JP2002253141A - リン酸化糖を味質改善剤として含有する飲食物 - Google Patents

リン酸化糖を味質改善剤として含有する飲食物

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JP2002253141A JP2001054927A JP2001054927A JP2002253141A JP 2002253141 A JP2002253141 A JP 2002253141A JP 2001054927 A JP2001054927 A JP 2001054927A JP 2001054927 A JP2001054927 A JP 2001054927A JP 2002253141 A JP2002253141 A JP 2002253141A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 風味及びテクスチヤーを改善した食品及びそ
の製造法の提供。 【解決手段】 ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
る部分的にリン酸化されたオリゴ糖或はそのミネラル化
合物を飲食品に添加する。添加される食品は、バニラを
含む食品、乳脂肪を含む食品、酢を含む食品、柑橘類を
含む食品、豆乳、乳及び粉乳を含む飲料・食品、ホワイ
トチョコレート、ミルクキャラメル、ミルクキャンデ
ー、生クリーム、シチュー、スープ、アイスクリームラ
クトアイス、アイスミルク、卵を含む食品、人工甘味料
を含む食品であって苦み、酸味、渋み、青臭み、を軽減
しのどごしの悪さを改良する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品の風味およびテク
スチャーを改善する方法および改善された飲食品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】食品の中には、食品原料が本来持っていた
り、その加工過程で生じる苦み、酸味、渋味、いがらっ
ぽさ、焦げ臭さ、青臭みなどにより高い栄養価を持ちな
がらも好まれにくい食品がある。野菜ジュース、天然果
汁飲料等は、素材の風味が製品に大きく反映するため
に、嗜好性を高めるために当業者は大変な労力を費やし
てきている。例えば、ニンジンや大豆の臭み、グレープ
フルーツの苦み、青汁の青臭み等である。また、健康飲
料に多く利用されている黒酢の酸味や豆乳の渋味やえぐ
み等の嗜好上の問題点も大きい。更に、スポーツ飲料に
おいては、プロテインやペプチド、あるいは分枝鎖アミ
ノ酸の苦みやえぐみのために、摂取量に制限が生じてお
り、嗜好性を高める努力が為されている。そこで、苦
み、酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、青臭みなど
を軽減するために、原因物質を除去し原料を精製した
り、マスキングのために香料や他の呈味物質を多量に添
加することが必要であった。しかしながら、原料を精製
する方法では製品価格が高くなるばかりでなく、他の有
用な成分も除去されてしまうことも頻繁にあった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、消費者が
強く望んでいる天然物の素材を添加することにより、食
品及び飲食物には食品原料が本来持っていたり、その加
工過程で生じる苦み、酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ
臭さ、青臭みなどにより好まれにくい食品を好適に改善
することにある。そこで、苦み、酸味、渋味、いがらっ
ぽさ、焦げ臭さ、青臭みなどを軽減することが強く望ま
れていた。特に、自然食品、天然果汁飲料、野菜飲料、
健康食品、スポーツ飲料、スポーツ用食品等では、原材
料の持つ苦み、酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、
青臭みなどが従来から問題になることが多かった。ま
た、ダイエットなどの目的から人工甘味料が多く用いら
れているが、砂糖に比べるとえぐみがあったり、後味の
悪い甘味であったりして問題になることが多くあった。
また、口腔用組成物にも多くの場合、薬剤や人工甘味料
が多く用いられており、味質の劣悪さも問題になってい
た。
【0005】後に説明する本発明にいうリン酸化糖が多
くの食品が本来持っている人間には受け入れがたい苦
み、酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、青臭みなど
の味質や匂いなどを軽減あるいは改善することによっ
て、その食品の用途、栄養学的価値の拡大をはかること
は重要な課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リン酸化
糖に着目し、リン酸化糖が食品中に含まれるカルシウム
及びミネラルを可溶化し体内への吸収性を改善する事を
発見し、カルシウムやミネラルの吸収促進剤として既に
発明を完成させている(特開平8−104696)。つ
まり、特開平8−104696では、リン酸化糖を食品
に添加し、共存するカルシウムを腸内で溶解させ、吸収
性を向上させるものであった。かかる状況下において鋭
意研究を重ねた結果、本発明は特開平8−104696
を更に発展させたものである。つまり、本特許では、リ
ン酸化糖を添加する事により、易溶解性、易吸収性のカ
ルシウム等のミネラル強化や吸収促進機能を添加食品へ
付与するのみでなく、不快な匂い、味を軽減させるとい
う全く新しい効果を見出したことで、本発明を完成させ
た。リン酸化糖ミネラル結合物は、種々の飼料、食品、
飲料または健康食品に添加する際は、味質に悪影響を及
ぼさないばかりでなく、人間には受け入れがたい苦み、
酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、青臭みなどの味
質や匂いなどを軽減あるいは改善した。つまりリン酸化
糖及びリン酸化糖ミネラル結合物は味質改良剤として有
効であり、上記課題を解決するために非常に重要である
と考えられる。以下に、本発明について詳細に記述す
る。
【0007】本発明に言うリン酸化糖とは、α−1, 4
結合した3〜5個のグルコースからなり、そして1個の
リン酸基が結合しているグルカン、もしくは、α−1,
4結合した2〜8個のグルコースからなり、そして2個
のリン酸基が結合してなるグルカンであり、但し、ジャ
ガイモ澱粉を除く澱粉から調製される。上記澱粉として
は、例えば、サツマイモデンプン、クズデンプン、チェ
ストナッツ、トウモロコシデンプンなどが知られている
(Takeda, C.; Takeda, Y.; Hizukuri, S., Carbohydr.
