しかしながら、上記従来技術では、島台上部の貯留タンクに長時間残留するいわゆる死玉をも解消するために、中継タンクを比較的大きく形成して多量のパチンコ玉を貯留するように構成しているため、斯かる構成を島台に組み付けるには次のような課題が想定される。
即ち、上記従来技術を島台に組み付けるには、まず島台の柱上に中継タンクを固定し、その後、所定の勾配(例えば4度)を維持した状態で中継タンクに左右2本の下段樋を取り付けねばならない。なぜなら、先に左右2本の下段樋を取り付ける手順を取った場合には、左右の下段樋の空間に中継タンクを取り付けねばならず、このような組み付け手順では、中継タンクの玉排出口内に各下段樋の上流端を挿入することはできないからである。
そして、先に中継タンクを島台に取り付ける組み付け手順では、後から所定の勾配を持たせた状態で島台に取り付けられる左右下段樋の上流端が正しく接続できる位置に中継タンクを取り付けておく必要があり、このような取り付け作業は極めて困難である。
本発明は、上記したような従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、島台への組み付け作業が容易でありながら各遊技機へ適切なパチンコ玉の供給を実現することができる玉流下経路分岐構造を提供することにある。
このような問題を解決するために、本発明の玉流下経路分岐構造は、請求項1に記載したように、揚送装置により揚送されたパチンコ玉を各遊技機にそれぞれ補給するようにした多数の遊技機が設置された島台において、前記揚送装置より揚送されたパチンコ玉を流入し、パチンコ玉を流下させて流出口から流出する補給接続レールと、該補給接続レールと接続され、前記補給接続レールの流出口から流出したパチンコ玉を受け入れて流下口から流下する補給中継箱と、該補給中継箱と接続され、該補給中継箱の流下口から流入したパチンコ玉を流下させて各遊技機にそれぞれ補給する前記島台の両端部に向かって下方傾斜して架設された左右の補給樋と、を備え、前記補給中継箱は、前記左右の補給樋とそれぞれ接続するための補給中継箱接続部が設けられ、前記左右の補給樋には前記補給中継箱を接続するための補給樋接続部がそれぞれ設けられ、前記補給中継箱接続部を前記補給樋接続部に接続することにより前記補給中継箱を前記左右の補給樋に取り付けると共に、前記補給中継箱を前記左右の補給樋に取り付けたとき、前記補給中継箱の流下口が前記左右の補給樋における上流端同士が接合する箇所である接合箇所の上方に位置し、前記補給中継箱から流下してきたパチンコ玉が前記接合箇所において左右に振り分けられて前記左右の補給樋に導出するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項1に記載の玉流下経路分岐構造において、前記補給中継箱は前記補給樋とほぼ同じ幅の蓋状に形成され、該補給中継箱を前記左右の補給樋に取り付けたとき、該補給中継箱は前記左右の補給樋の接合箇所を覆うように形成されること特徴とする。
また、請求項3に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項1または請求項2に記載の玉流下経路分岐構造において、前記左右の補給樋は、パチンコ玉が上面を転動するレール部材と、該レール部材からパチンコ玉が落下しないように該レール部材の両側に設けられる側壁部材とから成り、前記レール部材は、その両側に前記側壁部材が着脱自在に装着できる横溝を備え、前記補給樋接続部を該横溝とし、前記補給中継箱接続部を該横溝に嵌合することで前記補給中継箱を前記左右の補給樋に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項3に記載の玉流下経路分岐構造において、前記補給中継箱接続部を前記横溝に嵌合したとき、該補給中継箱接続部の左右両端が前記側壁部材と当接していることを特徴とする。
また、請求項5に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項3または請求項4に記載の玉流下経路分岐構造において、前記補給中継箱を前記左右の補給樋に取り付けたとき、前記補給中継箱の両側に形成された側板の底面が前記レール部材の上面に当接するようにしたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の玉流下経路分岐構造において、前記左右の補給樋の接合箇所の上面には、該左右の補給樋に跨ってラバー部材が貼着されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の玉流下経路分岐構造において、前記補給接続レールのパチンコ玉の通路幅を前記補給樋のパチンコ玉の通路幅より狭く形成したことを特徴とする。
また、請求項8に記載の玉流下経路分岐構造は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の玉流下経路分岐構造において、前記補給中継箱は、前記左右の補給樋に振り分けて導出したパチンコ玉を整流する整流部材を備えていることを特徴とする。
請求項1の発明に係わる玉流下経路分岐構造は、補給接続レールと補給中継箱と左右の補給樋とから構成されており、補給接続レールは、揚送装置により揚送されたパチンコを流入し、パチンコ玉を流下させてその流出口から接続されている補給中継箱に流出させる。
