JP7242204B2 - 可塑性乳化油脂組成物 - Google Patents

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本発明は、可塑性乳化油脂組成物に関する。
ココナッツを原料としたココナッツミルクやココナッツクリームなどの胚乳抽出物は乳様の風味やコク味があり、様々な飲食品に使用されている。しかし、エグ味が強く、苦味も感じられるため、その使用量を調整するなどの対処が必要となる。
また、食物アレルギーの罹患率はこの20年ほどで急増しており、それに伴い、様々なアレルギー対応食品が開発・販売されており、近年の健康志向の流れからも、乳化剤を使用しない食品が好まれる傾向にある。マーガリンなどの可塑性乳化油脂組成物においても乳化剤を使用しない配合が検討されてきている。
ココナッツ由来のエグ味などを抑制する技術としては、ココナッツミルクに豆乳を添加し、乳酸菌および酵母で発酵させる方法(特許文献1)、ココナッツ由来の未精製油に粉乳と砂糖を添加する方法(特許文献2)などが提案されているが、いずれも可塑性乳化油脂組成物に関するものではない。
可塑性乳化油脂組成物については、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂組成物に、ココナッツ由来物を配合することが提案されている(特許文献3)。
特開2014-233261号公報 特開平8-275727号公報 特開2002-194385号公報
特許文献3の技術は、魚油などに由来する酸化し易い高度不飽和脂肪酸を含有する油脂組成物において、酸化安定性の改良を図っているが、使用した油脂は魚油やその硬化油、大豆硬化油などであり、ラウリン酸を含有する油脂は使用されていない。また乳化剤を配合しており、ココナッツ由来物による乳化性能についての知見は示されていない。
特許文献3の技術ではトランス脂肪酸を多く含む部分水素添加した硬化油が使用されているが、近年、健康への影響の観点からトランス脂肪酸量の少ない油脂配合への代替が進みつつある。そのような油脂配合としては、エステル交換油脂を用いた技術が主に検討されているが、そのようなトランス脂肪酸量の少ない油脂配合においても、ココナッツ由来のエグ味を抑制することが望まれていた。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、ココナッツ由来のコク味がありながらもエグ味を抑制でき、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも乳化が良好な可塑性乳化油脂組成物を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の可塑性乳化油脂組成物は、ココナッツ胚乳抽出物および構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂を含むことを特徴としている。
本発明によれば、ココナッツ由来のコク味がありながらもエグ味を抑制でき、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも乳化が良好である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の可塑性乳化油脂組成物に使用されるココナッツ胚乳抽出物は、ココナッツの胚乳を圧搾して得られる抽出物であり、水中油型乳化物、またはそれを乾燥させた粉末を用いることができる。具体的には、例えば、水中油型乳化物としてはココナッツミルク、ココナッツクリームなどが挙げられ、粉末としてはココナッツパウダーなどが挙げられる。ココナッツミルクは、例えば、成熟したココナッツの種子の内側に、層状に形成される固形胚乳をすりおろし、水と一緒に煮込んでから裏漉しし、布などで絞って作製され、液体状である。ココナッツクリームは、ココナッツミルクよりも水分の少ないものであり、液体状またはペースト状である。
本発明においてココナッツ胚乳抽出物は、可塑性乳化油脂組成物にコク味を付与し、更に優れた乳化性能を発揮し、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも乳化が良好な可塑性乳化油脂組成物が得られる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂を含む。なお、本発明においてラウリン酸を含有する油脂は、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、ラウリン酸を含有する油脂を含むことで、ココナッツ由来のコク味がありながらもエグ味を抑制でき、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも乳化が良好である。
更に、ココナッツ胚乳抽出物および構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂を含む本発明の可塑性乳化油脂組成物は、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも、可塑性乳化油脂組成物を用いたバタークリームや焼成品を作製する際に、クリーミング性や抱卵性などの作業性が良好である。油脂組成物のクリーミング性、抱卵性などの作業性については、油脂配合や乳化剤の観点より改良が図られてきたが、本発明の可塑性乳化油脂組成物は、バタークリーム用油脂として使用する際に、クリーミング性が良好であるため、所望する比重のバタークリームを短時間に容易に得ることができる。また、抱卵性が良好であるため、焼成品の卵の配合率を高めることができる。すなわち、本発明の可塑性乳化油脂組成物を使用し、全卵や卵白または卵黄を粉糖や液糖と一緒に混合攪拌することで、卵の配合率を高めた風味が良好な焼成品を作製することができる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂にラウリン酸を与える油脂成分としては、特に限定されないが、例えば、ラウリン系油脂、パーム系油脂、乳脂、それらの1種または2種以上を原料に含む油脂を加工(硬化、エステル交換反応、分別のうち1つ以上の処理)、精製(脱酸、脱臭、脱色など)したものなどが挙げられる。本発明においてラウリン系油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上、好ましくは40~55質量%、より好ましくは45~50質量%である。このようなラウリン系油脂としては、例えば、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。本発明においてパーム系油脂は、全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量が35質量%以上である。パーム系油脂としては、パーム油、パーム分別油やこれらの硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。