JP5406050B2 - コク味強化剤 - Google Patents
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Description
特許文献5には、焼成カルシウム、有機酸及び/又はその塩、抗菌性を有するアミノ酸の3成分を有効成分として含有するフラワーペーストが開示され、アミノ酸としてグリシン、アラニン、シスチン、スレオニン、バリン、リジン及びアルギニンの中から選択した1種を単独で用いるか、又は2種以上を混合物として用いることが記載されている。
しかし、特許文献5や6に記載のアミノ酸の配合では、乳や乳製品のコク味をフラワーペーストやフラワーペーストを用いた食品に付与することはできなかった。
全遊離アミノ酸中、上記疎水性アミノ酸の含有量が30〜60質量%であり、上記塩基性アミノ酸の含有量が35〜65質量%であり、上記酸性アミノ酸の含有量が1〜20質量%であり、
上記塩基性アミノ酸中、リジンの含有量が75〜100質量%であり、
上記酸性アミノ酸中、グルタミン酸の含有量が80〜100質量%であるコク味強化剤を提供するものである。
また、本発明は、上記コク味強化剤を含有してなる食品を提供するものである。
また、本発明は、可塑性乳化油脂組成物、油中水型乳化組成物又は水中油型乳化組成物である上記食品の製造方法であって、水に上記コク味強化剤を添加した水相と、油相とを乳化する食品の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、フラワーペースト類である上記食品の製造方法であって、上記コク味強化剤、油脂及び澱粉類を含有するフラワーペースト類原料を均質化処理した後、加熱し、冷却する食品の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記コク味強化剤を食品に含有させる食品のコク味強化方法を提供するものである。
上記酸性アミノ酸としては、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる群の中から選ばれた1種又は2種を用いることが好ましく、グルタミン酸を用いることがさらに好ましい。
また、上記酸性アミノ酸中、グルタミン酸の含有量は好ましくは40〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%、最も好ましくは80〜100質量%である。
上記の穀粉製品とする際、穀粉類100質量部に対して、遊離アミノ酸の総含有量が好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1質量部、一層好ましくは0.01〜0.8質量部、最も好ましくは0.025〜0.5質量部となるように本発明のコク味強化剤を添加するのがよい。穀粉類100質量部に対して遊離アミノ酸の添加量が0.001質量部よりも少ないと、穀粉製品を用いたベーカリー食品の乳製品の香り、乳製品の呈味やコク味が弱くなりやすく、2質量部よりも多いと、乳製品の呈味とは異質の呈味を有するベーカリー食品が得られやすい。
該食品素材としては、天然水、水道水等の水、マーガリン、ショートニング、バター、液状油等の油脂類、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、黒糖、糖蜜、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ、黒糖、糖蜜等の糖類、全卵、卵黄、卵白、乾燥卵、乾燥卵黄、乾燥卵白等の卵類、原料アルコール、焼酎、ウオッカやブランデー等の蒸留酒、ワイン、日本酒、ビール等の醸造酒、各種リキュール、純生クリーム、ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)、植物性ホイップ用クリーム、チョコレート・ガナッシュ・カスタード風味のホイップ用クリーム等のクリーム類及びこれらのクリーム類をホイップしたもの、ケーキ用起泡剤、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、調製粉乳、発酵乳、ヨーグルト、練乳、加糖練乳、全脂練乳、脱脂練乳、濃縮乳等の乳製品、ココナッツミルク、豆乳、寒天、カラギーナン、ファーセルラン、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、ゼラチン、加工澱粉等の増粘安定剤、コーンスターチ、小麦澱粉等の澱粉類、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド、レシチン等の乳化剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、コーヒー、ナッツペースト、ココアマス、ココアパウダー、チョコレート、チョコレートペースト、抹茶、紅茶、香辛料、穀類、ハーブ、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材、コンソメ、ブイヨン、食品添加物、ペプチド、核酸等が挙げられる。
上記のその他の成分としては、蛋白質、糖類、高甘味度甘味料、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼ、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、緑茶、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、ペプチド、核酸等を添加してもよい。
上記の乳蛋白質としては、ホエイ蛋白質のみ、カゼイン蛋白質のみ、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質との併用のいずれでもよいが、ホエイ蛋白質のみもしくは、ホエイ蛋白質とカゼイン蛋白質とを併用するのが好ましい。
本発明では、上記の糖類として、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖及び乳糖からなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることが好ましい。
上記の糖類の配合量は特に制限はないが、本発明の可塑性乳化油脂組成物中、固形分として好ましくは0.03〜15質量%、さらに好ましくは0.09〜13質量%、最も好ましくは0.15〜11質量%である。
上記増粘安定剤の含有量は、特に制限はないが、本発明の可塑性乳化油脂組成物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。尚、本発明の可塑性乳化油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
まず、水に本発明のコク味強化剤を添加し、必要によりその他の成分を添加し、水相とする。一方、油脂に必要によりその他の成分を添加し、油相とする。上記の油相を必要により加熱溶解し、水相を加え、乳化し、乳化油脂組成物とする。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、油相が30質量%よりも少なく水相が70質量%よりも多いと、乳化が不安定となりやすい。また、油相が99質量%よりも多く水相が1質量%よりも少ないと、油っぽくなり、食品に良好な乳製品の風味やコク味を付与しにくい。
乳化形態はW/O型、O/W型、O/O型、O/W/O型、W/O/W型のいずれでも構わないが、W/O型とするのが好ましい。
これらの装置の後に、ピンマシン等の捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブ、ホールディングチューブを使用してもよい。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、様々な食品に用いることができるが、特にベーカリー食品に好適に用いることができる。
該ベーカリー食品としては、例えば、食パン、菓子パン、バラエティーブレッド、バターロール、ソフトロール、ハードロール、スイートロール、デニッシュ、ペストリー、フランスパン、蒸しパン、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、クラッカー、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン、どら焼、蒸しケーキ、ホットケーキ等を挙げることができる。