補給中継箱は、補給接続レールの流出口から流出したパチンコ玉を受け入れて、その流下口から接続されている左右の補給樋に流入させる。左右の補給樋は、島台の両端部に向かって下方傾斜して架設されており、補給中継箱の流下口から流入したパチンコ玉を流下させて各遊技機にそれぞれ補給する。なお補給樋には、補給樋から遊技機にパチンコ玉を補給するための玉分離器が設けられており、パチンコ玉は玉分離器から蛇腹等を介して遊技機に供給されるようになっている。
ここで、補給中継箱は、左右の補給樋とそれぞれ接続するための補給中継箱接続部が設けられており、また、左右の補給樋には、補給中継箱を接続するための補給樋接続部がそれぞれ設けられている。なお、補給樋の所定の勾配は、パチンコ玉を流下させるのに最適な角度として4度くらいが好ましい。
しかして、補給中継箱を左右の補給樋に取り付けるには、補給中継箱接続部を補給樋接続部に接続するだけでよく、補給中継箱を左右の補給樋に取り付けたときには、補給中継箱の流下口が左右の補給樋の接合箇所の上方に位置するようになり、これにより、補給中継箱から流下してきたパチンコ玉は、ほぼ均等に左右の補給樋にそれぞれ振り分けられて導出する。
このような構成の請求項1の発明によれば、玉流下経路分岐構造の底面は、所定の勾配が設けられて接続されている左右の補給樋の上流端部になっているので、左右の補給樋の上流端位置(接続位置)を決めることで、必然的に玉流下経路分岐構造の位置も決まることになり、さらに補給中継箱を左右の補給樋に取り付けるには、補給中継箱接続部を補給樋接続部に接続するだけの作業でよく、これにより玉流下経路分岐構造を極めて容易に形成することができるという顕著な効果を奏する。
また、本発明の玉流下経路分岐構造を採用した場合には、島台の高さを低くすることが可能となり、低いパチンコ島台を造ることができると、例えば狭い土地が理由で2階建てのホールを構築するときなどに活用でき、ホール設計の自由度が向上すると共に、パチンコ島台の材料を少なくでき、コストダウンにつながる。さらに、ホール側は、客に見晴らしが良く圧迫感のないパチンコ島台を提供できると共に、ホール店員にとっても、呼出ランプや代表ランプが見やすくなり、作業効率が向上して顧客満足につながる。
また、予め工場内で島台を複数ユニットに分割した状態で組み立てておき、それを現場に搬入し接続させて島台を組み立てるいわゆる工場組立方式に本発明の玉流下経路分岐構造を採用すると、予め工場でユニット内に左右の補給樋を組み付け、その後現場で補給中継箱と補給接続レールを組み付けることで、極めて容易に玉流下経路分岐構造を形成することができ、現場での工事工程に影響を及ぼすことがない。
ところで、補給中継箱の形状は特に限定されるものではないが、次のようにするとよい。即ち、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の玉流下経路分岐構造において、補給中継箱は補給樋とほぼ同じ幅の蓋状に形成され、補給中継箱を左右の補給樋に取り付けたとき、補給中継箱は左右の補給樋の接合箇所を覆うように形成する。
このような形状に補給中継箱を形成すると、補給樋のパチンコ玉が上面を転動する通路の幅を有効活用でき、補給中継箱の設計も補給樋の大きさにあわせて容易になる。また、補給中継箱が設置される前の島台の組み立て工程において、左右の補給樋の接合箇所付近の上部空間内にはその他の機器の設置や配線を行わないようにするだけで、換言すれば、左右の補給樋の接合箇所付近の上部空間外にその他の機器の設置や配線を行うようにするだけで、予め補給中継箱の設置範囲を確保することが可能となり、従って島台の組み立て工程が容易となる。さらに補給中継箱は、左右の補給樋の接合箇所を覆うように形成されるので、この接合箇所を保護することもできる。
また、補給中継箱の左右の補給樋への具体的な接続方法は特に限定されるものではないが、次のようにするとよい。即ち、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の玉流下経路分岐構造において、左右の補給樋は、パチンコ玉が上面を転動するレール部材と、このレール部材からパチンコ玉が落下しないようにレール部材の両側に設けられる側壁部材とから成っており、レール部材は、その両側に側壁部材が着脱自在に装着できる横溝を備えている。
この横溝は、補給樋から遊技機にパチンコ玉を補給するための玉分離器の取り付けにも利用されるもので、従来より補給樋が備えているものである。なお、玉分離器を補給樋に取り付けるには、玉分離器と同じ長さだけの横溝を側壁部材を取り除いて露出させることで取り付けるようになっている。
しかして、請求項3の発明では、この横溝を補給樋接続部として利用し、補給中継箱接続部をこの横溝に嵌合することで補給中継箱を左右の補給樋に取り付けるようにする。即ち、請求項3の発明は、従来より補給樋が備えている横溝を補給樋接続部として利用し、この横溝に、上方から補給中継箱接続部を嵌め込むだけの極めて容易な作業だけで、補給中継箱を左右の補給樋に接続することができ、その結果、作業効率が極めて向上する。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の玉流下経路分岐構造において、補給中継箱接続部を補給樋接続部としての横溝に嵌合したとき、補給中継箱接続部の左右両端が側壁部材と当接しているようにする。つまり、上記した玉分離器を補給樋に取り付けるのと同様に、左右の補給樋の上流端から補給中継箱接続部の長さ分だけ側壁部材を取り除いて横溝を露出させておき、この露出している横溝に補給中継箱接続部を嵌め込めば、必然的に補給中継箱接続部の左右両端が側壁部材と当接することになる。
