図1はパチンコ遊技機の遊技台11の盤面裏側の上部に備えられる貯留タンク一体型球払出装置12を示す。この貯留タンク一体型球払出装置12は、図2にも示すように、上流側から下流側にかけて貯留タンク13とタンクレール14と球抜き機構15と球払出装置16とを横長に一体化して構成している。
上述の貯留タンク13は、図示しない補給シュートから供給される球を受け取れるように、上方が開口された箱型の形状を有している。この貯留タンク13の底面は、球が自重で転動してタンクレール14へと向かうようにタンクレール14へ向けて傾斜した傾斜面を有している。さらに、貯留タンク13の下流側底面近傍の側壁を、複数の球がタンクレール14の入口で球詰まりが生じないように、タンクレール14に近付くにつれて徐々に幅が狭くなるように形成している。
貯留タンク13の下流側には、その下流側上部を覆うタンク内天板17を形成している。このタンク内天板17は貯留タンク13内で山積み状態にある球Pの流れを円滑にする役目を有している。また、貯留タンク13の底面には、球有無検知スイッチSWを配設して、該タンク13内の球の収容状態を検知している。
また、貯留タンク13の下流側端面には図3及び図4に示すように、位置決め用の係合突起18を通路幅方向の両側に突設し、さらに貯留タンク13の一側面にはビス止め孔19を有している。これらで下流側に接続されるタンクレール14を連結するようにしている。
上述のタンクレール14は、球を上流側から下流側に円滑に通過させるための断面凹形状の整列通路部材であり、貯留タンク13のタンク内天板17の下側に接続される。
このタンクレール14の両側壁上面に係合凹部20が備えられ、ここに貯留タンク13の係合突起18が凹凸対応して係合される。また、効率のよい取付性を考慮してタンクレール14の上流側の一側壁に開口されているビス挿通孔21に1本のビス22を通して前記貯留タンク13のビス止め孔19に螺着すれば簡単に連結できる。
また、1本のビス22を外せば貯留タンク13とタンクレール14とを直ちに取り外すことができる。このように、貯留タンク13とタンクレール14とを分離可能に構成することで貯留タンク13の交換を可能にしている。
例えば、遊技機の制御部を静電気から保護する目的で球の帯電を防止するためカーボン材質等を使用した貯留タンク13を用いた場合、仮に破損されやすい性質を有していても破損した貯留タンク13のみを容易に交換することができる。
さらに、タンクレール14は、図5に示すように貯留タンク13に貯留された積層状態の球を少しずつ整列させて流下させるように左右の両壁を先細に絞り、その絞った細長い通路を前方に長く延設し、この延設部分を整列通路23に設けている。
この整列通路23は、左右の壁面とその間の仕切板24とで2列の凹溝を有する通路23a,23bを構成している。この場合、整列通路23の底部には異物排除用に一部開口した排除口23cを開口している。この排除口23cを設けることにより、貯留タンク内に異物が混入しても、その下流側の整列通路23に移動した時点で、異物は排除口23cより落下して排除される。このため、常に球Pのみを通過させるようにして異物の混入による球詰りを回避している。
上述の2列の通路23a,23bを持つ整列通路23の上方空間部には、ここに未整列の不規則に導かれた球を整列させるように、2段高さ制限用の第1天板24と1段高さ制限用の第2天板25とが配設される。
ここで、通路と球の流下性質との関係について述べると、上流側の貯留タンク13のタンク底面から下流側のタンクレール14に球を払い出す底面にかけては、略同一傾斜方向に緩やかに傾斜させて直進する長い平坦な傾斜通路を形成している。このため、球が自重により上流側から下流側へと緩やかに転動する。
またこの場合は、略同一傾斜方向に直進する通路底面であるため、球流下時の落差や方向変換がなくなり、球の流下に適した滑らかな直進通路となり、球は同一傾斜方向に直進移動しながら流下する。
この場合、傾斜通路の傾斜角度が小さければ、傾きが緩いので球の転動速度が遅くなり、下流側への球の供給が滞りやすくなる。これに対し、傾斜通路の傾斜角度が大きいと、傾きが急になるので下流側へ連なって流下する球同士の重力による負荷が増大する。このようなことから傾斜通路の傾斜角度は、球の流れが円滑に得られる5〜8度程度の緩やかな傾斜角度が適している。この傾斜角度に設定すれば、ここを転動する球は速度差が少なくなり、個々の球は安定して流下する。