上記の乳原料の乳固形分(乳由来の固形分)中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。
まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いることができる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
まず、バターを溶解機で溶解し、熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いることができる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。図1にFolch法のフローを示す。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から、以下の計算式を用いて、乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))〕×25.4×(0.1/1000)
上記乳化剤を使用する場合、上記乳化剤の含有量は、本発明の水中油型乳化組成物中、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
上記安定剤を使用する場合、上記安定剤の含有量は、本発明の水中油型乳化組成物中、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.001〜0.5質量%、最も好ましくは0.001〜0.1質量%である。
本発明の水中油型乳化組成物中の上記糖類・甘味料の含有量は、好ましくは固形分として1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。
まず、油脂に必要によりその他の原料を加えた油相を用意する。一方、水に本発明のコク味強化剤、必要によりその他の原料を加えた水相を用意する。該水相を、上記油相と混合し、乳化する。
本発明の水中油型乳化組成物をそのまま食する用途に用いる場合、水相と油相との質量比率は、好ましくは80〜40:20〜60、さらに好ましくは70〜50:30〜50、最も好ましくは65〜55:35〜45である。
本発明の水中油型乳化組成物を食品に練り込む用途に用いる場合、水相と油相との質量比率は、好ましくは95〜40:5〜60、さらに好ましくは90〜50:10〜50、最も好ましくは90〜55:10〜45である。
上記のヨウ素価52〜70のパーム軟部油としては、アセトン分別やヘキサン分別等の溶剤分別、ドライ分別等の無溶剤分別等の方法によって、パーム油を分別した際に得られる低融点部であるパームオレインやパームスーパーオレインを用いることができる。上記のパーム軟部油として、特に乳化安定性に優れたフラワーペースト類が得られることから、ヨウ素価60以上のパームスーパーオレインを使用することがさらに好ましい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記位置選択性のない酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes) 属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、ムコール(Mucor) 属、ペニシリウム(Penicillium) 属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂あるいはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
上記の極度硬化油は、1種又は2種以上の油脂からなる配合油を、ヨウ素価が5以下、好ましくは1未満となるまで水素添加した硬化油脂であって、その融点が好ましくは45℃以上、さらに好ましくは50℃以上の硬化油脂である。上記配合油に用いる油脂としては、例えば、パーム油、コーン油、綿実油、大豆油、ハイエルシンナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。
本発明のフラワーペースト類では、上記の極度硬化油をフラワーペースト類中、好ましくは0.0008〜0.45質量%、さらに好ましくは0.0008〜0.225質量%、最も好ましくは0.0008〜0.135質量%含むことが好ましい。
本発明において上記澱粉の含有量は好ましくは2〜10質量%、さらに好ましくは2.5〜9質量%、最も好ましくは3〜9質量%である。
本発明において上記糖類の含有量は、本発明のフラワーペースト類中、固形分として好ましくは8〜40質量%、さらに好ましくは10〜35質量%、最も好ましくは12〜35質量%である。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のフラワーペースト類では、離水防止効果が高いことから、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム及びゼラチンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましい。
上記増粘安定剤の含有量は、本発明のフラワーペースト類中、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%である。
上記の合成乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。
本発明のフラワーペースト類には、上記合成乳化剤でない乳化剤を用いることができる。該乳化剤としては、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、乳脂肪球皮膜蛋白質が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のフラワーペースト類は、本発明のコク味強化剤、油脂及び澱粉類を含有するフラワーペースト類原料を均質化処理した後、加熱し、冷却することによって得ることができる。
次いで、得られた上記予備乳化組成物を、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により、好ましくは圧力0〜80MPaの範囲で均質化した後、加熱する。加熱は、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT、HTST、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、あるいは直火等を用いた加熱調理により行なうことができる。加熱温度は60〜130℃が好ましく、加熱時間は0.05〜30分が好ましい。また、加熱後には必要により再度均質化してもよい。
さらに、本発明のフラワーペースト類は、その形状を、シート状、ブロック状、円柱状、ダイス状等としてもよい。各々の形状についての好ましいサイズは、シート状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50mm、ブロック状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ50〜500mm、円柱状:直径1〜25mm、長さ5〜100mm、ダイス状:縦5〜50mm、横5〜50mm、厚さ5〜50mmである。
本発明のフラワーペースト類を用いた食品としては、焼成、フライ、蒸すなどの加熱済みのベーカリー食品に、本発明のフラワーペースト類をトッピング、サンド、フィリングとして組み合わせた食品をあげることができる。
上記の複合生地としては、具体的には、ベーカリー生地にペースト状のフラワーペースト類を包餡した包餡生地、ベーカリー生地にペースト状のフラワーペースト類をトッピング又はサンドした生地、ベーカリー生地にペースト状のフラワーペースト類を練り込んだ練り込み生地、ベーカリー生地にシート状のフラワーペースト類をロールインした積層生地、製パン連続ラインにおいて、ブロック状のフラワーペースト類を、ファットポンプ等を使用して薄板状に押し出し、ベーカリー生地にロールインした積層生地、小片状のフラワーペースト類をベーカリー生地中に混合した混合生地等が挙げられる。
