JP6679207B2 - 可塑性油脂組成物 - Google Patents
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Description
そのため、マーガリン、ショートニング等の可塑性油脂組成物に使用する油脂として、魚油の部分水素添加油脂から、ナタネ油、大豆油、パーム油等の植物油脂を代表とする各種の動植物油脂のエステル交換油や分別油への置換が進められてきた。
そのため、魚油以外の動植物性油脂は、シュガークリームやバタークリーム用、或いは焼菓子練り込み用のマーガリン又はショートニングの原料油脂としては適しておらず、魚油の部分水素添加油脂と同等の物性や機能を、魚油の部分水素添加油脂を使用せずに得ることは大変困難であった。
しかし、上述した魚油の部分水素添加油脂の代替油脂には、物性の面から、飽和脂肪酸の多い油脂が用いられるため、代替油脂を摂取した場合には必然的に飽和脂肪酸の摂取量が増えることとなり、その結果、SMP比のバランスが崩れてきていると指摘されている。
油分中、飽和脂肪酸残基の割合が35質量%以下であって、さらに下記条件(a)及び(b)を満たす、可塑性油脂組成物である。
(a) トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で3〜30質量%含有
(b) SUS型トリグリセリドを油分基準で6〜40質量%含有
(ただし、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸残基を示し、SUSトリグリセリドは1、3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリドを示す。)
本発明の可塑性油脂組成物は、油分中、飽和脂肪酸残基の割合が35質量%以下であって、さらに下記条件(a)及び(b)を満たすものである。
(a) トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で3〜30質量%含有
(b) SUS型トリグリセリドを油分基準で6〜40質量%含有
本発明の可塑性油脂組成物は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で3〜30質量%含有するものであり、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは7〜20質量%である。最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドの含有量が3質量%よりも少なかったり、30質量%よりも多くなると、「飽和脂肪酸残基の割合が35質量%以下」という条件下で、口どけとクリーミング性を両立することができなくなってしまう。
なお、本発明において油分とはトリグリセリドを表すものとし、油相とは油分の他、油溶性の成分もあわせたものとする。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記位置選択性のない酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。尚、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明の可塑性油脂組成物は、SUS型トリグリセリドを油分基準で6〜40質量%含有し、好ましくは8〜37質量%、より好ましくは10〜35質量%含有する。
本発明の可塑性油脂組成物においては、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸残基を示し、SUSトリグリセリドは1、3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリドを示す。なお、好ましくは、Sは炭素数16〜24の飽和脂肪酸残基を示し、Uは炭素数16〜24の一価不飽和脂肪酸残を示す。
本発明の可塑性油脂組成物において、SUS型トリグリセリドが6質量%よりも少ないと、十分なクリーミング性が得られず、また40質量%よりも多いと、本発明の趣旨に反し十分な飽和脂肪酸低減効果が見込めないほか、最終的に得られる食品中で経日的な油脂の結晶化が進行し、食品がざらついた食感となる場合があるため好ましくない。
飽和脂肪酸残基の割合が35質量%よりも大きいと、本発明の趣旨に反し十分な飽和脂肪酸低減効果が見込めない。
本発明の可塑性油脂組成物においては、上記その他の食用油脂のうち、大豆油、ナタネ油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、キャノーラ油、コーン油等の、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基として、不飽和脂肪酸残基を多く含有する液状油を使用し、その含有量を調整することにより、効率よく油分中の飽和脂肪酸残基の割合を調整することができる。
その他の成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、クエン酸、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記のSFCは、次のようにして測定する。即ち、油相を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さらに、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
(a) トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを3〜30質量%含有し、
(b) SUS型トリグリセリドを6〜40質量%含有するように
油相を調製した後、必要に応じ水相を添加して乳化したのち、冷却し、可塑化させることにより製造される。
SUS型トリグリセリドを油相基準で6〜40質量%となりうる量で上記の油脂等を配合し、さらに必要に応じその他の食用油脂及びその他の成分を添加し油相を調製する。
そしてこの油相を加熱溶解し、必要により、水にその他の成分を添加した水相を調製し、油相に添加し、乳化する。
冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
本発明の食品は、上記可塑性油脂組成物を使用して得られるものであり、特に良好なクリーミング性が要求されるシュガークリームやバタークリーム、あるいは焼菓子が好ましい食品として挙げられる。
以下、本発明の食品として、シュガークリーム、バタークリーム、及び焼菓子を例に説明する。
シュガークリームとは、ショートニングをクリーミングし、ここに、粉糖、粉乳、更には粉末状の原材料を配合して製造される、水分を含有しないクリームの総称であり、また、バタークリームとは、マーガリンやショートニング等の可塑性油脂組成物をクリーミングし、ここに、糖液や、卵類、乳等を配合して製造される油中水型或いは油中水中油型の乳化形態を持つクリームの総称である。
本発明の食品であるシュガークリーム又はバタークリームにおいて、本発明の可塑性油脂組成物の使用量は、シュガークリーム又はバタークリームの用途や乳化形態等により異なるものであり、特に限定されるものではないが、おおよそシュガークリーム又はバタークリーム中に40〜95質量%である。
