本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。本発明の遊技機設置島の説明にあたっては、遊技機設置島が、平面視上、屈曲もしくは湾曲形状をした遊技機設置島(湾曲島あるいはR島ということがある。)であり、且つ、遊技機に遊技球を補給する樋である補給樋に調節器が設けられ、その補給樋が遊技機設置島の形状にあわせて屈曲もしくは湾曲形状をした形状のものである場合を例としてあげて詳細に説明する。
本発明の遊技機設置島をなすR島の基本構成について示す。
<遊技機設置島の基本構成について>
遊技機設置島10には、図1に示すように、遊技球を転動流下させる遊技球の通路をなす補給樋20が設けられている。なお、図1は、遊技機設置島10が湾曲もしくは屈曲形状に形成されている場合の例における、遊技機設置島10の概略正面図を示す。
遊技機設置島10には、遊技機100は横並びの配列にて並べられて設けられている。この配列は、平面視上遊技機設置島10の湾曲もしくは屈曲形状に合わせて曲がった配列をなしている。また、遊技機設置島10には、遊技機に遊技球を分配させるために遊技球を転動流下させる樋としての補給樋20が遊技機の設置される部分よりも上方位置に設けられる。遊技機設置島10において、補給樋20は、その長手方向を遊技機の横並び方向に沿う方向として配設され、遊技球を貯留可能な球タンク50に接続されている。ここに、補給樋20と球タンク50との接続は、補給樋20の長手方向側端面を、球タンク50における遊技球を放出可能に開口した開口部に向けて接続して、補給樋20における遊技球の通路と球タンク50の内部の空間とを繋げる(連通させる、あるいは、連結している)ことで成し遂げられている。そして、図1に示す遊技機設置島10には、球タンク50の開口部前方位置に、補給樋20の一方端側の部分(上流端部分)にあって球タンク50と繋がる部分(連結端部の部分)に調節器1が設けられている。遊技機設置島10において、調節器1は、補給樋20の下方面側から補給樋20を支持している。
遊技機設置島10において遊技機の設置される部分よりも下方位置には、遊技機から排出された遊技球を受けてその遊技球を転動流下させる排出樋55が設けられており、遊技球の流下方向下流位置に排出樋55に対して下部タンク60が接続されている。すなわち、下部タンク60は、遊技球はその排出樋55を経由してその下部タンク60に集められるように配設される。遊技機設置島10は、下部タンク60に貯留された遊技球を揚送する揚送装置70を設けて、その揚送装置70にて下部タンク60から遊技機設置島10上部の球タンク50に搬送可能に構成される。すなわち、遊技機設置島10は、補給樋20を通じて遊技機100等に供給される遊技球の循環を実現可能に構成されている。なお、揚送装置70としては、必要に応じて、研磨または清掃可能なものを適宜採用することが可能である。
遊技機設置島10においては、補給樋20の汚染や、転動する遊技球への外部からのアクセスを防止するため、幕板(図示せず)によりこれを外側から被覆することが一般的である。また遊技機100等や遊技球貯留箱(通称、ドル箱)を載置する膳板110は、遊技機設置島10の下面に相当するベース板130と、ベース板130から立設される腰板140を備える箱型キャビネットとにより支持されている。
補給樋20は、遊技球が転動流下する底面24と、遊技球の転落を防止する側面22とからなる。遊技機設置島の管理者の手により底面24を清掃することや遊技球が樋内に詰まった状況を解消することなどを容易に実現できるようにする点を考慮して、補給樋20は上方を開口させ、また補給樋20の両側にそれぞれ並設された遊技機100や球貸機(以下、「遊技機等」または「遊技機100等」という場合がある。)に遊技球を供給するため側面22を底面24の幅方向の両側に立設してなる形状、すなわち断面コ字状に形成されている。もちろん、このことは、補給樋20に、その底面24に埃やゴミが落下して付着し遊技球の転動流下する部分を部分的あるいは完全に塞ぐ虞を防ぐために、別体で形成した蓋が被せられて配置されることを、排除するものではない。
つぎに、遊技機設置島10において、補給樋20を転動流下する遊技球が遊技機へ供給される際の遊技球の供給の仕組みを示す。
<補給樋20を流下する遊技球の遊技機への供給について>
球タンク50に多数貯留された遊技球を遊技機等に供給する際には、まず球タンク50から補給樋20に遊技球が供給される。補給樋20は、遊技球が転動流下できるよう、その底面24には図示のように長手方向に所定の勾配(傾斜角度θ(長手方向の下り傾斜の角度θ))がつけられている。なお、底面24の勾配とは、底面24の中心線方向と水平方向との為す角をいうものとする。かかる勾配は底面24の長手方向について一様であっても、場所によって相違するものであってもよい。すなわち球タンク50に近い上流側の勾配を大きくして遊技球を速やかに球タンク50から補給樋20に供給可能とすることも、逆に下流側の勾配をより大きくして球タンク50から遠い位置において遊技球の滞留を防ぐよう構成することも可能である。
補給樋20の側面22には、その長手方向に沿って、遊技機100等に対応して間欠的に開口部(平面視形状が湾曲もしくは屈曲形状に形成されている遊技機設置島(R島)における補給樋の例として、図3を参照)が形成され、開口部に対応してシュート40が取り付けられている。遊技球は補給樋20を転動流下し側面の開口部からシュート40に排出されると、シュート40に排出された遊技球は、導出路42を介して遊技機100等に供給される。遊技機100に供給されて、または球貸機を介して遊技者に供給されて遊技に供された遊技球は、使用を終えてアウト球となる場合には遊技機100の背面の所定位置に配設されたアウトタンク92にて計数され、アウトタンク92の下流に配設された排出管91より遊技機設置島10に排出される(アウトタンク92、排出管91について、図1には便宜上図示せず、図15(a)を参照)。排出された遊技球は遊技機設置島10の下部に配設される排出樋55を経由して下部タンク60に集められる。下部タンク60に貯留された遊技球は、必要に応じて研磨または清掃され、揚送装置70によって上部の球タンク50に搬送されて、再度補給樋20を通じて遊技機100等に供給される。
なお、上記に示す遊技機設置島10の基本構成と、補給樋20を流下する遊技球の遊技機への供給については、遊技機設置島10と補給樋20が平面視上屈曲もしくは湾曲形状に形成されている点を除けば、遊技機設置島10がR島であると否とを問わず一般的に遊技機設置島について共通する。
遊技機設置島10がR島である場合における補給樋について具体的な詳細を示す。
<補給樋について>
(補給樋の構成(第1の実施形態))
補給樋20は、細長形状の底面24と、長手方向に沿って底面24の両側に立設された側面22とを備える(図3参照)。図3は、本発明の遊技機設置島において調整器を設置される樋をなす補給樋20(補給樋20の第1の実施形態)を示す上方斜視図であり、補給樋20に接続されるシュート40、導出路42、および遊技機100をあわせて図示している。また、図3では、補給樋20の幅方向および長手方向を本図中に両側矢印で示している。第1の実施形態における補給樋20は、平面視上、長手方向に、屈曲もしくは湾曲してなる形状である(曲げ形状である)ように構成されるもの(すなわち湾曲樋)であることを第1の特徴とする。補給樋20のかかる曲げ形状は、具体的には円弧状の湾曲形状であっても、多角形状の屈曲形状であっても、両者を組み合わせた形状であってもよい。また補給樋20は長手方向の途中で二以上に分岐してもよく、この場合遊技店の各種レイアウトやR島の多様な形状に応じて配置された遊技機100等に遊技球を供給することができる。同図に例示する補給樋20の底面24は、平面視形状において長手方向に連続する9本の辺を有して屈曲形状をなしており、隣り合う辺同士が互いに5〜10°の屈曲角をもっている。また、同図に例示する補給樋20は、図中の片側矢印にて示すように、紙面右方が屈曲形状の内側方向にあたるように平面視上屈折した形状をなしている。補給樋20において、底面の長手方向の輪郭を構成する9本の各辺は、遊技機100の左右幅寸法に対応しており、かかる底面24をもつ補給樋20によれば、その両側にそれぞれ円弧状に並設された片側9台、合計18台の遊技機100に対して遊技球を同時に補給することができる。底面24の形状については、湾曲する所定幅の円弧状に形成し、屈曲したコーナー部を排除することも可能である。
本発明の遊技機設置島10において、屈曲形状の内側に並設された遊技機100(背面側に斜線を付す)の遊技盤に正対する遊技者の視線方向は、屈曲形状の内側から外側に向かう放射方向に分散される。逆に屈曲形状の外側に並設された遊技機100の遊技盤に正対する遊技者の視線方向は、屈曲形状の内側に集束する。なお、本明細書において、遊技機設置島10の側面のうち、遊技盤に正対する遊技者の視線方向を分散させる側面、すなわち平面視上屈曲形状の外側に位置する面を外R面とし、遊技盤に正対する遊技者の視線方向を集束させる側面、すなわち平面視上屈曲形状の内側に位置する面を内R面とする。そして、内R面から外R面に向かう方向を外R面方向あるいは外R側とし、外R面から内R面に向かう方向を内R面方向あるいは内R側とする。
遊技機設置島10に設けられる補給樋20の側面22には、長手方向に所定の間隔で開口部27が設けられており、それぞれの開口部27には上記したシュート40および導出路42が取り付けられている。
開口部27およびシュート40の間隔は、図3に示すように、補給樋20の長手方向に沿って横並びに配設される遊技機100等の配置レイアウトと対応している。また同図において、開口する補給樋20の手前側には球タンク50が接続し、遊技球が供給される。また同図の奥側が補給樋20の先端側に対応し、その端部は壁43により流路が閉止されている。
図3に示す補給樋20の例では、補給樋20が底面24の両側に設けられた側面22のいずれにも開口部27を形成している場合を示しているが、これは、「横方向に並ぶ遊技機100等の配置レイアウトが、遊技機を背中合わせにて前後方向に配置し且つ横並びにも遊技機を配置して2列の遊技機100等の列を形成するようなレイアウトとなっている」ことに対応して開口部27を形成していることに伴うものである。そして、配置レイアウトによっては、本発明の遊技機設置島10に設けられる補給樋20には、遊技機設置島10の側面22のいずれか一方に開口部が設けられていてもよい。具体的には、例えば、配置レイアウトが横方向に並ぶ遊技機100等の単一列にてなるような場合、その一列に並ぶ遊技機の配置レイアウトに合わせて側面22の一方に開口部27を形成するとよい。
本発明の遊技機設置島10において、補給樋20は、枠体45の載置面46上に載置されており、複数本の桁47を介して固定されている。桁47は補給樋20の基端部と先端部とに一本ずつ設けられてもよく、図3に示すように、さらに補給樋20の長手方向に基端部と先端部との間にある所定位置に、一本または二本以上の桁47が設けられてもよい。さらに、図3の例では、桁47は、補給樋20の長手方向に沿って基端側から先端側にかけて段階的に下がるよう、支持部材(図示せず)を介して遊技機設置島に固定されている。なお、遊技機設置島10に対する補給樋20の取り付け角度の調整方法については後述する。
図4は本発明の遊技機設置島の第1の実施形態における平面視形状が屈曲した補給樋20を、その長手方向の中心線に直交し上下方向に広がる平面で切った断面(当該断面を縦断面と呼称する。)を示す模式図である。ここに中心線は、補給樋20の形状に応じて定まり、図3の例では、屈曲した線をなす。なお、図4中、側面22に設けられるシュート40(図3参照)は図示を省略している。補給樋20の縦断面は、底面24を上面とし枠体45の載置面46に載置固定される底板21の断面と、側面22の断面とからなり、上方が開口した略断面コ字状の断面形状をなしている。矢印で示すように同図の右側を屈曲形状の内側とすることで、図3に示す補給樋20と対応する。なお、本実施形態を含め各実施形態にかかる以下の説明において、補給樋20は、補給樋20の屈曲した平面視形状を湾曲形状と読み替えて構成されるものでもよい。
図4に示すように、補給樋20は、開口部27が設けられた幅方向両側の側面22に向かって、底面24にそれぞれ下り傾斜(傾斜角φ)が設けられていることを第二の特徴とする。すなわち同図に例示する底面24は上に凸の曲面からなり、中央部がもっとも高く突出し、そこから両側面に向かって下り傾斜をなしている。屈曲形状の内側(内R側)に位置する側面を22a、これに設けられた開口部を27a、内側に向かう下り傾斜角をφ1とそれぞれ表記し、また屈曲形状の外側(外R側)に位置する側面を22b、これに設けられた開口部を27b、外側に向かう下り傾斜角をφ2と表記するものとする。
補給樋20は、側面22のいずれに対しても側面22に向かって補給樋20の幅方向に下り傾斜した底面24を有することにより、補給樋20の長手方向に流下する遊技球80に対し、補給樋20の幅方向について中央部から両方の側面22に向けてそれぞれ転動するよう重力成分を負荷することが可能となる。これにより、特別な機構や装置を補給樋20に設けることなく少ない部材点数によって、遊技機等への遊技球80の供給効率を高めることができる。
(傾斜角の作用について)
ここで図4に示す傾斜角φ1,φ2の作用を以下に説明しておく。内R側の開口部27a近傍を転動流下する遊技球80には、屈曲形状の内側から外側に向かって(外R方向に)遠心力が作用するため、仮に底面24が水平面に対して幅方向にフラットに形成された場合は、遊技球80に作用する遠心力が開口部27aへの遊技球の導入を妨げることとなる。これに対し、本発明の遊技機設置島に設けられる補給樋20によれば、屈曲形状の外側から内側(内R方向)にかけて、すなわち幅方向の中央部から側面22aにむかって底面24に傾斜角φ1が与えられて下り傾斜をなしているため、遊技球80には開口部27aに導入される向き(すなわち内R方向)に重力加速度成分が与えられ、重力加速度成分により外R方向に作用する上記の遠心力を相殺することができることとなり、遊技球80を効果的に開口部27aへと導くことができ、遊技球80の遊技機への補給効率を十分に維持することができる。
