口152の近傍を回避するように受入口151まで導かれる。これにより、各放出口152および再導入口153からの一度に多量の遊技球が受入口151に入り込み、研磨用歯車210に過負荷がかかって破損するような事態を防止することができ、また、各放出口152および再導入口153から排出された遊技球が互いにぶつかり合う事態も回避することができる。
貯留部150に遊技球が十分に供給される限り、遊技球は、図15に示す歯溝212aから歯溝214aにかけて途切れることなく受け入れられる。このような状態であれば、係止歯214は空送りすることなく、遊技球を再び移送路230まで押し上げることができる。ここで貯留部150は、十分な数量の遊技球を貯留しておくことができる容量があるため、遊技球の研磨は1回だけでなく数回繰り返されることになり、確実に研磨することができる。
本実施の形態では、前記螺旋体110の回転駆動による単位時間当たりの遊技球の揚送量より、前記研磨用歯車210の回転駆動による単位時間当たりの遊技球の研磨量を多く設定する。これにより、研磨用歯車210内の遊技球が不足しがちになり、貯留部150内の遊技球は繰り返し研磨されることになる。この出入りのバランスによって、研磨されていない遊技球が補給樋160へ流出することを防ぐことができる。
ただし、遊技球の揚送量と研磨量の具体的な速度比率は、貯留部150に遊技球が貯留され、研磨用歯車210に対して遊技球を常に供給できる状態に維持することが好ましい。研磨用歯車210の歯溝212aに十分な量の遊技球を導入することで、研磨効率が高められるだけでなく、歯溝212aの損傷を抑えることにもなる。このような研磨用歯車210の回転駆動に関しても、前記制御手段によって制御される。
また、螺旋体110の回転駆動による揚送が継続されて、研磨用歯車210内が遊技球で満杯となり、貯留部150が遊技球で充満して貯留量が過剰になると、該過剰な遊技球が前記研磨用傾斜150bの最上位となる傾斜頂端150cを乗り越えて、補給用傾斜150dを下り補給樋160に流出する。そして、補給樋160を流下する遊技球は配給シュート162を介して遊技機10に適宜供給される。
さらに、補給樋160が遊技球で満杯になると、検知センサ161がこれを検知し、電動モータ140の作動を停止する。すなわち、揚送動作と研磨動作とを同時に停止する。これにより、余計な電力消費を低減することができる。その後、検知センサ161により遊技球の充満が検知されなくなった際には、所定時間経過後に電動モータ140の作動を開始する。
これにより、遊技機10に対して研磨済みの遊技球を補給することが可能となる。ここで、即座に電動モータ140の作動を開始するのではなく、所定時間経過後として時間差を設けたのは、その後貯留部150が直ぐに遊技球で充満して、検知センサ161が遊技球の充満を検知する場合を考慮するためである。このような電動モータ140の作動に関しても、前記制御手段によって制御される。
図23に示すように、研磨用歯車210を収納したケーシング220の一部には研磨用開口部221が開設されており、この研磨用開口部221を臨む位置に、研磨シート240を納めた収納ケース250を装着する。収納ケース250を装着する際には、ロック部材258を図24中に実線で示すロック解除位置まで揺動させた状態で、研磨用開口部221に対して収納ケース250を長手方向に押し込めば良い。
収納ケース250を装着した後、ロック部材258を図24中に想像線で示すロック位置まで揺動させると、ストッパ259の部分が収納ケース250の先端面に係合するため、収納ケース250を装着した状態に拘束することができる。かかる状態で研磨シート240は、研磨用歯車210の外周に沿って配索され、歯溝212aから覗く遊技球に対して適度な圧力をもって接触する。これにより、遊技球が歯溝212aの上端側から下端側へ移動するまでの間に繰り返し研磨される。
研磨シート240は、ロール状に巻着された状態で収納ケース250内に納められており、前記研磨用歯車210の回転駆動に連動する繰出ローラ274によって適正な長さが繰り出される。図23において、電動モータ140の作動による駆動軸141aの回転力は、連動機構のうち先ずシャフト271に伝達され、各シャフト271〜273のウォームとウォームホィールの噛み合いを経て、繰出ローラ274が回転駆動する。繰出ローラ274が回転すると、図24において、繰出ローラ274と保持ローラ255とに挟まれた研磨シート240は、収納ケース250から繰り出される。