ことに、傾斜通路は高さ方向よりも横方向に長く延びるため、貯留タンク一体型球払出装置12は高さ方向の占有場所が少なくて済み、遊技台11の盤面裏側中央配置空間を広くとれるコンパクトな取り付けが可能になる。
なお、貯留タンク一体型球払出装置12からの球の払い出しは、球払出装置16側に位置する一端部の下面に設けた払出し口26より球を下方の下流通路11aに払い出すように構成している。この下流通路11aは球払出通路27と球抜き通路28とを同じ通路幅方向に連設している。
上述の第1天板24は、複数段に積まれた球を上方から平面対向して2段高さに制限する平板状を有している。その平板状の通路幅方向の両側を下向きに折曲したコ形状を有し、その両側に折曲した垂片部分がタンクレール14の2列の通路幅をまたいで通路外壁より挟持し、その両側垂片に図5に示すように係合孔29と、図示しない内向きに屈曲したL形状の係止部との一対がそれぞれ形成されている。
そして、この第1天板24をタンクレール14の上方より押し込んだ際に、この第1天板24の係合孔29が、タンクレール14の側壁上面に突出形成されている係合突部30に係合し、且つその下側で図示しないL形状の係止部がタンクレール14の外側壁に突出形成されている係止突起31に係止されることで、第1天板24はタンクレール14の上面を覆った状態に嵌合して取り付けられる。
さらに、この第1天板24の下流側端面には、片持ち支持されて下流側に略水平に突出する係合保持片32が備えられている。この係合保持片32は後述する第2天板25を起立させた際に係合して、その起立姿勢を保持する役目を有している。
上述の第2天板25は、第1天板24の下流側に連設され、2段高さに制限された球をさらに上方から平面対向して1段高さに制限する上面規制部材であり、左右の通路23a,23bに平行して対向する通路方向に長く、また1段高さ制限用に下向きに湾曲させた板状を有している。
この第2天板25は、上流側の通路幅方向の両外側壁に枢支軸33を幅方向に水平に突出している。該枢支軸33が、タンクレール14の両側壁上部に形成されている凹状の半円状軸受部34に回動自由に軸支されている。そして、この半円状軸受部34に軸支されている枢支軸33を回動支点に、第2天板25は整列通路23の上面を覆った閉位置と、整列通路23の上面より上向きに90度回動して起立することで、開放された開位置とに回動可能に支持されている。
さらに、この第2天板25の上流側中央部に前記係合保持爪32を挿通して係合保持する保持孔35が開口されている。そして、第2天板25を起立させた位置で該保持孔35が第1天板24の係合保持片32に係合して該第2天板25は開位置となった起立姿勢が維持される(図11(B)、図11(C)参照)これにより、整列通路23のメンテナンスを可能にしている。
通常は第2天板25の下流側端部に形成されている開閉操作部を兼ねたロック受け部25aが、後述するロック爪67aにより係止されて閉状態を保っている。
さらに、第2天板25の中央部通路方向には長方形状に開口された収納空間36が形成されている。この収納空間36の通路幅方向で対向する上流側の内壁面に突設する支軸37に後述するガイド片38が上下方向に回動自由に軸支される。
上述のガイド片38は、上述した収納空間36に格納可能な長方板状を有し、その長方板状の上流側に、軸支孔39を備えた起立片40を備えている。そして、両側の軸支孔39を第2天板25の支軸37に挿通させて上下方向に回動可能に軸支される。
さらに、ガイド片38には下流側の中央部を通路方向に切欠いた切込み空間部41を形成することにより、該切込み空間部41を隔てた通路幅方向の両側に細長い押下片42を形成している。さらに、これらの押下片42の上流側付近には、通路方向に沿って上面に小さく突出させた操作子受止部43を形成している。この操作子受止部43は後述する球抜き機構15のガイド片操作子48と対応して受け止める役目を有している。
また、タンクレール14とその下流側の球払出装置16との通路方向の接続部間には球抜き口44が2列の通路23a,23bと対応して左右に開口されている。これらの球抜き口44と対向する上方にガイド片38が配設される。
