JP5418319B2 - 球払出装置の球抜き機構 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばパチンコ遊技機における入賞球の払い出しに用いられるような球払出装置に関し、さらに詳しくは貯留タンクに貯留されている多数の貯留球を抜き取る球払出装置の球抜き機構及び遊技機に関する。
一般にパチンコ遊技機は、パチンコ球(以下、球と称す)を遊技媒体として、遊技台の盤面裏側から遊技台の前面側に球を供給している。この球の供給に際しては、パチンコ遊技機の背面上部に多数個の球を貯留する貯留タンク(景品球タンク)を設置し、この貯留タンクへは上方の図示しない補給機構から球を補給させて貯留し、これより貯留した球を下方に払出すようにしている。この球の払出時に、貯留タンクから球を整列する球整列通路を介して、下方の球払出装置(入賞球処理装置)に導き、ここで払出し指令された球数を払い出して、パチンコ遊技機の前面下部に位置する上皿または下皿に払い出している。
また、パチンコ遊技機には貯留タンクに貯留されている球を排出(回収)して貯留タンク内を空にするための球抜き機構(切り替えレバー、球抜き切り替え駆動モータ含む)及び球抜き通路が、上述の球払出装置や球整列装置などに取り付けられている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
この種の球抜き機構は、パチンコ遊技機の出荷検査時、遊技ホール内でのパチンコ遊技機の移動、若しくは廃棄時等にパチンコ遊技機内に残っている球を回収するために備えられている。
しかし、特許文献1に開示されている球抜き機構の場合、球抜きを実施しようとした際に、通路閉作用に動作する球通過規制レバー28を球抜き位置(下動規制位置)まで操作させた後に、スライドさせて球抜き口を開けるための連結レバー83を押下して球抜きを開始するという一連の動作が必要であった。このため、元の球払出状態に戻すという逆の操作まで考慮すると、操作が煩雑で間違えやすいという問題を有していた。仮に、もし操作者が操作手順を間違えた場合は、球抜き時に球詰まりが発生してしまうという問題も有していた。
特許文献2に開示される球抜き方式の場合は、1動作で球抜きが可能となってはいるが、モータを含む多くの部品で構成されている球払出機構自体を動かすため装置全体の構成が複雑になり、また大きな装置が移動するため新たな移動スペースが必要になり、小型化に不適となる問題を有していた。
特開2005−224350号公報。 特開2007−202974号公報。
そこでこの発明は、このような問題に着目し、球抜き操作を簡単化して誤操作を解消し、さらに球抜き構造を簡単化して小型化を図ることができる球払出装置の球抜き機構を提供することを目的とする。
この発明は、多数個の球を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留されている球を自重により傾斜方向に転動させ、その傾斜方向に転動する球を整列させる整列通路と、前記整列通路に整列された球を回転体の回転送りにより下流に払出す球払出装置と、前記球払出装置よりも上流で前記整列通路の底面に開口されている球抜き口を開閉する操作体とを備えた球払出装置の球抜き機構であって、前記整列通路を流下してきた球を前記球抜き口へと流下ガイドするガイド片を上下方向に変位可能に前記球抜き口の上方に配設し、前記操作体は、前記整列通路の通路方向にスライドして前記球抜き口を開閉する底板と、前記底板を整列通路の通路方向にスライドさせるスライド操作部と、前記整列通路を流下してきた球の側面を流下ガイドする側面ガイド壁とを一体化して備え、前記側面ガイド壁には、前記球抜き口を開ける方向に前記スライド操作部をスライド操作することに連動して前記ガイド片を球抜き位置へと変位させるガイド片操作子を備えて構成した球払出装置の球抜き機構であることを特徴とする。
この発明によると、球抜きさせる1つの動きに、球抜きに必要な各々の動きを関連させて1操作で球抜き仕様に切り替えることができるという特有な構成を有している。具体的には、操作体の1スライド操作に連動して、整列通路を流下してきた球を球抜き口に導くガイド操作と、整列通路の球抜き口を開ける操作とを1操作で同時にできるという最も簡単化した球抜き操作を可能にしている。これにより、球抜き時には誤操作の余地がなくなり、信頼性の高い球抜き操作ができる。
さらに、球抜き構造においても、底板、側面ガイド壁、スライド操作部、ガイド片操作子との球抜き部材を構成する操作体が一部品であり、この操作体と流下ガイド用のガイド片とが1操作で連動するように関連させて配置している。このため、部品点数が少なくなり、配置スペースも小さくできるので整列通路における球抜き構造を極めて省スペースに構成できる。
