JP4841136B2 - 可塑性油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、動物油脂を含有する可塑性油脂組成物において、動物油脂の部分水素添加油脂を使用せずとも、良好な口溶け、風味及び可塑性を示し、保存性も良好なマーガリンやショートニング類等の可塑性油脂組成物に関するものである。該可塑性油脂組成物は、製菓・製パン用に好適なものである。
従来、可塑性油脂組成物の製造においては、好ましい硬さ、広い温度範囲での良好な可塑性、クリーミング性等が自在に得られることから、天然の動植物油脂に水素添加油脂を配合することが一般的に行なわれている。水素添加油脂を配合する方法は、可塑性油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、完全水素添加油脂以外の水素添加油脂、即ち部分水素添加油脂には、通常、構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50重量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、動物由来の油脂に10重量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
また、牛脂に代表される天然の動物油脂は、植物油脂にはない独特のコク味及び粘りのある物性を有しているため、油脂組成物において、風味や食感、物性の面から、動物油脂を使用しなければならない場合が多々ある。
そこで、動物油脂を含有する可塑性油脂組成物において、部分水素添加油脂、特に動物油脂の部分水素添加油脂を使用せずとも、良好な口溶け、風味及び可塑性を示すマーガリンやショートニング類等の可塑性油脂組成物が望まれていた。
一般的に、トランス脂肪酸を含む部分水素添加油脂を用いずに可塑性油脂組成物を得る方法としては、異なる天然油脂や、天然油脂を分別することによって得られる分別油脂を、適宜配合する方法が行われているが、この方法では、好ましい硬さ、広い温度範囲での可塑性、クリーミング性等を自由に設定することが難しい。例えば、液状油や分別軟部油等の低融点油脂に、極度硬化油脂や分別硬部脂等の高融点油脂を配合するだけでは、広い温度範囲での可塑性を得るためには多量の高融点油脂を配合する必要があり、極めて口溶けが悪く、クリーミング性も悪い可塑性油脂組成物となってしまう。このため、天然油脂や分別油脂等で部分水素添加油脂を代替することは不可能であった。
また、硬さを出すために使用可能な高融点の天然油脂には、豚脂、牛脂、パーム油等、結晶粗大化を起こしやすい油脂が多い。そのため、高融点の天然油脂を用いた可塑性油脂組成物自身も、表面の艶がなくなったり白色化してブルームが発生しやすい等、保存性が悪く、同様に、そのような可塑性油脂組成物を使用して得られた食品もブルームを起こしやすかった。
そこで、部分水素添加油脂の代替として、液状油と、同種の極度硬化油脂からなる油脂配合物を1,3位選択性酵素を用いてエステル交換した油脂を使用する方法(例えば特許文献1参照)、ラウリン系油脂と炭素数20〜22の脂肪酸を含有する油脂を含む油脂配合物をエステル交換した特定のトリグリセリドを使用する方法(例えば特許文献2参照)、パーム系油脂及びラウリン系油脂、並びにベヘン酸を含む油脂からなる油脂配合物を酵素によりエステル交換した油脂を使用する方法(例えば特許文献3参照)、液体油、パーム油起源の油脂及びラウリン系油脂からなる油脂配合物を非選択的エステル交換した油脂を使用する方法(例えば特許文献4参照)、液体油とベヘン酸又はそのエステルあるいはそれらを含む油脂とパーム油起源の油脂及びラウリン系油脂からなる油脂配合物を1,3 位特異性リパーゼを作用させて選択的にエステル交換した油脂を使用する方法(例えば特許文献5参照)等が各種提案されている。
また、部分水素添加油脂の代替品として使用可能な、動物油脂を含むエステル交換油脂としては、パーム脂肪硬質ステアリン及び牛脂系油脂からなる油脂配合物をエステル交換した油脂(例えば特許文献6参照)や、ラードと炭素数22以上の脂肪酸を含む油脂からなる油脂配合物をエステル交換した油脂(例えば特許文献7参照)等の、エステル交換油脂が各種提案されている。
しかし、特許文献1に記載の方法は、液状油の代替品を得るための発明であるため、油脂の可塑性が乏しく、また、油脂の風味が抑えられてしまうという問題がある。また、特許文献2に記載の方法、特許文献3に記載の方法及び特許文献5に記載の方法は、得られるエステル交換油脂の融点が低いため、油脂組成物の粘りがなく、可塑性が製菓・製パン練込用や折込用に使用するには十分ではなく、さらに、動物油脂を多く含有する可塑性油脂組成物に上記エステル交換油脂を使用した場合には、動物油脂の持つ風味を阻害してしまうという問題があった。
また、特許文献6に記載の油脂は、ルウ用の油脂であり、極めて融点が高いため可塑性を示すものではない。また、特許文献7に記載の油脂を使用する方法は、ブルーム防止効果が十分ではなく、また、該油脂の機能性は水素添加油脂には及ばないという問題があった。
