JP5743902B2 - 整髪方法 - Google Patents

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Description

本発明は、整髪方法に関する。
髪型を整え、その髪型を一定の時間保持するには、求める性能や求める髪型など、目的に応じて毛髪化粧料を使い分けることになる。髪型を整え、その髪型を一定の時間保持するために用いる毛髪化粧料としては、大きく分けて、
1)皮膜形成性樹脂の皮膜により髪型を固定する毛髪化粧料、
2)粘着力により髪型を固定する毛髪化粧料、
3)毛髪への水の浸透・乾燥の過程で切断・再形成される水素結合により髪を形付けする毛髪化粧料
の3通りが知られている。
1)の皮膜形成性樹脂の皮膜により髪型を固定する毛髪化粧料として、エアゾール式毛髪化粧料が知られている(例えば特許文献1)。このタイプの毛髪化粧料は、一度作った髪型を丸一日維持するほどの固定力を有している。しかし、髪の表面に形成される皮膜は、強固ではあるが脆いため、ごわつく、一旦作った髪型に外力を加えると皮膜が破壊され髪型が崩れてしまう、一旦作った髪型の型を変更する(以下、「再整髪」というものとする)ができないといった問題があった。そのため、このタイプの毛髪化粧料による整髪は、例えばドライヤーで加熱しながら髪型を整えた後に、毛髪化粧料を適用することにより行われる。このタイプの毛髪化粧料の適用の際ないし適用の後には、髪型に外力を加えないように注意し、ドライヤーの適用も行わない。従って、毛髪化粧料の適用の際には髪の温度は室温程度に戻っている。
2)の粘着力により髪型を固定する毛髪化粧料として、皮膜形成性樹脂と可塑剤を併用することで粘着力を得るものが知られている(例えば特許文献2、3)。このタイプの毛髪化粧料は、再整髪が可能であるものの、髪型を固定する力を高めるとべたつき、べたつきを抑えると髪型を固定する力が不十分となるという問題があった。また、このタイプの毛髪化粧料では、一度作った髪型を丸一日維持するほどの固定力まで得ることは困難である。
ここで、再整髪の際には、毛髪化粧料が適用されている髪に手や道具が触れることになる。このタイプの毛髪化粧料は、固定力の程度の違いこそあれ、粘着力によって髪型を固定するものであるから、再整髪を行う手段である手や道具に対してべたつきが生じる。このため、ドライヤーで加熱をしながら整髪するような、べたつきの原因となる大がかりな再整髪は行わず、手直し程度に留めるのが普通である。
このように、ドライヤーで加熱しながら行う整髪は、1)、2)のようなタイプの毛髪化粧料が適用されていない状態の髪を対象とするのが一般的であった。
一方、3)の毛髪化粧料は、濡れた髪又は乾いた髪に適用した後に、ドライヤーで加熱しながら、又は冷風で乾かしながら整髪を行うものである。このタイプの毛髪化粧料の主目的は、クシやブラシの通りを良くすることにあり、これらの毛髪化粧料による髪の形付けは、前記1)や2)のタイプに比べてごく弱いものである。一部に皮膜形成樹脂が補助的に含まれているものも存在するが、皮膜形成樹脂が多い場合は、乾燥過程で皮膜化する際にその皮膜が手指、クシ、ブラシなどで破壊され、皮膜形成樹脂が少ない場合は、固定力自体が小さいため、いずれの場合においても作った髪型を丸一日維持するほどの固定力を得ることは困難である。
ところで、オルガノポリシロキサンは、多くの優れた特徴を有していることから、様々な形態のオルガノポリシロキサンが、シャンプー、ヘアコンディショナー等に感触向上剤等として多用されている。整髪用毛髪化粧料に適用可能なオルガノポリシロキサンとしては、例えば、特許文献4に、一定の伸長率の範囲で破断又は塑性変形を生じないポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンが、毛髪セット剤として開示されている。このオルガノポリシロキサンは、従来の皮膜形成樹脂に比べ、毛髪のセット能力及びその保持性に優れ、整髪後の毛髪に柔軟でゴワつき感のない良好な感触を付与でき、しかも洗髪により容易に洗い流すことができるという優れた性能を有する。しかし、このオルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料を用いても、一度作った髪型を丸一日維持できるほどの固定力は得られない。またこのオルガノポリシロキサンは、加熱によって物性がほとんど変化しないため、加熱しながら整髪する目的には向いていない。
また特許文献5に記載のポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンは、優れた伸張性を有し、しかも水や低級アルコールに対する溶解性・分散性に優れている。よって、これを含有する毛髪化粧料は、良好な感触と、外的要因(手指を髪に通す、風、振動等)に対してもヘアスタイルが崩れない柔軟さと、自然な仕上がりが得られるものである。しかし、このオルガノポリシロキサンは優れた伸張性を有するがゆえに、作った髪型を強固に固定することには向いていない。また、このオルガノポリシロキサンは加熱により物性は多少変化するものの、室温から220℃の間における物性は全般的にやわらかいものであるため、加熱しながら髪に形付けをしようとすると、道具に付着してしまい不具合が生じやすく、更に室温に戻っても強固に髪型を固定する程の性能は有していないため、加熱しながら整髪する目的には向いていない。
また特許文献6には、特定の分岐脂肪酸又はその塩と、特許文献5に記載のオルガノポリシロキサンとを含有する毛髪化粧料が記載されている。加えて、その毛髪化粧料を用いた毛髪改質方法として、その毛髪化粧料を毛髪に適用後、加熱することが記載されている。しかし、当該加熱はあくまで毛髪の滑らかさとその持続性といった毛髪の改質のために行われているのであり、髪型を整えるために加熱しているのではない。実際、前述のように、特許文献5に記載のオルガノポリシロキサンは加熱しながら整髪する目的には向いていない。
特開平2-180911号公報 特開2005-68134号公報 特開2009-23963号公報 特開平07-133352号公報 特開2009-24114号公報(特に実施例10、比較例2) 特開2009-149597号公報(実施例11、13、14)
本発明は、下記成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用し、毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却することにより、形付けした髪型を固定する整髪方法を提供するものである。
成分(A):主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
Figure 0005743902
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を示し、nは2又は3を示す。)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が1,200〜5,500であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が35/65〜60/40であり、
隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が1,300〜5,500であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が7,000〜100,000である、
オルガノポリシロキサン。
また本発明は、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
Figure 0005743902
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を示し、nは2又は3を示す。)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が1600〜3500であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が42/58〜58/42であり、
隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が1600〜3500であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が7,000〜100,000である、
オルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料を提供するものである。
本発明は、毛髪に柔軟な感触と自然な仕上がり感を与え、髪型を強固に固定し、外的要因(手指を髪に通す、風、振動等)に対してもヘアスタイルを崩すことなく、長時間維持することができ、また再整髪もできる、といった各種性能を全て満足させる整髪方法、及び当該整髪方法に好適に使用し得るオルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料に関する。
本発明者らは、前記特許文献4〜6に記載のオルガノポリシロキサンと同様の構造をもつオルガノポリシロキサンの中で特定範囲のものが、髪に柔軟な感触と自然な仕上がり感を与え、髪型を強固に固定し、外的要因(手指を髪に通す、風、振動等)に対してもヘアスタイルを崩すことなく長時間維持することができ、しかも水や低級アルコールに対する溶解性・分散性に優れる、といった優れた整髪ポリマーとしての性能を発現するとの知見を得た。
そして本発明者らは、上記オルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料を用い、かつ特定の使用方法をとることにより前記要求を全て満たすことができ、しかも毛髪化粧料は洗髪により容易に洗い流すことができることを見出した。
〔整髪方法〕
本発明の整髪方法は、まず成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用し、毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却することにより、形付けした髪型を固定することによるものである。