焼菓子とは、マーガリンやショートニング等の可塑性油脂組成物をクリーミングして比重を小さくする操作を経て得られた生地を焼成して得られる菓子であり、例えば、マーガリンやショートニングに、糖類を加えてクリーミングし、ここに、卵類、乳等を配合して混合後、小麦粉を軽く混合して製造される、シュガーバッター法によって得られた菓子生地を焼成して得られる焼菓子、又はマーガリンやショートニングに小麦粉を加えてクリーミングし、ここに、糖類、卵類、乳等を配合、混合して製造されるフラワーバッター法によって得られた菓子生地を焼成して得られる焼菓子である。
具体例としては、パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等のバターケーキ類、アイスボックスクッキー、ワイヤーカットクッキー、サブレ、ラング等のクッキーが挙げられる。
本発明のクリーミング性強化方法は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、飽和脂肪酸残基の割合が35質量%以下であって、さらに下記条件(a)及び(b)を満たす、可塑性油脂組成物をシュガークリーム、バタークリーム又は焼菓子生地製造時に使用するものである。
(a) トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを3〜30質量%含有
(b) SUS型トリグリセリドを6〜40質量%含有
(ただし、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸残基を示し、SUSトリグリセリドは1、3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリドを示す。)
ハイエルシン菜種極度硬化油67質量部とハイオレイックヒマワリ油33質量部からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Iを得た。
ヨウ素価1のパーム極度硬化油30質量部と、パーム核油70質量部を混合した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として添加し、ランダムエステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂IIを得た。
パーム油60質量とヨウ素価1のパーム極度硬化油40質量部からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂IIIを得た。
〔実施例1〕可塑性油脂組成物A
エステル交換油脂Iを25質量部、シアステアリン(シア脂の分別によって得られた高融点部、以下同じ)を15質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Aを得た。
可塑性油脂組成物Aは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が29.6質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドの割合が16質量%、SUS型トリグリセリドを15質量%、StOStを11質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを15質量部、シアステアリンを25質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Bを得た。
可塑性油脂組成物Bは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が29.0質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを10質量%、SUS型トリグリセリドを21質量%、StOStを17質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを5質量部、シアステアリンを35質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Cを得た。
可塑性油脂組成物Cは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が28.5質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを4質量%、SUS型トリグリセリドを28質量%、StOStを24質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを25質量部、ヨウ素価35のパーム分別中融点部を15質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Dを得た。
可塑性油脂組成物Dは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が29.7質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを17質量%、SUS型トリグリセリドを13質量%、StOStを1質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを10質量部、ヨウ素価35のパーム分別中融点部を35質量部、菜種油55質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Eを得た。
可塑性油脂組成物Eは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が31.7質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを8質量%、SUS型トリグリセリドを24質量%、StOStを1質量%含有していた。
エステル交換油脂IIを15質量部、シアステアリンを25質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Fを得た。
可塑性油脂組成物Fは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が31.1質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを13質量%、SUS型トリグリセリドを20質量%、StOStを17質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを10質量部、エステル交換油脂IIを5質量部、シアステアリンを25質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Gを得た。
可塑性油脂組成物Gは油分中の飽和脂肪酸残基の割合が29.7質量%、、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを11質量%、SUS型トリグリセリドを21質量%、StOStを17質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを10質量部、エステル交換油脂IIを5質量部、シアステアリンを20質量部、ヨウ素価35のパーム分別中融点部5質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Hを得た。
可塑性油脂組成物Hは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が29.8質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを11質量%、SUS型トリグリセリドを20質量%、StOStを14質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを15質量部、シアステアリンを10質量部、ヨウ素価35のパーム分別中融点部15質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Iを得た。
