以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図34を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、正面方向に付勢されており、その付勢に抗して背面方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー54bの操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の上方右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図34を参照して、下皿50について説明する。まず、下皿50の全体構成について、図5から図9を参照して説明する。図5は、内枠12及び下皿50の正面斜視図であり、図6は、内枠12及び下皿50の分解正面斜視図である。
図5及び図6に示すように、内枠12の下方左側には、正面視矩形の開口として形成される払出口23が配設され、その払出口23に対応する位置(即ち、払出口23から払い出された球を受け入れ可能な位置)に下皿50が配設される。上皿17に貯留しきれなかった球は、払出口23から下皿50へ払い出され、下皿50の貯留領域に貯留される。
下皿50は、正面視において、貯留領域の左側に払出口23が偏って位置すると共に、底壁部材54が払出口23の下面よりも下方に位置する姿勢で、内枠12に配設される。よって、払出口23から払い出された球は、初期段階では、下皿50の底壁部材54を、正面視左側から右側へ向けて流動しつつ貯留されると共に、底壁部材54全体に球が広がる程度に球が貯留されると、払出口23近傍に山を形成する態様で貯留される。下皿50に所定量の球が貯留されると、遊技者は、球抜きレバー54bを操作して、下皿50の下方に配置された箱(いわゆる千両箱)へ球を排出する。
ここで、本実施形態では、下皿50の側壁部材55が前後に変位可能に形成され、かかる側壁部材55を前方へ張り出させる又は後方へ後退させることで、貯留領域の大きさを拡大または縮小することができる(図7及び図8参照)。よって、貯留領域の大きさが拡大できることで、下皿50からの球抜き操作の頻度を減らすことができ、その分、遊技者が遊技に集中できる状態とすることができる。一方、貯留領域の大きさが縮小できることで、前面枠14の開放時に隣のパチンコ機10に下皿50(張り出された側壁部材55)が干渉することや搬送時の外形が大型化することを抑制できる。かかる下皿50の拡大および縮小の構造について、以下に詳細を説明する。
図7(a)及び図7(b)は、縮小状態における下皿50の正面斜視図であり、図8(a)及び図8(b)は、拡大状態における下皿50の正面斜視図である。また、図9は、下皿50の分解正面斜視図である。なお、図9では、縮小状態における下皿50の分解状態が図示される。
図7から図9に示すように、下皿50は、貯留領域の底面を形成する底壁部材54と、その底壁部材54から立設され貯留領域の側面を形成する側壁部材55及び内壁部材56と、側壁部材55を底壁部材54に回転可能に軸支するための軸支ピン57及び軸支板58とを主に備える。
底壁部材54は、前方へ向けて略水平に張り出した姿勢で内枠12の前面に配設される板状の部材であり、下皿50の貯留領域から球を排出するための開口である球抜き穴54aと、その球抜き穴54aを開放させる際に遊技者に操作される球抜きレバー54bとを備える。球抜き穴54aは、底壁部材54の上面視において、下皿50の貯留領域の右側(払出口23と反対側)に偏って配設され、底壁部材54の上面は、四方から球抜き穴54aへ向けて下降傾斜する形態に形成される。
側壁部材55は、上面視略L字形状に形成され、その略L字形状の長辺部分(第1片551X〜557X、図11〜図19参照)の一端側および短辺部分(第2片551Y〜557Y、図11〜図19参照)の他端側を前面枠12の正面へ向けることで、L字形状の屈曲部分を前面枠12の前方へ突出させた姿勢に配設される。よって、前面枠12の前面には、側壁部材55によって上面視略三角形状の空間が区画される。側壁部材55は、上面視略L字形状の長辺部分の一端(正面視左側、即ち、前面枠14が開閉可能に軸支される側と同じ側の端部)が、軸支ピン57及び取付板58により底壁部材54に回転可能に軸支される。
なお、側壁部材55は、上面視略L字形状の複数(本実施形態では7個)の分割体(第1分割体551から第7分割体557、図11から図19参照)を、回転軸(軸支ピン57)の軸方向に沿って重ね合わせて形成される。これら各分割体551〜557は、軸支ピン57を回転中心として回転されると、上層側の分割体ほど外方へ大きく変位されることで、階段形状を形成し、下皿50の貯留領域を拡大させる。よって、底壁部材54における球抜き穴54a(図9参照)の配置の自由度を確保できる。
即ち、底壁部および側壁部を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、貯留領域を拡大または縮小する構造では、固定側の底壁部とスライド側の底壁部との重なり部分には球抜き穴を配置することができず、その配置の自由度が低下する。
これに対し、本実施形態によれば、上下に重ね合わせた各分割体551〜557が変位して階段形状を形成することで貯留領域を拡大する構造であり、貯留領域の拡大または縮小のために変位する部位(各分割体551〜557)と底壁部材54との間に重なり代が形成されない。よって、底壁部材54の任意の位置に球抜き穴54aを配置することができ、その配置の自由度を確保できる。
また、側壁部材55は、上層側の分割体ほど外方へ大きく変位されることで、階段形状に拡大される(図8参照)。即ち、上層側の分割体ほど遊技者から視て手前側に張り出されるので、上皿17との間の間隔を狭めることなく、かつ、手前側の開口が広くされた状態で、貯留領域を拡大するので、遊技者の手を下皿50内へ入れやすくすることができる。言い換えれば、その分、上皿17を大型化することができる。また、このように、側壁部材55が遊技者から視て手前側に張り出されることで、下皿50が拡大状態にあることを遊技者に認識させやすくすることができる。
内壁部材56は、底壁部材54から立設される板状の部材であり、側壁部材55の上面視略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の内側(貯留領域側)に配設され、下皿50の貯留領域における側面の一部を形成する。即ち、下皿50の貯留領域における側面は、縮小状態では、内枠12と、側壁部材55の上面視略L字形状の長辺部分(第1片551X〜557X)と、内壁部材56とにより形成され、拡大状態では、側壁部材55の上面視略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)がこれに加わる。
ここで、側壁部材55の上面視略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)は、それぞれ長さ寸法が異なる。そのため、縮小状態では、それぞれの端部が互いに異なる位置に配設され、短辺部分(第2片551Y〜557Y)の長手方向に沿って複数の段差が形成される。よって、かかる短辺部分(第2片551Y〜557Y)により下皿50の貯留領域における側面が形成されると、例えば、遊技を終了する際に下皿50に残った1乃至数個の球を取り出す際に、球が段差に引っ掛かり、取り出し難い。
即ち、下皿50の上方には上皿17が配設され、スペースが狭いため、下皿50内の球を指で摘み上げることは困難である。そのため、左手の指で球を下皿50の貯留領域における向かって右側(ハンドル51側)の側面に押し付けつつ手前側に転がして取り出すこととなる。この場合に、上述した段差が形成されていると、球が段差に引っ掛かり、取り出し難くなる。
これに対し、本実施形態では、皿50の貯留領域における向かって右側(ハンドル51側)の側面は、縮小状態では、内壁部材56により形成され、平坦面状に形成される。即ち、短辺部分(第2片551Y〜557Y)による段差を、内壁部材56により隠すことができる。その結果、左手の指で球を下皿50の貯留領域における向かって右側(ハンドル51側)の側面に押し付けつつ手前側に転がすことで、容易に取り出すことができる。
このように、本実施形態では、内壁部材56が貯留領域の内壁の一部を形成し、図7に示す縮小状態では、各分割体551〜557の略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)を内壁部材56の背面側に配置し、図8に示す拡大状態では、各分割体551〜557の略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)を内壁部材56の側方に並設させ、かかる略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)と内壁部材56との両者により貯留領域の内壁の一部を形成する。これにより、略L字形状の短辺部分の長さ寸法を短縮化して、その分、略L字形状の短辺部分の移動のために必要なスペースを抑制することができる。
即ち、内壁部材56を設けない場合には、貯留領域が縮小された状態においてのみでなく、貯留領域が拡大された状態においても、各分割体551〜557の略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)が貯留領域の内壁の一部となる必要があるため、略L字形状の短辺部分の長さ寸法として、内壁部材56に相当する長さ寸法と貯留領域(内壁)の拡大分に相当する長さ寸法とを加算した寸法が必要となる。
そのため、略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の移動のために必要なスペースが大きくなり、かかるスペースの一部を、内枠12の内部空間に確保する必要がある。即ち、略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の他端側を、図7に示す縮小状態において、内枠12の内部空間に収容させる必要が生じる。
これに対し、内壁部材56を設けることで、拡大状態においてのみ、略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)が貯留領域の内壁となれば良いので、略L字形状の短辺部分の長さ寸法を、拡大分に相当する長さ寸法に抑制することができる(内壁部材56に相当する長さ寸法を不要とできる)。その結果、略L字形状の短辺部分の移動のために必要なスペースを抑制でき、そのスペースの一部を内枠12の内部空間に確保することを不要とできる。
内壁部材56の背面側には、規制部56aが突設され、その規制部56aは、側壁部材55の上面視略L字形状の短辺部分(第2片551Y)の上面に重なる。よって、球の重量を受けた側壁部材55が下方へ倒れ込もうとすると、規制部56aが側壁部材55(短辺部分)の上面を押圧して、その浮き上がりを抑制できるので、側壁部材55の下方への倒れ込みを抑制することができる。また、規制部56aは、側壁部材55のストッパ部551S1に当接可能とされるので、側壁部材55の拡大方向への回転を規制して張出位置(図9参照)に保持することができる。
この場合、各分割体551〜557は、上側の分割体ほど略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の長さ寸法が大きくされ(図11から図19参照)、図8に示す拡大状態が形成されると、上側の分割体ほど外方へ張り出されると共に、略L字形状の短辺部分の端面(拡大方向と反対側、図8右側)がそれぞれ面一に配置されるので(図8参照)、各分割体551〜557の略L字形状の短辺部分どうしの重なり代を確保して、球の重量に対する撓みを抑制しつつ、略L字形状の短辺部分の長さを抑制して、部品コストの抑制を図ることができる。
即ち、図8に示す拡大状態では、各分割体551〜557において、上側の分割体よりも下側の分割体における略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の端面が突出されていたとしても、その突出分は、隣接する短辺部分に対して撓みの抑制には寄与できない。一方、図7に示す縮小状態では、各分割体551〜557の略L字形状の短辺部分どうしの重なり代が減少されるが、球の重量は内壁部材56に作用され、略L字形状の短辺部分には直接的には作用されない。よって、本構成が有効となる。
また、内壁部材56の規制部56は、図8に示す拡大状態において、それぞれ面一に配置された略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の端面側の端部における上面に重なる。即ち、後述するように、貯留領域は、縮小状態、第1状態から第5状態および拡大状態の7段階で拡大または縮小されるところ(図22及び図23参照)、そのいずれの状態においても、全ての分割体(第1〜第7分割体551〜557)の略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)と上面視において重なることができる位置に配置される。よって、貯留領域の拡大の程度(7段階のうちのいずれの段階であるか)に関わらず、各分割体551〜557の略L字形状の短辺部分を最適な支点位置で支えることができ、側壁部材55の撓みを抑制できる。
更に、内壁部材56の規制部56は、側壁部材55(第1分割体551)のストッパ部551S1に当接可能となることで、側壁部材55の拡大方向への回転を規制することができる。即ち、規制部56aは、側壁部材55(第1分割体551)の略L字形状の短辺部分(第2片551Y)の上面を支持して撓みを抑制する役割だけでなく、各分割体551〜557の拡大方向への回転を規制するストッパとしての役割も兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
ここで、下皿50がその貯留領域を拡大または縮小可能に形成される場合には、複数のパチンコ機10が並設されたホールにおいて、下皿50が拡大された状態のままで前面枠14が不用意に開放されると、拡大された下皿50が隣のパチンコ機10に接触して破損するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、下皿50の回転軸(軸支ピン57)が、前面枠14を開閉可能に軸支する軸(図示せず)と平行であって、幅方向において同じ側(正面視左側)に配設されるので、下皿50が拡大されたまま前面枠14が開放され、隣に設置されたパチンコ機10に下皿50が接触したとしても、側壁部材55を縮小方向に回転させることができるので、下皿50が破損することを抑制することができる。
特に、本実施形態では、側壁部材55が上面視略L字形状に形成され、側壁部材55が内枠12の前面から突出する突出量は、回転軸(軸支ピン57)から離間するに従って大きくされ、上面視略L字形状の屈曲部分で最大とされるので、拡大された下皿50が前面枠14の開放により隣のパチンコ機10に接触した際には、その接触により側壁部材55に作用される押圧力を、側壁部材55を回転軸まわりに回転させるトルクを形成しやすい向きで側壁部材55(長辺部分)に作用させることができる。よって、側壁部材55を縮小方向に回転させやすくして、下皿50が破損することを抑制することができる。
更に、側壁部材55は、上面視略L字形状の長辺部分(第1片551X〜557X)が外方へ凸の円弧状に湾曲して形成されるので、拡大された下皿50が前面枠14の開放により隣のパチンコ機10に接触した際には、側壁部材55(長辺部分の外周面)に沿って相手部材を摺動させ、両者が引っ掛かることを抑制できる。よって、側壁部材55を縮小方向にスムーズに回転させることができ、その結果、下皿50が破損することを抑制することができる。
また、側壁部材55は、上面視略L字形状の短辺部分(第1片551Y〜557Y)が、後述するように、回転軸(軸支ピン57)を中心とする円弧状に湾曲して形成されるので、拡大された下皿50が前面枠14の開放により隣のパチンコ機10に接触した際には、側壁部材55の短辺部分が相手部材に接触することを抑制できる。即ち、相手部材が側壁部材55の短辺部分に接触して、側壁部材55の縮小方向への回転が阻害されることを抑制できる。その結果、下皿50が破損することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、下皿50(第1分割体551)がハンドル51と同じ高さ位置に配設される。よって、回転軸(軸支ピン57)と隣接するパチンコ機10のハンドル51との間の間隔(水平方向の距離)が、第1分割体551の第1片551Yの水平方向寸法よりも小さい場合には、下皿50が拡大された状態のままで前面枠14が開放されると、拡大された下皿50が隣のパチンコ機10のハンドル51に接触される。
この場合、ハンドル51は、球状に形成されるため、拡大された下皿50が前面枠14の開放により隣のパチンコ機10のハンドル51に接触した際には、側壁部材55(第1片551Yの外周面)に沿って摺動させ、両者が引っ掛かることを抑制できる。よって、側壁部材55を縮小方向にスムーズに回転させることができ、その結果、下皿50が破損することを抑制することができる。
次いで、下皿50の詳細構成について、図10から図34を参照して説明する。図10(a)は、縮小された状態における側壁部材55の上面図であり、図10(b)は、拡大された状態における側壁部材55の上面図である。図11から図13は、図10(a)の矢印A方向視における側壁部材55の分解正面斜視図であり、図14から図16は、図10(a)の矢印B方向視における側壁部材55の分解正面斜視図である。また、図17から図19は、側壁部材55の下面視における分解下面斜視図である。
なお、図11、図14及び図17の(a)及び(b)には第1分割体551及び第2分割体552が、図12、図15及び図18の(a)及び(b)には第3分割体553及び第4分割体554が、図13、図16及び図19の(a)、(b)及び(c)には第5分割体555、第6分割体556及び第7分割体557が、それぞれ図示される。
図10に示すように、側壁部材55は、上面視略L字形状に形成され、回転軸(軸支ピン57、図9参照)の軸方向に沿って重ね合わされた複数(本実施形態では7個)の分割体(第1分割体551から第7分割体557)から形成される。各分割体551〜557は、上面視において重なる形状(略同一の形状)に樹脂材料から形成される。
具体的には、側壁部材55は、第1分割体551により最上層が形成され、第1分割体551の下面(図10(a)紙面奥側の面)に第2分割体552から第6分割体556がそれぞれ順に配設され、第6分割体556の下面に配設された第7分割体557により最下層が形成される。なお、最下層の第7分割体557は、側壁部材55(図9参照)に締結固定される。
図11から図19に示すように、第1分割体551から第7分割体557は、一端側に軸支孔551a〜557aが穿設され上面視略L字形状の長辺部分を形成する第1片551X〜557Xと、その第1片551X〜557Xの他端側に連設され上面視略L字形状の短辺部分を形成する第2片551Y〜557Yとから形成される。
第1片551X〜557Xは、貯留領域となる側が凹(即ち、外方へ凸)となる円弧状に、第2片551Y〜557Yは、軸支孔551a〜557aを中心とし且つ略同径の円弧状に、それぞれ上面視形状(軸支孔551a〜557aの軸方向視形状)が湾曲して形成される。
第1片551X〜557Xが外方へ凸となる円弧状に湾曲されることで、貯留領域の大きさを確保できるだけでなく、上述したように、下皿50が拡大されたまま前面枠14が開放され隣のパチンコ機10等に衝突した際に、下皿50(側壁部材55)を閉じやすくできる。また、第2片551Y〜557Yが軸支孔551a〜557aを中心とする円弧状に湾曲されることで、側壁部材55の拡大および縮小の各状態において、周方向に重なり合う状態を維持可能とし、後述するように、側壁部材55の剛性を高め、球の重量によって撓むことを抑制できる。
第2分割体552から第7分割体557の第1片552X〜557Xの上面には、第1片552X〜557Xの長手方向に沿って延設され断面矩形状の突起として突設される突起部552b〜557bが配設される(図11から図16参照)。一方、第1分割体551から第6分割体556の第1片551X〜556Xの下面には、第1片551X〜556Xの長手方向に沿って延設され断面凹状の凹溝として凹設される規制溝551c〜556cが配設される(図17から図19参照)。
各分割体551〜557が上下に重ね合わされると、第2分割体552から第7分割体557の突起部552b〜557bが、第1分割体551から第6分割体556の規制溝551c〜556c内に配設(収納)され、各分割体551〜556が軸支ピン57を中心として回転される際には、突起部552b〜557bが規制溝551c〜556cの内壁面に当接されることで、各分割体551〜557の可動(回転)範囲が規定される(図20参照)。
突起部552b〜557bは、貯留領域となる側が凹(即ち、外方へ凸)となる円弧状に上面視形状(軸支孔552a〜557aの軸方向視形状)が湾曲して形成され、軸支孔552a〜557aから第2片552Y〜557Yへ向かうに従って貯留領域と反対側(外方側)に位置する姿勢で配設される。即ち、突起部552b〜557bは、第1片552X〜557Xの長手方向に対して傾斜して延設される。
規制溝551c〜556cの互いに対向する一対の内壁面は、その下面視形状が、突起部552b〜557bの上面視形状と略同一の円弧状に湾曲して形成され、一方の内壁面は、貯留領域側における第1片552X〜557Xの縁部に沿って配設されると共に、他方の内壁面は、軸支孔551a〜556aから第2片551Y〜556Yへ向かうに従って貯留領域と反対側(外方側)に位置する姿勢で配設される。即ち、規制溝551c〜556cの溝幅は、軸支孔551a〜556aから第2片551Y〜556Yへ向かうに従って漸次拡大される。
第2分割体552から第5分割体557の第2片552Y〜555Yは、第1片552X〜555Xに平行に連なる第1水平部552e〜555eと、その第1水平部552eの外縁部(軸支孔552a〜555aからの距離が遠い側の縁部)から軸支孔552a〜555aの軸方向に沿って立設される立設部552f〜555fと、その立設部552f〜555fの立設先端から外方(軸支孔552a〜555aから離間する方向)へ向けて第1片552X〜555Xと平行に延設される第2水平部552g〜555gとを備えて形成される。
第6分割体556及び第7分割体557の第2片556Y,557Yは、第1片556Y,557Yに平行に連なる第1水平部556e,557eと、その第1水平部556e,557eの外縁部(軸支孔556aからの距離が遠い側の縁部)から軸支孔556a,557aの軸方向に沿って立設される立設部556f,557fと備えて形成される。即ち、第6分割体556及び第7分割体557では、第2水平部が省略される。なお、第7分割体557の立設部557fには、後述するロック機構77のロック片773(図32及び図33参照)が係合される側面と反対側の側面に傾斜面557f1が形成される。
第1水平部552e〜557eは、内縁部の半径(軸支孔552a〜557aの軸からの距離)が同一に設定されると共に、外縁部の半径が上側(第1分割体551側)に位置するものほど小さな値に設定される。そのため、第1水平部552e〜557eの外縁部から立設される立設部552f〜557fは、上側(第1分割体551側)に位置するものほど第1水平部552e〜557eの内縁部側(軸支孔552a〜557a側)に位置される。また、立設部552f〜557fは、その立設高さが上側(第1分割体551側)に位置するものほど小さな値に設定されると共に、第2水平部552g〜555gは、幅寸法(内縁部と外縁部との間の距離)が上側(第1分割体551側)に位置するものほど小さな値に設定される。
よって、第1分割体551から第7分割体557を上下に重ね合わせた状態では、上側(第1分割体551側)に位置するものほど貯留領域側(軸支孔551a〜557a側)に位置させつつ、第2片552Y〜557Yにおける第1水平部552e〜557e、立設部552f〜557f及び第2水平部552g〜555gを互いに重ね合わせることができる(図21参照)。この重ね合わせにより、後述するように、第2片551Y〜557Yの剛性の向上を図ることができる。また、第2片551Y〜557Yの幅寸法の抑制により、貯留領域を確保することができる。
第2分割体552から第4分割体554の第2片552Y〜554Yには、その第2水平部552g〜554gに、上面視L字状の開口部552m〜554mが開口形成されると共に、この開口部552m〜554mの開口形成に伴って、第2片552Y〜554Yの長手方向に沿って延びる係合片552n〜554nが形成される。係合片552n〜554nは、先端が自由端とされる片持ちの弾性片として形成され、その先端上面には、断面半円状の突部552n1〜554n1が突設される。
一方、第5分割体552及び第6分割体556の第2片555Y,556Yには、その第1水平部555e,556eに、上面視コ字状の開口部555m,556mが開口形成されると共に、この開口部555m,556mの開口形成に伴って、第2片555,556の長手方向に沿って延びる係合片555n,556nが形成される。係合片555n,556nは、先端が自由端とされる片持ちの弾性片として形成され、その先端上面には、断面半円状の突部555n1,556n1が突設される。
また、第6分割体556及び第7分割体557の第2片556Y,557Yには、その第1水平部556e,557eの上面に、規制突部556r、557rが突設される。一方、第4分割体554及び第5分割体555の第2片554Y,555Yには、その第1水平部554e,555eの下面に、係合凹部554t、555tが凹設される。
第2分割体552の係合片552n(突部552n1)は、第1分割体551の係合壁551jに係合可能に形成され(図24参照)、かかる係合により第1分割体551に対する第2分割体552の一方向への相対変位を規制することができると共に、係合片552nの弾性変形により係合壁551jとの係合が解除されることで、一方向への相対変位を許容することができると共に他方向への相対変位を規制することができる(図30参照)。
第3分割体553及び第4分割体554の係合片553n,554n(突部553n1,554n1)は、第2分割体552及び第3分割体553の開口部552m,553mに係合可能に形成され、かかる係合により第2分割体552及び第3分割体553に対する第3分割体553及び第4分割体554の一方向への相対変位を規制することができると共に、係合片553n,554nの弾性変形により開口部552m,553mとの係合が解除されることで、一方向への相対変位を許容することができると共に他方向への相対変位を規制することができる(図28参照)。
第5分割体555及び第6分割体556の係合片555n,556n(突部555n1,556n1)は、第4分割体554及び第5分割体555の係合凹部554t、555tに係合可能に形成され、かかる係合により第4分割体554及び第5分割体555に対する第5分割体555及び第6分割体556の一方向への相対変位を規制することができると共に、係合片555n,556nの弾性変形により係合凹部554t,555tとの係合が解除されることで、一方向への相対変位を許容することができると共に他方向への相対変位を規制することができる(図26参照)。
即ち、係合片552n〜556n等は、重ね合わされた各分割体551〜557どうしの相対移動を規定する規定手段として機能する部位であり、側壁部材55が遊技者の操作により拡大または縮小される場合に、各分割体551〜557の回転が許容される順序を規定する。これにより、後述するように、各分割体551〜557それぞれの回転の順序を一定として、貯留領域の拡大または縮小の形態を一意とすることができる(図22及び図23参照)。
次いで、図20を参照して、側壁部材55の第1分割体551から第7分割体557における第1片551X〜557Xどうしの関係について説明する。
図20(a)は、図10(a)のXXa−XXa線における側壁部材55の断面図であり、図20(b)は、図10(b)のXXb−XXb線における側壁部材55の断面図である。
図20(a)及び図20(b)に示すように、第1分割体551から第7分割体557の第1片551X〜557Xどうしの合せ面には、一方の合せ面(第2分割体552から第7分割体557の第1片552X〜557Xの上面)に突起部552b〜557bが突設されると共に(図11から図16参照)、他方の合せ面(第1分割体551から第6分割体556の第1片551X〜556Xの下面)に突起部552b〜557bを受け入れる規制溝551c〜556cが凹設される(図17から図19参照)。
よって、側壁部材55が遊技者により押し込まれて貯留領域が縮小された状態では(図10(a)及び図20(a)参照)、突起部552b〜557bが、規制溝551c〜556cの互いに対向する一対の内壁面のうちの一方の内壁面(貯留領域と反対側に位置する内壁面、図20(a)左側)にそれぞれ当接されるので、第1分割体551から第6分割体556が縮小方向(図20(a)右方向)へ変位(回転)することを規制することができる。
また、側壁部材55が遊技者により引き出されて貯留領域が拡大された状態では(図10(b)及び図20(b)参照)、突起部552b〜557bが、規制溝551c〜556cの互いに対向する一対の内壁面のうちの他方の内壁面(貯留領域側に位置する内壁面、図20(b)右側)にそれぞれ当接されるので、第1分割体551から第6分割体556が拡大方向(図20(b)左方向)へ変位(回転)することを規制することができる。
この場合、上下に重なり合う各分割体551〜557は、突起部552b〜557bと規制溝551c〜556cの内壁とが係合されるので、拡大された状態および縮小された状態において、側壁部材55(各分割体551〜557が重なり合わされた構造体)全体としての剛性を確保できる。よって、側壁部材55が球の重量により撓むことを抑制できる。
更に、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cは、上下に重ね合わされる各分割体551〜557の合せ面(上面または下面)にそれぞれ突設または凹設される。即ち、デッドスペースとなる合せ面(各分割体551の内部空間)を利用して突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cを配設するので、その分、側壁部材55を小型化でき、その分、貯留領域の容量を確保できる。
特に、本実施形態では、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cが、各回転体551〜557の第1片551X〜557Xに形成されるので、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cを有効に機能させることができる。即ち、第1片551X〜557Xは、貯留領域を拡大または縮小させる際に遊技者に操作(押し込み操作および引き出し操作)される部位であるので、その操作力を突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cの係合により直接的に受け止めることができる。よって、操作力により各分割体551〜557どうしが離間されることを抑制し、これら各分割体551〜557が一体に維持された状態で操作させることができるので、遊技者の操作感の向上を図ることができる。
ここで、第1片551X〜557Xは、上側ほど外方へ張り出す階段状に拡大される部位であるので(図10(b)参照)、球の重量によって撓みやすい。これに対し、本実施形態では、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cが、各回転体551〜557の第1片551X〜557Xに形成されるので、かかる第1片551X〜557Xの剛性を集中的に向上させることができる。よって、階段状に拡大された状態において、球の重量で撓むことを抑制できる。
この場合、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cは、第1片551X〜557Xの長手方向に沿って連続して延設される凸条および凹溝として形成されるので(図11〜図19参照)、突起部552b〜557bと規制溝551c〜556cの内壁面との係合面積を確保して、側壁部材55(分割体551〜557が重なり合わされた構造体)全体としての剛性の向上を図ることができる。
特に、凸条および凹溝として連続して延設される突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cを、一端が軸支ピン57(図9参照)に軸支される第1片551X〜557Xに沿って形成するので、遊技者の操作や球の重量による荷重の方向を、凸条および凹溝(突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556c)の係合領域に対して直交させることができる。よって、かかる荷重に対する側壁部材55(第1片551〜557)の撓みを抑制できる。
また、突起部552b〜557bと、規制溝551c〜556cの互いに対向する一対の内壁面とは、上面視(軸支孔551a〜557aの軸方向視)において互いに同一の形状であって、第1片551X〜557Xと同方向(即ち、貯留領域と反対側となる外方)へ向けて凸の円弧状に湾曲して形成されるので、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556c(内壁面)の延設長さを、第1片551X〜557Xの合せ面の範囲(面積)内において最大限大きくすることができる。よって、凸突起部552b〜557bと規制溝551c〜556c部の内壁面との係合面積を最大とでき、その結果、側壁部材55(第1片551X〜557X)全体としての剛性の向上を図ることができると共に、突起部552b〜557b及び規制溝551c〜556cの負担を低減して、その耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図21を参照して、側壁部材55の第1分割体551から第7分割体557における第2片551Y〜557Yどうしの関係について説明する。図21は、図10(a)のXXI−XXI線における側壁部材55の断面図である。
側壁部材55は、上述したように、各分割体551〜557の第2片551Y〜557Yが、軸支孔551a〜557a(軸支ピン57、図9参照)を中心とする同径の円弧状にそれぞれ形成されるので、各分割体551〜557が軸支孔551a〜557aを中心に回転される際には、第2片551Y〜557Yの軌跡を互いに一致させることができる(図10参照)。よって、第2片551Y〜557Yが常に重なるので、側壁部材55(各分割体551〜557が重なり合わされた構造体)の剛性を確保でき、球の重量で撓むことを抑制できる。
図21に示すように、この場合、側壁部材55は、第2分割体552から第5分割体557の第2片552Y〜555Yが、第1水平部552e〜555eと、その第1水平部552eから立設される立設部552f〜555fと、その立設部552f〜555fの立設先端から延設される第2水平部552g〜555gとを備えると共に、第6分割体556及び第7分割体557の第2片556Y,557Yが、第1水平部556e,557eと、その第1水平部556e,557eから立設される立設部556f,557fと備え、これら第1水平部552e〜557e、立設部552f〜557f及び第2水平部552g〜555gどうしが互いに重ね合わされる。
よって、貯留領域に多数の球が貯留された場合でも、側壁部材55(各分割体551〜557)に作用する球の重量を、重ね合わされた第1水平部552e〜557e、立設部552f〜557f及び第2水平部552g〜555gの相互作用により効果的に支えることができ、その結果、側壁部材55の撓みを抑制できる。
具体的には、第2片551Y〜557Yは、第1水平部552e〜557e及び第2水平部552g〜555gがそれぞれ上下に重ね合わされると共に、立設部552f〜557fが左右方向(図31左右方向)に重ね合わされ、各第2水平部552g〜555gの延設先端が立設部556fと上下方向(図21上下方向)に重なる位置(立設部556fの立設先端に載置される位置)まで延設される。
これにより、側壁部材55が拡大された状態において(図10(b)参照)、貯留領域に多数の球が貯留されると、側壁部材55が下方(図10紙面奥側)へ撓む(倒れ込む)おそれがあるところ、第1水平部552e〜557e、立設部552f〜557f及び第2水平部552g〜555gが上方(即ち、側壁部材55を下方へ撓ませる方向への変位)へ変位することを、自身よりも上側に位置するものによって互いに規制させ合うことができる。その結果、側壁部材55の下方への撓みを抑制できる。
また、貯留された球から受ける水平方向(側壁部材55を外方へ押し広げようとする方向、図21左方向)への荷重に対しては、立設部552f〜557fが立設先端側を外方(図21左側)へ変位させるように斜めに倒れ込むところ、かかる傾れ込みを、自身よりも外方に位置するものによって互いに規制させ合うことができる。特に、立設部552f〜557fには、第2水平部552g〜555gが連設されており、立設部552f〜555fが外方へ倒れ込むと、第2水平部552g〜555gが自身よりも下側に位置するものを押し下げようとするところ、かかる押し下げる動作を、立設部552f〜557fにより支えて規制することができる。その結果、側壁部材55の外方への撓みを抑制できる。
なお、第2片551Yは、貯留領域側の側壁部551hが、第1水平部552eに上下方向で重なる位置(側壁部551hの下端面が第1水平部552eに載置される位置)まで延設されると共に立設部552fに左右方向で重ね合わされ、第2片551Yの上面を形成する部位から垂下するリブ部551iが、第2水平部552gに上下方向で重なる位置(リブ部551iの下端面が第2水平部552gに載置される位置)まで延設される。これにより、第2片551Yの側壁部551h及びリブ部551iを、第2片552Y〜557Yの第1水平部552e〜557e、立設部552f〜557f及び第2水平部552g〜555gと相互に作用させることができ、上述の通り、側壁部材55の下方および外方への撓みを抑制できる。
特に、第2片551Yの上面には、上述したように、内壁部材56の規制部56aが配設され(図7及び図8参照)、貯留された球の重量を受けて、側壁部材55が下方へ倒れ込もうとする際には、規制部56aが側壁部材55(第2片551Y)の上面を押圧して、第2片551Yの浮き上がりを抑制できる。よって、第2片551Yに、側壁部551h及びリブ部551iを設け、第2片552Yの第1水平部552e及び第2水平部552gに上下で重なるように形成することが、側壁部材55の下方への撓みを抑制することに対して特に有効となる。
また、このように、第2片551Y〜557Yが互いに重なって配設されることで、球の重量で側壁部材55が撓んでいる場合であっても、第2片551Y〜557Yがガイドとなって、側壁部材55を拡大状態から縮小状態へスムーズに移行させることができる。よって、球が貯留された下皿50が拡大状態のままで、前面枠14が不用意に開放された場合でも、下皿50(側壁部材55)を縮小方向へ変位させることができるので、その破損を抑制できる。
なお、立設部552f〜557fは、左右に隣り合うものどうしの間に所定の隙間を有する間隔で配設される。よって、側壁部材55に水平方向(側壁部材55を外方へ押し広げようとする方向)の荷重が作用される場合には、立設部552f〜557fが倒れ込むことで、隣り合うものどうしの隙間が埋められて接触されるので、互いの作用により倒れ込みを規制させ合うことができる一方、貯留領域(下皿50)を拡大または縮小させる方向へ遊技者の操作により側壁部材55(各分割体551〜557)が回転される際には、隣り合うものどうしの間の隙間の分、摺動抵抗を低減して、操作性の向上を図ることができる。
ここで、第2片552Y〜557Yは、上側(図21上側)に位置するものほど第1水平部552e〜557eの幅寸法(図21左右方向寸法)が小さくされると共に第2水平部552g〜555gの幅寸法が大きくされる。これにより、第1水平部552e〜557e、立設部552f〜557f及び第2水平部552g〜555gを、隣接する第2片552Y〜557Yどうしで重ね合わせた場合でも、第2片552Y〜557Y全体としての幅寸法(図21左右方向寸法)を抑制することができる。即ち、重ね合わせることによる第2片552Y〜557Yの剛性の向上を図りつつ、第2片552Y〜557Y全体としての幅寸法の抑制により、貯留領域を確保することができる。また、第2片552Y〜557Yの外方への張り出しを抑制して、その分、他の部材の配設スペースを確保できる。
特に、外方に位置する第2片556Y,557Yでは、第2水平部の形成が省略されるので、立設部556f,557fの作用により、側壁部材55の外方および下方への撓みの抑制を図る効果を維持しつつ、第2片552Y〜557Y全体としての幅寸法を抑制することができる。
次いで、図22から図30を参照して、側壁部材55が遊技者に操作され、下皿50の貯留領域が拡大または縮小される際に、分割体551〜557が変位(回転)される順序について説明する。
図22(a)は、縮小状態における側壁部材55の上面図であり、図22(b)から図22(d)は、第1状態から第3状態における側壁部材55の上面図である。図23(a)及び図23(b)は、第4状態および第5状態における側壁部材55の上面図であり、図23(c)は、拡大状態における側壁部材55の上面図である。
また、図24は、縮小状態における側壁部材55の側断面図であり、図25から図29は、第1状態から第5状態における側壁部材55の側断面図であり、図30は、拡大状態における側壁部材55の側断面図である。
なお、図24から図30では、分割体551〜557どうしの相対変位の規制または解除の状態の理解を容易とするために、係合片552n〜556nが視認可能となるように、分割体551〜557が複数の平面で切断された状態が図示される。
図22(a)及び図24に示すように、縮小状態(分割体551〜557が押し込まれ、貯留領域が最少とされる状態)では、第1分割体551の係合壁551jに第2分割体552の係合片552n(突部552n1)が係合されると共に、第2分割体552及び第3分割体553の開口部552m,553mの内壁面に第3分割体553及び第4分割体554の係合片553n,554n(突部553n1,554n1)がそれぞれ係合される。
第2分割体552及び第3分割体553の係合片552n,553nは、その下面側に第3分割体553及び第4分割体554の係合片553n,554nが配置されることで、第4分割体554の係合片554nは、その下面側に第5分割体555の第2水平部555gが配置されることで、それぞれ下方(即ち、突部552n1,553n1,554n1が抜け出る方向、図24下側)への弾性変形が規制される。
これにより、第1分割体551、第2分割体552及び第3分割体553に対する第2分割体552、第3分割体553及び第4分割体554の相対変位(軸支ピン57を中心とする回転)がそれぞれ規制される。
また、第4分割体554及び第5分割体555の係合凹部554t,555tの内壁面に第5分割体555及び第6分割体556の係合片555n,556n(突部555n1,556n1)がそれぞれ係合される。
第4分割体554及び第5分割体555の係合片554n,555nは、その下面側に第5分割体555及び第6分割体556の規制突部556r,557rがそれぞれ配置されることで、下方(即ち、突部554n1,555n1が抜け出る方向、図24下側)への弾性変形が規制される。
これにより、第4分割体554及び第5分割体555に対する第5分割体555及び第6分割体5564の相対変位(軸支ピン57を中心とする回転)がそれぞれ規制される。
以上のように、縮小状態では、第1分割体551から第6分割体556の互いの相対変位(回転)が規制され、これら第1分割体551から第6分割体556が一体とされた構造体が形成される。
この場合、かかる一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)は、後述するように、第1分割体551に配設されるロック機構77のロック片773aが第7分割体557の立設部557fに係合されることで、第7分割体557に対する一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)の拡大方向(図22(a)下方向、図24左方向)への相対変位(回転)が規制される(図33(a)参照)。また、縮小方向への相対変位(回転)は、上述したように、第6分割体556の規制溝556cの内壁面に第7分割体557の突起部557bが係合することで、規制される(図20(a)参照)。
よって、第1分割体551のロック片773aと第7分割体557の立設部557fとの係合が解除されることで(図33(b)参照)、第7分割体557に対する一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)の拡大方向への変位(回転)が可能となる。
即ち、ロック機構77が解除操作された状態で、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図22(a)下側、図24左側)へ変位されると、図22(b)及び図25に示すように、底壁部材54(図9参照)に固定される第7分割体557に対して一体の構造体(各分割体551〜556)が拡大方向へ変位され、第1状態が形成される。
なお、第1状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、上述したように、第6分割体556の規制溝556cの内壁面に第7分割体557の突起部557bが係合されることで、規制される(図20(b)参照)。
図22(b)及び図25に示すように、第7分割体557に対して一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)が拡大方向(図22(b)下側、図25左側)へ変位(回転)された状態(第1状態)では、第7分割体557の規制突部557rが、第6分割体556の係合片556nの下面から縮小方向(図25右側)へ退避される。これにより、第6分割体556の係合片556nの下方に空間が形成され、かかる係合片556nの下方(即ち、突部556n1が係合凹部555tから抜け出る方向、図25下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図22(b)及び図25に示す状態(第1状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図22(b)下側、図25左側)へ変位されると、第5分割体555(第1水平部555e)が、その係合凹部555tの内壁面で第6分割体556の係合片556nの突部556n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、係合凹部555tの内壁面が突部556n1を乗り越えることで、図22(c)及び図26に示すように、第2状態が形成される。