このような構成の請求項4の発明によれば、補給中継箱接続部の左右両端が側壁部材と当接しているので、補給中継箱を左右の補給樋に強固に取り付けることができる。さらに、側壁部材の補給樋への装着も強固となり、補給中継箱及び側壁部材が左右にスライドするような横ずれトラブルを防止することができる。
ところで、補給中継箱から補給樋へパチンコ玉が流下するときは、垂直状に補給中継箱内を落下するパチンコ玉が略水平状(4度くらいの勾配)に流下するというように、パチンコ玉の流下状態が著しく変化するので、このような場合にはその近辺で往々にして玉詰まりが発生しやすい。そこで、このような玉詰まりを解消するには次のようにするとよい。即ち、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の玉流下経路分岐構造において、補給中継箱を左右の補給樋に取り付けたとき、補給中継箱の両側に形成された側板の底面がレール部材の上面に当接するようにする。
このような構成にすれば、補給中継箱を補給樋に取り付けた時点で、側板の底面が当接しているレール部材の上面、即ちレール部材のパチンコ玉が転動する通路幅が、側板底面の厚み分だけ狭くなり、これにより、複数段で流下してきたパチンコ玉を効率よく一段に整列しやすくなり、その結果、補給樋上でパチンコ玉が詰まるというトラブルを防止することができる。つまり、請求項5の発明によれば、補給中継箱を補給樋に取り付けるだけの簡単な作業で、極めて容易に玉詰まりを防止することができるという顕著な効果を奏する。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の玉流下経路分岐構造において、左右の補給樋の接合箇所の上面には、左右の補給樋に跨ってラバー部材を貼着するようにしている。このようにすれば、左右の補給樋は強固にジョイントされると共に、勾配が設けられた左右の補給樋の接合箇所の上面で発生するわずかな隙間を覆い隠すことができる。また、補給中継箱からラバー部材上に落下したパチンコ玉は、ほとんど跳ね返ることなく左右の補給樋上にほぼ均等に導出される。さらに、補給中継箱からパチンコ玉が落下するときの音がほとんど発生せず、消音効果が顕著である。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の玉流下経路分岐構造において、補給接続レールのパチンコ玉の通路幅を補給樋のパチンコ玉の通路幅より狭く形成するようにしている。このようにすれば、補給接続レールの先端が接続される補給中継箱の大きさ(幅方向)を補給樋の大きさ(幅方向)と同一にすることが容易になり、特に請求項2に記載の発明を極めて容易に実現することができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の玉流下経路分岐構造において、補給中継箱は、左右の補給樋に振り分けて導出したパチンコ玉を整流する整流部材を備えている。この整流部材は、特に限定するものではないが、例えば、補給中継箱を構成する板状部材が整流部材を兼ねるようにするとよい。このようにすれば、補給中継箱に新たに整流部材を設ける必要がなく、コストダウンとなる。そして、このように補給中継箱が整流部材を備えることにより、補給樋上でパチンコ玉が詰まるというトラブルを防止することができる。特に請求項5の発明との関係では、両々相俟って顕著な相乗効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、パチンコ島台1の全体正面図である。本実施形態のパチンコ島台1は、図1に示すように、その長手方向に多数のパチンコ遊技機2を列設するもので、各パチンコ遊技機2の間には、パチンコ遊技機2と1対1で対応するように玉貸機3が配置されている。パチンコ島台1の両端には、妻板5が設けられ、この両端の妻板5間には、パチンコ遊技機2の下部に位置するように板状のカウンター6が形成されている。また、パチンコ島台1の上部には、欄間7が設けられており、この欄間7は、パチンコ島台1に対して開閉自在に設けられており、例えばパチンコ島台1内部の後述する補給樋が玉詰まりを起こしたときなどのトラブルに対処できるようになっている。
また、欄間7の下方には、板状の幕板8が設けられており、この幕板8には、上記玉貸機3と同様に、パチンコ遊技機2と1対1で対応するように呼出ランプ9が設けられている。呼出ランプ9は、パチンコ遊技機2にトラブルが発生したときなどに、遊技者の操作により点灯して店員を呼び出したり、パチンコ遊技機2が大当りしたときなどに自動で点滅して装飾効果を高めたりする。また、妻板5の上部には代表ランプ15が設けられており、この代表ランプ15は、通常時は、装飾効果を高めるために所定の態様で点灯しており、上記した呼出ランプ9が操作されたとき、またはパチンコ遊技機2が大当りしたときなどに所定の態様で点灯/点滅して店員にその旨を報知するようになっている。