可塑性油脂組成物Iは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が29.2質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを11質量%、SUS型トリグリセリドを20質量%、StOStを7質量%含有していた。
シアステアリンを45質量部、菜種油55質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Jを得た。
可塑性油脂組成物Jは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が30.9質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを1質量%、SUS型トリグリセリドを36質量%、StOStを30質量%含有していた。
エステル交換油脂Iを45質量部、菜種油55質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Kを得た。
可塑性油脂組成物Kは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が33.3質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを29質量%、SUS型トリグリセリドを5質量%、StOStを1質量%含有していた。
エステル交換油脂IIIを15質量部、シアステアリンを25質量部、菜種油60質量部、60%トコフェロール0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部及びレシチン0.05質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性油脂組成物Lを得た。
可塑性油脂組成物Lは、油分中の飽和脂肪酸残基の割合が28.6質量%、トリグリセリドを構成する脂肪酸の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを2質量%、SUS型トリグリセリドを22質量%、StOStを17質量%含有していた。
上記実施例1〜9及び比較例1〜3それぞれで得られた可塑性油脂組成物を、硬さ(レオメーター測定値)が7.6〜12.7Kgf/cm2となる温度に調温した後、下記のクリーミングテストを行った。
具体的には、まず、卓上ミキサーでビーターを使用して、中速でクリーミングし、クリーミング開始から3分ごとに比重を測定し、比重が0.45未満となるまでの時間について下記評価基準に従って4段階で評価を行ない、結果を下記表1に示した。
また、比重が下がらなくなった時点を最終比重とし、その比重について下記の評価基準に従って4段階で評価を行い、結果を併せて下記表1に示した。
なお、レオメーター測定値の測定には、レオメーター(レオテック社製・FUDOH RHEO METER)を使用し、まず、試料台に置いた試料(可塑性油脂組成物)を2cm/minの速度で上昇させ、その試料にφ=5mmの円盤状プランジャーを押し当てた際の最大応力が1.5〜2.5Kgfとなる温度を決定した。
続いて、上記レオメーターの結果から得られた温度条件下で、上記のクリーミングテストを実施した。
評価1:クリーミング速度
◎:比重が0.45未満となるまでの時間が6分未満
○:比重が0.45未満となるまでの時間が6分以上9分未満
△:比重が0.45未満となるまでの時間が9分以上12分未満
×:比重が0.45未満となるまでの時間が12分以上、又は比重が0.45未満とならなかった
評価2:最終比重
◎:最終比重が0.40未満
○:最終比重が0.40以上0.45未満
△:最終比重が0.45以上0.50未満
×:最終比重が0.50以上
得られた可塑性油脂組成物A〜Lを用いて、次の配合及び製法によりワイヤーカットクッキーを製造した。
(配合)
薄力粉100質量部、砂糖50質量部、全卵(正味)15質量部、食塩1質量部、重炭安1質量部、重曹1質量部、水16.7質量部、可塑性油脂組成物(A〜Lのいずれか)46質量部
(製法)
卓上ミキサー(キッチンエイドミキサー)に可塑性油脂組成物(A〜Lのいずれか)及び砂糖を投入し、軽く混合した後、10段階中「6」の中速で5分クリーミングした。次いで、あらかじめ全卵、水、食塩及び重炭安を混合した水相を少しずつ加えて攪拌・混合した(比重:0.9)。さらに薄力粉及び重曹を加えた後、低速で1分混合してワイヤーカットクッキー生地を得た。得られたワイヤーカットクッキー生地を、厚さ4ミリ、直径4センチの丸型にワイヤーカット成型し、オーブン(フジサワ社製)で180℃にて15分焼成した後、25℃で40分冷却し、ワイヤーカットクッキーA〜L(符号は使用した可塑性油脂組成物に対応する)を得た。
38〜50点:◎+、27〜37点:◎、〜26点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
[評価基準]
・口溶け
5点…非常に口溶けが良い。
3点…口溶けが良い。
1点…口溶けが悪い。
0点…非常に口溶けが悪い。
・食感
5点…非常にサクサクした食感で、歯切れも良好である。
3点…サクサクした食感で、歯切れも良好である。
1点…やや硬い食感で、歯切れが悪い。
0点…硬い食感で、歯切れが悪い。
Claims (4)
- 油分中、飽和脂肪酸残基の割合が35質量%以下であって、さらに下記条件(a)〜(c)を満たす、可塑性油脂組成物。
(a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で7〜20質量%含有
(b)SUS型トリグリセリドを油分基準で6〜40質量%含有
(ただし、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸残基を示し、SUSトリグリセリドは1、3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリドを示す。)
(c)StOStを油分基準で3〜17質量%含有
(ただし、Stはステアリン酸残基、Oがオレイン酸残基を示す。) - シュガークリーム用、バタークリーム用、又は焼菓子練り込み用である請求項1記載の可塑性油脂組成物。
- 請求項1又は2記載の可塑性油脂組成物を用いてなる食品。
- 油分中、飽和脂肪酸残基の割合が35質量%以下であって、さらに下記条件(a)〜(c)を満たす可塑性油組成物を使用する、シュガークリーム、バタークリーム、又は焼菓子生地製造時のクリーミング性強化方法。
(a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを7〜20質量%含有
(b)SUS型トリグリセリドを6〜40質量%含有
(ただし、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸残基を示し、SUSトリグリセリドは1、3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリドを示す。)
(c)StOStを油分基準で3〜17質量%含有
(ただし、Stはステアリン酸残基、Oがオレイン酸残基を示す。)
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