JP4734691B2 - パチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のパチンコ島台に関連して設けられる複数のパチンコ玉貯留タンクの相互間に玉移送装置を介してパチンコ玉を移送して貯留される玉量を制御する玉量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数のパチンコ島台に関連して設けられる複数のパチンコ玉貯留タンクの相互間に玉移送装置を介してパチンコ玉を移送して貯留される玉量を制御する玉量制御装置として、従来、出願人は、特開平7−323141号や特開平8−141198号を提案している。これらの従来技術は、貯留タンク内に設けられる複数の玉量検知センサを5段階に分け、その5段階の玉量検知センサのうち貯留玉量の上限と下限とを検出する玉量検知センサが作動したときに、隣接する貯留タンク間で玉の移送を相互に行うように制御されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貯留タンクが設置されるパチンコ島台に列設されるパチンコ機の種類、タンク容量、あるいは景品玉返却装置の有無等によって、貯留量が増加しやすい貯留タンクとそうでない貯留タンクが存在したり、また、貯溜量が減少しやすい貯留タンクとそうでない貯留タンクが存在する場合がある。貯留量が増加しやすい貯留タンク、例えば、景品玉返却装置を有する貯留タンクとそうでない貯留タンクの両貯留タンク間で同時に上限センサから検出出力が導出された場合において、貯留量が増加しやすい貯留タンクに向けてそうでない貯留タンクからパチンコ玉が移送されてしまうと、景品玉返却装置に対する新たなパチンコ玉の返却に備えることが困難になるという問題があった。また、貯留量が減少しやすい貯留タンク、例えば、人気があり遊技客が多くなるパチンコ機を備えるパチンコ島台の貯留タンクとそうでない貯留タンクの両貯留タンク間で同時に貯留タンクの下限センサから検出出力が導出された場合において、貯留量が減少しやすい貯留タンクからそうでない貯留タンクに向けてパチンコ玉が移送されてしまうと、遊技客が多くなるパチンコ機の出玉に備えることが困難になるという問題があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、貯留量の増加の度合及び減少の度合の違いにより各パチンコ玉貯留タンクに予め優先順位を設定することにより、パチンコ玉貯留タンク間での玉の移送を最適に行うことができるパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、複数のパチンコ島台に関連して設けられる複数のパチンコ玉貯留タンクの相互間に玉移送装置を介してパチンコ玉を移送することによりそれぞれのパチンコ玉貯留タンクに貯留される玉量を制御する玉量制御装置において、前記パチンコ玉貯留タンクのそれぞれは、玉の貯留量レベルを検出する複数のセンサを設けると共に、その複数のセンサは、玉の貯留量レベルが上限であることを検出する上限センサと、及び/又は玉の貯留量レベルが下限であることを検出する下限センサと、を有し、前記複数のパチンコ玉貯留タンクに予め優先順位を設定し、前記玉量制御装置は、前記複数のパチンコ玉貯留タンクのうち、任意のパチンコ玉貯留タンクの前記上限センサからの検出出力が導出されたときであって、該任意のパチンコ玉貯留タンクに前記玉移送装置によって連結されている隣り合うパチンコ玉貯留タンクの前記上限センサからも検出出力が導出されているときに、前記任意のパチンコ玉貯留タンクと前記隣り合うパチンコ玉貯留タンクとの優先順位を比較し、その比較結果のみに基づいて優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するように、及び/又は前記複数のパチンコ玉貯留タンクのうち、任意のパチンコ玉貯留タンクの前記下限センサからの検出出力が導出されたときであって、該任意のパチンコ玉貯留タンクに前記玉移送装置によって連結されている隣り合うパチンコ玉貯留タンクの前記下限センサからも検出出力が導出されているときに、前記任意のパチンコ玉貯留タンクと前記隣り合うパチンコ玉貯留タンクとの優先順位を比較し、その比較結果のみに基づいて優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するようにしたことを特徴とするものである。このように制御することにより、隣り合うパチンコ玉貯留タンクの上限センサが共に検出出力を導出したとしても、優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクに向けて玉を移送することができるので、貯留量が増加しやすいパチンコ玉貯留タンク、例えば、景品玉返却装置を有するパチンコ玉貯留タンクの優先順位を高く設定しておけば、このパチンコ玉貯留タンクの貯留量を優先して減少させることができ、景品玉の返却に備えることができる。また、隣り合うパチンコ玉貯留タンクの下限センサが共に検出出力を導出したとしても、優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクに向けて玉を移送することができるので、貯留量が減少しやすいパチンコ玉貯留タンク、例えば、遊技客が多くなるパチンコ機を備えるパチンコ島台のパチンコ玉貯留タンクの優先順位を高く設定しておけば、このパチンコ玉貯留タンクの貯留量を優先して増加させることができ、パチンコ機の出玉に備えることができる。
【0005】
また、請求項2の発明においては、前記優先順位の設定は、変更できることを特徴とするものである。このように構成することにより、例えば、景品玉返却装置の設置位置やパチンコ島台に列設されるパチンコ機の機種の変更に対して簡単に対応することができる。
【0006】
また、請求項3の発明においては、前記玉移送装置は、前記パチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台の上部に設けられた上部タンク間に交差状に掛け渡され一方の上部タンクから他方の上部タンクに向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第1の交流樋及び他方の上部タンクから一方の上部タンクに向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第2の交流樋と、その開放時に前記第1の交流樋におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第1の交流樋におけるパチンコ玉の流下を停止する第1シャッター装置及びその開放時に前記第2の交流樋におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第2の交流樋におけるパチンコ玉の流下を停止する第2シャッター装置と、から構成され、前記第1シャッター装置及び第2シャッター装置を開閉駆動制御することにより玉を移送するようにしたことを特徴とするものである。このように構成することにより、玉の移送をパチンコ玉が自然流下する第1交流樋及び第2交流樋とを用いて行っているので、コンベア等でパチンコ玉を搬送する玉移送装置と比べて構造が簡単であり、また、第1交流樋及び第2交流樋がパチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台の上部タンク間に掛け渡されているので、移送すべきパチンコ玉を双方向に且つ直接的に移動することができるため、パチンコ玉の移送を迅速に行うことができる。
【0007】
また、請求項4の発明においては、前記パチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台に設けられる上部タンクは、自島における各パチンコ機へパチンコ玉を最優先に誘導し、その誘導が必要なくなったときに前記第1の交流樋又は第2の交流樋へ誘導し、さらにその誘導が必要なくなったときに前記パチンコ玉貯留タンクに誘導されるように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、自島へのパチンコ玉の補給及び玉移送装置で連結されたパチンコ島台へのパチンコ玉の供給をスムーズに行うことができる。
【0008】
更に、請求項5の発明においては、前記複数のパチンコ島台は、前記パチンコ玉貯留タンクを有する主パチンコ島台と、2つの主パチンコ島台の間に位置して前記パチンコ玉貯留タンクを有さない従パチンコ島台と、からなり、前記2つの主パチンコ島台には、その上部タンク間に前記第1の交流樋と第2の交流樋とが交差状に掛け渡される一方、前記従パチンコ島台は、その上部タンクに貫通する前記第1の交流樋と第2の交流樋からそれぞれパチンコ玉を受け入れるように形成されると共に、受け入れたパチンコ玉を当該従パチンコ島台の内部に設けられる下部タンクに導くように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、パチンコ玉貯留タンクを有さない従パチンコ島台に2本の第1交流樋及び第2交流樋によってパチンコ玉貯留タンクを有する主パチンコ島台からパチンコ玉が常時供給されるため、従パチンコ島台で玉不足が生じるということを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、図1乃至図19を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、第一実施形態における複数のパチンコ島台A1〜A9とそれに関連して設けられるパチンコ玉貯留タンクとしてのベースタンクB1,B2,B3、及び玉移送装置(第1交流樋1,第2交流樋2,シャッター装置3等を含む)との関係を示す全体概略図であり、図2は、ベースタンクB1,B2,B3に隣接して設けられるパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9の内部構造を示す正面図であり、図3乃至図5は、ベースタンクB1,B2,B3に隣接して設けられるパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9の上部に設けられる上部タンク22の作用を示す斜視図であり、図6は、ベースタンクに隣接しないパチンコ島台A2,A3,A6,A7(ただし、A3,A6には、景品玉返却装置5が設けられていない)の内部構造を示す正面図であり、図7は、ベースタンクに隣接しないパチンコ島台A2,A7の上部に設けられる上部タンク41の作用を示す斜視図であり、図8は、ベースタンクに隣接しないパチンコ島台A3,A6の上部に設けられる上部タンク49の作用を示す斜視図であり、図9は、その上部タンク49におけるオーバーフローしたパチンコ玉の流下状態を説明するための斜視図であり、図10は、玉移送装置を構成する第1交流樋1又は第2交流樋2の基本的な構造を示す斜視図であり、図11は、第1交流樋1のうちパチンコ島台A3,A4間に差し渡される交流樋、又は第2交流樋2のうちパチンコ島台A5,A6間に差し渡される交流樋の斜視図であり、図12は、その交流樋の分解斜視図であり、図13は、その交流樋の一部破断斜視図であり、図14は、ベースタンクに隣接しないパチンコ島台A2,A3,A6,A7の上部タンク41,49と島内の下部タンク13とを連通するオーバーフロー通路61及びサクション通路62の構造を示す概略図であり、図15は、そのオーバーフロー通路61及びサクション通路62の下部の合流部の構造を示す拡大図であり、図16は、各パチンコ島台A1〜A9の内部に設けられる下部タンク13の斜視図であり、図17は、その下部タンク13に貯留される玉の流れを説明するための斜視図であり、図18は、ベースタンクB1〜B3の斜視図であり、図19は、ベースタンクB1〜B3の内部構造を示す斜視図である。
【0010】
まず、図1において、遊技場に設置される複数のパチンコ島台A1〜A9(遊技場によっては、それ以上又は以下のパチンコ島台が設置される)には、それぞれ内部に比較的少ないパチンコ玉を貯留する下部タンク13(約2万個前後貯留できる)が内蔵され、その下部タンク13に貯留されたパチンコ玉を玉揚送装置21で上部タンク22,41,49に揚送し、それぞれのパチンコ島台A1〜A9に設置されるパチンコ機10や玉貸機24(共に図2及び図6参照)に玉を補給するようになっている。パチンコ機10で使用されたパチンコ玉は、アウト玉回収樋12(図2及び図6参照)に回収されて前記下部タンク13に導かれ、再度玉揚送装置21によって揚送される。これによってパチンコ玉がパチンコ島台A1〜A9内を循環する。なお、この循環する機構を含めてパチンコ島台A1〜A9の詳細な構造については、後に詳述する。
【0011】
また、パチンコ島台A1〜A9のうちの所定のパチンコ島台A2,A4,A7,A8には、遊技客が獲得したパチンコ玉を返却するための景品玉返却装置5がその島端(必ずしも島端でなくてもよい、例えば、島中央)に設けられている。景品玉返却装置5によって返却されるパチンコ玉数が極めて多量になると当該パチンコ島台A2,A4,A7,A8に内蔵される下部タンク13に貯留しきれなくなるため、玉揚送装置21で揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22,41から返却樋4等を介して後に詳述するベースタンクB1〜B3(パチンコ玉貯留タンクB1〜B3という場合もある)に返却されるようになっている。なお、返却樋4は、図面上、明確に表示されていないが、パチンコ島台A2の上部タンク41からパチンコ島台A1の上部タンク22を介してベースタンクB1へ、パチンコ島台A7の上部タンク41からパチンコ島台A8の上部タンク22を介してベースタンクB3へ向けて、それぞれ差し渡されている。
【0012】
更に、図示のパチンコ島台A1〜A9においては、複数(4つ)のパチンコ島台A1〜A4,又はA5〜A8,又はA9〜を1つのブロックとして考え、これらの各ブロックの両サイドに大型のベースタンクB1,B2,B3が設けられている。即ち、第1のブロックであるパチンコ島台A1〜A4の両サイドには、ベースタンクB1,B2が配置され、第2のブロックであるパチンコ島台A5〜A8の両サイドには、ベースタンクB2,B3が設けられている。なお、パチンコ島台A9以降のブロックについては、説明を省略する。そして、ベースタンクB1〜B3に隣り合うパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9は、所謂壁島と言われるもので、片面側にしかパチンコ機10が設置されていない構造のものである。
【0013】
しかして、各ベースタンクB1〜B3には、各ブロックで必要とされるパチンコ玉量を貯留し得るようになっており、例えば、1つのパチンコ島台に必要な玉量が50万個であるとすれば、1ブロックを構成する4つのパチンコ島台A1〜A4又はA5〜A8に必要なパチンコ玉量は、各々200万個である。そして、ベースタンクB1は、1つのブロックA1〜A4で必要なパチンコ玉200万個のうち、約100万個分のパチンコ玉を貯留し得る容量を有し、ベースタンクB2は、ブロックA1〜A4で必要な残りのパチンコ玉約100万個分と、ブロックA5〜A8で必要なパチンコ玉200万個のうち約100万個のパチンコ玉とを合わせた計約200万個分のパチンコ玉を貯留し得る容量を有し、同様に、ベースタンクB3は、2つのブロックA5〜A8,ブロックA9〜に対応するために計約200万個のパチンコ玉を貯留し得る容量を有するように構成されている。
【0014】
また、上記した各ブロックに属する各パチンコ島台A1〜A4又はA5〜A8には、玉量が不足したとき又は玉量が充満したときに両サイドにあるベースタンクB1,B2又はB2,B3から不足した玉を受け入れたり、ベースタンクB1,B2又はB2,B3に過剰の玉を送り出したりするようになっている。このため、各ブロックの両サイドに位置するパチンコ島台A1,A4及びA5,A8の上部タンク22の間には、玉移送装置を構成する第1交流樋1と第2交流樋2とが交差状に差し渡されている。この第1交流樋1及び第2交流樋2は、途中にあるパチンコ島台A2,A3又はA6,A7の上部タンク41,49の内部を貫通しており、後述する落下口44,46からそれぞれの上部タンク41,49内に落下するようになっている。なお、交流樋1,2と上部タンク22,41,49との接続は、各上部タンクに設けられるジョイント部を介して行われており、各上部タンクの内部に予め形成される交流樋1,2の上流側入口及び下流側出口に対応して接続することにより、全体として貫通したように連結されている。
【0015】
