JP4587613B2 - ロールイン用油脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はロールイン用油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、クッキー、ビスケット、パイ等のベーカリー製品、ナッツ類、クリーム類と、チョコレート類とを組合わせた複合食品において、流通過程や保存中に、複合食品の表面が白く粉をふき斑点状になる白色化現象がしばしば発生し、また、チョコレートの軟化、ブルーム現象を伴う場合があり、この様な現象を生じると、商品価値が著しく低下する。この様な現象のメカニズムは、未だ明確には解明されていないが、複合食品に使用されている各油脂製品間での油分中の特定成分のマイグレーションとそれに伴う油脂結晶の成長によって引き起こされるものと推定されている。
【0003】
従来、上記複合食品においてマイグレーションを抑制する油脂組成物は、特許2504999号公報、特許2569911号公報、特公昭61−47491号公報、特開昭63―126457号公報、特開平6―311845号公報等でとりあげられている。しかし、マイグレーションを抑制するロールイン用油脂組成物については検討されていなかった。
また、特開平1−231841号公報にはポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するシート状マーガリンの製造方法が記載されている。しかし、このシート状マーガリンでは上記複合食品におけるマイグレーションの抑制効果は得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、複合食品におけるマイグレーションの抑制効果を有するロールイン用油脂組成物を提供することであり、特に、チョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上を含有させた食品において、該食品の白色化現象、チョコレート類の軟化、ブルーム現象を抑制することができるロールイン用油脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討した結果、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するロールイン用油脂組成物が上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、エステル化度が8以上であり、結合脂肪酸中の飽和脂肪酸の割合が65重量%以上であり、グリセリンの重合度が6以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜10重量%含有するロールイン用油脂組成物を製造する方法であり、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油相45〜87重量%と、水相55〜13重量%とを乳化し、冷却可塑化することを特徴するロールイン用油脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施形態】
以下、本発明のロールイン用油脂組成物の製造方法について詳細に説明する。尚、以下、本発明のロールイン用油脂組成物の製造方法により得られるロールイン用油脂組成物を、本発明のロールイン用油脂組成物ともいう。
【0007】
本発明のロールイン用油脂組成物は、エステル化度が8以上であり、結合脂肪酸として飽和脂肪酸を主体とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する。
エステル化度が8以上であり、結合脂肪酸として飽和脂肪酸を主体とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しないと、油脂の微細なネットワーク構造を形成できず、且つ温度変化等の環境因子に対して極めて安定な油脂結晶を瞬時に生成させることが困難となり、マイグレーション抑制効果が得られないので好ましくない。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、そのエステル化度が8以上、好ましくは9以上、さらに好ましくは10以上のものである。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、その結合脂肪酸が飽和脂肪酸を主体とするものであり、好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸を主体とするものであり、最も好ましくは炭素数18以上の飽和脂肪酸を主体とするものである。ここでいう主体とは、結合脂肪酸中の飽和脂肪酸の割合を示し、飽和脂肪酸が65重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、一層好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上であることを意味する。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリンの重合度は、6以上であり、好ましくは7以上、さらに好ましくは8以上である。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは6以下であり、さらに好ましくは5以下である。
【0008】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、本発明のロールイン用油脂組成物中、0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜7重量%、最も好ましくは0.1〜5重量%である。
【0009】
本発明のロールイン用油脂組成物で用いる油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、シア脂、牛脂、乳脂、バター、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0010】
上記油脂の含有量は本発明のロールイン用油脂組成物中、好ましくは35〜99.99重量%、さらに好ましくは40〜90重量%、最も好ましくは45〜87重量%である。
【0011】
また、本発明のロールイン用油脂組成物で用いる油脂は、SFC(固体脂含量)が好ましくは20℃で20以上、30℃で7以上、40℃で5以下、さらに好ましくは20℃で25以上、30℃で8以上、40℃で4以下となるように油脂を配合するのがよい。
【0012】