また、パチンコ島台1の下部には、上記カウンター6の下方に位置する板状の腰板10が設けられており、さらに、この腰板10と遊技場の床面との間には、板状の幅木11が設けられている。また、パチンコ島台1の中央には、後述する玉研磨揚送装置などが収納される収納ボックス13が立設されており、収納ボックス13の上部には、玉研磨揚送装置から排出されたパチンコ玉を多量に貯留する上部貯留タンク25が形成されている。
ここで、図中26は補給中継箱、29は補給接続レールであり、これら補給中継箱26、補給接続レール29については後に詳述する。また、パチンコ島台1の端部には、遊技者が獲得したパチンコ玉を返却したときに、そのパチンコ玉数を数値記録したレシートを発行する玉返却計数装置16が設けられている。
なお、図1において、パチンコ遊技機2、玉貸機3、カウンター6、欄間7、幕板8、呼出ランプ9、腰板10、幅木11及び代表ランプ15は、本図に示されていない裏側の面にも同様に設けられている。
次に図2を参照しながら、パチンコ島台1の内部構成について説明する。図2は、パチンコ島台1の中央から左側の内部構造を示す正面図である。パチンコ島台1の内部中央には、電源投入後常時駆動される玉研磨揚送装置12が立設されており、この玉研磨揚送装置12は、モータを内蔵した下部駆動プーリにより無端状の搬送ベルトを回転駆動するもので、この搬送ベルトの摩擦力により、下部貯留タンク21や回収樋30から誘導されてくるパチンコ玉を研磨布に接触させながら上昇せしめ、最終的に上端の排出口から収納ボックス13に設けられている上部貯留タンク25内に研磨揚送するようになっている。なお、玉研磨揚送装置12は、螺旋体によって研磨ペレットとパチンコ玉とを混合しながら揚送する形式のものや、ベルトにバケットを固定した形式のものであってもよい。
前記上部貯留タンク25の底面部には、パチンコ島台1の端部に向かって下方傾斜した補給接続レール29が接続されており、この補給接続レール29の先端部は補給中継箱26に接続されている。また、補給中継箱26の左右には補給樋27a、27bが接続されており、この補給樋27a、27bは、補給接続レール29と同様に、島台の両端部に向かって下方傾斜させるための所定の勾配(例えば4度)を維持しながら架設されている。さらに、補給樋27a、27bの途中部位には、各パチンコ遊技機2に対応した玉分離器28が設けられている。なお、各玉貸機3にもパチンコ遊技機2と同様に対応した玉分離器が設けられるようになっているが、本図ではこれらの玉分離器は省略している。
このような構成により、玉研磨揚送装置12により揚送研磨された研磨済のパチンコ玉は、上部貯留タンク25から補給接続レール29を介して補給中継箱26に流出され、この補給中継箱26にてパチンコ玉の流下経路が分岐されて左右の補給樋27a、27bに流出する。そして、玉分離器28から蛇腹24を介して各パチンコ遊技機2の賞品玉タンクに供給されるようになっている。なお、上記玉分離器28には、図示は省略するが、周知のように補給された玉数を計数するための玉計数器が付設されており、この玉計数器から遊技場に設けられるホール管理コンピュータに補給(セーフ)玉信号が送られるようになっている。
そして、パチンコ遊技機2に供給されたパチンコ玉は、パチンコ遊技に使用されるとパチンコ遊技機2の排出口から外部に落下するようになっており、この落下した使用済みのパチンコ玉は、パチンコ島台1に設けられたアウト玉計数ボックス40に導出されるようになっている。アウト玉計数ボックス40は、パチンコ遊技機2と1対1で対応するように、パチンコ島台1の内部においてパチンコ遊技機2の下部に位置するように配置され、パチンコ遊技機2の排出口から落下したパチンコ玉を全て受け入れて、この受け入れたパチンコ玉を下部貯留タンク21や回収樋30に導出するようになっている。なお、このアウト玉計数ボックス40にも、上記玉分離器28と同様にアウト玉を計数するための玉計数器が付設されており、ホール管理コンピュータにアウト玉信号が送られるようになっている。以上のような構成により、多数のパチンコ玉がパチンコ島台1内を循環するようになっている。
なお、図2において、蛇腹24、補給中継箱26、補給樋27a、27b、玉分離器28、補給接続レール29、回収樋30及びアウト玉計数ボックス40は、本図に示されていないが、玉研磨揚送装置12の右側にも略対称状に設けられており、さらに蛇腹24、玉分離器28及びアウト玉計数ボックス40は、本図に示されていない裏側の面にも略同様に設けられている。
次に、本発明の要部となるパチンコ玉の流下経路の分岐構造について詳述する。本発明の玉流下経路分岐構造は補給中継箱26、補給樋27a、27b及び補給接続レール29から構成されており、図3は、補給中継箱26、補給樋27a、27b及び補給接続レール29の接続状態を示す斜視図である。まず補給接続レール29は、ステンレス等の金属で形成され、上部貯留タンク25から排出されるパチンコ玉を補給中継箱26まで流下させる樋状部材であって、上部貯留タンク25の排出口と補給中継箱26の流入口とに所定の勾配(例えば5度)で架設されるようになっている。なお、補給接続レール29は、後述するように、その玉通路幅が補給樋27a、27bの玉通路幅よりも狭くなっている。
