JP2007252203A - 離型油組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼型に食品生地を充填し、加熱して得られる食品を得る際に、焼型に塗布することで、良好な食感(パリパリ感、及び、口溶け)のクラストを有する食品を得ることができる離型油組成物、更には、該加熱食品を長時間保管した際や、冷凍・解凍した際、温熱保管した際、あるいは、電子レンジ加熱した際のパリパリ感の消失を防止することが可能である離型油組成物を提供すること。
【解決手段】 油相中に直接β型の油脂結晶を5質量%以上含有することを特徴とする離型油組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 油相中に直接β型の油脂結晶を5質量%以上含有することを特徴とする離型油組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、焼型に食品生地を充填し、加熱して得られる食品を得る際に、焼型に塗布する離型油組成物に関する。
離型油組成物は、焼型に食品生地を充填し、加熱して得られる食品を得る際に、焼型に塗布することで、焼成後の型剥れを向上させる目的で使用される。
そして一般的には、焼型に均一に塗布するために常温でペースト状〜可塑性の性状を有し、加熱時にも、焼型と食品生地の界面で均質な油膜を保持することが求められる。
そのため、一般的には、液状油に乳化剤、特にレシチンを添加して、粘度や可塑性を付与した油脂組成物が使用される。(例えば特許文献1参照)
しかし、このような液状油を使用した離型油組成物を使用すると、加熱後の食品のクラストが加熱直後はパリパリした食感であったとしても、経日保管後そのパリパリ感が徐々に失われ、しっとりとした食感になるのは避けられない。
そのため、一般的には、液状油に乳化剤、特にレシチンを添加して、粘度や可塑性を付与した油脂組成物が使用される。(例えば特許文献1参照)
しかし、このような液状油を使用した離型油組成物を使用すると、加熱後の食品のクラストが加熱直後はパリパリした食感であったとしても、経日保管後そのパリパリ感が徐々に失われ、しっとりとした食感になるのは避けられない。
また、糊料や澱粉などの微粉末を添加した離型油組成物(例えば特許文献2)を使用することも考えられたが、この方法では、微粉末が保管中に沈降分離してしまう問題があることに加え、パリパリ感は良好であるが当然口溶けの悪い食品となってしまう問題があった。
これらの問題を避けるため、中鎖脂肪酸を配合したり、中鎖脂肪酸と液状油をエステル交換したエステル交換交換油脂を使用した離型油組成物(例えば特許文献3参照)も開発されたが、中鎖脂肪酸を含む油脂組成物は加水分解やすいため長期保存する食品では風味が悪くなる問題や、焼成中に発煙しやすいなどの問題があった。
また、口溶けが良好であり、且つ、ソフトな食感であるベーカリー食品を得る方法として、直接β型油脂結晶を含有する油脂組成物を練込使用した焼菓子があるが、(例えば特許文献4参照)これは食品生地に練込使用するものであるため、クラムの食感をソフトにする効果はあるが、クラストの食感もソフトなものになってしまうものであった。
特開昭63−279751号公報
特開昭63−317042号公報
特開昭61−85140号公報
特開2003−169601号公報
従って、本発明の目的は、焼型に食品生地を充填し、加熱して得られる食品を得る際に、焼型に塗布することで、良好な食感(パリパリ感、及び、口溶け)のクラストを有する食品を得ることができる離型油組成物、更には、該加熱食品を長時間保管した際や、冷凍・解凍した際、温熱保管した際、あるいは、電子レンジ加熱した際のパリパリ感の消失が抑制された離型油組成物を提供することにある。
本発明者等は、離型油組成物において、直接β型油脂結晶を、食品生地に練込使用するのではなく、離型油として用いることにより、上記問題を解決可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、油相中に直接β型の油脂結晶を5質量%以上含有することを特徴とする離型油組成物、及び該離型油組成物を使用した食品を提供するものである。
本発明の離型油組成物を使用した食品のクラストは、パリパリした食感で、且つ、良好な口溶けであり、更には、食品を長時間保管した際や、冷凍・解凍した際、温熱保管した際、あるいは、電子レンジ加熱した際にも、そのパリパリ感の消失が防止される。
以下、本発明の離型油組成物について詳細に説明する。
本発明の離型油組成物は、油相中に直接β型の油脂結晶を5質量%以上含有するものである。
本発明の離型油組成物は、油相中に直接β型の油脂結晶を5質量%以上含有するものである。
先ず、上記の直接β型の油脂結晶について説明する。
直接β型の油脂結晶とは、油脂結晶を融解し、冷却し、結晶化したときに、熱エネルギー的に不安定なα型結晶から、準安定形のβプライム型を経由せず、最安定形のβ型結晶に直接転移する油脂結晶のことである。この際、上記の結晶化条件は如何なる結晶化条件であってもよく、テンパリング等の特殊な熱処理を必要としない。
直接β型の油脂結晶とは、油脂結晶を融解し、冷却し、結晶化したときに、熱エネルギー的に不安定なα型結晶から、準安定形のβプライム型を経由せず、最安定形のβ型結晶に直接転移する油脂結晶のことである。この際、上記の結晶化条件は如何なる結晶化条件であってもよく、テンパリング等の特殊な熱処理を必要としない。