なお、第2状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、上述したように、第5分割体555の規制溝555cの内壁面に第6分割体556の突起部556bが係合されることで、規制される(図20(b)参照)。
また、第2状態では、第6分割体556の係合片556nの突部556n1が第5分割体555の第1水平部555eの下面に当接され、第6分割体556の係合片556nが下方(図26下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第6分割体556の係合片556nの先端が、第7分割体557の規制突部557rの外壁面に係合され、第7分割体557に対する第6分割体556の縮小方向(図22(c)上側、図26右側)への相対変位(回転)が規制される。
図22(c)及び図26に示すように、第7分割体557及び第6分割体556に対して一体の構造体(第1〜第5分割体551〜555)が拡大方向(図22(c)下側、図26左側)へ変位(回転)された状態(第2状態)では、第6分割体556の規制突部556rが、第5分割体555の係合片555nの下面から縮小方向(図26右側)へ退避される。これにより、第5分割体555の係合片555nの下方に空間が形成され、かかる係合片555nの下方(即ち、突部555n1が係合凹部554tから抜け出る方向、図26下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図22(c)及び図26に示す状態(第2状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図22(c)下側、図26左側)へ変位されると、第4分割体554(第1水平部554e)が、その係合凹部554tの内壁面で第5分割体555の係合片555nの突部555n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、係合凹部554tの内壁面が突部555n1を乗り越えることで、図22(d)及び図27に示すように、第3状態が形成される。
なお、第3状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、上述したように、第4分割体554の規制溝554cの内壁面に第5分割体555の突起部555bが係合されることで、規制される(図20(b)参照)。
また、第3状態では、第5分割体555の係合片555nの突部555n1が第4分割体554の第1水平部554eの下面に当接され、第5分割体555の係合片555nが下方(図27下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第5分割体555の係合片555nの先端が、第6分割体556の規制突部556rの外壁面に係合され、第6分割体556に対する第5分割体555の縮小方向(図22(d)上側、図27右側)への相対変位(回転)が規制される。
図22(d)及び図27に示すように、第7分割体557、第6分割体556及び第5分割体555に対して一体の構造体(第1〜第4分割体551〜554)が拡大方向(図22(d)下側、図27左側)へ変位(回転)された状態(第3状態)では、第5分割体555の第2水平部555gが、第4分割体554の係合片554nの下面から縮小方向(図27右側)へ退避される。これにより、第4分割体554の係合片554nの下方に空間が形成され、かかる係合片554nの下方(即ち、突部554n1が開口部553mから抜け出る方向、図27下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図22(d)及び図27に示す状態(第3状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図22(d)下側、図27左側)へ変位されると、第3分割体553(第2水平部553g)が、その開口部553mの内壁面で第4分割体554の係合片554nの突部554n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、開口部553mの内壁面が突部554n1を乗り越えることで、図23(a)及び図28に示すように、第4状態が形成される。
なお、第4状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、上述したように、第3分割体553の規制溝553cの内壁面に第4分割体554の突起部554bが係合されることで、規制される(図20(b)参照)。
また、第4状態では、第4分割体554の係合片554nの突部554n1が第3分割体553の第2水平部553gの下面に当接され、第4分割体554の係合片554nが下方(図28下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第4分割体554の係合片554nの先端が、第5分割体555の第2水平部555gの外壁面に係合され、第5分割体555に対する第4分割体554の縮小方向(図23(a)上側、図28右側)への相対変位(回転)が規制される。
図23(a)及び図28に示すように、第7分割体557、第6分割体556、第5分割体555及び第4分割体554に対して一体の構造体(第1〜第3分割体551〜553)が拡大方向(図23(a)下側、図28左側)へ変位(回転)された状態(第4状態)では、第4分割体554の第2水平部554gが、第3分割体553の係合片553nの下面から縮小方向(図28右側)へ退避される。これにより、第3分割体553の係合片553nの下方に空間が形成され、かかる係合片553nの下方(即ち、突部553n1が開口部552mから抜け出る方向、図28下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図23(a)及び図28に示す状態(第4状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図23(a)下側、図28左側)へ変位されると、第2分割体552(第2水平部552g)が、その開口部552mの内壁面で第3分割体553の係合片553nの突部553n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、開口部552mの内壁面が突部553n1を乗り越えることで、図23(b)及び図29に示すように、第5状態が形成される。
なお、第5状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、上述したように、第2分割体552の規制溝552cの内壁面に第3分割体553の突起部553bが係合されることで、規制される(図20(b)参照)。
また、第5状態では、第3分割体553の係合片553nの突部553n1が第2分割体552の第2水平部552gの下面に当接され、第3分割体553の係合片553nが下方(図29下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第3分割体553の係合片553nの先端が、第4分割体554の第2水平部554gの外壁面に係合され、第4分割体554に対する第3分割体553の縮小方向(図23(b)上側、図29右側)への相対変位(回転)が規制される。
図23(b)及び図29に示すように、第7分割体557、第6分割体556、第5分割体555、第4分割体554及び第3分割体553に対して一体の構造体(第1及び第2分割体551,552)が拡大方向(図23(b)下側、図29左側)へ変位(回転)された状態(第5状態)では、第3分割体553の第2水平部553gが、第2分割体552の係合片552nの下面から縮小方向(図29右側)へ退避される。これにより、第2分割体552の係合片552nの下方に空間が形成され、かかる係合片552nの下方(即ち、突部552n1が係合壁551jから抜け出る方向、図29下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図23(b)及び図29に示す状態(第5状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図23(b)下側、図29左側)へ変位されると、第1分割体551が、その係合壁551jで第2分割体552の係合片552nの突部552n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、係合壁551jが突部552n1を乗り越えることで、図23(c)及び図30に示すように、拡大状態が形成される。
なお、拡大状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、上述したように、第1分割体551の規制溝551cの内壁面に第2分割体552の突起部552bが係合されることで、規制される(図20(b)参照)。同時に、第1分割体551のストッパ部551S1が内壁部材56の規制部56aに当接されることで、拡大方向への相対変位(回転)が規制される(図8参照)。
また、拡大状態では、第2分割体552の係合片552nの突部552n1が第1分割体551の下面に当接され、第2分割体552の係合片552nが下方(図30下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第2分割体552の係合片552nの先端が、第3分割体553の第2水平部553gの外壁面に係合され、第3分割体553に対する第2分割体552の縮小方向(図23(c)上側、図30右側)への相対変位(回転)が規制される。
なお、拡大状態において、第2分割体552に対する第1分割体551の縮小方向(図23(c)上側、図30右側)への相対変位(回転)が規制される構造については後述する(図34参照)。
一方、図23(c)及び図30に示す状態(拡大状態)から、側壁部材55(第1分割体551)が遊技者の操作により縮小方向(図23(c)上側、図30右側)へ変位され、その係合壁551jが第2分割体552の係合片552nの突部552n1を通過すると、第2分割体552の係合片552nが弾性回復力により突部552n1を係合壁551jに係合させた状態に復帰される。即ち、図23(b)及び図29に示す第5状態が形成される。
図23(b)及び図29に示す状態(第5状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により縮小方向(図23(b)上側、図29右側)へ変位され、第2分割体552(第2水平部552g)の開口部552mが第3分割体553の係合片553nの突部553n1の上方に配置されると、第3分割体553の係合片553nが弾性回復力により突部553n1を開口部552mに係合させた状態に復帰される。即ち、図23(a)及び図28に示す第4状態が形成される。
同様に、図23(a)及び図28に示す状態(第4状態)から、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により縮小方向(図23(a)上側、図28右側)へ変位され、開口部553m及び係合凹部554t、555tが、係合片554n〜556nの突部554n1〜556n1上方に配置される毎に、第4〜第6分割体554〜556の係合片554n〜556nが弾性回復力により突部554n1〜556n1を、開口部553m及び係合凹部554t、555tに係合させた状態に順に復帰される。即ち、第3状態(図22(d)及び図27参照)、第2状態(図22(c)及び図26参照)及び第1状態(図22(b)及び図25)が順に形成される。
第1状態が形成されると、図25に示すように、第6分割体556の係合片556nと第7分割体557の規制突部557rの外壁面との係合が解除されるので、側壁部材55(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により縮小方向へ変位されることで、図22(a)及び図24に示す縮小状態が形成される。
次いで、図31から図34を参照して、下皿50を収縮状態に維持するロック構造について説明する。
図31は、第1分割体551の分解正面斜視図である。図31に示すように、第1分割体551は、下面が開放された断面コ字状に形成される外殻部材551Sと、その外殻部材551Sの第1片551Xに対応する開放面を閉塞する底壁部材551Uと、それら外殻部材551S及び底壁部材551Uの間に形成される内部空間に配設されるロック機構77とを備える。
外殻部551Sの上面には、開口部551S1が開口されると共に、ストッパ部551S2が突設される。また、底壁部材551Uの上面には、一対の軸支部551U1が配設される。開口部551S1は、ロック機構77の押下操作部774を挿通させて遊技者による押圧操作を可能とするための開口であり、ストッパ部551S2は、内壁部材56の規制部56aに当接して第1分割体551の拡大方向への変位(回転)を規制するための壁部である。また、軸支部551U1は、ロック機構77の軸772を回転可能に軸支するための部位である。
ここで、第1分割体551の第1片551Xは、拡大状態において最前方に位置する部位であるため(図8参照)、下皿50が拡大された状態のままで前面枠14が不用意に開放されると、隣のパチンコ機10に接触して破損するおそれが高い。この場合、本実施形態では、第1分割体551の第1片551Xが、外殻部材551Sの下面を底壁部材551Uで閉塞した箱状に形成され、剛性が高くされるので、接触の際の破損を防止できる。また、下皿50(側壁部材55)の拡大方向または縮小方向)への遊技者による操作の際には、第1分割体551が押し引き操作される部位となるため、かかる部位(第1分割体551の第1片551X)の剛性が高くされていることが特に有効となる。
一方、第1分割体551の第2片551Xは、外殻部材551Sの下面に底壁部材551Uが配設されず、下面が開放された箱状とされるので(図17(a)参照)、その箱状の下面から第2〜第7分割体552〜557の第2片552Y〜557Yをそれぞれ受け入れて内部空間に収容することができる(図21参照)。これにより、側壁部材55(下皿50)の小型化を図ることができる。
ロック機構77は、第1片551X内に配設される基部771と、その基部771の両側面から突出されると共に底壁部材551Uの軸支部551U1に回転可能に軸支される一対の軸772と、基部771の軸772形成部側から張り出され先端側が第2片551Y内に配設されるロック片773と、基端771側の上面から突設される押下操作部774とを主に備える。
ロック機構77は、図示しない付勢ばね(本実施形態では、ねじりコイルばね)の付勢力により、ロック片773が下降されると共に押下操作部774が上昇される回転方向に付勢されており、外殻部材551Sの開口部551S1から突出された押下操作部774を遊技者が押し下げ操作することで、ロック片773を上昇させることができる。また、遊技者の押下げ操作が解除されると、付勢ばねの付勢力により、初期状態(ロック片773が下降された状態)へ復帰させることができる。
図32は、縮小状態における側壁部材55の上面図であり、外殻部材551Sが取り外された状態が図示される。また、図33(a)及び図33(b)は、図32の矢印XXXIII方向視における側壁部材55の側面図である。なお、図33(a)では、押下操作部774が押し下げ操作される前の状態が、図33(b)では、押下操作部774が押し下げ操作された状態が、それぞれ図示される。
図32及び図33(a)に示すように、縮小状態(分割体551〜557が押し込まれ、貯留領域が最少とされる状態、図22(a)及び図24参照)であって、押下操作部774が遊技者により押下げ操作されていない状態では、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773が、その係合面773aを、第7分割体557の立設部557fの側面に対面させる位置に配置される。
即ち、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773の係合面773aが、第7分割体557の立設部557fの側面に係合され、これにより、上述した一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)が第7分割体557に対して拡大方向(図32及び図33(a)左方向)へ変位(回転)すること(即ち、縮小状態から第1状態へ遷移すること、図22(b)及び図25参照)を規制することができる。
一方、図33(b)に示すように、縮小状態において、押下操作部774が遊技者によって押下げ操作されると、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773が上昇され、かかる上昇により、ロック片773の係合面773aが第7分割体557の立設部557fの側面に対して非対面とされる。即ち、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773が、第7分割体557の立設部557fの上方を通過して、拡大方向へ変位可能とされる。よって、上述した一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)を第7分割体557に対して拡大方向(図33(b)左方向)へ変位(回転)させることが可能となり、その結果、縮小状態から第1状態(図22(b)及び図25参照)へ遷移することができる。
このように、本実施形態では、押下操作部774が遊技者により押下げ操作されない限り、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773と第7分割体557の立設部557fとの係合を維持できるので、例えば、パチンコ機10の搬送中や前面枠14の開放動作時に、下皿50が不用意に拡大されることを抑制することができる。その結果、搬送時や前面枠14の開放動作時に下皿50や周囲の部材が破損することを抑制できる。
また、ロック機構77による側壁部材55の拡大方向への変位の規制は、上述したように、一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)が第7分割体557に対して拡大方向へ変位することを規制する。即ち、拡大方向への最初の変位(縮小状態から第1状態へ遷移すること)のみを規制し、その後の変位(第1状態から拡大状態までの各状態への遷移)に対しては規制しない(図22から図30参照)。
これにより、側壁部材55が搬送時に不用意に拡大されることを抑制することができる一方で、ロック機構77による側壁部材55の拡大方向への変位の規制を解除して、最初の変位を行った後は、その後の変位に対してロック機構77の押下操作部774の押し下げ操作を不要とできるので、貯留領域の大きさを調整する際の遊技者の操作性の向上を図ることができる。
なお、図33(b)に示す状態から、上述した一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)が第7分割体557に対して拡大方向(図33(b)左方向)へ変位(回転)され、第1状態(図22(b)及び図25参照)へ遷移した後は、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773は、その傾斜面773bを、第7分割体557の立設部557fの傾斜面557f1に対面させる。
よって、第1状態から縮小状態へ遷移させる際には、遊技者は、一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)を縮小方向へ変位させることで、傾斜面773b,557f1どうしの作用により、ロック片773を上昇させ、立設部557fの上方を通過させることができる。即ち、押下操作部773の操作を不要とできるので、縮小状態を形成する際の遊技者の操作性の向上を図ることができる。
図34(a)は、拡大状態における側壁部材55の上面図であり、外殻部材551Sが取り外された状態が図示される。また、図34(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における側壁部材55の側面図である。なお、図34(b)では、押下操作部774が押し下げ操作されていない状態が図示される。
図34(a)及び図34(b)に示すように、拡大状態(分割体551〜557が引き出され、貯留領域が最大とされる状態、図23(c)及び図30参照)であって、押下操作部774が遊技者により押下げ操作されていない状態では、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773が、その傾斜面773bを、第2分割体552の第2水平部552gの側面(端面)に対面させる位置に配置される。
即ち、第1分割体551(ロック機構77)のロック片773の傾斜面773bが、第2分割体552の第2水平部552gの側面(端面)に係合され、これにより、第1分割体551が第2分割体552に対して縮小方向(図34(a)及び図34(b)右方向)へ変位(回転)すること(即ち、拡大状態から第5状態へ遷移すること、図23(b)及び図29参照)を規制することができる。
これにより、側壁部材55(下皿50)が拡大状態から不用意に縮小されることを抑制することができる。また、ロック機構77(ロック片773)が、縮小状態からの拡大を禁止する手段と、拡大状態からの縮小を禁止する手段とを兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
この場合、本実施形態では、ロック機構77のロック片773における傾斜面773bを、第2分割体552の第2水平部552gの側面(端面)に係合させることで、第1分割体551の第2分割体552に対する縮小方向(図34(a)及び図34(b)右方向)へ変位(回転)を規制する。よって、押下操作部773を押下げ操作していない状態であっても、第1分割体551を第2分割体552に対して縮小方向(図34(a)及び図34(b)右側)へ基準以上の力によって変位させれば、傾斜面773の作用により、ロック片773を付勢ばねの付勢力に抗して上昇させ、第2水平部552gの側面(端面)を乗り越えさせることができる。
即ち、基準以下の力であれば、第1分割体551を第2分割体552に対して縮小方向へ変位させても、ロック片773と第2水平部552gとの係合が解除されないので、側壁部材55を拡大状態に維持することができ、不用意に縮小される(第5状態へ遷移される)ことを抑制できる。一方で、基準を超える力で第1分割体551を第2分割体552に対して縮小方向へ変位させれば、押下操作部773を押し下げ操作しなくても、ロック片773と第2水平部552gとの係合を解除して、拡大状態から第5状態へ遷移させることができ、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
特に、このように、押下操作部773を押し下げ操作しなくても、ロック片773と第2水平部552gとの係合を解除して、拡大状態から第5状態へ遷移させることができる構成は、下皿50が拡大された状態(拡大状態)のままで前面枠14が不用意に開放された場合でも、下皿50(側壁部材55)を縮小方向へ変位させることができるので、その破損の抑制に特に有効となる。
以上のように、本実施形態の下皿50によれば、重ね合わされる分割体551〜557どうしの相対変位を規定する規定手段(例えば、係合部552n〜556n、その係合部552n〜556nが係合される係合壁551j、開口部552m,553m及び係合凹部554e,555eやロック機構77など)が配設され、側壁部材55(分割体551〜557)が遊技者の操作により貯留領域を拡大または縮小させる方向へ変位(回転)される場合には、重ね合わされる分割体551〜557どうしの相対移動を許容する順序が規定手段により規定可能に形成される。これにより、分割体551〜557それぞれの変位(回転)の順序が一定となり、貯留領域の拡大または縮小を一意とすることができる(図22及び図23参照)。
この場合、本実施形態では、側壁部材55(分割体551〜557)が拡大方向へ変位(回転)される場合には、上下に重ね合わされる分割体551〜557どうしの相対移動を、下側の分割体から順に許容されるので、貯留領域の大きさの拡大を迅速に行うことができる。
即ち、下側の分割体から順に拡大方向への相対移動が許容される形態であれば、相対移動が許容される分割体よりも上側に重ね合わされる分割体も一体となって拡大方向へ変位(回転)させることができるので、その分、上側の分割体から順に相対移動を許容する形態と比較して、貯留領域の大きさの拡大を迅速化できる。
例えば、縮小状態(図22(a)及び図24参照)から第1状態(図22(b)及び図25参照)への拡大では、第7分割体557が固定され、第1分割体551〜第6分割体556が一体の構造体として同時に拡大方向へ変位されるので、例えば、第2分割体552から第7分割体557が固定され、第1分割体551のみが拡大方向へ変位されると比較して、拡大方向への遊技者の操作量は同じであっても、その操作に対する貯留領域の大きさの拡大量を大きくできる。その結果、貯留領域の大きさの拡大を迅速に行うことができる。
一方で、本実施形態では、側壁部材55(分割体551〜557)が縮小方向へ変位(回転)される場合には、上下に重ね合わされる分割体551〜557どうしの相対移動が、上側の分割体から順に許容されるので、貯留領域に貯留される球の状態に応じて、各分割体551〜557の変位(回転)をスムーズに行うことができる。
例えば、下側の分割体から順に縮小方向への相対移動が許容される形態では、貯留領域内に球が所定の高さ位置まで貯留されていると、その所定の高さ位置よりも下方に位置する分割体を、貯留されている球を流動させつつ(押しのけつつ)縮小方向へ変位(回転)させる必要が生じ、分割体の操作が阻害される。
具体的には、例えば、拡大状態(図23(c)及び図30参照)において、球が第4分割体554の高さ位置まで貯留されている場合に、側壁部材55(分割体551〜557)を縮小方向へ変位(回転)させるためには、第7分割体557に対して第6分割体556が縮小方向へ変位される際(拡大状態から第5状態へ遷移する際、図23(b)及び図29参照)に、第4分割体554〜第6分割体556が球を流動させつつ(押しのけつつ)変位する必要が生じ、その流動抵抗により操作が阻害される。
これに対し、上側の分割体から順に相対移動が許容される形態であれば、貯留領域に貯留されている球と干渉するまでは、球に阻害されることなく、各分割体をスムーズに変位させ、貯留領域の大きさを減少させることができる。上記例では、第1分割体551から第3分割体553までを縮小方向へ変位させる際(即ち、拡大状態から第4状態へ遷移するまで、図23(a)〜図23(c)及び図28〜図27参照)は、球に阻害されることなく、縮小方向へスムーズに変位させることができる。
また、球に干渉する位置まで分割体を変位させると、その後(即ち、第4状態から、図23(a)及び図27参照)は、分割体の変位が球に阻害されることで、球が干渉している(即ち、必要な大きさまで貯留領域が減少された)ことを、操作力の増大により、遊技者に認識させることができる。よって、遊技者は下皿50の状態を視認することなく、操作を中断することができる。その結果、貯留領域に貯留される球の状態に応じて分割体の回転(貯留領域の大きさの縮小)をスムーズに行うことができると共に、遊技者の操作性を向上させることができる。
本実施形態では、係合片552n〜556nは、先端上面に突部552n1〜556n1が突設された片持ちの弾性片として形成され、上側に重ねられた分割体(第1分割体551〜第5分割体555)に対しては、突部552n1〜556n1を係合させることで、下側に重ねられた分割体(第3分割体553〜第7分割体557)に対しては、自身が弾性変形して係合するので、かかる係合片552n〜556nのそれぞれに拡大方向の相対変位を規制する機能と縮小方向の相対変位を規制する機能とを兼用させることができる。即ち、拡大方向の相対変位を規制するための係合片と縮小方向の相対変位を規制するための係合片とを別々に設ける必要がない。その結果、部品点数の削減により、構造を簡素化して、その分、製品コストの削減を図ることができる。また、係合片を形成するための開口部の開口面積を減少させられるので、その分、各分割体552〜556の剛性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、係合片552n〜556nは、軸支孔551a〜557a(軸支ピン57)を中心とする円弧状に湾曲して形成される第2片552Yから556Yに形成されるので、係合片552n〜556nを配設するためのスペースを第2片552Y〜556Yの周方向に沿って確保することができる。よって、係合片552n〜556nを大型化でき、その剛性を高められるので、相対変位の規制の確実化と耐久性の向上とを図ることができる。
次いで、図35から図46を参照して、第2実施形態における下皿2050について説明する。まず、下皿2050の全体構成について、図35から図38を参照して説明する。
図35は、第2実施形態における下皿であって、縮小状態における下皿2050の正面斜視図であり、図36は、拡大状態における下皿2050の正面斜視図である。また、図37は、下皿2050の分解正面斜視図であり、図38は、内壁部材2056の背面斜視図である。なお、図37では、縮小状態における下皿2050の分解状態が図示される。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図35から図38に示すように、下皿2050は、貯留領域の底面を形成する底壁部材2054と、その底壁部材2054から立設され貯留領域の側面を形成する側壁部材2055及び内壁部材2056と、側壁部材2055を底壁部材2054に回転可能に軸支するための軸支ピン2057及び軸支板2058とを主に備える。
底壁部材2054には、下皿2050の貯留領域から球を排出するための開口である球抜き穴2054aと、その球抜き穴2054aを開放させる際に遊技者に操作される球抜きレバー2054bとを備える。球抜き穴2054aは、底壁部材2054の上面視において、下皿2050の貯留領域の右側(払出口23と反対側、図6参照)に偏って配設され、底壁部材2054の上面は、四方から球抜き穴2054aへ向けて下降傾斜する形態に形成される。
ここで、球抜きレバー2054aが下皿2050の正面に配設される構成では、下皿2050が拡大状態とされた場合に、手前に張り出された分割体2551〜2554に隠されて、球抜きレバー2054aを遊技者が視認できなくなると共に、手前に張り出された分割体2551〜2554に阻害されて球抜きレバー2054aまで手が入り難くなる。そのため、操作性の悪化を招く。
これに対し、本実施形態では、球抜きレバー2054aが、下皿2050の正面視右側の側面に配設される。これにより、下皿2050が拡大状態とされた場合でも、手前に張り出された分割体2551〜2554に球抜きレバー2054aが隠されることを回避できる。よって、下皿2050の拡大状態に寄らず、常に遊技者に視認させることができるので、その操作性の向上を図ることができる。
また、球抜きレバー2054aは、図示しない付勢ばねにより正面側(遊技者側)へ付勢されており、その付勢方向と反対側(内枠12側)へ押し込むことで、球抜き穴2054aを開放させる。この場合、球抜きレバー2054aは、操作ハンドル51(図47参照)の正面視左方であって略同等の高さ位置に配設される。これにより、遊技者は、操作ハンドル51を右手で操作しつつ、その操作ハンドル51の操作に不要な指(例えば、右手親指)を使用して、球抜きレバー2054aの押し込み操作を容易に行うことができる。その結果、球抜きレバー2054aの操作性の向上を図ることができる。
側壁部材2055は、複数(本実施形態では4個)の分割体(第1分割体2551から第4分割体2554、図39から図42参照)を、回転軸(軸支ピン2057)の軸方向に沿って重ね合わせて形成される。これら各分割体2551〜2554は、軸支ピン2057を回転中心として回転されると、上層側の分割体ほど外方へ大きく変位されることで、階段形状を形成し、下皿2050の貯留領域を拡大させる。よって、第1実施形態の場合と同様に、底壁部材2054における球抜き穴2054aの配置の自由度を確保できる。
また、側壁部材2055は、上層側の分割体ほど外方へ大きく変位されることで、階段形状に拡大される(図36参照)。よって、第1実施形態の場合と同様に、上皿17との間の間隔を狭めることなく、かつ、手前側の開口が広くされた状態で、貯留領域を拡大することができ、その結果、遊技者の手を下皿2050内へ入れやすくすることができる。言い換えれば、その分、上皿17を大型化することができる。
内壁部材2056は、底壁部材2054に固定される上壁部2056aと、その上壁部2056aの縁部から垂下される側壁部2056bとを備える。上壁部2056a及び側壁部2056bは、側壁部材2055の上面視略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)の上面側と内側(貯留領域側)とにそれぞれ配設される。これにより、側壁部材2055の上面視略L字形状の短辺部分の周囲が、底壁部材2054及び内壁部材2056により取り囲まれる。
内壁部材2056は、第1実施形態の場合と同様に、側壁部2056bにより、下皿2050の貯留領域における側面の一部を形成する。即ち、下皿2050の貯留領域における側面は、縮小状態では、内枠12と、側壁部材2055の上面視略L字形状の長辺部分(第1片2551X〜2554X)と、内壁部材2056(側壁部2056b)とにより形成され、拡大状態では、側壁部材2055の上面視略L字形状の短辺部分(第2片2551Y〜2554Y)がこれに加わる。
このように、本実施形態では、内壁部材2056(側壁部2056a)が貯留領域の内壁の一部を形成し、図35に示す縮小状態では、各分割体2551〜2554の略L字形状の短辺部分(第2片2551Y〜2554Y)を内壁部材2056内に収納し、図36に示す拡大状態では、各分割体2551〜2554の略L字形状の短辺部分を内壁部材2056内から突出させ、かかる略L字形状の短辺部分(第2片551Y〜557Y)と内壁部材2056(側壁部2056a)との両者により貯留領域の内壁の一部を形成する。これにより、第1実施形態の場合と同様に、略L字形状の短辺部分の長さ寸法を短縮化して、その分、略L字形状の短辺部分の移動のために必要なスペースを抑制することができる。
内壁部材2056の上面壁2056aの一端側(拡大方向側)の下面には、規制部2056cが突設され、その規制部2056cは、側壁部材2055の上面視略L字形状の短辺部分(第2片2551Y)の上面に重なる。よって、球の重量を受けた側壁部材2055が下方へ倒れ込もうとすると、規制部2056cが側壁部材2055(短辺部分)の上面を押圧して、その浮き上がりを抑制できるので、側壁部材2055の下方への倒れ込みを抑制することができる。
また、規制部2056cは、側壁部材2055のストッパ部2551S2に当接可能とされるので、側壁部材2055の拡大方向への回転を規制して張出位置(図36参照)に保持することができる。即ち、規制部2056cは、側壁部材2055の略L字形状の短辺部分(第2片2551Y)の上面を支持して撓みを抑制する役割だけでなく、各分割体2551〜2554の拡大方向への回転を規制するストッパとしての役割も兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
下皿2050の回転軸(軸支ピン2057)は、前面枠14を開閉可能に軸支する軸(図示せず)と平行であって、幅方向において同じ側(正面視左側)に配設されるので、下皿2050が拡大されたまま前面枠14が開放され、隣に設置されたパチンコ機10に下皿2050が接触したとしても、側壁部材2055を縮小方向に回転させることができるので、下皿2050が破損することを抑制することができる。
ここで、底壁部材2054には、縮小状態において第4分割体2554の第1片2554Xが重ね合わされる領域の上面に突起部2555bが、第2片2554Yが重ね合わされる領域の上面に一対のレール部2555wと規制突部2555rとが、それぞれ突設される。
突起部2555bは、断面矩形状の突起として突設され、第4分割体2554の規制溝2554c内に配設(収納)される。第4分割体2552が軸支ピン2057を中心として回転される際には、突起部2555bが規制溝2554cの内壁面に当接されることで、底壁部材2054に対する第4分割体2554の可動(回転)範囲を規定することができる。
各分割体2551〜2554が重ね合わされた状態では、レール部2555wが第4分割体2554の第2片2554Yにおける一対の側壁の対向間に嵌り込むことで、側壁部材2055全体としての剛性を向上させることができる(図43参照)。規制突部2555rは、第4分割体2554の係合片2554nが弾性変形された際に、その係合片2554nの先端に当接することで、第4分割体2554の縮小方向への変位(回転)を規制する(図45参照)。
また、底壁部材2054には、レール部2555wの側方(貯留領域と反対側)に規制壁2555k1,2555k2が形成され、内壁部材2056には、上壁部2056aの下面から規制壁2555k3とラッチ係合部2555pとが形成される。規制壁2555k1〜2555k3は、側壁部材2055が拡大状態とされた際に、第2分割体2552、第3分割体2553及び第4分割体2554の第2片2552Y〜2554Yの側面から張り出す張出壁2522z〜2554zの上面に当接可能に対面され、張出壁2552z〜2554zの上方への移動を規制する。これにより、側壁部材2054の下方への倒れ込みを抑制することができる(図43参照)。
ラッチ係合部2555pは、第1分割体2551の側方から突出されるラッチ部2551pが係合される凹部として形成される。側壁部材2055が縮小状態とされると、第1分割体2551のラッチ部2551pがラッチ係合部2555pに係合されることで、内壁部材2056に対する第1分割体2551の相対移動が規制される。即ち、側壁部材2055(第1分割体2551)の拡大方向への変位(回転)を規制することができる。
次いで、下皿2050の詳細構成について、図39から図46を参照して説明する。図39及び図40は、側壁部材2055の分解正面斜視図であり、図41及び図42は、側壁部材2055の分解下面斜視図である。
なお、図39(a)及び図41(a)には第1分割体2551が、図39(b)及び図41(b)には第2分割体2552が、図40(a)及び図42(a)には第3分割体2553が、図40(b)及び図42(b)には第4分割体2554が、それぞれ図示される。
ここで、本実施形態では、第2分割体2552〜第4分割体2554が同一の形状に(即ち、共通の部品として)形成される。よって、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。但し、説明の便宜上、第2分割体2552〜第4分割体2554の各構成に対して異なる名称および符号を付して説明する。
図39から図42に示すように、第1分割体2551から第4分割体2554は、一端側に軸支孔2551a〜2554aが穿設され上面視略L字形状の長辺部分を形成する第1片2551X〜2554Xと、その第1片2551X〜2554Xの他端側に連設され上面視略L字形状の短辺部分を形成する第2片2551Y〜2554Yとから形成される。
第1片2551X〜2557Xは、貯留領域となる側が凹(即ち、外方へ凸)となる略くの字状に、第2片2551Y〜2554Yは、軸支孔2551a〜2554aを中心とし且つ略同径の円弧状に、それぞれ上面視形状(軸支孔2551a〜2554aの軸方向視形状)が形成される。
第1片2551X〜2554Xが外方へ凸となる略くの字状に屈曲して形成されることで、貯留領域の大きさを確保できるだけでなく、直線状の部分が形成されるので、側壁部材2055(第1片2551X)を遊技者の操作により拡大または縮小させる際には、直線状の部分を手で掴みやすくすることができ、側壁部材2055(第1片2551X)を押し込む又は引き出す最の操作性の向上を図ることができる。
第2分割体2552から第4分割体2554の第1片2552X〜2554Xの上面には、第1片2552X〜2554Xの長手方向に沿って延設され断面矩形状の突起として突設される突起部2552b〜2554bが配設される(図39及び図40参照)。一方、第1分割体2551から第4分割体2554の第1片2551X〜2554Xの下面には、第1片2551X〜2554Xの長手方向に沿って延設され断面凹状の凹溝として凹設される規制溝2551c〜2554cが配設される(図41及び図42参照)。
各分割体2551〜2554が上下に重ね合わされると、第2分割体2552から第4分割体2554の突起部2552b〜2554bが第1分割体2551から第3分割体2553の規制溝2551c〜2553c内に、底壁部材2054の突起部2555b(図37参照)が第4分割体2553の規制溝2551cに、それぞれ配設(収納)される。これにより、各分割体2551〜2554が軸支ピン2057を中心として回転される際には、突起部2552b〜2555bが規制溝2551c〜2554cの内壁面に当接されることで、各分割体2551〜2554の可動(回転)範囲が規定される。
規制溝2551c〜2554cの互いに対向する一対の内壁面は、その下面視形状が、突起部2552b〜2555bと上面視形状と同一の形状に形成され、一方の内壁面は、貯留領域側における第1片2552X〜2554Xの縁部に沿って配設されると共に、他方の内壁面は、軸支孔2551a〜2554aから第2片2551Y〜2554Yへ向かうに従って貯留領域と反対側(外方側)に位置する姿勢で配設される。即ち、規制溝2551c〜2554cの溝幅は、軸支孔2551a〜2554aから第2片2551Y〜2554Yへ向かうに従って漸次拡大される。
第1分割体2551の第2片2551Yには、下面に正面視矩形状の開口部2551mが開口形成されると共に、側面にラッチ部2551pが出没可能に配設される。ラッチ部2551pは、付勢ばねにより突出方向へ付勢されており、側壁部材2055の縮小状態において、内壁部材2056のラッチ係合部2555p(図38参照)に係合される。縮小状態にある側壁部材2055(第1分割体2551)が遊技者の操作により拡大方向へ変位(回転)されると、ラッチ部2551pが第1分割体2551内に没入され、ラッチ係合部2555pとの係合が解除される。
第2分割体2552から第4分割体2554の第2片2552Y〜2554Yには、正面視矩形状の開口部2552m〜2554mが開口形成されると共に、この開口部2552m〜2554mに対応する位置(上面視において重なる位置)において、第2片2552Y〜2554Yの長手方向に沿って延びる係合片2552n〜2554nが上面から嵩上げされた態様で形成される。
係合片2552n〜2554nは、先端が自由端とされる片持ちの弾性片として形成され、開口部2552m〜2554mから上面側に嵩上げされて位置すると共に、その先端上面には、断面半円状の突部2552n1〜2554n1が突設される。また、係合片2552n〜2554nの下面からは、リブ形状のリブ2552n2〜2554n2が垂下される。
第2分割体2552から第4分割体2554の第2片2552Y〜2554Yには、上面から一対のレール部2552w〜2554wが立設されると共に、側面から張出壁2552z〜2554zが水平に張り出し形成される。
一対のレール部2552w〜2554wは、その外面どうしの離間間隔が、第1分割体2552〜第3分割体2553の第2片2551Y〜2553Yの一対の側壁の対向間隔と同等または若干小さい寸法に設定される。よって、各分割体2551〜2554が重ね合わされると、それらのレール部2552w〜2554wが第2片2551Y〜2554Yの一対の側壁の対向間に嵌り込むことで、側壁部材2055全体としての剛性を向上させることができる(図43参照)。
張出壁2552z〜2554zは、側壁部材2055が拡大状態とされた際に、底壁部材2054の規制壁2555k1,2555k2及び内壁部材2056の規制壁2555k3の下面にそれぞれ対面され、これにより、張出壁2552z〜2554zの上方への移動が規制される(図43参照)。
第2分割体2552から第4分割体2554の係合片2552n〜2554n(突部2552n1〜2554n1)は、第1分割体2551から第3分割体2553の開口部2551m〜2553mに係合可能に形成され、かかる係合により第1分割体2551から第3分割体2553に対する第2分割体2552から第4分割体2554の一方向への相対変位を規制することができると共に、係合片553n,554nの弾性変形により開口部552m,553mとの係合が解除されることで、一方向への相対変位を許容することができると共に他方向への相対変位を規制することができる(図45及び図46参照)。
即ち、係合片2552n〜2554n等は、重ね合わされた各分割体2551〜2554どうしの相対移動を規定する規定手段として機能する部位であり、側壁部材2055が遊技者の操作により拡大または縮小される場合に、各分割体2551〜2554の回転が許容される順序を規定する。これにより、後述するように、各分割体2551〜2554それぞれの回転の順序を一定として、貯留領域の拡大または縮小の形態を一意とすることができる(図44参照)。
次いで、図43を参照して、側壁部材2055の第1分割体2551から第4分割体2554における第2片2551Y〜2554Yどうしの関係について説明する。図43は、拡大状態における下皿2050の背面斜視図であり、内壁部材2056が取り外された状態が図示される。
側壁部材2055は、上述したように、各分割体2551〜2554の第2片2551Y〜2554Yが、軸支孔2551a〜2554a(軸支ピン2057、図37参照)を中心とする同径の円弧状にそれぞれ形成されるので、各分割体2551〜2554Yが軸支孔2551a〜2554aを中心に回転される際には、第2片2551Y〜2554Yの軌跡を互いに一致させることができる(図44参照)。よって、第2片2551Y〜2554Yが常に重なるので、側壁部材2055(各分割体2551〜2554が重なり合わされた構造体)の剛性を確保でき、球の重量で撓むことを抑制できる。