また、第1交流樋1及び第2交流樋2の末端には、図示しない電気的駆動源によって開閉駆動されるシャッター装置3が設けられている。このシャッター装置3は、玉移送装置の一部を構成するものであってベースタンクB1〜B3に貯留される玉量に応じて後述する制御基板89によって電気的に開閉制御されるものであり、開放された状態では、第1交流樋1及び第2交流樋2内をパチンコ玉が下流側のベースタンクB1〜B3に向けて流下し、閉塞された状態では、第1交流樋1及び第2交流樋2内にパチンコ玉が停滞する。また、途中に位置するパチンコ島台A2,A3又はA6,A7の上部タンク41,49にパチンコ玉を受け入れる余地があるとき(パチンコ島台A2,A3又はA6,A7の貯留量が少ないとき)、パチンコ玉がその途中に位置するパチンコ島台A2,A3又はA6,A7に補給されるようになっている。なお、実際には、パチンコ島台A2,A3又はA6,A7の上部タンク41,49にパチンコ玉が常時供給されており、パチンコ島台A2,A3又はA6,A7の貯留量は、常時満たされた状態となっている。なお、図1において、シャッター装置3の設置位置をパチンコ島台A1,A4,A5,A8の上部タンク22の直前位置に設けたものを示しているが、パチンコ島台A2,A7の上部タンク41の直後位置やパチンコ島台A3,A6の上部タンク49の直後位置に設けてもよい。
【0016】
以上、複数のパチンコ島台A1〜A9の関係についての概略を説明したが、上記のように複数のパチンコ島台を1つのブロックとして交流樋1,2でパチンコ玉の搬送を行う形式を島交流と呼んでいる。そこで、次に島交流形式の各パチンコ島台及びベースタンクの詳細な構造について説明する。まず、パチンコ島台の構造について図2乃至図19を参照して説明するが、前述したパチンコ島台は、ベースタンクB1〜B3に隣り合う主パチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9と、隣接しない従パチンコ島台A2,A3,A6,A7とがあり、両者の構造はほぼ同じであるが、上部タンク22,41,49及び下部タンク13の構造において若干相違する点がある。そこで、まず、ベースタンクB1〜B3に隣り合う主パチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9の構造について図2乃至図5を参照して説明し、その後、主として前記相違点を中心にベースタンクB1〜B3に隣接しない従パチンコ島台A2,A3,A6,A7の構造について図6乃至図15を参照して説明する。
【0017】
図2において、ベースタンクB1〜B3に隣り合う主パチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9(以下、主パチンコ島台A1等という)においては、前述したように、それぞれ内部に比較的少ないパチンコ玉を貯留する下部タンク13が内蔵され、その下部タンク13に貯留されたパチンコ玉を主パチンコ島台A1等のほぼ中央に立設される玉揚送装置21で上部タンク22に揚送し、それぞれの主パチンコ島台A1等に設置されるパチンコ機10や玉貸機24に補給樋23を介して玉を補給するようになっている。パチンコ機10で使用されたパチンコ玉は、アウト玉箱11を介してアウト玉回収樋12に放出され、そのアウト玉回収樋12に回収されて前記下部タンク13に導かれた後に再度玉揚送装置21によって揚送される。これによってパチンコ玉が主パチンコ島台A1等内を循環する。
【0018】
主パチンコ島台A1等に内蔵される下部タンク13は、直方体状に形成され、その底面に玉揚送装置21の導入樋16に向かって下り傾斜する底板14を有し、その内側上部に底板14と反対方向に傾斜する上部誘導樋15が設けられている。この上部誘導樋15は、主パチンコ島台A1等においては、特に必要とされるものではなく、ベースタンクB1〜B3に隣接しない従パチンコ島台A2,A3,A6,A7(以下、従パチンコ島台A2等という)に特に必要とされるものである。また、下部タンク13の上流側上部に流入口18が開設されているが、この流入口18は、ベースタンクB1〜B3から流入するパチンコ玉を受け入れるための開口であり、ベースタンクB1〜B3と下部タンク13との間には、流入口18に接続される流入樋20(図1を参照のこと)が差し渡されている。
【0019】
また、下部タンク13には、隣り合うベースタンクB1〜B3から流入するパチンコ玉が少なくなって下部タンク13内の玉量も少なくなったことを検出する玉量センサ19(S1)が設けられている。この玉量センサ19(S1)は、ベースタンクB1〜B3のパチンコ玉貯留量が不足していることを検出するものである。もちろん、この玉量センサ19(以下、玉不足センサS1という場合がある)をベースタンクB1〜B3の内部に設けてもよい。更に、下部タンク13は、主パチンコ島台A1等のほぼ中央に立設される玉揚送装置21の一側部位(図2において右側)に設置されているので、反対側に設置されたパチンコ機10からのアウト玉を回収するアウト玉回収樋12を流れるパチンコ玉を下部タンク13に導くために該アウト玉回収樋12と下部タンク13との間に連絡樋17が差し渡されている。この連絡樋17の末端は、前記導入樋16の接続位置のやや上部である。なお、主パチンコ島台A1等に設けられる下部タンク13のより詳細な構造については、後に詳述する。
【0020】
上記した下部タンク13に貯留されていたパチンコ玉は、導入樋16により複数列に整列されて玉揚送装置21に送り込まれる。玉揚送装置21は、図示の実施形態の場合、モータ内蔵プーリによって旋回駆動される揚送ベルトと該揚送ベルトに対面して設けられ且つ揚送ベルトとの間にパチンコ玉を挟持しながら研摩する研摩布とを有し、前記導入樋16から導かれたパチンコ玉を揚送ベルトの摩擦力によって上部に研摩しながら揚送するものである。
【0021】
玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22に排出される。上部タンク22は、受け入れたパチンコ玉を補給樋23、第1交流樋1又は第2交流樋2等に振り分ける機能を有している。この振分機能の詳細について図3乃至図5を参照して説明すると、上部タンク22は、図3(主パチンコ島台A1の上部タンクを図示している)に示すように、垂直方向に固定される区画板によってその内部を第2交流樋2の下流部及び返却樋4の下流部を貫通させる樋設置空間25と、第1交流樋1の上流部が設置される樋設置空間26と、玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉を順位を付けて振り分ける分流空間27と、玉揚送装置21の上部が貫通設置される揚送装置設置空間28と、に区画されている。そして、揚送装置設置空間28に設置された玉揚送装置21の玉出口が分流空間27に臨んでいる。
【0022】
しかして、玉揚送装置21の玉出口から放出されたパチンコ玉は、分流空間27の上部に水平傾斜状に固定される落下受板29に落下し、その落下受板29の途中に立設固定される堰止板30によって堰き止められ、その堰止板30の上流側側方に形成される第1優先落下口31から下方に落下するようになっている。この第1優先落下口31から落下したパチンコ玉は、図4に示すように、段差状に設けられる段差板32a,32bによって勢いを弱められながら階段状に形成される第1補給誘導板33a〜33cによって上部タンク22の左右側面の一方に開設される第1補給樋接続口34に誘導される。この第1補給樋接続口34には、図2においてパチンコ島台の右側の島端に向かって傾斜状に設けられる補給樋23が接続されるものである。補給樋23は、前述したように各パチンコ機10及び玉貸機24にパチンコ玉を補給するためのものである。そして、この右側の補給樋23がパチンコ玉で満杯となって第1補給誘導板33a〜33c上にもパチンコ玉が詰まってきたときには、最上流側の第1補給誘導板33aのやや上流側であって第1補給誘導板33a〜33cと逆向きの傾斜階段状に形成される第2補給誘導板35a,35bにパチンコ玉が流れ出し、第2補給樋接続口36に誘導する。この第2補給樋接続口36には、図2においてパチンコ島台の左側の島端に向かって傾斜状に設けられる補給樋23が接続されるものである。
【0023】
上記したように、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉は、まず、優先的に自島の補給樋23に補給されるように振り分けられる。なお、上部タンク22の構造上、上記したように一方の補給樋23が満杯となった後に他方の補給樋23に補給する構造となっているが、玉揚送装置21によって揚送される単位時間当りの揚送量が一方の補給樋23を介して消費される平均的な玉量よりも断然多いので、常時両方の補給樋23にパチンコ玉が補給されている状態となっている。
【0024】
上記したように、両方の補給樋23へのパチンコ玉の補給が十分に行き渡り、段差板32a,32bに玉が満ちて第1優先落下口31からパチンコ玉が落下しなくなると、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉は、堰止板30を乗り越えて樋設置空間26と分流空間27とを区画している区画板に形成される交流樋流出口37から第1交流樋1へ流出する。この第1交流樋1は、前述したようにその末端にシャッター装置3が設けられているので、シャッター装置3が解放しているときには、第1交流樋1を介してベースタンクB1又はB2又はB3にパチンコ玉が移送される。逆に、シャッター装置3が閉じているときには、第1交流樋1内にパチンコ玉が詰まり後述するように従パチンコ島台A2等にパチンコ玉が補給される。なお、シャッター装置3の構造は、後述するシャッター装置116と同じように上部タンク22の交流樋1,2の末端接続部の外側に取り付けられる遮蔽板と該遮蔽板を駆動するモータとから構成されるものである。
【0025】
また、上記のようにシャッター装置3が閉じて第1交流樋1へのパチンコ玉の供給がほぼ滞留した状態においては、前記落下受板29に放出されたパチンコ玉は、図5に示すように、玉揚送装置21の玉出口の下方からオーバーフロー垂直樋38(段差板32a,32bの後方空間に区画形成されている)及び階段状に形成されるオーバーフロー誘導板39a,39bを介してオーバーフロー口40に誘導されるようになっている。このオーバーフロー口40は、ベースタンクB1〜B3へ玉を返却するオーバーフロー返却樋6(図1参照)が接続されるものである。なお、このオーバーフロー返却樋6は、前記樋設置空間25に貫通設置される第2交流樋2及び返却樋4の末端にも接続されており、これらの樋から放出されるパチンコ玉もベースタンクB1〜B3に回収されるものである。
【0026】
以上、主パチンコ島台A1等の構成について説明したが、この主パチンコ島台A1等に設けられる上部タンク22は、自島における各パチンコ機10へのパチンコ玉を最優先に誘導し(図4)、その誘導が必要なくなったときに前記交流樋1へ誘導し(図3)、さらにその誘導が必要なくなったときに主パチンコ島台A1等に設けられる前記ベースタンクB1又はB2又はB3に誘導される(図5)ように構成されていることにより、自島へのパチンコ玉の補給及び従パチンコ島台A2等へのパチンコ玉の供給をスムーズに行うことができる。
【0027】
なお、上記した上部タンク22の説明は、主として主パチンコ島台A1に設けられたものについて説明してきたが、他の主パチンコ島台A5,A4,A8に設けられる上部タンク22も基本的には、同じであるが、樋設置空間25,26に設置される樋の種類と傾斜方向とが図3に示すものと異なるだけである。即ち、図3との比較において、主パチンコ島台A5に設けられる上部タンク22においては、樋設置空間25に設置される樋が第2交流樋2の下流部だけであり、主パチンコ島台A4に設けられる上部タンク22においては、樋設置空間25に設けられるものが第1交流樋1の下流部であって逆傾斜方向であり且つ樋設置空間26に設置される樋が第2交流樋2の上流部であって逆傾斜方向であり、主パチンコ島台A8に設けられる上部タンク22においては、樋設置空間25に設けられるものが返却樋4の下流部及び第1交流樋1の下流部であって共に逆傾斜方向であり且つ樋設置空間26に設けられる樋が第2交流樋2の上流部であり且つ逆傾斜方向のものである。
【0028】
次に、従パチンコ島台A2,A3,A6,A7について図6乃至図17を参照して説明する。まず、従パチンコ島台A2等は、図6に示すように基本的な構成において主パチンコ島台A1等となんら変わるところはなく、異なる点は、前述したように上部タンクの構造、自島に内蔵される下部タンク13の構造(僅かな相違点があるだけである)、及び上部タンクからオーバーフローしたパチンコ玉及び交流樋1,2から供給されたパチンコ玉を下部タンク13へ誘導するための構造、等である。以下、これらの相違点を中心にして従パチンコ島台A2等について説明する。
【0029】
まず、従パチンコ島台A2等に設けられる上部タンクの構造について説明するが、上部タンクの構造は、景品玉返却装置5が設けられている従パチンコ島台A2,A7と、景品玉返却装置5が設けられていない従パチンコ島台A3,A6とは、若干その構造が異なる。即ち、景品玉返却装置5が設けられている従パチンコ島台A2,A7から主パチンコ島台A1,A8に対しては、前記返却樋4が差し渡されるのに対し、景品玉返却装置5が設けられていない従パチンコ島台A3,A6には、返却樋4が差し渡されないものの、これに代わる過剰玉返却小樋53が主パチンコ島台A4,A5との間に差し渡される点である。そこで、まず、景品玉返却装置5が設けられている従パチンコ島台A2,A7の上部タンク41の構造について図7を参照して説明する。なお、図7中、上部タンク22と同じ構成には、同一の符号を付した。また、以下の説明で図7中に付されていない符号を使用する場合があるが、この符号の場合も上部タンク22と同じ構成のものを表すものである。
【0030】
図7において、上部タンク41は、主パチンコ島台A1等に設けられる上部タンク22と同じように、垂直方向に固定される区画板によってその内部を第2交流樋2及び返却樋4の上端を貫通させる樋設置空間25と、第1交流樋1が設置される樋設置空間26と、玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉を順位を付けて振り分ける分流空間27と、玉揚送装置21の上部が貫通設置される揚送装置設置空間28と、に区画されている。そして、揚送装置設置空間28に設置された玉揚送装置21の玉出口が分流空間27に臨んでいる。
【0031】
しかして、玉揚送装置21の玉出口から放出されたパチンコ玉は、分流空間27の上部に水平傾斜状に固定される落下受板29に落下し、その落下受板29の途中に立設固定される背の高い堰止板30aによって堰き止められ、その堰止板30aの上流側側方に形成される第1優先落下口31(図示しない)から下方に落下するようになっている。この第1優先落下口31から落下したパチンコ玉は、段差状に設けられる段差板32a,32bによって勢いを弱められながら階段状に形成される第1補給誘導板33a〜33c(ただし、33aは、図示しない)によって上部タンク41の左右側面の一方に開設される第1補給樋接続口34に誘導される。この第1補給樋接続口34には、図6においてパチンコ島台の右側の島端に向かって傾斜状に設けられる補給樋23が接続されるものである。そして、この右側の補給樋23がパチンコ玉で満杯となって第1補給誘導板33a〜33c上にもパチンコ玉が詰まってきたときには、最上流側の第1補給誘導板33aのやや上流側であって第1補給誘導板33a〜33cと逆向きの傾斜階段状に形成される第2補給誘導板35a,35bにパチンコ玉が流れ出し、第2補給樋接続口36に誘導する。この第2補給樋接続口36には、図6においてパチンコ島台の左側の島端に向かって傾斜状に設けられる補給樋23が接続されるものである。
【0032】
上記したように、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22と同じように、まず、優先的に自島の補給樋23に補給されるように振り分けられる。なお、上部タンク41の構造上、上記したように一方の補給樋23が満杯となった後に他方の補給樋23に補給する構造となっているが、玉揚送装置21によって揚送される単位時間当りの揚送量が一方の補給樋23を介して消費される平均的な玉量よりも断然多いので、常時両方の補給樋23にパチンコ玉が補給されている状態となっている。
【0033】
また、上記したように両方の補給樋23へのパチンコ玉の補給が十分に行き渡り、段差板32a,32bに玉が満ちて第1優先落下口31からパチンコ玉が落下しなくなると、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉は、背の高い堰止板30aよりも低く形成されているオーバーフロー垂直樋38(図示しない)に流出してオーバーフロー誘導板39a,39b(ただし、39aは図示しない)からオーバーフロー口40に導かれ、後述するオーバーフロー通路61を介して下部タンク13に導かれるようになっている。
【0034】