この発明の態様として、前記操作体は、前記球抜き口を閉じる方向にスライドすることに基づき、前記ガイド片を球抜き位置から球払出位置に退避させて構成することができる。
これにより、球抜き状態から球払出状態に戻す際は、操作体を球払出位置に向けてスライドさせるだけでよく、この操作体のスライドする動きに連動してガイド片は球抜き位置から球払出位置へと移動する。この結果、整列通路上では球抜きガイド状態から球払出ガイド状態にワンタッチで切り替えることができる。このように球払出状態に切り替える場合にも、ガイド片が操作体の動きに連動して復帰するように関連させて組み込めばよく、ガイド片の復帰動作においても部品点数の少ないままで連動構成がとれる。
この発明の態様として、前記ガイド片は、前記整列通路を流下してきた球の頂点を含まない球面傾斜位置を押下する構成とすることができる。
これにより、ガイド片は球の頂点を回避した球面傾斜位置を押下して球をガイドすることになる。このため、球抜き時に、球にガイド片による上下方向の挟持圧が掛かっても、その球の頂点を含まない位置を押下するため球は斜め方向の押下力を受けることになり、球は斜め方向に逃げることが可能となる。このため、球のロック現象を回避したガイドが可能になる。
この発明の態様として、前記整列通路の上面高さを規制する天板を少なくとも一部開閉可能に、且つ開位置での天板保持手段を備えて構成することができる。
これにより、天板を開けて整列通路内を保守点検する際に、天板保持手段によって天板を開位置に保持しておくことができる。このため、係員は天板を開位置で支えておく必要がなくなり、両手を使って容易に係員作業ができるようになる。また、天板を取り外さずに開けることができるため天板が紛失するおそれもない。
この発明の態様として、前記球払出装置の付近をメンテナンス用に開閉する開閉部を備え、該開閉部には、前記回転体に通じる通路壁の開放部分を開閉可能に閉鎖する通路壁閉鎖部と、前記通路壁閉鎖部を開放することに連動して、その通路内の流下空間を閉鎖する通路内閉鎖部とを備えて構成することができる。
さらに、通路壁閉鎖部を開けることによって回転体及びその周辺のメンテナンスが行える。また、通路壁閉鎖部を開けた際に、回転体が露出されて外部から回転体を回転操作可能な不正行為(ゴト行為)の対象状態となるが、この際は通路壁閉鎖部の開操作に連動して通路内閉鎖部が通路内の球流下空間を閉鎖するので球の流下が規制されて不正行為を的確に防止できる。
このように構成された球払出装置の球抜き機構を遊技機に組み込めば、小型の球抜き機構を備えて小型化した球払出装置が大きな占有スペースをとらないため、球払出装置を遊技機にコンパクトに組み込むことができる。
この発明によれば、球抜き操作を1操作で実行することができる。ことに、複雑な操作手順を要しないため球抜き作業に手間がかからず、また操作間違いがなくなるので係員作業の負担が小さくなり、球抜き時の作業効率が向上する。さらに、部品点数を削減して球抜き構造の簡単化と小型化とを図ることができる。
貯留タンク一体型球払出装置を備えた遊技台の要部背面図。 貯留タンク一体型球払出装置を示す外観斜視図。 貯留タンク一体型球払出装置を左側から見た分解斜視図。 貯留タンク一体型球払出装置を右側から見た分解斜視図。 球抜き構成部を示す要部斜視図。 (A)は球払出状態の通路を示す要部縦断面図、(B)は球抜き状態の通路を示す要部縦断面図。 (A)は操作体が球払出位置にスライドされている状態を示す側面図、(B)は(A)のA−A線矢視断面図、(C)は操作体が球抜き位置にスライドされている状態を示す横断底面図。 (A)は球払出状態におけるガイド片の配置状態を示す斜視図、(B)は球抜き状態におけるガイド片の配置状態を示す斜視図。 (A)は球払出状態におけるガイド片と球の関係を示す斜視図、(B)は球抜き状態におけるガイド片と球の関係を示す斜視図。 球抜き状態におけるガイド片と球の関係を示す要部平面図。 (A)は第2天板の閉鎖状態を示す要部斜視図、(B)は第2天板の開放状態を示す要部斜視図、(C)は第2天板の開放保持状態を示す要部斜視図。 (A)は上部レバーのロック状態を示す要部斜視図、(B)は上部レバーのロック解除状態を示す要部斜視図。 (A)は想像線にて球払出通路と球抜き通路との並列配置状態を下方から見て示す要部斜視図、(B)は球払出通路と球抜き通路との並列配置状態を上方から見て示す要部斜視図。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて説明する。
