JP7203574B2 - ベーカリー用油脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1~6の乳風味増強剤を使用する方法は、実際には乳風味自体を増強しているのではなく、単にコク味を付与することにより乳風味を増強させている。そのため、コク味の強さの割りにバター風味は感じられないという問題があった。また、乳風味以外の風味をも同様に増強してしまい、乳風味が目立って増強されたように感じられないという問題もあった。また、乳風味増強剤に使用される素材はコク味を付与するために素材自体の風味が強いものであるため、添加量を増やすと当該素材の風味が感じられてしまうという問題もあった。特許文献7に記載の乳清ミネラルを使用する方法は、良好なバター風味を付与することができるが、バターのコク味付与の観点から改善の余地があった。引用文献8に記載の酵母エキスを使用する方法は、バター風味を強化するために酵母エキスの添加量を増やすとえぐ味が出るおそれがあるという問題があった。
アミノ酸を利用する方法として、例えば、グルタミン酸、グリシン、リジン及びメチオニンからなる群から選択される3種のアミノ酸を使用する、熟成されたチーズ風味を有する食品を得る方法(例えば特許文献9参照)、ロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸及びカルボニル化合物を含有するミルク風味の油脂組成物(例えば特許文献10参照)、特定の9種のアミノ酸の混合物により発酵乳風味を得る方法(例えば特許文献11及び12参照)、アラニン及びアルギニンを使用する方法(例えば特許文献13及び14参照)、呈味の異なる2種のアミノ酸を組み合わせる方法(例えば特許文献15参照)、並びに3種の特性のアミノ酸を組み合わせる方法(例えば特許文献16参照)などが提案されている。
まず、本発明で使用する遊離アミノ酸について述べる。
本発明のベーカリー用油脂組成物は、遊離アミノ酸を、組成物基準で、0.0001~0.01質量%、好ましくは0.0001~0.005質量%、より好ましくは0.0005~0.0025質量%含有する。遊離アミノ酸の含量が0.0001質量%未満であると本発明の効果が得られにくく、0.01質量%を超えるとベーカリー生地への適用量によっては得られるベーカリー製品の風味が悪化するおそれがある。
本発明のベーカリー用油脂組成物中の遊離含硫アミノ酸の含量は、組成物基準で0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0003質量%以上であることがより好ましく、0.0005質量%以上であることがさらに好ましい。本発明のベーカリー用油脂組成物中の遊離含硫アミノ酸の含量の上限値は0.01質量%であり、好ましくは0.0075質量%、より好ましくは0.005質量%、さらに好ましくは0.0025質量%、最も好ましくは0.001質量%である。
ところで、一般的なバターにおける遊離含硫アミノ酸の含量は通常2ppm以下であり、遊離アミノ酸中の遊離含硫アミノ酸の含量は10質量%未満である。
ベーカリー用油脂組成物における疎水性アミノ酸の含量は、上記含硫アミノ酸及び上記疎水性分岐アミノ酸を除く全遊離アミノ酸中、好ましくは30~60質量%、さらに好ましくは35~55質量%、最も好ましくは35~50質量%である。
ベーカリー用油脂組成物における塩基性アミノ酸の含量は、上記含硫アミノ酸及び上記疎水性分岐アミノ酸を除く全遊離アミノ酸中、好ましくは35~65質量%、さらに好ましくは40~60質量%、最も好ましくは45~60質量%である。
ベーカリー用油脂組成物における酸性アミノ酸の含量は、上記含硫アミノ酸及び上記疎水性分岐アミノ酸を除く全遊離アミノ酸中、好ましくは1~20質量%、さらに好ましくは2.5~15質量%、最も好ましくは5~10質量%である。
本発明で使用する糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖等の低分子の糖類が挙げられる。糖類の具体例としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、ショ糖、麦芽糖、乳糖、はちみつ、酵素糖化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖化水飴、オリゴ糖、トレハロース、キシロース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、1種を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明では、上記糖類が還元糖であることが、良好な風味のベーカリー製品が得られる点で好ましい。還元糖の具体例としては、例えば、ブドウ糖、果糖、キシロース、ガラクトース、アラビノース、マルトース、乳糖、異性化液糖及びマルトオリゴ糖等が挙げられ、これらの中でも乳糖を使用することが好ましい。
遊離アミノ酸1質量部に対し糖類が2質量部未満であると、本発明の効果を得ることが難しく、1000質量部を超えると効果が頭打ちとなり、また、バター風味よりも甘さが目立ってしまうようになることがある。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油及びカカオ脂等の植物性油脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂、並びにこれの油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂の1種を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明のベーカリー用油脂組成物は、可塑性を有することが、ベーカリー生地に添加する際に均質に練り込み、及び/又は折り込み可能な点で好ましい。
すなわち、本発明のベーカリー用油脂組成物は、油中水型可塑性乳化油脂組成物であることが好ましい。
