[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機10(本発明の「遊技機」に相当する)を図1〜図16に基づいて説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10は、前面が前面枠10Zに覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能となっている。
ガラス窓10Wの下方には、上皿26と下皿27とが上下2段に並べて配置されている。パチンコ遊技機10の前面に向かって上皿26の右側方には、上皿26に貯留された遊技球を下皿27に排出する球抜きボタン26Aが備えられている。下皿27の右側方には、図示しない、所謂、ドル箱に遊技球を排出する球排出ボタン27Aが備えられると共に、球貸し状態表示モニタ27B及び球貸し操作ボタン27Cが備えられている。また、パチンコ遊技機10の前面のうち、右下角部には操作ノブ28Bが備えられていて、この操作ノブ28Bを操作すると、上皿26に貯留された遊技球が、順次、遊技領域R1へと弾き出される。
遊技領域R1には、始動入賞口14A,14B、大入賞口15等の各種入賞口が配置されている。遊技領域R1を流下した遊技球が始動入賞口14A,14Bの何れかに入球すると当否判定が行われ、その当否判定結果が当りになると、複数ラウンドに亘って所定期間(例えば、10秒)、大入賞口15に遊技球が入賞可能となり、これにより大入賞口15に多くの遊技球が入球する。これら入賞口14A,14B,15等に遊技球が入球すると、パチンコ遊技機10の裏側に備えられた本発明の払出装置50から所定数(例えば、1球入球に付き、始動入賞口14A,14Bでは4個、大入賞口15で10個)の遊技球が上皿26に払い出される。
ここで、この種のパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10が設置された遊技ホールの遊技球循環システムから各パチンコ遊技機10に遊技球が供給されていて、その遊技球が球貸し操作ボタン27Cの操作や入賞口14A,14B,15等への入賞に応じて後述する払出装置50により上皿26へ払い出される構成になっている。なお、各種入賞口14A,14B,15等の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口16に取り込まれ、遊技板11の下方に備えられた図示しないダクトからこの遊技球循環システムに送られる。
以下に、遊技球循環システムから供給された遊技球の払い出しに関する構成を説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の裏側には、遊技球循環システムから供給された遊技球が通過可能な傾斜樋30と誘導樋40とが備えられている。傾斜樋30は、パチンコ遊技機10の上辺部に配置され、右下がりに緩やかに傾斜して延びている。誘導樋40は、パチンコ遊技機10の右側辺部に配置されて上下方向に延び、その下端部に払出装置50が配置されている。以下、各部位について詳説する。なお、以下の説明においては、特記しない限り、「右側」とは、パチンコ遊技機10を裏側から見たときの「右側」をいい、その反対を「左側」ということとする。
傾斜樋30は、遊技球循環システムの排出口から供給される遊技球を受け止める球受部31と、球受部31内の遊技球を誘導樋40へ導入する導入部32と、を備えている。図2及び図3に示すように、球受部31は、平面形状が略四角形の上面開放のタンク構造をなし、内部に遊技球を複数列複数段又はランダム複数段、収容可能な大きさになっている。導入部32は、球受部31の右方下端部の後端部から右方へ延びていて、幅が徐々に狭くなるとともに、途中から天井壁32Tが設けられていて、遊技球群を1列1段に整列した状態で誘導樋40へ導入する。
誘導樋40は、パチンコ遊技機10の右側辺部に配置されたケース体40K(図2参照)及び払出装置50の内部に形成されている。図4に示すように、誘導樋40は、遊技球の直径より僅かに大きくかつ一定の幅の1列構造の流路となっていて、ケース体40Kの上端部側から順に配された第1〜第4の流路41〜44と、払出装置50内の装置内流路50Rとから構成されている。