図1はパチンコ遊技機の遊技台11の盤面裏側の上部に備えられる貯留タンク一体型球払出装置12を示す。この貯留タンク一体型球払出装置12は、図2にも示すように、上流側から下流側にかけて貯留タンク13とタンクレール14と球抜き機構15と球払出装置16とを横長に一体化して構成している。
上述の貯留タンク13は、図示しない補給シュートから供給される球を受け取れるように、上方が開口された箱型の形状を有している。この貯留タンク13の底面は、球が自重で転動してタンクレール14へと向かうようにタンクレール14へ向けて傾斜した傾斜面を有している。さらに、貯留タンク13の下流側底面近傍の側壁を、複数の球がタンクレール14の入口で球詰まりが生じないように、タンクレール14に近付くにつれて徐々に幅が狭くなるように形成している。
貯留タンク13の下流側には、その下流側上部を覆うタンク内天板17を形成している。このタンク内天板17は貯留タンク13内で山積み状態にある球Pの流れを円滑にする役目を有している。また、貯留タンク13の底面には、球有無検知スイッチSWを配設して、該タンク13内の球の収容状態を検知している。
また、貯留タンク13の下流側端面には図3及び図4に示すように、位置決め用の係合突起18を通路幅方向の両側に突設し、さらに貯留タンク13の一側面にはビス止め孔19を有している。これらで下流側に接続されるタンクレール14を連結するようにしている。
上述のタンクレール14は、球を上流側から下流側に円滑に通過させるための断面凹形状の整列通路部材であり、貯留タンク13のタンク内天板17の下側に接続される。
このタンクレール14の両側壁上面に係合凹部20が備えられ、ここに貯留タンク13の係合突起18が凹凸対応して係合される。また、効率のよい取付性を考慮してタンクレール14の上流側の一側壁に開口されているビス挿通孔21に1本のビス22を通して前記貯留タンク13のビス止め孔19に螺着すれば簡単に連結できる。
また、1本のビス22を外せば貯留タンク13とタンクレール14とを直ちに取り外すことができる。このように、貯留タンク13とタンクレール14とを分離可能に構成することで貯留タンク13の交換を可能にしている。
例えば、遊技機の制御部を静電気から保護する目的で球の帯電を防止するためカーボン材質等を使用した貯留タンク13を用いた場合、仮に破損されやすい性質を有していても破損した貯留タンク13のみを容易に交換することができる。
さらに、タンクレール14は、図5に示すように貯留タンク13に貯留された積層状態の球を少しずつ整列させて流下させるように左右の両壁を先細に絞り、その絞った細長い通路を前方に長く延設し、この延設部分を整列通路23に設けている。
この整列通路23は、左右の壁面とその間の仕切板24とで2列の凹溝を有する通路23a,23bを構成している。この場合、整列通路23の底部には異物排除用に一部開口した排除口23cを開口している。この排除口23cを設けることにより、貯留タンク内に異物が混入しても、その下流側の整列通路23に移動した時点で、異物は排除口23cより落下して排除される。このため、常に球Pのみを通過させるようにして異物の混入による球詰りを回避している。
上述の2列の通路23a,23bを持つ整列通路23の上方空間部には、ここに未整列の不規則に導かれた球を整列させるように、2段高さ制限用の第1天板24と1段高さ制限用の第2天板25とが配設される。
ここで、通路と球の流下性質との関係について述べると、上流側の貯留タンク13のタンク底面から下流側のタンクレール14に球を払い出す底面にかけては、略同一傾斜方向に緩やかに傾斜させて直進する長い平坦な傾斜通路を形成している。このため、球が自重により上流側から下流側へと緩やかに転動する。
またこの場合は、略同一傾斜方向に直進する通路底面であるため、球流下時の落差や方向変換がなくなり、球の流下に適した滑らかな直進通路となり、球は同一傾斜方向に直進移動しながら流下する。
この場合、傾斜通路の傾斜角度が小さければ、傾きが緩いので球の転動速度が遅くなり、下流側への球の供給が滞りやすくなる。これに対し、傾斜通路の傾斜角度が大きいと、傾きが急になるので下流側へ連なって流下する球同士の重力による負荷が増大する。このようなことから傾斜通路の傾斜角度は、球の流れが円滑に得られる5〜8度程度の緩やかな傾斜角度が適している。この傾斜角度に設定すれば、ここを転動する球は速度差が少なくなり、個々の球は安定して流下する。
ことに、傾斜通路は高さ方向よりも横方向に長く延びるため、貯留タンク一体型球払出装置12は高さ方向の占有場所が少なくて済み、遊技台11の盤面裏側中央配置空間を広くとれるコンパクトな取り付けが可能になる。
なお、貯留タンク一体型球払出装置12からの球の払い出しは、球払出装置16側に位置する一端部の下面に設けた払出し口26より球を下方の下流通路11aに払い出すように構成している。この下流通路11aは球払出通路27と球抜き通路28とを同じ通路幅方向に連設している。
