はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技装置(遊技盤81)と、
発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射装置(ソレノイド111)と、
当該遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に向けて誘導する誘導部(内,外レール部101,102)と、
前記遊技球発射装置よりも遊技球の発射方向側に設けられ、前記誘導部を逆流してくる遊技球を回収する回収部(回収口281a)と、
前記遊技装置の遊技結果に基づいて遊技球を払い出す払出装置(払出装置224)と、
当該払出装置から払い出された遊技球を貯留する球受け皿(上皿33、下皿34)と、
前記払出装置から払い出された遊技球を前記球受け皿に向けて導く皿側通路部(裏パック側上皿通路部258、裏パック側下皿通路部259、本体側上皿通路部262、本体側下皿通路部263、前扉側上皿通路部272、前扉側下皿通路部273)と、
前記回収部にて回収した遊技球を前記球受け皿に向けて導く回収側通路部(戻り球通路部299)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、発射操作に基づいて発射された遊技球は、遊技領域に誘導され当該遊技領域を流下する。そして、その遊技結果に基づいて払出装置から遊技球が払い出され、その払い出された遊技球は球受け皿に排出される。また、発射された遊技球の中には、遊技領域の上部に到達することなく誘導部を逆流してくるものがある。この逆流してくる遊技球は回収部にて回収され、この回収された遊技球は球受け皿に排出される。
上記構成において、払出装置から払い出された遊技球は皿側通路部により球受け皿に向けて導かれるのに対して、回収部にて回収した遊技球は回収側通路部により球受け皿に向けて導かれる。かかる構成とすることにより、皿側通路部において多数の遊技球が待機している状況下で多数の遊技球が誘導部を逆流したとしても、回収部から遊技球が溢れてしまうことが抑制される。
手段2.手段1において、前記球受け皿には、前記回収側通路部の排出口(第2球入口34b)を前記皿側通路部の排出口(第1球入口34a)とは別に設けたことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、回収側通路部を通過する遊技球の経路が、皿側通路部を通過する遊技球に対して異なるものとなる。これにより、皿側通路部において多数の遊技球が待機している状況下で多数の遊技球が誘導部を逆流したとしても、回収部から遊技球が溢れてしまうことが抑制される。
手段3.手段2において、前記回収側通路部の排出口を、前記皿側通路部の排出口に対して少なくとも左右方向にずらした位置に形成したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、回収側通路部の排出口が皿側通路部の排出口に対して少なくとも左右方向にずらした位置に形成されていることにより、皿側通路部を通過した遊技球と回収側通路部を通過した遊技球とが同時に球受け皿に排出される場合において、それら両遊技球が衝突することが回避される。これら遊技球が衝突すると相互の跳ね返りにより遊技球が球受け皿の外方に飛び出してしまうおそれがあるが、上記のとおり両遊技球の衝突が回避されることでかかる飛び出しのおそれが低減される。
手段4.手段3において、前記回収側通路部の下流側を前記皿側通路部の下流側に対して横方向に延長させることで、前記回収側通路部の排出口を前記皿側通路部の排出口に対して少なくとも左右方向にずらした位置に形成したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、回収側通路部の排出口を皿側通路部の排出口に対して少なくとも左右方向にずらした位置に形成するようにした構成において、回収側通路部の通路長を極力長く確保することができる。そして、かかる通路長を極力長く確保することで、回収側通路部にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができ、回収部から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
手段5.手段1において、前記球受け皿への排出口を有する合流部(合流部362)を設け、前記皿側通路部を通過した遊技球と前記回収側通路部を通過した遊技球とを前記合流部にて合流させたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、球受け皿への排出口を有する合流部までは、回収側通路部を通過する遊技球の経路が、皿側通路部を通過する遊技球に対して異なるものとなる。これにより、皿側通路部において多数の遊技球が待機している状況下で多数の遊技球が誘導部を逆流したとしても、回収部から遊技球が溢れてしまうことが抑制される。
また、上記のように合流部を設けることにより、球受け皿への排出口を皿側通路部と回収側通路部とでそれぞれ別に設ける構成に比して、不正用治具などを遊技領域に向けて挿入しづらくなる。つまり、球受け皿への排出口を皿側通路部と回収側通路部とでそれぞれ別に設けると、球受け皿における回収側通路部に対応した排出口に不正用治具を挿入することで、当該不正用治具を比較的容易に遊技領域の位置まで持っていくことが可能となる。これに対して、上記のように合流部を設けることで、合流部に不正用冶具を挿入したとしても当該不正用冶具をさらに回収側通路部内に挿し込む必要が生じ、回収側通路部内に不正用治具を挿入しづらくなり、結果的に不正用治具を遊技領域に向けて挿入しづらくなる。
手段6.手段1乃至5のいずれかにおいて、前記回収側通路部を、曲がり領域(曲がり部299b,299c)を有するように形成したことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、回収側通路部が曲がり領域を有するように形成されているので、直線的に形成する構成に比して、回収側通路部の通路長を極力長く確保することができる。そして、かかる通路長を極力長く確保することで、回収側通路部にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができ、回収部から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
手段7.手段1乃至6のいずれかにおいて、前記遊技装置の下方に前記球受け皿が配置されているとともに、前記遊技装置の後方に前記払出装置が配置されており、
さらに、前記皿側通路部は、前記遊技装置の下方にて、少なくとも左右方向に延ばして形成されているとともに、
前記回収側通路部は、前記遊技装置の下方にて、前記皿側通路部に沿うようにして少なくとも左右方向に延ばして形成されていることを特徴とする遊技機。
手段7の遊技機では、遊技装置の下方に球受け皿が配置されているとともに、遊技装置の後方に払出装置が配置されている。そして、皿側通路部は遊技装置の下方にて少なくとも左右方向に延びるよう形成されているため、当該皿側通路部の通路長を長く確保することが可能となり、遊技者の持ち球の貯留容量を極力大きくすることが可能となる。
かかる構成において、回収側通路部は皿側通路部に沿うようにして少なくとも左右方向に延ばして形成されているため、当該回収側通路部の通路長も長く確保することが可能となる。そして、かかる通路長を長く確保することで、回収側通路部にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができ、回収部から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
なお、「前記皿側通路部に沿うようにして」には、回収側通路部が皿側通路部に対して平行となるように形成された構成だけでなく、回収側通路部が皿側通路部に対して概ね同一方向に形成されている構成も含まれ、例えば、左右方向については皿側通路部と概ね同一方向に向かっているものの前後方向については迂回させて回収側通路部が形成されている構成も含まれる。
手段8.手段7において、前記回収側通路部を前記皿側通路部に対して上下方向に並設するとともに、
前記回収側通路部が占める遊技機前後方向の領域を、前記皿側通路部が占める遊技機前後方向の領域に対して上下方向に重ならせたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、遊技機において皿側通路部及び回収側通路部の両通路部が占める領域の縮小化が図られる。これにより、皿側通路部と回収側通路部とを設けた構成において、遊技機の設計の自由度が高められる。
手段9.手段1乃至8のいずれかにおいて、前記皿側通路部は前記回収部の下方を通るようにして形成されており、
さらに、前記皿側通路部を通過する遊技球を検知する満杯検知手段(満杯検知センサ280)と、当該満杯検知手段の検知結果に基づいて前記払出装置による遊技球の払い出しを制限する払出制限手段(主制御装置162、払出制御装置242)とを備えており、
前記満杯検知手段を、前記皿側通路部における前記回収部の下方領域よりも上流側にて遊技球を検知するよう設けたことを特徴とする遊技機。
手段9の遊技機では、満杯検知手段が設けられており、満杯検知手段の検知結果に基づいて払出装置による遊技球の払い出しが制限される。当該構成において、満杯検知手段は皿側通路部における回収部の下方領域よりも上流側にて遊技球を検知するよう設けられている。当該構成においては、球受け皿が満杯状態となったとしても、少なくとも皿側通路部における回収部の下方領域及びその下流側にて遊技球が連なり、上記下方領域の上流側にて遊技球が待機しない限り、遊技球の払い出しの制限が実行されない。したがって、少なくとも回収部の下方領域及びその下流側が遊技球の待機領域となり、回収部の下方領域やそれよりも下流側にて遊技球を検知するように満杯検知手段を設ける構成に比して、遊技者の持ち球の貯留容量を極力大きくすることができる。
また、上記のように回収部の下方領域よりも上流側にて遊技球を検知するように満杯検知手段を設ける構成では、球受け皿が満杯状態となると下方領域の上流側まで遊技球が連なることがある。この場合に、回収部にて回収した遊技球を皿側通路部における下方領域等にて合流させる構成においては、上記状況で多数の遊技球が誘導部を逆流すると、回収部から遊技球が溢れてしまう可能性が高くなる。これに対して、上記手段1等の構成を備え、払出装置から払い出された遊技球は皿側通路部により球受け皿に向けて導かれるのに対して、回収部にて回収した遊技球は回収側通路部により球受け皿に向けて導かれるため、皿側通路部において多数の遊技球が待機している状況下で多数の遊技球が誘導部を逆流したとしても、回収部から遊技球が溢れてしまう可能性が低減される。
なお、「遊技球の払い出しを制限する」とは、遊技球の払い出しを停止する構成のみならず、遊技球の払出速度を極端に低下させることで、遊技球の払い出しが実質的に実行されない構成も含む。
手段10.手段1乃至9のいずれかにおいて、前記遊技装置が搭載されるベース体(本体枠13)と、
当該ベース体の前側に設けられ、前記遊技装置における遊技を視認可能とする窓パネル部(窓部21、ガラス22)と、
前記ベース体に対して前方に回動可能に設けられ、前記窓パネル部及び前記球受け皿を有する遊技機前面体(前扉枠14)とを備え、
当該遊技機前面体に前記回収側通路部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、遊技機前面体に窓パネル部と球受け皿とが設けられている。これにより、遊技機前面において窓パネル部と球受け皿との間に境界が生じることはなく、従来の遊技機のような当該境界を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、当該構成によれば、遊技機のデザイン上、好適なものとなる。
この場合に、回収側通路部は遊技機前面体に設けられている。これにより、上記のように窓パネル部と球受け皿とを遊技機前面体に設けた構成において、回収側通路部にて遊技球が待機している状況で遊技機前面体を開放する必要が生じたとしても、その開放操作に際して回収側通路部にて待機された遊技球が遊技機外部へ流出してしまうことが抑制される。よって、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
手段11.手段10において、前記皿側通路部は、前記遊技機前面体に設けられ入口部(内側開口部278、外側開口部279)にて受けた遊技球を前記球受け皿へ導く第1通路部(前扉側上皿通路部272、前扉側下皿通路部273)と、当該第1通路部よりも上流側を構成し前記入口部に遊技球を導く第2通路部(裏パック側上皿通路部258、裏パック側下皿通路部259、本体側上皿通路部262、本体側下皿通路部263)とを備えており、
前記遊技機前面体が開放された場合に前記第2通路部の遊技球の通過を阻止する通過阻止手段(シャッター部材293)を設け、
さらに、前記入口部を上方に開放させて形成し、
前記遊技機前面体には、前記第1通路部の入口部よりも低い位置にて当該入口部側から前記回収部に向けて延び、前記遊技機前面体の開放に際して前記入口部から零れた遊技球を受けるとともに、その受けた遊技球を前記回収部に導く球受け通路(球受け通路289)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、皿側通路部は第1通路部と第2通路部とを有しており、さらに第2通路部に対して通過阻止手段が設けられていることにより、上記のように窓パネル部と球受け皿とを遊技機前面体に設けた構成において球受け皿が満杯状態である場合に遊技機前面体を開放する必要が生じたとしても、その開放操作に際して球受け皿に貯留された遊技球や球受け皿に向けて待機された遊技球が遊技機外部へ流出してしまうことが抑制される。よって、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
上記構成において、第1通路部の入口部が上方に開放されているので、遊技機前面体を開放した際に第1通路部内にある遊技球が零れにくくなる。また、球受け通路が設けられていることにより、遊技機前面体の開閉に伴う振動等により第1通路部の入口部にある遊技球がそこから零れてしまったとしても、その零れた遊技球を受けることが可能となる。そして、球受け通路は受けた遊技球を回収部に導く構成であるため、受けた零れ球は回収側通路部を介して球受け皿に排出される。よって、球受け通路にて受けた零れ球を遊技者に返還することが可能である。
手段12.手段1乃至11のいずれかにおいて、前記球受け皿は、貯留している遊技球を前記遊技球発射装置に向けて導く上皿(上皿33)と、当該上皿にて余剰となった遊技球を貯留する下皿(下皿34)とを備え、
前記皿側通路部及び前記回収側通路部は前記下皿に向けて遊技球を導くことを特徴とする遊技機。
球受け皿として上皿と下皿とを備えた遊技機に対して、本発明を適用することも可能である。
なお、以上の各手段1乃至12のいずれかに対して、以下の各手段を適用してもよい。
手段13.遊技が実行される遊技装置(遊技盤81)を有するベース体(本体枠13)と、