特開平04−075591号公報 特開平04−071441号公報 特開平05−345900号公報 特開平09−241672号公報 特開平09−241673号公報 特開平10−102085号公報 特開平11−289976号公報
従って、本発明の目的は、動物油脂を含有する可塑性油脂組成物において、動物油脂の部分水素添加油脂を使用せずとも、良好な口溶け、風味及び可塑性を示し、保存性も良好である、製菓・製パン用に適したマーガリンやショートニング類等の可塑性油脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、動物油脂を使用した可塑性油脂組成物について各種検討を行ったところ、天然の動物油脂としては最も融点が高い牛脂及び特定の極度硬化油からなる油脂配合物をエステル交換した油脂を使用した場合に、上記問題を解決可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、牛脂及び/又は牛脂分別脂と、構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90重量%以上含むヨウ素価5以下の極度硬化油脂とからなる油脂配合物をエステル交換して得られた油脂を、油相中に5〜90重量%(油相基準)含有することを特徴とする可塑性油脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、動物油脂の部分水素添加油脂を使用していないにもかかわらず、ワキシー感のない良好な口溶け、コクのある風味、粘りのある良好な可塑性を示すマーガリンやショートニング等の可塑性油脂組成物を提供することができる。該可塑性油脂組成物は、製菓・製パン用油脂、特にロールイン用油脂として使用した場合、割れにくく伸展性が良好である。また、該可塑性油脂組成物は、長期保管時の結晶粗大化、硬さの変化等が抑制されたものである。
本発明の可塑性油脂組成物は、牛脂及び/又は牛脂分別脂と、構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90重量%以上含むヨウ素価5以下の極度硬化油脂とからなる油脂配合物をエステル交換して得られた油脂を含有する。
上記牛脂は、産地、牛種別及び精製方法にかかわらず使用可能である。
また、上記牛脂分別脂は、牛脂を固体分の多い画分と液状分の多い画分とに何等かの方法で分別したもので、固体分の多い画分及び液状分の多い画分のいずれも使用可能であり、また、溶剤分別又は溶剤を使用しないドライ分別等、どの様な分別方法によって得られたものでも使用可能である。
上記牛脂及び上記牛脂分別脂は、他の動物油脂、例えば魚油、豚脂及び乳脂に比べて、融点が高いため、牛脂及び/又は牛脂分別脂を使用して得られるエステル交換油脂の融点も高く、該エステル交換油脂を可塑性油脂組成物に使用する場合には油相への配合量が少なくてもよく、結果として、口溶けが良好で且つ広い温度域で良好な可塑性を示す油脂組成物を得ることができる。
また、上記牛脂及び/又は上記牛脂分別脂を使用して得られたエステル交換油脂は、他の動物油脂を使用した場合に比べ、SSU型トリグリセリドを比較的多く含有するため、結果として、粘りの強い、良好な可塑性を示す油脂組成物を得ることができる。
構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90%重量以上含むヨウ素価5以下の上記極度硬化油脂は、単独の油脂であってもよく、又は2種以上の油脂の混合物であってもよい。また、炭素数16〜18の飽和脂肪酸の含有量は、より好ましくは95重量%以上である。
構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90%重量以上含む上記極度硬化油脂としては、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を高い割合で含む油脂を、ヨウ素価が5以下、より好ましくは1以下になるまで水素添加した極度水素添加油(極度硬化油)を用いる。炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を高い割合で含む油脂としては、例えば、オリーブ油、カカオ脂、米油、サフラワー油、大豆油、菜種油、パーム油、ひまわり油、牛脂及び豚脂、並びにこれらの分別脂が挙げられる。本発明において、上記極度水素添加油は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を高い割合で含む油脂を1種又は2種以上配合した油脂配合物を、ヨウ素価が5以下、より好ましくは1以下になるまで水素添加した極度水素添加油を使用することも、もちろん可能である。
ここで、構成脂肪酸において炭素数16〜18の飽和脂肪酸が80重量%未満である油脂を使用すると、本発明の効果は得られない。