上述の第1天板24は、複数段に積まれた球を上方から平面対向して2段高さに制限する平板状を有している。その平板状の通路幅方向の両側を下向きに折曲したコ形状を有し、その両側に折曲した垂片部分がタンクレール14の2列の通路幅をまたいで通路外壁より挟持し、その両側垂片に図5に示すように係合孔29と、図示しない内向きに屈曲したL形状の係止部との一対がそれぞれ形成されている。
そして、この第1天板24をタンクレール14の上方より押し込んだ際に、この第1天板24の係合孔29が、タンクレール14の側壁上面に突出形成されている係合突部30に係合し、且つその下側で図示しないL形状の係止部がタンクレール14の外側壁に突出形成されている係止突起31に係止されることで、第1天板24はタンクレール14の上面を覆った状態に嵌合して取り付けられる。
さらに、この第1天板24の下流側端面には、片持ち支持されて下流側に略水平に突出する係合保持片32が備えられている。この係合保持片32は後述する第2天板25を起立させた際に係合して、その起立姿勢を保持する役目を有している。
上述の第2天板25は、第1天板24の下流側に連設され、2段高さに制限された球をさらに上方から平面対向して1段高さに制限する上面規制部材であり、左右の通路23a,23bに平行して対向する通路方向に長く、また1段高さ制限用に下向きに湾曲させた板状を有している。
この第2天板25は、上流側の通路幅方向の両外側壁に枢支軸33を幅方向に水平に突出している。該枢支軸33が、タンクレール14の両側壁上部に形成されている凹状の半円状軸受部34に回動自由に軸支されている。そして、この半円状軸受部34に軸支されている枢支軸33を回動支点に、第2天板25は整列通路23の上面を覆った閉位置と、整列通路23の上面より上向きに90度回動して起立することで、開放された開位置とに回動可能に支持されている。
さらに、この第2天板25の上流側中央部に前記係合保持爪32を挿通して係合保持する保持孔35が開口されている。そして、第2天板25を起立させた位置で該保持孔35が第1天板24の係合保持片32に係合して該第2天板25は開位置となった起立姿勢が維持される(図11(B)、図11(C)参照)これにより、整列通路23のメンテナンスを可能にしている。
通常は第2天板25の下流側端部に形成されている開閉操作部を兼ねたロック受け部25aが、後述するロック爪67aにより係止されて閉状態を保っている。
さらに、第2天板25の中央部通路方向には長方形状に開口された収納空間36が形成されている。この収納空間36の通路幅方向で対向する上流側の内壁面に突設する支軸37に後述するガイド片38が上下方向に回動自由に軸支される。
上述のガイド片38は、上述した収納空間36に格納可能な長方板状を有し、その長方板状の上流側に、軸支孔39を備えた起立片40を備えている。そして、両側の軸支孔39を第2天板25の支軸37に挿通させて上下方向に回動可能に軸支される。
さらに、ガイド片38には下流側の中央部を通路方向に切欠いた切込み空間部41を形成することにより、該切込み空間部41を隔てた通路幅方向の両側に細長い押下片42を形成している。さらに、これらの押下片42の上流側付近には、通路方向に沿って上面に小さく突出させた操作子受止部43を形成している。この操作子受止部43は後述する球抜き機構15のガイド片操作子48と対応して受け止める役目を有している。
また、タンクレール14とその下流側の球払出装置16との通路方向の接続部間には球抜き口44が2列の通路23a,23bと対応して左右に開口されている。これらの球抜き口44と対向する上方にガイド片38が配設される。
上述の球抜き機構15は、前記したガイド片38と、その下方に配設される操作体45とから構成される。操作体45は、スライドして球抜き口44を開閉するものであり、この1つの操作体45にスライド操作部46と、中央ガイド壁47と、ガイド片操作子48と、復帰操作子49とをそれぞれ形成して一体化している。
この操作体45は逆T字形を有し、この逆T字形の底辺が水平方向に延びる一水平片をスライド操作部46とし、このスライド操作部46を貯留タンク一体型球払出装置12の外側壁に突出させ、係員が動かして通路方向にスライド操作可能に設けている。また、このスライド操作部46の内方の水平部分を操作体45の底板50とし、操作体45が通路方向にスライドした際に、該底板50が球抜き口44を開閉する。