次いで下部タンク13、オーバーフロー通路61、オーバーフロー誘導板39a,39b、及びオーバーフロー垂直樋38がパチンコ玉で満杯となった場合には、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉が背の高い堰止板30aを飛び越えて分流空間27と樋設置空間26とを区画する区画板に開設される交流樋流出口37、及び樋設置空間26と樋設置空間25とを区画する区画板に開設される返却樋流出口43を通って返却樋4に落下するようになっている。返却樋4に落下したパチンコ玉は、返却樋4を転動して主パチンコ島台A1,A8の上部タンク22を貫通してオーバーフロー返却樋6からベースタンクB1,B3に返却される。このような返却は、景品玉返却装置5に遊技客が獲得した多量の景品球が返却されたときに行われるものである。なお、交流樋流出口37と返却樋流出口43とを連通するように返却誘導板42が設けられている。このため、主パチンコ島台22と違って堰止板30aを飛び越して交流樋出口37から流出するパチンコ玉は、樋設置空間26内を貫通する第1交流樋1に落下することなく返却樋4に導かれるようになっている。
【0035】
また、従パチンコ島台A2,A7の上部タンク41には、前述したように第1交流樋1と第2交流樋2とが樋設置空間26,25をそれぞれ貫通しているが、それぞれの交流樋1,2の一側底面に落下口44,46が形成されている。具体的には、樋設置空間26に貫通される第1交流樋1は、前記返却誘導樋42の下方に位置し、その一側底面に落下口44が形成されている。そして、この落下口44は、パチンコ玉の直径より大きいため、第1交流樋1を流下するパチンコ玉が落下口44から溢れ落ちるようになっている。同様に、樋設置空間25に貫通される第2交流樋2は、前記返却樋4の下方に位置し、その一側底面に落下口46が形成されている。この落下口46も、パチンコ玉の直径より大きいため、第2交流樋2を流下するパチンコ玉が落下口46から溢れ落ちるようになっている。しかして、落下口44,46から落下したパチンコ玉は、上部タンク41の下方部に傾斜状に設けられて前記オーバーフロー口40に隣接して形成される交流連通口48に導かれるようになっている。この交流連通口48には、後述するサクション通路62の上端が接続されており、このため、落下口44,46から受け入れられたパチンコ玉は、交流連通口48からサクション通路62を介して下部タンク13に導かれるようになっている。
【0036】
次に、景品玉返却装置5を有さない従パチンコ島台A3,A6に設けられる上部タンク49について、図8乃至図13を参照して説明すると、図8において、上部タンク49は、主パチンコ島台A1等に設けられる上部タンク22と同じように、垂直方向に固定される区画板によってその内部を第2交流樋2を貫通させる樋設置空間25と、第1交流樋1が設置される樋設置空間26と、玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉を順位を付けて振り分ける分流空間27と、玉揚送装置21の上部が貫通設置される揚送装置設置空間28と、に区画されている。そして、揚送装置設置空間28に設置された玉揚送装置21の玉出口が分流空間27に臨んでいる。
【0037】
しかして、玉揚送装置21の玉出口から放出されたパチンコ玉は、分流空間27の上部に水平傾斜状に固定される落下受板29に落下し、その落下受板29の側方に形成される第1優先落下口31から下方に落下するようになっている。なお、落下受板29には、堰止板30,30aに相当する部材が設けられていないので、玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉は、すべて第1優先落下口31から落下するようになっている。そして、この第1優先落下口31から落下したパチンコ玉は、段差状に設けられる段差板32a,32bによって勢いを弱められながら階段状に形成される第1補給誘導板33a〜33c(ただし、33aは、図示しない)によって上部タンク49の左右側面の一方に開設される第1補給樋接続口34に誘導される。この第1補給樋接続口34には、図6においてパチンコ島台の右側の島端に向かって傾斜状に設けられる補給樋23が接続されるものである。そして、この右側の補給樋23がパチンコ玉で満杯となって第1補給誘導板33a〜33c上にもパチンコ玉が詰まってきたときには、最上流側の第1補給誘導板33aのやや上流側であって第1補給誘導板33a〜33cと逆向きの傾斜階段状に形成される第2補給誘導板35a,35bにパチンコ玉が流れ出し、第2補給樋接続口36に誘導する。この第2補給樋接続口36には、図6においてパチンコ島台の左側の島端に向かって傾斜状に設けられる補給樋23が接続されるものである。
【0038】
上記したように、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22と同じように、まず、優先的に自島の補給樋23に補給されるように振り分けられる。なお、上部タンク49の構造上、上記したように一方の補給樋23が満杯となった後に他方の補給樋23に補給する構造となっているが、玉揚送装置21によって揚送される単位時間当りの揚送量が一方の補給樋23を介して消費される平均的な玉量よりも断然多いので、常時両方の補給樋23にパチンコ玉が補給されている状態となっている。
【0039】
また、上記したように両方の補給樋23へのパチンコ玉の補給が十分に行き渡り、段差板32a,32bに玉が満ちて第1優先落下口31からパチンコ玉が落下しなくなると、玉揚送装置21によって研摩揚送されたパチンコ玉は、図9に示すように、オーバーフロー垂直樋38に流出する。そして、その後、図8に示すように、オーバーフロー誘導板39a,39b(ただし、39aは図示しない)からオーバーフロー口40に導かれ、後述するオーバーフロー通路61を介して下部タンク13に導かれるようになっている。
【0040】
次いで下部タンク13、オーバーフロー通路61、オーバーフロー誘導板39a,39bがパチンコ玉で満杯となった場合には、オーバーフロー垂直樋38の下端部寄りに形成される分岐返却口50から誘導板51を介して過剰返却部52に導かれる。この過剰返却部52は、図8に示すように、樋設置空間26に設置され且つ第1交流樋1の真上に設けられるものである。しかして、過剰返却部52に導かれたパチンコ玉は、第1交流樋1の上部に一体的に組み付けられる過剰玉返却小樋53に導かれる。この過剰玉返却小樋53は、従パチンコ島台A3から主パチンコ島台A4に向かって下り傾斜する第1交流樋1の上部、及び従パチンコ島台A6から主パチンコ島台A5に向かって下り傾斜する第2交流樋2の上部に載置して設けられるものであり、過剰玉返却小樋53を流下したパチンコ玉は、ベースタンクB2に返却されるものである。
【0041】
この過剰玉返却小樋53についてより詳細に説明すると、まず、第1交流樋1は、図10に示すように、鋼板製のコ字状に形成される交流樋本体54の上面開放部を合成樹脂製の樋カバー55aで被覆することにより、角筒状の樋として構成されるものである。なお、交流樋本体54への樋カバー55aの装着は、樋カバー55aの下面の両サイドに突設される係合部58aを交流樋本体54の上面開口側辺に係合させることにより極めて簡単に着脱し得るようになっている。上記した構造の第1交流樋1は、図示の実施形態の場合、主パチンコ島台A1と従パチンコ島台A3との間までであり、従パチンコ島台A3と主パチンコ島台A4との間の第1交流樋1には、同じ構造の交流樋本体54にその構成が異なる樋カバー55が被覆されて構成されるものである。また、第2交流樋2の構造も交流樋54と樋カバー55aとから構成されるものである。なお、交流樋本体54の底面(及び過剰玉返却小樋53の底面)には、流下するパチンコ玉による騒音を抑制するために合成樹脂製又はゴム製のマット(図示しない)が貼着されている。
【0042】
しかして、従パチンコ島台A3と主パチンコ島台A4との間の交流樋本体54を被覆する合成樹脂製の樋カバー55は、図11乃至図13に示されるように、その上面中央にコ字状に形成される鋼板製の過剰玉返却小樋53が着脱自在に嵌合(遊嵌でもよい)する小樋嵌合突起56が突設されると共にその両サイドに鋼板製の円弧カバー60を着脱自在に係止するための円弧カバー係止部57が形成されている。このように構成される樋カバー55に対して、小樋嵌合突起56の内側に過剰玉返却小樋53を嵌合させた状態で上方から過剰玉返却小樋53を被覆するように鋼板製の小樋カバー59を覆い、その状態で小樋カバー59を押さえ付けるように円弧カバー60を変形させながら前記円弧カバー係止部57に係止させる。これによって、過剰玉返却小樋53を樋カバー55に取り付け、その取り付けた樋カバー55を交流樋本体54に装着することにより、過剰玉返却小樋53を第1交流樋1と一体的に形成することができる。
【0043】
なお、過剰玉返却小樋53を小樋嵌合突起56に嵌合した後に確実に固定されるように固定具で樋カバー55に固定するようにしてもよい。また、過剰玉返却小樋53の上部を覆う小樋カバー59及び円弧カバー60のうち、いずれか一方を省略してもよい。この場合において、円弧カバー60を省略する場合には、小樋カバー59を樋カバー55に止着するように構成する必要があるので、小樋カバー59を省略することが望ましい。小樋カバー59を省略しても図11に示すように、円弧カバー60で過剰玉返却小樋53の上面を閉塞することができるし、パチンコ島台A3,A4間に差し渡される第1交流樋1の外観も見た目にきれいなものになるという利点がある。また、過剰玉返却小樋53を流下するパチンコ玉を確認することができるように、例えば、小樋カバー59及び円弧カバー60を透明な材質で形成したり、あるいは小樋カバー59及び円弧カバー60の表面に間欠的にスリットを穿設したりしてもよい。
【0044】
ところで、従パチンコ島台A3と主パチンコ島台A4との間に差し渡される第1交流樋1に過剰玉返却小樋53を一体的に形成した理由は、以下の通りである。即ち、前述したように、従パチンコ島台A3のパチンコ玉の貯留量は、常に満たされた状態を維持しているので、例えば、従パチンコ島台A3に設置されるパチンコ機10の打込玉数が多くなると、従パチンコ島台A3における貯留量が過剰な状態となる場合がある。このような過剰な状態を放置しておくと従パチンコ島台A3の内部において、パチンコ玉の円滑な循環が行われなくなるので、従パチンコ島台A3の外部に過剰のパチンコ玉を移送しなければならないが、この移送手段として過剰玉返却小樋53が設けられるものである。そして、この過剰玉返却小樋53は、パチンコ機10の打込玉によって過剰となる分のパチンコ玉を主パチンコ島台A4のベースタンクB2に移送すればよいので、短時間に多量のパチンコ玉を移送する必要のある交流樋1,2や一度に多量に返却されたパチンコ玉を移送する必要のある返却樋4と比べて極めて小さな横幅寸法の角樋で形成されているものである。なお、過剰玉返却小樋53を第1交流樋1とは別体に構成して従パチンコ島台A3と主パチンコ島台A4との間に差し渡しても問題ないが、その取付作業が面倒であると共に美観上煩雑な印象を与えるので、本実施形態のように第1交流樋1と一体的に設けた方が取付作業の簡略化及び美観の向上を図ることができるものである。
【0045】
なお、上記した説明で過剰玉返却小樋53が一体的に形成される交流樋としてパチンコ島台A3とA4との間に差し渡される部分についてだけ説明したが、景品玉返却装置5を有さない従パチンコ島台と主パチンコ島台との間の交流樋には、原則的に過剰玉返却小樋53が差し渡されるので、図示(図1)の実施形態の場合においては、従パチンコ島台A6と主パチンコ島台A5との間の第2交流樋2にもその上部に過剰玉返却小樋53が一体的に形成されるものである。
【0046】
次に、従パチンコ島台A2等の上部タンク41,49からオーバーフローしたパチンコ玉及び交流樋1,2から供給されたパチンコ玉を下部タンク13に誘導するための構造について図14及び図15を参照して説明する。
【0047】
まず、島交流形式の従パチンコ島台A2等においては、交流樋1,2から供給されるパチンコ玉は、従パチンコ島台A2等に受け入れる余地がある限り供給されるものである。しかして、上部タンク41,49からオーバーフローしたパチンコ玉よりも交流樋1,2から供給されたパチンコ玉を優先して下部タンク13に誘導してしまうと、下部タンク13に貯留されたパチンコ玉が玉揚送装置21によって揚送されて遂にオーバーフロー状態となっても交流樋1,2から供給されるパチンコ玉が優先して下部タンク13に供給されるので、オーバーフローしたパチンコ玉がオーバーフロー通路61及びオーバーフロー垂直樋38に詰まってしまい、パチンコ玉の循環が円滑に行えなくなる。このため、島交流形式の従パチンコ島台A2等においては、交流樋1,2から供給されるパチンコ玉よりもオーバーフローしたパチンコ玉を優先して下部タンク13に誘導する必要がある。
【0048】
しかして、従来においては、上部タンク41,49から下部タンク13へのパチンコ玉の返却は、本出願人が先に提案した特開平9−38311号に開示されるように、上部タンク(小箱)から貯留タンクに向かってオーバーフロー用のホース(以下、これをオーバーフローホースという)と他島から供給されたパチンコ玉用のホース(以下、これをサクションホースという)とを別々に接続し、しかも、貯留タンクの内部でサクションホースによって供給されたパチンコ玉よりもオーバーフローホースによって返却されたパチンコ玉を優先して玉揚送装置に誘導するようになっていた。そして、上記したオーバーフローホース及びサクションホースは、共にフレキシビリティのある合成樹脂製の円形ホースの内部に螺旋状の針金を内蔵して補強されたものが使用されていたため、勢いよく落下する多数のパチンコ玉によってホースの湾曲部に短期間に穴が開いてパチンコ玉が外側に溢れ落ちてしまうという欠点があった。また、玉揚送装置への誘導の優先順位を付けるためにオーバーフローホースとサクションホースの下端の貯留タンクに対する相対的な取付位置を正確に取り付けなければならないという欠点があった。
【0049】
上記した従来技術の欠点に対して、本実施形態における従パチンコ島台A2等の上部タンク41,49からオーバーフローしたパチンコ玉及び交流樋1,2から供給されたパチンコ玉を下部タンク13に誘導するための構造は、図14に示すように、上部タンク41,49の前記オーバーフロー口40にその上端が接続されるオーバーフロー通路61と、上部タンク41,49の前記交流連通口48にその上端が接続されるサクション通路62とが隣り合うように木材又は金属板によって構成され、それぞれの通路61,62の下端部において合流するように合流部64が形成されている。合流部64で合流されたそれぞれのパチンコ玉は、誘導路68を介して下部タンク13に導かれる。
【0050】
上記したオーバーフロー通路61とサクション通路62とをより詳細に説明すると、それぞれの通路61,62は、前記玉揚送装置21が設置される空間の一側内部に直線状に固定されるものであり(図6参照)、図示の実施形態の場合、所定の肉厚(例えば、1〜2cm)を有するベニア板等の木材で角筒状(前述したように金属板で角筒状に形成してもよい)にそれぞれ形成し、内部に落下するパチンコ玉の勢いを弱めるために図14に示すように交互に多数の交流板63が突設されている。この交流板63の上面及び各通路61,62の内周面には、玉の落下によって発生する騒音を抑制するためにゴム板又は合成樹脂板が貼付されている。また、各通路61,62の末端は、前述したように連通した合流部64となっているが、その合流部64は、図15に示すように、オーバーフロー通路61を落下してきたパチンコ玉を中央部に向かって誘導する急傾斜面65と、サクション通路62を落下してきたパチンコ玉を中央部に向かって誘導する緩傾斜面66と、急傾斜面65の傾斜下端と緩傾斜面66の傾斜下端との間に形成され且つ各傾斜面65,66によって誘導されたパチンコ玉を前記誘導路68に向かって誘導する合流通路部67と、から構成されている。
【0051】
オーバーフロー通路61とサクション通路62とは、上記したように、所定の肉厚を有する木材や金属板によって直線状に形成されるので、各通路61,62を落下するパチンコ玉が直線的に落下して各通路61,62の内壁の所定の部位に勢いよく衝突することがないため、内壁の所定の部位がパチンコ玉によって破損しにくくなり、また同様に、唯一パチンコ玉の衝撃を強く受ける各通路61,62の下流端部に対しては、各通路61,62の内部に交互に交流板63が突設されて通路61,62を落下するパチンコ玉の落下勢を弱めた後に到達させているので、各通路61,62の下流端がパチンコ玉によって破損しにくくなる。
【0052】
