JP5749155B2 - プロテアーゼ安定化アシル化インスリンアナログ - Google Patents

プロテアーゼ安定化アシル化インスリンアナログ Download PDF

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Description

本発明は、プロテアーゼに対する耐性を示す新規のアシル化インスリンアナログ、このようなインスリンアナログの調製方法、本発明のインスリンアナログを含有するインスリン調製物、及びこれらのインスリンアナログを使用する真性糖尿病の処置方法に関する。
真性糖尿病は、グルコースを利用する能力が部分的又は完全に喪失している代謝性疾患である。全人口の約5%が糖尿病に罹患しており、疾患は流行となる割合に近づいている。1920年代にインスリンが導入されて以来、真性糖尿病の処置を改善するための、絶え間ない努力がなされている。糖尿病に罹患している人々は、数十年以上、長期間にわたる処置を受けているために、安全で簡便であり、生活の質を改善するインスリン製剤が深刻に必要とされている。
経口経路は、薬剤投与で最も幅広く使用されている経路であり、特に長期治療を受けている患者に、一般に非常によく受け入れられている。しかしながら、治療用ペプチド又はタンパク質の投与は、胃腸(GI)管及び腸管粘膜での酵素的分解、薬剤排出ポンプ、腸粘膜からの不十分で変動する吸収、並びに肝臓での初回通過代謝等のいくつかの障壁のために、多くの場合、好ましい経口投与よりも、非経口投与に限定されている。
通常、インスリン製剤は、皮下注射により投与される。しかしながら、他の経路、例えば経口又は肺による投与は、患者のコンプライアンス、安全性及び簡便性のために有利である。商業的に入手可能なインスリン製剤のいくつかは、作用発現が速いことで特徴付けられ、他の製剤は、作用発現は比較的遅いが、程度の差はあるが、長時間にわたる作用性を示す。様々な作用期間(作用プロファイル)を有する非常に多様なインスリンが市場に存在することは、糖尿病患者にとって非常に重要である。簡潔に述べると、インスリンは、速効型、中間型又は遅効型に分類することができる。
国際公開第2008/034881号は、少なくとも2のアミノ酸が親水性アミノ酸で置換されているある種のインスリンアナログに関するもので、ここで、そのインスリンアナログはアシル化されていない。
欧州特許出願公開第2008/060733号及び欧州特許出願公開第2008/060733号は、ある種のアシル化インスリンアナログに関するもので、ここで、そのインスリンアナログは、A21アミノ酸にC末端が結合したアミノ酸又はペプチドを有する伸長部を含む。
欧州特許出願公開第2008/060734号は、アシル部分が親インスリンに結合しているある種のアシル化インスリンに関するもので、そのアシル部分はアミノ酸を含むアルキレングリコールの繰り返し単位を含む。
発明の態様
この発明の態様は、経口投与された場合に、血糖値の満足な制御をもたらしうるインスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、グルコースレベルを長時間低下可能なインスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、グルコースレベルを長時間低下可能な基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、1日に3回投与した後、血糖値を満足に制御可能な基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、1日に2回投与した後、血糖値を満足に制御可能な基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、1日に1回投与した後、血糖値を満足に制御可能な基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、親水性である基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、ヒトインスリンよりも親水性である基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、ここに記載する相対的疎水性(k'rel)により測定される場合、ヒトインスリンよりも疎水性ではない基礎インスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、ここに記載する相対的疎水性(k'rel)により測定される場合、同様のアシル部分でアシル化された、同様のプロテアーゼ安定していない親インスリンよりも疎水性ではない基礎インスリンアナログを提供することに関する。本発明の基礎インスリンアナログのk'relは、好ましくは5未満、より好ましくは3未満、より好ましくは2未満、より好ましくは1未満、より好ましくは0.8未満、より好ましくは0.6未満、より好ましくは0.5未満、より好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、より好ましくは0.2未満、より好ましくは0.1未満である。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、満足のいく生物学的利用能を有する基礎インスリンアナログを提供することに関する。同様の投与量で与えられる、プロテアーゼ安定化変異を有さない同様のアシル化インスリンの生物学的利用能と比較して、この発明の好ましい化合物の生物学的利用能は、プロテアーゼ安定していない比較体よりも、少なくとも10%、好ましくは20%、好ましくは25%、好ましくは30%、好ましくは35%、好ましくは40%、好ましくは45%、好ましくは50%、好ましくは55%、好ましくは60%、好ましくは65%、好ましくは70%、好ましくは80%、好ましくは90%、好ましくは100%高い。
この発明の他の態様は、経口投与された場合に、満足のいく生物学的利用能を有する基礎インスリンアナログを提供することに関する。この発明の好ましい化合物の生物学的利用能は、(静脈投与に対して)少なくとも0.3%、好ましくは>0.5%、好ましくは>1%、好ましくは>1.5%、好ましくは>2%、好ましくは>2.5%、好ましくは>3%、好ましくは>3.5%、好ましくは>4%、好ましくは>5%、好ましくは>6%、好ましくは>7%、好ましくは>8%、好ましくは>9%、好ましくは>10%である。
この発明の他の態様は、静脈内注入により投与された場合に、満足のいく効力を有する基礎インスリンアナログを提供することに関する。ヒトインスリンの効力と比較して、本発明の好ましいプロテアーゼ安定化インスリンアナログの効力は、好ましくは>5%、好ましくは>10%、好ましくは>20%、好ましくは>30%、好ましくは>40%、好ましくは>50%、好ましくは>75%、及び好ましくは>100%である。
この発明の他の態様は、肺投与された場合に、血糖値を満足に制御可能なインスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、肺投与された場合に、比較的ゆっくりと作用発現し、及び/又は程度の差はあるが長時間作用しつつ、血糖値を満足に制御可能なインスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、肺投与された後、満足のいく程度に長時間作用するインスリンアナログを提供することに関する。同様の投与量で与えられる、プロテアーゼ安定化変異を有さない同様のアシル化インスリンと比較して、この発明の好ましい化合物の作用時間は、比較体よりも、少なくとも10%、好ましくは20%、好ましくは25%、好ましくは30%、好ましくは35%、好ましくは40%、好ましくは45%、好ましくは50%、好ましくは55%、好ましくは60%、好ましくは65%、好ましくは70%、好ましくは80%、好ましくは90%、好ましくは100%、好ましくは100%以上長い。作用時間は、血糖が抑制される時間、又は例えばt1/2又はMRT(平均滞留時間)等の関連薬物動態学的特性の測定により、決定することができる。
この発明の他の態様は、満足のいく肺生物学的利用能を有するインスリンアナログを提供することに関する。ヒトインスリンの生物学的利用能と比較して、又は同様の投与量で与えられるプロテアーゼ安定化変異を有さない同様のアシル化インスリンと比較して、この発明の好ましい化合物の生物学的利用能は、比較体よりも、少なくとも10%、好ましくは20%、好ましくは25%、好ましくは30%、好ましくは35%、好ましくは40%、好ましくは45%、好ましくは50%、好ましくは55%、好ましくは60%、好ましくは65%、好ましくは70%、好ましくは80%、好ましくは90%、好ましくは100%、好ましくは100%以上高い。
この発明の他の態様は、増加した見かけのインビボ効力を有するインスリンアナログを提供することに関する。
この発明の他の態様は、経口生物学的利用能を有し、長時間作用するインスリンを提供することに関する。
この発明の他の態様は、ヒトインスリンの安定性と比較して、増加したタンパク質分解安定性を有するインスリンアナログを提供することに関する。ヒトインスリンと比較して、この発明の好ましい化合物のタンパク質分解安定性は、2倍、好ましくは3倍、好ましくは3、好ましくは4、好ましくは5、好ましくは6、好ましくは7、好ましくは8、好ましくは9、好ましくは10、好ましくは12、好ましくは14、好ましくは16、好ましくは18、好ましくは20、好ましくは25、好ましくは25倍以上安定している。タンパク質分解安定性は、タンパク質分解酵素、例えばここに記載の腸酵素の抽出物(の混合物)にインスリンを暴露することにより測定することができる。
この発明の目的は、従来技術の少なくとも一の不具合を克服又は改善し、又は有用な代替物を提供することにある。
<定義>
ここで、インスリンなる用語は、自然に生じるインスリン、例えばヒトインスリン、並びにそのインスリンアナログをカバーする。ヒトインスリンは、それぞれ21及び30のアミノ酸残基を有し、2つのシステインジスルフィド架橋により互いに連結している、いわゆるA及びB鎖といった2つのポリペプチド鎖からなる。
ここで、アミノ酸残基なる用語は、水素原子がアミノ基から除去された、及び/又はヒドロキシ基がカルボキシ基から除去された、及び/又は水素原子がメルカプト基から除去されたアミノ酸をカバーする。不正確ではあるが、アミノ酸残基をアミノ酸と言う場合がある。
ここで、疎水性アミノ酸は、自然に生じるアミノ酸であるトリプトファン(Trp、W)、フェニルアラニン(Phe、F)、バリン(Val、V)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)及びチロシン(Tyr、Y)と理解される(()内に1文字及び3文字略語を付与)。
ここで、親水性アミノ酸は、上述した疎水性アミノ酸ではない天然のアミノ酸であると理解される。一実施態様において、本発明の親水性の酸は:グルタミン酸(Glu、E)、アスパラギン酸(Asp、D)、ヒスチジン(His、H)、グルタミン(Gln、Q)、アスパラギン(Asn、N)、セリン(Ser、S)、スレオニン(Thr、T)、プロリン(Pro、P)、グリシン(Gly、G)、リジン(Lys、K)及びアルギニン(Arg、R)からなる群から選択される。さらなる実施態様において、本発明の親水性アミノ酸は:グルタミン酸(Glu、E)、アスパラギン酸(Asp、D)、ヒスチジン(His、H)、グルタミン(Gln、Q)、アスパラギン(Asn、N)、リジン(Lys、K)及びアルギニン(Arg、R)からなる群から選択される。
ここで、インスリンアナログなる用語は、天然インスリン中に生じる一又は複数のアミノ酸残基を欠失及び/又は置換する(置き換える)ことにより、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基を付加することにより、例えばヒトインスリン等の自然に生じるインスリンの構造体から形式上誘導可能な分子構造体を有するポリペプチドをカバーする。付加及び/又は置換されたアミノ酸残基は、コード性アミノ酸残基又は他の自然に生じるアミノ酸残基又は純粋に合成されたアミノ酸残基のいずれかとすることができる。好ましい実施態様において、インスリンアナログは、ヒトインスリンと比較して、2又はそれ以上の変異を有する。
ここで、プロテアーゼ安定化インスリンなる用語は、付加されたアシル部分を有さないインスリンを意味する。前記プロテアーゼ安定化インスリンは、プロテアーゼによる分解に対して、改善された安定性を有する。
ここで、親インスリンなる用語は、付加されたアシル部分を有さず、プロテアーゼによる分解に対する安定性を改善するための変異がなされていないインスリンを意味する。前記親インスリンは、場合によってはヒトインスリンに対して変異している。よって、親インスリンは、上述したインスリンアナログでもある。ここで、親インスリン及びプロテアーゼ安定していないインスリンなる用語は、同様の化合物をカバーする。
ここで、変異なる用語は、アミノ酸配列における任意の変化をカバーする(コード性アミノ酸の挿入及び置換、並びに欠失)。
ここで、ヒトインスリンのA鎖のアナログ及びB鎖のアナログなる用語は、それぞれ、ヒトインスリンのA及びB鎖に対し、A及びBアミノ酸鎖の一又は複数の置換、欠失及び/又は伸長(付加)を有する、ヒトインスリンのA及びB鎖をカバーする。
ここで、A1、A2、A3等の用語は、それぞれ、(N末端から数えて)インスリンのA鎖の位置1、2及び3を示す。同様に、B1、B2、B3等の用語は、それぞれ、(N末端から数えて)インスリンのB鎖の位置1、2及び3を示す。アミノ酸用の1文字コードを使用すると、A21A、A21G及びA21Q等の用語は、A21位にあるアミノ酸が、それぞれA、G及びQであることを示す。アミノ酸用の3文字コードを使用すると、対応する表現は、それぞれAlaA21、GlyA21及びGlnA21となる。
ここで、A(0)又はB(0)なる用語は、それぞれA又はB鎖において、A1又はB1位のN末端よりに隣接した位置を示す。A(−1)又はB(−1)なる用語は、それぞれA(0)又はB(0)に対してN末端よりの第1のアミノ酸の位置を示す。よって、A(−2)及びB(−2)は、それぞれA(−1)及びB(−1)に対してN末端よりの位置を示し、A(−3)及びB(−3)は、それぞれA(−2)及びB(−2)に対してN末端寄りの位置を示す。
ここで、desB29及びdesB30等の用語は、それぞれB29又はB30アミノ酸残基を欠く、インスリンアナログを示す。
「速効型インスリン」なる用語は、通常の又は定型的なヒトインスリンよりも作用発生が速いインスリンをカバーする。
ここで、「長時間作用するインスリン」なる用語、又は「基礎インスリン」なる用語は、通常の又は定型的なヒトインスリンよりも作用の持続期間が長いインスリンをカバーする。好ましくは、作用時間は5時間以上、又は8時間、特に少なくとも9時間である。好ましくは、基礎インスリンは少なくとも10時間の作用時間を有する。基礎インスリンはよって約8〜24時間の範囲、好ましくは約9〜約15時間の範囲の作用時間を有しうる。
インスリンアナログ、インスリン及びA及びB鎖における位置の番号付けは、親化合物がそのために使用される番号を有するヒトインスリンであるようになされる。
ここで、「アシル化インスリン」なる用語は、プロテアーゼ安定化インスリンに、リンカーを介して一又は複数のアシル部分が結合することによる、インスリンの修飾をカバーする。
インスリン活性を有するアシル化インスリンとは、ラット、ウサギ、又はブタモデルであってよい、適切な動物モデルにおいて測定して、例えば静脈内又は皮下投与によって適切に投与した後、哺乳動物の血糖を低下させる能力、又はインスリンレセプター結合親和性を有する、アシル化インスリンを意味する。
ここで、アルキルなる用語は、飽和した、分枝状又は直鎖状の炭化水素基をカバーする。
ここで、アルコキシなる用語は、基「アルキル-O-」をカバーする。代表例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、1-プロポキシ及び2-プロポキシ)、ブトキシ(例えば、1-ブトキシ、2-ブトキシ、及び2-メチル-2-プロポキシ)、ペントキシ(1-ペントキシ及び2-ペントキシ)、ヘキソキシ(1-ヘキソキシ及び3-ヘキソキシ)等である。
ここで、アルキレンなる用語は、1〜12の炭素原子を有する、飽和した、分枝状又は直鎖状の二価の炭化水素基をカバーする。代表例には、限定されるものではないが、メチレン;1,2-エチレン;1,3-プロピレン;1,2-プロピレン;1,3-ブチレン;1,4-ブチレン;1,4-ペンチレン;1,5-ペンチレン;1,5-ヘキシレン;1,6-ヘキシレン等が含まれる。
ここで、「中性の直鎖状アミノ酸」なる用語はカバーする。中性の直鎖状アミノ酸の非限定的例である。
ここで、「環状アミノ酸」なる用語はカバーする。環状アミノ酸の非限定的例である。
ここで、「酸性アミノ酸」なる用語はカバーする。酸性アミノ酸の非限定的例である。
ここで、「脂肪酸」なる用語は、少なくとも2の炭素原子を有し、飽和又は不飽和であり、直鎖状又は分枝状で脂肪族のカルボン酸をカバーする。脂肪酸の非限定的例は、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸である。
ここで、脂肪二酸とは、少なくとも2の炭素原子を有し、飽和又は不飽和である直鎖状又は分枝状で脂肪族のジカルボン酸をカバーする。脂肪二酸の非限定的例は、コハク酸、ヘキサン二酸、オクタン二酸、デカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、及びエイコサン二酸である。
インスリンの命名は次の原則に従う:名称は、ヒトインスリンに対する変異及び修飾(アシル化)として付与される。アシル部分の命名について、命名はIUPAC命名法に従い実施され、他の場合はペプチド命名法に従う。例えば、アシル部分:
Figure 0005749155
の命名は「オクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG」、又は「17-カルボキシヘプタデカノイル-γGlu-OEG-OEG」とすることができ、ここで、
OEGは、アミノ酸NH(CH)O(CH)OCHCOHの略語であり、
γGluは、アミノ酸ガンマグルタミン酸の略語である。
アミノ酸についての他の略語は、例えば:
PEG3はNH((CH)O)CHCHCOHであり、
PEG7はNH((CH2)O)CHCHCOHである。
例えば、実施例9のインスリン(以下に付与する配列/構造)は「A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン」と命名され、ヒトインスリンにおけるA14位のアミノ酸YはEに変異され、ヒトインスリンにおけるB25位のアミノ酸FはHに変異され、ヒトインスリンにおけるB29位のアミノ酸Kは、残基オクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEGによりNεを示す、B29のリジン残基のイプシロン窒素のアシル化により修飾され、ヒトインスリンにおけるB30位のアミノ酸Tは欠失していることが示される。以下の式の星印は、当該問題の残基が、ヒトインスリンと比較して異なっている(すなわち変異している)ことを示す。この出願にわたって、本発明の好ましいインスリンの式及び名称の双方を、以下に与える。
Figure 0005749155
ここで、「化学的安定性」及び「高い化学的安定性」なる用語は、所望の製剤において、本発明のインスリンが、化学的十分に安定していることを意味する。化学的分解生成物は、最終製剤の有効期間を損なわないような量でのみ形成される。化学的分解生成物には、脱アミド生成物、イソ-アスパルテート形成、二量体形成、ラセミ化生成物、脱水過程において生じた生成物などが含まれる。化学的安定性は、古いサンプル又は製剤のHPLC分析により測定されてよい。
ここで、「高い物理的安定性」なる用語は、フィブリル化傾向がヒトインスリンの50%未満であることをカバーする。フィブリル化は、付与された条件で線維形成が開始する前のラグタイムにより記載されてよい。
インスリンレセプター及びIGF-1レセプター親和性を有するポリペプチドは、適当な結合アッセイにおいてインスリンレセプター及びIGF-1レセプターと相互作用可能なポリペプチドである。このようなレセプターアッセイは、当該分野でよく知られており、実施例にさらに記載されている。本アシル化インスリンは、IGF-1レセプターに結合しないか、又は該レセプターに対し、さらに低い親和性しか有さない。より厳密には、この発明のアシル化インスリンは、ヒトインスリンと実質的同程度又はそれ以下のIGF-1レセプターに対する親和性を有しているであろう。
ここで使用される場合、「薬学的に許容可能な」なる用語は、通常の製薬用途に適している、すなわち患者に重大な有害事象を引き起こさないことを意味する。
ここで使用される場合、処置及び処置するといった用語は、病気、疾患又は病状に抗する目的で、患者を管理及びケアすることを意味する。本用語は、病気、疾患又は病状の進行の遅延化、症候群及び合併症の緩和又は軽減、及び/又は病気、疾患又は病状の治癒又は除去を意味している。処置される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
ここで使用される場合、病気の処置なる用語は、病気、病状又は疾患を発症した患者の管理及びケアを意味する。処置の目的は、病気、病状又は疾患に抗することである。処置には、病気、病状又は疾患の除去又は制御、並びに病気、病状又は疾患に関連する症候群又は合併症を緩和するために、活性化合物を投与することを含む。
ここで使用される場合、病気の予防なる用語は、病気の臨床的発症の前に、病気を発症する危険性を、個々に管理及びケアすることと定義される。予防の目的は、病気、病状又は疾患の発症に抗することであり、症候群又は合併症の発症を予防又は遅延化、及び関連する病気、病状又は疾患の発症を予防又は遅延化させるために、活性化合物を投与することを含む。
ここで使用される場合、有効量なる用語は、処置しない場合と比較して、効果的に患者を処置するのに十分な用量を意味する。
POTは、分裂酵母トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子であり、TPI1は出芽酵母トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子である。
リーダーとは、プレ-ペプチド(シグナルペプチド)及びプロ-ペプチドからなるアミノ酸配列を意味する。
シグナルペプチドなる用語は、タンパク質の前駆体において、N末端配列として存在するプレ-ペプチドを意味すると理解される。シグナルペプチドの機能は、異種タンパク質が小胞体への転位置を容易できることである。もちろん、シグナルペプチドはこのプロセス中に通常は切断される。シグナルペプチドはタンパク質を生成する酵母生物体に対して異種又は同族であってもよい。この発明のDNAコンストラクトを用いて使用され得る多くのシグナルペプチドには、酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド、又は任意の機能的アナログ(Egel-Mitaniら、(1990) YEAST 6:127-137及び米国特許第5726038号)、及びMFα1遺伝子のα-因子シグナル(Thorner(1981)、The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces cerevisiae, Strathernら編, pp 143-180, Cold Spring Harbor Laboratory, NY、及び米国特許第487000号)が含まれる。
ここで、「プロペプチド」なる用語は、その機能が、小胞体からゴルジ体へ、さらには培養媒体への分泌のための分泌小胞への、発現ポリペプチドの指向を可能にすることであるポリペプチド配列をカバーする(すなわち、ポリペプチドは、酵母細胞のペリプラズム空間に、細胞壁又は少なくとも細胞膜を介して出て行く)。プロ-ペプチドは酵母α-因子プロ-ペプチドであってよく、米国特許第4546082号及び同第4870008号を参照。またプロ-ペプチドは、天然には見出されないプロ-ペプチドであると言われている、合成プロ-ペプチドであってよい。適切な合成プロ-ペプチドは米国特許第5395922号;同第5795746号;同第5162498号及び国際公開第98/32867号に開示されているものである。好ましくは、プロ-ペプチドは、Lys-Arg配列又はその任意の機能的アナログ等、C末端にエンドペプチダーゼプロセシング部位を有するであろう。
明確に示さない限りは、ここに記載したアミノ酸はLアミノ酸である。さらに、他に特定しない限りは、ペプチドのアミノ酸配列の左又は右末端は、それぞれN及びC末端である。
(特異的な変異により)タンパク質分解に対して安定しており、B29-リジンでアシル化しているインスリンは、効果的かつ持続的に作用し、肺又は経口的に投与可能な持続的インスリンとしての高い可能性を有することが見出されている。アシル化により血清アルブミンに結合し、従って持続化する。さらに、経口投与した後、本発明のアシル化インスリンは、タンパク質分解に対して安定していない同様のアシル化インスリンと比較して、インスリンレセプター親和性がかなり低下している。インスリンが内在しており、レセプター活性化において分解するため、本発明のアルブミン結合インスリンのインスリンレセプター親和性におけるこの低減が、循環におけるアシル化インスリンの持続性に寄与する。よって、本発明のインスリンのクリアランスが低減する。例えば、ここに記載した高インスリン血糖正常値クランプで測定される場合、インスリンレセプター親和性の低減によっても、おそらく作用強度の低下は引き起こされないであろう。しかして、高アルブミン結合親和性及び低インスリンレセプター親和性を組合せることは、インスリン(基礎インスリン)の作用時間を長くするのに有用である。さらに、経口投与した後、これらのアシル化インスリンは、タンパク質分解に対して安定していない、同様の公知のアシル化インスリンよりも高い生物学的利用能を有する。よって、これらのアシル化インスリンアナログは、経口投与にとって有益である。同様に、肺投与後、これらのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、タンパク質分解に対して安定していない、同様の公知のアシル化インスリンよりも高い見掛け作用強度及び/又は生物学的利用能を示す。またさらに、これらのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、哺乳動物の肺に投与された場合、長時間にわたって作用するプロファイルを示す。よって、これらのアシル化インスリンアナログは、肺投与にとって有益である。
タンパク質分解に対して安定している上述のインスリンは、ここではプロテアーゼ安定化インスリンと称される。
プロテアーゼ安定化インスリン分子は、明細書の詳細な部分に説明されているように、ヒトインスリンに対して、限定された数の自然に生じるアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基で置換されたものである。
一実施態様において、この発明はアシル化インスリンに関し、ここでプロテアーゼ安定化インスリンアナログは、次の欠失又は置換の一又は複数において、ヒトインスリンから逸脱している:A18位においてQ、A21位においてA、G又はQ、B1位においてG又はQ、又はB1位においてアミノ酸残基なし、B3位においてQ、S又はT、又はB3位においてアミノ酸残基なし、B13位においてQ、B27位においてアミノ酸残基なし、B28位においてD、E又はR、B30位においてアミノ酸残基なし。
さらなる態様において、この発明は、この発明のアシル化インスリン、及び適切なアジュバント及び添加剤、例えば安定化、防腐又は等張化に適した一又は複数の薬剤、特に亜鉛イオン、フェノール、クレゾール、パラベン、塩化ナトリウム、グリセロール又はマンニトールを含有する製薬用調製物に関する。本製剤の亜鉛含量は、インスリン6分子当たり0から約6個の亜鉛原子でありうる。製薬用調製物のpH値は約4から約8.5の間、約4から約5の間、又は約6.5から約7.5の間でありうる。
さらなる実施態様において、この発明は、哺乳動物の血糖値を低減するため、特に糖尿病を処置するための製剤としての、アシル化インスリンの使用に関する。
さらなる態様において、この発明は、哺乳動物の血糖値を低減する、特に糖尿病を処置する製薬用調製物を調製するための、アシル化インスリンの使用に関する。
さらなる実施態様において、この発明は、このような処置を必要とする患者に、この発明のアシル化インスリンを治療的活性用量投与することにより、哺乳動物の血糖値を低減する方法に関する。
この発明のさらなる態様では、アシル化インスリンは、任意の適切な比で一又は複数のさらなる活性物質と併用されて投与される。かかるさらなる活性剤は、ヒトインスリン、速効型インスリンアナログ、抗糖尿病剤、抗脂質異常症剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、及び糖尿病から生じるか糖尿病に関連する合併症の治療剤から選択されうる。
一実施態様において、2つの活性成分は、混合製薬用調製物として投与される。他の実施態様において、2つの成分は、同時に又は逐次、別個に投与される。
一実施態様では、この発明のアシル化インスリンは、速効型ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログと共に投与されてよい。かかる速効型インスリンアナログは、B28位のアミノ酸残基がAsp、Lys、Leu、Val、又はAlaであり、B29位のアミノ酸残基がLys又はProであるようなもの、des(B28-B30)ヒトインスリン、des(B27)ヒトインスリン又はdes(B30)ヒトインスリン、及びB3位のアミノ酸残基がLysであり、B29位のアミノ酸残基がGlu又はAspであるアナログである。この発明のアシル化インスリンと速効型ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログは、約10%の速効型ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログに対して、約90%のアシル化インスリン;好ましくは約30%の速効型ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログに対して、約70%のアシル化インスリン;さらに好ましくは約50%の速効型ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログに対して、約50%のアシル化インスリンの割合で混合することができる(%は重量パーセンテージである)。
この発明のアシル化インスリンは、抗糖尿病剤と共に、併用処置に使用されてもよい。
抗糖尿病剤には、インスリン、国際公開第98/08871号、国際公開第99/43706号、米国特許第5424286号、国際公開第00/09666号、国際公開第2006/097537号、PCT/EP2008/061755号、及びPCT/EP2008/061830号に記載されたGLP-1(1-37)(グルカゴン様ペプチド-1)、GLP-2、エキセンディン-4(1-39)、そのインスリン分泌促進断片、そのインスリン分泌促進アナログ、及びそのインスリン分泌促進誘導体が含まれる。GLP-1(1-37)のインスリン分泌促進断片は、全配列がGLP-1(1-37)の配列に見出すことができ、少なくとも一つの末端アミノ酸が欠失されているインスリン分泌促進ペプチドである。
この発明のアシル化インスリンは、またチアゾリジンジオン、メトホルミンのような経口抗糖尿病剤、及び経口治処置のための他の2型糖尿病製薬用調製物と共に、併用処置に使用してもよい。
さらに、この発明のアシル化インスリンは、一又は複数の抗肥満剤又は食欲調節剤と併用されて投与されてもよい。
一実施態様において、この発明は、この発明のアシル化インスリン、及び適切なアジュバント及び添加剤、例えば安定化、防腐又は等張化に適した一又は複数の薬剤、例えば亜鉛イオン、フェノール、クレゾール、パラベン、塩化ナトリウム、グリセロール、プロピレングリコール又はマンニトールを含有する肺用の製薬用調製物に関する。
食事制限及び/又は運動、一又は複数の上述の化合物、場合によっては一又は複数の他の活性物質と、アシル化インスリンとの任意の適切な組合せがこの発明の範囲内であると考えられると理解されるべきである。
一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける先行技術の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ウィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 一晩絶食させた雄ィスターラットにおける本発明の化合物の経口効果を示す。 従来技術のプロテアーゼ耐性のないインスリン(実施例183)である以外は同様であるものと比較した本発明のインスリン(実施例9)の気管内滴下注入からの、血糖低減効果と血漿インスリン濃度を示す。 従来技術のプロテアーゼ耐性のないインスリン(実施例183)である以外は同様であるものと比較した本発明のインスリン(実施例9)の気管内滴下注入からの、血糖低減効果と血漿インスリン濃度を示す。 図10及び11は、同じインスリンであるが、プロテアーゼ安定化A14E及びB25H変異のないもの(先行技術のインスリン)と比較した実施例9のインスリンの薬物動態プロファイルを示す。データは同じ実験からのものであり、図10は最初の250分のデータを示す。 図11は完全な24時間(1440分)の時間過程を示す。
インスリンの安定性及び溶解性は、現在のインスリン療法にとって、根本にある重要な側面である。この発明は、安定した、アシル化インスリンアナログを提供することにより、これらの問題点に取り組むものであり、ここでアシル化より、分子の可動性が低減し、附随してフィブリル化傾向が低下し、pH降下域が制限又は変更される。
この発明のアシル化インスリンは、例えばヒトインスリン及びアシル化ヒトインスリンと比較して、相対的に高い生物学的利用能であるために、特に肺又は経口投与を意図している。さらに、アシル化インスリンは、持続性インスリン活性を有しているであろう。
上述したように、タンパク質分解に対して安定したインスリンは、ここではプロテアーゼ安定化インスリンと称される。この発明のアシル化インスリンは、ここで記載したようにアシル化されている、前記プロテアーゼ安定化インスリンである。
前記プロテアーゼ安定化インスリンは、ここでは親インスリン又はプロテアーゼ安定していないインスリンと称されるインスリン化合物から誘導される。
一実施態様において、親インスリンは:a)ヒトインスリン;b)B28位にあるアミノ酸残基がPro、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaであり、B29位にあるアミノ酸残基がLys又はProであり、場合によってはB30位にあるアミノ酸残基が欠失している、ヒトインスリンのインスリンアナログ;c)des(B28-B30)ヒトインスリン、des(B27)ヒトインスリン、又はdes(B30)ヒトインスリンであるインスリンアナログ;d)B3位にあるアミノ酸残基がLysであり、B29位にあるアミノ酸残基がGlu又はAspである、ヒトインスリンのインスリンアナログ;e)A21位にあるアミノ酸残基がGlyであり、2つのアルギニン残基でC末端がさらに伸長している、ヒトインスリンのインスリンアナログ;f)B30位にあるアミノ酸残基がスレオニンメチルエステルで置換されているインスリン誘導体;及びg)des(B30)ヒトインスリンのB29位にあるリジンのNε位に、テトラデカノイル鎖が結合したインスリン誘導体からなる群から選択される。これらの群のそれぞれは特定の実施態様である。
他の実施態様において、親インスリンは:ヒトインスリン;desB30ヒトインスリン;AspB28ヒトインスリン;AspB28,DesB30ヒトインスリン;LysB3,GluB29ヒトインスリン;LysB28,ProB29ヒトインスリン;GlyA21,ArgB31,ArgB32ヒトインスリン;及びdesB30,ArgB31,ArgB32ヒトインスリンからなる群から選択される。
特に、プロテアーゼ安定化インスリンは、親インスリンに対して、A及び/又はB鎖が2又はそれ以上変異しているインスリン分子である。驚くべきことに、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の内部又は近接近した2又はそれ以上の疎水性アミノ酸を、親水性アミノ酸で置換することにより、親インスリンに対してタンパク質分解的により安定したインスリンアナログ(すなわちプロテアーゼ安定化インスリン)が得られることが見出された。広範囲の態様において、プロテアーゼ安定化インスリンはインスリンアナログであり、ここで少なくとも2の疎水性アミノ酸は、親インスリンに対して、親水性アミノ酸で置換されており、置換が、親インスリンの2又はそれ以上のプロテアーゼ切断部位の内部又は近接して存在し、このようなインスリンアナログは、場合によっては一又は複数の付加的な変異をさらに含む。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、
・A12位のアミノ酸がGlu又はAspであり、及び/又はA13位のアミノ酸がHis、Asn、Glu又はAspであり、及び/又はA14位のアミノ酸がAsn、Gln、Glu、Arg、Asp、Gly又はHisであり、及び/又はA15位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及び
・B24位のアミノ酸がHisであり、及び/又はB25位のアミノ酸がHisであり、及び/又はB26位のアミノ酸がHis、Gly、Asp又はThrであり、及び/又はB27位のアミノ酸がHis、Glu、Lys、Gly又はArgであり、及び/又はB28位のアミノ酸がHis、Gly又はAspであり;
場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含む、インスリンアナログである。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、B27での変異と組合せて、場合によっては他の変異と組合せて、B25H又はB25N変異を含むアナログである。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、B27での変異と組合せて、場合によっては他の変異と組合せて、B25H又はB25N変異を含むアナログである。B27位での変異は、例えばGlu又はAspとすることができる。
B25及びB27変異を双方とも有する、これらのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンアナログは、有利な特性を有する。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、次の式1のA鎖アミノ酸配列:
XaaA(−2)-XaaA(−1)-XaaA0-Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys-Cys-XaaA8-Ser-Ile-Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-Tyr-Cys-XaaA21
式(1)(配列番号:1)
次の式2のB鎖アミノ酸配列:
XaaB(−2)-XaaB(−1)-XaaB0-XaaB1-XaaB2-XaaB3-XaaB4-His-Leu-Cys-Gly-Ser-XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-XaaB16-Leu-Val-Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-XaaB25-XaaB26-XaaB27-XaaB28-XaaB29-XaaB30-XaaB31-XaaB32
式(2)(配列番号:2)
[ここで、
XaaA(−2)は存在しないか、又はGlyであり;
XaaA(−1)は存在しないか、又はProであり;
XaaA0は存在しないか、又はProであり;
XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;
XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA14は独立して、Tyr、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;
XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
XaaA21は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB(−2)は存在しないか、又はGlyであり;
XaaB(−1)は存在しないか、又はProであり;
XaaB0は存在しないか、又はProであり;
XaaB1は存在しないか、又は独立してPhe及びGluから選択され;
XaaB2は存在しないか、又はValであり;
XaaB3は存在しないか、又は独立してAsn及びGlnから選択され;
XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg、及びGluから選択され;
XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB25は独立して、Asn、Phe及びHisから選択され;
XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;
XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;
XaaB29は存在しないか、又は独立してLys、Arg及びGlnから選択され;好ましくはXaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;
XaaB30は存在しないか、又はThrであり;
XaaB31は存在しないか、又はLeuであり;
XaaB32は存在しないか、又はGluであり;
場合によっては、C末端はアミドとして誘導体化されていてもよく;
ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列は、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインはジスルフィド架橋により結合している]
を含むインスリンアナログである。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、次の式3のA鎖アミノ酸配列:
Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys-Cys-XaaA8-Ser-Ile-Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-Tyr-Cys-XaaA21
式(3)(配列番号:3)
及び次の式4のB鎖アミノ酸配列:
XaaB1-Val-XaaB3-XaaB4-His-Leu-Cys-Gly-Ser-XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-XaaB16-Leu-Val-Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-His-XaaB26-XaaB27-XaaB28-XaaB29-XaaB30
式(4)(配列番号:4)
[ここで、
XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;
XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA14は独立して、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;
XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
XaaA21は独立して、Asn、及びGlnから選択され;
XaaB1は独立して、Phe及びGluから選択され;
XaaB3は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg、及びGluから選択され;
XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;
XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;
XaaB29は存在しないか、又は独立してLys、Arg及びGlnから選択され、XaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;
XaaB30は存在しないか又はThrであり;
場合によっては、C末端はアミドとして誘導体化されていてもよく;
ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列は、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインはジスルフィド架橋により結合している]
を含むインスリンアナログである。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンはインスリン誘導体であり、ここで、
XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
XaaA12は独立して、Ser及びGluから選択され;
XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA14は独立して、Asp、His及びGluから選択され;
XaaA15は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
XaaA21は独立して、Asn、及びGlnから選択され;
XaaB1は独立して、Phe及びGluから選択され;
XaaB3は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg、及びGluから選択され;
XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB25は独立して、Phe、Asn、及びHisから選択され;
XaaB26は独立して、Tyr、Thr、Gly及びAspから選択され;
XaaB27は独立して、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、及びGluから選択され;
XaaB28は独立して、Pro、Gly及びAspから選択され;
XaaB29は独立して、Lys及びGlnから選択され;
XaaB30は存在しないか又はThrであり;
場合によっては、C末端はアミドとして誘導体化されていてもよく;
ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列は、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインはジスルフィド架橋により結合している。
プロテアーゼ安定化インスリンの他の実施態様を以下に記載する。
「プロテアーゼ」又は「プロテアーゼ酵素」は、タンパク質及びペプチドを分解し、ヒトの体の種々の組織、胃(ペプシン)、腸内腔(キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ等)、又はGI管の粘膜表面(アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、エンテロペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ等)、肝臓(インスリン分解酵素、カテプシンD等)、及び他の組織に見出される消化酵素である。
ここでタンパク質分解的に安定したインスリンアナログ(プロテアーゼ安定化インスリンとも称される)とは、一又は複数のプロテアーゼで、ヒトインスリンよりもゆっくりと分解するインスリンアナログとして理解される。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、一又は複数のプロテアーゼで、親インスリンよりもゆっくりと分解する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは:ペプシン(例えば、イソ型のペプシンA、ペプシンB、ペプシンC及び/又はペプシンF)、キモトリプシン(例えば、イソ型のキモトリプシンA、キモトリプシンB及び/又はキモトリプシンC)、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ(例えば、イソ型の膵エラスターゼI及び/又はII)、カルボキシペプチダーゼ(例えば、イソ型のカルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼA2、及び/又はカルボキシペプチダーゼB)、アミノペプチダーゼ、カテプシンD、及びラット、ブタ又はヒトから誘導される腸抽出物に存在する他の酵素からなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは:キモトリプシン、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、及びカテプシンDからなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは:キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼ及びIDEからなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは:キモトリプシン及びカルボキシペプチダーゼから選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。
T1/2は、キモトリプシン、ペプシン及び/又はカルボキシペプチダーゼA等のプロテアーゼ酵素に対する、プロテアーゼ安定化インスリンのタンパク質分解安定性を測定する場合に、実施例に記載するように測定されてよい。本発明の一実施態様において、T1/2はヒトインスリンに対して増加している。さらなる実施態様において、T1/2は親インスリンに対して増加している。さらなる実施態様において、T1/2は親インスリンの少なくとも2倍に増加している。さらなる実施態様において、T1/2は親インスリンの少なくとも3倍に増加している。さらなる実施態様において、T1/2は親インスリンの少なくとも4倍に増加している。さらなる実施態様において、T1/2は親インスリンの少なくとも5倍に増加している。さらなる実施態様において、T1/2は親インスリンの少なくとも10倍に増加している。
タンパク質分解安定性を測定するための他の方法は、比較体、例えばヒトインスリンに対する相対的安定性を測定することである。相対的安定性はT1/2/T1/2(比較体)として定義され、ここでT1/2及びT1/2(比較体)は、分解アッセイにおける、アナログ及び比較体それぞれの半減期である。実施例の部分においては、ラットの十二指腸から抽出された酵素混合物に対する、本発明の選択されたインスリンの相対的安定性が付与されている(ヒトインスリン、並びにアシル化していないプロテアーゼ耐性インスリンに対して)。
プロテアーゼ切断部位(ここでは、プロテアーゼ部位とも記載する)は、プロテアーゼにより認識されるアミノ酸残基、及び/又はそのペプチド結合がプロテアーゼにより切断されるアミノ酸残基として理解される。プロテアーゼ切断部位は、HPLC、MS又はLC-MS分析により切断「ホットスポット」を決定する、及び/又はプロテアーゼ切断部位を決定するための、プロテアーゼ酵素の酵素特異性に基づいた予測により、決定されてよい。当業者であれば、例えば、Handbook of Proteolytical Enzymes, 第2版, Barrett, A.J., Rawlings, N.D., Woesner, J.F編, Elsevier Academic Press 2004に記載されているように、酵素特異性に基いた、プロテアーゼ切断部位の決定の方法を知っているであろう。例えばキモトリプシンは、芳香族残基(Trp、Tyr、Phe又はLeu)にProが続かないように、ペプチド結合のC末端を切断すると予測されている。同様に、トリプシンは、塩基性残基Lys又はArgにProが続かないように、ペプチド結合のC末端を切断すると予想されており、エラスターゼは、Ala、Val、Gly又はSerに対し、残基C末端を切断すると予想されており、カルボキシペプチダーゼAは、Arg、Lys又はProを除く、任意のC末端アミノ酸を除去するであろう。インスリン分解酵素(IDE)は、ヒトインスリンのB9−10、B10−11、B13−14、B14−15、B24−25、B25−26、A13−14及びA14−15の後続位を決断すると予想されている。
プロテアーゼ切断部位の「内部又は近接近した」アミノ酸置換なる用語は、プロテアーゼ切断部位が決定された親インスリンの位置の内部又は近接近したアミノ酸の置換を示すために、ここで使用される。一実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の内部又は近接近した2又はそれ以上の疎水性アミノ酸が置換されており、ここで、該疎水性アミノ酸は親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の内部の2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の隣に位置する、2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位から2つのアミノ酸分離れて位置する2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位から3つのアミノ酸分離れて位置する2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位から4つのアミノ酸分離れて位置する2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の内部又はこれから1、2又は3つのアミノ酸分離れて位置する2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の内部又はこれから1又は2つのアミノ酸分離れて位置する2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。さらなる実施態様において、インスリンにおける2又はそれ以上のプロテアーゼ部位の内部又は隣に位置する2又はそれ以上の疎水性アミノ酸は、親水性アミノ酸で置換されている。
プロテアーゼ安定化インスリンは、親インスリンの正味荷電とは異なる正味荷電を有していてもよい。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの正味荷電は、親インスリンの正味荷電よりもさらに正である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの正味荷電は、親インスリンの正味荷電よりもさらに負である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の正の正味荷電は、水溶液で測定して0.5〜5である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の正の正味荷電は1〜5である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の正の正味荷電は1〜4である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の正の正味荷電は1〜3である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の正の正味荷電は2〜3である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の負の正味荷電は、水溶液で測定して−0.5〜−5である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の負の正味荷電は−1〜−5である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の負の正味荷電は−1〜−4である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の負の正味荷電は−1〜−3である。一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンの平均の負の正味荷電は−2〜−3である。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH3-9で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH4-8.5で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH4-8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH4.5−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH5−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH5.5−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH6−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH2−4で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH3−9で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH4−8.5で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH4−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH4.5−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH5−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH5.5−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH6−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、pH2−4で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。
「付与されたpHで増加した溶解度」とは、親インスリンと比較して、高濃度のプロテアーゼ安定化インスリンが、溶液のpHで水又はバッファー溶液に溶解していることを意味する。溶液に含有されるインスリンが溶解しているかどうかを測定する方法は、当該技術で公知である。
一実施態様においては、溶液を30000gで20分、遠心分離にかけ、ついで上清のインスリン濃度をRP-HPLCにより測定してもよい。この濃度が、組成物を作製するときに通常使用されるインスリン濃度に等しいか、実験誤差の範囲内であるならば、インスリンは本発明の組成物に十分溶解している。他の実施態様において、本発明の組成物におけるインスリンの溶解度は、簡単には、組成物を収容する容器を、眼で観察することにより測定することができる。溶液が、目で見て透明であり、粒子状物質が懸濁していないか、又は容器の側面/底に沈殿していないならば、インスリンは溶解している。
プロテアーゼ安定化インスリンは、測定時に比較して、親インスリンよりも増加した見かけ作用強度及び/又は生物学的利用能を有している。
インスリンのインビトロ作用強度を測定するための標準的なアッセイは、当業者に公知であり、とりわけ(1)インスリンの相対的作用強度が、ラットの肝臓細胞膜分画等、細胞膜に存在するインスリンレセプターに特異的に結合する125I-インスリンの50%が置き換えられるのに必要なインスリンアナログに対するインスリンの比率として定義される、インスリンラジオレセプターアッセイ;(2)インスリンの相対的作用強度が、有機抽出可能物(例えば脂質)への[3-H]グルコースの最大転換率の50%に達するのに必要なインスリンアナログに対するインスリンの比率として定義される、ラットの脂肪細胞などを用いて実施される、脂質生成アッセイ;(3)インスリンアナログの相対的作用強度が、グルコース-1-[14C]の[14CO]への最大転換率の50%に達するためのインスリンアナログに対するインスリンの比率として定義される、単離された脂肪細胞におけるグルコース酸化アッセイ;(4)特定の抗インスリン抗体への結合において、インスリン又はインスリンアナログが125I-インスリンと競合することにより有効性を測定する、インスリンアナログの免疫原性を測定可能なインスリンラジオイムノアッセイ;及び(5)特定のインスリン抗体を有するELISAアッセイ等、動物の血漿サンプルにおける、抗体へのインスリン又はインスリンアナログの結合性を測定する他のアッセイが含まれる。
増加した見かけインビトロ作用強度は、同様の用量で付与される、プロテアーゼ安定した変異を有さない同様のインスリンと、当該問題のインスリンの、時間プロファイルに対する血糖を比較することにより、推定/可視化することができる。本発明のインスリンは比較体に対して、増加した血糖低下効果を有するであろう。
インスリン生物学的利用能を測定するための標準的なアッセイは、当業者に公知であり、とりわけ、同種の肺又は経口及び静脈内(i.v.)に投与された、当該問題のインスリンの濃度についての、曲線下の相対的面積(AUC)の測定が含まれる。血液(血漿)サンプルにおけるインスリン濃度の定量は、例えば抗体アッセイ(ELISA)又は質量分析を使用して実施することができる。肺投与はいくつかの手段より実施することができる。例えば、インスリンは、ラットには点滴、又はブタには乾燥パウダーの吹送により投与することができる。
プロテアーゼ安定化インスリンは、場合によっては、親水性アミノ酸で、一又は複数の疎水性アミノ酸をさらに置換してもよい、さらなるプロテアーゼ部位について分析されてもよい。プロテアーゼ安定化インスリンは、親インスリン、第1の修飾されたインスリンと比較して、プロテアーゼ部位において少なくとも2の親水性酸を有し、第1の修飾されたインスリンの新規のプロテアーゼ部位に少なくとも一のアミノ酸置換をさらに有するインスリンアナログであってよく、ここで少なくとも一の疎水性アミノ酸は少なくとも一の親水性アミノ酸で置換されている。
便宜上、以下、丸括弧中の通常の3文字コード及び1文字コードを有するコード可能な天然のアミノ酸の名称である:グリシン(Gly及びG)、プロリン(Pro及びP)、アラニン(Ala及びA)、バリン(Val及びV)、ロイシン(Leu及びL)、イソロイシン(Ile及びI)、メチオニン(Met及びM)、システイン(Cys及びC)、フェニルアラニン(Phe及びF)、チロシン(Tyr及びY)、トリプトファン(Trp及びW)、ヒスチジン(His及びH)、リジン(Lys及びK)、アルギニン(Arg及びR)、グルタミン(Gln及びQ)、アスパラギン(Asn及びN)、グルタミン酸(Glu及びE)、アスパラギン酸(Asp及びD)、セリン(Ser及びS)及びスレオニン(Thr及びT)。もし、タイピングミスのために、通常使用されているコードから逸脱しているならば、通常使用されるコードを適用する。この発明のインスリンに存在するアミノ酸は、好ましくは核酸によりコード可能なアミノ酸である。一実施態様において、インスリン又はインスリンアナログは、Gly、Glu、Asp、His、Gln、Asn、Ser、Thr、Lys、Arg及び/又はProで置換されており、及び/又はGly、Glu、Asp、His、Gln、Asn、Ser、Thr、Lys、Arg及び/又はProが、インスリン又はインスリンアナログに付加されている。一実施態様において、インスリン又はインスリンアナログは、Glu、Asp、His、Gln、Asn、Lys及び/又はArgで置換されており、及び/又はGlu、Asp、His、Gln、Asn、Lys及び/又はArgが、インスリン又はインスリンアナログに付加されている。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、次の化合物:A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B28D,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B16E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A8H,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A8H,A14E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A8H,A14E,B1E,B25H,desB30ヒトインスリン;A8H,A14E,B1E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A8H,A14E,B1E,B16E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A8H,A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26D,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B28D,desB30ヒトインスリン;A14E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B27E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B25H,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14D,B25H,desB30ヒトインスリン;B25N,B27E,desB30ヒトインスリン;A8H,B25N,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B27E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B28E,desB30ヒトインスリン;B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;B1E,B25H,B27E,desb30ヒトインスリン;A8H,B1E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A8H,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;B25N,B27D,desB30ヒトインスリン;A8H,B25N,B27D,desB30ヒトインスリン;B25H,B27D,desB309ヒトインスリン;A8H,B25H,B27D,desB30ヒトインスリン;A(−1
)P,A(0)P,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B(−1)P,B(0)P,B25H,desB30ヒトインスリン;A(−1)P,A(0)P,A14E,B(−1)P,B(0)P,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B30T,B31L,B32Eヒトインスリン;A14E,B25Hヒトインスリン;A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B10P,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B10E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B4E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14H,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14H,B10E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13H,A14E,B10E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13H,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A18Q,B3Q,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B24H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン;A14E,A18Q,A21Q,B3Q,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A18Q,A21Q,B3Q,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,A18Q,B3Q,B25H,desB30ヒトインスリン;A13H,A14E,B1E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13N,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13N,A14E,B1E,B25H,desB30ヒトインスリン;A(−2)G,A(−1)P,A(0)P,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B(−2)G,B(−1)P,B(0)P,B25H,desB30ヒトインスリン;A(−2)G,A(−1)P,A(0)P,A14E,B(−2)G,B(−1)P,B(0)P,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B27R,B28D,B29K,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27R,B28D,B29K,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26T,B27R,B28D,B29K,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27R,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27H,desB30ヒトインスリン;A14E,A18Q,B3Q,B25H,desB30ヒトインスリン;A13E,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A12E,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A15E,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13E,B25H,desB30ヒトインスリン;A12E,B25H,desB30ヒトインスリン;A15E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26D,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27R,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27N,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27D,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27Q,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27G,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27K,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27P,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27S,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27T,desB30ヒトインスリン;A13R,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13N,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13D,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13Q,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13E,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13G,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13H,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13K,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13P,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13S,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A13T,A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16R,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16D,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16Q,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14R,B25H,desB30ヒトインスリン;A14N,B25H,desB30ヒトインスリン;A14D,B25H,desB30ヒトインスリン;A14Q,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14G,B25H,desB30ヒトインスリン;A14H,B25H,desB30ヒトインスリン;A8H,B10D,B25Hヒトインスリン;及びA8H,A14E,B10E,B25H,desB30ヒトインスリンからなる群から選択され;この実施態様では、場合によってはA14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン;B25H,desB30ヒトインスリン;及びB25N,desB30ヒトインスリンが含まれ得る。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、次の化合物:A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン;B25H,desB30ヒトインスリン、及びA14E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリンからなる群から選択される。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、上述した任意の群から選択され、desB27変異をさらに有する。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、次の化合物:A14E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B16H,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B16E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB27,B29R,desB30ヒトインスリン、及びB25H,desB27,desB30ヒトインスリンからなる群から選択される。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、上述した任意の群から選択され、化学的安定性を改善するためにA21及び/又はB3位に次の変異:A21G,desA21,B3Q,又はB3Gをさらに含む。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、次のプロテアーゼ安定化インスリン:A14E,A21G,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン;A21G,B25H,desB30ヒトインスリン及びA21G,B25N,desB30ヒトインスリンから選択され、好ましくは次のプロテアーゼ安定化インスリン:A14E,A21G,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B16E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A21G,B25H,desB30ヒトインスリン、及び A21G,B25N,desB30ヒトインスリンから選択される。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、B29位において、B29Kのイプシロン窒素位置でアシル化されている。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、A1位において、A1のアルファ窒素位置でアシル化されている。
好ましい実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンは、A1位において、A1のアルファ窒素位置でアシル化されており、プロテアーゼ安定化インスリンはB29R変異を含む。
プロテアーゼ安定化インスリンは、例えば米国特許第6,500,645号に開示されたようなよく知られた技術によって適当な宿主細胞中で当該インスリンをコードするDNA配列を発現させることによって生成される。プロテアーゼ安定化インスリンは、直接又はB鎖にN末端伸長を有する前駆体分子として発現される。このN末端伸長は直接発現される産物の収率を増大させる機能を有している場合があり、15アミノ酸残基長まででありうる。N末端伸長は培養ブロスからの単離後にインビトロで切断するためであり、従ってB1の隣に切断部位を有している。この発明に適したタイプのN末端伸長は米国特許第5,395,922号及び欧州特許出願公開第765,395A号に開示されている。
プロテアーゼ安定化インスリンをコードするポリヌクレオチド配列は、確立された標準的な方法、例えばBeaucage等 (1981) Tetrahedron Letters 22:1859-1869に記載されているホスホアミダイト(phosphoamidite)法、又はMatthes等 (1984) EMBO Journal 3:801-805に記載されている方法によって、合成的に調製することができる。ホスホアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、例えば自動DNA合成器において合成され、精製され、二本鎖にされ、ライゲーションされて、合成DNAコンストラクトが形成される。DNAコンストラクトを調製する現在の好ましい方法はポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)による。
ポリヌクレオチド配列は、混合ゲノム、cDNA、及び合成由来であってもよい。例えば、リーダーペプチドをコードするゲノム又はcDNA配列を、A鎖及びB鎖をコードするゲノム又はcDNA配列に結合させた後、よく知られた手順に従って相同組換えのために所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを挿入し、又は好ましくは適当なオリゴヌクレオチドを使用するPCRによって所望の配列を生産することによって、所定部位でDNA配列を修飾してもよい。
組換え法は、典型的には、選択された微生物又は宿主細胞中で複製可能であり、プロテアーゼ安定化インスリンをコードするポリヌクレオチド配列を担持するベクターを使用してなされる。組換えベクターは、自己複製ベクター、すなわち染色体外実体として存在するベクター、染色体複製とは独立した複製、例えばプラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、又は人工染色体でありうる。ベクターは自己複製を確実にする任意の手段を含みうる。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と共に複製されるものでありうる。さらに、トランスポゾン、又は宿主細胞のゲノムに導入されるために、全DNAを含有する単一のベクター又はプラスミド、又は2つ又はそれ以上のベクター又はプラスミドが使用されてもよい。ベクターは直鎖又は閉環状プラスミドであってよく、宿主細胞のゲノムへのベクターの安定した組込、又はゲノムとは独立した細胞におけるベクターの自己複製を可能にするエレメント(類)を、好ましくは含有する。
組換え発現ベクターは酵母中で複製可能である。ベクターを酵母中で複製させることができる配列の例は酵母プラスミド2μm複製遺伝子REP1-3及び複製起点である。