パーム分別油としては、硬質油、軟質油、中融点油などが挙げられる。硬化油の場合、水素添加量によってトランス脂肪酸の含有量が増加する虞があるため、硬化油を用いる場合には微水素添加したものか、低温硬化したもの、または完全水素添加した極度硬化油が好ましく、特に極度硬化油が好ましい。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、油脂の構成脂肪酸中におけるラウリン酸の含有量は、エグ味を抑え、コク味を感じやすくするという観点を考慮すると、0.3質量%以上が好ましく、6.5質量%以上がより好ましい。また、コク味の観点を考慮すると、23質量%以下が好ましく、13質量%以下がより好ましい。ここで、ラウリン酸を含有する油脂の含有量は、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、2飽和トリグリセリドと3飽和トリグリセリドとの合計量は、クリーミング性、抱卵性を向上させる観点、コク味を感じやすくするという観点を考慮すると、油脂全体の質量に対して30質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましい。また、コク味の観点を考慮すると、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、63質量%以下が最も好ましい。ここで、2飽和トリグリセリドと3飽和トリグリセリドとの合計量は、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。2飽和トリグリセリドは、1分子のグリセロールに2分子の飽和脂肪酸Sと1分子の不飽和脂肪酸Uが結合したトリグリセリドであり、1位および3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ2位に不飽和脂肪酸Uが結合した対称型トリグリセリド(SUS)、1位と2位、または2位と3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ3位または1位に不飽和脂肪酸Uが結合した非対称型トリグリセリド(SSU、USS)が挙げられる。3飽和トリグリセリド(SSS)は、1位、2位、3位のすべてに飽和脂肪酸Sが結合したトリグリセリドである。その他、本発明の可塑性乳化油脂組成物における油脂は、1分子のグリセロールに2分子の不飽和脂肪酸Uと1分子の飽和脂肪酸Sが結合した2不飽和トリグリセリド(SUU、UUS、USU))を含んでいてもよく、1位、2位、3位のすべてに不飽和脂肪酸Uが結合した3不飽和トリグリセリド(UUU)を含んでいてもよい。本発明において、飽和脂肪酸Sは、油脂中に含まれるすべての飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つまたは3つの飽和脂肪酸Sは、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)などが挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。本発明において、不飽和脂肪酸Uは、油脂中に含まれるすべての不飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つまたは3つの不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)などが挙げられる。なお、上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。本発明において、油脂中のトリグリセリドとは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、油脂の構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を含んでもよく、含まなくてもよいが、トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、血液中におけるLDLコレステロール量が増加しうる。よって、これを抑制しやすい点から、本発明においては、油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量は、油脂の構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが最も好ましい。ここで、トランス脂肪酸の含有量は、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。油脂におけるトランス脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.4.3-2013 トランス脂肪酸含量(キャピラリーガスクロマトグラフ法)」で測定することができる。なお、トランス脂肪酸の含有量は、添加量既知の内部標準物質(ヘプタデカン酸)との面積比により算出できる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量を上記範囲とするために、部分硬化油を含有しないことが好ましい。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、エステル交換油脂を含有することが好ましい。エステル交換油脂を使用することで、油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量を低減しつつ、本発明の効果をより向上させることができる。
エステル交換油脂のヨウ素価は、40以下が好ましく、25~40がより好ましく、30~40が更に好ましい。ここでは主に、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油脂などのラウリン系油脂を原料に含むエステル交換油脂を対象としている。このエステル交換油脂のヨウ素価が40以下であると、ココナッツ由来のコク味がありながらもエグ味を抑制でき、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも乳化が良好である。更に、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも、可塑性乳化油脂組成物を用いたバタークリームや焼成品を作製する際に、クリーミング性や抱卵性などの作業性が良好である。ヨウ素価が25~40であると、これらの効果発現により適し、その中でもヨウ素価が30~40であると、特に乳化が良好である。
ラウリン系油脂を原料に含むエステル交換油脂の原料としては、エステル交換油脂のヨウ素価が上記範囲であれば、ラウリン系油脂を単独で使用してもよく、他の油脂と組み合わせてもよいが、エステル交換油脂の原料としてラウリン系油脂とパーム系油脂を原料に含むことが好ましい。