そして上記複合生地の焼成は、通常のベーカリー食品と同様、160〜250℃、特に170〜220℃で行なうのが好ましい。160℃未満であると、火通りが悪くなりやすく、また良好な食感が得られにくい。また、250℃を超えると、焦げを生じて食味が悪くなりやすい。
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%を混合し、コク味強化剤1を得た。
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸40質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸50質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸10質量%を混合し、コク味強化剤2を得た。
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸50質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸45質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸5質量%を混合し、コク味強化剤3を得た。
フェニルアラニン10質量部、ロイシン6質量部及びイソロイシン7質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン5質量部及びヒスチジン3質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%を混合し、コク味強化剤4を得た。
ロイシン6質量部、イソロイシン7質量部及びグリシン10質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、ヒスチジン3質量部及びアルギニン5質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるアスパラギン酸6質量%を混合し、コク味強化剤5を得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にてパイを製造した。得られたパイの評価を表1に示した。
<配合>
穀粉製品(コク味強化剤1含有)100.075質量部
食塩 1.5質量部
砂糖 2質量部
脱脂粉乳 3質量部
練り込み用マーガリン 5質量部
水 43質量部
ロールイン用マーガリン 75質量部
まず、上記の配合のロールイン用マーガリン以外の原料を、縦型ミキサーにて低速3分及び中速5分ミキシングし、生地(捏ね上げ温度=24℃)を得た。この生地を2℃の冷蔵庫内で一晩リタードした後、厚さ8mmまで圧延し、ロールイン用マーガリンをのせ、常法によりロールインし、36層(4×3×3)に折り畳み、厚さ30mmのパイ生地を得た。このパイ生地を2℃の冷蔵庫内で30分レストを取った後、厚さ3mmに圧延し、直径100mmの型でパイ生地を打ち抜き、天板に載せ、60分のラックタイムを取った後、210℃のオーブンで11分焼成してパイを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−6のデニッシュを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は実施例1−6と同様の配合と製法にて、比較例1−2のデニッシュを製造した。得られた実施例1−6と比較例1−2のデニッシュの評価を表1に示した。
実施例1−6で得られたデニッシュは、遊離アミノ酸として、グリシン0.003質量%、アラニン0.009質量%、バリン0.005質量%、フェニルアラニン0.003質量%、リジン0.006質量%、アルギニン0.005質量%、グルタミン酸0.01質量%を含有していた。
また、比較例1−2で得られたデニッシュは、遊離アミノ酸として、グリシン0.0014質量%、アラニン0.0077質量%、バリン0.0017質量%、フェニルアラニン0.0007質量%、リジン0.0007質量%、アルギニン0.0035質量%、グルタミン酸0.0083質量%を含有していた。
<配合>
穀粉製品(コク味強化剤1含有)100.05質量部
イースト 5質量部
食塩 1.3質量部
砂糖 15質量部
練り込み用マーガリン 8質量部
水 48質量部
ロールイン用マーガリン 28質量部
まず、上記の配合のロールイン用マーガリン以外の原料を、縦型ミキサーにて低速3分及び中速5分ミキシングし、生地(捏ね上げ温度=24℃)を得た。この生地を2℃の冷蔵庫内で一晩リタードした後、厚さ8mmまで圧延し、ロールイン用マーガリンをのせ、常法によりロールインし、27層(3×3×3)に折り畳み、厚さ30mmのデニッシュ生地を得た。このデニッシュ生地を2℃の冷蔵庫内で30分レストを取った後、厚さ4mmに圧延し、直径100mmの型で生地を打ち抜き、天板に載せ、33℃、相対湿度80%、60分のホイロを取った後、上火200℃、下火190℃のオーブンで13分焼成してデニッシュを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて菓子パンを製造した。得られた菓子パンの評価を表1に示した。
<配合>
穀粉製品(コク味強化剤1含有)100.1質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 5質量部
食塩 1質量部
砂糖 15質量部
脱脂粉乳 2質量部
練り込み油脂 10質量部
全卵(正味) 12質量部
水 45質量部
フラワーシート 60質量部
まず、フラワーシートと練り込み油脂以外の原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングし、次に、練り込み油脂を添加して、低速2分、中速3分ミキシングし、生地(捏ね上げ温度=24℃)を得た。得られた生地は、30分フロアタイムをとり、2℃の冷蔵庫内で一晩リタードした後、厚さ8mmまで圧延し、ロールイン用フラワーシートをのせ、常法によりロールインし、12層(4×3)に折り畳み、厚さ30mmの菓子パン生地とした。この菓子パン生地を2℃の冷蔵庫内で30分レストを取った後、厚さ6mmに圧延し、底辺90mm、高さ150mm(48g)に切りだし、クロワッサン成型した。これを天板に載せ、36℃、相対湿度80%、50分のホイロを取った後、190℃のオーブンで15分焼成して菓子パンを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−8のバターロールを製造した。
また、コク味強化剤1を用いない以外は実施例1−8と同様の配合と製法にて比較例1−3のバターロールを製造した。
得られた実施例1−8と比較例1−3のバターロールの評価を表1に示した。
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
砂糖 3質量部
水 40質量部
<本捏生地配合>
強力粉 30質量部
砂糖 13質量部
食塩 1.2質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン 15質量部
全卵(正味) 5質量部
コク味強化剤1 0.075質量部
水 21質量部
中種生地配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
水及びコク味強化剤1を上記本捏生地配合に記載の配合割合で混合し、コク味強化剤ミックス液を調製した。該コク味強化剤ミックス液、上記中種生地並びに本捏生地配合の強力粉、砂糖、食塩、脱脂粉乳及び全卵を、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングした後、本捏生地配合のマーガリンを添加して、低速3分、中速4分ミキシングし、本捏生地(捏ね上げ温度=28℃)を得た。得られた本捏生地は、30分フロアタイムをとり、分割(45g)、丸めし、30分ベンチタイムを取った後、バターロール成型した。これを天板に乗せ、38℃、相対湿度80%、50分のホイロを取った後、190℃のオーブンで13分焼成してバターロールを得た。
実施例1−8におけるコク味強化剤1をコク味強化剤2に変更した以外は実施例1−8と同様の配合・製法にてバターロールを製造した。得られたバターロールの評価を表1に示した。
