JP4377663B2 - 腸内機能改善剤 - Google Patents

腸内機能改善剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4377663B2
JP4377663B2 JP2003398941A JP2003398941A JP4377663B2 JP 4377663 B2 JP4377663 B2 JP 4377663B2 JP 2003398941 A JP2003398941 A JP 2003398941A JP 2003398941 A JP2003398941 A JP 2003398941A JP 4377663 B2 JP4377663 B2 JP 4377663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intestinal function
improving agent
production example
function improving
intestinal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003398941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005154388A (ja
Inventor
清香 石川
文雄 南条
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Norin Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Norin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Norin Co Ltd filed Critical Mitsui Norin Co Ltd
Priority to JP2003398941A priority Critical patent/JP4377663B2/ja
Publication of JP2005154388A publication Critical patent/JP2005154388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4377663B2 publication Critical patent/JP4377663B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、フラクトース分子がβ−2,1結合で環状に結合して構成される環状イヌロオリゴ糖であるシクロフラクタンを有効成分とする腸内機能改善剤およびこの腸内機能改善剤を有効量配合してなる口腔適用対象物に関する。
オリゴ糖や食物繊維などの難消化性糖質は、人の消化酵素では分解されないため、小腸までの器官による消化吸収を免れ、大腸まで達する。そして大腸へ達した難消化性糖質の一部は、腸内細菌により資化されて酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸、腸ガス、ビタミンなどを産生する。短鎖脂肪酸が腸内で増えると、腸内のpHが低下し、この作用により、ウェルシュ菌などの悪玉菌の増殖を抑制し、悪玉菌の作り出す腐敗産物や細菌毒素の生成を抑え、整腸作用をもたらすことが報告されている。また、この短鎖脂肪酸は、腸へ刺激を与え、ぜん動運動を活発にし、排便を促すことも知られている。従って、短鎖脂肪酸は、腸内環境を改善したり腸内代謝を改善したりすることで腸内機能を改善することから、腸内の短鎖脂肪酸を増加させて腸内機能改善作用をもたらす難消化性糖質は、古くからその有用性について着目されている(下記の非特許文献1および2を参照)。
このような特性を有する難消化性糖質は、既に、各種の飲食品や医薬品などに配合されて利用されている。例えば、オリゴ糖は、腸内でのビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、難う蝕性、ミネラル吸収促進効果など優れた生理作用を有することから、食品分野における機能性甘味料の一つとして注目されている。また、例えば、可溶性食物繊維およびガラクトオリゴ糖を併用することにより、腸内環境を改善し、腐敗産物を低下減少させ、肝性脳症、大腸癌の治療・予防となる食品や医薬品としての利用を考えた腸内環境改善用組成物が知られている(下記の特許文献1を参照)。また、フラクトオリゴ糖には、腸内のビフィズス菌を増殖させる作用があることが知られており(下記の特許文献2を参照)、例えば、セルロースとフラクトオリゴ糖からなる便秘改善、便通促進、便性改善用組成物(下記の特許文献3を参照)は、腎不全による透析患者の便通改善を目的としている。また、キクイモ、チコリ、ゴボウ、ダリアなどのキク科、ユリ科、アヤメ科、ラン科などの植物の根、根茎から得られる、フラクトース分子がβ−2,1結合で直鎖状に連なったイヌリンは、腸内細菌の調製や活性を高めて整腸作用および腸内清浄化を高める作用があることが知られている(下記の特許文献4を参照)。
しかしながら、難消化性糖質が有する作用の解明は未だ十分には行われておらず、未知な部分も多い。従って、これまでに知られていない腸内機能改善作用を有する難消化性糖質の探求は非常に意義深いものである。
特開平3−151854号公報 特開昭58−201980号公報 特開平1−319421号公報 特開2003−61592号公報 原 健次 著、生理活性脂質‐短鎖脂肪酸の生化学と応用、幸書房、2000年12月 印南 敏 著、外16名、改定新版 食物繊維、第一出版株式会社、1995年5月
そこで本発明は、これまでに知られていない難消化性糖質を有効成分とする腸内機能改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の点に鑑みて種々の検討を行った結果、フラクトース分子がβ−2,1結合で環状に結合して構成される環状イヌロオリゴ糖であるシクロフラクタンが優れた腸内機能改善作用を有することを見出した。
