JP4444899B2 - 遊技機用台間機 - Google Patents

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Description

この発明は、スロットマシンなどのメダル遊技機に隣接して設置される遊技機用台間機に関するものである。
従来より、スロットマシンなどのメダルを遊技媒体とする遊技機において、効率の良い遊技を行いたいという要請、あるいは、なるべく遊技メダルに手を触れないで遊技を行いたいという要請に基づき、本体の正面に一括投入口とメダル送り装置を備えた一括投入機構を取り付け、遊技メダルを直接遊技機に供給可能にした遊技機用台間機(メダル貸し出し機)が考案されている(特許文献1参照)。この遊技機用台間機に隣接設置される遊技機(スロットマシン)は、メダル投入口に側方移送通路が設けられていて、一括投入機構の一括投入口から一括投入された遊技メダルや、メダル貸出機から払い出される貸し出しメダルを、移送通路(ノズル)を通じてスロットマシンに投入するように形成されている。
特開2005−192721号公報(図1)
上記したような一括投入機構を有する遊技機用台間機にあっては、一括投入機構が台間機の本体の正面に突出しているので、特に、メダルを供給するのと反対側に設置されている遊技機の前扉を開ける際に、前扉と一括投入機構がぶつかって、前扉を十分に開けない。この点、遊技機の前扉を上下に二分割し、メダル補給時には下扉のみ開放するように形成してあれば、一括投入機構の下端部が下扉よりも上側になるように配置することにより、かかる問題は解決できる。
一方、上記遊技機用台間機にあっては、一括投入機構内部に残留した遊技メダルを、簡易かつ確実に取り出したいという要請に応え、一括投入機構の下側にキャンセル用の出口を設け、その下方に受け皿を設けて排出される遊技メダル等を受け止めるように形成することが考えられる。しかし、このように形成する場合には、受け皿を含めた一括投入機構の高さ寸法は必然的に長くなるところ、遊技者が座ったまま遊技メダルを投入することに鑑み、一括投入開口の位置をあまり高く設定できず、一括投入開口の位置を最適な高さに設定すると、下部に位置する受け皿は、どうしてもメダル投入口よりも下側になってしまう。これでは、たとえ前扉を上扉と下扉に分けても、隣接する遊技機の受け皿が下扉とぶつかってしまう。かといって、台間機と遊技機との間に、受け皿と下扉が干渉しないだけの隙間をあけて設置すると、遊技機の設置面積が広くなって遊技機の台数が制限されるという問題点がある。
そこで、各請求項に記載された発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一括投入機構内部に残留した遊技メダルを、簡易かつ確実に取り出せる受け皿を備えると共に、隣接する遊技機の前扉、特に下扉を開放する際に支障が無く、遊技機の設置面積の省スペース化を図ることが可能な遊技機用台間機を提供しようとするものである。
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な一括投入開口(31)と、この一括投入開口(31)の下方に設けられ、遊技メダルを貯留可能なメダル貯め部(44)と、隣接して設置される遊技機(スロットマシン1)のメダル投入口(10)に遊技メダルを転送するための投入導入路(ノズル部60)と、メダル貯め部(44)に貯留されている遊技メダルを一枚ずつ前記投入導入路(60)に送り出すメダル送り装置(40)とを少なくとも備える遊技機用台間機に係る。
ここで、前記「遊技機」は、遊技メダルを遊技媒体として投入する遊技機であって、遊技機用台間機(2)を挟んで遊技場に並列設置されるものである。前記メダル投入口(10)は、遊技機に遊技メダルを投入する部分であって、遊技メダルを落とし込む孔などの開口部の他、遊技メダルを開口部に誘導するための通路や凹部も含む。
またここで、前記「遊技機用台間機」は、例えばメダル貸出機(2)とすることができ、上記構成の他にも、メダルを払い出すための払い出し装置(貸し出メダル払い出し装置23)や紙幣カウンター(22)を備えていてもよい。
また、遊技メダルの「一括投入」とは、メダルの向きを揃えて投入したり一枚ずつ投入するのではなくて、適宜手に掴んだ遊技メダルをランダムに投入開口に投げ入れるような場合のことを言うものである。
前記メダル貯め部(44)は、投入開口(31)から投入された遊技メダルを一時的に貯留可能な空間である。なお、遊技機用台間機がメダル貸出機(2)の場合には、メダル貸出機(2)から直接このメダル貯め部(44)に遊技メダルが払い出されるようにしてもよい。例えば、メダル貸出機(2)のメダル排出口を一括投入開口(31)の上方に設けたり、メダル排出口とメダル貯め部(44)との間に移送通路(払い出し通路(42))を設けてもよい。
前記投入導入路(60)は、メダル受け口(67)とメダル排出口(66)との間に遊技メダルが通過可能なメダル移送路(65)を形成したブロック部材とすることができる。そして、メダル送り装置(40)により送り出された遊技メダルを、メダル受け口(67)が受け入れるように形成されている。また、メダル排出口(66)は、隣接する遊技機(1)のメダル投入口(10)の側方に位置するように配置される。
前記メダル送り装置(40)は、搬送ベルト(53)を用いたベルト式メダル送り装置や、送り出し円板を用いたディスク式メダル送り装置などとすることができ、一括投入されメダル貯め部(44)に貯留された遊技メダルを一枚ずつ、投入導入路(60)に送り出すことができる装置であれば、どのような構成を有していても構わない。
そして、本発明における遊技機用台間機(2)は、前記メダル貯め部(44)の下方に、排出用開口(キャンセル開口49)と、この排出用開口(49)を開閉する開閉部材(開閉板81)を設け、前記開閉部材(81)が開くことにより前記メダル貯め部(44)内の遊技メダルその他の貯留物を前記排出用開口(49)から排出可能に形成するとともに、前記排出用開口(49)の下方に、排出用開口から排出される貯留物を受け入れ可能なな皿状の受け部材(90)を取り付けてある。そして、前記受け部材(90)は、手前側が上下方向に回動するように最奥部で軸止され、手前側を上側に回動させた位置にあるときには、前記排出用開口(49)を前方、側方及び下方から覆うとともに、内部に遊技メダルが収納されている状態であっても上側に回動させた位置で停止可能であり、手前側を下側に回動させた位置にあるときには、内部に前記排出用開口(49)から排出される貯留物を受け入れ可能であり、かつ受け入れた貯留物を上方から取り出し可能に形成されていることを特徴とする。
前記開閉部材(81)は、例えばソレノイドの作動により揺動又はスライド移動して排出用開口(49)を開閉自在な板部材とすることができる。また、前記受け部材(90)は、上方が開口する皿状又は椀状の容器とすることができる。
ここで、「遊技メダルその他の貯留物」とは、遊技メダルやゴミなどの異物を含むものである。