本発明におけるエステル交換反応には、エステル交換触媒として化学触媒や酵素触媒が用いられる。化学触媒としてはナトリウムメチラートや水酸化ナトリウム等が用いられ、酵素触媒としてはリパーゼ等が用いられる。リパーゼとしてはアスペルギルス属、アルカリゲネス属等のリパーゼが挙げられ、イオン交換樹脂、ケイ藻土、セラミック等の担体上に固定し固定化したものを用いても、粉末の形態として用いても良い。また位置選択性のあるリパーゼ、位置選択性のないリパーゼのいずれも用いることができるが、位置選択性のないリパーゼを用いることが好ましい。エステル交換触媒として化学触媒や位置選択性のない酵素触媒を用いた場合、エステル交換反応が完了すると、構成脂肪酸として飽和脂肪酸(S)を2個、不飽和脂肪酸(U)を1個含む2飽和トリグリセリドのうち、対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)とのエステル交換油脂中における質量比(SUS/SSU)が0.45~0.55の範囲内となる。
エステル交換反応に化学触媒を用いる場合、触媒を油脂質量の0.05~0.15質量%添加し、減圧下で80~120℃に加熱し、0.5~1.0時間攪拌することでエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂を得ることができる。また酵素触媒を用いる場合、リパーゼ等の酵素触媒を油脂質量の0.01~10質量%添加し、40~80℃でエステル交換反応を行うことによりエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂を得ることができる。エステル交換反応はカラムによる連続反応、バッチ反応のいずれの方法で行うこともできる。エステル交換反応後、必要に応じて脱色、脱臭等の精製を行うことができる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、ラウリン系油脂を原料に含む、ヨウ素価40以下のエステル交換油脂の含有量は、本発明の効果を得る点から、油脂全体の質量に対して72質量%以下が好ましく、67質量%以下が好ましく、25~45質量%が最も好ましい。ラウリン系油脂を原料に含む、ヨウ素価25~40のエステル交換油脂の含有量は、本発明の効果を得る点から、油脂全体の質量に対して10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。また、油脂全体の質量に対して75質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。ヨウ素価25~40のエステル交換油脂のうち、ヨウ素価25以上30未満のエステル交換油脂の含有量は、クリーミング性、抱卵性の観点を考慮すると、油脂全体の質量に対して3質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましい。また、37質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。ヨウ素価30~40のエステル交換油脂の含有量は、乳化性能、クリーミング性、抱卵性の観点を考慮すると、油脂全体の質量に対して5質量%以上が好ましく、16質量%以上がより好ましい。また、ココナッツのコク味の観点を考慮すると、油脂全体の質量に対して50質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂にラウリン酸を与える油脂成分として、上記ヨウ素価25~40のエステル交換油脂の他に、エステル交換油脂としてはエステル交換パーム核極度硬化油やエステル交換パーム分別軟質油を用いることができ、エステル交換油脂以外にはパーム油、パーム核油、ヤシ油、ヤシ極度硬化油、乳脂肪などを用いることができる。クリーミング性や抱卵性などの作業性の観点では、ヤシ極度硬化油、エステル交換パーム核極度硬化油を用いることが好ましい。構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂にラウリン酸を与える油脂成分の含有量は、油脂全体の質量に対して70~97質量%が好ましい。ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
パーム系油脂としては、エステル交換パーム分別軟質油、パーム分別軟質油、パーム極度硬化油を用いることが好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのパーム系油脂の含有量は、油脂全体の質量に対して13~78質量%が好ましく、19~55質量%がより好ましく、30~48質量%が更に好ましい。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂にラウリン酸を与える油脂成分以外の油脂成分として、液状油などを組み合わせて用いることができる。
ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
液状油は、25℃において流動状を呈し(パーム分別軟質部を除く。)、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。液状油を配合すると、ヤシ極度硬化油、エステル交換パーム核極度硬化油などの、ラウリン酸を含有する油脂にラウリン酸を与える油脂成分と組み合わせることで、クリーミング性や抱卵性などの作業性が良好となる。液状油の含有量は、油脂全体の質量に対して1~45質量%が好ましく、3~28質量%がより好ましい。ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、ココナッツ胚乳抽出物の含有量は、コク味付与の観点を考慮すると、可塑性乳化油脂組成物全体の質量に対して固形分換算で0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。また、エグ味抑制の観点を考慮すると、可塑性乳化油脂組成物全体の質量に対して固形分換算で13質量%以下が好ましく、10.5質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。また、乳化性能の向上の観点を考慮すると、油脂全体の質量に対して固形分換算で0.1~18質量%が好ましく、0.5~15質量%がより好ましい。ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