図5に示すように、第1流路41は、傾斜樋30における導入部32の終端部から下方へ鉛直に延び、そこから第2流路42が左側方に屈曲して延びている。第2流路42は、ケース体40Kの左側辺部まで延び、第3流路43に連絡している。第3流路43は、第1流路41よりも僅かに短い長さで鉛直下方へ延びていて、図6に示すように、下端寄り位置で水平方向前方へ屈曲している。図5に示すように、第4流路44は、第3流路43の下端から右方へ大きく屈曲して第1流路41の延長線上に相当する位置まで延びてから、払出装置50の導入口まで鉛直下方に延びている。
同図に示すように、第1流路41の上端部付近には、第1検出部61が備えられている。第1検出部61は、第1流路41の上端部左方に配された支持部61Sの一端部に直動片61Hを直動可能に支持してなる。直動片61Hは台形状になっていて、直動片61Hから側方に突出した楔状の一端部が押圧部61Aになっている一方、他端部が検知部61Bになっている。そして、直動片61Hは、押圧部61Aの先端部が第1流路41内に突出するように一端側に付勢され、第1流路41を遊技球が通過すると、押圧部61Aが押されて第1流路41から退避する。これにより、検知部61Bが図示しないセンサに検出され、第1流路41内の遊技球の有無が検出される。
また、第3流路43には、第2検出部62が備えられている。第2検出部62は、第3流路43内の遊技球の有無を検出し、後述するステッピングモータ51に伝達する。この第2検出部62については、後に詳細を説明する。
図8には、遊技球の払い出しを行う払出装置50が表されている。図9に示すように、払出装置50は、装置内流路50Rが形成された装置本体50Aと、装置本体50Aの後方(図9における手前側)に重ねられる内カバー50B及び外カバー50Cとを有し、装置本体50Aと内カバー50Bとの間に、スクリュー52と、スクリュー52を駆動するステッピングモータ51(本発明の「払出制御部」に相当する)と、第1及び第2の可動部材57,58とが備えられ、内カバー50Bと外カバー50Cとの間に第1及び第2の可動部材57,58と係合可能な係合レバー59が備えられている。
図11に示すように、装置本体50Aの装置内流路50Rは、全体に亘って1列構造をなし、第4流路44(図5参照)の下端から鉛直下方に延びた直線部53と、直線部53の下端部から左方に屈曲した屈曲部54と、屈曲部54の下端部から僅かに左方へ寄りながら下方へ延びた(つまり、左下がりに傾斜して延びた)払出通路55と、を有している。
装置本体50Aにおける装置内流路50Rを構成する流路側壁53A,53Bのうち、左側の流路側壁53Aには、払出通路55の上端部付近に遊技球2〜3球分の第1貫通孔54Lが形成されている。この第1貫通孔54Lに、上述したスクリュー52が配されている。スクリュー52は円柱状をなし、その中心軸52Jが払出通路55の傾斜に沿って斜めに配置されている。また、スクリュー52には、外周面から側方に張り出した螺旋状突壁52Rが備えられ、螺旋状突壁52Rが第1貫通孔54Lから装置内流路50R内に突出して遊技球の通過を規制している。この螺旋状突壁52Rの外周面からの張り出し量は、上端部から下端部に近づくにつれて徐々に大きくなっている。
スクリュー52の上方には、ステッピングモータ51が配置されている。ステッピングモータ51は、円柱状のモータ本体51Aの左端部に、接続端子等を備えた角柱状の制御部51Bを設けた構造になっていて(図9参照)、その回動軸51Jがスクリュー52の中心軸52Jと同軸になるように配置されている。そして、出力シャフト51Sがスクリュー52に係合して、スクリュー52を回転駆動可能となっている。なお、図9に示すように、ステッピングモータ51の下端部には、前後方向に延びた2枚の当接板51T,51Tが設けられている。
図11に示すように、装置本体50Aの右側の流路側壁53Bには、払出通路55の上端部から下端部寄り位置にかけて遊技球5〜7球分の第2貫通孔54Mが形成されている。この第2貫通孔54Mに上述した第1及び第2の可動部材57,58が上下に並んで配されている。上側の第1可動部材57は、第2貫通孔54Mの上側の開口縁寄り位置に回動軸57Aを有し、その回動軸57Aから下方へ広がった形状をしている。詳細には、第1可動部材57は、スクリュー52の中心軸52Jに沿って傾斜した左側面57Hを有する三角形柱の右側面57Kの上端部に半円状の突出部を有する形状で、その突出部に回動軸57Aが配されている。また、右側面57Kと下側面57Gとの間には、図11に示される状態において鉛直方向に延びた係合当接面57Tが形成されている。