(作用)
本発明に係る遊技機用台間機(2)を一の遊技機(1)の隣に設置すれば、一括投入開開口(31)から一括投入した遊技メダルを一枚ずつメダル投入口(10)に投入させることができ、遊技中における遊技機への遊技メダルの投入を効率的に行うことができる。そして、メダル貯め部(44)や残留している遊技メダルをキャンセルする場合や、一括投入開口(31)から投入された異物を排除する場合には、例えば所定のキャンセルスイッチを操作することにより開閉部材(81)が開き、排出用開口(49)が開放されて遊技メダル等が下方に落下する。落下物は、受け部材(90)が受け入れるので、受け部材(90)に溜まった遊技メダル等を取りだせばよい。
そして、メダル供給する遊技機(1)と反対側に隣接する他の一の遊技機(1')の下扉(13B')を開放する際には、受け部材(90)を回動させて、下扉(13B')が十分に開く位置まで退避させる。この退避は、人が手で行ってもよいし、下扉(13B')の開放に伴って下扉(13B')との接触により退避位置まで移動するものであってもよい。受け部材(90)を退避させる(退避する)ことにより、下扉(13B')の開放が受け部材(90)により阻害されることが無く、また受け部材(90)と下扉(13B')とが衝突して破損するおそれもない。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な一括投入開口(31)と、隣接して設置される遊技機のメダル投入口(10)に遊技メダルを転送するための投入導入路(60)と、一括投入された遊技メダルを一枚ずつ前記投入導入路(60)に送り出すメダル送り装置(40)とを少なくとも備える遊技機用台間機(2)に係る。前記メダル送り装置(40)は、遊技メダルを上面に載せた状態で移動可能な搬送ベルト(53)と、前記搬送ベルト(53)の移送方向側上方に設けられ、搬送ベルト(53)の上部に積み重なっている遊技メダルを移送方向と逆方向に戻す逆転ローラ(52)とを少なくとも有している。また、前記一括投入開口(31)の下方でありかつ前記搬送ベルト(53)の上方には、遊技メダルを貯留可能な空間であるメダル貯め部(44)と、このメダル貯め部(44)よりもメダル送り出し側にあって前記逆転ローラ(52)により戻された遊技メダルが滞留可能な空間であるメダル戻り部(45)を有している。さらに、前記メダル貯め部(44)と前記メダル戻り部(45)の間には、その下端と前記搬送ベルト(53)の上面との間に、重なり合った遊技メダルが通過するのに十分な隙間をあけるように配置され、その上端部に設けられた支点を中心にメダル貯め部(44)方向に回動可能であり、かつ前記搬送ベルト(53)の上面に向けて垂下した状態で前記メダル戻り部(45)方向には回動不能に支持された移動調整弁(43)を備え、この移動調整弁(43)は、前記メダル貯め部(44)から前記メダル戻り部(45)に遊技メダルが雪崩れ込むのを防止し、前記メダル戻り部(45)から前記メダル貯め部(44)へのメダル移動は適宜許容するように形成されている。
そして、本発明は、前記メダル貯め部(44)の下方には、排出用開口(49)と、この排出用開口(49)を開閉する開閉部材(82)を設け、前記開閉部材(82)が開くことにより前記メダル貯め部(44)内の遊技メダルその他の貯留物を前記排出用開口(49)から排出可能に形成するとともに、前記排出用開口(49)の下方に、排出用開口(49)から排出される貯留物を受け入れ可能な皿状の受け部材(90)を取り付け、前記受け部材(90)は、手前側が上下方向に回動するように最奥部で軸止され、手前側を上側に回動させた位置にあるときには、前記排出用開口(49)を前方、側方及び下方から覆うとともに、内部に遊技メダルが収納されている状態であっても上側に回動させた位置で停止可能であり、手前側を下側に回動させた位置にあるときには、内部に前記排出用開口(49)から排出される貯留物を受け入れ可能であり、かつ受け入れた貯留物を上方から取り出し可能に形成されていることを特徴とする。
本発明は、以上のように構成されているので、一括投入機構内部に残留した遊技メダルを、簡易かつ確実に取り出せる受け皿を備えると共に、隣接する遊技機の前扉、特に下扉を開放する際に支障が無く、遊技機の設置面積の省スペース化を図ることが可能な遊技機用台間機を提供することができる。
本発明の最良の実施形態を、遊技機としてスロットマシンを、遊技機用台間機としてメダル貸出機を例に、図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1乃至図12は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1及び図9は一括投入機構3の縦断面図、図2はスロットマシン1及びメダル貸出機2の外観斜視図、図3は一括投入機構3及びメダル投入口10の拡大斜視図、図4はメダル送り装置の斜視図、図5乃至図8はノズル部を示す図、図10は受け部材90の拡大断面図、図11はスロットマシン及びメダル貸出機の平面及び正面図、図12は受け部材の他の例を示す断面図である。
本実施の形態におけるメダル貸出機2は、スロットマシン1に隣接して設置され、一台のスロットマシンに一機ずつ対応するように設けられている。
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図2に示すように、筐体の正面側に取り付けられた前扉13を有し、正面側には回転リール(図示せず)の図柄を視認可能な図柄表示窓14が形成されている。また、この図柄表示窓14の下方でありスロットマシン1の略中央部は、スタートスイッチやストップスイッチなどの操作手段が設けられる操作部16となっている。そしてこの操作部16の正面右端部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。なお、特に図示しないが、メダル投入口10の下方には、遊技メダルの真贋を判断すると共に投入メダルをカウントするためのメダルセレクターが設けられている。また、スロットマシン1の下部には、払い出しメダルを貯留可能な下皿15が設けられている。
ここで、メダル投入口10は、図3に示すように、上方から遊技メダルを一枚ずつ投入可能な上方投入開口11と、上方投入開口11の側方に連通する側方移送通路12とを有している。この側方移送通路12は、上方投入開口11から正面右側(メダル貸出機2側)に延設された樋状の通路であって、後述するノズル部60から送られてくる遊技メダルを受け入れ上方投入開口11に移送するためのものである。
そして、メダル投入口10から遊技メダルを投入し、スタートスイッチの操作により回転リールを回転させ、ストップスイッチの操作により回転リールを停止させ、このとき、複数の回転リールに表示された図柄が所定の位置態様に停止すると入賞となり、所定枚数のメダルが払い出されるように形成されているものである。