本発明の可塑性乳化油脂組成物において、油相の構成脂肪酸中におけるラウリン酸の含有量と、水相の構成脂肪酸中におけるラウリン酸の含有量との質量比(油相中ラウリン酸量/水相中ラウリン酸量)は、エグ味抑制の観点を考慮すると、0.3以上が好ましく、0.9以上がより好ましく、7以上がさらに好ましい。また、155以下が好ましく、74以下がより好ましく、37以下が更に好ましい。なお、水相中ラウリン酸量は、水への分散性を持ち、可塑性乳化油脂組成物の作製において水相に配合される、ヤシ油成分を含むココナッツ胚乳抽出物に由来するものである。水相中ラウリン酸量は、可塑性乳化油脂組成物全体の質量に対して0.03~5質量%が好ましく、0.1~3.5質量%がより好ましく、0.2~1.5質量%が更に好ましい。ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、油相および水相を含有する形態であり、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型が挙げられ、油相の含有量は、好ましくは60~99.4質量%、より好ましくは65~98質量%であり、水相の含有量は、好ましくは0.6~40質量%、より好ましくは2~35質量%である。その中でも油中水型が好ましく、例えばマーガリンが挙げられる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、水以外にも、他の成分を配合することができる。他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、乳、乳製品、乳製品を酵素処理した呈味剤、蛋白質、糖質、塩類、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、香辛料、増粘剤、着色成分、香料(フレーバー)、酒類、酵素、粉末油脂、菌体抽出物、茶エキス、植物性ミルクなどが挙げられる。乳としては、牛乳などが挙げられる。これらは従来公知のものを含む。乳製品としては、脱脂乳、生クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズなど)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白濃縮ホエイパウダー、ホエイチーズ(WC)、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウムなどが挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白などの植物蛋白などが挙げられる。糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなど)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロースなど)、オリゴ糖、糖アルコール、ステビア、アスパルテームなどの甘味料、デンプン、デンプン分解物、イヌリン(アガベイヌリン等)などの多糖類、難消化性糖質(難消化性デンプン、難消化性デキストリン等)などが挙げられる。抗酸化剤としては、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物などが挙げられる。香辛料としては、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロンなどが挙げられる。増粘剤としては、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA)などが挙げられる。着色成分としては、カロテン、アナトー、アスタキサンチンなどが挙げられる。フレーバーとしては、例えば、バターフレーバー、ミルクフレーバー、クリームフレーバー、チーズフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、紅茶フレーバー、カスタードフレーバー、ナッツフレーバー、フルーツフレーバー、はちみつフレーバー、メイプルフレーバーなどが挙げられる。酵素としては、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなどが挙げられる。菌体抽出物としては、酵母エキスなどが挙げられる。茶エキスとしては、緑茶エキス、ほうじ茶エキス、麦茶エキス、紅茶エキス、ウーロン茶エキス、ルイボス茶エキスなどが挙げられる。植物性ミルクとしては、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、マカダミアナッツミルク、ヘーゼルナッツミルクなどが挙げられる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、乳化剤量を低減もしくは使用せずとも乳化が良好である。従って、乳化剤不使用とすることができ、乳化剤を配合する場合であっても、その含有量を油脂全体の質量に対して好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下とすることができる。ここで、油脂全体の質量とは、ココナッツ胚乳抽出物に由来する油脂以外の油脂を対象としている。ここで乳化剤には、食品衛生法や、農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)において表示義務のある乳化剤であって、一般に食品に用いられる乳化剤、特に合成された乳化剤が含まれる。本発明が対象とする乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。天然由来のレシチン(大豆レシチン、卵黄レシチン、酵素処理卵黄レシチンなど)、脱脂粉乳やカゼイン類のような乳製品などはここでの乳化剤には含まれないが、本発明においてはこれらも使用しないことが主な態様であり、各種アレルギーを持つ消費者にも効果的に対応できる。また、乳化剤を使用しないことで、乳化剤独特の異味、異臭が風味に影響することを防止し、また近年において健康志向の高まりから求められている添加物レスの製品を得ることができる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、例えば、油相と水相とを適宜に加熱し混合して乳化した後、冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。より具体的には、まず油相と水相を調製する。油相は、油脂の他に油溶性フレーバーなどを使用する場合には、これらを油相に添加してもよい。水相は、水溶性の成分を使用する場合には、これらを水相に添加する。これらの油相と水相は、好ましくは50~90℃、より好ましくは65~85℃に加熱し、添加した成分を完全に溶解しておくことが望ましい。これらの油相と水相を加熱下で混合し乳化する。例えば、加熱された油相に加熱された水相をゆっくりと添加しながら乳化する。その後、必要に応じて、フレーバーなどの他の添加成分を加えてもよい。その後、加熱された乳化物をコンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサスなどの冷却混合機により急冷捏和し、可塑化して本発明の可塑性乳化油脂組成物を得ることができる。また、必要に応じて冷却混合機において窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込んだり、急冷捏和後に、可塑性乳化油脂組成物を熟成(テンパリング)してもよい。