また、構成脂肪酸の80重量%以上が飽和脂肪酸であるが、炭素数20以上の長鎖飽和脂肪酸を多く含む油脂、例えばハイエルシン菜種油の極度硬化油脂を使用した場合は、口溶けが悪くなることに加え、ブルーム耐性が十分ではなく、また、動物油脂を多く含有する可塑性油脂組成物とした場合には、動物油脂の持つ風味を阻害してしまうという問題がある。
一方、構成脂肪酸の80重量%以上が飽和脂肪酸であるが、炭素数8〜14の短鎖飽和脂肪酸を多く含む油脂、例えば乳脂、ヤシ油やパーム核油の極度水素添加油を使用した場合は、得られるエステル交換油脂の融点が低くなってしまうため、油脂組成物の粘りがなく、可塑性が製菓・製パンの練込用や折込用に使用するには十分ではないという問題があり、さらに、動物油脂を多く含有する可塑性油脂組成物とした場合には、動物油脂の持つ風味を阻害してしまうという問題もある。
本発明の可塑性油脂組成物においては、得られる可塑性油脂組成物のコク味が一層高いこと、及び粘りのある一層良好な可塑性が得られることから、構成脂肪酸において炭素数16〜18の飽和脂肪酸が90重量%以上であるヨウ素価5以下の上記極度硬化油脂として、牛脂、豚脂、豚脂分別脂及び牛脂分別脂からなる群から選択される1種又は2種以上からなる油脂を極度硬化してなる極度水素添加油を、1種又は2種以上使用することが好ましい。中でも、特に高いコクのある風味を有し、得られる可塑性油脂組成物の粘りが特に良好な点において、牛脂の極度硬化油脂及び/若しくは牛脂分別脂の極度硬化油脂、又は牛脂及び牛脂分別脂の混合油脂の極度硬化油脂を使用することが特に好ましい。
上記牛脂及び/又は上記牛脂分別脂と、構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90重量%以上含むヨウ素価5以下の上記極度硬化油脂とからなる油脂配合物をエステル交換して得られる油脂の好ましい製造方法について、以下に説明する。
まず、上記の牛脂及び/又は牛脂分別脂と、構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90重量%以上含むヨウ素価5以下の極度硬化油脂とを混合して、油脂配合物とする。
該油脂配合物において、上記牛脂及び/又は上記牛脂分別脂と、構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90重量%以上含むヨウ素価5以下の上記極度硬化油脂との配合比率は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは40:60〜80:20、最も好ましくは50:50〜70:30である。
次に、上記油脂配合物に対し、エステル交換を行ない、エステル交換油脂を得る。
上記エステル交換の方法としては、リパーゼを触媒として用いる方法又はナトリウムメチラート等の金属触媒を用いる方法の何れの方法でもよいが、より良好な可塑性が得られることに加え、長期保管時の結晶粗大化、硬さの変化等を一層抑制可能な点で、位置選択性を有しないランダムエステル交換反応であることが好ましい。このようなランダムエステル交換反応とするためには、位置選択性を有しないリパーゼ、例えば、アルカリゲネス属、リゾプス属、アスペルギルス属、ムコール属、ペニシリウム属、キャンリダ属等から得られるリパーゼを触媒として使用する方法か、又は、ナトリウムメチラート等の金属触媒を用いる方法によりエステル交換を行なえばよい。
なお、上記リパーゼは、単体で使用することも可能であるが、通常はケイソウ土、アルミナ、活性炭、セラミック等の担体に固定化させて用いるのがよい。
また、リパーゼを用いたエステル交換反応の反応条件は、特に制限はないが、無溶媒下で行うのが好ましく、反応温度65〜85℃で行うのが好ましい。反応は、カラム式の連続反応、バッチ式反応のどちらでもよい。
また、ナトリウムメチラート等の金属触媒を用いるエステル交換反応は、通常の方法に従って行えばよい。
上記エステル交換反応で生成した油脂は、通常の方法に従って、漂白、脱臭又は脱酸を行うことによって精製してもよい。
ここで、上記エステル交換して得られた油脂が、SSU型トリグリセリドを20〜40重量%、特に25〜35重量%含有するものであると、特に粘りのある良好な可塑性を有する可塑性油脂組成物を得ることができるため好ましい。
また、上記エステル交換して得られた油脂が、SUS型トリグリセリドとSSU型トリグリセリドとをあわせて40〜60重量%、特に40〜50重量%含有するものであると、可塑性油脂組成物において、粘りのある一層良好な可塑性が得られることに加え、ブルームの抑制効果も高い点で好ましい。
なお、上記SUS型トリグリセリドとは、2不飽和−1,3ジ飽和トリグリセリドを意味し、上記SSU型トリグリセリドとは、1,2ジ飽和−3不飽和のトリグリセリドを意味する。