他方、外R側の開口部27b近傍を転動流下する遊技球80には、屈曲形状の外側の側面に対して押し付けられるよう遠心力が作用するため、遊技球80と側面22bとの垂直抗力および動摩擦力が増加することが問題となる。すなわち、仮に補給樋20の底面24が幅方向にフラットに形成された場合は、側面22bの近傍における遊技球80の転動性が阻害されてブリッジと呼ばれる遊技球80の澱み領域が形成される虞があるところ、本発明の遊技機設置島10に配設される補給樋20のように底面24に対して幅方向の内側から外側に向かって、すなわち幅方向の中央部から側面22bにむかって傾斜角φ2が与えられることにより、仮に遊技球80の転動性が一時的に阻害された領域が形成された場合も、開口部27bへの排出が促進され、開口部27bにおいてブリッジが解消されるとともに遊技機等への遊技球80の供給効率を高く維持することができる。
具体的には、補給樋20においては、底面24上を転動流下する遊技球80は開口部27(27a,27b)を有する側面22(22a,22b)に常に押し当てられる方向に重力荷重を受けるため、開口部27から補給樋20外部への導出が促進される。これは底面24に幅方向の傾斜角φ(φ1,φ2)が与えられているため、遊技球80に作用する垂直抗力が鉛直上方よりも側面22の側を向き、遊技球80に作用する重力(図4:ベクトルG)が側面22に向かう成分(図4:ベクトルT)を持つことに起因する。
本発明の遊技機設置島10において設置される補給樋20は、上記第1の実施形態のように、底面24が補給樋の幅方向に側面22向かって下り傾斜するという構成を備えることで、側面22の近傍を補給樋20の長手方向に流下する遊技球80が開口部27から導出されずにこれを空過したり、開口部27の近傍でブリッジが形成されて遊技球80の流動性が低下したりする虞が回避される。
この補給樋20においては、湾曲または屈曲形状の内側の下り傾斜角φ1と外側の下り傾斜角φ2とを互いに相違させることも好適である。すなわち湾曲形状の曲率や屈曲形状の屈曲角の大小、または内側と外側にそれぞれ並設された遊技機等の台数の差異などに応じて、傾斜角φ1,φ2をそれぞれ適宜増減させるとよい。背面同士を対面させて並設された遊技機等の台数が等しい場合、遊技球80に対する遠心力の影響のより大きな内側については、外側よりも傾斜角を大きくすることが好ましく、具体的には、φ1をφ2よりも0.5〜1.0%程度大きくすることにより、補給樋20の両側面に沿って並設された遊技機等にバランスして遊技球80を供給することが可能である。
ここで、底面24の幅方向の「中央部」とは側面22近傍を除くという趣旨であり、上記補給樋20を転動流下する遊技球を効果的に開口部へと導いて遊技機に適切に補給するという効果を奏する限り、その中央部の示す概念は中心線に厳密に一致することを要件とする概念に限定されず、幅方向に所定の広がりをもつ概念であることは当業者にとって明らかであろう。すなわち、補給樋20を構成する底面24の縦断面の態様としては、頂部が厳密な中心線からいずれかの方向にずれた位置にある場合や、幅方向の中間部に所定幅のフラットな領域を形成し、該フラット領域から両側面に向かって下り傾斜を有する場合なども採り得る。
側面22に設けられる開口部27は、補給樋20から遊技機等に向けて遊技球80をスムーズに導出可能であるかぎりその寸法や配置位置は特に限定されるものではなく、側面22のみに設けられる場合のほか、側面22と底面24とにまたがって形成されてもよい。ただし、例えば遊技店において遊技機等の配置間隔を変更した場合などであっても、補給樋20の側面22のみを調整または交換することで容易に遊技球の補給が再開可能となるよう、開口部27を側面22のみに形成するとともに側面22と底面24とを着脱可能に構成することも好適である。
なお、補給樋20において、「底面」とは、補給樋20を構成する底板21の上面、またはその上に形成された保護層などの上面のうち、転動流下する遊技球80が接触する面をいうものとする。
したがって、本発明の遊技機設置島に設けられる補給樋についてみるに、例えば
1)底板の全体を上に凸となるように撓ませてなる底板の上面;
2)傾斜した二枚の平板または曲板を中央が高くなるよう接合した場合の上面;
3)図3に示すような、底板が厚肉材料から形成され、両側面に向かう下り傾斜が幅方向についてその上面に設けられている場合の該上面;
4)底板の上面が、幅方向の中間部よりも、両側面の側においてのみ下り傾斜が設けられてなる面として構成されている場合の該上面;
5)上記1)から4)の底板の上面に保護層が形成されるとともに、該保護層の表面には、開口部を備える側面に向かう下り傾斜が設けられている場合の該保護層の表面;
などは、いずれも補給樋20の底面24として採り得る。なお、保護層の具体的な構成については後述する。
なお、図3に斜視図にて示すように、底面24は上に凸の滑らかな曲面であることにより、遊技球80が補給樋20の中央部を乗り越えて幅方向の反対側に流動することを可能としつつも、両側面に対して遊技球80を押し当てる方向の重力成分を得ることができるため好適である。
すなわち、遊技機設置島に設置された遊技機うち補給樋20のいずれか一方の側面側に設けた複数台の遊技機に大当りが集中して発生し、遊技球80を該一方に対してより多く供給する必要が生じた場合であっても、遊技球80が補給樋20の幅方向の反対側にも容易に流動可能であるため、所定量の遊技球80を球タンク50から補給樋20に供給しつづけることにより、所定の遊技機100等に対する遊技球80の供給が間に合わなくなる不都合を回避できる。また、球タンク50から補給樋20への遊技球80の供給が幅方向の中心をずれて行われた場合でも、両側面に取り付けられたシュート40に均等に遊技球80を供給することができる。
(補給樋の構成(第2の実施形態))
上記の記載は、本発明の遊技機設置島に配設される補給樋について、第1の実施形態における補給樋20と同様に上に凸の底面24を備えるとともに、その底面24の中央部に、これを幅方向に左右に分離する分離壁を立設した構成を備える場合(第2の実施形態)を排除するものではない。
図5は、本発明の遊技機設置島10に配設される補給樋20が第2の実施形態にあたる場合における補給樋20を示す上方斜視図である。この補給樋20は、その長手方向に沿って底面24の幅方向の中央部に分離壁30を立設形成しているという構成を備えることを特徴とするものである。かかる構成を補給樋20が備えることにより、屈曲形状の補給樋20の内側と外側とにおける遊技球80の往来がなくなり分離壁30の両側にて独立して遊技球80の供給が行われることとなる。これにより、屈曲形状の内側を転動する遊技球80の多くが遠心力の作用によって外側に移動してしまうことを抑止し、分離壁30の内側と外側とで補給効率を維持することができる。
また、図5に示すように、幅方向の両側に側面をもち上方開口したコ字状断面をもつ底板であって、屈曲形状の内側にのみ向かう下り傾斜を幅方向にもつ底板21aと、逆に外側にのみ向かう下り傾斜を幅方向にもつ底板21bとを、両底板21の幅方向に下り傾斜した先端を互いに外側に向けつつ幅方向に横並びにして接合することにより、幅方向のそれぞれの両外側に向かう下り傾斜を有する補給樋20を容易に構成することができる。
(補給樋の構成(第3の実施形態))
また、本発明の遊技機設置島に設けられる補給樋20の構成として、図6に示すような構成を備えるもの(第3の実施形態)であってもよい。図6は、補給樋20の第3の実施の形態にかかる補給樋20を、その長手方向中心線と直交する平面で切った縦断面図である。ただし図6は、概略部分図であり、すなわち本図中、補給樋の右側は図示を省略している。本実施形態にかかる補給樋20は、側面22の近傍において、底面24の下り傾斜角が幅方向の中央部に比べてより急峻に設けられて急傾斜部25を形成しているという構成を備えることを特徴とする。かかる急傾斜部25については、同図において、一点鎖線にて示す。
ところで、本実施形態における補給樋20を遊技機設置島10に設置する場合の取付角度の誤差は、その幅方向の傾斜角φについて0.2〜0.3%程度(すなわち補給樋20の幅方向の単位長さあたりの高さ誤差が2/1000〜3/1000程度)発生することが一般的である。そこで、かかる取付誤差が傾斜角φを緩和する(減少させる)方向に生じた場合であっても、遊技球80に与える幅方向の重力加速度成分が不十分となることのないよう、本実施形態に示すように、補給樋20が底面24に急傾斜部25を形成したものとされていることが好ましい。具体的には、底面24に急傾斜部25として当該取付誤差に相当する傾斜角を予め与えられた部分を形成しておき、そのような底面24を備えたものとして補給樋20を構成するとよい。
すなわち、例えば遊技機100に十分な遊技球80を供給するために必要な底面24の傾斜角φが2%である場合、急傾斜部25における傾斜角(φ’)を2.3%程度とすることにより、傾斜角φが取付誤差によって最大0.3%減少したとしても、なお遊技球80の転動性にもっとも影響の大きい側面22近傍において十分な傾斜角(2%)を維持することができる。なお、急傾斜部25における傾斜角φ’とは、上記急傾斜部25の幅内における底面24の傾斜角の平均を意味するものである。
急傾斜部25の幅は、遊技球80の半径以上、遊技球80の直径の数倍以下、好ましくは直径の1〜2倍に形成するとよい。急傾斜部25の幅が遊技球80の半径未満であると開口部27の形成箇所を除いては上記効果を享受することができない。また急傾斜部25の幅を遊技球80の直径相当幅乃至その二倍とすることにより、遊技球80に負荷される重力加速度のうち側面22に向かう成分と、長手方向に流下する成分とが良好にバランスし、補給樋20の長手方向に並ぶ複数台の遊技機等に対してより均一に遊技球80を供給することができる。
換言すると、この補給樋20においては、その幅方向の中央部における平均傾斜角φと、側面近傍の傾斜角φ’とが、φ<φ’の関係となるよう構成することにより、傾斜角に取付誤差が生じた場合であっても尚遊技球80の補給効率に支配的な側面近傍において十分な傾斜角が維持され、遊技球80を遊技機100等に好適に供給することができる。なお明細書において、補給樋の幅方向の傾斜について、特に断りなく「傾斜角」と表記した場合は、上記の平均傾斜角φを意味するものである。
急傾斜部25は、対向する両側面のいずれかまたは両方の近傍にそれぞれ形成することができるが、特に遊技機100に対する遠心力の影響の大きな、湾曲または屈曲形状の内側にあたる側面の近傍に設けることが好適である。
(補給樋の組み立て)
補給樋20は、図3および図5に示す例(第1の実施形態の例、および、第2の実施形態の例)では、底面24および側面22が長手方向に複数に分割構成されている。このような補給樋20の組み立てについては、例えば、分割された底面24および分割された側面22とで構成する部材を、隙間なく直列的に配設する、または隙間に他の部材を介装しつつ連設することにより、全体が湾曲または屈曲した補給樋20を形成できる。
(遊技機設置島への補給樋の組み付け)
遊技機設置島10において、補給樋20の底面24を形成するにあたっては、所定の位置に枠体45を設置しておき、その枠体45の載置面46上に、分割された底面24を構成する部材を敷き詰めることで、底面24全体を形成してもよい。なお、枠体45は、遊技機設置島10において所定の位置に固設された桁47の上に直接もしくは間接に配設されることで、遊技機設置島10に組み付けることができる。
ここで、枠体45は、例えば木材などから得ることができ、その載置面46が長手方向に所定の勾配をもつように高さ調整されたものを用いることが好ましい。
本発明の遊技機設置島10に設けられる補給樋20は、図3、図5を参照にして示される例では、桁47を介して遊技機設置島10に設置される。また、この遊技機設置島10においては、載置面46の長手方向の勾配を補給樋20の底面24に付与すべき勾配θと等しくすることにより、補給樋20自体については底面24に長手方向の勾配を付与せずに作成することができるため加工性に優れる。
本発明の遊技機設置島に配設される補給樋20は、枠体45が載置面46の長手方向の勾配(傾斜角度;θ)の精度が十分には高くないように構成されたものである場合であっても、底面24と載置面46との間にシム(スペーサ)や調整ネジなど公知の高さ調整手段48を設けてなることによって、底面24の勾配を高精度に微調整可能なものとなる。
一方、底面24が幅方向に有する傾斜角φについても、同様に枠体45の載置面46との間に高さ調整手段48を介在させることによって調整可能となる。すなわち枠体45の載置面46については幅方向の傾斜角度をゼロとして長手方向にのみ勾配を与えて遊技機設置島10に取り付け、底面24の所望の傾斜角φについては前記高さ調整手段のみによって与えることも可能である。
図7は、図5に示す本発明の第2の実施の形態にかかる補給樋20のうち、屈曲形状の内側に位置する底板21aが枠体45の載置面46に載置固定された状態を示す部分斜視図である。補給樋20の長手方向の先端側と、屈曲形状内側の向きをそれぞれ図中に矢印にて示す。屈曲形状の外側に設けられる底板21b、および側面22に設けられる開口部27(図5を参照)は図示を省略している。図7に示す補給樋20は、長手方向の基端側に高さ調整手段48として二本の調整ネジ48a、48bを、幅方向に横並びに備えている。調整ネジ48a、48bは、それぞれ枠体45を貫通し、先端が底板21aの内部に下面29の側より嵌入した押しネジである。また調整ネジ48a、48bによる高さ調整を行わない状態において、底面24と下面29とは水平に設けられている。すなわち補給樋20を枠体45に載置した当初の状態においては、幅方向の傾斜角φ1はゼロであるとする。
屈曲形状の外側(補給樋20の幅方向の中央側)に配置された調整ネジ48aと、内側に配置された調整ネジ48bとはそれぞれ個別に押し込み量(ストローク)を増減することができる。したがって、調整ネジ48aのストロークを調整ネジ48bよりも大きくすることで、補給樋20の基端側および屈曲形状の外側を押し上げることができるため、底面24に長手方向の勾配と、屈曲形状の内側に向かう幅方向の下り傾斜角とを与えることができる。また調整ネジ48aと調整ネジ48bのストロークを等しく増大することにより、長手方向の勾配のみを大きく与えることができる。