本発明の離型油組成物は、油相中に上記直接β型の油脂結晶を5質量%以上、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下含有する。油相中の直接β型の油脂結晶の含有量が5質量%未満であると、パリパリ感が極めて低く、且つ、口どけの良さが得られない。また、離型油組成物の保管中に、経日的に20μmを越えたサイズを有するβ型結晶が出現しやすく、経日的に硬くなりやすい等、油脂結晶安定性の面でも十分に満足の得られるものとならない。
ただし、本発明の離型油組成物は、油相中に直接β型の油脂結晶を5質量%以上含有していれば、直接β型の油脂結晶でない油脂結晶、例えばβプライム型の油脂結晶を含有していてもよい。
本発明において、油脂結晶が直接β型であることを確認する方法としては、油脂結晶を70℃で完全に融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られる油脂結晶が、β型結晶であることを確認する方法が挙げられる。
上記の油脂結晶がβ型結晶であることを確認する方法としては、例えば、X線回析測定において、以下のように短面間隔を測定する方法が挙げられる。
具体的には、油脂結晶について、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する強い回析ピークを示した場合に、該油脂結晶はβ型結晶であると判断する。さらにより高い精度で測定する場合は、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度1)及び4.2〜4.3オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度2)をとり、ピーク強度1/ピーク強度2の比が1.3以上、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.2以上、最も好ましくは2.5以上となった場合にβ型結晶であると判断する。
また、上記の直接β型の油脂結晶は、トリグリセリド分子のパッキング状態が2鎖長構造であることが好ましい。油脂結晶が2鎖長構造であることを確認する方法としては、例えばX線回析測定による方法が挙げられる。
具体的には、油脂結晶について、長面間隔を2θ:0〜8度の範囲で測定し、40〜50オングストロームに相当する回折ピークを示した場合に、該油脂結晶は2鎖長構造をとっていると判断する。
尚、従来のマーガリンやショートニング等の可塑性油脂に用いられている油脂結晶を70℃で完全融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られる油脂結晶は、2鎖長構造であるが、準安定形のβプライム型である。また、主にチョコレート等の油脂性菓子に用いられるカカオ脂も、70℃で完全融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られる油脂結晶は、2鎖長構造であるが、準安定形のβプライム型である。
また、上記の直接β型の油脂結晶は、実質的に微細結晶であることが好ましい。上記の微細結晶とは、油脂の結晶が微細であることであり、口にしたり、触った際にもザラつきを感ずることのない結晶であることを意味し、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm、最も好ましくは3μm以下のサイズの油脂結晶を指す。上記サイズとは、結晶の最大部位の長さを示すものである。
上記の直接β型の油脂結晶の結晶サイズが20μmを越えた油脂結晶であると、該油脂結晶を含有する離型油組成物を口にしたり、触った際にザラつきを感じやすい。
なお、「実質的に」とは、全ての直接β型の油脂結晶のうち微細結晶を90質量%以上含有することを指す。
上記の直接β型の油脂結晶の1つめの例として、StEE(St:ステアリン酸、E:エライジン酸)で表されるトリグリセリド(以下StEEとする)の油脂結晶が挙げられる。
StEEの油脂結晶は、本発明の離型油組成物の油相中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下、最も好ましくは5質量%以上20質量%以下となるように含有させる。
StEEの油脂結晶は、本発明の離型油組成物の油相中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下、最も好ましくは5質量%以上20質量%以下となるように含有させる。
本発明の離型油組成物中に、好ましくは上記のような範囲で、StEEの油脂結晶を含有させるために、本発明ではStEEを含有する油脂を用いることができる。
上記のStEEを含有する油脂としては、例えば、大豆油、ひまわり油、シア脂、サル脂の中から選ばれた1種又は2種以上に水素添加及び分別から選択される1又は2種類の処理を施した加工油脂を用いることができる。さらに好ましくは、ハイオレイックひまわり硬化油、シア分別軟部油の硬化油又はこの硬化油の分別硬部油、サル分別軟部油の硬化油又はこの硬化油の分別硬部油を用いることが望ましい。
また、上記の直接β型の油脂結晶の2つめの例として、S1MS2(S1及びS2は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリド(以下S1MS2とする)と、MS3M(S3は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリド(以下MS3Mとする)とからなるコンパウンド結晶が挙げられる。