シクロフラクタンの機能性についての知見は現在のところまだわずかである。それらのうち代表的なものを挙げれば、例えば、特開平5−76756号公報には、金属イオンの分析や分離に用いる金属イオン捕捉剤としてシクロフラクタンが有用であることが記載されている。また、特開平7−46956号公報には、シクロフラクタンを添加したパン生地は長期間の冷凍保存が可能であり、シクロフラクタンを添加したパン生地から製造されるパン類はパン体積やクラムの柔らかさに優れることが記載されている。また、特開平7−53347号公報には、シクロフラクタンを有効成分として含有する皮膚化粧料が角質層水分低下に基づく乾燥性皮膚を回復させる効果を有することが記載されている。また、特開平8−133986号公報には、リポソーム凍結乾燥製剤における凍結安定化剤としてシクロフラクタンが有用であることが記載されている。しかしながら、シクロフラクタンが腸内機能改善剤として機能することは、これまでに報告された例はなく、また、従来の技術からは想起することができない全く新しい知見である。
すなわち本発明の腸内機能改善剤は、請求項1記載のとおり、シクロフラクタンを有効成分とするものである。
また、請求項2記載の腸内機能改善剤は、請求項1記載の腸内機能改善剤において、シクロフラクタンが環状イヌロヘキサオースおよび環状イヌロヘプタオースから選ばれる少なくとも1つとするものである


本発明における腸内機能改善剤は、シクロフラクタンを有効成分とした新しい腸内機能改善剤であり、飲食品や医薬品などの口腔適用対象物に幅広く応用できる汎用性の高いものである。本発明における腸内機能改善剤は、摂取により、腸内の短鎖脂肪酸が増加することで腸内の機能が改善され、整腸作用や排便促進による便秘改善作用などを発揮することができる。
本発明において腸内機能改善剤の有効成分として機能するシクロフラクタン(以下「CF」と略称する)とは、フラクトース分子がβ−2,1結合で環状に結合して構成される環状イヌロオリゴ糖を意味し、6個のフルクトース分子からなる環状イヌロヘキサオース(以下「CF6」と略称する)、7個のフルクトース分子からなる環状イヌロヘプタオース(以下「CF7」と略称する)、8個のフルクトース分子からなる環状イヌロオクタオース(以下「CF8」と略称する)などが知られている。これらは全て白色粉末であり、水に対する溶解性が極めて高く、含水有機溶媒などにも若干は溶解する。CFは、例えば、キクイモ、チコリ、ゴボウ、ダリアなどのキク科、ユリ科、アヤメ科、ラン科などの植物の根、根茎から得られる炭水化物の主成分であるイヌリンに、環状イヌロオリゴ糖生成酵素であるシクロイヌロオリゴサッカライド フラクタノトランスフェラーゼ(以下「CFTase」と略称する)を作用させることにより取得することができる。
以下にCFの取得方法および精製方法について詳しく記載する。CFの取得に必要なCFTaseは、バチルス マセランス(Bacillus macerans)に属するCFC1(KIM HWA-Young and YONG-JIN CHOI, J. Microbiol. Biotechnol, vl.8, no.3, p.251-257, 1998)、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)に属するOKUMZ 31B(Mishio Kawamura and Takao Uchiyama, Carbohydr Res, vl.260, p.297-304, 1994)、バチルス サーキュランスに属するMCI−2554(Sachiko Kushibe and Kaori Mitsui, Biosci. Biotech. Biochem., vl.59, no.1, p31-34, 1995、特開平7-41500号公報)、パエニバチルス ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)に属するMG−CF6(FERM P-19158)などのCFTase生産微生物を用いて生産させることができる。CFは、このようなCFTase生産微生物を、イヌリンを含む培地で培養した後、遠心分離などを用いて除菌し、その培養上清液から取得することができる。また、CFは、CFTase生産微生物の培養上清液から単離した粗製のCFTaseや精製したCFTaseを別途イヌリンに作用させることで取得することもできる。このような方法で得られるCFは、CF6やCF7やCF8などからなる混合物であるが、これらは活性炭カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過(川村三志夫、内山喬夫、澱粉科学、第39巻、p.109-116, 1992、KIM HWA-Young et al., J. Microbiol. Biotechnol, vol.6, no.6, p.397-401, 1996)などにより、分離・精製することができる。
本発明の腸内機能改善剤は、上記のような方法にて取得したCF混合物をそのまま有効成分として用いてもよいし、分離・精製した単一のCF化合物を用いてもよいし、2種類以上の単一CF化合物を所望する混合比で混合して用いてもよく、いずれの用い方であっても本発明の腸内機能改善効果を発揮することができる。
CFが有する腸内機能改善作用は、腸内の短鎖脂肪酸の増加作用などに基づく腸内環境改善や腸内代謝改善などによるものであるが、ここで短鎖脂肪酸とは、一般的に解釈されるものであればよく、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸などから選ばれる少なくとも1つを意味するものと解釈してもよいし、これらを総括した総短鎖脂肪酸を意味するものと解釈してもよい。本発明の腸内機能改善剤は、腸内の短鎖脂肪酸を増加させることにより、腸内のpHを低下させ、ウェルシュ菌などの悪玉菌の増殖を抑制し、悪玉菌の作り出す腐敗産物や細菌毒素の生成を抑えることで、整腸作用や排便促進による便秘改善作用などを発揮することができる。
本発明において、腸内機能改善剤が配合されうる口腔適用対象物とは、口に含むことができるものであれば何でもよいが、腸内機能改善剤の有効成分となるCFが腸内に到達することができる、飲食品、医薬品、医薬部外品などを好適に例示することができる。
本発明の口腔適用対象物は、腸内機能改善剤の有効成分となるCFを配合することができるものであればどのような形態であってもよく、例えば、水溶液や混濁物や乳化物などの液状形態であっても、ゲル状やペースト状の半固形状形態であっても、粉末や顆粒やカプセルやタブレットなどの固形状形態であってもよい。