なお、調整ネジ48bのストロークを調整ネジ48aのストロークよりも大きくすれば屈曲形状の内側を押し上げることとなる。したがって図7では図示を省略している屈曲形状の外側に位置する底板21bについても同様の調整ネジ48a、48bを設け、分離壁30に近い中央部側の調整ネジのストロークを大きくすることにより、所望の傾斜角φ2を底面24に容易かつ高精度に与えることができる。
また、図7に示す例では、底板21aに対して二本の調整ネジを設けることで高さ調整手段48を得ているが、調整ネジの本数はこれに限られるものではない。また、分割された個々の底板21のすべてに高さ調整手段48を設けるか一部の底板21のみに設けるかは任意である。
ところで、補給樋20につき、上記実施形態の説明では、補給樋20の底面24と側面22が分割構成されている場合を例として説明したが、このように補給樋20の底面24と側面22が分割構成されることは、本発明の遊技機設置島に配設される補給樋20について底面24と側面22の少なくとも一方が一体に形成されている場合を排除するものではない。このような補給樋は、例えば、底面24が分割され且つ側面22が一体に形成されて構成されている場合を例とすると、分割された底面24で構成する部材を連設することにより底面24全体を形成し、全体形成された底面24の長手方向に沿った側縁に側面22を構成する部材を立設することで組み立てることができる。そして、このような場合においても、補給樋20は、桁47を介して遊技機設置島10に設置されてよい。
ただし、補給樋20は、その底面24を長手方向に分割構成してなるものであることで場合には、各部材の寸法を小さくすることができるため加工精度が向上し、またその長手方向および幅方向の角度が微調整可能であって取付精度を高めることができて好ましい。また、かかる分割構成とすることで補給樋20の搬送性および取付作業性が向上し、さらに補給樋20の一部が汚損した場合も当該汚損部の底面24のみを洗浄・交換等することで対処可能である。
なお、補給樋20は、底板21(21a,21b)のみならず側面22についても所定の長さごとの分割構成とすることが好適である。特に上記第1または第2の実施形態の補給樋に示す如く、分割構成された底面24と長手方向の長さを揃えて側面22も分割形成されていることにより、底面24とその幅方向の両側に立設される側面22とをユニット化することが可能である。これにより、分割構成された上記ユニットの寸法を共通化して複数式用意しておき、各ユニットを必要に応じて上述の高さ調整手段48を介して枠体45の載置面46に設置することで、本発明の補給樋20を低コストかつ高精度で得ることができる。特に図5および図7に示す第2の実施形態にかかる補給樋20のように、底面24を幅方向に二分割、長手方向に多数に分割して構成することにより、個々の底板21の寸法を小さくすることができるため、容易な加工により所望の角度精度を幅方向、長手方向ともに得ることができる。
(補給樋の構成(第4の実施形態))
本発明の遊技機設置島に配設される補給樋は、図8に示すような構成を備えるものであってもよい。図8(a)は、長手方向に分割構成された第4の実施形態にかかる補給樋20を示す縦断面図である。また同図(b)は急傾斜部25を含む円X部の部分拡大図である。ただし同図(b)は、平均傾斜角φにて載置面46(図示省略)に設置された状態の底板21aを、遊技球80とともに図示するものである。
本実施形態にかかる補給樋20は、底板21aと底板21bとを幅方向に並設して一体に構成した底面24と、底板21a,21bの両外側に設けられた嵌合溝にそれぞれ着脱可能に嵌合された側面22a,22bと、同じく両内側にそれぞれ着脱可能に嵌合された分離壁30a,30bとを備え、また底板21a,21bの両外側には側面22a,22bの近傍に急傾斜部25が形成されていることを特徴とする。また急傾斜部25を除き、底面24は底板21aの下面29と平行あるいは略平行に形成されている。したがって補給樋20を枠体45に設置する場合は、高さ調整手段48(図7参照)にて幅方向にそれぞれ両外側に下るよう傾斜角φを与えつつ、下面29を載置面46に搭載する。このとき底面24の傾斜角φを屈曲形状の内側と外側とで独自に調整できるよう、底板21aと底板21bとは中央部で折曲可能に接合されるとよい。補給樋20の屈曲形状の内側(内R側)の下り傾斜角φ1と外側(外R側)の下り傾斜角φ2とを独自に調整可能とし、特に遊技球80に負荷される遠心力の影響の比較的大きい内側の傾斜角φ1をより大きくすることにより、屈曲角の大小や設置される遊技機100等の台数の差異に柔軟に対応して、補給樋20の両側面にバランスよく遊技球80を供給することができる。
また図8(a)に示すように側面22a,22bを底板21a,21bに対してそれぞれ着脱可能に設けることにより、側面22a,22bの汚損時には当該側面のみを取り外すことができ、また遊技機設置島10に設置する遊技機100等のレイアウトを変更した場合についても、開口部27およびシュート40(いずれも図3、図5を参照)の形成位置を変更した他の側面と交換することで、底面24を含む補給樋20の全体を交換せずともこれに柔軟に対応することができる。
本発明にかかる補給樋20において、底面24と側面22(22a,22b)との連結は図8(a)に示すごとき嵌合方式のほか、接着やブラケット留めなど各種を採ることができる。
したがって第4の実施形態の補給樋20は、次のようにして得ることができる。すなわち、幅方向の中央部から両側に向かう下り傾斜を有する一枚または複数枚を組み合わせてなり、かつ該両側に側面を立設するための嵌合溝が長手方向に沿って設けられた底面24であって、かつ該側面の取り付けられる側の近傍に幅方向の下り傾斜(φ”)を有する底面24を形成する部材(補給樋用底面部材)を用い、この補給樋用底面部材に側面22を立設し、さらに長手方向に所定の勾配θ、幅方向に平均傾斜角φを与えて構成されるように遊技機設置島10に設置されることで、上記本発明の効果を奏する補給樋20を得ることができる。なお、上記下り傾斜(φ”)とは、急傾斜部25における傾斜角(φ’)より平均傾斜角(φ)を減じたものに相当する。
また本実施形態にかかる補給樋20の側面22および分離壁30(30a,30b)の長手方向には、補給樋20の内側に向かって筋状に突出する突起部221が複数段にわたって設けられている。図8(b)に示すように、最下段の突起部221aが底板21aと当接することで、側面取付溝222と嵌合する側面22aを支持している。二段目の突起部221bは、同図に示す縦断面において遊技球80と点接触することで、側面22と遊技球80との間の摩擦を低下させている。すなわち側面22aに突起部が予め設けられていない場合は、補給樋20が繰り返しの使用に供されると、遊技球80との接触による損耗により側面22aの内側には凹面(凹溝)が形成され、以後、側面22aと遊技球80とが面接触をすることになり、両者間の動摩擦力が上昇して遊技球80の流動性が低下する虞があるところ、突起部221bを側面22aから突出させておくことで、これが残存する限り側面22aと遊技球80とは上記点接触の状態を維持可能となる。側面22bや分離壁30にも突起部を設けることにより、上記効果を得ることができる。
突起部221bは、遊技球80の重心よりも低い位置において遊技球80と当接する高さに設けられている。このため、側面22に押し当てられつつ長手方向(紙面前後方向)に流下する遊技球80は、図8(b)に示すように、側面22の側に斜めに傾いた回転軸を中心として回転しつつ下流に転動することとなる。かかる斜め回転により、開口部27にさしかかった遊技球80は該開口の内部に巻き込まれやすくなる。またかかる斜め回転が生じても、突起部221bは遊技球80の重心よりも低い位置でこれと当接するため、遊技球80には突起部221bからの抗力が、斜め上方にこれを押し上げる方向に作用する。よって本実施の形態にかかる補給樋20によれば、底面24の有する傾斜角(φおよびφ’)の作用によって遊技球80が側面22に押圧されても、側面22と底面24との間に遊技球80が挟まるなどしてその転動性が不十分となることはない。
なお、側面22および分離壁30の材料は特に限定されるものではないが、耐久性や低摩擦性の観点からはステンレス(SUS)などの金属材料が好適に用いられる。一方、膨出する突起部221の形成が容易であって、また設置される遊技機100等のレイアウトに応じて適切な位置に開口部27を切り欠き形成可能であるという観点から、樹脂材料により側面22や分離壁30を成形することも好適といえる。また、一般に鋼鉄からなる遊技球80と、突起部221bとの動摩擦力を所定の大きさに発生させて、上記の斜め回転を適切に生じさせることを可能とする観点からも、金属材料に比して動摩擦係数の比較的大きい樹脂材料により側面22を形成することが好適である。
また、本発明の遊技機設置島に設けられる補給樋20については、底板21の表面に保護層26が形成されていてもよい。保護層26は、底板21の母材よりも硬度が高く、かつ遊技球80に対する動摩擦係数が低く転動性を良好に与えるものであることが好ましい。かかる保護層26を、底板21の上面のうち、少なくとも遊技球80と接触する領域に被覆形成することにより、補給樋20における遊技球80の流動性を向上させることができる。保護層26の硬度を底板21の母材よりも高くすることで、遊技球80により底面24が削られて遊技球80の転動性を悪化させる凹凸が底面24上に生じることが防止されるためである。特に、保護層26のロックウェル硬度を高くすることがかかる目的を好適に果たすため好ましい。具体的には、保護層26のロックウェル硬度を、遊技球80の表面の該硬度(HRC56〜60)よりも高くするとよい。
また、補給樋20を遊技球80に対する動摩擦係数を低くするように構成するにあたり、その動摩擦係数の値を底板21の母材のそれよりも小さくすることにより、遊技球80の転動流下がさらに促進され、その補給効率が向上する。
なお、底板21の母材の表面に保護層26を形成する方法は特に限定されるものではなく、底板21の母材表面に異種材料からなるプレートを積層する方法、メッキにより底板21の母材表面を被覆する方法、または底板21の表面に焼き入れを施して表面改質を行う方法など、各種を採り得る。
具体例としては、底板21の母材を軽量かつ成形性に優れるアルミまたはアルミ合金の押出成形、保護層26を強度に優れるSUSの圧延成形によってそれぞれ製造し、これらを接着剤により接着することで、底板21の表面に保護層26を容易に形成することができる。
底板21の母材の表面に高硬度材料からなる保護層26を形成したことにより、遊技球80を球タンク50から補給樋20に供給する際の供給音や、補給樋20を流下する遊技球80の転動音が大きくなる場合は、母材と保護層26との間に、保護層26よりもヤング率の低い柔軟材料からなる消音層(図示せず)を積層することも好適である。
なお、第1から第4の実施形態の補給樋20として挙げられた4種類の例については、いずれも遊技機100等が補給樋20の内R側と外R側の両側に並設される場合の補給樋の例であるが、この場合に限定されず、樋部材28に設ける側面22や開口部27は、遊技機設置島10に設置される遊技機100等のパターンに応じて様々な態様を採ることができる。すなわち、遊技機100等が補給樋20の内R側と外R側の両側に並設される場合に限定されず、例えば、遊技機100等が補給樋20の内R側または外R側のいずれか一方にのみ設置される場合(遊技球を転動流下させようとする経路が、内R側もしくは外R側に1つである場合)は、第1から第4の実施形態の補給樋20として、当該一方にのみ下る傾斜角φを供給転動面34に与え、また当該方向の側面22にのみ開口部27が形成されてなるものが用いられていてもよい。
(補給樋の構成(第5の実施形態))
本発明の遊技機設置島に配設される補給樋としては、枠体の上に、その枠体に対して直接もしくは間接に遊技球の転動流下する流下路をなす所定の形状の部材(樋部材)を幅方向に並べて配置してなるものであって、且つ、枠体が補給樋の幅方向の傾斜に応じた傾斜面を備える載置枠(樋部材載置枠)であるように構成したもの(第5の実施形態)であってもよい。この場合、補給樋は、その幅方向の傾斜を載置枠の傾斜にて実現させるように構成したものとなる。
図9は、第5の実施形態にかかる補給樋20を模式的に示す上方斜視図、図10は補給樋20の部分拡大図であり、補給樋20に接続されるシュート40と導出路42をあわせて図示している。また図9には、遊技機100(背面側に斜線を付す)のほか、補給樋20の幅方向および長手方向を両側矢印で示している。
図9において、開口する補給樋20の手前(基端)側には球タンク50が接続されて遊技球が連続的に供給される。また図9の奥側が補給樋20の先端側に対応し、その端部は終端壁35により流路が閉止されている。なお補給樋20の先端部には後述する終端ガイド部材(図13を参照)を設けてもよい。
本実施形態にかかる補給樋20は、上記第1および第2の実施形態と同様、遊技球が転動流下する底面(供給転動面34と呼ぶ)に対して、長手方向の勾配θと、幅方向の傾斜角(後述する傾斜角φ)とを与えて構成されることにより、補給樋20の内R側もしくは外R側、または、補給樋20の上流側もしくは下流側(すなわち転動流下する遊技球の流下する方向を基準とした上流側もしくは下流側)を問わず、遊技機設置島10に配設された複数台の遊技機100等に対して等しく、かつ十分に遊技球を供給することができる。なお、R島に設置される遊技機100等に遊技球を供給するに際しては、供給転動面34の幅方向の傾斜角φは、長手方向の勾配θよりも遊技球の均一かつ安定的な供給に対する感度が高いため、要求される角度精度が高い。
本実施形態にかかる補給樋20は、樋部材28を、幅方向に下り傾斜が形成された樋部材載置面37を備える樋部材載置枠38にそれぞれ載置して構成されるものであることを特徴とする。
