JP4378982B2 - パチンコ玉ホッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばパチンコ遊技機の入賞玉の払出しや貸玉装置の貸玉の払出しを行うパチンコ玉ホッパーに関し、さらに詳しくは玉払出し装置の内部構造の保守点検および異物除去や清掃等の保守点検作業を容易にしたパチンコ玉ホッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
一般に、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されるようなパチンコ遊技機は、パチンコ玉(以下、玉と称す)を遊技媒体として、パチンコ台の背面側からパチンコ台の前面側に玉を供給している。この玉の供給に際しては、パチンコ遊技機の背面上部に多数個の玉を貯留する貯留タンク(景品玉タンク)を設置し、この貯留タンクへは上方の図示しない補給機構から玉を補給させて貯留し、これより貯留した玉を下方に払出すようにしている。この玉の払出し時に、貯留タンクから玉を整列する玉整列装置を介して、下方の玉払出し装置(入賞玉処理装置)に導き、ここで払出し指令された玉数を払出して、パチンコ遊技機の前面下部に位置する上皿または下皿に払出している。
【0003】
このように、上流側の貯留タンクから供給された玉が玉整列装置を介して下流側の玉払出し装置へと導かれるが、この間の通路(樋)は玉が詰まらずにスムーズに下流へ転動していくように比較的緩やかな傾斜をしている。
【0004】
また、玉整列装置は不規則に貯留された山積み状態の玉を1列または2列に整列させて玉払出し装置へと供給して行くため、整列する通路の距離を長く必要としていた。このため、貯留タンク、玉整列装置および玉払出し装置をパチンコ台の背面側に設けようとすると、貯留タンクから玉払出し装置までの一連の通路がS字状やL字状などの折り返し通路になってしまう。
【0005】
このため、貯留タンク、玉整列装置および玉払出し装置のそれぞれを高さ方向に積み重ねる形で配置しなければならず、それゆえ高さ方向の寸法が大きくなってしまい遊技台背面側の多くのスペースを占有してしまっていた。
【0006】
特に、上述の3つの特許文献では、貯留タンクから玉払出し装置までの処理順において、この玉払出し装置は通路の終端部に設けることになり、玉の自重を利用した払出し構造とパチンコ台への配置スペースとの関係から上下方向の玉降下通路に配設することになる。
【0007】
このため、貯留タンクから玉払出し装置までの通路の短縮は難しくなっていた。この通路の短縮を考えてみた場合、通路を短くして貯留タンク、玉整列装置および玉払出し装置を組込むと無駄なスペースが削減して小型化が図れる。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−208064号公報
【特許文献2】
特開平6−233865号公報
【特許文献3】
特開平8−71212号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、小型化が図れる反面、小型化した内部の保守点検や内部の清掃作業、異物除去作業および玉詰り解除作業を行うためには内部を開放することが必要になるため、そのメンテナンスに手間がかかってしまう問題を有していた。
【0010】
そこでこの発明は、貯留タンクから玉払出し装置までの通路長さを短縮して小型化を図ったとき、これに伴って小型化された玉払出し装置に対し、保守点検員が容易にメンテナンスを行えるように構成したパチンコ玉ホッパーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、多数個の玉を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された玉を自重により転動させながら下流側に整列する整列部と、前記整列部に整列された玉を定められた数だけ払出す玉払出し装置とを保持部材で保持して同一傾斜通路上に連設してなるパチンコ玉ホッパーであって、前記整列部より整列して導かれた玉を回転送りして個別に払出し動作する回転体と該回転体より払出された玉数を計数する計数センサとをケーシングに内蔵して一体的に設けた払出しユニットとその駆動ユニットとの間を着脱許容してなる玉払出し装置と、前記払出しユニットを前記保持部材に取付けられた前記駆動ユニットの取付け位置に位置決めする位置決め手段と、前記位置決め手段に位置決めされた前記払出しユニットに係合して、該払出しユニットを前記駆動ユニットに連結する連結手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、玉払出し装置を着脱可能に一体的に設けているため、該玉払出し装置を保持部材から単独に取外して扱うことができるため保守点検員によるメンテナンスが容易になる。例えば、玉払出し装置の内部での異物や玉詰りの除去作業、清掃および保守点検が簡単化する。