さらに本実施の形態におけるスロットマシン1は、前記前扉13が、上扉13Aと下扉13Bとに二分割されている(図11(B)参照)。上扉13Aは、筐体の開口上部を開閉自在かつロック可能に形成され、前記図柄表示窓14が設けられている。また下扉13Bは、筐体の開口下部を開閉自在かつロック可能に形成され、操作部16、メダル投入口10及び下皿15が設けられている。ここで、上扉13Aにより閉塞される筐体の開口上部には、特に図示しないが、回転リールを備えたリールユニットやスロットマシン1の作動を制御するための制御装置が内蔵されており、下扉13Bにより閉塞される筐体の開口下部には、これも特に図示しないが、前記下皿15に遊技メダルを払い出すためのホッパーユニットや電源装置が配置されている。上扉13Aは、スロットマシンの面替えの時や、回転リールのメンテナンスや制御装置の点検時以外はほとんど開放されることはない。一方、下扉13Bは、遊技中にホッパーユニットが空になった場合などに遊技メダルを補給したり、メダルセレクターのメダル詰まりをなおしたりするので、上扉13Aに比べて開放される頻度が高い。
(メダル貸出機2)
メダル貸出機2は、スロットマシン1の側面側に隣接して設置される箱型の装置であって、金銭と引き替えに遊技メダルを貸し出すと共に、貸し出しメダル及び遊技者が投入するメダルをスロットマシン1のメダル投入口10に投入するためのものである。すなわち、メダル貸出機2は、図2に示すように、外箱20に、紙幣カウンター22及び貸し出しメダル払い出し装置23が内蔵されているとともに、正面側には一括投入機構3が取り付けられているものである。
紙幣カウンター22は、外箱20の正面下方に設けられた紙幣投入口21から投入された紙幣を読み取って、貸し出しメダル払い出し装置23に所定枚数の遊技メダルを払い出させるためのものである。なお、メダル貸出機としては、紙幣投入口21及び紙幣カウンター22の他に、硬貨投入口や硬貨カウンター、釣り銭払い出し口などを有していてもよい。また、プリペイドカード投入口とカードリーダーを有していてもよい。さらに、紙幣投入口21は外箱20の正面上方にあってもよく、紙幣カウンター22はメダル貸出機2の外部(例えば島設備)に設けられていてもよい。
貸し出しメダル払い出し装置23は、遊技メダルを払い出すためのいわゆるホッパー装置であり、特に図示しないが、遊技メダルを貯留しておくためのタンクと、タンクに貯留されている遊技メダルを一枚ずつ排出可能な送り出し円板を有している。送り出し円板は、駆動モータに回転可能に軸止されており遊技メダルが嵌入可能な孔が形成されている。そして、この孔に入った遊技メダルを、回転に伴い一枚ずつ装置の外に排出するようになっている。また、貸し出しメダル払い出し装置23には排出メダルをカウントするためのセンサが設けられていて、所定枚数の遊技メダルを払い出したら駆動モータが停止するように形成されている。
(一括投入機構3)
一括投入機構3は、前記貸し出しメダル払い出し装置23から払い出される遊技メダル、及び遊技者が投入する遊技メダルを、スロットマシン1のメダル投入口10に一括投入するための機構である。
具体的には、一括投入機構3は、図1及び図3に示すように、大きく分けて、メダル貸出機2の外箱20の正面に取り付けられた本体カバー30と、本体カバー30の内部に設けられたメダル送り装置40と、本体カバー30の正面側に取り付けられたノズル部60とから構成されている。
(本体カバー30)
本体カバー30は、図1乃至図3に示すように、メダル貸出機2の外箱20の正面略中央部から手前側(スロットマシン1を正面から見た場合の手前側。以下同じ)に突設された、上面板32、底板33、前面板34、背面板35及び左右二つの側面板36を有する箱形の部材である。そしてこの本体カバー30の内部には、搬送装置50を備えたメダル送り装置40が前後方向に移動可能に収納されている。
前記上面板32には、上方に開口する一括投入開口31が形成され、一括投入開口31の手前側には、カウンター状の張り出し部が形成されている。ここには、搬送装置50を作動及び作動停止させるためのタッチセンサが敷設されている。そして、このタッチセンサに手を触れることにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動し、タッチセンサに触れている手を離すことにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動を停止するようになっている。なお、搬送装置50を作動させる手段としては、タッチセンサに限られず、ボタン式のスイッチやその他の操作手段を設けてもよい。また、駆動モータ55の駆動を開始させるためのスイッチと、駆動を停止させるためのスイッチを別々に設けてもよいものである。
また、前記一括投入開口31の両側には、上面板32から上方に隆起する立設壁37が形成されている。これは、一括投入口31に遊技メダルを投入する際、メダルがこぼれ落ちないようにするためのものである。
そして、前記底板33の奥側には、メダル送り装置40から排出される異物やキャンセルメダルを落下させるための底部開口38が形成されており、底部開口38の下方には、落下物を受け止める受け部材90が形成されている。
さらに、前記前面板34の下方には、ノズル部60のカバー部材61が設けられているとともに、背面板35には、背面開口39が形成されている。なお、この背面開口39からはメダル送り装置40の後方部が突出しており、メダル送り装置40が前後方向に摺動することができるようになっている。
(メダル送り装置40)
メダル送り装置40は、メダルを送り出すための装置であり、図1に示すように、前記本体カバー30の内部に収納される箱状の本体ベース41の内側に搬送装置50を設け、搬送装置50の奥側下方に排出装置80を設けた構成となっている。
本体ベース41は、図1及び図4に示すように、長さ方向略中央部に、上方に開口する受入開口48を有し、受入開口48の奥側には、上方に開口し内部において前記受入開口48と連通する払い出し通路42が設けられている。また、受入開口48の手前側には平坦部46が形成されており、これにより後述するメダル貯め部45の容積が確保される。本体ブロック41の前方下部には、搬送装置50が内蔵されており、本体ブロック41の正面側は、搬送装置50により送り出されたメダルをノズル部60に一枚ずつ排出するためのメダル排出部47となっている。そして、図1に示すように、前記払い出し通路42を形成する内壁の底部には、排出装置80が設けられている。
ここで、排出装置80は、図1及び図10に示すように、上方に突設された略円筒形の可動軸83を所定の作動指令信号(開放作動信号、閉塞作動信号)に応じて上下動させるソレノイド81と、一方の端部が前記可動軸83に軸支され、本体ブロック41に固定された固定軸84を支点として上下方向に揺動可能に形成された開閉板82を有している。そして、可動軸83が下方に位置しているときには開閉板82が閉じた状態(図1参照)となり、可動軸83が上方に位置しているときには開閉板82が開いた状態(図10参照)となるよう形成されているものである。そして、ソレノイド81の作動で開閉板82を開くことにより、メダル送り装置40内部にあるメダルや異物などを、本体ブロック41の底面に形成されたキャンセル開口49から排出させることができるようになっている。排出装置80は、所定の場合には開閉板82が開くように形成されている。
