JP4799379B2 - 油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
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Description
高甘味度甘味料の中でも風味が良好である、アセスルファムカリウムを含有する油脂組成物に関する先行技術としては、特許文献1や特許文献2がある。
特許文献1は乳起源の原材料に頼らなくとも良好な乳風味を有する可塑性乳化油脂組成物を提供するものであり、カリウム塩とナトリウム塩を含有し、特定量のカリウム含量と、カリウムとナトリウムを特定比率で含有する可塑性乳化油脂組成物が開示されている。このカリウム塩の一例としてアセスルファムカリウムがあげられている。
特許文献2は高甘味度甘味料を含有してなる油脂が開示されている。この高甘味度甘味料の1つとしてアセスルファムカリウムが記載されている。しかし、特許文献2に記載の手法ではアセスルファムカリウムを油相に添加しており、溶解せず極在化するため甘味を強く感じすぎるという欠点があった。
また、本発明は、上記油中水型乳化油脂組成物を製造する方法であって、アセスルファムカリウムを水相に添加し、該水相と油相とを混合し、乳化する油中水型乳化油脂組成物の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記油中水型乳化油脂組成物を用いたベーカリ−製品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明の油中水型乳化油脂組成物をロールイン用油脂組成物としてデニッシュペストリーやパイに用いた場合、浮きや内層や歯切れが良好なデニッシュペストリーやパイを製造することができる。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、油中水型乳化油脂組成物全体に対し、アセスルファムカリウムを0.01〜1質量%、好ましくは0.015〜0.75質量%、さらに好ましくは0.02〜0.5質量%、最も好ましくは0.03〜0.2質量%含有する。
本発明の油中水型乳化油脂組成物において、ナトリウム/カリウムの質量比率が、0.1よりも大きいと、良好な甘みを得ることができないので好ましくない。
上記の油中水型乳化油脂組成物中のナトリウムの質量基準の含有量は、食塩等のナトリウム塩、脱脂粉乳等の乳起源の原材料に由来するナトリウム分の合計量であり、カリウムの質量基準の含有量は、アセスルファムカリウム等のカリウム塩、脱脂粉乳等の乳起源の原材料に由来するカリウム分の合計量である。
本発明の油中水型乳化油脂組成物において、油相が30質量%よりも少なく水相が70質量%よりも多いと乳化が不安定となりやすい。また、油相が98質量%よりも多く、水相が2質量%よりも少ないとアセスルファムカリウムを水相に溶解することが困難となりやすい。
なお、ここでいう水分とは水道水や天然水などの水や、牛乳、液糖などの水分も含めたものとする。
具体的には、油脂結晶について、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する強い回折ピークを示した場合に、該油脂結晶はβ型結晶であると判断する。さらにより高い精度で測定する場合は、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度1)及び4.2〜4.3オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度2)をとり、ピーク強度1/ピーク強度2の比が1.3以上、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.2以上、最も好ましくは2.5以上となった場合にβ型結晶であると判断する。
具体的には、油脂結晶について、長面間隔を2θ:0〜8度の範囲で測定し、40〜50オングストロームに相当する回折ピークを示した場合に、該油脂結晶は2鎖長構造をとっていると判断する。
上記の直接β型の油脂結晶の結晶サイズが20μmを越えた油脂結晶であると、該油脂結晶を含有する油中水型乳化油脂組成物を口にしたり、触った際にザラつきを感じやすい。
尚、「実質的に」とは、全ての直接β型の油脂結晶のうち微細結晶を90質量%以上含有することを指す。
上記の直接β型の油脂結晶の1つめの例として、StEE(St:ステアリン酸、E:エライジン酸)で表されるトリグリセリド(以下StEEとする)の油脂結晶が挙げられる。
StEEの油脂結晶は、本発明の油中水型乳化油脂組成物の油相中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜50質量%以下、さらに好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは5〜20質量%となるように含有させる。
上記のStEEを含有する油脂としては、例えば、大豆油、ひまわり油、シア脂、サル脂の中から選ばれた1種又は2種以上に水素添加及び分別から選択される1又は2種類の処理を施した加工油脂を用いることができる。さらに好ましくは、ハイオレイックひまわり硬化油、シア分別軟部油の硬化油又はこの硬化油の分別硬部油、サル分別軟部油の硬化油又はこの硬化油の分別硬部油を用いることが望ましい。
また、上記のS1MS2のM及びMS3MのMは、好ましくは炭素数16以上のモノ不飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数18以上のモノ不飽和脂肪酸、最も好ましくはオレイン酸である。