図43に示すように、この場合、側壁部材2055は、第1分割体2551から第4分割体2554の第2片2551Y〜2554Yにおける一対の側壁の対向間には、その下面側から、第2分割体2552から第4分割体2554の第2片2552Y〜2554Yにおけるレール部2552w〜2554w及び底壁部材2054のレール部2555wが嵌り込み、互いに重ね合わされる。
よって、貯留された球から受ける水平方向(側壁部材2055の第2片2551Y〜2554Yを外方へ押し広げようとする方向)への荷重により第2片2551Y〜2554Yが外方へ倒れ込むことを、一対の側壁の対向間への各レール部2552w〜2555wの嵌り込みによって、互いに規制させ合うことができる。特に、本実施形態では、最下方のレール部2555wが、底壁部材2054から立設されるため、第1分割体2551から第4分割体2554の倒れ込みを、側壁部材2055の剛性を利用して、強固に支えることができる。
また、側壁部材2055は、第2分割体2552から第4分割体2554の第2片2551Y〜2554Yの側方から張出壁2552z〜2554zが張り出し形成され、拡大状態では、張出壁2552z〜2554zの上面が、底壁部材2054の規制壁2555k1,2555k2及び内壁部材2056の規制壁2555k3(図38参照)に当接可能に対面される。
ここで、拡大状態において貯留領域に多数の球が貯留されると、階段状に張り出された各分割体2551〜2554が、第1片2551X〜2554X側を下方へ倒れ込ませる方向へ撓むおそれがあるところ、本実施形態によれば、張出壁2552z〜2554zの上方への移動を規制壁2555k1〜2555k3により規制できるので、各分割体2552〜2554における第2片2552Y〜2554Yが上方へ浮き上がることを抑制できる。その結果、側壁部材55の下方への倒れ込みを抑制することができる。
なお、この場合、第1分割体2551の第2片2551の上面には、内壁部材2056の規制部2056cが当接され(図36及び図38参照)、かかる当接により、分割体2551における第2片2551Yの上方への浮き上がりを抑制できる。よって、これによっても、側壁部材55の下方への倒れ込みを抑制することができる。
次いで、図44から図46を参照して、側壁部材2055が遊技者に操作され、下皿2050の貯留領域が拡大または縮小される際に、分割体2551〜2554が変位(回転)される順序について説明する。
図44(a)は、縮小状態における下皿2050の上面図であり、図44(b)から図44(d)は、第1状態から第3状態における下皿2050の上面図であり、図44(e)は、拡大状態における下皿2050の上面図である。
また、図45(a)は、縮小状態における下皿2050の側断面図であり、図45(b)及び図45(c)は、第1状態および第2状態における下皿2050の側断面図である。また、図46(a)は、第3状態における下皿2050の側断面図であり、図46(b)は、拡大状態における下皿2050の側断面図である。
図44(a)及び図45(a)に示すように、縮小状態(分割体2551〜2554が押し込まれ、貯留領域が最少とされる状態)では、第1分割体2551から第3分割体2553の開口部2551m〜2553mの内壁面に第2分割体2552から第4分割体2554の係合片2552n〜2554n(突部2552n1〜2554n1)がそれぞれ係合される。
第2分割体2552及び第3分割体2553の係合片2552n,2553nは、その下面側に第3分割体2553及び第4分割体2554の係合片2553n,2554nが配置されることで、第4分割体2554の係合片2554nは、その下面側に底壁部材2054の規制突部2555rが配置されることで、それぞれ下方(即ち、突部2552n1,2553n1,2554n1が抜け出る方向、図45(a)下側)への弾性変形が規制される。
なお、係合片2552n〜2554nは、その下面から垂下されるリブ2552n2〜2554n2が、係合片2553n,2554n又は規制突部2555rの上面に当接されることで、下方への弾性変形が規制される。
これにより、第1分割体2551、第2分割体2552及び第3分割体2553に対する第2分割体2552、第3分割体2553及び第4分割体2554の相対変位(軸支ピン2057を中心とする回転)がそれぞれ規制される。即ち、縮小状態では、第1分割体2551から第4分割体2554の互いの相対変位(回転)が規制され、これら第1分割体2551から第4分割体2554が一体とされた構造体が形成される。
この場合、かかる一体の構造体(第1〜第4分割体2551〜2554)は、上述したように、第1分割体2551に配設されるラッチ部2551p(図39(a)参照)が内壁部材2056のラッチ係合部2555p(図38参照)に係合されることで、底壁部材2054に対する一体の構造体(第1〜第4分割体2551〜2554)の拡大方向(図44(a)下方向、図45(a)左方向)への相対変位(回転)が規制される。また、縮小方向への相対変位(回転)は、第4分割体2554の規制溝2556cの内壁面に底壁部材2054の突起部2555bが係合することで、規制される。
よって、遊技者の操作により側壁部材2055(第1〜第4分割体2551〜2554により一体の構造体)が拡大方向へ変位(回転)されることで、その操作力により、第1分割体2551のラッチ部2551pと内壁部材2056のラッチ係合部2555pとの係合が解除され、底壁部材2054に対する一体の構造体(第1〜第6分割体551〜556)の拡大方向への変位(回転)が可能となる。これにより、図44(b)及び図45(b)に示す第1状態が形成される。
なお、第1状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、第4分割体2554の規制溝2554cの内壁面に底壁部材2054の突起部2555bが係合されることで、規制される(図37及び図42(b)参照)。
図44(b)及び図45(b)に示すように、第1状態では、底壁部材2054の規制突部2555rが、第4分割体2554の係合片2554nの下面から縮小方向(図45(b)右側)へ退避される。これにより、第4分割体2554の係合片2554nの下方に空間が形成され、かかる係合片2554nの下方(即ち、突部2554n1が開口部2553mから抜け出る方向、図45(b)下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図44(b)及び図45(b)に示す状態(第1状態)から、側壁部材2055(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図44(b)下側、図45(b)左側)へ変位されると、第3分割体2553が、その開口部2553mの内壁面で第4分割体2554の係合片2554nの突部2554n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、開口部2553mの内壁面が突部2554n1を乗り越えることで、図44(c)及び図45(c)に示すように、第2状態が形成される。
なお、第2状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、第3分割体2553の規制溝2553cの内壁面に第4分割体2554の突起部2554bが係合されることで、規制される(図40(b)及び図42(a)参照)。
また、第2状態では、第4分割体2554の係合片2554nの突部2554n1が第3分割体2553の第2片2553Yの下面に当接され、第4分割体2554の係合片2554nが下方(図45(c)下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第4分割体2554の係合片2554nの先端(リブ2554n2の端面)が、底壁部材2054の規制突部2555rの外壁面に係合され、底壁部材2054に対する第4分割体2554の縮小方向(図44(c)上側、図45(c)右側)への相対変位(回転)が規制される。
図44(c)及び図45(c)に示すように、第2状態では、第4分割体2554の係合片2554nが、第3分割体2553の係合片2553nの下面から縮小方向(図45(c)右側)へ退避される。これにより、第3分割体2553の係合片2553nの下方に空間が形成され、かかる係合片2553nの下方(即ち、突部2553n1が開口部2552mから抜け出る方向、図45(c)下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図44(c)及び図45(c)に示す状態(第2状態)から、側壁部材2055(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図44(c)下側、図45(c)左側)へ変位されると、第2分割体2552が、その開口部2552mの内壁面で第3分割体2553の係合片2553nの突部2553n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、開口部2552mの内壁面が突部2553n1を乗り越えることで、図44(d)及び図46(a)に示すように、第3状態が形成される。
なお、第3状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、第2分割体2552の規制溝2552cの内壁面に第3分割体2553の突起部2553bが係合されることで、規制される(図40(a)及び図41(b)参照)。
また、第3状態では、第3分割体2553の係合片2553nの突部2553n1が第2分割体2552の第2片2552Yの下面に当接され、第3分割体2553の係合片2553nが下方(図46(a)下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第3分割体2553の係合片2553nの先端(リブ2553rの端面)が、第4分割体2554の係合片2554nの後端面に係合され、第4分割体2554に対する第3分割体2553の縮小方向(図44(d)上側、図46(a)右側)への相対変位(回転)が規制される。
図44(d)及び図46(a)に示すように、第3状態では、第3分割体2553の係合片2553nが、第2分割体2552の係合片2552nの下面から縮小方向(図46(a)右側)へ退避される。これにより、第2分割体2552の係合片2552nの下方に空間が形成され、かかる係合片2552nの下方(即ち、突部2552n1が開口部2551mから抜け出る方向、図図46(a)下側)への弾性変形が可能な状態となる。
よって、図44(d)及び図46(a)に示す状態(第3状態)から、側壁部材2055(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により拡大方向(図44(d)下側、図46(a)左側)へ変位されると、第1分割体2551が、その開口部2551mの内壁面で第2分割体2551の係合片2552nの突部2552n1を下方へ押し下げつつ、拡大方向へ変位され、開口部2551mの内壁面が突部1551n1を乗り越えることで、図44(e)及び図28に46(b)示すように、拡大状態が形成される。
なお、拡大状態では、拡大方向への相対変位(回転)が、第1分割体2551の規制溝2551cの内壁面に第2分割体2552の突起部2552bが係合されることで、規制される(図39(b)及び図41(a)参照)。同時に、第1分割体2551のストッパ部2551S2が内壁部材2056の規制部2056cに当接されることで、拡大方向への相対変位(回転)が規制される。
また、拡大状態では、第2分割体2552の係合片2552nの突部2552n1が第1分割体551の第2片2552Yの下面に当接され、第2分割体2552の係合片2552nが下方(図46(b)下側)へ弾性変形された状態とされる。これにより、第2分割体2552の係合片2552nの先端(リブ2552n2の端面)が、第3分割体2553の係合片2553nの後端面に係合され、第3分割体2553に対する第2分割体2552の縮小方向(図44(e)上側、図46(b)右側)への相対変位(回転)が規制される。
一方、本実施形態では、拡大状態において、第2分割体2552に対する第1分割体2551の縮小方向(図44(e)上側、図46(b)右側)への相対変位(回転)は規制されない。即ち、遊技者は、例えば、ロック機構の解除の操作などを行うことなく、第1分割体2551を縮小方向へ変位(回転)させることができるので、縮小させる際の操作性が向上される。
図44(e)及び図46に示す状態(拡大状態)から、側壁部材2055(第1分割体2551)が遊技者の操作により縮小方向(図44(e)上側、図46(b)右側)へ変位され、その開口部2551mが第2分割体2552の係合片2552nの突部2552n1を通過すると、第2分割体2552の係合片2552nが弾性回復力により突部2552n1を開口部2551mに係合させた状態に復帰される。即ち、図44(d)及び図46(a)に示す第3状態が形成される。
図44(d)及び図46(a)に示す状態(第3状態)から、側壁部材2055(例えば、第1分割体2551)が遊技者の操作により縮小方向(図44(d)上側、図46(a)右側)へ変位され、第2分割体2552の開口部2552mが第3分割体2553の係合片2553nの突部2553n1の上方に配置されると、第3分割体2553の係合片2553nが弾性回復力により突部2553n1を開口部2552mに係合させた状態に復帰される。即ち、図44(c)及び図45(c)に示す第2状態が形成される。
同様に、図44(c)及び図45(c)に示す状態(第2状態)から、側壁部材2055(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により縮小方向(図44(c)上側、図45(c)右側)へ変位され、第3分割体2553の開口部2553mが第4分割体2554の係合片2554nの突部2554n1上方に配置されると、第4分割体2554の係合片2554nが弾性回復力により突部2554n1を開口部2553mに係合させた状態に順に復帰される。即ち、図44(b)及び図45(b)に示す第1状態が形成される。
第1状態が形成されると、図45(b)に示すように、第4分割体2554の係合片2554nと底壁部材2054の規制突部2555rの外壁面との係合が解除されるので、側壁部材2055(例えば、第1分割体551)が遊技者の操作により縮小方向へ変位されることで、図44(a)及び図45(a)に示す縮小状態が形成される。
以上のように、本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、分割体2551〜2554それぞれの変位(回転)の順序を一定として、貯留領域の拡大または縮小を一意とすることができる(図44から図46参照)。
この場合、側壁部材2055(分割体2551〜2554)の拡大方向への変位(回転)は、第1実施形態の場合と同様に、下側の分割体から順に許容されるので、貯留領域の大きさの拡大を迅速に行うことができる。一方、縮小方向への変位(回転)は、上側の分割体から順に許容されるので、貯留領域に貯留される球の状態に応じて、各分割体2551〜2554の変位(回転)をスムーズに行うことができる。
次いで、図47から図50を参照して、第3実施形態における内枠3012について説明する。
図47は、第3実施形態における内枠3012及び下皿2050の正面斜視図である。また、図48(a)は、内枠3012及び下皿2050の上面図であり、図48(b)は、図48(a)のXLVIIIb−XLVIIIb線における内枠3012及び下皿2050の断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図47及び図48に示すように、第3実施形態における内枠3012には、その正面に第1迂回路3300及び第2迂回路3400が形成される。これら第1迂回路3300及び第2迂回路3400は、払出口23から払い出された球を迂回させ、下皿2050の払出口23から離れた領域へ球を送るための球の通路であり、内枠3012の前面に正面視横長略矩形の凹溝として形成される。
第1迂回路3300及び第2迂回路3400は、それぞれ払出口23から正面視左側および正面視右側へ向けて延設され、その凹溝の下面(図48(b)下側の面)が転動面3310,3410とされる。転動面3310,3410は、球が転動するための部位であり、正面視において、払出口23の下面23aと略面一に連なる高さ位置(図48(b)上下方向位置)に一端を配置すると共に、その一端から他端へ向けて下降傾斜して形成される。
なお、各迂回路3300,3400の転動面3310,3410の一端は、払出口23の下面23aに略面一に連なるので、払出口23近傍に貯留された球により山が形成されると共にその山の高さが少なくとも払出口23の下面23aを越えてから、各迂回路3300,3400へ球を流入させることができる(図49及び図50参照)。即ち、払出口23の近傍に一定の高さの山を形成した後に、球を各迂回路3300,3400によって山から離れた領域へ迂回させることができるので、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
また、転動面3310,3410は、内枠3012から下皿2050へ向けても下降傾斜され、その下降傾斜の傾斜角度が、他端側ほど大きくされる。これにより、各迂回路3300,3400により迂回された球が下皿2050へ流下される際には(図50参照)、他端側から流下する球ほど、その流下に勢いを付けることができるので、下皿2050内のより遠い領域まで送球することができる。よって、下皿2050の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
なお、払出口23の下面23aは、下皿2050へ向かうに従って幅寸法(図48(b)左右方向寸法)が大きくなる形状(即ち、下降傾斜方向に沿って幅が広がる末広がり形状)に形成される。これにより、払出口23の下面23aから各迂回路3300,3400の転動面3310,3410へ球を送球しやすくすることができる。
また、払出口23の下面23aは、内枠3012から下皿2050へ向けて下降傾斜されると共に、その両側部分(即ち、転動面3310,3410に連なる側)が転動面3310,3410へ向けて下降傾斜される。よって、上皿17から払出口23の下面23aへ流下された球は、下面23aを転動して下皿2050へ送球(流下)される。下皿2050に積み重ねられた球の山により下面23aから下皿2050への送球が阻止された球は、下面23aの両側部分の下降傾斜により転動面3310,3410の一端へ送球され、かかる転動面3310,3410上をその他端へ向けて転動される。
次いで、図49及び図50を参照して、第1迂回路3300及び第2迂回路3400による球の迂回について説明する。図49(a)及び図50(a)は、内枠3012及び下皿2050の上面図であり、図49(b)及び図50(b)は、内枠3012及び下皿2050の断面図である。なお、図49(b)及び図50(b)は、図48(b)に対応する。
図49に示すように、払出口23から下皿2050へ払い出された球は、払出口23近傍に偏って貯留されやすく、徐々に積み重なった球により山が形成される。そのため、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させることが困難であり、従来品では、遊技者が手で山を均して平らにする必要があった。また、本実施形態のように、下皿2050の貯留領域を拡大可能に構成しても、その拡大された貯留領域の全体を有効に活用することが困難である。
図50に示すように、本実施形態では、払出口23近傍に積み重なった球の山により、払出口23から貯留領域への球の流入が阻害される場合には、山によって貯留領域への流入が阻害された球を、各迂回路3300,3400へ流入させ、それら各迂回路3300,3400の転動面3310,3410を一端から他端へ向けて転動させることで、球を迂回させることができる。
これにより、払出口23から離れた領域、即ち、山から離れた領域へ球を送ることができ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。その結果、例えば、遊技者は、貯留領域の一部に偏って貯留された山を均して平らにする作業が不要となり、遊技に集中することができる。また、拡大された貯留領域の全体を有効に活用することができる。
特に、本実施形態では、払出口23の左右両側に第1迂回路3300及び第2迂回路3400をそれぞれ逆向きで設けるので、払出口23近傍に積み重なった球により形成される山に対して、その左右両側へ球を迂回させることができる。即ち、払出口23から視て球抜き穴2054aを越える側(球抜き穴2054aよりも遠い側)の領域(図50(b)右側)へ第2迂回路3400により球を送ることができるだけでなく、その逆側の領域(払出口23から球抜き穴2054aへ向かう方向と反対側となり底壁部材2054の上昇傾斜側となるため球が貯留されにくい領域、図50(b)左側)へも第1迂回路3300により球を送ることができる。その結果、拡大された貯留領域の全体を有効に活用することができる。
ここで、転動面3310,3410の幅寸法は、球の直径よりも大きくされることが好ましく、本実施形態では、球の直径の2倍の幅寸法に設定される。これにより、下皿2050内で積み重なって山を形成する球のうちの、転動面3310,3410の高さ位置を越えて位置し、各迂回路3300,3400側の最外方に位置する球が、各迂回路3300,3400の空間内に入り込んでいる場合(即ち、最外方の球の一部が上面視において転動面3310,3410と重なっている場合)でも、転動面3310,3410を球が転動するスペースを確保して、球の迂回を継続させることができる。
なお、図50に図示される状態は、各迂回路3300,3400による球の迂回が開始された初期段階に対応し、かかる球の迂回が進行するに従って、下皿2050内に貯留される球は更に増加される。以下の各実施形態においても同様であるので、その説明は省略する。
次いで、図51から図54を参照して、第4実施形態における内枠4012について説明する。
図51(a)は、第4実施形態における内枠4012及び下皿2050の断面図であり、図51(b)は、図51(a)のLIb−LIb線における内枠4012及び下皿2050の断面図である。なお、図51(a)は、図47(b)に対応する。また、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51に示すように、第4実施形態における内枠4012には、その正面に、第1迂回路3300及び第2迂回路3400に加えて、それら各迂回路3300,3400よりも低い位置に、それぞれ第3迂回路4500及び第4迂回路4600が更に形成される。
第3迂回路4500及び第4迂回路4600は、払出口23及び第1迂回路3300、第2迂回路3400から下方(図51(a)下側)へ一段下がった位置に配設される正面視横長略矩形の凹溝として形成され、その凹溝の下面(図51(a)下側の面)が転動面4510,4610とされる。転動面4510,4610は、正面視において、互いの一端どうしを連通させ、その連通させた部分を払出口23の下方に配置する共に、連通させた部分(一端)から他端へ向けて下降傾斜して形成される。
また、転動面4510,4610は、内枠4012から下皿2050へ向けても下降傾斜され、その下降傾斜の傾斜角度が、他端側ほど大きくされる。これにより、第1迂回路3300及び第2迂回路3400の場合と同様に、各迂回路4500,4600により迂回された球が下皿2050へ流下される際には(図53参照)、他端側から流下する球ほど、その流下に勢いを付けることができるので、下皿2050内のより遠い領域まで送球することができる。よって、下皿2050の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
次いで、図52から図54を参照して、第1迂回路3300から第4迂回路4600による球の迂回について説明する。図52(a)、図53(a)及び図54(a)は、内枠4012及び下皿2050の断面図であり、図52(b)、図53(b)及び図54(b)は、内枠4012及び下皿2050の断面図である。なお、図52(a)、図53(a)及び図54(a)は、図51(a)に対応し、図52(b)、図53(b)及び図54(b)は、図51(b)に対応する。
図52に示すように、払出口23から払い出された球は、第3迂回路4500及び第4迂回路4600(転動面4510,4610)に流下された後、その転動面4510,4610から下皿2050へ流下され、徐々に積み重なった球により山が形成される。払出口23近傍に積み重なった球の山により、第3及び第4迂回路4500,4600の転動面4510,4610から貯留領域への球の流入が阻害されると、図53に示すように、山によって貯留領域への流入が阻害された球を、第3迂回路4500及び第4迂回路4600へ流入させ、それら各迂回路4500,4600の転動面4510,4610を一端から他端へ向けて転動させることで、球を迂回させることができる。
その後、積み重なった球の山により、第3迂回路4500及び第4迂回路4600が埋まると、図54に示すように、山によって貯留領域(第3及び第4迂回路4500,4600)への流入が阻害された球を、第1迂回路3300及び第2迂回路3400へ流入させ、それら各迂回路3300,3400の転動面3310,3410を一端から他端へ向けて転動させることで、球を迂回させることができる。
このように、本実施形態では、複数の迂回路(第1〜第4迂回路3300〜4600)が異なる高さ位置に形成されるので、払出口23の近傍に貯留された球により山が形成されると、まず、高さ位置が低い迂回路(第3迂回路4500及び第4迂回路4600)に球を流入させて迂回させることができると共に、その迂回路(第3迂回路4500及び第4迂回路4600)が球に埋もれると、高さ位置が高い迂回路に球を流入させて迂回させることができる。即ち、払出口23近傍に形成される山の成長度合い(球の積み重なり度合い)に応じて、異なる迂回路で球を段階的に迂回させることができ、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
特に、本実施形態では、第3転動面4510及び第4転動面4610の他端が、第1転動面3310及び第2転動面3410の他端よりも払出口23に近接する位置に配置されるので、払出口23近傍に形成される山が成長されるに従って、払出口23から遠い領域(即ち、山の周囲)へ球を段階的に迂回させることができる。その結果、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
次いで、図55及び図56を参照して、第5実施形態における内枠5012について説明する。
図55(a)及び図56(a)は、第5実施形態における内枠5012及び下皿2050の断面図であり、図55(b)及び図56(b)は、図55(a)のLVb−LVb線における内枠5012及び下皿2050の断面図である。なお、図55(a)は、図47(b)に対応する。また、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図55に示すように、第5実施形態における内枠5012は、第1迂回路3300及び第2迂回路3400の転動面3310,3410の下皿2050(貯留領域)側の縁から立壁3311,3411が立設される。立壁3311,3411は、転動面3310,3410の縁のうちの払出口23側の一端から所定範囲(本実施形態では転動面3310,3410の転動方向長さの略半分となる範囲)にわたって立設され、他端側には配設されない。
よって、図56に示すように、払出口23から下皿2050へ球が払い出され、徐々に積み重なった球により山が形成される場合に、かかる山を形成する球のうちの、転動面3310,3410の高さ位置を越えて位置し、各迂回路3300,3400側の最外方に位置する球が、各迂回路3300,3400の空間内に入り込む(即ち、最外方の球の一部が上面視において転動面3310,3410と重なる)ことを回避できる。これにより、各迂回路3300,3400へ入り込んだ球により、転動面3310,3410上の球の転動が阻害されることを抑制できる。その結果、各迂回路3300,3400を有効に機能させることができ、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
また、第1迂回路3300及び第2迂回路3400を設けた場合でも、払出口23近傍に、より多くの球を積み重ねて、山の高さを高くすることができる。よって、その分、下皿2050の貯留領域により多くの球を貯留させることができる。
次いで、図57から図60を参照して、第6実施形態における内枠6012について説明する。
図57(a)は、第6実施形態における内枠6012及び下皿2050の断面図であり、図57(b)は、図57(a)のLVIIb−LVIIb線における内枠6012及び下皿2050の断面図である。なお、図57(a)は、図47(b)に対応する。また、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図57に示すように、第6実施形態における内枠6012には、その正面に第1迂回路3300及び第5迂回路6700が形成される。第5迂回路6700は、払出口23から払い出された球を迂回させ、下皿2050の払出口23から離れた2箇所へ段階的に球を送るための球の通路であり、内枠6012の前面に正面視横長略矩形の凹溝として形成される。
第5迂回路6700は、払出口23から正面視右側へ向けて延設され、その凹溝の下面(図57(a)下側の面)が転動面6710とされる。転動面6710は、球が転動するための部位であり、正面視において、払出口23の下面23aと略面一となる高さ位置(図57(a)上下方向位置)に一端を配置すると共に、その一端から他端(図57(a)右側)へ向けて下降傾斜して形成される。
本実施形態における転動面6710には、流下部6711,6712が、第5迂回路6700の延設方向(図57(a)左右方向)に所定間隔を隔てつつ複数(本実施形態では2個)形成されると共に、これにより、転動面6710が上流転動面6710a及び下流転動面6710bに分割される。
流下部6711,6712は、転動面6710を転動する球を下皿2050へ流下させるための部位であり、転動面6710よりも正面視における高さ位置(図57(a)上下方向位置)が低くされると共に、内枠6012から下皿2050へ向けて下降傾斜して形成される。
この場合、流下部6711の内枠6012側(図57(a)紙面奥側)の上面と、上流転動面6710aの下流端(図57(a)右側)の上面との間の高さ方向(図57(a)上下方向)の離間量は、球の直径よりも大きな寸法(本実施形態では球の直径の略2倍)に設定され、かつ、流下部6711の下皿2050側(図57(a)紙面手前側)の上面と、下流転動面6710bの上流端(図57(a)左側)の上面との間の高さ方向(図57(a)上下方向)における離間量は、球の直径と同等または小さな寸法(本実施形態では同等の寸法)に設定される。
即ち、流下部6711に複数の球が滞留した場合に、それら各球の頂部を連ねて形成される仮想平面が、上流転動面6710aの下流端よりも下方となる高さ位置に位置し、かつ、下流転動面6710bの上流端と同等となる高さ位置または上方となる高さ位置(本実施形態では同等となる高さ位置)に位置する(図60(c)参照)。
よって、後述するように、流下部6711に複数の球が滞留した状態では(図60(c)参照)、上流転動面6710aから流下部6711へ流下された球を、その流下の際の勢いを利用して、流下部6711に滞留した複数の球の頭上を通過させ、下流転動面6710bへ到達させることができる。これにより、下流転動面6710bを転動し、流下部6712に到達した球を、かかる流下部6712から下皿2050へ流下させることができる。
次いで、図58から図60を参照して、第5迂回路6700による球の迂回について説明する。図58(a)、図59(a)及び図60(a)は、内枠6012及び下皿2050の断面図であり、図58(b)、図59(b)及び図60(b)は、内枠6012及び下皿2050の断面図である。また、図60(c)は、図60(b)のLXc−LXc線における内枠6012の断面図である。なお、図58(a)、図59(a)及び図60(a)は、図57(a)に対応し、図58(b)、図59(b)及び図60(b)は、図57(b)に対応する。
図58に示すように、払出口23から下皿2050へ球が払い出されると、徐々に積み重なった球により山が形成される。払出口23近傍に積み重なった球の山により、払出口23から下皿2050への球の流入が阻害されると、図59に示すように、山によって貯留領域への流入が阻害された球を、第5迂回路6700へ流入させ、上流転動面6710aを転動させた後、まず、払出口23に近い側の流下部6711から下皿2050へ流下させることができる。
その後、流下部6711から流下され積み重なった球により山が形成されると共に、その山により流下部6711から下皿2050への球の流下が阻害されると、上流転動面6710aから転動された球が流下部6711で滞留し、それら滞留した球により流下部6711が埋まる(図60(b)及び図60(c)参照)。
これにより、図60に示すように、第5迂回路6700へ流入された球であって、上流転動面6710aから流下部6711へ転動された球を、流下部6711に滞留した複数の球の頭上を通過させ、下流転動面6710bへ到達させることができる。これにより、払出口23から遠い側の流下部6712から下皿2050へ流下させることができる。
このように、本実施形態では、第5迂回路6700に流入された球を、まず、払出口23に近い側の流下部6711から下皿2050へ流下させると共に、その流下箇所に形成された山によって流下部6711から下皿2050への流下が阻害されると、次いで、払出口23から遠い側の流下部6712から下皿2050へ流下させることができる。その結果、払出口23近傍に形成される山が成長されるに従って、払出口23から遠い領域(即ち、山の周囲)へ球を段階的に迂回させることができる。その結果、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
なお、本実施形態では、上流転動面6710a及び下流転動面6710bが、内枠6012から下皿2050へ向けて下降傾斜されない。但し、これら各転動面6710a,6710bの少なくとも一方を、内枠6012から下皿2050へ向けて下降傾斜させても良い。この場合には、内枠6012から下皿2050へ向けての下降傾斜の傾斜角度は、流下部6711,6712の傾斜角度よりも各転動面6710a,6710bの傾斜角度を小さくする。これにより、第5迂回路6700へ流入した球を、主に流下部6711,6712から下皿2050へ流下させつつ、各転動面6710a,6710bからも球を下皿2050へ流下させることができるので、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
次いで、図61から図63を参照して、第7実施形態における内枠7012について説明する。
図61(a)は、第7実施形態における内枠7012及び下皿2050の上面図であり、図61(b)は、図61(a)のLXIb−LXIb線における内枠7012及び下皿2050の断面図であり、図61(c)は、図61(a)のLXIc−LXIc線における内枠7012の断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図61に示すように、第7実施形態における内枠7012には、払出口23の側方(幅方向右側、図61(b)右側)に正面視矩形の開口として形成される第2払出口7023が配設される。なお、本実施形態では、これら払出口23及び第2払出口7023は、正面視形状が同一に形成されると共に、同じ高さ位置(図61(b)上下位置)に配置される。
内枠7012の内部には、上皿17(図1参照)に貯留しきれなかった球を払出口23へ送球するための送球路7024と、その送給路7024の途中に一端(上流端)が連通されると共に他端(下流端7025a)が第2払出口7023に連通され一端から他端へ向けて下降傾斜される第6迂回路7025とが形成される。
送球路7024は、上皿17側の上流端から略S字状に湾曲されつつ垂下され、下流端7024aが、正面視において払出口23から視認される位置において、払出口23に連通される。よって、送給路7024を流下して、その下流端7024aに到達した球は、払出口23から下皿2050へ流下される。なお、本実施形態では、送球路7024の下流端7024aから第6迂回路7025の一端(上流端)の下縁までの距離が、球の直径の略3倍の距離とされる。
第6迂回路7025は、送球路7024の下流端7024aよりも所定距離だけ上方となる位置において、送球路7024に一端(上流端)が連通されると共に、下流端7025aが、正面視において第2払出口7023から視認される位置において、第2払出口7023に連通される。よって、第6迂回路7025に流入して、その下流端7025aに到達した球は、第2払出口7023から下皿2050へ流下される。
次いで、図62から図63を参照して、第6迂回路7025による球の迂回について説明する。図62(a)及び図63(a)は、内枠7012及び下皿2050の上面図であり、図62(b)及び図63(b)は、内枠7012及び下皿2050の断面図であり、図62(c)及び図63(c)は、内枠7012の断面図である。なお、図62(a)及び図63(a)は、図61(a)に対応し、図62(b)及び図63(b)は、図61(b)に対応し、図62(c)及び図63(c)は、図61(c)に対応する。
払出口23から下皿2050へ球が払い出されると、徐々に積み重なった球により山が形成される。払出口23近傍に積み重なった球の山により、払出口23から下皿2050への球の流入が阻害されると、図62に示すように、送球路7024を流下される球がその下流端7024aに滞留し、それら滞留した球により送球路7024の下流端7024a側が埋まる(図62(c)参照)。
これにより、図63に示すように、送球路7024を流下する球を、第6迂回路7025へ流入させることができる。その結果、第6迂回路7024に流入され、その下流端7025aまで転動した球を、払出口23から幅方向に離間された第2払出口7023から下皿2050へ流下させることができる。
このように、本実施形態では、払出口23近傍に形成された山により、払出口23から下皿2050への球の流入が阻害されると、送球路2024から流下される球を、第6迂回路7025を通じて第2払出口7023へ迂回させ、その第2払出口7023から下皿2050へ流入させることができる。これにより、払出口23から流入された球により形成された山から離れた領域へ向けて、第2払出口7025から球を流入させる(送球する)ことができ、その結果、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
即ち、例えば、内枠7012の正面を凹設することで形成され迂回路では、下皿2050側が開放されているので、その迂回路の一端から他端まで球を転動させて迂回させる途中(一端と他端との間)において、球が下皿2050へ流下される。即ち、迂回路に流入した球の全てを他端まで迂回させることはできず、他端まで到達する前に下皿2050へ流下する球が発生する。
これに対し、本実施形態によれば、第6迂回路7025が、内枠7012内に配設され、閉じた通路として形成されるので、迂回の途中において球が下皿2050へ流下されることがなく、第6迂回路7025に流入した球の全てを、その他端(下流端7025a)まで転動(迂回)させることができる(即ち、第2払出口7023から下皿2050へ流下させることができる)。
これにより、払出口23から下皿2050へ流下された球により形成された山に対して、その山からは十分に離れた位置(第2払出口7023)からのみ下皿2050へ球を流下させることができ、その結果、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
ここで、本実施形態では、送球路7024には、その下流端7024a側に、第1下皿満タンスイッチ(図示せず)が配設されると共に、第6迂回路7025には、その下流端7025a側に、第2下皿満タンスイッチ(図示せず)が配設される。これら両下皿満タンスイッチは、送球路7024又は第6迂回路7025内に球が貯留されている(払出口23又は第2払出口7023から下皿2050への送球ができない状態にある)ことが検出される場合にオンされる。
この場合、第1下皿満タンスイッチがオンされ、第2下皿満タンスイッチ及び縮小状態検出センサがオフされる場合には、払出口23近傍に球の山が形成されていると推定できるので、遊技者に対して「下皿2050の球を均す」ことを報知する。これにより、山が均されることで、払出口23から送球を再開でき、下皿2050の貯留領域を効率的に使用して球をより多く貯留できる。
第1下皿満タンスイッチ及び第2下皿満タンスイッチが共にオンされる場合には、払出口23近傍に球の山が形成されると共に、第6迂回路7025による球の迂回も完了し、下皿2050に球が満杯であると推定できるので、遊技者に対して「球抜きレバー2054aを操作する」ことを報知する。
ここで、下皿2050に、側壁部材2055が縮小状態にある場合にオンされる縮小状態検出センサ(図示せず)を更に配設し、第1下皿満タンスイッチ及び第2下皿満タンスイッチが共にオンされ、且つ、縮小状態検出センサがオンされる場合には、遊技者に対して「球抜きレバー2054aを操作する」ことを報知する前に、「下皿2050を拡大する」ことを報知するようにしても良い。拡大可能に形成された下皿2050を有効に活用できる。
なお、報知の方法としては、第3図柄表示装置81への表示や音声出力装置からの音声による出力などが例示される。また、第1下皿満タンスイッチ及び第2下皿満タンスイッチを省略し、1の下皿満タンスイッチのみを設けても良い。この場合には、送球路7024であって、第6迂回路7025への分岐よりも上流側(下流端7024aと反対側)に設ける。かかる位置への配設により、払出口23及び第2払出口2023が形成される場合であっても、下皿2050に球が満杯となったことを1の下皿満タンスイッチにより検出できる。
次いで、図64を参照して、第8実施形態における内枠8012及び下皿8050について説明する。図64は、第8実施形態における内枠8012及び下皿8050の正面斜視図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64に示すように、第8実施形態では、内枠8012の正面に第7迂回路8400が形成される共に、その第7迂回路8400に延長迂回路8800が連設される。第7迂回路8400は、払出口23から正面視右側へ向けて延設される凹溝として形成され、その凹溝の下面が転動面8410とされる。なお、第7迂回路8400は、その延設長さが第3実施形態における第2迂回路3400の延設長さよりも長くされる点を除き、他の構成は第2迂回路3400と実質的に同一に形成されるので、その説明は省略する。
下皿2050の内壁部材2056には、その側壁部2056bから張出壁8056hが貯留領域内へ向けて張り出し形成される。張出壁8056hは、正面視くの字状に屈曲する板状体として形成され、その上面が延長迂回路8800の転動面8810とされる。張出壁8056hは、転動面8810の一端(上流端)を第8迂回路8400の他端(下流端)に連設させると共に、転動面8810がその他端(下流端)へ向けて下降傾斜される姿勢で配設される。
本実施形態では、張出壁8056hが底壁部材2054から上方へ離間した位置に配置され、張出壁8056hの下面と底壁部材2054の上面との間に球を貯留可能な空間(貯留領域)が形成される。また、張出壁8056hの他端(内枠12に連設される一端と反対側)が、側壁部材2055の第4分割体2554における第1片2554Xの上面と略同等の高さ位置に配置される。
以上のように、本実施形態によれば、内枠12に第8迂回路8400を形成することに加え、下皿2050(内壁部材2056)にも延長迂回路8800を形成するので、払出口23近傍に積み重なった球の山により貯留領域への流入が阻害され球が第8各迂回路8400に流入されると(図49及び図50参照)、その第8迂回路8400の転動面8410の終端まで転動された球を、延長迂回路8800の転動面8810を利用して、払出口23から最も遠い位置(側壁部材2055の各分割体2551〜2554における第1片2551X〜2554X及び第2片2551Y〜2554Yの連設部分)へ球を送り出す(迂回させる)ことができる。これにより、山から離れた領域へ球を送ることができ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
特に、本実施形態では、張出壁8056hの他端(即ち、延長迂回路8800の転動面8810の終端(下流端))が、側壁部材2055の第4分割体2554における第1片2554Xの上面と略同等の高さ位置に配置される。
よって、下皿2050が拡大状態とされている場合(即ち、貯留領域が拡大され、その貯留領域を有効に活用することが求められる場合)には、延長迂回路8800の転動面8810の終端から流下される球を、第1分割体2551〜第4分割体2554の第1片2551X〜2554X(即ち、階段状に拡大された領域を形成する各部材)の内枠12側の各側面に沿って第8迂回路8400における球の転動方向と逆方向(図64左方向)へ更に転動させることができる。
即ち、貯留領域に積み重なった球により形成される山の背面側(払出口23と反対側であって側壁部材2055側)へ球を迂回させることができ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
また、張出壁8056hは、正面視くの字状に屈曲して形成され、その上面に形成される転動面8810の下降傾斜の角度が他端側(側壁部材2055側)ほど大きな角度となる姿勢で配設されるので、下皿2050が縮小された状態において、張出壁5056hの他端側の上面と側壁部材2055(第2片2551X〜2554X)の内壁面との間に空間を形成することができる。
これにより、下皿2050を拡大状態から縮小状態へ縮小させる操作を遊技者が行う場合に、遊技者の手指が張出壁8056hと側壁部材2055(第2片2551X〜2554X)の内壁面との間に挟まれることを抑制できる。即ち、下皿2050を縮小させる操作は、側壁部材2055の第2片2551X〜2554Xの内壁面側に左手の手指を入れ、左手の手の平および親指により側壁部材2055の第2片2551Xを内枠12側へ向けて押し込む操作方法で行うことが、操作性が良いところ、本実施形態によれば、かかる操作方法であっても遊技者が指を挟みにくくできる。
