JP3556009B2 - 易吸収性ミネラル含有飲食物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルとともにミネラル吸収促進剤として脱脂卵黄蛋白質を蛋白分解酵素で処理して得られる脱脂卵黄蛋白分解物を含む飲食物に関する。詳しくは、ミネラル吸収促進作用をもつ、分子量2000以下を主成分とする脱脂卵黄蛋白分解物を含むことを特徴とする飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工食品の普及や食生活の変化によって、生体に必要なミネラル約20種類の内、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルが、日本人には不足しやすいことが報告されており、特にカルシウム、鉄の不足が問題になっている。
従来より、カルシウムの吸収促進を目的として、カルシウム吸収促進剤として用いられているものに、牛乳中に含まれるカゼインのトリプシン分解物であるカゼインホスホペプチドなどが知られている。
また、卵黄由来では、水溶性の卵黄蛋白及び分子量2000〜40000の卵黄ペプチドでのカルシウム吸収促進効果(特開平4−53471)が知られている。
しかし、分子量2000以下の卵黄ペプチドによるカルシウム吸収促進効果や、カルシウム以外の鉄やマグネシウムなどのミネラルの吸収促進効果については知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、現在の食生活で不足傾向のあるカルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルを効率よく吸収促進させる作用のある脱脂卵黄蛋白分解物すなわち脱脂卵黄蛋白質を蛋白分解酵素で処理して得られる分子量2000以下のペプチドを主成分とする脱脂卵黄蛋白分解物を含む飲食物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルを吸収促進させる飲料および食物を開発する目的で鋭意研究を行った結果、脱脂卵黄蛋白質を蛋白分解酵素で処理して得られる分子量2000以下を主成分とする脱脂卵黄蛋白分解物が上記目的を達成することを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルを効率よく吸収促進させる作用のある脱脂卵黄蛋白分解物すなわち脱脂卵黄蛋白質を蛋白分解酵素で処理して得られる分子量2000以下のペプチドを主成分とする脱脂卵黄蛋白分解物を含む飲食物に関する。
【0005】
本発明に用いられる卵黄は、鶏卵,アヒル卵,ウズラ卵などの鳥類の卵から卵白部を除去したものであれば特に制限されるものではないが、経済的に大量に得られる鶏卵が好ましい。
また、この卵黄は、生卵黄,凍結卵黄,卵黄粉末のいずれの形態ものでも利用できる。
本発明において、卵黄は脱脂して使用するが、それは以下にあげる理由によるものである。
(1)ミネラル吸収促進作用をもつ成分は、卵黄中に含まれる蛋白の分解物であり、この成分を効率よく飲食品に添加するため、蛋白質含量を高める。
(2)飲食品中で酸化変敗しやすい脂質を予め除去する。
(3)ダイエット食品への添加の際、カロリーが高くなることをさけるため、カロリーの高い脂質を除去する。
【0006】
本発明に用いられる脱脂卵黄蛋白は、エタノール,メタノール,ブタノール,プロパノール,イソプロパノールなどのアルコール類またはアセトン,酢酸エチル,ヘキサン,エーテルなどの有機溶剤から選ばれる1種または2種以上を脱脂溶剤として用いることにより、常法に従って卵黄から脂溶性成分を除去して得られれたもので良く、脱脂溶剤による処理後、熱風乾燥,流動乾燥などの方法により、残存する脱脂溶剤を除去,乾燥したものである。得られた脱脂卵黄蛋白の成分組成については特に限定するものではないが、好ましくは、水分10%以下、脂質10%以下、蛋白質75%以上である。
また、この脱脂卵黄蛋白の水に対する溶解性については、水溶性,不溶性のいずれでもかまわない。
本発明の脱脂卵黄蛋白分解物は、脱脂卵黄蛋白を水に懸濁、分散させて、蛋白分解酵素を添加し、反応を行うことにより得られる。
