JP2013121343A - 風味改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に飲食品の風味を改良することができる風味改良剤、その製造方法、および簡便に飲食品の風味を改良する方法を提供することである。
【解決手段】本発明による風味改良剤は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを共存させ、加熱してなる加熱混合物を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、風味改良剤および飲食品の風味改良方法に関する。
飲食品分野、特に製菓および製パン分野において、チーズは、その独特の呈味や香りを付与して飲食品の風味を改良する原材料として、頻繁に使用されている。チーズのもたらす風味の中でも、チーズを加熱、特に焼成した際に生じる「焼きチーズ風味」は、嗜好性の高い、かつ、食欲をそそる風味として、広く一般に好まれている。
一方、原材料としてのチーズは、価格変動が大きいことが知られている。また、一般的に、チーズの風味は、原料となるチーズの種類やロットによる影響を受けやすい。そのため、チーズの風味を付与した商品を、工業的に安定して供給することは難しい。
また、チーズを配合した飲食品は、チーズを配合していない飲食品よりも、カビが生えやすい、老化および劣化しやすいなど保存性が悪いことが知られている。さらに、製パン資材としてチーズを用いた場合には、パンのボリュームが低下することが知られている。
このため、チーズの風味を増強させる方法がいくつか開発されている。例えば、特開平7−50992号公報(特許文献1)および特開平7−107905号公報(特許文献2)には、チーズに、メチオニンと、アラニンおよび/またはグリシンと、グルコース、キシロース、フルクトース、ショ糖から選ばれる1種以上の糖とを混合し、加熱することによってチーズの風味を増強および改良する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法はチーズ自体の風味を増強および改良する方法であり、上記文献には、飲食品に、チーズを配合することなく、チーズの風味を付与する方法は記載されていない。さらに、焼きチーズ風味については何ら報告されていない。
チーズを配合することなく、チーズ風味を飲食品に付与できるチーズ風味組成物(チーズフレーバー)としては、例えば、特開2007−135592号公報(特許文献3)には、チーズ風味化合物として、乳酸培養体によってα−ケト酸代謝物を生成する方法が開示されている。
しかしながら、この方法はα―ケト酸を必須の材料としているため煩雑であり、また、この文献では「焼きチーズ風味」については何ら報告されていない。
特開平7−50992号公報 特開平7−107905号公報 特開2007−135592号公報
本発明者らは、今般、特定のアミノ酸の組合せに、ラクトースと、必要に応じて酪酸とを加えて、水に溶解し、得られた溶液を加熱することで、「焼きチーズ風味」を有する溶液が得られることを予想外にも見出した。また、製パンの際に、この特定のアミノ酸の組合せと、ラクトースとをパンの材料に添加すると、チーズを配合したパンに比べて、焼き上がったパンの形状やボリュームを損なうことなく、パンの風味を改良することができ、さらにチーズを配合したパンよりも強い焼きチーズ風味が付与されたパンを製造することに成功した。本発明はこれら知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、簡便に飲食品の風味を改良することができ、特に「焼きチーズ風味」を付与することができる風味改良剤、その製造方法、および簡便に飲食品の風味を改良する方法、特に「焼きチーズ風味」を付与する方法を提供することをその目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを共存させ、加熱してなる加熱混合物を含む、風味改良剤。
(2) 酪酸をさらに共存させ、加熱する、(1)に記載の風味改良剤。
(3) 焼きチーズ風味付与剤である(1)または(2)いずれかひとつに記載の風味改良剤。
(4) バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを共存させ、加熱する工程を含む、風味改良剤の製造方法。
(5) 酪酸をさらに共存させ、加熱する、(4)に記載の風味改良剤の製造方法。
(6) 飲食品に、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを添加して共存させ、加熱することを特徴とする、飲食品の風味改良方法。
(7) 酪酸をさらに添加して共存させ、加熱する、(6)に記載の飲食品の風味改良方法。
(8) 風味改良が、焼きチーズ風味の付与である、(6)または(7)いずれかひとつに記載の風味改良方法。
(9)(1)〜(3)いずれかひとつに記載の風味改良剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品の製造方法。