当該ベース体の前側に設けられ、前記遊技装置における遊技を視認可能とする窓パネル部(窓部21、ガラス22)と、
前記ベース体の後側に設けられ、前記遊技装置における遊技結果に基づいて遊技球を払い出す払出装置(払出装置224)と、
前記窓パネル部の下方に設けられ、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留する球受け皿(上皿33、下皿34)と、
前記ベース体に対して前方に回動可能に設けられ、前記窓パネル部及び前記球受け皿を有する遊技機前面体(前扉枠14)と、
当該遊技機前面体に設けられ入口部(内側開口部278、外側開口部279)にて受けた遊技球を前記球受け皿へ導く第1通路部(前扉側上皿通路部272、前扉側下皿通路部273)、及び当該第1通路部よりも上流側を構成し前記入口部に遊技球を導く第2通路部(裏パック側上皿通路部258、裏パック側下皿通路部259、本体側上皿通路部262、本体側下皿通路部263)を有し、前記払出装置から払い出された遊技球を前記球受け皿に導く受け皿通路(裏パック側上皿通路部258、本体側上皿通路部262、及び前扉側上皿通路部272からなる上皿通路、裏パック側下皿通路部259、本体側下皿通路部263、及び前扉側下皿通路部273からなる下皿通路)と、
前記遊技機前面体が開放された場合に前記第2通路部の遊技球の通過を阻止する通過阻止手段(シャッター部材293)とを備え、
前記入口部の位置が前記ベース体の背面よりも前側となるように前記第1通路部を形成するとともに、前記ベース体の後側から当該ベース体の背面よりも前側まで延ばして前記第2通路部を形成したことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、遊技機前面体に窓パネル部と球受け皿とが設けられている。これにより、遊技機前面部において窓パネル部と球受け皿との間に境界が生じることはなく、従来の遊技機のような当該境界を利用した不正行為を抑制することができる。また、当該構成によれば、遊技機のデザイン上、好適なものとなる。
この場合に、払出装置から払い出された遊技球を球受け皿に導く受け皿通路は、遊技機前面体に設けられ入口部にて受けた遊技球を球受け皿へ導く第1通路部と、第1通路部よりも上流側を構成し入口部に遊技球を導く第2通路部とを有する。また、遊技機前面体が開放された場合に第2通路部の遊技球の通過を阻止する通過阻止手段が設けられている。これにより、上記のように窓パネル部と球受け皿とを遊技機前面体に設けた構成において、球受け皿が満杯状態である場合に遊技機前面体を開放する必要が生じたとしても、その開放操作に際して球受け皿に貯留された遊技球や球受け皿に向けて待機された遊技球が遊技機外部へ流出してしまうことが抑制される。よって、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
また、本構成においては、入口部の位置がベース体の背面よりも前側となるように第1通路部が形成されており、さらにベース体の後側から当該ベース体の背面よりも前側まで延ばして第2通路部が形成されている。これにより、第1通路部をベース体の後側まで延ばして形成する構成に比べ第1通路部の後方への突出量が抑えられ、第1通路部を極力コンパクトなものとすることが可能となる。よって、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
手段14.手段13において、前記ベース体は、前記第1通路部を形成する第1通路形成体(前扉側通路ユニット271)の後側と対峙する位置に、当該第1通路形成体の後側をカバーするカバー部(収容凹部292b)を有することを特徴とする遊技機。
手段14によれば、ベース体には第1通路形成体の後側にカバー部が形成されているので、第1通路形成体がベース体を前後方向に貫通していない。第1通路形成体がベース体を前後方向に貫通する構成を想定すると、遊技機前面体の開放操作における第1通路形成体の回動範囲を確保できる大きさの貫通孔等がベース体に形成されるため、ベース体の強度低下を招くおそれがある。これに対して、ベース体にカバー部が設けられており第1通路形成体がベース体を前後方向に貫通していないため、上記不都合の発生を抑制することができる。
なお、「第1通路形成体の後側をカバーする」構成には、第1通路形成体の後側に貫通孔が全く存在しない構成だけでなく、第1通路形成体を貫通させない程度の貫通孔が存在する構成も含まれる。
手段15.手段13又は14において、前記第1通路部の前記入口部を、上方に開放させて形成するとともに、
前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)を、前記遊技機前面体を閉鎖した状態において前記入口部と上下に対向するように下方に開放させて形成したことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、第1通路部と第2通路部との境界部分においては遊技球が上下方向に流れる。この場合に、第1通路部の入口部が上方に開放されているので、遊技機前面体を開放した場合に第1通路部内にある遊技球が零れにくくなり、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
手段16.手段13乃至15のいずれかにおいて、前記通過阻止手段は、前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)に対して出没するシャッター部材(シャッター部材293)であることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、第2通路部の出口部に対してシャッター部材が出没するため、遊技機前面体が開放される場合には第2通路部の最下流部にて遊技球の通過が阻止される。よって、遊技機前面体の開放に際して第2通路部側から遊技球が零れてしまうことを抑制することができる。
手段17.手段16において、前記第1通路部の前記入口部を、上方に開放させて形成するとともに、前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)を、前記遊技機前面体を閉鎖した状態において前記入口部と上下に対向するように下方に開放させて形成し、
前記第2通路部は、前記出口部付近において当該出口部に向けて下り傾斜となった傾斜部(底部258a,259a,262b,263b)を有することを特徴とする遊技機。
手段17によれば、第1通路部と第2通路部との境界部分においては遊技球が上下方向に流れる。この場合に、第1通路部の入口部が上方に開放されているので、遊技機前面体を開放した場合に第1通路部内にある遊技球が零れにくくなり、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
また、第2通路部においてその出口部付近に待機する遊技球はその負荷の少なくとも一部が傾斜部の底部にて受けられる。よって、シャッター部材にかかる負荷を低減することが可能となり、シャッター部材の開閉操作の円滑化を図ることができる。
手段18.手段16又は17において、前記シャッター部材は、前記第1通路部を形成する第1通路形成体に設けられた押出し部(受口部275)に押されることで前記第2通路部の遊技球の通過阻止を解除し、
さらに、前記第2通路部の遊技球の通過を阻止する方向に前記シャッター部材を付勢する付勢手段(コイルバネ294)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、シャッター部材は第1通路形成体の押出し部に後方に押されることで第2通路部の遊技球の通過を可能とし、遊技機前面体が開放された場合には付勢手段の付勢力により第2通路部の出口部に対して突出し第2通路部の遊技球の通過を阻止する。かかる構成とすることにより、第1通路形成体とシャッター部材との間にリンク機構を設ける構成や、シャッター部材の駆動手段を設ける構成に比べ、構成の簡素化を図ることができる。また、第1通路形成体の押出し部によりシャッター部材を直接押すため、遊技機前面体の開閉に対するシャッター部材の連動を良好なものとすることができる。
手段19.手段18において、前記押出し部は、前記入口部を有することを特徴とする遊技機。
手段19によれば、押出し部は第1通路部の入口部を形成する機能と、シャッター部材を押出す機能とを併せ持つこととなる。これにより、それぞれの機能を別体で設ける構成に比べ、構成の簡素化を図ることができる。
手段20.手段18又は19において、前記第1通路部の前記入口部を、上方に開放させて形成するとともに、前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)を、前記遊技機前面体を閉鎖した状態において前記入口部と上下に対向するように下方に開放させて形成し、
前記シャッター部材は、前記押出し部と当接する当接部と、前記出口部を遊技球の通過が不可となるよう塞ぐ阻止部(上端部298)とを有し、
前記遊技機前面体が開放される場合、前記阻止部が前記入口部と前後に並んだ状態で遊技球の通過を阻止する阻止位置に移動するよう構成したことを特徴とする遊技機。
手段20によれば、遊技機前面体が開放される場合、阻止部が入口部と前後に並んだ状態で阻止位置に移動するため、第2通路部の出口部に対して第1通路部の入口部が離れるのに合わせて第2通路部の遊技球の通過を阻止することができる。よって、遊技機前面体の開放に際して第2通路部から遊技球が零れてしまうことを抑制することができる。
手段21.手段20において、前記球受け皿として、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留する上皿(上皿33)と、当該上皿にて余剰となった遊技球を貯留する下皿(下皿34)とを備えるとともに、
前記第1通路形成体は、上皿用入口部(内側開口部278)を有し当該上皿用入口部にて受けた遊技球を前記上皿へ導く上皿用第1通路部(前扉側上皿通路部272)と、下皿用入口部(外側開口部279)を有し当該下皿用入口部にて受けた遊技球を前記下皿へ導く下皿用第1通路部(前扉側下皿通路部273)とを備え、
前記第2通路部を形成する第2通路形成体(裏パック側通路ユニット257、本体側通路ユニット261)は、前記上皿用入口部に遊技球を導く上皿用第2通路部(裏パック側上皿通路部258、本体側上皿通路部262)と、前記下皿用入口部に遊技球を導く下皿用第2通路部(裏パック側下皿通路部259、本体側下皿通路部263)とを別々に備えるとともに、前記上皿が満杯状態となり前記上皿用第2通路部の最上流部まで遊技球が待機した場合に前記払出装置から払い出された遊技球を前記下皿用第2通路部に振り分ける球振分部(遊技球振分部252)を前記ベース体よりも後側に備えたことを特徴とする遊技機。
手段21の遊技機では、上皿と下皿とが設けられており、上皿が満杯状態となった場合にはその余剰球が下皿に排出される。この場合に、入口部の位置がベース体の背面よりも前側となるようにした構成において、球振分部はベース体の後側に設けられている。これにより、第1通路形成体を極力コンパクトなものとした構成において、上皿に対する球振分部の距離を極力大きく確保することができる。上皿と球振分部との間にある上皿用第1通路部及び上皿用第2通路部は、上皿に払い出される遊技球の待機通路を構成するものであり、これらの通路長を極力大きく確保することで上皿における遊技球の貯留容量を実質的に大きく確保することができる。
なお、「ベース体よりも後側」とは、ベース体よりも遊技機後方のことをいう。
手段22.手段13乃至21のいずれかにおいて、前記遊技機前面体が開放されたことを検知する開放検知手段(前扉開放スイッチ78)と、当該開放検知手段の検知結果に基づいて前記遊技機前面体が開放されたか否かを判定する開放判定手段(主制御装置162におけるステップS12の処理)と、開放判定手段により前記遊技機前面体が開放されたと判定された場合に前記払出装置による遊技球の払い出しを制限する払出制限手段(主制御装置162におけるステップS14の処理、払出制御装置242)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段22によれば、遊技機前面体が開放された場合には、払出装置による遊技球の払い出しが制限される。これにより、遊技機前面体が開放されたにも関わらず遊技球の払い出しが継続されることが抑制される。
手段23.手段13乃至22のいずれかにおいて、前記第1通路部の前記入口部を、上方に開放させて形成するとともに、前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)を、前記遊技機前面体を閉鎖した状態において前記入口部と上下に対向するように下方に開放させて形成し、
前記入口部と前記出口部とを上下方向に離間させたことを特徴とする遊技機。
手段23によれば、第1通路部と第2通路部との境界部分においては遊技球が上下方向に流れる。この場合に、第1通路部の入口部が上方に開放されているので、遊技機前面体を開放した際に第1通路部内にある遊技球が零れにくくなり、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
但し、遊技機前面体の開放に際して第1通路部と第2通路部との境界部分に遊技球があると、その遊技球が第2通路部の通路壁に当たり遊技機前面体の開放が阻害されるおそれがある。これに対して、第1通路部の入口部と第2通路部の出口部とが上下方向に離間されているので、遊技機前面体の開放に際して第1通路部の入口部から上方に突出した遊技球があったとしてもその遊技球が第2通路部の通路壁に当たりづらくなる。よって、遊技機前面体の開放を良好に行うことができる。
なお、遊技機前面体を閉鎖した状態において第2通路部から第1通路部への遊技球の導入を確実に行うべく、第1通路部の入口部と第2通路部の出口部との間の距離は遊技球1個分未満とするのが好ましい。
手段24.手段13乃至23のいずれかにおいて、前記第1通路部の前記入口部を、上方に開放させて形成するとともに、前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)を、前記遊技機前面体を閉鎖した状態において前記入口部と上下に対向するように下方に開放させて形成し、
前記遊技機前面体の開放に際して前記入口部と前記出口部との境界部分に遊技球がある場合、前記第2通路部の通路壁の下方を通って前記入口部とともに前方に移動するよう前記境界部分にある遊技球を案内する案内構造を有することを特徴とする遊技機。
手段24によれば、第1通路部と第2通路部との境界部分においては遊技球が上下方向に流れる。この場合に、第1通路部の入口部が上方に開放されているので、遊技機前面体を開放した際に第1通路部内にある遊技球が零れにくくなり、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
但し、遊技機前面体の開放に際して第1通路部と第2通路部との境界部分に遊技球があると、その遊技球が第2通路部の通路壁に当たり遊技機前面体の開放が阻害されるおそれがある。これに対して、案内構造を有することにより境界部分にある遊技球が第2通路部の通路壁の下方を通って入口部とともに前方に移動するよう案内されるため、上記不都合の発生が抑制され、遊技機前面体の開放を良好に行うことができる。