●毛髪化粧料の毛髪への適用
成分(A)を含有する毛髪化粧料の毛髪への適用(塗布)手段は、剤型の種類によって一様ではないが、通常、スプレー等の噴射、手による塗布及びその両者の組合せ等によればよい。
なお、成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用する前に、毛髪に水を適用すると、毛髪化粧料が髪全体に馴染みやすくなり、好ましい。
また、成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用した後、毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けする前に、毛髪を乾燥させると、形付けの工程が短時間で済み、結果的に整髪全体にかかる時間を短縮することができ、好ましい。毛髪化粧料適用後の乾燥は、自然乾燥、加熱等により行うことができる。
●毛髪温度50℃以上における形付け
毛髪温度を50℃以上に加熱するには、ヘアアイロン、ドライヤー、ヒーター、コテ、カーラー、ホットカーラー等を使用することができる。温度としては、50〜220℃、更には60〜200℃、更には80〜180℃が好ましい。
本発明において、毛髪を「形付けする」とは、毛髪自体の形状を変化させることをいう。具体的には、ストレートの髪にカールやウェーブをつけること、カールやウェーブがかかった髪をストレートにすること、カールやウェーブがかかった髪のカールやウェーブの程度を変化させることなどは「形付け」に含まれるが、髪にクシやブラシを単に通して乱れた髪型を整えることは、毛髪自体の形状は変化していないので、「形付け」には含まれない。「形付け」に用いる道具としては、ヘアアイロン、クシ付きドライヤー、コテ、カーラー、ホットカーラー、クシ、ブラシ等が挙げられる。
本発明において、「形付け」処理と加熱処理のタイミングは、同時であってもよいが、多少ずれてもよい。例えば、
・カーラーで形付けを先に行い、ドライヤーで加熱する。
・ドライヤーで加熱しながらくしで形付ける。
・ドライヤーで加熱した後、(温度が下がらないうちに)くしで形付ける。
・アイロンで加熱と形付けをほぼ同時に行う。
・ホットカーラーで加熱しながら形付ける。
のいずれの態様であってもよい。要は、形付けが毛髪温度50℃以上の状態で行われれば足りる。
また、成分(A)を含む毛髪化粧料を毛髪に適用するタイミングは、50℃以上で毛髪の形付けが行われる際に、この毛髪化粧料が毛髪に適用されていさえすればよく、特に限定されない。例えば、
・成分(A)を含む毛髪化粧料を適用した後、カーラー等で形付けを行い、(カーラー等を解放する前に)その後加熱する。
・カーラー等で形付けを行った後(カーラー等を解放する前に)、加熱した後、毛髪温度が50℃以上の状態で成分(A)を含む毛髪化粧料を適用する。
・カーラー等で形付けを行った後(カーラー等を解放する前に)、成分(A)を含む毛髪化粧料を適用し、50℃以上に加熱する。
のいずれであってもよい。しかし、整髪の行いやすさ、成分(A)を含む毛髪化粧料の髪への広げやすさの観点から、成分(A)を含む毛髪化粧料を適用した後に、形付けと加熱を行うことが好ましい。
●冷却
本発明において、「冷却」とは、意識して温度を下げる(例えば冷風をかける)ことのみならず、周囲の温度により自然に温度を下げることも含む概念である。
毛髪を形付けした後、いつ50℃未満に冷却するかは、毛髪を形付けする力を「解放する前」、「解放するのと同時」、「解放した後」のいずれであってもよい。例えば、
・形付けを行う力を解放することなく、50℃未満に冷却し、その後、形付けを行う力を解放する(カーラーによる処理など)。
・形付けを行う力を解放するのと同時に、50℃未満に冷却すること(例えば50℃に設定したアイロンでの巻き付けを解放すると、力の解放と50℃未満への冷却がほぼ同時に行われる)。
・形付けを行う力を解放した後、50℃未満に冷却すること(この場合には、解放後の時間経過が長すぎると、折角付与した形付けが崩れるおそれがあるので、解放後直ちに冷却することが好ましい。なお、例えばアイロンの設定温度が50℃よりも高温であればあるほど、また巻き付けた髪の束が太いほど、髪の巻き付けを解放してから50℃未満に冷却されるまでの時間は長くなるが、これらは形付けが崩れない限り、構わない。あるいは、形付けを行う力を解放した後も、わずかな時間、50℃以上に温度が保たれても構わない。)。
などのいずれの態様であってもよい。ここで「直ちに」とは、好ましくは30秒以内、より好ましくは15秒以内、より好ましくは5秒以内、より好ましくは3秒以内をいうものとする。
●再整髪
本発明の整髪方法に用いる成分(A)のオルガノポリシロキサンは、50℃以上に加熱すると柔らかくなり、冷却すればすぐに弾力性を取り戻すという特徴的な熱可塑性を有するため、一旦整髪した後であっても、簡単に何度でも再整髪することができる。このため、一度作った髪形が仮に失敗しても容易に修正することができ、慣れない人であっても簡単に満足できる髪型を得ることができる。この場合の再整髪は、本発明の整髪方法によって整髪した毛髪を、再度毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却して形付けすればよい。具体的な方法としては、前述の方法と同じである。この際、成分(A)を含む毛髪化粧料を毛髪に追加適用してもよいが、最初の整髪の際に、既に成分(A)を含む毛髪化粧料が適用されているため、追加適用しなくても再整髪することができる。
〔成分(A):オルガノポリシロキサン〕
本発明の整髪方法に用いる成分(A)のオルガノポリシロキサンは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して結合したものであり、50〜220℃といった毛髪でも耐えられる温度領域に加熱すると柔らかくなり、加熱をやめて室温に戻る過程で直ぐに弾力性を取り戻すという特徴的な熱可塑性を有する。
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントは、オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合することが可能であるが、両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましい。
ヘテロ原子を含むアルキレン基は、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの連結基として機能する。かかるアルキレン基としては、例えば、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が例示され、中でも下記式(i)〜(viii)のいずれかで表される基が好ましく、下記式(i)〜(iii)のいずれかで表される基がより好ましい。なお、式中、An-は4級アンモニウム塩の対イオンを示し、例えば、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオンが例示される。
Figure 0005743902
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントを構成するN-アシルアルキレンイミン単位において、一般式(1)中、R1における炭素数1〜22のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜22の直鎖、分岐状又は環状のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基等が例示される。中でも、水や低級アルコールに対する溶解性の高さの観点から、炭素数1〜10、更には炭素数1〜6、更には炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基が例示され、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が例示される。中でも、炭素数7〜14、更には炭素数7〜10のアラルキル基が好ましい。
アリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基が例示され、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が例示され、中でも、炭素数6〜12、更には炭素数6〜9のアリール基が好ましい。
これらの中でも、R1としては、炭素数1〜6、更には炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
オルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)は、35/65〜60/40であるが、溶媒への溶解性・分散性、整髪時の形付けのしやすさ、整髪後の毛髪の感触、整髪した髪を長時間保持するセット力をバランス良く兼ね備えることで、本発明の整髪方法に特に適したものとする観点から、好ましくは42/58〜58/42、より好ましくは45/55〜55/45、更に好ましくは47/53〜53/47である。
なお、本明細書において、質量比(a/b)は、本発明のオルガノポリシロキサンを重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H-NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
また、隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWg)(以下、「グラフト点間分子量」ということがある)は、1300〜5500であるが、好ましくは1600〜3500、より好ましくは1800〜3200、更に好ましくは2,000〜3,000である。
