JPH10306163A - オルガノポリシロキサン - Google Patents

オルガノポリシロキサン

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JPH10306163A
JPH10306163A JP4939798A JP4939798A JPH10306163A JP H10306163 A JPH10306163 A JP H10306163A JP 4939798 A JP4939798 A JP 4939798A JP 4939798 A JP4939798 A JP 4939798A JP H10306163 A JPH10306163 A JP H10306163A
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JP
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organopolysiloxane
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water
hair
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JP4939798A
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English (en)
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Hitoshi Takiguchi
整 瀧口
Katsuhiko Rindo
克彦 林藤
Taku Oda
卓 織田
Pesch Ferdinand
ペッシュ フェルディナンド
Atsuhiko Ii
篤彦 井伊
Kajan Christine
カジャン クリスティン
Weicauss Dirk
ヴァイカウス ディルク
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶媒、特に水に溶解又は分散可能であり、し
かも良感触の皮膜を形成し、香・化粧品用添加剤、特に
毛髪化粧料用添加剤として好適なオルガノポリシロキサ
ン、及びこれを含有する毛髪化粧料の提供。 【解決手段】 オルガノポリシロキサンセグメントのケ
イ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキ
レン基を介して、式(1); 【化1】 (R1 はH又はC1〜C3アルキル基、nは2又は3を示
す。)で表わされる繰り返し単位からなるポリ(N−ア
シルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオル
ガノポリシロキサンであって、オルガノポリシロキサン
セグメント(a)とポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)セグメント(b)との重量比((a)/(b))が
5/95以上40/60未満であり、重量平均分子量が
10,000〜500,000であるオルガノポリシロ
キサン、及びこれを含有した毛髪化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なオルガノポリ
シロキサンに関し、更に詳細には、溶媒、特に水に溶解
又は安定に分散可能であり、溶媒除去後は、シリコーン
特有の良感触の皮膜を形成し、特に香・化粧品用添加剤
として好適なオルガノポリシロキサン及びこれを含有す
る毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサン(以下、「シリ
コーン」と称することがある)は、表面張力が低いこ
と、潤滑性や離型性に優れること、熱安定性が高いこ
と、ガラス転移点が低いこと、気体透過性が高いこと等
の多くの特徴を有していることから、潤滑剤、熱媒体、
電気絶縁体、塗料レベリング剤、離型剤、化粧品添加
剤、繊維処理剤、衝撃緩衝材、シーリング材、型取り
材、つや出し剤、整泡剤、消泡剤等に広く利用されてい
る。
【0003】これらのうち、化粧品添加剤としては、シ
リコーンオイルが多用されており、スキンケア剤、ファ
ンデーション、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコン
ディショナー等に主として感触向上剤として添加されて
いる。又、シリコーンレジンは、真球状の微粒子として
スキンケア剤等に、やはり感触向上剤として添加されて
いる。更に毛髪セット剤等には皮膜形成性を有し、かつ
良感触を与えるようなシリコーン基材が用いられてい
る。
【0004】しかしながら、かかるシリコーン基材は共
有結合により架橋されるものであるため、溶解可能な溶
媒種が限られてしまうという問題があった。また、この
ようなシリコーン基材を毛髪化粧料等に適用した場合、
洗い落ちが悪いという欠点もあった。一方、溶剤に溶解
容易な親水性シリコーンエマルジョン等の基材では、良
感触を与えるような皮膜を形成することができない。
【0005】かかる問題点を解決するものとして、ポリ
(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを有するオ