本発明における口腔適用対象物のうち、飲食品としては、例えば、即席食品類(即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席味噌汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズドライ食品など)、炭酸飲料、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)の果汁や果汁飲料や果汁入り清涼飲料、柑橘類の果肉飲料や果粒入り果実飲料、トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガスなどの野菜を含む野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料やタバコなどの嗜好飲料・嗜好品類、パン、マカロニ・スパゲッティ、麺類、ケーキミックス、唐揚げ粉、パン粉、ギョーザの皮などの小麦粉製品、キャラメル・キャンディー、チューイングガム、チョコレート、クッキー・ビスケット、ケーキ・パイ、スナック・クラッカー、和菓子・米菓子・豆菓子、デザート菓子などの菓子類、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類、甘味料などの基礎調味料、風味調味料、調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類などの複合調味料・食品類、バター、マーガリン類、マヨネーズ類、植物油などの油脂類、牛乳・加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリームなどの乳・乳製品、素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済み冷凍食品などの冷凍食品、水産缶詰め、果実缶詰め・ペースト類、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、水産乾物類、佃煮類などの水産加工品、畜産缶詰め・ペースト類、畜肉缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物・煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)などの農産加工品、ベビーフード、ふりかけ・お茶漬けのりなどの市販食品などが挙げられる。
また、本発明の口腔適用対象物のうち、医薬品としては、日本薬局方に収められている医薬品で口に含むことができれば特に限定されるものではなく、その製剤形態としては、例えば、エアゾール剤、液剤、エキス剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、浸剤・煎剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーゼ剤などが挙げられる。医薬部外品としては、厚生労働大臣が指定した医薬部外品で口に含むことができれば特に限定されるものではなく、例えば、内服液剤、健康飲料、消毒剤、消毒保護剤、ビタミン含有保健剤などが挙げられる。
口腔適用対象物への本発明の腸内機能改善剤の配合方法は特に制限されるものではない。例えば、口腔適用対象物の形態が液状形態や半固形状形態である場合には、その調製段階において本発明の腸内機能改善剤をそのまま、あるいは水に溶解させた水溶液などとして添加し、均一化することにより行えばよい。また、本発明の腸内機能改善剤をアルコール水などの含水有機溶媒やエタノールなどの有機溶媒などに分散させた分散液として添加し、十分に攪拌してこれを分散させることも可能である。なお、このようにして得られた調製物を、噴霧乾燥機や凍結乾燥機などを用いて乾燥することで、粉末状形態としてもよい。また、飲食品の形態が固形状形態である場合には、その調製段階において本発明の腸内機能改善剤をそのまま、あるいは水に溶解させた水溶液などとして添加し、均一化することにより行えばよい。また、本発明の腸内機能改善剤をアルコール水などの含水有機溶媒やエタノールなどの有機溶媒などに分散させた分散液として添加し、十分に混合してこれを分散させることも可能である。水難溶性の飲食品に本発明の腸内機能改善剤を配合する場合、必要に応じて飲食品にアルコール水などの含水有機溶媒やエタノールなどの有機溶媒などを添加してこれを溶解や希釈し、ここに本発明の腸内機能改善剤を添加し、十分に攪拌して腸内機能改善剤を分散させるようにしてもよい。
口腔適用対象物に対する本発明の腸内機能改善剤の配合量は、特に制限されないが、対象となる口腔適用対象物により配合量を適宜設定することが好ましい。一般的には、最終製品中で0.5〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。腸内機能改善剤の配合量が0.5重量%より少ない場合には、目的とする腸内機能改善効果が期待できない恐れがある。一方、腸内機能改善剤の配合量が20重量%より多い場合には、口腔適用対象物が飲食品の場合には飲食品本来の味が損なわれることや、ある一定の効果以上は得ることができずに経済的に不利となることがある。
本発明の腸内機能改善剤は、上記のように口腔適用対象物に配合して摂取してもよいが、そのまま単独で摂取することもできる。その摂取量は、摂取形態、年齢、体重などにより異なるが、特に制限されるものではない。本発明の腸内機能改善剤を単独で製剤化して摂取する場合における製剤形態は、有効成分としてCFを含んでなるものであればどのような形態であってもよく、例えば、粉末状であってもよいし液状であってもよい。また、本発明の腸内機能改善剤は、他の腸内機能改善剤、例えば、フラクトオリゴ糖やイヌリンなどと併用して用いても何ら問題は生じない。他の腸内機能改善剤と併用した場合には、より優れた腸内機能改善効果を期待することができる。また、本発明の腸内機能改善剤を口腔適用対象物に配合する際や単独で製剤化する際は、必要に応じて、抗酸化剤、着色剤、香料、矯味剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、甘味料、酸味料などを適宜組み合わせて用いてもよい。抗酸化剤としては、例えば、クエン酸トコフェロール(三栄源・エイ・エフ・アイ社製)などが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン系非界面活性剤などが挙げられる。甘味料としては、砂糖、ブドウ糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパラテーム、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、その他のオリゴ糖としてシクロデキストリンが挙げられる。シクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−シクロデキストリンおよび分岐α−、β−、γ−シクロデキストリンが使用できる。また、人工甘味料も使用できる。酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。