上述の球抜き機構15は、前記したガイド片38と、その下方に配設される操作体45とから構成される。操作体45は、スライドして球抜き口44を開閉するものであり、この1つの操作体45にスライド操作部46と、中央ガイド壁47と、ガイド片操作子48と、復帰操作子49とをそれぞれ形成して一体化している。
この操作体45は逆T字形を有し、この逆T字形の底辺が水平方向に延びる一水平片をスライド操作部46とし、このスライド操作部46を貯留タンク一体型球払出装置12の外側壁に突出させ、係員が動かして通路方向にスライド操作可能に設けている。また、このスライド操作部46の内方の水平部分を操作体45の底板50とし、操作体45が通路方向にスライドした際に、該底板50が球抜き口44を開閉する。
さらに、操作体45の逆T字形に形成された中央部の起立片を中央ガイド壁47とし、この中央ガイド壁47が整列通路23の中央を仕切る高さに形成されている。そして、該中央ガイド壁47が整列通路23の2列の通路23a,23bを流下してきた球Pの側面を流下ガイドする。また、スライドした際に中央ガイド壁47は、仕切板24の下流側端部にスリット状に開口されている摺動溝51に挿入されて支持され、通路幅方向において安定した摺動ガイド性能が得られる。
さらに、この中央ガイド壁47の下流側上部壁47aが前記ガイド片38の切込み空間部41に介入可能にしてガイド片38を下向きに回動許容している。
さらに、中央ガイド壁47の下流側上部には、中央ガイド壁47の上面より小さく上方に突出させたガイド片操作子48を突設している。このガイド片操作子48は前記切込み空間部41の幅長さより長く形成されてガイド片38の上面に突出し、その上面からガイド片操作子48がガイド片38を押下可能に対応させた押下構造を有している。
また、ガイド片操作子48より若干下側に復帰操作子49を形成している。この復帰操作子49は中央ガイド壁47の両側に突出し、前記切込み空間部41の空間幅より長く突出させてガイド片38の下面に対接し、その下面からガイド片38を押し上げ可能に対応させた押上構造を有している。
この操作体45は、球払出位置では操作体45が流下方向の下流側にスライドして、該操作体45の底板50が球抜き口44の上面を閉鎖した位置にある。これに対し、球抜き位置では該操作体45が流下方向の上流側にスライドして、球抜き口44を開けた位置にある。
前記操作体45が払出位置にスライドしている状態では、図6(B)に想像線で示すように、また図8(A)及び図9(A)にも示すように、復帰操作子49によりガイド片38が整列通路23の高さ方向において、球高さよりも高い位置に退避されている。これにより、球払出時には、ガイド片38は球と接触せず、球1個分の流下通路を確保している。このため、球の流れに支障を生じることはない。
そして、スライド操作部46を、球抜き口44を開ける方向にスライド操作させると、操作体45がスライドし、このスライドした操作体45の動きに連動してガイド片操作子48が横方向に動き、これと交差状態にあるガイド片38は支軸37を回動支点に下向きに移動することになる。これにより、ガイド片38は押し下げられ、ガイド片操作子48が球抜き位置となる操作子受止部43と対応した位置まで押し下げる。これにより、図6(B)に実線で示すように、また図8(B)及び図9(B)に示すように、ガイド片38を下向き回動させて該ガイド片38の先端部が通路を閉鎖した球抜き位置へと下動させることができる。
この操作体45の1スライド操作の動きに連動して通路底面の球抜き口44が開けられると同時に、通路上方からガイド片38の押し下げによる通路規制作用を行う。この結果、傾斜方向の通路は下向きの通路に切り替えられ、この下向きの通路方向と対応する下方に球抜き口44が対向し、これより球抜きがなされる。
さらに、操作体45は開閉操作用にスライドする摺動部材であり、外周部の上下面及び左右の面が摺動ガイド面となり、図7にも示すように、前部カバー52とベース53内で摺動可能に支持されている。