本明細書において、「隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(2)に示すように、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点α)から、これに隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点β)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR2SiO単位と、1つのR6と、y+1個の(R2)2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。また、「ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント」とは、上記R6に結合する−W−R7をいう。
Figure 0005743902
上記一般式(2)中、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜22のアルキル基又はフェニル基を示し、R6はヘテロ原子を含むアルキレン基を示し、−W−R7はポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、R7は重合開始剤の残基を示し、yは正の数を示す。
グラフト点間分子量MWgは、上記一般式(2)において破線で囲まれた部分の分子量であるが、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N-アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量(MWox)は、N-アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度から算出するか、又は後述するゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)測定法により測定することができるが、本発明においてはGPC測定法により測定される数平均分子量をいうものとする。成分(A)のMWoxは、1,200〜5,500であるが、好ましくは1,600〜3,500、より好ましくは1,800〜3,200、更に好ましくは2,000〜3,000である。これにより、50℃以上で十分軟化して、毛髪の形付けに適した状態となり、しかも50℃未満、好ましくは常温において、髪型を維持するに十分な硬さと良好な感触とを共に有するものとなる。
また、グラフト点間分子量MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(Csi)を用いて下記式(I)により求めることができる。
Figure 0005743902
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)は7,000〜100,000であるが、水等の極性溶媒への溶解性と溶解後の取り扱いやすさの観点から、好ましくは10,000〜80,000、より好ましくは20,000〜60,000、更に好ましくは30,000〜50,000である。MWsiは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの平均分子量は、下記測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
カラム:Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー株式会社製)
溶離液:1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:UV
サンプル:50μL
成分(A)のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWt)は、好ましくは7000〜100000、より好ましくは20000〜60000、更に好ましくは30000〜50000である。これにより、毛髪へ良好な感触を付与することができ、加えて水等の極性溶媒に対する溶解性が優れるようになる。また、セット性及びセット持続性の両スタイリング性をより一層向上させることができる。本発明において、MWtは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と、上述の質量比(a/b)とから求めることができる。
次に、本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法について説明する。
本発明のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(3)
Figure 0005743902
〔式中、R2は前記と同義であり、R3及びR4はそれぞれR2と同一の基を示すか、又は下記式(ix)〜(xiv)
Figure 0005743902
のいずれかで表される1価の基を示し、R5は上記式(ix)〜(xiv)で表される1価の基を示し、dは89〜1332の整数を示し、eは2〜77の整数を示す。〕
で表される変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(4)
Figure 0005743902
〔式中、R1及びnは前記と同義である。〕
で表される環状イミノエーテル(以下「環状イミノエーテル(4)」とする)を開環重合して得られる末端反応性ポリ(N-アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより製造される。
変性オルガノポリシロキサン(3)としては、官能基当量が好ましくは1,700〜3,500、より好ましくは1,800〜3,200、更に好ましくは2,000〜3,000であり、かつ重量平均分子量が好ましくは7,000〜100,000、より好ましくは10,000〜80,000、更に好ましくは30,000〜50,000であるものを使用するのが望ましい。原料である変性オルガノポリシロキサン(3)の上記重量平均分子量は、前述の主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)と略同一となる。
また、末端反応性ポリ(N-アシルアルキレンイミン)は、分子量を好ましくは1,200〜5,500、好ましくは1,600〜3,500、より好ましくは1,800〜3,200、更に好ましくは2,000〜3,000に調整することが望ましい。これは前述のポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量(MWox)と略同一となる。
環状イミノエーテル(4)の開環重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、求電子反応性の強い化合物、例えば、ベンゼンスルホン酸アルキルエステル、p-トルエンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロ酢酸アルキルエステル、硫酸ジアルキルエステル等の強酸のアルキルエステルを使用することができ、中でも硫酸ジアルキルが好適に使用される。重合開始剤の使用量は、通常、環状イミノエーテル(4)の2〜100モルに対して、重合開始剤1モルである。
重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等の非プロトン性極性溶媒を使用することができ、中でも酢酸エステル類が好適に使用される。溶媒の使用量は、通常、環状イミノエーテル(4)の100質量部に対して20〜2,000質量部である。
重合温度は通常30〜170℃、好ましくは40〜150℃であり、重合時間は重合温度等により一様ではないが、通常1〜60時間である。
環状イミノエーテル(4)として、例えば、2-置換-2-オキサゾリンを用いれば、前記一般式(1)において、n=2のポリ(N-アシルエチレンイミン)が得られ、2-置換-ジヒドロ-2-オキサジンを用いれば、上記一般式(1)において、n=3のポリ(N-アシルプロピレンイミン)が得られる。
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)と、オルガノポリシロキサンセグメントとの連結方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
1)環状イミノエーテルをリビング重合して得られる末端反応性ポリ(N-アシルアルキレンイミン)に、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンを反応させる方法
2)カルボキシ基と水酸基との縮合によるエステルの形成反応
3)カルボキシ基とアミノ基との縮合によるアミドの形成反応
4)ハロゲン化アルキル基と、1級、2級又は3級アミノ基との2級、3級又は4級アンモニウムの形成反応
5)Si−H基を有するオルガノポリシロキサンへのビニル基の付加反応
6)エポキシ基とアミノ基とのβ-ヒドロキシアミン形成反応
中でも、上記1)の方法は、下記に示す理論式(II)のように、環状イミノエーテル(4)と重合開始剤の使用量で重合度を容易に制御でき、しかも通常のラジカル重合よりも分子量分布の狭い略単分散のポリ(N-アシルアルキレンイミン)が得られる点で最も有効である。
Figure 0005743902
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、所定の分子量を有するオルガノポリシロキサンセグメントの少なくとも2つのケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介してポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが所定間隔で、かつ所定の割合で結合した特有の構造を備えている。これにより、50℃以上で適度に軟化すると共に、50℃未満、好ましくは常温付近で髪型を長時間保持するセット力を有し、良好な感触、外力を受けても崩れない自然な仕上がりの得られる、本発明の整髪方法に使用する上で好適な物性を備えたものとなる。しかも水や低級アルコール等の極性溶媒に溶解することができる。
成分(A)のオルガノポリシロキサンの好ましい例としては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等が挙げられる。
〔毛髪化粧料〕
本発明で用いる毛髪化粧料は、上記した成分(A)のオルガノポリシロキサンを含有する。これにより、柔軟な感触と、手指を髪に通してもヘアスタイルが崩れないセット特性と、より自然な仕上がりが得られる。