手段25.手段24において、前記案内構造として、前記第1通路部を形成する第1通路形成体(前扉側通路ユニット271)に、前記遊技機前面体を開放させる場合に前記境界部分にある遊技球をその位置よりも下方に退避させる球退避部(外側開口部279、球退避部290)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段25によれば、球退避部が設けられているので、遊技機前面体の開放に際して第1通路部と第2通路部との境界部分に遊技球があったとしてもその遊技球がその位置よりも下方に退避され、その遊技球が第2通路部の通路壁に当たりづらくなる。よって、遊技機前面体の開放を良好に行うことができる。
手段26.手段25において、前記退避した遊技球が前記第1通路部内に導かれるように当該球退避部を形成したことを特徴とする遊技機。
手段26によれば、第1通路部と第2通路部との境界部分にある遊技球が第2通路部の通路壁に当たりづらくなるだけでなく、その遊技球が第1通路部内に導出される。
手段27.手段25又は26において、前記球受け皿として、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留する上皿(上皿33)と当該上皿にて余剰となった遊技球を貯留する下皿(下皿34)とを備え、
前記第1通路形成体は、上皿用入口部を有し当該上皿用入口部にて受けた遊技球を前記上皿へ導く上皿用第1通路部(前扉側上皿通路272)と、下皿用入口部を有し当該下皿用入口部にて受けた遊技球を前記下皿へ導く下皿用第1通路部(前扉側下皿通路273)とを備えるとともに、上方に開放され仕切壁(仕切壁277)により仕切られて前記上皿用入口部及び前記下皿用入口部が形成された受口部(受口部275)を備え、
前記第2通路部を形成する第2通路形成体(裏パック側通路ユニット257、本体側通路ユニット261)には、その内部を仕切用通路壁(仕切用通路壁264)により仕切ることで、前記上皿用入口部に遊技球を導く上皿用第2通路部(裏パック側上皿通路部258、本体側上皿通路部262)と、前記下皿用入口部に遊技球を導く下皿用第2通路部(裏パック側下皿通路部259、本体側下皿通路部263)とを形成し、
さらに、前記下皿用入口部が前記上皿用入口部に対して前記遊技機前面体の回動基端側となるように前記受口部を形成し、
前記下皿用入口部を前記球退避部とすべく、前記遊技機前面体の開閉に際して前記上皿用第2通路部の出口部の下方を前記下皿用入口部が通過するように前記遊技機前面体の回動軸(回動軸282)を設定するとともに、
前記仕切壁をその上縁が前記受口部の上縁に対して下方となるように形成することにより、又は前記仕切壁の上縁の一部を下方に凹ませることにより、前記遊技機前面体の開放に際して前記上皿用入口部側から前記下皿用入口部側への遊技球の移動を許容する移動許容部(凹部283)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段27の遊技機では、上皿と下皿とが設けられており、上皿が満杯状態となった場合にはその余剰球が下皿に排出される。また、上皿と下皿とを備えた遊技機においては上皿が満杯状態となった後に下皿が満杯状態となるため、遊技機前面体の開放に際しては上皿のみが満杯状態である場合が多くあると考えられる。
この場合に、下皿用入口部が上皿用入口部に対して遊技機前面体の回動基端側となるように受口部が形成されている。また、遊技機前面体の開閉に際して上皿用第2通路部の出口部の下方を下皿用入口部が通過するように遊技機前面体の回動軸が設定されている。さらに、仕切壁には遊技機前面体の開放に際して上皿用入口部側から下皿用入口部側への遊技球の移動を許容する移動許容部が設けられている。これにより、下皿用入口部が球退避部として機能し、遊技機前面体の開放に際して上皿用第1通路部と上皿用第2通路部との境界部分に遊技球があったとしてもその遊技球が下皿用入口部に退避され、その遊技球が第2通路部の通路壁に当たりづらくなる。よって、遊技機前面体の開放を良好に行うことができる。
また、本構成によれば、下皿用入口部が球退避部としての機能を兼用することとなるため、構成の簡素化を図ることができ、さらには退避した遊技球は自ずと下皿に排出されることとなる。
手段28.手段27において、前記遊技機前面体を閉鎖した状態では前記移動許容部と前記仕切用通路壁との間の距離を遊技球1個分未満としたことを特徴とする遊技機。
手段28によれば、受口部の仕切壁に移動許容部を形成した構成において、遊技機前面体を閉鎖した状態では移動許容部と仕切用通路壁との間の距離を遊技球1個分未満としたので、上皿用第2通路部を通過した遊技球は上皿用第1通路部に確実に導かれ、下皿用第2通路部を通過した遊技球は下皿用第1通路部に確実に導かれる。
手段29.手段25又は26において、前記球退避部を前記第1通路部の前記入口部に対して前記遊技機前面体の回動基端側となるように形成するとともに、
前記遊技機前面体の開閉に際して前記第2通路部の出口部の下方を前記球退避部が通過するように前記遊技機前面体の回動軸を設定したことを特徴とする遊技機。
手段29によれば、球退避部が第1通路部の入口部に対して遊技機前面体の回動基端側となるように形成されており、さらに遊技機前面体の開閉に際して第2通路部の出口部の下方を球退避部が通過するように遊技機前面体の回動軸が設定されているので、第1通路部と第2通路部との境界部分に遊技球があったとしてもその遊技球は遊技機前面体の開放に際して球退避部に退避される。
手段30.手段13乃至23のいずれかにおいて、前記第1通路部の前記入口部を、上方に開放させて形成するとともに、前記第2通路部の出口部(球出口262a,263a)を、前記遊技機前面体を閉鎖した状態において前記入口部と上下に対向するように下方に開放させて形成し、
前記第1通路部を形成する第1通路形成体(前扉側通路ユニット271)には前記入口部に対して前記遊技機前面体の回動基端側となる位置に、上方に開放させて形成され前記入口部に対して連通された球退避部(球退避部290)を設けるとともに、
前記遊技機前面体の開閉に際して前記第2通路部の出口部の下方を前記球退避部が通過するように前記遊技機前面体の回動軸を設定したことを特徴とする遊技機。
手段30によれば、第1通路部と第2通路部との境界部分においては遊技球が上下方向に流れる。この場合に、第1通路部の入口部が上方に開放されているので、遊技機前面体を開放した際に第1通路部内にある遊技球が零れにくくなり、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
但し、遊技機前面体の開放に際して第1通路部と第2通路部との境界部分に遊技球があると、その遊技球が第2通路部の通路壁に当たり遊技機前面体の開放が阻害されるおそれがある。これに対して、第1通路部の入口部に対して遊技機前面体の回動基端側となる位置に球退避部が形成されており、さらに遊技機前面体の開閉に際して第2通路部の出口部の下方を球退避部が通過するように遊技機前面体の回動軸が設定されている。これにより、遊技機前面体の開放に際して第1通路部と第2通路部との境界部分に遊技球があったとしてもその遊技球は球退避部に退避され第2通路部の通路壁に当たりづらくなる。よって、遊技機前面体の開放を良好に行うことができる。
手段31.手段13乃至23のいずれかにおいて、前記球受け皿として、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留する上皿(上皿33)と当該上皿にて余剰となった遊技球を貯留する下皿(下皿34)とを備え、
前記第1通路形成体は、上皿用入口部を有し当該上皿用入口部にて受けた遊技球を前記上皿へ導く上皿用第1通路部(前扉側上皿通路272)と、下皿用入口部を有し当該下皿用入口部にて受けた遊技球を前記下皿へ導く下皿用第1通路部(前扉側下皿通路273)とを備えるとともに、上方に開放され仕切壁(仕切壁277)により仕切られて前記上皿用入口部及び前記下皿用入口部が形成された受口部(受口部275)を備え、
前記第2通路部を形成する第2通路形成体(裏パック側通路ユニット257、本体側通路ユニット261)には、その内部を仕切用通路壁(仕切用通路壁264)により仕切ることで、前記上皿用入口部に遊技球を導く上皿用第2通路部(裏パック側上皿通路部258、本体側上皿通路部262)と、前記下皿用入口部に遊技球を導く下皿用第2通路部(裏パック側下皿通路部259、本体側下皿通路部263)とを形成し、
さらに、前記下皿用入口部が前記上皿用入口部に対して前記遊技機前面体の回動基端側となるように前記受口部を形成し、
前記遊技機前面体の開閉に際して前記上皿用第2通路部の出口部の下方を前記下皿用入口部が通過するように前記遊技機前面体の回動軸(回動軸282)を設定するとともに、
前記仕切壁をその上縁が前記受口部の上縁に対して下方となるように形成した、又は前記仕切壁の上縁の一部を下方に凹ませたことを特徴とする遊技機。
手段31の遊技機では、上皿と下皿とが設けられており、上皿が満杯状態となった場合にはその余剰球が下皿に排出される。また、上皿と下皿とを備えた遊技機においては上皿が満杯状態となった後に下皿が満杯状態となるため、遊技機前面体の開放に際しては上皿のみが満杯状態である場合が多くあると考えられる。
この場合に、下皿用入口部が上皿用入口部に対して遊技機前面体の回動基端側となるように受口部が形成されている。また、遊技機前面体の開閉に際して上皿用第2通路部の出口部の下方を下皿用入口部が通過するように遊技機前面体の回動軸が設定されている。さらに、受口部の仕切壁はその上縁が受口部の上縁に対して下方となるように形成されている、又は仕切壁の上縁の一部が下方に凹んでいる。これにより、遊技機前面体の開放に際して上皿用第1通路部と上皿用第2通路部との境界部分に遊技球があったとしてもその遊技球が下皿用入口部に退避され、その遊技球が第2通路部の通路壁に当たりづらくなる。よって、遊技機前面体の開放を良好に行うことができる。
また、本構成によれば、下皿用入口部が球退避部としての機能を兼用することとなるため、構成の簡素化を図ることができ、さらには退避した遊技球は自ずと下皿に排出されることとなる。
手段32.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技流域形成体(遊技盤81)が取り付けられる枠体(本体枠13)と、
当該枠体の前側に設けられ、前記遊技領域を視認可能とする窓パネル部(窓部21、ガラス22)と、
前記枠体の後側に設けられ、前記遊技領域における遊技結果に基づいて遊技球を払い出す払出装置(払出装置224)と、
前記窓パネル部の下方に設けられ、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留する球受け皿(上皿33、下皿34)と、
前記枠体に対して前方に回動可能に設けられ、前記窓パネル部及び前記球受け皿を有する遊技機前面体(前扉枠14)と、
当該遊技機前面体に設けられ入口部(内側開口部278、外側開口部279)にて受けた遊技球を前記球受け皿へ導く第1通路部(前扉側上皿通路部272、前扉側下皿通路部273)、及び当該第1通路部よりも上流側を構成し前記入口部に遊技球を導く第2通路部(裏パック側上皿通路部258、裏パック側下皿通路部259、本体側上皿通路部262、本体側下皿通路部263)を有し、前記払出装置から払い出された遊技球を前記球受け皿に導く受け皿通路(裏パック側上皿通路部258、本体側上皿通路部262、及び前扉側上皿通路部272からなる上皿通路、裏パック側下皿通路部259、本体側下皿通路部263、及び前扉側下皿通路部273からなる下皿通路)と、
前記遊技機前面体が開放された場合に前記第2通路部の遊技球の通過を阻止する通過阻止手段(シャッター部材293)とを備え、
前記入口部の位置が前記枠体の背面よりも前側となるように前記第1通路部を形成するとともに、前記枠体の後側から当該枠体の背面よりも前側まで延ばして前記第2通路部を形成したことを特徴とする遊技機。
手段32によれば、遊技機前面体に窓パネル部と球受け皿とが設けられている。これにより、遊技機前面部において窓パネル部と球受け皿との間に境界が生じることはなく、従来の遊技機のような当該境界を利用した不正行為を抑制することができる。また、当該構成によれば、遊技機のデザイン上、好適なものとなる。
この場合に、払出装置から払い出された遊技球を球受け皿に導く受け皿通路は、遊技機前面体に設けられ入口部にて受けた遊技球を球受け皿へ導く第1通路部と、第1通路部よりも上流側を構成し入口部に遊技球を導く第2通路部とを有する。また、遊技機前面体が開放された場合に第2通路部の遊技球の通過を阻止する通過阻止手段が設けられている。これにより、上記のように窓パネル部と球受け皿とを遊技機前面体に設けた構成において、球受け皿が満杯状態である場合に遊技機前面体を開放する必要が生じたとしても、その開放操作に際して球受け皿に貯留された遊技球や球受け皿に向けて待機された遊技球が遊技機外部へ流出してしまうことが抑制される。よって、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
また、本構成においては、入口部の位置が枠体の背面よりも前側となるように第1通路部を形成するとともに、枠体の後側から当該枠体の背面よりも前側まで延ばして第2通路部を形成した。これにより、第1通路部を枠体の後側まで延ばして形成する構成に比べ第1通路部の後方への突出量が抑えられ、第1通路部を極力コンパクトなものとすることが可能となる。よって、遊技機前面体の開放操作を良好に行うことができる。
手段33.手段32において、前記枠体は、前記第1通路部を形成する第1通路形成体(前扉側通路ユニット271)の後側と対峙する位置に、当該第1通路形成体の後側をカバーするカバー部(収容凹部292b)を有することを特徴とする遊技機。
手段33によれば、枠体には第1通路形成体の後側にカバー部が形成されているので、第1通路形成体が枠体を前後方向に貫通していない。第1通路形成体が枠体を前後方向に貫通する構成を想定すると、遊技機前面体の開放操作における第1通路形成体の回動範囲を確保できる大きさの貫通孔等が枠体に形成されるため、枠体の強度低下を招くおそれがある。これに対して、枠体にカバー部が設けられており第1通路形成体が枠体を前後方向に貫通していないため、上記不都合の発生を抑制することができる。
なお、「第1通路形成体の後側をカバーする」構成には、第1通路形成体の後側に貫通孔が全く存在しない構成だけでなく、第1通路形成体を貫通させない程度の貫通孔が存在する構成も含まれる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13(支持体)と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した電飾部23が設けられている。電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部21の側方の一方には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらに他方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、前扉枠14の左右の上部には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。