図11は、本実施形態にかかる補給樋20を、その長手方向に直交する平面で切った断面(縦断面)を示す模式図である。矢印で示すように図11の右側が内R側であって図9のそれと対応している。なお、側面22に設けられるシュート40(図9を参照)は図示を省略している。樋部材載置枠38の縦断面形状は、幅方向側縁から中央にむかって上に凸の山型をなす。一方、樋部材載置枠38の樋部材載置面37上に幅方向に並んで設けられた樋部材28の縦断面は、それぞれ供給転動面34を上面とし、樋部材載置枠38の樋部材載置面37に直接またはスペーサを介して対面して載置固定される下面31と、側面32とを形成してなり、上方が開口した略コ字状をなしている。下面31と供給転動面34とは後述する急傾斜部(図11には図示せず。図14を参照。)を除き平行である。また、側面32については、樋部材28を樋部材載置面37上に設けて補給樋20が形成されるにあたり、最も外R側の側面32が補給樋20の外R側の側面22bをなし、最も内R側の側面32が補給樋20の内R側の側面22aをなす。
図11に示すように、本実施形態の補給樋20の供給転動面34には、第1の実施形態(図4を参照)と同様に、内R側に位置する側面22aには開口部27aが設けられて、幅方向の中央部から側面22aに向かって傾斜角φ1にて下り傾斜している。一方、外R側に位置する側面22bには開口部27bが設けられて、補給樋20の幅方向の中央部から側面22bに向かって傾斜角φ2にて下り傾斜している。
補給樋20を構成する樋部材28は遊技球80がその上を滑らかに転動する流路を構成する部材であり、少なくとも供給転動面34を形成する部分には高い平面度、平滑性および耐久性が求められる。樋部材28の材質は特に限定されるものではないが、供給転動面34を形成する部分については良好な転動性と耐摩耗性を与えるためステンレス(SUS)などの金属材料から作製されるとよい。一方、側面32を構成する部材については、供給転動面34と側面32とを一体に作製することなどにより供給転動面34と同じ素材にて作製されるほか、後述するように樹脂材料からなる板状の部材を別体として成型し、供給転動面34を備えた底面部材と分離可能に組み合わせることで作製されてもよい(図14を参照)。樋部材28の平面視形状は、長方形状、円弧状、くの字状、S字状、またはこれらの組み合わせなどを自在に採ることができる。またそれぞれの場合、長手方向に隣り合う他の樋部材28同士が連続的に繋ぎ合わされることで補給樋20の全体形状が所望の湾曲または屈曲形状となるよう、各樋部材28としては、必要に応じて樋部材28の長手方向の端部を斜めにカットして角度付けされてなるものを用いて、これらの樋部材28を適宜組み合わせるとよい。例えば、補給樋20が直線部と屈曲部とを交互に有する屈曲形状の場合、供給転動面34が平面視上長方形に形成された樋部材28を補給樋20の直線部を構成する部材とし、内側の経路長を外側の経路長よりも短くした三角形または台形の供給転動面34を備える他の樋部材28を補給樋20の屈曲部を構成する部材として、それぞれ用い、これらを組み合わせることで平面視形状が屈曲形状であるような補給樋20を得てもよい。なお図9,10に示すように、本実施形態にかかる補給樋20においては、長手方向に連結される複数本の樋部材28を共通部品とするため、補給樋20の屈曲角度に合わせて長手方向の端部を斜め加工し、遊技機100の台間ピッチに相当する長さ寸法をもつ長方形状の供給転動面34をもつ樋部材28を用いている。ただし、台間ピッチとは、遊技機1台を設置するために定められた所定の3次元スペースを規定する寸法(高さ、奥行き、長手方向の長さ)のうち、遊技機設置島の長手方向の寸法を示すものとする。
一方、樋部材28の下面31と供給転動面34とは、後述する急傾斜部を除いて平行に形成されており、すなわち供給転動面34に与える幅方向の傾斜角は、樋部材28の下面31と供給転動面34との間で角度付けするのではなく、樋部材載置枠38の樋部材載置面37の傾斜角によって規定することとしている。これにより、SUSなどの金属材料より樋部材28を作製するにあたっては、幅方向に精密な傾斜角を与える必要がないため、供給転動面34と下面31とが平行になるよう引抜加工などにより容易かつ精度よく平滑な供給転動面34を得ることができる。
なお、本発明の遊技機設置島に設けられる補給樋20においては、幅方向の傾斜角φを精度よく供給転動面34の幅方向に与えることができる限り、供給転動面34と下面31とが平行であることを必須とするものではなく、両者の間に所定の傾斜が設けられていてもよい。この場合は、樋部材載置枠38の樋部材載置面37の傾斜角、および供給転動面34と下面31との間の傾斜角の和が、水平面に対する供給転動面34の幅方向の下り傾斜角φとなる。また供給転動面34と下面31とを平行とするかあるいは両者の間に所定の傾斜角φを与えるかを問わず、補給樋20の内R側と外R側、および補給樋20の上流側と下流側に設けられる各樋部材28を共通部品とすることにより、部品種別数の削減によるコストメリットのほか、作業者の取り違え防止による作業性向上と、遊技球によって損耗しやすい位置に設けられた樋部材28を、例えば1年毎または数年毎などに他の樋部材28と交換するなどして補給樋20全体の耐久年数を延長することもできる。
本実施形態の補給樋20は、図9に示す例について、次のように組み立てられる。
図9,10に示すように、遊技機100等が補給樋20の内R側と外R側の両側に並設される場合(遊技球を転動流下させようとする経路が、内R側と外R側にそれぞれ1つ、計2つある場合)の例では、平面視形状が湾曲または屈曲形状となるよう長手方向に互いに連結された樋部材28を二式(2セット)用意し、一方の樋部材28にはそれぞれ内R側に側面22の開口部27を設け、他方の樋部材28にはそれぞれ外R側に側面22の開口部27を設けて構成する。このように構成された二式の補給樋20の組み合わせを樋部材載置枠38上に配置することで補給樋20を得ることができる、そして、そうして得られた補給樋20により、湾曲または屈曲形状の内側と外側にそれぞれ並設された遊技機100等に対し、同時に遊技球を供給することができる。
また、補給樋20を得るにあたり、二式の樋部材28の間は、図10に示すように分離壁30が立設形成されて、補給樋20が構成される。第5の実施形態の樋部材20において、分離壁30は必須の部材ではなないが、この分離壁30が配備されることにより、補給樋20を転動する遊技球80の内R側と外R側と間の往来がなくなり分離壁30の両側にて独立して遊技球80の供給が行われることとなるため、内R側を転動する遊技球80が遠心力の作用によって外R側に移動してしまうことを抑止し、分離壁30の内側と外側とで補給効率を維持することができる点で好ましい。また本実施形態のように内R側の樋部材28と外R側の樋部材28とを個別に作製し、樋部材載置枠38の樋部材載置面37にそれぞれの樋部材28を載置固定する方式によれば、上述のように供給転動面34の角度精度の高精度化が容易である。
本実施形態の補給樋20を得るにあたっては、長手方向所定長さの内R側の樋部材28と外R側の樋部材28とを長手方向所定長さの樋部材載置枠に載置してなる樋部材ユニットを作製しておき、それらのユニットを幅方向の中央部が上に突出して山型に湾曲した供給転動面34を備える樋部材ユニットを長手方向にのみ互いに連結して補給樋20を構成してもよい。
側面22に設けられる開口部27は、補給樋20から遊技機等に向けて遊技球80をスムーズに導出可能であるかぎりその寸法や配置位置は特に限定されるものではなく、側面22のみに設けられる場合のほか、側面22と供給転動面34とにまたがって形成されてもよい。ただし、例えば遊技店において遊技機等の配置間隔を変更した場合などであっても、補給樋20の側面22のみを調整または交換することで容易に遊技球の補給が再開可能となるよう、開口部27を側面22のみに形成するとともに側面22と供給転動面34とを着脱可能に構成することも好適である(図14を参照)。
なお、本実施形態の補給樋20については、上記したような例に限定されず、樋部材28に設ける側面22や開口部27は、遊技機設置島10に設置される遊技機100等のパターンに応じて様々な態様を採ることができる。すなわち、遊技機100等が補給樋20の内R側と外R側の両側に並設される場合に限定されず、例えば、遊技機100等が補給樋20の内R側または外R側のいずれか一方にのみ設置される場合(遊技球を転動流下させようとする経路が、内R側もしくは外R側に1つである場合)は、当該一方にのみ下る傾斜角φを供給転動面34に与え、また当該方向の側面22にのみ開口部27を形成すればよいことから、図9の如く幅方向に2つの樋部材28を並べて設ける必要がない。
(樋部材載置枠について)
本実施形態の樋部材載置枠38は、樋部材28を載置することにより供給転動面34に傾斜角φを精度よく与えるための樋部材載置面37を備える部材であり、その平面視形状は樋部材28の形状に応じて長方形状、円弧状、くの字状、S字状、またはこれらの組み合わせなどを基本とする。
図12は、平面視上長手方向の屈曲した遊技機設置島10に設けられ内R側と外R側にともに遊技球80を供給することのできる本実施形態の補給樋20にかかる樋部材載置枠38の斜視図である。図12に示す樋部材載置枠38の例では、樋部材載置枠38は、図中に矢印にて示す長手方向に複数本が互いに連設されて樋部材28とともに補給樋20を構成する部材をなす。同図に示す樋部材載置枠38は、長手方向の端部の少なくとも片側について、図に二点鎖線にて示す内R側のコーナー部が斜めにカットされた略長方形状をなし、同一の平面視形状をもつ他の樋部材載置枠38と互いに連設することで全体として屈曲形状をなすよう形成されている。
樋部材載置枠38の四隅には樋部材載置面37から側方に突出した固定部56が形成されている。固定部56には通孔53が穿設され、後述する基台52を介した桁47(図10を参照)と樋部材載置枠38とのネジ留め固定の用に供される。また樋部材載置枠38には、樋部材28と樋部材載置面37とを固定するための他の通孔44が穿設されている。樋部材載置枠38と桁47との間に基台52を介装する本実施形態にかかる補給樋20については、桁47に対する樋部材28の位置精度は、基台52の寸法精度および桁47に対する基台52の取付精度、樋部材載置枠38の寸法精度および基台52に対する樋部材載置枠38の取付精度、ならびに樋部材28の寸法精度および樋部材載置枠38に対する樋部材28の取付精度の和として規定される。したがって、固定部56の通孔53によって樋部材載置枠38と基台52とを位置決め固定し、また通孔44によって樋部材載置枠38と樋部材28とを位置決め固定することにより、工場加工レベルで作製される基台52、樋部材載置枠38、樋部材28の高い寸法精度とあいまって、供給転動面34の幅方向の傾斜角および長手方向の勾配(傾斜角度)の角度精度を高めることができる。
樋部材載置枠38は、遊技球80とは直接接触することがなく部材の損耗の虞はないため、圧縮強度、加工性およびコストの観点から木材を切削加工して得ることが好適である。
長手方向に連設される樋部材載置枠38は、長手方向の両端部を互いに当接させて接合されても、所定の隙間をもって配設されてもよい。樋部材載置枠38に載置される樋部材28はSUSなどの金属材料からなり所定の剛性があるため、樋部材載置枠38同士の連結部に隙間があった場合も当該隙間で供給転動面34に有意な撓みが生じることはないためである。
また、補給樋20は、遊技球の転動流下方向の上流側と下流側とでは、供給転動面34の幅方向の下り傾斜角φを相違させて構成されてもよい。そこで、供給転動面34の幅方向の下り傾斜角φにつき、特に、連設された複数の樋部材載置枠38のうち、下流側に設けられた樋部材載置枠38については、その樋部材載置面37の下り傾斜角を、上流側に位置する樋部材載置枠38の樋部材載置面37の下り傾斜角よりも急峻に設けるとよい。遊技球80の数密度が高くなってその転動性が低下する虞のある下流側においては、転動速度の低下に伴って遊技球80に作用する遠心力が弱まることで、特に外R側では側面22への押圧力が減少するとともにシュート40への導入効率も低下するため、遊技機100等への供給不足が生じる可能性があるところ、補給樋20の下流側において樋部材載置面37の傾斜角φを急峻にすることで、転動流下する遊技球の流下方向の上流側に設けられた遊技機と下流側に設けられた遊技機とで遊技球の供給効率を均等化することができる。
(供給転動面について)
樋部材載置枠38に載置されて樋部材28が長手方向に連結されることで、各樋部材28の供給転動面34もまた補給樋20の長手方向にわたり連結されて湾曲または屈曲形状をなし、遊技球80の転動経路が形成される。このとき、供給転動面34同士の連結部は滑らかに接合される場合のほか、補給樋20の下流側に向う下り段差が設けられていてもよい。
すなわち、樋部材28を長手方向に連結する際に、隣り合う供給転動面34同士が、補給樋20の長手方向上流側から下流側に向かって下り階段状に下るよう高さ方向に不連続とする(下り段差を形成する)ことにより、当該下り段差を通過するたびに遊技球80には瞬間的な重力加速が作用し、その都度転動性を増すことができる。また仮に供給転動面同士を滑らかに連結することを試みた場合、加工および組立の公差により、または長期間の使用や温度変化により、下流側に位置する供給転動面34の上流側の端部が浮き上がって突出した場合は遊技球80の転動を阻害する抵抗となってしまう虞がある。したがって供給転動面34を不連続としつつも遊技球80の転動を阻害せぬよう、下り階段状に供給転動面34を徐々に下げてゆくとよい。また、供給転動面34の当該下り段差の高さを0.1mm以上2mm以下の範囲とすることにより、下り段差を通過する際における遊技球80の跳ね上がりをできるかぎり排除しつつ、上記したような遊技球の転動性を増すことができるという効果を十分に享受することができて好ましい。
供給転動面34に上記下り段差を形成するにあたっては種々の方法を採ることができる。本実施形態にかかる補給樋20では、長手方向の上流側に設けられる樋部材載置枠38を、下流側に設けられる樋部材載置枠38よりも肉厚に形成することでこれを実現している。すなわち補給樋20の長手方向に連設される樋部材載置枠38において、樋部材載置枠下面39から樋部材載置面41までの高さH(図12を参照)を補給樋20の上流側から下流側にかけて徐々に小さくして、徐々に薄型化されてなる(薄肉化する)構成とすることにより、これに載置される樋部材28の供給転動面34に下り階段を形成している。この方法のほか、樋部材28の下面31から供給転動面34までの厚さを同様に補給樋20の上流側から下流側にかけて徐々に薄型化してゆく方法や、後述する基台52の厚さを同様に徐々に薄型化してゆく方法などを採ることもでき、またこれらを組み合わせてもよい。基台52を徐々に薄型化する場合には、(1)1本の樋部材28の長手方向の両端部に基台52をそれぞれ配置し、樋部材28同士の繋ぎ目においては、隣り合う下流側の基台52の厚さを薄くしてゆく、(2)樋部材28の長手方向中央部に基台52を設ける、または(3)本実施の形態のように樋部材28同士の繋ぎ目を1つの基台52で保持する場合は、基台52の上面51のうち当該繋ぎ目に位置する部分に段差を設ける、などの方法を採ることができる。