また、本発明の油中水型乳化油脂組成物の油相中、上記のS1MS2の含有量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.5〜25質量%、さらに好ましくは2.5〜15質量%、最も好ましくは2.5〜10質量%であり、上記のMS3Mの含有量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.5〜25質量%、さらに好ましくは2.5〜15質量%、最も好ましくは2.5〜10質量%である。
さらに、本発明の油中水型乳化油脂組成物において、S1MS2のモル数/MS3Mのモル数が、好ましくは0.4〜7、さらに好ましくは0.8〜5となるように含有させる。
構成脂肪酸の全てが炭素数16以上の脂肪酸からなる3飽和トリグリセリド中、構成脂肪酸の全てが同一の飽和脂肪酸であるトリグリセリドの占める割合が60質量%未満である3飽和トリグリセリドを用いた場合、直接β型の油脂結晶の含有量が少ないと、経日的に20μmを越えたサイズを有するβ型結晶が出現しやすく、経日的に硬くなりやすい。尚、構成脂肪酸の全てが同一の飽和脂肪酸であるトリグリセリドの占める上記割合は、高いほど好ましく、その上限は特に制限されるものではない。
また、上記の構成脂肪酸の全てが炭素数16以上の脂肪酸からなる3飽和トリグリセリドにおいて、その炭素数の上限は、特に制限されるものではないが、通常24程度である。
このパームステアリンは、脂肪酸組成として、飽和脂肪酸であるパルミチン酸を多く含み、上昇融点が44〜56℃、ヨウ素価が20〜50であり、食用油脂としては融点が高いため口溶けが大変悪く、また硬くて使用しづらいため、食用油脂や食品への配合量も限られた量に制限せざるを得ず、油脂組成物、特にマーガリンやショートニング等の油中水型乳化油脂組成物への使用用途は硬さの調整用の用途に限られていた。
しかも、パームステアリンを使用したこれらの油脂組成物、特にマーガリンやショートニング等の油中水型乳化油脂組成物や、該油中水型乳化油脂組成物を使用して製造された食品は、保管条件によっては経時的にグレイニングやブルームと呼ばれる粗大結晶粒を形成し、表面が白色化したり、ザラつきや触感の悪さを呈し製品価値の全くないものになってしまう問題があった。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、このように、油中水型乳化油脂に用いるには不適であるとされていたパームステアリンを使用しながら、良好な油中水型乳化を示し、且つ経日的なブルームを起こさない油中水型乳化油脂組成物を得ることができる。
これらのランダムエステル交換反応を行なうことにより、さらに結晶性が良好で、経日的なブルームを起こさない油中水型乳化油脂組成物を得ることができる。
さらに結晶性が良好で、コシが強く良好な油中水型乳化油脂組成物を得ることができる点から、パームステアリン、パームステアリンのランダムエステル交換油、及びパームステアリンを含む油脂配合物のランダムエステル交換油から選択される1種又は2種以上と、パームオレイン、パームスーパーオレイン等のパーム系軟部油から選択される1種または2種以上のランダムエステル交換油とを組み合わせることが最も好ましい。
まず、第1の方法として、ある油中水型乳化油脂組成物の油相のトリグリセリド組成を分析し、直接β型の油脂結晶となるトリグリセリド、例えば、StEE、又はS1MS2及びMS3Mの油相中の含有量を測定し、直接β型の油脂結晶となるトリグリセリドが油相中に含有されていること、好ましくはその含有量が前記範囲内にあることを確認することにより、油中水型乳化油脂組成物が直接β型の油脂結晶を含有していることを確認する方法が挙げられる。
具体的には、油脂結晶について、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する強い回折ピークを示した場合に、該油脂結晶はβ型結晶であると判断する。さらにより高い精度で測定する場合は、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度1)及び4.2〜4.3オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度2)をとり、ピーク強度1/ピーク強度2の比が1.3以上、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.2以上、最も好ましくは2.5以上となった場合にβ型結晶であると判断する。
具体的には、油脂結晶について、長面間隔を2θ:0〜8度の範囲で測定し、40〜50オングストロームに相当する回折ピークを示した場合に、該油脂結晶は2鎖長構造をとっていると判断する。
本発明の油中水型乳化油脂組成物の油相の油脂結晶のサイズが20μmを越えた油脂結晶であると、油中水型乳化油脂組成物を口にしたり触った際にザラつきを感じやすく、また、液状油成分を保持することが困難となり、油中水型乳化油脂組成物が油にじみを起こしやすく、水相成分及び油脂結晶により形成される3次元構造中に維持できにくくなる。
上記のアセスルファムカリウム以外の甘味料の含有量は特に制限はないが、本発明の油中水型乳化油脂組成物において、アセスルファムカリウム以外の甘味料の含有量が、アセスルファムカリウムの含有量の好ましくは0.01〜5倍、さらに好ましくは0.05〜4倍、最も好ましくは0.1〜3倍となるように含有させるのが良い。
上記の乳化剤の含有量は特に制限はないが、本発明の油中水型乳化油脂組成物中、好ましくは0〜15質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは0〜5質量%である。