上皿33は、その奥壁に球入口33aを有し、後述する払出装置より払い出され当該球入口33aを介して導入された遊技球を一旦貯留するとともに、それら遊技球を一列に整列させながら球出口33bへ導く機能を有する。球出口33bから上皿33外に出た遊技球は後述する遊技球発射機構へ導かれる。なお、上側膨出部31には、図示しない球抜きボタンが設けられており、当該球抜きボタンが操作されることにより、上皿33に貯留された遊技球が下皿34へ排出される。
下皿34は、その奥壁に球入口34aを有し、上皿33内にて余剰となり球入口34aを介して導入された遊技球を貯留する機能を有する。また、下皿34の底部には、球抜き孔が形成されており、下側膨出部32の前面側に設けられた球抜きレバー35が操作されることにより球抜き孔が開放され、貯留された遊技球が下皿34の下方へ排出される。
これら上皿33及び下皿34に後述する払出装置から払い出された遊技球を排出するための前扉側上皿通路部及び前扉側下皿通路部が、前扉枠14の背面側に形成されている。かかる構成については後に詳細に説明する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の上部には、図2及び図6に示すように、前扉枠14の開放の状態を検知するための前扉開放スイッチ78が設けられている。前扉開放スイッチ78は、樹脂ベース71の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠13に対して前扉枠14を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠14の閉鎖が検知され、本体枠13に対して前扉枠14を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠14の開放が検知されるようになっている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、後述する払出装置から払い出された遊技球を前扉枠14側に導くための本体側上皿通路部及び本体側下皿通路部が、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて設けられている。さらには、本体側上皿通路部及び本体側下皿通路部に対するシャッター機構が設けられている。これらの構成については後に詳細に説明する。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面における遊技盤81が取り付けられた位置よりも下方には、長尺状の補強金属板137が左右方向に延びるようにして取り付けられている。また、補強金属板137が取り付けられた位置よりも下方には、補強リブ領域138が形成されている。これにより、樹脂ベース71の補強が行われている。特に、これら補強金属板137及び補強リブ領域138が設けられた位置は、遊技球発射機構110の後方となっている。したがって、樹脂ベース71における遊技球発射機構110の取り付け部分の平坦性が良好に保たれ、当該遊技球発射機構110からの遊技球の発射が好適に行われる。
また、上述したように遊技球発射機構110の左方には当該樹脂ベース71を前後方向に貫通するようにして本体側上皿通路部及び本体側下皿通路部が形成されている。したがって、樹脂ベース71における遊技球発射機構110周辺の強度が低下し平坦性が損なわれるおそれがあるが、上記のとおり補強金属板137及び補強リブ領域138が設けられていることにより、かかる不都合の発生が抑制されている。
次に、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の一般入賞口82と対応する位置に入賞口スイッチ152が設けられ、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。なお、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の左右両側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。これらケースレール223及び払出装置224は、裏パックユニット15の回動基端側にある。払出装置224より払い出された遊技球は、前扉枠14に設けられた上皿33又は下皿34に排出される。かかる構成については後に詳細に説明する。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、払出装置224から払い出された遊技球の通路構成について説明する。図14は遊技球の通路構成を説明するための説明図である。なお、図14においては、便宜上、本体枠13側及び裏パックユニット15側の通路構成について断面で示す。
払出装置224は、上述したとおりパチンコ機10の背面部を構成する払出機構部202に設けられている。払出装置224の下方には上下方向に延びる払出通路251が形成されており、払出装置224から払い出された遊技球は払出通路251を流下し、払出機構部202の下端に形成された遊技球振分部252に導入される。
遊技球振分部252は、払出装置224より払い出された遊技球を前扉枠14に設けられた上皿33側又は下皿34側に振り分ける機能を有する。遊技球振分部252の構成を、図15に示す遊技球振分部252周辺の縦断面図を参照しながら説明する。遊技球振分部252は上方及び前方に開放しており、その内部が2つの仕切壁253a,253bによって仕切られることで3つの開口部255a,255b,255cが左右方向に並設されている。
これら開口部255a,255b,255cのうち、パチンコ機10内側の開口部255aは上皿33へ続く上皿通路に通じており、中央の開口部255bは下皿34へ続く下皿通路に通じている。なお、パチンコ機10外側の開口部255cは排出通路231に通じており、タンク221に貯留された遊技球の排出作業においてはそれら貯留された遊技球が外側の開口部255cを介して排出通路231に導かれパチンコ機10の外部に排出される。
上皿通路は、裏パックユニット15に設けられた裏パック側上皿通路部258と、本体枠13に設けられた本体側上皿通路部262と、前扉枠14に設けられた前扉側上皿通路部272とから構成されている。同様に、下皿通路は、裏パックユニット15に設けられた裏パック側下皿通路部259と、本体枠13に設けられた本体側下皿通路部263と、前扉枠14に設けられた前扉側下皿通路部273とから構成されている。
これら各通路部258,259,262,263,272,273について詳細に説明する。
<裏パック側通路部258,259>
裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259は、裏パックユニット15の回動基端側においてベース部211を前後方向に貫通するようにして設けられた裏パック側通路ユニット257に形成されている(図14参照)。裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259は通路壁によって区画され左右方向に並設されている。また、裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259は、それぞれ前後方向に延びており、下流側に向けて下り傾斜となっている。以上の構成において裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259に導入された遊技球は、底部258a,259a上を転がった後に本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263のそれぞれに排出される。
ちなみに、裏パック側下皿通路部259は裏パック側上皿通路部258に比べ幅寸法(左右方向寸法)が大きくなっている。これは、以下の理由による。つまり、払出装置224から払い出された遊技球は裏パック側上皿通路部258へ続く遊技球振分部252の内側の開口部255aに導かれる。これに対して、裏パック側下皿通路部259へは、遊技球振分部252において内側の開口部255aに遊技球が充たされ、当該開口部255aから溢れた遊技球が導かれる。したがって、裏パック側上皿通路部258を通過する遊技球に比べ、裏パック側下皿通路部259を通過する遊技球はその軌道が不規則となり、裏パック側下皿通路部259内での球詰まりの発生が懸念される。これに対して、裏パック側通路ユニット257という限られた空間において、裏パック側下皿通路部259の幅寸法を裏パック側上皿通路部258よりも大きくすることで、上記球詰まりが発生する確率が低減される。なお、下皿通路において球詰まりが発生する確率を低減するために、裏パック側下皿通路部259だけでなく、本体側下皿通路部263及び前扉側下皿通路部273についても各上皿通路部262,272より幅寸法が大きくなっている。つまり、下皿通路は上皿通路よりも幅寸法(通路幅寸法又は通路方向に対して垂直方向の通路開口断面積)が大きくなっている。
<本体側通路部262,263>
本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263は、本体枠13の回動基端側において樹脂ベース部71を前後方向に貫通するようにして設けられた本体側通路ユニット261に形成されている。なお、遊技盤81にはその隅角に本体側通路ユニット261を避けるようにして切欠部89が設けられている(図7及び図8参照)。
本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263は、仕切用通路壁264によって区画されて左右方向に並設されており、それぞれ球出口262a,263aが下方を向くようにして形成されている。詳細には、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の上流側は下流側に向けて下り傾斜となっており、その下流側では若干下方に延出させて球出口262a,263aが形成されている。以上の構成において本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263に導入された遊技球は、底部262b,263b上を転がり球出口262a,263aを介して前扉側上皿通路部272及び前扉側下皿通路部273のそれぞれに排出される。ちなみに、本体側上皿通路部262は本体側下皿通路部263に比べ幅寸法(左右方向寸法)が小さくなっている。
<前扉側通路部272,273>
前扉側上皿通路部272及び前扉側下皿通路部273は、前扉枠14の背面に設けられた前扉側通路ユニット271に形成されている。ここで、前扉側通路ユニット271について図16〜図20を用いて説明する。図16は前扉枠14から前扉側通路ユニット271を分離した状態を示す斜視図、図17は前扉側通路ユニット271の斜視図、図18は前扉側通路ユニット271の分解斜視図、図19は前扉側通路ユニット271の正面図、図20は前扉側通路ユニット271の平面図である。
前扉側通路ユニット271は、図18に示すように一対のベース板274a,274bを有している。これらベース板274a,274bはポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成されており、それぞれ溝部や開口部が形成されている。両ベース板274a,274bがネジなどにより結合されることで、前扉側上皿通路部272を構成する受口部275が形成されているとともに、少なくとも前扉側下皿通路部273を構成する通路形成部276が形成されている。なお、前扉側通路ユニット271は受口部275及び通路形成部276の他に板状部271aを有している。この前扉側通路ユニット271は、前扉側上皿通路部272の出口272aが上皿33の球入口33aと重なり、前扉側下皿通路部273の出口273aが下皿34の球入口34aと重なるようにして、前扉枠14に対してネジ止めされている。この場合、前扉側通路ユニット271の板状部271aは前扉枠14の背面に当接している。
ちなみに、前扉側通路ユニット271には、補強金属板351,352が取り付けられている。これら補強金属板351,352のうち、第1補強金属板351は受口部275に取り付けられている。また、第2補強金属板352は通路形成部276に取り付けられている。受口部275は上皿33の球入口33aに通じており、また通路形成部276は下皿34の球入口34aに通じている。したがって、パチンコ機10前方から球入口33a又は球入口34aを介して不正用冶具を挿入し、さらに受口部275の壁又は通路形成部276の壁を破壊してその挿入した不正用冶具を遊技領域や遊技盤81の裏面まで侵入させる行為が想定される。これに対して、上記のように補強金属板351,352が取り付けられていることにより、受口部275の壁又は通路形成部276の壁が破壊されたとしても上記不正用冶具のそれ以上の侵入を阻止することが可能となる。
前扉側通路ユニット271の受口部275及び通路形成部276について説明する。受口部275が形成された位置は通路形成ユニット271において上側隅部であり、前扉枠14との関係では当該前扉枠14の回動基端側となっている。また、受口部275は、通路形成部276よりもパチンコ機10の後方に突出しており、さらには前扉枠14の回動軸よりもパチンコ機10の後方にある。そして、前扉枠14を閉鎖した状態において、受口部275は本体枠13の前側端部よりも後側に入り込んでいる。
但し、受口部275は本体枠13の後側端部よりも前側にあり、本体枠13(樹脂ベース71)には受口部275と対峙する位置に、当該受口部275の突出側をカバーするカバー部としての収容凹部292bが形成されている(図21参照)。よって、前扉枠14を閉鎖した状態において受口部275は本体枠13を前後方向に貫通していない。
受口部275は図17等に示すように上方に開放されており、その左右方向の略中央には底部から上方に起立した仕切壁277が一体形成されている。この仕切壁277に仕切られることで、受口部275には2つの開口部278,279が左右方向に並設されている。かかる構成において、受口部275におけるパチンコ機10内側の側壁はパチンコ機10後側などに比べ背が高くなっており、当該側壁には庇部275aが形成されている。この庇部275aが形成されていることにより、上記2つの開口部278,279のうちパチンコ機10内側の開口部278はパチンコ機10外側の開口部279よりも幅寸法(左右方向寸法)が小さくなっている。
パチンコ機10内側の開口部278は、本体側上皿通路部262の球出口262aと上下に対峙しており、図19等に示すように、前扉側上皿通路部272の球入口となっている。また、パチンコ機10外側の開口部279は、本体側下皿通路部263の球出口263aと上下に対峙しており、通路形成部276に形成される前扉側下皿通路部273の球入口となっている。この場合に、上記のとおり、受口部275は本体枠13の前側端部よりも後側に入り込んでいるため、前扉側上皿通路部272と本体側上皿通路部262との境界部分、及び前扉側下皿通路部273と本体側下皿通路部263との境界部分は、その一部が本体枠13の前側端部よりも後側に入り込んでいる(図14等参照)。