前記受入開口48は、図1及び図4に示すように、一括投入開口31から投入される遊技メダルを受け入れるための開口であり、開口幅の中央よりもやや後方側に、横方向に亘って設けられた仕切棒100を有している。これは、投入される遊技メダルを、極力同一方向に揃えるためである。すなわち、この仕切棒100があることにより、受入開口48に遊技メダルが縦向き(メダルの表裏面が左右方向となる向き)で投入されることがないので、ランダムに投入される遊技メダルの向きを、横向き(メダルの表裏面が前後方向となる向き)にして落下させるようになるものである。このように落下した場合には、メダルの向きが揃っているので、受入開口48の下方に位置する空間であるメダル貯め部44に、遊技メダルが平積みとなるよう貯留させることができ、搬送装置50により搬送しやすくなる。
また、図1に示すように、受入開口48の手前側端部には、搬送装置50の上方空間を、受入開口48の下方に位置するメダル貯め部44と、メダル貯め部44よりも手前側に位置するメダル戻り部45とに分ける移動調整弁43が取り付けられている。移動調整弁43は、メダル貯め部44からメダル戻り部45へのメダル移動を阻止し、メダル戻り部45からメダル貯め部44へのメダル移動は適宜許容することにより、搬送装置50によるメダル移送をスムーズに行わせるためのものである。
前記払い出し通路42は、メダル貸出機2の貸し出しメダル払い出し装置23から貸し出される遊技メダルを受け入れて、前記メダル貯め部44に誘導するためのものである。払い出し通路42の底面は、奥側から手前側に向かって下り傾斜となっており、傾斜の前端部が開閉板82によって開閉可能に形成されている。開閉板82が閉じているときには、メダル貯め部44に遊技メダルが貯留され、開閉板82が開いた場合には、メダル貯め部44又は搬送装置50の搬送ベルト53上にあるゴミなどの異物や遊技メダルは、キャンセル開口49から落下する。なお、キャンセル開口49から落下した異物や遊技メダルは、本体カバー30の底部開口38を通って受け部材90に貯留される。
さらに、本実施の形態においては、メダル送り装置40全体が、本体カバー30の内部を前後方向に摺動可能に形成されているものであるが、これについては後述する。
(受け部材90)
受け部材90は、図9、図10に示すように、本体カバー30の背面板35に設けられたヒンジ92を介して前後に回動自在に取り付けられたメダル取り出し皿91を有している。メダル取り出し皿91は、手前側に向かって湾曲した登り傾斜を有する皿底と、奥行き方向に向かって皿底からの高さが高くなる側面板を有する受け皿であり、底部開口38から排出されるメダル等が落下の勢いで皿から飛び出してしまわないようになっているとともに、皿内に貯留されたメダル等を取り出しやすく形成されている。なお、皿底にラバーなどの弾性部材を敷設すると好適である。
また、メダル取り出し皿91は、常態においては、図1に示すように、皿底が上側に向いた状態であり、図10に示すように、排出されるメダル等を受け入れることができるようになっている。そして前方底部を持ち上げることにより、図9に示すように、ヒンジ92を中心に後方に回動し、正面側の端部が本体カバー30の底板33に当接する位置まで移動する。このようにメダル取り出し皿91が移動することにより、本体カバー30の下側の空間が広くなり、メダル貸出機2を挟んでスロットマシン1の隣に設置される他のスロットマシンの下扉を開くときに、下扉とメダル取り出し皿91が干渉することがない。
この点につき詳述すると、図11(B)に示すように、メダル貸出機2を挟んでスロットマシン1と隣接設置される他のスロットマシン1'は、下扉13B'を開放したときに、メダル貸出機2の正面側に突出しているノズル部60と下扉13B'とが干渉しないよう、メダル貸出機2との間にある程度の隙間をあけて配置されている。一方、スロットマシン1のメダル取り出し皿91は、皿底が上側を向いている状態では、図1に示すように、ノズル部60よりも下方に位置していると同時に、一括投入機構3の奥行き長さの半分程度の位置まで前方に突出しているので、図11(A)で二点鎖線線に示すように、他のスロットマシン1'の下扉13B'を開放すると、下扉13B'とぶつかってしまう(図11(A)の参照)。しかし、図9に示すように、メダル取り出し皿91を後方に回動させれば、下扉13B'との干渉を回避することができるものである(図11(A)の実線参照)。
ここで、メダル取り出し皿91とスロットマシン1'の下扉13B'との接触を避けるために、メダル貸出機2とスロットマシン1’との間の設置間隙を広くすることが考えられるが、これでは、スロットマシンの設置場所が広く必要となり、結果、店内に設置可能なスロットマシンの数が減ってしまう。一方、メダル取り出し皿91を、下扉11Bの上面の最高点よりも高い位置に設置すれば、メダル取り出し皿91と下扉11B'が干渉することがなくなる。しかし、このように形成した場合には、メダル送り装置40からノズル部60を経て遊技メダルが好適に側方移送通路に転送可能な高さや、メダル送り装置40から排出される遊技メダルがメダル取り出し皿91に落下移動できる距離を確保するため、一括投入機構3そのものをメダル貸出機2の上方に移動させる必要がある。このようにすると、一括投入開口31の位置も高くなり、座って遊技を行っている遊技者が一括投入開口31に遊技メダルを投入し難くなるため都合が悪い。
従って、一括投入開口31の最適な高さ位置を保持しつつ、メダル取り出し皿91を設けようとすると、必然的にメダル取り出し皿91は下扉13の上面よりも下方に位置することとなり、隣接するスロットマシン1'の下扉13B'との干渉を避けるためには、上記したようにメダル取り出し皿91を退避可能とするのが好ましいものである。
なお、メダル取り出し皿91は、図9に示す後方に回動させた位置において、手で押さえていなくても停止しているのが好ましい。メダル取り出し皿91を停止させる手段としては、例えば、特に図示しないが、メダル取り出し皿91の正面縁部や側面板に設けた突起又は凹部に、本体カバー30に設けた係合部又は突起が係合するように形成することができる。あるいは、ヒンジ92を、メダル取り出し皿91を手で押し上げたり引き下げたりすると回動するが、メダル取り出し皿91の自重では回動しないようなラッチ機構としてもよい。