下側の第2可動部材58は、第2貫通孔54Mの下側の開口縁寄り位置に回動軸58Aを有し、その回動軸58Aから上方へ先細りしながら延びたブロック体58Bを備えている。ブロック体58Bの左側面58Hは、略平坦となっていて、第1可動部材57の左側面57Hの延長線上より僅かに右方に寄った位置で、第1可動部材57の左側面57Hと略平行に延びている。なお、第1可動部材57には、第2可動部材58の上端部を受容する凹部57Uが形成されている。
また、第2可動部材58の後端部(図11における手前側)には、ブロック体58Bと一体に形成され、回動軸58Aから右方へ延びた長円板58Cが設けられている。この長円板58Cのうち回動軸58Aと反対側の端部には、後方へ突出した係合突部58Tが形成されている。
また、装置本体50Aには、装置内流路50Rの中間位置から分岐した球抜通路50Tが設けられている。球抜通路50Tは、右側の流路側壁53Bの第2貫通孔54Mから右下方へ延びていて、通常時はその入口が第1及び第2の可動部材57,58により閉塞されている。この球抜通路50Tは、パチンコ遊技機10の外部まで続いている。
図9及び図10に示すように、装置本体50Aには、内部にスクリュー52、ステッピングモータ51、第1及び第2の可動部材57,58が収容された状態で、内カバー50Bが装着されている。内カバー50Bは、装置本体50Aの外形と略同形状の平板の周囲に突壁が形成された構成となっている。内カバー50Bと装置本体50Aとは、装置本体50Aの外側壁と内カバー50Bの突壁とを突合せた状態で図示しないネジにより螺合されている。また、内カバー50Bの左部には、ステッピングモータ51及びスクリュー52を受容するために後方(図9における手前側)に膨出した膨出受容部50G,50Hが形成されている。
内カバー50Bの右下部には扇形状の貫通孔50Mが形成されていて、上述した第2可動部材58が、ブロック体58Bが内カバー50Bの前方に位置し、長円板58Cが内カバー50Bの後方に位置するようにこの貫通孔50Mを貫通し配されている。また、内カバー50Bの右辺部には、後述する係合レバー59の係合バー59Bを受容する長孔50Nが形成されている。
図9に示すように、内カバー50Bの後方(図9における手前側)には、係合レバー59が配されている。係合レバー59は縦長の平板状をなし、上端位置と下端位置との間を上下動可能になっている。係合レバー59の表側(図9における奥側)のうち上下方向の中間位置には右辺寄り位置に、前方(図9における奥側)に突出した係合バー59Bが形成されている。係合バー59Bの断面形状は縦長の長方形の上端に右方へ突出した突部を有する形状で、その左側面は平坦当接面59Hとなっている(図13参照)。この平坦当接面59Hは第1可動部材57の係合当接面57Tと係合可能となっている(図11参照)。また、係合レバー59の下端部には、貫通孔59Aが設けられている。この貫通孔59Aは、左右方向に延びた長孔の左端と上下方向に延びた長孔の上端とを合わせた形状をしていて、この貫通孔59A内に第2可動部材58の係合突部58Tが受容されている。なお、係合レバー59の裏面(図9における手前側の面)には、つまみ59Tが形成されている。
係合レバー59は、通常時は、図11に示す下端位置に配されている。このとき、第1可動部材57の係合当接面57Tが係合レバー59の係合バー59Bと当接し、第1可動部材57の右方への回動が規制されると共に、第2可動部材58の係合突部58Tが係合レバー59の貫通孔59Aの右上端部に位置し、第2可動部材58が起立した状態に保持される。以降、係合レバー59が下端位置に位置しているときの第1及び第2の可動部材57,58の状態を「通常状態」という。