本実施形態にかかる補給樋20は、供給転動面34に与える幅方向の傾斜角φの精度を、樋部材載置枠38の樋部材載置面37の角度精度によって規定し、一方で樋部材28については下面31と供給転動面34とを平行に形成することで、遊技球80の良好な転動性への感度の高い供給転動面34の高精度化を容易にしている。また長手方向に連設される樋部材載置枠38によって補給樋20の湾曲または屈曲形状を構成し、樋部材28を樋部材載置面37に取り外し可能に載置するだけで供給転動面34には所望の傾斜角φが与えられる。
(基台について)
本発明の遊技機設置島10には、図10に示すように、遊技機設置島10の桁47と、樋部材載置枠38との間に、基台52が介在して設置されていることが好ましい。ここに、桁47は、遊技機設置島10の長手方向に遊技機100の一台ごと、または複数台ごとに架設され、その上に設けられる基台52や樋部材載置枠38、樋部材28、および転動する遊技球の荷重を腰板140またはベース板130に伝達する部材である。桁47の上面の高さは、球タンク50の設けられる上流側の所定位置から、下流側末端の遊技機100の設けられる下流側の所定位置にかけて、補給樋20の長手方向に沿って下り勾配θにしたがって低くなる。このとき、桁47の上面については水平に形成し、高さ位置をスペーサや押しネジなどの公知手段によって精度よく位置出しすることにより、遊技場における遊技機設置島10の設置時には容易に桁47の上面位置を設計寸法どおりに実現することができる。
桁47に載置される基台52は、遊技機100に正対する方向から見た側面視形状を楔形とし、その上面51と水平面の為す角が補給樋20の長手方向の勾配θとなっている。基台52を木材の切削加工によって作製することにより、その厚さおよび上面51の下り勾配θを工場レベルでの高い精度とすることができ、したがって桁47ごとに搭載される複数の基台52の上面51を補給樋20の長手方向に結ぶことにより、供給転動面34に与えるべき下り勾配θが形成される。
このように、補給樋20の供給転動面34に長手方向の下り勾配θを与える基台52を樋部材28や樋部材載置枠38とは別体として設けることにより、勾配θの角度精度は基台52の上面51の角度精度に支配され、一方、幅方向の傾斜角φの角度精度は、樋部材載置枠38の樋部材載置面37の角度精度に支配されることになる。これにより、桁47の水平面精度と、基台52の上面51の勾配の精度と、樋部材載置枠38の樋部材載置面37の幅方向の傾斜角の精度と、樋部材28の下面31に対する供給転動面34の平面精度とを、それぞれ独立して高精度化することで、組み上げられた補給樋20の供給転動面34に所望の勾配θおよび傾斜角φを高い精度レベルかつ容易で低コストの加工によって与えることができる。また供給転動面34の勾配θまたは傾斜角φのいずれかを変更したい場合には基台52または樋部材載置枠38のいずれか一方を交換すれば足り、容易なレイアウト変更や調整が可能である。
なお、本発明の遊技機設置島10について、補給樋20においては、基台52を設けることなく、桁47の上面を下り傾斜状に形成することによって供給転動面34に長手方向の勾配θを与える方式とすることもできる。この場合、樋部材載置枠38は、その固定部56に穿設された通孔43を用いて桁47に直接またはスペーサを介して組み付けることができる。
(終端ガイド部材について)
図13は、終端壁35が立設形成された供給転動面34の最下流位置に設けられる終端ガイド部材33と、これを備える補給樋20の上方斜視図である。終端ガイド部材33は、供給転動面34を転動流下して最下流位置に達した遊技球80を、開口部27を通じてシュート40に効率的に導出するための部材である。形状や配置位置は特に限定されるものではないが、同図に示すように補給樋20の最下流位置に設けられた開口部27の下流端と、供給転動面34の幅方向中央部のやや上流側位置とを斜めに結ぶ壁状に終端ガイド部材33を設けるとよい。これにより、供給転動面34の幅方向の中央部側を転動流下してきた遊技球80についても、供給転動面34の長手方向に対して小さな(鋭角の)屈曲角をもって最下流位置の開口部27に滑らかに案内されるため、当該開口部27の近傍で遊技球80の転動性が大きく損なわれることがない。また、終端ガイド部材33により、最下流位置の開口部27には、転動流下してきた遊技球80が効率的に導入されるため、終端壁35に大量の遊技球80が到達してブリッジを形成して補給樋20内で球詰まりを生じてしまう虞が効果的に抑制される。すなわち終端ガイド部材33を供給転動面34上に設けることにより、補給樋20の最下流位置の開口部27の位置について、転動速度の低下した遊技球80が適度な数密度で存在する状態を維持することができる。
(補給樋の構成(第6の実施形態))
本発明の遊技機設置島に配設される補給樋は、図14に示すように、第5の実施形態に示す補給樋20において、樋部材載置枠上に配置される樋部材28として、第4の実施形態に示すような急傾斜部を供給転動面に形成したものが適用されてなるもの(第6の実施形態)であってもよい。
図14(a)は第6の実施形態にかかる補給樋20の縦断面図である。本実施形態にかかる補給樋20は、第5の実施形態の構成のうち、樋部材載置枠38に載置固定される樋部材28の供給転動面34を形成する部材を、図8(a)に示す第4の実施形態にかかる底板21a,21bとしてなるものである。したがって、補給樋20は、側面22a,22bの近傍において、供給転動面34の下り傾斜角が幅方向のその他(側面22の近傍以外)の領域に比べてより急峻にしてなるような急傾斜部25を供給転動面34に形成して構成されている。かかる急傾斜部25を同図で一点鎖線にて囲い、その拡大図を図14(b)に示す。
ここに、本実施形態における補給樋20を遊技機設置島10に設置する場合の取付角度の誤差については、その幅方向の傾斜角φについて0.2〜0.5%程度(すなわち補給樋20の幅方向の単位長さあたりの高さ誤差が2/1000〜5/1000程度)発生しうる。そこで、かかる取付誤差が傾斜角φを緩和する(減少させる)方向に生じた場合であっても、遊技球80に与える幅方向の重力加速度成分が不十分となることのないよう、本実施形態のごとく当該取付誤差に相当する傾斜角を急傾斜部25として予め追加的に与えておくとよい。
すなわち、例えば遊技機100に十分な遊技球80を供給するために必要な供給転動面34の傾斜角φが2%である場合、急傾斜部25における傾斜角(φ’)を2.5%程度とすることにより、傾斜角φが取付誤差によって最大0.5%減少したとしても、なお遊技球80の転動性にもっとも影響の大きい側面22近傍において十分な傾斜角(2%)を維持することができる。なお、本実施形態における急傾斜部25における傾斜角φ’は、上記急傾斜部25の幅内における供給転動面34の傾斜角の平均を意味する。
換言すると、幅方向の先端側の側面22に開口部27を有する本実施形態の補給樋20においては、該開口部27を通る縦断面について、幅方向の基端側から先端側までの平均傾斜角φと、当該側面22近傍の傾斜角φ’とが、φ<φ’の関係となるよう構成することにより、傾斜角に取付誤差が生じた場合であってもなお遊技球80の補給効率に支配的な側面近傍において十分な傾斜角が維持され、遊技球80を遊技機100等に好適に供給することができる。なお本実施形態において特に断りなく「傾斜角」と表記した場合は、上記の平均傾斜角φを意味するものである。
本実施形態にかかる補給樋20において、供給転動面34に対する側面22(22a,22b)や分離壁30(30a,30b)の連結は図示のごとき嵌合方式のほか、接着やブラケット留めなど各種を採ることができる。
つぎに、本発明の遊技機設置島10における排出樋55について説明する。
遊技機設置島10がR島である場合において、補給樋20のみならず、排出樋55についても遊技機設置島10の屈曲もしくは湾曲形状に合わせた形状に形成されていてもよい。この場合、屈曲もしくは湾曲形状の排出樋55は、その排出樋55内を転動する遊技球の球詰まりが効果的に抑制される構成を備えるものであることが好ましく、次に、そのような構成を備えた排出樋についての詳細を具体的に示す。
<排出樋の構成について>
本発明の遊技機設置島10に配設される排出樋55は、遊技球の転動性を良好にして、排出転動面の備える下り勾配(後述する勾配ξ:図16を参照)を緩和することのできるように構成されるものである。そして、かかる排出樋55によれば、排出樋55を配設されたR島がL字状の屈曲形状や、円弧状またはS字状などの湾曲形状の長手方向をもつ多様な形状に形成されるものである場合も、R島に設置される多数の遊技機から排出された多量の遊技球を球詰まりすることなく排出樋55内を転動させ下部タンクへと導くことで、遊技球をより好適に回収することができるようになる。また、遊技機設置島10がその長手方向に多数の遊技機100が並設されて構成される大型のものであるような場合、その遊技機設置島10に対して下記に詳述する排出樋55を用いることにより、排出樋55の最上流端の高さを、着座した遊技者の腰位置程度の高さに抑えることが可能になる。
排出転動面14の勾配ξは、その長手方向について一様であっても、場所によって相違したものであってもよい。たとえば上流側の勾配ξを、中間部や下流側より大きくすることによって、排出樋55への受け入れ直後に遊技球に十分な加速を与えることができ、逆に下流側の勾配を中間部や上流側より大きくすれば、下流側で遊技球の数密度が上昇して転動性が不十分となることが無い。
図15(a)は、排出樋55を備える本発明の遊技機設置島10を模式的に示す上方斜視図であり、破線Xで囲まれる領域の部分拡大図を図15(b)に示す。図15(a)には、遊技機100(背面側に斜線を付す)のほか、排出樋55の長手方向および幅方向を両側矢印で示している。なお、球タンク50および下部タンク60は、図15(a)において、それぞれ補給樋20および排出樋55の手前側(紙面手前側)に設けられる。また、揚送装置70、膳板110、ベース板130および腰板140はそれぞれ同図15(a)においては図示を省略している。さらに、図15(a)では、補給樋20には第5の実施形態に相当するものが一例として用いられるが、もちろんこれに限定されず、第1から第6のいずれの実施形態の補給樋20を用いることができる。
図15に示す排出樋55は、対向する一対の側壁61と、下り勾配ξをなす排出転動面14を上面にもつ基板65とからなるフレーム15が、平面視形状が多角形状となるように屈曲形成されている。また、フレーム15は後述のように長手方向に分割形成され、互いに長手方向に屈曲して接合されている。
本実施の形態にかかる排出樋55は、遊技機100から排出された遊技球をフレーム15の幅方向の内側(排出樋内部側)に導入するため、側壁61の上面がフレーム15の幅方向内側に向って下り傾斜面状に形成されて、案内部62を構成している。これにより、アウトタンク92から排出されて排出管91を緩やかに通過した遊技球は案内部62と衝突すると、斜面から垂直抗力を受けて排出転動面14の略中央に落下してフレーム15に受け入れられる。なお、側壁61の幅方向の外側には腰板140(図1を参照)が密接して立設されており、遊技球がフレーム15を外れることはない。なお、側壁61の上面を斜め加工して案内部62を得ることにより、これを別体として設ける必要がない。
(平滑板について)
排出樋55は、屈曲形状の側壁61の内面のうち、少なくとも外R側のコーナー部66に湾曲形状の平滑板63が設けられている。平滑板63は、排出転動面14上を転動する遊技球が当該コーナー部66と衝突して長手方向の速度成分が低下するのを防止するための板状の部材であり、湾曲形状に曲げ成型が容易であって表面の平滑性と強度が高いことからステンレス(SUS)などの金属材料からなる。
平滑板63は、(i)屈曲形状の側壁61の外R側の各コーナー部66の内側のみに、これを掩蔽するよう設けられている場合のほか、(ii)長手方向に沿って外R側の側壁61の内側の全長にわたって設けられていてもよく、さらに内R側の側壁61の内側についても同様に(iii)各コーナー部66にのみ設けられても、または(iv)図15(a)に示すように長手方向の全長にわたって設けられてもよい。
ただし、平滑板63は有限の板厚を有することから、上記(i)や(iii)の場合、排出転動面14上を流下する遊技球が平滑板63の上流側の端面67に衝突して排出樋55全体の転動性を低下させる虞がある。したがって排出樋55では、上記(ii)や(iv)を採用し、平滑板63を側壁61の全長にわたりその長手方向に沿って立設し、遊技球の転動方向に正対する端面67が生じないようにしている。
なお、平滑板63を側壁61の全長に沿って設ける場合、平滑板63を長尺の単一部材として与える場合のほか、これを分割構成として、短尺の平滑板63を長手方向に互いに連結して与えてもよい。分割構成とする場合は、(I)上流側の平滑板63の下流端面と、下流側に隣り合う他の平滑板63の上流端面とを面合わせする方法のほか、(II)上流側の平滑板63と下流側の平滑板63とを重畳させる方法、を採ることもできる。
図15(b)の例に示す排出樋55については、上記(II)を採用し、さらに上流側の平滑板63の下流端部を、隣り合う平滑板63の上流端部の上、すなわち排出樋55の幅方向の内側となるよう重畳する方式としている。これにより、加工性や可搬性に富む短尺の板状部材を用いて平滑板63を得ることができ、かつ排出転動面14上を流下する遊技球と端面67との衝突が無くその転動性を阻害することがない。また、隣り合う平滑板63同士の重畳幅は任意であることから、上記(I)の場合と異なり、側壁61の長さ寸法と平滑板63の長さ寸法との厳密な公差管理が不要であり、隣り合う端面67同士の間に隙間が生じて遊技球の転動性を乱すこともない。なお、隣り合う平滑板63の端部同士を重ね合わせた重畳部64は、屈曲したコーナー部66ではなく、側壁61の直線部68に設けるとよい。側壁61の直線部68では、遊技球が側壁61とほぼ平行に転動するため、重畳部64に生じる平滑板63の板厚分の段差が遊技球の転動性に与える影響をさらに小さなものとすることができるためである。