このように、遊技球の研磨時に、未使用の研磨シート240を収納ケース250から自動的に繰り出して使用することができ、作業者が未使用の研磨シート240を交換する作業が不要になる。さらに、前記連動機構によって、研磨用歯車210が回転停止すれば、繰出機構の繰出ローラ274の回転も停止する。すなわち、遊技球を研磨するために研磨用歯車210を回転させる時のみ、収納ケース250から研磨シート240を繰り出し、無駄な研磨シート240を繰り出さないようにして、研磨シート240の消費コストを低減することも可能となる。
図24において、研磨シート240は、収納ケース250のガイド溝254を通ってクッション部材253の一端側へ繰り出される。この繰り出された研磨シート240は、クッション部材253と研磨用歯車210との間の隙間を通って、クッション部材253の他端側へ延ばされる。このとき、研磨シート240は、クッション部材253の弾発力で歯溝212a内の遊技球を押圧可能な状態になっている。研磨シート240の使用済み部分は、クッション部材253の他端側から再び収納ケース250内にて自由に折り畳まれながら収納される。
収納ケース250内では、研磨シート240の未使用部分と使用済み部分とが隔壁252によって区分されるため、使用済み部分の汚れが未使用部分に移る虞はない。収納ケース250内の研磨シート240の未使用部分がなくなった時点で、同収納ケース250内に収められた使用済み部分は「使い捨て」として廃棄する。研磨シート240の交換作業を容易にするためには、予め新品の研磨シート240のロールがセットされた別の収納ケース250を用意しておき、この収納ケース250ごと交換することが好ましい。ケーシング220から収納ケース250を外す時は、前記ロック部材258をロック解除位置まで揺動させれば良い。
図26〜図31は、前述した遊技球揚送装置100が付設される遊技機10を設置するための遊技機設置枠2とは別の遊技機設置枠300を示している。かかる遊技機設置枠300は、遊技機島4における設置箇所4aに設置するものである。ここで遊技機島4は、1台の遊技機10で構築する単体島に限られることなく、複数の遊技機10を列設して成る遊技機島であっても良い。以下、図26〜図28では遊技機10がパチンコ機であり、図29〜図31では遊技機10Aがスロットマシンである例について説明する。
図26〜図28に示すように、遊技機設置枠300は、遊技機島4の設置箇所4aに取り付けられ、前面側が開口した外枠ケース310と、該外枠ケース310の開口より内部に着脱可能に取り付けられ、同じく前面側が開口し、該開口より内部に遊技球揚送装置100および遊技機10が収納される内枠ケース320と、を有する。図26に示す設置箇所4aは、外枠ケース310の外形に合致する直方体状の凹みであるが、このような形状に限られるものではない。
外枠ケース310は、前面側が開口した直方体形状の箱型に形成されており、両側壁311,311、背面壁312、天井壁313、底面壁314を有して成る。かかる外枠ケース310は、後述する複数の規格の内枠ケース320を何れも着脱可能な一の共用の規格となっている。ここで外枠ケース310の開口の内部空間は、複数種類ある遊技機10の様々な外形寸法のものを収納し得る大きさに定められている。
外枠ケース310の開口の上端縁となる天井壁313の前端縁には、幕板315が垂下する状態で開閉可能に設けられている。幕板315は、外枠ケース310の開口の上端縁から遊技機10の上端までの隙間を覆うものであり、上端縁を揺動中心として下端縁は自由に揺動するように支持されている。詳しくは後述するが、幕板315の下端縁は、内枠ケース320内に設置した遊技機10の位置に応じた揺動角度の閉位置に保持される。
外枠ケース310における天井壁313の上面側には、遊技機島4側に当接して外枠ケース310を設置箇所4aに位置決めするストッパ316が設けられている。かかるストッパ316は、設置箇所4aの奥壁と背面壁312との間に関連設備の収納空間4bを形成すべく位置決めするものである。ストッパ316は、具体的には例えば、長手方向に延びるL形断面のアングル材から成り、これが天井壁313の上面の中程に両側方向に延びる状態に固設される。ストッパ316は、外枠ケース310を設置箇所4aに収納する際に、設置箇所4aの開口上側の前端面に当接することにより、当該位置に外枠ケース310を位置決めする。