【0013】
さらに、貯留タンクと整列部と玉払出し装置を、同一傾斜通路に配設して通路長さを短縮して小型化を図っても、この玉払出し装置を係合・離脱して簡単に着脱できるので保守点検作業が容易になる。
【0014】
ここで貯留タンクとは、パチンコ遊技機に遊技利用される玉の多数個を貯留許容できる大きさの凹形状を有し、これより玉の自重を利用して下方に玉を少しずつ供給するものである。
【0015】
前記整列部とは、貯留タンクの下流側に接続され、前記貯留タンクより供給された玉を1列あるいは複数列に整列させて下流側の玉払出し装置に玉を安定供給できるように整列流下させるものである。
【0016】
前記玉払出し装置とは、整列部の下流側に接続され、ここに整列して導かれた玉を回転体の回転により払出し指定された数だけ下流側の受皿へと払出すものである。
【0017】
前記位置決め手段とは、払出しユニットの回転体の回転軸を中心とし、また同一傾斜通路の通路底面を転動してきた玉を個別送りできる回転体の取付け間隔および取付け角度になるように高さ、通路方向、幅方向の3方向の取付け位置と、払出しユニットの周方向の取付け位置との位置合せを行うものである。
【0018】
この場合は、払出しユニットを駆動ユニットの取付け位置に位置決めして取付けるため、正規の取付け位置に正確に取付けることができる。ことに、位置決めした状態で係合操作するだけで連結することができるため、この係合または係合解除操作によってワンタッチで着脱操作することができる。このため、着脱に手間のかかる螺着作業を要しなくなる。
【0019】
逆に、駆動ユニットから払出しユニットを取外す場合は、係合解除操作に伴って払出しユニットは自由状態となり、駆動ユニットとの連結が解除されて取外すことができる。
【0020】
この発明の他の形態として、前記払出しユニットの側壁と前記駆動ユニットの側壁とが連結方向に平面対応する該駆動ユニットの側壁を取付け基準面に設定し、この取付け基準面に沿って前記払出しユニットを周方向に回動させたとき、該払出しユニットを正規の取付け位置に回動停止させる回動係止部を備えた位置決め手段を構成することができる。
【0021】
前記払出しユニットを取付ける場合、この払出しユニットの側壁を駆動ユニットの側壁に当てがえば、その平面対向する側壁が取付け基準面となるため、取付け方向の基準位置が自然に得られる。その後、払出しユニットを側壁に当てがいながら周方向に回動させると、位置決め係止部に係止されて周方向の取付け位置に位置合せすることができる。従って、払出しユニットを軽く押し当てながら回すだけで簡単に位置決めすることができる。
【0022】
この発明の他の形態として、前記払出しユニットの前段の位置に、同一傾斜通路に直交して該同一傾斜通路を閉鎖して玉の通過を規制または開放する玉通過規制手段を備えたパチンコ台ホッパーであることを特徴とする。
【0023】
前記玉通過規制手段は、例えば駆動ユニットの側壁に一端を枢支し、この枢支部を傾動支点とする先端部を同一傾斜通路に直交させるように臨ませた傾動レバーで構成することができる。
【0024】
この通過規制手段を備えた場合は、払出しユニットの直前で玉の流れを止めたり、開放したりできるため玉の流れを止めてのメンテナンスが容易になる。例えば、払出しユニットを駆動ユニットの取付け位置に取付けているときは同一傾斜通路より退避させて玉の通過を許容し、前記払出しユニットを駆動ユニットより取外しているときは、同一傾斜通路に直交させて閉鎖し、玉の通過を規制する。このようにすれば、払出しユニットの着脱作業が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて説明する。
【0026】