上記のS1MS2のS1及びS2並びにMS3MのS3は、好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸であり、さらに好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸である。また、本発明において、上記のS1、S2及びS3が、同じ飽和脂肪酸であるのが最も好ましい。
また、上記のS1MS2のM及びMS3MのMは、好ましくは炭素数16以上のモノ不飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数18以上のモノ不飽和脂肪酸、最も好ましくはオレイン酸である。
上記のS1MS2とMS3Mとからなるコンパウンド結晶とは、構造の異なるS1MS21分子とMS3M1分子とが混合された際、あたかも単一のトリグリセリド分子であるかの如き結晶化挙動を示すものである。コンパウンド結晶は分子間化合物とも呼ばれる。
本発明の離型油組成物において、上記のS1MS2とMS3Mとからなるコンパウンド結晶は、本発明の離型油組成物の油相中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下、最も好ましくは5質量%以上20質量%以下となるように含有させる。
また、本発明の離型油組成物の油相中、上記のS1MS2の含有量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以上15質量%以下、最も好ましくは2.5質量%以上10質量%以下であり、上記のMS3Mの含有量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以上15質量%以下、最も好ましくは2.5質量%以上10質量%以下である。
さらに、本発明の離型油組成物において、MS3Mのモル数/S1MS2のモル数が、好ましくは0.4〜7.0、さらに好ましくは0.8〜5.0となるように含有させる。
本発明の離型油組成物中に、好ましくは上記のような範囲で、S1MS2とMS3Mとからなるコンパウンド結晶を含有させるために、本発明ではS1MS2を含有する油脂及びMS3Mを含有する油脂を混合して用いてもよい。
上記のS1MS2を含有する油脂としては、例えば、パーム油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、デュパー脂、モーラー脂、フルクラ脂、チャイニーズタロー等の各種植物油脂、これらの各種植物油脂を分別した加工油脂、並びに下記に記載するエステル交換油、該エステル交換油を分別した加工油脂を用いることができる。本発明では、上記の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記のエステル交換油としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられる。
本発明の離型油組成物においては、上記のS1MS2を含有する油脂として、口溶け風味、酸化安定性の点において、パーム油、パームステアリン、パームオレイン、パーム中部油などのパーム系油脂、及びこれらのパーム系油脂を用いて製造したエステル交換油のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましく、中でも、口溶けが良好である点、及び下記MS3Mをも含有する点において、パームオレイン、及び/又は、パーム中部油を70%以上含有する油脂配合物をエステル交換して得られたエステル交換油を使用することがさらに好ましい。
上記のMS3Mを含有する油脂としては、例えば、豚脂、豚脂分別油、下記に記載するエステル交換油を用いることができ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記のエステル交換油としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられる。
本発明の離型油組成物においては、上記のMS3Mを含有する油脂として、口溶け、風味と酸化安定性の点において、パーム油や、パームステアリン、パームオレイン、パーム中部油などのパーム系油脂を用いて製造したエステル交換油のうちの1種又は2種以上を使用することがより好ましく、中でも、口溶けが良好である点、及び上記S1MS2をも含有する点において、パームオレイン、及び/又は、パーム中部油を70%以上含有する油脂配合物をエステル交換して得られたエステル交換油を使用することがさらに好ましい。
本発明の離型油組成物において、上記のS1MS2を含有する油脂は、本発明の離型油組成物の油相中、S1MS2が好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以上15質量%以下、最も好ましくは2.5質量%以上10質量%以下となるよう含有させ、上記のMS3Mを含有する油脂は、本発明の離型油組成物の油相中、MS3Mを好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以上15質量%以下、最も好ましくは2.5質量%以上10質量%以下となるよう含有させる。
本発明の離型油組成物においては、直接β型の油脂結晶として、1つめの例として挙げた上記StEEの油脂結晶、及び2つめの例として挙げたS1MS2とMS3Mで表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド結晶のどちらを用いてもよく、また両者を併用してもよいが、トランス酸を含まなくても製造できる点で、後者のコンパウンド結晶を使用することがより好ましい。