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、毛髪のセット性、セットの持続性、洗髪による洗浄性の観点から、毛髪化粧料の全質量基準で、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.05〜30質量%、更に好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。また、かかる含有量とすることで、後述する有機溶剤と、有機酸又はその塩を併用した場合に、有機酸と有機溶剤による毛髪改質効果(まとまり向上等)を妨げることなく、セット性及びセット持続性の両スタイリング性をより一層向上させることができる。
また、本発明の毛髪化粧料は、更に、次の(b1)〜(b5)から選ばれる有機溶剤(以下、「成分(B)」という)を好ましい成分として含有することができる。
(b1) 一般式(5)で表される化合物
Figure 0005743902
〔式中、R8は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は基R9−Ph−R10−(R9;水素原子、メチル基又はメトキシ基,R10;結合手又は炭素数1〜3の飽和若しくは不飽和の二価の炭化水素基,Ph;パラフェニレン基)を示し、Aは結合手又は炭素数1〜4の二価の飽和炭化水素基を示し、Y及びZはそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、Zは水酸基であり、またR8は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基及び基R9−Ph−のいずれでもない。〕
(b2) 窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基又はアルケニル基が結合したN-アルキルピロリドン又はN-アルケニルピロリドン
(b3) 炭素数2〜4のアルキレンカーボネート
(b4) 数平均分子量100〜1,000のポリプロピレングリコール
(b5) 一般式(6)、(7)又は(8)で表されるラクトン又は環状ケトン
Figure 0005743902
〔式中、Xはメチレン基又は酸素原子を示し、R11及びR12は相異なる置換基を示し、a及びbはそれぞれ独立に0又は1を示す。〕
成分(B)である有機溶剤のうち、(b1)としては、ブタノール、イソブタノール等のC4〜C6の直鎖又は分岐の脂肪族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p-アニシルアルコール、p-メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
(b2)としては、N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、N-ラウリルピロリドン等が挙げられる。
(b3)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
(b4)の数平均分子量100〜1,000のポリプロピレングリコールとしては、数平均分子量300〜500のものが好ましい。ここで、数平均分子量とは、GPCにより測定されるポリスチレン換算の数平均分子量をいう。
(b5)において、一般式(6)〜(8)中のR11及びR12としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基、フェニル基、スルホアルキル基、リン酸アルキル基、カルボキシアルキル基等が好ましく、中でも炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましい。これらの基は、γ-ラクトンの場合にはγ位、δ-ラクトンの場合にはδ位(すなわちヘテロ酸素原子の隣接メチレン)に置換していることが好ましい。また、化合物(6)〜(8)の水溶性を増大させたい場合には、R11又はR12としてスルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基等の酸性基やこれらが置換したアルキル基を有するのが好ましい。(b5)のうち、ラクトンとしては、γ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、δ-カプロラクトン、δ-ヘプタノラクトン等が挙げられるが、ラクトンの安定性の点から、γ−ラクトン、特にγ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトンが好ましい。(b5)のうち、環状ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4-メチルシクロヘプタノン等が挙げられる。
また、本発明で用いる成分(B)は、25℃で液体であることが好ましく、またClogPが−2〜3であることが好ましく、浸透促進の点から、−1〜2であることがより好ましい。ここで、ClogPとは、オクタノール相と水相の間での物質の分配を表す尺度である、下記式(III)で定義されるオクタノール-水-分配係数(logP)の計算値をいい、ケミカルレビューズ,71巻,6号(1971)にその例が記載されている。
logP=log([物質]Octanol/[物質]Water) (III)
〔式中、[物質]Octanolは1−オクタノール相中の物質のモル濃度を、[物質]Waterは水相中の物質のモル濃度を示す。〕
主な成分(B)のClogPを具体的に示すと、ジプロピレングリコール(-0.67)、1,3-ブタンジオール(-0.29)、ベンジルアルコール(1.1)、2-ベンジルオキシエタノール(1.2)、2-フェニルエタノール(1.2)、1-フェノキシ-2-プロパノール(1.1)、ポリプロピレングリコール400(0.9)、プロピレンカーボネート(-0.41)、γ-ブチロラクトン(-0.64)である。これら成分(B)のうち、ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノールが好ましい。
成分(B)は、2種以上を併用してもよく、またその合計含有量は、洗髪後のハリ・コシ向上効果、毛髪の柔らかさやまとまり性改善効果、改質効果の促進(弾性の向上、耐湿性の向上等)のほか、成分(A)と相溶することで毛髪のセット性を向上させる点から、毛髪化粧料中の0.1〜40質量%が好ましく、更には0.5〜10質量%、特に1〜5質量%が好ましい。
また、本発明で使用する毛髪化粧料においては、毛髪のセット性、使用感の良さ、毛髪化粧料を調製する際の溶解促進の観点から、溶媒として水、C1〜C3の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和アルコールを含有させることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、水、エタノール、イソプロパノールが好ましく、水、エタノールが特に好ましい。水及びC1〜C3のアルコールの合計含有量は、毛髪化粧料の全質量基準で、好ましくは0.1〜98質量%、更に好ましくは1〜90質量%、特に好ましくは5〜60質量%である。
また、本発明で使用する毛髪化粧料には、成分(B)とともに、ヒドロキシ基を有していてもよい有機カルボン酸又はその塩(以下、「成分(C)」という)を含有させることができる。この場合、特に好ましい成分(B)としては、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、プロピレンカーボネート及びポリプロピレングリコール(数平均分子量300〜500、特に400)が挙げられる。
成分(C)の有機カルボン酸としては、炭素数2〜8のものが好ましく、具体的には、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。中でも、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸が好ましく、とりわけ乳酸、リンゴ酸が好ましい。これら有機カルボン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、有機アミン化合物との塩が挙げられる。
これら成分(C)は2種以上を併用してもよく、その合計含有量は、毛髪の内部改質(空洞補修など)効果、洗髪後のハリ・コシ向上効果、毛髪の柔らかさやまとまり性改善効果のほか、成分(A)と相溶することで毛髪のセット性を向上させる点から、毛髪化粧料中の0.1〜30質量%が好ましく、更には0.5〜20質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。
成分(C)の有機カルボン酸又はその塩と、成分(B)の有機溶剤との質量比は、毛髪の内部改質(空洞補修など)効果、洗髪後のハリ・コシ向上効果、毛髪の柔らかさやまとまり性改善効果などを効果的に発現させるために、(C):(B)=10:1〜1:7、特に4:1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また、本発明で使用する毛髪化粧料に(D)セットポリマーを含有させれば、セット保持力が更に向上し、かつ毛髪のすべり感触が良好になる。
成分(D)のセットポリマーとしては、下記1)〜8)に示すものが挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1)ビニルピロリドン系ポリマー
ポリビニルピロリドン
市販品として、ルビスコールK12、K30(以上BASF社製)、PVP K15、K30(以上GAF社製)等が挙げられる。
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
市販品として、ルビスコールVA28、VA73(以上BASF社製)、PVP/VA E-735,S-630(以上GAF社製)等が挙げられる。
ビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル三元共重合体
市販品として、ルビスコールVAP343(BASF社製)等が挙げられる。
ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体
市販品として、ルビフレックス(BASF社製)、コポリマー845、937、958(以上GAF社製)等が挙げられる。
ビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体
市販品として、ルビフレックスVBM35(BASF社製)等が挙げられる。
ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体
市販品として、コポリマーVC-713(GAF社製)等が挙げられる。
2)酸性ビニルエーテル系ポリマー
メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体
市販品として、ガントレッツES-225、ES-425、SP-215(以上GAF社製)等が挙げられる。
3)酸性ポリ酢酸ビニル系ポリマー
酢酸ビニル/クロトン酸共重合体
市販品として、レジン28-1310(ナショナル・スターチ社製)、ルビセットCA66(BASF社製)等が挙げられる。
酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体
市販品として、レジン28-2930(ナショナル・スターチ社製)等が挙げられる。
酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体
市販品として、ルビセットCAP(BASF社製)等が挙げられる。
4)酸性アクリル系ポリマー
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体
市販品として、プラスサイズL53P(互応化学(株)製)、ダイヤホールド(三菱油化(株)製)等が挙げられる。
アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体
市販品として、ウルトラホールド8(BASF社製)、アンフォマーV-42(ナショナル・スターチ社製)等が挙げられる。
5)両性アクリル系ポリマー
(メタ)アクリルエチルベタイン/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体
例えば、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタインと、(メタ)クリル酸アルキルエステルとの共重合体等が例示され、市販品としてはユカフォーマーM-75、SM(以上三菱油化(株)製)等が挙げられる。
アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体
例えば、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー等が例示され、市販品として、アンフォーマー28-4910(ナショナル・スターチ社製)等が挙げられる。
6)塩基性アクリル系ポリマー
アクリルアミド・アクリルエステル系共重合体
例えば、特開平2-180911号公報、特開平8-291206号公報の実施例に記載されているもの等が挙げられる。
7)セルロース誘導体
カチオン性セルロース誘導体
市販品として、セルコートH-100、L-200(ナショナル・スターチ社製)等が挙げられる。
8)キチン・キトサン誘導体
ヒドロキシプロピルキトサン
市販品として、キトフィルマー(一丸ファルコス社製)等が挙げられる。
カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン、キトサンとピロリドンカルボン酸、乳酸、グリコール酸等の一価酸又はアジピン酸、コハク酸等の二価酸との塩
市販品として、カイトマーPC(ピロリドンカルボン酸塩)、カイトマーL(乳酸塩)(以上、ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
これらのセットポリマーの中で、アクリル系ポリマー及びビニルピロリドン系ポリマーから選ばれるセットポリマーが特に好ましい。セットポリマーの含有量は、毛髪化粧料の全質量基準で、好ましくは0.05〜20質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%である。
本発明で使用する毛髪化粧料には、コンディショニング効果の更なる向上のため、油剤及び成分(A)のオルガノポリシロキサン以外のシリコーン類から選ばれるコンディショニング成分を含有させることができる。
油剤は、乾燥後の毛髪まとまり感向上のために使用される。油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、流動バラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、カルナウバロウ等のロウ類;セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類;コレステロール、ワセリン、コレステリルイソステアレート、スフィンゴ脂質等の固体脂;その他、ホホバ油、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらの中で、スクワレン、スクワラン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー等の分岐炭化水素類が特に好ましい。
油剤の含有量は、まとまりの良さや、べたつき感のなさの点から、毛髪化粧料中の0.05〜20質量%が好ましく、更には0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が例示される。中でも、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。
ジメチルポリシロキサンは、毛髪に良好な潤滑性を付与することができ、ポリエーテル変性シリコーンは、毛髪に滑らかさを付与することができ、アミノ変性シリコーンは、毛髪にしっとり感を付与することができる。本発明においては、求める性能に応じて、各種のシリコーン類を単独で又は2種以上を使用することができる。ジメチルポリシロキサンとしては、求める感触に応じて5mm2/s程度の粘度のものから、エマルションとして供給される場合が多い1,000万mm2/s程度の粘度のものまで使用できるが、5,000〜1,000万mm2/s、特に5万〜1,000万mm2/sのものが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンは、ポリオキシアルキレン基を有するシリコーン類であればよく、ポリオキシアルキレン基を構成する基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基を挙げることができる。より具体的には、例えば、KF-6015、KF-945A、KF-6005、KF-6009、KF-6013、KF-6019、KF-6029、KF-6017、KF-6043、KF-353A、KF-354A、KF-355A(以上、信越化学工業社)、FZ-2404、SS-2805、FZ-2411、FZ-2412、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、SH3749、SS-280Xシリーズ、BY22-008M、BY11-030、BY25-337(以上、東レ・ダウコーニング社)等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては、平均分子量が約3,000〜10万の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国、Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載されているものが好ましい。市販品としては、SM 8704C(東レ・ダウコーニング社)、DC 929(ダウ・コーニング社)、KT 1989(GE東芝シリコーン社)、8500Conditioning Agent、DOW CORNING TORAY SS-3588、DOW CORNING TORAY SILSTYLE 104(東レ・ダウコーニング社)等が挙げられる。
シリコーン類の含有量は、指通り性や、べたつき感のなさの点から、本発明の毛髪化粧料中の0.05〜20質量%が好ましく、更には0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
本発明で使用する毛髪化粧料には、溶剤の可溶化、分散性等を含めた系の安定性、及び感触向上の点から、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤のいずれをも使用できる。
カチオン界面活性剤としては、次の一般式(9)で表される第4級アンモニウム塩が挙げられる。
Figure 0005743902
〔式中、R13及びR14は各々独立して水素原子、炭素数1〜28のアルキル基又はベンジル基を示し、同時に水素原子、ベンジル基若しくは炭素数1〜3の低級アルキル基又はこれらの組み合わせとなる場合を除く。An-は4級アンモニウム塩の対イオンを示す。〕
ここでR13及びR14は、その一方が炭素数16〜24、更には22のアルキル基、特に直鎖アルキル基であるのが好ましく、また他方は炭素数1〜3の低級アルキル基、特にメチル基であるのが好ましい。An-としては、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオンが例示される。
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルベンザルコニウム等が挙げられ、特に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが特に好ましい。