内側開口部278と上皿33の球入口33aとは前後に並んでおり、前扉側上皿通路部272はそれら内側開口部278と球入口33aとを繋ぐように前後方向に延びている。ここで、前扉側上皿通路部272は上皿33の球入口33aに向けて幅寸法(左右方向寸法)が大きくなっている。
外側開口部279と下皿34の球入口34aとは左右方向及び上下方向にずれた位置関係となっている。つまり、外側開口部279が前扉枠14の回動基端側にあり、下皿34の球入口34aは前扉枠14の左右方向の中央付近にある(図16等参照)。また、外側開口部279に対して下皿34の球入口34aは下方にある。これら外側開口部279と下皿34の球入口34aとを繋ぐように、前扉側下皿通路部273が形成されている。詳細には、図19に示すように、前扉側下皿通路部273はクランク状をなしており、大別して上流側左右領域284と上下領域285と下流側左右領域286とからなる。このように前扉側下皿通路部273をクランク状とすることで、直線状とする構成に比して通路長が長くなる。
上皿33及び下皿34への遊技球の流れについて説明すると、図15に示すように払出装置224からは遊技球振分部252における内側の開口部255aに向けて遊技球が払い出される。よって、払出装置224から払い出された遊技球は各上皿通路部258,262,272によって構成される上皿通路を通って上皿33に排出される。
但し、払出装置224から多数の遊技球が払い出され上皿33が満杯状態となり、さらにその後も遊技球の払い出しが継続されると、上皿通路にて遊技球が連なり、図15に示すように、遊技球振分部252における内側の開口部255aの全体に遊技球が充たされることとなる。かかる状態において払出装置224から払い出された遊技球は遊技球振分部252における内側の仕切壁253aを乗り越え中央の開口部255b内に入る。そして、この遊技球は各下皿通路部259,263,273によって構成される下皿通路を通って下皿34に排出される。
<満杯検知センサ280>
次に、満杯検知センサ280について説明する。
通路形成部276には、図19に示すように、前扉側下皿通路部273を通る遊技球を検知するように満杯検知センサ280が設けられている。満杯検知センサ280は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、満杯検知センサ280は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
満杯検知センサ280は主制御装置162に対して電気信号を出力する。主制御装置162では、満杯検知センサ280の検知結果に基づいて払出装置224による遊技球の払い出しを停止させる。これにより、下皿34が満杯状態となり、前扉側下皿通路部273において満杯検知センサ280の位置まで遊技球が連なった場合には、それ以上の遊技球の払い出しが停止される。かかる払い出しの停止は、下皿34の満杯状態が解除され満杯検知センサ280にて遊技球が検知されなくなることにより解除される。
ここで、満杯検知センサ280は、前扉側下皿通路部273における上流側左右領域284に対して設けられている。詳細には、上流側左右領域284における底壁の下方に、満杯検知センサ280が取り付けられている。このように上流側左右領域284に対して満杯検知センサ280を設けることで、下皿34が満杯状態である状況では、少なくとも上下領域285及び下流側左右領域286にて遊技球が連なり上流側左右領域284の位置にて遊技球が待機しない限り、満杯検知センサ280が満杯状態である旨の検知結果とならない。したがって、少なくとも上下領域285及び下流側左右領域286が遊技球の待機領域となり、遊技者の持ち球の貯留容量を極力大きくすることができる。
上記のように満杯検知センサ280の位置が設定された構成において、下皿通路(裏パック側下皿通路部259、本体側下皿通路部263、前扉側下皿通路部273)における満杯検知センサ280よりも上流側の通路長は、下皿34が満杯状態となった際に下皿通路にて連なる遊技球の遊技球列が払出装置224の位置まで到達しないように設定されている。つまり、所定の払出速度で遊技球の払い出しを行っている払出装置224が払出停止された際には、既に払出装置224から払い出され下皿34に向けて流下している遊技球が存在し得る。この場合に、その既に流下している遊技球として想定される最大数の遊技球が下皿通路にて満杯検知センサ280よりも上流側に並んだとしても、その遊技球列が払出装置224の位置まで並ばないようになっている。
<シャッター機構291>
次に、シャッター機構291について説明する。図21はシャッター機構291の分解斜視図、図22はシャッター機構291の動きを説明するための説明図である。
本実施の形態では上述したように前扉枠14に対して前扉側通路ユニット271が設けられている。また、前扉枠14には上述したように窓部21が形成されており、例えば遊技領域にて球詰まり等が発生しそれを解消するために前扉枠14を開放すると、それに合わせて前扉側通路ユニット271が前方に移動し、前扉枠14側の各通路部272,273と本体枠13側の各通路部262,263とが離間される。そして、この前扉枠14の開放操作が、上皿33や下皿34が満杯状態であり本体側上皿通路部262や本体側下皿通路部263にて遊技球が待機されている状態において行われると、その待機されている遊技球が前扉側上皿通路部272や前扉側下皿通路部273にて受けられなくなり散乱してしまうおそれがある。これに対して、この遊技球の散乱を防止するためにシャッター機構291が設けられている。
シャッター機構291は本体枠13の前面側に設けられている。詳細には、樹脂ベース71における本体側通路ユニット261の下方には取付部292が形成されており、この取付部292に対してシャッター機構291が取り付けられている。シャッター機構291は、シャッター部材293と、コイルバネ294と、ストッパ295とから構成されている。
シャッター部材293は合成樹脂により略板状に形成されている。シャッター部材293の下端には左右方向に貫通させて軸孔293aが形成されており、取付部292にはこの軸孔293aと同一軸線上に軸孔を有する支軸部292aが形成されている。シャッター部材293の軸孔293a及び支軸部292aに支軸ピン296が挿通固定されていることにより、シャッター部材293は取付部292に対して下端を軸線として前後方向に回動可能に支持されている。
シャッター部材293の上端には、一方の端部(本実施の形態では、左側の端部)から側方に延出させて延出部297が形成されており、当該延出部297の前方となるようにしてストッパ295が設けられている。ストッパ295は合成樹脂により成形されており、取付部292にネジ止め固定されている。また、ストッパ295には、シャッター用ストッパ295aと当該シャッター用ストッパ295aよりも下方にあり前方に張り出したバネ用ストッパ295bとが形成されている。
ストッパ295と延出部297との間にはコイルバネ294が設けられている。コイルバネ294は、一端がストッパ295のバネ用ストッパ295bに固定され他端が延出部297の下端に固定されており、伸張状態で設けられている。したがって、シャッター部材293には前方へ向けた付勢力が常に作用しており、シャッター部材293の自然状態では延出部297がシャッター用ストッパ295aに当接した位置にある。この当接した位置では、シャッター部材293の上端部298が本体側通路ユニット261の下方にある。
シャッター部材293の上端部298は、その上面が所定の曲率で、外方に凸であって前後方向に円弧状となっている。この円弧の仮想中心は、軸孔293aとなっている。また、シャッター部材293は、その前後方向寸法が本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aの前後方向寸法と略同一となっており、さらに左右方向寸法が本体側通路ユニット261の左右方向寸法と略同一となっている。そして、上端部298は、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aの略全体と対峙している。つまり、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aがシャッター部材293によって閉鎖されている。この位置がシャッター部材293の閉鎖位置(阻止位置)である。
上端部298には前方に突出させて前方段部298bが一体形成されている。この前方段部298bは、閉鎖位置に移動する際に、本体側上皿通路部262と前扉側上皿通路部272との境界部分や、本体側下皿通路部263と前扉側下皿通路部273との境界部分にある遊技球を受口部275側に押し込む機能を有する。
上端部298には、その左右方向の途中位置に前後方向に延びる溝部298aが形成されている。この溝部298aの位置は、受口部275における仕切壁277の位置に対応している。つまり、上端部298において溝部298aよりもパチンコ機10内側の領域は上皿通路用の阻止領域となっており、溝部298aよりもパチンコ機10外側の領域は下皿通路用の阻止領域となっている。この溝部298aには、シャッター部材293が閉鎖位置にある場合に、本体側通路ユニット261における各通路部262,263を仕切る仕切用通路壁264の下端部分264aが入り込む。
取付部292におけるシャッター部材293の後方には、後方へ凹んだ収容凹部292bが形成されている。また、シャッター部材293はその前側端面が、前扉枠14を閉鎖した際に前扉側通路ユニット271の受口部275と当接する位置にあり、上述したとおり前扉枠14を閉鎖した際には受口部275は本体側通路ユニット261の下方に配置される。したがって、前扉枠14が閉鎖されている状態においては、受口部275の後方端部がシャッター部材293の前側端面に当接しシャッター部材293に対して上記付勢力に抗する力が作用することで、当該シャッター部材293は後方に回動し収容凹部292bに収容されている。この位置がシャッター部材293の開放位置(阻止解除位置)である。
前扉枠14の開放操作に対するシャッター部材293の動きについて説明すると、図22(a)に示すように、前扉枠14が閉鎖されている状態ではシャッター部材293は開放位置にあり、本体側上皿通路部262と前扉側上皿通路部272とが連通し、本体側下皿通路部263と前扉側下皿通路部273とが連通している。
また、前扉枠14を開放することで、図22(b)に示すようにシャッター部材293は閉鎖位置に移動する。これにより、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の各球出口262a,263aが閉鎖され、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263に遊技球が待機されている状態において前扉枠14が開放されたとしても、その待機されている遊技球が散乱しないようになっている。その後、前扉枠14を閉鎖すると、図22(a)の状態に戻る。
この場合に、上記のとおり本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263は、それぞれ球出口262a,263aに向けて下り傾斜となっている。よって、本体枠13側の各通路部262,263に待機されている遊技球の重量負荷は、その一部が本体枠13側の各通路部262,263の底部262b,263bにて受けられる。つまり、それら待機されている遊技球のシャッター部材293に対する重量負荷が低減されている。よって、シャッター部材293の開閉動作の円滑化が図られている。
<球詰まり抑制構造>
次に、前扉枠14の開放操作に際しての上皿通路における球詰まり抑制構造について説明する。図23及び図24は球詰まり抑制構造を説明するための説明図である。
上述したように前扉枠14の開放に際しては、本体枠13側の各通路部262,263と前扉枠14側の各通路部272,273とが離間される。この場合に、本体枠13側の各通路部262,263と前扉枠14側の各通路部272,273との境界部分に遊技球が存在すると、その遊技球が本体側通路ユニット261と前扉側通路ユニット271との境界部分に遊技球が存在すると、その遊技球が本体側通路ユニット261と前扉側通路ユニット271とのそれぞれに当接し、球詰まりが発生することで前扉枠14の開放操作を円滑に行えないおそれがある。これに対して、球詰まり抑制構造が設けられている。この球詰まり抑制構造としては、第1球詰まり抑制構造と、第2球詰まり抑制構造とが設けられている。
<第1球詰まり抑制構造>
先ず、第1球詰まり抑制構造について図23を用いて説明する。前扉枠14を閉鎖した状態においては受口部275の各開口部278,279と本体側通路ユニット261の各球出口262a,263aとが対峙している(なお、図23においては上皿通路側のみを示す)。ここで、本体側通路ユニット261の球出口262a,263a付近において、図23に示すように手前側通路壁265はその下端が、仕切用通路壁264の下端や側方の通路壁の下端よりも上方となるように形成されている。これにより、受口部275における上方に開放された部位の開放上面部と本体側通路ユニット261の手前側通路壁265との間には、所定の間隔X1の隙間が存在する。したがって、前扉枠14の開放開始に際して前扉枠14側の各通路部272,273と本体枠13側の各通路部262,263との境界部分(図23におけるB1の位置)に遊技球があったとしても、その遊技球が本体側通路ユニット261の手前側通路壁265に当たりづらくなっている。よって、球詰まりの発生が抑制され前扉枠14の開放操作を円滑に行うことが可能となる。
なお、シャッター部材293が開放位置にある場合、当該シャッター部材293の前方段部298bは、受口部275よりも上方であって当該受口部275側に入り込む位置にある。そして、シャッター部材293が閉鎖位置に移動する場合、当該シャッター部材293の前方段部298bは、上記間隔X1の範囲内に配置される。これにより、上記のとおり、シャッター部材293が閉鎖位置に移動する際に、本体側上皿通路部262と前扉側上皿通路部272との境界部分や、本体側下皿通路部263と前扉側下皿通路部273との境界部分にある遊技球は受口部275側に押し込まれる。
上記のように手前側通路壁265の下端が仕切用通路壁264の下端や側方の通路壁の下端よりも上方となるように形成された構成において、シャッター部材293が閉鎖位置にある場合、本体側の通路部262,263に待機している遊技球が零れ落ちないようになっている。詳細には、図22(b)に示すように、シャッター部材293の軸孔293aから手前側通路壁265の下端までの距離L1と、軸孔293aからシャッター部材293の上端部298の上面までの距離L2との差は、遊技球の直径よりも小さくなっている(L1―L2<R)。したがって、両者の隙間が遊技球の直径よりも小さくなり、上記待機している遊技球が零れ落ちない。
特に、シャッター部材293の軸孔293aから手前側通路壁265の下端までの距離L1と、軸孔293aからシャッター部材293の上端部298の上面までの距離L2との差は、遊技球の半径よりも小さくなっている(L1―L2<R/2)。したがって、上記待機している遊技球の負荷は手前側通路壁265に確実に受けられ、上記遊技球の零れ落ちが確実に阻止されている。