なお、本発明とは直接関係ないが、受け部材90の他の形態として、図12に示すような、蛇腹構造のものを用いてもよい。これは、底部開口38の下方に、複数のU字状のワイヤ93の両端部を軸支部94に回動自在に固定し、ビニルなどのシート95でワイヤ93の表面を被覆して容器にしたものである。そして、図12(A)に示すようにワイヤ93を広げてカップ状にすれば、底部開口38から落下してくる遊技メダル等を受け入れることができる。このとき、軸支部94の摩擦力とシート95の可塑性により、ワイヤ93が自重で下側に回動しないようになっている。また、いちばん上側にあるワイヤ93を下方向に押し下げることにより複数のワイヤ93は順次下側に回動し、図12(B)に示すようにシート95が圧縮されて、容器は奥方向に畳まれる。このようにして、隣接する他のスロットマシン1'の下扉13B'との干渉を回避することができる。
(搬送装置50)
搬送装置50は、本体ブロック41の前方下部に内蔵されており、メダル溜め部44に投入又は払い出された遊技メダルを、水平状態(遊技メダルの表裏面が上下となる状態)で一枚ずつ、ノズル部60へと送り出すためのものである。具体的には、搬送装置50は、図1に示すように、一対のローラ51(51A,51B)と、ローラ51A,51Bに掛け渡された搬送ベルト53と、搬送ベルト53の手前側上方に送出間隙54をあけて設置された逆転ローラ52と、ローラ51,52を回転させるための駆動モータ55と、駆動モータ55のモータ軸の回転をローラ51,52に伝達するための伝達手段(図示せず)を有している。
前記ローラ51は、正面側から見て前後に並列して設けられている。また、前記搬送ベルト53は、二つのローラ51A,51Bに掛け渡された平ベルトであり、表面にはゴム等を被覆して、遊技メダルとの摩擦抵抗を大きくするよう形成してある。そして、図1に示すように、手前側のローラ51Aの方が、奥側のローラ51Bよりも若干高い位置に取り付けられているので、搬送ベルト53の上面は手前側に向かってやや上り傾斜となっており、ローラ51を図1に示す黒矢印の方向に回転させることにより、搬送ベルト53の上面が手前側に移動するようになっている。
前記ローラ51と逆転ローラ52は、伝達手段により同時に回転するようになっている。伝達手段は、駆動モータ55の駆動軸、ローラ51A、逆転ローラ52にそれぞれ設けられたギヤと、これらの各ギヤを連結するベルトであって、逆転ローラ52はローラ41と同方向に回転するので、搬送ベルト53の上面の進行方向と、逆転ローラ52の下側面の移動方向とが逆になる。また、ローラ51と逆転ローラ52の直径の違いにより、逆転ローラ52の線速(ローラ表面の移動速度)の方が、ローラ51の線速よりも早くなるように形成されている。
そして、図1に示すように、逆転ローラ52の下端と搬送ベルト53の上面との間には、遊技メダル一枚の厚みよりも大きく、遊技メダル二枚分の厚みよりは小さい送出間隙54が形成されている。これにより、搬送ベルト53の上面に乗っている遊技メダルを、一枚ずつ手前側に送り出すとともに、搬送ベルト53の上方であって逆転ローラ52の後方にある遊技メダルをメダル戻り部45に蹴り出すようになっている。
前記逆転ローラ52には、断面略台形の撹拌溝が軸方向に沿って形成されている。撹拌溝は、溝の端部で遊技メダルを引っ掛けるようにして、搬送ベルト53の上方に積み重なった遊技メダルを効果的に後方に蹴り上げる役割を果たすものである。
搬送ベルト53の前方側は、後述するノズル部60のメダル受け口67と近接しており、ベルト上面に乗っている遊技メダルは、前記送出間隙54を潜ってメダル排出部47からノズル部60のメダル受け口67へと運ばれる。
(ノズル部60)
ノズル部60は、前記搬送装置50から送り出された遊技メダルをスロットマシン1のメダル投入口10に移送するためのものである。そして、ノズル部60は、図1及び図4に示すように、ベース板400を介して本体カバー30の正面下部に取り付けられるベース部材62と、本体カバー30の正面側に本体カバー30の底板33に設けられたヒンジ63を介して前後方向に回動自在に取り付けられるカバー部材61とから成り、カバー部材61がベース部材62を正面側から覆った状態、すなわちカバー部材61が閉じた状態で、本体カバー30の前面板34の下方に形成された開口部(図7参照)を塞ぐようになっている。
(ベース部材62)
前記ベース部材62は、図5及び図7に示すように、上端部に下方から上方に向かって奥方向に湾曲する湾曲部が形成された基体62Aと、基体62Aの正面側に位置し、軸支部73を中心に前後方向に回動可能に取り付けられた回動板71を有している。そして、図5に示すように、前記基体62Aの湾曲部と回動板71の上部には、メダル送り装置40のメダル排出部47と連通するメダル受け口67が形成される。なお、回動板71は、透明部材で形成されているとともに、後述する詰まり解除機構70を構成するものでもある。
また、前記基体62Aと回動板71の間には、遊技メダル一枚分の厚さよりやや大きい厚みを有し、遊技メダルの直径よりもやや大きい幅を有するメダル移送路65が形成されるようになっている。メダル移送路65は、正面視すると略L字型に形成されており、メダル受け部67からノズル部60のスロットマシン1側に屈曲して、その端部がメダル排出口66となっている(図7参照)。そして、ベース部62は、メダル排出部47から排出された遊技メダルをメダル受け口67から受け入れ、メダル移送路65を通してメダル排出口66から一枚ずつ排出するようになっている。なお、回動板71は透明部材で形成されているので、回動板71を透過してメダル移送路65を通過するメダルを正面側から視認することができる。
また、ベース部材62には、メダル移送路65を通過する遊技メダルを検知するためのメダル検知センサ64が設けられている。メダル検知センサ64は、基体62Aに設けられた近接センサであり、磁界の変化を検出して遊技メダルの通過を検知するものである。そして、メダル送り装置40が遊技メダルを送り出している間は、このメダル検知センサ64が遊技メダルを検出している。なお、メダル検知センサ64は近接センサに限られず、フォトセンサであってもよい。
さて、上記構成を有するベース部材62は、図1及び図4に示すように、水平部401及び垂直部402を有する断面略L字型のベース板400に取り付けられる。ベース板400は、垂直部402にベース部材62が固定されるとともに、本体カバー30の前面板32の正面開口から水平部401を差し込むようにして底板33の上方に設置される。そして、このベース板400の上に、本体カバー30の背面開口39から押入するようにしてメダル送り装置40が設置されるものであり、このとき、本体ベース41の底部側端部に設けられた凸片410が水平部401の側端部に前後方向に二つずつ形成された断面略L字型の立設片411に挟まれ、かつ本体ベース41の後方に形成された爪部420が、水平部401の後端部の両端に立設された固定用係合片412と係合するようになっている。このため、メダル送り装置40は、凸片410と立設片411とにより上下方向の移動を規制されるとともに、ベース板400が前後方向に移動した場合には、爪部420と固定用係合片412との係合により、ベース板400と一体的に移動する。すなわち、ベース部材62は、ベース板400を介して、メダル送り装置40と一体で前後移動可能になるものである。