図1はパチンコ遊技機のパチンコ台11Aの背面側上部に装備されるパチンコ玉ホッパー11を示す。このパチンコ玉ホッパー11は、図2にも示すように、上流側の貯留タンク12と下流側の玉払出し装置13とを一体化して構成され、これらは横長に設置した大きな貯留タンク12の台端側に小さな玉払出し装置13を連結した単体構成をとっている。
【0027】
上述の貯留タンク12は、図3に示すように、上面を開放した先細の凹形状を有し、この上面開放部に対して上方の図示しない補給機構から玉が補給され、ここで多数個の玉を貯留許容している。この貯留タンク12に貯留された玉は自重により転動して上流側から下流側の玉払出し装置13へと導くように構成している。
【0028】
この場合、玉を上流側から下流側に円滑に通過させるために玉払出し装置13の前段には整列通路14を形成している。この整列通路14は、図4に示すように、貯留タンク12と一体に構成され、この貯留タンク12の先端部に細長い整列通路14を突出させて備えている。
【0029】
ところで、上流側の貯留タンク12内のタンク底面から下流側の玉払出し装置13の玉を払出す底面にかけては、同一傾斜方向に緩やかに傾斜させて直進する長い同一傾斜通路Lを設けている。
【0030】
この同一傾斜通路Lは、貯留タンク12と整列通路14と玉払出し装置13との順に玉を転動させて通過させる各通路の底面を、同一傾斜方向の緩やかな傾斜角度に設定して接続した通路である。このため、玉が自重により上流側から下流側へと緩やかに転動する。またこの場合は、同一傾斜方向に直進する通路であるため、玉流下時の落差や方向変換がなくなり、玉の流下に適した滑らかな直進移動によって流下する。
【0031】
この場合、傾斜角度が小さければ、その傾きが緩いので玉の転動速度が遅くなり、下流側への玉の供給が滞りやすくなる。これに対し、傾斜角度が大きいと、その傾きが急になるので連なって流下する玉の重力による負荷が過剰になりやすくなるので、例えば5〜8度程度の緩やかな傾斜角度に設定して転動させるのが適している。このため、ここを転動する玉は速度差が少なくなり安定して流下する。
【0032】
ことに、同一傾斜通路Lは、斜め下向きに長く直進する通路であるため縦(高さ)方向よりも横方向に長く延びることになる。このため、高さ方向の占有場所が少なくて済み、高さ方向の長さを短縮した通路となる。
【0033】
上述の貯留タンク12と整列通路14と玉払出し装置13との順に連設される3要素については、これらを通路方向に直列して横長に一体に保持板15で保持してなる一体物の水平払出しユニット16を設けている。
【0034】
この水平払出しユニット16の保持板15は、パチンコ台11Aの幅長さよりも短い横長で平板状を有し、この保持板15の一片面に整列通路14を備えた貯留タンク12と玉払出し装置13とを一体に取付けた状態で、他片面をパチンコ台の背面側上部に取付けて、該保持板15の両面を取付け面に有効に利用している。また、この場合は1枚の保持板15を介して取付けるため部品点数が少なくなり、取付けが簡単化する。さらに、パチンコ台11Aの背面側から見て、保持板15の背面側には貯留タンク12と玉払出し装置13の一部が露出しているため、これら3要素に対しては保守点検員による保守点検が容易になる。
【0035】
また、貯留タンク12と整列通路14と玉払出し装置13との3要素は横長の直列に連設された一体物の水平払出しユニット16として単品で扱うことができるため、パチンコ台への組付け作業が容易になる。
【0036】
さらに、この水平払出しユニット16は横方向に向けて長い緩やかな同一傾斜通路Lを有しているため、全長が横方向に長く、直方体状の一体物となり、該通路Lの高さ方向を短くできる。このため、縦型のパチンコ台背面側の上部位置に横長にして小さく組込むことができる。このため、パチンコ台背面側に取付けられた水平払出しユニット16の下方には他部品の取付けスペースが大きく取れる。また、3要素を直列させることにより、S字形通路のように通路を湾曲させたり、折り返させたりせずに済み、直線的に設けることができる。このため、全通路長さを短縮して小型化できる。
【0037】
さらに、水平払出しユニット16からの玉の払出し口17を、該ユニット16の玉払出し装置13の通路終端側に位置する一端面に設けて、該払出し口17より玉を斜め下方に払出すように構成している。このため、該ユニットの側方のスペースを十分に活用できる。ここに、玉降下通路18(図1参照)を接続して、これより払出された玉を下方の図示しないパチンコ台前面の受皿へと払出す。