補給中継箱26は、補給接続レール29から流入したパチンコ玉を左右2本の補給樋27a、27bに振り分ける蓋状部材であって、補給樋27a、27bの連結箇所を覆うように補給樋27a、27bに嵌着されるようになっている。ここで、図4、図5用いて、補給中継箱26の構成について説明する。図4は、上端の天井板を取り除いた状態を示す補給中継箱26の斜視図、図5は、上端の天井板及び手前の側板を取り除いた状態を示す補給中継箱26の斜視図である。
図に示すように、薄い鉄板などの金属で形成される補給中継箱26は、上段に設けられる略直方体状の玉受け部50と下段に設けられる断面略コ字状の分岐部60とから形成され、玉受け部50には、補給接続レール29が装着されてパチンコ玉を受け入れるための流入口51が穿設されている。
分岐部60は、前後2枚の側板61と左右2枚の傾斜板62と前後4枚の嵌着板63a、63bとから形成され、まず側板61は、上記玉受け部50と一体的に形成され、側板61の下端部は、後述する補給樋27a、27bの上面にぴったりと当接するよう、補給樋27a、27bと同じ勾配が設けられた傾斜面70が形成されている。
傾斜板62は、玉受け部50を略載置するように所定の傾斜が設けられて側板61の両端上部に蓋状に設けられており、この傾斜板62により多段のパチンコ玉が整流されて補給樋27a、27bを流下するようになっている。傾斜板62の上流側部は、所定の間隔を保ちながら玉受け部50の内部に突出する状態で設けられており、この所定の間隔は、玉受け部50に流入したパチンコ玉が補給樋27a、27bに流出するための流下口72となっている。また、玉受け部50の内部に突出している傾斜板62の部分は、玉受け部50に流入したパチンコ玉が補給樋27a、27bに流出するときの緩衝材の役割を果たしている。
嵌着板63a、63bは、略矩形の平板状に形成され、図に示すように、側板61の下側から突出するように側板61に付設されている。嵌着板63a、63bは、後述する補給樋27a、27bの嵌合溝に嵌合して補給中継箱26を補給樋27a、27bに固定するための部材であり、その下端部は、上記した側板61の傾斜面70と同様に、補給樋27a、27bと同じ勾配が設けられた傾斜面74a、74bが形成されている。つまり、嵌着板63a、63bは、その全体が補給樋27a、27bと同じ勾配になるよう傾斜して設けられている。
次に、補給樋27a、27bの構成について説明する。図6は、補給樋27aと補給樋27bとが接続された状態を示す斜視図、図7は、補給樋27aの単体斜視図、図8は、補給樋27aと補給樋27bのジョイント箇所の平面図、図9は、図8のA−A断面図である。補給樋27a、27bは、ステンレス等の金属で形成されるレール部材80a、80bと、プラスチック等の樹脂で形成される側壁部材81a、81bとからなっており、まずレール部材80a、80bから説明する。
レール部材80a、80bは、図に示すように長尺の断面略コ字状に形成されており、その両側には、補給中継箱26や側壁部材81a、81b、上記した玉分離器28を装着するための装着部82a、82bが設けられている。装着部82a、82bには、嵌合溝83a、83bと係止溝84a、84bが設けられており(特に図9参照)、これらにより補給中継箱26、側壁部材81a、81b及び玉分離器28がレール部材80a、80bに所定の態様で取り付けられるようになっている。
なお、レール部材80aとレール部材80bの上流端となるジョイント箇所には、ラバー部材85が補給中継箱26と対応するようにレール部材80aとレール部材80bとに跨って貼着されており、このラバー部材85により、補給中継箱26から落下してきたパチンコ玉による衝撃を緩和するようになっていると共に、レール部材80aとレール部材80bの接続状態をより強固にしている。またラバー部材85は、レール部材80aとレール部材80bの側縁から所定間隔を開けて設けられており、この間隔に、上記した補給中継箱26の傾斜面70が当接するようになっている。
次に、側壁部材81a、81bは、図に示すように、上端に設けられた長尺蒲鉾状の頭部90a、90bと、頭部90a、90bから下方に個別に延びる多数の薄板状のストッパー片91a、91bとで形成されており、ストッパー片91a、91bは、レール部材80a、80bの嵌合溝83a、83bに挿着するための挿着部92a、92bをそれぞれ備えていると共に、係止溝84a、84bに係止するための係止部93a、93bを数本おきに備えている(特に図9参照)。
そして、このように構成される側壁部材81a、81bが、レール部材80a、80bの装着部82a、82bにストッパー片91a、91bで取り付けられて補給樋27a、27bが形成されるのであるが、補給樋27aと補給樋27bが接続された状態では、図に示すように、側壁部材81aと側壁部材81bとは、ほぼラバー部材85と同じ長さだけ間隔を開けてレール部材80a、80bに取り付けられるようになっている(特に図6、図8参照)。換言すれば、側壁部材81a、81bは、補給中継箱26の嵌着板63a、63bと同じ長さだけの嵌合溝83a、83bを確保するようにレール部材80a、80bに取り付けられている。