さらに、ベース部材62は、本体カバー30の側面板36の内側に形成された固定部36A(図7参照)に、ネジ300により固定されるとともに、固定ネジ300を緩めることにより、前後方向に移動可能となるように形成されている。この詳細については後述する。
(カバー部材61)
前記カバー部材61は、背面側及び左側(スロットマシン側)が開口し前記ベース部材62を被覆可能なケース状の蓋である。そして、図3及び図5に示すように、正面には、閉じた状態で正面側から前記メダル移送路65を通過する遊技メダルを視認可能なスリット61Bが形成されており、正面上部には、詰まり解除機構70としてのプッシュボタン72と、カバー部材61を開くときに所定の鍵を差し込むためのキー孔61Aが設けられている。このキー孔61Aは、例えばメダル貸出機2の貸し出しメダル払い出し装置23にメダルを補給するために外箱20に設けてある扉を開くときに使用する鍵(キー200。図5参照)の外形形状に合わせて形成されている。
また、カバー部材61の上部には、先端に鈎部を有する係合片68が背面側に向かって突設されている。この係合片68は、カバー部材61を閉じたときに、先端の鈎部が本体カバー30の前面板34の裏面側に設けられた係止爪34A(図5参照)と係合するものである。
さらに、カバー部材61の底部であって、ベース部材62のメダル受け口67の下方に位置する部分には、後述する詰まり解除機構70の作動によりキャンセルされるメダルを落下させるためのメダル落下口69が形成されている。
次に、カバー部材61の開閉について説明する。カバー部材61は、閉じた状態においては、図1に示すように、係合片68の鈎部が係止爪34A(図5参照)と係合しており、本体カバー30にロックされている。カバー部材61を開く場合には、図5に示すように、キー孔61Aにキー200を差し込むと、係合片68が弾性変形して下方に撓み、鈎部と係止爪34Aとの係合が外れる。そこでカバー部材61を手前側に引けば、カバー部材61はヒンジ63を中心に前方に回動し、図6に示すように開いた状態となる。開いているカバー部材61を閉じる場合には、カバー部材61を押し上げて後方に回動させれば、係合片68の鈎部が係止爪34Aに係合してロックされる。
カバー部材(61)は、メダル詰まりやメンテナンス時の他、後述するノズル部60の位置合わせのときに開くものである。
(詰まり解除機構70)
詰まり解除機構70は、前記カバー部材61を開くことなく、メダル移送路65の途中で詰まったメダルを装置外に排出させるための機構であり、カバー部材61に設けられたプッシュボタン72と、ベース部材62に設けられた回動板71とから構成されている。
回動板71は、図7に示すように、正面視略L字型の板部材であり、垂直部分の両側端部から横方向に張り出したピンを、ベース部材62に設けられた軸支部73に係止させることにより、ベース部材62の正面側に前後方向に回動可能に支持されている。また、回動板71は、軸支部73の下側に設けられたバネ74により、基体62A側に付勢されている。すなわち、通常時において回動板71は、バネ74により基体62Aの方向に引っ張られており、図8(A)に示すように、メダル移送路65を転送されるメダルが基体62Aと回動板71に挟まれて、落下することなく通過できるようになっている。
一方プッシュボタン72は、図8に示すように、カバー部材61の正面側に露出している頭部72aと、カバー部材61の正面から背面に向かって貫通する軸部72bを有し、前後方向に摺動自在に取り付けられているとともに、特に図示しないバネにより、頭部72aが正面側に突出する方向に付勢されている。また、プッシュボタン72は、後方に移動したときに軸部72bの先端部が回動板71の上端部と当接可能な位置に設けられている。
そして、メダル移送路65にメダルが詰まった場合には、頭部72aを押圧すると、図8(B)に示すように、軸部72bが背面側に突出する。軸部72bの先端に押圧された回動板71は、軸支部73を中心に、軸支部73より上側は後方に、軸支部73より下側は前方に回動し、回動板71の下側は基体62Aから離れる方向に移動する。このため、メダル移送路65の内部にあるメダルは回動板71の支えを失って、回動板71の下側と基体62Aの間にできた隙間から下方に落下するものである。落下するメダルはメダル落下口69から装置外に排出されるので、手のひらなどで受け止めればよい。
(メダル送り装置40の移動によるノズル部60の位置合わせ)
前記ノズル部60は、図3に示すように、メダル排出口66がスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12の端部と一直線上に配置されるよう設置される。この場合、メダル排出口66と側方移送通路12の端部とは必ずしも当接、合致する必要はなく、メダル排出口66から排出されたメダルが側方移送通路12に移動可能な間隙(横方向の)や高さの誤差があっても(メダル排出口66が上側に位置していれば)構わない。しかし、スロットマシン1の設置時に、メダル排出口66と側方移送通路12の端部との前後方向の位置がずれてしまうと、メダルの円滑な移送が妨げられる。従ってこのような場合には、スロットマシン1の設置後に微調整を行う必要がある。
本実施の形態においては、メダル排出口66と側方移送通路12の前後方向の位置合わせは、カバー部材61を開いてから、ベース部材62と本体カバー30との固定を解除し、ベース部材62及びメダル送り装置40を一体として本体カバー30の内部で前後に摺動させることにより行う。
具体的には、図7に示すように、本体カバー30の固定部36Aには横長の長孔が形成されており、固定ネジ300はこの長孔を貫通してベース部材62に螺合されている。そして固定ネジ300の締結力を緩めると、ベース部材62は固定部36Aに対してはフリーになるので、固定ネジ300のつまみ部を前後に引き押しすることにより、固定ネジ300のネジ部が前記長孔にガイドされつつ、ベース部材62が前後に移動する。このとき、ベース部材62が固定されているベース板400も一体的に移動し、さらにこのベース板400の移動に伴い、メダル送り装置40が一緒に移動するものである。なお、固定ネジ300のつまみ部を二重構造にし、ドライバなどを用いてネジ部を回すとベース部材62と固定部36Aとが固定又は固定解除され、つまみ部を回転させるとベース部材62が移動するように形成してもよい。
ベース部材62は、図1に示すように、カバー部材61の正面裏側と回動板71の正面側との間の隙間がP1である位置から、図9に示すように、前記隙間がP1よりも大きいP2となる位置まで移動可能に形成されている。すなわち、P1〜P2の長さの範囲における位置ずれを補正することができるようになっているものである。
なお、詰まり解除機構70は、図9に示すようにメダル送り装置40を最大限奥側に移動させた場合でも、プッシュボタン72を押圧することにより回動板71が回動し、メダル移送路65内のメダルがメダル落下口69から落下させることができるように設計されている。