本発明によれば、簡便に飲食品の風味を改良することができ、特に「焼きチーズ風味」を付与することができる風味改良剤、その製造方法、および簡便に飲食品の風味を改良する方法、特に「焼きチーズ風味」を付与する方法を提供できる。
発明の具体的説明
風味改良剤
本発明の好ましい態様によれば、本発明の風味改良剤は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを共存させ、加熱してなる加熱混合物を含む。より好ましくは、本発明の風味改良剤は、酪酸をさらに共存させ、加熱してなる加熱混合物を含む。
本明細書において、バリン(以下、Valとも表記する)、ロイシン(以下、Leuとも表記する)、イソロイシン(以下、Ileとも表記する)、メチオニン(以下、Metとも表記する)、フェニルアラニン(以下、Pheとも表記する)およびプロリン(以下、Proとも表記する)(以下、これら6種のアミノ酸を「本発明に用いられるアミノ酸」ともいう)は、合成品であっても、これらを含有する天然物から単離、精製されたものであってもよい。また、本発明に用いられるアミノ酸は、遊離の状態であってもよく、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩であってもよい。
本発明に用いられるアミノ酸は、本発明に用いられるアミノ酸を含有するタンパク質やペプチドの分解物等のアミノ酸含有物に含有されていてもよい。
タンパク質またはペプチドとしては、その分解物としたときの本発明に用いられるアミノ酸の量に着目することによって、本発明に従って風味改良する上で望ましいものを適宜選択できる。例えば、乳タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、卵タンパク質、卵白、ゼラチン、コラーゲン、酵母エキス、大豆ペプチド、コラーゲンペプチドが挙げられ、好ましくは、乳タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、卵白、ゼラチン、または酵母エキスであり、さらに好ましくは、乳タンパク質、大豆タンパク質である。
タンパク質またはペプチドの分解物を得るための方法は、タンパク質またはペプチドの分解物中に、本発明に用いられるアミノ酸を含有させることのできる方法であれば、特に限定されない。分解方法は、例えば、酵素分解、酸分解、アルカリ分解、または物理的な分解方法であり、好ましくは酵素分解であり、分解物は、例えば、酵素分解物、酸分解物、アルカリ分解物、または物理的分解物であり、好ましくは酵素分解物である。
ラクトース(乳糖)は、常法により合成したものや乳原料などからの精製物を用いてもよく、市販品をそのまま用いてもよく、または、牛乳、脱脂粉乳等のラクトースを含有するものを用いてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の風味改良剤は、本発明に用いられるアミノ酸と、ラクトースとを共存させ、加熱して得られる加熱混合物として製造することができる。共存させる方法としては、例えば、本発明に用いられるアミノ酸と、ラクトースとを混合して共存物とする方法が挙げられる。前記共存物は、粉体、粒体、粉粒体、顆粒状等の固体状であってもよく、または、水、アルコール、酢酸溶液等の各種液体、好ましくは水に分散または溶解させた液体状であってもよい。
加熱する前の前記共存物は、本発明に用いられるアミノ酸と、ラクトース以外に、本発明の風味改良剤の効果を妨げない限り他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、本発明に用いられる6種類のアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリン)以外のアミノ酸、タンパク質、ペプチド、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、スクロース、マルトース、トレハロース等の二糖類、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖、デンプン、デキストリン等の多糖類、エチルアルコール等のアルコール、酪酸、酢酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸、核酸、グルタミン酸等のうま味物質、脂質、脂肪酸、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の無機塩、果実エキス、野菜エキス、水産物エキス、畜産エキス、風味料、香料などが挙げられる。好ましくは、より焼きチーズ風味を強くすることができる点で、酪酸である。
酪酸は、常法により合成したものや乳製品などからの精製物や市販品をそのまま用いてもよく、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、バター、ヨーグルト等の酪酸を含有するものを用いてもよい。