本発明のロールイン用油脂組成物に含有させることができるその他の成分としては、例えば水、乳化剤、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
【0013】
上記乳化剤としては、エステル化度が8以上であり、結合脂肪酸として飽和脂肪酸を主体とするポリグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を使用する事ができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、植物ステロール類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の含有量は、特に制限はないが、本発明のロールイン用油脂組成物中、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜7重量%、最も好ましくは0.1〜5重量%である。
【0014】
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の含有量は、特に制限はないが、本発明のロールイン用油脂組成物中、好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%である。
また、本発明のロールイン用油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
【0015】
本発明のロールイン用油脂組成物の油相の含有量は、45〜87重量%である。また、本発明のロールイン用油脂組成物の水相の含有量は、55〜13重量%である。
【0016】
次に本発明のロールイン用油脂組成物の製造方法を説明する。
【0017】
本発明のロールイン用油脂組成物は、エステル化度が8以上であり、結合脂肪酸として飽和脂肪酸を主体とするポリグリセリン脂肪酸エステルを油相に添加し、乳化させる。ロールイン用油脂組成物を乳化物とする場合は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれの乳化形態でも構わない。また、本発明のロールイン用油脂組成物は、マーガリンタイプである
【0018】
次に必要に応じて殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
そして、冷却可塑化する。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。
冷却可塑化工程後はシート状、ブロック状、円柱状等の形状に成形し、本発明のロールイン用油脂組成物とする。
また、本発明のロールイン用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
【0019】
さらに、本発明のロールイン用油脂組成物は、用途に応じてシート状、ブロック状、円柱状等の種々の形状に成形でき、その好ましいサイズは、シート状の場合:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50mm、ブロック状の場合:縦10〜1000mm、横10〜1000mm、厚さ10〜500mm、円柱状の場合:直径1〜25mm、長さ5〜100mmである。
【0020】
このようにして得られた本発明のロールイン用油脂組成物は、デニッシュ、クロワッサン、パイ、フライドパイ等の食品に用いられる。また、このロールイン用油脂組成物の使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定されるものではない。
【0021】
上記の食品を製造する方法は、生地にシート状やブロック状の本発明のロールイン用油脂組成物を包みこみ、圧延、折り畳みを行い、焼成する折りパイ方式でもよいし、小麦粉、水等の材料とブロック状や円柱状の小片状の本発明のロールイン用油脂組成物とを軽く混合し、生地を作成し、圧延、折り畳みを行い、焼成する練りパイ方式のいずれの方法でも構わない。
【0022】
また本発明では上記の食品として、チョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上を含有する食品において、特にマイグレーションを抑制することができる。
上記のチョコレート類としては、ブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等が挙げられる。
上記のナッツ類としては、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ビスタチオ、マカダミア、ペカン、くるみ等のナッツ類、又はこれらのナッツ類のペースト、あるいはこれらのナッツ類を含有するナッツ類入りクリーム等が挙げられる。
上記のクリーム類としては、バタークリームやシュガークリーム等が挙げられる。
【0023】
上記のチョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上を含有する食品の製造方法としては、例えば本発明のロールイン用油脂組成物を含有させた生地を焼成したものとチョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上とをトッピング、サンド、フィリング、包餡、注入、コーティング等の方法で組合わせたり、本発明のロールイン用油脂組成物とチョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上とを生地に含有させて焼成する方法等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明のロールイン用油脂組成物の実施例を比較例と共に挙げてさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、%は重量%を示す。
【0025】
(実施例1)
パーム水素添加油(上昇融点36℃)85%及び菜種白絞油15%からなる混合油81重量部(混合油脂のSFC値が20℃で31、30℃で14、40℃で1)にレシチン0.5重量部、及びポリグリセリン脂肪酸エステル(エステル化度8、結合脂肪酸中のステアリン酸の割合が80%、グリセリンの重合度6、HLB3.5)0.5重量部を加え油相とし、加熱溶解後、脱脂粉乳0.5重量部及び食塩1重量部を水16.5重量部に溶解した水相を加え、加熱攪拌後、急冷可塑化し、シート状のロールイン用油脂組成物を得た。得られたシート状のロールイン用油脂組成物の大きさは、縦500mm、横300mm、厚さ10mmであった。
【0026】
(比較例1)