ここで、内壁部材2056の側壁部256bに凹溝を凹設して延長迂回路8800を形成する場合には、各分割体2551〜2554の収容空間を確保する必要から、内壁部材2056が操作ハンドル51側へ配置され、両者の間隔が狭くなることから、操作ハンドル51の操作性が悪化する。
これに対し、本実施形態によれば、内壁部材2056の側壁部256bから張出壁8056hを張り出させることで延長迂回路8800を形成するので、内壁部材2056と操作ハンドル51との間隔を確保して、操作ハンドル51の操作性の向上を図ることができる。一方で、内壁部材2056の側壁部2056bから張出壁8056hが張り出されたとしても、本実施形態によれば、張出壁8056hが板状に形成され、張出壁8056hの下面と底壁部材2054の上面との間に球を貯留可能な空間(貯留領域)が形成されるので、貯留領域の大きさを確保することができる。
次いで、図65から図71を参照して、第9実施形態における内枠9012について説明する。
第1実施形態では、内枠12の開閉に対して下皿50の拡大または縮小が連動しない場合を説明したが、第2実施形態における内枠9012は、その開放に連動して下皿2050を縮小させる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図65(a)は、第9実施形態における内枠9012及び下皿2050の断面図であり、図65(b)は、図65(a)のLXVb−LXVb線における内枠9012及び下皿2050の断面図である。なお、図65(a)は、図48(b)に対応する。
図65に示すように、第9実施形態における内枠9012は、内枠9012の開放に伴い下皿2050を縮小させるための機構(以下「連動機構」と称す)として、固定歯車9001と、その固定歯車9001に先頭の歯車(歯車9002)が歯合される歯車列と、その歯車列の後尾の歯車(歯車9004)に一体に形成される回転アーム9005と、その回転アーム9005を下皿2050に連結する連結アーム9006とを備える。
固定歯車9001は、外枠11に対して内枠9012を回転可能に支持するヒンジ18(図1参照)に固定されると共に、外枠11に対して内枠9012が回転する際の回転中心と同軸に配設される。一方、歯車列の各歯車9002〜9004は、内枠9012に回転可能に軸支される。よって、外枠11に対して内枠9012が開閉されると、固定歯車9001を中心として、歯車列の先頭の歯車(歯車9002)を自転させつつ公転させることができ、これにより、歯車列の後尾の歯車(歯車9004)を回転させ、回転アーム9005を内枠9012に対して相対回転させることができる(図66及び図68参照)。
また、固定歯車9001は、その外周に刻設される歯が部分的に除去されており、その歯が除去された領域では、固定歯車9001と歯車列の先頭の歯車(歯車9002)とを非歯合とできる(図69(b)参照)。よって、この非歯合とされる領域(固定歯車9001の歯が除去された領域)では、外枠11に対して内枠9012が開閉されても、固定歯車9001を中心として、歯車列の先頭の歯車(歯車9002)を自転させずに公転させることができる。これにより、歯車列を非回転とすることができ、その結果、内枠9012に対して回転アーム9005を固定する(相対回転させない)ことができる(図67及び図A5参照)。
回転アーム9005は、その長手方向に沿って直線状に延設される一対の案内溝9005aを備え、その案内溝9005aには、連結アーム9006の基端側に形成される一対の挿通ピン900aが摺動可能に挿通される。よって、回転アーム9005が回転されることで、連結アーム9006を、回転アーム9005の長手方向(案内溝9005a)に沿って相対変位(スライド)させつつ、内枠9012の背面側へ没入(後退)または前面から突出(前進)させることができる(図66及び図67参照)。
連結アーム9006は、回転アーム9005の回転を下皿2050の側壁部材2055(第1分割体2551)に伝達するための部材であり、第1分割体2551の上面から突設されるストッパ部2551S2(図37参照)に係合可能な係合片9006bが先端側の下面から垂下される(図70参照)。この係合片9006bは、ストッパ部2551S2の移動軌跡上であってそのストッパ部2551S2よりも内枠9012の前面側(図70左側)に配置される。
よって、連結アーム9006が内枠9012の背面側へ没入(後退)される際には、係合片9006とストッパ部2551S2とを係合させ、連結アーム9006の変位に第1分割体2551を連動させる(即ち、連結アーム9006と共に下皿2050を縮小方向へ変位させる)ことができる一方(図70及び図71参照)、連結アーム9006が内枠9012の正面から突出(前進)される際には、係合片9006bをストッパ部2551S2に非係合として、連結アーム9006の変位に第1分割体2551を非連動とする(即ち、連結アーム9006のみを変位させ、下皿2050を縮小状態に維持する)ことができる。
このように構成される第9実施形態における内枠9012の開閉に伴う下皿2050の動作(連動)について説明する。
図66及び図67は、内枠9012及び下皿2050の断面図であり、図66(a)に示す内枠9012が外枠11の前面に閉じられた状態から図67(b)に示す内枠9012が最大に開放された状態までの内枠9012及び下皿2050の遷移が時系列で図示される。
図68及び図69は、連動機構の模式図であり、図68(a)に示す内枠9012が外枠11の前面に閉じられた状態から図67(b)に示す内枠9012が最大に開放された状態までの連動機構の遷移が時系列で図示される。
また、図70及び図71は、下皿2050の断面図であり、図70に示す拡大状態から図71(b)に示す縮小状態までの下皿2050の遷移が時系列で図示される。
なお、図66及び図67の各状態は、図68及び図69の各状態にそれぞれ対応する。また、図70の状態は、図66(a)及び図68(a)の各状態に対応し、図71(a)の状態は、図66(b)及び図68(b)の各状態に対応し、図71(b)の状態は、図67(a)、図67(b)、図69(a)及び図69(b)の各状態に対応する。
図66(a)、図68(a)及び図70に示すように、下皿2050が拡大されると共に内枠9012が外枠11の正面に閉じられた状態では、連結アーム9006が内枠9012の前面から突出(前進)される一方、下皿2050の第1分割体2551が内枠9012から離間する側に変位され、連結アーム9006の係合片9006bが第1分割体2551のストッパ部2551S2に係合された状態とされる。
図66(b)、図68(b)及び図71(a)に示すように、下皿2050が拡大された状態のままで、内枠9012の開放が開始されると、歯車列の先頭の歯車(歯車9002)が固定歯車9001の回りを自転しつつ公転し、歯車列の後尾の歯車(歯車9004)が回転されることで、歯車9004を回転中心として、回転アーム9005が内枠9012に対して反時計回り(図66(b)及び図68(b)の左回り)に相対回転される。これにより、連結アーム9006を内枠9012の背面側へ没入(後退)させ、係合片9006bとストッパ部2551S2との係合を介して、第1分割体2551を縮小方向(図71(a)右方向)へ変位させることができる。
図67(a)、図69(a)及び図71(b)に示すように、内枠9012が外枠11に対して略90度の開放角まで開放されると、回転アーム9005の内枠9012に対する相対回転が最大となり、連結アーム9006が内枠9012の背面側へ最大に没入(後退)されることで、第1分割体2551が縮小方向(図71(b)右方向)の終端まで変位される。即ち、下皿2050を最少に縮小させた状態とできる。
この場合、連動機構は、内枠9012が外枠11に対して略90度の開放角まで開放される(即ち、下皿2050を最少に縮小される)と、固定歯車9001の歯が除去された領域に、歯車列の先頭の歯車(歯車9002)が達するように、その歯車比が設定される。よって、内枠9012の開放角が略90度に達した後、図67(b)及び図69(b)に示す内枠9012が最大に開放されるまでの間は、上述したように、歯車列を非回転として、内枠9012に対して回転アーム9005を固定する(相対回転させない)ことができ、その結果、下皿2050を最少に縮小させた状態(図71(b)の状態)に維持することができる。
なお、本実施形態では、内枠9012が最大に開放された状態では(図67(b)参照)、下皿2050と隣の台のハンドル51との間に所定の隙間が形成される。よって、後述するように、隣の台のハンドル51を操作する遊技者の手が、ハンドル51と下皿2050との間に挟まれることを抑制できる。
一方、図67(b)、図69(b)及び図71(b)に示す状態から内枠9012が外枠11の前面へ向けて閉じられる場合には、歯車列の先頭の歯車(歯車9002)が固定歯車9001と歯合する位置まで公転し、図67(a)、図69(a)及び図71(b)に示す状態から内枠9012が外枠11の前面へ向けて更に閉じられると、歯車列の先頭の歯車(歯車9002)が、上述した開放の場合とは逆方向で、固定歯車9001を中心として自転しつつ公転し、回転アーム9005が内枠9012に対して時計回り(図67(a)及び図69(a)の右周り)に相対回転されることで、連結アーム9006が内枠9012の前面から突出(前進)される。
この場合、上述したように、連結アーム9006の係合片9006bは、ストッパ部2551S2よりも内枠9012の前面側(図71(b)左側)に配置されるので、連結アーム9006の係合片9006bがストッパ部2551S2に非係合となり、連結アーム9006のみを拡大方向(図71(b)左方向)へ変位させることができる。即ち、下皿2050を縮小状態に維持することができる。
ここで、下皿2050は、上述したように、拡大された状態から側壁部材2055(第1分割体2551)が縮小方向へ押し込まれることで、縮小された状態を形成することができる。よって、例えば、下皿2050が拡大されたまま内枠が開放され、隣の台(例えば、ハンドル51)に下皿2050が衝突されたとしても、側壁部材2055を閉じる方向に変位させ、下皿2050を縮小させることができる。
しかしながら、衝突の際には、内枠が大きく開放されており、その重量で傾きが発生しやすいため、衝突対象(例えば、ハンドル51)に斜めに衝突しやすく、また、隣の台との間の設置上の位置関係のばらつきや部材の寸法公差もこれを助長することから、各分割体2551〜2554がスムーズに摺動せず、いずれかどうしが引っ掛かることで、衝突に伴って側壁部材2055が閉じる方向へ変位されない場合があり、この場合には、衝突対象(例えば、ハンドル51)や下皿2050の損傷を招く。
また、衝突の際、各分割体2551〜2554どうしが引っ掛からずスムーズに摺動して、側壁部材2055が閉じる方向へ変位できたとしても、衝突対象となるハンドル51を遊技者が操作していた場合には、遊技者の手がハンドル51と下皿2050との間に挟まれるおそれがある。
これに対し、第9実施形態における内枠9012及び下皿2050によれば、下皿2050が拡大されたまま内枠9012が開放される場合には、連動機構の動作により、内枠9012の開放に伴い下皿2050を縮小させることができる。これにより、内枠9012の重みの影響による傾きや、隣の台との間の設置上の位置関係の影響を受けることなく、内枠9012の開放時には下皿2050を確実に縮小させておくことができる。その結果、衝突自体を回避することができ、衝突対象(例えば、ハンドル51)や下皿2050の損傷を抑制できると共に、遊技者の手が衝突対象と下皿2050との間に挟まれることを抑制できる。
この場合、連動機構は、下皿2050(側壁部材2055)の縮小方向への変位量を、内枠9012の開放量(開放角度)に連動させるので、内枠9012の開放量が少なく、下皿2050の他の部材(衝突対象)への衝突のおそれが低い場合に、下皿2050を縮小方向へ無駄に変位させることを抑制できる。即ち、内枠9012を開放する前の状態からの下皿2050の状態の変化量を最小限に抑制できる。
一方で、連動機構は、内枠9012が最大に開放された状態とされる前に、下皿2050(側壁部材2055)を最少に縮小された状態まで変位させるので、他の部材(衝突対象)に到達する前に下皿2050を縮小させておくことができる。よって、前面枠の開放に伴って下皿2050が他の部材に衝突することを抑制しやすくできる。
特に、本実施形態の連動機構では、外枠11に対する内枠9012の開放角が略90度に達した時点で、下皿2050(側壁部材2055)を最少に縮小させるので(図67(a)及び図71(b)参照)、他の部材(衝突対象)に到達する前に下皿2050を確実に縮小させておくことができる。よって、内枠9012の開放に伴って下皿2050が他の部材に衝突することを抑制しやすくできる。
連動機構は、連結アーム9006の係合片9006bを、下皿2050(側壁部材2055)の第1分割体2551におけるストッパ部2551S2に係合可能に設けるので、内枠9012の開放に伴って連結アーム9006が内枠9012の背面側へ没入(後退、第1の方向へ変位)されることに伴って、係合片9006bとストッパ部2551S2との係合を介して、下皿2050(側壁部材2055)を縮小方向へ変位させることができる。即ち、内枠9012の開放に伴って下皿2050を縮小させるための構造を簡素化でき、その分、製品コストの削減と動作の信頼性とを図ることができる。
更に、連動機構は、内枠9012が閉じる方向へ操作され連結アーム9006が内枠9012の前面から突出(前進、第2の方向へ変位)される際には、連結アーム9006の係合片9006bが第2分割体2551のストッパ部2551S2に係合しないので、内枠9012が外枠11の前面に閉じられ、且つ、下皿2050が最少に縮小された状態では、連結アーム9006の係合片9006bと第1分割体2551のストッパ部2551S2との間に、最大に拡大された状態までの第1分割体2551(側壁部材2055)の拡大方向への変位を許容する間隔を形成できる。よって、内枠9012が閉じられた状態において遊技者が下皿2050を拡大または縮小する操作を可能とするための構造を簡素化でき、その分、製品コストの削減と動作の信頼性とを図ることができる。
即ち、内枠9012の開放時に下皿2050を縮小させるだけでなく、閉じる際(連結アーム9006が内枠9012の前面から突出(前進、第2の方向へ変位)される際)にも、連結アーム9006の係合片を第1分割体2551のストッパ部2551S2に係合させて、下皿2050を拡大方向へ変位させる構造では、連結アーム9006が後退または前進(第1の方向または第2の方向)のいずれの方向へ変位される際にも、連結アーム9006の係合片9006bと第1分割体2551のストッパ部2551S2とが係合されているため、内枠9012が外枠11の前面に閉じられた状態(即ち、遊技を行う状態)において、遊技者の操作により下皿2050を拡大または縮小可能とするためには、連結アーム9006の係合片9006bと第1分割体2551のストッパ部2551S2との係合を解除する機構が必要となり、その分、構造が複雑化する。
これに対し、本実施形態では、内枠9012が閉じられることに伴って、連結アーム9006が内枠9012の前面へ突出(前進、第2の方向へ変位)される際には、連結アーム9006の係合片9006bと第1分割体2551のストッパ部2551S2とが係合されず、内枠9012が外枠11の前面に閉じられ、且つ、下皿2050が最少に縮小された状態では、連結アーム9006の係合片9006bと第1分割体2551のストッパ部2551S2との間に、最大に拡大された状態までの第1分割体2551(側壁部材2055)の拡大方向への変位を許容する間隔が形成される。これにより、連結アーム9006の係合片と第1分割体2551のストッパ部2551S2との係合を解除する機構を設けることなく、内枠9012が外枠11の前面に閉じられた状態において、遊技者が下皿2050の拡大または縮小を自由に操作することができる。その結果、遊技者の操作により下皿2050の拡大または縮小を可能とするための構造を簡素化でき、その分、製品コストの削減と動作の信頼性とを図ることができる。
次いで、図72及び図73を参照して、第10実施形態における内枠10012について説明する。
第1実施形態では、内枠12の正面が変位不能な壁面として形成される場合を説明したが、第10実施形態の内枠10012には、その一部に前後方向へ変位可能に形成される変位壁部10001が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72(a)は、第10実施形態における内枠10012及び下皿2050の断面図であり、図72(b)は、図72(a)のLXXIIb−LXXIIb線における内枠10012及び下皿2050の断面図である。
また、図73は、図72(a)のLXXIIb−LXXIIb線における内枠10012及び下皿2050の断面図であり、図73(a)では、変位壁部10001が所定の後退位置に達する前の状態が、図73(b)では、変位壁部10001が所定の後退位置まで後退された状態が、それぞれ図示される。
なお、図72(a)は、図48(b)に対応する。また、図72及び図73では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の図示が省略される。
図72及び図73に示すように、第10実施形態における内枠10012は、内枠10012の正面側に配設され前後方向へ変位可能に形成される変位壁部10001と、その変位壁部10001を付勢する付勢ばね10002と、変位壁部10001を所定の後退位置で保持するための保持部材10003と、その保持部材10003による保持を解除するための操作子10004とを備える。
変位壁部10001は、内枠10012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の一部を形成する正面視略矩形の部材であり、図72に示す初期位置に保持されると共に、外力を受けた場合には、下皿2050の側壁部材2055から離間する方向(図72(b)上方向)へ変位(後退)され、図73(b)に示す所定の後退位置まで後退されると保持部材10003によって保持される(図73参照)。
また、変位壁部10001は、払出口23に対して正面視右側となる領域に配設される。即ち、本実施形態では、下皿2050の側壁部材2055が、その正面視左側(図72(b)左側)の側部に回転軸(軸支ピン2057)が設けられ、その回転軸を中心として側壁部材2055が回転(即ち、内枠10012へ向けて近接する側(図72(b)上側)へ変位)されるところ、この回転軸から離間される側に変位壁部10001が配設される。これにより、後述するように、変位壁部10001による球の受け入れ効果を確保しつつ、構造の簡素化を図ることができる。
なお、内枠10012には、変位壁部10001の外形に対応する大きさの箱状に形成される収納部10005が形成され、変位壁部10001は、収納部10005に収納されることで、その変位方向が前後方向(図72(b)上下方向)に規制される。また、変位壁部10001は、収納部10005によって前方(側壁部材2055へ近接する方向)への変位(前進)が規制され、図72(b)に示す初期位置に維持される。
付勢ばね10002は、変位壁部10001を下皿2050の側壁部材2055へ向けて付勢する弾性体であり、変位壁部10001と収納部10005との間に弾性的に圧縮変形された状態で配設される。よって、付勢ばね10002の弾性回復力により変位壁部10001を初期位置に維持することができる一方(図72(b)参照)、弾性回復力を越える外力が作用された場合には、付勢ばね10002を弾性変形させて緩衝効果を発揮させつつ、変位壁部10001の初期位置からの変位(後退)を許容することができる(図73(a)及び図73(b)参照)。
保持部材10003は、変位壁部10001の変位方向と直交する方向(図72(b)左右方向)に変位可能な状態で収納部10005の側方に配設される部材であり、半球状のボール部10003aと、そのボール部10003aを収納部10005内に突出させるための付勢ばね10003bと、操作子10004からの作用を受ける傾斜面として形成される被作用面10003cとを備える。
操作子10004は、内枠10012の前面から基端側の操作部分を突出させると共に、傾斜面として形成される先端側の作用面10004aを保持部材10003の被作用面10003cに当接させた姿勢で配設され、保持部材10003へ向けて押し込み操作可能に形成される。
変位壁部10001の側面には、保持部材10003のボール部10003aを受け入れ可能な球面状の受入凹部10001aが凹設されており、変位規制部10001の側面が保持部材10003のボール部10003aを乗り越えつつ(図73(a)参照)、変位壁部10001が所定位置まで後退されると、ボール部10003aが受入凹部10001aに受け入れられる(嵌入される)ことで、変位壁部10001を所定の後退位置で保持することができる(図73(b)参照)。
一方、図73(b)に示す状態から操作子10004が押し込み操作されると、作用面10004aが被作用面10003cに作用して、保持部部材10003が、ボール部10003aを後退させる方向(図73(b)右方向)へ変位される。これにより、保持部材10003による保持が解除され、変位壁部10001の前方(側壁部材2055へ近接する方向)への変位(前進)が可能となるので、付勢ばね10002の弾性回復力により変位壁部10001を初期位置へ復帰させることができる(図72(b)参照)。
ここで、図72(b)に示すように、下皿2050(側壁部材2055)が拡大され、且つ、球が貯留された状態(但し、図72(b)では球の図示が省略される)において、例えば、遊技者の操作によって、或いは、内枠1012を開放した際に隣の台に衝突することによって、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向(内枠1012へ近接する方向、図72(b)上方向)へ強く押し込まれると、側壁部材2055と内枠1012の正面との間に球が挟み込まれて、側壁部材2055や内枠1012の破損を招くおそれがある。また、破損しない場合であっても、側壁部材2055及び内枠1012の間に挟み込まれた球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、ホールに飛散するおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、下皿2050の側壁部材2055から離間する方向へ変位(後退)可能に形成される変位側壁10001が、内枠1012の正面であって側壁部材2055に対面する領域のうちの少なくとも一部の領域に配設されるので、上述した状態から下皿2050の側壁部材2055が縮小方向(内枠1012へ近接する方向、図72(b)上方向)へ強く押し込まれた場合でも、変位壁部10001が、下皿2050の側壁部材2055から離間する方向(図73(a)及ぶ図73(b)の上方向)へ変位(後退)されることで、その分、側壁部材2055と内枠1012の正面との間に球が挟み込まれ難くできる。その結果、側壁部材2055や内枠1012が破損することを抑制できる。また、球が貯留領域内から溢れ出して(弾き出されて)、ホールに飛散することを抑制できる。
変位壁部10001が後退される際には、その後退を阻止する方向への付勢力が変位壁部10001に付勢ばね10002から付与されるので、側壁部材10001の後退を緩衝および減衰させることができる。よって、側壁部材10001や内枠10012が破損することを抑制しやすくできる。また、球が下皿2050から溢れ出して(弾き出されて)、ホールに飛散することを抑制しやすくできる。
この場合、付勢ばね10002は、側壁部材10001と収納部10005との間に弾性的に圧縮変形された状態で配設され、初期位置(図72(b)参照)にある側壁部材10001を前進方向(側壁部材2055に近接する方向、図72(b)下方向)へ付勢する。即ち、変位壁部10001は、その変位壁部10001を後退させる外力が所定の値(付勢ばね10002の弾性回復力)を超えた場合に、下皿2050の側壁部材2055から離間する方向へ後退することを許容される。
よって、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向へ比較的大きな力で変位された場合(即ち、側壁部材2055と内枠10012との間に球が挟まれて、破損や球の飛散を招くおそれがある場合)のみ変位壁部10001を後退させることができ、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向へ比較的小さな力で変位された場合には変位壁部10001を初期位置に維持することができる。
これにより、例えば、遊技者が下皿2050の側壁部材2055を通常の操作として比較的小さな力で縮小させる場合には、変位壁部10001が後退されることを規制して、初期位置へ維持させておくことができる。その結果、側壁部材10001が不必要に後退されることを抑制して、下皿2050の側壁部材2055を縮小方向へ操作する際の遊技者の操作感の向上を図ることができる。
ここで、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向に強く押し込まれた際に、変位壁部10001が後退されることで、上述の通り、側壁部材2055や内枠1012が破損すること、球が貯留領域内から溢れ出して(弾き出されて)、ホールに飛散することを抑制できる。
しかしながら、側壁部材2055の縮小方向への変位に伴い後退した変位壁部10001が、その後、付勢ばね10002の弾性回復力により初期位置へ向けて前進されたのでは、その変位壁部10001の前進により、側壁部材2055と変位壁部10001との間に球が挟み込まれ、側壁部材2055や変位壁部10001の破損を招いたり、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散するおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、保持部材10003を備え、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向に強く押し込まれ、変位壁部10001が後退された場合には、その変位壁部10001を保持部材10003により所定の後退位置に保持することができる。よって、例えば、球抜き穴2054aから千両箱へ球を排出した後に、操作子10004を操作して、変位壁部10001を初期位置へ復帰させることができる。即ち、側壁部材2055と変位壁部10001との間に球が挟み込まれて、側壁部材2055や変位壁部10001の破損を招いたり、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを事前に解消した上で、変位壁部10001を、付勢ばね10002の弾性回復力により初期位置へ向けて前進させることができる。
なお、保持部材10003による変位壁部10001の保持は、変位壁部10001が所定の変位量を超えて後退された場合にのみ行われるので、変位壁部10001の変位(後退)量が比較的小さい場合(即ち、変位壁部10001を前進させても、球の挟み込みによる破損や球の飛散を招くおそれが小さいと判断される場合)には、変位壁部10001の保持部材10003による保持を行わず、付勢ばね10002の弾性回復力により変位壁部10001を初期位置へ復帰させることができる。
これにより、例えば、遊技者が下皿2050の貯留可能量を調整するために、側壁部材2055を縮小方向に操作しただけの場合に、変位壁部10001が保持部材10003により保持されることを回避でき、その結果、かかる変位壁部10001を初期位置へ復帰させる操作(操作子10004の押し込み)が何度も必要となることを回避できる。よって、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
ここで、本実施形態では、変位壁部10001が内枠10012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の一部(払出口23の正面視右側)のみに形成される。この場合、変位壁部10001を、内枠10012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の全域にわたって形成されていれば、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向へ変位される際に押し込まれる球を受け入れる容積を確保できるので、側壁部材2055や内枠10012の破損や球が下皿2050内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。しかしながら、変位壁部10001を、下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の全域にわたって形成するためには、その領域内に配設される払出口23及びその払出口23へ球を流通させる通路との干渉を避ける必要があり、変位壁部10001を変位可能とするための構造が複雑化する。
これに対し、本実施形態では、変位壁部10001は、下皿2050の側壁部材2055に対面する領域のうちの払出口23よりも正面視右側となる領域に配設されるので、払出口23及びその払出口23へ球を流通させるための通路との干渉を避ける必要がない。よって、変位壁部10001を変位可能とするための構造を簡素化することができる。
一方、この場合には、変位壁部10001を、下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の全域にわたって形成する場合と比較して、変位壁部10001の面積が小さくなるが、かかる変位壁部10001は、払出口23を挟んで下皿2050の側壁部材2055の回転軸(軸支ピン2057)と反対側(図72(b)右側)に配設されるので、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向へ変位される際に押し込まれる球を変位壁部10001の変位(後退)により効率的に受け入れることができる。
即ち、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向へ変位(回転)される場合、その回転軸(軸支ピン2057)に近い側(図72(b)左側)では内枠10012に対する側壁部材2055の傾斜が比較的大きく、球を回転軸(軸支ピン2057)と反対側(図72(b)右側)へ押し出す態様となる一方、回転軸(軸心ピン2057)から遠い側(図72(b)右側)では内枠10012に対する側壁部材2055の傾斜が比較的小さく、内枠10012と側壁部材2055との間に球を挟み込みやすい。
よって、変位壁部10001を、払出口23を挟んで側壁部材2055の回転軸(軸支ピン2057)と反対側となる領域に配設することが、変位壁部10001の面積を抑制しつつ、側壁部材2055により押し込まれた球をより多く受け入れることに特に有効となる。その結果、側壁部材2055や内枠10012が破損することや球が貯留領域内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制する効果を確保できる。
次いで、図74から図77を参照して、第11実施形態における内枠11012について説明する。
第10実施形態では、操作子10004が押し込み操作された場合に、保持部材10003による変位壁部10001の保持を解除する場合を説明したが、第11実施形態における保持部材10003による変位壁部10001の保持の解除は、下皿11020が拡大方向に変位されることで行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図74は、第11実施形態における内枠11012及び下皿11050の断面図であり、図74(a)では、変位壁部10001が初期位置に配設され且つ下皿11020が拡大された状態が、図74(b)では、変位壁部10001が所定の後退位置まで後退され且つ下皿11020が縮小された状態が、それぞれ図示される。
また、図75(a)は、図74(a)に示す下皿11050の拡大状態における解除機構の部分拡大模式図であり、図75(b)は、図74(b)に示す下皿11050の縮小状態における解除機構の部分拡大模式図である。
図76及び図77は、解除機構の部分拡大模式図であり、図76では、図75(a)に示す下皿11050の拡大状態から図75(b)に示す下皿11050の縮小状態への遷移が、図77では、図75(b)に示す下皿11050の縮小状態から図75(a)に示す下皿11050の拡大状態への遷移が、それぞれ時系列で図示される。
なお、図74は、図72(b)に対応する。また、図74では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の図示が省略される。
図74から図77に示すように、第11実施形態における内枠11012は、保持部材10003による変位側壁10001の保持を下皿11050の拡大に伴って解除させるための機構(以下「解除機構」と称す)として、第1分割体2551の第2片2551Y(上面視略L字形状の短辺部分)から延設される延設部11001と、その延設部11001の延設先端に軸支される係合片11002と、その係合片11002の移動軌跡上に一端側が位置すると共に内枠11012に回転可能に軸支される伝達体11003と、その伝達体11003の他端側に基端側が当接可能に形成される操作子11004と、を備える。
係合片11002は、図75(a)及び図75(b)に示す初期位置から時計回り(図75(a)右回り)への回転は許容されるが、初期位置から反時計回り(図75(a)左回り)への回転は禁止された状態で延設部11001に軸支される。一方、これとは逆に、伝達体11003は、図75(a)及び図75(b)に示す初期位置から反時計回り(図75(a)左回り)への回転は許容されるが、初期位置から時計回り(図75(a)右回り)への回転は禁止された状態で内枠11012に軸支される。
よって、延設部11001が縮小方向(図75(a)上方向)へ変位される際には、伝達体11003の一端側に当接された係合片11002が時計回りに回転されることで、伝達体11003を回転させることなく、係合片11002を通過させることができる(図77参照)。これにより、保持部材10003の状態に関わらず、下皿110050を縮小させることができる。
一方、延設部11001が拡大方向(図75(b)下方向)へ変位される際には、係合片11002が反時計回りに回転できないことから、係合片11002が伝達体11003の一端側を変位させつつ通過することで、伝達体11003を反時計回りに回転させることができる(図76参照)。
操作子11004は、上述したように、伝達体11003の他端側に基端側が当接可能に配設されると共に、傾斜面として形成される先端側の作用面11004aを保持部材10003の被作用面10003cに当接させた姿勢で配設され、保持部材10003へ向けて変位可能に形成される。
よって、延設部11001が拡大方向(図75(b)下方向)へ変位され、上述したように、係合片11002が伝達体11003の一端側を変位させつつ通過し、伝達体11003が反時計回りに回転されることで(図76参照)、伝達体11003の他端側により操作子11004が保持部材10003へ向けて押し込まれ、作用面11004aを被作用面10003cに作用させることができる。その結果、保持部材10003による保持を解除することができる。
即ち、図74(b)に示す状態から、下皿11050を拡大方向へ操作(第1分割体2551が拡大方向へ変位)することで、上述した解除機構の動作により(図76参照)、操作子11004の作用面11004aを保持部材10003の被作用面10003cに作用させ、保持部材10003を、ボール部10003aを後退させる方向(図74(b)右方向)へ変位させることができる。これにより、保持部材10003による保持を解除させ、変位壁部10001の前方(側壁部材2055へ近接する方向)への変位(前進)を可能とでき、図74(a)に示すように、付勢ばね10002の弾性回復力により変位壁部10001を初期位置へ復帰させることができる。
以上のように、第11実施形態によれば、所定の後退位置まで後退された変位壁部10001(図74(b)参照)の保持部材10003による保持は、下皿11050の側壁部材2055(第1分割体2551)を拡大方向へ変位させることで、解除されるので、付勢ばね10002の弾性回復力により変位壁部10001が初期位置へ向けて前進される場合に、側壁部2055を変位壁部10001から予め離間させておくことができる。
よって、変位壁部10001の前進に伴い押し返された球が(但し、図74では球を図示せず)、変位壁部10001と側壁部材2055との間に挟み込まれ、側壁部材2055や変位壁部10001の破損を招いたり、球が下皿11050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを抑制することができる。従って、変位壁部10001を初期位置へ復帰させる前に球抜き穴2054aから千両箱へ球を排出しておく必要がないので、遊技者の作業性の向上を図ることができる。
次いで、図78から図80を参照して、第12実施形態における内枠12012について説明する。
第10実施形態では、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向へ強く押し込まれた際に球を介して作用される外力により変位壁部10001が側壁部材2055から離間する方向へ後退される場合を説明したが、第12実施形態の変位壁部12001は、内枠12012の開放に連動して側壁部材2055から離間する方向へ後退される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図78(a)、図79(a)及び図80(a)は、第12実施形態における内枠12012及び下皿2050の断面図であり、図78(b)、図79(b)及び図80(b)は、図78(a)のLXXVIIIb−LXXVIIIb線、図79(a)のLXXIXb−LXXIXb線および図80(a)のLXXXb−LXXXb線における内枠12012及び下皿2050の部分拡大断面図である。
なお、図78及び図80では、内枠12012が外枠11の前面に閉じられた状態が、図79では、内枠12012が外枠11に対して略90度の開放角まで開放された状態が、それぞれ図示される。また、図78では、下皿2050が拡大された状態が、図79及び図80では、下皿2050が縮小された状態が、それぞれ図示される。図78から図80では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の図示が省略される。
図78から図80に示すように、第12実施形態における内枠12012は、第9実施形態における連動機構(図65参照)と、第10実施形態における変位壁部10001、付勢ばね10002及び収納部10005(図72(b)参照)とを備え、これら連動機構と変位壁部10001とが連動可能に形成される。即ち、第12実施形態では、第9実施形態の場合と同様に内枠12012の開放に連動して下皿2050が縮小されることに加え、内枠12012の開放に連動して変位壁部10001が下皿2050の側壁部材2055から離間する方向へ変位(後退)される。
詳細には、連動機構の回転アーム9005の側縁から前方(変位壁部10001の背面)へ向けて張出部12007が張り出して形成されると共に、その張出部12007の張出先端から断面円形の連結ピン12008が垂下される一方、変位壁部10001の背面から摺動連結壁12009が立設される。変位壁部10001の摺動連結壁12009は、変位壁部10001の幅方向(図78(a)左右方向)に沿って直線状に延設され、その正面(図78(a)下側の面)に張出部12007から垂下される連結ピン12008が摺動可能に連結される。即ち、張出部12007及び連結ピン12008と摺動連結壁12009とを介して、連動機構の回転アーム9005と変位壁部10001とが連結される。
よって、図78に示すように、下皿2050が拡大された状態から、内枠12012が開放されると、第9実施形態で説明したように(図65から図70参照)、連動機構の作用(回転アーム9005が内枠12012に対して回転され、連結アーム9006が変位される)により、係合片9006bとストッパ部2551S2との係合を介して、第1分割体2551が縮小方向へ変位され、下皿2050が縮小される。内枠12012が更に開放され、図79に示すように、その開放角が略90度に達すると、下皿2050が最少に縮小される。
同時に、連動機構の回転アーム9005の回転に伴い、連結ピン12008が摺動連結壁12009の正面側を摺動しつつ、摺動連結壁12009との連結状態を維持することで、これら連結ピン12008及び摺動連結壁12009を介して、変位壁部10001が、回転アーム9005に従動され、図79に示すように、下皿2050の側壁部材2055から離間する方向へ変位(後退)される。
ここで、内枠12012が開放される際に、下皿2050を縮小させるので、第9実施形態の場合と同様に、下皿2050の他の部材との衝突自体を回避することで、衝突対象(例えば、ハンドル51)や下皿2050が損傷することを抑制できると共に、遊技者の手が衝突対象と下皿2050との間に挟まれることを抑制できる。
一方で、このように、内枠12012の開放に伴って下皿2050を縮小させる構成では、拡大された下皿2050に球が貯留された状態のままで、内枠12012が不用意に開放されると、縮小方向(即ち、内枠12012の正面に近接する方向)へ変位される側壁部材2055により押し込まれた球が、側壁部材2055と内枠12012との間に球が挟み込まれることで、側壁部材2055や内枠12012の破損を招いたり、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散するおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、内枠12012の開放に伴い、下皿2050を縮小させることに加え、変位壁部10001を下皿2050の側壁部材2055から離間する方向へ変位(後退)させることができる。よって、側壁部材2055により押し込まれる球を、変位壁部10001の後退により形成される空間に受け入れることができ、これにより、側壁部材2055と内枠12012との間に球が挟み込まれ難くすることができる。その結果、側壁部材2055や内枠12012が破損することや、球が下皿2050内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
なお、本実施形態では、連結ピン12008が摺動連結壁21009の正面側に配設されると共に、摺動連結壁21009の正面側が開放して形成されるので、回転アーム9005が回転される場合には、その回転アーム9005の回転に対して、張出部12007及び連結ピン12008と摺動連結壁12009とを介して、変位壁部10001を従動させて後退させることができる一方で(図79参照)、回転アーム9005が回転されない場合であっても、図80に示すように、連結ピン12008と摺動連結壁12009の連結を切り離して、変位壁部10001のみを後退させることができる。
即ち、本実施形態では、内枠12012が開放される際に変位壁部10001を後退させるだけでなく、変位壁部10001に外力が作用することによっても、かかる変位壁部10001を側壁部材2055から離間する方向へ後退させることができる。
よって、下皿2050が拡大され且つ球が貯留されている状態(図78に示す状態)から、その側壁部材2055が縮小方向へ遊技者によって強く押し込まれた際には、図80に示すように、その押し込みの際に球を介して作用される外力によって変位壁部10001を後退させることができ、その後退を利用して、側壁部材2055と内枠12012との間に球が挟み込まれ難くすることができる。従って、側壁部材2055や内枠12012が破損することや、球が下皿2050内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
次いで、図81を参照して、第13実施形態における内枠13012について説明する。
第10実施形態では、側壁部材2055から離間する方向への変位壁部10001の後退が、スライド変位により行われる場合を説明したが、第13実施形態の変位壁部13001は、側壁部材2055から離間する方向への後退が、回転により行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図81は、第13実施形態における内枠13012及び下皿2050の断面図であり、図81(a)では、変位壁部13001が初期位置に配置された状態が、図81(b)では、変位壁部13001が後退された状態が、それぞれ図示される。なお、図81では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の図示が省略される。
図81に示すように、第13実施形態における変位壁部13001は、上述した第10実施形態における変位壁部10001と同様に、内枠13012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の一部を形成する正面視略矩形の部材であり(図72(a)参照)、その正面視上辺側(図81(a)上側)が回転軸13001aにより内枠13012に回転可能に軸支される。
なお、内枠13012には、変位壁部13001の外形に対応する大きさであって円筒を略4分割した形状の収納部13005が、変位壁部13001の回転軸13001aと同心に配設される。これにより、変位壁部13001の回転軸13001aを回転中心とする移動空間を取り囲む内壁(平坦面としての側面および湾曲面としての底面)を形成して、変位壁部13001の変位時の球の噛み込みを抑制できる。
また、変位壁部13001と収納部13005との間には、ねじりばねとして構成される弾性ばね(図示せず)が弾性的にねじり変形された状態で回転軸13001a1と同軸に配設され、その弾性ばねの弾性回復力により変位壁部13001が図81(a)に示す初期位置に維持される。また、これにより、弾性ばねの弾性回復力を越える外力が作用されるまでは、変位壁部13001の変位(後退)を規制できる。一方、弾性ばねの弾性回復力を越える外力が作用された場合には、弾性ばねを弾性変形させて緩衝効果を発揮させつつ、変位壁部13001の初期位置からの変位(後退)を許容することができる(図81(b)参照)。
このように、本実施形態では、変位壁部13001は、その上辺側が回転軸13001aにより回転可能に軸支され、その回転軸13001aを中心とする回転により下辺側(図81(a)下側)を、下皿2050の側壁部材2055から離間する方向へ変位(後退)させることができる。即ち、変位壁部13001の下辺側ほどその変位(後退)量を大きくできる。
