JP4707618B2 - 遊技機用台間機 - Google Patents
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Description
そこで、キャンセル開口を開放しないまま、メダル送り装置を所定時間逆作動させて、詰まり状態の解消を試みるよう形成することが考えられる。
一方、キャンセル開口の開閉にはソレノイドが用いられているが、キャンセル開口を開閉する開閉部材は、閉じている時間の方が開いている時間よりも圧倒的に多いことに鑑み、少なくとも開閉部材の閉状態においては通電によらず閉位置を保持されるように形成された自己保持型ソレノイドを用いると、節電及び部品消耗の軽減に好適である。また、キャンセル開口の開閉は、開閉部材の設置スペースやメダルのキャンセル時の効率の観点から、水平方向にスライドしてキャンセル開口を開閉するものよりも、上下に回動してキャンセル開口を開閉するものの方が好適である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特に、排出装置に自己保持型ソレノイドを用いた場合において、一括投入機構のメダル詰まりの解除時に不要なメダルキャンセルが行われないような遊技機用台間機を提供しようとするものである。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、遊技メダルを側面側から受け入れ可能な側方移送通路(12)を有するメダル投入口(10)を備えた遊技機(スロットマシン1)に隣接して設置される遊技機用台間機(メダル貸出機2)であって、一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な一括投入開口(31)と、この一括投入開口(31)の下方に設けられ、遊技メダルを貯留可能なメダル貯め部(44)と、隣接する遊技機の側方移送通路(12)に遊技メダルを転送するための投入導入路(ノズル部60)と、前記メダル貯め部(44)から前記投入導入路(60)に遊技メダルを移送するための移送手段(搬送ベルト53)と、前記移送手段(53)に載っている遊技メダルを一枚ずつ分離して前記投入導入路(60)に送り出すための分離手段(逆転ローラ52)と、前記メダル貯め部(44)の下方に設けられた排出用開口(キャンセル開口49)と、通電により上下方向に回動して前記排出用開口(49)を開閉可能な開閉部材(開閉板82)を有する排出装置(80)とを少なくとも備え、前記移送手段(53)の作動中に、遊技メダルの送り出し異常を検知した場合には、前記移送手段(53)をメダル送り出し方向と逆方向に逆転作動させて、移送中の遊技メダルを前記メダル貯め部(44)方向に戻すように形成されている遊技機用台間機(2)に係る。
またここで、前記「遊技機用台間機」は、例えばメダル貸出機(2)とすることができ、上記構成の他にも、メダルを払い出すための払い出し装置(23)や紙幣カウンター(22)を備えていてもよい。
前記メダル貯め部(44)は、一括投入開口(31)から投入された遊技メダルを一時的に貯留可能な空間である。なお、遊技機用台間機がメダル貸出機(2)の場合には、メダル貸出機(2)から直接このメダル貯め部(44)に遊技メダルが払い出されるようにしてもよい。例えば、メダル貸出機(2)のメダル排出口を一括投入開口(31)の上方に設けたり、メダル排出口とメダル貯め部(44)との間に移送通路(払い出し通路42)を設けてもよい。
前記移送手段(53)は、例えば駆動モータ(55)により回転する一対のローラ(51)に掛け渡された平ベルトとすることができるが、遊技メダルを積載して移送可能なものであれば、ベルトに限られない。
前記開閉部材(82)は、例えば、前記排出用開口(49)の近傍に設けられた軸支部(固定軸84)を支点として上下方向に回動自在に取り付けられた板状の蓋体とすることができ、前記排出装置(80)は、ソレノイド(81)により前記開閉部材(82)を上下に回動させることができるようになっているものである。