一方、オーバーフロー通路61とサクション通路62の下流端の合流部64は、前述したように、オーバーフロー通路61側の急傾斜面65とサクション通路62の緩傾斜面66とによって構成され、オーバーフロー通路61の急傾斜面65上に乗るパチンコ玉の圧力と、サクション通路62の緩傾斜面66上に乗るパチンコ玉の圧力とは、各傾斜面65,66に沿ってこの合流部64に向けてかかることになる。また、急傾斜面65の傾斜角のほうが緩傾斜面66の傾斜角より大きいので、オーバーフロー通路61の下流端部がパチンコ玉によってある程度充満された状態(なお、サクション通路62は常時パチンコ玉で充満されている)においては、急傾斜面65のパチンコ玉の圧力のほうが、緩傾斜面66のパチンコ玉の圧力より大きくなり、急傾斜面65のパチンコ玉の流れが緩傾斜面66のパチンコ玉の流れを抑え、その結果、オーバーフロー通路61を流下するパチンコ玉のほうが優先的に誘導路68に誘導されて下部タンク13に導かれることとなる。
【0053】
つまり、従パチンコ島台A2等の内部でパチンコ玉が充足している状態においては、上部タンク41,49から流出したパチンコ玉がオーバーフロー通路61の少なくとも下流端部に充満した状態となって優先的に下部タンク13に誘導される一方、サクション通路62から常時充満した状態で供給されているパチンコ玉の誘導路68への流出をオーバーフローしたパチンコ玉の量で抑制するので、従パチンコ島台A2等の内部にパチンコ玉が流入することはなく、パチンコ玉の循環を円滑に行うことができる。なお、サクション通路62からパチンコ玉が流入するのは、オーバーフローするパチンコ玉の量が減少(パチンコ機が大当りとなってパチンコ機等に補給されるパチンコ玉が多くなる場合に発生する)し、オーバーフローするパチンコ玉の量でサクション通路62からのパチンコ玉を抑制できない場合に流入するものである。そして、本実施形態の場合、オーバーフローしたパチンコ玉を優先して玉揚送装置21に供給する構造を下部タンク13の外側の合流部64で行っているので、従来のようにオーバーフローホースやサクションホースの下流端位置を正確に位置決めしなければならないという煩わしい作業からも開放されるものである。
【0054】
以上、従パチンコ島台A2等における上部タンク41,49からオーバーフローしたパチンコ玉を下部タンク13へ戻すための構造について説明してきたが、次に、主パチンコ島台A1等と従パチンコ島台A2等との相違点の1つである下部タンク13の構造について図16及び図17を参照して説明する。この下部タンク13の構造上の相違点は、僅かである。具体的には、主パチンコ島台A1等には、上部誘導樋15が必ずしも必要ではないがベースタンクB1〜B3からのパチンコ玉を受け入れるための流入口18(図2参照)が必要であるのに対し、従パチンコ島台A2等には、上部誘導樋15が必要であるが、ベースタンクB1〜B3からのパチンコ玉を受け入れるための流入口18が必要でない点である。即ち、主パチンコ島台A1等において、交流樋1,2から供給されたパチンコ玉及び上部タンク22からオーバーフローしたパチンコ玉は、オーバーフロー返却樋6を介してベースタンクB1〜B3に返却されるため、交流樋1,2から供給されたパチンコ玉及び上部タンク22からオーバーフローしたパチンコ玉を上部誘導樋15によって下部タンク13の上流側(玉揚送装置21へパチンコ玉を供給するための流出口73の反対側)に搬送する必要がない。これに対し、従パチンコ島台A2等において、交流樋1,2から供給されたパチンコ玉及び上部タンク22からオーバーフローしてサクション通路62及びオーバーフロー通路61によって導かれたパチンコ玉は、上部誘導樋15を介して下部タンク13の上流側に導く必要がある。この必要性については、後に詳述する。また、従パチンコ島台A2等において流入口18が必要でないことは明らかであるが、主パチンコ島台A1等において設けられる流入口18の位置は、図2に示すように、上部誘導樋15の流下端のやや上部であり、これによってベースタンクB1〜B3から供給されるパチンコ玉を下部タンク13の上流側に供給することができるようになっている。
【0055】
しかして、上記した点を除いた下部タンク13の構造は、主パチンコ島台A1等に設置されるものも従パチンコ島台A2等に設置されるものも同じ構造であるので、以下、その共通の構造について説明する。下部タンク13は、上面が開放した直方体状の箱枠によって構成され、その底面に玉揚送装置21の導入樋16に向かって下り傾斜する底板14を有し、その内側上部に底板14と反対方向に傾斜する上部誘導樋15が設けられている。この上部誘導樋15の上流端に前記誘導路68と連通するための誘導路連接口69が形成されている。したがって、前記オーバーフロー通路61及びサクション通路62を流下したパチンコ玉は、誘導路68、誘導路連接口69、及び上部誘導樋15を介して下部タンク13の上流側に誘導される。なお、これらのパチンコ玉は、玉揚送装置21によって研磨揚送されたパチンコ玉であり、汚れが拭き取られたきれいなものであるため、下部タンク13の上流側に貯留しておいてもよく、玉揚送装置21に導かれる優先順位としては、低いパチンコ玉である。
【0056】
一方、下部タンク13内で貯留されるパチンコ玉のうち、玉揚送装置21に導かれる優先順位の高いパチンコ玉は、パチンコ機10等で使用された未研磨のパチンコ玉であり、具体的には、左右のアウト玉回収樋12を介して下部タンク13内に導かれるパチンコ玉である。そこで、以下には、アウト玉を優先的に玉揚送装置21に導くための構造について説明する。下部タンク13の底面一側には、該下部タンク13が設置される側のアウト玉回収樋12の下流端が接続されるアウト玉誘導通路70が間隔保持板77を介して固着されている。アウト玉誘導通路70の下流端は、玉揚送装置21の導入樋16が接続される流出口73に向かって開放されていると共にその開放端から流出するパチンコ玉を流出口73側に誘導する優先板71が設けられている。この優先板71と底板14との間には、間隔が空けてあるが、この間隔から下部タンク13に貯留されているパチンコ玉が流出口73に向けて流下するようになっている。なお、流出口73から間隔保持板77の下流端までの誘導底板14aは、それ以外の底板14よりも僅かに低く形成されている。
【0057】
また、前記誘導路連接口69の下方であって下部タンク13の前面側壁板から前記アウト玉誘導通路70のやや上部に向けて圧抜板72が傾斜状に固定されている。この圧抜板72は、下部タンク13の横幅寸法の全部に亘って横架されるものであり、下部タンク13の内部に多量のパチンコ玉が貯留されたときに、その貯留されたパチンコ玉による圧力が流出口73に向かって流れるパチンコ玉にかからないようにするためのものである。また、圧抜板72の下方には、下部タンク13の前面側壁板との間に所定間隔を有するように区画板74が固定されている。そして、下部タンク13の前面側板と区画板74との間の底面には、流出口73に向かって傾斜する傾斜板75が固定されている。区画板74は、その後面側(上流側)において貯留されるパチンコ玉を前記間隔保持板77との間から優先板71の下部に導くと共に、その前面側(下流側)において前記連絡樋17(図2及び図6参照)から転動するアウト玉を連絡樋接続口76から傾斜板75に導いて流出口73の直前位置に導くものである。なお、下部タンク13の前面側壁板には、上記した誘導路連接口69、連絡樋接続口76、流出口73が開設されるが、誘導路連接口69は、一側上部に開設され、連絡樋接続口76は、誘導路連接口69の下方であって傾斜板75のやや上方位置に開設され、流出口73は、他側下部に開設されるものである。
【0058】
上記のように構成される下部タンク13において、オーバーフローしたパチンコ玉及び他の島から供給されたパチンコ玉は、上部誘導樋15又は流入口18を介して上流側の底板14上に放出されて下部タンク13の貯留空間に貯留される。一方、アウト玉回収樋12を転動してきたパチンコ玉は、アウト玉誘導通路70及び傾斜板75を介して流出口73の直前位置に放出される。しかして、下部タンク13の貯留空間に貯留されるパチンコ玉(貯留玉ともいう)とアウト玉との関係において、図17に示すように、アウト玉誘導通路70を転動してきたアウト玉は、優先板71の先端から区画板74と間隔保持板77との間であって優先板71の下部から流出する貯留玉の上方を覆うように落下する。このため、アウト玉誘導通路70からのアウト玉が貯留玉の下方への転動を阻止するような状態となるので、アウト玉誘導通路70を流下するアウト玉が優先して流出口73に導かれることになる。一方、傾斜板75を転動するアウト玉も傾斜板75の末端位置と誘導底板14aとの間に所定の段差が生ずるように形成されているので、誘導底板14aを流下するパチンコ玉の上方を覆うように落下する。このため、傾斜板75を落下するアウト玉が誘導底板14aを転動するパチンコ玉の下方への転動を阻止するような状態となるので、傾斜板75を転動落下するアウト玉が優先して流出口73に導かれることとなる。このように、オーバーフローしたパチンコ玉及び他の島から供給された研磨済のパチンコ玉よりも未研磨のアウト玉を優先して流出口73に導いた後、導入樋16から玉揚送装置21に供給して研磨揚送するようにしているので、汚れたパチンコ玉が長期間に亘って下部タンク13内に停滞することがない。
【0059】
以上、島交流形式における主パチンコ島台A1等と従パチンコ島台A2等の詳細について説明したが、次にこの島交流形式において重要な構成要素であるベースタンクB1〜B3について、図18及び図19を参照して説明する。ベースタンクB1〜B3は、上面が開放した直方体状に合板又は金属板で形成され、その底板80が中央に向かって下り傾斜し、その中央傾斜底面部に前記下部タンク13に接続される流入樋20が設けられている。流入樋20の上部には、貯留されたパチンコ玉がスムーズに流入樋20に流れ出るように圧抜板81が横幅方向に差し渡されている。なお、図示の流入樋20は、ベースタンクの中央側壁から左右に出るように中央で山形となっているが、これは、ベースタンクB2,B3のように左右の主パチンコ島台にパチンコ玉を返却する形式のものを図示したからであり、ベースタンクB1のように1つの主パチンコ島台A1だけにパチンコ玉を供給するものにあっては、流入樋20が一方の側壁から外側に出るように形成すれば良い。
【0060】
また、ベースタンクB1〜B3の貯留空間82は、前述したように極めて多くのパチンコ玉(100万個〜200万個)を貯留する容積を有するので、貯留空間82にほぼ満杯のパチンコ玉が貯留されたときには、側壁に相当の圧力を受けるため、補強部材83,84によってベースタンクB1〜B3の側壁が補強されている。具体的には、ベースタンクB1〜B3の外側面には、金属製補強外周部材84が上下2つ設けられ、そのうち、上方の補強外周部材84には、貯留空間82を横方向に貫通する金属製の補強杆83が差し渡され、下方の補強外周部材84は、ボルトによってベースタンクB1〜B3の外周側壁に固着されている。また、ベースタンクB1〜B3の上方には、前記オーバーフロー返却樋6によって返却されるパチンコ玉や、交流樋1,2によって移送されたパチンコ玉をベースタンクB1〜B3の両端部に誘導するように互いに異なる方向に傾斜状に設けられる上部誘導板85及び下部誘導板86が設けられている。この上部誘導板85及び下部誘導板86は、貯留空間82に横架される載置横杆87上に固定されることにより設けられるものである。また、上部誘導板85は、上方の両サイドに傾斜状に設けられるものであり、オーバーフロー返却樋6又は交流樋1,2によって返却されたパチンコ玉を直接的に受け止めてその傾斜方向に誘導し、その誘導途中で落下したパチンコ玉を下部誘導板86で受け止めて逆方向に誘導するものである。
【0061】
更に、ベースタンクB1〜B3の内部には、その側壁中央部に貯留空間82に貯留される玉量を検出する玉量センサ88a〜88hが設けられている。具体的には、玉量センサ88a〜88d(これを玉量センサS2〜S5と略称する場合もある)が下部位置から順に高さが異なるように列状に取り付けられ、同じく玉量センサ88e〜88h(これを玉量センサS6〜S9と略称する場合もある)が上部位置から順に高さが異なるように列状に取り付けられる。ただし、玉量センサS6〜S9は、玉量センサS2〜S5のそれぞれの間隔のほぼ中間となるように設置される。そして、このような設置位置において、玉量センサは、少なくともいずれか一方の列の玉量センサが機能するようにしておけば良いし、よりきめ細かな制御をする場合に両方の列の玉量センサが機能するようにしておけば良い。なお、この第一実施形態においては、玉量センサS2〜S9及び前記貯留タンク13の玉量センサS1のうち、玉量センサS1が玉不足センサとして使用され、玉量センサS2が下限センサとして使用され、玉量センサS3が下限回復センサとして使用され、玉量センサS5が玉超過センサとして使用され、玉量センサS4が上限センサとして使用されて、センサからの検出信号に基づいてベースタンクB1〜B3内の貯留量が常時不足しないようにシャッター装置3を開放制御するものであるが、その制御は、主パチンコ島台A1等の内部に設けられる制御基板89(図2参照)によって自動制御されるものである。そして、この制御基板89には、自島に関連するベースタンクに設けられる玉量センサS1〜S5からの信号と、左右両隣のベースタンクに設けられる玉量センサS1〜S5からの信号が入力されるようになっている。具体的な制御については、後に詳述する。
【0062】
以上、説明した図1乃至図19に示すパチンコ島台A1〜A9は、複数のパチンコ島台を1つのブロックとして交流樋1,2でパチンコ玉の搬送を行う島交流形式と言われるものであったが、この島交流形式の玉移送装置は、玉の移送をパチンコ玉が自然流下する第1交流樋1及び第2交流樋2とを用いて行っているので、コンベア等でパチンコ玉を搬送する玉移送装置と比べて構造が簡単であり、また、第1交流樋1及び第2交流樋2が隣り合う主パチンコ島台A1等の上部タンク22間に掛け渡されているので、移送すべきパチンコ玉を双方向に且つ直接的に移動することができるため、隣り合うベースタンク間で玉の貯留量レベルに差が生じた際、同一貯留量レベルとなることに対して迅速に対応することができるものである。
【0063】
次に、パチンコ玉の搬送を隣り合うパチンコ島台同志で行うアーチ形式と言われるパチンコ島台について図20乃至図23を参照して説明する。図20は、図1とは異なる玉移送装置を用いた場合の本発明の第二実施形態に係る複数のパチンコ島台C1〜C4の関係を示す全体概略図であり、図21は、図20に示すパチンコ島台C1〜C4の内部構造を示す正面図であり、図22は、そのパチンコ島台C1〜C4に設けられる上部タンク92及び交流タンク93の側面図であり、図23は、その上部タンク92と交流タンク93における玉の流れを説明するための斜視図である。なお、図21及び図22中、図1に示す構成と同じ構成には、同一の符号を付した。また、本発明における上部タンクは、第二実施形態において上部タンク92及び交流タンク93によって構成されている。
【0064】
まず、アーチ形式のパチンコ島台C1〜C4と島交流におけるパチンコ島台A1〜A9との間の大きな相違点は、アーチ形式のパチンコ島台C1〜C4の夫々の内部にベースタンクに相当する大きなパチンコ玉貯留タンク90(図20参照)が設けられており(この意味で各パチンコ島台C1〜C4は、第一実施形態の主パチンコ島台A1等に相当する)、そのパチンコ玉貯留タンク90間の貯留量を調整するために各パチンコ島台C1〜C4の上部に上部タンク92とは別に玉移送装置が差し渡される交流タンク93が設けられている点である。それ以外のパチンコ島台C1〜C4にパチンコ機10、アウト玉箱11、アウト玉回収樋12、玉揚送装置21、補給樋23、玉貸機24、景品玉返却装置5が設けられる点は、島交流のパチンコ島台A1〜A9の構造と変わらない。ただし、アーチ形式のパチンコ島台C1〜C4の多くは、それぞれ景品玉返却装置5が単独で設けられており、その位置も図21に示すように玉揚送装置21に隣り合うパチンコ機10に代えて取り付けられるものである。むろん、パチンコ機10に代えることなく島端に景品玉返却装置5がそれぞれ設けられていてもよい。以下、アーチ形式のパチンコ島台C1〜C4において特徴のあるパチンコ玉貯留タンク90の構造、上部タンク92及び交流タンク93を含む玉移送装置の構造について主として説明する。
【0065】
パチンコ島台C1〜C4の下部にパチンコ玉貯留タンク90が設けられるが、このパチンコ玉貯留タンク90は、図21に示すように、玉揚送装置21の両サイドに2つのパチンコ玉貯留タンク90a,90bとして設けられている。このパチンコ玉貯留タンク90a,90bには、多量のパチンコ玉を貯留することができる程大きく形成される。具体的には、パチンコ玉貯留タンク90a又は90bの貯留部に貯留されるパチンコ玉数は、当該パチンコ島台C1〜C4に設置される複数のパチンコ機10の各種の遊技状態に十分対処し得る程度(例えば、各20〜25万個ずつ)の大きさに設計される。
【0066】
