JP6282854B2 - 可塑性油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
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ただし「乳風味」と一言で言っても、飲食品の水分含量や油分含量、あるいは固形分含量、さらには飲食品の物性によって、それは牛乳の風味であったり、生クリームの風味であったり、バターの風味であったりすることがある。
たとえば、飲料などの水分がその主体であり固形分の少ない液体では、乳風味といえば牛乳の風味であるが、シチューなどの固形分がやや多い粘度の高い液体やペースト状の食品では、乳風味といえば生クリームの風味であることが多く、マーガリンのような可塑性油脂あるいはクロワッサンやバターケーキのようなベーカリー製品などの、水分含量の低い固形の食品では、乳風味といえばバターの風味であることが多い。
すなわち、牛乳から生クリーム、生クリームからバター、という乳製品の製造過程で油分及び油溶性成分は濃縮され、水分及び水溶性成分は除去されるので、牛乳、生クリーム、バターではそれぞれ油溶性成分の風味と水溶性成分の風味の構成比率が異なる。
これは、低脂肪化志向という市場の変化によるものと思われる。すなわち、本来バターの風味が主であったこれらの水分含量の低い固形の食品においては、バターの風味が強いとたとえ低脂肪であったとしても油分含量が高いと感じやすく、反対に、牛乳の風味とすると低脂肪であると感じることができるようになるためである。
さらに生クリームやこれらの乳製品を使用したベーカリー製品では、ベーキング過程で風味が変化するため、牛乳の風味あるいは生クリームの風味(以下、あわせてミルク風味という)が感じられなくなってしまったり、逆にコクがない乳風味のベーカリー製品になってしまったりする。
そして、特許文献4に記載の可塑性油脂組成物をベーカリー製品に使用した場合には、コクのある良好なミルク風味が得られないという問題があった。
すなわち本発明は乳たんぱく質を0.5〜5質量%、糖類を5〜30質量%及び高甘味度甘味料を含有し、乳たんぱく質1質量部に対して糖類を5〜30質量部含有することを特徴とする可塑性油中水型乳化油脂組成物を提供するものである。
また、本発明のベーカリー製品はトップからラストまで十分な強度の、コクのある良好なミルク風味を有する。
乳たんぱく質の含有量が0.5質量%未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品がミルク風味を全く得られない。一方、乳たんぱく質の含有量が5質量%を超えると、水相に溶解せずザラが残った可塑性油中水型乳化油脂組成物になったり、得られるベーカリー製品に斑点を生じさせたりするおそれがある。
なお、乳たんぱく質は、カゼインたんぱく質とホエイたんぱく質に大別される。
糖類の含有量が5質量%未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品がミルク風味を全く得られない。一方、糖類の含有量が30質量%を超えると、可塑性油中水型乳化油脂組成物はミルク風味よりも甘味が強い単なる加糖マーガリンになってしまい、また、得られるベーカリー製品においても甘味が強くミルク風味が感じられなくなってしまう。
乳たんぱく質1質量部に対し糖類が5質量部未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品に十分なミルク風味を付与することができず、30質量部を超えると可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品の甘味が強すぎて、バランスの崩れたミルク風味となる。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、高甘味度甘味料の含有量が上記範囲の下限未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品のラストの風味にミルク風味を感じることができず、上限超であるとトップ〜ラストの風味の全てにおいて甘味が強く、また人工的でバランスの崩れたミルク風味となる。
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、スクラロースを用いる場合の含有量は、好ましくは0.00016〜0.033質量%、さらに好ましくは0.00048〜0.03質量%、最も好ましくは0.005〜0.05質量%である。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、アセスルファムカリウムとスクラロースとを併用する場合は、上記の含有量を満たしつつ、さらに質量基準でアセスルファムカリウム1に対し、スクラロースを好ましくは0.2〜2、さらに好ましくは0.3〜1.8、最も好ましくは0.3〜1.5となるように含有させることが望ましい。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物における、油脂の含有量は、好ましくは20〜95質量%、更に好ましくは50〜90質量%、最も好ましくは70〜90質量%である。本発明において、油脂の含有量が20質量%よりも少ないと油中水型の乳化物が不安定となりやすく、95質量%よりも多いと水相成分の呈味を感じられなくなりやすい。
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物に、油脂を含有する原材料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの原材料に含まれる油脂分も含めるものとする。
尚、ここでいう水分とは、水道水や天然水等の配合水以外にも、牛乳、液糖等の水分を含む原材料に含まれる水分も含めたものとする。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、例えば、乳たんぱく質を組成物中0.5〜5質量%となりうる量、糖類を組成物中5〜30質量%となりうる量、及び高甘味度甘味料を含有し、乳たんぱく質1質量部に対して糖類を5〜30質量部含有する水相と、油脂を主体とする油相を乳化し、急冷可塑化することにより得ることができる。
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、他にも、カレールウ用、バッター用、ソース用、フライ用等の調理・総菜用としてもまた使用することができる。
本発明のベーカリー生地は上述のように本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を使用したものであり、好ましくはベーカリー生地製造時に練り込み及び/又はロールインしたものである。上記のベーカリー生地としては、例えば、クッキー生地、パイ生地、シュー生地、サブレ生地、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、ケーキドーナツ生地等の菓子生地や、食パン生地、フランスパン生地、バラエティブレッド生地、ブリオッシュ生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地、マフィン生地、ピザ生地、スコーン生地、蒸しパン生地、ワッフル生地、イングリッシュマフィン生地、バンズ生地等のパン生地が挙げられるが、本発明のベーカリー生地は、良好なミルク風味が得られる点でパン生地であることが好ましい。
なお、ロールイン使用する場合は、ベーカリー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部である。