本発明の離型油組成物の油相は、上記StEE、上記S1MS2、上記MS3M、上記StEEを含有する油脂、上記S1MS2を含有する油脂、及び、上記MS3Mを含有する油脂のうちの1種又は2種以上を適宜組み合わせ、直接β型の油脂結晶を油相中に5質量%以上含有するように配合することにより得ることができる。
なお、本発明の離型油組成物において、その他の油脂を用いても良い。その他の油脂を用いる場合、その他の油脂の含有量は、本発明の離型油組成物の油相中、好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下、最も好ましくは70質量%以下とする。その他の油脂としては、通常の加工食品に用いられる食用油脂であれば、特に限定されず、動物油脂、植物油脂等の天然油脂、及びこれらの油脂の部分硬化油脂、完全硬化油脂、分別油脂、エステル交換油脂、ランダムエステル交換油脂等の単独あるいは混合油脂が使用出来る。
また、本発明の離型油組成物は、トランス酸を実質的に含有しないことが好ましい。
水素添加は油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、これによって得られる水素添加油脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものが要求されている。
ここでいう「実質的に」とは、トランス酸含量が、本発明の離型油組成物の全構成脂肪酸中、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%未満、最も好ましくは2質量%未満であることを意味する。
本発明では、直接β型結晶を得る際に、StEEではなく、S1MS2とMS3Mとからなるコンパウンド結晶を使用することで、水素添加油脂を使用せずとも良好なコンステンシーを有するため、上記その他の油脂として部分硬化油脂を使用しないことで、トランス酸を実質的に含有しない離型油組成物を簡単に得ることができる。
さらに、本発明の離型油組成物においては、油分含量が好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であることが、離型性が良好で、且つ、コゲとスパッタリング(油はね)を抑制することも可能な点で好ましい。油分含量が50質量%未満であると、スパッタリングが強くなってしまい、作業性が悪くなってしまうおそれがある。なお、上記油分含量は、本発明の離型油組成物において下記のその他の成分を使用する場合は、その中に含まれる油分も算入して算出する。
ここで、ある離型油組成物が、直接β型の油脂結晶を含有していることを確認する方法について述べる。
まず、第1の方法として、ある離型油組成物の油相のトリグリセリド組成を分析し、直接β型の油脂結晶となるトリグリセリド、例えば、StEE、又はS1MS2及びMS3Mの油相中の含有量を測定し、直接β型の油脂結晶となるトリグリセリドが油相中に含有されていること、好ましくはその含有量が前記範囲内にあることを確認することにより、離型油組成物が直接β型の油脂結晶を含有していることを確認する方法が挙げられる。
また、第2の方法として、油相中に上記直接β型の油脂結晶となるトリグリセリド、例えば、StEE、又はS1MS2及びMS3Mを含有している油脂が配合されていること、好ましくは上記StEE、又はS1MS2及びMS3Mが油相中に前記範囲内の含有量となるように配合されていることを確認する方法が挙げられる。
更に、より簡単な方法である第3の方法として、ある離型油組成物の油相を70℃で完全に融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることを確認することによって、離型油組成物が直接β型の油脂結晶を含有していることを確認する方法が挙げられる。
なお、第3の方法において、離型油組成物の油相の油脂結晶が下に示すような微細結晶であることが確認された場合は、油相を70℃で完全に融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で7日間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることを確認することによって、直接β型の油脂結晶を含有していることを確認することができる。 この場合、ある離型油組成物中の直接β型の油脂結晶の含有量が多いほど、5℃での保持時間が短くても、得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶となるため、5℃で7日間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることよりも、5℃で4日間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることがさらに好ましく、5℃で1日間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることが一層好ましく、5℃で1時間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることがさらに一層好ましく、5℃で30分間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることが最も好ましい。
この2鎖長構造であることを確認する方法としては、上記のX線回析測定による方法を用いるものとする。