さらに、操作体45の逆T字形に形成された中央部の起立片を中央ガイド壁47とし、この中央ガイド壁47が整列通路23の中央を仕切る高さに形成されている。そして、該中央ガイド壁47が整列通路23の2列の通路23a,23bを流下してきた球Pの側面を流下ガイドする。また、スライドした際に中央ガイド壁47は、仕切板24の下流側端部にスリット状に開口されている摺動溝51に挿入されて支持され、通路幅方向において安定した摺動ガイド性能が得られる。
さらに、この中央ガイド壁47の下流側上部壁47aが前記ガイド片38の切込み空間部41に介入可能にしてガイド片38を下向きに回動許容している。
さらに、中央ガイド壁47の下流側上部には、中央ガイド壁47の上面より小さく上方に突出させたガイド片操作子48を突設している。このガイド片操作子48は前記切込み空間部41の幅長さより長く形成されてガイド片38の上面に突出し、その上面からガイド片操作子48がガイド片38を押下可能に対応させた押下構造を有している。
また、ガイド片操作子48より若干下側に復帰操作子49を形成している。この復帰操作子49は中央ガイド壁47の両側に突出し、前記切込み空間部41の空間幅より長く突出させてガイド片38の下面に対接し、その下面からガイド片38を押し上げ可能に対応させた押上構造を有している。
この操作体45は、球払出位置では操作体45が流下方向の下流側にスライドして、該操作体45の底板50が球抜き口44の上面を閉鎖した位置にある。これに対し、球抜き位置では該操作体45が流下方向の上流側にスライドして、球抜き口44を開けた位置にある。
前記操作体45が払出位置にスライドしている状態では、図6(B)に想像線で示すように、また図8(A)及び図9(A)にも示すように、復帰操作子49によりガイド片38が整列通路23の高さ方向において、球高さよりも高い位置に退避されている。これにより、球払出時には、ガイド片38は球と接触せず、球1個分の流下通路を確保している。このため、球の流れに支障を生じることはない。
そして、スライド操作部46を、球抜き口44を開ける方向にスライド操作させると、操作体45がスライドし、このスライドした操作体45の動きに連動してガイド片操作子48が横方向に動き、これと交差状態にあるガイド片38は支軸37を回動支点に下向きに移動することになる。これにより、ガイド片38は押し下げられ、ガイド片操作子48が球抜き位置となる操作子受止部43と対応した位置まで押し下げる。これにより、図6(B)に実線で示すように、また図8(B)及び図9(B)に示すように、ガイド片38を下向き回動させて該ガイド片38の先端部が通路を閉鎖した球抜き位置へと下動させることができる。
この操作体45の1スライド操作の動きに連動して通路底面の球抜き口44が開けられると同時に、通路上方からガイド片38の押し下げによる通路規制作用を行う。この結果、傾斜方向の通路は下向きの通路に切り替えられ、この下向きの通路方向と対応する下方に球抜き口44が対向し、これより球抜きがなされる。
さらに、操作体45は開閉操作用にスライドする摺動部材であり、外周部の上下面及び左右の面が摺動ガイド面となり、図7にも示すように、前部カバー52とベース53内で摺動可能に支持されている。
また、操作体45をスライド復帰させると、復帰操作子49が横方向に動き、これと下面側で対向するガイド片38は、復帰操作子49の動きにより上向きに押し上げられて上動復帰する。このように、ガイド片38は上下のガイド片操作子48と復帰操作子49との両操作子48,49で挟持された位置関係にあって、横方向にスライドする動きを上下方向の動きに変換させて通路を切り替えるようにしている。
この操作体45のスライド構造について説明すると、前記スライド操作部46の部分が指先での操作部分となり、ここを把持あるいは押して操作体45を傾斜方向にスライド操作させることになる。また、この操作体45の底板50と対向する左右の前部カバー52とベース53との各壁面下部(図3参照)には水平方向のスライド溝54,55が開口されている。これらのスライド溝54,55に底板部分が係合して操作体45が傾斜方向にスライド可能に摺動支持されている。これにより、操作体45はスライド溝54,55に沿って傾斜方向に安定してスライド移動される。
この操作体45のスライド移動に際しては、さらに操作体45と前部カバー52との対向面と、操作体45とベース53との対向面のうち、操作体45の両側面の一部に位置決め凹部45aを形成し、これと対向する前部カバー52とベース53の各スライド溝近傍の内面の一部に位置決め凸部52a,53aを形成している。
ここでは、前部カバー52側とベース53側とに1つの位置決め凸部52a,53aを形成し、操作体45側に球払出位置と球抜き位置とで対応して位置決めする2つの位置決め凹部45aを形成している(図12参照)。このときの凹凸度合いは操作体45をスライドさせた際に、位置決めされた位置で指先に伝わる操作感触が明確に得られる程度に凹凸形成している。このため、係員が操作体45を動かした際は、一方の球払出位置または他方の球抜き位置でスライド完了したことが明確に分かる。