ルガノポリシロキサンが知られている(EP−A−52
4612号公報、特開平3−287509号公報、特開
平5−112423号公報)。またポリ(N−アシルア
ルキレンイミン)をグラフト共重合したオルガノポリシ
ロキサンが知られている(EP−A−640643号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EP−
A−524612号公報等に記載のオルガノポリシロキ
サンは、水を初めとする高極性溶媒への溶解性が必ずし
も十分でなく、毛髪に適用した場合に得られる感触も必
ずしも良好ではなかった。またEP−A−640643
号公報記載のオルガノポリシロキサンは、エタノールに
溶解し、香・化粧品に対する配合性に優れ、更に毛髪に
適用した場合良好なセット性能を与えるが、かかる基材
も水に自己分散することができず、強制的に水分散液と
しても、分散安定性が悪く、毛髪化粧料等に用いること
が困難であった。
【0007】従って、本発明は、毛髪等に適用した場合
に良感触を与えるような皮膜を形成しながら、水系の処
方にも対応することができ、更に皮膚又は毛髪用化粧料
に適用した場合に洗い落ちが良好なオルガノポリシロキ
サン及びそれを用いた毛髪化粧料を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはオルガノポ
リシロキサンセグメントにポリ(N−アシルアルキレン
イミン)セグメントが結合したオルガノポリシロキサン
であって、特定の組成及び分子量を有するものが、溶
媒、特に水にも溶解又は分散可能であり、しかも良感触
の皮膜を形成し、洗い落ちも良好であり、皮膚又は毛髪
用化粧料の添加剤として好適であることを見出し、本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、オルガノポリシロキ
サンセグメントのケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテ
ロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式
(1);
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜3
のアルキル基を示し、nは2又は3の数を示す)で表わ
される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレ
ンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロ
キサンであって、オルガノポリシロキサンセグメント
(a)とポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメン
ト(b)との重量比((a)/(b))が5/95以上
40/60未満であり、重量平均分子量が10,000
〜500,000であるオルガノポリシロキサン及びか
かるオルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料を提
供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のオルガノポリシロキサン
において、オルガノポリシロキサンセグメント(a)と
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)
との重量比((a)/(b))は5/95以上40/6
0未満、好ましくは20/80以上40/60未満、よ
り好ましくは25/75以上40/60未満である。ま
た重量平均分子量は10,000〜500,000、好
ましくは20,000〜200,000、より好ましく
は50,000〜150,000である。重量比
((a)/(b))が40/60以上、又は重量平均分
子量が500,000を超えるものは、溶媒、特に水へ
の溶解性が低下し、また重量比((a)/(b))が5
/95未満のもの、又は重量平均分子量が10,000
未満のものは、シリコーン特有の良感触が得られない。
【0013】オルガノポリシロキサンセグメントとポリ
(N−アシルアルキレンイミン)セグメントとの結合に
おいて介在するヘテロ原子を含むアルキレン基として
は、窒素原子、酸素原子及び/又はイオウ原子を含む炭
素数2〜20のアルキレン基、好ましくはこれらのヘテ
ロ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が
挙げられる。具体的にはアルキレン鎖の炭素−炭素間及
び/又は末端に(イ)第2級アミン、第3級アミン、
(ロ)第2級アミン、第3級アミンにH+が付加して得
られるアンモニウム塩、(ハ)第4級アンモニウム塩、
(ニ)酸素原子及び/又は(ホ)イオウ原子を含む炭素
数2〜20のアルキレン基が挙げられる。これらのう
ち、好ましいものの具体例としては、
【0014】
【化3】
【0015】等が挙げられる。またR1 で示される炭素
数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基が例示される。またn
は2又は3を示す。一般式(1)で表わされる繰り返し