そして、本発明における遊技機用台間機(2)においては、前記排出装置(80)は、非通電状態において前記開閉部材(82)が閉じた状態を保持するための閉塞保持手段(永久磁石86)を少なくとも備え、通電により前記閉塞保持手段(86)の閉塞保持力に抗して前記開閉部材(82)を開放作動させた後、所定時間経過後に、開放状態の開閉部材(82)を通電により閉塞作動させることができるとともに、前記異常検知に基づく前記移送手段(53)の逆転作動中は、通電により閉塞状態の閉塞部材に対してさらに閉方向に力を加えることにより、閉塞状態を強固に保持するように形成されていることを特徴とする。
また、開閉部材(82)は、所定の開放作動信号に基づき開放作動し、所定の閉塞作動信号に基づき閉塞作動する。「開放作動信号」とは、開閉部材(82)が開く方向に回動するようソレノイド(81)を作動させるための信号であり、開閉部材(82)が閉じているときに、メダル詰まり検知やキャンセルスイッチの操作に基づき、遊技機用台間機(2)に内装されている制御部から出力されるものである。「閉塞作動信号」とは、開閉部材(82)が閉じる方向に回動するようソレノイド(81)を作動させるための信号であり、原則的には、開閉部材(82)が開いているときに、例えばキャンセルスイッチの操作停止や一定時間が経過することにより、前記制御部から出力されるものである。ただし、メダル詰まりなどの異常が検知された場合であって、移送手段(53)が逆転作動する場合には、開閉部材(82)が閉じていても閉塞作動信号が出力されするようになっている。
通常時においては、開閉部材(82)は閉塞状態であって、排出用開口(49)は閉じられている。開閉部材(82)は閉塞保持手段により閉塞位置に保持されており、ソレノイド(81)は非通電状態である。そして、メダル貯め部(44)や残留している遊技メダルをキャンセルする場合や、一括投入開口(31)から投入された異物を排除する場合には、例えば所定のキャンセルスイッチを操作することにより開放作動信号が出力され、通電により開閉部材(82)が開き、排出用開口(49)が開放されて遊技メダル等が下方に落下する。開閉部材(82)の開放後は、例えば一定時間が経過することにより、閉塞作動信号が出力されて、通電により開閉部材(82)が閉じる。
そして、移送手段(53)の逆方向への作動により、例えば分離手段(52)と移送手段(53)の間に詰まったメダルが逆戻りして詰まりが解除される。移送手段(53)がメダル移送方向と逆方向に作動すると、移送手段(53)から戻されたメダルはメダル貯め部(44)の上方に貯まるが、もしこのときに一括投入口(31)からメダルが投入されたりしても、開閉部材(82)は強固に閉じられているので、メダルの重みにより開閉部材(82)が回動して排出用開口(49)が開放されてしまう心配がない。
(図面の説明)
図1乃至図11は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1はスロットマシン1及びメダル貸出機2の外観斜視図、図2及び図3はメダル貸出機2を示す図、図4は一括投入機構3の縦断面図、図5は一括投入機構3及びメダル投入口10の拡大斜視図、図6及び図7はメダル送り装置40を示す斜視図、図8は排出装置80を示す断面図、図9乃至図11はメダル送り装置40の作動の概略を示す流れ図である。
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図1に示すように、筐体の正面側に取り付けられた前扉13を有し、正面側には回転リール(図示せず)の図柄を視認可能な図柄表示窓14が形成されている。また、この図柄表示窓14の下方でありスロットマシン1の略中央部は、スタートスイッチやストップスイッチなどの操作手段が設けられる操作部16となっている。そしてこの操作部16の正面右端部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。なお、特に図示しないが、メダル投入口10の下方には、遊技メダルの真贋を判断すると共に投入メダルをカウントするためのメダルセレクターが設けられている。また、スロットマシン1の下部には、払い出しメダルを貯留可能な下皿15が設けられている。