以下に、製造例、試験例および処方例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1:CF混合物の製造方法
イヌリン1%、イーストエキストラクト0.2%、硝酸ナトリウム0.5%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化カリウム0.05%、リン酸1カリウム0.05%、塩化第二鉄0.001%を含んだ培地150mlをpH7.5に調整して、120℃で15分間蒸気滅菌した。この滅菌した培地にパエニバチルス ポリミキサMG−CF6(FERM P-19158)を1白金耳接種し、200rpm、35℃で72時間振とう培養した。培養終了後遠心分離により菌体を除去し、培養上清液を得た。得られた培養上清100mlを、一夜20mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて透析し、得られた透析液を粗酵素液とした。これに最終濃度が10%となるようにイヌリンを加え、40℃で60時間反応させた。得られた反応液を加熱し酵素を失活させた後、pHを4.5に調整しインベルターゼ(生化学工業社製)を添加した。この反応溶液を50℃で24時間インキュベーション後、酵素を加熱失活させ活性炭カラムクロマトグラフィーに供した。カラムを蒸留水で洗浄後、30%エタノール水溶液で溶出させた。溶出液を減圧濃縮後、凍結乾燥してCF混合物4g(組成比はCF6:61.7%、CF7:30.7%、その他:7.6%)を得た。
製造例2:CF精製物
製造例1で得られたCF混合物4gを、少量の70%エタノール水溶液に溶解した。この溶液を同濃度のエタノール水溶液で平衡化したQAE−トーヨーパールカラムに供し、CF6とCF7を分離した。これらを凍結乾燥して、2gのCF6と0.9gのCF7それぞれの純品の粉末を得た。
試験例1:CFによる腸内機能改善作用試験
製造例1で得られたCF混合物を使用し、腸内の各短鎖脂肪酸濃度および糞重量を調べた。
(試験方法)
3週令の雄性SD系ラットを5日間固形飼料で予備飼育した後、平均体重が均等になるように群分けし、各々の群に、表1に示す組成の飼料を14日間摂取させた。試験群には製造例1に記載のCF混合物を添加し、コントロール群にはCF混合物の代わりにシュクロースを、そして比較群1にはフラクトオリゴ糖を、比較群2にはイヌリンを添加した。この間、飼料および水は自由に摂取させた。そして14日間の飼育終了後、ラットを屠殺して盲腸を摘出し、盲腸内容物を採取して各短鎖脂肪酸濃度をガスクロマトグラフ(Agilent 6890 Series GC System;6890A)にて分析した。GCの分析条件を表2に示す。また盲腸中の短鎖脂肪酸の分析結果について、盲腸内容物中の酢酸、プロピオン酸、酪酸および総短鎖脂肪酸の濃度を表3に示す。ここでいう総短鎖脂肪酸とは、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸および吉草酸を総計したものであり、吉草酸は測定量が微量であったため本試験結果から除外した。また、各々の群について、全個体の屠殺前5日間の糞を採取して全糞重量(wet重量)を測定し、これをn数で割ってn=1の5日あたりの糞重量を算出し、この糞重量を日数で割って、n=1の1日あたりの糞重量を算出した。算出結果を表4に示す。なお、飼育室温は23℃で明期8:00〜20:00、暗期20:00〜8:00とした。
Figure 0004377663
Figure 0004377663
Figure 0004377663
Figure 0004377663
(試験結果)
表3から明らかなように、CFを摂取させた試験群では、盲腸内容物中の酢酸、プロピオン酸、酪酸および総短鎖脂肪酸のすべての値がコントロール群に比べ有意に上昇した。CF以外の難消化性糖質であるフラクトオリゴ糖およびイヌリンを摂取させた比較群では、盲腸内容物中の酢酸、プロピオン酸、酪酸および総短鎖脂肪酸のすべての値がコントロール群に比べ上昇傾向は示したが、有意な差は認められなかった。これより本発明において用いられるCFは、腸内の短鎖脂肪酸の濃度を顕著に上昇させ、十分な腸内機能改善作用を有することが認められた。
また、短鎖脂肪酸だけでなく糞重量についても測定を行ったが(上記の表4を参照)、CFを摂取させた試験群では、糞重量がコントロール群に比べ有意に増加した。CF以外の難消化性糖質であるフラクトオリゴ糖およびイヌリンを摂取させた比較群では、糞重量がコントロール群に比べ若干増加したが、有意差は認められなかった。短鎖脂肪酸が腸内で増えると、腸内内容物の消化通過時間が短縮され(Oufir, L.E., Flourie, B., Des Varannes, S.B., Barry, J.L., Cloarec, D., Bornet, F., Galmiche, J.P., Gut, vol.38, p.870, 1996)、この消化通過時間の短縮が排便量の増加につながることが報告されている(Burkitt, D., Walker, A.R.P., Painter, N.S., J. Am. Med. Assoc., vol.229, p.1069, 1974)。このことからも明らかなように、本発明において用いられるCFは、その一部が腸内細菌により資化されて短鎖脂肪酸を産生することで、排便を顕著に促進させる作用を有し、便秘改善剤として期待することができることがわかった。
なお、製造例2で得られたCF6およびCF7の各々についても、上記と同様の効果を確認した。
以下に、本発明における腸内機能改善剤を口腔適用対象物へ配合させた処方例を示す。本発明の腸内機能改善剤を含有する飲食品は、飲食品本来の味・香りを損なうことなく、美味しく摂取できるものであった。
処方例1:腸内機能改善剤を含有する緑茶飲料
水900mlを60℃まで加熱し、これに緑茶葉30gを加え6分間抽出した。これを30メッシュのストレーナーで茶殻を除去し、30℃以下まで冷却した後、濾紙濾過(工業用濾紙No.26:ADVANTEC社製、捕集粒子径=3μm)により清澄化を行い、抽出液760mlを得た。この緑茶抽出液を飲用濃度(カテキン濃度60mg%)となるようにイオン交換水で稀釈し、L−アスコルビン酸を0.03重量%となるように添加した後、重曹でpH6.1〜6.3の範囲に調整し、調合液とした。この調合液に製造例1で得られたCF混合物を5重量%添加してよく攪拌した。これらを80℃以上の温度条件下でホットパック充填を行い、その後、レトルト殺菌にて、121℃、10分間(F0=10以上)の殺菌を行った。これらを室温に冷却後、CFを含有する緑茶飲料を得た。