単位の重合度は特に制限はないが、例えば1〜500で
ある。
【0016】本発明のオルガノポリシロキサンは、例え
ば一般式(2);
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R2 は同一又は異なって、炭素数
1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基を示し、
3 、R4 はそれぞれR2 と同一の基を示すか又は下記
【0019】
【化5】
【0020】で表わされる基を示し、R5 は上記式で表
わされる基を示し、p1 は100〜4000の整数を示
し、q1 は1〜300の整数を示す)で表わされるオル
ガノポリシロキサンと、下記一般式(3);
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R1 及びnは前記と同じものを示
す。)で表わされる環状イミノエーテルを開環重合して
得られる末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)とを反応させることにより製造することができる。
【0023】ここで、環状イミノエーテル(3)の開環
重合は、求電子反応性の強い化合物、例えばベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸等の強酸のメチ
ル、エチル、プロピル、あるいはベンジルエステルなど
を開始剤として用いて行うことができる。環状イミノエ
ーテル(3)として例えば2−R1 置換−2−オキサゾ
リンを用いれば、ポリ(N−アシルエチレンイミン)
(式(1)中、n=2に相当)が得られ、2−R 1 置換
−2−オキサジンを用いれば、ポリ(N−アシルトリメ
チレンイミン)(式(1)中、n=3に相当)が得られ
る。
【0024】本発明のオルガノポリシロキサンは常温・
常圧(通常−10〜40℃、1気圧)で固体であるのが
好ましい。また、溶媒、例えば水又は低級アルコール
(C1〜C6アルコール)に溶解又は安定に分散可能であ
り、その分散液は極めて安定である。特に、水に溶解又
は安定に分散可能であるのが好ましい。すなわち、本発
明のオルガノポリシロキサンを固形分10重量%で水と
混合し、80℃に加熱しつつ攪拌することにより分散液
が得られるものが本発明には好ましく用いられる。
【0025】本発明のオルガノポリシロキサンは毛髪化
粧料に配合することにより、処理後の毛髪に好適な触感
を与えることができる。この場合において、毛髪化粧料
とは、スプレー、ミスト、ゲル、ローション、トニッ
ク、ブロー剤、クリーム、後発泡性ゲル等の剤型を示す
ヘアセット剤、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアトリ
ートメント及びヘアカラー等を意味する。このうち後発
泡性ゲル等のフォーミング組成物であることが特に好ま
しい。
【0026】毛髪化粧料への当該オルガノポリシロキサ
ンの配合量は、0.05〜20重量%が好ましく、0.
1〜10重量%が特に好ましい。本発明の毛髪化粧料に
は、上記水、又は水と炭素数1〜6の低級アルコール等
の溶剤を配合することができるが、そのアルコール含有
量は毛髪化粧料中1重量%以下であることが好ましく、
0.8重量%以下であることが特に好ましい。更に通常
毛髪化粧料に配合される界面活性剤、油剤、多価アルコ
ール、各種薬効剤、防腐剤、香料等がそれぞれの目的、
用途、剤型に応じて適宜適用される。具体的には、EP
−640643Aに記載の各種成分、造膜性ポリマー、
噴射剤等を用いることができる。本発明の毛髪化粧料
は、本発明のオルガノポリシロキサン及びその他の成分
を混合し、常法に従って製造することができる。
【0027】また本発明の毛髪化粧料は、イオン性ポリ
マー及び/又はノニオン性ポリマーを含有することが好
ましく、イオン性ポリマーを含有することが特に好まし
い。イオン性ポリマーとしてはカチオン性ポリマー、ア
ニオン性ポリマー、両性ポリマーが挙げられる。カチオ
ン性ポリマーとしては例えば、Gafquat(ISP社
製)、Luviquat(BASF AG社製)等を挙げること
ができ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。かかるカチオン性ポリマーの毛髪用化粧
料中の含有量は、0.1〜5重量%であることが好まし
く、0.25〜2.5重量%であることがより好まし
く、0.5〜1.5重量%であることが特に好ましい。
【0028】アニオン性ポリマーとしては例えばGantre
z AN、Gantrez ES、 GantrezES225(ISP社
製)、Resyn(ナショナルスターチ社製)等を挙げるこ
とができ、これらを1種以上組み合わせて用いることが
できる。両性ポリマーとしては例えば、Amphomer(ナシ
ョナルスターチ社製)、Yukaformer、YukaformerAm7
5(三菱化学社製)等を挙げることができ、これらを1
種以上組み合わせて用いることができる。かかる両性ポ
リマーの毛髪化粧料中の含有量は、好ましくは0.1〜
5重量%、より好ましくは0.25〜2.5重量%、特
に好ましくは0.5〜1.5重量%である。ノニオン性
ポリマーとしては例えばLuviskol(BASF AG社