Res., 246, 273 (1993).、 Hizukuri, S. Carbohydrat
es in Food; A.-C. Eliasson, Ed.; Marcel Dekker, In
c.: New York, 1996; pp 375-379.)。好適には、コメ
デンプン、タピオカデンプン及び加工澱粉が用いられ
る。例えばコメデンプン及びタピオカデンプン由来のリ
ン酸化糖を調製するには以下の方法がある。
【0008】コメデンプン(商品名ベターフレンド、島
田化学製)あるいはタピオカデンプン(三和澱粉製)の
澱粉を使用した。澱粉100gを800〜1000ml
の水中に入れ、これに細菌B.lichenformi
s由来デンプン液化型α−アミラーゼ(BLA)500
0U/ml(フクタミラーゼ、上田化学より入手 1
%)50μlを添加し、50℃で48時間水浴中で糊化
させた。さらに、この糊化したデンプンを、BLA 5
000U/ml(フクタミラーゼ、上田化学より入手
1%)50μl、プルラナーゼ200U/ml(ブロモ
ザイム:NOVO)50μl、グルコアミラーゼ(41
6U/ml)(東洋紡より入手)50μlで、50℃で
48時間インキュベートした。これを8,000rpm
で20分間遠心分離した。上清に、10mM酢酸緩衝液
(pH4.5)で平衡化した陰イオン交換樹脂(キトパ
ールBCW2501):富士紡績製)に供した。十分に
同緩衝液で洗浄して中性糖を除去し、続いて、0.5M
塩化ナトリウムを含む同緩衝液で溶出した。各溶出画分
をエバポレーターを用いて濃縮してから脱塩後、凍結乾
燥することにより、リン酸化糖を得た。リン酸化糖ミネ
ラル結合物とは、リン酸化糖分子中の少なくとも1つ以
上のリン酸基に、カルシウム、カリウム、マグネシウ
ム、ナトリウムあるいは/および鉄が結合したものをい
う。
【0009】原料となる澱粉等の酵素的分解には、澱粉
分解酵素であるα-アミラーゼ(EC3.2.1.1)、β-アミ
ラーゼ(EC 3.2.1.2)、グルコアミラーゼ(EC 3.2.1.
3)、イソアミラーゼ(EC 3.2.1.68)、プルラナーゼ
(EC 3.2.1.41)、ネオプルラナーゼ(Kuriki et al.、
Journal of Bacteriology、 170巻、1554頁-1559 頁、19
88年、Journal of Bacteriology, 369頁-374頁、1989
年)や糖転移酵素であるシクロデキストリングルカノト
ランスフェラーゼ(EC 2.4.1.19 ; 以下CGTaseと略す
る)を1種以上作用させ、または、それら1種以上とα
-グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)を併用してもよい。好
適にはエンド型酵素であるα-アミラーゼ、枝きり酵素
であるプルラナーゼあるいはイソアミラーゼ、エキソ型
酵素であるグルコアミラーゼの3種を併用する。
【0010】各酵素の反応終了後においては、特に酵素
を失活させる必要はないが、100℃で10分保持する
など常法により酵素を失活させてもよい。さらに、遠心
分離あるいは膜ろ過などの常法により不溶物を分離除去
してもよい。
【0011】上記反応終了後リン酸化糖を含有する糖混
合物の精製は、陰イオン交換樹脂を用いることができ
る。樹脂の種類は特に限定するものではないが、キトパ
ールBCW2501タイプ(富士紡績製)、アンバーライトIRA
タイプ(オルガノ製)、DEAE-セルロース(ワットマン
製)、DEAE-セファデックス、QAE-セファデックス(フ
ァルマシア製)、QAE-セルロース(バイオラッド製)等
が好適に用いることができ、その樹脂の陰イオン交換能
が生じる条件となるよう適当なpHに調整した緩衝液を
用いて、樹脂を平衡化し、試料を調製する。これにリン
酸化糖を含有する糖混合物の分画を供することにより、
リン酸化糖が樹脂に吸着される。カラムを洗浄して中性
糖を洗浄除去した後、吸着したリン酸化糖をアルカリ性
の溶液または塩溶液を用いて溶出する。溶出後、限外膜
濾過や電気透析装置などで脱塩し、濃縮してリン酸化糖を
得た。リン酸化糖の確認および構造分析の方法は、既に
公知の技術(Kamasaka, H. et al., Biosci. Biotech.