よって、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向(内枠13012へ近接する方向、図81(a)右側)へ変位され、その側壁部材2055の変位により押し込まれた球を変位壁部13001の変位(後退)によって受け入れる際には、底壁部材2054側(図81(a)下側)に位置する球ほど受け入れやすくすることができる。
即ち、変位壁部13001の後退(回転)に伴う球の受け入り時には、下皿2050に貯留される球の重み(重力の作用)を利用しつつ、下皿2050に貯留される球に全体として下方(図81(a)下方向)への流れを形成することができる。その結果、側壁部材2055や内枠13001が破損することを抑制できるだけでなく、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。
次いで、図82を参照して、第14実施形態における内枠14012について説明する。
第10実施形態では、側壁部材2055から離間する方向への変位壁部10001の後退が、スライド変位により行われる場合を説明したが、第14実施形態の変位壁部14001は、側壁部材2055から離間する方向への後退が、回転により行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図82は、第14実施形態における内枠14012及び下皿2050の断面図であり、図82(a)では、変位壁部14001が初期位置に配置された状態が、図82(b)では、変位壁部14001が後退された状態が、それぞれ図示される。なお、図82では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の図示が省略される。
図82に示すように、第14実施形態における変位壁部14001は、上述した第10実施形態における変位壁部10001と同様に、内枠14012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の一部を形成する正面視略矩形の部材であり(図72(a)参照)、その正面視左辺側(図82(a)左側)が回転軸14001aにより内枠14012に回転可能に軸支される。即ち、変位壁部14001の回転軸14001aは、正面視において、下皿2050の回転軸(軸支ピン2057)と同じ側に略平行に配設される。
なお、内枠14012には、変位壁部14001の外形に対応する大きさであって円筒を略4分割した形状の収納部14005が、変位壁部14001の回転軸14001aと同心に配設される。これにより、変位壁部14001の回転軸14001aを回転中心とうす移動空間を取り囲む内壁(湾曲面または平坦面としての側面と平坦面としての底面および上面)を形成して、変位壁部14001の変位時の球の噛み込みを抑制できる。
また、変位壁部14001と収納部14005との間には、ねじりばねとして構成される弾性ばね(図示せず)が弾性的にねじり変形された状態で回転軸14001a1と同軸に配設され、その弾性ばねの弾性回復力により変位壁部14001が図82(a)に示す初期位置に維持される。また、これにより、弾性ばねの弾性回復力を越える外力が作用されるまでは、変位壁部14001の変位(後退)を規制できる。一方、弾性ばねの弾性回復力を越える外力が作用された場合には、弾性ばねを弾性変形させて緩衝効果を発揮させつつ、変位壁部14001の初期位置からの変位(後退)を許容することができる(図82(b)参照)。
このように、本実施形態では、下皿2050の側壁部材2055が、その正面視左側(図82(a)左側)の側部に回転軸(軸支ピン2057)が設けられ、その回転軸を中心として側壁部材2055が回転(即ち、内枠14012へ向けて近接する側(図82(a)上側)へ変位)されるところ、変位壁部14001は、下皿2050の側壁部材2055の回転軸と同じ側となる正面視左側が回転軸14001aにより回転可能に軸支され、その回転軸14001aと反対側となる正面視右側(図82(a)右側)が下皿2050の側壁部材2055から離間する方向(図82(a)上側)へ変位(後退)可能に形成される。
これにより、下皿2050(側壁部材2055)の回転軸(軸支ピン2057)から遠い側(図82(a)右側)ほど、かかる側壁部材2055から離間する方向(図82(a)上側)への変位壁部14001の変位(後退)量を大きくできる。即ち、側壁部材2055の変位(回転)と同じ態様で、変位壁部14001を変位(回転)させることができる。
よって、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向(内枠14012へ近接する方向)へ変位(回転)され、その側壁部材2055の変位により押し込まれた球を変位壁部14001の変位(後退)によって受け入れる際には、その側壁部材2055の変位(回転)に対応した態様で変位壁部14001を変位(回転)させて、球を効率的に受け入れることができる。その結果、側壁部材2055や内枠14001の破損を抑制できると共に、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。
次いで、図83から図88を参照して、第15実施形態における内枠15012及び下皿2050について説明する。
第1実施形態では、下皿50における側壁部材55の最大可動範囲が拡大位置とされる場合を説明したが、第15実施形態における下皿2050は、その側壁部材2055が拡大位置を越えて開放可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図83は、第15実施形態における内枠15012及び下皿2050の断面図であり、図83(a)では、下皿2050が拡大された状態が、図83(b)では、下皿2050が拡大位置を越えて開放された状態が、それぞれ図示される。
また、図84は、図83(a)のLXXXIVa−LXXXIVa線における内枠15012及び下皿2050の断面図であり、図84(a)では、アーム体15002が下方に押し下げられている状態が、図84(b)では、アーム体15002が上昇された状態が、それぞれ図示される。
図83及び図84に示すように、第15実施形態における内枠15012は、下皿2050の側壁部材2055を拡大位置を越えて開放可能とするための機構(以下「開放機構」と称す)として、内枠15012に配設され規制位置および解除位置の間で操作可能に形成される操作子15001と、その操作子15001の配置に応じて上昇または下降されるアーム体15002と、そのアーム体15002を上昇方向へ付勢する付勢ばね15003とを備える。
操作子15001は、アーム体15002の基端側に形成される被作用部15002aに当接可能に形成され、図84(a)に示す規制位置に位置(押し込み操作)されると、アーム体15002を下方に押し下げる一方、図84(b)に示す解除位置に位置(引き抜き操作)されると、付勢ばね15003の付勢力によるアーム体15002の上昇を許容する。なお、操作子15001は、内枠15012の背面側に突出する姿勢が配設され、内枠15012が開放された状態でのみ操作可能とされる。
アーム体15002は、操作子15001の操作状態に応じて、変位壁部2055(第1分割体2551)の拡大位置からの開放の許容と規制とを切り替えるための部材であり、第1分割体2551の上面から突設されるストッパ部2551S2に係合可能な係合片15002bが先端側の下面から垂下される。
係合片15002bは、ストッパ部2551S2の移動軌跡上であってそのストッパ部2551S2よりも内枠15012の前面側(図84(a)左側)に配置される。よって、操作子15001が押し込まれ、アーム体15002が下方に押し下げられている状態では、係合片15002bとストッパ部2551S2とを係合させて、側壁部材2055(第1分割体2551)を拡大位置に保持(拡大位置からの開放を規制)することができる一方(図84(a)参照)、操作子15001が引き抜かれて、アーム体15002が上昇されている状態では、係合片15002bとストッパ部2551S2とを非係合とでき(図84(b)参照)、その結果、側壁部材2055(第1分割体2551)の拡大位置からの開放を許容することができる(図83(b)参照)。
なお、内壁部材15056は、アーム体15002の上昇を許容するために天面(図84(b)上側の部位)の配設位置が高くされる点を除き、上述した内壁部材2056(図37参照)と同様に構成される。よって、その説明は省略する。
また、下皿2050は、上述した軸支ピン2057(図37参照)に代えて、底壁部材2054に締結(螺合)される締結ねじ15004によって、側壁部材2055が底壁部材2054に回転可能に軸支される。この場合、締結ねじ15004は、底壁部材2054のめねじに螺合される先端側のおねじが十分に長くされ、締結を緩めた状態では、頭部15004aが上昇され、第1分割体2551の上面との間に所定の間隔を形成可能とされる(図85参照)。
ここで、下皿2050は、側壁部材2055が、上下に重ね合わせた複数の分割体(第1分割体2551から第4分割体2554)から形成されるところ、かかる構造では、分割体どうしの重ね合わせ部分に埃や異物などが溜まりやすい。一方で、下皿2050の上方には上皿17が配設されており、それらの間に間隔が十分にあるわけではないため、各分割体2551〜2554の掃除を行うための作業スペースを確保することができず、衛生管理が困難である。また、間隔があったとしても、各分割体2551〜2554の合せ面は、拡大状態においても外部に露出されない領域があり、その領域を掃除することはできない。
これに対し、本実施形態によれば、操作子15001の引き抜き操作を行って、アーム体15002を上昇させることで、係合片15002bとストッパ部2551S2とを非係合として、側壁部材2055(第1分割体2551)の拡大位置からの開放を許容することができるので(図83(b)参照)、側壁部材2055(各分割体2551〜2554)の掃除を行うための空間(作業スペース)を確保することができる。その結果、衛生管理を行いやすくすることができる。なお、各分割体2551〜2554のそれぞれを掃除する方法の詳細については後述する。
この場合、本実施形態では、操作子15001が、内枠15012を開放した場合に操作可能な位置に配設されるので、遊技中の遊技者の不用意な操作によって、下皿2050の側壁部材2055が拡大位置を越えて開放されることを回避することができる。その結果、例えば、下皿2050に球が貯留された状態で、その側壁部材2055が拡大位置を越えて開放されて(図83(b)参照)、球がホールに散乱することを回避できる。
次いで、下皿2050における側壁部材2055(各分割体2551〜2554)を掃除する方法の詳細について、図85から図88を参照して説明する。
図85(a)は、図83(a)の矢印LXXXV方向視における下皿2050の側面図であり、図85(b)は、締結ねじ15004の締結を緩めた状態における下皿2050の側面図である。図86(a)及び図86(b)は、挿入工程における下皿2050の側面図であり、図87(a)及び図87(b)は、治具Jが挿入される前および後における下皿2050の断面図である。また、図88は、治具Jが挿入された状態における下皿2050の上面図である。
図85(a)及び図85(b)に示すように、下皿2050における側壁部材2055の掃除を行うに際しては、まず、締結ねじ15004の締結を緩めることで、その締結ねじ15004の頭部15004aと第1分割体2551の上面との間に所定の隙間を形成する。この隙間の形成により、各分割体2551〜2554の合せ面への治具Jの挿入が可能となるので、図86に示す治具Jの挿入工程に移行する。
治具Jは、互いに所定間隔を隔てつつ平行に延設されると共にその延設長さがそれぞれ異なる4本の挿入板s1〜s4を備える。これら各挿入板s1〜s4の厚み寸法(図86(a)上下方向寸法)は、各分割体2551〜2554及び底壁部材2054における突起部2552b〜2555b及び規制溝2551c〜2554cの係合を解除可能な寸法に設定される(図87参照)。
また、各分割体2551〜2554の側面には、受入部cが形成される。受入部cは、治具Jの挿入板s1〜s4を各分割体2551〜2554の合せ面の間に案内するための部位であり、上下に重ね合わされた分割体2551〜2554の隣接する受入部cどうしにより側方が開放されると共に合せ面へ向けて間隔が漸次狭くされる略V字状の凹部を形成する。
図86(a)に示すように、治具Jの挿入工程では、治具Jの挿入板s1を、受入部cを利用しつつ、底壁部材2054と第4分割体2554との合せ面の間に挿入する。この挿入板s1の挿入により、底壁部材2054から第4分割体2554を上方へ持ち上げて、底壁部材2054の突起部2555bと第4分割体2554の規制溝2554cとの係合を解除することができる。また、挿入板s1が挿入され、第4分割体2554が上方へ持ち上げられることで、第4分割体2554と第3分割体2553との合せ面における受入部cが、治具Jの挿入板s2を受け入れ可能な位置まで上昇される。
よって、治具Jを更に前進させ、その挿入板s2を、受入部cを利用しつつ、第4分割体2554と第3分割体2553との合せ面の間に挿入する。この挿入板s1の挿入により、第4分割体2554から第3分割体2553を上方へ持ち上げて、第4分割体2554の突起部2554bと第3分割体2553の規制溝2553cとの係合を解除することができる。また、挿入板s2が挿入され、第3分割体2553が上方へ持ち上げられることで、第3分割体2553と第2分割体2552との合せ面における受入部cが、治具Jの挿入板s3を受け入れ可能な位置まで上昇される。
従って、治具Jを更に前進させることで、その挿入板s3及び挿入板s4を、図86(b)に示すように、第3分割体2553と第2分割体2553との合せ面の間、及び、第2分割体2552と第1分割体2551との合せ面の間に、それぞれ順に挿入することができる。
このように、治具Jの挿入板s1〜s4のそれぞれが各分割体2551〜2554の合せ面の間に挿入されることで、図87(b)に示すように、各分割体2551〜2554及び底壁部材2054どうしの突起部2552b〜2555b及び規制溝2551c〜2554cの係合を解除することができる。その結果、図88に示すように、各分割体2551〜2554のそれぞれを独立して回転させることができる。なお、図88では、第4分割体2554のみが他の分割体2551〜2553に対して異なる位相位置に回転された状態が図示される。
以上のように、本実施形態によれば、下皿2050の側壁部材2055は、拡大位置を越えて開放された状態から、図88に示すように、各分割体2551〜2554のそれぞれが独立して回転可能に形成されるので、その衛生管理をより行いやすくすることができる。
即ち、上述したように、複数の分割体(第1分割体2551〜2554)を上下に重ね合わせて側壁部材2055を形成する構造では、分割体どうしの重ね合わせ部分に埃や異物などが溜まりやすく、また、拡大状態においても外部に露出されない重ね合せ面が存在するところ、各分割体2551〜2554のそれぞれが独立して開放可能に形成されるので、これら各分割体2551〜2554をそれぞれ1個ずつ掃除することができ、合せ面を確実かつ容易に掃除することができる。
この場合、側壁部材2055の側面に受入部cが形成され、かかる受入部cを利用することで、治具Jの挿入板s1〜s4を、上下に重ね合わされた各分割体2551〜2554の合せ面へ容易に挿入することができる。よって、治具Jの挿入工程における作業性の向上を図ることができ、その結果、各分割体2551〜2554をそれぞれ1個ずつ掃除可能な状態を容易に形成することができる。
ここで、治具Jの挿入板s1〜s4がそれぞれ同じ延設長さに形成される場合は、これら挿入板s1〜s4を各分割体2551〜2554の合せ面へ同時に挿入することはできないため(挿入板s1〜s4の間隔とそれらが挿入される前の受入部cの間隔とが異なるため)、図86(b)の状態を形成するためには、治具Jを一方に捩じった(傾斜させた)上で、挿入板s1〜s4を各分割体2551〜2554の合せ面に挿入し、その後、治具Jを他方に捩じる(傾斜を戻す)動作を行う必要があり、作業が煩雑となる。
これに対し、本実施形態では、治具Jは、その挿入板s1〜s4がそれぞれ異なる延設長さに形成されるので、かかる治具Jを側壁部材2055へ向けて前進させるのみで、上述したように、その挿入板s1〜s4を各分割体2551〜2554の合せ面へ順に挿入することができる。その結果、図86(b)の状態を形成するための作業の簡素化を図ることができる。
次いで、図89及び図90を参照して、第16実施形態における下皿2050について説明する。
第15実施形態では、各分割体2551〜2554をそれぞれ独立して回転可能な状態とする際に治具Jを使用する場合を説明したが、第16実施形態では、弾性体の弾性回復力を利用して、各分割体2551〜2554のそれぞれが独立して回転可能な状態が形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図89は、第16実施形態における下皿2050の断面図であり、図89(a)では、締結ねじ15004が締結された状態が、図89(b)では、締結ねじ15004の締結が緩められた状態が、それぞれ図示される。また、図90は、上皿2050の上面図であり、図89(b)に示す締結ねじ15004の締結が緩められた状態に対応する。
図89(a)に示すように、第16実施形態における下皿2050は、第1分割体2551から第4分割体2554の間、及び、第4分割体2554と底壁部材2504との間に付勢ばね16001a〜16001dが介設される。付勢ばね16001a〜16001dは、圧縮ばねとしての機能とねじりばねとしての機能を発揮可能な金属製の弾性体であり、軸方向に圧縮変形されると共に周方向にねじり変形された状態でそれぞれ介設される。
なお、付勢ばね16001a〜16001dは、一方の腕と他方の腕とが、介設対象の一方および他方にそれぞれ係合され、その周方向への弾性回復力により、両者を相対回転させる。例えば、付勢ばね16001aは、一方の腕が第1分割体2551に、他方の腕が第2分割体2552に、それぞれ係合され、その周方向への弾性回復力により、第1分割体2551を第2分割体2552に対して相対回転させる。
よって、締結ねじ15004の締結が緩められると、図89(b)に示すように、付勢ばね16001a〜16001dの軸方向への弾性回復力により、分割体2551〜2554どうし、及び、第4分割体2554と底壁部材2504とが上下方向(締結ねじ15004の軸方向)に離間される。これにより、各分割体2551〜2554及び底壁部材2054における突起部2552b〜2555b及び規制溝2551c〜2554cの係合を解除することができる。
また、突起部2552b〜2555b及び規制溝2551c〜2554cの係合の解除に伴い、図90に示すように、付勢ばね16001a〜16001dの周方向への弾性回復力により、分割体2551〜2554を、締結ねじ15004を回転中心として回転させることができる。
即ち、本実施形態によれば、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放された後(図83(b)参照)、締結ねじ15004の締結を緩めるのみで、図90に示すように、各分割体2551〜2554の位相(回転位置)をそれぞれ異ならせることができ、これら各分割体2551〜2554をそれぞれ1個ずつ掃除可能な状態を容易に形成することができる。その結果、衛生管理の作業性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、付勢ばね16001a〜16001dを、圧縮ばねとしの機能を有するコイルスプリングとして形成し、ねじりばねとしての機能を省略しても良い。これにより、組立工程を簡素化して、製造コストを低減できる。この場合には、付勢ばね16001a〜16001dの一方の腕と他方の腕とを介設対象の一方および他方にそれぞれ係合せず、摺動させるようにすることが好ましい。これにより、各分割体2551〜2554の締結ねじ15004を回転中心とする回転に要する力を小さくできると共に、その回転位置の調整をしやすくして、掃除の際の作業性の向上を図ることができる。
次いで、図91を参照して、第17実施形態における内枠17012及び下皿2050について説明する。
第15実施形態では、操作子15001が操作されることで、下皿2050の側壁部材2055が拡大位置を越えて開放可能とされる場合を説明したが、第17実施形態の下皿2050は、内枠17012が開放されることで、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図91は、第17実施形態における内枠17012及び下皿2050の断面図であり、図91(a)では、内枠17012が開放される前の状態が、図91(b)では、内枠17012が開放された後の状態が、それぞれ図示される。
図91(a)に示すように、第17実施形態における内枠17012は、第9実施形態における連動機構の一部(図65参照)と、第15実施形態における開放機構(図84参照)とを備え、これら連動機構と開放機構とが連動可能に形成される。即ち、第17実施形態では、内枠17012が開放されることで、操作子15001の引き抜き操作が行われ、下皿2050の側壁部材2055が拡大位置を越えて開放されることが許容される。
詳細には、本実施形態では、連動機構が、固定歯車9001、歯車列(歯車9002〜9004)及び回転アーム9005を備えて形成されると共に、その連動機構の回転アーム9005の先端側(歯車9004と反対側)の側縁に、開放機構の操作子15001における基端側が連結固定される。
よって、図91(b)に示すように、内枠17012が開放されると、第9実施形態で説明したように(図65から図70参照)、連動機構の作用により、回転アーム9005が内枠17012に対して回転され、この回転アーム9005の回転により、操作子15001が引き抜き操作され、アーム体15002の係合片15002bと第1分割体2551のストッパ部2551S2との係合が解除される(図84参照)。その結果、側壁部材2055(第1分割体2551)が拡大位置を越えて開放されることが許容される。
このように、本実施形態では、内枠17012が開放されることで、側壁部材2055の拡大位置からの開放が許容されるので、遊技者が不用意に側壁部材2055を拡大位置を越えて開放することを回避しつつ、かかる側壁部材2055を拡大位置を越えて開放するのに必要な作業の簡素化を図ることができる。即ち、上述した第15実施形態では、内枠15012を開放する第1の操作を行った後、更に、操作子15001の引き抜き操作(第2の操作)を行う必要があるため、作業者に対して二段階の操作を要求することとなりその負担が増大する。
これに対し、本実施形態によれば、内枠17012を開放する操作に、操作子15001の引き抜き操作も兼用させることができ、かかる操作子15001の引き抜き操作を作業者が別途行うことを不要とできる。その結果、遊技者による不用意な側壁部材2055の拡大位置を越えた開放を回避しつつ、側壁部材2055を拡大位置を越えて開放する作業を簡素化して、側壁部材2055の各分割体2551の掃除を行いやすくすることができる。
次いで、図92を参照して、第18実施形態における内枠18012及び下皿2050について説明する。
第15実施形態では、操作子15001が操作されることで、下皿2050の側壁部材2055が拡大位置を越えて開放可能とされる場合を説明したが、第18実施形態の下皿2050は、シリンダ錠20が開錠操作されることで、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図92は、第18実施形態における内枠18012及び下皿2050の断面図であり、図92(a)では、操作子15001の引き抜き操作が行われる前の状態が、図92(b)では、操作子15001の引き抜き操作が行われた後の状態が、それぞれ図示される。
図92(a)に示すように、第18実施形態における内枠18012は、第15実施形態における開放機構(図84参照)と、その開放機構とシリンダ錠20とを連結する連結リンク18001とを備える。連結リンク18001は、シリンダ錠20の操作に連動して駆動され、操作子15001を引く抜き操作する方向へ変位される。
即ち、シリンダ錠20に専用の鍵が差し込まれ、所定の操作(内枠18012の施錠を解除する操作)が行われると、その操作が連結リンク18001により操作子15004に伝達され、操作子15001の引き抜き操作が行われる。その結果、アーム体15002の係合片15002bと第1分割体2551のストッパ部2551S2との係合が解除され(図84参照)、図92(b)に示すように、側壁部材2055(第1分割体2551)の拡大位置からの開放が許容される。
このように、本実施形態では、シリンダ錠20が専用の鍵で操作されることで、側壁部材2055の拡大位置からの開放が許容されるので、遊技者が不用意に側壁部材2055を拡大位置を越えて開放することを回避しつつ、かかる側壁部材2055を拡大位置を越えて開放するのに必要な作業の簡素化を図ることができる。即ち、上述した第15実施形態では、内枠15012を開放する第1の操作を行った後、更に、操作子15001の引き抜き操作(第2の操作)を行う必要があるため、作業者に対して二段階の操作を要求することとなりその負担が増大する。
これに対し、本実施形態によれば、シリンダ錠20の開錠操作に、操作子15001の引き抜き操作も兼用させることができ、かかる操作子15001の引き抜き操作を作業者が別途行うことを不要とできる。その結果、遊技者による不用意な側壁部材2055の拡大位置を越えた開放を回避しつつ、側壁部材2055を拡大位置を越えて開放する作業を簡素化することができ、側壁部材2055の各分割体2551の掃除を行いやすくすることができる。
ここで、上述した第17実施形態のように、内枠17012を開放する操作に、操作子15001の引き抜き操作も兼用させる場合には、操作子15001の引き抜き操作を作業者が別途行うことを不要とできる一方で、内枠17012を開放した上で、更に側壁部材2055を拡大位置を越えて開放すると、かかる側壁部材2055が他の部材(例えば、隣の遊技機)に当たったり、或いは、開放した側壁部材2055が通路側に張り出して、作業者の立ち位置が限定されることで、作業性が悪くなるおそれがある。よって、側壁部材2055(各分割体2551〜2554)の掃除を行う際には、その前に、内枠17012を閉じる操作を行う必要が生じる。
これに対し、本実施形態によれば、側壁部材2055を拡大位置を越えて開放するために必要な操作として、シリンダ錠20の開錠操作を行えば足り、内枠18012を開放すること自体を不要とできる。よって、側壁部材2055(各分割体2551〜2554)の掃除を行う際には、一端開放した内枠18012を閉じるという無駄な操作を行う必要がなく、その点においても、作業性の向上を図ることができる。
次いで、図93を参照して、第19実施形態における下皿2050について説明する。図93は、第19実施形態における下皿2050の断面図であり、図93(a)では、下皿2050の縮小された状態が、図93(b)では、下皿2050の拡大された状態が、それぞれ図示される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図93(a)及び図93(b)に示すように、第19実施形態における下皿2050には、各分割体2551〜2554(第1片2551X〜2554X)の下面に凹設される規制溝2551c〜2554cの一方(貯留領域側、図93(a)及び図93(b)の右側)の内壁面を形成する壁部の下面側に、不織布から形成される摺動体19001が配設される。
これにより、本実施形態の下皿2050によれば、側壁部材2055が拡大または縮小される際には、摺動体19001を第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面で摺動させることができる。即ち、遊技中に下皿2050の貯留領域を拡大または縮小させるために、側壁部材2055を拡大または縮小させる遊技者の操作を利用して、第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面を摺動体19001により掃除することができる。その結果、下皿2050の掃除の頻度を低減することができる。
なお、摺動体19001が配設される上述した壁部は、その下面の位置が、規制溝2551c〜2554cの他方の内壁面を形成する壁部の下面よりも若干高くされ、第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面との間に隙間が形成される。
また、摺動体19001は、上述した壁部の下面側であって、規制溝2551c〜2554cの凹設空間側のみに配設され、貯留領域側(図93(a)及び図93(b)の右側)には壁部が配設される。これにより、摺動体19001が遊技者から視認されることを抑制できると共に、貯留領域に貯留される球との接触を回避して、摺動体19001の脱落を抑制できる。
次いで、図94及び図95を参照して、第20実施形態における下皿2050について説明する。図94(a)は、第20実施形態における下皿2050の断面図であり、図94(b)は、図94(a)のXCIVb−XCIVb線における下皿2050の断面図である。また、図95(a)及び図95(b)は、下皿2050の拡大状態における断面図であり、それぞれ図94(a)及び図94(b)に対応する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図94及び図95に示すように、第20実施形態における下皿2050には、各分割体2551〜2554(第1片2551X〜2554X)の下面に凹設される規制溝2551c〜2554cの一方(貯留領域側、図94(a)及び図94(b)の右側)の内壁面を形成する壁部(以下「摺動壁部」と称す)の下面側を正面視横長矩形状に凹欠して形成される凹欠部20001が複数配設される。
一方、第2分割体2554から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面のうちの上述した摺動壁部が摺動する側の上面には、突起部2552b〜2555bの側面(図94(a)及び図94(b)の右側の面)に連なりつつ正面視横長矩形状の開口として開口形成される開口部20002が複数配設される。
これら凹欠部20001と開口部20002とは、第1片2551X〜2554Xの長手方向に沿って互いに位相をずらして配設される。即ち、下皿2050(側壁部材2055)が拡大された状態では、かかる側壁部材2050の上面視において、凹欠部20001と開口部20002とが重ならず、開口部20002には、上述した摺動壁部のうちの凹欠部20002が非形成とされる領域が重なる。
これにより、本実施形態の下皿2050によれば、側壁部材2055が拡大方向へ変位されると、第2分割体2554から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面にある異物を、上述した摺動壁部のうちの凹欠部20002が非形成となる領域の下面側によって突起部2552b〜2555bへ向けて搬送して、各開口部20002から下方(底壁部材2054内)へ排出(落下)させることができる。
即ち、遊技中に下皿2050の貯留領域を拡大または縮小させるために、側壁部材2055を拡大または縮小させる遊技者の操作を利用して、第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面にある異物を開口部20002から外部(底壁部材2054内)へ排出して、第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面を掃除することができる。その結果、下皿2050の掃除の頻度を低減することができる。
この場合、下皿2050は、図95に示すように、突起部2552b〜2555bが、上述した摺動壁部の内壁面に当接されることで、拡大方向への各分割体2551〜2554の相対変位を規制するところ、上述したように、第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面にある異物を開口部20002から外部へ排出できることで、これら突起部2552b〜2555bと上述した摺動壁部の内壁面との間に異物が噛み込まれることを抑制でき、両者を密着させることができる。その結果、適切な拡大状態を形成できる。
なお、本実施形態では、第2分割体2552から第4分割体2554及び底壁部材2054の上面に開口部20002が非形成とされる領域に対しては、上述した摺動壁部に凹欠部20001が形成されているので、かかる凹欠部20001を利用して、異物の噛み込みを抑制できる。よって、この点からも、突起部2552b〜2555bと上述した摺動壁部の内壁面とを密着させることができ、適切な拡大状態を形成できる。
次いで、図96を参照して、第21実施形態における内枠21012及び下皿2050について説明する。
図96は、第21実施形態における内枠21012及び下皿2050の正面斜視図であり、下皿2050が拡大された状態が図示される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図96に示すように、第21実施形態における内枠21012及び下皿2050には、内枠21012の第1迂回路3300から迂回された球を、下皿2050の側壁部材2055における第2分割体2552の上面へ送球するための延長迂回路21100が形成される。
下皿2050の側壁部材2055には、その第1分割体2551の第1片2551Xにおける側壁から張出壁21001が貯留領域内へ向けて張り出し形成される。張出壁21001は、平板形状の部位であり、かかる張出壁21001の上面が延長迂回路21100の転動面21100aとされる。
なお、張出壁21001は、その周縁の上面視形状が、側壁部材2055の回転軸(軸支ピン2057)を中心とする円弧状に湾曲して形成される。また、内枠21012の正面には、第1迂回路3300の終端側の下方に正面視横長矩形状の開口21002が開口形成される。下皿2050(側壁部材2055)が縮小される場合には、開口21002を介して、張出壁21001が内枠21012の内部空間に収容される。
ここで、上述した第3実施形態では、内枠12の前面に第1迂回路3300及び第2迂回路3400が形成されることで、払出口23から貯留領域に流入された球が、その払出口23近傍に偏って貯留されて山が形成された場合でも、第1迂回路3300及び第2迂回路3400を利用して山から離れた領域へ球を迂回させることができ、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくできる(図49及び図50参照)。
しかしながら、第1迂回路3300及び第2迂回路3400は、内枠12の前面側において球を迂回させるものであるため、下皿2050の貯留領域における一方側(内枠12の前面側)の空間に球が集中しやすく、貯留領域における他方側(内枠12の前面と反対側、即ち、側壁部材2055側)の空間を十分に活用することができなかった。
これに対し、本実施形態では、第1迂回路3300と側壁部材2055の第2分割体2552の上面とを接続する延長迂回路21100が形成されるので、かかる延長迂回路21100を利用して、第1迂回路3300によって迂回された球を、側壁部材2055の第2分割体2552の上面へ送球することができる。その結果、側壁部材2055の第2分割体2552の上面を迂回路として利用して(即ち、第2分割体2552の上面を転動させて)、球を、貯留領域に貯留された球の山の背面側(側壁部材2055側)に迂回させることができる。即ち、貯留領域における他方側(内枠12の前面と反対側、即ち、側壁部材2055側)の空間を十分に活用することができる。
なお、本実施形態では、各分割体2551〜2554の上面が略水平に形成され、第1迂回路3300及び延長迂回路21100から第2分割体2552の上面へ送球された球は、その送球された際の勢い(速度)を利用して、第2分割体2552の上面を転動する。この場合、送球された際の勢いは、球ごとに異なるので、第2分割体2552の上面から第3及び第3分割体2554の上面を介して貯留領域へ流下される位置(迂回先)をそれぞれ異ならせる(ばらつかせる)ことができる。その結果、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくできる。
但し、各分割体2551〜2554の上面を、延長迂回路21100から離間される方向へ向けて下降傾斜させて形成しても良い。この場合には、第1迂回路3300及び延長迂回路21100から第2分割体2552の上面へ送球された球を、第2分割体2552の上面の終端(即ち、第2片2552Y側)まで確実に転動させて、貯留領域における幅方向一側(球抜き穴2054a)近傍に球を集中的に迂回させることができる。
ここで、本実施形態では、張出壁21001を側壁部材2055(第1分割体2552)に配設(固着)したが、張出壁21001を、内枠21012の内部空間に開口21002を介して出没可能に配設すると共に、付勢ばねの付勢力で開口21002から突出された状態(即ち、下皿2050が縮小方向へ変位されると側壁部材2055に押圧されて没入される一方、下皿2050が拡大方向へ変位されると付勢ばねの付勢力で突出される)としても良い。
次いで、図97を参照して、第22実施形態における内枠22012及び下皿2050について説明する。
図97は、第22実施形態における内枠22012及び下皿2050の正面斜視図であり、下皿2050が拡大された状態が図示される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図97に示すように、第22実施形態における内枠22012及び下皿2050には、内枠22012の第2迂回路3400から迂回された球を、下皿2050の側壁部材2055における第2分割体2552の上面へ送球するための延長迂回路22100が形成される。
第22実施形態では、下皿2050の内壁部材2056における側壁部2056bから第1張出壁22001が貯留領域内へ向けて張り出し形成されると共に、下皿2050の側壁部材2055における第1分割体2551の第2片2552Yにおける側壁から第2張出壁22002が貯留領域内へ向けて張り出し形成され、これら第1張出壁22001及び第2張出壁22002の上面が、延長迂回路22100の転動面22100aとされる。
なお、第2張出壁22002は、第1張出壁22001よりも一段低い高さ位置に形成される。よって、下皿2050の側壁部材2055が縮小されると、第1張出壁22001の下面側に第2張出壁22002を上下に重ねた状態で収容することができる。これにより、下皿2050の拡大および縮小を可能としつつ、延長迂回路22100を形成するための各張出壁22001,22002を収容するための内部空間や開口を内枠22012に設けることを不要とできる。
本実施形態によれば、第2迂回路3400と側壁部材2055の第2分割体2552の上面とを接続する延長迂回路22100が形成されるので、かかる延長迂回路22100を利用して、第2迂回路3400によって迂回された球を、側壁部材2055の第2分割体2552の上面へ送球することができる。その結果、側壁部材2055の第2分割体2552の上面を迂回路として利用して(即ち、第2分割体2552の上面を転動させて)、球を、貯留領域に貯留された球の山の背面側(側壁部材2055側)に迂回させることができる。即ち、第21実施形態の場合と同様に、貯留領域における他方側(内枠12の前面と反対側、即ち、側壁部材2055側)の空間を十分に活用することができる。
なお、本実施形態では、第1張出壁22001及び第2張出壁22002が、下皿2050の側壁部材2055へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第2迂回路3400及び延長迂回路22100の通路長さが比較的長い場合であっても、第2分割体2552の上面まで球を確実に送球させることができると共に、球に勢いがある状態で送球して第2分割体2552の上面を転動しやすくできる。
この場合、第1張出壁22001及び第2張出壁22002は、その張り出しの基端側(即ち、側壁部2056b側および第1分割体2551側)へ向けて下降傾斜されていても良い。上述した場合と同様に、第2迂回路3400及び延長迂回路22100の通路長さが比較的長い場合であっても、延長迂回路22100の途中で球が貯留領域へ脱落することを抑制して、第2分割体2552の上面まで球を確実に送球させることができる。
また、各分割体2551〜2554の上面は、略水平に形成されるので、上述した第21実施形態の場合と同様に、第2迂回路3400及び延長迂回路22100から第2分割体2552の上面へ球が送球されると、その送球された際の勢いが異なることを利用して、第2分割体2552の上面から第3及び第3分割体2554の上面を介して貯留領域へ球が流下される位置(迂回先)をそれぞれ異ならせる(ばらつかせる)ことができる。その結果、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくできる。
但し、各分割体2551〜2554の上面を、延長迂回路22100から離間される方向へ向けて下降傾斜させて形成しても良い。この場合には、第2迂回路3400及び延長迂回路22100から第2分割体2552の上面へ送球された球を、第2分割体2552の上面の終端(即ち、側壁部材2055の回転軸(軸支ピン2057)側)まで確実に転動させて、貯留領域における幅方向他側(球抜き穴2054aと反対側)近傍に球を集中的に迂回させることができる。
次いで、図98及び図99を参照して、第23実施形態における下皿2050について説明する。
図98は、第23実施形態における下皿2050の断面図であり、下皿2050が拡大された状態が図示される。また、図99(a)は、図98のXCIXa−XCIXa線における下皿2050の断面図であり、図99(b)は、図98のXCIXb−XCIXb線における下皿2050の断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図98及び図99に示すように、第23実施形態における下皿2050は、第2分割体2552から第4分割体2554の第1片2552X〜2554Xの上面に断面略コ字状に凹設されると共に第1片2552X〜2554Xの長手方向に沿って延設される凹溝23001を備える。
凹溝23001は、凹溝23001の内側面(図99(a)の左右の面)と各分割体2552〜2554(第1片2552X〜2554X)の上面とが交差する部分である一対の稜線によって球を支持可能な断面形状(即ち、一対の稜線で支持された球が凹溝23001の溝底に接触されない形状)に形成される。
この場合、一対の稜線の間隔(図99(a)左右方向寸法)は、各分割体2552〜2554(第1片2552X〜2554X)の長手方向一側(本実施形態では第2片2552Y〜2554Y側)へ向かうに従って漸増されるの(L1<L2)、一対の稜線によって球が支持されると、その球を、一対の稜線の間隔が広くなる方向(即ち、第2片255Y〜2554Y側)へ向けて自走させることができる。
即ち、各分割体2552〜2554(第1片2552X〜2554X)の上面が下降傾斜されておらず、水平に形成される場合であっても、その上面に載置された球を、凹溝23001に沿って転動させることができる。また、凹溝23001に沿って球が転動することで、各分割体2552〜2554の上面を転動する球が途中で貯留領域へ脱落することを抑制でき、所望の位置まで確実に送る(迂回させる)ことができる。
なお、凹溝23001の終端側(図98右側)は、貯留領域側(内枠3012側)へ向けて屈曲して形成される。よって、凹溝23001をその終端まで転動された球を貯留領域へ向けて送球することができる。
ここで、下皿2050の貯留領域へ払出口23から球が払い出される場合、その払出口23から払い出されて貯留領域へ流入された球は、まず、払出口23の前方(図98下側)の領域Sに貯留され、その貯留された球によって山が形成される。
この場合、本実施形態によれば、領域Sに形成された山の一部(球)が、まず、第4分割体2554の第1片2554Xの上面に流入されると、かかる球を、第4分割体2554における凹溝23001に沿って転動(自走)させることができ、山から離間される側(第2片2554側)へ迂回させることができる。
払出口23から球が更に払い出され、領域Sに形成される山が大きくされると、その山の一部(球)が、次いで、第3分割体2553の第1片2553Xの上面に流入される。かかる球を、第3分割体2553の凹溝23001に沿って転動(自走)させ、山から離間される側(第2片2554側)へ迂回させることができる。同様に、領域Sに形成される山が更に大きくされる場合には、第2分割体2552の凹溝23001によって球を転動(自走)させ、山から離間される側へ迂回させることができる。
このように、本実施形態においても、側壁部材2055の各分割体2552〜2554の上面を迂回路として利用でき、貯留領域における他方側(内枠3012の前面と反対側、即ち、側壁部材2055側)の空間を十分に活用することができる。
また、例えば、第21実施形態または第22実施形態の場合のように、第1迂回路3300又は第2迂回路3400から延長迂回路21100,22100を介して第2分割体2552の上面へ球が送球される場合には、その送球された際の勢い(速度)を利用して、第2分割体2552の上面を転動させることができる。これに対し、本実施形態のように、領域Sに形成された山から球が各分割体2552〜2554の上面に流入される場合には、その球が初速を持たない又は初速が小さいため、かかる球を各分割体2552〜2554の終端まで転動させることが困難となる。そのため、本実施形態のように、凹溝23001の幅寸法(一対の稜線の間隔)を漸増させて、球を自走させることができる構成が特に有効となる。
なお、本実施形態では、第4分割体2554における凹溝2301の終端の位置が、第2分割体2552における凹溝2301の終端の位置よりも領域Sから離間する位置とされる場合を説明したが、これとは逆に、第4分割体2554における凹溝2301の終端の位置が、第2分割体2552における凹溝2301の終端の位置よりも領域Sに近接する位置としても良い。これにより、領域Sに山が形成されるに従って、その山から離間する側へ球を迂回させることができるので、下皿2050の貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくできる。
次いで、図100及び図101を参照して、第24実施形態における内枠24012について説明する。
