JP7397613B2 - 油脂組成物 - Google Patents

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本発明は、油脂組成物に関する。
近年、バターや調整脂などの乳脂の価格が急騰しており、コストを抑制するために、乳脂肪量を減らした油脂組成物についての検討がなされている。一般に、乳脂肪量を減らした油脂組成物は、乳脂感やミルク風味などが弱くなるため、これらの風味を補うための材料を配合する技術が提案されている。
特許文献1には、酵母エキスを所定量含有する乳脂様風味油脂が記載されている。また、特許文献2には、乳酸発酵風味素材と遊離アミノ酸を含有する可塑性油中水型乳化物が記載されている。
特開2016-185079号公報 特開2014-68583号公報
しかしながら、特許文献1、2の技術の場合、酵母エキスや遊離アミノ酸に起因するエグ味が残ってしまう場合があるため、良好な乳脂感、深いミルク風味および爽やかさを得ることが難しいという問題がある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、乳脂肪量を減らした場合であっても、良好な乳脂感、深いミルク風味および爽やかさを実現することができる油脂組成物を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の油脂組成物は、油脂、ストロベリーフラノンを含む油脂組成物であって、
前記ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm以上であり、かつ、前記油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下であることを特徴としている。
本発明の油脂組成物は、乳脂肪量を減らした場合であっても、良好な乳脂感、深いミルク風味および爽やかさを得ることができる。
味覚センサーによってサンプルの旨みコク、苦味雑味、渋み刺激の測定を行った結果を示す図である。
以下、本発明の油脂組成物の一実施形態について説明する。
本発明の油脂組成物は、油脂およびストロベリーフラノンを含む。
油脂は、通常食品に添加することができるものであれば特に制限はなく、また、常温で液体、固体等の形態は問わないが、常温で液体であることが好ましく考慮される。このような油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、ヤシ油、カカオ脂、パーム油、パーム核油および藻類油等の植物油脂が例示される。また、乳脂、豚脂、牛脂、魚油等の動物油脂が例示される。また、これらの食用油脂の分別(例えば分別乳脂低融点部、パームスーパーオレイン等)、硬化、エステル交換から選択される1種又は2種以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。食用油脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用した調合油を用いてもよい。
なかでも、油脂は、ラウリン系油脂(a1)とパーム系油脂(a2)とのエステル交換油脂(a)を含むことが好ましい。
エステル交換油脂(a)の原料であるラウリン系油脂(a1)は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上の油脂であり、例えば、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのラウリン系油脂(a1)のうち、ヤシ油に比べて融点が高く、高融点のエステル交換油脂(a)を容易に得ることができる点を考慮すると、パーム核油、その分別油や硬化油が好ましい。硬化油の場合、水素添加量によってトランス脂肪酸の含有量が増加する虞があるため、硬化油を用いる場合には微水素添加したものか、低温硬化したもの、または完全水素添加した極度硬化油が好ましく、特に極度硬化油が好ましい。
ラウリン系油脂(a1)は、ヨウ素価が2以下の油脂を含有することが好ましい。ヨウ素価が2以下の油脂を用いると、トランス脂肪酸の生成の虞が少なく、エステル交換油脂(a)を他の油脂と混合する際に結晶核となり、固化し易くかつ口溶けの良い油脂組成物となる。ヨウ素価が2以下の油脂としては、極度硬化油が挙げられる。
エステル交換油脂(a)の原料であるパーム系油脂(a2)は、全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量が35質量%以上である。パーム系油脂(a2)としては、パーム油、パーム分別油やこれらの硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。パーム分別油としては、硬質部、軟質部、中融点部などを用いることができる。硬化油の場合、水素添加量によってトランス脂肪酸の含有量が増加する虞があるため、硬化油を用いる場合には微水素添加したものか、低温硬化したもの、または完全水素添加した極度硬化油が好ましく、特に極度硬化油が好ましい。
パーム系油脂(a2)は、ヨウ素価が50~60の油脂を含有することが好ましい。ヨウ素価が50~60の油脂を用いることで、含有する飽和脂肪酸量から結晶性に優れ、また不飽和脂肪酸を含む点からフレーバーリリースと可塑性に優れた油脂の作製が可能となる。またパーム系油脂(a2)は、極度硬化油を含有することが好ましい。パーム系油脂(a2)に極度硬化油が含有されていると、エステル交換油脂(a)の融点を高めることができ、結晶性が良好になる。