本発明の可塑性乳化油脂組成物は、バタークリーム、スプレッド、焼成品の生地への練り込み、折り込みなどに好適に用いることができる。焼成品の生地への練り込みにおいては、生地中に本発明の可塑性乳化油脂組成物を練り込んで分散させ、本発明の可塑性乳化油脂組成物を含有する生地を作製する。焼成品の生地への折り込みにおいては、生地の間にシート状の可塑性乳化油脂組成物を包み込み、その後、折り畳みと圧延を繰り返すことによって生地中に可塑性乳化油脂組成物を層状に折り込んで、生地と可塑性乳化油脂組成物の薄い層を何層にも作り上げて生地を作製する。
本発明の可塑性乳化油脂組成物をバタークリームに使用する場合、本発明の可塑性乳化油脂組成物は、単独で使用するか、あるいは他の原材料と共に配合して起泡させることで、バタークリームを製造することができる。起泡(クリーミング)は、公知の方法によって起泡させることで行うことができる。例えば、電動式もしくは手動の泡立て器を用いて、比重が適度に軽くなるまで含気させることにより行うことができる。このバタークリームは、比重が好ましくは0.8以下、より好ましくは0.3~0.7である。
本発明の可塑性乳化油脂組成物を他の原材料と共に配合して起泡させる場合、その配合量は、本発明の乳化油脂組成物による効果を損なわない範囲が考慮される。このような他の原材料としては、呈味成分などが挙げられる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物により得られるバタークリームは、ナッペ用、フィリング用、サンド用、注入用、トッピング用などとして、パン、菓子、ケーキなどに好適に用いることができる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物を用いたバタークリームは、ココナッツ由来のコク味がありながらもエグ味を抑制できる。更に、クリーミング性が良好であるため、所望する比重のバタークリームを短時間に容易に得ることができる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物を生地に練り込んで使用する場合、この練り込んだ可塑性乳化油脂組成物を含有する生地を焼成することによって、焼成品が得られる。本発明の可塑性乳化油脂組成物を練り込んだ焼成品は、ココナッツ由来のコク味がありながらもエグ味を抑制できる。更に、抱卵性が良好であるため、焼成品の卵の配合率を高めることができる。すなわち、本発明の可塑性乳化油脂組成物を使用し、全卵や卵白または卵黄を粉糖や液糖と一緒に混合攪拌することで、卵の配合率を高めた風味が良好な焼成品を作製することができる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物を生地に練り込んで使用する場合、可塑性乳化油脂組成物を用いた生地は、穀粉を主成分とし、穀粉としては、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、小麦粉(全粒粉、強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉などが挙げられる。
生地には、穀粉と可塑性乳化油脂組成物以外にも、通常、焼成品の生地に使用されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、焼成品の生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく適宜の量とすることができる。具体的には、例えば、水、乳、乳製品、蛋白質、糖質、卵、卵加工品、澱粉、塩類、粉末油脂、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、フレーバーなどが挙げられる。
本発明の可塑性乳化油脂組成物を練り込んだ生地を用いた焼成品のパンとしては、例えば、食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッドなどが挙げられる。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)測定方法
油脂のヨウ素価は、基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1-2013ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」で測定した。
2飽和トリグリセリドおよび3飽和トリグリセリドの合計量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2-2013 2位脂肪酸組成」)で測定し、それぞれ脂肪酸量を用いて計算にて求めた。表1~表4において、ココナッツ胚乳抽出物以外の油脂を基準として「2、3飽和トリグリセリド合計量(油脂中)」と質量%で表記している。
ココナッツ胚乳抽出物の固形分は、水を含む場合にはこれを除いた量として質量%で示している。
水相に含まれる油分は、ココナッツ胚乳抽出物に含まれる油脂量を、油相、すなわちココナッツ胚乳抽出物以外の油脂を基準として質量%で示している。
構成脂肪酸中におけるラウリン酸の含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」)で測定した。なお、これらの含有量は、上記試験法のとおりガスクロマトグラフィーで測定した全ピーク面積である油脂全量(油脂の構成脂肪酸全体の質量)を基準としている。なお、ココナッツ胚乳抽出物以外の油脂を基準として示し、表1~表4において、「ラウリン酸量(油脂中)」と質量%で表記している。また「水相に含まれるラウリン酸量」は、ココナッツ胚乳抽出物の固形分に含まれる油脂において、構成脂肪酸中におけるラウリン酸の含有量を、可塑性乳化油脂組成物を基準として質量%で示している。
表1~4のエステル交換油脂1~4以外の油脂の構成脂肪酸に対するラウリン酸量は以下の数値であった。
ヤシ極度硬化油:48質量%、パーム極度硬化油:0.2質量%、パーム分別軟質油:0.2質量%、乳脂:2.8質量%、米油:0質量%、米油極度硬化油:0質量%
(2)可塑性乳化油脂組成物の作製
表1~表4のエステル交換油脂1~4は次の方法で作製した。
(エステル交換油脂1)
パーム核極度硬化油25質量%、パーム油50質量%、パーム極度硬化油25質量%を混合して110℃に加熱し、十分に脱水させた後、化学触媒としてナトリウムメチラートを油脂量の0.08質量%添加し、減圧下、100℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗して触媒を除去し、活性白土を用いて脱色し、さらに脱臭を行ってエステル交換油脂1を得た。このエステル交換油脂1のヨウ素価は28であり、構成脂肪酸に対するラウリン酸量は12.1質量%であった。
(エステル交換油脂2)
パーム核油50質量%、パーム油50質量%を原料に使用し、エステル交換油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、エステル交換油脂2を得た。このエステル交換油脂2のヨウ素価は35.5であり、構成脂肪酸に対するラウリン酸量は24質量%であった。
(エステル交換油脂3)