係合レバー59は、図14に示す上端位置までスライド可能になっている。係合レバー59を下端位置から上方へ移動させると、貫通孔59Aの開口縁に押圧されて第2可動部材58の係合突部58Tが上昇し、第2可動部材58が左方へ回動すると共に、係合バー59Bと第1可動部材57の係合当接面57Tとの係合が解除され、第1可動部材57が回動可能になる。なお、係合レバー59が上端位置に到達すると、第2可動部材58の係合突部58Tが貫通孔59Aの左下端部に位置し、第2可動部材58が位置決めされる。以降、係合レバー59が上端位置に位置しているときの第1及び第2の可動部材57,58の状態を「解除状態」という。
図9に示すように、外カバー50Cは、装置本体50Aの外形よりも一回り大きい形状の平板の左右の両側辺から前方(図9における奥側)に張出壁50D,50Dが張り出してなり、装置本体50Aに重ねられたときに、張出壁50D,50D間に装置本体50Aが収容される。この状態で内カバー50Bと外カバー50Cとを螺合することにより、装置本体50A、内カバー50B及び外カバー50Cが一体に固定される。なお、外カバー50Cには、係合レバー59のつまみ59Tを露出させる貫通孔50Kが形成されている。また、内カバー50Bと外カバー50Cとには、出力シャフト51Sの後方に相当する位置に貫通孔50Vが形成されていて、その貫通孔50Vにネジを螺合することで、スクリュー52の前後方向の位置を微調整することが可能となっている。また、内カバー50Bと外カバー50Cとには、貫通孔50Wが形成されていて、この貫通孔50Wにステッピングモータ51の当接板51T,51Tが受容されることで、ステッピングモータ51が払出装置50に固定される。
ここで、パチンコ遊技機10の遊技中又は待機中は、払出装置50における第1及び第2の可動部材57,58は通常状態になっている。払出装置50は、この通常状態において、遊技球の堰き止め及び払い出しが可能になる。詳細には、図16に示すように、スクリュー52の停止中は、誘導樋40内の遊技球列の最下端の遊技球がスクリュー52の螺旋状突壁52Rの上面及び外周面と、第1可動部材57の左側面57Hと、の間に保持されることで、遊技球が堰き止められている。このとき、払出通路55内に位置する螺旋状突壁52Rの上面が右下がりに傾斜しているため、遊技球はスクリュー52の外周面側ではなく、第1可動部材57側に寄っていて、スクリュー52にかかる負荷が軽減される。なお、第3流路43の下端寄り位置が水平方向に屈曲していることによっても、スクリュー52が受ける遊技球の流下圧力を抑えることができる。
上述した払出条件が成立すると、ステッピングモータ51によってスクリュー52が回転駆動され、螺旋状突壁52Rの回転に沿って誘導樋40内の遊技球列の最下端の遊技球が下方へ移動する。そして、螺旋状突壁52Rの下端部が払出通路55内から遠ざかるように移動したときに、最下端の遊技球が1球、スクリュー52の下方へ流下する。遊技球が所定個数払い出されると、スクリュー52の回転が停止して、再び螺旋状突壁52R上に遊技球が堰き止められる。なお、払い出される遊技球の個数はスクリュー52の回転数によって制御されている。
係合レバー59は、パチンコ遊技機10内から遊技球を除去する際に操作される。詳細には、係合レバー59が上方へスライドされて第1及び第2の可動部材57,58が解除状態になると、第1可動部材57が回動可能となるので、遊技球がスクリュー52の螺旋状突壁52Rの傾斜に従い右方へ向かい、左方へ倒れた第2可動部材58上に落下する。そして、第2可動部材58に案内されて球抜通路50Tに遊技球が誘導される。
図4に示すように、払出装置50の下方には、払出装置50から払い出された遊技球を上皿26または下皿27へ案内するための案内流路45が備えられている。図7に示すように、案内流路45は、払出装置50の排出口から鉛直に延びてから右方向に湾曲するように左右方向でU字状に屈曲して延びている。案内流路45の下方には、左右方向に遊技球、複数個分の幅を有する貯留空間46が配置され、その貯留空間46の下端部から上皿26(図1参照)へ接続されている上皿排出路46Aと下皿27(図1参照)へ接続されている下皿排出路46Bとが横並びになって延びている。なお、案内流路45の下端部は、上皿排出路46Aの上方に位置し、かつ、上皿排出路46Aに向かって傾斜しているため、案内流路45から排出された遊技球は貯留空間46を経て上皿排出路46Aへと案内される。そして、上皿26及び上皿排出路46Aが満杯になると、遊技球が下皿排出路46Bへ流入する。