そして、図7(B)に示すように、球払出位置に操作体45がスライドしている状態では、前記外部の払出し口26に連通する内部の払出し口56が開口された状態にある。
これに対し、図7(C)に示すように、操作体45が球抜き位置にスライドしている状態では、外部の球抜き口57に連通する内部の球抜き口44が開口された状態にある。
さらに、ガイド片38は、整列通路23を流下してきた球Pの頂点を含まない球面傾斜位置58を押下する構成をとっている。具体的には、図10に示すように、整列通路23で両側に整列されて流下する球Pの頂点となる通路幅方向の中心通過ライン59上を避けた押下位置になるようにガイド片38を配置している。図10では、各通路23a,23bの中心通過ライン59を避けた中央寄りの球面傾斜位置58上に、該ガイド片38の押下片42が対向するように設定している。
これにより、ガイド片38は球Pの頂点を回避した球面傾斜位置58を押下することになる。このため、球抜き時に、球Pにガイド片38による上下方向の挟持圧が掛かっても、その球の頂点を含まない位置を押下するため、球Pは斜め下向きの押下力を受けることになり、球Pは斜め方向に逃げることが可能となる。このため、球Pのロック現象を回避した押下ガイドを可能にしている。
さらに、整列通路23のメンテナンス時には第2天板25を開閉可能に、且つ第2天板25を開位置で保持する構成を有している。
通常は、図11(A)に示すように、第2天板25は整列通路23の上面を閉鎖した状態にある。この状態からメンテナンスが必要になったときは、後述する球払出装置16側のスプロケットを覆っている上部カバー67を回動させてロックを外した後、該第2天板25を略90度回動させて起立させる。このとき、図11(B)及び図11(C)に示すように、保持孔35が係合保持爪32に係合されて保持される。
これにより、第2天板25は起立姿勢が維持される。そして、この第2天板25を開位置に保持しておくことができるため、係員は第2天板25を開位置で支えておく必要がなくなり、両手を使って異物除去等の作業ができるようになる。また、第2天板25を外してしまわないため第2天板25が紛失するおそれもない。
次に、球を払出し動作する球払出装置16について説明する。この球払出装置16は、中央部に配設されるベース53の一側壁に形成される駆動部60と、他側壁に形成される払出部61とで構成される。
駆動部60は、駆動モータMと、その駆動モータMの主軸に連結されている駆動ギヤG1と、その駆動ギヤG1に噛合される従動ギヤG2と、制御基板62と、スプロケット66の回転基準位置を決める原点検知センサS1と、回転軸63とが、ベース53と後部カバー64との間に組み込まれて構成される。
そして、この駆動モータMの回転出力が回転軸を介して後述する払出部61に動力伝達される。
上述の払出部61は、ベース53を隔てた上述の駆動部60と反対面側に形成される。この払出部61には、仕切板65と、スプロケット66と、上部カバー67と、計数センサS2とが備えられ、これらがベース53と前部カバー52との間に組み込まれて構成される。
この払出部61では上述の2通路23a,23bに対応して回転軸63上に並列する2連のスプロケット66が備えられている。そして、その間を仕切板65で1列ずつに仕切り、2列の払出通路を構成している。
前記スプロケット66と従動ギヤG2は双方の軸部を嵌合して連結することにより、一体化して回転するよう構成されている。また、スプロケット66は、球Pを1個ずつ送り出すための送り爪が円周方向に等間隔で形成された円盤状を有しており、回転軸63を中心として球の流下方向に回転可能となっている。
さらに、スプロケット66は、球を払い出す際、駆動モータMの駆動ギヤG1を介して伝達された出力によって、制御部(図示せず)から指示された払出個数分だけ回転し、原点検知センサS1の波形から規定位置で停止する構成となっている。そして、ここに導かれた球はスプロケット66の送り爪で仕切り、送り爪間で球を保持しながら回転送りすることにより2条で球を払出動作し、遊技台前面の受皿に通じる下流通路11aへと払い出す。
また、計数センサS2はフォトセンサを用いたセンサであり、スプロケット66の下流に配設され、2列の通路からスプロケット66によって交互に送り出された球を検知して計数するように構成されている。
また、この払出部61のスプロケット66に対しては、スプロケットの周囲を覆っている筒状壁の上部を一部開閉可能なメンテナンス用の上部カバー67が備えられている。