そして、メダル投入口10から遊技メダルを投入し、スタートスイッチの操作により回転リールを回転させ、ストップスイッチの操作により回転リールを停止させ、このとき、複数の回転リールに表示された図柄が所定の位置態様に停止すると入賞となり、所定枚数のメダルが払い出されるように形成されているものである。
メダル貸出機2は、スロットマシン1の側面側に隣接して設置される箱型の装置であって、金銭と引き替えに遊技メダルを貸し出すと共に、貸し出しメダル及び遊技者が投入するメダルをスロットマシン1のメダル投入口10に投入するためのものである。すなわち、メダル貸出機2は、図1及び図2に示すように、外箱20に、紙幣カウンター22及び払い出し装置23が内蔵されているとともに、正面側には一括投入機構3が取り付けられているものである。
(紙幣カウンター22)
紙幣カウンター22は、外箱20の正面下方に設けられた紙幣投入口21から投入された紙幣を読み取って、払い出し装置23に所定枚数の遊技メダルを払い出させるためのものである。なお、メダル貸出機としては、紙幣投入口21及び紙幣カウンター22の他に、硬貨投入口や硬貨カウンター、釣り銭払い出し口などを有していてもよい。また、プリペイドカード投入口とカードリーダーを有していてもよい。
払い出し装置23は、遊技メダルを払い出すためのいわゆるホッパー装置であり、図2及び図3に示すように、遊技メダルを貯留しておくためのタンク23Aと、タンク23Aに貯留されている遊技メダルを一枚ずつ排出可能な送り出し円板23Bと、送り出し円板23Bを回転させるためのホッパーモータ23Cを有している。送り出し円板23Bは、ホッパーモータ23Cに回転可能に軸止されており遊技メダルが嵌入可能な孔が形成されている。そして、この孔に入った遊技メダルを、回転に伴い一枚ずつ、メダル排出部230から正面側(一括投入機構3側)に排出するようになっている。また、特に図示しないが、払い出し装置23には、メダル排出部230から排出されるメダルをカウントするためのセンサが設けられていて、所定枚数の遊技メダルを払い出したら駆動モータが停止するように形成されている。
(メダル量検知部26)
さらに、タンク23A及び上部空間25には、貯留されているメダルの量を検知するためのメダル量検知部26が設けられている。メダル量検知部26は、メダルと接触することにより通電する接触センサであって、図3に示すように、上部検知部261と、下部検知部262と、263を備えている。
そして、メダルが上部空間25の中程よりも上側にまで貯まっている場合には、下部検知部262と上部検知部261とがメダルを介して通電し、上部検知部261がONとなることにより満杯状態が検知される。また、メダルが上部検知部261の下端部よりも下側まで減った場合には、下部検知部262と上部検知部261との間の通電が絶たれ、上部検知部261はOFFとなる。この場合において、メダルが中間検知部263よりも上側まで貯留されている場合には、下部検知部262と中間検知部263とが通電し、中間検知部263がONとなることによりメダルの中間貯留状態が検知される。さらに、メダルが中間検知部263よりも下側まで減った場合には、下部検知部262と中間検知部263との間の通電が絶たれ、中間検知部621はOFFとなる。これにより、タンク23A内のメダル量が残り少ない空状態が検知される。
(一括投入機構3)
一括投入機構3は、前記払い出し装置23から払い出される遊技メダル、及び遊技者が投入する遊技メダルを、スロットマシン1のメダル投入口10に一括投入するための機構である。
(本体カバー30)
本体カバー30は、図1乃至図5に示すように、メダル貸出機2の外箱20の正面略中央部から手前側(スロットマシン1を正面から見た場合の手前側。以下同じ)に突設された、上面板32、底板33、前面板34、背面板35及び左右二つの側面板36を有する箱形の部材である。そしてこの本体カバー30の内部には、搬送装置50を備えたメダル送り装置40が収納されている。