【0007】
本発明に用いられる蛋白分解酵素は、動植物起源,微生物起源など特に種類は問わないが、中でも酵素処理時にpH調整が不要である中性プロテアーゼが望ましい。得られる卵黄蛋白分解物のpHは、中性であることがその用途範囲を広くする意味で望ましいため、中性プロテアーゼ以外の酵素を用いると、酵素処理後にpHの再調整及び生成する塩類の除去が必要となり、経済的に高価になる等問題がある。
蛋白分解酵素で市販されているものとしては、例えば、「アマノP」「アマノA」「アマノM」(天野製薬(株)製)、「オリエンターゼON」「オリエンターゼ90N」(上田化学工業(株)製)、「PD酵素」「AO−プロテアーゼ」((株)盛進製)、「ニュートラーゼ」(ノボノルディスク バイオインダストリー(株)製)などがあげられる。これらの酵素は単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いても良い。
【0008】
本発明に用いられる蛋白分解酵素の脱脂卵黄蛋白に対する添加量は例えば、0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いられる。この範囲以下では脱脂卵黄蛋白の分解が起こりにくく、得られるペプチドの収量が低くなる。反対にこの範囲以上では、脱脂卵黄蛋白の分解反応は問題なく起こるが経済的に高価になる等問題がある。
また、その添加方法は、酵素反応開始時に一度に添加しても良いし、数回に分けて添加しても良い。数回に分ける際には、同じ酵素を添加しても良いし、異なる酵素を添加しても良い。
本発明の蛋白分解酵素による処理温度は、用いる蛋白分解酵素の至適温度範囲であれば問題ないが、例えば、25〜80℃、好ましくは30〜70℃、特に好ましくは、35〜60℃の温度範囲である。処理温度がこの範囲以下では酵素の活性が低くなり脱脂卵黄蛋白の分解に長時間必要になる等問題がある。一方高くなると、酵素の失活が激しく、分解反応を制御することが困難である。
【0009】
本発明に用いる脱脂卵黄蛋白の酵素処理時の濃度は例えば、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、特に好ましくは5〜35重量%の範囲で懸濁、分散される。この範囲以下では酵素分解反応は問題なく行われるが、低濃度のため得られる収量が低くなる。一方この範囲以上では溶液の粘度が上昇し攪拌が困難となり、懸濁、分散が均一に行われにくくなるなどの問題がある。
本発明における酵素処理の時間については、得られる脱脂卵黄蛋白分解物の分子量2000以下の画分が主成分となれば、特に限定はしないが、例えば2〜72時間、好ましくは3〜48時間、特に好ましくは5〜24時間の範囲である。処理時間がこの範囲以下であると、分解が十分に行われず、一方この範囲以上では、分解がこれ以上進まなくなる等問題がある。
本発明の方法によって得られた水溶液の脱脂卵黄蛋白分解物は、そのまま水溶液の形で、あるいはスプレードライや凍結乾燥などの方法で粉末化し粉末状の形で製品化することができる。
【0010】
本発明の方法によって得られた脱脂卵黄蛋白分解物は、分子量2000以下のペプチドを主成分とするものである。
更に好ましくは、脱脂卵黄蛋白分解物に含まれる蛋白質中、分子量2000以下の画分が80%以上のものである。
本発明の脱脂卵黄蛋白分解物の飲食品への添加量は例えば、0.001〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは、0.01〜5重量%の範囲で添加することができる。この範囲以下であれば本発明の効果が期待できず、この範囲以上では脱脂卵黄蛋白分解物の味が飲料および食物にでるため製品化が困難である。
本発明に用いられるミネラルは、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅、クロム、セレン、モリブデン、コバルト、ニッケル、砒素、沃素、ホウ素、臭素、フッ素、鉛、リチウム、珪素、バナジウム、カドミニウムなどの生体に必要な元素であれば特に限定されるものではない。
本発明に用いられるミネラルは、食品中に含有しているミネラル、天然物から得られるミネラル及び食品添加物に認められているミネラルであり、単独でも2種以上のミネラルの混合物でも用いることができる。