ベクターは、形質転換細胞の選択を容易にする一又は複数の選択可能マーカーを含みうる。選択可能マーカーは、その産物が殺生物剤又はウイルス耐性、重金属、原栄養体、栄養要求体等に対する耐性を提供する遺伝子である。細菌性選択可能マーカーの例は、Bacillus subtilis又は Bacillus licheniformis由来のdal遺伝子、あるいはアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性等の抗生物質耐性を付与するマーカーである。糸状菌宿主細胞における使用に適切なマーカーには、amdS(アセタミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、pyrG(オロチジン-5'-ホスファートデカルボキシラーゼ)及びtrpC(アントラニル酸シンターゼ)が含まれる。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、及びURA3である。酵母によく適した選択可能マーカーは分裂酵母TPI遺伝子(Russell (1985) Gene 40:125-130)である。
ベクター中において、ポリヌクレオチド配列は適切なプロモーター配列に作用可能に結合している。プロモーターは、変異、切断、及びハイブリッドプロモーターを含む選択宿主細胞中で転写活性を示す任意の核酸配列であり得、宿主細胞に相同か又は異種性である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
細菌宿主細胞における転写を指向するのに適切なプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトマイセス・セリカラーアガラーゼ(agarase)遺伝子(dagA)、枯草菌レバンスクラーゼ(levansucrase)遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミスアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィルスマルトゲンアミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンスアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyQ)、及びバチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)から得られるプロモーターである。糸状菌宿主細胞における転写を指向するのに適切なプロモーターの例は、コウジカビTAKAアミラーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、クロコウジカビ中性アルファ-アミラーゼ、及びクロコウジカビ酸安定性アルファ-アミラーゼの遺伝子から得られるプロモーターである。酵母宿主では、有用なプロモーターは、出芽酵母Ma1、TPI、ADH又はPGKプロモーターである。
プロテアーゼ安定化インスリンをコードするポリヌクレオチド配列は、典型的には適切なターミネーターに作用可能に連結しているであろう。酵母において、適切なターミネーターはTPIターミネーター(Alber等 (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1:419-434)である。
プロテアーゼ安定化インスリンをコードするポリヌクレオチド配列、プロモーター及びターミネーターをそれぞれライゲーションし、選択宿主での複製に必要な情報を含む適切なベクターにそれらを挿入するのに使用される手順は、当業者によく知られている。ベクターは、まずこの発明のインスリンをコードする全DNA配列を含有するDNAコンストラクトを調製し、続いて適切な発現ベクターにこのフラグメントを挿入するか、又は個々のエレメント(例えば、シグナル、プロ-ペプチド、連結ペプチド、A及びB鎖)についての遺伝的情報を含むDNAフラグメントを挿入し、続いてライゲーションすることにより構築されると理解されるであろう。
プロテアーゼ安定化インスリンをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターを、ベクターが染色体組み込み体として又は自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞に導入する。「宿主細胞」なる用語は、複製中に生じる変異のために、親細胞と同一ではない親細胞の任意の子孫を包含する。宿主細胞は、単細胞生物、例えば原核生物、又は非単細胞生物、例えば真核生物であってよい。有用な単細胞は細菌細胞、例えば限定されるものではないが、バチルス細胞、ストレプトマイセス細胞を含むグラム陽性菌、又はグラム陰性菌、例えば大腸菌及びシュードモナス属である。真核細胞は、哺乳動物、昆虫、植物、又は真菌細胞であってよい。一実施態様において、宿主細胞は酵母細胞である。酵母生物は、培養で、本発明の単鎖インスリンを多量に生産する任意の適切な酵母生物でありうる。適切な酵母生物の例は、酵母種出芽酵母、サッカロマイセス・クルイベリ(kluyveri)、分裂酵母、サッカロマイセス・ウバルム(uvarum)、クルイベロマイセス・ラクチス、ハンゼヌラ・ポリモルファ、ピキア・パストリス、ピキア・メタノリカ、ピキア・クルイベリ、ヤロウイア・リポリティカ(lipolytica)、カンジダ種、トルラ酵母、カンジダ・カカオイ(cacaoi)、ゲオトリクム種、及びゲオトリクム・フェルメンタンス(fermentans)から選択される株である。
酵母細胞の形質転換は、例えば原形質体形成に続く形質転換によりそれ自体知られている方式でなされうる。細胞を培養するのに使用される培地は酵母生物を増殖させるのに適した任意の従来からの培地であってよい。分泌されるインスリンは、その有意な割合が正しくプロセシングされた形態で培地中に存在するが、遠心分離、濾過による培地からの酵母細胞の分離、又はイオン交換マトリックス又は逆相吸収マトリックスによるインスリン前駆体の捕捉、例えば硫酸アンモニウムのような塩による上清又は濾液のタンパク質性成分の沈殿と、続く例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等のような様々なクロマトグラフィー法による精製を含む、従来からの手順により培地から回収されうる。
好ましくは、この発明のアシル化インスリンは、プロテアーゼ安定化インスリン分子のリジンアミノ酸残基に結合した唯一のアシル化基を有し、一置換されている。
一実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンに結合したアシル部分は、次の一般式:
Acy-AA1-AA2-AA3- (I)
[上式中、nは0又は1〜3の範囲の整数であり;mは0又は1〜10の範囲の整数であり;pは0又は1〜10の範囲の整数であり;Acyは約8〜約24の炭素原子を有する脂肪酸又は脂肪二酸であり;AA1は中性の直鎖状又は環状のアミノ酸残基であり;AA2は酸性アミノ酸残基であり;AA3は中性のアルキレングリコール含有アミノ酸残基であり;式中にAA1、AA2及びAA3が現れる順序は、独立して交換可能であり;AA2は式において数回存在可能であり(例えば、Acy-AA2-AA3-AA2-);AA2は式において、独立して(異なって)数回存在可能であり(例えば、Acy-AA2-AA3-AA2-);AA1、AA2及び/又はAA3の結合は、Acy、AA1、AA2及びAA3のそれぞれから水素原子又はヒドロキシル基(水)を除去することにより形式的に得ることができるアミド(ペプチド)結合であり;プロテアーゼ安定化インスリンへの結合が、式(I)のアシル部分にあるAA1、AA2、又はAA3残基から、又は式(I)の部分に存在するAA2残基の側鎖(類)の一つからのものとすることができる]
を有する。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンに結合するアシル部分は、一般式Acy-AA1-AA2-AA3-(I)を有するものであり、ここでAA1はGly、D-又はL-Ala、βAla、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、6-アミノヘキサン酸、D-又はL-Glu-α-アミド、D-又はL-Glu-γ-アミド、D-又はL-Asp-α-アミド、D-又はL-Asp-β-アミド、又は式:
Figure 0005749155
の一つの基から選択され、ここで水素原子及び/又はヒドロキシル基は除去されており、qは0、1、2、3又は4であり、この実施態様において、AA1は7-アミノヘプタン酸又は8-アミノオクタン酸であってよい。
他の実施態様において、プロテアーゼ安定化インスリンに結合するアシル部分は、一般式Acy-AA1-AA2-AA3-(I)を有するものであり、ここでAA1は上述にて定めたものであり、AA2は、L-又はD-Glu、L-又はD-Asp、L-又はD-ホモGlu、又は次の式:
Figure 0005749155
のいずれかから選択され、ここで水素原子及び/又はヒドロキシル基は除去されており、矢印は、AA1、AA2、AA3のアミノ基又はプロテアーゼ安定化インスリンのアミノ基に対する結合点を示す。
一実施態様において、AA1と称される中性の環状アミノ酸残基は、飽和した6員の炭素環を含み、場合によっては窒素ヘテロ原子を含むアミノ酸であり、好ましくは該環はシクロヘキサン環又はピリジン環である。好ましくは、この中性の環状アミノ酸の分子量は、約100〜約200Daの範囲内になる。
AA2と称される酸性アミノ酸残基は、2つのカルボン酸基と1つの第1級又は第2級アミノ基を有する、約200Daまでの分子量を有するアミノ酸である。また、AA2と称される酸性アミノ酸は、1つのカルボン酸基と1つの第1級又は第2級スルホンアミド基を有する、約250Daまでの分子量を有するアミノ酸である。
AA3と称される中性のアルキレングリコール含有アミノ酸残基は、一端にカルボン酸官能性、他端にアミノ基官能性を有する、アルキレングリコール部分、場合によってはオリゴ-又はポリアルキレングリコール部分である。
ここで、アルキレングリコール部分なる用語は、モノ-アルキレングリコール部分、並びにオリゴ-アルキレングリコール部分をカバーする。モノ-及びオリゴアルキレングリコール類は、モノ-及びオリゴエチレングリコールベース、モノ-及びオリゴプロピレングリコールベース、及びモノ-及びオリゴブチレングリコールベースの鎖、すなわち繰り返し単位-CHCHO-、-CHCHCHO-又は-CHCHCHCHO-をベースにした鎖を含む。アルキレングリコール部分は単分散(明確に定義された長さ/分子量を有する)である。モノアルキレングリコール部分は、各末端に異なる基を有する-OCHCHO-、-OCHCHCHO-又は-OCHCHCHCHO-を含む。
ここで記載したように、式(I)を有するアシル部分にAA1、AA2及びAA3が現れる順序(Acy-AA1-AA2-AA3-)は、独立して交換可能である。その結果、式Acy-AA1-AA2-AA3-はまた、同様の部分、例えばAcy-AA2-AA1-AA3-、式Acy-AA2-AA3-AA2-、及び式Acy-AA3-AA2-AA1-もカバーするものであり、ここでAcy、AA1、AA2、AA3、n、m及びpは、ここで定めたものである。
ここで記載したように、部分Acy、AA1、AA2及び/又はAA3間の結合は、それらが形式的に構築されている親化合物からの水の除去によるアミド結合(ペプチド結合)の形成(-CONH-)から形式的に得られる。これは、式(I)のアシル部分(Acy-AA1-AA2-AA3-、ここで、Acy、AA1、AA2、AA3、n、m及びpは、ここで定めたものである)について完全な式を得るためには、Acy、AA1、AA2及びAA3の用語に対して与えられた化合物を形式的にとり、それらから水素及び/又はヒドロキシルを除去し、形式的に、そのようにして得られた遊離端にそのようにして得られた構築ブロックを結合させなければならないことを意味する。
この発明のアシル化インスリンアナログ中に存在し得る式Acy-AA1-AA2-AA3-のアシル部分の非限定的な特定の例は、次の通りである:
Figure 0005749155
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式Acy-AA1-AA2-AA3-のアシル部分の上述した任意の非限定的な特定の例は、こインスリンアナログの上述した非限定的な特定の例のいずれかに存在するリジン残基のイプシロンアミノ基に結合可能であり、よってこの発明のアシル化インスリンアナログのさらなる特定の例が付与される。
式Acy-AA1-AA2-AA3-のアシル部分の上述した任意の非限定的な特定の例は、インスリンアナログの上述した非限定的な特定の例のいずれかに存在するA1残基のアルファアミノ基に結合可能であり、よってこの発明のアシル化インスリンアナログのさらなる特定の例が付与される。
プロテアーゼ安定化インスリンは、インスリンのリジン残基又はN末端位置に、式Acy-AA1-AA2-AA3-の所望の基を導入することにより、この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンに転換させることができる。式Acy-AA1-AA2-AA3-の所望の基は、任意の簡便な方法で導入可能であり、このようなアナログについての先行技術に、多くの方法が開示されている。さらなる詳細はここの実施例により明らかになる。
一実施態様において、本発明は、欧州特許出願公開第07114387号に記載の化合物、すなわちアシル部分が親インスリンに結合しているアシル化インスリンに関連しておらず、ここで該アシル部分は、アミノ酸を含有するアルキレングリコールの繰り返し単位を含み、親インスリンには唯一のリジン残基(K及びLys)が存在する。
(薬学的組成物)
この発明のアシル化インスリンは、皮下、鼻、経口又は肺に投与されてよい。
皮下投与用として、この発明のアシル化インスリンは、公知のインスリンの製剤と同じように処方される。さらに、皮下投与用として、この発明のアシル化インスリンは、公知のインスリンの投与と同じように投与され、医者はこの手順に通じている。
この発明のアシル化インスリンは、循環インスリンレベルを増加させ、及び/又は循環グルコースレベルを低下させるのに効果的な用量で、吸入により投与されてよい。このような投与は、糖尿病又は高血糖症等の疾患を処置するのに効果的である。インスリンの効果的な投与を達成するには、この発明のアシル化インスリンを、約0.5μg/kg〜約50μg/kg以上の吸入量で投与することが必要である。治療的有効量は、インスリンレベル、血糖値、患者の身体コンディション、患者の肺の状態等を含む要因を考慮し、博識な実施者により決定することができる。
この発明のアシル化インスリンは、吸収の遅延化、及び/又はその全身クリアランスの低減を達成するために、吸入により送達されてもよい。同様の粒子径及び同様の肺沈着レベルで比較される場合、典型的には、種々の吸入装置により、同様の薬物動態が提供される。
この発明のアシル化インスリンは、吸入による治療剤の投与について、当該技術で公知の任意の様々な吸入装置により送達され得る。これらの装置には、定量噴霧式吸入器、ネブライザー、乾燥パウダー発生器、、スプレー等が含まれる。好ましくは、このアシル化インスリンは、乾燥パウダー吸入器又はスプレーにより送達される。この発明のアシル化インスリンを投与するための吸入装置には、いくつかの所望される特徴がある。例えば、吸入装置による送達には、有利には信頼性、再現性及び正確性がある。良好な呼吸性のためには、吸入装置は、小粒子又はエアゾール、例えば約10μm、例えば約1-5μm未満のものを送達すべきである。この発明の実施に適した商業的に入手可能な吸入装置のいくつかの特定の例は、TurbohalerTM(Astra)、Rotahaler(登録商標)(Glaxo)、Diskus(登録商標)(Glaxo)、SpirosTM吸入器(Dura)、吸入治療用に市販されている装置、AERxTM(Aradigm)、Ultravent(登録商標)ネブライザー(Mallinckrodt)、Acorn II(登録商標)ネブライザー(Marquest Medical Products)、Ventolin(登録商標)定量噴霧式吸入器(Glaxo)、Spinhaler(登録商標)パウダー吸入器(Fisons)等である。
当業者は、この発明のアシル化インスリンの処方、送達される製剤の量、及び単一用量の投与の持続時間は、使用される吸入装置の種類に依存することを認識しているであろう。ネブライザー等、いくつかのエアゾール送達システムにとって、投与頻度及びシステムが稼働している時間の長さは、主として、エアゾール中のアシル化インスリンの濃度に依存するであろう。例えば、投与時間が短いと、ネブライザー溶液においては、より高い濃度のアシル化インスリンを使用することができる。定量噴霧式吸入器等の装置は、高濃度のエアゾールを生成することができ、所望の量のアシル化インスリンの送達を、より短い時間で作動させることができる。パウダー吸入器等の装置は、付与された充填量の薬剤が装置から排出されるまで、活性剤を送達させる。この種の吸入器において、付与されたパウダー量における、この発明のアシル化インスリンのインスリン量により、一回の投与で送達される用量が決定される。
吸入装置で送達される製剤における、この発明のアシル化インスリンの粒子径は、肺、好ましくは気道下部及び肺胞内においてなされる、インスリンの能力に関して重要である。好ましくは、この発明のアシル化インスリンは、送達されるアシル化インスリンの少なくとも約10%、好ましくは約10%〜20%、又はそれ以上が肺に沈着するように処方される。口呼吸するヒトにとって、肺沈着の最大効率は、約2μm〜約3μmの粒子径で得られることが知られている。粒子径が約5μm以上になると、肺沈着はかなり低減する。粒子径が約1μm以下であると、肺沈着の低下が引き起こされ、治療に有効な十分な量の粒子を送達することが困難になる。よって、吸入器により送達されるアシル化インスリンの粒子は、好ましくは約10μm未満、より好ましくは約1μm〜5μmの範囲の粒子径を有する。アシル化インスリンの処方は、選択された吸入装置において所望される粒子径が生じるように選択される。
乾燥パウダーとしての投与に有利には、この発明のアシル化インスリンは、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μmの粒子径を有する微粒子型に調製される。より好ましい粒子径は、患者の肺の肺胞に送達するのに効果的なものである。好ましくは、乾燥パウダーは、多くの粒子が所望する範囲のサイズを有するように生成された粒子から、ほとんどなる。有利には、乾燥パウダーの少なくとも50%が、約10μm未満の直径を有する粒子から作製される。このような処方は、この発明のアシル化インスリン及び他の所望する成分を含有する溶液を、噴霧乾燥、製粉、又は臨界点濃縮することにより達成可能である。また、本発明に有用な粒子を作製するのに適切な他の方法も、当該技術で公知である。
粒子は、通常、容器中で乾燥パウダー製剤から分離され、ついで運搬気流を介して患者の肺に移送される。典型的には。現在の乾燥パウダー吸入器において、固形物を破壊する力は、単に、患者の吸入により提供される。他の種類の吸入器においては、患者の吸入により生じる気流が、粒子を凝集させない推進モーターを駆動させる。
乾燥パウダー吸入器から投与されるこの発明のアシル化インスリンの製剤は、典型的には、誘導体を含有する微細に分割された乾燥パウダーを含むが、パウダーは、さらに増量剤、担体、賦形剤、他の添加剤等をさらに含むことができる。例えば特定のパウダー吸入器から送達させるのに必要なパウダーを希釈するため、処方のプロセシングを容易にするため、製剤に有利なパウダー性を付与するため、吸入装置からのパウダーの分散を容易にするため、製剤を安定させるため(例えば、酸化防止剤又はバッファー)、製剤に味を付与するため等に、添加剤をアシル化インスリンの乾燥パウダー製剤に含有させることができる。有利には、添加剤は患者の気道に悪影響を与えないものである。アシル化インスリンは分子レベルで添加剤と混合することができ、又は固体状製剤は添加剤の粒子と混合して、又はこれでコーティングされた、アシル化インスリンの粒子を含有することができる。典型的な添加剤には、単糖類、二糖類、及び多糖類;糖アルコール類及び他のポリオール類、例えばラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール(lactitol)、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール、デンプン、又はそれらの組合せ;界面活性剤、例えばソルビトール類、ジホスファチジルコリン、又はレシチン等が含まれる。典型的には、添加剤、例えば増量剤は、上述した目的に対して有効な量、多くの場合は製剤の重量に対して約50%〜約90%の量で存在している。インスリンアナログタンパク質等の、タンパク質の製剤について、当該技術で公知の添加剤も、本製剤に含めることができる。
この発明のアシル化インスリンを含むスプレーは、アシル化インスリンの懸濁液又は溶液を、加圧下にて、強いてノズルを通過させることにより生成させることができる。ノズルサイズ及び構造、適用圧力、及び液体供給速度は、所望する出量及び粒子径が達成されるように選択することができる。例えば、キャピラリー又はノズルフィード部に接続された電場により、電気スプレーを製造することができる。有利には、スプレーにより送達されるインスリンコンジュゲートの粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μmの範囲の粒子径を有する。
スプレーを用いて使用するのに適したこの発明のアシル化インスリンの製剤は、典型的には、溶液1ml当たり、約1mg〜約5000mgのアシル化インスリン濃度で、水溶液中にアシル化インスリンを含有している。選択されるアシル化インスリン及び医者に公知の他の要因に応じて、溶液1ml当たりのアシル化インスリンの上限は、例えば450、400、350、300、250、200、150、120、100又は50mgの以下であってよい。製剤は、賦形剤、バッファー、等張剤、防腐剤、界面活性剤、好ましくは亜鉛等の薬剤を含有することができる。また製剤は、賦形剤、又はアシル化インスリンを安定化させるための薬剤、例えばバッファー、還元剤、バルクタンパク質、又は炭水化物をさらに含有可能である。インスリンコンジュゲートの処方に有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミン等が含まれる。アシル化インスリンの処方に有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコース等が含まれる。またアシル化インスリン製剤は、エアゾールの形成において、溶液の噴霧化により生じるインスリンコンジュゲートの表面誘起凝集を低減又は防止可能な界面活性剤を、さらに含有することができる。種々の従来からの界面活性剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール類、及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを使用することもできる。量は、一般的には、製剤の重量に対して約0.001〜約4%の範囲である。
この発明のアシル化インスリンを含有する薬学的組成物は、このような処置が必要な患者に非経口的に投与されてよい。非経口投与は、シリンジ、場合によってはペン様シリンジにより、皮下、筋肉内又は静脈内注射することにより実施されてよい。または、非経口投与は、輸液ポンプにより実施することもできる。
この発明のアシル化インスリンの注射用組成物は、所望する最終生成物が得られるように、適切であるならば、成分を溶解及び混合することを含む、製薬工業の従来からの技術を使用して調製することができる。よって、一手順に従えば、アシル化インスリンは、調製される組成物の最終容量よりも幾分少ない量の水に溶解される。必要に応じて、亜鉛、等張剤、防腐剤及び/又はバッファーが添加され、必要ならば、塩酸等の酸、又は水酸化ナトリウム水等の塩基を使用して、溶液のpH値が調節される。最後に、溶液の容量は、所望の濃度の成分が付与されるように、水を用いて調節される。
この発明のさらなる実施態様において、バッファーは酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シタラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビシン(bicine)、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、又はそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファーのそれぞれ一つは、この発明の別の実施態様を構成する。
この発明のさらなる実施態様において、製剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチメロサール(thiomerosal)、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(chlorphenesine)(3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール)又はそれらの混合物からなる群から選択され得る、薬学的に許容可能な防腐剤をさらに含有する。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約5mg/ml〜10mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、防腐剤は約10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の防腐剤各自は、この発明の別の態様を構成する。薬学的組成物に防腐剤を使用することは、当業者によく知られている。便宜的な参照として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が挙げられる。
この発明のさらなる実施態様において、製剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、又はスレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、又は1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、又はそれらの混合物からなる群から選択され得る等張剤をさらに含有する。任意の糖、例えば単糖類、二糖類又は多糖類、又は水溶性グルカン類、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、及びカルボキシメチルセルロース-Naを使用してもよい。一実施態様において、糖添加剤はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一の-OH基を有するC4-C8炭化水素と定義され、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール(galactitol)、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールを含む。一実施態様において、糖アルコール添加剤はマンニトールである。上述した糖又は糖アルコールは、個々に又は組合せて使用されてよい。使用される量は、糖又は糖アルコールが液状調製物に溶解し、この発明の方法を使用して得られた安定化効果に悪影響を与えない限りは、限定されて固定されるものではない。一実施態様において、糖又は糖アルコールの濃度は、約1mg/ml〜約150mg/mlである。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約1mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約1mg/ml〜7mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約8mg/ml〜24mg/mlの濃度で存在している。この発明のさらなる実施態様において、等張剤は約25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の等張剤各自は、この発明の別の実施態様を構成する。薬学的組成物に等張剤を使用することは、当業者によく知られている。便宜的な参照として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が挙げられる。
典型的な等張剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ジメチルスルホン及びグリセロールであり、典型的な防腐剤は、フェノール、m-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びベンジルアルコールである。
適切なバッファーの例は、酢酸ナトリウム、グリシルグリシン、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)及びリン酸ナトリウムである。
この発明のアシル化インスリンの鼻投与用の組成物は、例えば、欧州特許出願公開第272,097号に記載されているようにして調製されてよい。
この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する経口調製物は、それ自体公知の方式で調製可能である。簡便に経口投与可能であり、この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン含有する調製物を作製する一方法は、国際公開第2008/145728号に記載されている方法に類似した手順を使用してなされる。
この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する経口調製物を調製する他の方法は、この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン(a)、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン用の少なくとも一の極性有機溶媒(b)、少なくとも一の脂質親和性成分(c)、及び場合によっては界面活性剤(d)、及び/又は少なくとも一の固体状の親水性成分(e)を含有する、水分を含有しない、液状又は半固体状の薬学的組成物を調製することである。これは油性溶液の形態とすることができる。また、少なくとも一の固体状の親水性成分(d)は少なくとも一の固体状の親水性ポリマーである。また、少なくとも一の固体状の親水性組成物を含有する薬学的組成物は、少なくとも8のHLB値を有する界面活性剤を含有しておらず、すなわち、少なくとも8のHLB値を有する界面活性剤は、組成物には存在しない。
例えば、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する薬学的組成物は、水分を含有しない油性溶液及び/又はSEDDS又はSMEDDS薬学的組成物であってよい。
また前記薬学的組成物は、自己乳化薬剤送達システム(ここではSEDDSと称される)である。
薬学的組成物の極性有機溶媒中のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが高溶解度であるために、前記薬学的組成物に必要な極性有機溶媒の全量は比較的少量とでき、カプセル物質と薬学的組成物との融和性が改善される。
薬学的組成物は、脂質親和性成分、界面活性剤、及び極性有機溶媒、場合によっては固体状の親水性成分(e)を含有する担体を含んでいてよい。固体状の親水性成分が存在する場合、脂質親和性成分及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一の成分は液状又は半固体状である。液状の親水性成分(e)が存在する場合は、脂質親和性成分と界面活性剤の双方とも固体状であってよい。例えば、界面活性剤は液状又は半固体状である。一態様において、固体状の親水性成分が存在する。
ここで使用される場合、「担体」なる用語は、体液中、又は生体膜を通過する、治療的に活性な水溶性ポリペプチドを運ぶ薬学的に許容可能なビヒクルを称する。担体は、脂質親和性成分及び極性有機溶媒、場合によっては固体状の親水性成分及び/又は界面活性剤を含有する。担体は、分散又は希釈されて、水性媒体、例えば水、水を含有する流体、又は哺乳動物中のインビボ媒体、例えば胃腸管の胃液と接触した場合に、エマルション又はコロイド状構造を自発的に生成可能である。コロイド状構造は、ドメイン、小滴、ミセル、混合ミセル、小胞体及びナノ粒子を含む、固体状又は液状粒子とすることができる。
例えば、薬学的組成物が水性媒体と接触した場合、エマルション、例えばマイクロエマルションが自発的に形成される。特に、エマルション又はマイクロエマルションは、送達システムが経口的に摂取される場合、哺乳動物の消化管で形成される。上述した成分に加えて、自発的に分散する予備濃縮体は、場合によっては他の賦形剤、例えばバッファー、pH調節剤、安定剤、及びこのような製薬用途に適していると当業者に認知されている他のアジュバントをさらに含有することもできる。
ここで使用される場合、「水分を含有しない」なる用語は、薬学的組成物の調製中、水分が添加されない組成物を称する。薬学的組成物中のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン及び/又は一又は複数の賦形剤は、薬学的組成物の調製前に、それと結合した少量の水分を含有し得る。例えば、水分を含有しない薬学的組成物は、10%w/w未満の水分、例えば5%w/w未満の水分、例えば4%w/w未満の水分、例えば3%w/w未満の水分、例えば2%w/w未満の水分、例えば1%w/w未満の水分を含有する。
ここで使用される場合、「マイクロエマルション予備濃縮体」なる用語は、経口投与後に、水又は胃腸液等の水性媒体において、自発的にマイクロエマルション、例えば水中油型マイクロエマルションを形成する組成物を意味する。組成物は、例えば1:5、1:10、1:50、1:100又はそれ以上の希釈度で、水性媒体への希釈時に自己乳化する。
プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは高溶解度であるため、SEDDSにおける極性有機溶媒の全量を低く維持することができ、一方ではカプセル物質と製剤との融和性が改善され、他方では組成物にさらなる設計空間が付与される。
薬学的組成物は、脂質親和性成分、及び極性の有機成分を含有する。薬剤送達システムの成分は、任意の相対量で存在可能である。例えば、薬剤送達システムは、担体の組成物の重量に対して、40%までの極性有機成分を、例えば30%、20%、15%又は10%未満含有可能である。他の態様において、薬剤送達システムは、担体の全組成の、5〜40重量%の極性有機溶媒を含有する。さらなる態様において、薬剤送達システムは、担体の全組成の、10〜30重量%の極性有機溶媒を含有する。
薬学的組成物は、非パウダー状組成物の形態、すなわち半固体状又は液状の形態であってよい。
ここで使用される場合、「液状」なる用語は、室温(「RT」)で液体状態であり、例えば20℃以下の融点を有する成分又は組成物を意味する。ここで使用される場合、室温(RT)は約20-25℃である。
ここで使用される場合、「半固体状」なる用語は、室温で液状ではなく、例えば室温〜約40℃の融点を有する成分又は組成物を意味する。半固体状では、物質が固体及び液体の双方の状態の品質及び/又は特性を有することができる。ここで使用される場合、「固める」なる用語は、固体状又は半固体状のものを作製することを意味する。
半固体状又は液状組成物の例は、油、溶液、液状又は半固体状のSMEDDS及び液状又は半固体状のSEDDS等の形態の薬学的組成物である。
「SMEDDS」(自己マイクロ乳化薬剤送達システムの略語)は、ここでは、GI管において遭遇するであろう、ゆっくりとした攪拌及び消化運動の条件下、水性媒体に暴露された場合に、水中油型マイクロエマルションを急速に形成する、親水性成分、界面活性剤、場合によっては共界面活性剤及び薬剤の等方混合物として定義される。
「SEDDS」(自己乳化薬剤送達システムの略語)は、ここでは、GI管において遭遇するであろう、ゆっくりとした攪拌及び消化運動の条件下、水性媒体に暴露された場合に、微細な水中油型エマルションを自発的に形成する、親水性成分、界面活性剤、場合によっては共界面活性剤及び薬剤の混合物として定義される。
ここで使用される場合、「マイクロエマルション」なる用語は、その成分が水性媒体と接触した場合に、自発的又は実質的に自発的に形成される、透明又は半透明、わずかに不透明、乳白色、非不透明又は実質的に非不透明なコロイド状分散液を称する。
ここで使用される場合、「エマルション」なる用語は、その成分が水性媒体と接触した場合に、自発的又は実質的に自発的に形成される、わずかに不透明、乳白色、又は不透明なコロイド状分散液を称する。
マイクロエマルションは熱力学的に安定しており、例えばMALVERN ZETASIZER Nano ZSを使用する標準的な光散乱技術により測定した場合に、約500nm未満、例えば約400nm未満又は300nm未満、200nm未満、100nm未満で、約2-4nm以上の平均直径を有する、例えば固体状又は液状(例えば、液状の脂質粒子又は小滴)の均質に分散した粒子又はドメインを含有する。ここで使用される場合、「ドメインサイズ」なる用語は、反復散乱単位を称し、例えば小角X線により測定可能である。一態様において、ドメインサイズは400nmより小さく、別の態様においては300nmより小さく、さらに別の態様では200nmより小さい。
ここで使用される場合、予備濃縮体に対して称される際の「自発的に分散」なる用語は、水性媒体で希釈された場合、例えば10秒程の短い時間、単に手で振盪させることにより、組成物の成分を水性媒体と接触させた場合、マイクロエマルション、エマルション及び他のコロイド状システムを生成可能な組成物を称する。一態様において、本発明の自発的に分散可能な濃縮体はSEDDS又はSMEDDSである。
ここで使用される場合、「脂質親和性成分」なる用語は、水よりも油と融和性のある物質、材料、又は成分を称する。脂質親和性を有する物質は、水には不溶又はほとんど不溶であるが、油又は他の無極性溶媒には容易に溶解する。「脂質親和性成分」なる用語は、一又は複数の脂質親和性物質を含有可能である。多くの脂質親和性物質が自発的に分散する予備濃縮体の脂質親和性相を構成し、例えば水中油型エマルション又はマイクロエマルションの油相を形成する。室温では、脂質親和性成分及び自発的に分散した予備濃縮体の脂質親和性相は、固体状、半固体状又は液状であってよい。例えば固体状の脂質親和性成分は、ペースト、顆粒形態、パウダー又はフレークとして存在可能である。1以上の賦形剤が脂質親和性成分を含有する場合、脂質親和性成分は液状、固体状又は双方の混合物とすることができる。
一態様において、脂質親和性成分は少なくとも20%w/wの量で、薬学的組成物に存在している。さらなる態様において、脂質親和性成分は、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも80%、又は少なくとも90%w/wの量で存在している。例えば、脂質親和性成分は、組成物の約5重量%〜約90重量%、例えば約15重量%〜約60重量%、例えば約20重量%〜約40重量%で存在していてよい。固体状の脂質親和性組成物、すなわち室温で固体状又は半固体状の脂質親和性組成物には、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:
1.Sasol Germany (Witten, Germany)からWITEPSOL HI5として商業的に入手可能な、モノ-、ジ-及びトリグリセリド類の混合物、例えば水素化ココ-グリセリド類(融点(m.p.)、約33.5℃〜約37℃]; 脂肪酸トリグリセリド類の例 例えば、C10-C22脂肪酸トリグリセリド類には天然の水素化油、例えば植物性油が含まれる;
2.エステル、例えばGattefosse Corp. (Paramus, NJ)からMONOSTEOL(融点、約33℃〜約36℃)として商業的に入手可能なプロピレングリコール(PG)ステアラート、Gattefosse Corp.からHYDRINE(約44.5℃ 〜約48.5℃の融点)として入手可能なジエチレングリコールパルミトステアラート;
3.Gelucire 33/01、又はGattefosse Corp.からLABRAFIL M2130 CSとして商業的に入手可能なポリグリコシル化した飽和グリセリド類、例えば水素化パーム油/パーム核油PEG-6エステル(融点、約30.5℃〜約38℃) ;
4.脂肪アルコール類、例えばCognis Corp. (Cincinnati, OH)からLANETTE 14として商業的に入手可能なミリスチルアルコール(融点、約39℃);脂肪酸と脂肪アルコールとのエステル、例えばパルミチン酸セチル(融点、約50℃);例えば、約43℃の融点を有する、Uniqema (New Castle, Delaware)からARLAMOL ISMLの商品名で商業的に入手可能なモノラウリン酸イソソルバイド(isosorbid monolaurate);
5.約33℃の融点を有し、例えばUniqemaからBRlJ 52として商業的に入手可能なポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、又は約43℃の融点を有し、例えばUniqemaからBRIJ 72として商業的に入手可能なポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルを含む、PEG-脂肪アルコールエーテル
6.ソルビタンエステル、例えばそれぞれ約43℃〜48℃、又は約53℃〜57℃、及び41℃ 〜54℃の融点を有し、例えばUniqemaからSPAN 40又はSPAN 60として商業的に入手可能な例えばソルビタン脂肪酸エステル、例えば、モノパルミチン酸ソルビタン又はモノステアリン酸ソルビタン;