パーム分別軟質油を原料に使用し、エステル交換油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、エステル交換油脂3を得た。このエステル交換油脂3のヨウ素価は56であり、構成脂肪酸に対するラウリン酸量は0.2質量%であった。
(エステル交換油脂4)
パーム核極度硬化油を原料に使用し、エステル交換油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、エステル交換油脂4を得た。このエステル交換油脂4のヨウ素価は2であり、構成脂肪酸に対するラウリン酸量は47.7質量%であった。
ココナッツ胚乳抽出物は次のものを用いた。
(ココナッツミルク)
グリーン社製
固形分25.2質量%、脂質18.7質量%、構成脂肪酸中に占めるラウリン酸量 51質量%
(ココナッツクリーム)
Axelum Resources Corp. 社製
固形分31.9質量%、脂質23.6質量%、構成脂肪酸中に占めるラウリン酸量 51質量%
(ココナッツパウダー)
ココウェル社製
固形分100質量%、脂質42.9質量%、構成脂肪酸中に占めるラウリン酸量 51質量%
可塑性乳化油脂組成物は全体を100質量%とし、表1~4に示す水相以外を油相として作製した。
表1~表4に示す油相を70℃に調温した。一方、水にココナッツ胚乳抽出物を添加し、80℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和しマーガリンを可塑性油脂として得た。得られたマーガリンは、5℃で保管した。
(3)評価
上記のとおり作製した可塑性乳化油脂組成物について、次の評価を行った。乳化性能については上記のマーガリンとは別途に下記の手順で評価を行った。
なお、ココナッツのエグ味とコク味の評価を行ったパネルに関して、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20~40代の男性4名と女性6名をパネルとして選抜した。
[ココナッツのエグ味]
作製した可塑性乳化油脂組成物を20℃で調温し、口の中に広がるココナッツのエグ味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、エグ味がないと評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、エグ味がないと評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、エグ味がないと評価した。
△:パネル10名中3~4名が、エグ味がないと評価した。
×:パネル10名中エグ味がないと評価したのは2名以下であった。
[ココナッツのコク味]
作製した可塑性乳化油脂組成物を20℃調温し、口の中に広がるココナッツのコク味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、コク味があると評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、コク味があると評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、コク味があると評価した。
△:パネル10名中3~4名が、コク味があると評価した。
×:パネル10名中コク味があると評価したのは2名以下であった。
[乳化性能]
実施例および比較例の配合に従って、まず実施例および比較例の油脂配合によりビーカーに調合油を85g取り、70℃調温後、ホモミキサーにて70℃、4000rpmで撹拌しながら水相を添加し、乳化を行った。乳化液をステンレスシャーレに移し、70℃で2分間静置後、乳化液を廃棄し、ステンレスシャーレに付着した分離水相を計量し、乳化液中の分離した水相の割合を求め、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:乳化液中の分離した水相の割合が0.6%未満
〇:乳化液中の分離した水相の割合が0.6%以上1.2%未満
△:乳化液中の分離した水相の割合が1.2%以上1.8%未満
×:乳化液中の分離した水相の割合が1.8%以上
[クリーミング性]
卓上ミキサー(Kichen Aid社製)を用いて可塑性乳化油脂組成物500gを撹拌し、20℃の条件下にて比重が0.3に達するまでの時間により、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:6分以内
〇:6分超9分以内
△:9分超12分以内
×:比重0.3に達せず
[抱卵性]
卓上ミキサー(Kichen Aid社製)を用いて、可塑性乳化油脂組成物300g、上白糖300gを撹拌し、20℃の条件下にて比重0.75に合わせた後、均一に撹拌した全卵を投入していき、生地中に卵が取り込まれる量を確認した。可塑性乳化油脂組成物300gに対して取り込まれた卵の量の割合により、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:可塑性乳化油脂組成物300gに対して取り込まれた卵の量の割合が110%以上
〇:可塑性乳化油脂組成物300gに対して取り込まれた卵の量の割合が100%以上110%未満
△:可塑性乳化油脂組成物300gに対して取り込まれた卵の量の割合が90%以上100%未満
×:可塑性乳化油脂組成物300gに対して取り込まれた卵の量の割合が90%未満
[総合評価]
上記において評価したココナッツの風味(エグ味、コク味)、および乳化性能の結果に基づいて、以下の基準で総合評価を行った。
評価基準
◎:ココナッツの風味、乳化性共に非常に良好である。
〇:ココナッツの風味、乳化性共に良好である。
△:ココナッツの風味、乳化性共に良好とまでは言えないが、最低限課題を克服している。
×:ココナッツの風味、乳化性共に課題を克服していないか、どちらか片方が課題を克服していない。
上記の各評価結果を表1~表4に示す。表1~表4の評価においては、△以上は最低限の基準を満たすと判断した。△は最低限許容し得るレベルで、基本的には○以上が課題解決において望ましいレベルである。その中でも◎は○と有意に差がみられ、◎+は◎と有意に差がみられ、課題解決等の点で区別される程度に好ましいことを示している。
Figure 0007242204000001
Figure 0007242204000002
Figure 0007242204000003
Figure 0007242204000004
実施例1~42は、ココナッツ胚乳抽出物および構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂を用いた。ココナッツのエグ味、コク味、乳化性能、クリーミング性、抱卵性はいずれも満足するレベルであった。実施例6、8、10~13、15~18は、油脂配合を変更した中でも最も良評価である。実施例9は比較的硬い油脂であるパーム極度硬化油を配合し、クリーミング性がやや低下したが概ねこれらと同一水準であった。