両性界面活性剤としてはイミダゾリン系、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系等が挙げられる。中でも、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤が好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。上記界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。またカチオン性残基の対イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、メトサルフェートイオン、サッカリネートイオンを挙げることができる。
これらのうち、感触の点から、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤の可溶化、油剤の乳化等を含めた系の安定性の点から、その含有量は、毛髪化粧料中の0.01〜10質量%、特に0.05〜5質量%が好ましい。
更に、本発明で使用する毛髪化粧料には、成分(B)以外の多価アルコールを含有させることができる。多価アルコールは、成分(B)の可溶化、安定分散に寄与し、また、成分(B)と相乗的に働き、ツヤや毛髪の改質効果の向上を促進する。多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどが挙げられ、特にグリセリンが好ましい。多価アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、またその含有量は、毛髪化粧料中の0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
本発明で使用する毛髪化粧料には、上記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的、用途、剤型等に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば、ジンクピリチオン、オクトピロックス等の抗フケ剤;ビタミン剤;トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤;グリチルリチン酸ジカリウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;メチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、粘土鉱物等の粘度調整剤;有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤;植物エキス類;パール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる。
本発明で使用する毛髪化粧料は、常法に従い各種剤型に調製することができ、例えば、ミスト、ローション、トニック等の液状組成物だけなく、ゲル状、ペースト状、クリーム状、ワックス状等の半固形状組成物とすることができる。
また、本発明の毛髪化粧料は、噴射剤を含有させてエアゾール型毛髪化粧料としてもよい。噴射剤としては、通常エアゾール型化粧料に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロパン、ブタン又はそれらの混合物(液化石油ガスを含む)等の低級飽和炭化水素、ジメチルエーテル等のエーテル類、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。噴射剤の含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜50質量%が好ましく、特に5〜20質量%が好ましい。
さらに、本発明の毛髪化粧料は、成分(A)のオルガノポリシロキサンを含有する組成物を泡吐出容器に充填することにより、ノンエアゾール型毛髪化粧料とすることができる。泡吐出容器としては、組成物を空気と混合し、泡状態として吐出させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、軟質容器の胴部を手指で押圧することにより使用するスクイズフォーマー、ポンプ機構を備えたキャップの頭を手指で押圧することにより使用されるポンプフォーマー、トリガータイプ等が挙げられる。
スクイズフォーマーとしては、実公昭62-042785号公報、実公昭62-042786号公報、実公昭62-042787号公報に記載のもの、またそれに準ずるものが挙げられ、また、ポンプフォーマーとしては特開平7-315463号公報、特開平08-230961号公報等に記載のもの、またそれに準ずるものが挙げられる。これらの容器は、より泡質を向上させる目的で、吐出部に網体を装着させる場合が多く、その中でも100〜300メッシュの網体を1枚ないし2枚装着させたものが好ましい。
このような毛髪化粧料は、ヘアスタイリング剤、ヘアコンディショニング剤等として用いるのが好ましく、その剤型としては、ポンプスプレー、エアゾールスプレー、ポンプフォーム、エアゾールフォーム、ジェル、ローション、ミスト、クリーム等が好ましい。中でも、ポンプスプレー、ポンプフォーム、エアゾールフォームが好ましい。
合成例1:オルガノポリシロキサンA
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン93.8g(0.947モル)を脱水した酢酸エチル203gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2500であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(190g、収率95%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は50質量%、重量平均分子量は60000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例2:オルガノポリシロキサンB
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン106.6g(1.075モル)を脱水した酢酸エチル229gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2800であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(200g、収率94%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は47質量%、重量平均分子量は64000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例3:オルガノポリシロキサンC
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン75.7g(0.763モル)を脱水した酢酸エチル166gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2000であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(169g、収率93%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は55質量%、重量平均分子量は55000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例4:オルガノポリシロキサンD
硫酸ジエチル3.08g(0.02モル)と2-エチル-2-オキサゾリン96.9g(0.978モル)を脱水した酢酸エチル203gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、5000であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量40000、アミン当量3800)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(188g、収率94%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は50質量%、重量平均分子量は80000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約24モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例5:オルガノポリシロキサンE
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン116.1g(1.171モル)を脱水した酢酸エチル248gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、3000であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(204g、収率92%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は45質量%、重量平均分子量は67000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例6:オルガノポリシロキサンF
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン102.2g(1.031モル)を脱水した酢酸エチル220gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2700であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(194g、収率93%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は48質量%、重量平均分子量は63000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例7:オルガノポリシロキサンG