7.グリセリルモノ-C6-C14-脂肪酸エステル。これらは、植物性油でグリセロールをエステル化し、続いて分子蒸溜することにより得られる。モノグリセリド類には、限定されるものではないが、対称(すなわち、β-モノグリセリド類)並びに非対称モノグリセリド類(α-モノグリセリド類)の双方が含まれる。またそれらには、均一なグリセリド類 (ここで、脂肪酸構成成分は主として単一の脂肪酸からなる)、並びに混合グリセリド類(すなわち、 脂肪酸構成成分は種々の脂肪酸からなる)の双方が含まれる。脂肪酸構成成分は、例えば、約C8-C14.の鎖長さを有する、飽和又は不飽和の双方の脂肪酸を含む。特に適切なものは、モノラウリン酸グリセシル、例えばSasol North America (Houston, TX)からIMWITOR 312として商業的に入手可能なもの(融点、約56-約60℃)、例えばSasolからIMWITOR 928として商業的に入手可能なもの(融点、約33℃-37℃);IMWITOR 370として商業的に入手可能なクエン酸モノグリセリル(融点、約59〜約63℃);又は例えばSasolからIMWITOR 900として商業的に入手可能なモノステアリン酸グリセリル;又は例えばSasolからIMWITOR 960として商業的に入手可能な自己乳化したモノステアリン酸グリセリル(融点、約56℃-61℃)である。
液状の脂質親和性成分、すなわち室温で液状の脂質親和性成分の例には、限定されるものではないが、次のものが含まれる:
1.モノ-、ジ-及びトリグリセリド類、例えばAbitec Corp. (Columbus, OH)からCAPMUL MCMとして商業的に入手可能な、中程度の鎖のモノ-及びジグリセリド類、カプリル酸/カプリン酸グリセリル;
2.グリセリルモノ-又はジ脂肪酸エステル、例えばC6-C18、例えばC6-C16、例えばC8-C10、例えばC8脂肪酸のもの、又はそのアセチル化誘導体、例えばEastman Chemicals (Kingsport, TN)のMYVACET 9-45又は9-08、もしくはSasolのIMWITOR 308又は312;
3.プロピレングリコールモノ-又はジ-脂肪酸エステル、例えばC8-C20、例えばC8-C12の脂肪酸のもの、例えばAbitec Corp.のLAUROGLYCOL 90、SEFSOL 218、又はCAPRYOL 90又はCAPMUL PG-8(カプリル酸プロピレングリコールと同様);
4.油、例えばベニバナ油、ゴマ油、アルモンド油、ピーナッツ油、パーム油、小麦胚芽油、トウモロコシ油、ヒマシ油、ココナツ油、綿実油、大豆油、オリブ油、及び鉱物性油;
5.脂肪酸又はアルコール類、例えばC8-C20で飽和した、又は一又は二不飽和のもの、例えばオレイン酸、オレイルアルコール、リノール酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、テトラデカノール、ドデカノール、デカノール;
6.中程度の鎖の脂肪酸トリグリセリド類、例えばC8-C12のもの、例えばMIGLYOL 812、又は長鎖の, or long chain 脂肪酸 トリグリセリド類、例えば、vegetable oils;
7.エステル転移したエトキシル化植物性油、例えばGattefosse CorpからLABRAFIL M2125 CSとして商業的に入手可能なもの;
8.脂肪酸と第1級アルコールのエステル化化合物、例えばC8-C20脂肪酸とC2-C3アルコールとのもの、例えばNikko Chemicals (Tokyo, Japan)からのNIKKOL VF-Eとして商業的に入手可能なリノール酸エチル、酪酸エチル、カプリル酸エチル、オレイン酸、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及びカプリル酸エチル;
9.精油、又は植物にその独特のにおいを付与する任意のクラスの植物性油、例えばスペアミント油、丁子油、レモン油、及びペパーミント油;
10.精油のフラクション又は成分、例えばメントール、カルバクロール、及びチモール;
11.合成油、例えばトリアセチン、トリブチリン;
12.クエン酸トリエチル、クエン酸トリエチルアセチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリブチルアセチル;
13.ポリグリセロール脂肪酸エステル、例えばモノオレイン酸ジグリセリル、例えばNikko ChemicalsのDGMO-C、DGMO- 90、DGDO;
14.ソルビタンエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル、例えばUniqemaからSPAN 20として商業的に入手可能なモノラウリン酸ソルビタン;
15.リン脂質、例えばアルキル-O-リン脂質、ホスファチジン酸ジアシル、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、ジアシルホスファチジルグリセロール、ジ-O-アルキルホスファチジン酸、L-アルファ-リゾホスファチジルコリン(LPC)、L-アルファ-リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、L-アルファ-リゾホスファチジルグリセロール(LPG)、L-アルファ-リゾホスファチジルイノシトール(LPI)、L-アルファ-ホスファチジン酸(PA)、L-アルファ-ホスファチジルコリン(PC)、L-アルファ-ホスファチジルエタノールアミン(PE)、L-アルファ-ホスファチジルグリセロール(PG)、カルジオリピン(CL)、L-アルファ-ホスファチジルイノシトール(PI)、L-アルファ-ホスファチジルセリン(PS)、リゾ-ホスファチジルコリン、リゾ-ホスファチジルグリセロール、sn-グリセロホスホリルコリンで、 LARODANから商業的に入手可能なもの、又はLipoid GmbHから商業的に入手可能な大豆リン脂質(Lipoid S100)。
例えば、脂質親和性成分はモノ-、ジ-、及びトリグリセリド類からなる群から選択される一又は複数のものである。一態様において、脂質親和性成分はモノ-及びグリセリド類からなる群から選択される一又は複数のものである。さらなる態様において、脂質親和性成分は、Capmul MCM又はCapmul PG-8である。またさらなる態様において、脂質親和性成分はCapmul PG-8である。
一態様において、「極性有機溶媒」なる用語は、O-H又はN-H結合を有する、親水性で水混和性の炭素含有溶媒、又はその混合物である「プロトン性の極性有機溶媒」を称する。極性は溶媒の比誘電率又は双極子モーメントに反映される。溶媒の極性は、溶解する化合物の種類、混和している他の溶媒又は液状化合物に応じて決定される。典型的には、極性有機溶媒は極性化合物を溶解させ、無極性溶媒は無極性化合物を溶解させ:「同類のものが同類のものを溶解する」。無機塩(例えば塩化ナトリウム)等、強い極性化合物は、超極性溶媒にのみ溶解する。
極性有機溶媒は、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンが、他の溶媒よりも、極性有機溶媒においてより良好な溶解度を示す溶媒から選択され得る。
よって、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、水分を含有しない薬学的に許容可能な極性有機溶媒、例えばプロピレングリコール、グリセロール及びPEG200に高程度で溶解可能である。例えば、少なくとも20%(w/w)のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが、水分を含有しない薬学的に許容可能な極性有機溶媒に溶解し、すなわち、極性有機溶媒に20%w/wのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを添加した場合に、透明な溶液が得られる。他の態様において、少なくとも25%、30%、40%又は50%(w/w)のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが、水分を含有しない薬学的に許容可能な極性有機溶媒に溶解する。
よって、極性有機溶媒は、O-H又はN-H結合を有する、親水性で水混和性の炭素含有溶媒、又はその混合物を称してよい。極性は溶媒の比誘電率又は双極子モーメントに反映される。溶媒の極性は、溶解する化合物の種類、混和している他の溶媒又は液状化合物に応じて決定される。典型的には、極性溶媒は極性化合物を溶解させ、無極性溶媒は無極性化合物を溶解させ:「同類のものが同類のものを溶解する」。無機塩(例えば塩化ナトリウム)等、強い極性化合物は、超極性溶媒にのみ溶解する。
例えば、極性有機溶媒は、20以上、好ましくは20-50の範囲の比誘電率を有する溶媒である。種々の極性有機溶媒の例を、参照として、水と共に表1に列挙する。
表1.選択された極性有機溶媒及び参考としての水の比誘電率(静的誘電率)(Handbook of Chemistry and Physics, CMC Press, 比誘電率は、静電場、又は緩和が生じない比較的低頻度で測定される)
Figure 0005749155
本文中、1,2-プロパンジオールとプロピレングリコールは交換可能に使用される。本文中、プロパントリオールとグリセロールは交換可能に使用される。本文中、エタンジオールとエチレングリコールは交換可能に使用される。
例えば、極性有機溶媒は、ポリオール類からなる群から選択される。ここで使用される場合「ポリオール」なる用語は、複数のヒドロキシル基を有する化学化合物を称する。
一態様において、極性有機溶媒は、ジオール類及びトリオール類からなる群から選択される。ここで使用される場合「ジオール」なる用語は、2つのヒドロキシル基を有する化学化合物を称する。ここで使用される場合「トリオール」なる用語は、3つのヒドロキシル基を有する化学化合物を称する。
例えば、極性有機溶媒は、グリセロール(プロパントリオール)、エタンジオール(エチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、メタノール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、エタノール、及びイソプロパノール、又はそれらの混合物からなる群から選択される。他にも、極性有機溶媒はプロピレングリコール及びグリセロールからなる群から選択される。グリセロールは高用量であっても生体融合性があり、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンに対して高い溶媒キャパシティを有する。また、極性有機溶媒はプロピレングリコール及びエチレングリコールからなる群から選択される。これらの極性有機溶媒は低粘度であり、中程度の用量で生体融合性があり、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンに対して非常に高い極性有機溶媒キャパシティを有する。
極性有機溶媒は、メイラード反応等、溶解したポリペプチドの化学的劣化を最小にするために、例えばアルデヒド類、ケトン類及び他の還元不純物が低含有量である、高純度のものであることが好ましい。ポリペプチドの劣化を低下させるために、ポリオール等の極性有機溶媒(類)を含有する製剤に、グリシルグリシン及びエチレンジアミン等のスカベンジャー分子を添加してもよく、さらなる還元不純物の形成率を低下させるために、酸化防止剤を添加することもできる。
本発明の一態様において、極性有機溶媒は、1-50%w/w、例えば5-40%w/w、例えば5-30%w/wの量で、薬学的組成物に存在している。また、極性有機溶媒は、10-30%w/w、例えば10-25%w/w、例えば約20%w/w、又は約15%w/wの量で存在している。
例えば、極性有機溶媒はプロピレングリコールであり、1-50%w/w、例えば5-40%w/w、例えば10-30%w/w、例えば10-25%w/w、例えば約10-20%w/w、例えば約20%w/w、又は約15%w/wの量で、薬学的組成物に存在している。
例えば、極性有機溶媒は、グリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
固体状の親水性成分は、薬学的組成物が室温で固体状又は半固体状であるようにする、又はそれを補助するために、薬学的組成物に添加されてもよい。親水性成分は1以上の賦形剤を含有可能である。1以上の賦形剤が親水性成分を含有している場合、親水性成分は、液体、固形物又は双方の混合物であってよい。
固体状の親水性成分が存在する場合、薬学的組成物は、約1重量%〜約25重量%、例えば約2重量%〜約20重量%、例えば約3重量%〜約15重量%、例えば約4重量%〜約10重量%の固体状の親水性成分を含有してよい。
親水性成分の例はPEGであり、これは、一般にH(OCHCH)OHに一致し、nがポリマーの平均分子量と相関する、エチレンオキシドのポリマーである。
薬学的組成物を調製するのに有用なPEGの種類は、物質の状態、すなわち物質が、室温及び圧力で、固体状又は液状で存在しているかどうかにより、分類することができる。ここで使用される場合、「固体状PEG」とは、物質が室温及び圧力で固体状であるような分子量を有するPEGを称する。例えば1000〜10000の範囲の分子量を有するPEGは、固体状PEGである。このようなPEGには、限定されるものではないが、PEG1000、PEG1550、PEG2000、PEG3000、PEG3350、PEG4000又はPEG8000が含まれる。特に有用な固体状PEGは、1450〜8000の分子量をものである。固体状PEGとして特に有用なものは、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG8000、及びその誘導体及び混合物である。種々の分子量のPEGが、Dow Chemicals (Danbury, CT)からCARBOWAX SENTRYシリーズとして商業的に入手可能である。さらに、固体状PEGは結晶構造又はポリマーマトリックスを有しており、鎖長さと末端基以外はPEGと同様の構造を有するポリエチレンオキシド(「PEO」)も適している。種々の等級のPEOが、Dow ChemicalsからPOLYOXとして商業的に入手可能である。PEOは、例えば約100000〜7000000の範囲の分子量を有する。親水性成分はPEG、PEO、及び上述した任意の組合せを含有可能である。
親水性成分は、場合によっては低級アルカノール、例えばエタノールを含むことができる。エタノールの使用は必須ではないのだが、それにより、担体中のポリペプチドの溶解性が改善され、保存性が改善され、及び/又は薬剤沈殿の危険性が低減する。
他の例示的な態様において、担体の親水性成分は、単一の親水性成分、例えば固体状PEG、特にPEG1450、PEG3350、PEG4000及びPEG8000からなる。この例示的態様において、マイクロエマルションの親水性相は単一の親水性物質からなる。例えば、担体がPEG3350を含有している場合、担体は、他の親水性物質、例えば低級アルカノール(低級アルキルはC-Cである)、特にエタノール;又は水を含有しない。
さらなる別の例示的態様において、担体の親水性成分は固体状PEGの混合物からなる。例えば、親水性成分は、PEG1450、PEG3350、PEG4000、PEG8000、それらの誘導体及び任意の組合せ及び混合物を含有する。
一態様において、担体は一又は複数の界面活性剤、すなわち場合によっては界面活性剤の混合物;又は界面張力を低下させる界面活性剤を含有する。界面活性剤は、副生成物、又はその調製における未反応の出発生成物を含有する複合混合物であってよく、例えば、ポリオキシエチル化により作製された界面活性剤は、PEG等の他の副生成物を含有してよい。界面活性剤又は界面活性剤類は、少なくとも8の親水性-脂質親和性バランス(HLB)を有する。例えば、界面活性剤は8-30、例えば12-30、12-20又は13-15の平均HLB値を有してよい。界面活性剤は液状、半固体状又は固体状であってよい。
ここで使用される場合「界面活性剤」なる用語は、表面及び界面、例えば液体-空気、液体-液体、液体-容器、又は液体-任意の固体に吸着可能な任意の物質、特に洗浄剤を称する。界面活性剤は、洗浄剤、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタンの脂肪酸エステル、ポリソルバート、例えばポリソルバート20、ポロキサマー、例えばポロキサマー188及びポロキサマー407、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン誘導体、例えばアルキル化及びアルコキシル化された誘導体(トゥイーン類(tweens)、例えばトゥイーン-20又はトゥイーン80)、モノグリセリド類又はそのエトキシル化誘導体、ジグリセリド類又はそのポリオキシエチレン誘導体、グリセロール、コール酸又はその誘導体、レシチン類、アルコール類及びリン脂質、グリセロリン脂質(レシチン類、ケファリン類、ホスファチジルセリン)、グリセロ糖脂質(ガラクトピラノシド)、スフィンゴリン脂質(スフィンゴミエリン)、及びスフィンゴ糖脂質(セラミド類、ガングリオシド類)、DSS(ドキュセートナトリウム、CAS登録番号[577-11-7])、ドキュセートカルシウム、CAS登録番号[128-49-4])、ドキュセートカリウム、CAS登録番号[7491-09-0])、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウム)、ホスファチジン酸ジパルミトイル、カプリル酸ナトリウム、胆汁酸及びその塩、及びグリシン又はタウリンコンジュゲート、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホナート、アニオン性(アルキルアリール-スルホナート類)の一価の界面活性剤、パルミトイル-リゾホスファチジル-L-セリン、リゾリン脂質(例えば、エタノールアミン、コリン、セリン又はスレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-ホスファートエステル)、リゾホスファチジル及びホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)-誘導体、例えばリゾホスファチジルコリンのラウロイル及びミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン及び極性頭部基の修飾体、コリン類、エタノールアミン類、ホスファチジン酸、セリン類、スレオニン類、グリセロール、イノシトール、及び正に帯電したDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリン、及びリゾホスファチジルスレオニン、双性イオン性界面活性剤(例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホナート、3-コールアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホナート、ドデシルホスホコリン、ミリストイルリゾホスファチジルコリン、鶏卵リゾレシチン)、カチオン性界面活性剤(第4級アンモニウム塩基)(例えばセチル-トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド)、非イオン性界面活性剤(例えば、アルキルグルコシド類、例えばドデシル-β-D-グルコピラノシド、ドデシル-β-D-マルトシド、テトラデシル-β-D-グルコピラノシド、デシル-β-D-マルトシド、ドデシル-β-D-マルトシド、テトラデシル-β-D-マルトシド、ヘキサデシル-β-D-マルトシド、デシル-β-D-マルトトリオシド、ドデシル-β-D-マルトトリオシド、テトラデシル-β-D-マルトトリオシド、ヘキサデシル-β-D-マルトトリオシド、n-ドデシル-スクロース、n-デシル-スクロース、脂肪アルコールエトキシラート(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばオクタエチレングリコールモノトリデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノテトラデシルエーテル)、ブロックコポリマー、例えばポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー(Pluronics/Tetronics、Triton X-100)、エトキシル化ソルビタンアルカノアート類の界面活性剤(例えば、トゥイーン-40、トゥイーン80、Brij-35)、フシジン酸誘導体(例えばタウロ-ジヒドロフジシン酸ナトリウム等)、長鎖脂肪酸及びそれらのC8-C20塩(例えばオレイン酸及びカプリル酸)、アシルカルニチン類及び誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジンのN-アシル化誘導体、リジン又はアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジンと中性又は酸性アミノ酸の任意の組合せを含有するジペプチドのN-アシル化誘導体、中性アミノ酸と2つの帯電したアミノ酸の任意の組合せを含有するトリペプチドのN-アシル化誘導体から選択されてよく、又は界面活性剤は、イミダゾリン誘導体又はそれらの混合物の群から選択されてもよい。
固体状の界面活性剤の例には、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:
1.天然又は硬化ヒマシ油とエチレンオキシドの反応生成物。天然又は硬化ヒマシ油は、約1:35〜約1:60のモル比で、エチレンオキシドと反応させてよく、場合によっては、生成物からPEG成分が除去される。種々のこのような界面活性剤は商業的に入手可能であり、例えばBASF Corp. (Mt. Olive, NJ)のCREMOPHORシリーズ、例えば約50-60の鹸化値を有し、約1未満の酸価、水分含有量、すなわち約2%未満のフィッシャー、約1.453-1.457のn 60、及び約14-16のHLBを有するPEG40硬化ヒマシ油であるCREMOPHOR RH 40である。
2.ポリオキシエチレンステアリン酸エステルを含むポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばUniqemaからのMYRシリーズ、特に融点約47℃を有するMYRJ 53。
MYRJシリーズの特定の化合物は、例えば約47℃の融点を有するMYRJ 53、及びMYRJ 52として入手可能なPEG-40-ステアラートである。
3.トゥイーン60等、Uniqemaのトゥイーンシリーズを含むソルビタン誘導体;
4.ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンのコポリマー及びブロックコポリマー又はポロキサマー、例えばBASFのPluronic F127, Pluronic F68;
5.ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばC12-C18のアルコールのポリオキシエチレングリコール、例えばポリオキシル10-又は20-セチルエーテル又はポリオキシル23-ラウリルエーテル、又は20-オレイルエーテル、又はポリオキシル10-、20-又は100-ステアリルエーテルで、UniqemaからBRlJシリーズとして公知であり、商業的に入手可能なもの。BRIJシリーズの特に有用な生成物は、BRIJ 58;BRIJ 76;BRIJ 78;BRIJ 35、すなわちポリオキシル23ラウリルエーテル;及びBRIJ 98、すなわちポリオキシル20オレイルエーテルである。これらの生成物は約32℃ 〜約43℃の融点を有する。
6.融点約36℃を有し、Eastman Chemical Co.から入手可能な水溶性のトコフェリルPEGコハク酸エステル、例えばTPGS、特にビタミンE TPGS。
7.5-35[CH2-CH,-O]単位、例えば20-30単位を有するPEGステロールエーテル、例えばChemron(Paso Robles, CA)のSOLULAN C24(Choleth-24及びCetheth-24);使用され得る同様の生成物は、公知であり、Nikko ChemicalsからNIKKOL BPS-30(ポリエトキシル化30フィトステロール)及びNIKKOL BPSH-25(ポリエトキシル化25フィトスタノール)として商業的に入手可能なものである。
8.例えば4-10の範囲のグリセロール単位、又は4、6又は10グリセロール単位を有するポリグリセロール脂肪酸エステル。例えば、特に適しているのは、デカ-/ヘキサ-/テトラグリセリルモノステアラート、例えばNikko ChemicalsのDECAGLYN、HEXAGLYN及びTETRGLYNである。
9.アルキレンポリオールエーテル又はエステル、例えば、それぞれGELUCIRE 44/14及びGELUCIRE 50/13である、ラウロイルマクロゴール-32グリセリド類及び/又はステアロイルマクロゴール-32グリセリド類;
10.飽和したC10ないしC22、例えばC18の置換された、例えばヒドロキシ脂肪酸のポリオキシエチレンモノエステル;例えば12ヒドロキシステアリン酸PEGエステル、特に約600-900PEGのもの、例えば660 Daltons MW、例えばBASF(Ludwigshafen, 20 Germany)のSOLUTOL HS 15。BASFのテクニカルリーフレットMEF 151E (1986)に従えば、SOLUTOL HS 15は、約70重量%のポリエトキシル化12-ヒドロキシステアリン酸、及び約30重量%のエステル化していないポリエチレングリコール成分を含有する。それは、90〜110の水素化値、53〜63の鹸化値、及び最大1の酸価、0.5重量%の最大水分含有量を有する。
11.ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-アルキルエーテル、例えば、C12-C18エーテルのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-エーテル、例えばNikko ChemicalsからNIKKOL PBC 34として商業的に入手可能な、ポリオキシエチレン-20-ポリオキシプロピレン-4-セチルエーテル;
12.UniqemaからATLAS G 1821、Nikko ChemicalsからNIKKOCDS-6000Pの商品名で商業的に入手可能なポリエトキシル化ジステアラート;
13.レシチン類、例えばLipoid GmbH(Ludwigshafen, Germany)からLIPOID S75として商業的に入手可能な大豆リン脂質、又はNattermann Phospholipid (Cologne, Germany)からPHOSPHOLIPON 90として商業的に入手可能な卵リン脂質。
液状の界面活性剤の例には、限定されるものではないが、ソルビタン誘導体、例えばトゥイーン20、トゥイーン40及びトゥイーン80、SYNPERONIC L44、及びポリオキシル10-オレイルエーテルで、全てUniqemaから入手可能なもの、及びポリオキシエチレン含有界面活性剤、例えば、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド類(例えば、Gattefosseから入手可能なLabrasol)が含まれる。
本発明の組成物は、約0〜約95重量%、例えば約5重量%〜約80重量%、例えば約10重量%〜約70重量%、例えば約20重量%〜約60重量%、例えば約30重量%〜約50重量%の界面活性剤を含有してよい。
一態様において、界面活性剤は、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンのコポリマー又はブロックコポリマー又はポロキサマー、例えばBASFのPluronic F127、Pluronic F68である。
一態様において、界面活性剤はポロキサマーである。さらなる態様において、界面活性剤はポロキサマー188、ポロキサマー407、及びポロキサマー407とポロキサマー118の混合物からなる群から選択される。
一態様において、界面活性剤はポリオキシエチレン含有界面活性剤、例えばPEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド類(例えば、Gattefosseから入手可能なLabrasol)である。
一態様において、界面活性剤はラウロイルポリオキシルグリセリド(例えば、Gattefosseから入手可能なGelucire 44/14)である。
一態様において、界面活性剤はBASFのCremophor RH40である。
ある態様において、薬学的組成物は、薬学的組成物に一般的に見出されるさらなる賦形剤を含有してよく、このような賦形剤の例には、限定されるものではないが、酸化防止剤、抗菌剤、酵素インヒビター、安定剤、防腐剤、香料、甘味料、及び参照としてここに導入される、Handbook of Pharmaceutical Excipients, Roweら, 第4'h版, Pharmaceutical Press (2003)に記載の他の成分が含まれる。
これらの付加的な賦形剤は、全薬学的組成物の約0.05-5重量%の量で存在し得る。酸化防止剤、抗菌剤、酵素インヒビター、安定剤又は防腐剤は、典型的には、全薬学的組成物の約0.05-1重量%までで提供される。甘味料又は香料は、典型的には、全薬学的組成物の約2.5又は5重量%までで提供される。
酸化防止剤の例には、限定されるものではないが、アスコルビン酸又はその誘導体、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール及びブチルヒドロキシトルエンが含まれる。
一態様において、組成物はバッファーを含有する。ここで使用される場合「バッファー」なる用語は、経時的、そうでなければ化学反応の故に生じるであろう、組成物のpHが変化する傾向を低減させる、薬学的組成物中の化学化合物を称する。バッファーには、化学物質、例えばリン酸ナトリウム、トリス、グリシン、及びクエン酸ナトリウムが含まれる。
ここで使用される場合「防腐剤」なる用語は、微生物活性(成長及び代謝)を防止又は遅延化させるために、薬学的組成物に添加される化学化合物を称する。薬学的に許容可能な防腐剤の例は、フェノール、m-クレゾール、及びフェノールとm-クレゾールの混合物である。
ここで使用される場合「安定剤」なる用語は、ペプチドを安定するために、すなわちこのような組成物の保存期間及び/又は使用期間を増加させるために、ペプチドを含有する薬学的組成物に添加される化学物質を称する。製薬用製剤に使用される安定剤の例は、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、グリシルグリシン、エチレンジアミン、シタラート、EDTA、亜鉛、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、及び界面活性剤及び酸化防止剤、特にα-トコフェロール及びl-アスコルビン酸である。
さらなる態様において、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する薬学的組成物を調製するための方法は、薬剤、極性有機溶媒を含む担体、脂質親和性成分、場合によっては界面活性剤及び/又は親水性成分を、念入りに混合する工程を含む。例えば、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンと担体を、例えば約20℃〜約80℃まで加熱することにより液状化させ、ついで、室温まで冷却することにより固化させることができる。
極性有機溶媒を含む担体、脂質親和性成分、及び場合によっては界面活性剤及び/又は親水性成分と、誘導体化されたインスリンペプチドとを念入りに混合する前、担体は別に調製することができる。また、担体の1、2又はそれ以上の成分が、ポリペプチドと混合可能である。
プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは極性有機溶媒に溶解し、ついで、液状成分、場合によっては界面活性剤と混合可能となる。
また、薬学的組成物、例えばプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有するSEDDS又はSMEDDS(カプセル、例えば腸溶性コーティングカプセル、ソフトカプセル、腸溶性ソフトカプセル)を調製するための方法は、次の工程:
(a)極性有機溶媒に誘導体化インスリンペプチドを溶解させ、
(b)脂質親和性成分、界面活性剤、場合によっては親水性成分を混合する;
ことを含む。
例えば、薬学的組成物を調製するための方法は、低い温度(例えば、室温又は室温以下)で実施される。
薬学的組成物を調製する場合、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、例えば以下の方法を使用して、極性有機溶媒に溶解されてもよい:
a)場合によっては賦形剤を含有する、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの水溶液を提供し、
b)pH値を、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンのpIより、1単位、又は2単位、又は2.5pH単位以上又は以下のの標的pH値に調節し、
c)従来からの乾燥技術、例えば凍結-及び噴霧乾燥により、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンから水分を除去(脱水)し、
d)例えば攪拌、回転又は他の混合方法により、極性非水性媒体に、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンを混合及び溶解させ、
e)場合によっては、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの非水性溶液を濾過又は遠心分離し、溶解していない無機塩を除去し、
f)場合によっては、例えば固形乾燥剤の添加又は真空乾燥により、残留していた水分を除去する。
例えば、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、以下の方法により、極性有機溶媒に溶解される:
a)場合によっては安定剤、例えば亜鉛及びグリシルグリシンを含有する、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの水溶液を提供し、
b)例えば、非揮発性塩基又は酸、特に塩酸又は水酸化ナトリウムを溶液に添加することにより、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンのpIより、1単位、又は2単位、又は2.5pH単位以上又は以下のpH値に調節し、
c)従来からの乾燥技術、例えば凍結-及び噴霧乾燥により、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンから水分を除去(脱水)し、
d)例えば攪拌、回転又は他の混合方法により、極性非水性媒体に、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンを混合及び溶解させ、
e)場合によっては、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの非水性溶液を濾過又は遠心分離し、溶解していない無機塩を除去し、
f)場合によっては、例えば固体状乾燥剤の添加又は真空乾燥により、残留していた水分を除去する。
「揮発性塩基」とは、室温で65Pa以上の蒸気圧を有する塩基、又は室温で65Pa以上の蒸気圧を有する塩基を含む水性共沸混合物等、加熱及び/又は減圧時に、ある程度蒸発するであろう塩基を意味する。揮発性塩基の例は、水酸化アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム水酸化物、第2級アミン類、第3級アミン類、アリールアミン類、脂肪族アミン類又は重炭酸アンモニウム又は組合せである。例えば、揮発性塩基は、重炭酸塩、炭酸塩、アンモニア、ヒドラジン、又は有機塩基、例えば低級脂肪族アミン類、特にトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン類、トリエタノールアミン、及びそれらの塩であってよい。さらに、揮発性塩基は、水酸化アンモニウム、エチルアミン又はメチルアミン又はそれらの組合せであってよい。
「揮発性酸」とは、室温で65Pa以上の蒸気圧を有する酸、又は室温で65Pa以上の蒸気圧を有する酸を含む水性共沸混合物等、加熱及び/又は減圧時に、ある程度蒸発するであろう酸を意味する。揮発性酸の例は、炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸である。
ここに記載するような「非揮発性塩基」とは、室温で65Pa以下の蒸気圧を有する塩基等、加熱時に蒸発しない又は一部のみが蒸発する塩基を意味する。非揮発性塩基は、アルカリ金属塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアミノ酸、又はその組合せからなる群から選択可能である。非揮発性塩基の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及び酸化カルシウムである。
ここに記載するような「非揮発性酸」とは、室温で65Pa以下の蒸気圧を有する酸等、加熱時に蒸発しない又は一部のみが蒸発する酸を意味する。非揮発性酸の例は、塩酸、リン酸及び硫酸である。
プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、組成物の約40重量%まで、例えば約20重量%まで、又は組成物の約0.01重量%から、例えば約0.1重量%からで、又は約0.01重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜20重量%、又は約1重量%〜10重量%の量で存在し得る。しかしながら、特定のレベルのポリペプチドの選択は、極性有機溶媒におけるポリペプチドの溶解度、又は場合によっては使用される親水性成分又は界面活性剤、投与方式、大きさ、及び患者の状態を含む、製薬分野においてよく知られている要因に従いなされるであろう。
例えば、製薬用製剤は、0.1%w/w〜30%w/wの濃度で、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する。
各単位用量は、適切には、0.1mg〜300mgのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンポリペプチド、例えば、約0.1mg、1mg、5mg、10mg、15mg、25mg、50mg、100mg、200mg、250mg、300mg、例えば5mg〜300mgのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有するであろう。例えば、各単位用量は、10mg〜300mg、例えば10mg〜100mg、又は20mg〜300mg、例えば20mg〜100mgのプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する。このような単位用量は、特定の目的の治療に応じて、1日に1-5回投与するのが適切である。
プロテアーゼ安定化アシル化インスリンは、極性有機溶媒における溶解度を改善するために、極性有機溶媒に溶解させる前に、最適にされたpHである。
「最適にされたpH」なる用語を使用する場合、ここではプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが、水溶液において、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンのpIから少なくとも一の1pH単位の標的pHで脱水されることを意味する。よって、標的pHは、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの等電点から1pH単位以上、上である。また、標的pHは、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの等電点から1pH単位以上、下である。しかして、標的pHは、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンのpIより、1.5pH単位以上、例えば2.0pH単位以上、例えば2.5pH単位以上、上又は下である。
プロテアーゼ安定化アシル化インスリンに関連してここで使用される場合、「脱水」なる用語は、水溶液から乾燥され、誘導体化されたプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを称する。ここで使用される場合、「標的pH」なる用語は、脱水されたプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが、約40mg/ml又はそれ以上の濃度で、純水に再水和された場合に確立されるであろう水溶液のpHを称する。標的pHは、乾燥によりプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが回収される、プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの水溶液のpHと、典型的には同一である。しかしながら、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン溶液が揮発性の酸又は塩基を含有しているならば、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン溶液のpHは標的pHと同一ではない。プロテアーゼ安定化アシル化インスリンのpH履歴は、極性有機溶媒に溶解可能なプロテアーゼ安定化アシル化インスリンの量に対する決定因子となるであろうことが見出されている。