一方、比較例1~5、7、8はココナッツ胚乳抽出物を配合せず、比較例1は実施例6等、比較例3は実施例33、比較例4は実施例11、比較例5は実施例27、比較例7は実施例37、比較例8は実施例38の配合と対比している。これらはいずれもココナッツのコク味が得られない他、乳化性能など各種の物性を満足することができない。比較例2は、比較例1において更に乳化剤を配合したが、ココナッツ胚乳抽出物を配合した実施例6等のような乳化性能は得られない。このことからもココナッツ胚乳抽出物は乳化性能に優れることが分かる。
ラウリン酸量については、ラウリン酸を含まない油脂を用いた比較例6や、ラウリン酸の含有量が少ない油脂を用いた実施例37より、ラウリン酸の含有量が少ないとココナッツのエグ味を感じ易くなる。ラウリン酸の含有量が比較的少ない実施例33、38、39もココナッツのエグ味がやや感じられるようになる。実施例38~40は乳脂を配合した。実施例38、39は、乳脂自体に風味があるためコク味は最良であるが、エステル交換油脂1、2を配合せず乳化性、クリーミング性、抱卵性がやや低下する傾向がある。実施例40は乳脂の配合量が多過ぎてコク味が感じられにくくなる。実施例32のようにラウリン酸の含有量が多くなるとココナッツのエグ味を感じ易くなり、コク味も感じにくくなる傾向がある。
油相中ラウリン酸量/水相中ラウリン酸量に関しては、油脂配合に由来する油相中ラウリン酸量と、水相に存在するココナッツ胚乳抽出物に由来する水相中ラウリン酸量を反映している。実施例1と実施例2~4、6や、実施例14と実施例12等との対比より、当該量が多いと、ココナッツのエグ味を感じ易くなり、コク味も感じにくくなる傾向がある。乳化性能等も低下する傾向がある。実施例37のように当該量が少ないと、ココナッツのエグ味を感じ易くなり、コク味も感じにくくなる傾向がある。
2、3飽和脂肪酸量は、実施例27のように少ないと、油脂が軟らかくなりクリーミング性、抱卵性がやや低下する傾向がある。実施例32のように多いと、ココナッツのエグ味が感じられ易くなり、コク味も感じにくくなる傾向がある。実施例30、31も同様の傾向を示している。
可塑性乳化油脂組成物を基準としたココナッツ胚乳抽出物の固形分に関しては、実施例1のように少ないと、ココナッツのエグ味を感じ易くなり、コク味も感じにくくなる。乳化性能等も低下する傾向がある。実施例19、24のように多いと、ココナッツのエグ味を感じ易くなり、コク味も感じにくくなる傾向がある。実施例18~21、23、24はココナッツ胚乳抽出物の固形分量を対比している。実施例18を基準として実施例23、20、19、24の順に多くなると、ココナッツのエグ味が出てコク味も感じにくくなり、乳化性能やクリーミング性、抱卵性も低下する。実施例16と実施例22の対比も、ココナッツ胚乳抽出物の固形分が多くなるとココナッツのエグ味を感じ易くなる傾向を示している。実施例7は実施例8と対比してココナッツ胚乳抽出物の固形分が多くクリーミング性がやや低下したが概ね同一水準であった。実施例21のようにココナッツ胚乳抽出物の固形分が少なくなると、ココナッツのエグ味を感じ易くなり、コク味もやや感じにくくなる傾向がある。乳化性能もやや低下する。実施例6と実施例2、実施例10と実施例5、実施例15と実施例14の対比においても、同様の傾向を示している。
ヨウ素価25以上30未満のエステル交換油脂であるエステル交換油脂1や、ヨウ素価30~40のエステル交換油脂であるエステル交換油脂2を配合した実施例1~26は、全体的に評価は良好である。実施例27~30は、ヨウ素価エステル交換油脂1の量を変更した。エステル交換油脂1はエステル交換油脂2に比べて比較的硬い油脂である。エステル交換油脂1を配合しない実施例27、28やその配合量を下げた実施例29は、クリーミング性、抱卵性が低下する傾向がある。エステル交換油脂1の配合量を多くした実施例30はココナッツのエグ味を感じ易くなる傾向があり、クリーミング性、抱卵性が低下する傾向がある。実施例33~35は、エステル交換油脂2の量を変更した。エステル交換油脂2を配合しない実施例33やその配合量を下げた実施例34から、エステル交換油脂2の配合量が少ないと、ココナッツのエグ味をやや感じ易くなる傾向があり、乳化性能、クリーミング性、抱卵性が低下する傾向がある。実施例33と実施例28の対比より、エステル交換油脂2はエステル交換油脂1に比べて乳化性能に優れる。また、エステル交換油脂2を配合しない実施例37~40は、実施例33と同様に乳化性能が低下した。エステル交換油脂2の配合量を多くした実施例35は、ココナッツのエグ味をやや感じ易くなる傾向があり、コク味もやや出にくい傾向がある。
実施例25、26は、ヨウ素価2のエステル交換油脂4を配合した。実施例25は、実施例6からヤシ極度硬化油をエステル交換油脂4に置き換え、実施例26は更にパーム分別軟質油の一部も置き換えたが、ココナッツのエグ味抑制やコク味に関しては最良であった。
実施例36は、実施例6から米油を配合せずパーム分別軟質油に置き換えた配合としたが、ココナッツのエグ味をやや感じ易くなる傾向があり、クリーミング性、抱卵性がやや低下する傾向がある。
エステル交換油脂3を配合しない実施例41、42はクリーミング性や抱卵性が低下した。
(4)クッキーの作製
薄力粉100質量部、上白糖40質量部、卵15質量部、実施例6、10、18、38、比較例1、6、8について得られた可塑性乳化油脂組成物60質量部の生地配合にてミキシングして生地を作製し、棒状に成型後、冷蔵庫で一旦生地を休ませた。この生地を8mm厚に輪切りし、鉄板に並べて、180℃で12分焼成し、クッキーを得た。得られたクッキーは、30分放置して粗熱を取った後、ポリ袋に入れて密封し、25℃にて1週間保存した後、下記の風味評価を行った。
[ココナッツのエグ味]
作製したクッキーを用い、口の中に広がるココナッツのエグ味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、エグ味がないと評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、エグ味がないと評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、エグ味がないと評価した。
△:パネル10名中3~4名が、エグ味がないと評価した。
×:パネル10名中エグ味がないと評価したのは2名以下であった。
[ココナッツのコク味]
作製したクッキーを用い、口の中に広がるココナッツのコク味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、コク味があると評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、コク味があると評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、コク味があると評価した。
△:パネル10名中3~4名が、コク味があると評価した。
×:パネル10名中コク味があると評価したのは2名以下であった。
[乳風味]