本発明の可塑性油脂組成物は、油相中に、上記エステル交換油脂を油相基準で5〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%含有する。5重量%未満であると、良好な可塑性、特に粘りが得られず、90重量%を超えると、得られる可塑性油脂組成物の融点が高くなりすぎ、口溶けが悪くなる。
油相に使用する上記エステル交換油脂以外の油脂としては、特に限定されないが、牛脂、豚脂、乳脂、豚脂分別脂、牛脂分別脂等の動物油脂を使用することが、より良好な動物油脂の風味が得られる点で好ましい。
また、本発明の可塑性油脂組成物は、特に動物油脂の良好な風味を呈するものとするために、油相中に動物油脂を油相基準で50重量%以上含有することが好ましく、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは100重量%含有する。なお、上記動物油脂の含有量には、上記エステル交換油脂を得るために使用した油脂配合物中の動物油脂を含める。
また、本発明の可塑性油脂組成物は、実質的にトランス脂肪酸を含まないことが好ましい。本発明の可塑性油脂組成物は、上記エステル交換油脂が、天然の動物油脂よりもトランス脂肪酸含量が少なく、実質的にトランス脂肪酸を含まないため、油相に使用する上記エステル交換油脂以外の油脂として、部分水素添加油脂を使用せずに、実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂を使用することにより、部分水素添加油脂を含まずとも適切なコンステンシーを有するものとすることができる。なお、ここでいう「実質的にトランス脂肪酸を含まない」とは、トランス脂肪酸の含有量が、本発明の可塑性油脂組成物の全構成脂肪酸中、好ましくは10重量%未満、さらに好ましくは5重量%以下であることを意味する。
ここで、上記エステル交換油脂以外の油脂として使用し得る実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂としては、天然の動植物油脂、例えば、常温で固体のパーム油、パーム核油、ヤシ油、牛脂及び牛脂並びにこれらの分別油脂や、常温で液体の大豆油、ナタネ油、米ぬか油、コーン油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、綿実油及び魚油並びにこれらの分別脂が挙げられ、さらに、これらの動植物油脂を完全水素添加した油脂も挙げられる。これらの油脂の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に動物油脂の良好な風味を呈する可塑性油脂組成物とするために、牛脂、豚脂、乳脂、豚脂分別脂、牛脂分別脂等の動物油脂を使用することが好ましく、これらの中でも、豚脂及び/又は豚脂分別油を使用することが、ブルームの抑制効果も一層高い点で特に好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物には、必要に応じ、一般的にマーガリン、ショートニング、ファットスプレッド等の可塑性油脂製品に使用されている他の原料、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、リン脂質等の乳化剤、トコフェロール、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、茶抽出物等の酸化防止剤、カロチン等の着色料、脱脂粉乳、クリーム等の乳成分、蔗糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、水飴、ソルビトール、エリスリトール、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、トレハロース、ヘミセルロース等の糖類、水、食塩、酸味料、調味料、香料、重合リン酸塩等の乳化安定剤、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、化工澱粉、澱粉等の増粘安定剤等を、適宜使用することができる。
本発明の可塑性油脂組成物は、マーガリンタイプでもショートニングタイプでもどちらでもよく、また、乳化物とする場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わない。乳化物とする場合、油相と水相との比率(前者:後者、質量基準)は、60:40〜95:5の範囲から選択するのが好ましい。
次に、本発明の可塑性油脂組成物の好ましい製造方法について述べる。
本発明の可塑性油脂組成物は、上記エステル交換油脂を5〜90重量%含む油相を溶解し、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