処方例2:腸内機能改善剤を含有する烏龍茶飲料
水900mlを80℃まで加熱し、これに烏龍茶(ウーロンG)30gを加え6分間抽出した。処方例1と同様にして茶殻の除去、冷却、清澄化を行い、烏龍茶抽出液810mlを得た。この烏龍茶抽出液を飲用濃度(カテキン濃度50mg%)となるようにイオン交換水で稀釈し、L−アスコルビン酸を0.03重量%となるように添加した後、重曹でpH6.1〜6.3の範囲に調整し、調合液とした。この調合液に製造例2で得られたCF精製物であるCF7を5重量%添加してよく攪拌した。これらを80℃以上の温度条件下でホットパック充填を行い、その後、レトルト殺菌にて、121℃、10分間(F0=10以上)の殺菌を行った。これらを室温に冷却後、CFを含有する烏龍茶飲料を得た。
処方例3:腸内機能改善剤を含有する紅茶飲料
処方例2における烏龍茶(ウーロンG)を紅茶(ヌワヤレモンティー)に変更した以外は処方例2と同様の方法で調製し、CFを含有する紅茶飲料を得た。
処方例4:腸内機能改善剤を含有する麦茶飲料
水800mlを90℃まで加熱し、これに麦茶原料大麦40gを加え30分間抽出した。これを30メッシュのストレーナーで茶殻を除去し、30℃以下まで冷却した後、濾紙濾過(工業用濾紙No.2:ADVANTEC社製)により清澄化を行い、抽出液720mlを得た。この麦茶抽出液を飲用濃度(Brix 0.4゜)となるようにイオン交換水で稀釈し、L−アスコルビン酸を0.03重量%となるように添加した後、重曹でpH6.0の範囲に調整し、調合液とした。この調合液に製造例1で得られたCF混合物を5重量%添加してよく攪拌した。これらを80℃以上の温度条件下でホットパック充填を行い、その後、レトルト殺菌にて、121℃、20分間の殺菌を行った。これらを室温に冷却後、CFを含有する麦茶飲料を得た。
処方例5:腸内機能改善剤を含有する混合茶飲料
水900mlを90℃まで加熱し、これに混合茶(配合比率:烏龍茶65%、紅茶20%、ジャスミン5%、陳皮4%、ハイビスカス4%およびバナバ2%)30gを加え10分間抽出した。これを30メッシュのストレーナーで茶殻を除去し、30℃以下まで冷却した後、濾紙濾過(工業用濾紙No.2:ADVANTEC社製)により清澄化を行い、抽出液820mlを得た。この混合茶抽出液を飲用濃度(Brix 0.2゜)となるようにイオン交換水で稀釈し、L−アスコルビン酸を0.03重量%となるように添加した後、重曹でpH6.0の範囲に調整し、調合液とした。この調合液に製造例2で得られたCF精製物であるCF7を5重量%添加してよく攪拌した。これらを80℃以上の温度条件下でホットパック充填を行い、その後、レトルト殺菌にて、121℃、20分間の殺菌を行った。これらを室温に冷却後、CFを含有する混合茶飲料を得た。
処方例6:腸内機能改善剤を含有するオレンジ50%果汁飲料
6倍濃縮オレンジ果汁 84g
果糖ブドウ糖液糖 9.7g
クエン酸 0.06g
L−アスコルビン酸 0.022g
製造例1で得られたCF混合物 10g
香料 適量
上記記載の成分をイオン交換水に溶解し、全量を1000mlとした。これを容器に充填し、65℃で10分間加熱殺菌して、製造例1で得られたCF混合物を含有するオレンジ50%果汁飲料を得た。
処方例7:腸内機能改善剤を含有するオレンジ100%果汁飲料
1/6濃縮オレンジ果汁 168g
製造例2で得られたCF7 10g
香料 適量
上記記載の成分をイオン交換水に溶解し、全量を1000mlとした。これを容器に充填し、65℃で10分間加熱殺菌して、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するオレンジ100%果汁飲料を得た。
処方例8:腸内機能改善剤を含有するモモ50%果汁飲料
1/4濃縮モモ果汁 131g
果糖ブドウ糖液糖 9.7g
クエン酸 0.06g
L−アスコルビン酸 0.022g
製造例2で得られたCF6 10g
香料 適量
上記記載の成分をイオン交換水に溶解し、全量を1000mlとした。これを容器に充填し、65℃で10分間加熱殺菌して、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するモモ50%果汁飲料を得た。
処方例9:腸内機能改善剤を含有するグレープフルーツジュース
市販のグレープフルーツジュース(サンキスト グレープフルーツジュース濃縮還元100%:サンキスト社の商品名)に本発明の製造例1に記載のCF混合物を3重量%添加し、CFを含有するグレープフルーツジュースを調製した。
処方例10:腸内機能改善剤を含有する果肉入りグレープフルーツジュース
市販の果肉入りグレープフルーツジュース(ゴクリ:サントリー社の商品名)に本発明の製造例2に記載のCF精製物であるCF7を3重量%添加し、CFを含有する果肉入りグレープフルーツジュースを調製した。
処方例11:腸内機能改善剤を含有する野菜ジュース
市販の野菜ジュース(カゴメ野菜ジュース:カゴメ社の商品名)に本発明の製造例2に記載のCF精製物であるCF6を5重量%添加し、CFを含有する野菜ジュースを調製した。
処方例12:腸内機能改善剤を含有するコーヒー飲料
市販のコーヒー飲料(ブラックボトル無糖:ダイドードリンコ社の商品名)に本発明の製造例1で得られたCF混合物を1重量%添加し、CFを含有するコーヒー飲料を調製した。
処方例13:腸内機能改善剤を含有するスポーツ飲料
製造例1で得られたCF混合物 20g
ビタミンB1塩酸塩 0.45mg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンC 10mg
ナイアシン 0.8mg
パントテン酸Ca 0.22mg
クエン酸鉄アンモニウム 12.57mg
クエン酸 100mg
果糖 2.5g
上記記載の成分にイオン交換水を加え全量を200mlとし、製造例1で得られたCF混合物を含有するスポーツ飲料を調製した。
処方例14:腸内機能改善剤を含有するコーラ
グラニュー糖 5g
コーラベース 0.3g
クエン酸 0.05g
製造例2で得られたCF7 5g
上記記載の成分に炭酸水を加え全量を100mlとし、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するコーラを調製した。
処方例15:腸内機能改善剤を含有するミルクシェーク
バター 1.7g
脱脂粉乳 5.5g
製造例2で得られたCF6 10g
砂糖 5g
ソルビトール 4g
乳化安定剤 0.7g