ここで使用される場合「ポリペプチドのpI」なる用語は、ポリペプチドの等電点を称する。
ここで使用される場合「等電点」なる用語は、ペプチド等の高分子の全体的な正味荷電が0であるpH値を意味する。ペプチドにはいくつかの荷電基が存在してよく、等電点においては、これら全ての荷電の合計が0になる。等電点を超えたpHでは、ペプチドの全体的な正味荷電は負であるのに対し、等電点以下のpH値では、ペプチドの全体的な正味荷電は正となるであろう。
タンパク質のpIは、等電点電気泳動等、電気泳動技術により実験的に決定することができる:
pH勾配は、非対流培地、例えばポリアクリルアミドゲルにおいて確立される。タンパク質がシステムに導入されると、適用される電場の影響下、ゲルを通過して移動する。正に荷電したタンパク質は陰極に移動するであろう。最終的に、移動したタンパク質は、正味電荷が0であり、焦点が合ったと言われるpH勾配の所定の点に到達する。これがタンパク質の等電pH(pI)である。ついで、タンパク質はゲルに固定され、染色される。ついで、公知のpI値を有するマーカー分子に対して、ゲル上のタンパク質の位置を比較することにより、タンパク質のpIを決定することができる。
付与されたpH値におけるタンパク質の正味荷電は、従来からの方法により、当業者により理論的に推定されるであろう。本質的に、タンパク質の正味荷電は、タンパク質中の荷電アミノ酸:アスパラタート(β-カルボキシル基)、グルタマート(δ-カルボキシル基)、システイン(チオール基)、チロシン(フェノール基)、ヒスチジン(イミダゾール側鎖)、リジン(ε-アンモニウム基)及びアルギニン(グアニジニウム基)の分数電荷の合計に等価である。さらに、タンパク質末端基(α-NH及びα-COOH)の電荷も考慮すべきである。イオン化基の分数電荷は固有のpKa値から算出することができる。
プロテアーゼ安定化アシル化インスリンの乾燥、すなわち脱水は、任意の従来からの乾燥方法、例えば噴霧-、凍結-、真空-、オープン(open)-及び接触乾燥により実施することができる。例えば、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン溶液は噴霧乾燥され、実験部分に記載されているような乾燥試験における損失により算出/測定されて(重量測定)、約10%以下、例えば約8%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%以下の水分含有量となる。
例えば、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン、噴霧乾燥又は凍結乾燥される。
この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する組成物は、インスリンに対して敏感な状態の処置に使用することができる。例えば、それらは、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症で、重症を負ったヒト及び大手術を受けたヒトに時折見られるようなものの処置に使用することができる。任意の患者に対する適量レベルは、使用される特定のインスリン誘導体の有効性、年齢、体重、身体活動、患者の食習慣、他の薬剤との組合せの可能性、及び処置される状態の重篤度を含む種々の要因に依存する。この発明のアシル化インスリンの毎日の投与量は、公知のインスリン組成物と同様にして、当業者により、個々の患者に対して決定されることが推奨される。
(この発明の好ましい特徴)
この発明の特徴は以下の通りである:
1.プロテアーゼ安定化アシル化インスリンであって、プロテアーゼ安定化インスリンがプロテアーゼ安定していないインスリン(親インスリン)から形式的になり、ここで少なくとも一の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸で置換されており、該置換がプロテアーゼ安定していないインスリン(親インスリン)の一又は複数のプロテアーゼ切断部位の内部又は近接して存在し、このようなプロテアーゼ安定化インスリンが、場合によっては一又は複数の付加的な変異をさらに有していてもよく、但し安定したインスリンにはただ一つのリジン残基があり、アシル部分がプロテアーゼ安定化インスリンのN末端位置又はリジン残基に結合している、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
2.プロテアーゼ安定化アシル化インスリンであって、プロテアーゼ安定化インスリンがプロテアーゼ安定していないインスリン(親インスリン)から形式的になり、ここで少なくとも2の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸で置換されており、該置換がプロテアーゼ安定していないインスリン(親インスリン)の2又は複数のプロテアーゼ切断部位の内部又は近接して存在し、このようなプロテアーゼ安定化インスリンが、場合によっては一又は複数の付加的な変異をさらに有していてもよく、但し安定したインスリンにはただ一つのリジン残基があり、アシル部分がプロテアーゼ安定化インスリンのリジン残基に結合している、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
3.プロテアーゼ安定化アシル化インスリンであって、プロテアーゼ安定化インスリンがプロテアーゼ安定していないインスリン(親インスリン)から形式的になり、ここで少なくとも2の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸で置換されており、該置換がプロテアーゼ安定していないインスリン(親インスリン)の2又は複数のプロテアーゼ切断部位の内部又は近接して存在し、このようなプロテアーゼ安定化インスリンが、場合によっては一又は複数の付加的な変異をさらに有していてもよく、但し安定したインスリンにはただ一つのリジン残基があり、アシル部分がプロテアーゼ安定化インスリンのN末端位置又はリジン残基に結合している、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
4.プロテアーゼ安定化インスリンが、アシル化親インスリンに対して増加した溶解度を有している、先行する任意の項のアシル化インスリン。
5.インスリンのB鎖が親インスリンに対して少なくとも一の変異を有している、可能な限り先行する項のいずれか1項のアシル化インスリン。
6.インスリンのB鎖が親インスリンに対して、1、2又は3で、それ以上ではない変異を有している、可能な限り先行する項のアシル化インスリン。
7.プロテアーゼ安定化インスリンのA鎖が、ヒトインスリンのA鎖と同一である、可能な限り先行する項のいずれか1項のアシル化インスリン。
8.親インスリンに対して、インスリンのA鎖が少なくとも一の変異を有しており、インスリンのB鎖が少なくとも一の変異を有している、可能な限り先行する項のいずれか1項のアシル化インスリン。
9.親インスリンに対して、インスリンのA鎖が少なくとも2の変異を有しており、インスリンのB鎖が少なくとも一の変異を有している、可能な限り先行する項のいずれか1項のアシル化インスリン。
10.インスリンが、第1の修飾されプロテアーゼ安定されたインスリンのプロテアーゼ部位に、少なくとも一のアミノ酸置換をさらに有し、該少なくとも一のアミノ酸置換が、少なくとも一の疎水性アミノ酸が少なくとも一の親水性アミノ酸で置換されているものである、可能な限り先行する項のいずれか1項のアシル化インスリン。
11.A12位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及び/又はA13位のアミノ酸がHis、Asn、Glu又はAspであり;及び/又はA14位のアミノ酸がTyr、Asn、Gln、Glu、Arg、Asp、Gly又はHisであり;及び/又はA15位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及びB24位のアミノ酸がHisであり;及び/又はB25位のアミノ酸がHis又はAsnであり;及び/又はB26位のアミノ酸がHis、Gly、Asp又はThrであり;及び/又はB27位のアミノ酸がHis、Glu、Asp、Gly又はArgであり;及び/又はB28位のアミノ酸がHis、Glu又はAspであり;場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含む、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
12.A12位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及び/又はA13位のアミノ酸がHis、Asn、Glu又はAspであり;及び/又はA14位のアミノ酸がTyr、Asn、Gln、Glu、Arg、Asp、Gly又はHisであり;及び/又はA15位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及び/又はB16位のアミノ酸がTyr、His又はGluであり;及び/又はB24位のアミノ酸がHisであり;及び/又はB25位のアミノ酸がHis又はAsnであり;及び/又はB26位のアミノ酸がHis、Gly、Asp又はThrであり;及び/又はB27位のアミノ酸がHis、Glu、Asp、Gly、Lys、Argであるか、又は欠失しており;及び/又はB28位のアミノ酸がHis、Gly、Glu、Aspであるか、又は存在せず(欠失しており);及び/又はB29のアミノ酸がLys、Argであるか、又は存在せず(欠失しており);場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含み、好ましくはA12位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及び/又はA13位のアミノ酸がHis、Asn、Glu又はAspであり;及び/又はA14位のアミノ酸がTyr、Asn、Gln、Glu、Arg、Asp、Gly又はHisであり;及び/又はA15位のアミノ酸がGlu又はAspであり; 及びB24位のアミノ酸がHisであり;及び/又はB25位のアミノ酸がHis又はAsnであり;及び/又はB26位のアミノ酸がHis、Gly、Asp又はThrであり;及び/又はB27のアミノ酸がHis、Glu、Asp、Gly又はArgであり;及び/又はB28位のアミノ酸がHis、Gly、Glu又はAspであり;場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含む、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
13.A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B25位のアミノ酸がHis又はAsnであり、場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含む、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
14.A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B25位のアミノ酸がHis又はAsnであり、B30位のアミノ酸が欠失している、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
15.A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B16位のアミノ酸がHis又はGluであり、B25位のアミノ酸がHisであり、B30位のアミノ酸が欠失している、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
16.A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B25位のアミノ酸がHisであり、B30位のアミノ酸が欠失している、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
17.A14位のアミノ酸がGlu又はAspであり、B28位のアミノ酸がGlu又はAspであり、場合によっては、B30位にアミノ酸残基が存在しない、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
18.一又は複数の付加的な変異が:A8His、A18Gln、A21Gln、A21Gly、B1Glu、B1Gln、B3Gln、B10Pro、B14Thr、B16Glu、B17Ser、B26Asp、B27Glu、B27Asp、B28Asp、B28Glu、及びdesB30からなる群から選択される、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン
19.付加的な変異がdesB30である、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
20.A14がGluである、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
21.B25がAsnである、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
22.B25がHisである、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
23.B25がAsnであり、B27がGlu又はAspである、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
24.B25がAsnであり、B27がGluである、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
25.親タンパク質に対して、一又は複数のプロテアーゼ酵素への増加した安定性を示す、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
26.親タンパク質に対して、2又はそれ以上のプロテアーゼ酵素への増加した安定性を示す、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
27.親インスリンが、a)ヒトインスリン;b)B28位にあるアミノ酸残基がPro、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaであり、B29位にあるアミノ酸残基がLys又はProであり、場合によってはB30位にあるアミノ酸残基が欠失している、ヒトインスリンのインスリンアナログ;c)des(B26-B30)ヒトインスリン、des(B27-30)ヒトインスリン、des(B28-B30)ヒトインスリン、des(B29-B30)ヒトインスリン、des(B27)ヒトインスリン、又はdes(B30)ヒトインスリン;d)B3位にあるアミノ酸残基がLysであり、B29位にあるアミノ酸残基がGlu又はAspである、ヒトインスリンのインスリンアナログ;e)A21位のアミノ酸残基がGlyであり、2つのArg残基でC末端がさらに伸長しているヒトインスリンのインスリンアナログ;及びf)B30位にあるアミノ酸残基がスレオニンメチルエステルで置換されているインスリン誘導体;及びg)des(B30)ヒトインスリンのB29位にあるリジンのNε位に、テトラデカノイル鎖が結合したインスリン誘導体からなる群から選択される、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
28.一又は複数の付加的な変異が、インスリンの化学的安定性を高めるように選択される、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
29.一又は複数の付加的な変異が、A18Gln、A21Gln、A21Gly及びB3Glnからなる群から選択される、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
30.次の式1、すなわち:XaaA(−2)-XaaA(−1)-XaaA0-Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys-Cys-XaaA8-Ser-Ile-Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-Tyr-Cys-XaaA21(配列番号:1)のA鎖アミノ酸配列、及び次の式2、すなわち:XaaB(−2)-XaaB(−1)-XaaB0-XaaB1-XaaB2-XaaB3-XaaB4-His-Leu-Cys-Gly-Ser-XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-XaaB16-Leu-Val-Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-XaaB25-XaaB26-XaaB27-XaaB28-XaaB29-XaaB30-XaaB31-XaaB32(配列番号:2)のB鎖アミノ酸配列を含み、該式において、XaaA(−2)は存在しないか又はGlyであり;XaaA(−1)は存在しないか又はProであり;XaaA0は存在しないか又はProであり;XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaA14は独立して、Tyr、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;XaaA21は独立して、Asn及びGlnから選択され;XaaB(−2)は存在しないか又はGlyであり;XaaB(−1)は存在しないか又はProであり;XaaB0は存在しないか又はProであり;XaaB1は存在しないか、又は独立してPhe及びGluから選択され;XaaB2は存在しないか又はValであり;XaaB3は存在しないか、又は独立してAsn及びGlnから選択され;XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg、及びGluから選択され;XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;XaaB25は独立して、Phe、Asn及びHisから選択され;XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;XaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;XaaB30は存在しないか又はThrであり;XaaB31は存在しないか又はLeuであり;XaaB32は存在しないか又はGluであり;場合によっては、C末端はアミドとして誘導体化されていてもよく;ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列は、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインはジスルフィド架橋により結合しており、場合によってはA鎖アミノ酸配列のN末端は、3-7のアミノ酸を含有するアミノ酸配列により、B鎖アミノ酸配列のC末端に結合して、単鎖インスリン分子を形成してよく、場合によってはB鎖のN末端は1-10のアミノ酸で伸長しており;XaaA8がThrであり、XaaA12がSerであり、XaaA13がLeuであり、XaaA14がTyrであるならば、XaaA15はGlu又はAspであり;及びXaaB24がPheであり、XaaB25がPheであり、XaaB26がTyrであり、XaaB27がThrであり、XaaB28がProであるならば、XaaB29はGlnである、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
31.次の式3、すなわち:Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys-Cys-XaaA8-Ser-Ile-Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-Tyr-Cys-XaaA21(配列番号:3)のA鎖アミノ酸配列、及び次の式4、すなわち:XaaB1-Val-XaaB3-XaaB4-His-Leu-Cys-Gly-Ser-XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-XaaB16-Leu-Val-Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-His-XaaB26-XaaB27-XaaB28-XaaB29-XaaB30(配列番号:4)のB鎖アミノ酸配列を含み、該式において、XaaA8は独立してThr及びHisから選択され;XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaA14は独立して、Tyr、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;XaaA21は独立して、Asn、及びGlnから選択され;XaaB1は独立して、Phe及びGluから選択され;XaaB3は独立して、Asn及びGlnから選択され;XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg、及びGluから選択され;XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;XaaB25は独立して、Phe、Asn及びHisから選択され;XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;XaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;XaaB30は存在しないか又はThrであり;場合によっては、C末端はアミドとして誘導体化されていてもよく;ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列は、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインはジスルフィド架橋により結合している、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
32.XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;XaaA12は独立して、Ser及びGluから選択され;XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;XaaA14は独立して、Try、Asp、His及びGluから選択され;XaaA15は独立して、Gln及びGluから選択され;XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;XaaA21は独立して、Asn、及びGlnから選択され;XaaB1は独立して、Phe及びGluから選択され;XaaB3は独立して、Asn及びGlnから選択され;XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg、及びGluから選択され;XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;XaaB25は独立して、Phe、Asn、及びHisから選択され;XaaB26は独立して、Tyr、Thr、Gly及びAspから選択され;XaaB27は独立して、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、及びGluから選択され;XaaB28は独立して、Pro、Gly及びAspから選択され;XaaB29は独立して、Lys及びGlnから選択され;XaaB30は存在しないか又はThrであり;場合によっては、C末端はアミドとして誘導体化されていてもよく;ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列は、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインはジスルフィド架橋により結合している、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
33.プロテアーゼ安定化インスリンにおいて、A14位のアミノ酸がGlu又はHis(すなわち、1文字コードではE及びH)であり、B25位のアミノ酸がHisであり、場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含み、アシル部分が、B29位にあるリジン残基のεアミノ酸に結合している、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
34.プロテアーゼ安定化インスリンにおいて、B25位のアミノ酸がHis又はAsnであり、B27位のアミノ酸がGlu又はAspであり、場合によっては、一又は複数の次の付加的な変異:A8H、A14E/D、B1E/D、B28E/D、及びdesB30をさらに含み、アシル部分が、B29位にあるリジン残基のεアミノ酸に結合している、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
35.プロテアーゼ安定化インスリンにおいて、A14位のアミノ酸がTyr、Glu又はHis(すなわち、1文字コードではY、E及びH)であり、B25位のアミノ酸がAsnであり、B27位のアミノ酸がGlu又はAspであり、場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含み、アシル部分が、B29位にあるリジン残基のεアミノ酸に結合している、プロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
36.プロテアーゼ安定化インスリンがA14E変異を有する、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
37.プロテアーゼ安定化インスリンにおいて、B25位の変異とは別に、先行する項に記載のA14位のみに変異が存在する、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
38.プロテアーゼ安定化インスリンがA14H変異を含む、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
39.プロテアーゼ安定化インスリンアナログがdesB30変異を含む、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
40.プロテアーゼ安定化インスリン内部の一又は複数の付加的な変異が、A(−1)P、A(0)P、A8H、A21G、B(−1)P、B(0)P、B1E、B1Q、B16E、B26D、B27E、B28D、desB30、B31L、及びB32Eからなる群から選択される、可能な限り先行する項のいずれかのプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
41.A14位及びB25位における変異とは別に、プロテアーゼ安定化インスリンが、先行する項に記載の唯一の変異を有する、可能な限り先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
42.A14位及びB25位における変異とは別に、プロテアーゼ安定化インスリンが、2つを除き(すなわち第40項に記載)、上述した項に記載の正確には2つの変異を有する、最後の一つ以外(すなわち、第41項を除く)の、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
43.A14位及びB25位における変異とは別に、プロテアーゼ安定化インスリンが、2つを除き(すなわち第25項に記載)、先行する項に記載の正確には3つの変異を有する、最後の2つ以外(すなわち、第41項及び第42項を除く)の、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
44.A14位及びB25位における変異とは別に、唯一の付加的な変異がdesB30である、最後の2つ以外(すなわち、第41項及び第42項を除く)の、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
45.プロテアーゼ安定化インスリンのA鎖にあるC末端アミノ酸残基がA21アミノ酸残基である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
46.プロテアーゼ安定化インスリンが、A8H,B25N,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,A18L,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B25H,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B27E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B1E,B28E,desB30ヒトインスリン;A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27E,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン;A14E,B28D,desB30ヒトインスリン;A14E,B28E,desB30ヒトインスリン;B25N,B27E,desB30ヒトインスリン;B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,A21G,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B16H,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,B27K,desB28,desB29,desB30ヒトインスリン;A14E,B25H,desB30ヒトインスリン;A14E,desB30ヒトインスリン、及びA21G,B25H,desB30ヒトインスリンからなる群から選択される、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
47.プロテアーゼ安定化インスリンに結合したアシル部分が、一般式Acy-AA1-AA2-AA3-(I)を有し、Acy、AA1、AA2、AA3、n、m及びpが上述したものである、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
48.Acyが脂肪酸、好ましくはミリスチン酸又はステアリン酸、より好ましくはミリスチン酸である、可能な限り先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
49.Acyが脂肪二酸、好ましくは脂肪(α,ω)二酸、より好ましくはヘプタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、ドコサン二酸、エイコサン二酸である、最後の1つを除き、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
50.Acyが、ω-(テトラゾール-5-イル)-脂肪酸、好ましくは15-(1H-テトラゾール-5-イル)ペンタデカン酸、16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸、17-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘプタデカン酸、18-(1H-テトラゾール-5-イル)オクタデカン酸、又は19-(1H-テトラゾール-5-イル)ノナデカン酸である、最後の1つを除き、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
51.AA1がトラネキサム酸又はグリシンである、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
52.AA1がトラネキサム酸である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
53.nが0又は1である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
54.nが0である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
55.nが1である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
56.AA2が、γGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp、α-D-Asp、又は次の式:
Figure 0005749155
のアミノ酸であり、該式において、矢印は、AA1、AA2、AA3のアミノ基、又はB29リジン残基のε-アミノ基、又はプロテアーゼ安定化インスリンのN末端位置に対する結合点を示す、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
57.AA2が、γGlu、βAsp、γ-D-Glu、β-D-Asp、α-D-Asp、又は次の式:
Figure 0005749155
のアミノ酸であり、該式において、矢印は、AA1、AA2、AA3のアミノ基、又はB29リジン残基のε-アミノ基、又はプロテアーゼ安定化インスリンのN末端位置に対する結合点を示す、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
58.AA2が、γGlu、γ-D-Glu、又は次の式:
Figure 0005749155
のアミノ酸であり、該式において、矢印は、AA1、AA2、AA3のアミノ基、又はB29リジン残基のε-アミノ基、又はプロテアーゼ安定化インスリンのN末端位置に対する結合点を示す、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
59.mが0、1、2、3、4、5又は6である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
60.mが0、1、2、3又は4である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
61.mが4である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
62.mが3である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
63.mが2である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
64.mが1である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
65.mが0である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
66.AA3が次の式:
Figure 0005749155
の任意のものから選択される、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
67.rが1、3、5又は7である、先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
68.rが1である、先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
69.rが3である、先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
70.rが5である、先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
71.rが7である、先行する項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
72.pが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である、可能な限り先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
73.pが0、1、2、3又は4である、先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
74.pが0、1又は2である、先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
75.pが0又は2である、先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
76.pが0である、先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
77.pが2である、先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリン。
79.この明細書、例えば特定の実施例、特に以下の実施例1の任意の一つに記載されている化合物の任意の一つである、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物。
80.この明細書に特に記載されている任意のプロテアーゼ安定化インスリンに結合する、この明細書に特に記載されているアシル部分の特定の例の任意の一つである、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物。
81.糖尿病を処置する薬学的組成物の調製のための、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物の使用。
82.糖尿病を処置するために肺投与可能な薬学的組成物の調製のための、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物の使用。
83.糖尿病を処置するために肺投与可能で、長時間の作用効果を付与する薬学的組成物の調製のための、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物の使用。
84.糖尿病を処置するために肺投与可能なパウダー状薬学的組成物の調製のための、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物の使用。
85.糖尿病を処置するために肺投与可能な液状薬学的組成物の調製のための、先行する生成物の項のいずれか1項の化合物の使用。
86.糖尿病を処置するために経口投与可能な薬学的組成物の調製のための、生成する生成物の項のいずれか1項の化合物の使用。
87.先行する生成物の項のいずれか1項の化合物を治療的有効量、それを必要とする被験者に投与することを含む、糖尿病の処置方法。
88.ヒトインスリン、並びに先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する組成物。
89.インスリンアスパルト、並びに先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する組成物。
90.インスリンリスプロ、並びに先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する組成物。
91.インスリングルリシン、並びに先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを含有する組成物。
92.薬学的に許容可能な担体と、インスリンアナログに関連する先行する項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化インスリンを生物活性量含有する薬学的組成物。
93.インスリンアナログに関連する上述した項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化インスリン、又は上述した項のいずれか1項の薬学的組成物を被験者に投与することを含む、被験者の高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、X症候群、又は脂質代謝異常を処置、予防又は緩和する方法。
94.高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、X症候群、又は脂質代謝異常を処置又は予防する製薬用製剤を調製するための、インスリンアナログに関する上述した項のいずれか1項のプロテアーゼ安定化インスリンの治療的有効量の使用。