案内流路45には、第3検出部63が備えられている。第3検出部63は、U字状に屈曲した下流側部分に配置され、回転軸63Jから検知レバー63Aと遮蔽レバー63Bとを張り出したレバー構造をなしている。検知レバー63Aは、案内流路45内に突出するように付勢され、案内流路45を遊技球が通過すると、検知レバー63Aが遊技球に押されて案内流路45から退避する。これにより、遮蔽レバー63Bが図示しないセンサにて検出され、案内流路45の遊技球の有無が検出される。例えば、上皿26及び下皿27が共に満杯になり、この第3検出部63まで遊技球が溜った状態になると、払出装置50による払い出しが停止される。
さて、上述したように、第3流路43には、第2検出部62が備えられている。詳細には、第2検出部62は、第3流路43と第2流路42と第4流路44とによって構成される本発明のC形屈曲部65の内側に配されている。第2検出部62は、前後方向に延びた回動軸62Jを有し、その回動軸62Jから検知レバー62Aと付勢レバー62Fとを張り出したレバー構造となっている。なお、第3流路43の右壁43Bには検知窓43Hが貫通形成されていて、回動軸62Jは、この検知窓43Hの上側の開口縁に配置されている。
検知レバー62Aは、平板状をなして第3流路43の流下方向に延びている。また、検知レバー62Aの第3流路43と反対側の側面には、検知レバー62Aの長手方向である上下方向全体に延びた突片62Tが設けられていると共に、下端寄り位置に、突片62Tと直交して検知レバー62Aの幅方向全体に延び、かつ、突片62Tよりも突出した遮蔽片62Bが設けられている。また、遮蔽片62Bは、その先端部が楔形状となっている。なお、第3流路43の右壁43Bにおける検知窓43Hは、検知レバー62Aを受容可能な大きさになっている。
付勢レバー62Fは、略菱形状をなし、検知レバー62Aと一体に回動可能となっていて、その自重が検知レバー62Aより重くなっている。これにより、第2検出部62が、図14に示す検知レバー62Aが第3流路43内に突出した第1位置に付勢されている。なお、ケース体40Kには、付勢レバー62Fの下方に図示しない規制突壁が設けられていて、この規制突壁に付勢レバー62Fの下端が当接することにより、付勢レバー62Fの下端位置が位置決めされている。そして、第3流路43を遊技球が通過すると、遊技球が検知レバー62Aを押圧することで、検知レバー62Aが付勢レバー62Fの自重に反し、第3流路43から退避して検知窓43Hに受容される第2位置に移動する。検知レバー62Aが検知窓43Hに受容された状態になると、検知レバー62Aの外側面が第3流路43の右壁43Bと面一になる。
包囲領域R2には、第2検出部62と共に、本発明の中継基板73が配置されている。中継基板73のうち、遮蔽片62Bの回動領域と重なる位置には、検知スイッチ72が実装されている。検知スイッチ72は、門型状のフォトセンサであり、投光部と受光部とが上下方向で対向するように配置されている。そして、検知スイッチ72は、検知レバー62Aが第1位置に配置されたときには、投光部と受光部との間で投受光が可能なオン状態となる一方、検知レバー62Aが第2位置に配置されたときには、投光部と受光部との間に遮蔽片62Bが配置されて投受光が遮断されるオフ状態となる。これにより、第3流路43内の遊技球の有無が検出される。
中継基板73は、中継基板73の下端部に配されたコネクタ73C及びケーブル80を介してステッピングモータ51に接続されていて、検知スイッチ72がオン状態に切り替わった場合(つまり、第3流路43内に遊技球が無い場合等)は、その情報をステッピングモータ51に伝達し、ステッピングモータ51を停止させる。これにより、第3流路43内に遊技球が無い場合に払出装置50による払い出しを停止することができる。
また、図5に示すように、ケース体40Kの後端(図5における手前側端部)には中継基板73の下端部と対向する位置に基板対向壁40Tが備えられていて、この基板対向壁40Tと中継基板73との間が本発明の収容空間40Sとなっている。そして、この収容空間40Sに中継基板73のコネクタ73Cが配されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成は以上である。次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。