本発明のベーカリー用油脂組成物は、例えば、遊離アミノ酸を組成物中0.0001~0.01質量%となりうる量、及び、糖類を組成物中固形分として0.01~1質量%となりうる量を含有し、遊離アミノ酸中の含硫アミノ酸含量が15質量%以上である水相と、油脂を主体とする油相とを乳化し、冷却することにより得ることができる。
本発明のベーカリー生地は本発明のベーカリー用油脂組成物を含有するものであり、好ましくはベーカリー生地製造時に本発明のベーカリー用油脂組成物を練り込み及び/又はロールインしたものであり、最も好ましくは練り込んだものである。上記のベーカリー生地としては、例えば、クッキー生地、パイ生地、シュー生地、サブレ生地、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、ケーキドーナツ生地等の菓子生地や、食パン生地、フランスパン生地、バラエティブレッド生地、ブリオッシュ生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地、マフィン生地、ピザ生地、スコーン生地、蒸しパン生地、ワッフル生地、イングリッシュマフィン生地、バンズ生地等のパン生地が挙げられる。本発明のベーカリー生地は、良好なバター風味が得られる点でパン生地であることが好ましい。
ベーカリー用油脂組成物をロールイン使用する場合、上記ベーカリー生地における本発明のベーカリー用油脂組成物の含量は、ベーカリー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10~100質量部、より好ましくは10~50質量部である。
本発明で使用される澱粉類は、小麦粉類を50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、100質量%含有することがより好ましい。
本発明のベーカリー生地の製造方法は、上記本発明のベーカリー用油脂組成物を、ベーカリー生地製造時に添加することを特徴とする。
本発明のベーカリー用油脂組成物のベーカリー生地への添加方法は上述のとおりである。
本発明のベーカリー製品は、上記の本発明のベーカリー生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、加熱処理することにより得ることができる。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
上記加熱処理としては、例えば、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を行うことができるが焼成によることが好ましい。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
豚脂、牛脂、パームステアリン、ナタネ油を70:20:5:5の質量比で混合した混合油脂80.1質量部を60℃に加熱し、グリセリンモノステアリン酸エステル0.5質量部及びレシチン0.5質量部、バター香料0.4質量部を添加・溶解した油相を用意した。一方、水18.2995質量部を混合後60℃に加熱し、乳糖0.2質量部、システィン0.0005質量部を添加・溶解した水相を用意した。上記油相と水相を油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度-20℃/分)にかけ、可塑性油中水型乳化物である、ベーカリー用油脂組成物1を製造した。
システィンの添加量を0.0005質量部から0.00025質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.29975質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物2を製造した。
〔実施例3〕
システィンの添加量を0.00025質量部から0.0015質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から17.7985質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物3を製造した。
〔実施例4〕
システィンの添加量を0.00025質量部から0.003質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.297質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物4を製造した。
〔実施例5〕
システィンの添加量を0.00025質量部から0.0025質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.2955質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物5を製造した。
システィン0.0005質量部をメチオニン0.0005質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物6を製造した。
〔実施例7〕
バリン0.0005質量部を追加添加し、水の添加量を18.2995質量部から18.299質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物7を製造した。
〔実施例8〕
ロイシン0.0005質量部を追加添加し、水の添加量を18.2995質量部から18.299質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物8を製造した。
〔実施例9〕
イソロイシン0.0005質量部を追加添加し、水の添加量を18.2995質量部から18.299質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物9を製造した。
システィン0.0005質量部を無添加とし、水の添加量を18.2995質量部から18.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B1を製造した。
〔比較例2〕
乳糖0.2質量部を無添加とし、水の添加量を18.2995質量部から18.4995質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B2を製造した。
〔比較例3〕
システィン0.0005質量部をバリン0.0005質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B3を製造した。
〔比較例4〕
システィン0.0005質量部をロイシン0.0005質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B4を製造した。
システィン0.0005質量部をグルタミン酸0.0005質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B5を製造した。
〔比較例6〕
システィン0.0005質量部をフェニルアラニン0.0005質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B6を製造した。
〔比較例7〕
システィン0.0005質量部を下記のアミノ酸混合物A0.0015質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.2985質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B7を製造した。
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%を混合し、アミノ酸混合物を得た。
システィン0.0005質量部を下記アミノ酸混合物B0.0015質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.2985質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B8を製造した。
チロシン14質量部、フェニルアラニン6質量部、スレオニン2質量部、グリシン9質量部及びアラニン6質量部からなる疎水性アミノ酸23質量%、バリン6質量部、ロイシン14質量部及びイソロイシン6質量部からなる疎水性分岐アミノ酸17質量%、ヒスチジン11質量部、リジン7質量部及びアルギニン13質量部からなる塩基性アミノ酸20質量%、グルタミン酸35質量部及びアスパラギン酸5質量部からなる酸性アミノ酸25質量%、システィン10質量部及びメチオニン10質量部からなる含硫アミノ酸13質量%、並びにイミノ酸であるプロリン2質量%を混合し、アミノ酸混合物Bを得た。
システィン0.0005質量部を上記アミノ酸混合物A0.05質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.25質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B9を製造した。
〔比較例10〕
システィン0.0005質量部を上記アミノ酸混合物A0.25質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.05質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、比較例のベーカリー用油脂組成物B10を製造した。
乳糖の添加量を0.2質量部から0.02質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.4795質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物10を製造した。
〔実施例11〕
乳糖の添加量を0.2質量部から0.1質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.3995質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物11を製造した。
〔実施例12〕
乳糖の添加量を0.2質量部から0.4質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から18.0995質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物12を製造した。
〔実施例13〕
乳糖の添加量を0.2質量部から0.6質量部に変更し、水の添加量を18.2995質量部から17.8995質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物13を製造した。
〔実施例14〕
乳糖0.2質量部をブドウ糖0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物14を製造した。
〔実施例15〕
乳糖0.2質量部を果糖0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物15を製造した。
乳糖0.2質量部をショ糖0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物16を製造した。
〔実施例17〕
乳糖0.2質量部をソルビトール0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物17を製造した。
〔実施例18〕
無塩バター(油分81質量%、水分16質量%、遊離アミノ酸0.0016質量%(16ppm)含有)5質量%を追加添加し、混合油脂80.499質量部を75.499質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物18を製造した。
〔実施例19〕
無塩バター(油分81質量%、水分16質量%、遊離アミノ酸0.0016質量%(16ppm)含有)10質量%を追加添加し、混合油脂80.499質量部を70.499質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物19を製造した。
〔実施例20〕
無塩バター(油分81質量%、水分16質量%、遊離アミノ酸0.0016質量%(16ppm)含有)20質量%を追加添加し、混合油脂80.499質量部を60.499質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物20を製造した。
無塩バター(油分81質量%、水分16質量%、遊離アミノ酸0.0016質量%(16ppm)含有)10質量%を追加添加し、混合油脂80.499質量部を70.499質量部に変更し、さらに、上記アミノ酸混合物A0.0015質量部を添加し、水の添加量を18.2995質量部から18.2980質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物21を製造した。
〔実施例22〕
無塩バター(油分81質量%、水分16質量%、遊離アミノ酸0.0016質量%(16ppm)含有)10質量%を追加添加し、混合油脂80.499質量部を70.499質量部に変更し、さらに、上記アミノ酸混合物B0.0015質量部を添加し、水の添加量を18.2995質量部から18.2980質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物22を製造した。
〔実施例23〕
無塩バター(油分81質量%、水分16質量%、遊離アミノ酸0.0016質量%(16ppm)含有)10質量%を追加添加し、混合油脂80.499質量部を70.499質量部に変更し、さらに、システィンの添加量を0.0005質量部から0.00025質量部に変更し、上記アミノ酸混合物B0.0015質量部を添加し、水の添加量を18.2995質量部から18.29825質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物23を製造した。
〔実施例24〕
バター香料0.001質量部を無添加とし、混合油脂80.499質量部を80.5質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物24を製造した。
〔実施例25〕
バター香料0.001質量部をミルク香料0.001質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、本発明のベーカリー用油脂組成物25を製造した。
強力粉70質量部、イーストフード0.1質量部、イースト3質量部、上白糖3質量部及び水40質量部をミキサーボールに投入し、たて型ミキサーにてフックを使用して、低速で3分、中速で2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて2時間の中種発酵をとった。
中種発酵を終えた中種生地に、強力粉30質量部、上白糖12質量部、食塩0.9質量部、脱脂粉乳2質量部、及び水23質量部を添加し、たて型ミキサーにてフックを使用して、低速で3分、中速で3分ミキシング後、ベーカリー用油脂組成物15質量部を添加し、低速で3分、中速で4分ミキシングし、菓子パン生地(捏ね上げ温度27℃)を得た。得られた菓子パン生地は、40分のフロアタイムをとり、分割(380g)し、30分のベンチタイムをとった後、ワンローフ成形をし、ワンローフ型に入れ、38℃、相対湿度85%、40分のホイロをとった後、上火180℃、下火180℃のオーブンで25分焼成した。
12人のパネラーにより、得られた菓子パンそれぞれを直接喫食した際の風味、味の持続性、雑味を、それぞれ下記評価基準にしたがって官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、評価点数に基づき下記の基準でベーカリー製品の風味を評価した。結果を表2に示す。
51~60点:◎++
41~50点:◎+
33~40点:◎
25~32点:○
17~24点:△
9~16点:×
0~8点:××
5点…自然なコクのある良好なバター風味が感じられる。
3点…コクのある良好なバター風味が感じられる。
2点…コクがやや弱いが良好なバター風味が感じられる。
1点…バター風味は感じられるがコクがない。
0点…バター風味が感じられない。
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからラストまで呈味が感じられるがトップがやや弱い。
2点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
5点…渋味や苦みなどのエグ味が全く感じられず、極めて良好である。
3点…エグ味がほとんど感じられず、良好である。
2点…若干の雑味を感じるが許容範囲である。
1点…渋味や苦みなどのエグ味が感じられ、やや不良である。
0点…渋味や苦みなどのエグ味が強く感じられ、不良である。
Claims (9)
- 遊離アミノ酸を0.0001~0.01質量%及び糖類を固形分として0.01~1質量%含有し、該遊離アミノ酸中の含硫アミノ酸含量が15質量%以上であり、該含硫アミノ酸が、システイン、シスチン及びグルタチオンからなる群から選択される少なくとも1種であり、ベーカリー生地に練り込み使用又はロールイン使用される、ベーカリー用油脂組成物。
- 上記遊離アミノ酸中の疎水性分岐アミノ酸含量が5質量%以上である、請求項1記載のベーカリー用油脂組成物。
- さらに乳製品を含有する、請求項1又は2記載のベーカリー用油脂組成物。
- さらに乳風味香料を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物。
- バター風味を有するベーカリー用である、請求項1~4のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物。
- 油中水型可塑性乳化油脂組成物である、請求項1~5のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物を含有するベーカリー生地。
- 請求項7記載のベーカリー生地を加熱処理してなるベーカリー製品。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物を、ベーカリー生地製造時に添加する、ベーカリー生地の製造方法。
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