95.糖尿病の処置方法であって、該方法が、先行する生成物の項のいずれか1項のアシル化インスリンを治療的有効量、それを必要とする被験者に投与することを含む方法。
場合によっては、一又は複数の以下の請求項と、ここに記載の一又は複数の項とを組合せることで、さらなる項が得られ、本発明は該項と請求項の全ての可能な組合せに関する。
ここに引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献が、出典明示により個々にかつ特に援用され、その全内容がここに記載されているかの如く、その全体が出典明示によりその全内容がここに援用される(法律により許容される最大範囲)。
全ての表題及び副題は、ここでは便宜的に使用され、決してこの発明を限定するものと解すべきではない。
ここに提供される任意かつ全ての例、又は例示的言語(例えば「等」)の使用は、単にこの発明をより明らかに例証することを意図しており、特に請求項に記載がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も請求項に記載していない要素が本発明の実施に必須であることを示しているものと解すべきではない。
ここでの特許文献の引用及び援用は単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性、及び/又は権利行使性についての見解を反映させるものではない。文献のここでの記載は、それらが従来技術を構成することを承認するものではない。
ここで、「含有する」なる単語は、広義には「含む」、「有する」又は「包含する」を意味すると解釈される(EPOガイドラインC4.13)。
この発明は、適用される法律に容認される場合、ここに付加される請求項に列挙された主題事項の全ての修正点及び等価物を含む。
次の実施例は例証する方法を提供するものであって、限定するものではない。
ここで使用される略語は次の通りである:βAlaはベータ-アラニルであり、Aocは8-アミノオクタン酸であり、tBuはtert-ブチルであり、DCMはジクロロメタンであり、DICはジイソプロピルカルボジイミドであり、DIPEA=DIEAはN,N-dイソプロピルエチルアミンであり、DMFはN,N-dメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EtOAcは酢酸エチルであり、Fmocは9-フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、γGluはガンマL-グルタミルであり、HClは塩酸であり、HOBtは1-ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、NMPはN-メチルピロリドンであり、MeCNはアセトニトリルであり、OEGは[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]メチルカルボニルであり、Suはスクシンイミジル-1-イル=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルであり、OSuはスクシンイミジル-1-イルオキシ=2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシであり、RPCは逆相クロマトグラフィーであり、RTは室温であり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、THFはテトラヒドロフランであり、TNBSは2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸であり、トリスはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンであり、TSTUはO-(N-スクシンイミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートである。
以下の実施例及び一般的手順は、明細書及び合成スキームにおいて同定される中間化合物及び最終生成物について言及する。本発明の化合物の調製は、以下の実施例を使用して詳細に記載されるが、記載された化学反応は、本発明の化合物を調製するための一般的な適用性に関して開示するものである。時折、反応は、本発明の開示されている範囲内に含まれる各化合物に対して、記載されたように適用されない場合もある。ここで生じる化合物は、当業者に容易に認識されるであろう。これらの場合、反応は当業者に公知に従来からの修飾法により、すなわち干渉基を適切に保護することにより、他の従来からの試薬を変えることにより、又は反応条件を常套的に改変することにより成功裏に実施することができる。また、ここに開示されている他の反応、又は他の従来的なものが、本発明の対応する化合物の調製に適用されるであろう。全ての調製方法において、全ての出発物質は公知であるか、又は公知の出発物質から容易に調製されてもよい。全ての温度は摂氏で説明されており、そうでない場合は示しており、全ての部及びパーセンテージは、収率に関しては重量であり、全ての部は、溶媒及び溶離液に関して容量である。
本発明の化合物は、当該分野で典型的な次の手順の一又は複数を使用することにより精製することができる。これらの手順は、必要ならば、勾配、pH、塩、濃度、流量、カラム等に関して修正することができる。当該問題のインスリン等の不純物プロファイル、溶解度等の要因に応じて、これらの修正は容易に認識可能であり、また当業者によってなされるであろう。
酸性HPLC又は脱塩後は、化合物は純粋フラクションの凍結乾燥によって分離される。
中性HPLC又はアニオン交換クロマトグラフィー後は、化合物を脱塩し、等電pHで沈殿させ、又は酸性HPLCで精製される。
典型的な精製手順:
HPLCシステムは次のものからなるGilsonシステムである:モデル215液体ハンドラー、モデル322-H2ポンプ及びモデル155 UV検出器。検出は典型的には210nm及び280nmである。
Akta精製FPLCシステム(Amersham Biosciences)は次のものからなる:モデルP-900ポンプ、モデル UV-900 UV検出器、モデルpH/C-900 pH及び伝導度検出器、モデルFrac-950フラクション収集器。UV検出は典型的には214nm、254nm及び276nmである。
酸性HPLC:
カラム: Macherey-Nagel SP 250/21 Nucleusil 300-7 C4
流量: 8ml/分
バッファー A: アセトニトリルに0.1%のTFA
バッファー B: 水に0.1%TFA
勾配: 0.0−5.0分: 10%A
5.00−30.0分: 10%Aから90%A
30.0−35.0分: 90%A
35.0−40.0分: 100%A
中性HPLC:
カラム: Phenomenex, Jupiter,C4 5μm 250x10.00mm 300A
流量: 6ml/分
バッファーA: 5mMのトリス、7.5mM(NHSO、pH=7.3、
20%のCHCN
バッファーB: 60%のCHCN、40%の水
勾配: 0-5分: 10%のB
5-35分:10-60%のB
35-39分:60%のB
39-40分:70%のB
40-43.5分:70%のB
アニオン交換クロマトグラフィー:
カラム: Ressource Q,1ml
流量: 6ml/分
バッファーA: 0.09%のNHHCO、0.25%のNHOAc、
42.5%のエタノール pH8.4
バッファーB: 0.09%のNHHCO、2.5%のNHOAc、
42.5%のエタノール pH8.4
勾配: 30カラム体積の間、100%Aから100%B
脱塩:
カラム: HiPrep 26/10
流量: 10ml/分、6カラム体積
バッファー 10mMのNHHCO
一般式(II)のアシル化試薬の固相合成における一般的手順:
(II):Acy-AA1-AA2-AA3-Act
ここで、Acy、AA1、AA2、AA3、n、m及びpは、上述にて定めたものであり、Actは、例えばN-ヒドロキシスクシンイミド(OSu)、又は1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等、活性エステルの離脱基であり、ここで、アシル部分のAcy及びAA2部分にあるカルボン酸は、tert-ブチルエステルとして保護されている。
本発明の一般式(II)の化合物は、固相ペプチド合成の分野において当業者によく知られている手順を使用し、固体状支持体において合成可能である。この手順は、ポリスチレン-2-クロロトリチルクロリド樹脂にFmoc保護されたアミノ酸を結合させることを含む。結合は、例えば、第3級アミン、特にトリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下、遊離のN-保護されたアミノ酸を使用することにより達成可能である(以下参照)。このアミノ酸のC末端(樹脂に結合)は、本発明の親インスリンに結合する合成配列の端部に存在する。樹脂へのFmocアミノ酸の結合後、例えば第2級アミン類、特にピペリジン又はジエチルアミンを使用し、Fmoc基を脱保護し、続いて、別の(又は同様の)Fmoc保護されたアミノ酸をカップリングさせ、脱保護する。モノ-tert-ブチル保護された脂肪(α,ω)二酸、例えばヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、又はエイコサン二酸のモノ-tert-ブチルエステルをカップリングさせることにより、合成配列を終結させる。樹脂からの化合物の切断は、希釈された酸、例えば0.5-5%のTFA/DCM(ジクロロメタンにトリフルオロ酢酸)、酢酸(例えば、DCMに10%、又はHOAc/トリフルオロエタノール/DCM 1:1:8)、又はヘカフルオロイソプロパノールがDCMに入ったものを使用して達成される(例えば、「Organic Synthesis on Solid Phase」, F.Z. Dorwald, Wiley-VCH, 2000. ISBN 3-527-29950-5, 「Peptides: Chemistry and Biology」, N. Sewald & H.-D. Jakubke, Wiley-VCH, 2002, ISBN 3-527-30405-3又は「The Combinatorial Cheemistry Catalog」 1999, Novabiochem AG、及びここに引用された文献を参照)。このことは、カルボン酸保護基として化合物に存在するtert-ブチルエステルが脱保護されないことで確実となる。最終的に、C末端カルボキシ基(樹脂からは遊離)が活性化され、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(OSu)として、本発明の親インスリンへの結合におけるカップリング試薬として、直接又は精製後に使用される。この手順を実施例9に例証する。
また、上述した一般式(II)のアシル化試薬は、以下に記載する溶液相合成により、調製することができる。
モノ-tert-ブチル保護された脂肪二酸、例えばヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸又はエイコサン二酸のモノ-tert-ブチルエステルは、以下に記載する OSu-エステルとして、又は当業者に公知の任意の他の活性化エステル、例えばHOBt-又はHOAt-エステルとして、活性化されている。この活性エステルは、適切な塩基、例えばDIPEA又はトリエチルアミンの存在下、適切な溶媒、例えばTHF、DMF、NMP(又は溶媒混合物)において、アミノ酸AA1、モノ-tert-ブチル保護されたAA2、又はAA3の一つとカップリングさせる。例えば、抽出手順又はクロマトグラフィー手順により、中間体が単離される。得られた中間体は、再度活性化され(上述に記載)、上述したアミノ酸AA1、モノ-tert-ブチル保護されたAA2、又はAA3の一つとカップリングさせる。この手順は,所望の保護された中間体Acy-AA1-AA2-AA3-OHが得られるまで繰り返される。次々に活性化され、一般式(II)Acy-AA1-AA2-AA3-Actのアシル化試薬が提供される。この手順を実施例21に例証する。
上述した任意の方法により調製されたアシル化試薬は、OSuエステルとして、活性化後に(tert-ブチル)脱保護されてもよい。このことは、OSu-活性化tert-ブチル保護されたアシル化試薬のTFA処理により実施することができる。任意のプロテアーゼ安定化インスリンのアシル化後、本発明の脱保護されプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが得られる。これを、例えば以下の実施例16に例証する。
上述した任意の方法により調製された試薬が、OSuエステルとして、活性化後に(tert-ブチル)脱保護されない場合、任意のプロテアーゼ安定化インスリンをアシル化することで、対応する本発明のtert-ブチル保護されプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが提供される。本発明の脱保護されプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを得るためには、保護されたインスリンを脱保護することである。このことはTFA処理により実施可能で、本発明の脱保護されプロテアーゼ安定化アシル化インスリンが提供される。これを、例えば以下の実施例1及び2に例証する。
インスリンのリジン残基のアシル化(イプシロン位)が所望されている場合、アシル化 はアルカリ性pH(例えば、pH10、10.5又は11)で実施される。これを、例えば以下の実施例1及び2に例証する。
インスリンのA鎖N末端位(A1)アシル化が所望されている場合、アシル化は中性pH(例えば、pH7、7.5、8又は8.5)で実施される。これを、例えば以下の実施例38及び44に例証する。
この発明のプロテアーゼ安定化アシル化インスリンを調製するための一般的手順(A)
一般的手順(A)を最初の実施例に例証する。
実施例1、一般的手順(A);
A14E,B25H,B29K(Nε-ヘキサデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
A14E,B25H,desB30ヒトインスリン(500mg)を、100mMのNaCO水(5mL)に溶解させ、1NのNaOHを用い、pHを10.5に調節した。ヘキサデカン二酸 tert-ブチルエステル N-ヒドロキシスクシンイミドエステルをアセトニトリル(10W/V%)に溶解させ、インスリン溶液を添加し、沈殿を回避するために温タップ下でゆっくりと加熱し、室温で30分放置した。混合物を凍結乾燥させた。固形物を氷冷された95%のトリフルオロ酢酸(5%の水分を含有)に溶解させ、氷上に30分保持した。混合物を真空で濃縮し、ジクロロメタンから再蒸発させた。残留物を水に溶解させ、pHを中性(6-7)に調節し、混合物を凍結乾燥させた。
得られたインスリンを、15mMのトリス、50v/v%のエタノール、pH7.5(酢酸)に15〜300mMの酢酸アンモニウム勾配を用いて溶出させる、Source 15Qの21mlカラムにおけるイオン交換クロマトグラフィーを数回実行することにより精製した。純粋なフラクションの最終的な脱塩を、0.1v/v%のTFA、50v/v%のエタノールを用いて等張的に溶出させる、RPCの3mLカラムにおいて実施した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1483.2(M+4)/4。算出値:1483.5。
実施例2、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε-オクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
A14E,B25H,desB30ヒトインスリン(2g)を、100mMのNaCO水(10mL)に溶解させ、DMSO(4mL)を添加した。1NのNaOH、tert-ブチルオクタデカンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBu(国際公開第2005/012347号に記載されたようにして調製)を用い、pHを10.5に調節した。100mM超のNaCO水(20mL)、続いてTHF(20mL)を添加した。1.5時間後、数滴のメチルアミンを添加し、続いて、酢酸を用いて、混合物を酸性化させた。調製用HPLCを用いて混合物を精製し、凍結乾燥させると、ジ-tert-ブチルエステルとして表題のインスリンが提供された。これをジクロロメタン及びトリフルオロ酢酸 1:1(50mL)に溶解させた。混合物を2時間放置し、真空で濃縮した。少量の水とアセトニトリルを添加した後、混合物を調製用HPLCにより精製した。純粋なフラクションを凍結乾燥させた。これにより、313mgの表題のインスリンが提供された。
MALDI-TOF MS:m/z=6089(M+1)。算出値:6089。
実施例3、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、エイコサン二酸から出発し、エイコサン二酸 モノ-tert-ブチルエステル及びtert-ブチルイコサンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBuを介して、上述に記載したように、同様に調製した。
MALDI-TOF MS:m/z=6120(M+1)。算出値:6117。
実施例4、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε3-カルボキシ-5-オクタデカンジオイルアミノベンゾイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、5-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタ-デカノイルアミノ)イソフタル酸 モノ-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(国際公開第2006/082204号に記載されたようにして調製)から出発して、上述に記載したように、同様に調製した。
LC-MS:1531(M+4)、Mw 6124(デコンボリューションされた)。算出値:1531(M+4)、6122。
実施例5、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε-N-オクタデカンジオイル-N-(2-カルボキシエチル)グリシル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、tert-ブチルオクタデカンジオイル-N-(2-(tert-ブトキシカルボニル)エチル)-Gly-OSu(国際公開第2005/012347号に記載されたようにして調製)から出発して、上述に記載したように、同様に調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:1522.52(M+4)。算出値:1523。
実施例6、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε(N-オクタデカンジオイル-N-カルボキシメチル)-ベータ-アラニル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、tert-ブチルオクタデカンジオイル-N-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-βAla-OSu(国際公開第2005/012347号に記載されたようにして調製)から出発して、上述に記載したように、同様に調製した。
MALDI-TOF MS:m/z=6088(M+1)。算出値:6089。
実施例7、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε4-([4-({19-カルボキシノナデカノイルアミノ}メチル)トランス-シクロヘキサン-カルボニル]-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、2-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジ-オキソピロリジン-1-イル)エステルから出発して、上述に記載したように、同様に調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:6260。算出値:6255。
2-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)-ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルの調製:
1.tert-ブチルエイコサン二酸のOSu活性化
tert-ブチルイコサン二酸(5.0g)を、THF(50ml)及びDMF(30ml)に溶解させた。TSTU(4.53g)及びDIPEA(2.65ml)を添加した。混合物を3日間攪拌し、ついで真空で濃縮した。固体状残留物をアセトニトリルから再結晶化させ、白色の結晶性化合物としてイコサン二酸 tert-ブチルエステル N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.52g、89%)を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:440 [M-56(=tert-Bu)]
2.トラネキサム酸のカップリング
THF(100ml)にイコサン二酸 tert-ブチルエステル N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.52g)が入った溶液に、トラネキサム酸(1.75g)を添加した。沈殿物を得た。DMF(75ml)、水(25ml)及びDMSO(50ml)及び数滴のDIPEAを添加することにより、溶液を得る試みは成功しなかった。懸濁液を一晩攪拌した。混合物を真空で濃縮した。固体状残留物にTHFを添加し、沈殿物を濾過した。濾液を濃縮し、固体状残留物をアセトニトリルにおいて再結晶化させ、白色の結晶性化合物として4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸(5.56g、93%)を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:538(M+1)。
3.4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸のOSu活性化
THF(100ml)に4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸(5.56g)が入った溶液に、アセトニトリル(25ml)にTSTU(3.42g)が入った溶液を添加した。一晩攪拌した後、混合物を真空で濃縮した。固体状残留物をアセトニトリルから再結晶化させ、4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸 2,5-ジ-オキソピロリジン-1-イルエステル(5.76g、88%)を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:635(M+1)。
4.H-Glu-OtBuのカップリング及びOSu活性化
THF(150ml)に4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸 2,5-ジ-オキソピロリジン-1-イルエステルが入った溶液に、水(25ml)及び数滴のDIPEAにH-Glu-OtBu(1.84g)が入った溶液を添加した。混合物を一晩攪拌し、ついで真空で濃縮した。残留物を温(60℃)THFに溶解させ、濾過した。冷濾液に150mlまでのTHFを添加し、アセトニトリル(25mL)にTSTU(2.98g)が溶解したものを添加した。20分攪拌した後、混合物を濃縮した。残留物をアセトニトリルから再結晶化させ、白色の固形物である2-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(6.8g、92%)を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:820(M+1)。
実施例8、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεヘプタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、ヘプタデカン二酸から出発し、ヘプタデカン二酸 モノ-tert-ブチルエステル及びtert-ブチルヘプタデカンジオイル-L-Glu(OSu)-OtBu(国際公開第2006/082204号に記載されたようにして調製)を介して、上述に記載したように、同様に調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:1519(M+4)。算出値:1519。
実施例9、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
一晩絶食させた雄のウィスターラットにおけるこの化合物の経口効果を、以下の図2a及び図2bに付与する。
このインスリンを、17-((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステル(別の名称:tert-ブチルオクタデカンジオイル-Glu(OEG-OEG-OSu)-OtBU)から出発し、上述に記載したように、同様に調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:1596(M+4)。算出値:1596。
このインスリンを調製するための構築用成分を、以下に記載されるようにして調製した。
Figure 0005749155
出発樹脂:2-クロロトリチル樹脂、1.60mmol/g
1.0gの樹脂を、DCM(10ml)において30分、膨張させた。
1.Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸を用いたアシル化:
0.39g(0.63当量、1.0mmol)のFmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(Fmoc-OEG-OH)をDCM(15ml)に溶解させ、樹脂に添加した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.44ml、2.5mmol)を滴下した。反応混合物を30分ボルテックスし、ついでメタノール(2ml)を添加し、混合物をさらに15分ボルテックスした。樹脂を濾過し、NMP(2x8ml)及びDCM(8x8ml)で洗浄した。
20%のピペリジン/NMP(8ml)を添加し、10分放置し、もう一度繰り返した。濾過し、NMP(2x8ml)、DCM(3x8ml)、及びNMP(5x8ml)で洗浄した。正のTNBSテストにより赤色の樹脂が得られた。
2.Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸を用いたアシル化:
0.78g(2当量、2.0mmol)のFmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸を、NMP/DCM 1:1(10ml)に溶解させた。0.28g(2.2当量、2.4mmol)のHOSu、続いて0.37ml(2.2当量、2.4mmol)DICを添加した。反応混合物1時間放置し、ついで樹脂に添加し、最終的に0.407ml(2.2当量)のDIEAを添加した。混合物を16時間ボルテックスし、濾過し、NMP(2x8ml)、DCM(3x8ml)、及びNMP(5x8ml)で洗浄した。正のTNBSテストにより無色の樹脂が得られた。
20%のピペリジン/NMP(10ml)を添加し、10分放置し、もう一度繰り返した。濾過し、NMP(2x8ml)、DCM(3x8ml)、及びNMP(5x8ml)で洗浄した。正のTNBSテストにより赤色の樹脂が得られた。
Fmoc-Glu-OtBuを用いたアシル化:
0.86g(2当量、2.0mmol)のFmoc-Glu-OtBuを、NMP/DCM1:1(10ml)に溶解させた。0.32g(2.2当量、2.4mmol)のHOBT、続いて0.37ml(2.2当量、2.4mmol)のDICを添加した。反応混合物を20分放置し、ついで樹脂に移し、最終的に0.407ml(2.2当量)のDIEAを添加した。混合物を16時間ボルテックスし、濾過し、NMP(2x8ml)、DCM(3x8ml)、及びNMP(5x8ml)で洗浄した。正のTNBSテストにより無色の樹脂が得られた。
20%のピペリジン/NMP(10ml)を添加し、10分放置し、もう一度繰り返した。濾過し、NMP(2x8ml)、DCM(3x8ml)、及びNMP(5x8ml)で洗浄した。正のTNBSテストにより赤色の樹脂が得られた。
オクタデカン二酸モノtert-ブチルエステルを用いたアシル化:
0.75g(2当量、2.0mmol)のオクタデカン二酸モノtert-ブチルエステル を、NMP/DCM 1:1(10ml)に溶解させた。0.32g(2.2当量、2.4mmol)のHOBT、続いて0.37ml(2.2当量、2.4mmol)のDICを添加した。反応混合物を20分放置し、ついで樹脂に移し、最終的に0.41ml(2.2当量)のDIEAを添加した。混合物を16時間ボルテックスし、濾過し、NMP(2x8ml)、DCM(3x8ml)、及びNMP(5x8ml)で洗浄した。
TFAを用いた切断:
8mlの5%TFA/DCMを樹脂に添加し、反応混合物を2時間ボルテックスし、濾過し、濾液を収集した。5%超のTFA/DCM(8ml)を樹脂に添加し、混合物を10分ボルテックスし、濾過し、樹脂をDCM(2x10ml)で洗浄した。組合せた濾液を洗浄し、約800μlのDIEAを使用して、pHを塩基性に調節した。真空で混合物を蒸発させ、油(3.5g)が提供された。ジエチルエーテル(30ml)を添加し、デカントにより溶解しなかった油を分離し、真空で蒸発させた。これにより、油として、1.1gの17-{(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-[2-(2-{[2-(2-カルボキシメトキシエトキシ)エチルカルバモイル]メトキシ}エトキシ)エチルカルバミル]プロピルカルバモイル}ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステル(別の名称:tert-ブチルオクタデカンジオイル-Glu(OEG-OEG-OH)-OTBU)が提供された。
LC-MS(Sciex100 API):m/z=846.6(M+1)+。
OSu-活性化:
上述したtert-ブチルオクタデカンジオイル-Glu(OEG-OEG-OH)-OtBU(0.63g)をTHF(35ml)に溶解させた。DIEA(0.255ml、2当量)、続いてTSTU(0.45g、2当量)を添加し、混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(250ml)とNaHSO4(3x100ml)との間に分配させた。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮したところ、油として、0.65gの17-((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ヘプタデカン酸 tert-ブチルエステル(別の名称:tert-ブチルオクタデカンジオイル-Glu(OEG-OEG-OSu)-OtBu)が提供された。
LC-MS:m/z=943.4(M+1)。
実施例10、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεミリストイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、1-テトラデカノイル-ピロリジン-2,5-ジオンから出発し、上述に記載したように、同様に調製した。
MALDI-TOF MS:m/z=5873.6。算出値:5872.9。
実施例11、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、(S)-2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルから出発して、上述に記載したように、同様に調製した。
MALDI-TOF MS:m/z=6242.5。算出値:6245.2。
(S)-2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 5-tert-ブチルエステル 1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルの調製
1.(S)-2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル
THF(100ml)に(S)-2-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(国際公開第2005/012347号に記載されたようにして調製)(4.1g)が入った溶液に、水(20ml)にH-Glu-OtBu(1.47g)が入った溶液を添加した。DIPEAを用いて、pHを8に調節した。1.5時間攪拌した後、混合物を濃縮した。残留物をDCMから再結晶化させ、白色の固形物として表題の化合物(2.81g、61%)を得た。
LC-MS:m/z=769(M+1)。
(S)-2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 5-tert-ブチルエステル 1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
アセトニトリル(80ml)に(S)-2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル(2.81g)が入った溶液に、アセトニトリル(20ml)にTSTU(1.32g)が入った溶液を添加した。DIPEAを用いて、pHを8に調節した。1.5時間攪拌した後、混合物を濃縮した。残留物をアセトニトリルから再結晶化させ、表題の化合物(1.7g、54%)を得た。
LC-MS:m/z=866.4(M+1)。
実施例12、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε4-([4-({19-カルボキシノナデカノイルアミノ}メチル)トランス-シクロヘキサンカルボニル]-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
このインスリンを、2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルから出発して、上述に記載したように、同様に調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:6386(M+1)。算出値:6384。
2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルの調製
1.2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル
THF(100ml)に2-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(5.0g)が入った溶液に、水(25ml)にH-Glu-OtBu(1.36g)が入った溶液を添加した。一晩攪拌した後、混合物を真空で濃縮した。残留物を水から沈殿させ、濾過し、真空で乾燥させ、表題の化合物(4.63g、84%)を得た。
LC-MS:m/z=740(M-3x56、3xt-Buの損失)。
2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
THF(150ml)に2-[4-tert-ブトキシカルボニル-4-({4-[(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル(4.6g)が入った溶液に、TSTU(1.68g)を添加した。DIPEA(0.97ml)を添加した。一晩攪拌した後、混合物を真空で濃縮した。残留物をアセトニトリルから結晶化させたところ、固形物として表題の化合物(4.4g、87%)が提供された。
LC-MS:m/z=837(M-3x56、3xt-Buの損失)。
実施例13、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
一晩絶食させた雄ウィスターラットにおけるこの化合物の経口効果を、以下の図7に付与する。
LC-MS:m/z=1555(M+4)/4。
実施例14、一般的手順(A):
A14E,B28D,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6118
実施例15、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-PEG7),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6510
実施例16、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
一晩絶食させた雄のウィスターラットにおけるこの化合物の経口効果を、以下の図3に付与する。
MALDI-TOF MS:m/z=6407
この実施例用の中間アシル化試薬を以下に記載するようにして調製した。
工程1:19-{(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-[2-(2-{[2-(2-カルボキシメトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-メトキシ}-エトキシ)-エチルカルバモイル]-プロピルカルバモイル}-ノナデカン酸 tert-ブチルエステル
Figure 0005749155
エタノール(40ml)に、2-(19-tert-ブトキシカルボニルノナデカノイルアミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(2.50g(国際公開第2005/012347号に記載されたように同様に調製)及び[2-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]酢酸(1.47g、別の名称:8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸ダイマー、IRIS BiotechgmbH, Cat. No. PEG1221)が入った溶液に、DIPEA(1.26ml)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、真空で濃縮した。残留物に0.1NのHCl水(150ml)及び酢酸エチル(200ml)を添加した。相分離させ、水相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。組合せた有機相を水とブラインで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空で濃縮し、放置時に結晶化する油を得た。収率96%(3.1g)。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=874.49。
工程2:19-((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)-エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸 tert-ブチルエステル:
Figure 0005749155
アセトニトリル(50ml)に19-{(S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-[2-(2-{[2-(2-カルボキシメトキシエトキシ)エチルカルバモイル]-メトキシ}エトキシ)エチルカルバモイル]プロピルカルバモイル}ノナデカン酸 tert-ブチルエステル(3.1g)が入った溶液に、TSTU(1.39g)及びDIPEA(0.91ml)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、ついで真空で濃縮した。残留物に0.1NのHCl水(100ml)及び酢酸エチル(200ml)を添加した。相分離させ、水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。組合せた有機相を水とブラインで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空で濃縮し、油を得た。収率99%(3.4g)。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:971.8。
工程3:19-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチル-カルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸:
Figure 0005749155