パーム水素添加油(上昇融点36℃)85%及び菜種白絞油15%からなる混合油81.5重量部(混合油脂のSFC値が20℃で31、30℃で14、40℃で1)にレシチン0.5重量部を加え油相とし、加熱溶解後、脱脂粉乳0.5重量部及び食塩1重量部を水16.5重量部に溶解した水相を加え、加熱攪拌後、急冷可塑化し、シート状のロールイン用油脂組成物を得た。得られたシート状のロールイン用油脂組成物の大きさは、縦500mm、横300mm、厚さ10mmであった。
【0027】
(実施例2)
綿実水素添加油(上昇融点36℃)40%、パーム水素添加油(上昇融点40℃)45%及び大豆白絞油15%からなる混合油80.5重量部(混合油脂のSFC値が20℃で34、30℃で18、40℃で1)にレシチン0.5重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル(エステル化度10、結合脂肪酸中のステアリン酸の割合が65%、グリセリンの重合度10、HLB3)1重量部を加え油相とし、加熱溶解後、脱脂粉乳0.5重量部及び食塩1重量部を水16.5重量部に溶解した水相を加え、加熱攪拌後、急冷可塑化し、ブロック状のロールイン用油脂組成物を得た。得られたブロック状のロールイン用油脂組成物の大きさは、縦400mm、横150mm、厚さ90mmであった。
【0028】
(比較例2)
綿実水素添加油(上昇融点36℃)40%、パーム水素添加油(上昇融点40℃)45%及び大豆白絞油15%からなる混合油80.5重量部(混合油脂のSFC値が20℃で34、30℃で18、40℃で1)にレシチン0.5重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル(エステル化度3、結合脂肪酸中のステアリン酸の割合が65%、グリセリンの重合度10、HLB10)1重量部を加え油相とし、加熱溶解後、脱脂粉乳0.5重量部及び食塩1重量部を水16.5重量部に溶解した水相を加え、加熱攪拌後、急冷可塑化し、ブロック状のロールイン用油脂組成物を得た。得られたブロック状のロールイン用油脂組成物の大きさは、縦400mm、横150mm、厚さ90mmであった。
【0029】
(実施例3)
大豆水素添加油(上昇融点36℃)86%及び大豆白絞油14%からなる混合油78重量部(混合油脂のSFC値が20℃で38、30℃で20、40℃で0)にレシチン0.5重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル(エステル化度8、結合脂肪酸中のベヘン酸の割合が90%、グリセリンの重合度10、HLB4)4.5重量部を加え油相とし、加熱溶解後、食塩0.5重量部を水16.5重量部に溶解した水相を加え、加熱攪拌後、急冷可塑化し、円柱状のロールイン用油脂組成物を得た。得られた円柱状のロールイン用油脂組成物の大きさは、直径10mm、長さ30mmであった。
【0030】
〔使用例〕
(折りパイの製造)
実施例1及び2並びに比較例1及び2のロールイン用油脂組成物を用いて、以下のような配合及び製法により折りパイを製造した。
<配合>
薄力粉 50重量部
強力粉 50
練り込み油脂 5
冷水 51
食塩 1
ロールイン用油脂組成物 60
<製法>
ロールイン用油脂組成物以外をミキサーボールに入れ低速1分、中速5分ミキシングした。リタード後、ロールイン油脂組成物をロールインし、圧延、リタードを繰り返しながら4つ折り4回行った。折りパイ生地成形後、200℃で20分焼成した。
【0031】
(練りパイの製造)
実施例3のロールイン用油脂組成物を用いて、以下のような配合及び製法により練りパイを製造した。
<配合>
薄力粉 50重量部
強力粉 50
冷水 51
食塩 1
ロールイン用油脂組成物 80
<製法>
上記配合原料をミキサーボールに入れ低速1分、中速1分ミキシングした。リタード後、圧延、リタードを繰り返しながら4つ折り3回行った。練りパイ生地成型後、200℃で15分焼成した。
【0032】
(パイ菓子の製造)
得られた折りパイ及び練りパイを、重量で3倍量のテンパリングしたチョコレート(ココアバター35%含有)中に表面が見える程度に埋没させ、パイ菓子を得た。
【0033】
(パイ菓子の評価)
得られたパイ菓子について、20℃/28℃(12時間/12時間)のサイクルで放置テストを1カ月行い、1カ月後のパイ菓子の表面状態、パイからチョコレートへの油分の移行率、チョコレートの状態を下記評価基準に従って評価し、結果を表1に示した。
<パイ菓子表面状態>
良好:パイ菓子の表面状態が放置テスト前と同様である状態
全面白色化:パイ菓子の表面全体が白色化している状態
<パイからチョコレートへの油分の移行率>
〔(A−B)/A〕×100
A:放置テスト前のパイ中の油分
B:放置テスト後のパイ中の油分
油分の移行率が高いほど、パイからチョコレートへの油分移行が多いことを示す。油分の移行率が高いと、パイ中の油分が低下するため白色化現象が起こり、チョコレート中の油分が増加しチョコレートの軟化現象やチョコレート中の油脂結晶を溶解しブルーム等が発生する。
【0034】
【表1】
Figure 0004587613
【0035】
表1の結果から明らかな様に、比較例1及び2のロールイン用油脂組成物を用いたパイ菓子は、パイ菓子表面が全面白色化し、且つ油分の移行率も高いが、実施例1、2及び3のロールイン用油脂組成物を用いたパイ菓子は、パイ菓子表面状態が良好であり、且つパイ菓子中の油分の移行率も低かった。
【0036】
【発明の効果】
本発明のロールイン用油脂組成物は、複合食品におけるマイグレーションの抑制効果を有するものであり、特に、チョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上を含有させた食品において、該食品の白色化現象、チョコレート類の軟化、ブルーム現象を抑制することができる。

Claims (3)

  1. エステル化度が8以上であり、結合脂肪酸中の飽和脂肪酸の割合が65重量%以上であり、グリセリンの重合度が6以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜10重量%含有するロールイン用油脂組成物を製造する方法であり、
    該ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油相45〜87重量%と、水相55〜13重量%とを乳化し、冷却可塑化することを特徴するロールイン用油脂組成物の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により得られたロールイン用油脂組成物を含有する食品。
  3. チョコレート類、ナッツ類又はクリーム類の中から選ばれた1種又は2種以上を含有する請求項記載の食品。
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