また、操作体45をスライド復帰させると、復帰操作子49が横方向に動き、これと下面側で対向するガイド片38は、復帰操作子49の動きにより上向きに押し上げられて上動復帰する。このように、ガイド片38は上下のガイド片操作子48と復帰操作子49との両操作子48,49で挟持された位置関係にあって、横方向にスライドする動きを上下方向の動きに変換させて通路を切り替えるようにしている。
この操作体45のスライド構造について説明すると、前記スライド操作部46の部分が指先での操作部分となり、ここを把持あるいは押して操作体45を傾斜方向にスライド操作させることになる。また、この操作体45の底板50と対向する左右の前部カバー52とベース53との各壁面下部(図3参照)には水平方向のスライド溝54,55が開口されている。これらのスライド溝54,55に底板部分が係合して操作体45が傾斜方向にスライド可能に摺動支持されている。これにより、操作体45はスライド溝54,55に沿って傾斜方向に安定してスライド移動される。
この操作体45のスライド移動に際しては、さらに操作体45と前部カバー52との対向面と、操作体45とベース53との対向面のうち、操作体45の両側面の一部に位置決め凹部45aを形成し、これと対向する前部カバー52とベース53の各スライド溝近傍の内面の一部に位置決め凸部52a,53aを形成している。
ここでは、前部カバー52側とベース53側とに1つの位置決め凸部52a,53aを形成し、操作体45側に球払出位置と球抜き位置とで対応して位置決めする2つの位置決め凹部45aを形成している(図12参照)。このときの凹凸度合いは操作体45をスライドさせた際に、位置決めされた位置で指先に伝わる操作感触が明確に得られる程度に凹凸形成している。このため、係員が操作体45を動かした際は、一方の球払出位置または他方の球抜き位置でスライド完了したことが明確に分かる。
そして、図7(B)に示すように、球払出位置に操作体45がスライドしている状態では、前記外部の払出し口26に連通する内部の払出し口56が開口された状態にある。
これに対し、図7(C)に示すように、操作体45が球抜き位置にスライドしている状態では、外部の球抜き口57に連通する内部の球抜き口44が開口された状態にある。
さらに、ガイド片38は、整列通路23を流下してきた球Pの頂点を含まない球面傾斜位置58を押下する構成をとっている。具体的には、図10に示すように、整列通路23で両側に整列されて流下する球Pの頂点となる通路幅方向の中心通過ライン59上を避けた押下位置になるようにガイド片38を配置している。図10では、各通路23a,23bの中心通過ライン59を避けた中央寄りの球面傾斜位置58上に、該ガイド片38の押下片42が対向するように設定している。
これにより、ガイド片38は球Pの頂点を回避した球面傾斜位置58を押下することになる。このため、球抜き時に、球Pにガイド片38による上下方向の挟持圧が掛かっても、その球の頂点を含まない位置を押下するため、球Pは斜め下向きの押下力を受けることになり、球Pは斜め方向に逃げることが可能となる。このため、球Pのロック現象を回避した押下ガイドを可能にしている。
さらに、整列通路23のメンテナンス時には第2天板25を開閉可能に、且つ第2天板25を開位置で保持する構成を有している。
通常は、図11(A)に示すように、第2天板25は整列通路23の上面を閉鎖した状態にある。この状態からメンテナンスが必要になったときは、後述する球払出装置16側のスプロケットを覆っている上部カバー67を回動させてロックを外した後、該第2天板25を略90度回動させて起立させる。このとき、図11(B)及び図11(C)に示すように、保持孔35が係合保持爪32に係合されて保持される。
これにより、第2天板25は起立姿勢が維持される。そして、この第2天板25を開位置に保持しておくことができるため、係員は第2天板25を開位置で支えておく必要がなくなり、両手を使って異物除去等の作業ができるようになる。また、第2天板25を外してしまわないため第2天板25が紛失するおそれもない。
次に、球を払出し動作する球払出装置16について説明する。この球払出装置16は、中央部に配設されるベース53の一側壁に形成される駆動部60と、他側壁に形成される払出部61とで構成される。
駆動部60は、駆動モータMと、その駆動モータMの主軸に連結されている駆動ギヤG1と、その駆動ギヤG1に噛合される従動ギヤG2と、制御基板62と、スプロケット66の回転基準位置を決める原点検知センサS1と、回転軸63とが、ベース53と後部カバー64との間に組み込まれて構成される。