このように、メダル送り装置40を一体として移動し、ノズル部60の位置あわせを行うようにする利点としては、ノズル部60のみを移動させるようにした場合と異なり、メダル送り装置40のメダル排出部47との位置ずれを考慮してメダル受け口67の開口の前後方向の寸法を大きく形成する必要がないということである。このため、メダルが落下するのに適切なメダル受け口67の開口寸法を常に保ったまま、メダル排出口66と側方移送通路12との位置合わせを行うことができるものである。
(遊技メダルの移送)
次に、上記構成を有する一括投入機構3における遊技メダルの移送過程を、図1及び図10に基づき説明する。
まず、一括投入開口31から遊技メダルを投入すると、遊技メダルは搬送ベルト53の後方部上面と開閉板82の上面に積み重なるように落下し、メダル貯め部44に貯留される。また、メダル貸出機2に紙幣を投入した場合には、貸し出しメダル払い出し装置23から遊技メダルが払い出され、払い出し通路42を通ってメダル貯め部44に貯留される。次に、一括投入機構3の上面板32を手で触れると、タッチセンサが反応して、搬送装置50が作動を開始する。すなわち、駆動モータ55が駆動して、ローラ51が回転し、搬送ベルト53が前方に移動開始する。
搬送ベルト53が移動開始すると、搬送ベルト53の後方部上面に乗っている遊技メダルが前方に移動し、その上方に貯まっているメダルも引きずられて、移動調整弁43の下方を潜ってメダル戻り部45に移動する。ここで、移動調整弁43は、前方(メダル戻り部側)には回動しないので、メダル貯め部44の上部に貯留されているメダルが、一気にメダル戻り部45に雪崩れ込むのを防ぐことができる。
搬送ベルト53により前方に移送された遊技メダルのうち、搬送ベルト53の上面に乗っている遊技メダルは、搬送ベルト53と逆転ローラ52の下面との間の送出間隙54をすり抜けて、一枚ずつ、メダル排出部47へと移送される。一方、搬送ベルト53の上方に重なっている遊技メダルは、逆転ローラ52と接触することにより、逆転ローラ52に設けられた撹拌溝に引っかかり、上方後部のメダル戻り部45に蹴り戻される。逆転ローラ52は、ローラ51よりも高速回転しているので、効率よくメダルを蹴り出すことができる。
ここで、メダル戻り部45に滞留するメダルの量が多いと、逆転ローラ52によって後方に蹴り出すのに支障をきたし、送出間隙54でメダル詰まりが発生するおそれがある。しかし、移動調整弁43は、後方(メダル貯め部側)に回動可能に取り付けられているので、メダル戻り部45内に滞留したメダルはメダル貯め部44に逆流し、メダル戻り部45の上方に空間が形成される。これにより、逆転ローラ52によるメダルの蹴り出しがスムーズに行われるものである。
搬送装置50から送り出された遊技メダルは、メダル排出部47から排出され、ノズル部60の湾曲部62Aに誘導されつつメダル受け口67に入り、メダル移送路65を通ってメダル排出口66から排出される。メダル排出口66はスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12と位置あわせされているので、遊技メダルは側方移送通路12を通って、上部投入開口11に投入される。
ところで、投入された遊技メダルを全て移送し終える前にメダル送り装置50の作動を停止させた場合(タッチセンサから手を離した場合)には、搬送ベルト53の上面やメダル貯め部33に遊技メダルが残留したままとなる。この場合、遊技を終了するなどにより、残留している遊技メダルをスロットマシン1に投入したくない場合には、所定のリセットスイッチ(図示せず)を操作する。すると、図10に示すように、排出装置80のソレノイド81が作動して開閉板82を開くとともに、メダル送り装置50の駆動モータ55が逆転駆動する。これにより、搬送ベルト53の上面にある遊技メダルは後方に移動し、開閉板82が開くことにより、メダル貯め部33の底部に開口するキャンセル開口39から下方に落下する。メダル貯め部33に貯留されていた遊技メダルも、同様にキャンセル開口39から落下する。
このようにしてメダル送り装置40から排出された遊技メダルは、受け部材90に貯留されるので、メダル取り出し皿91からメダルを取り出せばよい。なお、一括投入機構3の内部に、ゴミなどの異物が混入した場合にも、上記したのと同様にして、取り出すことができるのは言うまでもない。メダル取り出し皿91はノズル部60よりも下方に位置しているので、正面側から手を伸ばして貯留したメダル等を取り出しやすい。しかし、隣接する他のスロットマシン1'の下扉13B'を開いてメダル補給などを行う場合には、メダル取り出し皿91が邪魔になるので、図9に示すように、メダル取り出し皿91を上側に回動させて、下扉13B'との干渉を回避する。
なお、搬送装置50の作動中にメダル詰まりの発生が検知された場合には、所定の警報が発せられるとともに、駆動モータ55の駆動が停止する。メダル詰まりは、駆動モータ55及びローラ51に設けた回転検知センサにより認識することができる。回転検知センサは、具体的には、例えばローラ51の回転軸に断面D字型の突起を設け、この突起を挟んでフォトセンサを設け回転軸の回転を検知するものとすることができる。そして例えば、駆動モータ55が駆動しているにもかかわらず一定時間ローラ51の回転を検知しない場合には、搬送装置50の内部でメダル詰まりが起きていると判断できる。ちなみに、メダル検知センサ64がメダルを検知したままになっている場合には、ノズル部60の内部でメダル詰まりが起きていると判断できる。
本実施の形態においては、ノズル部60のメダル詰まりは、カバー部材61のスリット61Bから視認することによっても発見できる。この場合には、遊技者自らがプッシュボタン72を押圧して詰まりを解除することもできるし、店員がキー200を用いてカバー部材61を開くことで詰まりを解除してもよい。
本実施の形態によれば、メダル貸出機2から貸し出される遊技メダルをスロットマシン1に手に持って移動させなくても、あるいはスロットマシン1から入賞により払い出されたメダルを、一枚ずつ手でメダル投入口10に投入させなくても、一括投入機構3によりメダル投入口10に投入することができ、遊技を効率的に行うことができる。また、受け部材90として、メダル送り装置40のキャンセル開口49の下方に受け皿(メダル取り出し皿91)を設けたので、排出装置80の作動により排出されるキャンセルメダルや異物を取りこぼすことなく取り出すことができる。さらに、受け部材90を退避可能に形成してあるので、隣接する他のスロットマシン1'の下扉13B'を開放する際に邪魔にならず、下扉13B'との衝突により損傷することもない。