詳しくは、先ず油相を融点以上、好ましくは50〜70℃に加熱して溶解する。次に、油相に、必要により水相を混合乳化する。そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、結晶化する。冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上である。冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等の油脂組成物製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等も挙げられる。
また、本発明の可塑性油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
本発明の可塑性油脂組成物は、食パン、菓子パン、デニッシュ・ペストリー、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー製品に、例えば、練り込み用、折り込み用、サンド・フィリング用、スプレー・コーティング用、フライ用として使用することができる。
また、これらの用途における本発明の可塑性油脂組成物の使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定されるものではない。
次に、本発明を実施例等により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何等限定されるものではない。
尚、以下の実施例等において、「%」は重量%を意味する。
〔製造例1〜8及び参考例1〜4〕エステル交換油脂の製造
以下の油脂を用いて表1に示す配合に従って油脂配合物A〜Lをそれぞれ得た。
牛脂:トランス脂肪酸含量3.5%
豚脂:トランス脂肪酸含量3.2%
牛脂分別硬部脂:トランス脂肪酸含量4.0%
牛脂分別軟部脂:トランス脂肪酸含量2.9%
パーム油:トランス脂肪酸含量0.8%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量48%
牛脂極度硬化油:ヨウ素価1以下、トランス脂肪酸含量0.1%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量97%
豚脂極度硬化油:ヨウ素価1以下、トランス脂肪酸含量0.1%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量95%
パーム極度硬化油:ヨウ素価1以下、トランス脂肪酸含量0.1%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量98%
ハイエルシン菜種極度硬化油:ヨウ素価1以下、トランス脂肪酸含量0.1%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量42%、炭素数20以上の飽和脂肪酸含量57%
次に、それぞれの油脂配合物100重量部に対し、触媒として0.1重量部のナトリウムメチラートを添加し、80℃で30分間ランダムエステル交換反応を行い、常法により精製してエステル交換油脂A〜Lを得た。得られたエステル交換油脂A〜LのSSU型トリグリセリド及びSSU型トリグリセリドの含量等(単位:%)を表2に記載した。
〔実施例1〜10及び比較例1〜6〕可塑性油脂組成物の製造
上記エステル交換油脂A〜L、豚脂、牛脂、牛脂極度硬化油及び牛脂部分水素添加油(牛脂硬化油:融点=45℃、トランス脂肪酸含量23.1%)を表3に示す比率で配合した油脂混合物89.4%、モノグリセリン脂肪酸エステル0.5%並びにレシチン0.1%からなる油相を溶解し、水10.0%を徐々に混合して乳化した後、急冷可塑化し、これを20℃で24時間調温した後、直径10mm、長さ30mmのストロー状に押し出し成形を行ない、実施例1〜10及び比較例1〜6のロールイン用である可塑性油脂組成物をそれぞれ得た。得られた可塑性油脂組成物の油相中のトランス脂肪酸含量を表3に記載した。
得られた可塑性油脂組成物それぞれについて、以下の油脂保存試験及びパフパイ製造によるベーカリー試験を行った。油脂保存試験の結果を表4に、パフパイ製造によるベーカリー試験の結果を表5に、それぞれ示す。
<油脂保存試験>
上記実施例1〜10及び比較例1〜6で得られた可塑性油脂組成物について、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。放置テストにおいては、製造直後から4週間後まで、1週間ごとに可塑性油脂組成物の表面状態(ブルーム)を観察し、下記評価基準に従って4段階で評価した。
(ブルーム評価基準)
◎:全くみられない。
○:やや艶がない。
△:艶がなく、ややざらついている。
×:白色化し、ざらつきがある。
<パフパイ製造によるベーカリー試験>
実施例1〜10及び比較例1〜6で得られたロールイン用のストロー状の可塑性油脂組成物を用いて、下記に示す配合及び製法により焼成品(パフパイ)を製造し、ロールイン時の可塑性油脂組成物の伸展性(可塑性)、並びに得られたパイの口溶け(食感)及び風味(コク味)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。