この上部カバー67は、万が一、異物などがスプロケットの部分に入り込んでしまった時の除去手段として、該上部カバー67を開閉可能に構成している。この上部カバー67はスプロケット66を覆っている筒状壁の一部として円弧状に設けられ、この筒状壁の周方向に回動可能に取り付けられている。そして、一側に回動したとき筒状壁の上面開口部52aは閉じられ、他側に回動したとき上面開口部52aが開放される構成を有している。
通常は、図11(A)及び図12(A)に示すように、上部カバー67の上端部に形成されているロック爪67aが第2天板25のロック受け部25aを押下してロックした状態にある。これにより、第2天板25は整列通路23を閉鎖している。また、上部カバー67によりスプロケットの上面開口部52aを閉鎖している。
このロック爪67aの付根部分には前部カバー52の幅より長い位置決め対応軸52bを備えている。この位置決め対応軸52bは上部カバー67の開閉動作に対応して回動し、この回動時の一方と他方で該位置決め対応軸52bが筒状壁の外周面に形成されている閉位置決め段部52cと開位置決め段部52dに係脱可能に対応して位置決めされるようにしている。
これに対し、図11(B)及び図11(C)に示すように、ロック爪67aを掴んで上方に回動させると、閉鎖状態にあった上部カバー67は開操作されて上面開口部52aが開口する。これにより、異物除去等のメンテナンスが可能になる。
また、上部カバー67には筒状壁に沿って形成されている円弧状の下端部に規制爪67bが、図12(B)に示すように、上面開口部52aの開操作時に筒状壁の下側で回転して該規制爪67bが通路内に突出して臨み、球の流下を規制した状態となる。
図13は球抜き用の接続レール68を示している。この接続レール68は、図13(A)に示すように、払出し口26と同通路幅方向に球抜き口57を揃えて配置構成し、通路幅方向を球1個分のスペースで済むように構成している。これにより、遊技台11の盤面裏側での側方スペースの縮小化を図っている。
この球の払出通路の通路構成において、整列通路23はその端部に各払出し口26を形成している。一方、球抜き用の通路は、前記球の払出通路の配置スペースを避けた位置で、しかも通路幅方向に一列に揃えた配置構成を有している。
図13(B)は球抜き用の接続レール68の一例を示し、平面視逆L形状の2列の屈曲した球抜き案内通路69を構成し、その屈曲した端部に球抜き口57に設けている。また、この接続レール68を球払出装置16の下面側に連結できるように該接続レール68の周壁には係合開口部70と係合支軸71とビス止め凹部72とをそれぞれ形成している。
次に、球抜きを行う際の動作について説明する。
通常、貯留タンク一体型球払出装置12が球を払い出しが可能な遊技機として使用されている場合は、球抜き機構15は整列通路23の一部として利用されている。つまり、図9(A)に示すように操作体45の底板50が球抜き口44を閉鎖し、ガイド片38は第2天板25の内側(下側)で球に接触することなく待機している。そして、遊技機本体からの信号に基づき球の払い出し動作が可能な状態となっている。そして、スプロケット66により送り出された球は、下流通路11aを介して遊技機の前面下部に位置する受皿(上皿または下皿)へと払い出される。
次に、遊技機の出荷検査時や廃棄時等のために、貯留タンク一体型球払出装置12内の球を抜き取る場合は、図6(B)に示すように、操作体45を球抜き位置までスライドさせる。これにより、整列通路23上に球抜き口44ができる。
また、操作体45は球抜き位置にスライドしたとき、位置決め凹部45aが位置決め凸部52a,53aに係止されて位置決め保持される。
このとき、ガイド片38は、操作体45の動きに連動してガイド片操作子48が横方向に動き、これと交差状態にあるガイド片38は支軸37を回動支点に下向きに移動する。これにより、ガイド片38を下向き回動させて該ガイド片38の先端部を、通路を閉鎖した球抜き位置へと下動させることができる。
すると、整列通路内に待機していた球はガイド片38によって、球抜き口44へと案内され、球抜き案内通路69を通って球抜き通路28へと流下し、遊技機外へと排出される。
ここで、2列の通路23a,23bにおける球並び(球位置)は、球を送り出すスプロケット66の停止位置(姿勢)によってその位置は変化する。また、スプロケット66は2列で供給される球を交互に1個ずつ払い出す構成になっているため、球送り用の凹部は位相がズレて構成されている。そのため、2列の通路23a,23bに待機している球も互いに位相がズレて並んでいる。これらの状況を加味すると、整列通路23の球位置は様々である。