上記の第3の方法において、5℃での保持期間後に得られた油脂結晶がβ型結晶であることを判断する方法としては、X線回析測定において、以下のように短面間隔を測定することにより判断できる。
具体的には、油脂結晶について、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する強い回析ピークを示した場合に、該油脂結晶はβ型結晶であると判断する。さらにより高い精度で測定する場合は、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度1)及び4.2〜4.3オングストロームの面間隔に対応する範囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度2)をとり、ピーク強度1/ピーク強度2の比が1.3以上、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.2以上、最も好ましくは2.5以上となった場合にβ型結晶であると判断する。
本発明の離型油組成物は乳化剤を含有するものであることが、離型性が良好な点で好ましい。上記乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄等の合成乳化剤でない乳化剤を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明ではこれらのうち、グリセリン脂肪酸エステル、及び/又は、レシチンを用いるのが好ましい。
なお、本発明の離型油組成物における乳化剤の含有量は、組成物中で好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。
その他、本発明の離型油組成物に含有させることができるその他の成分としては、例えば、水、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酸味料、牛乳・れん乳・脱脂粉乳・ホエーパウダー・バター・クリーム・ナチュラルチーズ・プロセスチーズ等の乳や乳製品、カゼイン等の乳蛋白、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、調味料、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明の離型油組成物において、油脂以外の成分の使用量は、それらの成分の使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、好ましくは全油脂分100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
なお、上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の含有量は、特に制限はないが、本発明の離型油組成物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。また本発明の離型油組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
次に、本発明の離型油組成物の好ましい製造方法を説明する。
本発明の離型油組成物は、直接β型の油脂結晶となるトリグリセリドを5質量%以上含有する油相を溶解した後、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。本発明において、冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましいが、本発明では徐冷却であっても、微細なβ型結晶をとり、可塑性範囲が広く、経日的にも硬さが変化せず安定した離型油組成物を得ることができる。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等の油脂組成物製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
なお、本発明の離型油組成物が水相を有する場合は、直接β型の油脂結晶となるトリグリセリドを5質量%以上含有する油相に、水相を混合乳化後、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
また、本発明の離型油組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させてもよい。
次に、本発明の食品について説明する。
本発明の食品は、焼型に本発明の離型油組成物を塗布後、食品生地を充填後加熱して得られる、クラスト部分の食感(パリパリ感、口溶け)が良好な食品である。
その代表的な例としては、マドレーヌ、フィナンシェなどの焼き菓子や、プルマンブレッドなどのパン類や、鯛焼き、今川焼、大判焼き、お好み焼き、たこ焼き等の焼き物類が挙げられる。
そして、本発明の食品は、長時間保管した際や、冷凍・解凍した際、温熱保管した際、あるいは、電子レンジ加熱した際のパリパリ感の消失が抑制されたという特徴を有するものである。
その代表的な例としては、マドレーヌ、フィナンシェなどの焼き菓子や、プルマンブレッドなどのパン類や、鯛焼き、今川焼、大判焼き、お好み焼き、たこ焼き等の焼き物類が挙げられる。
そして、本発明の食品は、長時間保管した際や、冷凍・解凍した際、温熱保管した際、あるいは、電子レンジ加熱した際のパリパリ感の消失が抑制されたという特徴を有するものである。
なお、離型油の塗布方法ははけ塗りやスプレーなど適宜従来の方法を選択することができる。