作製したクッキーを用い、口の中に広がる乳風味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、乳風味があると評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、乳風味があると評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、乳風味があると評価した。
△:パネル10名中3~4名が、乳風味があると評価した。
×:パネル10名中乳風味があると評価したのは2名以下であった。
(5)テーブルロールの作製
<テーブルロールの製造>
下記の配合および製造条件によりパンを製造した。まず、イーストを分散させた水、イーストフード、および油脂以外の材料をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速3分、中低速4分でミキシングを行った後、実施例6、10、18、38、比較例1、6、8について得られた本発明品である油脂を投入し、さらに低速2分、中低速4分ミキシングし、捏上げ温度は28℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で1時間発酵を行った。発酵の終点温度は28℃であった。その後、分割、成型後、焼成しテーブルロールを得た。
〈テーブルロールの配合〉
強力粉 90質量部
薄力粉 10質量部
砂糖 12質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 3質量部
全卵 10質量部
本発明可塑性乳化油脂組成物 12質量部
イースト 3質量部
イーストフード 0.1質量部
水 52質量部
〈テーブルロールの製造条件〉
混捏: 低速3分、中低速4分、(本発明可塑性乳化油脂組成物を投入)、
低速2分、中低速4分
捏上温度: 28℃
発酵時間: 27℃ 75% 1時間
終点温度: 28℃
分割重量: 40g
ベンチタイム: 20分
成型: ナプキンロール
ホイロ: 38℃ 80% 60分
焼成: 200℃ 10分
[ココナッツのエグ味]
作製したテーブルロールを用い、口の中に広がるココナッツのエグ味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、エグ味がないと評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、エグ味がないと評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、エグ味がないと評価した。
△:パネル10名中3~4名が、エグ味がないと評価した。
×:パネル10名中エグ味がないと評価したのは2名以下であった。
[ココナッツのコク味]
作製したテーブルロールを用い、口の中に広がるココナッツのコク味をパネル10名により以下の基準で評価した。評価はコク味があると評価したパネルの数によって段階分けを行った。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、コク味があると評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、コク味があると評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、コク味があると評価した。
△:パネル10名中3~4名が、コク味があると評価した。
×:パネル10名中コク味があると評価したのは2名以下であった。
[乳風味]
作製したテーブルロールを用い、口の中に広がる乳風味をパネル10名により以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:パネル10名中9名以上が、乳風味があると評価した。
◎:パネル10名中7~8名が、乳風味があると評価した。
〇:パネル10名中5~6名が、乳風味があると評価した。
△:パネル10名中3~4名が、乳風味があると評価した。
×:パネル10名中乳風味があると評価したのは2名以下であった。
<味覚センサー>
フードプロセッサーに実施例6、10、18、38、比較例1、8の可塑性乳化油脂組成物をそれぞれ30g計量し、60℃に保温した120gの純水を加え、フードプロセッサーで1分間攪拌する。冷蔵で1時間静置し、上層の油脂分を固める。上層の油層分を取り除き、水相部分を測定サンプルとした。TS-5000Z((株)インテリジェントセンサーテクノロジー製)を用い20℃にて得られたサンプルの塩味、うま味、苦味雑味の測定を行った。表7の数値はセンサーの応答値(mV)であり、数値が大きい程、測定した味を感じ易い。
上記の各評価結果を表5~表7に示す。表5、表6の評価においては、△以上は最低限の基準を満たすと判断した。△は最低限許容し得るレベルで、基本的には○以上が課題解決において望ましいレベルである。その中でも◎は○と有意に差がみられ、◎+は◎と有意に差がみられ、課題解決等の点で区別される程度に好ましいことを示している。
Figure 0007242204000005
Figure 0007242204000006
Figure 0007242204000007
表5、表6はココナッツクリームの配合量を変更した実施例においてクッキーとテーブルロールを焼成した結果である。ココナッツ胚乳抽出物を配合しない比較例1に対して、実施例6、10は3質量%配合し、実施例18は10質量%配合している。その結果、配合量に応じて、乳風味を強く感じる評価となった。比較例8はココナッツ胚乳抽出物を配合せずに、乳脂肪を5%質量配合している。その配合に対して実施例38ではココナッツ胚乳抽出物を3質量%配合している。その結果、クッキーやテーブルロールの焼成品において、乳風味が増強されるという評価が得られた。表7は、各実施例で作製した乳化油脂組成物を味覚センサーにて測定した結果を示している。ココナッツ胚乳抽出物の配合量によって、塩味、うま味が上昇し、苦味雑味の数値が下がり、その結果、表5、表6で示したように、焼成品に乳風味を感じさせ、また乳脂肪を含んでいる焼成品については、乳風味の増強に繋がっている。

Claims (4)

  1. ココナッツ胚乳抽出物および構成脂肪酸としてラウリン酸を含有する油脂を含む可塑性乳化油脂組成物であって、
    前記ココナッツ胚乳抽出物は、ココナッツミルク、ココナッツクリーム、ココナッツパウダーのうちの少なくともいずれかであり、かつ、可塑性乳化油脂組成物に含まれる前記ココナッツ胚乳抽出物の含有量が固形分換算で0.1質量%以上13質量%以下であり、
    ラウリン系油脂を原料として含むエステル交換油脂を含有する、可塑性乳化油脂組成物。
  2. ヨウ素価40以下のエステル交換油脂を含有する請求項1に記載の可塑性乳化油脂組成物。
  3. ヨウ素価25~40のエステル交換油脂を含有する請求項1に記載の可塑性乳化油脂組成物。
  4. ヨウ素価30~40のエステル交換油脂を含有する請求項1に記載の可塑性乳化油脂組成物。
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