JP4431100B2 - メダル送り装置 - Google Patents
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Description
しかし、上記したベルト式のメダル送り装置では、一括投入される遊技メダルがメダル送り装置のメダル受け入れ口に導入されやすいよう、メダル送り装置の上面にメダル受け入れ口に向かって下り傾斜する傾斜部を設けてあった関係上、メダル送り装置の内部空間が狭くなっていた。このため、逆転ローラの付近にメダルが大量に溜まっていると、逆転ローラが送出方向と逆方向に遊技メダルをはじくことができず、メダル詰まりが発生しやすい。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
ここで、遊技メダルの「一括投入」とは、メダルの向きを揃えて投入したり一枚ずつ投入するのではなくて、適宜手に掴んだ複数枚の遊技メダルをランダムに投入開口に投げ入れるような場合のことを言うものである。なお、投入部(48)に、装置内部に落下移動するメダルの向きが極力一定方向に揃うような手段(例えば仕切棒(100))を設けると好ましい。
また、前記戻し手段(52)は、その下面の移動方向が移送手段(53)の上面の移動方向と逆方向となるよう回転するローラであって、移送手段(53)の上方にある遊技メダル、すなわち移送手段(53)の上面に載っている遊技メダルの上に積み重なっている遊技メダルを、回転により後方にはじき飛ばすことにより、送出間隙(54)に遊技メダルが二枚重なったまま送り込まれるのを防止するためのものである。なお、戻し手段(52)の「軸方向がメダル移送方向と交差する」とは、軸方向がメダル移送方向と直交する場合を含むが、戻し手段(52)の軸方向がメダル移送方向に対して斜めに交差するように配置されていてもよい。
ここで、外装部材(41)の「上面内側」とは、箱形の外装部材(41)の上面板の裏側のことである。
(作用)
投入部(48)に投入された遊技メダルは、所定の作動開始手段(センサやスイッチ)により移送手段(53)が作動すると、メダル送り出し方向に向かって移送される。そして、移送手段(53)により移送されてきた遊技メダルのうち、移送手段(53)の上面に載っているメダルは、戻し手段(52)の下方を潜ってそのまま排出部(47)に移送される。移送手段(53)の上方に積み重なったメダルは、戻し手段(52)によって、移送手段(53)の進行方向と逆方向にはじき飛ばされる。
本発明に係るメダル送り装置(40)を、スロットマシンなどのメダル遊技機に隣接して設置される遊技機用台間機などに取り付け、排出部(47)をメダルを遊技機のメダル投入口(10)に直接又は間接的に連通させることにより、一括投入した遊技メダルを一枚ずつメダル投入口(10)に投入させることができ、遊技中における遊技機への遊技メダルの投入を効率的に行うことができる。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
ここで、メダル貸出機(2)は、前記貸し出しメダル払い出し装置(23)の他に、紙幣投入口(21)や紙幣カウンタ(22)を有していてもよく、その他の装置を備えていても構わない。
前記払い出し通路(42)は、貸し出しメダル払い出し装置(23)のメダル排出口近傍からメダル貯め部(44)まで通ずる管状の移送路とすることができる。
メダル貸出機(2)に紙幣を入れるなどして貸し出しメダル払い出し装置(23)を作動させると、払い出された遊技メダルは払い出し通路(42)を経て、メダル送り装置(40)内部のメダル貯め部(44)へと直接移送される。従って、メダル貸出機(2)からある程度まとまった枚数払い出される遊技メダルを、手で受け止めたり容器入れて遊技機(例えばスロットマシンの下皿)まで移動させる必要が無く、メダルに手を触れることなく遊技を開始することができる。また、入賞などにより遊技機から払い出された遊技メダルを、再度遊技機に投入する場合には、投入部(48)に一括投入すればよい。
(図面の説明)
図1乃至図10は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1及び図9は一括投入機構3の縦断面図、図2はスロットマシン1及びメダル貸出機2の外観斜視図、図3は一括投入機構3及びメダル投入口10の拡大斜視図、図4はメダル送り装置の斜視図、図5乃至図8はノズル部を示す図、図10は排出貯留部90の拡大断面図である。