さらに、前記一括投入開口31の奥側の壁には、図5に示すように、種々の表示を行うための表示部300として、7セグメント表示部310と、複数のランプ320が設けられている。なお、図示した例では3個のランプ320が設けられているが、ランプ320の数は3個には限られない。7セグメント表示部310は、払い出し枚数を表示したり、メダル詰まりなどエラーが発生した場合に所定の記号を表示したりするためのものである。ランプ320は、メダル送り装置40の作動状態(搬送ベルト53の正転、逆転)や、一括投入口31へのメダル投入の可否を知らせたり、メダル貸出機2に設けられたメダル量検知部26の検知信号に基づき、貯留メダル量に関する報知を行ったりするものである。
前記前面板34の下方には、ノズル部60のカバー部材61が設けられているとともに、背面板35には、背面開口39が形成されている。なお、この背面開口39からはメダル送り装置40の後方部が突出しており、メダル送り装置40が前後方向に摺動することができるようになっている。また、背面開口39の上方には、払い出し装置23のメダル排出口230から排出されるメダルを受け入れ可能な背面受け口35Aが形成されている。
メダル送り装置40は、メダルを送り出すための装置であり、図4に示すように、前記本体カバー30の内部に収納される箱状の本体ベース41の内側に搬送装置50を設け、搬送装置50の奥側下方に排出装置80を設けた構成となっている。
本体ベース41は、図6及び図7に示すように、長さ方向略中央部に、上方に開口する受入開口48を有し、受入開口48の奥側には、上方に開口し内部において前記受入開口48と連通する払い出し通路42が設けられている。また、受入開口48の手前側には平坦部46が形成されており、これにより後述するメダル貯め部45の容積が確保される。本体ブロック41の前方下部には、搬送装置50が内蔵されており、本体ブロック41の正面側は、搬送装置50により送り出されたメダルをノズル部60に一枚ずつ排出するためのメダル排出部47となっている。そして、図4及び図7に示すように、前記払い出し通路42を形成する内壁の底部には、排出装置80が設けられている。
前記払い出し通路42は、払い出し装置23から貸し出される遊技メダルを受け入れて、前記メダル貯め部44に誘導するためのものである。すなわち、払い出し通路42は、図4に示すように、本体ベース40を本体カバー30に内蔵したときに、背面受け口35Aの下側に位置するようになっている。また、払い出し通路42の底面は、奥側から手前側に向かって下り傾斜となっており、傾斜の前端部が、後述する排出装置80の開閉板82によって開閉可能に形成されている。そして、開閉板82が閉じているときには、メダル貯め部44に遊技メダルが貯留され、開閉板82が開いた場合には、メダル貯め部44又は搬送装置50の搬送ベルト53上にあるゴミなどの異物や遊技メダルは、キャンセル開口49から落下する。なお、キャンセル開口49から落下した異物や遊技メダルは、本体カバー30の底部開口38を通って受け皿90に貯留される。
(搬送装置50)
搬送装置50は、本体ブロック41の前方下部に内蔵されており、メダル貯め部44に投入又は払い出された遊技メダルを、水平状態(遊技メダルの表裏面が上下となる状態)で一枚ずつ、ノズル部60へと送り出すためのものである。具体的には、搬送装置50は、図4に示すように、一対のローラ51(51A,51B)と、ローラ51A,51Bに掛け渡された搬送ベルト53と、搬送ベルト53の手前側上方に送出間隙54をあけて設置された逆転ローラ52と、ローラ51,52を回転させるための駆動モータ55と、駆動モータ55のモータ軸の回転をローラ51,52に伝達するための伝達手段(図示せず)を有している。
前記ローラ51と逆転ローラ52は、伝達手段により同時に回転するようになっている。伝達手段は、駆動モータ55の駆動軸、ローラ51A、逆転ローラ52にそれぞれ設けられたギヤと、これらの各ギヤを連結するベルトであって、逆転ローラ52はローラ41と同方向に回転するので、搬送ベルト53の上面の進行方向と、逆転ローラ52の下側面の移動方向とが逆になる。また、ローラ51と逆転ローラ52の直径の違いにより、逆転ローラ52の線速(ローラ表面の移動速度)の方が、ローラ51の線速よりも早くなるように形成されている。