<第2球詰まり抑制構造>
次に、第2球詰まり抑制構造について図23及び図24を用いて説明する。この第2球詰まり抑制構造は、上皿通路及び下皿通路のそれぞれに対して設けられている。そこで、先ず上皿通路の第2球詰まり抑制構造について説明する。
上述したように受口部275は前扉枠14の背面よりも後方に突出させて形成されており、図24に示すように受口部275は前扉枠14の回動軸282よりも後方にある。したがって、前扉枠14の開放に際しての外側開口部279の回動範囲には、図24(b)に示すように本体側上皿通路部262の下方領域の一部が含まれる。また、前扉枠14の開放におけるその途中位置においては、内側開口部278及び外側開口部279のそれぞれの一部が本体側上皿通路部262の下方に位置することとなる。そして、この状態では内側開口部278にある遊技球が、受口部275の仕切壁277よりも上方の領域を通って外側開口部279へ移動することが可能となる。
また、図17及び図24に示すように、受口部275の仕切壁277にはその上端から下方に凹ませて凹部283が形成されている。凹部283は仕切壁277の左右方向の途中位置から後側端部にかけて形成されており、その前後方向寸法X2は遊技球の直径Rよりも大きくなっている(X2>R)。
以上のように、受口部275の外側開口部279の回動範囲が設定されており、さらに受口部275の仕切壁277に凹部283が形成されていることにより、前扉枠14の開放開始に際して前扉側上皿通路部272と本体側上皿通路部262との境界部分であって本体側上皿通路部262寄りの位置(図23におけるB2の位置)に遊技球があったとしても、その遊技球が凹部283を横切って内側開口部278側から外側開口部279側に退避され得る。よって、球詰まりの発生が抑制され前扉枠14の開放操作を円滑に行うことが可能となる。但し、凹部283の深さ寸法はX3となっており、凹部283の底と本体側通路ユニット261の仕切用通路壁264の下端との間の間隔は遊技球の直径Rよりも小さくなっている。したがって、仕切壁277に凹部283を形成した構成において、前扉枠14を閉鎖した状態においては内側開口部278にある遊技球が外側開口部279に移動してしまうことが防止されている。
次に、下皿通路の第2球詰まり抑制構造について説明する。
受口部275における外側開口部279側の上端部にはパチンコ機10外方に延出させて球退避部290が一体形成されている。つまり、球退避部290は外側開口部279に対して前扉枠14の回動基端側において当該外側開口部279と左右に並んでいる。球退避部290は1個の遊技球が十分に載ることができる程度の皿状となっており、その底部290aは外側開口部279の開放上面部よりも下方であって外側開口部279の底部よりも上方にある。但し、球退避部290は前扉枠14の閉鎖時において、本体側下皿通路部263を通過した遊技球が載らないように形成されている。つまり、球退避部290の底部290aと本体側通路ユニット261の側壁部との間の距離は、遊技球の直径未満となっている。なお、かかる距離を遊技球の半径未満とするのが好ましい。
球退避部290の底部290aは外側開口部279に向けて下り傾斜となっており、球退避部290は外側開口部279に対して連通されている。また、上記のとおり受口部275は前扉枠14の回動軸282よりも後方にあり、前扉枠14の開放に際しての球退避部290の回動範囲には、本体側下皿通路部263の下方領域の一部が含まれる。
以上のように球退避部290が設けられておりその回動範囲が上記のとおり設定されていることにより、前扉枠14の開放開始に際して前扉側下皿通路部273と本体側下皿通路部263との境界部分であって本体側下皿通路部263寄りの位置(図24においてB3の位置)に遊技球があったとしても、その遊技球は球退避部290に退避され得る。つまり、当該位置にある遊技球は、前扉枠14の開放操作に際して本体側通路ユニット261の手前側通路壁265に当たり、球退避部290に向けて押し込まれるため、当該球退避部290に退避される。よって、球詰まりの発生が抑制され前扉枠14の開放操作を円滑に行うことが可能となる。また、球退避部290の底部290aは上記のとおり外側開口部279に向けて下り傾斜となっているので球退避部290に退避した遊技球は自重により外側開口部279内に入る。
<戻り球通路部299>
次に、戻り球通路部299について説明する。
前扉側通路ユニット271には、図19等に示すように、戻り球通路形成部281が受口部275や通路形成部276と一体的に形成されている。戻り球通路形成部281は、前扉側下皿通路部273における上下領域285と下流側左右領域286とのコーナ部分の内側に設けられており、上方に開放された回収口281aを有している。なお、回収口281aの上縁は、上流側左右領域284及び上下領域285の上壁287の上面287aよりも低位にある。
戻り球通路形成部281の回収口281aは、前扉枠14を本体枠13に閉鎖した状態において、遊技球発射機構110の発射レール112と遊技盤81の内,外レール部101,102との間に位置している。したがって、遊技球発射機構110から発射されたが遊技領域まで至らず、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆流してくる戻り球は回収口281aから戻り球通路形成部281内に入る。
この戻り球通路形成部281内に入った遊技球は、戻り球通路形成部281に形成された戻り球通路部299を通って下皿34に排出される。戻り球通路部299は、遊技球1個分よりも若干大きい程度の通路幅及び通路高さを有しており、複数の遊技球が通路幅方向に並ぶこと、及び途中位置にて複数の遊技球が積み重なることが防止されている。また、戻り球通路部299は、回収口281aを入口として概ね左右方向に延び、前扉側通路ユニット271における受口部275側とは反対側の端部に出口299aを有している(図18参照)。この出口299aは、下皿34において前扉側下皿通路部273を通過した遊技球用の球入口34aとは別に設けられた球入口34bに通じている(以下、球入口34aを第1球入口34a、球入口34bを第2球入口34bともいう)。つまり、戻り球通路部299は、前扉側下皿通路部273とは別に設けられており、戻り球通路部299に導入された遊技球は前扉側下皿通路部273を通過する遊技球とは完全に別経路で下皿34に排出される。
ここで、下皿34において、第2球入口34bは第1球入口34aに対して左右方向にずらした位置に形成されている。詳細には、戻り球通路部299は、前扉側下皿通路部273の下流側よりも遊技球流下方向で見て外方(横方)に延長させて形成されており、この延長させた距離分、第2球入口34bは第1球入口34aに対して横方にずれた位置にある。これにより、前扉側下皿通路部273を通過した遊技球と、戻り球通路部299を通過した遊技球とが同時に下皿34に排出される場合において、それら両遊技球が衝突することが回避される。これら遊技球が衝突すると相互の跳ね返りにより遊技球が下皿34の外方に飛び出てしまうおそれがあるが、上記のとおり両遊技球の衝突が回避されていることでかかる飛び出しのおそれが低減されている。
上記のように戻り球通路部299が、前扉側下皿通路部273の下流側よりも遊技球流下方向で見て外方(横方)に延長させて形成されていることにより、下皿34にて第1球入口34aと第2球入口34bとを左右方向にずらすようにした構成において、戻り球通路部299の通路長を極力長く確保することができる。
さらにまた、下皿34において、第2球入口34bは第1球入口34aに対して左右方向にずらした位置に形成されているだけでなく、第1球入口34aに対して上方にずらした位置に形成されている。これにより、下皿34に多数の遊技球が貯留されたとしても、その貯留された遊技球は第2球入口34bよりも先に第1球入口34aの位置に達することとなる。したがって、前扉側下皿通路部273に比べ、戻り球通路部299に遊技球が待機しづらくなる。また、両通路部273,299に遊技球が待機したとしても、第2球入口34bが第1球入口34aよりも上方にあることにより、戻り球通路部299の方が待機の解消が行い易くなっている。
なお、第1球入口34aと第2球入口34bとを同じ高さ位置としてもよい。この場合、第2球入口34bを第1球入口34aよりも上方としたことによる上記効果は得られないが、左右方向に並設した上記効果は依然として得られる。
戻り球通路部299は、図19及び図20に示すように、その途中位置に曲がり部299b,299cを有しており、遊技球の流下方向が前後方向や上下方向に変更されるようになっている。これにより、曲がり部299b,299cを有しない構成に比して、戻り球通路部299の通路長が長く確保され、戻り球通路部299にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができる。
戻り球通路部299は、前扉側下皿通路部273の上方にあり、戻り球通路部299が占めるパチンコ機10の前後方向の領域と、前扉側下皿通路部273が占めるパチンコ機10の前後方向の領域とは上下に重なっている。これにより、前扉側通路ユニット271に前扉側下皿通路部273及び戻り球通路部299を設けた構成において、前扉側通路ユニット271の体格の縮小化、すなわち前扉側通路ユニット271のコンパクト化が図られる。また、戻り球通路部299は、その少なくとも一部が前扉側下皿通路部271に沿うようにして形成されている。この点からも、前扉側通路ユニット271の体格の縮小化、すなわち前扉側通路ユニット271のコンパクト化が図られている。
<球受け構造>
次に、前扉枠14の開放操作に際しての球受け構造について説明する。
前扉枠14の開閉は上皿33が満杯状態において行われることがある。この場合に、受口部275の内側開口部278が遊技球で満たされている状態で前扉枠14が開閉されると、その開閉の際の振動等によって内側開口部278にある遊技球が庇部275aを乗り上げ零れ落ちてしまうおそれがある。これに対して、その零れ球に対する球受け構造が設けられている。
この球受け構造は前扉側通路ユニット271の通路形成部276に設けられている。詳細には、図19及び図20に示すように、球受け構造は通路形成部276における前扉側下皿通路部273の上流側左右領域284及び上下領域285の上壁287に設けられている。
上壁287は、受口部275における内側開口部278の下方を通って、前扉側下皿通路部273の遊技球流下方向に緩やかに下り傾斜となっている。また、上壁287は、平面視で内側開口部278に対して左右に並んでいる。つまり、上壁287が内側開口部278の下方の位置から前扉枠14の回動先端側に延びていると言える。
上壁287におけるパチンコ機10後側端部には、上面287aから起立させて左右方向に延びる突条部288が一体形成されている。また、上壁287におけるパチンコ機10前側端部には、前扉側通路ユニット271の板状部271aがある。かかる構成により、上壁287の上面287aには突条部288と板状部271aとの間に球受け通路289が形成されている。
球受け通路289は、上壁287が上記のとおり形成されていることにより、受口部275における内側開口部278の下方から前扉枠14の回動先端側に向けて延びており、当該回動先端側に向けて下り傾斜となっている。ここで、上記のとおり、前扉側下皿通路部273における上下領域285と下流側左右領域286とのコーナ部分の内側に戻り球通路形成部281が設けられており、戻り球通路形成部281の開口部の上縁は、上壁287の上面287aよりも低位にある。すなわち、球受け通路289の先には戻り球通路形成部281があり、当該戻り球通路形成部281の開口部の上縁は球受け通路289よりも低位にある。したがって、球受け通路289は、戻り球通路形成部281に通じており、さらには戻り球通路部299に通じている。
以上のように球受け通路289が設けられていることにより、前扉枠14の開閉の際の振動等によって内側開口部278から遊技球が零れ落ちたとしても、その遊技球は球受け通路289によって受けられる。この受けられた遊技球は球受け通路289を流下することで戻り球通路形成部281に導入され、戻り球通路部299を通って下皿34に排出される。これにより、零れ球を遊技ホールなどに散乱させることなく下皿34に排出することができる。
特に、零れ球は、前扉枠14の回動に際しての遠心力により、内側開口部278から前扉枠14の回動先端側に落下するものと考えられる。この場合に、上記のとおり球受け通路289が内側開口部278の下方から回動先端側に延びるようにして設けられていることにより、球受け通路289において零れ球を受け易くなる。また、仮に内側開口部278から前扉枠14の回動基端側に遊技球が落下したとしても、その零れ球は外側開口部279にて受けられる。
なお、上記のとおり受口部275には球退避部290が設けられている。したがって、前扉枠14の開閉に際して外側開口部279から前扉枠14の回動基端側に零れ球が落下したとしても、その零れ球は球退避部290にて受けられ得る。この点から、球退避部290は、球詰まり抑制構造としての機能だけでなく、球受け構造としての機能も有する。また、外側開口部279から前扉枠14の回動先端側に零れ球が落下した場合には、その零れ球は内側開口部278にて受けられる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図25のブロック図に基づいて説明する。図25では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路302の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、主制御回路302には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、主制御回路302の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板322の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、払出制御基板322の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板324の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
次に、遊技球の払い出しに関する電気的構成について、図26のブロック図に基づいて説明する。
主制御基板301の入力側には、遊技球の検知スイッチである入賞口スイッチ152、カウントスイッチ153、及び作動口スイッチ154が接続されている。入賞口スイッチ152は一般入賞口82に入った遊技球を検知し、カウントスイッチ153は可変入賞装置83に入った遊技球を検知し、作動口スイッチ154は作動口84に入った遊技球を検知する。また、主制御基板301の入力側には、前扉開放スイッチ78又は満杯検知センサ280が接続されている。
主制御基板301は、上記各スイッチ152,153,154から検知信号を入力した場合には、その検知信号を入力したスイッチ152,153,154に対応した賞球コマンドを払出制御基板322に出力する。また、前扉開放スイッチ78又は満杯検知センサ280から入力した検知信号に基づいて払出停止コマンドを払出制御基板322に出力する。つまり、前扉枠14が開放された場合、及び下皿34が満杯状態となった場合に、払出停止コマンドを出力する。