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図2に示すように、筐体の正面側に取り付けられた前扉13を有し、正面側には回転リール(図示せず)の図柄を視認可能な図柄表示窓14が形成されている。また、この図柄表示窓14の下方でありスロットマシン1の略中央部は、スタートスイッチやストップスイッチなどの操作手段が設けられる操作部16となっている。そしてこの操作部16の正面右端部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。なお、特に図示しないが、メダル投入口10の下方には、遊技メダルの真贋を判断すると共に投入メダルをカウントするためのメダルセレクターが設けられている。また、スロットマシン1の下部には、払い出しメダルを貯留可能な下皿15が設けられている。
そして、メダル投入口10から遊技メダルを投入し、スタートスイッチの操作により回転リールを回転させ、ストップスイッチの操作により回転リールを停止させ、このとき、複数の回転リールに表示された図柄が所定の位置態様に停止すると入賞となり、所定枚数のメダルが払い出されるように形成されているものである。
メダル貸出機2は、スロットマシン1の側面側に隣接して設置される箱型の装置であって、金銭と引き替えに遊技メダルを貸し出すと共に、貸し出しメダル及び遊技者が投入するメダルをスロットマシン1のメダル投入口10に投入するためのものである。すなわち、メダル貸出機2は、図2に示すように、外箱20に、紙幣カウンター22及び貸し出しメダル払い出し装置23が内蔵されているとともに、正面側には一括投入機構3が取り付けられているものである。
紙幣カウンター22は、外箱20の正面下方に設けられた紙幣投入口21から投入された紙幣を読み取って、貸し出しメダル払い出し装置23に所定枚数の遊技メダルを払い出させるためのものである。なお、メダル貸出機としては、紙幣投入口21及び紙幣カウンター22の他に、硬貨投入口や硬貨カウンター、釣り銭払い出し口などを有していてもよい。また、プリペイドカード投入口とカードリーダーを有していてもよい。さらに、紙幣投入口21は外箱20の正面上方にあってもよく、紙幣カウンター22はメダル貸出機2の外部(例えば島設備)に設けられていてもよい。
一括投入機構3は、前記貸し出しメダル払い出し装置23から払い出される遊技メダル、及び遊技者が投入する遊技メダルを、スロットマシン1のメダル投入口10に一括投入するための機構である。
具体的には、一括投入機構3は、図1及び図3に示すように、大きく分けて、メダル貸出機2の外箱20の正面に取り付けられた本体カバー30と、本体カバー30の内部に設けられたメダル送り装置40と、本体カバー30の正面側に取り付けられたノズル部60とから構成されている。
本体カバー30は、図1乃至図3に示すように、メダル貸出機2の外箱20の正面略中央部から手前側(スロットマシン1を正面から見た場合の手前側。以下同じ)に突設された、上面板32、底板33、前面板34、背面板35及び左右二つの側面板36を有する箱形の部材である。そしてこの本体カバー30の内部には、搬送装置50を備えたメダル送り装置40が前後方向に移動可能に収納されている。
前記上面板32には、上方に開口する一括投入開口31が形成され、一括投入開口31の手前側には、カウンター状の張り出し部が形成されている。ここには、搬送装置50を作動及び作動停止させるためのタッチセンサが敷設されている。そして、このタッチセンサに手を触れることにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動し、タッチセンサに触れている手を離すことにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動を停止するようになっている。なお、搬送装置50を作動させる手段としては、タッチセンサに限られず、ボタン式のスイッチやその他の操作手段を設けてもよい。また、駆動モータ55の駆動を開始させるためのスイッチと、駆動を停止させるためのスイッチを別々に設けてもよいものである。
そして、前記底板33の奥側には、メダル送り装置40から排出される異物やキャンセルメダルを落下させるための底部開口38が形成されており、底部開口38の下方には、落下物を受け止める排出貯留部90が形成されている。