外枠ケース310は、前記ストッパ316により位置決めされた状態で、ネジにより設置箇所4aに対して固定される。例えば、両側壁311,311をそれぞれ上下並びの5箇所(図26中の“a”参照)で設置箇所4a側にネジ止めし、さらに、天井壁313と底面壁314もそれぞれ左右並びの4箇所(図28中の“a”参照)ずつ設置箇所4a側にネジ止めすると良い。このような数多のネジ止めにより、外枠ケース310を容易に取り外せないように強固に固定することができる。
また、ストッパ316が遊技機島4側に当接した外枠ケース310の取り付け位置において、背面壁312は設置箇所4aの奥壁に接しておらず離隔しており、関連設備の収納空間4bが形成される。ここに収納する関連設備としては、具体的には例えば、トランスやホールコンピュータ等の端末類の各種設備が該当する。また、背面壁312には、矩形に開口した作業用開口部317が開設されている。
内枠ケース320は、前記外枠ケース310と同様に前面側が開口した箱型に形成されており、両側壁321,321、背面壁322、天井壁323、底面壁324を有して成る。背面壁322には、前記作業用開口部317に合致して開口する作業用開口部325が開設されている。内枠ケース320の外形寸法、詳しくは最大高さと横幅は、前記外枠ケース310の開口にほぼ合致する大きさに設定されている。
内枠ケース320は、その背面壁322が前記外枠ケース310の背面壁312に当接した状態で、ボルトおよびナットにより前記外枠ケース310の内部に着脱可能に取り付けられる。具体的な取り付け方は、例えば、両側壁321,321のうち、それぞれ上端側の1箇所(図26中の“b”参照)を外枠ケース310の両側壁311,311にボルト止めし、さらに、背面壁322のうち、前記作業用開口部325の周囲の4箇所(図27中の“b”参照)を外枠ケース310の背面壁312にボルト止めすると良い。このような少数のボルト止めにより、内枠ケース320は、外枠ケース310から容易に取り外すことができる。
内枠ケース320は、複数種類ある遊技機10ごとに対応した複数の規格が用意されている。複数種類ある遊技機10は、パチンコ球を使用するパチンコ機に限らず、後述するがスロットマシンでも良い。ここで内枠ケース320の外形寸法は、前述したように外枠ケース310の開口にほぼ合致する大きさに統一されている。一方、内枠ケース320の開口の内部には、複数種類ある遊技機10ごとに対応して、図26〜図28に示す例では遊技機10であるパチンコ機を所定位置に設置する載置面326aが設けられている。
詳しく言えば、載置面326aは、内枠ケース320の内部の下方で底面壁324と平行に配設され、天井壁323の前端縁よりも前方へ突出した天板326の上面として設けられている。かかる天板326は、遊技機10であるパチンコ機を遊技者にとって最適な高さ位置に設置するものであり、遊技機10よりもさらに前方へ突出した部位には、パチンコ球を貯めた玉箱を載せることができる。
内枠ケース320の両側壁321,321と背面壁322は、それぞれ天井壁323よりもさらに上方に突出しており、その内側が天井壁323の上面を載置面とする棚部327となっている。棚部327には、例えば、前記遊技球研磨装置200等の関連機器を設置することができる。さらに、天井壁323の上面の前端側には、前記外枠ケース310側にある幕板315の下端縁が当接するストッパ328が設けられている。ストッパ328は、具体的には例えば、長手方向に延びるL形断面のアングル材から成り、これが天井壁323の上面の前端側に両側方向に延びる状態に固設されている。
ストッパ328に対して幕板315の下端縁が当接することで、幕板315はちょうど遊技機10の上端より上方を覆う揺動角度の閉位置に保持される。このように、幕板315の下端縁は、内枠ケース320内に設置した遊技機10の位置に応じた揺動角度の閉位置に保持される。例えば、遊技機10の上端前方がより前方に位置する場合には、遊技機10を上から覆う天井壁323の前端側もより前方に延出させることになり、これに応じて幕板315の下端縁が当接する揺動角度に適宜変更することができる。