エステル交換油脂(a)において、ラウリン系油脂(a1)と、パーム系油脂(a2)とのエステル交換反応には、エステル交換触媒として化学触媒や酵素触媒が用いられる。化学触媒としてはナトリウムメチラートや水酸化ナトリウムなどが用いられ、酵素触媒としてはリパーゼなどが用いられる。リパーゼとしてはアスペルギルス属、アルカリゲネス属などのリパーゼが挙げられ、イオン交換樹脂、ケイ藻土、セラミックなどの担体上に固定化したものを用いても、粉末の形態として用いても良い。また位置選択性のあるリパーゼ、位置選択性のないリパーゼのいずれも用いることができるが、位置選択性のないリパーゼを用いることが好ましい。エステル交換触媒として化学触媒や位置選択性のない酵素触媒を用いた場合、ラウリン系油脂(a1)とパーム系油脂(a2)とのエステル交換反応が完了すると、構成脂肪酸として飽和脂肪酸(S)を2個、不飽和脂肪酸(U)を1個含む2飽和トリグリセリドのうち、対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)とのエステル交換油脂(a)中における質量比(SUS/SSU)が0.45~0.55の範囲内となる。SUS/SSUがこの範囲内であると、他の油脂との相溶性が良好になる。
エステル交換反応に化学触媒を用いる場合、触媒を油脂質量の0.05~0.15質量%添加し、減圧下で80~120℃に加熱し、0.5~1.0時間攪拌することでラウリン系油脂(a1)とパーム系油脂(a2)とのエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂(a)を得ることができる。また、酵素触媒を用いる場合、リパーゼなどの酵素触媒を油脂質量の0.01~10質量%添加し、40~80℃でエステル交換反応を行うことによりエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂(a)を得ることができる。エステル交換反応はカラムによる連続反応、バッチ反応のいずれの方法でも行うことができる。エステル交換反応後、必要に応じて脱色、脱臭などの精製を行う。
エステル交換油脂(a)は、ヨウ素価が20~45であることが好ましく、20~33であることが好ましく、28~33であることがより好ましい。ヨウ素価がこの範囲内であると、他の油脂との相溶性がよくなり、フレーバーリリース、良好な乳脂感、深いミルク風味および爽やかさを得ることができる。エステル交換油脂(a)は、1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。エステル交換油脂(a)を2種以上組み合わせて使用する場合は、全体のヨウ素価が前記範囲となるように調整することができる。
本発明の油脂組成物において、エステル交換油脂(a)の含有量は、油脂全体の質量に対して5~60質量%が好ましく、20~50質量%がさらに好ましい。エステル交換油脂(a)の含有量がこの範囲であると、良好な乳脂感、深いミルク風味および爽やかさを得ることができる。特に油脂組成物が水中油型乳化物である場合、(a)の含有量は、油脂全体の質量に対して5~30質量%である事が好ましい。
ラウリン系油脂(a1)における全構成脂肪酸中のラウリン酸の割合、パーム油起源の油脂(a2)における全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量、エステル交換反応の終了は、ガスクロマトグラフ法により確認することができる。
また、本発明の油脂組成物中に含まれる油脂の量は、その用途に応じて適宜設定することができるが、例えば、油脂組成物100質量部に対し30~100質量部の範囲を例示することができる。
本発明の油脂組成物は、油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下(0質量%を含む)であり、6~40質量%であることがより好ましく、10~20質量%であることが特に好ましい。油脂中の乳脂肪の含有量がこの範囲であると、コストを抑えることができ、良好な乳脂感、深いミルク風味を実現しつつも、あっさりとした爽やかな乳風味を得ることができる。
本発明の油脂組成物は、ストロベリーフラノン(フラネオール)を0.001ppm以上含有している。ストロベリーフラノンの含有量は、例えば、0.002~0.7ppmであることが好ましく、0.02~0.5ppmであることがより好ましく、0.02~0.4ppmであることが最も好ましい。ストロベリーフラノンの含有量がこの範囲であると、良好な乳脂感、深いミルク風味を実現しつつも、あっさりとした爽やかな乳風味を得ることができる。
また、本発明の油脂組成物は、マルトールの含有量が0.2~25ppmであることが好ましく、1.0~17ppmであることがより好ましく、1.0~14ppmであることが特に好ましい。この範囲のマルトールが配合されていることで、特に、乳脂感、深いミルク風味を高めることができる。
ストロベリーフラノンおよびマルトールは、それぞれ単独の成分として油脂組成物に配合することもできるし、ストロベリーフラノンおよびマルトールを含む材料とともに油脂組成物に配合することもできる。ストロベリーフラノンやマルトールを含む材料としては、例えば、発酵バターと植物油脂の混合物、クリームチーズ、発酵乳、加熱バターオイル、糖と濃縮乳の加熱混合物(粉末状を含む)、バターなどの呈味素材を例示することができる。これらの材料に含まれるストロベリーフラノンおよびマルトールの量に基づいて、油脂組成物への配合量を調整することができる。なかでも、糖と濃縮乳の粉末状加熱混合物を配合することが好ましく、これにより、ストロベリーフラノンおよびマルトールの量を好ましい範囲に調製することができ、乳脂感、深いミルク風味を高めることができる。