この球抜き時に用いられるガイド片38は、球の中心をガイドしない球面傾斜位置58を押下する構成としている(図10参照)。このため、整列通路23の球並びが如何なる状態であっても、球抜き時には球抜き通路へと案内するために回動変位ができる構成としている。この結果、球並びの状態に関係なく球を確実に案内することができる。
また、通常の球払出時にガイド片38は、球に接触しない位置に退避しており、球の整列は第1天板24と第2天板25によってのみ行われる。そして、球抜き時のみガイド片38が下向きに回動変位して球通路に現れることで、球を球抜き口44へと案内している。そのため、通常の払い出し時も球抜き時も球の整列については同条件で行われるため、安定した球抜きを実現できる。
さらには、操作者が手で操作する操作体45とガイド片38が直接接触して変位可能にしているため、部品間の動きを連動させるリンク部材等が無くシンプルに構成できるため、結果として省スペースに構成できている。
また、操作体45は手動操作する構成であり、バネ等を使用して機械的に動かすものではないため、球の引っ掛かり具合などを正確に感知しながら動かすことができる。よって、球抜き開始時に操作体45の動きが原因となって球詰まりが発生することはない。
上述の実施例では2条の整列通路23を採用した貯留タンク一体型球払出装置12を示したが、これに限らず、1条の整列通路を採用した貯留タンク一体型球払出装置にも適用することができる。
この発明の構成と、上述の実施例の構成との対応において、
この発明の回転体は、実施例のスプロケット66に対応し、
以下同様に、側面ガイド壁は、中央ガイド壁47に対応し、
天板保持手段は、係合保持爪32と保持孔35に対応し、
天板は、第2天板25に対応し、
開閉部及び通路壁閉鎖部は、上部カバー67に対応し、
通路内閉鎖部は、規制爪67bに対応するも、この発明は上述の実施例の構成に限定されるものではなく、請求項に記載される技術思想に基づいて応用することができる。
球抜き構造を備えた球払出装置の全般に適用することができる。
12…貯留タンク一体型球払出装置
15…球抜き機構
23…整列通路
25…第2天板
38…ガイド片
45…操作体
46…スライド操作部
47…中央ガイド壁
48…ガイド片操作子
49…復帰操作子
50…底板
58…球面傾斜位置
67…上部カバー

Claims (6)

  1. 多数個の球を貯留する貯留タンクと、
    前記貯留タンクに貯留されている球を自重により傾斜方向に転動させ、その傾斜方向に転動する球を整列させる整列通路と、
    前記整列通路に整列された球を回転体の回転送りにより下流に払出す球払出装置と、
    前記球払出装置よりも上流で前記整列通路の底面に開口されている球抜き口を開閉する操作体とを備えた球払出装置の球抜き機構であって、
    前記整列通路を流下してきた球を前記球抜き口へと流下ガイドするガイド片を上下方向に変位可能に前記球抜き口の上方に配設し、
    前記操作体は、
    前記整列通路の通路方向にスライドして前記球抜き口を開閉する底板と、
    前記底板を整列通路の通路方向にスライドさせるスライド操作部と、
    前記整列通路を流下してきた球の側面を流下ガイドする側面ガイド壁とを一体化して備え、
    前記側面ガイド壁には、前記球抜き口を開ける方向に前記スライド操作部をスライド操作することに連動して前記ガイド片を球抜き位置へと変位させるガイド片操作子を備えて構成した
    球払出装置の球抜き機構。
  2. 前記操作体は、
    前記球抜き口を閉じる方向にスライドすることに基づき、前記ガイド片を球抜き位置から球払出位置に退避させる構成とした
    請求項1記載の球払出装置の球抜き機構。
  3. 前記ガイド片は、
    前記整列通路を流下してきた球の頂点を含まない球面傾斜位置を押下する
    請求項1または2記載の球払出装置の球抜き機構。
  4. 前記整列通路の上面高さを規制する天板を少なくとも一部開閉可能に、且つ開位置での天板保持手段を備えて構成した
    請求項1、2または3記載の球払出装置の球抜き機構。
  5. 前記球払出装置の付近をメンテナンス用に開閉する開閉部を備え、
    該開閉部には、
    前記回転体に通じる通路壁の開放部分を開閉可能に閉鎖する通路壁閉鎖部と、
    前記通路壁閉鎖部を開放することに連動して、その通路内の流下空間を閉鎖する通路内閉鎖部とを備えた
    請求項1〜4の何れか1項に記載の球払出装置の球抜き機構。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の球払出装置の球抜き機構を備えて構成した遊技機。
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