特に本発明では油中水型乳化油脂組成物では健康志向や風味の点で、上記の合成乳化剤を用いないのが好ましく、合成乳化剤や天然乳化剤を用いないのがさらに好ましい。
上記増粘安定剤の含有量は、特に制限はないが、本発明の油中水型乳化油脂組成物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。なお、本発明の油中水型乳化油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
まず油脂に必要によりその他の成分を添加し、油相とする。また水にアセスルファムカリウムを添加し、必要によりその他の成分をさらに添加し、水相とする。上記の油相を必要により加熱溶解し、該油層に水相を加え、乳化し、油中水型乳化油脂組成物とする。
これらの装置の後に、ピンマシンなどの捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブ、ホールディングチューブを使用してもよい。
また、本発明の油中水型乳化油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
上記用途における本発明の油中水型乳化油脂組成物の使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定されるものではない。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、及び大豆油22質量部で配合した混合油を溶解して油相とした。この油相69.87質量部に、水相として水30質量部及びアセスルファムカリウム0.13質量部を加えて乳化して油脂組成物を得た。該油脂組成物を85℃で殺菌した後、50℃まで予備冷却した。
次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、上記急冷可塑化した油脂組成物を、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性、甘みが良好な本発明の油中水型乳化油脂組成物であるロールイン用油脂組成物1を得た。
得られたロールイン用油脂組成物1は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
また、得られたロールイン用油脂組成物1の油相中において、SMSで表されるトリグリセリド(以下SMSという)の含有量は8質量%で、MSMで表されるトリグリセリド(以下MSMという)の含有量は5.9質量%であり、MSM/SMSのモル比は0.7であった。
そしてSMSとMSMとからなるコンパウンド結晶の含有量は11.8質量%であり、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上の脂肪酸からなる3飽和トリグリセリドの含有量は8.9質量%であった。また、トリパルミチンは、全組成中6.7質量%であり、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上の脂肪酸からなる3飽和トリグリセリドの内で75質量%を占めていた。
また、ガスクロマトグラフで測定したところ、ロールイン用油脂組成物1の全構成脂肪酸中、トランス酸含量は1質量%未満であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、及び大豆油22質量部で配合した混合油を溶解して油相とした。この油相69.74質量部に、水相として水30質量部及びアセスルファムカリウム0.26質量部を加えて乳化して油脂組成物を得た。該油脂組成物を85℃で殺菌した後50℃まで予備冷却した。
次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、急冷可塑化した油脂組成物を、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性、甘みが良好な本発明の油中水型乳化油脂組成物であるロールイン用油脂組成物2を得た。
得られたロールイン用油脂組成物2は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、及び大豆油22質量部で配合した混合油を溶解して油相とした。この油相69.95質量部に、水相として水30質量部及びアセスルファムカリウム0.03質量部及びスクラロース0.02質量部を加えて乳化して油脂組成物を得た。該油脂組成物を85℃で殺菌した後、50℃まで予備冷却した。
次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、急冷可塑化した油脂組成物を、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性、甘みが良好な本発明の油中水型乳化油脂組成物であるロールイン用油脂組成物3を得た。
得られたロールイン用油脂組成物3は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、及び大豆油22質量部で配合した混合油を溶解して油相とした。この油相49.87質量部に、水相として水50質量部及びアセスルファムカリウム0.13質量部を加えて乳化して油脂組成物を得た。該油脂組成物を85℃で殺菌した後、50℃まで予備冷却した。
次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、急冷可塑化した油脂組成物を、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性、甘みが良好な本発明の油中水型乳化油脂組成物であるロールイン用油脂組成物4を得た。