内枠ケース320は、遊技機10を設置した状態で、該遊技機10の背面側と背面壁322(奥壁)との間に前記遊技球揚送装置100の収納空間320aを形成する奥行きを有する。図26中では図示省略したが、内枠ケース320内における遊技機10の背面側には、図3の遊技機設置枠2に示した場合と同様に、遊技球揚送装置100が設置されることになる。ただし、設置する遊技機10がパチンコ機ではなく、次述するスロットマシンである場合には、遊技球揚送装置100を設置する必要はない。
図29〜図31は、パチンコ機である遊技機10の代わりに、スロットマシンである遊技機10Aを設置する遊技機設置枠300Aの例を示している。遊技機設置枠300Aは、前記遊技機設置枠300と基本的な構成は共通するが、設置する遊技機10Aの他、遊技機10Aに対応した内枠ケース320Aが前記遊技機設置枠300とは異なる。このように内枠ケース320,320Aは、複数種類ある遊技機10,10Aごとに対応した複数の規格が用意されている。以下、重複する遊技機島4と外枠ケース310の説明は省略する。
遊技機10Aは、メダルを使用するスロットマシンであり、メダル投入後に各リール15を回転させて遊技を開始し、ストップボタン16で各リール15の回転を停止させ、停止時の表示態様に応じて遊技者に遊技価値が付与されるタイプの遊技機である。前面下部には、メダルを貯める受け皿17が設けられている。なお、内枠ケース320Aにおいて、前記内枠ケース320と同種の部位については同一符号を付して重複した説明は省略する。
内枠ケース320Aも、前面側が開口した箱型に形成されており、両側壁321,321、背面壁322、天井壁323、底面壁324を有して成る。ここで内枠ケース320Aの外形寸法、詳しくは最大高さと横幅は、前記内枠ケース320と同様に前記外枠ケース310の開口に合致する大きさに統一されているが、具体的な内枠ケース320Aの形状は前記内枠ケース320とは異なる。
内枠ケース320Aの開口の内部には、前述したような天板326はなく、底面壁324の上面がそのまま遊技機10Aの載置面324aとなっている。この底面壁324は、天井壁323よりも前方へ長く延びており、遊技機10Aの受け皿17の真下に重なる奥行き幅に設定されている。また、天井壁323の上面を載置面とする棚部327には、中間位置にもう一枚の棚板329が配設されている。この棚板329を境に下段側となる天井壁323の上面には、メダルを貯めた玉箱を載せることができ、さらに、上段側となる棚板329上にも、他に関連機器等を載せることができる。
図29(の右端)に示すように、外枠ケース310側に設けられた幕板315の下端縁は、鉛直方向に垂下した状態でちょうど棚板329の前端に当接して、棚部327の上段側を塞ぐ閉位置に保持される。ここで棚板329の下段側は開放されており、遊技者はメダルを貯めた玉箱を載せることができるようになっている。このように幕板315の下端縁は、前記棚板329の前端に当接する関係上、内枠ケース320Aには、前述したストッパ328を別途設ける必要はない。
以上に説明した遊技機設置枠300,300Aによれば、前記遊技球揚送装置100が付設される遊技機10,10Aを遊技機島4に設置するにあたり、容易に設置作業を行うことができる。しかも、遊技機島4に既に設置してある遊技機10,10Aを後から他の遊技機10,10Aに交換する場合には、極めて容易に交換作業を行うことができる。
以下、図26〜図31に示した遊技機設置枠300,300Aのうち、パチンコ機用の遊技機設置枠300を代表して、遊技機島4に対する遊技機10等の設置作業について説明する。図26において、矢印に示した順番で取り付けを行うことになる。先ず、遊技機島4の設置箇所4aに外枠ケース310を取り付ける。遊技機設置枠300を設置箇所4aに対して挿入すると、外枠ケース310の天井壁313にあるストッパ316が設置箇所4aの開口上側の前端面に当接する。
これにより、外枠ケース310を取り付けるべき位置に容易に位置決めすることができ、外枠ケース310の取り付け作業を迅速に行うことができる。しかも、外枠ケース310の背面壁312と設置箇所4aの奥壁との間には収納空間4bが形成される。この収納空間4bには、予め関連設備として、具体的には例えば、トランスやホールコンピュータ等の端末類を設置することができる。