前記逆転ローラ52には、図7に示すように、断面略台形の撹拌溝が軸方向に沿って形成されている。撹拌溝は、溝の端部で遊技メダルを引っ掛けるようにして、搬送ベルト53の上方に積み重なった遊技メダルを効果的に後方に蹴り上げる役割を果たすものである。
(ノズル部60)
ノズル部60は、前記搬送装置50から送り出された遊技メダルをスロットマシン1のメダル投入口10に移送するためのものである。そして、ノズル部60は、図4に示すように、本体カバー30の正面下部に取り付けられるベース部材62と、本体カバー30の正面側に本体カバー30の底板33に設けられたヒンジ63を介して前後方向に回動自在に取り付けられるカバー部材61とから成り、カバー部材61がベース部材62を正面側から覆った状態、すなわちカバー部材61が閉じた状態で、本体カバー30の前面板34の下方に形成された開口部を塞ぐようになっている。
また、ベース部材62の基体と回動板71の間には、遊技メダル一枚分の厚さよりやや大きい厚みを有し、遊技メダルの直径よりもやや大きい幅を有するメダル移送路65が形成されるようになっている。メダル移送路65は、正面視すると略L字型に形成されており、メダル受け部67からノズル部60のスロットマシン1側に屈曲して、その端部がメダル排出口66となっている(図5参照)。そして、ベース部62は、メダル排出部47から排出された遊技メダルをメダル受け口67から受け入れ、メダル移送路65を通してメダル排出口66から一枚ずつ排出するようになっている。なお、回動板71は透明部材で形成されているので、回動板71を透過してメダル移送路65を通過するメダルを正面側から視認することができる。
前記カバー部材61は、メダル詰まりやメンテナンス時等に開くものであって、背面側及び左側(スロットマシン側)が開口し前記ベース部材62を被覆可能なケース状の蓋である。そして、図5に示すように、正面には、閉じた状態で正面側から前記メダル移送路65を通過する遊技メダルを視認可能な透視窓61Bが形成されており、正面上部には、詰まり解除機構70としてのプッシュボタン72と、カバー部材61を開くときに所定の鍵などを差し込むためのキー孔61Aが設けられている。
さらに、カバー部材61の底部であって、ベース部材62のメダル受け口67の下方に位置する部分には、後述する詰まり解除機構70の作動によりキャンセルされるメダルを落下させるためのメダル落下口69が形成されている。
カバー部材61は、閉じた状態においては、図4に示すように、係合片68の鈎部が係止爪34Aと係合しており、本体カバー30にロックされている。カバー部材61を開く場合には、キー孔61Aにキーやドライバの先端などを差し込んで、係合片68を弾性変形させることにより、鈎部と係止爪34Aとの係合が外れ、カバー部材61を手前側に引けば、カバー部材61はヒンジ63を中心に前方に回動する。開いているカバー部材61を閉じる場合には、カバー部材61を押し上げて後方に回動させれば、係合片68の鈎部が係止爪34Aに係合してロックされる。
回動板71は、正面視略L字型の板部材であり、垂直部分の両側端部から横方向に張り出したピン(図示せず)を、ベース部材62に設けられた軸支部(図示せず)に係止させることにより、ベース部材62の正面側に前後方向に回動可能に支持されている。また、回動板71は、軸支部73の下側に設けられたバネ(図示せず)により、基体62A側に付勢されている。すなわち、通常時において回動板71は、バネ74により基体62Aの方向に引っ張られており、メダル移送路65を転送されるメダルが基体62Aと回動板71に挟まれて、落下することなく通過できるようになっている。
そして、メダル移送路65にメダルが詰まった場合には、プッシュボタン72の頭部を押圧すると、先端に押圧された回動板71が、軸支部73を中心に、軸支部73より上側は後方に、軸支部73より下側は前方に回動し、回動板71の下側は基体62Aから離れる方向に移動する。このため、メダル移送路65の内部にあるメダルは回動板71の支えを失って、回動板71の下側と基体62Aの間にできた隙間から下方に落下するものである。落下するメダルはメダル落下口69から装置外に排出されるので、手のひらなどで受け止めればよい。