本発明の油脂組成物がマルトールを含む場合、ストロベリーフラノンとマルトールの配合比(ストロベリーフラノン/マルトール)は、0.005~0.15の範囲を例示することができ、0.01~0.05であることが好ましく、0.02~0.03であることがより好ましい。ストロベリーフラノンとマルトールの配合比(ストロベリーフラノン/マルトール)がこの範囲であると、良好な乳脂感、深いミルク風味、爽やかな乳風味を得ることができる。
さらに、本発明の油脂組成物には、上記以外に必要に応じて乳化剤、糖類、増粘安定剤、タンパク質、アルコール、着色料、フレーバー(香料)等を配合することができる。
乳化剤は、通常食品に添加することができる乳化剤であれば特に制限はなく、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、ポリソルベート、ステアロイル乳酸塩(ナトリウム、カルシウム)等が例示され、1種単独または2種以上を併用することが好ましく考慮される。
糖類としては、例えば、砂糖、異性化糖、液糖、澱粉糖化物、糖アルコール、乳糖等が例示される。前記糖アルコールとしては、1糖アルコール(ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール等)、2糖アルコール(マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール)、3糖アルコール(マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等)、4糖アルコール(マルトテトライトール等)等が例示される。
増粘安定剤としては、例えば、寒天、アルギン酸ナトリウム、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、グルコマンナン、ジェランガム、大豆多糖類、イヌリン、タラガム、ローカストビーンガム、カードラン、アラビアガム、タマリンドシードガム、ウェランガム、ペクチン、結晶セルロース、セルロースエーテル等が例示される。前記セルロースエーテルとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が例示される。
タンパク質としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、牛乳、生クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、小麦蛋白質等が例示され、その分解物等も好適に使用できる。
アルコールとしては、例えば、エタノール、グリセリン等が例示される。
フレーバーとしては、例えば、バターフレーバー、ミルクフレーバー、クリームフレーバー、チーズフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、紅茶フレーバー、カスタードフレーバー、ナッツフレーバー、フルーツフレーバー、はちみつフレーバー、メイプルフレーバーなどが挙げられる。本発明の油脂組成物には、油溶性フレーバーが好ましく使用される。
本発明の油脂組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、油相と水相とを適宜に加熱し混合して乳化した後、冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。より具体的には、まず油相と水相を調製する。油相は、油脂の他に油溶性フレーバーなどを使用する場合には、これらを油相に添加してもよい。水相は、水溶性の成分を使用する場合には、これらを水相に添加する。これらの油相と水相は、好ましくは50~90℃、より好ましくは65~85℃に加熱し、添加した成分を完全に溶解しておくことが望ましい。これらの油相と水相を加熱下で混合し乳化する。例えば、加熱された油相に加熱された水相をゆっくりと添加しながら乳化する。その後、必要に応じて、フレーバーなどの他の添加成分を加えてもよい。その後、加熱された乳化物をコンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサスなどの冷却混合機により急冷捏和し、本発明の油脂組成物を得ることができる。また、必要に応じて冷却混合機において窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込んだり、急冷捏和後に、油脂組成物を熟成(テンパリング)してもよい。そして、本発明の油脂組成物は、従来知られている方法により、例えば、マーガリン、バタークリーム、ショートニング、ホイップクリームなどに加工して利用することができる。
本発明の油脂組成物は、油相および水相を含有する形態であり、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型が挙げられ、油相の含有量は、好ましくは25~99.4質量%、より好ましくは65~98質量%であり、水相の含有量は、好ましくは0.6~75質量%、より好ましくは2~35質量%である。その中でも油中水型が好ましく、例えばマーガリンが挙げられる。また水相を実質的に含有しない形態としてはショートニングが挙げられる。ここで「実質的に含有しない」とは水相の含有量が0.5質量%以下のことであり、日本農林規格のショートニングに該当するものである。