Biochem., 61 (238-244), 1997.,特開平8−10469
6、特開平11−158197)を用いて行なった。コ
メデンプンおよびタピオカデンプンからも前述記載のリ
ン酸化糖が得られたことが確認できた。つまり、エンド
型酵素であるα-アミラーゼ、枝きり酵素であるプルラ
ナーゼあるいはイソアミラーゼ、エキソ型酵素であるグ
ルコアミラーゼの3種を併用した場合には、α-1,4結合
した3〜5個のグルコースからなり、そして1個のリン
酸基が結合しているグルカンが主に得られる。また、α
-1,4結合した2〜8個のグルコースからなり、そして2
個のリン酸基が結合しているグルカンも得られる。天然
デンプンでは、グルコースの結合炭素の位置が6位と3位
で殆どである。植物種によっては、その結合量比に特徴
があることも知られている(Takeda, C.; Takeda, Y.;
Hizukuri, S., Carbohydr. Res., 246, 273 (1993).、
Hizukuri, S. Carbohydrates in Food; A.-C. Eliasso
n, Ed.; Marcel Dekker, Inc.: New York, 1996; pp 37
5-379.)。
【0012】このようにして得られたリン酸化糖の溶
液、リン酸化糖またはリン酸化糖とその金属化合物の沈
澱から通常実施される乾燥方法、例えば熱風乾燥、流動
層乾燥、真空乾燥等の方法を実施して濃縮あるいは、粉
末にするなど飲食に供しうるリン酸化糖もしくはリン酸
化糖ミネラル結合体を得ることができる。
【0013】本発明で言うところの、リン酸化糖は以下
のような性質を有する。オリゴ糖に結合しているリン酸
基が、カルシウム等のミネラルと親和性が高く、それら
ミネラルを可溶化することができる。オリゴ糖に結合し
ているリン酸基が、カルシウム等のミネラルと親和性が
高く、それらミネラル析出を抑制することができる。オ
リゴ糖に結合しているリン酸基が、カルシウム等のミネ
ラルと親和性が高く、それらと結合する事によりリン酸
化糖自身がミネラル強化剤となる。カルシウムの生体へ
の吸収を促進する効果を有する。 (5) 虫歯の原因であるミュータンス菌に資化されな
い非う蝕性の糖であり、グルカンの生成を行わない。 (6) 人工甘味料の甘みを丸くし、後引きを軽減す
る。 (7) 苦み、酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、
青臭みなどの味質や匂いなどを軽減する。 (8) バニラ感、乳脂肪感、塩味を増加させる。
【0014】本発明のリン酸化糖及びリン酸化糖ミネラ
ル結合体は、ほとんど全ての飲食用組成物または食品添
加物用組成物に使用することが可能である。つまり、製
品の風味を損なうこと無く飲食物、口腔用組成物、生
薬、漢方薬などへミネラル強化を行なえる。さらに、そ
の風味を好ましい方向に改善することが可能である。こ
の飲食用組成物とは、ヒトの食品、動物あるいは養魚用
の飼料、ペットフードを総称するものである。すなわ
ち、コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶、ジュース、
加工乳、生乳、牛乳、豆乳、ニアウォーター、スポーツ
ドリンク、野菜ジュース、青汁、栄養ドリンク、薬酒な
どの液体および粉末の飲料類、パン、クッキー、クラッ
カー、ビスケット、ケーキ、ピザ、パイ等のベーカリー
類、スパゲティー、マカロニ等のパスタ類、うどん、そ
ば、ラーメン等の麺類、キャラメル、ガム、チョコレー
ト等の菓子類、おかき、ポテトチップス、スナック等の
スナック菓子類、アイスクリーム、シャーベット等の冷
菓類、クリーム、チーズ、粉乳、練乳、乳飲料等の乳製
品、ゼリー、プリン、ムース、ヨーグルト等の洋菓子
類、饅頭、ういろ、もち、おはぎ等の和菓子類、醤油、
たれ、麺類のつゆ、ソース、だしの素、シチューの素、
スープの素、複合調味料、カレーの素、マヨネーズ、ケ
チャップ等の調味料類、カレー、シチュー、スープ、ど
んぶり等のレトルトもしくはいわしの煮付け、さばの煮
付け、シーチキン、焼き肉等の缶詰食品、ハム、ハンバ
ーグ、ミートボール、コロッケ、餃子、ピラフ、おにぎ
り等の冷凍食品および冷蔵食品、ちくわ、蒲鉾などの水
産加工食品、納豆、漬物、味噌等の醗酵食品、弁当のご
飯、寿司等の米飯類、生薬、漢方薬にも効果的に利用で
きる。さらに、カルシウムの吸収の高さを利用して、乳
児用ミルク、離乳食、ベビーフード、ペットフード、動
物用飼料、スポーツ食品、栄養補助食品、健康食品、高
齢者用食品等に使用し得る。また、歯磨き剤、マウスウ
オッシュ剤、うがい薬などの口腔用組成物にも使用し得
る。特に歯周病予防や虫歯予防のために、薬剤やフッ素
剤、金属イオン、人工甘味料との併用ができる。のみ薬
や粉末薬、漢方薬へも効果的に使用できる。
【0015】リン酸化糖及びリン酸化糖ミネラル結合体
による味質改善効果について以下に説明する。飲食用組
成物または食品添加物用組成物にリン酸化糖及びリン酸
化糖ミネラル結合体を添加し、味質改善を行う際には、
飲食用組成物または食品添加物用組成物製造工程中のい
かなる段階に添加しても効果を発揮することができる。
さらに添加濃度は飲食用組成物または食品添加物用組成
物中の苦み、酸味、渋味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、青
臭みなどの味質や匂いなどの原因物質の濃度にも関係す
るが、通常0.001%から5%の範囲が適当である。
また、本発明を利用することで、従来、苦み、酸味、渋
味、いがらっぽさ、焦げ臭さ、青臭みなどが原因で飲食
品や生薬、漢方薬、口腔用組成物等で添加量が制限され