また、パチンコ玉貯留タンク90a,90bには、上部タンク92からオーバーフローしたパチンコ玉及び交流タンク93から流入する交流玉を下部に還流するオーバーフロー通路123,124が接続されている。オーバーフロー通路123,124は、玉揚送装置21の隣接空間を利用する形で設けられた直方体状のボックスによって形成され、その内部が分岐仕切によって縦方向に仕切られている。この分岐仕切によってオーバーフロー玉及び交流玉を優先的に導く優先オーバーフロー通路123と、該優先オーバーフロー通路123が満杯となったときに溢れ出る非優先オーバーフロー通路124とが区画されている。なお、このオーバーフロー通路123,124の内側には、落下する打玉の勢いを弱めるための流下板が段差状に交互に設けられている。
【0067】
しかして、上部タンク92からオーバーフローしたパチンコ玉及び交流タンク93から流入する交流玉は、優先オーバーフロー通路123に優先的に導かれ、その優先オーバーフロー通路123が満杯となったときに非優先オーバーフロー通路124に溢れ出るようになっている。そして、優先オーバーフロー通路123及び非優先オーバーフロー通路124は、左側のパチンコ玉貯留タンク90a(以下、優先パチンコ玉貯留タンク90aという場合がある)及び右側のパチンコ玉貯留タンク90b(以下、非優先パチンコ玉貯留タンク90bという場合がある)にそれぞれ連通するようになっている。このように、本実施形態においては、オーバーフロー機構を従来のフレキシブルパイプに代えてボックス状に構成したので、還流されるパチンコ玉による騒音の発生を極めて小さくすることができると共に、還流機能だけでなく相当量のパチンコ玉(本実施形態においては、約2〜3万個)を貯留する貯留機能もあるので、従来使用されていなかった空間を利用してパチンコ島台C1〜C4内部における貯留空間として有効に利用し得る。なお、図21においては、オーバーフロー通路123,124が玉揚送装置21よりも手前側に描かれているが、これは、オーバーフロー通路123,124の構造を詳細に示すためであって実際にはオーバーフロー通路123,124は、玉揚送装置21よりも奥側に形成されている。
【0068】
また、パチンコ玉貯留タンク90a,90bの内側側壁には、それぞれ貯留玉量を検出するための複数の玉量センサ125(図20参照)が設けられている。本出願人らの実験によれば、パチンコ玉貯留タンク90a,90b内のパチンコ玉の貯留変化は、各パチンコ玉貯留タンク90a,90bの上流側から滞留するものであることが分かった。このため、図21に示すように、複数の玉量センサ125a〜125iは、ほぼ水平方向の直線状に配置し、優先パチンコ玉貯留タンク90aの上流側に配された玉量センサ125a(以下、玉量センサS1という場合がある)で貯留量の下限を検出する一方、非優先パチンコ玉貯留タンク90bの下流側に配された玉量センサ125e(以下、玉量センサS5という場合がある)で貯留量の上限を検出する構成としている。そして、これら玉量センサ125a〜125iの検出信号に基づいて、玉移送装置の後述するシャッター装置116の開閉制御を行って、複数のパチンコ島台C1〜C4の玉貯留量の均等化を図るようになっている。この均等化を図る制御を実行するものは、玉移送装置によって連結される2つのパチンコ島台C1とC2のいずれか一方、パチンコ島台C2とC3のいずれか一方、パチンコ島台C3とC4のいずれか一方の内部に設けられる制御基板89である。なお、玉移送装置の開閉制御を行うためには、図示の玉量センサ125a〜125iのうち、優先パチンコ玉貯留タンク90aに設けられる玉量センサ125a,125bと、非優先パチンコ玉貯留タンク90bに設けられる玉量センサ125c,125d,125eを使用すれば十分であるが、きめ細かな開閉制御を行うためには、それらの玉量センサ125a〜125eの間に配置される玉量センサ125f〜125iを使用すれば良い。
【0069】
ここで、パチンコ玉貯留タンク90a,90bの内部構造を図21に基づいて簡単に説明する。なお、優先パチンコ玉貯留タンク90aと非優先パチンコ玉貯留タンク90bとは、若干異なる構造となっているが、同一機能を有する構成部材については同一の符号を付している。パチンコ玉貯留タンク90a,90bは、オーバーフロー通路123,124から受け入れた玉を上部樋126で流下させて玉揚送装置21に向けて傾斜される底面上に上流側から順次貯留し、この貯留した玉を玉揚送装置21の導入樋16に導いている。ただし、玉揚送装置21の導入樋16が非優先パチンコ玉貯留タンク90bの底面と対向する方向に向けて配置されているので、優先パチンコ玉貯留タンク90aに貯留された玉は、優先パチンコ玉貯留タンク90aの底面に連通される下部連絡樋128から小型還元機91に導かれ、この小型還元機91によって非優先パチンコ玉貯留タンク90bに供給されるものである。
【0070】
また、優先パチンコ玉貯留タンク90a内には、前記アウト玉回収樋12に連通されるアウト玉誘導内部樋127が形成されており、このアウト玉誘導内部樋127を流下するアウト玉が連絡樋17を介して非優先パチンコ玉貯留タンク90bに送り込まれる。このように、優先パチンコ玉貯留タンク90aは、受け入れたパチンコ玉を直接的に玉揚送装置21に導出するのではなく、小型還元機91又は連絡樋17を介して非優先パチンコ玉貯留タンク90bに送り込む。即ち、第二実施形態のパチンコ島台C1〜C4では、パチンコ玉貯留タンク90a,90bで受け入れたパチンコ玉をパチンコ玉貯留タンク90b側から一括して玉揚送装置21に導く構成となっている。このように、玉揚送装置21の導入樋16を一方のパチンコ玉貯留タンク90b方向だけに向けたのは、玉揚送装置21への玉の流入をスムーズにして玉揚送装置21の揚送能力を十分に発揮させるためであると共に、パチンコ島台C1〜C4の島幅が狭くなるように形成するためである。
【0071】
更に、優先パチンコ玉貯留タンク90aにおいて、非優先パチンコ玉貯留タンク90bに連絡される連絡樋が上下2つ設けられる理由としては、上部のアウト玉誘導内部樋127に連絡される上部連絡樋17が、使用されて汚れたパチンコ玉を優先パチンコ玉貯留タンク90a内に貯留することなく優先的に玉揚送装置21に導くために、比較的高い位置、具体的には、非優先パチンコ玉貯留タンク90bの底面よりも高い位置に設ける必要がある。そうでないと、アウト玉誘導内部樋127を流下するアウト玉を非優先パチンコ玉貯留タンク90b側まで自然流下させることができない。一方、優先パチンコ玉貯留タンク90aの底面をアウト玉誘導内部樋127の高さ位置に一致させれば、優先パチンコ玉貯留タンク90aに貯留されるパチンコ玉も上部連絡樋17を介して非優先パチンコ玉貯留タンク90b側に自然流下させることができるが、底面の位置が高くなるので、その分優先パチンコ玉貯留タンク90a内の貯留量が減少するという欠点がある。このため、優先パチンコ玉貯留タンク90aの底面の高さ位置を低くして貯留量を増加せしめ、底面に連通する下部連絡樋128を小型還元機91に接続し、該小型還元機91によって非優先パチンコ玉貯留タンク90bに送るようになっている。
【0072】
次に、第二実施形態に係るパチンコ島台C1〜C4間に差し渡される玉移送装置の詳細な構造について説明する。玉移送装置は、前述した交流タンク93と、交流タンク93から隣り合うパチンコ島台C1〜C4の交流タンク93に向けて緩やかに傾斜接続される交流上部樋118と、隣り合うパチンコ島台C1〜C4の交流タンク93からの交流玉を交流タンク93の下部に受け入れるアーチ状の交流下部アーチ樋119と、シャッター装置116とから構成されているが、まず、交流タンク93及びこの交流タンク93に密接に関連する上部タンク92について図22及び図23を参照して説明する。
【0073】
上部タンク92は、その上部一側に前記玉揚送装置21によって揚送された玉を受け入れる玉入口が形成されたボックス状に構成され、その内部が分岐垂直板96によって分流空間94とオーバーフロー空間95とに分岐形成されている。分流空間94は、前記玉入口から流入するパチンコ玉が最初に入る空間であり、その分流空間94に入ったパチンコ玉は、交互に内側に向かって傾斜するように設けられる段差板97a〜97cによって下方に勢いを弱められながら落下し、分流空間94の底面を構成する階段状底面板98から上部タンク92の一側側壁に開設される補給出口99に導かれる。この補給出口99は、パチンコ島台C1〜C4の中央より一側(図21の右側)に列設されるパチンコ機10及び台間玉貸機に玉を補給する補給樋23が接続されるものである。
【0074】
また、階段状底面板98の上部に設けられる段差板97cの分岐垂直板96側には、上部タンク92の他側側壁に向かって傾斜する下部誘導側板100が設けられ、その下部誘導側板100の先端部に対応する位置に交流タンク93との間に差し渡される補給連絡筒102が接続されている。そして、補給連絡筒102の下流端は、交流タンク93の受入口111に接続され、その受入口111とパチンコ島台C1〜C4の中央より他側(図21の左側)に列設されるパチンコ機10及び台間玉貸機に玉を補給する補給樋23とが接続されるものである。
【0075】
また、最上部の段差板97aの分岐垂直板96側には、上部タンク92の他側側壁に向かって傾斜する上部誘導側板101が設けられ、その上部誘導側板101の先端部に対応する位置に交流タンク93との間に差し渡される交流連絡筒103が接続されている。なお、上部誘導側板101の上部には、ストッパー板101aが固着されているが、これは、玉入口から流入した玉であって段差板97a及び上部誘導側板101を伝った玉が交流連絡筒103から流出しないように確実に下方部へ誘導し、上部誘導側板101まで溢れてきた玉だけを交流連絡筒103に流出させるためのものである。
【0076】
一方、上記した上部誘導側板101のやや上方には、分岐垂直板96の上端が位置するが、その分岐垂直板96によって分岐されるオーバーフロー空間95にも交互に内側に向かって傾斜する段差板104a〜104dが設けられている。この段差板104a〜104dは、分岐垂直板96の上端からオーバーフローした玉の勢いを弱めながら下方に導くものであり、最下部の段差板104dが前方に突出してオーバーフロー誘導樋105の底面を構成している。そして、このオーバーフロー誘導樋105の流下端が前記優先オーバーフロー通路123に連通している。なお、オーバーフロー空間95に設けられる段差板104a〜104cの上面には、落下する玉の衝撃を弱めるための部材(ゴム,合成樹脂等)が貼付されているが、これらの部材を分流空間94に設けられる段差板97a〜97cや階段状底面板98に貼付しても良い。
【0077】
上記のように構成される上部タンク92においては、玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉が玉入口から分流空間94に導かれ、その後、段差板97a〜97c及び階段状底面板98から補給出口99に最優先で導かれて一側の補給樋23に供給される。その一側の補給樋23で使用されるパチンコ玉の個数よりも玉揚送装置21によって揚送される個数の方が断然多いので、分流空間94に流入した玉は、即座に貯留されて溜り、その溜った玉が、まず、段差板97c及び下部誘導側板100から補給連絡筒102、及び交流タンク93を介して他側の補給樋23に供給される。上記した左右の補給樋23で使用されるパチンコ玉の個数よりも揚送される個数の方が断然多いので、分流空間94には、さらにパチンコ玉が溜り、その溜った玉が、上部の段差板97a及び上部誘導側板101に導かれ且つストッパー板101aを飛び越えて交流連絡筒103に流出して交流タンク93に導かれる。交流タンク93に導かれた玉は、後述するように交流上部樋118を介して隣り合うパチンコ島台C1〜C4に補給されるようになっているが、この補給個数は、第二実施形態における玉移送装置にあっては最大6,000個/分(一方の交流上部樋118だけで3,000個/分であるが、左右2つあるため)である。しかして、上記した左右の補給樋23及び交流タンク93への補給個数の合計よりも揚送される個数の方が多いので、分流空間94には、さらにパチンコ玉が溜り、その溜った玉が、分岐垂直板96の上端を飛び越え、オーバーフロー空間95に流出し、オーバーフロー誘導樋105からオーバーフロー通路123,124に導かれるようになっている。
【0078】
つまり、第二実施形態においては、玉揚送装置21が正常な揚送能力(15,000個/分)で玉を揚送している限り、左右の補給樋23及び交流タンク93への補給が最大値に達している状態でも、常時オーバーフロー空間95からオーバーフロー通路123,124に導かれて玉が循環していることとなる。
【0079】
一方、上記した上部タンク92に連通される交流タンク93は、直方体ボックス状のほぼ中央よりやや上部の水平方向に設けられる分岐水平板108によって送給空間106と受給空間107とに分岐され、送給空間106に臨むように受入口109と送給口110とが開設されている。受入口109は、前記交流連絡筒103の下流端が接続されるものであり、送給口110は、受入口109が形成される側壁と隣り合う左右の側壁にそれぞれ形成されるものであると共に、後述する交流上部樋118の上流端が接続されるものである。しかして、送給空間106には、受入口109から受け入れたパチンコ玉を送給口110に導くための通路が形成されている。また、送給口110の外側には、前記したように交流上部樋118が接続されるが、その送給口110と交流上部樋118との間には、シャッター装置116が取り付けられている。このシャッター装置116は、図22に示すように、モータ117と、該モータ117によって昇降動作される昇降板とから構成されている。そして、このシャッター装置116は、自島のパチンコ玉貯留タンク90a,90bに設けられる玉量センサS1〜S9や、隣り合う他島のパチンコ玉貯留タンク90a,90bに設けられる玉量センサS1〜S9からの信号に基づいて開閉駆動制御されるものである。この点については、後に詳述する。
【0080】
また、上記した受給空間107には、受入口111と補給出口(補給樋23の上流端が接続される口;図示しない)と受給口114とが臨むようになっている。受入口111は、前記補給連絡筒102の下流端が接続されるものであり、その受入口111と対面する側壁下部に図示しない補給出口が形成されている。そして、受入口111と補給出口とを連絡するように受給空間107内には、一対の区画板112が立設され、受入口111から受け入れたパチンコ玉を補給出口へのみ導くようになっている。なお、一対の区画板112によって構成される空間には、その底面に補給出口に向かって下り傾斜する傾斜底面113が設けられ、また、補給出口の上部に段差板113aが逆傾斜状に設けられており、受入口111から受け入れたパチンコ玉を一旦段差板113aで受け止めて勢いを弱め、その後、傾斜底面113によって補給出口から排出するものである。また、一対の区画板112の外側の空間には、前記受給口114が臨んでいる。受給口114の外側には、交流下部アーチ樋119の末端が接続固定されるものであり、交流下部アーチ樋119から受け入れたパチンコ玉を区画板112の外側空間に受け入れ、その後、底面を構成する底板115の中央に形成された落下口115aから交流タンク93の外側に排出する。落下口115aから放出されたパチンコ玉は、図21に示すように、前記オーバーフロー通路123,124の優先オーバーフロー通路123に導かれるようになっている。
【0081】
上部タンク92及び交流タンク93の構成は、概ね上記した構成を有するものであり、それらのタンク92,93は、1つのタンクカバー122(図21参照)によって被覆されている。
【0082】
次に交流タンク93に差し渡される交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119について説明する。交流上部樋118は、交流タンク93の前記送給口110にその一端が接続固定されるものであり、その他端が隣り合うパチンコ島台C1〜C4間のほぼ中央の交流部121に向かって緩傾斜するように形成されている。したがって、交流上部樋118は、隣り合うパチンコ島台C1〜C4の交流タンク93からそれぞれ固定延設されていることとなる。一方、交流下部アーチ樋119は、隣り合う交流タンク93の前記受給口114にその両端部が接続固定される円弧状の1個の樋によって構成され、その円弧頂上部分で左右から延設される交流上部樋118の他端と連通する交流部121となっている。そして、この交流部121において、左上の交流上部樋118から流れてきたパチンコ玉が右下の交流下部アーチ樋119に導かれ、右上の交流上部樋118から流れてきたパチンコ玉が左下の交流下部アーチ樋119に交差状に導かれるようになっている。
【0083】