本発明の油脂組成物は、以上の実施形態に限定されるものではない。
以下に、実施例により本発明の油脂組成物などについて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<1>呈味素材A~E
使用した呈味素材A~Eの材料と、乳脂肪含有量、ストロベリーフラノン(フラネオール)、マルトールの含有量を表1に示す。
Figure 0007397613000001
<2>ストロベリーフラノンおよびマルトールの測定法
SPME-GC/MS(固相マイクロ抽出-GC/MS)による香気成分の捕集、測定を行った。
SPME-GC/MSによる香気成分の捕集、測定は下記の方法で行った。
油脂組成物2gを20mLバイアルビンに秤量し、シリコンセプタムおよびアルミニウム製のキャップを用いて密封した。80℃恒温槽にて15分間インキュベートし、その後80℃にて25分間SPMEファイバー(50/30 DVB/Carboxen/PDMS (SUPELCO社製))に香気成分を吸着した後、GC/MSにて測定した。香気成分の分析機器には、Agilent 7890A/5975C GC/MSD (AgilentTechnologies社製)を使用し、DB-WAX UI(内径0.25mm 長さ60m 膜厚0.5μm Intert Cap社製)カラムを用いた。香気成分の定量は内部標準法にて計算した。
測定条件は以下に示すとおりである。すなわち、スプリットレスモード、注入口温度250℃、キャリアガスHe、カラム初期流量1.2mL/min、オーブン条件40℃5分保持後、240℃まで10℃/minで昇温後、20分保持して、香気成分の分離を行った。MS条件は以下に示すとおりである。すなわち、検出器はイオントラップ型(EIモード)、測定はスキャンモード、MSトラップ温度230℃、トランスファー温度250℃、質量範囲29~400m/z、スキャン速度0.5sec/scanとした。測定結果の解析は GC/MS付属の解析ソフトを使用して行い、香気成分の同定にはNIST08 Mass Spectral Libraryをデータベースとして使用した。
<3>油脂
表2~5に記載の油脂1~8には、次のものを使用した。
油脂1:エステル交換油脂(a)
ラウリン系油脂(a1):パーム核極度硬化油(ヨウ素価2)、
パーム系油脂(a2):パーム油(ヨウ素価53)、パーム極度硬化油(ヨウ素価2)、
パーム核極度硬化油25質量%、パーム油50質量%、パーム極度硬化油25質量%を混合して110℃に加熱し、十分に脱水させた後、化学触媒としてナトリウムメチラートを油脂量の0.08質量%添加し、減圧下、100℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗して触媒を除去し、活性白土を用いて脱色し、更に脱臭を行って油脂1(エステル交換油脂)を得た。この油脂1のヨウ素価は27.5であった。
油脂2:エステル交換油脂(a)
ラウリン系油脂(a1):パーム核油(ヨウ素価18)
パーム系油脂(a2):パーム油(ヨウ素価53)
パーム核油50質量%、パーム油50質量%を原料に使用し、油脂1の製法に準じてエステル交換反応を行い、油脂2(エステル交換油脂)を得た。この油脂2のヨウ素価は35.5であった。
油脂3:エステル交換油脂
パーム系油脂(a2)としてパーム分別軟質油を原料に使用し、油脂1の製法に準じてエステル交換反応を行い、油脂3(エステル交換油脂)を得た。この油脂3のヨウ素価は56であった。
油脂4:エステル交換油脂
ラウリン系油脂(a1)としてパーム核極度硬化油を原料に使用し、油脂1の製法に準じてエステル交換反応を行い、油脂4(エステル交換油脂)を得た。この油脂4のヨウ素価は2であった。
エステル交換油脂以外の油脂として、以下の油脂を使用した。
油脂5:ヤシ極度硬化油(ヨウ素価2)
油脂6:菜種油(ヨウ素価110)
油脂7:ヤシ油(ヨウ素価8)
油脂8:パーム分別中融点油(ヨウ素価46)
油脂9:パーム分別軟質油(ヨウ素価56)
<4>官能評価
以下に示す官能評価は評価を行ったパネルに関して、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20~40代の男性8名と女性12名をパネルとして選抜した。評価を実施するにあたりパネル全体で討議し、各評価項目の特性に対してすり合わせを行って、各パネルが共通認識を持つようにした。また、官能評価におけるパネルの偏りを排除し、評価の精度を高めるために、サンプルの試験区番号や内容はパネルに知らせず、ランダムに提示した。
<5>マーガリン
表2に示す配合の油脂を75℃に調温して油相とした。一方、水に対し表2に示す呈味素材(A~E)を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、油相に水相を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和し、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、5℃で保管した。なお、マーガリンの配合は全体で100質量部とし、残部を水とする。
<クッキーの作製>
薄力粉100質量部、上白糖40質量部、卵18質量部、表2の配合にて作製した油脂組成物(マーガリン)60質量部の生地配合にてミキシングして生地を作製し、棒状に成型後、冷蔵庫で一旦生地を休ませた。この生地を8mm厚に輪切りし、鉄板に並べて、180℃で12分焼成し、クッキーを得た。得られたクッキーは、30分放置して粗熱を取った後、ポリ袋に入れて密封し、25℃にて1週間保存した後、クッキーの乳脂感、爽やかさおよび深いミルク風味について、以下の評価基準で評価した。