てきた栄養成分、機能性素材、医薬品及び医薬部外品の
添加量を増加させることも可能である。以下にリン酸化
糖を添加した飲食用組成物または食品添加物用組成物の
味質改善についての実施例を示す。
【0016】実施例1(豆乳の調製) 市販品の調整豆乳(紀文フードケミファ製)にリン酸化
糖カルシウム結合体を1.2%添加し、カルシウム濃度
が100mg/dlとなるように調整したのち加熱殺菌
後、4℃で1ヶ月間保存した。1ヶ月間保存後、味質、匂
いについての変化を熟練した9人の官能評価パネルラー
によって判定した。その結果、無添加の豆乳に比較して
有意に(危険率5%)臭みが軽減し飲みやすい豆乳とな
っていると評価した。
【0017】実施例2(牛乳の調製) 市販品の牛乳(梶原乳業社製)にリン酸化糖カルシウム
結合体を1.2%添加し、カルシウム濃度が200mg
/dlとなるように調整したのち130℃で2秒間加熱殺菌
を行い、4℃で1週間保存した。1週間保存後、味質、匂
いについての変化を熟練した9人の官能評価パネルラー
によって判定した。その結果、無添加の牛乳に比較して
乳感が増強されていることが確認された。
【0018】実施例3(果汁の調製) 洋なし果汁と桃果汁(果汁濃度20%)となる飲料を作
成し、リン酸化糖カルシウム結合体を4.0%添加し、
カルシウム濃度が160mg/dlとなるように調整し
たのち加熱殺菌後、4℃で1ヶ月間保存した。1ヶ月間保
存後、味質、匂いについての変化を熟練した9人の官能
評価パネルラーによって判定した。その結果、無添加の
飲料に比較して有意に(危険率5%)酸味が軽減し飲み
やすくなっていると評価した。
【0019】実施例4(コーヒー飲料の調製) 焦げ臭と感じる程度の深入りコーヒー豆により、コーヒ
ー飲料を作成し、リン酸化糖カルシウム結合体を4.0
%添加し、カルシウム濃度が160mg/dlとなるよ
うに調整したのち加熱殺菌後、4℃で1ヶ月間保存した。
1ヶ月間保存後、味質、焦げ臭についての変化を熟練し
た9人の官能評価パネルラーによって判定した。その結
果、無添加のコーヒー飲料に比較して有意に(危険率5
%)苦味、焦げ臭が飲みやすくなっていると評価した。
【0020】実施例5(レモン果汁飲料の調製) レモン果汁濃縮液により、レモン果汁飲料を作成し、リ
ン酸化糖カルシウム結合体を5.0%添加し、カルシウ
ム濃度が200mg/dlとなるように調整したのち加
熱殺菌後、4℃で1ヶ月間保存した。1ヶ月間保存後、味
質についての変化を熟練した9人の官能評価パネルラー
によって判定した。その結果、無添加のレモン果汁飲料
に比較して有意に(危険率5%)酸味が抑制されマイル
ドとなり、飲みやすくなっていると評価した。
【0021】実施例6(グレープフルーツ果汁飲料の調
製) グレープフルーツ濃縮液により、グレープフルーツ果汁
飲料を作成し、リン酸化糖カルシウム結合体を5.0%
添加し、カルシウム濃度が200mg/dlとなるよう
に調整したのち加熱殺菌後、4℃で1ヶ月間保存した。1
ヶ月間保存後、味質についての変化を熟練した9人の官
能評価パネルラーによって判定した。その結果、無添加
のグレープフルーツ果汁飲料に比較して有意に(危険率
5%)苦味及び酸味が抑制されマイルドとなり、飲みや
すくなっていると評価した。
【0022】実施例7(ナリンジン溶液の調製) グレープフルーツの苦みの主成分であるとされているナ
リンジン(Fluka製、製品番号71160)溶液0.005%ある
いは0.02%に対して、リン酸化糖カルシウム結合体を
1.0%添加して、同様に官能試験に供した。について
の変化を熟練した9人の官能評価パネルラーによって判
定した。その結果、無添加のナリンジン溶液に比較して
有意に(危険率5%)苦味、えぐみが抑制されマイルド
となり、飲みやすくなっていると評価された。
【0023】実施例8(ニンジンジュースの調製) 市販品ニンジンジュース(カゴメ社製)にリン酸化糖カ
ルシウム結合体を1.0%添加し、カルシウム濃度が6
0mg/dlとなるように調整したのち加熱殺菌後、4
℃で1ヶ月間保存した。1ヶ月間保存後、味質について
の変化を熟練した9人の官能評価パネルラーによって判
定した。その結果、無添加のニンジンジュースに比較し
て有意に(危険率5%)ニンジン臭さが抑制されマイル
ドとなり、飲みやすくなっていると評価した。
【0024】実施例9(スポーツドリンクの調製) 砂糖、ぶどう糖、クエン酸、ビタミンC、ナイアシン、
ビタミンE,ビタミンB1、ビタミンB6からなるビタミン類
及びリン酸化糖のマグネシウム、カルシウム、ナトリウ
ム、カリウム、鉄結合体を溶解しスポーツドリンクタイ
プの清涼飲料水を作成した。上記ミネラル濃度は100
mg/dl(マグネシウムは10mg/dl)となるよ
うに調整した。加熱殺菌後、4℃で1ヶ月間保存した。1
ヶ月間保存後、飲料を観察したところ沈澱物は観察され
なかった。さらにマグネシウム由来の苦味も軽減されて
いた。
【0025】実施例10(スポーツ栄養飲料の調製) 砂糖、ぶどう糖、クエン酸、プロリン、リジン、グリシ
ン、チロシン、スレオニン、ロイシン、フェニルアラニ
ン、アルギニン、イソロイシン、アラニン、グルタミン
酸、トリプトファン、ヒスツチジン、セリンメチオニ
ン、アスパラギン酸からなるアミノ酸類及びリン酸化糖
のマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、
鉄結合体を溶解しスポーツ栄養飲料タイプの飲料を作成
した。上記ミネラル濃度は100mg/dl(マグネシ
ウムは10mg/dl)となるように調整した。加熱殺
菌後、4℃で1ヶ月間保存した。1ヶ月間保存後、飲料を
観察したところミネラル分由来の沈澱物は観察されなか
った。さらにアミノ酸由来の独特な嫌味も減少し、すっ
きりとした味質となっていた。