【0038】
上述の同一傾斜通路Lの上流側に位置する貯留タンク12の底面には、タンクスイッチSW1と、玉有無スイッチSW2を配設して、該タンク12内での玉の収容状態を検知している。
【0039】
この貯留タンク12の下流側の先端部には、該タンク12に貯留された山積み状態の玉を少しずつ整列させて流下させるように先端部の左右の両壁をハの字形の先細に絞り、その絞った細長い通路を前方に長く延設し、この延設部分を整列通路14に設けている。
【0040】
この整列通路14は、左右の壁面とその間の仕切板とで2列の凹溝を有する通路14a,14bを構成している。
【0041】
この場合、整列通路14の底部には異物排除用に格子状に開口した排除口14cを開口している。この排除口14cを設けることにより、貯留タンク内に異物が混入しても、その下流側の整列通路14に移動した時点で、異物は排除口14cより落下して排除される。このため、常に玉Pのみを通過させるようにして異物の混入による玉詰りを回避することができる。
【0042】
上述の2列の通路14a,14bを持つ整列通路14と、その上方に対設される後述する重なり制限ローラ19とで、ここに不規則に導かれた玉を2列に整列させる。
【0043】
上述の重なり制限ローラ19は、整列通路14の上方に玉の重なりを崩して整列する整列部20として対設したものである。この整列部20は、通路方向に直交する上部の片持ち支持軸21を傾動支点に通路方向に回動許容し、該軸21の下部に回転自由な重なり制限ローラ19を吊支している。この重なり制限ローラ19を備えることにより、玉を貯留タンク12から下流側の整列通路14を介して玉払出し装置13へと受渡す場合の玉の重なりを崩して過負荷を抑制することができ、玉の受渡しに適した流下ガイド作用が得られる。上述した重なり制限ローラ19は回転自由に軸支して設けるだけでもよく、崩し力を高めるために回転力を伝達して回転駆動するように構成することもできる。
【0044】
そして、整列された玉はその下流側に位置する玉払出し装置13へと2列に導かれる。この場合、図5に示すように、整列通路14の先端部14dは玉払出し装置13の位置まで延びており、上流側の貯留タンク12と下流側の玉払出し装置13とは整列通路14を介して直線的に同一傾斜通路Lにて接続されている。また、玉払出し装置13は水平払出しユニット16から着脱許容して設け、この玉払出し装置13の内部の保守点検を容易にしている。
【0045】
上述の貯留タンク12は、貯留した多数個の玉Pを、自重により転動させて下流側の玉流下口12aへと導くようにしており、この玉流下口12aに向けて側面の幅方向を次第に幅狭に絞ったハの字形の絞り部を設けている。
【0046】
また、この貯留タンク12の下流側上部には、図6および図7にも示すように、天板22を備えている。この天板22は、整列通路14と払出しユニット28の上面を覆う長さを有する平板で構成することができる。この天板22の上流側の端部には、貯留タンク12の下流側に対応し、該貯留タンク内の上方から臨んで、重なり移動する玉Pの上層部を受止める受止め片 (図2参照) 23を垂設している。
【0047】
この受止め片23を設けることによって、山積み状態にある玉Pの上層部の流れを阻止する。このため、下部層の玉Pだけを流下させることができ、これ以降は玉数を十分に減らして下流側に供給することができる。これにより、下流側への玉圧を軽減できることになり、貯留タンク12から整列通路14側への玉Pの供給に適した円滑な流れを確保できる。
【0048】
また、天板22を設けたことにより、貯留タンク12に供給された玉Pが仮に勢いよく飛び跳ねて整列通路14や後述する払出しユニット28に至っても天板22で遮って、飛び込まなくなるので、玉詰りや誤動作を誘起する恐れがなくなる。
【0049】
次に、玉を払出し動作する玉払出し装置13について説明する。
この玉払出し装置13は貯留タンク12の下流側の整列通路14に続く同一傾斜通路L沿って送り部24と検出部25とをこの順に有している。
【0050】
上述の送り部24は、同一傾斜通路Lの終端部上面にスプロケット26を対設し、このスプロケット26と同一傾斜通路Lとの間に導いた玉を払出し回転方向に1個ずつ連続的に送り出すものである。