以上のような構成でなる玉流下経路の分岐構造(補給中継箱26、補給樋27a、27b及び補給接続レール29)をパチンコ島台1に組み付ける手順について、図10乃至図15を参照しながら説明する。図10は、補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付ける様子を示す斜視図、図11は、上端の天井板及び手前の側板61を取り除いた補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付けた状態を示す斜視図、図12は、上端の天井板を取り除いた補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付けたときの平面図、図13は、補給中継箱26から補給樋27a、27bに流下したパチンコ玉の流れを説明する平面図、図14は、図13のC−C断面図、図15は、補給樋27a、27bの設置用部材を示すパチンコ島台1中央左側の内部構造の正面図である。
まず、図15を参照して、パチンコ島台1の枠組みを構成する島柱18に、補給樋27a、27bを架設するための補給樋設置用部材20を取り付ける。この補給樋設置用部材20は、補給樋27a、27bが所定の勾配(例えば4度)となるよう、上下位置を調整しながら平行する一対の島柱18(図15では、手前側の島柱18のみを図示)間に架設する。
補給樋設置用部材20の島柱18への取り付けを終えると、次に、予め、レール部材80a、80bの装着部82a、82bにストッパー片91a、91bにて側壁部材81a、81bを取り付けて形成されている補給樋27a、27bを、補給樋設置用部材20に載置するようにしてパチンコ島台1の左側で図示するようにハの字状に架設する。このハの字状に架設した状態では、補給樋27a、27bはすでに所定の勾配が確保されている。
そして、補給樋27aと補給樋27bの接合箇所、つまりレール部材80aとレール部材80bのジョイント箇所にラバー部材85を上から覆うように所定位置に貼着する。これにより、補給樋27aと補給樋27bは強固にジョイントされると共に、対称に勾配が設けられた補給樋27aと補給樋27bの接合面で発生するわずかな隙間を覆い隠すことができる。
ラバー部材85の貼着を終えると、次に補給中継箱26を、図10に示すように上方から補給樋27a、27bに取り付ける。この取り付けは、レール部材80a、80bの露出している嵌合溝83a、83bに、補給中継箱26の嵌着板63a、63bを嵌め込むだけの容易な作業で行うことができる。そして、この補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付けることで、補給中継箱26と補給樋27a、27bとで形成された領域からパチンコ玉が外部に排出される排出口95a、95bが形成されることになる(図11参照)。
しかして、補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付けた状態では、嵌着板63a、63bの下端部である傾斜面74a、74bが嵌合溝83a、83bの底面にぴったりと当接する(図14参照)と共に、嵌着板63aの右端部と嵌着板63bの左端部が、それぞれ側壁部材81aの左端部と側壁部材81bの右端部とにぴったりと当接する(図11乃至図13参照)。さらに、側板61の下端部である傾斜面70も、ラバー部材85と嵌合溝83a、83bの間に露出しているレール部材80a、80bの上面にぴったりと当接する(図13、図14参照)。
これにより、補給中継箱26は強固に補給樋27a、27bに取り付けられると共に、補給樋27a、27bの側壁部材81a、81bの装着も強固となり、補給中継箱26及び側壁部材81a、81bが左右にスライドするような横ずれトラブルを防止することができる。
さらに補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付けた状態では、図13に示すように、補給中継箱26に覆われているレール部材80a、80bの玉通路幅Aと、補給中継箱26に覆われていないレール部材80a、80bの玉通路幅Bとを比較すると、玉通路幅Aは側板61(傾斜面70)の厚み分だけ玉通路幅Bより狭くなっている。
これにより、複数段で流下してきたパチンコ玉を効率よく一段に整列しやすくなり、補給樋27a、27b上でパチンコ玉が詰まるというトラブルを防止することができる。
そして補給中継箱26を補給樋27a、27bに取り付けたら、補給接続レール29を上部貯留タンク25の排出口と補給中継箱26の流入口51に挿着し、これにより補給接続レール29が上部貯留タンク25と補給中継箱26の間に所定の勾配(例えば5度)で架設される。
なお、補給接続レール29は、補給中継箱26の流入口51に挿着されることから明らかなように、その玉通路幅が補給中継箱26の玉受け部50の幅よりも狭く形成されている(図10乃至図12参照)。
これにより、補給接続レール29から補給中継箱26に流入するときの多数のパチンコ玉の流れを円滑に行うことができ、補給中継箱26内でパチンコ玉が詰まるというトラブルを防止することができる。