前記共存物中の本発明に用いられるアミノ酸の含有量は、加熱混合物の取得を妨げない限り特に限定されず、本発明に用いられる6種のアミノ酸の総重量として、例えば0.1〜50重量%であり、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは0.5〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明に用いられるアミノ酸6種類のそれぞれの重量比は、所望の風味改良効果が得られる限り特に限定されない。好ましくは、焼きチーズ風味がより強くなる点で、メチオニン1重量部に対して、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンおよびプロリンが、それぞれ0.1〜20重量部であり、より好ましくは、0.1〜10重量部である。
前記共存物中のラクトースの含有量は、加熱混合物の取得を妨げない限り特に限定されず、例えば0.1〜50重量%であり、好ましくは1.0〜20重量%であり、より好ましくは1.0〜10重量%である。
前記共存物中の他の成分の含有量は、本発明の風味改良剤の効果の妨げとならない限り特に限定されない。例えば、酪酸の場合は、含有量は、好ましくは0.005〜10重量%、より好ましくは0.005〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.02〜1.0重量%である。
前記共存物中の本発明に用いられるアミノ酸と、ラクトースとの含有量は、好ましくは、本発明に用いられるアミノ酸が、各アミノ酸重量として、0.1〜1.0重量%であり、ラクトースが、1.0〜10重量%である。また、前記共存物中の本発明に用いられるアミノ酸のアミノ酸総重量としてのアミノ酸と、ラクトースとの含有量比は、例えば2:1〜1:20である。
前記共存物を加熱する温度は、本発明の風味改良効果が得られる限り特に限定されず、例えば50〜300℃であり、好ましくは70〜250℃、より好ましくは80〜200℃である。また、加熱時間は、例えば1分間〜12時間であり、好ましくは、風味が損なわれない点で、5分間〜3時間である。
加熱手段は、当業者が一般に用いることができる手段であれば、特に限定されず、例えば、焼く(焼成を含む)、炒める、揚げる、茹でる、蒸す、煮るが挙げられる。具体的な例としては、製造タンクなどでの加熱、熱風による加熱が挙げられる。また、加熱手段としては、レトルト殺菌、ジュール殺菌、加圧殺菌、熱風乾燥、蒸気乾燥、または燻製等の手段を用いてもよい。
前記製造方法により得られる加熱混合物はそのまま風味改良剤として用いてもよく、濃縮処理、熱風処理、熱風乾燥、蒸気乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理、分離精製処理、脱色処理などに供して、濃縮物や乾燥物等にしたものを風味改良剤として用いてもよい。
本発明の風味改良剤は、液状、ペースト状、粉状、顆粒状等のいずれの形状を有するものであってもよい。
本発明の風味改良剤は、必要に応じて食品に使用可能な添加物を含有してもよい。添加物としては、例えば、水等の水性媒体、食塩、糖類、酢、香辛料、ソース、醤油、果実エキス、野菜エキス、水産物エキス、畜産エキス、酵母エキス等の調味料や、有機酸、アミノ酸、油脂、風味料、香料、酒精、酸味料、うま味調味料、乳化剤等が挙げられる。
用途(風味改良効果)
本発明の風味改良剤は、飲食品に添加することにより、飲食品の風味を改良する、特にチーズを焼成した際に生じるこうばしい香りと呈味、すなわち「焼きチーズ風味」を付与する剤または調味料として好適に用いることができる。すなわち、本発明の風味改良剤を用いて、飲食品の風味を改良することができる。より具体的には焼きチーズ風味を飲食品に付与することができる。
本発明の態様によれば、本発明の風味改良剤を添加してなる、飲食品が提供される。また、本発明の別の態様によれば、風味改良剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食物の風味改良方法が提供される。さらに、本発明のさらに別の態様によれば、風味改良剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品の製造方法が提供される。
前記飲食品に本発明の風味改良剤を添加する方法としては、例えば、飲食品を製造する際に原材料の一部として添加する方法、製品となっている飲食品を加熱調理、電子レンジ調理、真空調理等で調理する際に添加する方法、または摂食の際に添加する方法が挙げられる。