【0051】
また、上述のスプロケット26と、その下方の同一傾斜通路Lとの上下間に導かれた玉はスプロケット26の回転に伴って1個ずつ送り動作される。このため、連続的に供給される複数個の玉は途切れることなく連続的に払出しされる。このスプロケット26は図示しない駆動モータおよび駆動機構の出力を受けて回転する。
【0052】
上述の検出部25は、払出された玉を計数する玉の計数センサSとして、例えば近接センサを同一傾斜通路Lの終端位置近くに配設して構成する。そして、玉が同一傾斜通路Lを通って払出されたとき、通過した払出し直後の玉を計数センサSが計数する。
【0053】
さらに、玉払出し装置13は、スプロケット26と計数センサSとを払出しケーシング27aに内蔵して一体的にユニット化して設けた払出しユニット28と、該払出しユニット28を駆動する駆動ユニット29との2つのユニット28,29を分割可能に一体的に連結している。
【0054】
上述の払出しユニット28は、整列通路14と接続対応する2列の傾斜通路を横貫した払出しケーシング27aの内部に、上述した送り部24としてのスプロケット26と、検出部25としての計数センサSとを内蔵したものである。そして、この払出しユニット28の片側の壁面が後述する駆動ユニット29の取付け基準面29aに着脱自在に取付けられる。
【0055】
上述のスプロケット26の回転軸28bは、払出しケーシング27aの通路幅方向に横貫して軸支され、このケーシング27aの外方に突出する該回転軸28bの一端部を駆動ユニット29との連結用に延設し、他端部を玉詰り手動解除用の後述する摘み28e(図8参照)の取付け部位に延設している。
【0056】
上述の摘み28eは、保守点検員が指先で摘んで回転操作可能な環状体に設け、この摘み28eを保守点検員が外部から摘んで回すとき、正送り方向に回そうとするときはロックして回転規制し、逆送り方向の力が加わったときのみ回転許容して外部からの手動回転力が回転軸28bに伝わる一方向クラッチを内蔵している。
【0057】
このような、摘み28eを取付けることによって、払出しケーシング27aの内部で仮に玉詰りが発生しても、この摘み28eを保守点検員が若干逆転させれば、回転軸28bと一体のスプロケット26を逆送り方向に回転させて、玉詰り部分を崩すことができ、玉詰りを外部より解除できる。
【0058】
上述の駆動ユニット29は、駆動ケーシング27bの内部に図示しない駆動モータと、スプロケットへの駆動伝達機構を内蔵している。そして、この駆動ユニット29の奥側の側壁面を保持板15に平面対応させた状態で取付ける。この保持板15と駆動ユニット29との間は、モータやギヤを保守点検する頻度が極めて少ないため、ビス止めして取付けてもよく、後述する係合構造と同様な構造を用いて係合固定してもよい。
【0059】
また、図8に示すように、この駆動ユニット29の手前側の側壁面を、払出しユニット28が平面対応して位置決めするための取付け基準面29aとし、その取付け基準面29aに駆動伝達用の軸孔29bを開口している。
【0060】
この駆動ユニット29に払出しユニット28を連結する際は、前記軸孔29bに払出しユニット28の回り止めキー面28aを有する回転軸28bを挿入し、挿入完了した時点で、該払出しユニット28の払出しケーシング27aの側壁面が駆動ユニット29の取付け基準面29aに平面対応して、両ユニット28,29間の連結方向の高さ、通路方向、幅方向が位置決めされる。
【0061】
さらに、軸孔29bの上方位置の取付け基準面29aには位置決めピン29cを突設しており,この位置決めピン29cに払出しユニット28の上部に突設したピン対応凹部28cが周方向に嵌合対応したとき、周方向に位置決めされる。
【0062】
周方向の位置決め操作は、回転軸28bと軸孔29bとによって両ユニット28,29間の周方向以外の位置合せが既に決まっているため、その位置合せ状態のまま払出しユニット28を取付け基準面29aに沿ってピン対応方向に回動させれば、周方向の位置決めができる。そして、ピン対応凹部28cが位置決めピン29cに嵌合対応したとき周方向の位置決めが完了する。
【0063】