なお、上記した交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119は、それぞれ上面が開放した断面コ字状の金属製の樋部材の内周に半硬質ウレタン等の素材を貼着したものに、軟質ウレタン材が貼着された蓋カバー板をその上面から被覆することにより、全体として断面長方形状の筒材として構成されて消音効果を発揮するものである。更に、交流下部アーチ樋119の流下端(受給口114の直前)には、センサ120が設けられており、このセンサ120によって交流玉の流下状況やシャッター装置116の故障等を監視している。なお、上記した各ウレタン材の下にゴムや合成樹脂を貼付して吸振性を良くしても良い。また、センサ120の取付位置は、他の位置、例えば、交流上部樋118の上流端(シャッター装置116の近傍)部分であっても良い。
【0084】
しかして、以上説明した第二実施形態においては、隣り合う交流タンク93間に交流下部アーチ樋119を差し渡し、その交流下部アーチ樋119の交流部121と交流タンク93との間に交流上部樋118を差し渡し、交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119の内部をパチンコ玉が流下するようにしたので、直線状に形成された交流上部樋118がアーチ状に形成された交流下部アーチ樋119のアーチ構造により下方から支持されて十分な強度を確保することができ、交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119の中にパチンコ玉が滞留しても、その重みで捩じれたり撓んだりすることがない。したがって、従来のように別に用意した支持部材で交流樋を支持する必要もなく、構造が簡単となり美観上も好ましいものとなる。なお、第二実施形態に係る構造においては、交流下部アーチ樋119のいずれかの箇所又はその下流側で玉詰まりが生じて交流下部アーチ樋119を玉が逆流した場合には、玉を送り出した側の交流タンク93に交流下部アーチ樋119を介して逆流するため、交流下部アーチ樋119の全体が玉で満たされることはなく、その分荷重は少なくて済む。また、交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119を構成する部材として薄い材質のものを使用しても、アーチ構造のために十分な強度を得ることができ、全体的にコストダウンを図ることができる。
【0085】
また、交流下部アーチ樋119は、緩傾斜状に設けられる交流上部樋118から交差状に受け入れたパチンコ玉をほぼ水平方向に延びる円弧状部でその速度を弱め徐々に速度を増すように誘導するので、従来のように直線状に誘導する傾斜交流樋に比べて流下するパチンコ玉の流下勢を弱めることができ、パチンコ玉の流下音を低減させることができる。
【0086】
なお、上記した実施形態における玉移送装置は、上部タンク92と交流タンク93とを別々に設けたものを示したが、これらを1つのタンクで形成して内部を本実施形態の上部タンク92及び交流タンク93と似た構造となるように仕切ることにより、1つとすることもできる。
【0087】
以上、本発明に対応するパチンコ島台の2つの実施形態について説明してきたが、第一実施形態に係るパチンコ島台A1〜A9の玉移送装置(島交流)も第二実施形態に係るパチンコ島台C1〜C4の玉移送装置(アーチ交流)も、前述したように、玉移送装置によって連結されたパチンコ玉貯留タンク(ベースタンクB1〜B3,パチンコ玉貯留タンク90;以下、単にパチンコ玉貯留タンクという)が備えられるパチンコ島台のいずれかに設けられる制御手段としての制御基板89によって制御されるものであるが、その制御基板89とパチンコ玉貯留タンクに設けられる玉量センサS1〜S5(ただし、第一実施形態の玉量センサS1は、下部タンク13に設けられている)との関係は、図24に示すようになっている。図24は、制御基板89とパチンコ玉貯留タンクに設けられる玉量センサS1〜S5との関係を示す概念図である。これについて簡単に説明すると、制御基板89は、パチンコ玉貯留タンクを備えて玉移送装置によって連結されるパチンコ島台のいずれか1台に設けられ、この制御基板89には、パチンコ島台に備えられたパチンコ玉貯留タンクのすべての玉量センサS1〜S5が接続されている。なお、B2(C2の90)の玉量センサS1〜S5とB1(C1の90)の玉量センサS1〜S5及びB3(C3の90)の玉量センサS1〜S5とは、それぞれ対応している。したがって、1つの制御基板89は、全体を制御するものであり、自島のパチンコ玉貯留タンクと玉移送装置で連結されたパチンコ島台のパチンコ玉貯留タンクとの間でそのパチンコ玉の貯留量レベルを比較しながら、所定の制御を行うものである。なお、図24においては、制御基板89と玉量センサS1〜S5の接続を二点鎖線で示し、また、第1交流樋1と第2交流樋2の途中から下方に向けた二点鎖線の矢印は、第一実施形態における従パチンコ島台A2等へのパチンコ玉の補給を示し、括弧付きの符号は、第二実施形態の構成要素に対応するものである。また、記号tは、後述するフロー図において、各パチンコ玉貯留タンクを識別するための識別番号であり、パチンコ玉貯留タンクB1(C1の90)から順にt=1,2,3・・と、付与されるものである。
【0088】
しかして、上記のように接続される制御基板89は、図25乃至図31に示すフロー図に従って相互のパチンコ玉貯留タンクB1〜B3又は90の貯留量を制御する。そこで、以下、図25乃至図31を参照してその貯留量制御について説明する。図25は、実施形態における玉移送装置の制御を示すメインフロー図であり、図26は、図25のメインフロー図中のステップ3のサブルーチンを示すフロー図であり、図27及び図28は、図26のフロー図中のステップ23のサブルーチンを示すフロー図であり、図29は、図25のメインフロー図中のステップ4のサブルーチンを示すフロー図であり、図30及び図31は、図29のフロー図中ステップ55のサブルーチンを示すフロー図である。
【0089】
図25において、開店時に電源が投入されると、ステップ1では、詳しくは後述するが、各パチンコ玉貯留タンクを識別するために用いるt及び下限比較制御判定のために用いるフラグFL,FRが0として初期設定される。更に、玉移送装置に設置されるすべてのシャッター装置が閉塞される。続いてステップ2では、tに初期値の0が代入されてt=1となり、図24におけるパチンコ玉貯留タンクB1,C1の90(以下、貯留タンク(1))について、ステップ3の上限貯留量制御及びステップ4の下限貯留量制御が実行される。ステップ5では、パチンコ玉貯留タンクの識別番号tが、設置されるパチンコ玉貯留タンクの数Nと一致しているかどうかを判別する。この場合、t=1であるため、Nの設定数が1でなければ、ステップ5で「NO」と判別され、ステップ2に戻ってtの値が2となり、パチンコ玉貯留タンクB2,C2の90(以下、貯留タンク(2))についてステップ3の上限貯留量制御及びステップ4の下限貯留量制御が実行される。そして、t=Nになるまでこの処理が繰り返されてt=Nになるとステップ5で「YES」と判別される。ステップ5で「YES」と判別されたときには、tの値が0になり、ステップ2に戻って再びパチンコ玉貯留タンクt=1についてステップ3の上限貯留量制御及びステップ4の下限貯留量制御が実行される。なお、パチンコ玉貯留タンクが3台の場合、N=3であり、貯留タンク(1),貯留タンク(2),貯留タンク(3)の順に上限貯留量制御及び下限貯留量制御が繰り返し実行されることとなる。
【0090】
ステップ3の上限貯留量制御サブルーチンは、パチンコ玉貯留タンクの貯留量が増加した場合の処理を実行するものであり、図26に示される。また、ステップ4の下限貯留量制御サブルーチンは、パチンコ玉貯留タンクの貯留量が減少した場合の処理を実行するものであり、図29に示される。以下、上限貯留量制御について説明する。なお、説明するにあたりt=2とする。
【0091】
図26において、ステップ21では、貯留タンク(2)の玉超過センサS5がONか否か、即ち、貯留タンク(2)が満杯状態か否かを判別する。ステップ21で「YES」と判別されたとき、即ち、貯留タンク(2)が満杯状態であるときには、ステップ22で貯留タンク(2)の左右に位置する左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))から貯留タンク(2)へのシャッター装置を閉塞すると共に、貯留タンク(2)の玉超過警告表示を行う。これにより、貯留タンク(1,3)から貯留タンク(2)へパチンコ玉を移送し得ない状態にすると共に、貯留タンク(2)が満杯状態であることを報知する。そして、ステップ22を実行した後、後述するステップ23の上限比較制御のサブルーチンを実行する。一方、ステップ21で「NO」と判別されたときには、ステップ25で貯留タンク(2)の玉超過警告表示を解除した後、ステップ26で貯留タンク(2)の上限センサS4がONか否かを判別する。ステップ26で「YES」と判別されたとき、ステップ23に進み、ステップ26で「NO」と判別されたとき、即ち、貯留量が上限センサS4に達していないときには、ステップ23の上限比較制御を実行することなく上限貯留量制御サブルーチンを終了する。つまり、各貯留タンク(1,2,3…)において、上限センサS4(玉超過センサS5)がONの場合にS23の上限比較制御が行われることになる。
【0092】
次に、上限比較制御について図27及び図28を参照して説明する。図27において、ステップ31で、貯留タンク(2)に対して左貯留タンク(貯留タンク(1))が有る「YES」と判断され、ステップ32で貯留タンク(1)の玉超過センサS5がONしていない「NO」と判断され、ステップ33で貯留タンク(1)の上限センサS4がONしていない「NO」と判別された場合には、ステップ34で貯留タンク(2)から貯留タンク(1)へのシャッター(シャッター装置3又はシャッター装置116)が開放され、貯留タンク(2)から貯留タンク(1)に向けて玉が移送される。同様に、図28において、ステップ41で貯留タンク(2)に対して右貯留タンク(貯留タンク(3))が有る「YES」と判別され、ステップ42で貯留タンク(3)の玉超過センサS5がONしていない「NO」と判別され、ステップ43で貯留タンク(3)の上限センサS4がONしていない「NO」と判別された場合には、ステップ44で貯留タンク(2)から貯留タンク(3)へのシャッター(シャッター装置3又はシャッター装置116)が開放され、貯留タンク(2)から貯留タンク(3)に向けて玉が移送される。つまり、貯留タンクの上限センサS4がONする(ステップ21,26参照)と、この貯留タンクの貯留量レベルを下げるために、上限センサS4がONしていない貯留タンクに向けて玉が移送されることになる。
【0093】
そして、上述の処理を終えた後、ステップ47で、貯留タンク(2)の上限センサS4がOFFするか、又は後述するが、貯留タンク(2)からのすべてのシャッター、つまり、貯留タンク(2)から左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))に向けて玉を移送するためのシャッター装置が閉塞されているか否かが判別され、「NO」の場合、図27のステップ31に戻り、「YES」の場合、この上限比較制御のサブルーチンを抜け、図26のステップ24で貯留タンク(2)から貯留タンク(1,3)に向けて玉を移送するためのシャッター装置を閉塞し、上限貯留量制御のサブルーチンを抜け、図25のメインルーチンに戻る。そして、詳しくは後述するステップ4の下限貯留量制御を行い、下限貯留量制御が終わると、ステップ2でtが1つ加算され、貯留タンク(3)について、前述したのと同様に、上限貯留量制御及び上限比較制御が行われる。
【0094】
一方、ステップ31で左貯留タンク(貯留タンク(1))が無い「NO」と判別された場合(例えば、貯留タンク(1)に対する左貯留タンクは無い)、及びステップ32で貯留タンク(1)の玉超過センサS5がONしている「YES」と判別された場合、つまり、この状態は、貯留タンク(1)が貯留タンク(2)からの玉の移送を受け付けることができない状態なので、ステップ36で貯留タンク(2)から貯留タンク(1)へのシャッター装置を閉塞し、貯留タンク(2)から貯留タンク(1)に向けての玉の移送を停止する。同様に、図28において、ステップ41で右貯留タンク(貯留タンク(3))が無い「NO」と判別された場合、及びステップ42で貯留タンク(3)の玉超過センサS5がONしている「YES」と判断された場合、つまり、この状態は、貯留タンク(3)が貯留タンク(2)からの玉の移送を受け付けることができない状態なので、ステップ46で貯留タンク(2)から貯留タンク(3)へのシャッター装置を閉塞し、貯留タンク(2)から貯留タンク(3)に向けての玉の移送を停止して、ステップ47に移る。なお、ステップ47において、貯留タンク(t)からのすべてのシャッター閉塞とは、前述したように、ステップ36及び46において、貯留タンク(t)から左右貯留タンクへのシャッターが共に閉塞された状態をいう。
【0095】
次に、ステップ33,43で「YES」と判別された場合、つまり、左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))の上限センサS4がONの場合を説明する。通常、パチンコ玉の全体量は、すべてのパチンコ玉が各貯留タンク(1,2,3)に返却された場合に、各貯留タンクの上限センサS4がOFFになるような量になっている。そして、ステップ33,43で「YES」と判別されるような状態、つまり、例えば、貯留タンク(2)と貯留タンク(1)の上限センサS4が共にONになる状態は、貯留タンク(2)と貯留タンク(1)に対して、これら貯留タンク以外の貯留タンク(例えば、貯留タンク(3))のパチンコ玉が偏って返却されるような場合に起こる。
【0096】
そして、ステップ33で「YES」と判別されると、ステップ35で左貯留タンク(貯留タンク(1))と貯留タンク(2)の優先順位が判別され、貯留タンク(1)より貯留タンク(2)が優先される場合(「YES」)には、ステップ34で貯留タンク(2)から貯留タンク(1)へ玉が移送できるようシャッターが開放される。また、ステップ35で貯留タンク(1)より貯留タンク(2)が優先されない場合(「NO」)には、ステップ36で貯留タンク(2)から貯留タンク(1)へ玉が移送できないようシャッターが閉塞される。同様に、ステップ43で「YES」と判別されると、ステップ45で右貯留タンク(貯留タンク(3))と貯留タンク(2)の優先順位が判別され、貯留タンク(3)より貯留タンク(2)が優先されると場合(「YES」)には、ステップ44で貯留タンク(2)から貯留タンク(3)へ玉が移送できるようシャッターが開放される。また、ステップ45で貯留タンク(3)より貯留タンク(2)が優先されない場合(「NO」)には、ステップ46で貯留タンク(2)から貯留タンク(3)へ玉が移送できないようシャッターが閉塞される。
【0097】
つまり、隣り合う貯留タンクの上限センサS4が共にONになるような状態のときは、優先順位の高い貯留タンクから優先順位の低い貯留タンクに向けて玉が移送されることになる。なお、このような優先順位は、予め設定されているものであり、例えば、返却装置からの返却玉が多くなるような貯留タンクの優先順位が高く設定されており、優先順位の高い貯留タンクに対する返却玉に備えて、この貯留タンクの玉量を予め減らしておくための処理である。なお、優先順位の低い貯留タンクの玉量は、更に増加することになるが、玉量が玉超過センサS5を超えるようであれば、前述したステップ32,42及びステップ36,46により、優先順位の高い貯留タンクから優先順位の低い貯留タンクへのシャッターが閉塞され玉の移送を停止する。また、前述したように、パチンコ玉の全体量は、すべてのパチンコ玉が各貯留タンクに返却された場合には、各貯留タンクの上限センサS4がOFFになるような量になっており、上限センサS4がONする貯留タンクが複数発生したとしても、各貯留タンクについて上限貯留量制御及び上限比較制御を繰り返し行うことで、上限センサS4がONする貯留タンクの玉が上限センサS4がOFFする貯留タンクに向けて移送され、最終的には、すべての上限センサS4がOFFすることになる。
【0098】
次に、下限貯留量制御について説明する。なお、説明するにあたり、前述と同様にt=2として説明する。
【0099】
図29において、ステップ51で貯留タンク(2)の下限回復センサS3がONしていない「NO」と判別され、ステップ52で貯留タンク(2)の下限センサS2がONしていない「NO」と判別され、ステップ53で貯留タンク(2)の玉不足センサS1がONしていない「NO」と判別されたとき、即ち、貯留タンク(2)が玉不足状態であるときには、ステップ54で貯留タンク(2)から左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))へのシャッター装置を閉塞すると共に、貯留タンク(2)玉不足警告表示を行う。これにより、貯留タンク(2)から左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))へパチンコ玉を移送し得ない状態にすると共に、貯留タンク(2)が玉不足状態であることを報知する。そして、ステップ54を実行した後、後述するステップ55の下限比較制御を実行する。また、ステップ53で貯留タンク(2)の玉不足センサS1がONしている「YES」と判別されたときには、ステップ54を実行することなく、同様に、後述するステップ55の下限比較制御を実行する。