本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用することが望ましい。
本発明のベーカリー製品は、上記の本発明のベーカリー生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、加熱処理することにより得ることができる。
上記加熱処理としては、例えば、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上の処理を行うことができるが焼成によることが好ましい。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油95質量%とパームステアリン5質量%との混合油脂70.97質量部を60℃に加熱し、グリセリンモノステアリン酸エステル1.0質量部及びレシチン0.5質量部を添加・溶解した油相を用意した。一方、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖(固形分70質量%、固形分中の果糖含有量25質量%)10質量部、高果糖液糖(固形分70質量%、固形分中の果糖含有量90質量%)10質量部及び水4.5質量部を混合後60℃に加熱し、ホエイプロテインコンセントレート(たんぱく質含有量80質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=100質量%、乳糖含量5質量%、果糖含有量0%)1.5質量部、乳糖1.5質量部、アセスルファムカリウム0.02質量部、及びスクラロース0.01質量部を添加・溶解した水相を用意した。上記油相と水相を油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度―20℃/分)にかけ、これをシート状に成型し、ロールイン用である可塑性油中水型乳化油脂組成物1を製造した。得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1は良好なミルク風味を有していた。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1を使用し、下記配合・製法により、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ1)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ1について焼成1時間後に喫食したところ、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コク味のある良好なミルク風味が感じられた。
下記配合・製法により、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(デニッシュ)を得た。
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、食塩1.6質量部、砂糖6質量部、脱脂粉乳3質量部、イーストフード0.1質量部、イースト4質量部、水54質量部、及び、練り込み油脂(マーガリン)5質量部をミキサーボウルに投入し、フックを用いて低速3分、中速5分ミキシングして得られた生地を、1kgに分割し、軽く丸めた後、2℃の冷蔵庫内で15時間生地をリタードした。この生地をシーターを用いて厚さ5mmまで伸展させたのち、この上面に、ロールイン用可塑性油中水型乳化油脂組成物1を200g積載し、厚さ5mmまで圧延し3つ折りし、生地の方向を90℃変えて、さらに厚さ5mmまで圧延し3つ折りをおこなった。ここで2℃で2時間リタードした後、厚さ5mmまで圧延し3つ折りし、デニッシュ生地を得た。
得られたデニッシュ生地を冷蔵庫内で2時間リタード後、シーターを用いて生地を厚さ6mmまで圧延し、直径60mmの菊型で生地を打ちぬいた。この打ちぬいた生地の両面にグラニュー糖を付着させた後、シーターで厚さ4mmまで圧延し、ピケ穴をあけ、32℃50分のホイロをとり、室温で10分レストを取った後、210℃に設定した固定窯で10分焼成し、リーフデニッシュパイを得た。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を、ホエイプロテインコンセントレートとカゼインナトリウム(たんぱく質含有量90質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=0質量%)の等量混合物1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物2を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物2の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物2を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ2)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ2について焼成1時間後に喫食したところ、実施例1よりもやや強度は低いが、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コクのある良好なミルク風味が感じられた。
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖を10質量部から20質量部に変更し、さらに、高果糖液糖を10質量部から無添加に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物3を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物3の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物3を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ3)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ3について焼成1時間後に喫食したところ、実施例1よりトップの風味のミルク風味がやや弱いが、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コクのある良好なミルク風味が感じられた。
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖を無添加とし、さらに、高果糖液糖を10質量%から20質量%に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物4を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物4の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物4を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ4)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ4について焼成1時間後に喫食したところ、実施例1よりトップの甘味がやや強いが、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コクのある良好なミルク風味が感じられた。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を4.5質量部に変更し、水を4.5質量部から1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物5を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物5の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物5を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ5)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ5について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に弱く、とくにラストの風味にミルク風味が不足し、バランスの悪い乳風味であった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を脱脂粉乳(たんぱく質含有量35質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=20質量%、乳糖含量53質量%、果糖含有量0%)1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物6を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物6の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物6を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ6)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ6について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に弱く、また、ラストの風味に甘味が強すぎ、バランスの悪い乳風味であった。
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖及び高果糖液糖を無添加とし、水を4.5質量部から10.5質量部に変更し、さらに混合油脂を70.97質量部から84.97質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物7を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物7の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物7を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ7)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ7について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に極めて弱く、とくにトップの風味及びミドルの風味にミルク風味が感じられなかった。
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖及び高果糖液糖を共に10質量部から5質量部に変更し、ホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を0.5質量部とし、アセスルファムカリウム0.02質量部を0.01質量部に、スクラロース0.01質量部を0.005質量部に変更し、さらに水の配合量を4.5質量部から7.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物8を得た。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物8の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物8を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ8)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ8について焼成1時間後に喫食したところ、甘味が強すぎ、全くミルク風味が感じられなかった。
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を0.5質量部とし、水の配合量を4.5質量部から5.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物9を得た。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物9の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物9を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ9)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ9について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に極めて弱く、また、とくにラストの甘味が強すぎ、ほとんど乳風味が感じられなかった。
実施例1におけるアセスルファムカリウム及びスクラロースを無添加とし、水の配合量を4.5質量部から4.53質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物10を得た。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物10の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物10を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ10)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ10について焼成1時間後に喫食したところ、トップの風味及びミドルの風味は十分な強度の良好なミルク風味であるが、ラストの風味にミルク風味が感じられなかった。
Claims (6)
- 乳たんぱく質を0.5〜5質量%、糖類を5〜30質量%及び高甘味度甘味料を含有し、乳たんぱく質1質量部に対して糖類を5〜30質量部含有し、
ベーカリー生地練り込み用又はロールイン用であることを特徴とする可塑性油中水型乳化油脂組成物。 - 乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合が40〜100質量%であることを特徴とする請求項1記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 糖類に占める果糖の割合が30〜70質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物。
- 高甘味度甘味料がスクラロース及び/又はアセスルファムカリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の可塑性油中水型乳化油脂組成物を練り込んだか、或いはロールインしたベーカリー生地。
- 請求項5記載のベーカリー生地を使用したベーカリー製品。
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