位置決め後は、位置決めピン29cの上方に備えた連結レバー30によって固定する。この連結レバー30は、図9に示すように、該レバー基端部を取付け基準面29aに突設する支軸30aに軸支して上下方向に傾動自由に設け、この傾動自由に設けた自由端側に細長い円弧形の弾性係合片30bを形成し、この弾性係合片30bをピン対応凹部28cの外側の円弧面に形成した係止段部28dに係脱自在に設け、係止対応させたとき一体に固定され、両ユニット28,29は一体に連結される。
【0064】
この連結レバー30を、支軸30aを傾動支点に上方に引き上げれば、係止段部28dと弾性係合片30bとの係合が外れて、払出しユニット28は離脱許容される。
【0065】
さらに、払出しユニット28の直前の位置には、玉の流れを規制することができる玉通過規制レバー31を配設している。この玉通過規制レバー31は、通路上方で駆動ユニット29の側壁に突出する支軸31aにレバー上端部を軸支して設け、この支軸31aを傾動支点にレバー下端部が上動退避位置と下動ストッパ位置との上下方向に傾動して、玉の流れを開放または停止させるものである。
【0066】
具体的には、該レバー下端部を上動退避位置に移動させているときは同一傾斜通路Lでの玉Pの通過を許容し、下動させているときは同一傾斜通路Lに直交して該同一傾斜通路Lを閉鎖することになり、玉Pの通過を規制する。また、上動退避位置では駆動ユニット29の壁面に切り欠いて壁面厚さ方向に弾性を持たせた上部弾性係止片29dによって、玉通過規制レバー31を上動退避位置で壁面方向より付勢して弾性保持する。同じく、下動ストッパ位置では駆動ユニット29の壁面に切り欠いて壁面厚さ方向に弾性を持たせた下部弾性係止片29eによって、玉通過規制レバー31を下動ストッパ位置で壁面方向より付勢して弾性保持する。また、払出しユニット直前の上流側の同一傾斜通路Lには玉の重なりを防止する重なり防止カバー32を配設し、該カバー32の中央部には前記玉通過規制レバー31の下動時の貫通を許容する開口部32aを開口している。
【0067】
このように構成されたパチンコ玉ホッパー11における玉の払出し処理動作を次に説明する。
【0068】
パチンコ台11Aの背面側上部に設置されたパチンコ玉ホッパー11の貯留タンク12には、多数個の玉が払出し待機された状態で貯留されている。
【0069】
この待機状態から、今、パチンコ遊技機の全体を制御するメイン制御部から玉の払出し信号が入力されて駆動モータが駆動されると、この駆動に基づいて上流側の貯留タンク12では、玉Pが自重により同一傾斜通路Lの上流側の高い位置から下流側の低い位置へと導かれる。
【0070】
一方、貯留タンク12の下流側にあっては、図7に示すように、受止め片23によって貯留タンク12内の上層部の玉を受止めて、その上層部の流れを制限し、下層部の玉Pだけを通過させる。
【0071】
その後、玉Pは同一傾斜通路Lを通って流下し、整列通路14へと至る。ここで不規則に貯留されている玉が整列された後、該整列通路14から下流側の玉払出し装置13へと導かれる。
【0072】
このとき、玉は同一傾斜通路Lを傾斜方向に直進して流下するため玉は方向変換することがなく、上流側の貯留タンク12から下流側の玉払出し装置13までの短縮された直線距離を通過して払出し動作される。また、同一傾斜通路Lの中間位置に該当する整列通路14にあっては、払出し毎に玉は2列に順序よく整列された状態で流下し、これより玉払出し装置13へと導かれる。
【0073】
玉払出し装置13では、スプロケット26の回転に伴って玉Pは連続して個別送りされ、このスプロケット26の回転駆動・停止の制御を受けて、定められた玉数が払出される。払出された玉は玉降下通路18を介してパチンコ台前面側の上皿または下皿へと払出される。
【0074】
ところで、払出しユニット28は多数の玉を払出し処理する稼働時間が長く、しかも静電気によって汚れが付着しやすいため、保守点検や内部通路の清掃が頻繁に必要である。この他にも、異物除去、玉詰り解除等の保守点検員によるメンテナンスを必要とした場合は、この払出しユニット28を個別に取外して容易に通路内部を点検しなから対処することができる。
【0075】
この払出しユニット28の取外しに際しては、先ず、図9に示すように、玉通過規制レバー31を下動ストッパ位置に下動させて、同一傾斜通路Lを閉鎖して上流側からの玉Pの流れを規制する。
【0076】