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン86.1g(0.869モル)を脱水した酢酸エチル187gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2300であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(179g、収率93%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は52質量%、重量平均分子量は58000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例8:オルガノポリシロキサンH
硫酸ジエチル12.78g(0.0829モル)と2-エチル-2-オキサゾリン246.6g(2.488モル)を脱水した酢酸エチル519gに溶解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、3100であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2010)166.7gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(422g、収率99%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は39.4質量%、重量平均分子量は108000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、アミノ基は残存していないことがわかった。
合成例9:オルガノポリシロキサンI
硫酸ジエチル5.92g(0.038モル)と2-エチル-2-オキサゾリン60.7g(0.613モル)を脱水した酢酸エチル135gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、1700であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量1980)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(158g、収率95%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は60質量%、重量平均分子量は50000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約24モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例10:オルガノポリシロキサンJ
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン50.1g(0.505モル)を脱水した酢酸エチル114gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、1400であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量32000、アミン当量1900)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状半固体(152g、収率97%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は64質量%、重量平均分子量は50000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約24モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例11:オルガノポリシロキサンK
硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン34.7g(0.35モル)を脱水した酢酸エチル83gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、1000であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30000、アミン当量2000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状半固体(141g、収率97%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は71質量%、重量平均分子量は42000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。
合成例12:オルガノポリシロキサンL
硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)と2-エチル-2-オキサゾリン12.9g(0.13モル)を脱水した酢酸エチル28gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2700であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を無色固体(108g、収率95%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は88質量%、重量平均分子量は114000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果アミノ基は残存していないことがわかった。
合成例1〜12で得られたオルガノポリシロキサンA〜Lの詳細について、表1にまとめて示す。
Figure 0005743902
実施例1〜52・比較例1〜4
表2〜6に示す毛髪化粧料を調製し、下記方法に従ってその評価を行った。この結果を各表中に併せて示す。なお、環境を明記していない部分については、室温(25℃)、相対湿度40%の環境で操作を行うものとする。
●毛髪処理条件1(アイロンを用いたくせづけ性評価のための処理)
長さ30cm、重さ6gのバージン毛(ヘアカラー、ブリーチ等の化学処理を行っていない日本人女性毛)の毛束を評価に用いた。
この毛束に霧吹きの水0.6gを塗布後、各サンプルを0.2g塗布し、DELRIN社製リングコームで表裏5回くしを通した。次いで毛束をドライヤーで完全に乾燥させた後、5名の専門パネラーに、温度を150℃に設定した株式会社クロイツ製アイロン(型番:J72010M)に髪を巻きつけてもらい、10秒間保持し、その後、アイロンを外してもらった。外した後は、室温環境下に置かれるので、毛束の温度もほどなく室温となる。
この一連の処理が完了した後、以下の基準に従って官能評価及び総合評価を行った。各評価は5名の専門パネラー評価の平均値を示した。
<評価基準>
・アイロンでのくせづけしやすさ
毛束処理条件1において、髪をアイロンに巻く際の巻きやすさについて、以下の判定基準により目視評価した。
5:とても良い
4:良い
3:ふつう
2:悪い
1:とても悪い
・ヘアスタイルの仕上がり
毛束処理条件1において、アイロンを外した後の毛束についたくせの度合いについて、同様の判定基準により目視評価した。
・感触(ごわつきのなさ)
毛髪処理条件1において、形付けした部分を手で握ったときの感触(ごわつきのなさ)について、前述と同様の判定基準により官能評価した。
・経時の持ち
温度30℃、相対湿度80%の環境下で、毛髪処理条件1において一連の処理が完了した後の毛束を吊るして放置した。15分間放置した時、放置の前後で形付けした部分の変化の度合いを目視で評価した(毛髪の形状保持に強く関係する水素結合は、空気中の水分量が多い場合は速やかにその結合が緩和するために、温度30℃、相対湿度80%の環境における15分間放置は25℃、相対湿度40%の環境の12時間放置に相当する)。
5:変化なし
4:ほとんど変化なし
3:少し変化あり
2:変化あり
1:すごく変化あり
・再度のくせづけしやすさ
毛髪処理条件1において一連の処理が完了した後の毛束を、温度を150℃に設定した株式会社クロイツ製アイロン(型番:J72010M)に再び巻きつけ、10秒間保持した。処理時のくせのつけやすさについて、以下の判定基準により目視評価した。
5:とても良い
4:良い
3:ふつう
2:悪い
1:とても悪い
・総合評価
毛髪処理条件1における、アイロンでのくせづけしやすさ、ヘアスタイルの仕上がり、感触(ごわつきのなさ)、経時の持ち、再度くせづけしやすさの総合的評価について、以下の判定基準により評価した。
5:とても良い
4:良い
3:普通
2:悪い
1:とても悪い
・外力に対するセット持続性(くし通し3回後)
毛束処理条件1においてくせづけされた毛束を、市販のくし歯間隔5mmのくし(Y. S. PARK Professional製、片細鬼歯)を用いて3回くし通しを行い、くし通し前後の毛束の形の変化について、以下の判定基準により目視評価した。
5:変化なし
4:ほとんど変化なし
3:少し変化あり
2:変化あり
1:すごく変化あり
・感触(ハリコシ感)
毛束処理条件1においてくせづけされた毛束を手で握ったときの感触(ハリコシ感)について、以下の判定基準により官能評価した。
5:ハリコシを感じる
4:ややハリコシを感じる
3:どちらともいえない
2:あまりハリコシを感じない
1:ハリコシを感じない
・まとまり性
毛束処理条件1においてくせづけされた毛束のまとまり性について、以下の判定基準により目視評価した。
5:まとまっている
4:ややまとまっている
3:どちらともいえない
2:あまりまとまっていない
1:まとまっていない
・感触(すべり感)
毛束処理条件1においてくせづけされた毛束の手で触ったときの感触(すべり感)について、以下の判定基準により官能評価した。
5:すべりが良い
4:ややすべりが良い
3:どちらともいえない
2:あまり滑りが良くない
1:すべりが良くない
●毛束処理条件2(アイロンを用いず自然乾燥する場合の処理)
長さ35cm、重さ6gのコーカシアンクセ毛(ヘアカラー、ブリーチ等の化学処理を行っていないドイツ人カーリー毛)の毛束を評価に用いた。
この毛束を、以下に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した後、タオルで余分な水分を拭き取り、毛束が湿った状態で各サンプルを手で0.5g塗布し、塗布した剤を手指で均一に馴染ませると同時に手指で毛流れを整えた。次いでこの毛束を室温で3時間自然乾燥した。