本発明の風味改良剤の飲食品への添加量は、特に限定されず、飲食品の種類、性質に応じて当業者が適宜調整できる。添加量は、例えば、飲食品100重量部に対して、風味改良剤が0.1〜40重量部であり、好ましくは0.5〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明の風味改良剤の添加される飲食品としては、風味改良が望まれる食品、特に焼きチーズ風味の付与が望まれる食品であれば、特に限定されない。飲食品としては、例えば、パン製品、菓子製品、オーブン料理(例えば、グラタン)、パスタ、ピザ、シチュー、カレー、パエリアやドリアなどの米飯料理、ソーセージやハム、サラダ、スープ、ポタージュ、ソース、ドレッシング、デザートが挙げられる。飲食品は、好ましくはパン製品、菓子製品またはピザであり、より好ましくはパン製品、菓子製品である。
本発明の風味改良剤を添加する対象は、飲食品以外にも、風味改良、特に焼きチーズの風味の付与を望む物であれば、特に限定されない。ここで、添加量、添加方法などは、添加する対象の種類、性質に応じて当業者が適宜調整できる。
本発明の飲食品の風味改良方法および飲食品の製造方法は、飲食品に、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを添加して共存させ、加熱することを含んでなる方法であってもよく、より好ましくは、酪酸をさらに添加して共存させ、加熱することを含んでなる方法であってもよい。すなわち、本発明の風味改良剤の加熱する前の共存物を、飲食品に添加した後、加熱することを含んでなる方法であってもよい。
これら方法によれば、本発明の風味改良剤を製造する際に加熱を必要とせず、加熱する前の前記共存物を飲食品に添加した後に、飲食品に対する一度の加熱によって、簡便に飲食品の風味を改良することができる。
これらの方法に用いる、本発明に用いられるアミノ酸、ラクトース、必要に応じて他の成分(特に酪酸)の飲食品への添加量、加熱方法および条件等は、本発明の風味改良剤を飲食品に添加する方法の記述に準じることができる。
ここで、アミノ酸、ラクトースおよび酪酸の添加量、加熱方法、加熱時間、加熱条件などは、上記に準ずることができる。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1:風味改良剤の調整
下記表1の配合で、アミノ酸、糖、および必要に応じて酪酸を、水に溶解し、得られた各溶液を、オートクレーブを用いて121℃で15分間加熱した。加熱後の各溶液を室温にまで冷却した。各溶液の焼きチーズ風味について、3名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
評価は以下の基準に従い、行った。
◎(大変良い):焼きチーズ風味を非常に強く感じる
○(良い):焼きチーズ風味を強く感じる
×(悪い):焼きチーズ風味を感じられない
評価の結果を、表1に示す。
Figure 2013121343
例2:クッキーの製造
下記表2の配合でクッキーを製造した。
具体的には、ショートニングに砂糖を入れ、ホバートミキサー(ホバート・コーポレーション社製)で均一になるまで混合して、その後全卵を少量ずつ添加して混合した。得られた混合物に、各配合に従って薄力粉、ベーキングパウダー、アミノ酸などを添加して混合し、混合物を1つにまとめて10℃以下に設定した冷蔵庫で15分間寝かせた。次に、寝かせた混合物を取り出し、室温にて厚さ0.3cmになるまで伸ばし、型抜きを行った。型抜きした生地を、予め180℃に温めておいたオーブンで、180℃で15分間、焼成した。
Figure 2013121343
焼成後のクッキーの焼きチーズ風味について、ミルクの香りの強さ、こうばしい香りおよび呈味の強さの観点から、12名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
評価は以下の基準に従い、7点評価法で行った。
7点:対照区よりもかなり強く感じる
6点:対照区よりも強く感じる
5点:対照区よりも少し強く感じる
4点:対照区と同等に感じる
3点:対照区よりも少し弱く感じる
2点:対照区よりも弱く感じる
1点:対照区よりもかなり弱く感じる
評価の結果を、表3に示す。
Figure 2013121343
例3:パンの製造
上記例1の試験区1の配合に従い、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンを各0.5gずつ、ならびにラクトース3gを水に溶解し、100gに定容して調製した。調製溶液をオートクレーブで121℃、10分間加熱して、風味改良剤を得た。得られた風味改良剤を製パンに用いた。
具体的には、下記表4の配合で混合し、表5の工程でワンローフ型のパンを製造した。
比較区として市販のゴーダチーズ50gと水50gを混合したチーズペーストを配合したパンと、対照区として風味改良剤やチーズペーストを添加していないパンも製造した。
Figure 2013121343
Figure 2013121343
得られたパンは、非容積を菜種置換法によって測定した。結果を表6に示す。
Figure 2013121343
表6に示すとおり、チーズペーストを配合したパン(比較区)は、無添加のパン(対照区)と比べて、形状は不良であった。
得られた各パンは、例2に記載の評価基準に従い、焼きチーズ風味について、ミルクの香りの強さ、こうばしい香りの強さ、呈味の強さの観点から、12名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