また、焼成後のパイの厚みを焼成前の生地厚で除した値について、焼成品10個の平均値を算出し、得られたパイのパフ性(浮き高さ)を下記評価基準に従って4段階で評価した。
また、得られたパイについて、20℃にて放置テストを行ない、3週間後の焼成品(パフパイ)の表面状態(ブルーム)を観察し、下記評価基準に従って4段階で評価した。
(配合)
強力粉 50 重量部
薄力粉 50 重量部
食塩 1 重量部
水 52 重量部
可塑性油脂組成物 75 重量部
(製法)
5℃に調温した強力粉、薄力粉及び可塑性油脂組成物をミキサーボウルに投入し、縦型ミキサーにセットし、フックを使用して低速で1分ミキシングした後、食塩を溶解した5℃の水を添加し、低速で2分、中速で2分ミキシングした。この生地を、常法によりロールイン(3つ折り4回)し、成型(縦30mm×横70mm×厚さ4mm)、ピケ入れ後、200℃の固定窯で18分焼成した。
(評価基準)
・ロールイン時の可塑性油脂組成物の伸展性
◎ :粘りがあり、非常に良好である。
○ :良好である。
△ :若干油脂割れが起こるか、生地に練込まれる傾向があり、やや不良である。
× :油脂割れが起こるか、生地に練込まれ、不良である。
・パイの口溶け
◎ :非常に良好である。
○ :良好である。
△ :若干ワキシー感あり。
× :ワキシー感あり。
・パイの風味
◎:濃厚なコク味をはっきり感じる。
○:コク味をやや感じる。
△:コク味が弱い。
×:コク味が感じられない。
・パイのパフ性
◎ :12以上
○ :11以上〜12未満
△ :10以上〜11未満
× :10未満
・表面状態(ブルーム)
◎:全くみられない。
○:やや艶がない。
△:艶がなく、やや白色化が見られる。
×:白色化している。
上記の結果からわかるとおり、エステル交換油脂を使用せず、極度硬化油、牛脂及び豚脂を併用した比較例1の可塑性油脂組成物は、可塑性及び風味は良好であり、パフパイの浮きもやや良好であったが、極めて高融点の油脂を多く含むため、口溶けが悪く、またブルーム耐性が極めて悪かった。
また、エステル交換油脂を使用せず、部分水素添加油と豚脂とを併用した比較例2の可塑性油脂組成物は、可塑性、口溶け及びパフパイの浮きは良好であるが、トランス脂肪酸含量が多く、動物油脂の風味が弱く、ブルーム耐性も極めて悪かった。
また、エステル油脂の原料となる油脂配合物において炭素数16〜18の飽和脂肪酸を80%未満しか含有しない油脂を使用した比較例3及び比較例4の可塑性油脂組成物は、可塑性及びパフパイの浮きは良好で、ブルーム耐性も問題ないが、口溶けが悪く、動物油脂の風味も弱かった。
また、エステル油脂の原料となる油脂配合物において牛脂及び/又は牛脂分別脂を使用せず植物油脂を使用した比較例5の可塑性油脂組成物は、口溶けは良好で、可塑性及びパフパイの浮きも問題ないが、動物油脂の風味が弱く、ブルーム耐性も若干悪かった。
また、油脂配合物が牛脂のみからなるエステル交換油脂を使用した比較例6の可塑性油脂組成物は、口溶けは良好で、風味はやや良好であるが、油脂組成物の粘りがないため可塑性がやや悪く、パフパイの浮き及びブルーム耐性も若干悪かった。
それに対して、実施例1〜10の可塑性油脂組成物は、風味、口溶け及びパフ性に優れ、低温度域で適度な軟らかさを残し、高温域でもある程度の硬さを残しているため、粘りのある良好な可塑性を有し、さらに保管時のブルーム耐性も良好であった。

Claims (6)

  1. 牛脂及び/又は牛脂分別脂と、構成脂肪酸として炭素数16〜18の飽和脂肪酸を90重量%以上含むヨウ素価5以下の極度硬化油脂とからなる油脂配合物をエステル交換して得られた油脂を、油相中に5〜90重量%(油相基準)含有することを特徴とする可塑性油脂組成物。
  2. 極度硬化油脂が、牛脂、豚脂、豚脂分別脂及び牛脂分別脂からなる群から選択される1種又は2種以上からなる油脂を、極度硬化してなる油脂であることを特徴とする請求項1記載の可塑性油脂組成物。
  3. 上記エステル交換して得られた油脂が、SSU型トリグリセリドを20〜40重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の可塑性油脂組成物。
  4. 上記エステル交換して得られた油脂が、SUS型トリグリセリドとSSU型トリグリセリドとをあわせて40〜60重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の可塑性油脂組成物。
  5. 油相中に、動物油脂を50重量%(油相基準)以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の可塑性油脂組成物。
  6. 実質的にトランス脂肪酸を含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の可塑性油脂組成物。
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