19-((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)エトキシ]エチル-カルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ノナデカン酸 tert-ブチルエステル(3.4g)を、TFA(75ml)において45分攪拌し、ついで真空で濃縮した。残留物をトルエンで3回濃縮し、固形物を得た。残留物を2-プロパノールにおいて結晶化させ、濾過し、結晶性化合物を得た。収率80%(2.4g)。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z:859.44。
オクタデカン二酸フラグメントを用いた同様のアシル化試薬(例えば、実施例26及び他の実施例で使用)は、同様にして調製することができる。
実施例17、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-(3-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)-ピロピオニル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1626(M+4)
実施例18、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6348
実施例19、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6062
実施例20、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεヘプタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1592(M+4)
実施例21、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1620(M+4)
この中間アシル化試薬オクタデカンジオイル-γGlu-γGlu-γGlu-γGlu-OSu(残存するカルボン酸において、保護基としてtert-ブチルエステルを用いる)を、以下に記載するようにして調製した。
オクタデカン二酸tert-ブチルエステル 2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル
Figure 0005749155
オクタデカン二酸 モノ-tert-ブチルエステル(4.2g、0.011 mol)をTHF(20ml)に溶解させ、アセトニトリル(20ml)にTSTU(4g、0.013mol)が入ったものを添加し、DIPEAを滴下して、溶液のpHを8に調節した。混合物を室温で4時間攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH3に酸性化させ、真空で蒸発させた。ついで、残留した油を酢酸エチルとHCl(0.1M)との間に分配させた。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、所定の乾燥度になるまで真空で蒸発させた。これにより、さらなる精製をすることなく、次の工程で使用可能な油として、5.2gのオクタデカン二酸 tert-ブチルエステル 2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルが提供された。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=468(M+1)及び412(M+1-tBu)。
(S)-2-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)-ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル
Figure 0005749155
オクタデカン二酸 tert-ブチルエステル 2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(7g、0.015mol)をTHF(80ml)に溶解させ、NaCO(0.1M、40mL)にH-Glu-OtBu(3.7g、0.0165mol)が入った溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH3に酸性化させ、真空で蒸発させた。ついで、残留物を酢酸エチルとHCl(0.1M)との間に分配させた。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、所定の乾燥度になるまで真空で蒸発させた。アセトニトリル(30mL)の添加で白色沈殿物が形成し、濾過により単離し、乾燥させたところ、3.75gの(S)-2-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステルが提供された。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=556(M+1)。
アセトニトリル濾液の蒸発により、さらに2.6gの生成物が単離された。
(S)-2-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
Figure 0005749155
(S)-2-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル(3g、0.005mol)をTHF(100ml)に溶解させ、アセトニトリル(30mL)にTSTU(1.78g、0.006mol)が入った溶液に添加した。DIPEAを滴下して、pHを8に調節した。混合物を室温で1時間攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH3に酸性化させ、真空で蒸発させた。ついで、残留した油を酢酸エチルとHCl(0.1M)との間に分配させた。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、所定の乾燥度になるまで真空で蒸発させた。これにより、白色固形物(2.75g)の(S)-2-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイルアミノ)-ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルが提供された。LCMS(エレクトロスプレー):m/z=653(M+1)。
(S)-2-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル
Figure 0005749155
(S)-2-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル)エステル(0.5g、0.766mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解させた。この溶液を、水(30mL)にH-Glu-OtBu(0.171g、0.84mol)が入った溶液に添加し、DIPEAを用いて、pHを10に調節した。混合物を室温で15分攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH7に酸性化させ、真空で蒸発させた。残留物を酢酸エチルとHCl(0.1M)との間に分配させた。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、所定の乾燥度になるまで真空で蒸発させた。これにより、油として、(S)-2-[(S)-4-tert-ブトキシ-カルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステルが提供された。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=741(M+1)。
(S)-2-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]-ペンタン二酸5-tert-ブチルエステル1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
Figure 0005749155
(S)-2-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]-ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル(8g、10.79mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解させ、アセトニトリル(40mL)にTSTU(3.89g、12.95mmol)が入った溶液を添加した。DIPEAを滴下することにより、pHを8に調節した。混合物を室温で1時間攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH3に酸性化させ、真空で蒸発させた。これにより油が得られ、ついで酢酸エチルとHCl(0.1M)との間に分配した。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、所定の乾燥度になるまで真空で蒸発させた。これにより、油として、8.2gの(S)-2-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]ペンタン二酸 5-tert-ブチルエステル 1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルが提供された。
(S)-2-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニル-ヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル
Figure 0005749155
(S)-2-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]-ペンタン二酸 5-tert-ブチルエステル 1-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル(4g、4.77mmol)をアセトニトリル(30ml)に溶解させ、NaCO(0.1M、20mL)にH-Glu-OtBu(1.07g、5.25mol)が入った溶液に添加した。混合物を室温で1時間攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH7に中性化させ、真空で蒸発させた。ついで、残留した油を酢酸エチルとHCl(0.1M)との間に分配させた。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、所定の乾燥度になるまで真空で蒸発させた。残留物(4g)をアセトニトリルに溶解させ、活性炭で処理した。濾過し、所定の乾燥度になるまで蒸発させ、真空で一晩乾燥させた後に、結晶性固形物として、2.8gの(S)-2-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシ-カルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステルを得た。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=927(M+1)。
(S)-2-((S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)-ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル
Figure 0005749155
(S)-2-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイル-アミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル(2.8g、3.02mmol)を、上述した同様の方法を使用し、TSTU(1.0g、3.325mmol)を用いて活性化させ、粗(S)-2-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}-ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル 5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステルを得た。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1024(M+1)。
1.3gのこの化合物アセトニトリル(40mL)に溶解させ、水(30mL)にH-Glu-OtBu(0.28g、1.39mmol)が入った溶液に添加し、DIPEAを用いて、pHを9.3に調節した。混合物を室温で2時間攪拌し、ついで、HCl(2M)を用いてpH7に中性化させ、ほとんど乾燥するまで、真空で蒸発させた。残留物を水で処理し、白色の沈殿物を得、濾過した。真空で一晩乾燥させた後、 少量の出発物質を含有する、1.1gの(S)-2-((S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリル¬アミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステルが単離された。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1111.9(M+1)。
(S)-2-((S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)-ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル-5-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)エステル
Figure 0005749155
(S)-2-((S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-{(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-[(S)-4-tert-ブトキシカルボニル-4-(17-tert-ブトキシカルボニルヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ペンタン二酸 1-tert-ブチルエステル(0.1g、0.09mmol)を、活性化のための同様の方法を使用し、室温で1時間、アセトニトリル溶液において、TSTU(29.8mg、0.099mmol)を用いて活性化させ、上述したように進行させた。これにより、さらに精製することなく、インスリンのアシル化用として使用可能な100mgの粗活性生成物が提供された。LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1208(M+1)。
実施例22、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6373
実施例23、一般的手順(A):
A14E,B25H,B27E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6407
実施例24、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
一晩絶食させた雄のウィスターラットにおけるこの化合物の経口効果を、以下の図6に付与する。
MALDI-TOF MS:m/z=6188
実施例25、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
一晩絶食させた雄のウィスターラットにおけるこの化合物の経口効果を、以下の図4に付与する。
MALDI-TOF MS:m/z=6352
実施例26、一般的手順(A):
A14E,B16E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6345
実施例27、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
一晩絶食させた雄のウィスターラットにおけるこの化合物の経口効果を、以下の図5に付与する。
MALDI-TOF MS:m/z=6041
実施例28、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1598(M+4)
実施例29、一般的手順(A):
A14E,B16E,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6028
実施例30、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1581(M+4)
実施例31、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1484(M+4)
実施例32、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1548(M+4)
実施例33、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(N(eps)エイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1596(M+4)
実施例34、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-OEG-γGlu−γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1592(M+4)
実施例35、一般的手順(A):
A14E,A18L,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6405
実施例36、一般的手順(A):
A14E,A18L,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6377
実施例37、一般的手順(A):
A14E,B25H,B27E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6433
実施例38、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
A14E,B25H,B29R,desB30インスリン(500mg、88μmol) を0.1MのNaHCO、pH8(5ml)に溶解させ、ω-カルボキシヘプタデカノイル-γ-L-グルタミル-OEG-OEG-OSu(65mg、88μmol)をTHF/MeCN 1:1(5ml)に溶解させ、インスリン溶液に添加した。30分後、2Mのメチルアミン水(0.5mL)を添加することにより、反応をクエンチした。溶媒を真空で蒸発させ、固形物を少量の水/MeCNに溶解させた。C18カラム、バッファーA:水中に0.1%のTFA、バッファーB:MeCNに0.1%のTFA、勾配30-55%のバッファーB、45分超のRP-HPLCにより、主要生成物のピークを単離した。生成物のフラクションを真空で部分的に蒸発させ、凍結乾燥させたところ、59mgの生成物(10%)が提供された。LC-MS分析:M4+=1602.7、算出値1602.6。2工程の標準的アミノ酸配列分析はF-Vを示し、A1でのアシル化が確認された。
実施例39、一般的手順(A):
A14E,B1F(Nαオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
この化合物を、上述した実施例(実施例38)の副生成物として単離した。LCMS分析:M4+=1602.5、算出値1602.6。2工程の標準的アミノ酸配列分析はG-Iを示し、B1でのアシル化が確認された。
実施例40、一般的手順(A):
A1G(Nαヘキサデカンジオイル-γGlu),A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1523(M+4)
この化合物を、アシル化試薬としてω-カルボキシペンタデカノイル-γ-L-グルタミル(OSu)を使用し、上述したA1アシル化(実施例38)と同様にして調製した。生成物はLCMS:M4+=1523.2、算出値1523.0を示した。2工程の標準的アミノ酸配列分析はF-Vを示し、A1でのアシル化が確認された。
実施例41、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-Abu-Abu-Abu-Abu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1286(M+5)
この実施例のアシル化試薬は、Fmoc保護された4-アミノ酪酸を2-クロロトリチル樹脂に結合させることから出発し、ついで脱保護し、実施例9に記載したように、3以上の単位のFmoc保護された4-アミノ酪酸、Fmoc-Glu-OtBu及びオクタデカン二酸 モノ-tert-ブチルエステルを逐次結合させる、実施例9で調製された試薬を用い、同様にして調製した。
実施例42、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nαエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=5987
実施例43、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nα4-[16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル]ブタノイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1530(M+4)
中間アシル化試薬の調製:
Figure 0005749155
4-[16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル]ブタン酸(500mg、国際公開第2006/005667号に記載されたようにして調製)をエタノール(20ml)に溶解させ、TSTU(381mg)及びDIPEA(542μl)を添加し、得られた混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を0.25MのHClと共に攪拌した。固形物を濾過により単離し、水で洗浄し、真空で乾燥させたところ、580mg(91%)のアシル化試薬が提供された。
アシル化試薬:
A14E,B25H,desB30ヒトインスリン(500mg)を0.1Mの炭酸ナトリウム水(10mL)及びエタノール(4mL)に溶解させた。1NのNaOHを用いて、pHを10.8に調節した。上述したアシル化試薬(101mg)をTHF(2mL)に溶解させ、エタノール(2mL)を、10分の間隔で2回に分けて添加した。得られた混合物をゆっくりと1時間攪拌し、水(50mL)で希釈した。pH5.5になるまで1NのHClを添加することにより、得られたインスリンを沈殿させた。遠心分離により沈殿物を単離し、HPLCにより精製した。純粋なフラクションをプールし、凍結乾燥させた。
実施例44、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),A14E,A21G,B25H,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6321
実施例45、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6130
実施例46、一般的手順(A):
A14E,B25H,B27K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB28,desB29,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6181
実施例47、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε(5-エイコサンジオイルアミノイソフタル酸)),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6150
実施例48、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=5959
実施例49、一般的手順(A):
A14E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1598(M+4)
実施例50、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6216
実施例51、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1559(M+4)
実施例52、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6278
実施例53、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-Aoc),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6126
実施例54、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=6055(デコンボリューションされた)
実施例55、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=6220(デコンボリューションされた)
実施例56、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6101
実施例57、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF-MS:m/z=6277
実施例58、一般的手順(A):
A14E,B25H,B16H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1516(M+4)
実施例59、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル),A14E,B25H,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1498(M+4)
実施例60、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1523(M+4)
実施例61、一般的手順(A):
A14E,B25H,B27K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB28,desB29,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
MALDI-TOF MS:m/z=6208
実施例62、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
ES-MS:m/z=1587(M+4)
以下の実施例のアシル化インスリンも、同様に調製されてよい。
実施例63、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例64、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例65、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例66、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例67、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεドコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例68、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεドコサンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例69、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例70、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例71、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε(N-イコサンジオイル-N-カルボキシメチル)-βAla),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例72、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε3-[2-(2-{2-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)-エトキシ]プロピオニル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例73、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε3-[2-(2-{2-[2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例74、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-(3-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)-プロピオニル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例75、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-(3-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)-プロピオニル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例76、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεイコサンジオイル-γGlu-(3-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)-プロピオニル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例77、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε4-([4-({17-カルボキシノナデカノイルアミノ}メチル)トランス-シクロヘキサンカルボニル]-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例78、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε4-([4-({17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ}メチル)トランス-シクロヘキサン-カルボニル]-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例79、一般的手順(A):
A14E,B28D,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例80、一般的手順(A):
A14E,B28D,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例81、一般的手順(A):
A14E,B28D,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例82、一般的手順(A):
A14E,B28D,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例83、一般的手順(A):
A14E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例84、一般的手順(A):
A14E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例85、一般的手順(A):
A14E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例86、一般的手順(A):
A14E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例87、一般的手順(A):
A14E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例88、一般的手順(A):
A14E,B1E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例89、一般的手順(A):
A14E,B1E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例90、一般的手順(A):
A14E,B1E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例91、一般的手順(A):
A14E,B1E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例92、一般的手順(A):
A14E,B1E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例93、一般的手順(A):
A14E,B1E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例94、一般的手順(A):
A14E,B1E,B27E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例95、一般的手順(A):
A14E,B1E,B27E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例96、一般的手順(A):
A14E,B1E,B27E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例97、一般的手順(A):
A14E,B1E,B27E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例98、一般的手順(A):
A14E,B1E,B27E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例99、一般的手順(A):
A14E,B1E,B27E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例100、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例101、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例102、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例103、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例104、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例105、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例106、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例107、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例108、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例109、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例110、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例111、一般的手順(A):
A14E,B1E,B25H,B27E,B28E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例112、一般的手順(A):
A14E,B28D,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例113、一般的手順(A):
A14E,B28E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例114、一般的手順(A):
B25N,B27E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例115、一般的手順(A):
B25N,B27E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例116、一般的手順(A):
B25N,B27E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例117、一般的手順(A):
B25N,B27E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例118、一般的手順(A):
B25N,B27E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例119、一般的手順(A):
B25N,B27E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例120、一般的手順(A):
A8H,B25N,B27E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例121、一般的手順(A):
A8H,B25N,B27E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例122、一般的手順(A):
A8H,B25N,B27E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例123、一般的手順(A):
A8H,B25N,B27E,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例124、一般的手順(A):
A8H,B25N,B27E,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例125、一般的手順(A):
A8H,B25N,B27E,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例126、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε(N-イコサンジオイル-N-カルボキシメチル)-βAla-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例127、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε(N-オクタデカンジオイル-N-カルボキシメチル)-βAla-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例128、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nε(N-ヘキサデカンジオイル-N-カルボキシメチル)-βAla-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例129、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-2-[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピル-カルバモイル)メトキシ]アセチル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]酢酸を、記載されたようにして調製してよく(Eur. J. Med. Chem. 2007, 42, 114)、ω-(tert-ブチル-カルボキシ-ヘプタデカノイル-γ-L-グルタミル(OSu)-OtBuと反応させる。TSTUを使用し、生成物を活性化させ、0.1MのNaCO、pH10.5において、A14E,B25H,desB30ヒトインスリンにカップリングさせることで、生成物を得てもよい。
実施例130、一般的手順(A):
A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-2-[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]アセチル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]酢酸を、記載されたようにして調製してよく(Eur. J. Med. Chem. 2007, 42, 114)、ω-(tert-ブチル-カルボキシ-ノナデカノイル-γ-L-グルタミル(OSu)-OtBuと反応させる。TSTUを使用し、生成物を活性化させ、0.1MのNaCO、pH10.5において、A14E,B25H,desB30ヒトインスリンにカップリングさせることで、生成物を得てもよい。