また、その塗布量については、焼型の表面積1平方センチあたり0.005g〜0.1g、より好ましくは0.01g〜0.05gである。0.005gより少ないと良好な離型性が得られないことに加え、良好な食感、とくにパリパリ感が得られない。また、0.1gを超えると、得られる食品の油性感が強いものとなってしまうおそれがある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。また、S:飽和脂肪酸、M:モノ不飽和脂肪酸を示す。
(離型油組成物の調製)
〔実施例1〕
パームステアリンのランダムエステル交換油と、パームオレインのランダムエステル交換油とを、20/80の質量比で配合した混合油98.99質量部に、レシチン0.5質量部、グリセリンモノステアリン酸エステル0.5質量部、及びミックストコフェロール0.01質量部を添加、溶解、混合し、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、離型油組成物1を得た。
〔実施例1〕
パームステアリンのランダムエステル交換油と、パームオレインのランダムエステル交換油とを、20/80の質量比で配合した混合油98.99質量部に、レシチン0.5質量部、グリセリンモノステアリン酸エステル0.5質量部、及びミックストコフェロール0.01質量部を添加、溶解、混合し、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、離型油組成物1を得た。
得られた離型油組成物1の油相の油脂結晶は、光学顕微鏡下で、3μm以下の微細油脂結晶であった。離型油組成物1の油相を70℃で完全に融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折ピークを示し、また、4.6オングストロームの面間隔に対応する最大ピーク強度(ピーク強度1)及び4.2オングストロームの面間隔に対応する最大ピーク強度(ピーク強度2)をとり、ピーク強度1/ピーク強度2の比をとったところ3.0となり、この油脂結晶はβ型をとることが確認され、離型油組成物1は直接β型の油脂結晶を含有していることがわかった。さらに、この油脂結晶について、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施したところ、46オングストロームに相当する回折ピークが得られ、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認された。
また、得られた離型油組成物1の油相中において、S1MS2(以下SMSという)の含有量は10.3質量%で、MS3M(以下MSMという)の含有量は7.7質量%であり、SMSとMSMとからなるコンパウンド結晶の含有量は15.4質量%、MSM/SMSのモル比は1.33であった。よって、離型油組成物1の油相中において、直接β型の油脂結晶の含有量は15.4質量%であった。
なお、ガスクロマトグラフで測定したところ、離型油組成物1の全構成脂肪酸中、トランス酸含量は2質量%未満であった。
なお、ガスクロマトグラフで測定したところ、離型油組成物1の全構成脂肪酸中、トランス酸含量は2質量%未満であった。
得られた離型油組成物1は後述の今川焼製造試験に供した。
〔比較例1〕
実施例1における混合油を、パーム極度硬化油、大豆35℃硬化油、及び大豆液状油を、5/55/40の質量比で配合した混合油に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、比較例の離型油組成物2を得た。
得られた離型油組成物2の油相の油脂結晶は、光学顕微鏡下で、3μm以下の微細油脂結晶であった。離型油組成物2の油相を70℃で完全に融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとることが確認された。さらに、この油脂結晶について2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施したところ、40〜50オングストロームに相当する回折ピークが得られず、トリグリセリドのパッキング状態が3鎖長構造であることも確認された。よって直接β型の油脂結晶も含有しないものであった。
実施例1における混合油を、パーム極度硬化油、大豆35℃硬化油、及び大豆液状油を、5/55/40の質量比で配合した混合油に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、比較例の離型油組成物2を得た。
得られた離型油組成物2の油相の油脂結晶は、光学顕微鏡下で、3μm以下の微細油脂結晶であった。離型油組成物2の油相を70℃で完全に融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で30分間保持した際に得られた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとることが確認された。さらに、この油脂結晶について2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施したところ、40〜50オングストロームに相当する回折ピークが得られず、トリグリセリドのパッキング状態が3鎖長構造であることも確認された。よって直接β型の油脂結晶も含有しないものであった。
なお、得られた離型油組成物2は後述の今川焼製造試験に供した。
(今川焼焼成試験)