結果を表7に示す。
Figure 2013121343
例4:大豆タンパク質酵素分解液を用いたクッキーの製造
(1)溶液の調製
大豆タンパク質(日華油脂株式会社製)20gおよびラクトース5gを水75gに溶解し、乳酸(90%)を用いてpHを5.0に調整した。液温を85℃に保持して、10分間殺菌処理を行った。その後液温を50℃まで冷却し、溶液にアスペルギルスAspergillus属糸状菌(Aspergillus Oryzae)由来の酸性プロテアーゼ(商品名「コクラーゼP」、三菱化学フーズ株式会社)を0.5g添加し、液温を50℃に保持して撹拌しながら20時間、酵素処理を行った。得られた大豆タンパク質酵素分解液に含まれる遊離アミノ酸および糖(ラクトース)を、常法により定量した。結果を表8に示す。
Figure 2013121343
(2)クッキーの製造
上記(1)で得られた溶液を、下記表9の配合で混合し、クッキーを製造した。
具体的には、バターに砂糖を入れ、ホバートミキサーで均一になるまで混合して、その後全卵、溶液の順に少量ずつ添加して混合した。得られた混合物に、薄力粉、ベーキングパウダーを添加して混合し、混合物を1つにまとめて10℃以下に設定した冷蔵庫で15分間寝かせた。次に、寝かせた混合物を取り出し、室温にて厚さ0.3cmになるまで伸ばし、型抜きを行った。型抜きした生地を、予め180℃に温めておいたオーブンで、180℃で15分間、焼成した。
Figure 2013121343
得られたクッキーは、良好な焼きチーズ風味を有していた。
例5:脱脂粉乳酵素分解液を用いた風味改良剤
脱脂粉乳20gおよびラクトース5gを水75gに融解し、85℃で10分間保持して殺菌処理を行った。得られた溶液を35℃に冷却したのち、乳酸菌(Leuconostoc属)0.01%およびリパーゼ0.2%を添加し、35℃で20時間静置培養した。
培養液を85℃に保持して10分間加熱後、液温を50℃に冷却し、酸性プロテアーゼを0.5%添加し、液温を50℃に保持して撹拌しながら20時間酵素処理を行った。得られた脱脂粉乳酵素分解液に含まれる遊離アミノ酸および糖(ラクトース)を、常法により定量した。結果を表10に示す。
Figure 2013121343
得られた脱脂粉乳酵素分解液を85℃に保持して2時間の加熱を行い、風味改良剤を得た。
得られた風味改良剤は、ミルクの香り、こうばしい香りおよび呈味のすべての点で優れており、良好な焼きチーズ風味を有していた。
例6:風味改良剤を用いたパンの製造
上記例5で得られた風味改良剤を製パンに用いた。
具体的には下記表11の配合で混合し、表12の工程で、食パン3斤型を用いて食パンを製造した。
Figure 2013121343
Figure 2013121343
得られたパンは、例2に記載の評価基準に従い、焼きチーズ風味について、ミルクの香りの強さ、こうばしい香りの強さ、および呈味の強さの観点から、12名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。その結果を表13に示す。
Figure 2013121343
表12に示すとおり、本発明の風味改良剤を添加して得られたパン(試験区1〜3)は、風味改良剤を添加せずに得た対照区のパンと比較して、ミルクの香りの強さ、こうばしい香りの強さ、および呈味の強さのすべての点ですぐれており、良好な焼きチーズ風味を有するものであった。

Claims (9)

  1. バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを共存させ、加熱してなる加熱混合物を含む、風味改良剤。
  2. 酪酸をさらに共存させ、加熱する、請求項1に記載の風味改良剤。
  3. 焼きチーズ風味付与剤である、請求項1または2のいずれか一項に記載の風味改良剤。
  4. バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを共存させ、加熱する工程を含む、風味改良剤の製造方法。
  5. 酪酸をさらに共存させ、加熱する、請求項4に記載の風味改良剤の製造方法。
  6. 飲食品に、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンと、ラクトースとを添加して共存させ、加熱することを特徴とする、飲食品の風味改良方法。
  7. 酪酸をさらに添加して共存させ、加熱する、請求項6に記載の飲食品の風味改良方法。
  8. 風味改良が焼きチーズ風味の付与である、請求項6または7のいずれか一項に記載の風味改良方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の風味改良剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品の製造方法。
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