実施例131、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-2-[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]アセチル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]酢酸を、記載されたようにして調製してよく(Eur. J. Med. Chem. 2007, 42, 114)、ω-(tert-ブチル-カルボキシ-ヘプタデカノイル-γ-L-グルタミル(OSu)-OtBuと反応させる。TSTUを使用し、生成物を活性化させ、0.1MのNaCO、pH10.5において、A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリンにカップリングさせることで、生成物を得てもよい。
実施例132、一般的手順(A):
A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-2-[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]アセチル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
[(3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルカルバモイル)メトキシ]酢酸を、記載されたようにして調製してよく(Eur. J. Med. Chem. 2007, 42, 114)、ω-(tert-ブチル-カルボキシ-ノナデカノイル-γ-L-グルタミル(OSu)-OtBuと反応させる。TSTUを使用し、生成物を活性化させ、0.1MのNaCO、pH10.5において、A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリンにカップリングさせることで、生成物を得てもよい。
実施例133、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例134、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例135、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例136、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例137、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例138、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例139、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例140、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例141、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例142、一般的手順(A):
B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例143、一般的手順(A):
A21G,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例144、一般的手順(A):
A21G,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例145、一般的手順(A):
A21G,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例146、一般的手順(A):
A21G,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例147、一般的手順(A):
A21G,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例148、一般的手順(A):
A21G,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例149、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例150、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例151、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例152、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例153、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例154、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例155、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例156、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例157、一般的手順(A):
A14E,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例158、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例159、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例160、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例161、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例162、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例163、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例164、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例165、一般的手順(A):
A14E,A21G,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例166、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例167、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεオクタデカンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例168、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例169、一般的手順(A):
A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29K(Nεエイコサンジオイル),desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例170、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル-γGlu),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例171、一般的手順(A):
A1G(Nαエイコサンジオイル-γGlu),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例172、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル-γGlu),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例173、一般的手順(A):
A1G(Nαエイコサンジオイル-γGlu),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例174、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例175、一般的手順(A):
A1G(Nαエイコサンジオイル),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例176、一般的手順(A):
A1G(Nαオクタデカンジオイル),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例177、一般的手順(A):
A1G(Nαエイコサンジオイル),A14E,B25H,B26G,B27G,B28G,B29R,desB30ヒトインスリン
Figure 0005749155
実施例178、本発明の選択されたインスリン誘導体のインスリンレセプター親和性
ヒトインスリンレセプターについての、この発明のアシル化インスリンアナログの親和性は、SPAアッセイ(シンチレーション近接アッセイ)マイクロタイタープレート抗体捕捉アッセイにより測定される。SPA-PVT抗体-結合ビーズ、抗-マウス試薬(Amersham Biosciences、カタログ番号 PRNQ0017)を、25mlの結合バッファー(100mMのHEPES、pH7.8;100mMの塩化ナトリウム、10mMのMgSO、0.025%のトゥイーン-20)と混合する。単一のPackard Optiplate(Packard No.6005190)用の試薬混合物は、2.4μlの1:15000に希釈された精製組換えヒトインスリンレセプター(エクソン11を有する又は有さない)、100μlの試薬混合物当たり5000cpmに相当するA14Tyr[125I]-ヒトインスリンの所定量の保存溶液、12μlの1:1000に希釈されたF12抗体、3mlのSPA-ビーズ、全体を12mlにする結合バッファーからなる。ついで、全体で100μlの試薬混合物を、Packard Optiplateの各ウェルに添加し、インスリン誘導体の希釈シリーズを、適切なサンプルからOptiplateにおいて作製する。ついで、ゆっくりと振盪させつつ、サンプルを16時間インキュベートする。ついで、1分間遠心分離することにより相分離させ、プレートをトップカウンターで計測する。GraphPad Prism 2.01(GraphPad Software, San Diego、CA)における非線状回帰アルゴリズムを使用し、結合データを適合させ、ヒトインスリンの親和性に対する親和性を表した(パーセンテージ(%))。
また、関連アッセイを使用してもよく、ここで結合バッファーは、生理的条件を模倣するために、4.5%のHSAを含有する。
本発明の選択されたインスリンのインスリンレセプター親和性:
Figure 0005749155
実施例179、本発明のインスリン誘導体の疎水性度
インシュリン誘導体の疎水性は、等張条件下で逆相HPLCを実施することにより見出される。インシュリン誘導体の溶出時間を、同様の条件下で公知の疎水性度を有する他の誘導体、又はヒトインスリン(ここではHIと称する)と比較する。疎水性度k'relは:k'relderiv=((tderiv−t)/(tref−t))k'relrefとして算出される。参照としてHIを使用:k'relref=k'relHI=1。HPLCシステムのボイド時間、tは、5μlの0.1mM NaNOを注入することにより測定される。実施条件:
カラム: Lichrosorb RP-C18、5μm、4x250mm
バッファーA:0.1Mのリン酸ナトリウム、pH7.3、10vol%のCHCN
バッファーB:50vol%のCHCN
注入容量:5μl
実施時間:最大で60分
最初の勾配を流した後、誘導体及び参照(例えばHI)を流す等張レベルを選択し、等張条件下にある誘導体及び参照の溶出時間を、上述した等式に使用し、k'relderivを算出する。
Figure 0005749155
実施例180、ラットへのインスリン誘導体の肺送達:
プロトコル:
試験用物質は、滴下法により、肺に投与されるであろう。簡潔に述べると、雄のウィスターラット(約250g)を、6.6ml/kgの皮下プライミング用量として付与され、30分間隔での、3.3ml/kgの保持用量の皮下投与が3回続く、約60mlのフェンタニル/デヒドロデンズペリドール/-ドルミカムにて麻酔する。麻酔誘導の10分後、基本サンプルを尾静脈(t=−20分)から得、続いてテスト用物質の投与直前(t=0)、基本サンプルを得る。t=0において、テスト用物質を一方の肺に、気管内部的に投与する。丸くなった端部を有する特定のカニューレを、200μlの空気とテスト用物質(1mg/kg)を含有するシリンジに搭載する。開口部を介して、カニューレを気管に導入し、-二分枝部を丁度通過するように、主気管支の一方に送る。挿入中、頸部を外側から触診し、気管内部の位置を確認する。シリンジの内容物を注射し、2秒中断する。その後、カニューレをゆっくりと引き抜く。テスト中(4又は8時間までの血液サンプル)、ラットは麻酔がかかったままであり、実験後、安楽死させる。
図8及び9は、従来技術のプロテアーゼ耐性のないインスリン(実施例183)である以外は同様であるものと比較した、本発明のインスリン(実施例9)の気管内滴下注入からの、血糖低減効果と血漿インスリン濃度を示す。
実施例181、ミニブタへのインスリン誘導体の肺送達:
プロトコル:
静脈注射及び血液サンプリングのための中心静脈カテーテルを、ブタに装着させた。肺実験の前、ブタを絶食させ、すなわち投与の前日、午後の食餌からleftoversを、食餌の約1時間後に移し、当日はブタに餌を与えなかった。カテーテルの開存性を、10IU/mlのヘパリンを添加する生理食塩水を用いた実験の前にチェックする。
肺投与後、低血糖症の予防のための静脈注射を用意すべきであり、すなわち4-5のシリンジ(20ml)に使用準備が整った滅菌20%グルコースを充填する。低血糖症の診断はグルコメーター(glucometer)(Glucogard X-meter)における血糖測定及び臨床的徴候に基づく。処置は、50-100mlの20%グルコース(10-20gのグルコース)のゆっくりとした静脈注射からなる。影響が出る前の5-10分超、グルコースをフラクションに付与する。
実験の最初(24時間)は、ブタを絶食させるが、水には自由に近づけるようにしておく。16時間後、血液サンプル用カテーテルを、5000IU/mlのヘパリンで閉塞させ、ポケットに配し、ブタを解放する。血液サンプルの24時間後、ブタに、2倍配給量の食物とリンゴを与える。24時間〜48時間は、ブタは絶食させない。
化合物及び肺投与
肺投与用のパウダー
実験の前日、インスリンパウダーを、乾燥パウダー装置(PennCenturyTM Model DP-4、特別仕様のブタ用装置)の8つの別々のパウダーチャンバーに計量する。投与まで、温度と湿度制御がされた研究室において、周囲をアルミホイルで包んだ容器にて、乾燥物質状態に保持することにより、全てのチャンバーを光及び湿度から保護し続ける。
同様のパウダー保持性が予期されるように、最も最近の個々の動物の体重に基づき、送達装置に、25nmol/kgの前負荷をかけた。
充填用量=(パウダー重量+(装置とパウダーの重量−装置の重量))/2
麻酔
Domitor(登録商標) Vet inj.(メデトミジン1mg/ml)、0.15ml/10kg=0.4ml/ブタの静脈注射により、ブタを落ち着かせる。
直後に、十分深い麻酔が得られるまで、Rapinovet Vet. inj.(プロポフォール 10mg/ml)を、ゆっくりと静脈注射する。一般的に2-3ml/10kgで十分であるが、挿管が可能になるまでの時間、1-2mlを補足することが必要となるかもしれない。0.5ml/ブタのアトロピンを筋肉内注射することで、挿管の5分前での仕事最小化が可能となる。
挿管のため、わずかに上方が上がった腹部位置にブタを配し、局部麻酔Xylocaine(登録商標)kutanspray(リドカイン 10mg/投与)を喉頭蓋にスプレーし、喉頭鏡検査と8.0mmサイズ(ID)の使い捨てチューブを使用して、ブタに挿管する。チューブの2つの部分を、互いにしっかりと圧する。
肺投与中の装置位置
肺投与中のPennCenturyTM装置の位置は、気管内チューブの末端の丁度外側とすべきであり、これは挿管前の装置を測定すべきである(この測定時、連結Lピースを記憶する)。投与中、PennCenturyTM装置の先端は、葉頭蓋右部まで行く気管支の丁度下の気管中に位置させなければならず、これは気管支鏡で確認する。
人工呼吸
呼吸数を10/分に、呼吸深さを250ml/呼吸に設定する。投薬のタイミングを最適にするために人工呼吸器に「ベビー」バッグを取り付ける。麻酔装置を、Lピースを介して気管内チューブに連結されるフィルターに接続する。PennCenturyTM装置をLピースを通して導入し、これにより、投薬中の呼吸深さ及び呼吸数が制御可能になる。
投薬法
PennCenturyTM装置は上述の通りに位置させなければならない。ブタには、調節可能なPennCentury空気ポンプ(モデルAP-1)を使用して手動投与によってPennCenturyTM装置が(一匹ずつ)投薬される。全用量が確実に投与されるようにするために8回の連続した呼吸器推進吸入中に8の空気スプレー(空気ポンプを4mL)を各ブタに与える。スプレーの間に房を穏やかにたたいて装置への粉末の付着を避ける。新しい移送チューブを各ブタに対して使用する。吸入に関連したタイミングは非常に重要であり、空気スプレーは吸入のまさに最初に与えられなければならない(開始では50mLの吸入を目標とする)。
Domitorの効果に対抗するために、Antisedan(登録商標)Vet inj.(アチパメゾール5mg/ml)を、投薬直後に筋肉内注射(0.4ml/ブタ)として注射し、ブタをその檻に戻し、麻酔から覚まさせる。
保持分析
放出された投薬は房の全内容でなければならず、投薬後に装置を残留粉末と共に再び計量し、保持された粉末を、9mlの0.01NのHCl med 0.05%(w/v)のTween80抽出バッファーを用いて抽出し、分析に送る。
採血
投薬後、血液試料を次の時点で中心静脈カテーテルから採取する:
−10,0,10,20,40,60,90,120,150,180,240(4時間),300(5時間),360(6時間),8時間,10時間,12時間,14時間,16時間,24時間,32時間及び48時間。
試料を三方活栓で採取する;廃棄血液は動物に注入して戻す。試料サイズは、EDTAで被覆されたチューブに集めた0.8mlの血液である。各血液採取後に、カテーテルに5mlの滅菌した0.9%のNaClを10IU/mlのヘパリンと共に流す。チューブを最小8回、穏やかに傾斜させ、血液と抗凝固薬(EDTA)の混合を十分にし、一分後にそれを濡れた氷上に位置させる。採取から1時間以内にチューブを3000rpm及び4℃で10分間スパンさせる。試料を、ピペッティングまで湿った氷上に保存する。
実験後のカテーテルの閉鎖
滅菌生理食塩水(10ml中1gのアンピシリン=100mg/ml)に溶解させたアンピシリン(10mg/kg=0.1ml/kgの100mg/ml溶液)での単一の静脈内処置を、採血に使用したカテーテルを介して与える。両カテーテルに、10U/mlの濃度までヘパリンを加えた滅菌した0.9%NaClの4−5mlを流す。カテーテルを、ラテックス注入膜を備えた新しいルアーロックで閉塞させる。4−5mlの滅菌した0.9%のNaClを膜を通して注入する。最後に、0.8mlのヘパリン,5000IU/mlをロックとしてカテーテルを通して注射する。凝固リスクの増加と共にカテーテル中での細菌の増殖を避けるために無菌技術が必要とされる。
血液試料の分析
10μlの血漿を、Biosen自動アナライザーでの血漿中グルコース濃度の測定のために500μlのEBIOバッファー溶液中にピペットでとる。
PKパラメータを計算するためにイムノアッセイによって外因性インスリンについて血漿試料をまたアッセイする。
上記のプロトコルに従ってのミニブタへの実施例9のインスリンの経肺投与:
図10及び11は、同じインスリンであるが、プロテアーゼ安定化A14E及びB25H変異のないもの(先行技術のインスリン)と比較した実施例9のインスリンの薬物動態プロファイルを示す。データは同じ実験からのものであり、図10は最初の250分のデータを示し、図11は完全な24時間(1440分)の時間過程を示す。
同じインスリンであるが、プロテアーゼ安定化A14E及びB25H変異のないもの(先行技術のインスリン)と比較した実施例9のインスリンの薬物動態データ。データは同じ実験からのもので、静脈内投与に対する半減期(T1/2)及び生物学的利用能(Fit)である:
Figure 0005749155
実施例182
十二指腸管腔酵素を使用するインスリンアナログの分解
SPDラットからの(十二指腸管腔内容物の濾過によって調製した)十二指腸管腔酵素を使用するインスリンアナログの分解。該アッセイは、インスリンアナログ及び標準物に対して16ウェルが利用できる96ウェルプレート(2ml)においてロボットによって実施される。インスリンアナログ〜15μMを、37℃で100mMのHepes,pH=7.4中で十二指腸酵素と共にインキュベートし、試料を1、15、30、60、120及び240分後に採取し、TFAの添加により反応をクエンチさせる。各時点でのインタクトなインスリンアナログをRP−HPLCにより決定する。分解半減期はデータの指数適合により決定し、各アッセイにおいて基準インスリン、A14E,E25H,desBヒトインスリン又はヒトインスリンに対して決定した半減期に対して正規化する。分解のために加える酵素の量は、基準インスリンの分解に対する半減期が60及び180分の間となるようなものとする。結果は、ラット十二指腸におけるインスリンアナログの分解半減期を同じ実験からの基準インスリンの分解半減期で割ったもの(相対分解速度)として与える。
Figure 0005749155
ラット薬物動態:
静脈内ラットPK:
麻酔したラットに様々な用量でインスリンアナログを静脈内(i.v.)投与し、用いられた化合物の血漿中濃度を、4時間又はさらに長い投与後における特定の間隔でイムノアッセイ又は質量スペクトルを使用して測定する。ついで、薬物動態パラメータが、WinNonLin Professional (Pharsight Inc., Mountain View, CA, USA)を使用して計算される。
およそ200グラムの重さの非絶食雄ウィスターラット(Taconic)を使用する。
体重を測定し、ラットをついでHypnorm/Dormicum(各化合物は別個に滅菌水で1:1に希釈し、ついで混合する;実験の日に新鮮に調製する)で麻酔する。麻酔は、2ml/kgのHypnorm/Doricum混合物の皮下投与で開始し、30分間隔で1ml/kgの2回の維持用量の皮下投与、45分間隔で1ml/kgの2回の維持用量の皮下投与が続く。ラットを軽く麻酔された状態にずっと維持するために必要ならば、1−2ml/kgの更なる用量の皮下投与がなされる。計量と初期の麻酔は、ラットが部屋を移動することによる動物のストレスを避けるためにラット保持室において実施される。
経口ラットPK:
経管栄養:
意識あるラットにインスリンアナログを経口投与する。用いられた化合物の血漿中濃度並びに血糖変化を、投与後4−6時間の間、特定の間隔で測定する。ついで、薬物動態パラメータが、WinNonLin Professional (Pharsight Inc., Mountain View, CA, USA)を使用して計算される。
250−300gの重さのスプラーグドーリー雄ラット(Taconic)を〜18時間絶食させ、試験化合物又はビヒクルを経口投与する。
経口経管栄養投与に使用される製剤の組成は次の通りである(重量%):
45%のプロピレングリコール(Merck)
33%のCapmul MCM C10 (Abitec)
11%のポロキサマー407 (BASF)
11%のポリエチレングリコール3350 Ultra (Fluka)
添加されるインスリンの量がCapmul MCM C10、ポロキサマー407及びPEG 3350から均等に引かれ、プロピレングリコールの量を薬剤負荷とは独立して45%に維持するためにプロピレングリコールからは引かれない。
中性インスリン(pH7.4から凍結乾燥)を穏やかに撹拌しながら室温でプロピレングリコールに溶解させる。インスリン及びインスリンの量に応じて、プロピレングリコールに溶解させるのに数時間かかりうる。得られた溶液は透明でなければならない。他の添加剤,Capmul,ポロキサマー及びPEG3350を混合し、58℃で融解させ、また透明で僅かに黄色がかった溶液にならなければならない。ついで、インスリンプロピレングリコール溶液を35℃まで温め、溶かした添加剤を磁気攪拌下で少しずつ加える。得られる混合物は透明で均一に35℃でなければならず、冷蔵庫に保存後に半固体状になる。調製後、SEDDS組成物を固化させるために5℃まで冷却する。
全血糖濃度の決定のための血液試料を、尾部先端の毛細血管の穿刺によりヘパリン処置した10mlの毛細管に集める。血糖濃度を、Biosen自動アナライザー(EKF Diagnostic Gmbh, Germany)を使用してグルコースオキシダーゼ法によって500ml分析バッファーでの希釈後に測定する。平均血糖濃度経過(平均±SEM)を各化合物に対して作成する。
血漿中インスリン濃度の決定のために試料を集める。100mlの血液試料を、EDTAを含む冷却チューブ中に抜き取る。試料を、遠心分離(7000rpm、4℃、5分)まで氷上に維持し、血漿をMicronicチューブ中にピペットで移し、ついでアッセイまで20℃で凍結させる。インスリンアナログの血漿中濃度を、個々のアナログに対して適切と考えられ又は検証されているイムノアッセイを使用してAssay及びTechnology部において測定する。
血液試料を、投薬後、t=−10(血糖のみ)、t=−1(投薬直前)及び4−6時間の間、特定の間隔で抜き取る。
小腸内注射:
麻酔ラットにインスリンアナログを小腸内(空腸中)投与する。用いられた化合物の血漿中濃度並びに血糖変化を、投薬後4時間又はそれ以上の間、特定の間隔で測定する。ついで、薬物動態パラメータが、WinNonLin Professional (Pharsight Inc., Mountain View, CA, USA)を使用して計算される。
〜18時間の間、絶食させた250−300gの重さの雄スプラーグドーリーラット(Taconic)を、プライミング用量として皮下でのHypnorm-Dormicum(0.079mg/mlのクエン酸フェンタニル、2.5mg/mlのフルアニソン及び1.25mg/mlのミダゾラム)2ml/kgをプライミング用量として(物質投薬を試験する前の−60分の時点まで)、20分後に1ml/kg、ついで40分毎に1ml/kgを使用して麻酔する。
小腸内注射モデルで試験されるインスリンは、上記の経管栄養モデルに対して処方されたようにして処方される。
麻酔したラットを、37℃で安定化した恒温ブランケットに位置させる。20cmのポリエチレンカテーテルを取り付けた1mlシリンジにインスリン製剤又はビヒクルを満たす。4−5cmの正中切開が腹壁になされる。腸壁の貫通により盲腸から〜50cmの中-空腸中にカテーテルが穏やかに挿入される。腸内容物が存在する場合、適用部位は±10cm移動される。カテーテル先端を腸セグメントの管腔内のおよそ2cmに配し、結紮術を使用しないで固定する。腸を腹腔内に注意して置き換え、腹壁及び皮膚を、各層に自動クリップで閉塞する。時間0で、ラットにカテーテルを介して0.4ml/kgの試験化合物又はビヒクルを投与する。
全血糖濃度の決定のための血液試料を、尾部先端の毛細血管の穿刺によりヘパリン処置した10mlの毛細管に集める。血糖濃度を、Biosen自動アナライザー(EKF Diagnostic Gmbh, Germany)を使用してグルコースオキシダーゼ法によって500ml分析バッファーでの希釈後に測定する。平均血糖濃度経過(平均±SEM)を各化合物に対して作成する。
血漿中インスリン濃度の決定のために試料を集める。100mlの血液試料を、EDTAを含む冷却チューブ中に抜き取る。試料を、遠心分離(7000rpm、4℃、5分)まで氷上に維持し、血漿をMicronicチューブ中にピペットで移し、ついでアッセイまで20℃で凍結させる。インスリンアナログの血漿中濃度を、個々のアナログに対して適切と考えられ又は検証されているイムノアッセイで測定する。
血液試料を、投薬後、t=−10(血糖のみ)、t=−1(投薬直前)及び4時間又はそれ以上の間、特定の間隔で抜き取る。
Figure 0005749155
ラット薬物動態:
本発明の選択されたアシル化インスリンの(上述のような)経口投与後の血糖対時間プロファイルを以下に示す:
実施例183
先行技術のインスリン、つまり
Figure 0005749155
に対する一晩絶食させた雄のウィスターラットの経口効果
B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリンは以下の図1に示す。
実施例184
ヒトインスリンに対する本発明のアシル化インスリンアナログの効能
実験日に238−383gの重さであるスプラーグドーリー雄ラットをクランプ実験に使用する。ラットは制御された雰囲気条件下で給餌に自由に接近でき、クランプ実験前に一晩(3pmから)絶食させられる。
実験プロトコル:
ラットを外科手技の少なくとも1週間前に動物施設において順応させる。クランプ実験のおよそ1週間前にハロタン麻酔下で頸静脈 (注入のため)及び頸動脈 (採血のため)中にTygonカテーテルを挿入し、露出させ、頸部の後ろに固定する。手術後にラットにStreptocilin vet. (Boehringer Ingelheim;0.15ml/ラット、筋肉内)を投与し、回復期間中、動物エアユニット(25℃)に配する。無痛覚とするために、麻酔中にアノルフィン(Anorphin)(0.06mg/ラット、皮下)を投与し、麻酔から十分に回復させた(2−3時間)後、再び2日に1回、リマダイル(Rimadyl)(1.5mg/kg、皮下)を投与する。
実験日の7amに一晩(前日の3pmから)絶食させたラットを計量し、サンプリング用シリンジ及び注入システム(Harvard 22 Basicポンプ,Harvard,及びPerfectum Hypodermicガラスシリンジ,Aldrich)につなぎ、ついで個々のクランプ用ゲージに配し、実験開始前の約45分、そこで休ませる。全実験中、それらの通常の寝具上をラットは自由に動くことができ、飲料水に自由に接近することができる。血漿血糖値を10分間隔で測定した30分の基底期間後、試験されるインスリン誘導体及びヒトインスリン(ラット当たり1回の投与レベル、投与レベル当たりn=6−7)を、300分、一定速度で注入する(静脈内)。場合によっては、試験されるインスリン誘導体のプライミングボーラス注入が血漿中の定常状態レベルに直ぐに達しせしめるために投与される。プライミングボーラス注入の用量は薬物動態専門家によって静脈内ボーラス薬物動態から得られる熟練のクリアランスデータに基づいて計算することができる。血漿血糖値は10分間隔でずっと測定され、正常血糖を維持するために、20%水性グルコースの注入が調節される。再懸濁させた赤血球の試料を各ラットからプール化し、頸動脈カテーテルを介して約1/2ml容量を戻した。
各実験日において、試験される個々のインスリン誘導体の溶液及びヒトインスリン溶液の試料を、クランプ実験の前及び終了時に取り出し、ペプチドの濃度をHPLCにより確認する。ラットインスリン及びC-ペプチド、並びに試験されるインスリン誘導体及びヒトインスリンの血漿濃度を、研究の前及び終了の時点で測定する。ペントバルビタール過剰投与を使用し、実験の終了時にラットを殺す。
<配列表>
配列番号5−11は上記特定の実施例に示された本発明の化合物中に存在するA鎖の配列であり、配列番号12−29は上記特定の実施例に示された本発明の化合物中に存在するB鎖の配列である。

Claims (21)

  1. プロテアーゼ安定化インスリンの位置B29のリジン残基にアシル部分が結合した、アシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンであって、
    前記プロテアーゼ安定化インスリンは、A14E,B25H,desB30ヒトインスリン、A14E,B16H,B25H,desB30ヒトインスリン、及びA14E,B25H,desB27,desB30ヒトインスリンから選択され、
    前記アシル部分は、
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
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    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    Figure 0005749155
    からなる群から選択される、アシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  2. ヒトインスリンに比較して増大した溶解度を有する、請求項1に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  3. pH3−9において、ヒトインスリンに比較して増大した溶解度を有する、請求項1に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  4. 親インスリンに比較して、1又は複数のプロテアーゼ酵素に対する増大した安定性を示すアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンであって、前記親インスリンは付加されたアシル部分を有さず、プロテアーゼによる分解に対する安定性を改善するための変異がなされていないインスリンである、請求項1から3の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  5. 親インスリンに比較して、2又はそれ以上のプロテアーゼ酵素に対する増大した安定性を示すアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンであって、前記親インスリンは付加されたアシル部分を有さず、プロテアーゼによる分解に対する安定性を改善するための変異がなされていないインスリンである、請求項1から4の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  6. プロテアーゼ安定化インスリンは、キモトリプシン、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、及びカテプシンDからなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している、請求項1から5の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  7. T1/2が、ヒトインスリンに比較して増加している、請求項1から6の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  8. T1/2が、親インスリンに比較して増加しているアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンであって、前記親インスリンは付加されたアシル部分を有さず、プロテアーゼによる分解に対する安定性を改善するための変異がなされていないインスリンである、請求項1から7の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  9. T1/2が、親インスリンに比較して少なくとも2倍に増加しているアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンであって、前記親インスリンは付加されたアシル部分を有さず、プロテアーゼによる分解に対する安定性を改善するための変異がなされていないインスリンである、請求項1から8の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  10. T1/2が、親インスリンに比較して少なくとも3倍に増加しているアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンであって、前記親インスリンは付加されたアシル部分を有さず、プロテアーゼによる分解に対する安定性を改善するための変異がなされていないインスリンである、請求項1から9の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  11. A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεヘプタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,B29K(Nεヘプタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン;及び
    A14E,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
    からなる群から選択されるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  12. A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B16H,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-γGlu),desB30ヒトインスリン;及び
    A14E,B16H,B25H,B29K(Nεヘキサデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
    からなる群から選択されるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  13. A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン;
    A14E,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリン;及び
    A14E,B25H,desB27,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリン
    からなる群から選択されるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  14. A14E,B25H,B29K(Nεオクタデカンジオイル−γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリンであるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  15. A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリンであるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  16. A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu-OEG-OEG),desB30ヒトインスリンであるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  17. A14E,B16H,B25H,B29K(Nεエイコサンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリンであるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  18. A14E,B25H,desB27,B29K(Nεオクタデカンジオイル-γGlu),desB30ヒトインスリンであるアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン。
  19. 請求項1から18の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリン及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む、薬学的組成物。
  20. 高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、又は1型糖尿病を治療又は予防するための医薬であって、請求項1から18の何れか一項に記載のアシル化されたプロテアーゼ安定化インスリンを含む医薬。
  21. 薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を更に含む、請求項20に記載の医薬。
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