さらに、前記前面板34の下方には、ノズル部60のカバー部材61が設けられているとともに、背面板35には、背面開口39が形成されている。なお、この背面開口39からはメダル送り装置40の後方部が突出しており、メダル送り装置40が前後方向に摺動することができるようになっている。
メダル送り装置40は、メダルを送り出すための装置であり、図1に示すように、前記本体カバー30の内部に収納される箱状の本体ベース41の内側に搬送装置50を設け、搬送装置50の奥側下方に排出装置80を設けた構成となっている。
本体ベース41は、図1及び図4に示すように、長さ方向略中央部に、上方に開口する受入開口48を有し、受入開口48の奥側には、上方に開口し内部において前記受入開口48と連通する払い出し通路42が設けられている。また、受入開口48の手前側には、本体ベース41の上面内側が平坦になるような平坦部46が形成されており、これにより後述するメダル貯め部45の容積が確保される。
本体ベース41の前方下部には、搬送装置50が内蔵されており、本体ベース41の正面側は、搬送装置50により送り出されたメダルをノズル部60に一枚ずつ排出するためのメダル排出部47となっている。そして、図1に示すように、前記払い出し通路42を形成する内壁の底部には、排出装置80が設けられている。
すなわち、移動調整弁43は、その下端と搬送装置50の搬送ベルト53の上面との間に積み重なった遊技メダルが通過するのに十分な隙間をあけるように配置され、その上端部に設けられた支点を中心にメダル貯め部44方向に回動可能であり、かつ搬送ベルト53の上面に向けて垂下した状態でメダル戻り部45方向への回動を阻止されるように形成されている。また、移動調整弁43は平坦部46の受入開口側端部に設けられている。
前記払い出し通路42は、メダル貸出機2の貸し出しメダル払い出し装置23から貸し出される遊技メダルを受け入れて、前記メダル貯め部44に誘導するためのものである。払い出し通路42の底面は、奥側から手前側に向かって下り傾斜となっており、傾斜の前端部が開閉板82によって開閉可能に形成されている。開閉板82が閉じているときには、メダル貯め部44に遊技メダルが貯留され、開閉板82が開いた場合には、メダル貯め部44又は搬送装置50の搬送ベルト53上にあるゴミなどの異物や遊技メダルは、キャンセル開口49から落下する。なお、キャンセル開口49から落下した異物や遊技メダルは、本体カバー30の底部開口38を通って排出貯留部90に貯留される。
(排出貯留部90)
排出貯留部90は、図9、図10に示すように、本体カバー30の背面板35に設けられたヒンジ92を介して前後に回動自在に取り付けられたメダル取り出し皿91を有している。メダル取り出し皿91は、手前側に向かって湾曲した登り傾斜を有する皿底と、奥行き方向に向かって皿底からの高さが高くなる側面板を有する受け皿であり、底部開口38から排出されるメダル等が落下の勢いで皿から飛び出してしまわないようになっているとともに、皿内に貯留されたメダル等を取り出しやすく形成されている。なお、皿底にラバーなどの弾性部材を敷設すると好適である。
なお、メダル取り出し皿91は、図9に示す後方に回動させた位置において、手で押さえていなくても停止しているのが好ましい。メダル取り出し皿91を停止させる手段としては、例えば、特に図示しないが、メダル取り出し皿91の正面縁部や側面板に設けた突起又は凹部に、本体カバー30に設けた係合部又は突起が係合するように形成することができる。あるいは、ヒンジ92を、メダル取り出し皿91を手で押し上げたり引き下げたりすると回動するが、メダル取り出し皿91の自重では回動しないようなラッチ機構としてもよい。
搬送装置50は、本体ベース41の前方下部に内蔵されており、メダル溜め部44に投入又は払い出された遊技メダルを、水平状態(遊技メダルの表裏面が上下となる状態)で一枚ずつ、ノズル部60へと送り出すためのものである。具体的には、搬送装置50は、図1に示すように、一対のローラ51(51A,51B)と、ローラ51A,51Bに掛け渡された搬送ベルト53と、搬送ベルト53の手前側上方に送出間隙54をあけて設置された逆転ローラ52と、ローラ51,52を回転させるための駆動モータ55と、駆動モータ55のモータ軸の回転をローラ51,52に伝達するための伝達手段(図示せず)を有している。