払出制御基板322は、主制御基板301から賞球コマンドを入力することにより、その賞球コマンドに含まれる賞球情報に応じた数の遊技球の払い出しを実行するよう払出装置224を駆動制御する。これにより、賞球の払い出しが実行される。また、払出制御基板322は、主制御基板301から払出停止コマンドを入力することにより、遊技球の払い出しを行っている途中であったとしても当該払い出しを停止するよう払出装置224を停止制御する。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される払出停止処理を図27のフローチャートを参照しながら説明する。
払出停止処理では、先ずステップS11にてRAM313に設けられた払出停止中フラグ格納エリアに払出停止中フラグがセットされているか否かを判定する。かかる払出停止中フラグは、払出制御基板322に対して払出停止コマンドを出力することによりセットされ、払出制御基板322に対して停止解除コマンドを出力することによりクリアされるフラグである。
払出停止中フラグがセットされていない場合には、ステップS11にて否定判定をし、ステップS12〜ステップS14の払出停止設定処理を実行する。当該払出停止設定処理では、ステップS12にて前扉開放スイッチ78から検知信号を入力しているか否かを判定し、ステップS13にて満杯検知センサ280から検知信号を入力しているか否かを判定する。前扉開放スイッチ78及び満杯検知センサ280のいずれからも検知信号を入力していない場合には、ステップS12及びステップS13の双方にて否定判定をし、そのまま本処理を終了する。
前扉開放スイッチ78又は満杯検知センサ280のいずれかから検知信号を入力していた場合には、ステップS12又はステップS13のいずれかで肯定判定をし、ステップS14に進む。なお、満杯検知センサ280から検知信号を入力している場合には、その入力により即座に肯定判定をするのではなく、所定期間に亘って検知信号を入力した場合に肯定判定をする。下皿34が満杯状態でない場合において前扉側下皿通路部273を通過する遊技球により満杯検知センサ280がONされてしまうからである。
ステップS14では、払出制御基板322に対して払出停止コマンドを出力するとともに、払出停止中フラグをセットする。その後、本処理を終了する。払出制御基板322においては、当該払出停止コマンドを入力することにより払出装置224を停止制御する。また、主制御基板301から後述する停止解除コマンドを入力する前に、当該主制御基板301から賞球コマンドを入力したとしても、払出装置224の駆動制御を開始しない。
一方、払出停止中フラグがセットされている場合には、ステップS11にて肯定判定をし、ステップS15及びステップS16の払出停止解除処理を実行する。当該払出停止解除処理では、ステップS15にて前扉開放スイッチ78及び満杯検知センサ280のいずれからも検知信号を入力していないか否かを判定し、いずれかから検知信号を入力している場合には否定判定をし、そのまま本処理を終了する。
前扉開放スイッチ78及び満杯検知センサ280のいずれからも検知信号を入力していない場合には肯定判定をし、ステップS16に進む。ステップS16では、払出制御基板322に対して停止解除コマンドを出力するとともに、払出停止中フラグをクリアする。その後、本処理を終了する。払出制御基板322においては、当該停止解除コマンドを入力することにより、賞球が残っている場合には払出装置224の駆動制御を開始する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
発射されたものの遊技領域の上部に到達することなく内,外レール部101,102を逆流してくる戻り球を下皿34に排出するようにした構成において、前扉側下皿通路部273とは別に戻り球通路部299を設け、それら各通路部273,299の下皿34への排出口を別に設けた。これにより、戻り球通路部299を通過する遊技球の経路が、前扉側下皿通路部273を通過する遊技球に対して異なるものとなる。したがって、前扉側下皿通路部273において多数の遊技球が待機している状況下で多数の戻り球が生じたとしても、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことが抑制される。
例えば、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまう場合を想定すると、その溢れた遊技球が遊技球発射機構110からの遊技球の発射経路上にきてしまうおそれがあり、遊技領域への遊技球の誘導が阻害されてしまう。そして、この誘導が阻害された遊技球等は、戻り球通路形成部281が溢れていることに伴って当該戻り球通路形成部281にて受けられず、パチンコ機10内部にて散乱してしまうおそれがある。この場合、遊技者の持ち球が遊技に用いられることなく消失してしまうこととなり、また散乱する位置によってはパチンコ機10の構成部品の破損等を招くおそれもある。これに対して、上記のとおり戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことが抑制され、上記不都合が発生する可能性が低減される。
また、上記のように各排出口を別に設けたことにより、下皿34に多数の遊技球が貯留され前扉側下皿通路部273と戻り球通路部299との両方に遊技球が待機した場合、前扉側下皿通路部273の待機状態の解除までをも要することなく、戻り球通路部299の待機状態の解除のみを行うことができる。つまり、戻り球通路部299の待機状態の解除を簡易的に行うことができる。
下皿34において、戻り球通路部299の排出口(第2球入口34b)を前扉側下皿通路部273の排出口(第1排出口34a)に対して左右方向にずらした位置に形成した。これにより、前扉側下皿通路部273を通過した遊技球と戻り球通路部299を通過した遊技球とが同時に下皿34に排出される場合において、それら両遊技球が衝突することが回避される。これら遊技球が衝突すると相互の跳ね返りにより遊技球が下皿34の外方に飛び出してしまうおそれがあるが、上記のとおり両遊技球の衝突が回避されることでかかる飛び出しのおそれが低減される。
戻り球通路部299の下流側を前扉側下皿通路部273の下流側に対して横方向に延長させることで、戻り球通路部299の排出口を前扉側下皿通路部273の排出口に対して左右方向にずらした。これにより、戻り球通路部299の排出口を前扉側下皿通路部273の排出口に対して左右方向にずらすようにした構成において、戻り球通路部299の通路長を極力長く確保することができる。そして、かかる通路長を極力長く確保することで、戻り球通路部299にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができ、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
戻り球通路部299には曲がり部299b,299cを形成したことにより、直線的に形成する構成に比して、戻り球通路部299の通路長を極力長く確保することができる。そして、かかる通路長を極力長く確保することで、戻り球通路部299にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができ、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
遊技者の持ち球の貯留容量を極力大きく確保すべく前扉側下皿通路部273を少なくとも左右方向に延ばして形成した構成において、戻り球通路部299を前扉側下皿通路部273に沿うようにして少なくとも左右方向に延ばして形成した。これにより、戻り球通路部299の通路長を極力長く確保することができる。そして、かかる通路長を極力長く確保することで、戻り球通路部299にて待機可能な遊技球の数を極力多くすることができ、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
戻り球通路部299を前扉側下皿通路部273に対して上下方向に並設するとともに、戻り球通路部299が占めるパチンコ機10前後方向の領域を、前扉側下皿通路部273が占めるパチンコ機10前後方向の領域に対して上下方向に重ならせた。これにより、パチンコ機10において前扉側下皿通路部273及び戻り球通路部299の両通路部が占める領域の縮小化が図られ、パチンコ機10の設計の自由度が高められる。
満杯検知センサ280を前扉側下皿通路部273における戻り球通路部299の下方領域よりも上流側の上流側左右領域284に対して設けた。これにより、下皿34が満杯状態となったとしても、少なくとも前扉側下皿通路部273における上下領域285及び下流側左右領域286にて遊技球が連なり、上流側左右領域284にて遊技球が待機しない限り、払出装置224からの遊技球の払い出しが停止されない。したがって、少なくとも上下領域285及び下流側左右領域286が遊技球の待機領域となり、上下領域285や下流側左右領域286に対して満杯検知センサ280を設ける構成に比して、遊技者の持ち球の貯留容量を極力大きくすることができる。
また、上記のように戻り球通路部299の下方領域よりも上流側に対して満杯検知センサ280を設ける構成では、下皿34が満杯状態となると戻り球通路部299の下方領域の上流側まで遊技球が連なることがある。この場合に、戻り球通路形成部281にて回収した遊技球を前扉側下皿通路部273における上下領域285や下流側左右領域286にて合流させる構成においては、上記状況で多数の戻り球が生じると、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまう可能性が高くなる。これに対して、上記のとおり前扉側下皿通路部273とは別に戻り球通路部299を設けたことにより、上記状況で多数の戻り球が生じたとしても、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまう可能性が低減される。
前扉枠14に窓部21、上皿33、及び下皿34を設けユニット化した。従来のパチンコ機においては、少なくとも窓部と下皿とがそれぞれ別ユニットとして設けられており、窓部が下皿に対して独立して回動可能となっていたため、パチンコ機の前面部には上記各ユニット間に境界が生じていた。この場合、当該境界から不正用治具などを挿入して行う不正行為が想定される。また、かかる不正行為を抑制すべく各ユニット間の境界に対して不正抑制構造を設けることもできるが、そうすると構成の複雑化を招いてしまう。さらに、パチンコ機の前面部において境界が生じるのは、デザイン上好ましくない。これに対して、上記のとおり前扉枠14に窓部21、上皿33、及び下皿34が設けられているので、窓部21と下皿34との間に境界が生じることはなく、上記不都合が抑制される。
この場合に、戻り球通路部299を前扉枠14に対して設けた。これにより、上記のように前扉枠14に窓部21、上皿33、及び下皿34を設けた構成において、戻り球通路部299にて遊技球が待機している状況で前扉枠14を開放する必要が生じたとしても、その開放操作に際して戻り球通路部299にて待機された遊技球がパチンコ機10外部へ流出してしまうことが抑制される。よって、前扉枠14の開放操作を良好に行うことができる。
前扉枠14には、前扉側上皿通路部272と前扉側下皿通路部273とが形成された前扉側通路ユニット271を設け、さらに前扉枠14が開放された場合に本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の遊技球の通過を阻止するシャッター部材293を設けた。これにより、上記のように前扉枠14に窓部21、上皿33、及び下皿34を設けた構成において、上皿33や下皿34が満杯状態である場合に前扉枠14の開放を行う必要が生じたとしても、その開放操作に際して上皿33や下皿34に貯留された遊技球や上皿33や下皿34に向けて待機された遊技球がパチンコ機10の外部へ流出してしまうことを抑制することができる。
特に、本構成においては、本体枠13を前後方向に貫通しないように前扉側通路ユニット271を形成した。かかる構成とすることにより、前扉側通路ユニット271における前扉枠14の後方への突出量が抑えられ、前扉側通路ユニット271を極力コンパクトなものとすることができる。本体枠13を貫通させるようにして前扉側通路ユニット271を形成する構成を想定すると、前扉枠14の開放操作に際しての前扉側通路ユニット271の回動範囲を確保するようにして本体枠13に貫通孔などを形成する必要が生じる。この場合、本体枠13の設計の自由度が低下するとともに、比較的大きな貫通孔を形成することに伴って本体枠13の強度低下を招くこととなる。また、前扉側通路ユニット271における前扉枠14の後方への突出量が大きくなり、前扉枠14の開閉操作を良好に行えなくなるおそれがある。これに対して、本構成によれば、かかる不都合の発生を抑制することができる。
前扉側上皿通路部272及び前扉側下皿通路部273の球入口が形成された受口部275を上方に開放させて形成した。これにより、前扉枠14を開閉した際に受口部275にある遊技球が零れにくくなり、前扉枠14の開閉操作を良好に行うことができる。
本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aに対してシャッター部材293を出没させた。これにより、前扉枠14が開放される場合には本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の最下流部にて遊技球の通過が阻止される。よって、前扉枠14の開放に際して本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263から遊技球が零れてしまうことを抑制することができる。
本体側上皿通路部262を、球出口262aに向けて下り傾斜となるように形成した。これにより、本体側上皿通路部262においてその球出口262a付近に待機する遊技球はその負荷の少なくとも一部が底部262bにて受けられる。よって、シャッター部材293にかかる負荷を低減することが可能となり、シャッター部材293の開閉操作の円滑化を図ることができる。
シャッター部材293は前扉側通路ユニット271の受口部275に後方に押されることで本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の遊技球の通過を可能とし、前扉枠14が開放された場合にはコイルバネ294の付勢力によりシャッター部材293が回動し遊技球の通過を阻止するようにした。かかる構成とすることにより、前扉側通路ユニット271とシャッター部材293との間にリンク機構などを設ける構成や、シャッター部材293の駆動手段を設ける構成に比べ、構成の簡素化を図ることができる。また、前扉側通路ユニット271の受口部275によりシャッター部材293を直接押すため、前扉枠14の開閉に対するシャッター部材293の連動を良好なものとすることができる。