【0026】実施例11(黒酢飲料の調製) 10%の黒酢溶液に、リン酸化糖カルシウム結合体を
0.5%添加し、味質についての変化を熟練した9人の
官能評価パネルラーによって判定した。リン酸化糖カル
シウム結合体を添加した試料は、コントロールに比べ酸
味がマイルドになった。
【0027】実施例12(人工甘味料への影響) 0.02%のスクラロース、0.02%ステビアまた
は、0.02%酵素処理ステビアを含むそれぞれの溶液
に、リン酸化糖カルシウム結合体を0.5%添加し、味
質についての変化を熟練した9人の官能評価パネルラー
によって判定した。リン酸化糖カルシウム結合体を添加
した試料は、コントロールに比べいずれもすっきりした
甘みとなり、甘みのあとひき、後味も改善された。
【0028】実施例13(人工甘味料への影響) 10%のエリスリトールを含むそれぞれの溶液に、リン
酸化糖ナトリウム結合物あるいはリン酸化糖カルシウム
結合物を0.5%添加し、味質についての変化を熟練し
た9人の官能評価パネルラーによって判定した。リン酸
化糖カルシウム結合体を添加した試料は、コントロール
に比べえぐみが消え、すっきりした甘みとなった。
【0029】実施例14(人工甘味料への影響) 2%のソーマチンを含むそれぞれの溶液に、リン酸化糖
カルシウム結合体を0.5%添加し、味質についての変
化を熟練した9人の官能評価パネルラーによって判定し
た。リン酸化糖カルシウム結合体を添加した試料は、コ
ントロールに比べ後味がすっきりした。
【0030】実施例15(塩化マグネシウムへの影響) 0.1%の塩化マグネシウムを含む溶液に、リン酸化糖
カルシウム結合体を0.5%添加し、味質についての変
化を熟練した9人の官能評価パネルラーによって判定し
た。リン酸化糖カルシウム結合体を添加した試料は、コ
ントロールにマグネシウムの苦味、嫌味が減少してい
た。
【0031】実施例16(青汁の調製) モロヘイヤ30部、ほうれん草10部、セロリ3部、香
辛料0.5部、果糖ブドウ糖液糖15部、水41.5部
をミキサーで液状にしいわゆる青汁を調製した。リン酸
化糖ナトリウム結合物あるいはリン酸化糖カルシウム結
合物を0.5〜1.0%添加し、その味質の変化を熟練
した9人の官能評価パネルによって判定した。その結
果、無添加の青汁に比較して添加率0.5%で有意に
(危険率5%)青臭みが軽減し、更に苦味が添加率0.
5%で有意に(危険率5%)軽減した。添加率1.0%
で全員が青臭み、苦味ともに許容範囲であると判断し
た。
【0032】実施例17(カカオマスの調製) 酸味および渋味の強いカカオ豆であるマレーシア産豆を
粗粉砕後、120℃、30分の条件でばい煎し、その後
三段ロールでペースト状にしてマレーシア豆カカオマス
を調製した。これを60℃にしペースト状になったとこ
ろで、リン酸化糖を2.5%添加し、カカオマスを調製
した。これに温湯を加えよく混合し10%の温湯液を調
製した。その味質の変化を熟練した9人の官能評価パネ
ルによって判定した。その結果、無添加のカカオマスに
比較して、酸味が軽減し、更に苦味も有意に(危険率5
%)軽減した。
【0033】実施例18(ココアの調製) 江崎グリコ製練りココア(クリームリッチ)を作り方通
りに、1本の中身を110mlのお湯に十分に溶解し
た。その際に、リン酸化糖カルシウム結合物を1%濃度
になるように添加した。その味質の変化を熟練した9人
の官能評価パネルによって判定した。その結果、無添加
のものに比べて、ビター感が減少し、クリーム感が増強
されていることが確認できた。
【0034】実施例19(ウエハース用サンドクリーム
の調製) ショートニング100部をミキサーにて2分間混合し、
これに粉体原料のマルチトール40部、エリスリトール
60部、卵殻カルシウム30部、砂糖60部にリン酸化
糖ナトリウム結合物あるいはリン酸化糖カルシウム結合
物を2.5%添加し、更に3分間混合した。最後にバニ
ラ香料を添加し1分間混合してウエハース用サンドクリ
ームを調製した。その味質の変化を熟練した9人の官能
評価パネルによって判定した。その結果、無添加のサン
ドクリームに比較していがらっぽさ、えぐみが軽減し
た。更にパネル全員がかなり後味が改善されたと評価し
た。
【0035】実施例20(ハチミツソースの調製) 純粋蜂蜜100部、メイプルシュガー香料0.5部、カ
ラメル0.3部を混合し蜂蜜ソースを調製し、これにリ
ン酸化糖ナトリウム結合物あるいはリン酸化糖カルシウ
ム結合物を3.0部添加した。その味質の変化を熟練し
た9人の官能評価パネルによって判定した。その結果、
その結果、無添加の蜂蜜ソースに比較していがらっぽ
さ、えぐみが軽減した。更にパネル全員がかなり後味が
改善されたと評価した。
【0036】実施例21(ラーメンの調製) ラーメン専用粉(かんすい等を含む小麦粉)100部
に、リン酸化糖カルシウム結合物を3.0部添加した。
これに、160部の水を加え、混合した。これを、家庭
用製麺機(三洋電機製)で製麺し、リン酸化糖添加ラー
メンを得た。その味質の変化を熟練した9人の官能評価
パネルによって判定した。その結果、無添加のラーメン
に比較して、腰が強い麺に仕上がっていたと評価され
た。ラーメン100gあたり、カルシウムを100mg
程度強化されていた。
【0037】実施例22(うどんの調製) 強力粉250部、薄力粉250部に、食塩15部添加
し、リン酸化糖カルシウム結合物を3.0部添加した。
これに、270部の水を加え、家庭用餅つき機(東芝製
PFC-20AM)で15分間混合した。この生地を室温で
1.5時間程度寝かせた。打ち粉をしたまな板の上に、
この生地を2mm厚程度に圧延した。これを2mm幅く
らいに切った後、たっぷりのお湯で約10分くらい芯が