実施例1−8におけるコク味強化剤1をコク味強化剤3に変更した以外は実施例1−8と同様の配合・製法にてバターロールを製造した。得られたバターロールの評価を表1に示した。
実施例1−8におけるコク味強化剤1をコク味強化剤4に変更した以外は実施例1−8と同様の配合・製法にてバターロールを製造した。得られたバターロールの評価を表1に示した。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−12のクッキーを製造した。また、実施例1−12におけるコク味強化剤1をコク味強化剤5に変更した以外は実施例1−12と同様の配合・製法にて比較例1−4のクッキーを製造した。得られた実施例1−12と比較例1−4のクッキーの評価を表1に示した。
<配合>
穀粉製品(コク味強化剤1又はコク味強化剤5含有) 100.125質量部
砂糖 50質量部
マーガリン 25質量部
全卵(正味) 25質量部
まず、砂糖とマーガリンを、縦型ミキサーにて低速3分ミキシングした後、全卵を添加し、低速3分ミキシングした。ここに、予め篩っておいた穀粉製品を添加し、低速2分ミキシングし、クッキー生地を得た。このクッキー生地を5℃の冷蔵庫で120分リタードした。この生地を厚さ8mmに圧延後、直径40mmの型でクッキー生地を打ち抜き、天板に乗せ、180℃で焼成してクッキーを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−13のスポンジケーキを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は実施例1−13と同様の配合と製法にて比較例1−5のスポンジケーキを製造した。得られた実施例1−13と比較例1−5のスポンジケーキの評価を表1に示した。
薄力粉 100質量部
コク味強化剤1 0.165質量部
ベーキングパウダー 1質量部
砂糖 100質量部
マーガリン 40質量部
全卵(正味) 185質量部
砂糖と全卵を、縦型ミキサーにて生地比重が約0.3になるまでホイップした。ここに、薄力粉とコク味強化剤1の混合物を篩ったものを加え、さらにベーキングパウダーを添加し、均一になるまで混合した。次に、溶解したマーガリンを添加し、生地比重が約0.4〜0.45になるまで混合し生地を得た。この生地650gを天板に流し入れ、上火180℃、下火160℃のオーブンで14分焼成してスポンジケーキを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−14のクッキー生地を製造し、このクッキー生地を用いてメロンパンを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は実施例1−14と同様の配合と製法にて比較例1−6のクッキー生地を製造し、このクッキー生地を用いてメロンパンを製造した。得られた実施例1−14と比較例1−6のメロンパンの評価を表1に示した。
薄力粉 100質量部
砂糖 50質量部
溶解したマーガリン 40質量部
全卵(正味) 25質量部
コク味強化剤1 0.2質量部
砂糖と全卵を、縦型ミキサーにて低速3分ミキシングした後、溶解したマーガリンを添加し、低速3分ミキシングした。ここに、薄力粉とコク味強化剤1の混合物を篩ったものを加え、低速2分ミキシングし、クッキー生地を得た。このクッキー生地を5℃の冷蔵庫で120分リタードした。このクッキー生地を厚さ5mmの円状に圧延した後、公知の方法によって得たパン生地の上に載せ、メロンパン成型をした。これを天板に乗せ、38℃、相対湿度70%、50分のホイロを取った後、180℃のオーブンで15分焼成してメロンパンを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−15のタルトを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は、実施例1−15と同様の配合と製法にて比較例1−7のタルトを製造した。得られた実施例1−15と比較例1−7のタルトの評価を表1に示した。
薄力粉 100質量部
砂糖 40質量部
マーガリン 65質量部
全卵(正味) 25質量部
食塩 0.5質量部
コク味強化剤1 0.32質量部
マーガリンと砂糖を、縦型ミキサーにて低速3分ミキシングした後、食塩と全卵を添加し、低速3分ミキシングした。ここに、薄力粉とコク味強化剤1の混合物を篩ったものを加え、低速2分ミキシングしタルト生地を得た。このタルト生地を5℃の冷蔵庫で60分リタードした。この生地を厚さ5mmに圧延した後、直径60mmの型で生地を打ち抜き直径50mmのタルトレット型に敷き詰め、ピケ入れして200℃で8分、180℃で10分焼成してタルトを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−16のバターケーキを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は、実施例1−16と同様の配合と製法にて比較例1−8のバターケーキを製造した。得られた実施例1−16と比較例1−8のバターケーキの評価を表1に示した。
薄力粉 100質量部
砂糖 85質量部
マーガリン 85質量部
全卵(正味) 90質量部
ベーキングパウダー 1質量部
コク味強化剤1 0.415質量部
砂糖とマーガリンを、縦型ミキサーにて中速3分ミキシングした後、全卵を添加し、中速3分ミキシングした。ここに、薄力粉とコク味強化剤1の混合物を篩ったものを加え、さらにベーキングパウダーを添加し、低速2分ミキシングしバターケーキ生地を得た。このバターケーキ生地400gを18×6×8cmのパウンド型に流し入れ、160℃のオーブンで40分焼成してバターケーキを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−17のシューを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は、実施例1−17と同様の配合と製法にて比較例1−9のシューを製造した。得られた実施例1−17と比較例1−9のシューの評価を表1に示した。
薄力粉 100質量部
コク味強化剤1 0.43質量部
砂糖 5質量部
食塩 5質量部
マーガリン 85質量部
全卵(正味) 240質量部
水 140質量部
砂糖、食塩、水、及びマーガリンをボウルに入れ沸騰するまで十分に加熱した。ここに、薄力粉とコク味強化剤1の混合物を篩ったものを加え、十分にアルファ化させた。そこへ全卵を3−4回に分けて添加しシュー生地を得た。このシュー生地を直径10mmの口金をつけた絞り袋に入れ、天板の上に直径40mmの丸型に絞った。天板全体に霧吹きを掛け、オーブンにて200℃で15分焼成後、さらに170℃で10分焼成してシューを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合と製法にて実施例1−18のマドレーヌを製造した。また、コク味強化剤1を用いない以外は、実施例1−18と同様の配合と製法にて比較例1−10のマドレーヌを製造した。得られた実施例1−18と比較例1−10のマドレーヌの評価を表1に示した。
薄力粉 100質量部
コク味強化剤1 0.5質量部
砂糖 90質量部
マーガリン 100質量部
全卵(正味) 110質量部
ベーキングパウダー 1.5質量部
砂糖と全卵を、縦型ミキサーにて中速3分ミキシングした後、ここに、薄力粉とコク味強化剤1の混合物を篩ったものを加え、さらにベーキングパウダーを添加し、低速2分ミキシングした。ここに、溶かしたマーガリンを添加し、中速3分ミキシングし、マドレーヌ生地を得た。このマドレーヌ生地をマドレーヌ型の9分目まで流し入れ、180℃のオーブンで20分焼成してマドレーヌを得た。
上記のコク味強化剤1を用い、以下の配合にてデニッシュを製造した。製法は実施例1−6と同様にした。得られたデニッシュの評価を表1に示した。
下記配合において、穀粉製品は、強力粉80質量部、薄力粉20質量部、コク味強化剤1を0.05質量部、アセスルファムカリウム0.015質量部、スクラロース0.01質量部、乳清ミネラル0.08質量部を混合してなるものである。
穀粉製品(コク味強化剤1含有) 100.155質量部
イースト 5質量部
食塩 1.3質量部
砂糖 15質量部
練り込み用マーガリン 8質量部