遊技球循環システムから供給された遊技球群は、傾斜樋30により1列1段に整列されて誘導樋40へ導入され、誘導樋40を流下して払出装置50へ案内される。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、誘導樋40が1列構造をなしているため、誘導樋40が2列構造になっているものよりも、パチンコ遊技機10全体をコンパクトにすることができる。また、誘導樋40を1列構造とすると2列構造のものより払出装置50への遊技球の送給速度が低下することが考えられるが、本実施形態では、誘導樋40に鉛直方向に延びた直線部(第1流路41、第3流路43)が設けられているため、遊技球の送給速度の低下を防ぐことができる。
誘導樋40に誘導された遊技球列は払出装置50内へ流入する。ここで、払出装置50内のスクリュー52は、常には停止していて、遊技球はスクリュー52と第1可動部材57との間に堰き止められている。そして、入賞口に遊技球が入賞するなどの払い出し条件が成立したときに、ステッピングモータ51がスクリュー52を回転駆動して、遊技球が上皿26へ払い出される。
ところで、払出装置50による払い出し中に、スクリュー52に案内される遊技球間に隙間があったり、球切れが起こると、スクリュー52が球噛み等してしまい、その後の払い出しに異常が起こることが考えられる。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、誘導樋40の途中に第2検出部62及び検知スイッチ72が備えられていて、第3流路43内の遊技球の有無を検知し、第3流路43内に遊技球がない場合にその情報をスクリュー52を駆動するステッピングモータ51に伝達してスクリュー52を停止させるので、払い出しを正常に行うことが可能となる。
ここで、スイッチ素子が大きな設置スペースを要したり、メカニカルスイッチとなっている場合、検知レバー62Aの周辺部が嵩張るという問題が起こり得るが、本実施形態のパチンコ遊技機10では、検知レバー62Aの位置を検出するための検知スイッチ72が中継基板73に実装されているので、従来の樹脂ボディでパッケージされたスイッチ素子に比べ、形状の自由度が高くなる。これにより、誘導樋40のうちC形屈曲部65の内側に検知スイッチ72を配置することができる。即ち、誘導樋40の周辺の空いたスペースを有効利用して検知スイッチ72を配置することができ、検知レバー62Aの周辺部をコンパクトにすることが可能になる。なお、誘導樋40をC形屈曲部65によって角C字形に屈曲させたことで、誘導樋40が直線状である場合に比べて誘導樋40の全長が長くなり、払い出しに備えて誘導樋40内に貯めることが可能な遊技球の数を増やすことができる。
また、検知レバー62Aの位置を検出する検知スイッチ72が非接触式であるので接触式の場合のように検知レバー62Aの移動抵抗が変動するようなことがなく、遊技球の検出を安定させることが可能になる。
さらに、C形屈曲部65内に備えた基板対向壁40Tが、中継基板73との間に収容空間40Sを挟んで対向し、その収容空間40Sに中継基板73上のコネクタ73Cが収容されているので、コネクタ73Cから延びたケーブル80の拡がりが抑えられる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、検知レバー62Aが付勢レバー62Fの自重により付勢される構成であったが、例えばバネ等により付勢される構成であってもよい。
(2)図17に示すように、中継基板73が、C形屈曲部65のうち、第3流路43の下端寄り位置が水平方向前方に屈曲している部分の上方に配置された構成であってもよい。この屈曲部分が本発明の「中間段差部」に相当し、上述した構成とすることで、「中間段差部」の有効利用が図られる。
なお、上記実施形態には、以下、[1]〜[5]の発明が含まれている。