ところで、前記メダル取り出し皿91の移動と、排出装置80の作動を連動させるようにしてもよい。すなわち、メダル取り出し皿91を電動で回動可能に形成するとともに、常態においては皿が閉じて退避位置になるように設定しておく。そして、排出装置80の開放作動信号(キャンセルスイッチON)が出力された場合には、メダル取り出し皿91が下側に回動し、キャンセル開口49から排出されるメダル等を受け入れるようにする。なお、メダル取り出し皿91を元の位置に戻す場合には、手動で戻すようにしてもよいし、重量センサなどを設けて、皿内部の排出物を取り出したら自動的に元の位置に戻るようにしてもよい。このように形成すると、メダル取り出し皿91は不使用時には退避位置にあるので、他のスロットマシン1'の下扉13B'を開ける際にわざわざメダル取り出し皿91を退避させなくてもよく、より効率的である。
本発明の実施の形態であって、一括投入機構の断面図である。 本発明の実施の形態であって、スロットマシン及びメダル貸出機の斜視図である。 本発明の実施の形態であって、メダル投入口及び一括投入機構の拡大斜視図である。 本発明の実施の形態であって、メダル送り装置とベース板400の斜視図である。 本発明の実施の形態であって、ノズル部の断面図である。 本発明の実施の形態であって、ノズル部を開いた断面図である。 本発明の実施の形態であって、ノズル部を開いた斜視図である。 本発明の実施の形態であって、詰まり解除機構の作動を示す断面図である。 本発明の実施の形態であって、メダル送り装置を移動させた一括投入機構の断面図である。 本発明の実施の形態であって、受け部材の拡大断面図である。 本発明の実施の形態であって、スロットマシンとメダル貸出機の配置関係を示す図である。 受け部材の他の形態を示す断面図である。
1 スロットマシン(遊技機)
10 メダル投入口 11 上部投入開口
12 側方移送通路 13 前扉
13A 上扉 13B 下扉
14 図柄表示窓 15 下皿
16 操作部
2 メダル貸出機(遊技機用台間機)
20 外箱 21 紙幣投入口
22 紙幣カウンター 23 貸し出しメダル払い出し装置
3 一括投入機構
30 本体カバー 31 一括投入開口
32 上面板 33 底板
34 前面板 35 背面板
36 側面板 37 立設壁
38 底部開口 39 背面開口
34A 係止爪 36A 固定部
40 メダル送り装置 41 本体ベース
42 払い出し通路 43 移動調整弁
44 メダル貯め部 45 メダル戻り部
46 平坦部 47 メダル排出部
48 受入開口 49 キャンセル開口(排出用開口)
50 搬送装置 51 ローラ
52 逆転ローラ 53 搬送ベルト
54 送出間隙 55 駆動モータ
60 ノズル部(投入導入路) 61 カバー部材
61A キー孔 61B スリット
62A 基体
62 ベース部材 63 ヒンジ
64 メダル検知センサ 65 メダル移送路
66 メダル排出口 67 メダル受け口
68 係合片 69 メダル落下口
70 詰まり解除機構 71 回動板
72 プッシュボタン 73 軸支部
74 バネ
80 排出機構 81 ソレノイド
82 開閉板(開閉部材) 83 可動軸
84 固定軸
90 受け部材 91 メダル取り出し皿
92 ヒンジ 93 軸支部
94 ワイヤ 95 シート
100 仕切棒 200 キー
300 固定ネジ 400 ベース板

Claims (2)

  1. 一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な一括投入開口と、
    この一括投入開口の下方に設けられ、遊技メダルを貯留可能なメダル貯め部と、
    隣接して設置される遊技機のメダル投入口に遊技メダルを転送するための投入導入路と、
    メダル貯め部に貯留されている遊技メダルを一枚ずつ前記投入導入路に送り出すメダル送り装置とを少なくとも備える遊技機用台間機において、
    前記メダル貯め部の下方に、排出用開口と、この排出用開口を開閉する開閉部材を設け、
    前記開閉部材が開くことにより前記メダル貯め部内の遊技メダルその他の貯留物を前記排出用開口から排出可能に形成するとともに、
    前記排出用開口の下方に、排出用開口から排出される貯留物を受け入れ可能な皿状の受け部材を取り付け、
    前記受け部材は、手前側が上下方向に回動するように最奥部で軸止され、手前側を上側に回動させた位置にあるときには、前記排出用開口を前方、側方及び下方から覆うとともに、内部に遊技メダルが収納されている状態であっても上側に回動させた位置で停止可能であり、手前側を下側に回動させた位置にあるときには、内部に前記排出用開口から排出される貯留物を受け入れ可能であり、かつ受け入れた貯留物を上方から取り出し可能に形成されていることを特徴とする遊技機用台間機。
  2. 一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な一括投入開口と、
    隣接して設置される遊技機のメダル投入口に遊技メダルを転送するための投入導入路と、
    一括投入された遊技メダルを一枚ずつ前記投入導入路に送り出すメダル送り装置とを少なくとも備える遊技機用台間機において、
    前記メダル送り装置は、遊技メダルを上面に載せた状態で移動可能な搬送ベルトと、前記搬送ベルトの移送方向側上方に設けられ、搬送ベルトの上部に積み重なっている遊技メダルを移送方向と逆方向に戻す逆転ローラとを少なくとも有し、
    前記一括投入開口の下方でありかつ前記搬送ベルトの上方には、遊技メダルを貯留可能な空間であるメダル貯め部と、このメダル貯め部よりもメダル送り出し側にあって前記逆転ローラにより戻された遊技メダルが滞留可能な空間であるメダル戻り部を有し、
    前記メダル貯め部と前記メダル戻り部の間には、その下端と前記搬送ベルトの上面との間に、重なり合った遊技メダルが通過するのに十分な隙間をあけるように配置され、その上端部に設けられた支点を中心にメダル貯め部方向に回動可能であり、かつ前記搬送ベルトの上面に向けて垂下した状態で前記メダル戻り部方向には回動不能に支持された移動調整弁を備え、この移動調整弁は、前記メダル貯め部から前記メダル戻り部に遊技メダルが雪崩れ込むのを防止し、前記メダル戻り部から前記メダル貯め部へのメダル移動は適宜許容するように形成され、
    前記メダル貯め部の下方には、排出用開口と、この排出用開口を開閉する開閉部材を設け、前記開閉部材が開くことにより前記メダル貯め部内の遊技メダルその他の貯留物を前記排出用開口から排出可能に形成するとともに、前記排出用開口の下方に、排出用開口から排出される貯留物を受け入れ可能な皿状の受け部材を取り付け、
    前記受け部材は、手前側が上下方向に回動するように最奥部で軸止され、手前側を上側に回動させた位置にあるときには、前記排出用開口を前方、側方及び下方から覆うとともに、内部に遊技メダルが収納されている状態であっても上側に回動させた位置で停止可能であり、手前側を下側に回動させた位置にあるときには、内部に前記排出用開口から排出される貯留物を受け入れ可能であり、かつ受け入れた貯留物を上方から取り出し可能に形成されていることを特徴とする遊技機用台間機。
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