第1実施形態では、内枠12の正面が変位不能な壁面として形成される場合を説明したが、第24実施形態の内枠24012には、その一部に、前後方向へ変位可能に形成される変位壁部24001と、後方(背面)側へ凹設される凹部24002と、が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図100(a)は、第24実施形態における内枠24012及び下皿2050の断面図であり、図100(b)は、図100(a)のCb−Cb線における内枠24012及び下皿2050の断面図である。
また、図101(a)は、図100(a)のCI−CI線における内枠24012及び下皿2050の断面図であり、図101(b)は、図101(a)に示す状態から変位壁部24001が所定の後退位置まで後退された状態における内枠24001及び下皿2050の断面図である。
なお、図100(a)は、図48(b)に対応する。また、図101(a)及び図101(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の集合体が二点鎖線を用いて球AGとして模式的に図示される。
図100及び図101に示すように、第24実施形態における内枠24012は、その内枠24012の正面側に配設され前後方向へ変位可能に形成される変位壁部24001と、その変位壁部24001の正面視下方に位置し後方(背面側)へ向けて凹設される凹部24002とを備える。
ここで、変位壁部24001は、第10実施形態における変位壁部10001に対し、高さ寸法(図100(a)上下方向寸法)が小さくされる点を除き、他は実質的に同一に形成される。即ち、変位壁部24001は、付勢ばね10002より前方(正面)側へ付勢されており、その付勢に抗して所定の後退位置まで後退されると、保持部材10003により保持されると共に、操作子10004が操作されることで、保持部材10003による保持が解除される。
凹部24002は、内枠24012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の一部を凹設して形成される凹部であり、正面視横長矩形の開口およびその開口に連なる内部空間を有すると共に、その内部空間の底面を形成する底面壁24002aの上面が底壁部材2054の上面に滑らかに連なって形成される。
底面壁24002aの上面は、開口側(底壁部材2054の上面に連なる側)から凹設方向奥側(図100(a)紙面奥側)へ向かうに従って上昇傾斜して形成される。これにより、払出口23から下皿2050の貯留領域へ球が払い出された場合に、図101(a)に球AGとして示すように、底壁部材2054上でのみ山を形成させやすくでき、凹部24002の内部空間内に流入することを抑制できる。また、球抜き時などに凹部24002の内部空間内に球が残留することを抑制できる。
特に、本実施形態では、底面壁24002aの上面の上昇傾斜は、その底面壁24002aの上面に連なる底壁部材2054の上面の上昇傾斜よりも大きな傾斜角度とされる。これにより、底壁部材2054上でのみ山を形成させやすくでき、凹部24002の内部空間内に流入することを抑制できる。また、球抜き時などに凹部24002の内部空間内に球が残留することを抑制できる。
以上のように、本実施形態によれば、内枠24012の正面であって側壁部材2055に対面する領域のうちの少なくとも一部の領域に、変位壁部24001と凹部24002とが形成される。
これにより、下皿2050(側壁部材2055)が拡大され、且つ、球が貯留された状態(図100及び図101(a)参照)において、例えば、遊技者の操作によって、或いは、内枠24012を開放した際に隣の台に衝突することによって、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向(内枠24012へ近接する方向、図100(b)上方向)へ強く押し込まれた場合には、図101(b)に示すように、側壁部材2055によって押し込まれた球を、変位壁部24001の後退によって受け入れることができるだけでなく、凹部24002の内部空間にも受け入れることもできる。
よって、側壁部材2055と内枠24012の正面との間に球が挟み込まれ難くでき、その結果、側壁部材2055や内枠24012が破損することを抑制できる。また、球が貯留領域内から溢れ出して(弾き出されて)、ホールに飛散することを抑制できる。
この場合、例えば、下皿2050の側壁部材2055が、遊技者の通常の操作により比較的小さな力で縮小される場合には、変位壁部24001を付勢ばね10002の付勢力により初期位置に維持させつつ、側壁部材2055により押し込まれた球を、凹部24002の内部空間に受け入れさせる一方、比較的大きな力で下皿2050の側壁部材2055が縮小される場合には、変位壁部24001が後退される際の付勢ばね10002の弾性変形による緩衝作用を発揮させることができる。即ち、変位壁部24001の後退による球の受け入れと凹部24002の内部空間を利用した球の受け入れとを利用して、側壁部材2055の操作状態に応じた二段階の球の受け入れを行うことができる。
よって、比較的大きな力で下皿2050の側壁部材2055が縮小され、側壁部材2055によって球が強い力で押し込まれる場合に、変位壁部24001の後退が開始されるまで(即ち、変位壁部24001を初期位置に維持する付勢ばね10002の弾性回復力を外力が上回るまで)の間は、凹部24002により球を受け入れつつ、変位壁部24001の後退が開始された後は、変位壁部24001の後退と凹部24002とにより球を受け入れることができる。これにより、側壁部材2055や内枠24012の破損を抑制しやすくできると共に、球が貯留領域内から溢れ出して、ホールに飛散することを抑制しやすくできる。
特に、本実施形態では、側壁部材2055は、上方に位置する分割体(第1分割体2551)ほど変位(回転)量が大きく、下方に位置する分割体(第4分割体2554)ほど変位(回転)量が小さくされるので、側壁部材2055が縮小方向へ比較的強い力で押し込まれる場合には、貯留領域に貯留される球(球AG)の内、側壁部材2055(分割体)の変位量が相対的に大きく比較的強い力で押し込まれる上方(図101(a)上側)の球は、変位壁部24001の後退時に付勢ばね10002による緩衝作用を発揮させつつ受け入れる一方、側壁部材2055(分割体)の変位量が相対的に小さく比較的弱い力で押し込まれる下方(底壁部材2054側、図101(a)下側)の球(球AG)は、流入抵抗が小さい凹部24002を利用して、凹部24002内へスムーズに受け入れる(流入させる)ことができる。
また、このように、変位壁部24001に対して凹部24002が下方(図101(a)下側)に位置することで、縮小方向へ変位された側壁部材2055により押し込まれる球(球AG)のうちの下方(底壁部材2054側、図101(a)下側)の球ほど受け入れやすくすることができる。よって、下皿2050に貯留される球(球AG)の重み(重力の作用)を利用しつつ、下皿2050に貯留される球に全体として下方(図101(a)下方向)への流れを形成することができる。その結果、側壁部材2055や内枠24001が破損することを抑制できるだけでなく、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。
次いで、図102を参照して、第25実施形態における内枠25012について説明する。
第1実施形態では、内枠12の正面が変位不能な壁面として形成される場合を説明したが、第25実施形態の内枠25012には、その一部に、前後方向へ変位可能に形成される変位壁部25001と、後方(背面)側へ凹設される凹部25002と、が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図102(a)は、第25実施形態における内枠24012及び下皿2050の断面図であり、図102(b)は、図102(a)に示す状態から変位壁部25001が所定の後退位置まで後退された状態における内枠25001及び下皿2050の断面図である。
なお、図102(a)は、図101(a)に対応する。また、図102(a)及び図102(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、球の集合体が二点鎖線を用いて球AGとして模式的に図示される。
図102に示すように、第25実施形態における内枠25012は、その内枠25012の正面側に配設され前後方向へ変位可能に形成される変位壁部25001と、その変位壁部25001の正面視上方に位置し後方(背面側)へ向けて凹設される凹部25002とを備える。
ここで、変位壁部25001は、第10実施形態における変位壁部10001に対し、高さ寸法(図102(a)上下方向寸法)が小さくされる点を除き、他は実質的に同一に形成される。即ち、変位壁部25001は、付勢ばね10002より前方(正面)側へ付勢されており、その付勢に抗して所定の後退位置まで後退されると、保持部材10003により保持されると共に、操作子10004が操作されることで、保持部材10003による保持が解除される(いずれも図72又は図73参照)。
凹部25002は、内枠25012の正面であって下皿2050の側壁部材2055に対面する領域の一部を凹設して形成される凹部であり、正面視横長矩形の開口およびその開口に連なる内部空間を有すると共に、その内部空間の底面を形成する底面壁25002aの上面は、開口側(図102(a)左側)から凹設方向奥側(図102(a)右側)へ向かうに従って上昇傾斜して形成される。これにより、払出口23から下皿2050の貯留領域へ球が払い出された場合に、図102(a)に球AGとして示すように、底壁部材2054上でのみ山を形成させやすくでき、凹部25002の内部空間内に流入することを抑制できる。また、球抜き時などに凹部25002の内部空間内に球が残留することを抑制できる。
特に、本実施形態では、底面壁25002aの上面の上昇傾斜は、開口側(図102(a)左側)を含む所定領域(例えば、球の直径の1倍以上かつ3倍以下の領域)の傾斜角度が、その所定領域よりも凹設方向奥側(図102(a)右側)の領域における傾斜角度よりも大きくされる。これにより、底壁部材2054上に貯留された球により形成された山(球AG、図102(a)参照)が凹部25002の内部空間内に流入することを抑制しやすくできる。
以上のように、本実施形態によれば、内枠25012の正面であって側壁部材2055に対面する領域のうちの少なくとも一部の領域に、変位壁部25001と凹部25002とが形成される。
これにより、下皿2050(側壁部材2055)が拡大され、且つ、球が貯留された状態(図102(a)参照)において、例えば、遊技者の操作によって、或いは、内枠24012を開放した際に隣の台に衝突することによって、下皿2050の側壁部材2055が縮小方向(内枠25012へ近接する方向、図102(a)右方向)へ強く押し込まれた場合には、図102(b)に示すように、側壁部材2055によって押し込まれた球を、変位壁部25001の後退によって受け入れることができるだけでなく、凹部25002の内部空間にも受け入れることもできる。
よって、側壁部材2055と内枠25012の正面との間に球が挟み込まれ難くでき、その結果、側壁部材2055や内枠25012が破損することを抑制できる。また、球が貯留領域内から溢れ出して(弾き出されて)、ホールに飛散することを抑制できる。
この場合、例えば、下皿2050の側壁部材2055が、遊技者の通常の操作により比較的小さな力で縮小される場合には、変位壁部25001を付勢ばね10002の付勢力により初期位置に維持させつつ、側壁部材2055により押し込まれた球を、凹部25002の内部空間に受け入れさせる一方、比較的大きな力で下皿2050の側壁部材2055が縮小される場合には、変位壁部25001が後退される際の付勢ばね10002の弾性変形による緩衝作用を発揮させることができる。即ち、変位壁部25001の後退による球の受け入れと凹部25002の内部空間を利用した球の受け入れとを利用して、側壁部材2055の操作状態に応じた二段階の球の受け入れを行うことができる。
よって、比較的大きな力で下皿2050の側壁部材2055が縮小され、側壁部材2055によって球が強い力で押し込まれる場合に、変位壁部25001の後退が開始されるまで(即ち、変位壁部25001を初期位置に維持する付勢ばね10002の弾性回復力を外力が上回るまで)の間は、凹部25002により球を受け入れつつ、変位壁部25001の後退が開始された後は、変位壁部25001の後退と凹部25002とにより球を受け入れることができる。これにより、側壁部材2055や内枠24012の破損を抑制しやすくできると共に、球が貯留領域内から溢れ出して、ホールに飛散することを抑制しやすくできる。
特に、本実施形態では、側壁部材2055は、上方に位置する分割体(第1分割体2551)ほど変位(回転)量が大きく、下方に位置する分割体(第4分割体2554)ほど変位(回転)量が小さくされるので、側壁部材2055が縮小方向へ比較的強い力で押し込まれる場合に、貯留領域に貯留される球(球AG)の内、側壁部材2055(分割体)の変位量が相対的に大きくされる上方(図101(a)上側)の球を、先に凹部25002へ受け入れ(流入)させることができる。即ち、凹部24002は球の流入抵抗が小さいので、かかる凹部24002内へスムーズに受け入れる(流入させる)ことができる。これにより、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。
次いで、図103及び図104を参照して、第26実施形態における下皿2050について説明する。
第1実施形態では、下皿2050(側壁部材2055)を縮小する操作が常時可能とされる場合を説明したが、第26実施形態における下皿2050(側壁部材2055)は、球の貯留状態に応じて縮小する操作の許容または規制が切り替えられる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図103は、第26実施形態における内枠3012及び下皿2050の正面斜視図である。また、図104(a)は、図103の矢印CIIIa方向視における下皿2050の内側面図であり、図104(b)は、図104(a)のCIIIb−CIIIb線における下皿2050の部分拡大断面図である。
図103及び図104に示すように、第26実施形態における内壁部材2056には、その側壁部2056bの複数箇所(本実施形態では、3箇所)に保持孔26001a〜26001cが穿設される。
保持孔26001a〜26001cは、正面視円形の開口として形成され、球の直径よりも若干小さな内径に設定される。よって、下皿2050の貯留領域に貯留された球の山山(球AG)の高さが保持孔26001a〜26001cに達すると(図104(a)参照)、山(球AG)を形成する1の球が山の重みを受けて保持孔26001a〜26001c内へ入り込むことができる。
この場合、各保持孔26001a〜26001cは、高さ方向(図104(a)上下方向)及び水平方向(図104(a)左右方向)にそれぞれ位置を違えて配置され、拡大された状態における側壁部材2055(図43参照)が縮小方向へ操作される際の第1分割体2551から第3分割体2553の第2片2551Y〜2553Yにおける先端面(長手方向端面)の変位軌跡上にそれぞれ位置される。
よって、例えば、図104(b)に示すように、球が保持孔26001bに入り込むと、その球が第2片2552Yの先端面に当接することで、第2分割体1552の縮小方向(図104(b)上方向)への変位を規制できる。即ち、第1分割体2551のみが縮小された側壁部材2055のそれ以上の縮小方向への操作を規制できる。その結果、貯留領域に球が貯留された状態で、例えば、遊技者によって側壁部材2055が縮小方向へ不用意に押し込まれることを抑制できる。その結果、側壁部材2055及び内枠22012の間に球を挟み込んで破損を招いたり、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散することを抑制できる。
本実施形態によれば、下皿2050の貯留領域に貯留される球の貯留量(山(球AG)の高さ)に応じて、下皿2050における側壁部材2055(本実施形態では、第1分割体から第3分割体)の縮小方向への変位を規制できる。
例えば、山(球AG)の高さが保持孔26001aを越える位置に達した状態では、保持孔26001aに入り込んだ球によって、側壁部材2055の第1分割体2551(第2片2551Y)が縮小方向へ変位することを規制できる。この場合、保持孔26001b,26001cにも球が入り込んでいるので、これらに入り込んだ球によって、側壁部材2055の第2分割体2552(第2片2552Y)及び第3分割体2553(第2片2553Y)が縮小方向へ変位することも規制できる。
よって、山(球AG)の高さが保持孔26001aを越える位置に達し、下皿2050内の球の貯留量が多い状態においては、保持孔26001a〜26001cに入り込んだそれぞれの球により、第1分割体2551〜第3分割体2553のそれぞれの縮小方向への変位を規制できる。即ち、変位壁部2055(各分割体2551〜2554)の縮小方向の変位を3箇所で強固に規制できる。従って、球の貯留量が多く、側壁部材2055が縮小方向へ強く押し込まれると、球を挟み込んだ側壁部材2055及び内枠22012の破損を招いたり、球が下皿2050内から溢れ出して(弾き出されて)、遊技場に飛散するおそれが高い場合に、これを有効に抑制できる。
一方、例えば、山(球AG)の高さが保持孔26001cのみを越える位置に達した状態では、保持孔26001cに入り込んだ球によって、側壁部材2055の第3分割体2553(第2片2553Y)が縮小方向へ変位することを規制する一方で、保持孔26001a,26001bには球が入り込んでいないので、側壁部材2055の第1分割体2551(第2片2551Y)及び第2分割体2552(第2片2552Y)が縮小方向へ変位することは許容することができる。よって、遊技者の操作の自由度を高めることができる。
なお、下皿2050の側壁部材2055が最少に縮小されている状態において、山(球AG)の高さが保持孔26001aを越える位置に達した場合でも、各保持孔26001a〜26001cに入り込んだ球は、第1分割体2551(第2片2551Y)〜第3分割体2553(第2片2553Y)の側面に当接するのみであるので、側壁部材2055(第1分割体2551〜第3分割体2553)の拡大方向への変位(操作)は妨げられない。
次いで、図105から図107を参照して、第27実施形態における内枠27012及び下皿2050について説明する。
第15実施形態では、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放された後に、治具Jを各分割体の間へ挿入する工程を作業者が行う場合を説明したが、第27実施形態における治具J2は、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放されると、その開放の動作に連動して各分割体の間に挿入される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図105は、第27実施形態における内枠3012及び下皿2050の断面図である。図106(a)は、治具J2の上面図であり、図106(b)は、図106(a)の矢印CVIb方向視における治具J2の正面図である。また、図107は、下皿2050が拡大位置を越えて開放された状態における内枠3012及び下皿2050の断面図である。
図105から図107に示すように、第27実施形態における内枠27012は、下皿2050が拡大位置を越えて開放されることに伴い側壁部材2055の各分割体の間へ治具J2を挿入させるための機構(以下「挿入機構」と称す)として、固着歯車(図示せず)と、その固着歯車に先頭の歯車(歯車27002)が歯合される歯車列と、その歯車列の後尾の歯車(歯車27004)に歯合されるラック部27005が形成される治具J2とを備える。
固着歯車は、第4分割体2554の一端側(軸支孔2554a側、図42参照)に一体に形成されると共に、第4分割体2554が回転される際の回転中心である軸支ピン2057(軸支孔2554a)と同軸に配設される。一方、歯車列の各歯車27002〜9004は、内枠27012に回転可能に軸支される。
よって、上述した開放機構の操作子15001が解除位置に操作され、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放されると、図107に示すように、側壁部材2055(第4分割体2554)の開放の動作(回転)に伴い、歯車列の各歯車(歯車27002〜27004)を回転させ、歯車列の後尾の歯車(歯車27004)にラック部27004が歯合される治具J2を前進させることができる。
治具J2は、上下方向(図106(b)上下方向)に互いに所定間隔を隔てつつ延設される挿入板s1〜s4と、歯車27004に歯合されるラックとして形成されるラック部27004とを備える。挿入板s1〜s4は、正面視において、互いに平行に延設される共にその延設長さがそれぞれ異なる長さに設定され、且つ、上面視において、円弧状に湾曲して形成される。また、ラック部27004は、上面視において、挿入板s1〜s4と同軸の円弧状に湾曲して形成される。
なお、各分割体2551〜2554の側面であって、治具J2の挿入板s1〜s4の移動軌跡上には、受入部cが形成される。受入部cは、第15実施形態において説明したものと同様に形成されるものであり、上下に重ね合わされた分割体2551〜2554の隣接する受入部cどうしにより側方が開放されると共に合せ面へ向けて間隔が漸次狭くされる略V字状の凹部を形成する。これにより、治具J2の挿入板s1〜s4を各分割体2551〜2554の合せ面の間に案内することができる。
下皿2050における側壁部材2055の掃除を行うに際しては、まず、締結ねじ15004の締結を緩め、締結ねじ15004の頭部15004aと第1分割体2551の上面との間に所定の隙間を形成することで、各分割体2551〜2554の合せ面への治具Jの挿入を可能とする(図86(a)参照)。次いで、開放機構の操作子15001を解除位置に操作して、側壁部材2055を拡大位置を越えて開放させる。
図107に示すように、側壁部材2055が拡大位置を越えて開放されると、その開放の動作(第4分割体2554の回転)に伴い、挿入機構が駆動されることで、治具J2が前進され、挿入板s1〜s4が内枠27012の正面から突出される。その結果、まず、挿入板s1が底壁部材2054と第4分割体2554との合せ面の間に挿入され、その後、挿入板s2〜s4が、第4分割体2554及び第3分割体2553の間、第3分割体2553及び第2分割体2552の間、及び、第2分割体2552及び第1分割体2551の間にそれぞれ順に挿入される。
即ち、上述した第15実施形態の場合と同様に、挿入板s1の挿入により、底壁部材2054から第4分割体2554が上方へ持ち上げられ、底壁部材2054の突起部2555bと第4分割体2554の規制溝2554cとの係合が解除される。また、挿入板s1が挿入され、第4分割体2554が上方へ持ち上げられることで、第4分割体2554と第3分割体2553との合せ面における受入部cが、治具Jの挿入板s2を受け入れ可能な位置まで上昇される。この動作が、残りの挿入板s2〜s4においても繰り返されることで、挿入板s2〜s4が第3分割体2553から第1分割体2551の間の各合せ面に順に挿入される。
このように、治具J2の挿入板s1〜s4のそれぞれが各分割体2551〜2554の合せ面の間に挿入されることで、各分割体2551〜2554のそれぞれを独立して回転させることができる。なお、図107では、第4分割体2554のみが他の分割体2551〜2553に対して異なる位相位置に回転された状態が図示される。
以上のように、本実施形態の下皿2050によれば、側壁部材2055を拡大位置を越えて開放させる動作に伴って、治具J2を各分割体2551〜2554の間に挿入して、図107に示すように、各分割体2551〜2554のそれぞれが独立して回転可能な状態を形成することができる。即ち、図107に示す状態を形成するための作業の簡素化を図ることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記各実施形態では説明を省略したが、側壁部材55,2055に駆動力を付与する駆動手段(例えば、電動モータ)を設け、その駆動手段から付与される駆動力により側壁部52,2055を変位(回転)させることで、下皿50,2050の拡大および縮小を行うようにしても良い。
この場合、例えば、下皿50に貯留される球の貯留量を検出するセンサ装置を設け、そのセンサ装置により検出される球の貯留量に応じた変位量(回転量)で、側壁部材55,2055を駆動手段により変位(回転)させることで(例えば、図22及び図23参照)、下皿50,2050の拡大および縮小を行っても良い。不必要に拡大され、前方へ突出された下皿50,2050が遊技者の邪魔になることを抑制しつつ、必要な場合には下皿50,2050を拡大できるので、遊技者による千両箱への排出頻度を抑制して、遊技に集中させることができる。
或いは、遊技状態に応じて、下皿50,2050の拡大および縮小を行っても良い。例えば、当たりが発生したことを検出する手段を設け、その手段により当たりの発生が検出される場合に、側壁部材55,2055を駆動手段により拡大方向へ変位(回転)させ、下皿50,2050を事前に拡大しておくようにしても良い。また、例えば、所定の演出時に、下皿50,2050を拡大させても良い。下皿50,2050の拡大により、遊技者に期待感を持たせることができる。
或いは、前面枠14の状態に応じて、下皿50,2050の拡大および縮小を行っても良い。例えば、前面枠14の状態を検出するセンサ装置を設け、そのセンサ装置により前面枠14を開放させる動作が検出された場合に、側壁部材55,2055を駆動手段により縮小方向へ変位(回転)させ、下皿50,2050を縮小させても良い。また、例えば、前面枠14を施錠するシリンダ錠20の状態を検出するセンサ装置を設け、そのセンサ装置によりシリンダ錠20の開錠が検出された場合に、側壁部材55,2055を駆動手段により縮小方向へ変位(回転)させ、下皿50,2050を縮小させても良い。下皿50が拡大された状態のままで前面枠14が不用意に開放された場合に、拡大された下皿50が隣のパチンコ機10に接触して破損することを抑制できる。
上記各実施形態では、貯留領域を拡大または縮小させる対象として、下皿50,2050を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、上皿17を対象としても良い。
上記各実施形態では、側壁部材55,2055は、前面枠14が回転可能に軸支される側と同じ側の端部が、軸支ピン57,2057により底壁部材54,2054に回転可能に軸支される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前面枠14が回転可能に軸支される側と反対側の端部が、軸支ピン57,2057により底壁部材54,2054に回転可能に軸支されるものであっても良い。
上記各実施形態では、重ね合わされた各分割体551〜557,2551〜2554どうしの相対移動を規定する規定手段として、係合片552n〜556n,2552n〜2554nの弾性変形を利用する場合を一例として説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の規定手段を採用しても良い。他の規定手段としては、例えば、各分割体551〜557,2551〜2554どうしの間の摩擦係数をそれぞれ異ならせて、摩擦係数の差に基づいて、各分割体551〜557,2551〜2554の回転が許容される順序を規定するものが例示される。或いは、各分割体551〜557,2551〜2554どうしの係合およびその係合の解除を行う複数のアクチュエータ(例えば、ソレノイド)を設け、各アクチュエータの駆動により、各分割体551〜557,2551〜2554の回転が許容される順序を規定するものが例示される。
上記各実施形態では説明を省略したが、下皿50,2050が拡大状態にある(又は、少なくとも縮小状態にない)ことを検出する第1のセンサ装置と、前面枠14が開放されたことを検出する第2のセンサ装置と、それら第1及び第2のセンサ装置により、下皿50,2050が拡大状態にあることが検出され、かつ、前面枠14の開放が検出された場合に、報知を行う報知手段(例えば、音声を発生させる手段)と、を設けても良い。報知手段の放置により、下皿50,2050が拡大状態とされたままで前面枠14が開放されることを抑制できる。その結果、下皿50,2050が隣のパチンコ機10等に衝突すて破損することを抑制できる。
上記第4実施形態では、第1及び第2迂回路3300,3400と第3及び第4迂回路4500,4600とを上下方向に2段に設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、迂回路を3段以上設けても良い。
上記第6実施形態では、第5迂回路6700の転動面6710の2箇所に流下部6711,6712が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、3箇所以上に流下部を設けても良い。
上記第7実施形態では、2箇所に払出口(払出口23及び第2払出口7023)を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、3箇所以上に払出口を設けても良い。
上記第8実施形態では、張出壁8056hの他端(転動面8810の終端(下流端))が、側壁部材2055の第4分割体2554における第1片2554Xの上面と略同等の高さ位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる高さ位置を、第1片2554Xの上面よりも低く設定しても良く、或いは、第1片2554Xの上面よりも高く設定しても良い。
上記第10実施形態では、操作子10004が押し込み操作されることで、変位壁部10001の初期位置への復帰が行われる場合を説明したが、この場合、球抜きレバー2054aが操作された状態でなければ、操作子10004の押し込み操作ができないようにしても良い。これにより、下皿2050に球が貯留された状態で変位壁部10001が初期位置に復帰されることを抑制できる。
上記第23実施形態では、凹溝23001が断面コ字状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の断面形状であっても良い。他の断面形状としては、例えば、断面V字状、断面円弧状などが例示される。
上記第23実施形態では、凹溝23001が、一対の稜線によって球を支持可能な断面形状(即ち、一対の稜線で支持された球が凹溝23001の溝底に接触されない形状)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹溝23001の始端から終端の一部または全部において、球が溝底に接触可能な形状であっても良い。
上記第23実施形態では、凹溝23001における一対の稜線の間隔を漸増させることで、各分割体2551〜2554を傾斜させることなく、球を自走可能とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹溝23001の断面形状を球が溝底に接触可能な形状とし、且つ、凹溝23001の溝底をその延設方向に沿って下降傾斜させても良い。これによっても、各分割体2551〜2554を傾斜させることを不要として、構造の簡素化を図りつつ、球を自走可能な構造とすることができる。
上記第24及び第25実施形態では、変位壁部24001,25001と凹部24002,25002とがそれぞれ配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変位壁部24001,25001の配設を省略し、凹部24002,25002のみを配設しても良い。この場合であっても、側壁部材2055や内枠24012,25012が破損すること、及び、球が貯留領域内から溢れ出してホールに飛散することを抑制できる。
上記第24及び第25実施形態において、凹部24002,25002の底面壁24002a,25002aの上面に、傾倒可能に形成された板状の壁部を設けても良い。詳細には、壁部は、初期位置は立設状態とされ、凹部24002,25002内へ球が進入する方向へは傾倒不能とされ立設状態に維持される一方、凹部24002,25002内から外部(貯留領域側)へ球が流出する方向へは傾倒可能に形成される。これにより、底壁部材2054上でのみ山を形成させやすくでき、かかる球が凹部24002,35002内に流入することを抑制できる。また、球抜き時などに凹部24002,25002の内部空間内に球が残留することを抑制できる。
なお、壁部は、凹部24002,25002の開口近傍に設けることが好ましい。また、壁部の立設高さは、球の半径よりも小さくされることが好ましく、球の半径の1/2以下とされることが更に好ましい。
上記第26実施形態では、第1分割体2551、第2分割体2552及び第3分割体2553の移動軌跡に重なる位置に保持孔16001a〜16001cが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1分割体2251〜第4分割体2554のいずれの移動軌跡に重なる位置に形成しても良い。
上記第26実施形態では、1の分割体の移動軌跡に重なる位置に1の保持孔が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1の分割体の移動軌跡に重なる位置に2以上の保持孔が形成されていても良い。2以上の保持孔が形成される場合には、例えば、遊技者によって側壁部材2055が縮小方向へ強く押し込まれ、最初の保持孔に入り込んだ球を押し出して側壁部材2055(分割体)が縮小方向へ変位された場合でも、その縮小方向への側壁部材2055の変位を、残りの保持孔に入り込んでいる球により規制して、側壁部材2055が最少の縮小位置まで押し込まれ難くできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<下皿50を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材とを備えた遊技機において、前記貯留部材は、遊技者の操作により、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小される方向へ変位可能に形成され、前記前面枠の開放に伴い外部から前記貯留部材へ押圧力が作用された場合には前記貯留領域の大きさが縮小される方向へ前記貯留部材が変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。この場合、下皿の貯留領域を拡大するために、側壁部を高くすると、その分、上皿との間の隙間が少なくなる。そのため、例えば、下皿内に偏って貯留された球を均して平らにする際に、遊技者の手を下皿内へ入れづらくなる。そこで、特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部および側壁部を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、遊技者の手を入れやすくしつつ、下皿の貯留領域を拡大または縮小する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、下皿が拡大されたまま前面枠が開放されると、拡大された下皿が隣の遊技機に接触して破損するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、遊技者の操作により、貯留領域の大きさを拡大または縮小する方向へ貯留部材が変位可能に形成されるところ、前面枠の開放に伴い外部から貯留部材へ押圧力が作用された場合には貯留領域の大きさが縮小される方向へ貯留部材が変位可能に形成されるので、その破損を抑制できる。
なお、貯留部材としては、例えば、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿や、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿などが例示される。
また、前面枠の開放に伴い外部から貯留部材へ押圧力が作用される場合とは、例えば、隣接する遊技機に貯留部材が接触してその隣接する遊技機から貯留部材へ押圧力が作用される場合、人が貯留部材を把持しつつ前面枠を開放することで人の手から貯留部材に押圧力が作用される場合などが例示される。
遊技機A1において、前記前面枠は、その幅方向一側の側部に設けられた回転軸を中心として回転することで開閉し、前記貯留部材は、前記前面枠の回転軸と正面視同じ側となる幅方向一側に設けられた回転軸を中心として回転することで前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されるように形成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、貯留部材は、幅方向一側に設けられた回転軸を中心として回転することで貯留領域の大きさが拡大または縮小されるものであり、その貯留部材の回転軸が前面枠の回転軸と正面視同じ側とされるので、前面枠の開放に伴い外部から貯留部材へ押圧力が作用された場合に、かかる貯留部材を、貯留領域の大きさが縮小される方向へ変位させやすくすることができる。その結果、貯留部材の破損を抑制できる。
遊技機A2において、前記貯留部材は、底壁部と、その底壁部から立設する側壁部とを備え、前記側壁部が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ前記回転軸を中心として前記前面枠へ近接または離間する方向へ回転されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、貯留領域の大きさの拡大または縮小を可能としつつ、球抜き穴の配置の自由度を確保することができる。例えば、底壁部および側壁部を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、貯留領域を拡大または縮小する構造では、固定側の底壁部とスライド側の底壁部との重なり部分には球抜き穴を配置することができず、その配置の自由度が低下する。
これに対し、遊技機A3によれば、側壁部が上下に重ね合わせた複数の分割体から形成され、それら複数の分割体が前面枠へ近接または離間する方向へ回転されることで、貯留領域の大きさを拡大または縮小することができるところ、貯留領域の拡大または縮小のために変位する部位(分割体)と底壁部との重なり代が形成されないので、底壁部の任意の位置に球抜き穴を配置することができ、その配置の自由度を確保できる。
遊技機A3において、前記複数の分割体は、前記回転軸を中心として前記前面枠から離間する方向へ回転され、前記貯留領域が拡大されると、上側の前記分割体ほど外方へ張り出され、前記回転軸を中心として前記前面枠へ近接する方向へ回転され、前記貯留領域が縮小されると、前記回転軸の軸方向視において、各分割体が重なることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、複数の分割体は、前面枠から離間する方向へ回転されると、上側の分割体ほど外方へ張り出されるので、遊技者の手を入りやすくした形態で貯留領域を拡大できる。一方、前面枠へ近接する方向へ回転されると、回転軸の軸方向視において各分割体が重なるので、貯留領域を減少させた状態において、貯留部材の剛性を確保できる。
また、貯留領域を拡大した状態では、複数の分割体が外方へ張り出されるので、下皿が拡大状態にあることを遊技者に認識させやすくすることができる。
遊技機A3又はA4において、前記分割体は、前記回転軸に一端が軸支される第1片と、その第1片の他端から延設される第2片とから上面視略L字状に形成され、前記第2片が前記回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、分割体は、回転軸に一端が軸支される第1片と、その第1片の他端から延設される第2片とから上面視略L字状に形成され、第2片が回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成されるので、分割体が回転軸を中心に回転される際には、各分割体の第2片の軌跡を一致させることができる。即ち、各分割体の第2片が常に重なる状態を形成できるので、側壁部(複数の分割体)の剛性を確保できる。
遊技機A5において、前記分割体の第2片は、前記第1片に連なる水平部と、その水平部の端部から立設される立設部と、その立設部の立設端から前記水平部と反対側へ延設される延設部とを備え、各分割体は、前記水平部、立設部および延設部を、隣接する分割体の前記水平部、立設部および延設部と重ね合わせた状態で配設されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、分割体の第2片が、第1片に連なる水平部と、その水平部の端部から立設される立設部と、その立設部の立設端から水平部と反対側へ延設される延設部とを備え、各分割体は、水平部、立設部および延設部を、隣接する分割体の水平部、立設部および延設部と重ね合わせた状態で配設されるので、貯留領域に多数の球が貯留された場合に、側壁部(各分割体)に作用する球の重量を、各分割体の間での水平部、立設部および延設部の重ね合わせによる相互作用により効果的に支えることができ、その結果、側壁部(各分割体)の撓みを抑制できる。
また、第2片が互いに重ね合わさっていることで、球の重量で側壁部が撓んでいる場合であっても、第2片がガイドとなって、側壁部を拡大状態から縮小状態へスムーズに移行させることができる。よって、球が貯留された下皿が拡大状態のままで、前面枠が不用意に開放された場合でも、下皿(側壁部)を縮小方向へ変位させることができるので、その破損を抑制できる。
遊技機A6において、前記複数の分割体は、上側の分割体ほど前記水平部または延設部のうちの一方の幅が小さくされると共に他方の幅が大きくされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、複数の分割体は、上側の分割体ほど水平部または延設部のうちの一方の幅が小さくされると共に他方の幅が大きくされるので、各分割体が第2片の水平部、立設部および延設部を隣接する分割体どうしで重ね合わせた場合でも、第2片の幅寸法を抑制することができる。即ち、重ね合わせによる第2片の剛性の向上を図りつつ、第2片の幅寸法の抑制により、貯留領域を確保することができる。また、第2片(側壁部)の外側への張り出しを抑制して、その分、他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機A5からA7のいずれかにおいて、前記貯留領域の内壁の一部を形成する内壁部材を備え、前記複数の分割体が前記回転軸を中心として前記前面枠へ近接する方向へ回転され、前記貯留領域が縮小された状態では、前記第2片が前記内壁部材の背面側に配置され、前記複数の分割体が前記回転軸を中心として前記前面枠から離間する方向へ回転され、前記貯留領域が拡大された状態では、前記第2片が前記内壁部材の側方に並設され、前記第2片および内壁部材により前記貯留領域の内壁の一部が形成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A5から遊技機A7のいずれかの奏する効果に加え、貯留領域の内壁の一部を形成する内壁部材を備え、貯留領域が縮小された状態では、第2片が内壁部材の背面側に配置され、貯留領域が拡大された状態では、第2片が内壁部材の側方に並設され、第2片および内壁部材により貯留領域の内壁の一部が形成されるので、第2片の長さ寸法を短縮化して、その分、第2片の移動のために必要なスペースを抑制することができる。
即ち、内壁部材を設けない場合には、貯留領域が縮小された状態においてのみでなく、貯留領域が拡大された状態においても、第2片が貯留領域の内壁となる必要があるため、第2片の長さ寸法として、内壁部材に相当する長さ寸法と拡大分に相当する長さ寸法とを加算した寸法が必要となる。そのため、第2片の移動のために必要なスペースが大きくなる(かかるスペースを、貯留領域が拡大する方向と反対側となる内壁部材の側方に確保する必要がある)。これに対し、内壁部材を設ける場合には、貯留領域が拡大された状態においてのみ、第2片が貯留領域の内壁となれば良いので、第2片の長さ寸法を拡大分に相当する長さ寸法とすることができる(内壁部材に相当する長さ寸法を不要とできる)。その結果、第2片の移動のために必要なスペースを抑制できる(かかるスペースが、内壁部材の背面側のみで足り、貯留領域が拡大する方向と反対側となる内壁部材の側方に確保する必要がない)。
遊技機A8において、前記複数の分割体は、上側の前記分割体ほど前記第2片の長さ寸法が大きくされ、前記回転軸を中心として前記前面枠から離間する方向へ回転され、前記貯留領域が拡大されると、上側の前記分割体ほど外方へ張り出されると共に、各分割体の第2片の端面が面一に配置されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、複数の分割体は、上側の分割体ほど第2片の長さ寸法が大きくされ、回転軸を中心として前面枠から離間する方向へ回転され、貯留領域が拡大されると、上側の分割体ほど外方へ張り出されると共に、各分割体の第2片の端面が面一に配置されるので、貯留領域の拡大時には、各分割体の第2片どうしの重なり代を確保して、球の重量に対する側壁部(第2片)の撓みを抑制しつつ、各分割体においてそれぞれ第2片の長さを抑制して、部品コストの抑制を図ることができる。即ち、貯留領域の拡大時には、上側の分割体よりも下側の分割体における第2片の端面が突出されていたとしても、その突出分は、上側の第2片を支持できず、撓みの抑制には寄与しない。一方、貯留領域の縮小時には、各分割体の第2片どうしの重なり代が減少されるが、球の重量は内壁部材に作用され、第2片には直接的には作用されない。よって、本構成が有効となる。
遊技機A5からA9のいずれかにおいて、最も上側に位置する分割体の第2片の上面に当接可能に形成される当接部材を備え、その当接部材は、貯留領域の拡大時に、最も下側に位置する分割体の第2片に前記分割体の軸方向視において重なる位置に配置されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A5からA9のいずれかの奏する効果に加え、最も上側に位置する分割体の第2片の上面に当接可能に形成される当接部材を備えるので、当接部材を支点として第2片の支持剛性を高めることができるので、球の重量を支える際に側壁部(各分割体)が撓むことを抑制できる。特に、当接部材は、貯留領域の拡大時に、最も下側に位置する分割体の第2片に前記分割体の軸方向視において重なる位置に配置されるので、貯留領域の拡大の程度(複数の分割体のいずれまでが拡大方向へ変位されているか)に関わらず、各分割体の第2片を最適な支点位置で支えることができ、側壁部(各分割体)が撓むことを抑制できる。