また、前扉側上皿通路部272及び前扉側下皿通路部273の球入口が形成された受口部275によりシャッター部材293を押すようにしたため、受口部275は各球入口を形成する機能と、シャッター部材293を後方に押す機能とを併せ持つこととなる。これにより、それぞれの機能を別体で設ける構成に比べ、構成の簡素化を図ることができる。
本体枠13を前後方向に貫通しないように前扉側通路ユニット271を設けた構成において、遊技球振分部252を本体枠13の後側に設けた。これにより、上皿33に対する遊技球振分部252の距離を極力大きく確保することができる。上皿33と遊技球振分部252との間に設けられる前扉側上皿通路部272及び本体側上皿通路部262は上皿33に払い出される遊技球の待機通路を構成するものであり、これらの通路の通路長を極力大きく確保できれば上皿33における遊技球の貯留容量を実質的に大きく確保することができる。
特に、上皿33は貯留している遊技球を遊技球発射機構110に誘導する機能を有しているのに対して、下皿34はかかる機能を有していない。よって、遊技を行うためには上皿33に遊技球を補充する必要がある。かかる事情において上記のとおり上皿33における遊技球の貯留容量を実質的に大きく確保することで、単に遊技球の貯留容量を大きく確保することができるだけでなく、遊技球発射機構110に向けた待機球の容量を大きく確保することができる。
前扉枠14側の各通路部272,273の球入口(内側開口部278及び外側開口部279)と本体枠13側の各通路部262,263の球出口とを上下方向に離間させた。これにより、前扉枠14の開放に際して前扉枠14側の各通路部272,273の球入口から上方に突出した遊技球があったとしてもその遊技球が本体枠13側の各通路部262,263の通路壁に当たりづらくなる。よって、前扉枠14の開放を良好に行うことができる。
本体側通路ユニット261における手前側通路壁265の下端を、本体側通路ユニット261の他の通路壁の下端に対して上方となるように構成した。これにより、前扉枠14の開放に際して前扉枠14側の各通路部272,273の球入口から上方に突出した遊技球があったとしてもその遊技球が本体枠13側の各通路部262,263の通路壁に当たりづらくなる。よって、前扉枠14の開放を良好に行うことができる。
前扉側通路ユニット271の通路形成部276における上流領域285の上壁287に球受け通路289を形成した。これにより、前扉枠14の開閉に伴う振動等により前扉側上皿通路部272の球入口にある遊技球がそこから零れたとしても、その零れ球を受けることができる。
また、通路形成部276は前扉側下皿通路部273の通路壁を構成するものであるため、この通路形成部276に球受け通路289を設けることで前扉側下皿通路部273の通路壁の構成を有効利用することができる。よって、構成の簡素化を図ることができる。
球受け通路289を前扉側上皿通路部272の球入口の下方を通り、前扉枠14の回動先端側に向けて延びるように設けた。前扉枠14を開閉した場合にはその遠心力により、前扉側上皿通路部272の球入口から前扉枠14の回動先端側に遊技球が零れ易いと考えられる。これに対して、上記のように球受け通路289を形成したため、当該球受け通路289における零れ球の受けを良好に行うことができる。
また、前扉側上皿通路部272の球入口の回動基端側には前扉側下皿通路部273の球入口がある。よって、前扉側上皿通路部272の球入口から回動基端側に遊技球が零れたとしても、その零れ球は前扉側下皿通路部273の球入口にて受けられる。
球受け通路289を、前扉側下皿通路部273に通じる戻り球通路形成部281に遊技球を導入するように形成した。これにより、球受け通路289にて受けられた遊技球を下皿34に排出することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)前扉側通路ユニットの変形例を図28に示す。図28は前扉側通路ユニット361の平面図である。なお、上記実施の形態における前扉側通路ユニット271と同一の構成については、同一の番号を付すとともに説明を省略する。
本構成の前扉側通路ユニット361は上記実施の形態と同様に、前扉側下皿通路部273と戻り球通路部299を備えている。但し、本構成の前扉側通路ユニット361は、上記実施の形態と異なり合流部362を有しており、前扉側下皿通路部273の最下流部及び戻り球通路部299の最下流部は共に合流部362に繋がっている。また、合流部362の出口363は、前扉側通路ユニット361を前扉枠14に取り付けた状態において下皿34の球入口に連通される。
上記構成においては、前扉側下皿通路部273を通過した遊技球と戻り球通路部299を通過した遊技球とは共に合流部362内に入り、その後、下皿34に排出される。以上の構成によれば、合流部362までは、戻り球通路部299を通過する遊技球の経路が、前扉側下皿通路部273を通過する遊技球に対して異なるものとなる。これにより、前扉側下皿通路部273において多数の遊技球が待機している状況下で多数の戻り球が生じたとしても、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことが抑制される。
なお、本構成においては、下皿34にて前扉側下皿通路部273と戻り球通路部299との排出口を別に設ける構成に比して、不正用治具などを遊技領域に挿入しづらくなる。つまり、下皿34への排出口を前扉側下皿通路部273と戻り球通路部299とでそれぞれ別に設けると、下皿34における戻り球通路部299に対応した排出口に不正用冶具を挿入することで、当該不正用冶具を比較的容易に遊技領域の位置まで持っていくことが可能となる。これに対して、上記のように合流部362を設けることで、合流部362に不正用冶具を挿入したとしても当該不正用冶具をさらに戻り球通路部299内に挿し込む必要が生じ、戻り球通路部299内に不正用冶具を挿入しづらくなり、結果的に不正用冶具を遊技領域に向けて挿入しづらくなる。
(2)前扉側通路ユニットの変形例を図29に示す。図29は前扉側通路ユニット371の平面図である。なお、上記実施の形態における前扉側通路ユニット271と同一の構成については、同一の番号を付すとともに説明を省略する。
本構成の前扉側通路ユニット371は上記実施の形態と同様に、受口部372及び通路形成部373を備えている。この場合に、上記実施の形態と異なり、通路形成部373は受口部372における内側開口部374側から延びている。つまり、受口部372において外側開口部375が前扉側上皿通路部376の球入口となっており内側開口部374が前扉側下皿通路部377の球入口となっている。なお、これに合わせて本体側上皿通路部及び本体側下皿通路部の位置関係も上記実施の形態とは逆となっている。
上記構成においては、前扉枠14の開放開始に際して前扉側上皿通路部と本体側上皿通路部との境界部分であって本体側上皿通路部寄りの位置に遊技球があったとしても、その遊技球は球退避部290に退避され得る。よって、球詰まりの発生が抑制され前扉枠14の開放操作を円滑に行うことが可能となる。また、球退避部290の底部290aは上記のとおり外側開口部375に向けて下り傾斜となっているので球退避部290に退避した遊技球は自重により外側開口部375内に入る。
(3)上記実施の形態では、戻り球通路形成部281にて回収した遊技球を、戻り球通路部299を介して下皿34に排出する構成としたが、戻り球通路部299の通路構成を変更し、戻り球通路形成部281にて回収した遊技球を上皿33に排出する構成としてもよい。このように上皿33に排出する構成においては、戻り球通路部299を前扉側上皿通路部272とは別に設けることで、前扉側上皿通路部272にて多数の遊技球が待機している状況で多数の戻り球が生じたとしても、戻り球通路形成部281から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
(4)戻り球通路部299の通路構成は上記実施の形態のものに限定されることはなく、例えば、入口部分の深さ寸法を上記実施の形態よりも大きくしてもよい。また、入口部分の底部は、上記実施の形態とは反対方向に傾斜させ(球受け通路289の傾斜方向とは反対方向に傾斜させ)、その傾斜した底部の下流に前後方向に延びる通路の入口部分を形成する。そして、その前後方向に延びる通路の下流部に左右方向に延びる通路を連通させて、当該左右方向に延びる通路の下流部に下皿34への排出口を形成する。この場合、戻り球通路部299は左右方向に延びるだけでなく、前後方向に迂回した形状となる。
(5)遊技球発射機構110を本体枠13の回動基端側に設け、斜め上方ではなく略鉛直上方に遊技球を発射する構成としてもよい。当該構成であっても戻り球が生じるため当該戻り球を回収する戻り球回収部を設ける必要がある。そして、当該構成であっても、その回収した遊技球を球受け皿に排出するための戻り球通路部を皿側通路部とは別に設けることで、戻り球回収部から遊技球が溢れてしまうことを抑制することができる。
(6)満杯検知センサ280を前扉側下皿通路部273に対して設けるのではなく、本体側下皿通路部263や裏パック側下皿通路部259に対して設けてもよい。この場合、下皿34が満杯状態となった場合における下皿34よりも上流側にて待機される遊技球の数を増やすことができ、遊技球の貯留容量の増加を図ることが可能となる。また、かかる構成としたとしても、前扉枠14の開放に際しては本体側下皿通路部273の遊技球の通過はシャッター部材293により阻止されるため、前扉枠14の開放に際して本体側下皿通路部273に待機されている遊技球が零れてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
(7)上記実施の形態では、前扉側下皿通路部273と戻り球通路部299とを上下に並設したが、左右に並べて設けてもよい。また、戻り球通路部299と前扉側下皿通路部273とを別ユニットで設けてもよい。また、戻り球通路部299を、曲がり部299b,299cを設けずに直線的に延びるよう形成してもよい。
(8)前扉側下皿通路部273の排出口と戻り球通路部299の排出口との位置関係を上記実施の形態とは逆にしてもよく、両排出口を上下に並べて設けてもよい。
(9)上記実施の形態では、本体枠13を前後方向に貫通しないように前扉側通路ユニット271の受口部275を形成したが、本体枠13を前後方向に貫通させて当該受口部275を形成してもよい。但し、前扉側通路ユニット271を極力コンパクトなものとすべく、前扉側上皿通路部272及び前扉側下皿通路部273の入口部が本体枠13の背面よりも前側となるように前扉側通路ユニット271を形成する必要がある。
(10)上記実施の形態では、前扉枠14側の各通路部272,273と本体枠13側の各通路部262,263との境界部分の少なくとも一部が樹脂ベース71の前側端部よりも後側となるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、境界部分の全体が樹脂ベース71の前側端部よりも後側となるようにしてもよい。この場合、樹脂ベース71と前扉枠14との間に上記境界部分を設けるための空間を確保する必要がないので、パチンコ機10の厚み寸法を低減することが可能となる。なお、上記構成に限定されることはなく、上記境界部分の全体が樹脂ベース71の前側端部よりも前側となるようにしてもよい。
(11)シャッター機構の構成は上記実施の形態における構成に限定されない。例えば、シャッター部材293を、その上端部を軸線として回動するように設けてもよい。また、シャッター部材293が前後方向に移動するのではなく左右方向に移動することで、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aに対して出没するよう構成してもよい。また、シャッター部材293と前扉側通路ユニット271との間にリンク機構を設け、当該リンク機構を介してシャッター部材293が開閉する構成としてもよい。また、シャッター部材293を開閉させる駆動手段を設けるとともに、前扉枠14の開閉を検知する開閉検知手段を設け、開閉検知手段の検知結果に基づいて駆動手段により駆動されてシャッター部材293が開閉する構成としてもよい。
(12)上記実施の形態では、前扉枠14を閉鎖した際には前扉側通路ユニット271の受口部275とシャッター部材293とが当接することで、当該シャッター部材293が後方に押される構成としたが、これを変更してもよい。例えば、前扉側通路ユニット271の受口部275によりシャッター部材293を後方に押すのではなく、受口部275とは別に押出し部を形成し、当該押出し部によりシャッター部材293を後方に押すよう構成してもよい。
(13)上記実施の形態では、本体枠13の後側に遊技球振分部252を設けたが、当該遊技球振分部252を本体枠13の前側に設けてもよい。具体的には、前扉側通路ユニット271の受口部275を遊技球振分部としてもよい。
(14)上記実施の形態では、移動許容部として受口部275の仕切壁277に凹部283を形成したが、これを変更してもよい。例えば、仕切壁277をその上縁が受口部275の上縁に対して下方となるように形成することで移動許容部を設ける構成としてもよい。本構成であっても、前扉枠14の開放に際して前扉側上皿通路部272と本体側上皿通路部262との境界部分に遊技球があったとしても、その遊技球は仕切壁277を乗り越えて前扉側下皿通路部273の球入口側に移動することが可能となる。よって、上記境界部分にある遊技球が本体側上皿通路部262の通路壁に当たりづらくなり、前扉枠14の開放を良好に行うことができる。なお、仕切壁277に凹部283といった移動許容部を設けない構成としてもよい。
(15)通路形成部276の上壁287に遊技球の曲率に合わせた溝部を上壁287の延出方向に沿って形成するようにしてもよい。この場合、球受け通路289にて受けた遊技球を戻り球通路部299に向けてより確実に導くことができる。
(16)上記実施の形態では、前扉側通路ユニット271における通路形成部276の上壁287により球受け通路289を形成したが、通路形成部276と受口部275との位置関係を変更し、通路形成部276の側壁から外方に延出させて球受け部を形成するようにしてもよい。
(17)前扉枠14側の各通路部272,273の各入口部を後方に開放させるとともに、本体枠13側の各通路部262,263の各出口部を前方に開放させてもよい。この場合、本体枠13側の各通路部262,263と前扉枠14側の各通路部272,273との境界部分では遊技球が前後方向に流れる。
(18)球受け皿として上皿33と下皿34とを備えたパチンコ機10ではなく、一の球受け皿のみを備えたパチンコ機10に対して本発明を適用してもよい。また、一の球受け皿と、球貸出装置から貸し出された遊技球を受けて球受け皿に導くための補助受け皿とを備えたパチンコ機10に対して本発明を適用してもよい。
(19)上記実施の形態では、前扉開放スイッチ78や満杯検知センサ280の検知信号を主制御装置162にて入力するようにしたが、これら検知信号を払出制御装置242にて入力するようにしてもよい。
(20)払出停止処理(図27)の処理構成は、上記実施の形態におけるものに限定されることはなく任意である。
(21)上記実施の形態では、図柄表示装置91を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機に対して本発明を適用してもよい。