得られたロールイン用油脂組成物4は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、及び大豆油22質量部で配合した混合油を溶解して油相とした。この油相49.74質量部に、水相として水50質量部及びアセスルファムカリウム0.26質量部を加えて乳化して油脂組成物を得た、該油脂組成物を85℃で殺菌した後、50℃まで予備冷却した。
次に予備冷却した油脂組成物を、6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、急冷可塑化した油脂組成物をサイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性、甘みが良好な本発明の油中水型乳化油脂組成物であるロールイン用油脂組成物5を得た。
得られたロールイン用油脂組成物5は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、及び大豆油22質量部で配合した混合油を溶解して油相とした。この油相69.995質量部に、水相として水30質量部及びアセスルファムカリウム0.005質量部を加えて乳化して油脂組成物を得た。該油脂組成物を85℃で殺菌した後、50℃まで予備冷却した。
次に予備冷却した油脂組成物を、6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、急冷可塑化した油脂組成物を、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性が良好なロールイン用油脂組成物6を得た。
得られたロールイン用油脂組成物6は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、大豆油22質量部で配合した混合油を溶解し、この油相69.77質量部に、水相として水30質量部、アセスルファムカリウム0.13質量部及び食塩0.1質量部を加えて乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、物性が良好なロールイン用油脂組成物7を得た。
得られたロールイン用油脂組成物7のナトリウム/カリウムの質量比率は1.6であった。
パームオレインのランダムエステル交換油62.4質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10.4質量部、パームステアリン5.2質量部、大豆油22質量部で配合した混合油を溶解し、この油相43質量部に、水相として水30質量部及び砂糖27質量部を加えて乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。
その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、乳化型は油中水型乳化であり、油相の10℃のSFCが45%であって、甘みが良好なロールイン用油脂組成物8を得た。
得られたロールイン用油脂組成物8は、ナトリウムを実質的に含まず、ナトリウム/カリウムの質量比率は0.01以下であった。
強力粉 80質量部
薄力粉 20質量部
イースト 4質量部
イーストフード 0.2質量部
上白糖 15質量部
全卵 10質量部
練り込み用マーガリン 5質量部
水 45質量部
ロールイン用油脂組成物 45質量部
練り込み用マーガリンとロールイン用油脂組成物以外の原料をミキサーボールに入れ、フックを用い、縦型ミキサーにてL3、M3にてミキシングを行い、練り込み用マーガリンを入れ、さらにL3、M3にてミキシングを行い、生地を調製する。この生地をフロアタイム20分、−5℃の冷凍庫で24時間リタードさせた。この生地にロールイン用油脂組成物をのせ、常法により、ロールイン(3つ折り3回)し、成型(縦10センチ、横10センチ、厚さ3ミリ)した。そしてホイロ(32℃ 50分)をとり、200℃15分にて焼成した。
焼成後のデニッシュペストリーの厚みを焼成前の生地厚で除した値について、焼成品10個の平均値を算出し、下記の4段階で評価した。
◎ :4.5以上
○ :4.0以上〜4.5未満
△ :3.5以上〜4.0未満
× :3.0未満
◎ :非常に良好
○ :良好
△ :やや不良
× :不良
◎ :非常に良好
○ :良好
△ :やや不良
× :不良
Claims (5)
- 油中水型乳化油脂組成物全体に対して0.01〜1質量%のアセスルファムカリウムを含有する水相と、油相とからなり、ナトリウム/カリウムの質量比率が0.1以下であり、ベーカリー製品の練り込み用、ロールイン用又はスプレー・コーティング用であることを特徴とする油中水型乳化油脂組成物。
- 水分を2〜70質量%含有する請求項1記載の油中水型乳化油脂組成物。
- 油相の固体脂含量(SFC)が10℃で80%以下である請求項1又は2記載の油中水型乳化油脂組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の油中水型乳化油脂組成物を製造する方法であって、アセスルファムカリウムを水相に添加し、該水相と油相とを混合し、乳化する油中水型乳化油脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の油中水型乳化油脂組成物を用いたベーカリ−製品。
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