実施例1及び比較例1で得られた離型油組成物1及び2を用いて、下記配合・製法により今川焼をそれぞれ製造し、離型性を下記評価基準により比較評価し、結果を表1に記載した。また焼成直後、常温(25℃)3時間保管後、及び、焼成後常温(25℃)冷却20分後、−40℃30分急速冷凍し、これを2週間−20℃保管後したものを600Wの電子レンジで解凍(1分/個)し、常温20分保管後の、クラストの食感(パリパリ感と口溶け)について、下記評価基準により比較評価し、その結果も表1にあわせて示した
実施例1及び比較例1で得られた離型油組成物1及び2を用いて、下記配合・製法により今川焼をそれぞれ製造し、離型性を下記評価基準により比較評価し、結果を表1に記載した。また焼成直後、常温(25℃)3時間保管後、及び、焼成後常温(25℃)冷却20分後、−40℃30分急速冷凍し、これを2週間−20℃保管後したものを600Wの電子レンジで解凍(1分/個)し、常温20分保管後の、クラストの食感(パリパリ感と口溶け)について、下記評価基準により比較評価し、その結果も表1にあわせて示した
<配合・製法>
焼饅ミックス(日東製粉製)300gと水330gを、滑らかな状態になるまで、卓上ミキサーでワイヤーホイッパーを使用して、低速混合(0.5分)し、なめらかなバッターとした。あらかじめ190℃に加熱しておいた直径88mmの今川焼の焼型を2個用意し、その一方の型に、離型油組成物を1g/焼型(0.02g/cm2)塗布し、ここに、上記バッターを30g流し込み、190℃で1分間下面を加熱した。次いで、粒餡45gを生地上に載せ、更にその上に上記バッター25gを流し込み、さらに190℃で6分間加熱した。 ここで、もう一方の焼型に、同様に離型油組成物を1g/焼型(0.02g/cm2)塗布して上記バッターを25g流し込み、更に、先に加熱した粒餡入りバッターを反転被覆して、さらに190℃で5分間加熱した。
焼饅ミックス(日東製粉製)300gと水330gを、滑らかな状態になるまで、卓上ミキサーでワイヤーホイッパーを使用して、低速混合(0.5分)し、なめらかなバッターとした。あらかじめ190℃に加熱しておいた直径88mmの今川焼の焼型を2個用意し、その一方の型に、離型油組成物を1g/焼型(0.02g/cm2)塗布し、ここに、上記バッターを30g流し込み、190℃で1分間下面を加熱した。次いで、粒餡45gを生地上に載せ、更にその上に上記バッター25gを流し込み、さらに190℃で6分間加熱した。 ここで、もう一方の焼型に、同様に離型油組成物を1g/焼型(0.02g/cm2)塗布して上記バッターを25g流し込み、更に、先に加熱した粒餡入りバッターを反転被覆して、さらに190℃で5分間加熱した。
<離型性の評価基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:やや不良である
×:不良である
<クラストの食感(パリパリ感)の評価基準>
◎:パリパリ感が非常に良好
○:パリパリ感が良好
△:パリパリ感が乏しく、ややべたついた食感である
×:パリパリ感が極めて乏しく、べたついた食感である
<クラストの食感(口溶け)の評価基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:油性感が感じられ、やや不良である
×:油性感が強く不良である
◎:非常に良好
○:良好
△:やや不良である
×:不良である
<クラストの食感(パリパリ感)の評価基準>
◎:パリパリ感が非常に良好
○:パリパリ感が良好
△:パリパリ感が乏しく、ややべたついた食感である
×:パリパリ感が極めて乏しく、べたついた食感である
<クラストの食感(口溶け)の評価基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:油性感が感じられ、やや不良である
×:油性感が強く不良である
上記表1からわかるように、直接β型の油脂結晶を油相中に5質量%以上含有する実施例1の離型油組成物を使用して得られた今川焼は、焼成直後、常温保管3時間後、冷凍解凍後の食感とも大変良好であった。
それに対して、直接β型結晶を含有しない比較例1の離型油組成物を使用して得られた今川焼は、焼成直後のパリパリ感は良好であるが、口溶けが悪く、常温保管3時間後、冷凍解凍後の食感は、べたついた食感である上に口溶けも不良であった。
Claims (5)
- 直接β型の油脂結晶を油相中に5質量%以上含有することを特徴とする離型油組成物。
- パーム系油脂を用いて製造したエステル交換油を含有することを特徴とする請求項1記載の離型油組成物。
- 乳化剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の離型油組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の離型油組成物を用いて製造された食品。
- 請求項1〜3のいずれかの離型油組成物を焼型に塗布した後、食品生地を充填し、加熱することを特徴とする食品の製造方法。
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JP2016002069A (ja) * | 2014-06-19 | 2016-01-12 | ミヨシ油脂株式会社 | 離型油 |
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- 2006-03-20 JP JP2006076689A patent/JP2007252203A/ja active Pending
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