ここでいう食品中に含有しているミネラルとは、例えば、牛乳,脱脂粉乳などの乳製品に含まれるカルシウムや肝などに含まれる鉄などであり、一般に食品といわれるものが含有しているミネラルをいう。
また、天然物から得られるミネラルとは、例えば、卵殻カルシウム,牡蛎殻カルシウムなど天然物を乾燥や焼成により食品として使用できる様にしたものや、乳清ミネラル,牡蛎肉エキスなど天然物から抽出して得られたものなどであり、天然物を加工して食品に添加できる形にしたミネラルをいう。
【0011】
脱脂卵黄蛋白分解物と同時に添加されるミネラルは、通常用いられている添加量、例えば、栄養所要量の1/20〜1倍量で良い。
本発明の脱脂卵黄蛋白分解物は、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルを効率よく吸収促進させる作用があるため、ミネラルの吸収に優れた飲料および食物を提供することができる。
本発明の易吸収性ミネラル含有飲料としては、牛乳、乳性飲料、果実飲料、炭酸飲料、トマトジュース、野菜ジュース、豆乳、清涼飲料、コーヒー飲料などがあげられる。
【0012】
本発明の易吸収性ミネラル含有食物としては、ビスケット、クラッカー、パイなどのビスケット類;ポテトチップ、コーンパフ、コーンチップなどのスナック菓子;あられ、せんべいなどの米菓;チョコレート、ココア、チューインガム;ドロップ、キャラメル、ヌガー、ゼリー、マシマロ、ウイスキーボンボン、金平糖、ラムネ菓子などのキャンディー;ワッフル、パイ、シュークリーム、タルト、ババロア、バームクーヘン、生クリーム、ショートケーキ、バターケーキ、カステラ、ウエハースなどの洋菓子;ういろう、さくらもち、かるかん、水羊かん、大福もち、蒸羊かん、くしだんご、練り羊かん、最中、あん入り打菓子、焼まんじゅう、そばぼーろー、甘納豆、八つ橋などの和菓子;中華まんじゅう、ドーナツ、ピザ、クレープ、パン類、うどん、そば、ラーメン、ひやむぎ、そうめん、即席麺、マカロニ、スパゲッティ;ちくわ、カマボコ、ソーセージ、あげかまなどの水産練り製品;珍味、寒天、バター、チーズ、アイスクリーム、氷菓、マーガリン、ショートニング、ラード、惣菜、佃煮、ハンバーグ、カレー、スープ、冷凍食品、缶びん食品、レトルト食品、マヨネーズ、ドレッシング、調味料などがあげられる。
次に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
実施例1.脱脂卵黄蛋白分解物の調製
卵黄粉末2kgにエタノール20リットルを加えて5時間撹拌した後、遠心分離により脂質成分を除去した。この残渣を熱風乾燥により粉末化し、脱脂卵黄蛋白838gを得た。
この脱脂卵黄蛋白の水分含量は3.5%、蛋白質含量は78.8%、脂質含量は4.3%であり、一部、溶剤による変性を受けて水に不溶性となっている部分があり、完全な水溶性ではなかった。
上記で得られた脱脂卵黄蛋白500gを水5リットルに懸濁させ、中性プロテアーゼ(商品名:アマノP 天野製薬(株)製)10gを添加し、45℃において20時間反応を行った。次に80℃,30分の加熱処理を行い酵素を失活させて濾過した。濾液を噴霧乾燥し、脱脂卵黄蛋白分解物を400g得た。
得られた脱脂卵黄蛋白及び脱脂卵黄蛋白分解物について、高速液体クロマトグラフィー1050システム(ヒューレットパッカード社製)を用いてゲル濾過クロマトグラフィーを行った。分析用カラムに、スーパーデックスペプチド(ファルマシア(株)製)を用い、リン酸緩衝液(pH=7)を0.5ml/分の流速で流し、220nmで検出した。測定の結果、得られた脱脂卵黄蛋白では分子量40000〜8000の間にピークが見られ、分子量10000以上の画分は91.2%であった。また、脱脂卵黄蛋白分解物の分子量は100000〜100の間にピークが見られ、分子量2000以下の画分は85.3%であった。
【0014】
【試験例】
試験例1.腸管ループ法によるカルシウム吸収試験
実施例1で得られた脱脂卵黄蛋白及び脱脂卵黄蛋白分解物の腸管からのカルシウム吸収に対する効果を検討する目的で以下の実験を行った。