製)等を挙げることができ、これらを1種以上組み合わ
せて用いることができ、かかるノニオン性ポリマーの毛
髪用化粧料中の含有量は、好ましくは0.1〜10重量
%、より好ましくは0.25〜5重量%、特に好ましく
は0.5〜3重量%である。
【0029】
【実施例】実施例において、オルガノポリシロキサンセ
グメントの含有率とはプラズマ発光分析によるSi元素
の定量分析から求めた値であり、また重量平均分子量と
はクロロホルムを展開溶媒としたゲル浸透型液体クロマ
トグラフィーから求めたポリスチレン換算重量平均分子
量である。
【0030】実施例1(オルガノポリシロキサンAの合
成)
【0031】
【化7】
【0032】硫酸ジエチル12.78g(0.0829
mol)と2−エチル−2−オキサゾリン246.6g
(2.488mol)を脱水した酢酸エチル519gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。こ
こに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキ
サン(分子量3万、アミン当量2010)166.7g
(アミノ基にして0.0829mol)の33%酢酸エチ
ル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混
合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−
ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(422g、
収率99%)として得た。重量平均分子量は108,0
00であった。また、溶媒としてメタノールを使用した
塩酸による中和滴定の結果、アミノ基は残存していない
ことがわかった。このようにして得られたオルガノポリ
シロキサンAのプロトンNMRを図1に示す。なお、オ
ルガノポリシロキサンAにおいて、以下に示すオルガノ
ポリシロキサンセグメント(a)とポリ(N−アシルア
ルキレンイミンセグメント(b)との重量比(a)/
(b)は、Siに結合しているメチル基の量(NMRに
おいて、0.1ppm 付近に現れるピーク面積)と(b)
に含まれるエチレン基とエチル基の量(NMRにおい
て、1.1ppm 付近、2.2〜2.4ppm 付近、3.4
ppm付近に現れるピーク面積)の比から求めた(以下の
実施例において同じ)。
【0033】
【化8】
【0034】実施例2(オルガノポリシロキサンBの合
成)
【0035】
【化9】
【0036】硫酸ジエチル7.67g(0.0497mo
l)と2−エチル−2−オキサゾリン246.6g
(2.488mol)を脱水した酢酸エチル519gに溶
解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポ
リ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。こ
こに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキ
サン(分子量3万、アミン当量2010)166.7g
(アミノ基にして0.0829mol)の33%酢酸エチ
ル溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混
合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−
ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(417g、
収率99%)として得た。重量平均分子量は154,0
00であった。また、溶媒としてメタノールを使用した
塩酸による中和滴定の結果、アミノ基が40%残存して
いることがわかった。
【0037】実施例3(オルガノポリシロキサンCの合
成)
【0038】
【化10】
【0039】硫酸ジエチル5.16g(0.0335mo
l)と2−エチル−2−オキサゾリン249g(2.5
1mol)を脱水した酢酸エチル508gに溶解し、窒素
雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プ
ロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖
1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子
量4万、アミン当量4980)166.7g(アミノ基
にして0.0335mol)の33%酢酸エチル溶液を一
括して加え、12時間加熱還流した。反応混合物を減圧
濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシ
ロキサン共重合体を淡黄色固体(409g、収率97
%)として得た。重量平均分子量は101,000であ
った。また、溶媒としてメタノールを使用した塩酸によ
る中和滴定の結果、アミノ基は残存していないことがわ
かった。
【0040】実施例4(オルガノポリシロキサンDの合
成)
【0041】
【化11】
【0042】硫酸ジエチル10.02g(0.0650
mol)と2−エチル−2−オキサゾリン385g(3.