外枠ケース310は、前記ストッパ316により位置決めされた状態で、ネジにより設置箇所4aに固定する。例えば、両側壁311,311をそれぞれ上下並びの5箇所(図26中の“a”参照)で設置箇所4a側にネジ止めし、さらに、天井壁313と底面壁314もそれぞれ左右並びの4箇所(図28中の“a”参照)ずつ設置箇所4a側にネジ止めする。外枠ケース310はいったん取り付けたら後から交換することはなく、数多のネジ止めにより容易に取り外せないよう強固に固定する。
次に、外枠ケース310の前面側の開口より、その内部に内枠ケース320を取り付ける。内枠ケース320は、外枠ケース310から外せることが前提となっており、外枠ケース310に対しては着脱可能に取り付ける。ここで内枠ケース320を含めた複数の規格の内枠ケース320,320Aは、何れも外形寸法が外枠ケース310の開口に合致する大きさに統一されており、外枠ケース310に対する取り付け作業を共通化することができる。
具体的な取り付け方は、例えば、両側壁321,321のうち、それぞれ上端側の1箇所(図26中の“b”参照)を外枠ケース310の両側壁311,311に対してボルト止めし、さらに、背面壁322のうち、前記作業用開口部325の周囲の4箇所(図27中の“b”参照)を外枠ケース310の背面壁312に対してボルト止めする。このような少数のボルト止めにより、内枠ケース320は、外枠ケース310から容易に取り外すことができる。
そして、内枠ケース320の前面側の開口より、その内部に遊技球揚送装置100および遊技機10を収納する。図26中では図示省略したが、内枠ケース320の開口内部の奥である収納空間320aには遊技球揚送装置100を設置する。このように内枠ケース320は、遊技機10を設置した状態で、該遊技機10の背面側と奥壁との間に遊技球揚送装置100の収納空間320aを形成する奥行きを有するため、遊技球揚送装置100を設置するスペースも確実に確保することができる。
最後に、天板326の載置面326a上に遊技機10を設置することになる。ここで載置面326aは、複数種類ある遊技機10,10Aごとに対応して予め設けられているものであり、互いに大きさの異なる遊技機10,10Aであっても、それぞれ最適な位置に保持することができるように設定されている。
その後、遊技機10を他の機種の遊技機10Aに交換する場合には、遊技機10と遊技球揚送装置100を内枠ケース320から取り外した後、内枠ケース320も外枠ケース310から取り外して、外枠ケース310は遊技機島4側にそのまま残す。そして、図29〜図31に示すように、新たに交換する他の遊技機10Aに対応した規格の内枠ケース320Aを用意し、この内枠ケース320Aを外枠ケース310に取り付けた後、内枠ケース320Aの内部に他の遊技機10Aを収納すれば良い。
外枠ケース310は、遊技機10,10Aの種類を問わず共用となっており、繰り返し使用される。このような遊技機設置枠300により、極めて容易に遊技機10,10Aの交換作業を行うことができる。遊技機設置枠300を介して遊技機島4に設置する遊技機10,10Aは、必ずしも前記遊技球揚送装置100が付設されるパチンコ機に限られることはなく、前記遊技球揚送装置100を必要としないスロットマシンへの交換作業についても、そのまま利用することができる。
また、外枠ケース310の開口の上端縁には、垂下する幕板315が開閉可能に設けられている。この幕板315の下端縁は、前述したように、内枠ケース320内に設置した遊技機10の位置に応じた揺動角度の閉位置に保持される。これにより、外枠ケース310の開口の上端縁から内枠ケース320の内部における遊技機10の上端までに様々な幅の隙間が生じたとしても、これらの隙間の幅に応じて幕板315を適宜傾けるようにして隙間を塞ぐことができる。
さらに、外枠ケース310および内枠ケース320,320Aの背面壁312には、それぞれ合致した位置で開口する作業用開口部317,325が開設されている。これにより、遊技機島4における外枠ケース310の背面側から内枠ケース320,320Aにおける遊技機10,10A等の保守点検作業を行うことが可能となる。具体的には、作業用開口部317,325より、各種設備の配線工事を行ったり、故障時に点検したり部品交換を行うことができる。