上記記載の成分にイオン交換水を加え全量を100mlとし、80℃まで加温して溶解し、ホモジナイザーで乳脂肪を均質化した後翌日まで5℃でエージングした。次にフリージング後に−40℃まで急冷した後よくミキシングして、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するミルクシェークを調製した。
処方例16:腸内機能改善剤を含有するドリンクヨーグルト
醸酵脱脂乳(脱脂乳を発酵させて粉砕したもの) 40g
砂糖 13g
安定剤 0.35g
香料 0.05g
製造例1で得られたCF混合物 10g
上記記載の成分にイオン交換水を加え、全量を100gとし、混合溶解した。これをホモジナイザーで均質化して、製造例1で得られたCF混合物を含有するドリンクヨーグルトを調製した。
処方例17:腸内機能改善剤を含有する赤ワイン
市販の赤ワイン(デリカメゾン赤・ライトタイプ:サントリー社の商品名)に本発明の製造例2で得られたCF精製物であるCF7を1重量%添加し、CFを含有する赤ワインを調製した。
処方例18:腸内機能改善剤を含有するビール
市販のビール(キリンラガー:キリンビール社の商品名)に本発明の製造例2で得られたCF精製物であるCF6を1重量%添加し、CFを含有するビールを調製した。
処方例19:腸内機能改善剤を含有する豆乳飲料
大豆粉水溶液 500g
砂糖 90g
5倍濃縮モモ果汁 20g
クエン酸 3g
ペクチン 3g
ミルクフレーバー 0.5g
ピーチフレーバー 1g
製造例1で得られたCF混合物 10g
上記記載の成分を混合し、イオン交換水を加え、全量を1000mlとした。この混合液を92℃で1〜3秒間殺菌後、87℃で容器に充填することによって、製造例1で得られたCF混合物を含有する豆乳飲料を調製した。
処方例20:腸内機能改善剤を含有するスープ
コーンスターチ 30g
製造例2で得られたCF7 5g
砂糖 5g
食塩 5g
脱脂粉乳 30g
肉エキスパウダー 1g
HAPパウダー 4g
グルタミン酸ソーダ 5g
ホワイトペッパー 0.2g
セロリパウダー 0.01g
オニオンエキスパウダー 5g
マーガリン 5g
乾燥ニンジン 5g
乾燥パセリ 0.3g
上記記載の成分をインスタントスープ処方で粉末混合し、この混合物21.5gに200mlの水を加え、よく混ぜながら3〜5分加熱し、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有する粉末ポタージュスープを調製した。
処方例21:腸内機能改善剤を含有するビーフシチュー
牛肉 110g
ジャガイモ(6切れ) 60g
ニンジン(6切れ) 50g
ドミグラスソース 215g
製造例2で得られたCF6 5g
4号缶に上記記載の材料を添加し、よく混合した。これを115℃で90分間レトルト殺菌し、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するビーフシチューを調製した。
処方例22:腸内機能改善剤を含有するレトルトカレー
バラ肉 12.4g
塩 0.5g
バター 5.2g
ジャガイモ 8.4g
タマネギ 12.4g
ニンジン 2.5g
小麦粉 3.6g
カレー粉 0.5g
香辛料 0.5g
製造例1で得られたCF混合物 5g
バラ肉をと野菜類を別々にフライパンで炒めて鍋にうつした。粉類を炒めてブラウンルーを作り、全体を鍋で煮詰めて、製造例1で得られたCF混合物を含有するレトルトカレーを調製した。
処方例23:腸内機能改善剤を含有するノンオイルドレッシング
食酢 30.8g
砂糖 4g
食塩 0.5g
薄口醤油 8.4g
だし汁 26.3g
粉飴 20g
製造例2で得られたCF7 10g
液体原料を混合後、粉末原料を溶解させて、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するノンオイルドレッシングを調製した。
処方例24:腸内機能改善剤を含有する麺つゆ(2倍濃縮タイプ)
醤油 70ml
砂糖 20g
みりん 5ml
鰹節煮出し液 9g
核酸系調味料 3g
食塩 2g
製造例2で得られたCF6 10g
カラメル 適量
上記記載の成分をイオン交換水に溶解し、全量を1000mlとし、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有する2倍濃縮の麺つゆを調製した。
処方例25:腸内機能改善剤を含有する焼肉のたれ
醤油 900ml
味噌 500g
砂糖 350g
玉ねぎペースト 100g
リンゴペースト 200g
ごま油 60g
にんにくペースト 250g
白ごまペースト 20g
製造例1で得られたCF混合物 50g
上記記載の成分をイオン交換水に溶解し、全量を2000mlとし、製造例1で得られたCF混合物を含有する焼肉のたれを調製した。
処方例26:腸内機能改善剤を含有するマヨネーズ
卵黄 卵1個分
酢 小さじ1杯
塩 適量
サラダ油 120ml
砂糖 適量
製造例2で得られたCF7 5g
上記記載の成分を常法に従ってゆっくりと加えながら混合し、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するマヨネーズを調製した。
処方例27:腸内機能改善剤を含有するハードヨーグルト
脱脂乳 90.9g
砂糖 5g
製造例2で得られたCF6 5g
ステビオサイド 0.05g
香料 少量
硬化剤 少量
脱脂乳に硬化剤を添加後、スターターを3%接種して酸度が0.7%になったところで冷蔵した。他の原料を攪拌混合し、再度冷蔵して、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するハードヨーグルトを調製した。
処方例28:腸内機能改善剤を含有するアイスクリーム
バター 7.5g
脱脂粉乳 5g
砂糖 10g
製造例1で得られたCF混合物 5g
乳化安定剤 0.7g
粉あめ(DE 8) 7g
上記記載の成分にイオン交換水を加え、全量を100gとし、よく混合した。これを70℃まで加熱してホモミキサーで攪拌後、ホモジナイザーで均質化した。冷蔵庫で1日エージングし、フリージング後に−40℃に急冷して、製造例1で得られたCF混合物を含有するアイスクリームを調製した。
処方例29:腸内機能改善剤を含有するコーヒーホワイトナー(粉末タイプ)
大豆硬化油 50g
水飴 25g
乳化剤 0.84g
クリームフレーバー 0.16g
砂糖 14g
製造例2で得られたCF7 10g