水 48質量部
ロールイン用マーガリン 50質量部
(評価基準1:バターの呈味)
◎◎:良好なバターの呈味を強く感じる
◎:良好なバターの呈味を感じる
○:バターの呈味を感じる
△:バターの呈味が弱い
×:バターの呈味が感じられない
(評価基準2:バターの香り)
◎◎:良好なバターの香りを強く感じる
◎:良好なバターの香りを感じる
○:バターの香りを感じる
△:バターの香りが弱い
×:バターの香りが感じられない
(評価基準3:バターのコク味)
◎◎:良好なバターのコク味を強く感じる
◎:良好なバターのコク味を感じる
○:バターのコク味を感じる
△:バターのコク味が弱い
×:バターのコク味が感じられない
ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸を含有するコク味強化剤を用いたベーカリー食品(実施例1−11)は、バターの呈味、バターの香り、バターのコク味を感じるベーカリー食品であった。
グリシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン、グルタミン酸を含有するコク味強化剤、高甘味度甘味料、乳清ミネラルを用いたベーカリー食品(実施例1−19)は、良好なバターの呈味、バターの香り、バターのコク味を強く感じるベーカリー食品であった。
比較例1−2と比較例1−7と比較例1−9は、比較例の中でもベーカリー食品中のマーガリンの割合が高いため、バターの呈味及びバターの香りを感じるものであったが、バターのコク味が感じられないベーカリー食品であった。
比較例1−3と比較例1−5は、バターの呈味及びバターの香りが感じられず、バターのコク味も感じられないベーカリー食品であった。
比較例1−4は、バターの呈味及びバターの香りが弱く、バターのコク味も弱いベーカリー食品であった。
比較例1−6と比較例1−8と比較例1−10は、バターの呈味及びバターの香りが弱く、バターのコク味が感じられないベーカリー食品であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、大豆油22質量部を混合し、混合油脂を製造した。この混合油脂からなる油相84質量%と、水15.9質量%に表2−1に示した遊離アミノ酸0.1質量%を溶解した水相16質量%とを、乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、ロールイン用油脂として用いることができる本発明のコク味を有する可塑性乳化油脂組成物(実施例2−1〜2−4)を得た。尚、実施例2−1〜2−4の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.9質量%に表2−2に示した遊離アミノ酸0.1質量%を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(比較例2−1〜2−9)を得た。尚、比較例2−1〜2−9の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−9で得られた可塑性乳化油脂組成物を用いて、下記配合と製法によりデニッシュペストリーをそれぞれ製造し、得られたデニッシュペストリーのバター風味とバターのコク味を、下記評価基準1により比較評価した。その結果を表2−3に示した。
強力粉 80質量部
薄力粉 20質量部
イースト 4質量部
イーストフード 0.2質量部
上白糖 15質量部
全卵 10質量部
ショートニング 5質量部
水 45質量部
可塑性乳化油脂組成物 45質量部
ショートニングと可塑性乳化油脂組成物以外の原料をミキサーボールに入れ、フックを用い、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分にてミキシングを行い、ショートニングを入れ、さらに低速3分、中速3分にてミキシングを行い、生地を調製した、この生地をフロアタイム20分、−5℃の冷凍庫で24時間リタードさせた。この生地に可塑性乳化油脂組成物をのせ、常法により、ロールイン(3つ折り3回)し、成型(縦10センチ、横10センチ、厚さ3ミリ)した。そしてホイロ(32℃、50分)をとり、200℃にて15分焼成してデニッシュペストリーを得た。
(バター風味)
○:バター風味を感じる
×:バター風味を感じない
(バターのコク味)
+:コク味を感じる
−:コク味を感じない
一方、バリン及びフェニルアラニンの2種を含む疎水性アミノ酸、リジンを含む塩基性アミノ酸、並びに酸性アミノ酸のうち1種類のみを含む比較例2−1〜2−3の可塑性乳化油脂組成物を用いたデニッシュペストリーは、バター風味とバターのコク味を感じられないものであった。
また、バリン及びフェニルアラニンの2種を含む疎水性アミノ酸、リジンを含む塩基性アミノ酸、並びに酸性アミノ酸のうち2種類のみを含む比較例2−4〜2−6の可塑性乳化油脂組成物を用いたデニッシュペストリーも、バター風味とバターのコク味を感じられないものであった。
さらに、疎水性アミノ酸、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸の3種類を含むものの、バリン及びフェニルアラニンとリジンとの両者又はいずれかを含まない比較例2−7〜2−9の可塑性乳化油脂組成物を用いたデニッシュペストリーも、バター風味とバターのコク味を感じられないものであった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.95質量%に表2−4に示した遊離アミノ酸0.05質量%を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−5)を得た。尚、実施例2−5の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15質量%に表2−4に示した遊離アミノ酸1質量%溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−6)を得た。尚、実施例2−6の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1、2−5、2−6で得られた可塑性乳化油脂組成物を用いて、前記ベーカリー試験−1と同じ配合と製法により、デニッシュペストリーをそれぞれ製造した。得られたデニッシュペストリーのバター風味とバターのコク味を、下記評価基準2により比較評価した。その結果を表2−5に示した。
(バター風味)
○:バター風味を感じる
×:バター風味を感じない
(バターのコク味)
+:コク味を感じる
−:コク味を感じない
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.34質量%に、表2−6に示した遊離アミノ酸0.1質量%、脱脂粉乳0.5質量%、及び固形分中のカルシウムの含有量が0.4質量%である乳清ミネラル0.06質量%(固形分換算)を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−7)を得た。尚、実施例2−7の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.4質量%に、表2−6に示した遊離アミノ酸0.1質量%及び脱脂粉乳0.5質量%を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−8)を得た。尚、実施例2−8の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.84質量%に、表2−6に示した遊離アミノ酸0.1質量%、及び固形分中のカルシウムの含有量が0.4質量%である乳清ミネラル0.06質量%(固形分換算)を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−9)を得た。尚、実施例2−9の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.5質量%に脱脂粉乳を0.5質量%溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(比較例2−10)を得た。尚、比較例2−10の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.94質量%に乳清ミネラルを0.06質量%(固形分換算)溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(比較例2−11)を得た。尚、比較例2−11の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1、実施例2−7〜2−9及び比較例2−10〜2−11で得られた可塑性乳化油脂組成物を用いて、前記ベーカリー試験−1と同じ配合と製法により、デニッシュペストリーをそれぞれ製造した。得られたデニッシュペストリーのバター風味とバターのコク味を、下記評価基準3により比較評価した。その結果を表2−7に示した。