無くなるまで茹でた。茹で上がったら、ざるに受け、水
で洗浄し、ぬめりを取り、リン酸化糖添加うどんを得
た。その味質の変化を熟練した9人の官能評価パネルに
よって判定した。その結果、無添加のうどんに比較し
て、腰が強い麺に仕上がっていたと評価された。
【0038】実施例23(もちの調製) もち米3カップ(420g)を用いて、リン酸化糖カル
シウム結合物を3.3g添加した。家庭用餅つき機(東
芝製PFC-20AM)でリン酸化糖添加もちを得た。その味
質の変化を熟練した9人の官能評価パネルによって判定
した。その結果、無添加のもちに比較して、テクスチャ
ー、味ともに違いが無かったと評価された。
【0039】実施例24(プレッツェルの調製) 小麦粉100部、マーガリン10部、砂糖10部、異性
果糖10部、イースト3部、塩1部に水27部を加え
て、常法によりプレッツェルを作成した。リン酸化糖カ
ルシウム結合物を3部添加した。30℃で4時間発酵
後、成形・焼成を行ってリン酸化糖添加プレッツェルを
得た。その味質の変化を熟練した9人の官能評価パネル
によって判定した。その結果、無添加のプレッツェルに
比較して、クリスピー性が上昇したと評価された。
【0040】実施例25(クラッカーの調製) 小麦粉100部、マーガリン15部、砂糖3部、異性果
糖1.5部、イースト3部、塩1部に水25部を加え
て、常法によりクラッカーを作成した。リン酸化糖カル
シウム結合物を3部添加混合した。30℃で4時間発酵
後、成形・焼成を行ってリン酸化糖添加クラッカーを得
た。その味質の変化を熟練した9人の官能評価パネルに
よって判定した。その結果、サクサク感が従来のものと
比べて大きく改善されていた。
【0041】実施例26(かんてんの調製) 4部の寒天(伊那食品製かんてんクック使用)を水500部
に添加し、加熱しながら十分に溶解させ、砂糖60部、は
リン酸化糖カルシウム結合物を3部添加混合した。型に
流し込み、フルーツを添加し、冷蔵させて固めてリン酸
化糖添加かんてんを仕上げた。その味質及びテクスチャ
ーの変化を熟練した9人の官能評価パネルによって判定
した。その結果、無添加のものに比較して、歯ごたえが
良く、甘味がさっぱりしていると評価された。
【0042】実施例27(錠菓の調製) ブドウ糖150部、ソルビトール100部、アビセル4
0部、アスコルビン酸20部、卵殻カルシウム100
部、更に、リン酸化糖カルシウム結合物を10部添加混
和した。打錠し、リン酸化糖添加錠菓を調製した。その
味質及びテクスチャーの変化を熟練した9人の官能評価
パネルによって判定した。その結果、無添加のものに比
較して、甘味がさっぱりしていると評価された。
【0043】実施例28(豆腐の調製) 冷却した豆乳1000部、にがりとして4部の硫酸カル
シウム、またはリン酸化糖カルシウム結合物を30部添
加混和した。プラスチック製カップに添加密封した。こ
れを85℃40分間加熱し、凝固させ豆腐を調製した。
その味質及びテクスチャーの変化を熟練した9人の官能
評価パネルによって判定した。その結果、無添加のもの
に比較して濃厚な豆腐風味のある豆腐であるとと評価さ
れた。
【0044】実施例29(イソフラボン溶液の調製) 不二製油製のイソフラボン類が高濃度で含有されている
ソヤフラボンRSの2%溶液に対して、リン酸化糖カルシ
ウム結合物を1%となるように混和した。その味質の変
化を熟練した9人の官能評価パネルによって判定した。
無添加のものに比較して、豆臭さ、苦みや異臭が改善さ
れていると評価された。
【0045】実施例30(チョコレートの調製) カカオマス350部、ココアバター100部、植物性油
脂100部、砂糖45部、リン酸化糖カルシウム結合物
を18部添加混和した。60℃で完全に溶解させ、40
℃の恒温水中で保持し、ハンドテンパリングし、10℃
で冷却していった。20℃で5日セッティングし、チョ
コレートを得た。その味質及びテクスチャーの変化を熟
練した9人の官能評価パネルによって判定した。その結
果、無添加のものに比較して、甘味がさっぱりしている
と評価された。また、このチョコレートを32℃12時
間と20℃12時間を10サイクルしてファットブルー
ム耐性試験を行なった結果、僅かにリン酸化糖入りのチ
ョコレートで耐性が認められた。
【0046】実施例31(パンの調製) 小麦粉250部、イースト5部、砂糖30部、スキムミ
ルク12部、塩2部、バター25部、水150部、リン
酸化糖カルシウム結合物を10部添加混和した。定法に
従い家庭用製パン機(東芝製PFC-20AM)で混合・発酵
を行なってパン生地を得た。本生地を冷凍後解凍し、整
形・焼成し、リン酸化糖添加パンを得た。その味質及び
テクスチャーの変化を熟練した9人の官能評価パネルに
よって判定した。その結果、無添加のものに比較して、
生地物性、比容積、食感において、リン酸化糖添加群で
高い評価が得られた。
【0047】実施例32(米菓の調製) 精白米200部を水洗した後、浸漬水に浸漬し、水きり
後、製粉機で粉砕し、リン酸化糖カルシウム結合物を1
0部添加混和した。米菓製造方法の定法により、蒸煮、
圧延、成形型抜き、乾燥、焼成を行なってリン酸化糖添
加米菓を得た。その味質及びテクスチャーの変化を熟練
した9人の官能評価パネルによって判定した。その結
果、無添加のものに比較して、テクスチャー、味ともに
違いが無かったと評価された。
【0048】実施例33(ぎょうざの調製) 小麦粉100部、塩、1部、水35部、リン酸化糖カルシウム
結合物を5部添加混合して、ぎょうざ皮を作成した。リ
ン酸化糖カルシウム結合物を5部添加混和した具を包
餡、成形し、蒸し、焼成してリン酸化糖添加ぎょうざを
得た。その味質及びテクスチャーの変化を熟練した9人
の官能評価パネルによって判定した。その結果、無添加