体重約200gのウィスター系雄ラットを一晩絶食後、麻酔下で小腸の上部及び下部に結紮腸管ループを作成した。サンプルは、40mMリン酸緩衝液(pH7.4)を0.2ml,続いてサンプル溶液を0.2mlループ内にシリンジを使って注入した。注入後は小腸を腹腔内にもどし、麻酔下で2時間放置してからループ内液を取り出した。ループ内液は、0.01N塩酸溶液を用いて洗浄採取した。尚、別のラットはサンプル注入後、直ちにループ内液を採取し、これを0時間とした。
【0015】
採取した0時間と2時間後のループ内液中に残存するカルシウムの総量を、カルシウム測定キット(和光純薬(株);カルシウムCーテストワコー)により測定しカルシウム吸収率(%)を算出した。投与サンプルは以下に示す5群とし、例数は各4例行った。
A群:30mM塩化カルシウム溶液
B群:脱脂卵黄蛋白(10%水溶液)+30mM塩化カルシウム溶液
C群:脱脂卵黄蛋白(2.5%水溶液)+30mM塩化カルシウム溶液
D群:脱脂卵黄蛋白分解物(10%水溶液)+30mM塩化カルシウム溶液
E群:脱脂卵黄蛋白分解物(2.5%水溶液)+30mM塩化カルシウム溶液
本試験の結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
表1の結果より、本発明品を加えたD,E群は、本発明品を含まないA群に比べて有意にカルシウムの吸収率が高かった(P<0.05)。
また、脱脂卵黄蛋白においても吸収を高める効果は見られたが、脱脂卵黄蛋白分解物に比べて効果が弱く、特に小腸上部においては、効果は見られなかった。
以上により、本発明の脱脂卵黄分解物はカルシウム吸収に優れ、無機カルシウムの吸収を高める効果があり、その効果は、分解前の脱脂卵黄蛋白よりも高いことがわかった。
【0018】
試験例2.ラットにおける食餌中ミネラルの吸収試験
実施例1で得られた脱脂卵黄蛋白分解物の食餌中ミネラルの吸収性を検討する目的で以下の試験を行った。
試験に使用した飼料の組成を表2に示す。飼料の調製において、ミネラルミックスはカルシウム,リン欠乏品を使用し、炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,リン酸一カリウムでカルシウム及びリンの含量を調整した。
体重約70gのラット(1群6匹)をコントロール飼料で4日間予備飼育した後、それぞれの飼料で3週間飼育し、その間の体重増加率及び、16日目から4日間、食餌中と糞中のミネラル含有量の比からその吸収率を試験した。
ミネラルの測定は、カルシウム,マグネシウム,鉄の3種類について行った。
試験結果を表3,4に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
表3の結果から、両群の間には体重の変化にほとんど差はみられなかったが、試験飼料群の方が若干重くなる傾向がみられた。
また、表4の結果から、脱脂卵黄蛋白分解物を添加した飼料を与えた群ではコントロール群に比べ、カルシウム,マグネシウム,鉄の吸収が良くなったことがわかった。
実施例2.ヨーグルト風味炭酸飲料(カルシウム含有)
果糖ぶどう糖液糖16.0g、乳酸カルシウム0.77g、50%乳酸0.60g、実施例1の脱脂卵黄蛋白分解物0.05g、クエン酸ナトリウム0.03g、香料0.20gに水を加えて全量を50gとしてシロップを調製した。このシロップ50gに炭酸水を加えて全量を100mlとしてヨーグルト風味炭酸飲料を調製した。
実施例3.果汁入り清涼飲料(鉄含有)
1/5リンゴ果汁6.0g、果糖ぶどう糖液糖6.0g、果糖4.0g、クエン酸鉄0.3g、DLーリンゴ酸0.12g、Lーアスコルビン酸0.10g、クエン酸0.06g、実施例1の脱脂卵黄蛋白分解物0.05g、クエン酸ナトリウム0.02g、香料0.2gに水を加えて全量100mlとして果汁入り清涼飲料を調製した。
【0023】
実施例4.クッキー(カルシウム含有)
小麦粉(薄力)450g、上白糖220g、ショートニング200g、全卵100g、卵殻カルシウム20g、実施例1の脱脂卵黄蛋白分解物2g、食塩2g、重炭酸アンモニウム2g、バニラエッセンス2gを用いて生地を調製した後冷却した。整型した後、焙焼してクッキーを調製した。