(バター風味)
○○○:非常に強くバター風味を感じる
○○:強くバター風味を感じる
○:バター風味を感じる
×:バター風味を感じない
(バターのコク味)
+++:非常に強くコク味を感じる
++:強くコク味を感じる
+:コク味を感じる
−:コク味を感じない
さらに、アミノ酸と乳清ミネラルと脱脂粉乳の三者を併用した実施例2−7の可塑性乳化油脂組成物を用いたデニッシュペストリーは、非常に強くバター風味とバターのコク味を感じた。
一方、遊離アミノ酸を添加せず、乳清ミネラルもしくは脱脂粉乳のみを添加した比較例2−10、2−11の可塑性乳化油脂組成物を用いたデニッシュペストリーは、バター風味とバターのコク味を感じなかった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.85質量%に、表2−8に示した遊離アミノ酸0.1質量%及びアセスルファムカリウム0.05質量%を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−10)を得た。尚、実施例2−10の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.79質量%に、表2−8に示した遊離アミノ酸0.1質量%及びアセスルファムカリウム0.05質量%、及び固形分中のカルシウムの含有量が0.4質量%である乳清ミネラル0.06質量%(固形分換算)を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−11)を得た。尚、実施例2−11の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水5.9質量%に、表2−8に示した遊離アミノ酸0.1質量%及び砂糖10質量%を溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(実施例2−12)を得た。尚、実施例2−12の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水15.95質量%にアセスルファムカリウム0.05質量%溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(比較例2−12)を得た。尚、比較例2−12の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1で用いた水相16質量%に代えて、水6.0質量%に砂糖10質量%溶解した水相16質量%を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、ロールイン用油脂として用いることができる可塑性乳化油脂組成物(比較例2−13)を得た。尚、比較例2−13の乳化型はW/O型乳化であった。
実施例2−1、2−10、2−11及び比較例2−12、2−13で得られた可塑性乳化油脂組成物を用いて、前記ベーカリー試験−1と同じ配合と製法により、デニッシュペストリーをそれぞれ製造した。得られたデニッシュペストリーのバター風味と甘みを、下記評価基準4により比較評価した。その結果を表2−9に示した。
(バター風味)
○○○:非常に強くバター風味を感じる
○○:強くバター風味を感じる
○:バター風味を感じる
×:バター風味を感じない
(甘み)
○:強く甘みを感じる
×:甘みを感じない
一方、遊離アミノ酸を添加せず、アセスルファムカリウム又は砂糖のみを添加した比較例2−12、2−13の可塑性乳化油脂組成物を用いたデニッシュペストリーは、甘みは強く感じるものの、バター風味を感じなかった。
水49質量%を60℃に昇温し、撹拌しながら、脱脂粉乳5質量%、メタリン酸ナトリウム0.1質量%、及び表3−1に示した遊離アミノ酸0.1質量%を溶解させて水相を用意した。
一方、大豆硬化油(融点31℃)36質量%、パーム核油4.5質量%及びコーン油4.5質量%に、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.2質量%、レシチン0.2質量%及びソルビタン脂肪酸エステル0.1質量%を溶解して油相を用意し、上記水相54.2質量%に該油相45.8質量%を加え混合、乳化して予備乳化物を調製した。該予備乳化物を5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のコク味を有する水中油型乳化組成物(実施例3−1〜3−4)を得た。
実施例3−1で用いた遊離アミノ酸0.1質量%に代えて、表3−2に示した遊離アミノ酸0.1質量%を用いた以外は、実施例3−1と同様にして、水中油型乳化組成物(比較例3−1〜3−9)を得た。
実施例3−1〜3−4及び比較例3−1〜3−9で得られた水中油型乳化組成物460gにグラニュー糖40gを混合し、縦型ミキサーを用いて、毎分700回転の速度で、最適起泡状態までホイップした。得られたホイップクリームの乳風味とコク味を以下の基準にて評価した。
(乳風味)
○:良好
△:僅かに感じる
(コク味)
+:強くコク味を感じる
−:コク味を感じない
一方、本発明に係る疎水性アミノ酸、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸のうちの1又は2のみを含む比較例3−1〜3−6の水中油型乳化組成物をホイップしたホイップクリームは、乳風味を僅かに感じるものの、コク味を感じなかった。
さらに、疎水性アミノ酸、塩基性アミノ酸及び酸性アミノ酸の全てを含むものの、本発明に係るバリン及びフェニルアラニンとリジンとの両者又はいずれかを含まない比較例3−7〜3−9の水中油型乳化組成物をホイップしたホイップクリームも、乳風味を僅かに感じるものの、コク味を感じなかった。
水相の調製において、水の量を49質量%から49.05質量%に変更し、且つ遊離アミノ酸の量を0.1質量%から0.05質量%に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、本発明のコク味を有する水中油型乳化組成物を得た。
尚、使用した遊離アミノ酸の組成は表3−4に示す通りである。該組成は、実施例3−1で用いた遊離アミノ酸の組成と同じである。
水相の調製において、水の量を49質量%から48.6質量%に変更し、且つ遊離アミノ酸の量を0.1質量%から0.5質量%に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、本発明のコク味を有する水中油型乳化組成物を得た。
尚、使用した遊離アミノ酸の組成は表3−4に示す通りである。該組成は、実施例3−1で用いた遊離アミノ酸の組成と同じである。
実施例3−1、3−5及び3−6においてそれぞれ得られた水中油型乳化組成物460gにグラニュ
ー糖40gを混合し、縦型ミキサーを用いて、毎分700回転の速度で、最適起泡状態ま
でホイップした。得られたホイップクリームの乳風味とコク味を以下の基準にて評価した。
(乳風味)
○:良好
△:僅かに感じる
(コク味)
+:強くコク味を感じる
−:コク味を感じない
表3−6の配合により、以下の通り実施例3−1と同様の手順で、水中油型乳化組成物をそれぞれ製造した(実施例3−7〜3−9)。
即ち、まず、水を60℃に昇温し、撹拌しながら、水以外の水相原料を溶解させて、水相を用意した。一方、油脂に油脂以外の油相原料を溶解、分散させて油相を用意し、上記水相に該油相を加え混合、乳化して予備乳化物を調製した。該予備乳化物を5MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて、4秒間殺菌し、再度30MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、本発明のコク味を有する水中油型乳化組成物を得た。