前記ローラ51と逆転ローラ52は、伝達手段により同時に回転するようになっている。伝達手段は、駆動モータ55の駆動軸、ローラ51A、逆転ローラ52にそれぞれ設けられたギヤと、これらの各ギヤを連結するベルトであって、逆転ローラ52はローラ41と同方向に回転するので、搬送ベルト53の上面の進行方向と、逆転ローラ52の下側面の移動方向とが逆になる。また、ローラ51と逆転ローラ52の直径の違いにより、逆転ローラ52の線速(ローラ表面の移動速度)の方が、ローラ51の線速よりも早くなるように形成されている。
ここで、本体ベース41の上面には平坦部46が形成されているのに加え、搬送ベルト53はメダルの戻り方向(メダル送り出し方向と逆方向)に向かって下り傾斜しているため、メダル貯め部44側に行くほど本体ベース41の上面板裏側と搬送ベルト53の上面との高さ距離が大きくなる。従って、逆転ローラ52の後方には、蹴り戻されるメダルの滞留可能空間が十分に確保されることとなる。
搬送ベルト53の前方側は、後述するノズル部60のメダル受け口67と近接しており、ベルト上面に載っている遊技メダルは、前記送出間隙54を潜ってメダル排出部47からノズル部60のメダル受け口67へと運ばれる。
(ノズル部60)
ノズル部60は、前記搬送装置50から送り出された遊技メダルをスロットマシン1のメダル投入口10に移送するためのものである。そして、ノズル部60は、図1及び図4に示すように、ベース板400を介して本体カバー30の正面下部に取り付けられるベース部材62と、本体カバー30の正面側に本体カバー30の底板33に設けられたヒンジ63を介して前後方向に回動自在に取り付けられるカバー部材61とから成り、カバー部材61がベース部材62を正面側から覆った状態、すなわちカバー部材61が閉じた状態で、本体カバー30の前面板34の下方に形成された開口部(図7参照)を塞ぐようになっている。
前記ベース部材62は、図5及び図7に示すように、上端部に下方から上方に向かって奥方向に湾曲する湾曲部が形成された基体62Aと、基体62Aの正面側に位置し、軸支部73を中心に前後方向に回動可能に取り付けられた回動板71を有している。そして、図5に示すように、前記基体62Aの湾曲部と回動板71の上部には、メダル送り装置40のメダル排出部47と連通するメダル受け口67が形成される。なお、回動板71は、透明部材で形成されているとともに、後述する詰まり解除機構70を構成するものでもある。
また、前記基体62Aと回動板71の間には、遊技メダル一枚分の厚さよりやや大きい厚みを有し、遊技メダルの直径よりもやや大きい幅を有するメダル移送路65が形成されるようになっている。メダル移送路65は、正面視すると略L字型に形成されており、メダル受け部67からノズル部60のスロットマシン1側に屈曲して、その端部がメダル排出口66となっている(図7参照)。そして、ベース部62は、メダル排出部47から排出された遊技メダルをメダル受け口67から受け入れ、メダル移送路65を通してメダル排出口66から一枚ずつ排出するようになっている。なお、回動板71は透明部材で形成されているので、回動板71を透過してメダル移送路65を通過するメダルを正面側から視認することができる。
さて、上記構成を有するベース部材62は、図1及び図4に示すように、水平部401及び垂直部402を有する断面略L字型のベース板400に取り付けられる。ベース板400は、垂直部402にベース部材62が固定されるとともに、本体カバー30の前面板32の正面開口から水平部401を差し込むようにして底板33の上方に設置される。そして、このベース板400の上に、本体カバー30の背面開口39から押入するようにしてメダル送り装置40が設置されるものであり、このとき、本体ベース41の底部側端部に設けられた凸片410が水平部401の側端部に前後方向に二つずつ形成された断面略L字型の立設片411に挟まれ、かつ本体ベース41の後方に形成された爪部420が、水平部401の後端部の両端に立設された固定用係合片412と係合するようになっている。このため、メダル送り装置40は、凸片410と立設片411とにより上下方向の移動を規制されるとともに、ベース板400が前後方向に移動した場合には、爪部420と固定用係合片412との係合により、ベース板400と一体的に移動する。すなわち、ベース部材62は、ベース板400を介して、メダル送り装置40と一体で前後移動可能になるものである。