図32〜図38は、前述した遊技機設置枠300とはまた別の遊技機設置枠400を示している。かかる遊技機設置枠400は、それ自体で単体島を構築するものであり、基本的な枠組み形状は前記遊技機設置枠2と共通しているが、設置した遊技機10の高さ位置を自由に調整できるように構成されている。以下に、パチンコ機である遊技機10を設置する例について説明するが、スロットマシンである遊技機10Aを設置するように構成しても良い。
遊技機設置枠400は、前面側が開口した枠フレーム410と、フロア上に載置するベース台401上に立設され、前記枠フレーム410を上下方向に移動可能に支持する支柱フレーム430と、該支柱フレーム430に組み込まれた状態で前記枠フレーム410に連結され、該枠フレーム410を上下方向に移動させる昇降手段440と、を有する。ベース台401は、枠フレーム410および支柱フレーム430が倒れない程度に支持できる設置面積を有する矩形板材からなるが、特に形状が問われるものではない。
枠フレーム410は、前面側が開口した直方体形状の箱型に形成されており、両側壁411,411、背面壁412、天井壁413、底面壁414を有して成る。かかる枠フレーム410は、前記遊技機設置枠2とほぼ同一形状に構成されている。天井壁413の下方には、棚板415を載置面とする棚部415aが設けられており、この棚部415aには、前記棚部327と同様に前記遊技球研磨装置200等の遊技機10の関連機器を設置することができる。また、棚部415aの開口前面は、開閉可能な幕板416によって閉じられている。
底面壁414の上方には、棚板415の前端縁よりも前方へ突出する天板417が設けられている。かかる天板417は、遊技機10を設置するものであり、遊技機10よりもさらに前方へ突出した部位には、パチンコ球を貯めた玉箱を載せることができる。このような枠フレーム410は、前記内枠ケース320と同様に、複数種類ある遊技機10ごとに対応した複数の規格が用意されている。複数種類ある遊技機10は、パチンコ球を使用するパチンコ機に限らず、後述するがスロットマシンでも良い。
支柱フレーム430は、前面側が全長に亘り開口した溝状断面形のレール状の金属材から成る。かかる支柱フレーム430は、前記枠フレーム410を支持した状態で自立できるようにするため、重心の関係上ベース台401の後端寄りの位置に立設されている。枠フレーム410にはフレーム支持部420が設けられている。このフレーム支持部420を介して、枠フレーム410は支柱フレーム430に対し上下方向に移動可能に支持されている。
フレーム支持部420は、枠フレーム410の背面壁412の下方に一体に固結され、支柱フレーム430の内側に摺動可能に嵌合する垂直移動部421と、該垂直移動部421の下端前方に連結され、枠フレーム410の底面壁414の下面に一体に固結される上方脚部427と、を有している。垂直移動部421は、背面側が全長に亘り開口した溝状断面形のレール状の金属材から成る。なお、上方脚部427について詳しくは後述する。
垂直移動部421と支柱フレーム430とが互いに摺接する箇所には、摩擦抵抗を減らすためのスライダー422が設けられている。詳しくは、垂直移動部421の上下端の両側に沿って、それぞれ合成樹脂をブロック形に成形したスライダー422が固定されている。図37に示すように、各スライダー422は、支柱フレーム430の内側において両側壁の内面にそれぞれ摺接する。なお、各スライダー422は、垂直移動部421の補強材の役目も果たしている。
また、フレーム支持部420の垂直移動部421を介して、前記枠フレーム410は後述する昇降手段440に連結される。図36に示すように、垂直移動部421の上部内側には、昇降手段440の上端を取り付ける連結部423が設けられている。連結部423には、上下方向に延びる取付ボルト424を挿通させる孔があり、この孔に取付ボルト424を挿通させて、孔を間にして上下に配置した取付ボルト424側のナット425aと連結部423側のナット425bにより、連結部423を上下から締め付けるよう固定する。