また、補給接続レール29の勾配(例えば5度)が補給樋27a、27bの勾配(例えば4度)よりも大きくするのは、次の理由による。即ち、補給接続レール29の玉通路幅を補給中継箱26の玉受け部50の幅よりも狭くするということは、補給接続レール29の玉通路幅を補給樋27a、27bの玉通路幅よりも狭くすることと同義である。補給接続レール29の玉通路幅を補給樋27a、27bの玉通路幅よりも狭くすることで、単位時間当たりのパチンコ玉の通過数は、補給樋27a、27bより補給接続レール29の方が減ることになるので、これが原因でパチンコ遊技機2へのパチンコ玉の補給が間に合わなくなるおそれがある。そこで、補給接続レール29の勾配を補給樋27a、27bの勾配よりも大きくし(例えば1度)、補給接続レール29のパチンコ玉の通過速度を上げることで、つまり、補給接続レール29の単位時間当たりの玉通過数を上げることで、このような不都合を解消するのである。
さらに、補給接続レール29の玉通路幅を補給樋27a、27bの玉通路幅よりも狭くすると、補給接続レール29の先端が接続される補給中継箱26の大きさ(幅方向)を補給樋27a、27bの大きさ(幅方向)と同一にすることが容易になり、玉受け部50の側面と分岐部60の側面である側板61を1つの板状部材で構成することができる。これにより、補給中継箱26の構成を容易にすることができる。
そして、補給中継箱26の大きさ(幅方向)を補給樋27a、27bの大きさ(幅方向)と同一または小さくすることで、パチンコ島台1への組み付け手順で補給樋27a、27bより後から取り付けられる補給中継箱26を、補給樋27a、27bの上部空間の範囲内で納めることが可能となり、これにより、パチンコ島台1の組み立て工程も容易にすることができる。つまり、補給中継箱26が設置される前のパチンコ島台1の組み立て工程において、補給樋27a、27bの接合箇所付近(ラバー部材85)の上部空間内にはその他の機器の設置や配線を行わないようにするだけで、換言すれば、補給樋27a、27bの接合箇所付近(ラバー部材85)の上部空間外にその他の機器の設置や配線を行うようにするだけで、予め補給中継箱26の設置範囲を確保することが可能となり、故にパチンコ島台1の組み立て工程が容易となるのである。
以上のような組み付け手順により、パチンコ島台1に補給中継箱26、補給樋27a、27b及び補給接続レール29を極めて容易に取り付けることができる。即ち、パチンコ島台1に極めて容易にパチンコ玉流下経路の分岐構造を形成することができる。
なお、具体的な取り付け方法は図示していないが、玉分離器28を補給樋27a、27bに取り付けるには、玉分離器28と同じ長さだけの側壁部材81a、81bをニッパー等の器具で取り除き、その部分に上記ストッパー片91a、91bと同様な部材等で取り付けるようになっており、これにより補給樋27a、27bの所望の位置に玉分離器28を取り付けることができる。
次に、補給中継箱26、補給樋27a、27b及び補給接続レール29で形成される玉流下経路分岐構造におけるパチンコ玉の流れについて説明する。補給接続レール29から補給中継箱26に流入口51によって流入したパチンコ玉は、玉受け部50の内部に突出している傾斜板62に衝突し、その速度が弱められて流下口72から落下する(図11、図12参照)。この際、補給接続レール29の玉通路幅は、上記したように、玉受け部50の幅よりも狭くなっているので、補給接続レール29から流出するパチンコ玉は、円滑に補給中継箱26に流入する。
そして、流下口72から落下したパチンコ玉は、補給樋27a、27bに貼着されているラバー部材85の上に落下し、ほとんど跳ね返ることなく補給樋27a、27bのレール部材80a、80b上にほぼ均等に導出される。そしてレール部材80a、80b上に導出されたパチンコ玉は、傾斜板62により、多段状に重なり合って流れている状態が緩和されつつ排出口95a、95bに向かって流下する。
そして排出口95a、95bに到達したパチンコ玉は、通路幅の狭い玉通路幅Aから通路幅の広い玉通路幅Bへと流下するので、ここで複数段で流下してきたパチンコ玉が整流されて最終的に一段に整列される。そして一段に整列されたパチンコ玉は、レール部材80a、80b上を流下しながら、その一部は玉分離器28に導出し、パチンコ遊技機2へと補給される。
ここで、図16に示すように、本発明の玉流下経路分岐構造を採用すると、パチンコ遊技機2へ円滑にパチンコ玉を供給できるばかりでなく、パチンコ島台1の高さを低くすることもできる。図16は、左側のみに本発明の玉流下経路分岐構造を採用したときのパチンコ島台100の内部構造を示す正面図である。
図に示すように、パチンコ島台100右側の補給樋127を1本だけでパチンコ玉を補給する場合に比べ、パチンコ島台100左側に本発明の玉流下経路分岐構造を採用した場合には、ほぼ補給接続レール29と補給樋27aとの垂直距離分だけパチンコ島台100の天井板を低く形成することが可能となる。
このように低いパチンコ島台を造ることができると、例えば狭い土地が理由で2階建てのホールを構築するときなどに活用でき、ホール設計の自由度が向上すると共に、パチンコ島台の材料を少なくでき、コストダウンにつながる。さらに、ホール側は、客に見晴らしが良く圧迫感のないパチンコ島台を提供できると共に、ホール店員にとっても、呼出ランプ9や代表ランプ15が見やすくなり、作業効率が向上して顧客満足につながる。
また、パチンコ島台の工法には大別して2通りあり、一つは設備品や材料を持ち込んでパチンコ島台を現場で全て組み立てるいわゆる現場組立方式であり、もう一つは、予め工場内でパチンコ島台を複数ユニットに分割した状態で組み立てておき、それを現場に搬入し接続させてパチンコ島台を組み立てるいわゆる工場組立方式である。現場組立方式と工場組立方式はそれぞれ一長一短があり、現場組立方式は、設備品や材料の搬送が楽な反面、現場での作業が長くなる。一方、工場組立方式は、逆に、ユニットの搬送が大変であるが、現場での作業が短くなる。