遊技機A10において、前記最も上側に位置する分割体は、その第2片の上面に形成される係合部を備え、前記最も上側に位置する分割体が前記回転軸を中心として前記前面枠から離間する方向へ所定位置まで回転されると、前記当接部材に前記係合部が係合して前記回転が規制されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、最も上側に位置する分割体の第2片の上面に係合部が形成され、その係合部が当接部材に当接することで、最も上側に位置する分割体の前面枠から離間する方向への回転を所定位置で規制することができる。即ち、当接部材が、分割体(第2片)の上面を支持して撓みを抑制する役割だけでなく、分割体の回転を規制するストッパとしての役割も兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機A3からA11のいずれかにおいて、前記分割体は、上下に重ね合わされる分割体の一方の合せ面に凸部が形成されると共に他方の合せ面に前記凸部を受け入れる凹部が形成され、前記貯留領域の拡大時には前記凸部が前記凹部の一側の内壁に当接されると共に前記貯留領域の縮小時には前記凸部が前記凹部の他側の内壁に当接されることで、前記上下に重ね合わされる分割体の相対変位を規制可能に形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A3からA11のいずれかの奏する効果に加え、上下に重ね合わされる分割体には、一方の合せ面に凸部が形成されると共に他方の合せ面に凹部が形成され、貯留領域の拡大時には凸部が前記凹部の一側の内壁に当接されると共に貯留領域の縮小時には凸部が凹部の他側の内壁に当接されることで、上下に重ね合わされる分割体の相対変位を規制可能に形成されるので、各分割体どうしの相対位置を規定することができる。この場合、各分割体は、重なり合う分割体に対して、凸部と凹部の内壁とが係合されるので、貯留領域が拡大された状態および縮小された状態において、側壁部(重なり合わされた分割体)全体としての剛性を確保でき、球の重量により撓むことを抑制できる。この場合、凸部と凹部とは、上下に重ね合わされる分割体の合せ面にそれぞれ形成される。即ち、デッドスペースとなる合せ面を利用して凸部および凹部を配設するので、その分、側壁部(分割体)を小型化して、貯留領域の容量を確保できる。
遊技機A12において、前記分割体は、前記回転軸に一端が軸支される第1片と、その第1片の他端から延設される第2片とから上面視略L字状に形成され、前記凸部および凹部は、前記第1片どうしの合せ面に前記第1片の長手方向に沿って連続して延設される凸条および凹溝としてそれぞれ形成されることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、分割体は、回転軸に一端が軸支される第1片と、その第1片の他端から延設される第2片とから上面視略L字状に形成され、凸部および凹部は、第1片どうしの合せ面に形成されるので、凸部および凹部を有効に機能させることができる。即ち、第1片は、貯留領域を拡大または縮小させる際に遊技者に操作される部位であるので、その操作力を凸部と凹部の内壁との係合により直接的に受け止めることができ、操作感の向上を図ることができる。また、第1片が重なり合わされた部分は、貯留領域の拡大時に、球の重量によって撓みやすいところ、かかる部分の剛性を集中的に向上させることができる。
この場合、凸部および凹部は、第1片の長手方向に沿って連続して延設される凸条および凹溝として形成されるので、凸部と凹部の内壁との係合面積を確保して、側壁部(重なり合わされた分割体)全体としての剛性の向上を図ることができる。特に、凸条および凹溝として形成される凸部および凹部を、一端が回転軸に軸支される第1片に沿って形成するので、遊技者の操作や球の重量による荷重の方向を、凸条および凹溝の係合領域に対して直交させることができるので、かかる荷重に対する側壁部(重なり合わされた第1片)の撓みを抑制できる。
遊技機A13において、前記第1片が前記回転軸の軸方向視において外方へ凸の円弧状に湾曲して形成されると共に、前記凸条と前記凹溝の内壁とが互いに同一の半径で前記第1片と同方向へ凸の円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、第1片が回転軸の軸方向視において外方へ凸の円弧状に湾曲して形成されるので、貯留領域の容量を拡大することができる。この場合、凸条と凹溝の内壁とが互いに同一の半径で第1片と同方向へ凸の円弧状に湾曲して形成されるので、それらの延設長さを第1片の合せ面の範囲内において最大限大きくすることができる。よって、凸部と凹部の内壁との係合面積を最大として、側壁部(重なり合わされた第1片)全体としての剛性の向上を図ることができると共に、凸部および凹部の負担を低減して、耐久性の向上を図ることができる。
<第1迂回路3300を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材と、その貯留部材の貯留領域へ球を流入させる流入口とを備えた遊技機において、前記流入口側の一端から他端へ向けて球を送球可能な通路として延設される迂回路を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部および側壁部を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、下皿の貯留領域を拡大する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、下皿の貯留領域の一部(例えば、下皿へ球を流入させる流入口の近傍)に球が偏りやすく、拡大された下皿の貯留領域の全体に均一に球を分散させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、流入口側の一端から他端へ向けて球を送球可能な通路として延設される迂回路を備えるので、例えば、流入口から流入した球がその流入口の近傍に偏って貯留され山が形成される場合には、その山によって貯留領域への流入が阻害された球を、迂回路へ流入させ、その迂回路の一端から他端へ向けて転動させることで、球を迂回させることができる。これにより、流入口から離れた領域、即ち、山から離れた領域へ球を送ることができ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。その結果、例えば、遊技者は、貯留領域の一部に偏って貯留された山を均して平らにする作業が不要となり、遊技に集中することができる。
遊技機B1において、前記迂回路は、前記一端から他端へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、迂回路は、一端から他端へ向けて下降傾斜されるので、迂回路の他端まで球を確実に送ることができる。特に、流入口の近傍に偏って貯留された山に球が衝突し、迂回路へ流入した時点で球の勢いが失われている場合でも、かかる球を迂回路の他端まで転動させることができる。また、迂回路の他端までの間に球に勢いを付けることができるので、迂回路の他端から貯留領域へ送り出す際の初速を速くできる。その結果、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記迂回路の一端は、前記流入口の下面に連なることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、迂回路の一端は、流入口の下面に連なるので、流入口の近傍に貯留された球により山が形成されると共にその山の高さが流入口の下面を越えた場合に、迂回路へ球を確実に流入させることができる。即ち、流入口の近傍に一定の高さの山を形成した後に、球を迂回路によって山から離れた領域へ迂回させることができるので、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記迂回路が異なる高さ位置に複数形成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、迂回路が異なる高さ位置に複数形成されるので、流入口の近傍に貯留された球により山が形成されると、まず、高さ位置が低い迂回路に球が流入され迂回されると共に、その迂回路が球に埋もれると、次に高さ位置が低い迂回路に球が流入され迂回される。即ち、流入口の近傍に形成される山の成長度合いに応じて、球を各迂回路によって山から離れた領域へ段階的に迂回させることができるので、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機B4において、前記高さ位置が異なる複数の迂回路は、前記流入口から前記他端までの離間距離がそれぞれ異なる距離に設定されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、高さ位置が異なる複数の迂回路は、流入口から他端までの離間距離がそれぞれ異なる距離に設定されるので、流入口の近傍に形成される山の成長度合いに応じて、異なる迂回路によって段階的に球を迂回させる際に、各段階に応じた適切な領域(迂回先)へ球を迂回させることができる。その結果、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機B5において、前記高さ位置が高い迂回路ほど前記流入口から前記他端までの離間距離が長い距離に設定されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、高さ位置が高い迂回路ほど流入口から他端までの離間距離が長い距離に設定されるので、流入口の近傍に形成される山が成長するに従って、流入口から遠い領域(即ち、山から遠い領域)へ球を段階的に迂回させることができる。その結果、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記迂回路は、前記貯留領域を区画する内壁に連設されると共にその連設部分と反対側が開放され球が転動可能な転動面として形成され、その転動面には、前記開放される側の縁に立壁が立設されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかにおいて、貯留領域を区画する内壁に連設されると共にその連設部分と反対側が開放され球が転動可能な転動面として形成されるので、例えば、貯留部材の内部に迂回路を形成する場合と比較して、迂回路の構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。この場合、転動面には、開放される側の縁に立壁が立設されるので、貯留領域に貯留された球の一部が迂回路へ侵入して、転動面上の球の転動が阻害されることを抑制できる。その結果、迂回路を有効に機能させ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
なお、立壁は、迂回路の一端(流入口)の近傍のみに形成しても良い。また、立壁の高さは、流入口へ近い側(一端)を高くし、他端へ向かうに従って連続的または階段状に低くしても良い。流入口の近傍ほど山の高さが高くなり、迂回路へ球が侵入しやすいからである。また、迂回路の他端の近傍には、立壁は非形成とする。迂回路から貯留領域へ球を送出するためである。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記迂回路は、前記貯留領域を区画する内壁に連設されると共にその連設部分と反対側が開放され球が転動可能な転動面として形成され、その転動面には、前記開放される側へ球を流下させる流下部が球の転動方向に所定間隔を隔てつつ複数形成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかにおいて、貯留領域を区画する内壁に連設されると共にその連設部分と反対側が開放され球が転動可能な転動面として形成されるので、例えば、貯留部材の内部に迂回路を形成する場合と比較して、迂回路の構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。この場合、転動面には、開放される側へ球を流下させる流下部が球の転動方向に所定間隔を隔てつつ複数形成されるので、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。即ち、迂回路に流入された球は、複数の流下部のうちの最初の流下部から貯留領域へ流下され、その流下箇所に山が形成される。その山によって流下部から貯留領域への流下が阻害されると、迂回路に流入された球は、次の流下部まで転動され、その流下部から貯留領域へ流下されることで、流下箇所に山が形成される。これが繰り返されることで、貯留領域に形成される山の位置を迂回路に沿って順にずらして形成することができ、その結果、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記流入口から前記貯留部材の貯留領域へ流入させる球を前記流入口へ送球する送球路と、前記第1流入口から離間して位置する第2流入口とを備え、前記迂回路は、前記送球路に一端が連通されると共に前記第2流入口に他端が連通されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、流入口から貯留領域へ流入させる球を流入口へ送球する送給路と、第1流入口から離間して位置する第2流入口とを備え、迂回路が、送球路に一端が連通されると共に第2流入口に他端が連通されるので、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
即ち、送球路から送球された球が流入口から貯留領域へ流入されると、その流入口から流入した球で山が形成される。この場合、その山によって流入口から貯留領域への球の流入が阻害されると、送球路から送球される球を、連通路を通じて第2流入口へ迂回させ、その第2流入口から貯留領域へ流入させることができる。これにより、流入口から流入された球により形成された山から離れた領域へ第2流入口から球を流入させることができ、その結果、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
<係合片552nを一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材とを備えた遊技機において、前記貯留部材は、底壁部と、その底壁部から立設する側壁部とを備え、前記側壁部が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ前記前面枠へ近接または離間する方向へ回転されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されると共に、前記各分割体には、分割体どうしの相対移動を許容する順序を規定する規定手段が設けられることを特徴とする遊技機C1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部および側壁部を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、下皿の貯留領域を拡大または縮小する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、固定側の底壁部とスライド側の底壁部との重なり部分には球抜き穴を配置することができず、その配置の自由度が低下する。
本願出願人は、鋭意検討した結果、側壁部を上下に重ね合わせた複数の分割体から形成し、それら複数の分割体を遊技者の操作により前面枠へ近接または離間する方向へ回転させることで、貯留領域の大きさを拡大または縮小する構造に想到した(本出願時において未公知)。この構造によれば、貯留領域の拡大または縮小のために変位する部位(分割体)と底壁部との重なり代が形成されないので、底壁部の任意の位置に球抜き穴を配置することができ、その配置の自由度を確保できる。しかしながら、複数の分割体それぞれの回転の順序が定まらず、貯留領域の拡大または縮小が一意にならないという問題点が本願発明者によって見いだされた。
これに対し、遊技機C1によれば、各分割体には、重ね合わされる分割体どうしの相対移動を規定する規定手段が設けられるので、分割体が遊技者の操作により前面枠へ近接または離間する方向へ回転される場合には、重ね合わされる分割体どうしの相対移動を許容する順序が規定手段により規定されることで、分割体それぞれの回転の順序が一定となり、その結果、貯留領域の拡大または縮小を一意とすることができる。
遊技機C1において、前記規定手段は、前記複数の分割体が前記前面枠から離間する方向へ回転される場合には、前記上下に重ね合わされる分割体どうしの相対移動を下側の分割体から順に許容することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、規定手段は、複数の分割体が前面枠から離間する方向へ回転される場合(即ち、貯留領域の大きさが拡大される場合)には、上下に重ね合わされる分割体どうしの相対移動を下側の分割体から順に許容するので、貯留領域の大きさの拡大を迅速に行うことができる。即ち、下側の分割体から順に相対移動が許容される形態では、相対移動が許容される分割体よりも上側に重ね合わされる分割体も一体となって移動(前面枠から離間する方向へ回転)されるので、側壁部全体を、貯留領域の大きさを拡大させる方向へ移動させることができる。よって、例えば、上側の分割体から順に相対移動を許容する形態と比較して、貯留領域の大きさの拡大を迅速に行うことができる。
遊技機C1又はC2において、前記規定手段は、前記複数の分割体が前記前面枠へ近接する方向へ回転される場合には、前記上下に重ね合わされる分割体どうしの相対移動を上側の分割体から順に許容することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、規定手段は、複数の分割体が前面枠へ近接する方向へ回転される場合(即ち、貯留領域の大きさが縮小される場合)には、上下に重ね合わされる分割体どうしの相対移動を上側の分割体から順に許容するので、貯留部材に貯留される球の状態に応じて分割体の回転(貯留領域の大きさの縮小)をスムーズに行うことができる。
即ち、例えば、下側の分割体から順に相対移動が許容される形態では、貯留部材に貯留されている球が比較的少なく、貯留領域の大きさを縮小した場合であっても、最も下側の分割体に干渉する程度に球が貯留されていると、その球を流動させつつ分割体を回転させる必要が生じ、分割体の操作が阻害される。
これに対し、上側の分割体から順に相対移動が許容される形態であれば、貯留部材に貯留されている球と干渉するまでは、球に阻害されることなく、分割体をスムーズに回転させる(貯留領域の大きさを減少させる)ことができる。また、球に干渉する位置まで分割体を回転させた(貯留領域の大きさを減少させた)際には、その回転が阻害されることで、干渉(即ち、必要な大きさまで貯留領域が減少されたこと)を認識できるので、操作を中断することができる。その結果、貯留部材に貯留される球の状態に応じて分割体の回転(貯留領域の大きさの縮小)をスムーズに行うことができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記規定手段は、前記分割体に弾性変形可能に形成される第1係合爪を備え、前記複数の分割体が前記前面枠へ近接する方向へ回転された状態では、前記上下に重ね合わされた分割体どうしは、上側に重ね合わされる分割体に前記第1係合爪が係合されており、下側に重ね合わされる分割体が相対移動されると、その下側に重ね合わされる分割体との間に前記第1係合爪の弾性変形を許容する空間が形成され、前記上側に重ね合わされる分割体と前記第1係合爪との係合が解除可能となることで、前記上側に重ね合わされる分割体に対する相対移動が許容されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、規定手段は、上側に重ね合わされる分割体に第1係合爪が係合されており、下側に重ね合わされる分割体が相対移動されると、その下側に重ね合わされる分割体との間に第1係合爪の弾性変形を許容する空間が形成され、上側に重ね合わされる分割体と第1係合爪との係合が解除可能となることで、上側に重ね合わされる分割体に対する相対移動が許容されるので、上下に重ね合わされる分割体の前面枠から離間する方向への回転を下側の分割体から順に許容することができる。即ち、複数の分割体を前面枠から離間する方向へ回転させる遊技者の操作により、下側の分割体から順に一段ずつ相対移動を許容して、貯留領域の大きさが拡大された状態を形成することができる。
遊技機C4において、前記規定手段は、前記分割体に弾性変形可能に形成される第2係合爪を備え、前記複数の分割体が前記前面枠から離間する方向へ回転された状態では、前記上下に重ね合わされた分割体どうしは、下側に重ね合わされる分割体に前記第2係合爪が係合されており、上側に重ね合わされる分割体が相対移動されると、その上側に重ね合わされる分割体との間に前記第2係合爪の弾性変形を許容する空間が形成され、前記下側に重ね合わされる分割体と前記第2係合爪との係合が解除可能となることで、前記下側に重ね合わされる分割体に対する相対移動が許容されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、規定手段は、複数の分割体が前面枠から離間する方向へ回転された状態では、上下に重ね合わされた分割体どうしは、下側に重ね合わされる分割体に第2係合爪が係合されており、上側に重ね合わされる分割体が相対移動されると、その上側に重ね合わされる分割体との間に第2係合爪の弾性変形を許容する空間が形成され、下側に重ね合わされる分割体と第2係合爪との係合が解除可能となることで、下側に重ね合わされる分割体に対する相対移動が許容されるので、上下に重ね合わされる分割体の前面枠へ近接する方向への回転を上側の分割体から順に許容することができる。即ち、複数の分割体を前面枠へ近接する方向へ回転させる遊技者の操作により、上側の分割体から順に一段ずつ相対移動を許容して、貯留領域の大きさが縮小された状態を形成することができる。
遊技機C5において、前記第1係合爪および第2係合爪は、前記分割体に基端側が固定される板部と、その板部の先端に突設される突部とからなる形状に形成され、前記上側に重ねられる分割体または下側に重ね合わされる分割体の一方に対しては、前記突部が係合され、前記上側に重ねられる分割体または下側に重ね合わされる分割体の他方に対しては、前記突部が前記一方の分割体に当接されることで前記板部が弾性変形されることで係合されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、第1係合爪および第2係合爪は、分割体に基端側が固定される板部と、その板部の先端に突設される突部とからなる形状に形成され、上側に重ねられる分割体または下側に重ね合わされる分割体の一方に対しては、突部が係合され、上側に重ねられる分割体または下側に重ね合わされる分割体の他方に対しては、突部が前記一方の分割体に当接されることで板部が弾性変形されるので、第1係合爪と第2係合爪とを共通化する(板部および突部からなる係合片に兼用させる)ことができる。よって、部品点数の削減により、構造を簡素化して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記分割体は、前記回転軸に一端が軸支される第1片と、その第1片の他端から延設される共に前記回転軸を中心とする円弧状に湾曲する第2片とから上面視略L字状に形成され、前記規定手段が第2片に形成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機c7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、分割体は、回転軸に一端が軸支される第1片と、その第1片の他端から延設される共に回転軸を中心とする円弧状に湾曲する第2片とから上面視略L字状に形成され、規定手段が第2片に形成されるので、規定手段を大型化でき、その剛性を高められるので、相対変位の規制の確実化と耐久性の向上とを図ることができる。即ち、第2片が回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成され、各分割体の第2片が常に重なる状態を形成できるので、規定手段を配設するためのスペースを第2片の周方向に沿って確保することができ、その分、規定手段を大型化できる。
<ロック機構77を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材とを備え、前記貯留部材が、遊技者の操作により、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小される方向へ変位可能に形成された遊技機において、少なくとも前記貯留部領域の大きさが拡大される方向への前記貯留部材の変位を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部および側壁部を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、下皿の貯留領域を拡大または縮小する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、下皿が不用意に拡大されるという問題点があった。即ち、例えば、製品の搬送中や前面枠の開放動作時に、下皿が不用意に拡大されると、搬送時のがたつきや周囲の部材との衝突に起因して破損を招く。これに対し、遊技機D1によれば、少なくとも貯留部領域の大きさが拡大される方向への貯留部材の変位を禁止する禁止手段を備えるので、貯留部材が不用意に拡大されることを抑制することができる。その結果、例えば、製品の搬送中や前面枠の開放動作時の破損を抑制できる。
遊技機D1において、前記貯留部材は、底壁部と、その底壁部から立設する側壁部とを備え、前記側壁部が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、前記貯留領域の大きさが縮小された状態から拡大される際には、前記複数の分割体が所定の順序で前記前面枠から離間する方向へ回転され、前記禁止手段は、前記所定の順序で回転される複数の分割体のうちの最初に前記前面枠から離間する方向へ回転される分割体の回転を禁止することを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、側壁部が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、遊技者の操作により、貯留領域の大きさが縮小された状態から拡大される際には、複数の分割体が所定の順序で前面枠から離間する方向へ回転されるところ、禁止手段は、所定の順序で回転される複数の分割体のうちの最初に前面枠から離間する方向へ回転される分割体の回転を禁止するので、貯留部材が不用意に拡大されることを確実に抑制することができる一方で、その禁止手段を解除して最初に回転される分割体を回転させた後は、残りの分割体を任意に回転させることができるので、貯留領域の大きさを調整する操作性の向上を図ることができる。
遊技機D2において、前記禁止手段は、遊技者の操作により禁止位置および解除位置に配置可能に形成される操作子を備え、前記操作子が禁止位置に配置されることで、前記所定の順序で回転される複数の分割体のうちの最初に前記前面枠から離間する方向へ回転される分割体の回転が禁止されると共に、前記操作子が解除位置に配置されることで、前記所定の順序で回転される複数の分割体のうちの最初に前記前面枠から離間する方向へ回転される分割体の回転の禁止が解除されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、操作子が遊技者により禁止位置に配置されると、最初に回転される分割体の回転が禁止されると共に、操作子が遊技者により解除位置に配置されると、最初に回転される分割体の回転の禁止が解除されるので、遊技者の意図と無関係に貯留部材が拡大されることを回避できると共に、貯留部材の拡大を任意に禁止することができる。
遊技機D3において、前記貯留領域の大きさが拡大された状態から縮小される際には、前記複数の分割体が所定の順序で前記前面枠へ近接する方向へ回転され、前記所定の順序で回転される複数の分割体のうちの最初に前記前面枠へ近接する方向へ回転される分割体の回転を、前記禁止手段の操作子が禁止可能に形成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、貯留領域の大きさが縮小される際には、複数の分割体が所定の順序で前面枠へ近接する方向へ回転されるところ、所定の順序で回転される複数の分割体のうちの最初に前面枠へ近接する方向へ回転される分割体の回転を、禁止手段の操作子が禁止可能に形成されるので、貯留部材が不用意に縮小されることを抑制することができる。また、禁止手段の操作子が、貯留部材の拡大を禁止する手段と、貯留部材の縮小を禁止する手段とを兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機D4において、前記禁止手段の操作子による禁止は、前記最初に前記前面枠へ近接する方向へ回転される分割体が遊技者の操作により前記前面枠へ近接する方向へ回転されることで解除可能とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、禁止手段の操作子による禁止は、最初に前記前面枠へ近接する方向へ回転される分割体が遊技者の操作により前面枠へ近接する方向へ回転されることで解除可能とされるので、貯留部材が不用意に縮小されることを抑制可能としつつ、分割体を前面枠へ近接する方向へ押し込めば(回転させれば)、貯留部材を縮小することができるので、遊技者の操作性の向上を図ることができる。また、前面枠の開放に伴い、貯留部材が隣接する遊技機に当接された場合でも、貯留部材を縮小させることができ、その破損を抑制できる。
<連動機構(固定歯車9001、歯車9002〜9004、回転アーム9005及び連結アーム9006)を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材とを備えた遊技機において、前記貯留部材は、遊技者の操作により、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小される方向へ変位可能に形成されると共に、前記貯留部材が拡大された状態で前記前面枠が開放された場合には、前記貯留領域の大きさが縮小される方向へ前記貯留部材が変位されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。この場合、下皿の貯留領域を拡大するために、側壁部材を高くすると、その分、上皿との間の隙間が少なくなる。そのため、例えば、下皿内に偏って貯留された球を均して平らにする際に、遊技者の手を下皿内へ入れづらくなる。そこで、特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部材および側壁部材を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、遊技者の手を入れやすくしつつ、下皿の貯留領域を拡大または縮小する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、下皿が拡大されたまま前面枠が開放されると、隣の台の遊技者に衝突する(例えば、移動してきた下皿と操作しているハンドルとの間に手を挟む)おそがあるという問題があった。また、遊技者が不在の場合であっても、拡大された下皿が隣の遊技機に接触して破損するおそれがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、遊技者の操作により、貯留領域の大きさを拡大または縮小する方向へ貯留部材が変位可能に形成されるところ、貯留部材が拡大された状態で前面枠が開放された場合には、その前面枠の開放に連動して貯留領域の大きさが縮小される方向へ貯留部材が変位されるので、貯留部材が人間(例えば、隣の台で遊技する遊技者)や他の部材(例えば、隣接する遊技機)に衝突することを抑制できる。その結果、遊技者の怪我や、貯留部材または他の部材が破損することを抑制できる。
なお、貯留部材としては、例えば、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿や、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿などが例示される。
また、貯留領域の大きさが縮小される方向への貯留部材の変位は、例えば、前面枠を開放させるための作業者の操作力を直接的または間接的に受けて行われるものであっても良く、電動モータやソレノイドなどのアクチュエータから付与される力を利用して行われるものであっても良く、或いは、弾性ばねの弾性回復力を利用して行われるものであっても良い。この場合、貯留領域の大きさが縮小される方向への貯留部材の変位が開始されるタイミングは、前面枠の開放が開始されたのと同時であっても、前面枠の開放が開始されてから所定の時間が経過した後あるいは前面枠の開放が所定の開放角に達した後であっても良い。また、貯留領域の大きさが縮小される方向への貯留部材の変位は、前面枠の開放量に連動するものであっても良く、前面枠の開放量に連動しない(独立した)ものであっても良い。
遊技機E1において、前記貯留領域の大きさが縮小される方向への前記貯留部材の変位量は、前記前面枠の開放量に連動されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、貯留領域の大きさが縮小される方向への貯留部材の変位量は、前面枠の開放量に連動されるので、前面枠の開放量が少ないために貯留部材が他の部材に衝突する恐れが低い場合に、貯留部材をその貯留領域が縮小する方向へ無駄に縮小させることを抑制できる。
遊技機E2において、前記貯留部材は、前記前面枠が最大開放位置まで開放される前に、前記貯留領域の大きさが最少となる位置まで縮小されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、貯留部材は、前面枠が最大開放位置まで開放される前に、貯留領域の大きさが最少となる位置まで縮小されるので、他の部材に到達する前に貯留部材を縮小させておくことができる。よって、前面枠の開放に伴って貯留部材が他の部材に衝突することを抑制しやすくできる。
遊技機E3において、前記貯留部材は、少なくとも前記前面枠の開放角が略90度に達する前に、前記貯留領域の大きさが最少となる位置まで縮小されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、貯留部材は、少なくとも前面枠の開放角が略90度に達する前に、貯留領域の大きさが最少となる位置まで縮小されるので、他の部材に到達する前に貯留部材を確実に縮小させておくことができる。よって、前面枠の開放に伴って貯留部材が他の部材に衝突することを抑制しやすくできる。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、当接部を有し前記前面枠の開放または閉鎖に伴って変位される変位部材を備え、前記貯留部材は、前記当接部が当接可能とされる被当接部を備え、前記前面枠の開放に伴って前記変位部材が第1の方向へ変位される際には、前記変位部材の当接部が前記貯留部材の被当接部に当接して、前記貯留部材をその貯留領域の大きさが縮小される方向へ変位させることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、前面枠の開放または閉鎖に伴って変位される変位部材を備え、前面枠の開放に伴って変位部材が第1の方向へ変位される際には、変位部材の当接部が貯留部材の被当接部に当接して、貯留部材をその貯留領域の大きさが縮小される方向へ変位させるので、前面枠の開放に伴って貯留部材をその貯留領域の大きさが縮小される方向へ変位させるための構造を簡素化でき、その分、製品コストの削減と動作の信頼性とを図ることができる。
遊技機E5において、前記前面枠の閉鎖に伴って前記変位部材が第2の方向へ変位される際には、前記変位部材の当接部が前記貯留部材の被当接部に当接せず、前記前面枠が閉鎖された状態では、前記変位部材の当接部と前記貯留部材の被当接部との間に、前記貯留領域の大きさが最大となる位置までの貯留部材の拡大を許容する間隔が形成されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、前面枠が閉鎖された状態において遊技者が貯留部材を拡大または縮小する操作を可能とするための構造を簡素化でき、その分、製品コストの削減と動作の信頼性とを図ることができる。
即ち、前面枠の閉鎖に伴って変位部材が第2の方向へ変位される際に、変位部材の当接部が貯留部材の被当接部に当接して、貯留部材をその貯留領域の大きさが拡大される方向へ変位させる場合には、変位部材の当接部と貯留部材の被当接部とが第1の方向および第2の方向のいずれの方向においても当接されるため、前面枠が閉鎖された状態で、遊技者が貯留部材を拡大または縮小する操作を可能とするためには、変位部材の当接部と貯留部材の被当接部との当接を解除する機構が必要となり、構造が複雑化する。
これに対し、遊技機E6によれば、前面枠の閉鎖に伴って変位部材が第2の方向へ変位される際には、変位部材が前記貯留部材に当接せず、前面枠が閉鎖された状態では、変位部材の当接部と貯留部材の被当接部との間に、貯留領域の大きさが最大となる位置までの貯留部材の拡大を許容する間隔が形成されるので、変位部材の当接部と貯留部材の被当接部との当接を解除する機構を必要とすることなく、前面枠が閉鎖された状態で、遊技者が貯留部材を拡大または縮小する操作を可能とできる。その結果、遊技者が貯留部材を拡大または縮小する操作を可能とするための構造を簡素化でき、その分、製品コストの削減と動作の信頼性とを図ることができる。
<変位壁部1001を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材とを備えた遊技機において、前記貯留部材は、底壁部材と、その底壁部材から立設される側壁部材とを備え、前記側壁部材が前記前面枠へ近接または離間する方向へ変位されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されるものであり、前記前面枠は、前記貯留部材の側壁部材に対面する領域の少なくとも一部の領域をなすと共に前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成される変位壁部を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。この場合、下皿の貯留領域を拡大するために、側壁部材を高くすると、その分、上皿との間の隙間が少なくなる。そのため、例えば、下皿内に偏って貯留された球を均して平らにする際に、遊技者の手を下皿内へ入れづらくなる。そこで、特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部材および側壁部材を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、遊技者の手を入れやすくしつつ、下皿の貯留領域を拡大または縮小する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、下皿内に球が貯留された状態で、例えば、遊技者の操作によって、或いは、前面枠を開放した際に隣の台に衝突することによって、下皿の側壁部材が縮小方向(前面枠へ近接する方向)へ強く押し込まれると、側壁部材と前面枠との間に球が挟み込まれて、側壁部材や前面枠の破損を招くという問題点があった。また、破損しない場合であっても、挟み込まれた球が下皿内から溢れ出して遊技場に飛散するという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、前面枠は、側壁部材に対面する領域のうちの少なくとも一部の領域をなすと共に貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成される変位壁部を備えるので、貯留領域に球が貯留された状態で、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小する方向(前面枠へ近接する方向)へ変位された場合には、その側壁部材から離間する方向へ変位壁部が変位されることで、その分、側壁部材と前面枠との間に球が挟み込まれ難くできる。その結果、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
なお、貯留部材としては、例えば、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿や、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿などが例示される。
遊技機F1において、少なくとも前記変位壁部が前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位される場合に、その変位壁部を前記貯留部材の側壁部材に近接する方向へ付勢する付勢手段を備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、少なくとも変位壁部が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位される場合に、その変位壁部を貯留部材の側壁部材に近接する方向へ付勢する付勢手段を備えるので、貯留領域に球が貯留された状態で、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小する方向(前面枠へ近接する方向)へ変位され、その側壁部材から離間する方向へ側壁部材が変位される際には、その側壁部材の変位を付勢手段の付勢力により緩衝することができる。よって、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。
遊技機F2において、前記付勢手段は、初期位置にある前記側壁部材を前記貯留部材の側壁部材に近接する方向へ付勢し、前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ前記変位壁部を変位させる力が所定の力を超えた場合に、前記変位壁部が前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位することを許容可能に形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、付勢手段は、初期位置にある側壁部材を貯留部材の側壁部材に近接する方向へ付勢し、貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位壁部を変位させる力が所定の力を超えた場合に、変位壁部が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位することを許容可能に形成されるので、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小させる方向(変位壁部へ近接する方向)へ比較的大きな力で変位される(即ち、側壁部材と変位壁部との間に球が挟まれて、破損や球の飛散を招くおそれがある)場合のみ変位壁部を変位させることができる。よって、例えば、遊技者が貯留部材の側壁部材を操作して貯留領域を縮小させた際に、変位壁部が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位されることを抑制できる。その結果、側壁部材が不必要に変位することを抑制して、貯留部材の側壁部材を操作して貯留領域を縮小させる際の遊技者の操作感の向上を図ることができる。
遊技機F2又はF3において、前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位された前記変位壁部を保持する保持手段を備えることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位された変位壁部を保持する保持手段を備えるので、変位壁部が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位された後に、付勢手段の弾性回復力により変位壁部が初期位置へ復帰(即ち、貯留部材の側壁部材へ近接する方向へ変位)して、側壁部材と前面枠との間に球が挟み込まれることを回避できる。よって、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
遊技機F4において、前記保持手段による前記変位壁部の保持は、前記貯留部材の側壁部材から離間する方向への前記変位壁部の変位が所定量を超えた場合に行われることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、保持手段による変位壁部の保持は、貯留部材の側壁部材から離間する方向への変位壁部の変位が所定量を超えた場合に行われるので、貯留部材の側壁部材から離間する方向への変位壁部の変位が比較的大きい(即ち、変位壁部が付勢手段の弾性回復力で復帰することが破損や球の飛散を招くおそれがある)場合のみ変位壁部を保持することができる。よって、貯留部材の側壁部材から離間する方向への変位壁部の変位が比較的小さい場合には、変位壁部を保持せず、付勢手段の弾性回復力により変位壁部を初期位置へ復帰させることができる。これにより、例えば、遊技者が貯留部材の側壁部材を操作して貯留領域を縮小させる場合に、変位壁部が保持手段により保持されることを回避して、かかる変位壁部を初期位置へ復帰させる操作を遊技者に行わせることを不要とできる。
遊技機F4又はF5において、前記保持手段による前記変位壁部の保持は、前記貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位されることで解除されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、保持手段による変位壁部の保持は、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位されることで解除されるので、付勢手段の弾性回復力により変位壁部が初期位置へ復帰(即ち、貯留部材の側壁部材へ近接する方向へ変位)される場合に、その変位壁部の復帰に伴い押し出された球が側壁部材と前面枠との間に挟み込まれ難くできる。よって、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