これら[1]〜[5]は、「払出装置に遊技球を供給する誘導樋を備える遊技機」に関し、「従来、この種の遊技機として、誘導樋の途中に検知レバーを設け、その検知レバーの回動位置を検知スイッチで検出し、その検出結果に基づいて誘導樋内の遊技球の有無を検出するものが知られている(例えば、特許文献1(特開2001−190786号公報(段落[0036]、[0037]、図4))参照)。また、この検知スイッチとして、電気回路を樹脂ボディにてパッケージし、その樹脂ボディの外面にメカニカルスイッチを可動状態に備えたスイッチ素子を使用したものが開発されている。」という背景技術について、「従来の遊技機では、スイッチ素子が大きな設置スペースを要すると共に、検知レバーがメカニカルスイッチを押圧する方向が規定されているので、検知レバーの周辺部が嵩張るという問題があった。」という課題をもってなされ、「検知レバーの周辺部をコンパクトにすることが可能な遊技機の提供」を目的としてなされたものと考えることができる。
[1]遊技球を下方に向けて案内する誘導樋と、
前記誘導樋の下端部に設けられ、通常は前記誘導樋を流下してくる遊技球を堰き止めると共に、予め定められた所定の払出条件の成立に起因して所定個数の遊技球を通過させて遊技者に払い出す払出装置と、
前記誘導樋内に突出した第1位置と、前記第1位置より前記誘導樋内への突出量が小さい第2位置との間を移動しかつ前記第1位置に付勢され、前記誘導樋内の遊技球に押されて前記第2位置に移動する検知レバーと、
前記検知レバーが前記第1位置と前記第2位置との何れに位置しているかを検出する検知スイッチと、
前記検知スイッチの検出結果に基づいて前記誘導樋内の遊技球の有無を検出して、誘導樋内に遊技球が無い場合に払出装置を停止する払出制御部とを備えた遊技機において、
前記検出スイッチを実装しかつ前記払出制御部に接続された中継基板を備え、
前記遊技機の前後方向又は横方向の一方である第1方向に前記誘導樋を角C字形に屈曲させてC形屈曲部を形成し、そのC形屈曲部の内側に前記検出スイッチを配置した遊技機。
[1]の遊技機によれば、検知レバーの位置を検出するための検知スイッチが中継基板に実装されているので、従来の樹脂ボディでパッケージされたスイッチ素子に比べ、形状の自由度が高くなる。これにより、誘導樋のうち第1方向で屈曲したC形屈曲部の内側に検知スイッチを配置することができる。即ち、誘導樋の周辺の空いたスペースを有効利用して検知スイッチを配置することができ、検知レバーの周辺部をコンパクトにすることが可能になる。なお、誘導樋をC形屈曲部によって角C字形に屈曲させたことで、誘導樋が直線状である場合に比べて誘導樋の全長が長くなり、払い出しに備えて誘導樋内に貯めることが可能な遊技球の数を増やすことができる。
[2]前記誘導樋の外部に位置して前記検知レバーと一体に移動する遮蔽片が備えられ、
前記検知スイッチは、前記遮蔽片の移動領域を挟んで対向した投光部と受光部とを有し、前記検知レバーが前記第1位置及び前記第2位置の一方に位置したときに前記遮蔽片によって前記投光部と前記受光部との間の投受光を遮られ、前記検知レバーが前記第1位置及び前記第2位置の他方に位置したときに前記投光部と前記受光部との間の投受光が可能になることでオンオフされる[1]に従属の遊技機。
[2]の構成によれば、検知レバーの位置を検出する検知スイッチが非接触式であるので接触式の場合のように検知レバーの移動抵抗が変動するようなことがなく、安定した特定空隙の検出が可能になる。
[3]前記C形屈曲部を上下方向の中間位置で遊技球1つ分以下の範囲で段付き状に屈曲させて中間段差部を形成し、その中間段差部の段差面の上方に前記中継基板を配置した[1]又は[2]に従属の遊技機。
[3]の構成では、C形屈曲部を上下方向の中間位置で遊技球1つ分以下の範囲で段付き状に屈曲させて中間段差部を形成したことで、払出装置が受ける遊技球の流下圧力を抑えることができる。そして、その中間段差部の段差面の上方に中継基板を配置したので、中間段差部の有効利用が図られる。
[4]前記C形屈曲部内に形成されて前記中継基板との間に収容空間を挟んで対向する基板対向壁を備え、前記収容空間に前記中継基板上のコネクタが収容されている[1]乃至[3]の何れか1に従属の遊技機。
[4]の構成では、C形屈曲部内に備えた基板対向壁が、中継基板との間に収容空間を挟んで対向し、その収容空間に中継基板上のコネクタが収容されているので、コネクタから延びたケーブルの拡がりが抑えられる。
[5]前記誘導樋は、複数の遊技球を1列に並べて流下させる1列構造をなしている[1]乃至[4]の何れか1に従属の遊技機。
[5]の構成では、誘導樋を1列構造にしたので、遊技機の裏面側における部品の配置スペースを広くすることができる。