【0100】
一方、ステップ51で「YES」と判別されたときには、ステップ57で貯留タンク(2)のフラグFL,FR(後述する)を0にした後、ステップ58で貯留タンク(2)の玉不足警告表示を解除した後、ステップ55の下限比較制御を実行することなく下限貯留量制御サブルーチンを終了する。また、ステップ52で「YES」と判別されたときには、同様にステップ58で貯留タンク(2)の玉不足警告表示を解除した後、ステップ55の下限比較制御を実行することなく下限貯留量制御サブルーチンを終了する。つまり各貯留タンク(1,2,3…)において、下限センサS2(下限回復センサS3)がONでない場合に、ステップ55の下限比較制御が行われることになる。
【0101】
次に、ステップ55の下限比較制御について図30及び図31を参照して説明する。図30において、ステップ61で貯留タンク(2)に対して左貯留タンク(貯留タンク(1))が有る「YES」と判別され、ステップ62で貯留タンク(1)の玉不足センサS1がONしている「YES」と判別され、ステップ63で貯留タンク(1)のフラグFR=0(後述する)である「YES」と判別され、ステップ64で貯留タンク(1)の下限センサS2がONしている「YES」と判別された場合には、ステップ65で貯留タンク(1)から貯留タンク(2)へのシャッター(シャッター装置3又はシャッター装置116)が開放され、貯留タンク(1)から貯留タンク(2)に向けて玉が移送される。同様に、図31において、ステップ71で貯留タンク(2)に対して右貯留タンク(貯留タンク(3))が有る「YES」と判別され、ステップ72で貯留タンク(3)の玉不足センサS1がONしている「YES」と判別され、ステップ73で貯留タンク(3)のフラグFL=0(後述する)であると判別され、ステップ74で貯留タンク(3)の下限センサS2がONしている「YES」と判別され場合には、ステップ75で貯留タンク(3)から貯留タンク(2)へのシャッター(シャッター装置3又はシャッター装置116)が開放され、貯留タンク(3)から貯留タンク(2)に向けて玉が移送される。つまり、貯留タンクの下限センサS2がONしていない(ステップ52,53参照)と、この貯留タンクの貯留量レベルを上げるために、下限センサS2がONしている貯留タンクから玉が移送されることになる。
【0102】
そして、上述の処理を終えた後、ステップ79で、貯留タンク(2)の下限センサS2がONするか、又は後述するが、左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))からのすべてのシャッター、つまり、貯留タンク(1,3)から貯留タンク(2)に向けて玉を移送するためのシャッター装置が閉塞されているか否かが判別され、「NO」の場合、図30のステップ61に戻り、「YES」の場合、この下限比較制御のサブルーチンを抜け、図29のステップ56で貯留タンク(1,3)から貯留タンク(2)に向けて玉を移送するためのシャッター装置を閉塞し、下限貯留量制御のサブルーチンを抜け、図25のメインルーチンに戻る。そして、ステップ2でtが1つ加算され、処理が繰り返される。
【0103】
一方、図30において、ステップ61で左貯留タンク(貯留タンク(1))がない「NO」と判別された場合(例えば、貯留タンク(1)に対する左貯留タンクはない)、ステップ62で貯留タンク(1)の玉不足センサS1がONしていない「NO」と判別された場合、及びステップ63で貯留タンク(1)のフラグFR=0(後述する)でない「NO」と判別された場合、つまり、この状態は、貯留タンク(1)から貯留タンク(2)に向けて玉が移送できない状態なので、ステップ68で貯留タンク(1)から貯留タンク(2)へのシャッターを閉塞し、貯留タンク(1)から貯留タンク(2)に向けての玉の移送を停止する。同様に、図31において、ステップ71で右貯留タンク(貯留タンク(3))がない「NO」と判別された場合、ステップ72で貯留タンク(3)の玉不足センサS1がONしていない「NO」と判別された場合、及びステップ73で貯留タンク(3)のフラグFL=0(後述する)でない「NO」と判別された場合、つまり、この状態は、貯留タンク(3)から貯留タンク(2)に向けて玉が移送できない状態なので、ステップ78で貯留タンク(3)から貯留タンク(2)へのシャッターを閉塞し、貯留タンク(3)から貯留タンク(2)に向けての玉の移送を停止して、ステップ79に移る。なお、ステップ79において、左右貯留タンクからのすべてのシャッター閉塞とは、前述したように、ステップ68及び78において、左右貯留タンクから貯留タンク(t)へのシャッターが共に閉塞された状態をいう。
【0104】
次に、ステップ64,74で「NO」と判別された場合、つまり、左右貯留タンク(貯留タンク(1,3))の下限センサS2がOFFの場合を説明する。なお、この状態は、貯留タンク(2)及び貯留タンク(1,3)の玉量が共に少ない状態であり、例えば、多数のパチンコ機が大当りして景品玉としてのパチンコ玉が、貯留タンクの外に排出されたときに起こる。
【0105】
そして、ステップ64で「NO」と判別されると、ステップ66で左貯留タンク(貯留タンク(1))と貯留タンク(2)の優先順位が判別され、貯留タンク(1)より貯留タンク(2)が優先される場合(「YES」)には、ステップ67で貯留タンク(2)のフラグFLが1とされ、そして、ステップ65で貯留タンク(1)から貯留タンク(2)へ玉が移送できるようシャッターが開放される。また、ステップ66で貯留タンク(1)より貯留タンク(2)が優先されない場合(「NO」)には、ステップ68で貯留タンク(1)から貯留タンク(2)へ玉が移送できないようシャッターが閉塞される。同様に、ステップ74で「NO」と判別されると、ステップ76で右貯留タンク(貯留タンク(3))と貯留タンク(2)の優先順位が判別され、貯留タンク(3)より貯留タンク(2)が優先される場合(「YES」)には、ステップ77で貯留タンク(2)のフラグFRが1とされ、そして、ステップ75で貯留タンク(3)から貯留タンク(2)へ玉が移送できるようシャッターが開放される。また、ステップ76で貯留タンク(3)より貯留タンク(2)が優先されない場合(「NO」)には、ステップ78で貯留タンク(3)から貯留タンク(2)へ玉が移送できないようシャッターが閉塞される。
【0106】
つまり、隣り合う貯留タンクの下限センサS2が共にOFFになるような状態のときは、優先順位の低い貯留タンクから優先順位の高い貯留タンクに向けて玉が移送されることになる。なお、このような優先順位は、前述と同様に予め設定されているものであり、例えば、人気があって遊技客が多くなり、出玉が多くなるパチンコ機が設置されているようなパチンコ島台の貯留タンクの優先順位が高く設定されており、この人気のあるパチンコ機から排出される景品玉に備えて、貯留タンクの玉量を予め増やしておくための処理である。なお、優先順位の低い貯留タンクの玉量は、更に減少することになるが、玉量が玉不足センサS1を下回るようであれば、前述したステップ62,68及びステップ72,78により優先順位の低い貯留タンクから優先順位の高い貯留タンクへのシャッターが閉塞され玉の移送を停止する。
【0107】
以下、フラグFL及びフラグFRについて説明する。例えば、t=2であり、貯留タンク(2)と貯留タンク(3)の下限センサS2が共にOFFになるような状態の場合、前述のステップ76の処理を行うことになるが、ステップ76で右貯留タンク(貯留タンク(3))より貯留タンク(2)が優先されると判別されると、ステップ77で貯留タンク(2)のフラグFRが1とされ、ステップ75で貯留タンク(3)から貯留タンク(2)へのシャッターが開放され、貯留タンク(3)から貯留タンク(2)へ向けて玉が移送されて、ステップ79に移る。そして、前述したように、ステップ79で「YES」と判別されて貯留タンク(2)における下限比較制御のサブルーチンを終え、図25に示すメインルーチンに戻ると、続いてt=3となり、貯留タンク(3)に関しての制御が行われることになる。そして、貯留タンク(3)の下限センサS2は引き続きOFFしているので、図29のステップ52で「NO」と判別され、ステップ53(及びステップ54)を経て、ステップ55の下限比較制御を行うことになる。
【0108】
ここで、貯留タンク(3)に対する左貯留タンクは貯留タンク(2)であり(ステップ61で「YES」)、貯留タンク(2)の玉不足センサS1はONであり(ステップ62で「YES」)、更に、前述したように貯留タンク(2)のフラグFRは1であるので、ステップ63で「NO」と判別されて、ステップ68において、貯留タンク(2)から貯留タンク(3)へのシャッターが閉塞される。つまり、貯留タンク(3)の下限センサS2がOFFしているにも関わらず、貯留タンク(2)から玉が移送されることはない。これは、隣り合う貯留タンクの下限センサS2が共にOFFになるような状態のとき、優先順位が低い貯留タンク(貯留タンク(3))から優先順位が高い貯留タンク(貯留タンク(2))に向けて一旦玉が移送された後に、優先順位が高い貯留タンクから優先順位が低い貯留タンクに向けて玉が移送されてしまうのを防止するため、つまり、貯留タンク間で玉が行ったり来たりするのを防止するためである。なお、景品玉としてのパチンコ玉が返却されたり、パチンコ機に対する打ち込み玉の増加により、貯留タンク(2)の貯留量レベルが下限回復センサS3まで回復すれば、ステップ51で「YES」と判別され、ステップ57でフラグFRは0となり、貯留タンク(2)から貯留タンク(3)への玉の移送が可能となる。なお、フラグFLに関しては、例えば、貯留タンク(1)と貯留タンク(2)との関係において、前述と同様の役割を果たすものであり、説明は省略する。
【0109】
以上、実施形態に係るパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置について詳細に説明してきたが、本実施形態においては、複数のパチンコ島台A1〜A9に関連して設けられる複数のパチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3の相互間に玉移送装置としての第1交流樋1,第2交流樋2,シャッター装置3を介してパチンコ玉を移送することによりそれぞれのパチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3に貯留される玉量を制御する玉量制御装置において、前記パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3のそれぞれは、玉の貯留量レベルを検出する複数のセンサS1〜S5(ただし、S1は、パチンコ島台A1,A4の内部に設けられる下部タンク13に取り付けられている)を設けると共に、その複数のセンサS1〜S5は、玉の貯留量レベルが上限であることを検出する上限センサS4と、玉の貯留量レベルが下限であることを検出する下限センサS2と、を有し、前記複数のパチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3に予め優先順位を設定し、前記上限センサS4からの検出出力が導出されたときであって隣り合う他のパチンコ玉貯留タンクの前記上限センサS4からも検出出力が導出されているときに、優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するようにし、前記下限センサS2からの検出出力が導出されたときであって隣り合う他のパチンコ玉貯留タンクの前記下限センサS2からも検出出力が導出されているときに、優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するようにしたことを特徴とするものである。このように制御することにより、隣り合うパチンコ玉貯留タンクの上限センサS4が共に検出出力を導出したとしても、優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクに向けて玉を移送することができるので、貯留量が増加しやすいパチンコ玉貯留タンク、例えば、景品玉返却装置5を有するパチンコ玉貯留タンクの優先順位を高く設定しておけば、このパチンコ玉貯留タンクの貯留量を優先して減少させることができ、景品玉の返却に備えることができる。また、隣り合うパチンコ玉貯留タンクの下限センサS2が共に検出出力を導出したとしても、優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクに向けて玉を移送することができるので、貯留量が減少しやすいパチンコ玉貯留タンク、例えば、遊技客が多くなるパチンコ機10を備えるパチンコ島台A1〜A9のパチンコ玉貯留タンクの優先順位を高く設定しておけば、このパチンコ玉貯留タンクの貯留量を優先して増加させることができ、パチンコ機10の出玉に備えることができる。
【0110】
また、本実施形態においては、前記優先順位の設定は、変更できることを特徴とするものである。このように構成することにより、例えば、景品玉返却装置5の設置位置やパチンコ島台A1〜A9に列設されるパチンコ機10の機種の変更等に対して簡単に対応することができる。
【0111】
また、本実施形態においては、前記玉移送装置は、前記パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3,90a,90bを有するパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9,C1〜C4の上部に設けられた上部タンク22,交流タンク93間に交差状に掛け渡され一方の上部タンク22,交流タンク93から他方の上部タンク22,交流タンク93に向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第1の交流樋としての第1交流樋1,交流上部樋118,交流下部アーチ119及び他方の上部タンク22から一方の上部タンク22に向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第2の交流樋としての第2交流樋2,交流上部樋118,交流下部アーチ119と、その開放時に前記第1交流樋1,交流上部樋118,交流下部アーチ119におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第1交流樋1,交流上部樋118,交流下部アーチ119におけるパチンコ玉の流下を停止する第1シャッター装置としてのシャッター装置3,116及びその開放時に前記第2交流樋2におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第2交流樋2におけるパチンコ玉の流下を停止する第2シャッター装置としてのシャッター装置3,116と、から構成され、前記第1シャッター装置及び第2シャッター装置を開閉駆動制御することにより玉を移送するようにしたを特徴とするものである。このように構成することにより、玉の移送をパチンコ玉が自然流下する第1交流樋1,第2交流樋2,交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119とを用いて行っているので、コンベア等でパチンコ玉を搬送する玉移送装置と比べて構造が簡単であり、また、第1交流樋1,第2交流樋2,交流上部樋118及び交流下部アーチ樋119がパチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3,90a,90bを有するパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9,C1〜C4の上部タンク22,交流タンク93間に掛け渡されているので、移送すべきパチンコ玉を双方向に且つ直接的に移動することができるため、パチンコ玉の移送を迅速に行うことができる。
【0112】
また、本実施形態においては、前記パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3,90a,90bを有するパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9,C1〜C4に設けられる上部タンク22,交流タンク93は、自島における各パチンコ機へパチンコ玉を最優先に誘導し、その誘導が必要なくなったときに前記第1交流樋1又は第2交流樋2又は交流上部樋118,交流下部アーチ樋119へ誘導し、さらにその誘導が必要なくなったときに前記パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3,90a,90bに誘導されるように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、自島へのパチンコ玉の補給及び玉移送装置で連結されたパチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9,C1〜C4へのパチンコ玉の供給をスムーズに行うことができる。