のものに比較して、テクスチャー、味ともに違いが無か
ったと評価された。
【0049】実施例34(米飯の調製) 米140部を水洗し、1.5倍量の水中にリン酸化糖カル
シウム結合物を5部添加混合して、で炊飯し(象印圧釜
炊飯器)リン酸化糖添加水飯米を得た。その味質及びテ
クスチャーの変化を熟練した9人の官能評価パネルによ
って判定した。その結果、無添加のものに比較して、テ
クスチャー、味ともに違いが無かったと評価された。
【0050】実施例35(アイスクリームの調製) ホイップクリーム200部を、固めに泡立てる。別の容器
で、卵50部、さとう50部、リン酸化糖カルシウム結合物
9部を混合し泡立てる。ホイップクリームをあわせ、容
器にいれて冷凍して、リン酸化糖添加アイスクリームを
得た。その味質及びテクスチャーの変化を熟練した9人
の官能評価パネルによって判定した。その結果、無添加
のものに比較して、乳感が向上し、濃厚な風味に変化
し、更に、甘味がさっぱりしていると評価された。
【0051】実施例36(ラクトアイスへの濃厚感付与
作用) 市販のラクトアイス(バニラアイスクリーム;雪印製)
に対して、1%濃度となるようにリン酸化糖カルシウム
結合物を添加した。その味質及びテクスチャーの変化を
熟練した9人の官能評価パネルによって判定した。その
結果、無添加のものに比較して、バニラ感や乳感の濃厚
感が増強されており、通常のアイスクリーム規格の乳脂
肪含量の製品並みに増強されたことが確認できた。
【0052】実施例37(減塩作用) 市販の減塩醤油(丸大豆減塩醤油、キッコーマン製)に
無いして、1%濃度となるようにリン酸化糖カルシウム
結合物を添加した。その塩味の変化を熟練した9人の官
能評価パネルによって判定した。その結果、無添加のも
のに比較して、塩味が増強されており、通常の醤油以上
に感じ、減塩物への塩味増強作用があることが確認でき
た。
【0053】実施例38(マヨネーズの調製) 卵黄1個、マスタード小さじ1、塩小さじ1弱、こしょ
う少々、ハーブビネガー大さじ1、サラダ油1カップを
用いて、定法に従ってマヨネーズを作成した。そこへ、
1%濃度となるようにリン酸化糖カルシウム結合物を添
加した。その味質の変化を熟練した9人の官能評価パネ
ルによって判定した。その結果、無添加のものに比較し
て、酸味がまるくなり、卵黄感が増強されていることが
確認できた。
【0054】実施例39(ホエイプロテインへの添加) ホエイプロテインWPI(BIOZATE−5; DAVISCO社製
)2%溶液を調製し、砂糖を1%となるようにこの溶
液へ添加した後、1%濃度となるようにリン酸化糖カル
シウム結合物を添加した。その味質の変化を熟練した9
人の官能評価パネルによって判定した。その結果、無添
加のものに比較して、苦みが減少し、乳感が増強され濃
厚な風味に変化していることが確認できた。
【0055】実施例40(ケチャップへの添加) カゴメ製ケチャップへ、1%濃度となるようにリン酸化
糖カルシウム結合物を添加した。その味質の変化を熟練
した9人の官能評価パネルによって判定した。その結
果、無添加のものに比較して、酸味が減少していること
が確認できた。
【0056】実施例41(ソースへの添加) イカリ製ウスターソースへ、1%濃度となるようにリン
酸化糖カルシウム結合物を添加した。その味質の変化を
熟練した9人の官能評価パネルによって判定した。その
結果、無添加のものに比較して、酸味が減少し、丸い感
じの味質になっていることが確認できた。
【0057】実施例42(ホワイトチョコレートへの添
加) 市販のホワイトチョコレートを溶解し、リン酸化糖カル
シウム結合物を1%濃度になるように添加した。その
後、成形して、冷蔵した。その味質の変化を熟練した9
人の官能評価パネルによって判定した。その結果、無添
加のものに比較して、乳感、バニラ感が上昇し濃厚感が
あり、切れ味のよいホワイトチョコレートに変化してい
ることが確認できた。
【0058】実施例43(植物性粉乳への添加) 市販の植物性粉乳へ、リン酸化糖カルシウム結合物を1
%濃度になるように添加した。その味質の変化を熟練し
た9人の官能評価パネルによって判定した。その結果、
無添加のものに比較して、乳感が上昇し濃厚感のある粉
乳に変化し、動物性粉乳の風味に近くなっていることが
確認できた。
【効果】本発明では、水に易溶性のリン酸化糖あるいは
リン酸化糖ミネラル結合物を食品に微量添加することに
よって食品が従来持っていた苦味、酸味、渋味、青臭
み、いがらっぽさなどを軽減する効果を発見した。その
結果、食品のもつ栄養面および嗜好性の向上により用途
の拡大や国民の栄養学的向上がはかられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/00 A23L 1/00 H 4B047 1/22 1/22 C 1/226 1/226 G A 1/30 1/30 B 1/304 1/304 1/39 1/39 1/48 1/48 (72)発明者 岡田 茂孝 奈良県生駒市東生駒3−207−269 Fターム(参考) 4B001 AC01 AC43 EC01 4B014 GB01 GB06 GB07 GB08 GB18 GK03 GK06 GK12 4B018 MD03 MD27 MD31 4B035 LC01 LG02 LG17 LK19 4B036 LC01 LF03 LF19 LH09 LK06 4B047 LB08 LG21

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を飲食品に添加
    する事により、風味が損なわれることが無く、改善され
    た飲食品。
  2. 【請求項2】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を飲食品に添加