ところで、工場組立方式においては、ユニットが搬送時に破損するのを防止するため、ユニット内に収まる設備品等は工場で予め組み立てておき、ユニット内に収まらない設備品、即ちユニットからはみ出る設備品等は現場で組み立てるようになっている。このような工場組立方式において本発明の玉流下経路分岐構造を採用すると、予め工場でユニット内に補給樋27a、27bを組み付けておくことができる。従って、その後現場で上記したように容易に補給中継箱26と補給接続レール29を組み付けて玉流下経路分岐構造を形成することができ、現場での工事工程に影響を及ぼすことはほとんどない。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の玉流下経路分岐構造は、補給樋27a、27bを所定の勾配を維持しながらパチンコ島台1に架設しておき、それから補給中継箱26を補給樋27a、27bの上方から覆うように補給樋27a、27bに嵌着し、その後補給接続レール29を上部貯留タンク25と補給中継箱26の間に架設するという容易な作業で形成することができる。
特に、玉流下経路分岐構造の底面は、補給樋27a、27bの上流端部になっているので、補給樋27aと補給樋27bの上流端位置を決めることで、必然的に玉流下経路分岐構造の位置も決まることになり、これにより玉流下経路分岐構造を極めて容易に形成することができるのである。
また、本実施形態の玉流下経路分岐構造は、補給接続レール29から補給中継箱26にスムーズにパチンコ玉が流入し、補給接続レール29から補給中継箱26に流入したパチンコ玉は、速度が弱められて落下した後、多段状に重なり合って流れている状態が緩和されつつ、最終的に排出口95a、95bから一段に整列されて流下するようになっているので、即ち、本実施形態の玉流下経路分岐構造は、その流下経路の玉通路幅が補給接続レール29、補給中継箱26、補給樋27a、27bへと下流側に行くにつれて徐々に広く形成されているので、これにより玉流下経路分岐構造内でパチンコ玉が詰まるというトラブルがない。そして、これに係わり、補給接続レール29の玉通路幅を補給樋27a、27bの玉通路幅よりも狭くすることにより、補給中継箱26の構成を容易にすることができると共に、パチンコ島台1の組み立て工程も容易にすることができる。
さらに本実施形態の玉流下経路分岐構造を採用すると、パチンコ島台を低くできるという副次的な効果もあり、また、工場組立方式に本実施形態の玉流下経路分岐構造を採用すれば、現場での工事工程に影響を及ぼすこともほとんどない。
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。
例えば、補給中継箱26の構成を図17に示す補給中継箱226のようにしてもよい。図17は、上端の天井板を取り除いた状態を示す他の実施形態の補給中継箱226の斜視図である。この他の実施形態に係わる補給中継箱226が補給中継箱26と相違するところは、分岐部60を構成している左右2枚の傾斜板262であって、図に示すように、傾斜板262は、玉受け部50より外側に露出している箇所の両側部が切り欠かれおり、従って補給中継箱226には4つのスリット263が形成されている。なお、補給中継箱226は、補給中継箱26と同様に薄い鉄板などの金属で形成されている。
つまり、このスリット263は、側板61と傾斜板262の間に形成される隙間であって、その大きさは、パチンコ玉の直径11mmよりも小さく形成されている。このように構成される他の実施形態に係わる補給中継箱226は、補給樋27a、27bのレール部材80a、80b上(ラバー部材85上)に導出された多段のパチンコ玉を、補給中継箱26よりさらに効率よく整流することが可能となる。
即ち、補給中継箱226は、スリット263により、パチンコ玉の押圧力に対する素材(薄い鉄板)の弾性力で傾斜板262が上下小刻みに振動するようになり、傾斜板262が玉均しの機能を備えるようになる。これにより、レール部材80a、80b上に導出されたパチンコ玉は、傾斜板262により、多段状に重なり合って流れている状態がほぼ解消されつつ排出口95a、95bに向かって流下するようになる。
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
揚送装置は、玉研磨揚送装置12に相当し、遊技機は、パチンコ遊技機2に相当し、島台は、パチンコ島台1、パチンコ島台100に相当し、補給接続レールは、補給接続レール29に相当し、補給中継箱は、補給中継箱26に相当し、補給中継箱の流下口は、流下口72に相当し、左右の補給樋は、補給樋27a、27bに相当し、補給中継箱接続部は、嵌着板63a、63bに相当し、補給樋接続部は、嵌合溝83a、83bに相当し、レール部材は、レール部材80a、80bに相当し、側壁部材は、側壁部材81a、81bに相当し、横溝は、嵌合溝83a、83bに相当し、側板は、側板61に相当し、側板の底面は、傾斜面70に相当し、ラバー部材は、ラバー部材85に相当し、整流部材は、傾斜板62、傾斜板262に相当する。