実施例5.キャンディー(カルシウム含有)
上白糖500g、水飴440gを少量の水に溶解し、減圧下120〜130℃で煮詰めた。その後乳酸カルシウム53g、クエン酸3.5g、酒石酸1.5g、実施例1の脱脂卵黄蛋白分解物1g、レモンエッセンス1gを添加して混捏した。その後、容器に入れて型をとり、冷却してキャンディーを調製した。
実施例6.アイスクリーム(カルシウム,鉄含有)
牛乳1200g、生クリーム(45%)310g、上白糖300g、脱脂粉乳60g、クエン酸第一鉄ナトリウム8g、実施例1の脱脂卵黄蛋白分解物1g、増粘安定剤6gに水を加えて全量2000mlとして溶解した。この溶解した液を80℃まで加熱した後、ホモミキサーで予備乳化し、引き続きホモゲナイズした。冷却し熟成させた後バニラエッセンス2gを加えフリージングを行った。その後−40℃まで急冷してアイスクリームを調製した。
【0024】
本発明の実施様態ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1)ミネラル及び脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする飲料。
(2)ミネラル及び脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする食物。
(3)含有する脱脂卵黄蛋白分解物に含まれる蛋白質中、分子量2000以下のペプチド画分が80%以上であるをことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の飲食物。
(4)ミネラルとして、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガンの中から選ばれる1種または2種以上とともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
(5)ミネラルとして、カルシウムとともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
(6)ミネラルとして、鉄とともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
(7)ミネラルとして、マグネシウムとともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
(8)ミネラルとして、亜鉛とともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
(9)ミネラルとして、銅とともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
(10)ミネラルとして、マンガンとともに脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食物。
【0025】
【発明の効果】
本発明の方法によって得られた分子量2000以下のペプチドを主成分とする脱脂卵黄蛋白分解物は、ミネラル吸収促進作用があるため、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラルとともにこれを配合した飲料および食物を摂取することによりミネラルの吸収が促進される。
本発明の易吸収ミネラル含有飲食物を摂取することにより、成長期の自動のミネラルの補強、妊産婦のミネラルの補充、老年期の骨粗鬆症に代表される骨疾患の予防や治療、更には健康人のミネラルのアンバランスの防止などに効果が期待できるものである。
Claims (2)
- ミネラル及び含有する脱脂卵黄蛋白分解物に含まれる蛋白質中、分子量2000以下のペプチド画分が80%以上である脱脂卵黄蛋白分解物を含有することを特徴とする飲食物。
- ミネラルが、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅の中から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の飲食物。
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