88mol)を脱水した酢酸エチル770gに溶解し、窒
素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−
プロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量3万、アミン当量2010)167g(アミノ基に
して0.0831mol)の33%酢酸エチル溶液を一括
して加え、12時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃
縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロ
キサン共重合体を淡黄色固体(468g、収率97%)
として得た。重量平均分子量は105,000であっ
た。また、溶媒としてメタノールを使用した塩酸による
中和滴定の結果、アミノ基は残存していないことがわか
った。
【0043】比較例1(オルガノポリシロキサンaの合
成) 硫酸ジエチル30.6g(0.199mol)と2−エチ
ル−2−オキサゾリン945g(9.53mol)を脱水
した酢酸エチル1950gに溶解し、窒素雰囲気下8時
間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチ
レンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロ
ピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量11万、アミ
ン当量4840)800g(アミノ基にして0.165
mol)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、12時
間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピ
オニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を
淡黄色ゴム状固体(1720g、収率97%)として得
た。重量平均分子量は122,000であった。また、
溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の
結果、アミノ基が残存していないことがわかった。
【0044】試験例1 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサン、並びに市販のオルガノポリシロキサンx(信越
化学工業者製、シリコーンエラストマーKE−10)に
ついて、水又はエタノールへの溶解又は分散性を以下の
方法に従って評価した。結果を表1に示す。
【0045】(評価方法) (1)水への分散性:各オルガノポリシロキサン20g
を500ml三つ口セパラブルフラスコに入れ、イオン交
換水180gを加えた。図2に示すテフロン攪拌棒を用
い、回転数200rpm で一定とし、液温80℃で6時
間、次いで60℃で6時間攪拌した。得られた水分散液
を室温にて24時間静置し、上澄み液の固形分濃度が9
重量%以上である場合、当該オルガノポリシロキサンは
水に溶解又は自己分散すると判断した。なお、固形分濃
度は、秤量ビンに上澄み液2gを取り、105℃、30
Torrにて2時間乾燥した後、重量を測定することにより
求めた。
【0046】(2)水分散液の安定性:前記(1)で得
られた水分散液を、東洋濾紙社製 ADVANTEC
No.2(保留粒子径5μm)を用いて濾過し、水分散
安定性を判断するサンプルとした。各サンプルを遠心分
離(5200rpm 、5分間)し、上澄み液の固形分濃度
を(1)と同様にして求め、この濃度が9重量%以上で
ある場合、当該オルガノポリシロキサンは遠心した場合
の水分散液の安定性が良好であると判断した。
【0047】(3)水分散液の凍結安定性:前記(2)
で得られた各サンプルを−25℃の冷凍庫中に24時間
静置し、その後室温へ戻し、24時間静置した。上澄み
液の固形分濃度を(1)と同様にして求め、この濃度が
9重量%以上である場合、当該オルガノポリシロキサン
は水分散液の凍結安定性が良好であると判断した。
【0048】(4)エタノールへの溶解性:各オルガノ
ポリシロキサン10gを500ml三つ口セパラブルフラ
スコに入れ、エタノール190gを加えた。これを、前
記(1)と同様の攪拌方法で、室温にて12時間攪拌し
た。得られた溶液を室温で24時間静置し、上澄み液の
固形分濃度を(1)と同様にして求め、この濃度が4.
5重量%以上である場合、当該オルガノポリシロキサン
はエタノールに溶解又は分散すると判断した。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から明らかなように、本発明の
オルガノポリシロキサンは、いずれも水に対して分散
し、その分散液は極めて安定であることがわかる。また
エタノールへの溶解性も良好である。
【0051】実施例5〜8及び比較例2 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表2に示す配合で常法に従い、ポンプ
フォームスプレー(ヘアフォーム剤)を作製した。
【0052】
【表2】
【0053】実施例9〜12及び比較例3 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表3に示す配合で常法に従い、ポンプ
フォームスプレー(ヘアフォーム剤)を作製した。
【0054】
【表3】
【0055】実施例13〜16及び比較例4 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表4に示す配合で常法に従い、ポンプ
フォームスプレー(ヘアフォーム剤)を作製した。
【0056】
【表4】
【0057】実施例17〜20及び比較例5 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表5に示す配合で常法に従い、スタイ
リングエアロゾールフォーム(ヘアフォーム剤)を作製
した。
【0058】
【表5】
【0059】実施例21〜24及び比較例6 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表6に示す配合で常法に従い、ヘアス
プレーを作製した。
【0060】
【表6】
【0061】実施例25〜28及び比較例7 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表7に示す配合で常法に従い、ヘアー
ゲルを作製した。
【0062】
【表7】