なお、保持手段による変位壁部の保持が解除されるとは、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位される操作に連動して保持手段による保持が解除されて変位壁部が初期位置へ復帰する(即ち、貯留部材の側壁部材の操作のみを要し、変位壁部の操作を要しない)ものであっても良く、或いは、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位されると、保持手段による保持が解除可能な状態となり、その保持手段の保持を解除する操作を別途行うことで変位壁部が初期位置へ復帰する(即ち、貯留部材の側壁部材の操作とは別に保持手段の保持の解除のための操作を要する)ものであっても良い。
遊技機F1において、前記前面枠の開放に伴い前記変位壁部を前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、前面枠の開放に伴い変位壁部を貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位させる変位手段を備えるので、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。即ち、前面枠が開放されると、貯留部材の側壁部材が隣の台に衝突して貯留領域の大きさを縮小させる方向(変位壁部へ近接する方向)へ変位され、側壁部材と前面枠との間に球が挟み込まれることで、側壁部材や前面枠の破損を招いたり球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散するおそれがある。これに対し、遊技機F7によれば、貯留部材の側壁部材が他の部材への衝突により変位壁部へ近接する方向へ変位されたとしても、貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位壁部を変位手段により変位させておくことができるので、側壁部材と前面枠との間に球が挟み込まれ難くすることができ、その結果、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
遊技機F7において、前記変位手段による前記変位壁部の変位は、少なくとも前記貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを最少とする位置に縮小されている場合には行われないことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、変位手段による前記変位壁部の変位は、少なくとも貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを最少とする位置に縮小されている場合には行われないので、前面枠が開放されても、貯留部材の側壁部材が他の部材に衝突するおそれ(即ち、側壁部材と変位壁部との間に球が挟まれて、破損や球の飛散を招くおそれ)がない場合には、変位壁部を変位させずに初期位置に維持できる。よって、前面枠が開放される際に側壁部材が不必要に変位することを抑制できる。
遊技機F7又はF8において、前記変位手段による前記変位壁部の変位は、少なくとも前記貯留部材の貯留領域に球が貯留されていない場合には行われないことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F7又はF8の奏する効果に加え、変位手段による前記変位壁部の変位は、少なくとも貯留部材の貯留領域に球が貯留されていない場合には行われないので、前面枠が開放された際に貯留部材の側壁部材が他の部材に衝突しても、側壁部材と変位壁部との間に球が挟まれず、破損や球の飛散を招くおそれがない場合には、変位壁部を変位させずに初期位置に維持できる。よって、前面枠が開放される際に側壁部材が不必要に変位することを抑制できる。
遊技機F7からF9のいずれかにおいて、前記前面枠が閉鎖される場合には、前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位された前記変位規制部材を前記前面枠の閉鎖と非連動として保持する保持手段を備えることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F7からF9のいずれかの奏する効果に加え、貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位された変位壁部を前面枠の閉鎖と非連動として保持する保持手段を備えるので、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。例えば、前面枠の開放に伴い変位壁部が貯留部材の側壁部材から離間する方向に変位されたとしても、前面枠の閉鎖に伴い変位壁部が貯留部材の側壁部材に近接する方向に変位されると、その変位壁部の変位により、側壁部材と変位壁部との間に球が挟み込まれ、側壁部材や前面枠の破損を招いたり球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散するおそれがある。これに対し、遊技機F10によれば、前面枠が閉鎖されても、変位壁部を、前面枠の閉鎖とは非連動として貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位された位置に保持することができる。その結果、側壁部材と前面枠との間に球が挟み込まれることを回避でき、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
遊技機F10において、前記保持手段による前記変位壁部の保持は、前記貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位されることで解除されることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F10の奏する効果に加え、保持手段による変位壁部の保持は、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位されることで解除されるので、変位壁部が初期位置へ復帰(即ち、貯留部材の側壁部材へ近接する方向へ変位)される場合に、その変位壁部の復帰に伴い押し出された球が側壁部材と前面枠との間に挟み込まれ難くできる。よって、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
なお、保持手段による変位壁部の保持が解除されるとは、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位される操作に連動して保持手段による保持が解除されて変位壁部が初期位置へ復帰する(即ち、貯留部材の側壁部材の操作のみを要し、変位壁部の操作を要しない)ものであっても良く、或いは、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを拡大する方向へ変位されると、保持手段による保持が解除可能な状態となり、その保持手段の保持を解除する操作を別途行うことで変位壁部が初期位置へ復帰する(即ち、貯留部材の側壁部材の操作とは別に保持手段の保持の解除のための操作を要する)ものであっても良い。
遊技機F1からF11のいずれかにおいて、前記貯留部材の側壁部材は、幅方向一側の側部に回転軸が設けられ、その回転軸を中心として回転することで前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されるように形成され、前記変位壁部は、前記貯留部材の側壁部材に対面する領域であって払出口を挟んで前記側壁部材の回転軸と反対側となる領域に配設されることを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、遊技機F1からF11のいずれかの奏する効果に加え、変位壁部を変位可能とするための構造の簡素化を図りつつ、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制する効果を確保できる。
ここで、変位壁部を、前面枠の貯留部材の側壁部材に対面する領域の全域にわたって形成する場合には、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小させる方向へ変位される際に押し込まれる球を受け入れる容積を確保できるので、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制しやすくできる。しかしながら、前面枠の貯留部材の側壁部材に対面する領域の全域に変位壁部を設けるためには、その領域内に配設される払出口およびその払出口へ球を流通させる通路との干渉を避ける必要があり、変位壁部を変位可能とするための構造が複雑化する。
これに対し、遊技機F12によれば、変位壁部は、貯留部材の側壁部材に対面する領域であって払出口を挟んで側壁部材の回転軸と反対側となる領域に配設されるので、払出口およびその払出口へ球を流通させる通路との干渉を避ける必要がない。よって、変位壁部を変位可能とするための構造を簡素化することができる。
一方、この場合には、変位壁部を上記領域の全域にわたって形成する場合と比較して、変位壁部の面積が小さくなるが、かかる変位壁部が側壁部材の回転軸と反対側に配設されるので、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小させる方向へ変位される際に押し込まれる球を効率的に受け入れることができる。
即ち、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小させる方向へ変位(回転)される場合、回転軸に近い側では前面枠に対する側壁部材の傾斜が比較的大きく、球を回転軸と反対側へ押し出す態様となる一方、回転軸から遠い側では前面枠に対する側壁部材の傾斜が比較的小さく、前面枠と側壁部材との間に球を挟み込みやすい。よって、変位壁部を払出口を挟んで側壁部材の回転軸と反対側となる領域に配設することが、変位壁部の面積を抑制しつつ、側壁部材により押し込まれた球をより多く受け入れることに特に有効となる。その結果、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制する効果を確保できる。
遊技機F1からF12のいずれかにおいて、前記変位壁部は、上辺側が回転可能に軸支され、その回転により下辺側が前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機F13。
遊技機F13によれば、遊技機F1からF12のいずれかの奏する効果に加え、変位壁部は、上辺側が回転可能に軸支され、その回転により下辺側が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成されるので、下辺側ほど変位壁部の変位量を大きくできる。よって、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小する方向(前面枠へ近接する方向)へ変位され、その側壁部材の変位により押し込まれた球を変位壁部の変位で受け入れる際には、球の重みを利用しつつ、下方の球ほどより多く受け入れることができるので、貯留領域に貯留される球に全体として下方への流れを形成することができる。その結果、側壁部材や前面枠が破損することを抑制できるだけでなく、球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することをより確実に抑制しやすくできる。
遊技機F1からF12のいずれかにおいて、前記変位壁部は、下辺側が回転可能に軸支され、その回転により上辺側が前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機F14。
遊技機F14によれば、遊技機F1からF12のいずれかの奏する効果に加え、変位壁部は、下辺側が回転可能に軸支され、その回転により上辺側が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成されるので、上辺側ほど変位壁部の変位量を大きくできる。よって、貯留部材の側壁部材が上下に重ね合わされた複数の分割体からなり、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小する方向(前面枠へ近接する方向)へ変位される際に、上側の分割体ほど変位量が大きく且つ上側の分割体から順に縮小方向へ変位される構造に対して特に有効となる。即ち、側壁部材の各分割体の変位により押し込まれた球を変位壁部の変位で受け入れる際には、縮小方向(押し込み方向)への変位が大きい分割体に対応する位置ほど変位壁部の変位量を大きくできると共に、先に押し込まれる球を先に受け入れることができる。その結果、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することをより確実に抑制しやすくできる。
遊技機F1からF12のいずれかにおいて、前記貯留部材の側壁部材は、幅方向一側の側部に回転軸が設けられ、その回転軸を中心として回転することで前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されるように形成され、前記変位壁部は、前記貯留部材の側壁部材の回転軸と同じ側となる一側が回転可能に軸支され、その回転により前記一側と反対側となる他側が前記貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機F15。
遊技機F15によれば、遊技機F1からF12のいずれかの奏する効果に加え、変位壁部は、貯留部材の側壁部材の回転軸と同じ側となる一側が回転可能に軸支され、その回転により一側と反対側となる他側が貯留部材の側壁部材から離間する方向へ変位可能に形成されるので、貯留部材の側壁部材の回転軸から遠い側ほど、貯留部材の側壁部材から離間する方向への変位壁部の変位量を大きくできる。即ち、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小する方向(前面枠へ近接する方向)へ変位(回転)される際には、その側壁部材の変位(回転)に対応した変位壁部の変位(回転)により球を受け入れることができる。その結果、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することをより確実に抑制しやすくできる。
遊技機F1からF15のいずれかにおいて、前記貯留部材の側壁部材は、複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ前記前面枠へ近接または離間する方向へ変位されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小され、前記分割体のそれぞれの高さ寸法が前記球の半径よりも小さくされることを特徴とする遊技機F16。
遊技機F16によれば、遊技機F1からF15のいずれかの奏する効果に加え、貯留部材の側壁部材が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ前面枠へ近接または離間する方向へ変位されることで、貯留領域の大きさが拡大または縮小される場合に、分割体のそれぞれの高さ寸法が球の半径よりも小さくされるので、貯留領域に球が貯留された状態で、貯留部材の側壁部材が貯留領域の大きさを縮小する方向(前面枠へ近接する方向)へ変位された場合には、各分割体を球の下面側に潜り込ませやすくでき、側壁部材(分割体)と前面枠との間に球を挟み込み難くできる。その結果、側壁部材や前面枠が破損することや球が貯留部材内から溢れ出して遊技場に飛散することを抑制できる。
<開放機構(操作子15001、アーム体15002、付勢ばね15003及び締結ねじ15004))を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材とを備えた遊技機において、前記貯留部材は、底壁部材と、その底壁部材から立設される側壁部材とを備え、前記側壁部材が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ前記前面枠へ近接または離間する方向へ回転されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されると共に、前記貯留領域の大きさが最大とされた状態から前記側壁部材が開放可能に形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。この場合、下皿の貯留領域を拡大するために、側壁部材を高くすると、その分、上皿との間の隙間が少なくなる。そのため、例えば、下皿内に偏って貯留された球を均して平らにする際に、遊技者の手を下皿内へ入れづらくなる。そこで、特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部材および側壁部材を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、遊技者の手を入れやすくしつつ、下皿の貯留領域を拡大または縮小する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、固定側の底壁部材とスライド側の底壁部材との重なり部分には球抜き穴を配置することができず、その配置の自由度が低下する。
本願出願人は、鋭意検討した結果、側壁部材を上下に重ね合わせた複数の分割体から形成し、それら複数の分割体を遊技者の操作により前面枠へ近接または離間する方向へ回転させることで、貯留領域の大きさを拡大または縮小する構造に想到した(本出願時において未公知)。この構造によれば、貯留領域の拡大または縮小のために変位する部位(分割体)と底壁部材との重なり代が形成されないので、底壁部材の任意の位置に球抜き穴を配置することができ、その配置の自由度を確保できる。しかしながら、上下に重ね合わせた複数の分割体から側壁部材を形成する構造では、分割体どうしの重ね合わせ部分に埃や異物などが溜まりやすい一方で、掃除を行う際の作業スペースを十分に確保することができず、衛生管理が困難であるという問題点が本願発明者によって見いだされた。
これに対し、遊技機G1によれば、貯留領域の大きさが最大とされた状態から側壁部材が開放可能に形成されるので、かかる開放により形成される空間を、掃除を行う際の作業スペースとして利用することができ、その分、衛生管理を行いやすくすることができる。
遊技機G1において、前記側壁部材は、前記複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能に形成されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、側壁部材は、複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能に形成されるので、衛生管理をより行いやすくすることができる。即ち、上下に重ね合わせた複数の分割体から側壁部材を形成する構造では、分割体どうしの重ね合わせ部分に埃や異物などが溜まりやすいところ、側壁部材の開放により掃除を行う際の作業スペースが確保されとしても、分割体どうしの合せ面の間を掃除することは困難である。これに対し、遊技機G2によれば、複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能に形成されるので、各分割体をそれぞれ1個ずつ掃除することができ、その分割体の合せ面となる部分を容易に掃除できる。
遊技機G2において、前記分割体は、上下に重ね合わされる分割体の一方の合せ面に凸部が形成されると共に他方の合せ面に前記凸部を受け入れる凹部が形成され、前記貯留領域の拡大時には前記凸部が前記凹部の一側の内壁に当接されると共に前記貯留領域の縮小時には前記凸部が前記凹部の他側の内壁に当接されることで、前記上下に重ね合わされる分割体の相対変位を規制可能に形成され、前記側壁部材が開放される際には、前記上下に重ね合わされる分割体の前記凸部および凹部の当接による相対変位の規制を解除可能に形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、上下に重ね合わされる分割体には、一方の合せ面に凸部が形成されると共に他方の合せ面に凹部が形成され、貯留領域の拡大時には凸部が前記凹部の一側の内壁に当接されると共に貯留領域の縮小時には凸部が凹部の他側の内壁に当接されることで、上下に重ね合わされる分割体の相対変位を規制可能に形成されるので、各分割体どうしの相対位置を規定することができる。各分割体は、重なり合う分割体に対して、凸部と凹部の内壁とが係合されるので、貯留領域が拡大された状態および縮小された状態において、側壁部材(重なり合わされた分割体)全体としての剛性を確保でき、球の重量により撓むことを抑制できる。また、凸部と凹部とは、上下に重ね合わされる分割体の合せ面にそれぞれ形成される。即ち、デッドスペースとなる合せ面を利用して凸部および凹部を配設するので、その分、側壁部材(分割体)を小型化して、貯留領域の容量を確保できる。
この場合、側壁部材が開放される際には、上下に重ね合わされる分割体の凸部および凹部の当接による相対変位の規制を解除可能に形成されるので、各分割体をそれぞれ1個ずつ掃除することを容易とすることができる。
遊技機G3において、前記側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体どうしの合せ面の間に治具が挿入可能に形成され、前記治具の挿入により、前記凸部および凹部の当接による相対変位の規制が解除され、前記複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能とされることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体どうしの合せ面の間に治具が挿入可能に形成され、かかる治具の挿入により、凸部および凹部の当接による相対変位の規制が解除され、複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能とされるので、各分割体をそれぞれ1個ずつ掃除可能な状態を容易に形成することができる。
遊技機G4において、前記側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体の側面に形成されて治具を受け入れる受入部を備え、その受入部は、受け入れた治具を前記複数の分割体どうしの合せ面の間に案内可能に形成されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体の側面に形成されて治具を受け入れる受入部を備え、その受入部は、受け入れた治具を複数の分割体どうしの合せ面の間に案内可能に形成されるので、治具を挿入する作業の作業性の向上を図ることができる。その結果、各分割体をそれぞれ1個ずつ掃除可能な状態を容易に形成することができる。
遊技機G3において、前記側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体どうしの合せ面の間に弾性的に変形された状態で配設される弾性体を備え、前記側壁部材が開放された場合には、前記弾性体の弾性回復力により前記凸部および凹部の当接による相対変位の規制が解除され、前記複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能とされることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体どうしの合せ面の間に弾性体が弾性的に変形された状態で配設され、側壁部材が開放された場合には、弾性体の弾性回復力により凸部および凹部の当接による相対変位の規制が解除され、複数の分割体のそれぞれが独立して開放可能とされるので、各分割体をそれぞれ1個ずつ掃除可能な状態を容易に形成することができる。
なお、弾性体としては、例えば、コイルスプリングや板ばねに代表される弾性ばねやゴムやウレタンに代表される弾性エラストマーなどが例示される。
遊技機G6において、前記側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体どうしの合せ面の間に弾性的に変形された状態で配設される第2弾性体を備え、前記側壁部材が開放された場合には、前記第2弾性体の弾性回復力により前記複数の分割体どうしが相対回転されることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、前記側壁部材は、上下に重ね合わされた複数の分割体どうしの合せ面の間に弾性的に変形された状態で配設される第2弾性体を備え、側壁部材が開放された場合には、第2弾性体の弾性回復力により複数の分割体どうしが相対回転されるので、独立して開放された各分割体の位相(回転位置)をそれぞれ異ならせることができる。その結果、各分割体をそれぞれ1個ずつ掃除可能な状態をより容易に形成することができる。
なお、遊技機G6記載の弾性体と遊技機G7記載の第2弾性体とは、別部品であっても良く、或いは、1の部品が両者(弾性体および第2弾性体)を兼用するものであっても良い。例えば、後者の例としては、軸方向に弾性変形可能なねじりばねや弾性エラストマーを分割体どうしの合せ面の間に軸方向および回転方向のそれぞれに弾性的に変形させた状態で配設するものが例示される。
遊技機G1からG7のいずれかにおいて、前記貯留領域の大きさが最大とされた状態から前記側壁部材が開放されることを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G1からG7のいずれかの奏する効果に加え、貯留領域の大きさが最大とされた状態から側壁部材が開放されることを規制する規制手段を備えるので、側壁部材が遊技者によって不用意に開放されることを抑制できる。その結果、例えば、貯留部材に球が貯留された状態で、側壁部材が開放されて球が遊技場に散乱することを回避できる。
遊技機G8において、前記規制手段は、前記前面枠を開放した場合に操作可能な位置に配設されることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、規制手段は、前面枠を開放した場合に操作可能な位置に配設されるので、側壁部材が遊技者によって不用意に開放されることをより確実に抑制できる。
遊技機G8において、前記規制手段による前記側壁部材の開放の規制は、前記前面枠の開放に伴い解除されることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、規制手段による側壁部材の開放の規制は、前面枠の開放に伴い解除されるので、遊技者による不用意な側壁部材の開放を抑制しつつ、側壁部材を開放する作業者の作業性の向上を図ることができる。即ち、遊技者が不用意に側壁部材を開放できない構造が必要とされる一方で、例えば、前面枠を開放する操作を行った上で、更に、規制手段を解除する操作を行う構造では、作業者に二段階の操作を要求することとなりその負担が増大する。これに対し、遊技機G10によれば、前面枠を開放する操作に、規制手段の規制を解除する操作も兼用させることができ、規制手段を解除する操作を別途行うことを不要とできる。その結果、遊技者による不用意な側壁部材の開放を抑制しつつ、側壁部材を開放する作業者の作業性の向上を図ることができる。
遊技機G8において、前記前面枠を施錠する施錠手段を備え、前記規制手段による前記側壁部材の開放の規制は、前記施錠手段を開錠することに伴い解除されることを特徴とする遊技機G11。
遊技機G11によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、前面枠を施錠する施錠手段を備え、規制手段による側壁部材の開放の規制は、施錠手段を開錠することに伴い解除されるので、遊技者による不用意な側壁部材の開放を抑制しつつ、側壁部材を開放する作業者の作業性の向上を図ることができる。即ち、遊技者が不用意に側壁部材を開放できない構造が必要とされる一方で、例えば、前面枠を開放する操作を行った上で、更に、規制手段を解除する操作を行う構造では、作業者に二段階の操作を要求することとなりその負担が増大する。これに対し、遊技機G11によれば、施錠手段を開錠する操作に、規制手段の規制を解除する操作も兼用させることができ、規制手段を解除する操作を別途行うことを不要とできる。その結果、遊技者による不用意な側壁部材の開放を抑制しつつ、側壁部材を開放する作業者の作業性の向上を図ることができる。
ここで、前面枠を開放する操作に、規制手段の規制を解除する操作も兼用させる場合には、規制手段を解除する操作を別途行うことを不要とできるが、一方で、前面枠を開放した上で、側壁部材を更に開放すると、かかる側壁部材が他の部材(例えば、隣の遊技機)に当たったり、或いは、開放した側壁部材が通路側に張り出して、作業者の立ち位置が限定されることで、作業性が悪くなるおそれがある。
これに対し、遊技機G11によれば、規制手段の規制を解除するために必要な操作として、施錠手段を開錠すれば良く、前面枠を開放する操作を不要とできるという点で作業性の向上を図ることができるだけでなく、側壁部材を開放する際にかかる側壁部材が他の部材(例えば、隣の遊技機)に当たらないように、一端開放した前面枠を閉じる操作を行う必要がないので、その点においても、作業性の向上を図ることができる。
遊技機G8からG11のいずれかにおいて、開放された前記側壁部材が少なくとも前記貯留領域の大きさが最大とされる位置まで復帰されることで、前記規制手段による規制が行われることを特徴とする遊技機G12。
遊技機G12によれば、遊技機G8からG11の奏する効果に加え、開放された側壁部材が少なくとも前記貯留領域の大きさが最大とされる位置まで復帰されることで、規制手段による規制が行われる、即ち、側壁部材の掃除を終えた後は、側壁部材を押し戻す操作を行うだけで良く、例えば、規制手段を規制状態とするための操作を別途行う必要がないので、側壁部材の開放が規制された状態への復帰の操作を簡素化することができる。
遊技機G1からG12のいずれかにおいて、前記側壁部材は、前記上下に重ね合わされる分割体の合せ面の一方に配設され前記貯留領域の大きさを拡大または縮小させる方向に前記分割体が変位される際に前記合せ面の他方に対して摺動する摺動体を備えることを特徴とする遊技機G13。
遊技機G13によれば、遊技機G1からG12のいずれかの奏する効果に加え、側壁部材は、上下に重ね合わされる分割体の合せ面の一方に配設され貯留領域の大きさを拡大または縮小する方向に分割体が変位される際に合せ面の他方に対して摺動する摺動体を備えるので、側壁部材(各分割体)を変位させて貯留領域の大きさを拡大または縮小する遊技者による操作を利用して、合せ面の他方を摺動体の摺動により掃除することができる。その結果、作業者による掃除の頻度を低減することができる。
なお、摺動体が配設される上記合せ面の一方は分割体の下面に、摺動体が摺動される上記合せ面の他方は分割体の上面に、それぞれ設定されることが好ましい。これにより、摺動体を遊技者から視認され難くしつつ、合せ面のうちの遊技者から視認される面を摺動体の摺動により掃除できるからである。また、摺動体としては、例えば、布やスポンジ、或いは、複数の細線体からなるブラシなどが例示される。
遊技機G1からG13のいずれかにおいて、前記側壁部材は、前記貯留領域の大きさを拡大または縮小させる方向に前記分割体が変位されることで前記分割体どうしの合せ面の間から異物を排出する排出手段を備えることを特徴とする遊技機G14。
遊技機G14によれば、遊技機G1からG13のいずれかの奏する効果に加え、側壁部材は、貯留領域の大きさを拡大または縮小させる方向に分割体が変位されることで分割体どうしの合せ面の間から異物を排出する排出手段を備えるので、側壁部材(各分割体)を変位させて貯留領域の大きさを拡大または縮小する遊技者による操作を利用して、各分割体どうしの合せ面の掃除を行うことができる。その結果、作業者による掃除の頻度を低減することができる。
特に、遊技機G14によれば、分割体どうしの合せ面の間から異物を排出手段により排出できるので、上下に重ね合わされる分割体の一方の合せ面に凸部が形成されると共に他方の合せ面に凸部を受け入れる凹部が形成され、貯留領域の拡大時には凸部が凹部の一側の内壁に当接されると共に貯留領域の縮小時には凸部が凹部の他側の内壁に当接されることで、上下に重ね合わされる分割体の相対変位を規制可能に形成される場合には、これら凸部と凹部の内壁との間に異物が噛み込まれることを抑制できる。即ち、凸部と凹部の内壁とを直接当接させて、適切な拡大または縮小の状態を形成できる。
<延長迂回路21100を一例とする発明の概念について>
開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材と、その貯留部材の貯留領域へ球を流入させる流入口とを備えた遊技機において、前記前面枠の前面に形成されると共に前記流入口側の一端から他端へ向けて球を送球可能な通路として延設される迂回路を備え、前記貯留部材は、底壁部材と、その底壁部材から立設される側壁部材とを備えると共に、前記側壁部材は、前記球を送球可能な通路として形成される第2迂回路を備えることを特徴とする遊技機H1。
ここで、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠に配設され、遊技領域へ発射する球を貯留する上皿と、その上皿の下方に配設され、上皿に入りきらない球を受け入れる下皿とを備える遊技機が知られている。特開2007−136095号公報には、下皿の底壁部材および側壁部材を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、下皿の貯留領域を拡大する構造が開示される。しかしながら、上述の遊技機では、下皿の貯留領域の一部(例えば、下皿へ球を流入させる流入口の近傍)に球が偏りやすく、拡大された下皿の貯留領域の全体に均一に球を分散させることが困難であった。
本願出願人は、鋭意検討した結果、流入口側の一端から他端へ向けて球を送球可能な通路として延設される迂回路を前面枠の前面に設けることで、例えば、流入口から流入した球がその流入口の近傍に偏って貯留されて山が形成される場合には、迂回路を利用して山から離れた領域へ球を迂回させ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくする構造に想到した(本出願時において未公知)。しかしながら、かかる迂回路は、前面枠の前面側において球を迂回させるものであるため、貯留領域における一方(前面枠の前面側)の空間に球が集中しやすく、貯留領域における他方(前面枠の前面と反対側、即ち、側壁部材側)の空間が有効に活用されていないという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、側壁部材が球を送球可能な通路として形成される第2迂回路を備えるので、例えば、流入口から貯留領域へ流入した球がその流入口の近傍に偏って貯留され山が形成される場合に、第2迂回路によって山から離れた領域へ球を送る(迂回させる)ことができ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。即ち、側壁部材が第2迂回路を備えることで、貯留領域における他方(前面枠の前面と反対側、即ち、側壁部材側)の空間を有効に活用できる。
遊技機H1において、前記貯留部材は、前記側壁部材が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ位相を異ならせつつ前記前面枠へ近接または離間する方向へ変位されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されると共に、前記貯留領域の大きさが拡大された状態では、前記複数の分割体が位相を異ならせて配設され、それら複数の分割体のうちの少なくとも1の分割体の上面が前記第2迂回路とされることを特徴とする遊技機H2。
ここで、例えば、底壁部材および側壁部材を遊技者の操作により前後にスライド変位させることで、貯留領域を拡大または縮小する構造では、固定側の底壁部材とスライド側の底壁部材との重なり部分には球抜き穴を配置することができず、その配置の自由度が低下する。これに対し、遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、側壁部材が上下に重ね合わせた複数の分割体から形成され、それら複数の分割体がそれぞれ位相を異ならせつつ前面枠へ近接または離間する方向へ変位されることで、貯留領域の大きさを拡大または縮小することができる。即ち、貯留領域の拡大または縮小のために変位する部位(分割体)と底壁部材との重なり代が形成されないので、底壁部材の任意の位置に球抜き穴を配置することができ、その配置の自由度を確保できる。
この場合、遊技機H2によれば、貯留領域の大きさが拡大された状態では、複数の分割体が位相を異ならせて配設され(即ち、階段形状を形成し)、それら複数の分割体のうちの少なくとも1の分割体の上面が第2迂回路とされる(階段形状の少なくとも1の段の上面が第2迂回路を形成する)ので、側壁部材自体の形状を利用して第2迂回路を形成することができ、他の部材を別途設けることを不要とできる。よって、その分、製品コストを削減できる。
遊技機H2において、前記複数の分割体は、その上面が前記前面枠の正面視における幅方向一側または他側へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、複数の分割体は、その上面が前面枠の正面視における幅方向一側または他側へ向けて下降傾斜されるので、例えば、前面枠の前面に形成される迂回路から送球され或いは貯留領域に形成された山から流入されて、分割体の上面に載った球をその上面の下降傾斜に沿って転動させることができ、その結果、第2迂回路としての機能を確実に発揮させることができる。
なお、分割体は、その上面の全体が下降傾斜されている必要はなく、上面の一部のみであっても良い。また、下降傾斜の方向は一方向のみである必要はなく、例えば、上面の所定の一カ所から正面視一側および他側へ向けてそれぞれ下降傾斜されていても良く(即ち、所定の一カ所が高くされる)、或いは、上面の一カ所へ向けて正面視一側または他側から下降傾斜されていても良い(即ち、所定の一カ所が低くされる)。
遊技機H3において、前記前面枠の前面に配設されると共に遊技者が球の発射状態を変更するために操作するハンドル装置を備え、前記複数の分割体は、前記ハンドル装置から離間する側となる前記幅方向一側へ向けて上面が下降傾斜されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、複数の分割体は、ハンドル装置から離間する側となる正面視一側へ向けて上面が下降傾斜されるので、その下降傾斜により第2迂回路としての機能を確保しつつ、正面視一側(即ち、ハンドル装置と反対側)から貯留部材の貯留領域内へ遊技者の手(例えば、右手でハンドル装置を操作する場合に左手)を入れやすくすることができる。
遊技機H3において、前記流入口が前記幅方向一側へ偏って配設され、前記複数の分割体は、前記幅方向他側へ向けて上面が下降傾斜されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、流入口が幅方向一側へ偏って配設され、複数の分割体は、幅方向他側(即ち、流入口から離間する側)へ向けて上面が下降傾斜されるので、、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。即ち、流入口から貯留領域へ流入されると、その流入口の近傍に偏って球が貯留され山が形成されるところ、第2迂回路となる分割体の上面が幅方向他側に下降傾斜されていることで、山(即ち、流入口)から離れた領域へ球を第2迂回路によって送る(迂回させる)ことができ、その結果、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機H2からH5のいずれかにおいて、前記複数の分割体は、その上面が前記前面枠から離間する方向へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H2からH5のいずれかの奏する効果に加え、複数の分割体は、その上面が前面枠から離間する方向へ向けて下降傾斜されるので、貯留領域の大きさが拡大され、複数の分割体が位相を異ならせて配設される(即ち、階段形状が形成される)と共に、それら複数の分割体のうちの少なくとも1の分割体の上面が第2迂回路とされ(階段形状の少なくとも1の段の上面が第2迂回路とされ)、その上面を球が転動される場合に、かかる球を階段形状の側面に当接させつつ転動させることができる。よって、第2迂回路から球が脱落することを抑制でき、所望の位置まで確実に送る(迂回させる)ことができる。
遊技機H6において、前記複数の分割体は、その上面のうちの前記第2経路の終端側となる一部が前記貯留領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、複数の分割体は、その上面のうちの第2経路の終端側となる一部が貯留領域へ向けて下降傾斜されるので、第2迂回路の終端側から貯留領域へスムーズに球を送り出すことができる。その結果、貯留領域へ送り出す際の球の初速を速くできるので、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。
遊技機H2からH5のいずれかにおいて、前記複数の分割体は、その上面に凹設されると共に前記第2迂回路の迂回方向に沿って延設される凹溝を備えることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H2からH5のいずれかの奏する効果に加え、複数の分割体は、その上面に凹設されると共に第2迂回路の迂回方向に沿って延設される凹溝を備えるので、かかる凹溝に沿って球が転動することで、第2迂回路から球が脱落することを抑制でき、所望の位置まで確実に送る(迂回させる)ことができる。
特に、球の脱落を防止する機構が凹溝として形成されるので、複数の分割体の上下方向(厚み方向)のデッドスペースを利用して設けることができる。よって、側壁部材(分割体)を小型化して、その分、貯留領域の容量を確保できる。また、球の脱落を防止する機構を設けた場合であっても、かかる機構が凹溝であれば、分割体どうしの合せ面から凹む形状であるので、複数の分割体をそれぞれ位相を異ならせつつ前面枠へ近接または離間する方向へ変位可能とする構造が複雑化することを回避できる。
なお、凹溝の断面形状は限定されず、例えば、断面コ字状、断面V字状、断面円弧状などが例示される。また、いずれの断面形状においても、溝の幅寸法は限定されず、球の直径より大きくても良く、球の直径より小さくても良い。
遊技機H8において、前記凹溝は、前記分割体の上面と交わる部分である一対の稜線で球を支持可能な深さに形成されると共に前記一対の稜線の間隔が前記第2迂回路の迂回方向に進行するに従って漸増されることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H8の奏する効果に加え、凹溝は、分割体の上面と交わる一対の稜線で球を支持可能な深さに形成されると共に一対の稜線の間隔が第2迂回路の迂回方向に進行するに従って漸増されるので、一対の稜線で支持された球を第2迂回路の迂回方向へ向けて転動させることができる。その結果、前面枠の正面視における幅方向一側または他側へ向けて分割体の上面を下降傾斜させることを不要とできる、或いは、下降傾斜の角度を緩やかとできるので、複数の分割体をそれぞれ位相を異ならせつつ前面枠へ近接または離間する方向へ変位可能とする構造が複雑化することを回避できる。
遊技機H1からH9において、前記迂回路から第2迂回路へ球を送球する送球手段を備えることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H1からH9の奏する効果に加え、前記迂回路から第2迂回路へ球を送球する送球手段を備えるので、例えば、貯留領域に貯留された球を第2迂回路により迂回させるのみの場合と比較して、第2迂回路をより有効に活用することができ、貯留領域の全体に均一に球を分散させやすくすることができる。即ち、第2迂回路の活用により、貯留領域における他方(前面枠の前面と反対側、即ち、側壁部材側)の空間をより有効に活用できる。
遊技機A1からA14,B1からB9,C1からC7、D1からD5、E1〜E6、F1からF16、G1からG16及びH1からH10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB9,C1からC7、D1からD5、E1〜E6、F1からF16、G1からG16及びH1からH10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB9,C1からC7、D1からD5、E1〜E6、F1からF16、G1からG16及びH1からH10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、開閉可能に形成される前面枠と、その前面枠の前面に配設されると共に球を貯留するための貯留領域を形成する貯留部材と、その貯留部材の貯留領域へ球を流入させる流入口とを備えるものであり、前記前面枠の前面に形成されると共に前記流入口側の一端から他端へ向けて球を送球可能な通路として延設される迂回路を備え、前記貯留部材は、底壁部材と、その底壁部材から立設される側壁部材とを備えると共に、前記側壁部材は、前記球を送球可能な通路として形成される第2迂回路を備える。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記貯留部材は、前記側壁部材が複数の分割体を上下に重ね合わせて形成され、それら複数の分割体がそれぞれ位相を異ならせつつ前記前面枠へ近接または離間する方向へ変位されることで、前記貯留領域の大きさが拡大または縮小されると共に、前記貯留領域の大きさが拡大された状態では、前記複数の分割体が位相を異ならせて配設され、それら複数の分割体のうちの少なくとも1の分割体の上面が前記第2迂回路とされる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記複数の分割体は、その上面が前記前面枠の正面視における幅方向一側または他側へ向けて下降傾斜される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、貯留部材の貯留領域を有効に活用できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、製品コストを削減できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、球を転動させることができる。