そして、この駆動モータMの回転出力が回転軸を介して後述する払出部61に動力伝達される。
上述の払出部61は、ベース53を隔てた上述の駆動部60と反対面側に形成される。この払出部61には、仕切板65と、スプロケット66と、上部カバー67と、計数センサS2とが備えられ、これらがベース53と前部カバー52との間に組み込まれて構成される。
この払出部61では上述の2通路23a,23bに対応して回転軸63上に並列する2連のスプロケット66が備えられている。そして、その間を仕切板65で1列ずつに仕切り、2列の払出通路を構成している。
前記スプロケット66と従動ギヤG2は双方の軸部を嵌合して連結することにより、一体化して回転するよう構成されている。また、スプロケット66は、球Pを1個ずつ送り出すための送り爪が円周方向に等間隔で形成された円盤状を有しており、回転軸63を中心として球の流下方向に回転可能となっている。
さらに、スプロケット66は、球を払い出す際、駆動モータMの駆動ギヤG1を介して伝達された出力によって、制御部(図示せず)から指示された払出個数分だけ回転し、原点検知センサS1の波形から規定位置で停止する構成となっている。そして、ここに導かれた球はスプロケット66の送り爪で仕切り、送り爪間で球を保持しながら回転送りすることにより2条で球を払出動作し、遊技台前面の受皿に通じる下流通路11aへと払い出す。
また、計数センサS2はフォトセンサを用いたセンサであり、スプロケット66の下流に配設され、2列の通路からスプロケット66によって交互に送り出された球を検知して計数するように構成されている。
また、この払出部61のスプロケット66に対しては、スプロケットの周囲を覆っている筒状壁の上部を一部開閉可能なメンテナンス用の上部カバー67が備えられている。
この上部カバー67は、万が一、異物などがスプロケットの部分に入り込んでしまった時の除去手段として、該上部カバー67を開閉可能に構成している。この上部カバー67はスプロケット66を覆っている筒状壁の一部として円弧状に設けられ、この筒状壁の周方向に回動可能に取り付けられている。そして、一側に回動したとき筒状壁の上面開口部52aは閉じられ、他側に回動したとき上面開口部52aが開放される構成を有している。
通常は、図11(A)及び図12(A)に示すように、上部カバー67の上端部に形成されているロック爪67aが第2天板25のロック受け部25aを押下してロックした状態にある。これにより、第2天板25は整列通路23を閉鎖している。また、上部カバー67によりスプロケットの上面開口部52aを閉鎖している。
このロック爪67aの付根部分には前部カバー52の幅より長い位置決め対応軸52bを備えている。この位置決め対応軸52bは上部カバー67の開閉動作に対応して回動し、この回動時の一方と他方で該位置決め対応軸52bが筒状壁の外周面に形成されている閉位置決め段部52cと開位置決め段部52dに係脱可能に対応して位置決めされるようにしている。
これに対し、図11(B)及び図11(C)に示すように、ロック爪67aを掴んで上方に回動させると、閉鎖状態にあった上部カバー67は開操作されて上面開口部52aが開口する。これにより、異物除去等のメンテナンスが可能になる。
また、上部カバー67には筒状壁に沿って形成されている円弧状の下端部に規制爪67bが、図12(B)に示すように、上面開口部52aの開操作時に筒状壁の下側で回転して該規制爪67bが通路内に突出して臨み、球の流下を規制した状態となる。
図13は球抜き用の接続レール68を示している。この接続レール68は、図13(A)に示すように、払出し口26と同通路幅方向に球抜き口57を揃えて配置構成し、通路幅方向を球1個分のスペースで済むように構成している。これにより、遊技台11の盤面裏側での側方スペースの縮小化を図っている。
この球の払出通路の通路構成において、整列通路23はその端部に各払出し口26を形成している。一方、球抜き用の通路は、前記球の払出通路の配置スペースを避けた位置で、しかも通路幅方向に一列に揃えた配置構成を有している。