平滑板63の取付位置および高さは、転動する遊技球が側壁61と衝突することを防止すれば足りることから、側壁61のうち、少なくとも排出転動面14から遊技球の半径ひとつ分の上方の高さ位置に設けられていればよく、また平滑板63自身の高さ寸法も特に限定されるものではない。すなわち図15(a)(b)に示したように平滑板63は、(イ)下端が排出転動面14の上面と当接して設けられる場合のほか、(ロ)排出転動面14の上面と平滑板63の下端との間に遊技球の半径以下の隙間があってもよい。なお前者の場合、平滑板63の高さ寸法は遊技球の半径ひとつ分以上を要することとなるが、転動する遊技球がわずかに弾みながら排出転動面14上を流下する場合や、遊技球が他の遊技球に乗り上げて側壁61に衝突する可能性、および平滑板63の加工誤差や取付誤差を考慮して、上記(イ),(ロ)のいずれの場合も平滑板63の高さ寸法は遊技球の直径の2倍以上とすることが好ましい。
排出樋55全体の平面視形状が湾曲形状の場合、側壁61には上記コーナー部66が存在しないこととなるが、側壁61よりも表面平滑性の高い平滑板63をその内側に設けることにより、遊技球の転動性を向上することができる。また湾曲形状の排出樋55を分割構成によって得る場合、湾曲した短尺の側壁61同士の連結部に平滑板63を設けることにより、加工精度や組立精度に基づいて必然的に生じる当該連結部の不連続を掩覆し、遊技球の転動性を更に向上する効果が期待される。
なお本発明においては、R島に用いられる排出樋55の平面視形状を湾曲形状とするか屈曲形状とするかは任意であるが、平板状の側壁61を用いることができるため屈曲形状の排出樋55の方がより容易に作製することができる。したがって、図15(a)(b)に示すように、隣り合う側壁61同士を長手方向に互いに屈曲して連結し、かつその屈曲したコーナー部66を、幅方向の内側に設けた平滑板63で掩覆した屈曲形状の排出樋55は、容易な作製と遊技球の良好な転動性を両立したものといえる。
図15(a)に示すように、排出転動面14は、回収された遊技球を遊技機設置島10の上方に移送する揚送装置70に繋がる下部タンク60の入り口に接続される最下流位置の部分における幅を、その他の位置(上流側の位置)における幅よりも大きくするとよい。すなわち遊技球がもっとも密集する虞のある当該最下流位置に、対向する側壁61の間隔を拡張した幅広部16を設け、遊技球の流路を拡げることで遊技球の滞留を防止し、下部タンク60への回収効率を向上することができる。
排出樋55は、これが分割構成される場合を例とすると、次のように構成される。
排出樋55は平面視形状が長手方向に屈曲形状をなし、多角形状の排出転動面14と、その幅方向の両側に立設された側壁61と、側壁61のコーナー部66の内側に立設される湾曲形状の平滑板63とを備え、これらが加工精度や可搬性に優れるよう長手方向に複数に分割され、互いに位置決めされて連結されることにより構成されている。
排出樋55は、次のように組み立て可能である。図16(a)は、排出樋55を長手方向に分割構成する各部材の分解斜視図であり、図16(b)はその組立斜視図である。
側壁61は、下り勾配ξを備える基板65と接合されてフレーム15を構成し、互いに長手方向に連結されて遊技機設置島10の内部下方に設置される。隣り合う上流側のフレーム15の下流端(同図の紙面手前側)と、下流側のフレーム15の上流端(同図の紙面奥行側)の高さが一致するよう、フレーム15はベース板130に下り階段状に設けられた設置台(図示せず)の上に載置され、排出樋55が構成される。このように排出樋55を構成すると、排出樋55において、排出転動面14が段差なく滑らかに接合されるようにすることが容易にできる。
なお、排出樋55を得るにあたり、平滑板63を配備する場合、次のような平滑板63を用いてフレーム15を構成するとよい。すなわち、平滑板63として、上述のように隣り合う他の平滑板63と重畳することができるよう側壁61よりも長く形成されたものを用いる。そして、その平滑板63を、フレーム15の側壁61に配置し、かつ図15(b)に示すように側壁61の直線部68で重畳部64を形成できるように、平滑板63の一方端部がフレーム15の端よりも突出しているように配置した構成を備えてなるものをフレーム15として用いるとよい。
(基板について)
基板65は、例えば図17(a),(b)に示すように、厚さ方向に勾配ξを有する長方形の板材69を、屈曲角ψにてV字状にカットして得ることができる。板材69には加工性やコストメリットが高く、かつ温度変化や経時変化による寸法安定性に優れる木板を用いるとよい。同図(a)に示す基板65は遊技球の下り方向が右に屈曲し、同図(b)に示す基板65は同じく左に屈曲している。またそれぞれの基板65は、長手方向の端部のうち、屈曲内側のコーナー近傍が屈曲角ψの2倍の角度(2×ψ)にて斜めに切り落とされている。したがって、同図(a)に示す前者については、隣り合う二枚の基板65の短辺同士を接合して互いに長手方向に連結することにより、基板65は全体に右曲がり、すなわち時計回りの屈曲形状を為し、コーナー部66(図15(a)を参照)の屈曲角がψとなる。他方、同図(b)に示す後者については、同様に二枚の基板65同士を長手方向に連結することにより、基板65は屈曲角ψで全体に左曲がり、すなわち反時計回りの屈曲形状を為す。なお、図16(a)(b)に示す基板65は図17(b)に相当する。なお、二枚の基板65同士を長手方向に連結する際、相互に対面する基板65の端面の断面形状が厳密には揃っていなくても、排出樋55の下流側を構成する基板65の端面の断面についての高さ寸法が上流側の基板65の端面の断面に比べて小さければ遊技球の転動を過剰に妨害する要因とならないが、基板65同士対面しあう端面の断面形状をそろえて排出樋55が構成されていると、排出樋55が、基板65同士の接合部分を遊技球がより滑らかに転動流下するように構成されるものとなって好ましい。なお、二枚の基材65の端面の断面形状をそろえるには、基板65の厚みを適宜調整することで実現可能である。
図16(a)(b)で、基板65の上には、上面が幅方向内側に下り傾斜をなす案内部62の形成された側壁61が立設される。側壁61は基板65と同様の理由により木板から成形し、接着やネジ留めなどの公知手段によって基板65と接合する。ただし側壁61と基板65は木材ブロックの削り加工などにより一体成形することもできる。
(樹脂シートについて)
排出樋55は、基板65の上面に、繊維交絡体または多孔質材料からなるメッシュ層72と、樹脂シート71とがこの順に積層され、遊技球の排出転動面14が形成される。メッシュ層72と樹脂シート71は均一な厚さの薄層であり、排出転動面14の長手方向の勾配ξは基板65の長手方向の勾配によって規定される。
樹脂シート71は、硬質ポリウレタンや、ナイロン、塩化ビニルなどの硬質樹脂材料を1mm程度の厚さのシート状に成形してなる。排出転動面14を木材や金属ではなく樹脂材料から得ることにより、排出管91または案内部62から落下して投下された遊技球の跳ね上がりを防止し、消音性に優れる。また、排出管91や案内部62から落下した遊技球が樹脂シート71上の常に同じ位置に繰り返し衝突して当該領域が過熱された場合でも、樹脂シート71として特に硬質ポリウレタン材料を用いることでその熱変形量が抑えられるため、熱膨張に伴う凹凸変形が排出転動面14に生じて遊技球の転動性が損なわれる虞がない。樹脂シート71の裏面は、サンディングまたはアニール処理が施されて、後述するメッシュ層72や、基板65表面との接着接合性が高められている。
(メッシュ層について)
樹脂シート71と基板65との間には、基板65と樹脂シート71との間に空気層を形成するためナイロンなどの繊維交絡体や樹脂発泡体などの多孔質材料からなるメッシュ層72を任意で介装する。空気層を形成することで樹脂シート71の放熱性が向上するため、上記のように遊技球が同じ位置に繰り返し衝突した場合でも、樹脂シート71が過熱されて熱膨張変形することを防いでいる。またメッシュ層72によってかかる空気層を形成することで、樹脂シート71に空気バネの効果を与え、遊技球の落下衝撃を吸収して跳ね上がりを抑制し、消音性を高めている。メッシュ層72の厚さは、上記効果を十分に得る観点から、0.1乃至1mmとするとよい。
またメッシュ層72の平均開口径は特に限定されるものではないが、2乃至20mmとするとよい。平均開口径は、メッシュ層72の単位面積を、目視される空孔の数で除した平均開口面積を円形近似した場合の直径として求めることができる。メッシュ層72の平均開口径が過大である場合、樹脂シート71が基板65に直接接触して上記空気層の効果が失われたり、樹脂シート71の表面にメッシュ層72の開口形状に応じた凹凸が生じたりする虞がある。逆に平均開口径が過小である場合、後述する水性接着剤によりメッシュ層72の開口が充填されてしまい上記空気層の効果を十分に得ることができない。
排出樋55においては、樹脂シート71と基板65とを、酢酸ビニル樹脂やアクリル樹脂などを水溶媒にコロイド状に分散した水性接着剤により全面接着して接合するとよい。水性接着剤を用いることにより、遊技球の繰り返しの衝突によって樹脂シート71が過熱された場合も溶媒からのアウトガスが発生せず、したがって樹脂シート71と基板65との間にアウトガスが溜まって樹脂シート71を膨出させて遊技球の転動性を阻害することがない。また従来の排出樋においては樹脂シートのうち長手方向の両端部のみを基板と接着することが一般的であったところ、この排出樋55においては樹脂シート71の裏面の全面を、任意でメッシュ層72を介して、基板65の表面と接合している。これにより、排出樋55の長期間の使用によっても樹脂シート71が長手方向に膨張して弛みや膨出が発生することがなく、排出転動面14の滑らかな下り勾配を維持することができる。
ここで、樹脂シート71と基板65との間にメッシュ層72を介装する場合も、樹脂シート71と基板65とは上記接着剤によって直接接合されていることが好ましい。すなわちメッシュ層72の平均開口径が過小である場合、(1)樹脂シート71とメッシュ層72、およびメッシュ層72と基板65とを個別に接着接合する工程上の必要が生じるとともに、(2)高弾性の基板65と樹脂シート71とが直接接触しなくなるため、樹脂シート71の経時的な膨張変形が抑えられなくなるという問題が生じる。また上記(2)は、樹脂シート71に塗布する水性接着剤よりもメッシュ層72が薄い場合にも生じる。このため、メッシュ層72には上記好適な厚さおよび開口径を与え、樹脂シート71の裏面に塗布した水性接着剤が、メッシュ層72の開口内部に空気層を残した状態で基板65と接合されるとよい。
なお「樹脂シート71と基板65とが全面接着されている」とは、樹脂シート71の端部のみ、または散点状に接着領域が設けられている状態を排除する趣旨であり、樹脂シート71が一様に基板65と接着接合されている限り、上記空気層形成部分で樹脂シート71と基板65とが非接触である状態や、側壁61の近傍などで局所的に接着剤の非塗布部分が存在することを除外するものでないことは当業者にとって明らかであろう。
なお、排出樋55について、これを構成する各部材を単一構成とするか分割構成とするか、および、分割構成とする場合に分割数を幾つとするかは任意であり、例えば基板65、側壁61および平滑板63のみを分割構成とし、樹脂シート71とメッシュ層72については長尺の単一構成としてもよい。
本発明の遊技機設置島10がR島である場合を例とした上記の各実施形態において(第1から第6の実施形態のいずれについても)、R島に設けられる補給樋20の上流端位置、具体的には球タンク50から放出された遊技球が補給樋20内の転動流下を開始する位置あるいはその近傍の位置に、次に示すような調節器1が設けられ、補給樋20が、その下面からその高さを所定の位置にて支持される。すなわち、本発明の遊技機設置島において、補給樋20の底面下方側(下面)には、所定の構成を有する調節器1が設けられて、調節器1が、その補給樋20の高さを所定の位置(高さ)で支持する(図2)。次に、このことを、遊技機設置島が第1の実施形態の補給樋20を設けて構成されている場合を例として詳細に説明する。
<樋の高さを調節する調節器1の構成について>
図2に示す例では、調節器1は、底面4と、その底面4の側縁より上方に延びる側面5,5とを有して上面を開口した断面コ字状に形成された基体2と、その基体2の上面の開口を覆う上蓋7とを備えており、基体2の対面する両側面5,5内側には外方向に窪んで(凹部が形成されて)溝6,6を構成しており、両溝6,6は基体2の内面において互いに対面しつつ上下方向に平行して延びて形成されている。なお、基体2の側面5,5において溝6,6の形成される位置は、矢印L―R方向に任意の位置に設けることが可能であるが、図2に示す例では、溝6,6は側面5,5の左右側縁の一方に形成されており、側面5,5の外側には、側面内側に凹状の溝6が形成された位置に対する背面の位置に、外方向に突出した凸部が形成されている。
調節器1に対しては、一以上の高さ調節部材3が、その調節器1に対して高さ方向に並べて着脱可能に装着される。図2に示す例では、具体的に、高さ調節部材3が溝6,6に嵌合されつつ上下方向に(図2の例では4つ)並べられる。このとき、溝6,6は、高さ調節部材3をスライド嵌合するスライダーの役割を発揮する。また、底面4と溝6,6とでなる構造は、スライド嵌合された高さ調節部材3を調節器1の底面4よりも下方の位置にすることを規制し、且つ、側面5,5に対して前後左右の方向(図2中、矢印L方向、矢印R方向、矢印F方向、矢印B方向)に移動することを規制して、基体2に対して高さ調節部材3を所定位置に係止する係止部材としての役割を発揮する。なお、調節器1に対して高さ方向に並べるとは、上下方向に重ね並べることを示す。
調節器1に設けられる高さ調節部材3は、複数個の高さ調節部材3からなる群(高さ調節部材群)より選択されるものである。
<高さ調節部材群について>