【0113】
更に、本実施形態においては、前記複数のパチンコ島台A1〜A9は、前記パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3を有する主パチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9と、2つの主パチンコ島台の間に位置して前記パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3を有さない従パチンコ島台A2,A3,A5,A6,A7と、からなり、前記2つの主パチンコ島台には、その上部タンク22間に前記第1交流樋1と第2交流樋2とが交差状に掛け渡される一方、前記従パチンコ島台A2,A3,A5,A6,A7は、その上部タンク41,49に貫通する前記第1交流樋1と第2交流樋2からそれぞれパチンコ玉を受け入れるように形成されると共に、受け入れたパチンコ玉を当該従パチンコ島台A2,A3,A5,A6,A7の内部に設けられる下部タンク13に導くように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、パチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3を有さない従パチンコ島台A2,A3,A5,A6,A7に2本の第1交流樋1及び第2交流樋2によってパチンコ玉貯留タンクB1,B2,B3を有する主パチンコ島台A1,A4,A5,A8,A9からパチンコ玉が常時供給されるため、従パチンコ島台A2,A3,A5,A6,A7で玉不足が生じるということを防止することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては、複数のパチンコ島台に関連して設けられる複数のパチンコ玉貯留タンクの相互間に玉移送装置を介してパチンコ玉を移送することによりそれぞれのパチンコ玉貯留タンクに貯留される玉量を制御する玉量制御装置において、前記パチンコ玉貯留タンクのそれぞれは、玉の貯留量レベルを検出する複数のセンサを設けると共に、その複数のセンサは、玉の貯留量レベルが上限であることを検出する上限センサと、及び/又は玉の貯留量レベルが下限であることを検出する下限センサと、を有し、前記複数のパチンコ玉貯留タンクに予め優先順位を設定し、前記上限センサからの検出出力が導出されたときであって隣り合う他のパチンコ玉貯留タンクの前記上限センサからも検出出力が導出されているときに、優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するように、及び/又は前記下限センサからの検出出力が導出されたときであって隣り合う他のパチンコ玉貯留タンクの前記下限センサからも検出出力が導出されているときに、優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するようにしたことを特徴とするものである。このように制御することにより、隣り合うパチンコ玉貯留タンクの上限センサが共に検出出力を導出したとしても、優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクに向けて玉を移送することができるので、貯留量が増加しやすいパチンコ玉貯留タンク、例えば、景品玉返却装置を有する貯留タンクの優先順位を高く設定しておけば、このパチンコ玉貯留タンクの貯留量を優先して減少させることができ、景品玉の返却に備えることができる。また、隣り合うパチンコ玉貯留タンクの下限センサが共に検出出力を導出したとしても、優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクに向けて玉を移送することができるので、貯留量が減少しやすい貯留タンク、例えば、遊技客が多くなるパチンコ機を備えるパチンコ島台の貯留タンクの優先順位を高く設定しておけば、このパチンコ玉貯留タンクの貯留量を優先して増加させることができ、パチンコ機の出玉に備えることができる。
【0115】
また、請求項2の発明においては、前記優先順位の設定は、変更できることを特徴とするものである。このように構成することにより、例えば、景品玉返却装置の設置位置やパチンコ島台に列設されるパチンコ機の機種の変更に対して簡単に対応することができる。
【0116】
また、請求項3の発明においては、前記玉移送装置は、前記パチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台の上部に設けられた上部タンク間に交差状に掛け渡され一方の上部タンクから他方の上部タンクに向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第1の交流樋及び他方の上部タンクから一方の上部タンクに向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第2の交流樋と、その開放時に前記第1の交流樋におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第1の交流樋におけるパチンコ玉の流下を停止する第1シャッター装置及びその開放時に前記第2の交流樋におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第2の交流樋におけるパチンコ玉の流下を停止する第2シャッター装置と、から構成され、前記第1シャッター装置及び第2シャッター装置を開閉駆動制御することにより玉を移送するようにしたことを特徴とするものである。このように構成することにより、玉の移送をパチンコ玉が自然流下する第1交流樋及び第2交流樋とを用いて行っているので、コンベア等でパチンコ玉を搬送する玉移送装置と比べて構造が簡単であり、また、第1交流樋及び第2交流樋がパチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台の上部タンク間に掛け渡されているので、移送すべきパチンコ玉を双方向に且つ直接的に移動することができるため、玉の移送を迅速に行うことができる。
【0117】
また、請求項4の発明においては、前記パチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台に設けられる上部タンクは、自島における各パチンコ機へパチンコ玉を最優先に誘導し、その誘導が必要なくなったときに前記第1の交流樋又は第2の交流樋へ誘導し、さらにその誘導が必要なくなったときに前記パチンコ玉貯留タンクに誘導されるように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、自島へのパチンコ玉の補給及び玉移送装置で連結されたパチンコ島台へのパチンコ玉の供給をスムーズに行うことができる。
【0118】
更に、請求項5の発明においては、前記複数のパチンコ島台は、前記パチンコ玉貯留タンクを有する主パチンコ島台と、2つの主パチンコ島台の間に位置して前記パチンコ玉貯留タンクを有さない従パチンコ島台と、からなり、前記2つの主パチンコ島台には、その上部タンク間に前記第1の交流樋と第2の交流樋とが交差状に掛け渡される一方、前記従パチンコ島台は、その上部タンクに貫通する前記第1の交流樋と第2の交流樋からそれぞれパチンコ玉を受け入れるように形成されると共に、受け入れたパチンコ玉を当該従パチンコ島台の内部に設けられる下部タンクに導くように構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、パチンコ玉貯留タンクを有さない従パチンコ島台に2本の第1交流樋及び第2交流樋によってパチンコ玉貯留タンクを有する主パチンコ島台からパチンコ玉が常時供給されるため、従パチンコ島台で玉不足が生じるということを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態における複数のパチンコ島台とそれに関連して設けられるパチンコ玉貯留タンクとしてのベースタンク、及び玉移送装置との関係を示す全体概略図である。
【図2】ベースタンクに隣り合って設けられるパチンコ島台の内部構造を示す正面図である。
【図3】ベースタンクに隣り合って設けられるパチンコ島台の上部に設けられる上部タンクの作用を示す斜視図である。
【図4】同じく、ベースタンクに隣り合って設けられるパチンコ島台の上部に設けられる上部タンクの作用を示す斜視図である。
【図5】同じく、ベースタンクに隣り合って設けられるパチンコ島台の上部に設けられる上部タンクの作用を示す斜視図である。
【図6】ベースタンクに隣り合わないパチンコ島台の内部構造を示す正面図である。
【図7】ベースタンクに隣り合わないパチンコ島台の上部に設けられる上部タンクの作用を示す斜視図である。
【図8】ベースタンクに隣り合わないパチンコ島台の上部に設けられる上部タンクの作用を示す斜視図である。
【図9】その上部タンクにおけるオーバーフローしたパチンコ玉の流下状態を説明するための斜視図である。
【図10】玉移送装置を構成する交流樋の基本的な構造を示す斜視図である。
【図11】交流樋のうち一部のパチンコ島台間に差し渡される交流樋の斜視図である。
【図12】交流樋の分解斜視図である。
【図13】交流樋の一部破断斜視図である。
【図14】ベースタンクに隣接しないパチンコ島台の上部タンクと島内の下部タンクとを連通するオーバーフロー通路及びサクション通路の構造を示す概略図である。
【図15】オーバーフロー通路及びサクション通路の下部の合流部の構造を示す拡大図である。
【図16】各パチンコ島台の内部に設けられる下部タンクの斜視図である。
【図17】下部タンクに貯留される玉の流れを説明するための斜視図である。
【図18】ベースタンクの斜視図である。
【図19】ベースタンクの内部構造を示す斜視図である。
【図20】図1とは異なる玉移送装置を用いた場合の第二実施形態に係る複数のパチンコ島台の関係を示す全体概略図である。
【図21】図20に示すパチンコ島台の内部構造を示す正面図である。
【図22】そのパチンコ島台の上部に設けられる上部タンク及び交流タンクの側面図である。
【図23】その上部タンクと交流タンクにおける玉の流れを説明するための斜視図である。
【図24】制御基板とパチンコ玉貯留タンクに設けられる玉量センサとの関係を示す概念図である。
【図25】図25は、実施形態における玉移送装置の制御を示すメインフロー図である。
【図26】図25のメインフロー図中のステップ3のサブルーチンを示すフロー図である。
【図27】図26のフロー図中のステップ23のサブルーチンを示すフロー図である。
【図28】図26のフロー図中のステップ23のサブルーチンを示すフロー図である。
【図29】図25のメインフロー図中のステップ4のサブルーチンを示すフロー図である。
【図30】図29のフロー図中ステップ55のサブルーチンを示すフロー図である。
【図31】図29のフロー図中ステップ55のサブルーチンを示すフロー図である。
【符号の説明】
A1〜A9 パチンコ島台
B1〜B3 ベースタンク(パチンコ玉貯留タンク)
1 第1交流樋(玉移送装置)
2 第2交流樋(玉移送装置)
3 シャッター装置(玉移送装置)
13 下部タンク
19 玉量センサ(下限センサS1)
22 上部タンク
41 上部タンク
44 落下口
46 落下口
49 上部タンク
88a〜88h 玉量センサ
90a,90b 貯留タンク(パチンコ玉貯留タンク)
125a〜125i 玉量センサ
Claims (5)
- 複数のパチンコ島台に関連して設けられる複数のパチンコ玉貯留タンクの相互間に玉移送装置を介してパチンコ玉を移送することによりそれぞれのパチンコ玉貯留タンクに貯留される玉量を制御する玉量制御装置において、
前記パチンコ玉貯留タンクのそれぞれは、玉の貯留量レベルを検出する複数のセンサを設けると共に、その複数のセンサは、玉の貯留量レベルが上限であることを検出する上限センサと、及び/又は玉の貯留量レベルが下限であることを検出する下限センサと、を有し、
前記複数のパチンコ玉貯留タンクに予め優先順位を設定し、
前記玉量制御装置は、前記複数のパチンコ玉貯留タンクのうち、任意のパチンコ玉貯留タンクの前記上限センサからの検出出力が導出されたときであって、該任意のパチンコ玉貯留タンクに前記玉移送装置によって連結されている隣り合うパチンコ玉貯留タンクの前記上限センサからも検出出力が導出されているときに、前記任意のパチンコ玉貯留タンクと前記隣り合うパチンコ玉貯留タンクとの優先順位を比較し、その比較結果のみに基づいて優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するように、及び/又は前記複数のパチンコ玉貯留タンクのうち、任意のパチンコ玉貯留タンクの前記下限センサからの検出出力が導出されたときであって、該任意のパチンコ玉貯留タンクに前記玉移送装置によって連結されている隣り合うパチンコ玉貯留タンクの前記下限センサからも検出出力が導出されているときに、前記任意のパチンコ玉貯留タンクと前記隣り合うパチンコ玉貯留タンクとの優先順位を比較し、その比較結果のみに基づいて優先順位の低いパチンコ玉貯留タンクから優先順位の高いパチンコ玉貯留タンクへ向けて玉を移送するように前記玉移送装置を駆動制御するようにしたことを特徴とするパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置。 - 前記優先順位の設定は、変更できることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置。
- 前記玉移送装置は、前記パチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台の上部に設けられた上部タンク間に交差状に掛け渡され一方の上部タンクから他方の上部タンクに向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第1の交流樋及び他方の上部タンクから一方の上部タンクに向けてパチンコ玉が流下するように傾斜する第2の交流樋と、その開放時に前記第1の交流樋におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第1の交流樋におけるパチンコ玉の流下を停止する第1シャッター装置及びその開放時に前記第2の交流樋におけるパチンコ玉の流下を許容すると共にその閉鎖時に第2の交流樋におけるパチンコ玉の流下を停止する第2シャッター装置と、から構成され、
前記第1シャッター装置及び第2シャッター装置を開閉駆動制御することにより玉を移送するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置。 - 前記パチンコ玉貯留タンクを有するパチンコ島台に設けられる上部タンクは、自島における各パチンコ機へパチンコ玉を最優先に誘導し、その誘導が必要なくなったときに前記第1の交流樋又は第2の交流樋へ誘導し、さらにその誘導が必要なくなったときに前記パチンコ玉貯留タンクに誘導されるように構成されていることを特徴とする請求項3記載のパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置。
- 前記複数のパチンコ島台は、前記パチンコ玉貯留タンクを有する主パチンコ島台と、2つの主パチンコ島台の間に位置して前記パチンコ玉貯留タンクを有さない従パチンコ島台と、からなり、
前記2つの主パチンコ島台には、その上部タンク間に前記第1の交流樋と第2の交流樋とが交差状に掛け渡される一方、
前記従パチンコ島台は、その上部タンクに貫通する前記第1の交流樋と第2の交流樋からそれぞれパチンコ玉を受け入れるように形成されると共に、受け入れたパチンコ玉を当該従パチンコ島台の内部に設けられる下部タンクに導くように構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のパチンコ玉貯留タンクにおける玉量制御装置。
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JP2000042236A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-15 | Takeya Co Ltd | パチンコ島台 |
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