(カバー部材61)
前記カバー部材61は、背面側及び左側(スロットマシン側)が開口し前記ベース部材62を被覆可能なケース状の蓋である。そして、図3及び図5に示すように、正面には、閉じた状態で正面側から前記メダル移送路65を通過する遊技メダルを視認可能なスリット61Bが形成されており、正面上部には、詰まり解除機構70としてのプッシュボタン72と、カバー部材61を開くときに所定の鍵を差し込むためのキー孔61Aが設けられている。このキー孔61Aは、例えばメダル貸出機2の貸し出しメダル払い出し装置23にメダルを補給するために外箱20に設けてある扉を開くときに使用する鍵(キー200。図5参照)の外形形状に合わせて形成されている。
さらに、カバー部材61の底部であって、ベース部材62のメダル受け口67の下方に位置する部分には、後述する詰まり解除機構70の作動によりキャンセルされるメダルを落下させるためのメダル落下口69が形成されている。
次に、カバー部材61の開閉について説明する。カバー部材61は、閉じた状態においては、図1に示すように、係合片68の鈎部が係止爪34A(図5参照)と係合しており、本体カバー30にロックされている。カバー部材61を開く場合には、図5に示すように、キー孔61Aにキー200を差し込むと、係合片68が弾性変形して下方に撓み、鈎部と係止爪34Aとの係合が外れる。そこでカバー部材61を手前側に引けば、カバー部材61はヒンジ63を中心に前方に回動し、図6に示すように開いた状態となる。開いているカバー部材61を閉じる場合には、カバー部材61を押し上げて後方に回動させれば、係合片68の鈎部が係止爪34Aに係合してロックされる。
(詰まり解除機構70)
詰まり解除機構70は、前記カバー部材61を開くことなく、メダル移送路65の途中で詰まったメダルを装置外に排出させるための機構であり、カバー部材61に設けられたプッシュボタン72と、ベース部材62に設けられた回動板71とから構成されている。
回動板71は、図7に示すように、正面視略L字型の板部材であり、垂直部分の両側端部から横方向に張り出したピンを、ベース部材62に設けられた軸支部73に係止させることにより、ベース部材62の正面側に前後方向に回動可能に支持されている。また、回動板71は、軸支部73の下側に設けられたバネ74により、基体62A側に付勢されている。すなわち、通常時において回動板71は、バネ74により基体62Aの方向に引っ張られており、図8(A)に示すように、メダル移送路65を転送されるメダルが基体62Aと回動板71に挟まれて、落下することなく通過できるようになっている。
そして、メダル移送路65にメダルが詰まった場合には、頭部72aを押圧すると、図8(B)に示すように、軸部72bが背面側に突出する。軸部72bの先端に押圧された回動板71は、軸支部73を中心に、軸支部73より上側は後方に、軸支部73より下側は前方に回動し、回動板71の下側は基体62Aから離れる方向に移動する。このため、メダル移送路65の内部にあるメダルは回動板71の支えを失って、回動板71の下側と基体62Aの間にできた隙間から下方に落下するものである。落下するメダルはメダル落下口69から装置外に排出されるので、手のひらなどで受け止めればよい。
前記ノズル部60は、図3に示すように、メダル排出口66がスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12の端部と一直線上に配置されるよう設置される。この場合、メダル排出口66と側方移送通路12の端部とは必ずしも当接、合致する必要はなく、メダル排出口66から排出されたメダルが側方移送通路12に移動可能な間隙(横方向の)や高さの誤差があっても(メダル排出口66が上側に位置していれば)構わない。しかし、スロットマシン1の設置時に、メダル排出口66と側方移送通路12の端部との前後方向の位置がずれてしまうと、メダルの円滑な移送が妨げられる。従ってこのような場合には、スロットマシン1の設置後に微調整を行う必要がある。