なお、表3−6に記載の遊離アミノ酸の組成を表3−7に示した。また、表3−6には、比較のため、実施例3−1の配合も併せて記載した。実施例3−1で用いた遊離アミノ酸の組成(上記表3−1参照)と、表3−7に示す実施例3−7〜3−9で用いた遊離アミノ酸の組成とは同じである。
実施例3−1、3−7〜3−9で得られた水中油型乳化組成物460gにグラニュー糖40gを混合し、縦型ミキサーを用いて、毎分700回転の速度で、最適起泡状態までホイップした。得られたホイップクリームの乳風味、コク味、食感を以下の基準にて評価した。
(乳風味)
○○○:極めて良好
○○:非常に良好
○:良好
△:僅かに感じる
×:不良
(コク味)
++:非常に強くコク味を感じる
+:強くコク味を感じる
−:コク味を感じない
(食感)
○:口当たりがみずみずしい
△:口当たりがややもったりしている
また、乳化剤と乳清ミネラルを使用した実施例3−8の水中油型乳化組成物をホイップしたホイップクリームは、乳化剤を使用したが乳清ミネラルを使用していない実施例3−1の水中油型乳化組成物をホイップしたホイップクリームよりも、さらに乳風味、コク味の評価がよかった。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の噴霧乾燥物と乳清ミネラルを用いた実施例3−9の水中油型乳化組成物をホイップしたホイップクリームは、乳化剤と乳清ミネラルを使用した実施例3−8の水中油型乳化組成物をホイップしたホイップクリームよりも、口当たりがみずみずしいものに改善され、乳風味も極めて良好なものとなった。
水相の調製において、水の量を49質量%から49.1質量%に変更し、且つ遊離アミノ酸を用いなかった以外は、実施例3−1と同様にして、水中油型乳化組成物を得た。
実施例3−6及び比較例3−10で得られた水中油型乳化組成物を用いて、下記配合及び製法によりプリンをそれぞれ製造し、乳風味とコク味を下記評価基準により評価し、その結果を表3−9に示した。
(プリンの配合及び製法)
水25質量%、水中油型乳化組成物15質量%及び牛乳20質量%を混合した後、40℃に昇温し、攪拌しながらグラニュー糖10質量%を溶解させた。ここに、よく溶き混ぜた全卵20質量%及び卵黄10質量%を投入して、攪拌した後、裏漉しし、プリン生地を得た。
このプリン生地を耐熱カップに流し込み、200度のオーブンで15分蒸し焼きにした。その後、冷蔵庫で12時間冷却し、プリンを得た。
(乳風味)
○:良好
△:僅かに感じる
(コク味)
+:強くコク味を感じる
−:コク味を感じない
一方、遊離アミノ酸を配合していない水中油型乳化組成物(比較例3−10)を用いて作製したプリンは、乳風味を僅かに感じるものの、コク味は感じられなかった。
(エステル交換油脂の製造)
ヨウ素価65のパームスーパーオレインにナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、パーム分別軟部油のエステル交換油脂Aを得た。
エステル交換油脂A8質量%にキサンタンガム0.2質量%を添加し、油相とした。水44.4質量%、表4−1に示した組成の遊離アミノ酸0.1質量%、デンプン(水分13質量%)8質量%、ソルビン酸カリウム0.1質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%、水分25質量%)35質量%、小麦粉3質量%、脱脂粉乳(糖分53質量%、水分3.8質量%)1.1質量%、香料0.1質量%を混合し水相とする。この油相と水相とを混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、本発明の実施例4−1〜4−4のコク味を有するペースト状フラワーペーストを得た。
得られたペースト状フラワーペースト(実施例4−1〜4−4)を用いて下記に示す配合と製法にてペースト状フラワーペースト練り込み食パン(実施例4−1〜4−4)を製造した。
得られたペースト状フラワーペースト練り込み食パン(実施例4−1〜4−4)について、以下の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−4に示した。
中種:強力粉70質量部、イースト2質量部、イーストフード0.1質量部、水40質量部
本捏:強力粉30質量部、上白糖20質量部、食塩1.3質量部、全卵(正味)6質量部、練り込み用マーガリン5質量部、水13質量部、ペースト状フラワーペースト20質量部
(製法)
中種の原料をミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で3分、高速で1分混捏した。捏上温度を25℃とした後、28℃の発酵室で4時間発酵させた。
発酵した中種生地と、練り込み用マーガリンとペースト状フラワーペースト以外の本捏配合原料とをミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で3分、中速で2分、高速で1分混捏した後、練り込み用マーガリンとペースト状フラワーペーストを添加し、低速で3分、中速で4分、高速で3分混捏し、捏上温度を25℃とした。
得られた生地を20分のフロアタイムを取った後、250gずつに分割した。15分のベンチタイムをとった後、モルダー成形し、3斤型に6本生地を入れ、温度38℃、相対湿度80〜85%のホイロで70分発酵させ、次いで190℃で15分間焼成し、ペースト状フラワーペースト練り込み食パンを得た。
[バター風味] 〇:感じる、△:僅かに感じる
[バターのコク味] +:感じる −:コク味を感じない
実施例4−1で用いた遊離アミノ酸0.1質量%に代えて、表4−2と表4−3に示した組成の遊離アミノ酸0.1質量%を用いた以外は、実施例4−1と同様にして、比較例4−1〜4−9のペースト状フラワーペーストを得た。
得られたペースト状フラワーペースト(比較例4−1〜4−9)を用いて実施例4−1と同様の配合と製法にてペースト状フラワーペースト練り込み食パン(比較例4−1〜4−9)を製造した。
得られたペースト状フラワーペースト練り込み食パン(比較例4−1〜4−9)について、実施例4−1と同様の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−4に示した。
エステル交換油脂A25質量%及びパーム極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.05質量%に、キサンタンガム0.01質量%及びペクチン0.3質量%を添加し油相とした。水28.85質量%、表4−5の遊離アミノ酸0.1質量%、デンプン4質量%、小麦粉3質量%、ゼラチン2質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%、水分25質量%)35質量%、脱脂粉乳(糖分53質量%、水分3.8質量%)1質量%及び香料0.69質量%を混合し水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmの本発明の実施例4−5〜4−8のコク味を有す
得られたシート状フラワーペースト折り込みスイートロール(実施例4−5〜4−8)について、以下の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−8に示した。
強力粉80質量部、薄力粉20質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.5質量部、全卵(正味)8質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、ショートニング10質量部、冷水51質量部。
上記の配合の冷水以外の原料をミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で各材料が均一になるまで3分混捏した後、撹拌しながら冷水を加え、低速で2分混合し、捏ね上げ温度を20℃とした。次いで、20分フロアタイムを取った後、−20℃の冷凍庫にて60分生地を冷却した。