排出装置80は、図7及び図8に示すように、上方に突設された略円筒形の可動軸83を所定の作動指令信号(開放作動信号、閉塞作動信号)に応じて上下動させるソレノイド81と、一方の端部が前記可動軸83に軸支され、本体ブロック41に固定された固定軸84を支点として上下方向に揺動可能に形成された開閉板82を有している。さらに、前記可動軸83には、可動軸83を上方に押し上げる方向に付勢する渦巻きバネ85が取り付けられている。そして、可動軸83が下方に位置しているときには開閉板82が閉じた状態(図4参照)となり、可動軸83が上方に位置しているときには開閉板82が開いた状態(図8参照)となるよう形成されているものである。そして、ソレノイド81の作動で開閉板82を開くことにより、メダル送り装置40内部にあるメダルや異物などを、本体ブロック41の底面に形成されたキャンセル開口49から排出させることができるようになっている。
さらに、開閉板82が閉じた状態のときにおいて、所定の場合には、閉塞作動信号が出力され、ソレノイド81が通電して、開閉板82の閉塞状態を強固に保持するようになっているが、これについては後述する。
次に、上記構成を有する一括投入機構3における遊技メダルの移送過程を、図4及び図8に基づき説明する。
まず、一括投入開口31から遊技メダルを投入すると、遊技メダルは搬送ベルト53の後方部上面と開閉板82の上面に積み重なるように落下し、メダル貯め部44に貯留される。また、メダル貸出機2に紙幣を投入した場合には、払い出し装置23から遊技メダルが払い出され、背面受け口35A及び払い出し通路42を通ってメダル貯め部44に貯留される。次に、駆動スイッチ200に手を触れると、搬送装置50が作動を開始する。すなわち、駆動モータ55が駆動して、ローラ51が回転し、搬送ベルト53が前方に移動開始する。
搬送ベルト53により前方に移送された遊技メダルのうち、搬送ベルト53の上面に乗っている遊技メダルは、搬送ベルト53と逆転ローラ52の下面との間の送出間隙54をすり抜けて、一枚ずつ、メダル排出部47へと移送される。一方、搬送ベルト53の上方に重なっている遊技メダルは、逆転ローラ52と接触することにより、逆転ローラ52に設けられた撹拌溝に引っかかり、上方後部のメダル戻り部45に蹴り戻される。逆転ローラ52は、ローラ51よりも高速回転しているので、効率よくメダルを蹴り出すことができる。
搬送装置50から送り出された遊技メダルは、メダル排出部47から排出され、ノズル部60の湾曲部62Aに誘導されつつメダル受け口67に入り、メダル移送路65を通ってメダル排出口66から排出される。メダル排出口66はスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12と位置あわせされているので、遊技メダルは側方移送通路12を通って、上部投入開口11に投入される。
続いて、上記構成を有するメダル貸出機2の、メダル送り装置40の作動制御について、図9乃至図11のフローに基づき説明する。
ここで、メダル送り装置40の作動制御は、特に図示しないメダル送り制御部が、メダルセンサ64と、搬送装置50のローラ51に設けた回転検知センサ(図示せず)の検知信号に基づいて、搬送装置50及び排出装置80の作動を制御することにより行う。メダル送り制御部は、メダル送り装置40の内部又はメダル貸出機2の内部に設けられた制御基板であって、一括投入機構3の駆動スイッチ200及びメダルセンサ64、回転検知センサからの信号を受信して、搬送装置50の駆動モータ55及び排出装置80のソレノイド81を作動可能に形成されているものである。
まず、図10におけるステップ100において、駆動スイッチ200がONになったかどうかを判断する。駆動スイッチ200がONにならない場合には、ステップ100に戻る。一方、駆動スイッチ200がONになった場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、駆動モータ55を正回転させる。すなわち、駆動モータ55の駆動軸を、図1における黒矢印の方向に回転させる。これにより、搬送ベルト53の上面がメダル移送方向に移動開始する。なおこのとき、別ルーティンにおいて、ローラ51の回転検知及びメダル詰まり検知が開始される。そして、次のステップ102に進む。