(クッキーの乳脂感)
焼成したクッキーを喫食し、感じる乳脂感を以下の基準で評価した
◎+:20名17名以上が乳脂感があると評価した
◎:20名中13名~16名が乳脂感があると評価した
○:20名中9名~12名が乳脂感があると評価した
△:20名中5名~8名が乳脂感があると評価した
×:乳脂感があると評価したのは20名中4名以下であった
(爽やかさ)
焼成したクッキーを喫食し、感じる爽やかさを以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が爽やかさがあると評価した
◎:20名中13名~16名が爽やかさがあると評価した
○:20名中9名~12名が爽やかさがあると評価した
△:20名中5名~8名が爽やかさがあると評価した
×:爽やかさがあると評価したのは20名4名以下であった
(深いミルク風味)
焼成したクッキーを喫食し、感じる深いミルク風味を以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が深いミルク風味があると評価した
◎:20名中13名~16名が深いミルク風味があると評価した
○:20名中9名~12名が深いミルク風味があると評価した
△:20名中5名~8名が深いミルク風味があると評価した
×:深いミルク風味があると評価したのは20名4名以下であった
(総合評価)
得られた評価のうち、◎+:5点、◎:4点、○:3点、△:2点、×:1点とし、
合計点を総合評価とした
◎+:14~15点
◎:12~13点
○:8~11点
△:5~7点
×:3~4点
(3)結果を表2に示す。
Figure 0007397613000002
表2に示したように、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm以上であり、かつ、油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下である実施例1~21では、乳脂肪量を減らした場合であっても、乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味が良好であることが確認された。特に、油脂1、2を含み、ストロベリーフラノンの含有量が0.02ppm以上であり、かつ、マルトールの含有量が1ppm以上である実施例2~6、10、13、16は、特に乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味が優れていることが確認された。
一方、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm未満である比較例1、2と油脂中の乳脂肪が85質量%超である比較例3では、十分な乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味を得ることはできなかった。
<6>バタークリーム
(1)表3に示す配合にて、上記マーガリンの作製の製造手順に準じ、バタークリーム用乳化油脂組成物を作製した。水相に呈味素材(A~E)を添加し、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和して、各油脂組成物を得た。
この油中水型乳化物を10℃で5日保存した後、15℃に調温して、卓上ミキサー(Kitchen Aid社)を用いて、調温した乳化油脂組成物500gを多羽ホイッパーで速度1にて30秒クリーミングした後、速度4にて比重0.5まで含気させてバタークリームを得た。
(2)乳脂感、爽やかさおよび深いミルク風味について、バタークリームを喫食し、乳脂感、爽やかさおよび深いミルク風味について、以下の評価基準で評価した。
(バタークリームの乳脂感)
バタークリームを喫食し、感じる乳脂感を以下の基準で評価した
◎+:20名17名以上が乳脂感があると評価した
◎:20名中13名~16名が乳脂感があると評価した
○:20名中9名~12名が乳脂感があると評価した
△:20名中5名~8名が乳脂感があると評価した
×:乳脂感があると評価したのは20名中4名以下であった
(爽やかさ)
バタークリームを喫食し、感じる爽やかさを以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が爽やかさがあると評価した
◎:20名中13名~16名が爽やかさがあると評価した
○:20名中9名~12名が爽やかさがあると評価した
△:20名中5名~8名が爽やかさがあると評価した
×:爽やかさがあると評価したのは20名4名以下であった
(深いミルク風味)
バタークリームを喫食し、感じる深いミルク風味を以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が深いミルク風味があると評価した
◎:20名中13名~16名が深いミルク風味があると評価した
○:20名中9名~12名が深いミルク風味があると評価した
△:20名中5名~8名が深いミルク風味があると評価した
×:深いミルク風味があると評価したのは20名4名以下であった
(総合評価)
得られた評価のうち、◎+:5点、◎:4点、○:3点、△:2点、×:1点とし、
合計点を総合評価とした
◎+:14~15点
◎:12~13点
○:8~11点
△:5~7点
×:3~4点