取付ボルト424の先端は、昇降手段440の上端にあるナット部444に螺合させることで、枠フレーム410はフレーム支持部420を介して昇降手段440に連結支持される。昇降手段440の上端に対する取付ボルト424の先端の上下位置は、前記上下のナット425a,425bの回転により微調整することができる。また、垂直移動部421の下部内側には、昇降手段440の途中を挿通させた状態に支持して軸ずれを防止する保持ブラケット426が設けられている。なお、支柱フレーム430の下部背面側には、点検口431が開設されており、この点検口431は開閉可能な蓋板432で閉じられている。
昇降手段440は、支柱フレーム430内に組み込まれており、前述したように上端側はフレーム支持部420を介して枠フレーム410に連結され、下端は前記ベース台401上に立設されており、枠フレーム410を所望の高さ位置に調整できるものである。昇降手段440の下端は、ベース台401上に固定された支持部402に取り付けられている。昇降手段440としては、具体的には例えば、密閉されたシリンダー内に高圧ガスを封入し、該高圧ガスの反力をバネとして使用したガススプリングを採用する。
ここでガススプリング自体の構成の詳細は、一般的であるので詳細な説明は省略するが、シリンダー441とロッド442を有し、シリンダー441に対するロッド442の伸長位置を任意の位置で保持するためのロック機構を備える。このロック機構の操作部は、後述する下方脚部433の下端付近に足踏み式レバー443として設けられている。足踏み式レバー443を踏むことにより、ロック状態が解除されてシリンダー441内に高圧ガスの反力によりロッド442が伸長して、相対的にシリンダー441が上方に移動する。足踏み式レバー443を再度踏むことにより、シリンダー441を任意の高さ位置に拘束することができる。
図32,図33に示すように、前記フレーム支持部420側にある連結部423にシリンダー441の上端が取り付けられている。シリンダー441の上端には、前記取付ボルト424の先端を螺合させるナット部444が設けられている。また、前記ベース台401側にある支持部402にロッド442の下端が取り付けられている。さらに、前記フレーム支持部420側にある保持ブラケット426に対しては、シリンダー441の途中が挿通している。ここで昇降手段440を上下逆に配設して、昇降手段440の上方に位置することになる前記ロック機構の操作部を手動レバーとして構成しても良い。
また、前記フレーム支持部420の上方脚部427は、枠フレーム410の底面壁414の下面より下方に垂下し、前記支柱フレーム430の前方に沿って枠フレーム410と共に上下方向に移動する。上方脚部427は、その前面壁428が上端より下端にかけて後方に湾曲する形状となっている。上方脚部427の前面壁428と両側壁で囲まれた空間の後方は開口しており、その内側には次述する下方脚部433が上下方向に相対的に出没可能に収納される。なお、上方脚部427の横幅は、前記フレーム支持部420の横幅と同じ寸法に設定されている。
一方、前記支柱フレーム430の下方には、その前方に沿った位置に下方脚部433が固定されている。下方脚部433は、前記上方脚部427の上下方向への移動に伴って、該上方脚部427の下側が出没可能に組み合わされる飾り部材である。下方脚部433は、その前面壁434が上端から下方に向かって鉛直に垂下する直線状の部位を経て、途中から下端にかけて前方に湾曲する形状となっている。ここで直線状の部位が、上方脚部427に対して上下方向に移動可能な範囲となる。なお、下方脚部433の前面壁434と両側壁で囲まれた空間の後方は開口しているが、同じ横幅の支柱フレーム430の前面によって閉じられている。
図39,図40は、昇降手段440Aとして、前述した昇降手段440であるガススプリングとは別のガススプリングを採用した遊技機設置枠400Aを示している。この例における昇降手段440Aは、昇降手段440のガススプリングよりも全体的に太径であり、また、シリンダー441Aが下方でロッド442Aが上方となるように配設されている。また、ロック機構の操作部は、シリンダー441Aの下端より前方へ延びた足踏み式レバー443Aとなっている。このように昇降手段には様々なタイプのガススプリングを適宜採用することができる。なお、図32〜図38に示した例と同種の部位については同一符号を付し、重複した説明は省略する。