ステップ103において、駆動スイッチ200がOFFになったかどうかを判断する。駆動スイッチ200がOFFにならない場合には、ステップ101に戻る。すなわち、駆動スイッチ200をOFFにしない場合には搬送装置50が作動し続ける。一方、駆動スイッチ200がOFFになった場合には、次のステップ104に進む。
ステップ104において、駆動モータ55の駆動を停止する。そしてメダル送り装置40の作動制御を終了する。
ステップ110において、詰まり解除処理が行われる。そしてメダル送り装置40の作動制御を終了する。
次に、メダルセンサ64のメダル検知信号に基づくメダル詰まり検知の作動の一例を、図10のフローを用いて説明する。
まず、図10のステップ200において、モータ駆動指令信号が出力されているかどうかを判断する。このモータ駆動指令信号は、駆動スイッチ200の操作に基づく信号である。モータ駆動指令信号が出力されていない場合、すなわち駆動スイッチ200が操作されていない場合あるいは駆動スイッチ200がOFFにされ駆動モータ55が停止した場合には、詰まり検知を終了する。一方、モータ駆動指令信号が出力されている場合には、次のステップ201に進む。
ステップ202において、メダルセンサ64がONとなっているか、すなわちメダル移送路65にメダルがあるかどうかを判断する。メダルセンサ64がONの場合には、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メダルセンサ64がONとなってから一定時間が経過したかどうかを判断する。この一定時間は、メダル移送路65を移動するメダルがメダルセンサ64の検知部を通過するのに必要十分な時間である。一定時間が経過していない場合には、ステップ202に戻る。一方、一定時間が経過した場合には、次のステップ204に進む。
前記ステップ201において、搬送ベルト53が駆動していない場合には、ステップ205に進む。
ステップ205において、ベルト詰まりを検知する。具体的には、ベルト詰まり検知信号を出力する。この信号に基づいて、所定の詰まり解除処理や、詰まり検知の報知が行われる。そして、詰まり検知制御を終了する。
次に、図9におけるステップ110の詰まり解除処理の一例として、ベルト詰まり解除処理の流れを、図11のフローに基づき説明する。
ベルト詰まり解除処理は、前記詰まり検知においてベルト詰まり検知信号が出力された場合に開始される。そして、図11のステップ300において、駆動モータ55の駆動を強制停止させる。これは、駆動スイッチ200がONであっても駆動モータ55の駆動を停止させるものである。そして、次のステップ301に進む。
ステップ302において、排出装置80のソレノイド81を閉塞作動させるための閉塞作動信号を出力する。ここで、開閉板82は、内蔵する永久磁石86の磁力によって閉状態を保持されているが、閉塞作動信号によってソレノイド81が通電し、電磁石によって開閉板82に対してさらに閉じる方向への力が加えられる。これにより、開閉板82は強固に閉状態を保持される。そして、次のステップ303に進む。
ステップ305において、出力されている閉塞作動信号を停止する。これにより、開閉板82の閉状態保持力は通常に戻る。そして、ベルト詰まり解除処理を終了する。メダル詰まりが解除された後、引き続き搬送装置50を作動させるには、駆動スイッチ200をONにする。また、詰まり報知は、ベルト詰まり解除処理の終了と同時に消灯するようにしてもよいし、所定のリセットスイッチの操作により消灯するようにしてもよい。
なお、前記ステップ303において、駆動モータ55を逆転駆動させるだけでなく、逆転後、所定時間駆動モータ55を正転させ、この逆転、正転を所定回数交互に繰り返すようにしてもよい。このように形成すると、搬送ベルト53の上部のメダルが前後に揺すられることによりメダルが水平状態に整列し、効果的に詰まりを解除することができる。
本実施の形態においては、ノズル部60のメダル詰まりは、カバー部材61の透視窓61Bから視認することによっても発見できる。この場合には、遊技者自らがプッシュボタン72を押圧して詰まりを解除することもできるし、店員がカバー部材61を開くことで詰まりを解除してもよい。