この一連の処理が完了した後、以下の基準に従って官能評価を行った。評価は5名の専門パネラーにより行い、評価の平均値を示した。
モデルシャンプーの組成
(質量%)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 62.00
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.10
安息香酸ナトリウム 0.50
オキシベンゾン 0.03
リン酸(75%水溶液) 0.10
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.80
赤色106号 0.00012
香料 0.26
精製水 バランス
<評価基準>
・自然乾燥したときのセット性
毛束処理条件2で処理された毛束のカールの位相が揃っている度合いを以下の判定基準により目視評価した。
5:揃っている
4:やや揃っている
3:どちらともいえない
2:やや乱れている
1:乱れている
・自然乾燥したときのヘアスタイル持続性
毛束処理条件2で処理された毛束を、温度30℃、湿度80%の環境下で15分間放置したとき、放置の前後での毛束の形状変化の度合いを目視で評価した。
5:変化なし
4:ほとんど変化なし
3:少し変化あり
2:変化あり
1:大きな変化あり
Figure 0005743902
Figure 0005743902
Figure 0005743902
Figure 0005743902
Figure 0005743902
実施例53〜58・比較例5〜8
表7に示す毛髪化粧料を調製し、毛髪処理条件1においてそれぞれ一部の処理を変更して評価を行った。評価基準は前記のとおりである。この結果を表7に併せて示す。
・実施例53:霧吹きの水なし。
・実施例54:ドライヤー乾燥なし。
・実施例55:霧吹きの水、ドライヤー乾燥共になし。
・実施例56:髪を加熱後、50℃以上の状態でサンプルを塗布し、アイロンに毛髪を巻きつける。
・実施例57:アイロンの代わりにカーラーに巻きつけてドライヤーで加熱する(髪の表面温度は80℃。以下ドライヤーによる加熱は全て同じ。)。室温まで冷却した後、カーラーを外す。
・実施例58:アイロンの代わりに、ドライヤーで加熱しながらくしで形づける。形づけが完了してくしを外したら、ただちにドライヤーの加熱をやめる。
・比較例5:ドライヤー乾燥は行うが、アイロン処理以降の処理なし。
・比較例6:ドライヤー乾燥の後、いったん室温に冷却する。その後加熱せずにくし・ブラシ等で形付けを行う。
・比較例7:ドライヤー乾燥の後、いったん室温に冷却する。その後加熱せずにくし・ブラシ等で形付けを行い、その後50℃以上に加熱する。
・比較例8:ドライヤー乾燥の後、同様にアイロン処理するが、髪の温度が40℃となるようにする。
Figure 0005743902

Claims (17)

  1. 下記成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用し、毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却することにより、形付けした髪型を固定する整髪方法。
    成分(A):主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
    Figure 0005743902
    (式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3を示す。)
    で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
    ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が1,200〜5,500であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が35/65〜60/40であり、
    隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が1,300〜5,500であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が7,000〜100,000である、
    オルガノポリシロキサン。
  2. 成分(A)におけるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントがヘテロ原子を含むアルキレン基を介して結合するケイ素原子の1以上が、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの両末端以外のケイ素原子である請求項1記載の整髪方法。
  3. 一般式(1)中のR1が、炭素数1〜3のアルキル基である請求項1又は2記載の整髪方法。
  4. 毛髪を形付けした後における50℃未満への冷却のタイミングが、毛髪を形付けする力を「解放する前」、「解放するのと同時」及び「解放した後」のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の整髪方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの整髪方法によって整髪した毛髪を、再度毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けした後、毛髪の温度を50℃未満に冷却して形付けした髪型を固定する整髪方法。
  6. 成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用する前に、毛髪に水を適用する請求項1〜5のいずれかに記載の整髪方法。
  7. 成分(A)を含有する毛髪化粧料を毛髪に適用した後、毛髪温度50℃以上において毛髪を形付けする前に、毛髪を乾燥させる請求項1〜6のいずれかに記載の整髪方法。
  8. 下記成分(A)を含有する毛髪化粧料。
    成分(A):主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
    Figure 0005743902
    (式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を示し、nは2又は3を示す。)
    で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
    ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が1600〜3500であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が42/58〜58/42であり、
    隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が1600〜3500であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が7,000〜100,000である、
    オルガノポリシロキサン。
  9. 更に下記成分(B)及び(C)を含有する請求項8記載の毛髪化粧料。
    成分(B):次の(b1)〜(b5)から選ばれる有機溶剤
    (b1) 一般式(5)で表される化合物
    Figure 0005743902
    〔式中、R8は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は基R9−Ph−R10−(R9;水素原子、メチル基又はメトキシ基,R10;結合手又は炭素数1〜3の飽和若しくは不飽和の二価の炭化水素基,Ph;パラフェニレン基)を示し、Aは結合手又は炭素数1〜4の二価の飽和炭化水素基を示し、Y及びZはそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、Zは水酸基であり、またR8は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基及び基R9−Ph−のいずれでもない。〕
    (b2) 窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基又はアルケニル基が結合したN-アルキルピロリドン又はN-アルケニルピロリドン
    (b3) 炭素数2〜4のアルキレンカーボネート
    (b4) 数平均分子量100〜1,000のポリプロピレングリコール
    (b5) 一般式(6)、(7)又は(8)で表されるラクトン又は環状ケトン
    Figure 0005743902
    〔式中、Xはメチレン基又は酸素原子を示し、R11及びR12は相異なる置換基を示し、a及びbはそれぞれ独立に0又は1を示す。〕
    成分(C):ヒドロキシ基を有していてもよい有機カルボン酸又はその塩
  10. 成分(B)がベンジルアルコール又は2-ベンジルオキシエタノールである請求項9記載の毛髪化粧料。
  11. 成分(C)が乳酸、リンゴ酸又はこれらの塩である請求項9記載の毛髪化粧料。
  12. 成分(B)の含有量が0.1〜40質量%、成分(C)の含有量が0.1〜30質量%である請求項9〜11のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  13. 更に下記成分(D)を含有する請求項8〜12のいずれかに記載の毛髪化粧料。
    成分(D):セットポリマー
  14. 成分(D)がアクリル系ポリマー及びビニルピロリドン系ポリマーから選ばれる請求項13記載の毛髪化粧料。
  15. 成分(D)の含有量が0.05〜20質量%である請求項13又は14記載の毛髪化粧料。
  16. 成分(A)の含有量が0.01〜50質量%である請求項8〜15のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  17. ヘアスタイリング剤又はヘアコンディショニング剤である請求項8〜16のいずれかに記載の毛髪化粧料。
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