具体的には、図7に示すように、本体カバー30の固定部36Aには横長の長孔が形成されており、固定ネジ300はこの長孔を貫通してベース部材62に螺合されている。そして固定ネジ300の締結力を緩めると、ベース部材62は固定部36Aに対してはフリーになるので、固定ネジ300のつまみ部を前後に引き押しすることにより、固定ネジ300のネジ部が前記長孔にガイドされつつ、ベース部材62が前後に移動する。このとき、ベース部材62が固定されているベース板400も一体的に移動し、さらにこのベース板400の移動に伴い、メダル送り装置40が一緒に移動するものである。なお、固定ネジ300のつまみ部を二重構造にし、ドライバなどを用いてネジ部を回すとベース部材62と固定部36Aとが固定又は固定解除され、つまみ部を回転させるとベース部材62が移動するように形成してもよい。
なお、詰まり解除機構70は、図9に示すようにメダル送り装置40を最大限奥側に移動させた場合でも、プッシュボタン72を押圧することにより回動板71が回動し、メダル移送路65内のメダルがメダル落下口69から落下させることができるように設計されている。
このように、メダル送り装置40を一体として移動し、ノズル部60の位置あわせを行うようにする利点としては、ノズル部60のみを移動させるようにした場合と異なり、メダル送り装置40のメダル排出部47との位置ずれを考慮してメダル受け口67の開口の前後方向の寸法を大きく形成する必要がないということである。このため、メダルが落下するのに適切なメダル受け口67の開口寸法を常に保ったまま、メダル排出口66と側方移送通路12との位置合わせを行うことができるものである。
次に、上記構成を有する一括投入機構3における遊技メダルの移送過程を、図1及び図10に基づき説明する。
まず、一括投入開口31から遊技メダルを投入すると、遊技メダルは搬送ベルト53の後方部上面と開閉板82の上面に積み重なるように落下し、メダル貯め部44に貯留される。また、メダル貸出機2に紙幣を投入した場合には、貸し出しメダル払い出し装置23から遊技メダルが払い出され、払い出し通路42を通ってメダル貯め部44に貯留される。次に、一括投入機構3の上面板32を手で触れると、タッチセンサが反応して、搬送装置50が作動を開始する。すなわち、駆動モータ55が駆動して、ローラ51が回転し、搬送ベルト53が前方に移動開始する。
搬送ベルト53により前方に移送された遊技メダルのうち、搬送ベルト53の上面に載っている遊技メダルは、搬送ベルト53と逆転ローラ52の下面との間の送出間隙54をすり抜けて、一枚ずつ、メダル排出部47へと移送される。一方、搬送ベルト53の上方に重なっている遊技メダルは、逆転ローラ52と接触することにより、逆転ローラ52に設けられた撹拌溝に引っかかり、上方後部のメダル戻り部45に蹴り戻される。逆転ローラ52は、ローラ51よりも高速回転しているので、効率よくメダルを蹴り出すことができる。
さらに、メダル戻り部45の上方には、本体ベース41に平坦部46を設けたことによる十分な空間が確保されているので、蹴り戻されたメダルでメダル貯め部45が滞留し難くなっており、逆転ローラ52はより効率よくメダルを蹴り出せると共に、メダル詰まりの発生を防ぐことができるものである。
ところで、投入された遊技メダルを全て移送し終える前にメダル送り装置50の作動を停止させた場合(タッチセンサから手を離した場合)には、搬送ベルト53の上面やメダル貯め部33に遊技メダルが残留したままとなる。この場合、遊技を終了するなどにより、残留している遊技メダルをスロットマシン1に投入したくない場合には、所定のリセットスイッチ(図示せず)を操作する。すると、図10に示すように、排出装置80のソレノイド81が作動して開閉板82を開くとともに、メダル送り装置50の駆動モータ55が逆転駆動する。これにより、搬送ベルト53の上面にある遊技メダルは後方に移動し、開閉板82が開くことにより、メダル貯め部33の底部に開口するキャンセル開口39から下方に落下する。メダル貯め部33に貯留されていた遊技メダルも、同様にキャンセル開口39から落下する。
なお、搬送装置50の作動中にメダル詰まりの発生が検知された場合には、所定の警報が発せられるとともに、駆動モータ55の駆動が停止する。メダル詰まりは、駆動モータ55及びローラ51に設けた回転検知センサにより認識することができる。回転検知センサは、具体的には、例えばローラ51の回転軸に断面D字型の突起を設け、この突起を挟んでフォトセンサを設け回転軸の回転を検知するものとすることができる。そして例えば、駆動モータ55が駆動しているにもかかわらず一定時間ローラ51の回転を検知しない場合には、搬送装置50の内部でメダル詰まりが起きていると判断できる。ちなみに、メダル検知センサ64がメダルを検知したままになっている場合には、ノズル部60の内部でメダル詰まりが起きていると判断できる。