次に、連結レバー30を上動退避させて、払出しユニット28と駆動ユニット29との係合を解除する。続いて、係合解除された払出しユニット28を掴んで、図10に示すように、位置決め退避方向に回動させる(図においては反時計方向)。これにより、位置決めピン29cとピン対応凹部28cとの周方向の嵌合対応から開放されるので、そのまま軸方向の手前に引抜けば払出しユニット28を駆動ユニット29から分離して取外すことができる。
【0077】
逆に、払出しユニット28を取付ける場合は、取外し操作と逆の操作を行えばよく、玉通過規制レバー31を下動させて玉の流れを規制した状態のままで、払出しユニット28の回転軸28bを軸孔29bに挿入し、その連結対向方向の互いのユニット面が平面対応した時点で該払出しユニット28を回動させて、ピン対応凹部28cを位置決めピン29cに嵌合対応させる。これにより、位置決めが完了し、その後、連結レバー30を下動させて両ユニット28,29を係合固定する。そして、最後に玉通過規制レバー31を上動退避させて玉の流下規制を解除すれば、稼動状態に復帰する。
【0078】
この発明の構成と、上述の一実施の形態の構成との対応において、この発明は請求項に記載される技術思想に基づいて応用することができ、上述の一実施の形態の構成のみに限定されるものではない。
【0079】
上述の実施の形態では、払出しユニット28と駆動ユニット29との間の着脱構造を例にとって説明したが、保持板15と駆動ユニット29との間の着脱につついても同様な位置決めと係合固定による着脱構造にすることができる。
【0080】
【発明の効果】
この発明によれば、パチンコ玉ホッパーに備えられる玉払出し装置を単独に、しかも簡単に着脱可能に設けて扱うことができるため保守点検員によるメンテナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ玉ホッパーを備えたパチンコ台の要部背面図。
【図2】 パチンコ玉ホッパーを示す縦断面図。
【図3】 パチンコ玉ホッパーを示す斜視図。
【図4】 貯留タンクを示す斜視図。
【図5】 整列通路の玉整列状態を示す一部分解斜視図。
【図6】 パチンコ玉ホッパーを示す一部分解斜視図。
【図7】 パチンコ玉ホッパーの玉払出し状態を示す要部縦断面図。
【図8】 払出しユニットと駆動ユニットとの取付け対応状態を示す要部斜視図。
【図9】 パチンコ玉ホッパーの玉払出し停止状態を示す要部縦断面図。
【図10】 払出しユニットの取外し状態を示すパチンコ玉ホッパーの要部縦断面図。
【符号の説明】
11…パチンコ玉ホッパー
12…貯留タンク
13…玉払出し装置
14…整列通路
28…払出しユニット
29…駆動ユニット
30…連結レバー
31…玉通過規制レバー
P…玉
L…同一傾斜通路
Claims (3)
- 多数個の玉を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された玉を自重により転動させながら下流側に整列する整列部と、前記整列部に整列された玉を定められた数だけ払出す玉払出し装置とを保持部材で保持して同一傾斜通路上に連設してなるパチンコ玉ホッパーであって、
前記整列部より整列して導かれた玉を回転送りして個別に払出し動作する回転体と該回転体より払出された玉数を計数する計数センサとをケーシングに内蔵して一体的に設けた払出しユニットとその駆動ユニットとの間を着脱許容してなる玉払出し装置と、
前記払出しユニットを前記保持部材に取付けられた前記駆動ユニットの取付け位置に位置決めする位置決め手段と、
前記位置決め手段に位置決めされた前記払出しユニットに係合して、該払出しユニットを前記駆動ユニットに連結する連結手段と、
を備えたパチンコ玉ホッパー。 - 前記位置決め手段は、前記払出しユニットの側壁と前記駆動ユニットの側壁とが連結方向に平面対応する該駆動ユニットの側壁を取付け基準面に設定し、この取付け基準面に沿って前記払出しユニットを周方向に回動させたとき、該払出しユニットを正規の取付け位置に回動停止させる回動係止部を備えた
請求項1記載のパチンコ玉ホッパー。 - 前記払出しユニットの前段の位置に、同一傾斜通路に直交して該同一傾斜通路を閉鎖して玉の通過を規制または開放する玉通過規制手段を備えた
請求項1記載のパチンコ玉ホッパー。
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