【0063】実施例29〜32及び比較例8 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表8に示す配合で常法に従い、ヘアー
ゲルを作製した。
【0064】
【表8】
【0065】実施例33〜36及び比較例9 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表9に示す配合で常法に従い、セット
ローションを作製した。
【0066】
【表9】
【0067】実施例37〜40及び比較例10 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表10に示す配合で常法に従い、毛髪
用シャンプーを作製した。
【0068】
【表10】
【0069】実施例41〜44及び比較例11 実施例1〜4及び比較例1で得られたオルガノポリシロ
キサンを用いて、表11に示す配合で常法に従い、毛髪
用リンスを作製した。
【0070】
【表11】
【0071】試験例2 実施例5〜44及び比較例2〜11で得られた各毛髪化
粧料について、シャンプー、リンスは常法により使用後
すすいだ後の髪の感触を、また他のセット剤等は溶剤が
飛散した後の髪の感触を、それぞれ10名のパネラーに
より評価した。
【0072】その結果、実施例5〜44は、すべりが良
く、柔軟感のある好ましい感触であった。一方比較例2
〜11は、オルガノポリシロキサンが水に溶解せず、配
合することが困難であり、またこれを髪に適用したとき
も、沈澱物があるためごわごわした感触であった。
【0073】試験例3 実施例7(実施例3のオルガノポリシロキサンC配合)
及び比較例2(比較例1のオルガノポリシロキサンa配
合)のポンプフォームスプレーを用い、外観、40℃で
保存したときの安定性及び使用時のポンプ詰りについ
て、10名のパネラーにより評価した。結果を表12に
示す。
【0074】
【表12】
【0075】表12より、実施例7は比較例2より外
観、安定性、ポンプ詰りのいずれについても優れている
ことが確認された。
【0076】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサンは、溶
媒、特に水に溶解又は安定に分散可能で、その分散液は
長時間極めて安定であり、水系の処方にも対応可能であ
る。しかも溶媒除去後は良感触の被膜を形成し、洗い落
ちも良好なものであり、香・化粧品用添加剤、特に毛髪
化粧料用添加剤として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたオルガノポリシロキサンA
のプロトンNMRを示す図である。
【図2】試験例1において、分散液を調製する際に使用
した攪拌棒を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フェルディナンド ペッシュ ドイツ連邦共和国 D−64280 ダルムシ ュタット ツェルニンシュトラーセ 10− 18 ゴールドウエル ゲー・エム・ベー・ ハー内 (72)発明者 井伊 篤彦 ドイツ連邦共和国 D−64280 ダルムシ ュタット ツェルニンシュトラーセ 10− 18 ゴールドウエル ゲー・エム・ベー・ ハー内 (72)発明者 クリスティン カジャン ドイツ連邦共和国 D−64280 ダルムシ ュタット ツェルニンシュトラーセ 10− 18 ゴールドウエル ゲー・エム・ベー・ ハー内 (72)発明者 ディルク ヴァイカウス ドイツ連邦共和国 D−64280 ダルムシ ュタット ツェルニンシュトラーセ 10− 18 ゴールドウエル ゲー・エム・ベー・ ハー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノポリシロキサンセグメントのケ
    イ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキ
    レン基を介して、下記一般式(1); 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
    を示し、nは2又は3の数を示す)で表わされる繰り返
    し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セ
    グメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであっ
    て、オルガノポリシロキサンセグメント(a)とポリ
    (N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との
    重量比((a)/(b))が5/95以上40/60未
    満であり、重量平均分子量が10,000〜500,0
    00であるオルガノポリシロキサン。
  2. 【請求項2】 オルガノポリシロキサンセグメント
    (a)とポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメン
    ト(b)との重量比((a)/(b))が20/80以
    上40/60未満であり、重量平均分子量が20,00
    0〜200,000である請求項1記載のオルガノポリ
    シロキサン。
  3. 【請求項3】 ヘテロ原子を含むアルキレン基が、アル
    キレン鎖の炭素−炭素間及び/又は末端に、(イ)第2
    級アミン、第3級アミン、(ロ)第2級アミン、第3級
    アミンにH+が付加して得られるアンモニウム塩、
    (ハ)第4級アンモニウム塩、(ニ)酸素原子及び/又
    は(ホ)イオウ原子を含む炭素数2〜20のアルキレン
    基である請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサ
    ン。
  4. 【請求項4】 常温・常圧で固体であり、水に溶解又は
    安定に分散可能である請求項1〜3のいずれか1項記載
    のオルガノポリシロキサン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のオル
    ガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料。
  6. 【請求項6】 更に水、又は水と1重量%以下の炭素数
    1〜6の低級アルコールを含有する請求項5記載の毛髪
    化粧料。
  7. 【請求項7】 更にイオン性ポリマーを含有する請求項
    5又は6記載の毛髪化粧料。
  8. 【請求項8】 水性フォーミング組成物である請求項5
    〜7のいずれか1項記載の毛髪化粧料。
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