以下、図32〜図38に示した遊技機設置枠400を代表して、遊技機10の高さ調整について説明する。前述したように、遊技機設置枠400は、フロア上に載置するベース台401上に支柱フレーム430が立設され、支柱フレーム430に遊技機10等を収納する枠フレーム410が上下方向に移動可能に支持されて成る。支柱フレーム430には、枠フレーム410を上下方向に移動させる昇降手段440が組み込まれており、この昇降手段440によって枠フレーム410を所望の高さ位置に調整することができる。
昇降手段440は、汎用のガススプリングを採用しており、独自の昇降手段を新たに開発するような手間を省き、コストを低減することができる。遊技者は、足踏み式レバー443を踏むことにより、昇降手段440のロック状態を解除して枠フレーム410(遊技機10)の高さ位置を自由に調整することができる。例えば図38において、(a)に示す高さ位置はスロットマシンに適しており、(b)に示す高さ位置はパチンコ機に適している。また、(c)に示す高さ位置は展示会等におけるプレスビュー用に適したものである。ここで(c)の高さ位置が最高位であり、(a)の高さ位置が最低位となり、(b)はちょうど中間の高さに該当する。
パチンコ機とスロットマシンとでは、遊技しやすい最適な高さは異なり、遊技者は自分の身長に応じて、それぞれに適した高さ位置に容易に調整することができる。なお、前記ロック機構の操作部については、足踏み式レバー443に限られるものではなく、天板417の直ぐ下方の位置に配置するような手動レバーとして構成しても良い。なお、支柱フレーム430の下部背面側には、点検口431が開設されており、この点検口431から、支柱フレーム430の内部に組み込まれている昇降手段440の保守点検作業を行うことが可能となる。
また、遊技機設置枠400によれば、枠フレーム410は、該枠フレーム410を支持するためのフレーム支持部420を備える。そして、枠フレーム410は、フレーム支持部420を介して、支柱フレーム430に支持されると共に昇降手段440に連結される。このようなフレーム支持部420によって、枠フレーム410の強度を高めることができる。
ここでフレーム支持部420は、支柱フレーム430に対して上下移動する際に摺接するが、図37に示すように、垂直移動部421の上下端の両側に沿って、それぞれ合成樹脂をブロック形に成形したスライダー422が固定されている。各スライダー422は、支柱フレーム430の内側において両側壁の内面にそれぞれ摺接する。これにより、フレーム支持部420と支柱フレーム430の金属部分が互いに摺接することを極力避けることができ、枠フレーム410を円滑に上下移動させることができる。またスライダー422は、垂直移動部421の補強材の役目も果たす。
また、フレーム支持部420に、枠フレーム410の底面より下方に垂下し、支柱フレーム430の前方に沿って枠フレーム410と共に上下方向に移動する上方脚部427を設ける。一方、支柱フレーム430に、その前方に沿った位置に固定され、前記上方脚部427の上下方向への移動に伴って、該上方脚部427の下側が出没可能に組み合わされる下方脚部433を設ける。これにより、支柱フレーム430を前方より上下の脚部で隠蔽することができ、上下に伸縮するように見える上下の脚部のデザイン性も相俟って、美感を良くすることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、1台の遊技機10だけで構成したいわゆる単体島に適用した例を説明したが、遊技機島1の構成はこれに限られるものではなく、2台あるいは3台以上の数台の遊技機を列設して成る小型の遊技機島にも適用することもできる。
また、前記実施の形態では、制御手段の判定手段により、景品球に関してだけ景品球計数機14と景品球計数手段124の計数結果を比較するようにしたが、例えば、入球に関しても入球計数手段123とは別に例えば揚送前の入球を別途計数する入球計数機を設けて、この入球計数機と入球計数手段123の計数結果を比較するように構成しても良い。
さらに、前記昇降手段440は、ガススプリングを採用した例について説明したが、昇降手段は枠フレーム410を上下方向に移動させることができ、所望の高さ位置に調整可能なものであれば他の構成を採用してもかまわない。例えば、他の昇降手段として、低荷重バネであるコンストン(登録商標)の巻き取り力を利用した手段や、ラックおよびピニオン、またはスクリューおよびナットのように機械的な結合関係を利用した手段を採用しても良い。