高さ調節部材群は、高さ方向の寸法を互いに異にする複数の高さ調節部材3を含んでなる群として構成される。ここに、高さ調節部材3の高さ方向の寸法とは、調節器1に高さ調節部材3を装着した場合における、高さ調節部材3の上下方向の寸法を示す。
高さ調節部材群を構成する個々の高さ調節部材3は、調節器1の溝6に対して嵌合可能な厚みに形成される。また、個々の高さ調節部材3は、その高さについて適宜高さに形成されている。
調節器1においては、高さ調節部材3が、高さ調節部材群から一以上適宜選択され、溝6にスライド嵌合させて設けられる。すると、調節器1は、高さ調節部材群からの選択に応じて装着される高さ調節部材3の高さの合計値、すなわち合計高さ、を様々に変えることができるように構成されていることになる。なお、高さ調節部材3は、調節器1に対して着脱自在に装着されれば、スライド嵌合による方法にて調節器1に設けられる場合に限らず、他の方法が適宜選択されてもよい。
<調節器の設置について>
調節器1は、図1、図18(a)の例に示すように、所定の勾配(傾斜角度θ)にて長手方向に傾斜している補給樋20の上流端の部分あるいはその近傍下流側に設けられる。なお、補給樋20の上流端は球タンク50に接続されるので、調節器1は、補給樋20と球タンク50との連結端部の部分に設けられることになる。このように構成される場合、補給樋20は、調節器によってその補給樋20の下面部から支持される。ただし、このことは、調節器が、補給樋の下流端に設置される場合、補給樋の上流端と下流端の両方に設置される場合、補給樋の上流端と下流端の間の所定位置に設けられる場合を排除するものではない。
遊技機設置島10において、調節器1は、具体的に次のように設置することができる。
まず、上記したような側面5,5の端縁部に溝6,6を有する基体2に対して高さ調節部材3を所定寸法のものを所定枚数所定種類装着してその高さ調節部材3(3a、3b)の合計高さが特定の高さ(K)であるように構成された構造体(構造体A)を得る。つぎに、その構造体Aを、高さ調節部材3を装着した溝6,6の形成された側面端縁部を外方向に露出させるとともに、溝6,6の形成されない側面端縁部を球タンク50に対面させるように、遊技機設置島10の球タンク50に対して対面配置する。このとき、構造体Aは、側面5,5で挟まれた空間と部分球タンク50の開口部18部位とが繋がるように配置される。さらに、構造体Aの高さ調節部材3の最上面(図18(a)では高さ調節部材3b上)に、補給樋20を載置する。このとき、補給樋20は、その上端縁から長手方向所定距離だけ下流の位置まで枠体45および桁47を取り外されるとともに、下面29が高さ調節部材3の最上面に当接するように配置され、補給樋20の上流端縁は、球タンク50の開口部18の部位に対して所定の相対的位置に配置される。この配置される相対的位置は、適宜設定される。
構造体Aに装着しておいた高さ調節部材3上に補給樋20が配置されると、補給樋20の上面よりも上側に、高さ調節部材群より選択された所定の高さ調節部材3が溝6,6にスライド嵌合されて更に調節器1に装着される(図18(a))。図18(a)では、所定の高さ調節部材3が、調節器1にさらに2枚装着される。
さらに、球タンク50と補給樋20と構造体Aの相互の配置が定められると、構造体Aは遊技機設置島10において固定設置されている他の部材あるいは球タンク50に対して固定される。球タンク50などといった固定設置されている各種の部材に対して構造体Aを固定するにあたり、その固定は、接着剤などによって接着されることによって実現できるほか、基体2に通孔を設けておき、その通孔にネジなどの固定部材を通じ、さらにその固定部材を球タンク50などの部材に螺合することによっても実現できる。その場合、構造体Aは、その基体2の位置が遊技機設置島10の球タンク50に対して固定された状態となる。この点について、基体2には球タンク50などに固定することを容易にするべく、球タンク50と基体2との当接位置あるいはその近傍に、固定部材を通じるための通孔を設けたフランジが予め設けられていてもよい。具体的に、例えば、基体2は、それと球タンク50との当接する側面端縁の部分から外方向に向かってフランジを球タンク50の形状に対応する形状にて延設形成していてもよい。
また、必要に応じて構造体Aは、補給樋20との間でネジなどの固定部材などを通じることで固定してもよい。具体的に、たとえば、構造体Aの基体2をなす側面5に通孔を設け、側面5の通孔に対して外側からネジなどの固定部材を挿通し、さらにその固定部材を補給樋20に螺合させることによって実現可能である。このように構成することで、補給樋20は、構造体Aにてより強固に支持されることとなる。
このように、本発明の遊技機設置島10において、球タンク50、補給樋20、構造体Aが相互に固定されると、構造体Aの開口した上面に上蓋7を被せて、必要に応じて固定し、構造体Aを調節器1となす。
こうして、遊技機設置島10において、調節器1の設置が実現される。ここに、調節器1は、高さ調節部材の合計高さに応じて補給樋の高さを変更可能に(すなわち補給樋の底面高さが昇降調整可能に)構成されてなるので、補給樋20の上端端の位置として求められる高さを調整するとともに、適宜変更可能であるということになる。
なお、補給樋20を下方より支持する高さ調節部材3の合計高さとしての特定の高さ(K)の値は、球タンク50の開口部位に対する補給樋20の上流端の部分の相対的位置に応じて定めることができる。たとえば、図18の例では、補給樋20の上流端縁の位置としては、球タンク50の開口部18の部位に対して連結される位置となっている。このほか、球タンク50の開口部18に対して調節器1の側面5,5で挟まれた空間が連結するように球タンク50と調節器1を配備する場合においては、補給樋20の上流端縁と球タンク50の開口部18部位との相対的な位置関係として、補給樋20の上流端縁が球タンク50の開口部18より球タンク50の内部空間に臨むような位置関係、補給樋20の上流端縁が球タンク50の開口部18の部位から離間した位置関係などを採用することもできる。このように補給樋20の上流端の位置として所定の位置関係が定められると、補給樋20の上流端縁部分の高さが特定の高さ(K)として定められる。なお、この場合、さらに必要に応じて、球タンク50の開口部の位置(高さ)、補給樋20から転動流下する遊技球の流下速度として必要とされる値、R島の屈曲あるいは湾曲の程度といった諸条件をも追加勘案して、補給樋20の上流端縁部分の高さが特定の高さ(K)として定められてよい。こうして定められるKの値に基づき、補給樋20をその下面側より支持する高さ調節部材3は、その合計高さが補給樋20の上流端縁の(K)の値となるように、高さ調節部材群より選択され、基体2にセットされる。
図18(a)に示す例では、調節器1は、2枚の高さ調節部材3にて補給樋20を下方より支持し、補給樋20の上面の上に2枚の高さ調節部材3をさらに装着してなる構成を備えているが、補給樋20の上面の上には高さ調節部材3をさらに装着するか否かは任意に定めることができ、補給樋20の上面の上に高さ調節部材3が装着されなくてもよい。
なお、図1、図18(a)に示す遊技機設置島の例では、調節器1が球タンク50の側面よりも外方向に突出して配置されているが、これに限定されず、遊技機設置島10は、球タンクとして、遊技球を放出する開口部分を含んだ所定の領域に、調節器を収容可能な寸法の凹部形状を形成しているものを用い、その凹部形状をなす部分に調節器1を収容固定して構成されているものであってもよい。この場合、遊技機設置島10は、調節器1が球タンクの側面よりも外方向に突出しないように配置されたものとなすことができる。
なお、図18(a)に示す例では、調節器1は、補給樋20に対して下方から直接接触して支持しているが、調節器1と補給樋20との間に他の部材を介在させて、調節器1が補給樋20を間接に支持していてもよい。例えば、補給樋20と球タンク50との連結端部や補給樋の上端部を含む所定の領域部分に対してブラケットなどにて補給樋を被覆し、このブラケットを介して、補給樋20が調節器1にて支持されてもよい。また、遊技機設置島10は、補給樋20の上流端縁の位置まで枠体および桁を取り外されることのないように構成して、枠体や桁も含めて調節器1の高さ調節部材3に載置することで、調節器1にて枠体もしくは桁を介して補給樋20を間接に支持するように構成してもよい。
ところで、特に、遊技機設置島10がR島であるような場合、補給樋には、上記したように幅方向に下り傾斜することで遊技球をより確実に開口部に導く構成が備えられることが好ましいが、ただ、こうした補給樋を遊技機設置島に実際に取り付ける際には、補給樋の設置後に得られる下り傾斜が予定された下り傾斜に対してずれ(誤差)を生じることがあり、その角度の誤差(取付角度の誤差)は、上述のように、その幅方向の傾斜角φについては0.2〜0.5%という極めて厳しい範囲内に留められること好ましい。したがって、遊技機設置島10が特にR島である場合、補給樋の取り付けには、高い精度が求められることとなる。この点、本発明のような遊技機設置島であれば、様々な寸法の高さ調節部材群を容易し、高さ調節部材の選択によって様々な高さを選択可能としているので、補給樋の取り付けにあたり、設置現場にて高さ調節部材の選択を行いつつ補給樋の取り付けを適切に調整することができる。
また、本発明の遊技機設置島を説明するにあたり、図1に示すような第1の実施形態の補給樋として図3の例に示すように分割構成されてなるもの(分割樋という)を例とし、なお且つ、そのような補給樋20の上流端部分に調節器1が設けられる場合を例とした。このような例では、調節器1により、分割構成された補給樋20の構成単位をなす部材のうち、最も上流端に位置する部材の高さが昇降調整されて、補給樋20を構成する当該部材の勾配が調整されていることとなる。ここで、上記したようにR島の幅方向の傾斜は、許される誤差範囲の小さいものであるので、分割樋を構成する最上流の部材の高さのみを調節してその角度(勾配θや傾斜度φ)のみを調整することで、他の分割樋を構成する部材の傾斜度φや勾配θを不動とすることができることとなり、他の分割樋を構成する部材の傾斜度や勾配に対する影響が波及せず、他の分割樋を構成する部材についてR島の幅方向の傾斜を確実に許される誤差範囲に留めることが容易となって好ましい。ただし、上記にて説明したように分割構成された補給樋に対して調節器を設けることは、本発明の遊技機設置島に設置される補給樋が、上流端から下流端まで長手方向に一体的に構成されているものであるような場合に、補給樋に調節器を設けることを排除するものではなく、上流端から下流端まで長手方向に一体的に構成された補給樋に対して調節器を設けることも可能である。
また、本発明の遊技機設置島10において、横並びに並んで配置される遊技機100の配置台数は、様々であり、特定の台数に限られない。例えば、遊技機100の台数を、図21(a)の破線で示すように増やしてもよい。なお、図21(a)において、遊技機100の設置台数を増加させた場合に増えた遊技機100および補給樋20の設置状態について、破線で示す(同図中、破線で示す構成につき、シュート40と導出路42について、便宜上記載を省略する)。一方、遊技機設置島10では、補給樋20が特定の勾配をできるだけ保持して配置される状態が、好ましい状態として要請される。このことは、補給樋20が分割構成されたものであるか否かを問わない。したがって、遊技機設置島10は、遊技機100の設置台数にかかわらず、補給樋20の勾配(図21(a)に示す補給樋20の例では勾配θ)を保持されることが要請される。この要請に応えるには、遊技機設置島10に設置される遊技機100の台数に応じて補給樋20の上流端部分の高さ位置が逐一変更される必要がある。こうした点につき、本発明の遊技機設置島10では、調節器1に装着された高さ調節部材3が適宜着脱可能に設けられているので、装着された高さ調節部材3を適宜取り外しあるいは取り付けることにより、上記の要請に応えることが容易に可能となる。
例えば、遊技機設置島10において、遊技機100の設置台数が図21(a)に実践で示すような場合と、その場合よりも図21(a)に破線で示すように遊技機の設置台数を増やした場合とで、最下流端の遊技機の外端位置(図21(a)中、それぞれP1、P2)を比べると、遊技機の設置台数を増やした場合にP1、P2間の距離の大きさに応じて補給樋20の上流端から下流端までの距離が増加される(増加する距離の大きさを、増し分Dとする)。このとき、上記のように補給樋20の勾配(θ)を保持しようとすれば、補給樋20の上流端の高さ位置は、上記増し分Dの大きさに応じて上方側の所定位置に変更されることが必要となる。そこで、本発明の遊技機設置島10では、調節器1に装着された高さ調節部材3が適宜着脱可能に設けられているので、装着された高さ調節部材3を適宜取り外しあるいは取り付けることで、補給樋20の底面より上方に補給樋20を支える高さ調節部材の合計高さを変更して、上記の要請に応えることが容易に可能となる。
<調節器の設置される遊技機設置島の他の例について>
上記本発明の遊技機設置島の説明に際しては、R島である遊技機設置島に調節器が設けられている場合を例としたが、調節器を設置可能な遊技機設置島は、平面視上長手方向に屈曲形状でも湾曲形状でもないもの、例えば平面視上矩形状に構成されるものであってもよい。
<遊技機設置島における調節器の設置部位の他の例について(他設置例1)>
本発明の遊技機設置島10について、上記のように構成された調節器1が補給樋20に設けられる場合を例として説明したが、調節器1を配設可能な樋は、補給樋20に限定されない。例えば、調節器1を設置可能な樋としては、球タンク50から遊技機に補給される遊技球を転動流下させる補給樋のほか、遊技機から排出された遊技球が転動流下する排出樋55を挙げることができる。
(調節器が排出樋に設けられる場合の構成)
遊技機設置島に設けられる排出樋には、図18(b)に示すように、その排出樋の下流端に排出樋を下方面より支持する調節器が設けられる。この調節器は、次のようなものである。
遊技機設置島10の排出樋55に設けられる調節器としては、補給樋に設けた調節器1と同様に構成されたもの、すなわち調節器1を用いることができる。ただし、調節器の寸法については、調節器1の寸法に応じたものとして構成される。仮に、例えば、排出樋55の幅寸法が、補給樋の幅寸法の2倍の寸法であれば、それに応じて排出樋55に設けられる調節器の幅寸法も、補給樋に設けられる調節器の幅寸法の2倍とする。