乾物に対して66.6%の湯に水溶性原料を溶解し、油に乳化剤を溶解した。両者を60℃で乳化、均質化後にスプレードライして、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するコーヒーホワイトナー(粉末タイプ)を調製した。
処方例30:腸内機能改善剤を含有する漬物用調味液
昆布エキス 6g
鰹節エキス 4g
食塩 4g
製造例2で得られたCF6 1g
上記成分をイオン交換水に溶解し、全量を100gとし、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有する漬物用調味液を調製した。
処方例31:腸内機能改善剤を含有するゼリー
1/5濃縮ブドウ果汁 10g
製造例1で得られたCF混合物 20g
砂糖 15g
ブドウ糖 20g
水飴 12g
上記成分をイオン交換水で加温しながら完全に溶解し、全量を100gとした。これをカップ容器に注ぎ、ヒートシールで蓋をして冷却し、製造例1で得られたCF混合物を含有するゼリーを調製した。
処方例32:腸内機能改善剤を含有するキャンディー
砂糖 50g
水飴 100g
クエン酸 1g
香料 0.4g
着色料 0.1g
製造例2で得られたCF7 10g
上記記載の成分をキャンディー処方により常法で、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するキャンディー30個を調製した。
処方例33:腸内機能改善剤を含有するチューイングガム
酢酸ビニール樹脂 20g
可塑剤 3g
ポリイソブチレン 3g
マイクロクリスタルワックス 2g
炭酸カルシウム 2g
砂糖 40g
ブドウ糖 20g
製造例2で得られたCF6 10g
アスパルテーム 0.3g
香料 1g
糖質と香料以外の原料を鍋にとり、加熱溶解してよく混合した。50℃に冷却して糖質を添加混合し、40℃で香料を添加して成型後、放冷して、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するガムを調製した。
処方例34:腸内機能改善剤を含有するスイートチョコレート
ビターチョコ 33.2g
砂糖 50g
製造例1で得られたCF混合物 10g
アスパルテーム 0.31g
カカオバター 11.1g
上記記載の成分を40℃でよく混合し、さらに、ライカイ機で長時間練り上げて粒子を微細にした。成型後冷却して、製造例1で得られたCF混合物を含有するスイートチョコレートを調整した。
処方例35:腸内機能改善剤を含有するジャム
オレンジ果皮 250g
砂糖 100g
クエン酸 0.5g
製造例2で得られたCF7 50g
上記記載の成分を常法により煮詰め、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有するジャムを調製した。
処方例36:腸内機能改善剤を含有するクッキー
薄力粉 100g
澱粉 74g
水 14g
製造例2で得られたCF6 15g
ベーキングパウダー 小さじ2
塩 小さじ2
卵 1個
バター 80g
牛乳 大さじ2
上記記載のクッキー処方により常法で、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するクッキー30個を調製した。
処方例37:腸内機能改善剤を含有するカスタードクリーム
上白糖 10g
ブドウ糖 5g
水飴 6.2g
製造例1で得られたCF混合物 10g
小麦粉 3.8g
加工澱粉 7g
脱脂粉乳 1.3g
マーガリン 7.9g
卵黄(粉) 0.2g
イオン交換水 41.9g
少量の水に小麦粉、加工澱粉、卵黄(粉)を混合したものに、残りの水を80℃にして他の原料を溶解したものを、泡立て器を使用しながら添加して強火で煮て、製造例1で得られたCF混合物を含有するカスタードクリームを調製した。
処方例38:腸内機能改善剤を含有する練りようかん
生あん 36.8g
かんてん 0.8g
水 7.2g
砂糖 40g
製造例2で得られたCF7 10g
水で膨張させたかんてんに、水、砂糖、茶多糖類を加え、加熱沸騰して溶解させた。これをうらごしした後、再沸騰させ、生あんを添加し、全量が100gになるまで煮詰めた。成型、冷却し、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有する練りようかんを調製した。
処方例39:腸内機能改善剤を含有するスパゲッティー
小麦粉 100g
水 25g
製造例1で得られたCF混合物 5g
粉類を混合し、これに水を少量ずつ加えながら均一に練りこみ、製造例1で得られたCF混合物を含有するスパゲッティーを調製した。
処方例40:腸内機能改善剤を含有する中華麺
超強力粉 70g
馬鈴薯澱粉 30g
食塩 1g
かんすい 2g
水 48g
製造例2で得られたCF7 10g
上記記載の原料を混合し、常法にしたがって混捏、成形、複合、熟成、圧延して麺帯を形成して麺線に切り出し、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有する中華麺を調製した。
処方例41:腸内機能改善剤を含有する即席中華麺
市販中華麺用粉 60g
超強力粉 40g
馬鈴薯澱粉 12g
食塩 2g
市販かんすい 0.3g
水 35g
製造例2で得られたCF6 10g
上記記載の原料をミキサーに入れミキシングし、荒延、圧延、切り出しを行い、麺線を得た。この麺線を100℃で蒸煮し、150℃の油で揚げ、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有する即席中華麺を調製した。
処方例42:腸内機能改善剤を含有する冷凍うどん
小麦粉 100g
食塩 3g
水 30g
製造例1で得られたCF混合物 10g
上記記載の成分をミキサーに入れミキシングし、熟成、圧延、切り出しを行い、麺線を得た。この麺線を沸騰水中に入れて約5分間茹で上げ、冷水で10℃まで冷却した。1玉分の麺線を取り出し、水切りした後、容器に厚さが均一となるようにならしながら入れて、−30℃にて急速冷凍し、製造例1で得られたCF混合物を含有する冷凍うどんを調製した。
処方例43:腸内機能改善剤を含有する春巻き用の皮
小麦澱粉 99g
小麦粉 1g
乳化剤 3g
サラダ油 2g
酒 2g
食塩 2g
水 43g
製造例2で得られたCF7 2g
上記記載の成分を攪拌混練してペースト状の生地を作り、回転ドラムに1mmの厚さに塗り付けて焼成して、できた生地を切断した12cm×12cmの正方形に成型し、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有する春巻きの皮を調製した。
処方例44:腸内機能改善剤を含有するビーフ&ポークソーセージ
牛肉 22g