図13(B)は球抜き用の接続レール68の一例を示し、平面視逆L形状の2列の屈曲した球抜き案内通路69を構成し、その屈曲した端部に球抜き口57に設けている。また、この接続レール68を球払出装置16の下面側に連結できるように該接続レール68の周壁には係合開口部70と係合支軸71とビス止め凹部72とをそれぞれ形成している。
次に、球抜きを行う際の動作について説明する。
通常、貯留タンク一体型球払出装置12が球を払い出しが可能な遊技機として使用されている場合は、球抜き機構15は整列通路23の一部として利用されている。つまり、図9(A)に示すように操作体45の底板50が球抜き口44を閉鎖し、ガイド片38は第2天板25の内側(下側)で球に接触することなく待機している。そして、遊技機本体からの信号に基づき球の払い出し動作が可能な状態となっている。そして、スプロケット66により送り出された球は、下流通路11aを介して遊技機の前面下部に位置する受皿(上皿または下皿)へと払い出される。
次に、遊技機の出荷検査時や廃棄時等のために、貯留タンク一体型球払出装置12内の球を抜き取る場合は、図6(B)に示すように、操作体45を球抜き位置までスライドさせる。これにより、整列通路23上に球抜き口44ができる。
また、操作体45は球抜き位置にスライドしたとき、位置決め凹部45aが位置決め凸部52a,53aに係止されて位置決め保持される。
このとき、ガイド片38は、操作体45の動きに連動してガイド片操作子48が横方向に動き、これと交差状態にあるガイド片38は支軸37を回動支点に下向きに移動する。これにより、ガイド片38を下向き回動させて該ガイド片38の先端部を、通路を閉鎖した球抜き位置へと下動させることができる。
すると、整列通路内に待機していた球はガイド片38によって、球抜き口44へと案内され、球抜き案内通路69を通って球抜き通路28へと流下し、遊技機外へと排出される。
ここで、2列の通路23a,23bにおける球並び(球位置)は、球を送り出すスプロケット66の停止位置(姿勢)によってその位置は変化する。また、スプロケット66は2列で供給される球を交互に1個ずつ払い出す構成になっているため、球送り用の凹部は位相がズレて構成されている。そのため、2列の通路23a,23bに待機している球も互いに位相がズレて並んでいる。これらの状況を加味すると、整列通路23の球位置は様々である。
この球抜き時に用いられるガイド片38は、球の中心をガイドしない球面傾斜位置58を押下する構成としている(図10参照)。このため、整列通路23の球並びが如何なる状態であっても、球抜き時には球抜き通路へと案内するために回動変位ができる構成としている。この結果、球並びの状態に関係なく球を確実に案内することができる。
また、通常の球払出時にガイド片38は、球に接触しない位置に退避しており、球の整列は第1天板24と第2天板25によってのみ行われる。そして、球抜き時のみガイド片38が下向きに回動変位して球通路に現れることで、球を球抜き口44へと案内している。そのため、通常の払い出し時も球抜き時も球の整列については同条件で行われるため、安定した球抜きを実現できる。
さらには、操作者が手で操作する操作体45とガイド片38が直接接触して変位可能にしているため、部品間の動きを連動させるリンク部材等が無くシンプルに構成できるため、結果として省スペースに構成できている。
また、操作体45は手動操作する構成であり、バネ等を使用して機械的に動かすものではないため、球の引っ掛かり具合などを正確に感知しながら動かすことができる。よって、球抜き開始時に操作体45の動きが原因となって球詰まりが発生することはない。
上述の実施例では2条の整列通路23を採用した貯留タンク一体型球払出装置12を示したが、これに限らず、1条の整列通路を採用した貯留タンク一体型球払出装置にも適用することができる。
この発明の構成と、上述の実施例の構成との対応において、
この発明の回転体は、実施例のスプロケット66に対応し、
以下同様に、側面ガイド壁は、中央ガイド壁47に対応し、
天板保持手段は、係合保持爪32と保持孔35に対応し、
天板は、第2天板25に対応し、
開閉部及び通路壁閉鎖部は、上部カバー67に対応し、
通路内閉鎖部は、規制爪67bに対応するも、この発明は上述の実施例の構成に限定されるものではなく、請求項に記載される技術思想に基づいて応用することができる。