調節器1は、次のように排出樋55の下流端部分に設けることができる。
まず、上記に示す補給樋20に調節器1を設ける場合と同様にして、構造体Aを得る。つぎに、その構造体Aを、高さ調節部材3を装着した溝6,6の形成された側面端縁部を下部タンク60に対面させるとともに、溝6,6の形成されない側面端縁部を下部タンク60に対面しない方向(上流側)に向け、且つ、構造体Aの対面する2つの側面5.5の外側面をそれぞれ遊技機設置島10の内R側と外R側に向けるように配置する。このとき、構造体Aは、側面5,5で挟まれた空間と、下部タンク60の入り口19の部位とが対面するようにベース板130上に配置される。さらに、構造体Aの高さ調節部材3の最上面(排出樋55配置前の段階での最上面)に、排出樋55を配置する。このとき、排出樋55は、その下面が高さ調節部材3の最上面に当接するように配置され、排出樋55の下流端縁は、下部タンク60の入り口19の部位に対して連結される位置に配置される。
構造体Aに装着しておいた高さ調節部材3上に排出樋55が配置されると、排出樋55の上面よりも上側に、高さ調節部材群より選択された所定の高さ調節部材3が溝6,6にスライド嵌合されて更に調節器1に装着される(図18(b))。図18(b)では、調節器1には、所定の高さ調節部材3が、排出樋55の上面よりも上側に、さらに3枚装着される。
さらに、ベース板130と排出樋55と構造体Aの相互の配置関係が定められると、構造体Aは遊技機設置島10において固定設置されている他の部材あるいはベース板130に対して固定される。ベース部材130などといった固定設置される部材に対する構造体Aの固定は、補給樋20に固定する場合と同様に、接着剤などによって接着されることによって実現できるほか、基体2に通孔を設けておき、その通孔にネジなどの固定部材を通じ、さらにその固定部材を球タンク50などの部材に螺合することによっても実現できる。その場合、構造体Aは、その基体2の位置を遊技機設置島10のベース板130に対して固定された状態となる。この点について、ベース板130と基体2との当接位置あるいはその近傍に、補給樋20に調節器1を固定する場合と同様に、固定部材を通じるための通孔を設けたフランジが予め設けられていてもよい。また、必要に応じて構造体Aは、排出樋55との間でネジなどの固定部材などを通じることで固定してもよい。
このように、本発明の遊技機設置島10において、ベース部材130、排出樋55、構造体Aが相互に固定されると、構造体Aの開口した上面に上蓋7を被せて、必要に応じて固定し、構造体Aを調節器1となす。こうして、調節器1が排出樋55に設けられる。
なお、排出樋55の下流端縁の位置(高さ)は、下部タンク60の入り口19の位置に応じて定められるが、上述の図16などの排出樋55の例に示すように排出樋55が分割構成されている場合、排出樋55における下流端縁へと続く排出転動面14の長手方向の傾斜角度ξ、および、排出樋55の最下流側を構成する部材における上流側端部の高さ位置については、排出樋55の最下流側を構成する部材に対して上流側に隣設して排出樋55を構成する各部材の高さ(設置位置)や長手方向の排出転動面の傾斜角度などの諸条件に応じて所定の高さ(K)として定められる。こうして定められるKの値に基づき、排出樋55をその下面側より支持する高さ調節部材3は、排出樋55の下流端を構成する部材の上流端縁の高さが所定の高さ(K)となり且つ排出転動面の長手方向の傾斜角度が所定の角度ξとなるように、高さ調節部材群より選択され、基体2にセットされる。
図18(b)に示す例では、調節器1は、1枚の高さ調節部材3にて排出樋55を下方より支持し、排出樋55の上面の上に3枚の高さ調節部材3をさらに装着してなる構成を備えているが、排出樋55の上面の上には高さ調節部材3をさらに装着するか否かは任意に定めることができ、排出樋55の上面の上に高さ調節部材3が装着されなくてもよい。
本発明の遊技機設置島において、排出樋の下流端に調節器が設けられていることで、遊技機より排出樋へと排出される遊技球(アウト球)を大量に生じさせるように遊技機の入賞状態の調整が行われる遊技機設置島については、下流端の排出転動面の傾斜度をやや上昇させて、揚送装置により速やかにアウト球を送られるようにし、アウト球を少量生じさせるように遊技機の入賞状態の調整が行われる遊技機設置島については、下流端の排出転動面の傾斜度をやや減少させて、揚送装置により球タンクに単位時間あたり揚送される遊技球の数を減少させ、球タンクに貯留される遊技球と、下部タンクに留まっている遊技球の数のバランスをとることが可能となる。
<遊技機設置島における調節器の設置部位の他の例について(他設置例2)>
遊技店などにおいては、通常、遊技機設置島は複数設けられており、それら複数の遊技機設置島10で遊技機設置島群をなしている。遊技機設置島群においては、それぞれの遊技機設置島10に設けられている球タンク50に貯留された遊技球を相互に供給返球可能な樋として渡島樋が、遊技機設置島間に架け渡されていることがある。本発明の遊技機設置島10は、それが遊技機設置島群を構成するものである場合において、遊技球を供給返球可能な渡島樋を備えるとともに、その渡島樋に対して、樋の高さを調節する上記したような調節器を設けて構成されていてもよい。
(調節器が渡島樋に設けられる場合の構成)
本発明の遊技機設置島10においては、遊技機設置島間に、例えば図19(a)(b)に示すように、1つの遊技機設置島10を構成する遊技機やベース板などを配してなる遊技機設置島本体形成部150の上に設けられた球タンク50の所定の位置から他の遊技機設置島10に設けられた球タンク50の位置に向けて渡島樋81が架け渡されている。渡島樋81は、その長手方向に所定の角度で傾斜して配置される。渡島樋81は、補給樋20と同様に、底面82と側面83とで断面コ字状に形成されてなる部材を適宜用いることができ、底面82上にて遊技球を転動流下可能に構成されている。渡島樋81を構成する部材としては、補給樋20と同様に、SUSなどの部材を適宜用いることができる。
遊技機設置島10には、調節器1は、渡島樋81に対して遊技球の流下方向上流端部分に設けられる。
調節器1は、渡島樋81に応じた寸法とするほかは、補給樋20に設けられた調節器1と同じように基体2に高さ調節部材3を装着して構成されたものを採用される。
調節器1は、補給樋20に設置される場合と同様にして、渡島樋81に設けることができる。すなわち、上記したような構造体Aを作成し、構造体Aを球タンク50の所定位置に固定して、構造体Aの高さ調節部材3の最上面に対して渡島樋81を当接配置して、構造体A、球タンク50、渡島樋81、相互の配置関係を定めて、その配置状態にてネジなどの固定部材などで固定する。そして、構造体Aの上方の開口を上蓋7にて塞いで、構造体Aを調節器1となす。こうして、調節器1にて渡島樋81を支持するように調節器1を備えた遊技機設置島10を得ることができる。
本発明の遊技機設置島10によれば、渡島樋81から放出された遊技球の流下速度を制御することができる。したがって、遊技機設置島10,10間で単位時間あたりに遣り取りされる(供給及び/又は返球される)遊技球の個数を適切な状態とすることが可能となる。
遊技機設置島10が、遊技機設置島10,10間に渡島樋81を架け渡した構成を備えて、遊技機設置島群において各遊技機設置島の遊技球の数の均衡をとっているとき、渡島樋81は、遊技機設置島10,10間での遊技球のやり取りをスムーズにするように適切な傾斜角度を保持しつつ設置されることが要請される。一方で、複数の遊技機設置島10,10を配設するにあたり、遊技機設置島10,10の配置は、図21(b)の実線で記載した遊技機設置島の配置と破線で記載した遊技機設置島の配置に示すように様々であり、遊技機設置島10,10の離間距離は特定の離間距離に限定されない。したがって、遊技機設置島10には、遊技機設置島10,10間のさまざまな離間距離の設定に対応しつつも、図21(b)の実線で記載した渡島樋81の勾配と破線で記載した渡島樋81の勾配にみえるように、渡島樋81の勾配を好ましい特定の勾配を保持できることが要請される。この要請に応えるには、図21(b)に示すように、遊技機設置島10,10間の離間距離に応じてその渡島樋81の上流端部分の高さ位置が逐一変更される必要がある。この点、本発明の遊技機設置島10では、調節器1に装着された高さ調節部材3が適宜着脱可能に設けられているので、装着された高さ調節部材3を適宜取り外しあるいは取り付けることにより、こうした要請に応えることが容易に可能となる。
なお、遊技機設置島に調節器1を設ける場合においては、補給樋20や排出樋55や渡島樋81などといった樋を、高さ調節部材3の上に設ける場合について説明したが、これらの樋の上に、必要に応じてさらに高さ調節部材3をスライド嵌合させてもよい。この場合、高さ調節部材3は、調節器1の側面5,5に挟まれる空間を封鎖してその空間とその外側の空間とを区分けする封鎖板としての機能を有する部材として使用されることとなる。
<調節器の他の例について>
(高さ調節部材について)
上記の本発明の遊技機設置島10の説明に際して、高さ調節部材群を構成する高さ調節部材3の寸法が適宜設定され、これに伴い調節器1に装着される高さ調節部材の寸法の合計値も適宜選択される場合を例としてついて説明したが、高さ調節部材群を構成する高さ調節部材の寸法は、次に示すような寸法として限定されていてもよい。
具体的に、高さ調節部材群は、次のように限定された個々の高さ調節部材から構成されていることが好ましい。すなわち、高さ調節部材群を構成する個々の高さ調節部材の高さ(Hc)について、補給樋などの樋の長手方向に沿って配設される遊技機をその樋の長手方向に1台並べて更に増設した場合に増加する長手方向の寸法(Lc)を、樋の下り傾斜の傾斜角度(θ)に応じた正接関数の値(tan(θ))に乗じることで得られる値(Lc×tan(θ))を、高さ調節部材の高さ(Hc)の最小高さとしていることが好ましい。
高さ調節部材群は、高さが最小高さ(Hc)であるような高さ調節部材を1つ含んでいてもよいし、複数個含んでいてもよく、その含まれる数を特に限定されるものではない。
(高さ調節部材群の構成について)
高さ調節部材の寸法を上記のように最小高さの値にて限定する場合には、高さ調節部材群の構成についても次に示すように限定されていてもよい。すなわち、高さ調節部材群においては、高さが前記最小高さである高さ調節部材と、高さが前記最小高さの2倍である高さ調節部材とが含まれていることが好ましい。なお、高さ調節部材群は、高さが最小高さ(Hc)であるような高さ調節部材および高さが最小高さの2倍である高さ調節部材を、それぞれ1つ含んでいてもよいし、少なくともいずれか一方あるいは両方を、複数個含んでいてもよく、それらの含まれる数を特に限定されるものではない。
(基体の構成について)
(上蓋について)
本発明の遊技機設置島に設けられる調節器において、基体が上蓋を設けて構成されている場合について詳細に説明したが、調節器は、基体に上蓋を設ける構成を必須とするものではない。ただし、調節器に上蓋が設けられることは、調節器内に塵が落下する虞が抑制される点では好ましい。
(阻止片について)
また、本発明の遊技機設置島に設けられる調節器において、基体は、阻止片9を着脱自在に設けていてもよい(例えば図20)。ここに、阻止片9とは、補給樋、排出樋、島渡樋といった樋に調節器1が設けられる場合において、その樋の上流端に流下しようとする遊技球の流下経路を塞ぐ(遮断する)、又は、その樋を流下するあるいは樋の下流端から放出されようとする遊技球の流下経路を塞ぐといったことが可能な寸法と強度にて構成された部材である。このような阻止片9は、基体2に対して遊技球の流下経路に応じて適宜の位置に装着される。
阻止片9は、基体2と同様の素材、例えばSUSなど、を所定の寸法に形成してなる板材や板材を所定の形状に成形してなるものを用いることができる。なお、阻止片の形状を所定の形状とする場合、その阻止片9の形状は、基体2に対して着脱自在な形状に構成されておれば、適宜設計可能である。
本発明の遊技機設置島10が、調節器1に阻止片9を装着するという構成を備えることで、調節器1により支持される補給樋20などの樋の高さ位置を変更しようとする場合(変更作業を行う場合)や、調節器1により下流端の部分以外の部分にて支持される樋を清掃しようとする場合(清掃作業を行う場合)に、変更作業や清掃作業をより容易に実施することが可能となる。阻止片9を備えない遊技機設置島について、変更作業や清掃作業を行うにあたっては、それらの作業前に予め遊技機設置島内の遊技球を一旦抜くという煩わしい作業を行うことが必要となる。ところが、本発明の遊技機設置島10が阻止片9を備えることで、補給樋などの樋内を遊技球が流下することを阻止片9にて阻止することができるので、変更作業や清掃作業を行うにあたって上記したような煩わしい作業を省略することができるようになる。
なお、遊技機設置島10の樋(例えば補給樋20)に設けられるとともに球タンク50に固定されている調節器1において、この調節器1を構成する基体2に阻止片9を設ける場合には、図20に示すように、調節器1は、基体2の側面5,5の側縁部分のうち球タンクに対面する部分よりフランジ11を延設形成していることが好ましい。このとき、調節器1は、フランジ11にて固定部材12を通じて球タンク50に固定されており、基体2の側面5,5の側縁部分と球タンク50とがそのフランジ11の形成状態に応じて所定の距離だけ離間した状態(隙間が生じた状態)にて配置される。そして、このような基体2の側面5,5の側縁と球タンク50との間の隙間の部分に対して、阻止片9を装着(介装)することで、調節器1の基体2に阻止片9を設けることができる。図20に示す例では、阻止片9は、基体2と球タンク50の隙間に向けて、調節器1の上方向から下方向に(図中、矢印方向に)装着される。これにより、例えば図20に示す例では、球タンク50の開口部18の部分と補給樋20との連結が遮断され、球タンク50から遊技球の補給樋20への転動流下を停止させることができる。なお、図20では、遊技機設置島10において阻止片9が介装されて設置される場合について説明したが、阻止片9は、必要に応じて基体2に対して固定部材などにて固定されていてもよい。