    する事により、飲食品の風味を改善する方法。
  3. 【請求項3】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、バニラを含
    む食品に添加することにより、バニラ感を向上させる方
    法。
  4. 【請求項4】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、乳脂肪を含
    む食品に添加することにより、乳脂肪感を向上させる方
    法。
  5. 【請求項5】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、食品に添加
    することによって食品の酸味を軽減する方法。
  6. 【請求項6】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、酢を含む食
    品に添加することによって食品の酸味をマイルドにする
    方法。
  7. 【請求項7】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、柑橘類を含
    む食品に添加することにより、柑橘類由来の酸味を軽減
    させる方法。
  8. 【請求項8】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、柑橘類を含
    む食品に添加することにより、柑橘類由来のにが味を軽
    減させる方法。
  9. 【請求項9】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製される
    リン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、柑橘類を含
    む食品に添加することにより、柑橘類由来のナリンジン
    のにが味を軽減させる方法。
  10. 【請求項10】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、野菜を含
    む食品に添加することにより、野菜由来の臭み、えぐ
    み、ざつみを軽減させる方法。
  11. 【請求項11】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、野菜を含
    む食品に添加することにより、ニンジン由来の臭み、え
    ぐみ、ざつみを軽減させる方法。
  12. 【請求項12】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、豆乳に添
    加することにより、豆乳由来の青臭み、えぐみ、ざつ
    み、苦みを軽減させる方法。
  13. 【請求項13】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、豆乳に添
    加することにより、豆乳由来のフラボン、イソフラボン
    の青臭み、えぐみ、ざつみ、苦みを軽減させる方法。
  14. 【請求項14】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、乳及び、
    または粉乳を含む飲料・食品に添加することにより、乳
    感を向上させる方法。
  15. 【請求項15】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、ホワイト
    チョコレート、ミルクキャラメル、ミルクキャンデー、
    生クリーム、乳飲料、シチュー、スープ、アイスクリー
    ム、ラクトアイス、アイスミルクを含む食品に添加する
    ことにより、乳感を向上させる方法。
  16. 【請求項16】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、卵を含む
    食品に添加することにより、卵黄感を向上させる方法。
  17. 【請求項17】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、人工甘味
    料を含む食品に添加することにより、甘味の味質、後引
    きを改善する方法。
  18. 【請求項18】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、スクラロ
    ース、ステビア、酵素処理ステビア、エリスリトール、
    ソーマチン、パラチノース、パラチニットから選ばれる
    1種以上の甘味料を含む食品に添加することにより、甘
    味の味質、後引きを改善する方法。
  19. 【請求項19】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、食品に添
    加することによって食品の酸味を軽減する方法。
  20. 【請求項20】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、食品に添
    加することによって食品の渋味を軽減する方法。
  21. 【請求項21】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、食品に添
    加することによって食品の青臭みを軽減する方法。
  22. 【請求項22】ジャガイモ澱粉を除く澱粉から調製され
    るリン酸化糖あるいはそのミネラル化合物を、食品に添
    加することによって食品ののどごしの悪さを改良する方
    法。
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