水 17.3g
食塩 1.7g
塩漬け剤 0.01g
砂糖 1g
グルタミン酸ソーダ 0.5g
スパイス 0.5g
馬糊 3g
豚肩肉 54g
製造例2で得られたCF6 10g
上記記載の成分を生のまま粉砕して混合し、フィルムに充填した。塩漬として5℃で12時間放置した後、75℃で90分間ボイルしてから冷蔵し、製造例2で得られたCF精製物であるCF6を含有するビーフ&ポークソーセージを調製した。
処方例45:腸内機能改善剤を含有するかまぼこ
スリミ 60g
塩 1.8g
氷 30.4g
澱粉 6g
調味料 1.8g
製造例1で得られたCF混合物 6g
スリミと塩と少量の氷を混合し、サイレント・カッターで破断混合を5分間行った後、残りの氷と原料を追加して続けて10分間混合した。15℃で粘りが出たところで終了し、型とりをして160℃の油で4分間フライして、製造例1で得られたCF混合物を含有するかまぼこを調製した。
処方例46:腸内機能改善剤を含有する内服液剤
製造例2で得られたCF7 10g
ニンジン乾燥エキス 214mg
イカリソウ乾燥エキス 50mg
ウルソデスオキシコール酸 25mg
D−ソルビトール 50g
白糖 25g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3g
プロピレングリコール 5ml
安息香酸ナトリウム 600mg
パラオキシ安息香酸ブチル 10mg
クエン酸塩緩衝液 適量
上記成分にイオン交換水を加え全量を300mlとし、製造例2で得られたCF精製物であるCF7を含有する内服液剤を調製した。
本発明のシクロフラクタン(CF)は、前記のとおり、各種飲食品などに添加することができる。

Claims (2)

  1. シクロフラクタンを有効成分とする腸内機能改善剤。
  2. シクロフラクタンが環状イヌロヘキサオースおよび環状イヌロヘプタオースから選ばれる少なくとも1つである請求項1記載の腸内機能改善剤
JP2003398941A 2003-11-28 2003-11-28 腸内機能改善剤 Expired - Fee Related JP4377663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398941A JP4377663B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 腸内機能改善剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398941A JP4377663B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 腸内機能改善剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005154388A JP2005154388A (ja) 2005-06-16
JP4377663B2 true JP4377663B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=34723635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003398941A Expired - Fee Related JP4377663B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 腸内機能改善剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4377663B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005154388A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4540231B2 (ja) スクラロースを含有する組成物及びその応用
JP4076229B1 (ja) 原料の生タマネギより柔らかくかつ生タマネギの当初の形状を保持する醗酵黒タマネギ及びその加工物並びにこれらの製造方法
JP4448266B2 (ja) 冷え性改善剤及び冷え性改善用組成物
JP5053558B2 (ja) βグルカン組成物、健康補助食品及び健康食品
JP5013588B2 (ja) 血中脂質改善剤
JP4625750B2 (ja) キトサン含有飲食品
JP4065834B2 (ja) 茶多糖類
JP3902153B2 (ja) 苦渋味抑制剤
JP4382465B2 (ja) 粘膜免疫賦活剤
JP4499406B2 (ja) 腸内機能改善剤
JP5354520B2 (ja) コク味付与機能を有する新規ペプチド組成物
JP6753618B2 (ja) 血中中性脂肪上昇抑制組成物
JP2002253141A (ja) リン酸化糖を味質改善剤として含有する飲食物
JP4028703B2 (ja) 脳内血流増大剤
JP4377663B2 (ja) 腸内機能改善剤
JP2020186264A (ja) 血中中性脂肪上昇抑制組成物
JP2005179277A (ja) 肝臓への脂肪蓄積抑制剤
JP2020127392A (ja) イヌリンを含む整腸剤
JP5013587B2 (ja) 抗肥満剤
JP5446695B2 (ja) 乳味増強作用を有する食品素材、その製造方法、および食品または調味剤の乳味増強方法
JP2007269685A (ja) 生理機能改善用組成物
JP3944116B2 (ja) 鉄臭味抑制剤
JP5890732B2 (ja) 飲食物の風味を向上する方法
JP2002253164A (ja) リン酸化オリゴ糖を味質改善剤として含有する飲食物
JP2005179278A (ja) 脂質排出促進剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050801

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090825

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4377663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130918

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130918

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees