JP2005320445A - パームステアリン含有可塑性油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パームステアリン1重量部に対し、ラードを1.0〜3.0重量部の比率で含有し、且つ、SFC(固体脂含量)が、10℃で20〜60%、20℃で10〜40%である油相を含むことを特徴とする可塑性油脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明の可塑性油脂組成物において、油脂以外の成分の使用量は、それらの成分の使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、油相中において、油脂以外の成分の使用量は、好ましくは合計で50重量%以下とし、また、本発明の可塑性油脂組成物を乳化物とする場合、油相と水相との比率(前者:後者)は、好ましくは50〜50:95〜5であり、水相中において、水以外の成分の使用量は、好ましくは合計で25重量%以下とする。
パームステアリン(ヨウ素価=33、トランス脂肪酸=0.4重量%)25重量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=1.6重量%)45重量部及び大豆液状油(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2.2重量%)30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で34%、20℃で23%であり、油相中のパームステアリン及びラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33、トランス脂肪酸=0.4重量%)33重量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=1.6重量%)37重量部及び大豆液状油(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2.2重量%)30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.1重量部含有し、油相中のSFCが10℃で37%、20℃で26%であり、油相中のパームステアリン及びラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.1重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形シート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33、トランス脂肪酸=0.4重量%)20重量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=1.6重量%)50重量部及び大豆液状油(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2.2重量%)30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを2.5重量部含有し、油相中のSFCが10℃で31%、20℃で21%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.1重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
実施例1で使用したヨウ素価33のパームステアリンに代えてヨウ素価=45のパームステアリン(トランス脂肪酸=0.6重量%)を使用した以外は実施例1と同様にして、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で32%、20℃で21%であった。油相中のパームステアリンとラードの含有量は合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は実施例1と同様に、縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
実施例1で使用したヨウ素価33のパームステアリンに代えてヨウ素価=22のパームステアリンを使用した以外は実施例1と同様にして、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で36%、20℃で28%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は実施例1と同様に、縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
実施例1で使用したヨウ素価65の豚脂に代えてヨウ素価=73の豚脂軟部油を使用した以外は実施例1と同様にして、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で33%、20℃で21%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.0重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は実施例1と同様に、縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
実施例1で使用したヨウ素価65の豚脂に代えてヨウ素価=43の豚脂中部油を使用した以外は実施例1と同様にして、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で38%、20℃で26%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は実施例1と同様に、縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)30重量部及び豚脂軟部油(ヨウ素価=73)70重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを2.3重量部含有し、油相中のSFCが10℃で38%、20℃で28%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で100重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.4重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)11重量部、豚脂(ヨウ素価=65)19重量部、パーム油30重量部及び大豆液状油40重量%、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.7重量部含有し、油相中のSFCが10℃で30%、20℃で16%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で30重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)12重量部、豚脂(ヨウ素価=65)58重量部及び大豆液状油30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%及び食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを4.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で28%、20℃で19%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.3重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である比較例の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)58重量部、豚脂(ヨウ素価=65)12重量部及び大豆液状油30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを0.2重量部含有し、油相中のSFCが10℃で64%、20℃で41%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が0.8重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である比較例の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)30重量部及び大豆液状油70重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリンを含有するがラードを含有せず、油相中のSFCが10℃で23%、20℃で17%であり、トランス脂肪酸含量が1.3重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である比較例の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)70重量部及び大豆液状油30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリンを含有するがラードを含有せず、油相中のSFCが10℃で54%、20℃で40%であり、トランス脂肪酸含量が0.8重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である比較例の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
パームステアリン(ヨウ素価=33)40重量部及び大豆液状油60重量部からなる混合油をリゾプス・デレマー由来の1,3−位特異性リパーゼを使用し、常法に従い60℃で酵素反応を行ってエステル交換油を得た。得られたエステル交換油100重量部並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、パームステアリンと液状油とのエステル交換油からなり、油相中のSFCが10℃で39%、20℃で28%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプのロールイン用である比較例の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦210mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形した。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたロールイン用の可塑性油脂組成物について、20℃にて放置テストを行った。放置テストにおいては、製造直後及び4週間後に、油脂組成物の風味及び表面状態(ブルーム)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。
(評価基準)
・風味
◎:良好な風味を感じる。
○:やや独特な風味を感じる。
△:独特な風味又は濃厚な香味をはっきり感じる。
×:独特な風味又は濃厚な香味を強く感じ、可塑性油脂としては不適である。
・ブルーム
◎:全くみられない。
○:やや艶がない。
△:艶がなく、ややざらついている。
×:白色化し、ざらつきがある。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたロールイン用の可塑性油脂組成物を用いて、下記に示す配合及び製法により焼成品(パイ)を製造し、製造時の油脂の伸展性並びに得られたパイの浮き高さ及び食感(サクサク感及び口溶け)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。また、得られたパイについて、20℃にて放置テストを行った。放置テストにおいては、製造直後及び1ヶ月後に、パイの表面の状態(ブルーム)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。
(配合)
強力粉50重量部、薄力粉50重量部、食塩1重量部、練り込み油脂(ショートニング)5重量部、水56重量部、ロールイン用可塑性油脂組成物75重量部
(製法)
ロールイン用油脂組成物以外の原料を、縦型ミキサーにて低速で2分、中速で2分ミキシングした後、2℃の冷蔵庫内で2時間生地をリタードした。この生地にロールイン用油脂組成物をのせ、常法によりロールイン(3つ折り4回)し、成型(縦30mm×横70mm×厚さ4mm)、ピケ入れ後、200℃の固定窯で18分焼成した。
(評価基準)
・ロールイン時油脂伸展性
◎:良好であり、コシもある
○:良好であるがコシがない
△:やや硬く、伸展性が悪い
×:硬くてきわめて伸展性が悪い
・焼成品浮き
◎:浮き高さ35mm以上
○:浮き高さ32以上〜35mm未満
△:浮き高さ29mm以上〜32mm未満
×:29mm以下
・焼成品食感(サクサク感)
◎:きわめて良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
・焼成品食感(口溶け)
◎:きわめて良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
・焼成品ブルーム
◎:全くみられない
○:やや艶がない
△:艶がなく、ややざらついている
×:白色化し、ざらつきがある
また、表2から分かるように、実施例1〜9の本発明の可塑性油脂組成物を用いてパイを製造した場合、油脂伸展性、パイの浮き及び食感が全て良好で、パイにブルーム発生もみられないが、比較例1〜4の可塑性油脂組成物を用いてパイを製造した場合、油脂伸展性、パイの浮き及び食感が全て良好なものはなく、また、1ヶ月後にパイにブルームの発生がみられた。また、比較例5の可塑性油脂組成物は、該可塑性油脂組成物自体及び該可塑性油脂組成物を用いたパイの表面状態が製造直後及び1ヶ月後のいずれも良好〜やや艶がない程度であるが、油脂伸展性並びにパイの浮き及び食感がやや悪かった。
パームステアリン(ヨウ素価=33)20重量部、豚脂(ヨウ素価=65)40重量部及び大豆液状油40重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを2.0重量部含有し、油相中のSFCが10℃で28%、20℃で19%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で60重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.3重量%であり、マーガリンタイプの製菓練込用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。
パームステアリン(ヨウ素価=33)25重量部、豚脂軟部油(ヨウ素価=73)45重量部及び大豆液状油30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを1.8重量部含有し、油相中のSFCが10℃で34%、20℃で23%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で60重量%であり、トランス脂肪酸含量が1.2重量%であり、マーガリンタイプの製菓練込用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。
パームステアリン(ヨウ素価=33)58重量部、豚脂(ヨウ素価=65)12重量部及び大豆液状油30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリン1重量部に対しラードを0.2重量部含有し、油相中のSFCが10℃で64%、20℃で41%であり、油相中のパームステアリンとラードの含有量が合計で70重量%であり、トランス脂肪酸含量が0.7重量%であり、マーガリンタイプの製菓練込用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。
パームステアリン(ヨウ素価=33)70重量部及び大豆液状油30重量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4重量部及びレシチン0.1重量部を混合溶解した油相81重量%と、水16重量%、食塩1重量%及び脱脂粉乳2重量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパームステアリンを含有するがラードを含有せず、油相中のSFCが10℃で23%、20℃で17%であり、トランス脂肪酸含量が0.9重量%であり、マーガリンタイプの練込用である比較例の可塑性油脂組成物を得た。
実施例10、11及び比較例6、7で得られた練込用の可塑性油脂組成物について、10℃にて放置テストを行った。放置テストにおいては、製造直後及び1ヶ月後に、可塑性油脂組成物の風味及び表面状態(ブルーム)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。
(評価基準)
・風味
◎:良好な風味を感じる。
○:やや独特な風味を感じる。
△:独特な風味又は濃厚な香味をはっきり感じる。
×:独特な風味又は濃厚な香味を強く感じ、可塑性油脂としては不適である。
・ブルーム
◎:全くみられない。
○:やや艶がない。
△:艶がなく、ややざらついている。
×:白色化し、ざらつきがある。
実施例10、11及び比較例6、7で得られた練込用の可塑性油脂組成物を用いて、下記に示す配合及び製法により焼成品(ワイヤーカットビスケット)を製造し、製造時の油脂のクリーミング性及び得られたワイヤーカットビスケットの食感(ショートネス性及び口溶け)を、それぞれ下記評価基準に従って4段階で評価した。また、得られたワイヤーカットビスケットについて、20℃にて放置テストを行った。放置テストにおいては、製造直後及び4週間後に、ワイヤーカットビスケットの表面の状態(ブルーム)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。
(配合)
薄力粉100重量部、砂糖40重量部、全卵15重量部、食塩1重量部、重炭安1重量部、重曹1重量部、水10重量部、練込用可塑性油脂組成物55重量部
(製法)
卓上ミキサー(ケンウッドミキサー)に練込用可塑性油脂組成物及び砂糖を投入、軽く混合した後、最高速で7分クリーミングした。次いで、あらかじめ全卵、水、食塩及び重炭安を混合した水相を少しづつ加えて攪拌・混合し、さらに薄力粉及び重曹を加えた後、低速で1分混合した。ここで得られたワイヤーカットビスケット生地を、厚さ7ミリ、直径4センチの丸型にワイヤーカット成型した。成型したビスケット生地をオーブン(フジサワ社製)で180℃にて10分焼成後、25℃にて40分冷却し、ワイヤーカットビスケットを得た。
(評価基準)
・クリーミング性
◎:きわめて良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
・焼成品食感(ショートネス性)
◎:きわめて良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
・焼成品食感(口溶け)
◎:きわめて良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
・焼成品ブルーム
◎:全くみられない
○:やや艶がない
△:艶がなく、ややざらついている
×:白色化し、ざらつきがある
また、表4から分かるように、実施例10、11の本発明の可塑性油脂組成物を用いてワイヤーカットビスケットを製造した場合、クリーミング性及び食感が共に良好で、ブルームの発生もみられないが、比較例6、7の可塑性油脂組成物は、クリーミング性及び食感が共に良好なものはなく、また、1ヶ月後にブルームの発生がみられた。
Claims (6)
- パームステアリン1重量部に対し、ラードを1.0〜3.0重量部の比率で含有し、且つ、SFC(固体脂含量)が、10℃で20〜60%、20℃で10〜40%である油相を含むことを特徴とする可塑性油脂組成物。
- 上記油相中のパームステアリン及びラードの含有量が、合計で20〜100重量%である請求項1記載の可塑性油脂組成物。
- ロールイン用である請求項1又は2記載の可塑性油脂組成物。
- 実質的にトランス脂肪酸を含まない請求項1〜3の何れかに記載の可塑性油脂組成物。
- パームステアリン1重量部に対し、ラードを1.0〜3.0重量部の比率で含有し、且つ、SFC(固体脂含量)が、10℃で20〜60%、20℃で10〜40%である油相を融解し、冷却、結晶化することを特徴とする可塑性油脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜4の何れかに記載の可塑性油脂組成物を用いたことを特徴とする食品。
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