また、排出装置80により内部のメダルをキャンセル開口49からキャンセルできるとともに、排出装置80は自己保持型のソレノイド81を用いているため、排出装置80の非作動時に無駄な電力を使用しない。さらに、メダル詰まりが発生した場合でも、搬送ベルト53を逆転させる詰まり解除処理によって自動的に詰まりが解除され、この際、キャンセル開口49は閉じられたままなので、詰まり解除後、キャンセルメダルを投入し直す必要がない。そして、詰まり解除作動中は、排出装置80の開閉板82が強固に閉塞されているので、開閉板82がメダルの重量によって開いてしまい大量のメダルが受け皿90に排出されてしまうことがない。
10 メダル投入口 11 上部投入開口
12 側方移送通路 13 前扉
14 図柄表示窓 15 下皿
16 操作部
2 メダル貸出機(遊技機用台間機)
20 外箱 21 紙幣投入口
22 紙幣カウンター 23 払い出し装置
23A タンク 23B 送り出し円板
23C ホッパーモータ 230 メダル排出部
24 開閉蓋 25 上部空間
26 メダル量検知部 261 上部検知部
262 下部検知部 263 中間検知部
3 一括投入機構
30 本体カバー 31 一括投入開口
32 上面板 33 底板
34 前面板 35 背面板
36 側面板 37 立設壁
38 底部開口 39 背面開口
40 メダル送り装置 41 本体ベース
42 払い出し通路 43 移動調整弁
44 メダル貯め部 45 メダル戻り部
46 平坦部 47 メダル排出部
48 受入開口 49 キャンセル開口(排出用開口)
50 搬送装置 51 ローラ
52 逆転ローラ(分離手段) 53 搬送ベルト(移送手段)
54 送出間隙 55 駆動モータ
60 ノズル部(投入導入路) 61 カバー部材
61A キー孔 61B 透視窓
62 ベース部材 63 ヒンジ
64 メダル検知センサ 65 メダル移送路
66 メダル排出口 67 メダル受け口
68 係合片 69 メダル落下口
70 詰まり解除機構 71 回動板
72 プッシュボタン
80 排出装置 81 ソレノイド
82 開閉板(開閉部材) 83 可動軸
84 固定軸 85 渦巻きバネ
86 永久磁石(閉塞保持手段)
90 受け皿 91 凹部
92 ヒンジ部
100 仕切棒 200 駆動スイッチ
300 表示部 310 7セグメント表示部
320 ランプ
Claims (1)
- 遊技メダルを側面側から受け入れ可能な側方移送通路を有するメダル投入口を備えた遊技機に隣接して設置される遊技機用台間機であって、
一括投入される複数枚の遊技メダルを受け入れ可能な一括投入開口と、
この一括投入開口の下方に設けられ、遊技メダルを貯留可能なメダル貯め部と、
隣接する遊技機の側方移送通路に遊技メダルを転送するための投入導入路と、
前記メダル貯め部から前記投入導入路に遊技メダルを移送するための移送手段と、
前記移送手段に載っている遊技メダルを一枚ずつ分離して前記投入導入路に送り出すための分離手段と、
前記メダル貯め部の下方に設けられた排出用開口と、
通電により上下方向に回動して前記排出用開口を開閉可能な開閉部材を有する排出装置とを少なくとも備え、
前記移送手段の作動中に、遊技メダルの送り出し異常を検知した場合には、前記移送手段をメダル送り出し方向と逆方向に逆転作動させて、移送中の遊技メダルを前記メダル貯め部方向に戻すように形成されている遊技機用台間機において、
前記排出装置は、非通電状態において前記開閉部材が閉じた状態を保持するための閉塞保持手段を少なくとも備え、
通電により前記閉塞保持手段の閉塞保持力に抗して前記開閉部材を開放作動させた後、所定時間経過後に、開放状態の開閉部材を通電により閉塞作動させることができるとともに、
前記異常検知に基づく前記移送手段の逆転作動中は、通電により閉塞状態の閉塞部材に対してさらに閉方向に力を加えることにより、閉塞状態を強固に保持するように形成されていることを特徴とする遊技機用台間機。
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