得られた生地を厚さ6mmに圧延し、生地100質量部に対し、シート状フラワーペースト50質量部を積置後、包み込み、リバースシーターで3つ折り2回のロールイン操作を行ない、9層の積層生地である複合生地を得た。この複合生地を2℃で4時間冷却した後、厚さ15mmまで圧延し、幅15mm、長さ200mmの短冊状にカットし、これを天板に並べ、室温にて30分ラックタイムを取った後、上火200℃、下火180℃に設定した固定窯で14分焼成し、フラワーペースト折り込みスイートロールを得た。
[バター風味] 〇:感じる、△:僅かに感じる
[バターのコク味] +:感じる −:コク味を感じない
実施例4−5におけるパーム極度硬化油0.05質量%を無添加とし、水相の調整において、実施例4−5で用いた遊離アミノ酸0.1質量%に代えて、表4−6と表4−7に示した遊離アミノ酸0.1%を用い、水28.85質量%を28.9質量%に変更した以外は、実施例4−5と同様にして、比較例4−10〜4−18のシート状フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュ(比較例4−10〜4−18)について、実施例4−5と同様の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−8に示した。
実施例4−5の水相の調製において、水の量を28.9質量%から28.95質量%に変更し、且つ遊離アミノ酸(組成は実施例4−5で用いたものと同様)の配合量を0.1質量%から0.05質量%に変更した以外は、実施例4−5と同様にして本発明のコク味を有するシート状フラワーペースト(実施例4−9)を得た。
得られた実施例4−9のフラワーペーストを用いて実施例4−5と同様の配合と製法にてフラワーペースト折り込みデニッシュ(実施例4−9)を製造した。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュ(実施例4−9)について、実施例4−5と同様の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−9に示した。
実施例4−5の水相の調製において、水の量を28.9質量%から28.5質量%に変更し、且つ遊離アミノ酸(組成は実施例4−5で用いたものと同様)の配合量を0.1質量%から0.5質量%に変更した以外は、実施例4−5と同様にして本発明のコク味を有するシート状フラワーペースト(実施例4−10)を得た。
得られた実施例4−10のフラワーペーストを用いて実施例4−5と同様の配合と製法にてフラワーペースト折り込みデニッシュ(実施例4−10)を製造した。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュ(実施例4−10)について、実施例4−5と同様の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−9に示した。
実施例4−5の水相の調製において、水の量を28.9質量%から28.8質量%に変更し、且つ固形分中のカルシウム含量が0.14質量%である乳清ミネラル0.1質量%(固形分換算)を用いた以外は、実施例4−5と同様にして本発明のコク味を有するシート状フラワーペースト(実施例4−11)を得た。なお、実施例4−11の遊離アミノ酸組成は実施例4−5と同様であり、配合量も実施例4−5と同様である。
得られた実施例4−11のフラワーペーストを用いて実施例4−5と同様の配合と製法にてフラワーペースト折り込みデニッシュ(実施例4−11)を製造した。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュ(実施例4−11)について、以下の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−10に示した。
[バター風味] ○○:強く感じる 〇:感じる △:僅かに感じる
[バターのコク味] ++:強く感じる +:感じる −:コク味を感じない
実施例4−5の水相の調製において、遊離アミノ酸0.1質量%を固形分中のカルシウム含量が0.14質量%である乳清ミネラル0.1質量%に変更した以外は実施例4−5と同様にしてシート状フラワーペースト(比較例4−19)を得た。
得られた比較例4−19のフラワーペーストを用いて実施例4−5と同様の配合と製法にてフラワーペースト折り込みデニッシュ(比較例4−19)を製造した。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュ(比較例4−19)について、実施例4−11と同様の評価基準に従って、バター風味とバターのコク味を評価した。評価の結果を表4−10に示した。
遊離アミノ酸を含有せず、乳清ミネラルを含有した比較例4−19のシート状フラワーペーストを用いた折り込みデニッシュは、バター風味を僅かに感じたが、バターのコク味を感じないものであった。
Claims (16)
- 遊離アミノ酸として、バリン又はフェニルアラニンを含む疎水性アミノ酸、リジンを含む塩基性アミノ酸、及びグルタミン酸を含む酸性アミノ酸を含有するコク味強化剤であって、
全遊離アミノ酸中、上記疎水性アミノ酸の含有量が30〜60質量%であり、上記塩基性アミノ酸の含有量が35〜65質量%であり、上記酸性アミノ酸の含有量が1〜20質量%であり、
上記塩基性アミノ酸中、リジンの含有量が75〜100質量%であり、
上記酸性アミノ酸中、グルタミン酸の含有量が80〜100質量%であるコク味強化剤。 - 乳清ミネラルを含有する請求項1記載のコク味強化剤。
- 高甘味度甘味料を含有する請求項1又は2記載のコク味強化剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤を含有する食品。
- ベーカリー生地である請求項4記載の食品。
- 穀粉類100質量部に対して、遊離アミノ酸の総含有量が0.001〜2質量部となるように請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤を添加してなる請求項5記載の食品。
- 穀粉製品である請求項4記載の食品。
- 穀粉類100質量部に対して、遊離アミノ酸の総含有量が0.001〜2質量部となるように請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤を添加してなる請求項7記載の食品。
- 遊離アミノ酸として、バリン又はフェニルアラニンを含む疎水性アミノ酸を0.015〜2質量%、リジンを含む塩基性アミノ酸を0.009〜2質量%、及び酸性アミノ酸を0.017〜0.5質量%含有するように、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤が添加されたベーカリー食品である請求項4記載の食品。
- 可塑性乳化油脂組成物である請求項4記載の食品。
- 油中水型乳化組成物である請求項4記載の食品。
- 水中油型乳化組成物である請求項4記載の食品。
- フラワーペースト類である請求項4記載の食品。
- 請求項10〜12のいずれか1項に記載の食品の製造方法であって、水に請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤を添加した水相と、油相とを乳化する食品の製造方法。
- 請求項13記載の食品の製造方法であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤、油脂及び澱粉類を含有するフラワーペースト類原料を均質化処理した後、加熱し、冷却する食品の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコク味強化剤を食品に含有させる食品のコク味強化方法。
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JPH10276670A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-10-20 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 発酵乳様風味を有する無発酵食品及びその製造方法 |
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Title |
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