本実施の形態によれば、メダル貸出機2から貸し出される遊技メダルをスロットマシン1に手に持って移動させなくても、あるいはスロットマシン1から入賞により払い出されたメダルを、一枚ずつ手でメダル投入口10に投入させなくても、一括投入機構3によりメダル投入口10に投入することができ、遊技を効率的に行うことができる。
10 メダル投入口 11 上部投入開口
12 側方移送通路 13 前扉
14 図柄表示窓 15 下皿
16 操作部
2 メダル貸出機
20 外箱 21 紙幣投入口
22 紙幣カウンター 23 貸し出しメダル払い出し装置
3 一括投入機構
30 本体カバー 31 一括投入開口
32 上面板 33 底板
34 前面板 35 背面板
36 側面板 37 立設壁
38 底部開口 39 背面開口
34A 係止爪 36A 固定部
40 メダル送り装置 41 本体ベース
42 払い出し通路 43 移動調整弁
44 メダル貯め部 45 メダル戻り部
46 平坦部 47 メダル排出部
48 受入開口 49 キャンセル開口
50 搬送装置 51 ローラ
52 逆転ローラ 53 搬送ベルト
54 送出間隙 55 駆動モータ
60 ノズル部 61 カバー部材
61A キー孔 61B スリット
62A 基体
62 ベース部材 63 ヒンジ
64 メダル検知センサ 65 メダル移送路
66 メダル排出口 67 メダル受け口
68 係合片 69 メダル落下口
70 詰まり解除機構 71 回動板
72 プッシュボタン 73 軸支部
74 バネ
80 排出機構 81 ソレノイド
82 開閉板 83 可動軸
84 固定軸
90 排出貯留部 91 メダル取り出し皿
92 ヒンジ
100 仕切棒 200 キー
300 固定ネジ 400 ベース板
Claims (2)
- 箱状の外装部材に、
外装部材の上面に形成された開口部であって一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な投入部と、投入部から投入された遊技メダルを前記外装部材の外部に排出する排出部とを設け、
前記外装部材の内部には、
前記投入部の下方にその一端が位置し、前記投入部側から前記排出部側に向かって上り傾斜に形成されているとともに、前記投入部から投入された遊技メダルを載せた状態で前記排出部に向けて移送可能な移送手段と、前記移送手段の排出部側上方に位置し、移送手段に積み重なっている遊技メダルを移送方向と逆方向に戻すためのローラ状の戻し手段とを少なくとも有する搬送装置を設け、
前記投入部の下方でありかつ前記移送手段の上方には、投入部から投入された遊技メダルを貯留可能な空間であるメダル貯め部と、このメダル貯め部よりも前記排出部側にあって前記戻し手段により戻された遊技メダルが滞留可能な空間であるメダル戻り部を設け、
前記メダル貯め部と前記メダル戻り部との間には、その下端と前記移送手段の上面との間に積み重なった遊技メダルが通過するのに十分な隙間をあけるように配置され、その上端部に設けられた支点を中心にメダル貯め部方向に回動可能であり、かつ前記移送手段の上面に向けて垂下した状態で前記メダル戻り部方向への回動を阻止される移動調整弁を設け、
前記戻し手段は、前記移送手段との間に遊技メダルの厚み一枚分以上二枚分以下の間隙を空けて、軸方向がメダル移送方向と交差する方向となるよう配置され、円周面下側が前記移送手段の移動方向と逆方向に移動することにより前記移送手段に積み重なっている遊技メダルを移送方向と逆方向に蹴り戻して分離し、前記戻し手段と移送手段との間隙から遊技メダルを一枚ずつ、前記排出部に送り出し可能に形成したメダル送り装置において、
前記メダル戻り部の上方に位置する前記外装部材の上面内側を平坦に形成して平坦部とし、前記移動調整弁を前記平坦部の前記投入部側端部に設けたことを特徴とするメダル送り装置。 - 遊技者に貸し出す遊技メダルを払い出すためのメダル払い出し装置を少なくとも有するメダル貸出機に取り付けられ、前記メダル払い出し装置から払い出されるメダルを、前記メダル貯め部に誘導する払い出し通路を有していることを特徴とする請求項1記載のメダル送り装置。
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