Figure 0007397613000003
表3に示したように、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm以上であり、かつ、油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下である実施例22~27では、乳脂肪量を減らした場合であっても、乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味が良好であることが確認された。特に、油脂1、2を含み、ストロベリーフラノンの含有量が0.02ppm以上であり、かつ、マルトールの含有量が多い実施例22、23、24は、特に爽やかさ、深いミルク風味が優れていることが確認された。
一方、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm未満である比較例4、5では、十分な乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味を得ることはできなかった。
<7>ショートニング
(1)表4に示す配合の油脂を75℃に調温して油相とした。呈味素材(D、E)を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、パーフェクターによって急冷捏和し、ショートニングを得た。得られたショートニングは、5℃で保管した。
<食パンの作製>
上記の方法で作製したショートニングを用い、下記の配合と工程により食パンを作製した。
イーストを分散させた水、イーストフード、および強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速4分、中低速1分でミキシングを行った。捏上げ温度は24℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で4時間発酵を行った。発酵の終点温度は29℃であり、発酵後、中種生地を得た。
その後、表4に示したショートニング以外の材料および中種生地を、低速3分、中低速3分でミキシングした後、発明品であるショートニングを投入し、さらに低速3分、中低速4分でミキシングしパン生地を得た。捏上温度は28℃であった。その後、室温で20分フロアタイムをとった後、分割してベンチタイムを20分とった。3斤型に成型して、38℃、湿度80%のホイロで45分発酵させた後、200℃で40分間焼成して食パンを得た。
〈食パンの配合〉
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 2.5質量部
イーストフード 0.1質量部
水 40質量部
・中種工程
ミキシング 低速3分 中低速1分(フック使用)
捏上温度 24℃
発 酵 発酵室温27℃ 湿度75% 3時間
・本捏配合
強力粉 30質量部
上白糖 6質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
表4発明品 5質量部
水 25質量部
・本捏工程(本捏配合の表4の油脂組成物以外の全材料および中種生地全量を添加)
ミキシング 低速3分 中低速3分
(表4の油脂組成物を投入)、低速3分 中低速4分
捏上温度 28℃
フロアタイム 28℃ 20分
生地分割 230g
ベンチタイム 28℃ 20分
成 型 モルダーで延ばしロール型に成型
U型にしてプルマン型に6本詰め
ホイロ 室温38℃ 湿度80% 40分
焼 成 200℃ 40分
食パンを焼成後2時間室温で放冷し、放冷後20℃で1日保管したものについて、食パンの評価に用いた。
(2)乳脂感、爽やかさおよび深いミルク風味について、以下の評価基準で評価した。
(食パンの乳脂感)
焼成した食パンを喫食し、感じる乳脂感を以下の基準で評価した
◎+:20名17名以上が乳脂感があると評価した
◎:20名中13名~16名が乳脂感があると評価した
○:20名中9名~12名が乳脂感があると評価した
△:20名中5名~8名が乳脂感があると評価した
×:乳脂感があると評価したのは20名中4名以下であった
(爽やかさ)
焼成した食パンを喫食し、感じる爽やかさを以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が爽やかさがあると評価した
◎:20名中13名~16名が爽やかさがあると評価した
○:20名中9名~12名が爽やかさがあると評価した
△:20名中5名~8名が爽やかさがあると評価した
×:爽やかさがあると評価したのは20名4名以下であった
(深いミルク風味)
焼成した食パンを喫食し、感じる深いミルク風味を以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が深いミルク風味があると評価した
◎:20名中13名~16名が深いミルク風味があると評価した
○:20名中9名~12名が深いミルク風味があると評価した
△:20名中5名~8名が深いミルク風味があると評価した
×:深いミルク風味があると評価したのは20名4名以下であった
(総合評価)
得られた評価のうち、◎+:5点、◎:4点、○:3点、△:2点、×:1点とし、
合計点を総合評価とした
◎+:14~15点
◎:12~13点
○:8~11点
△:5~7点
×:3~4点
(3)結果を表4に示す。
Figure 0007397613000004
表4に示したように、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm以上であり、かつ、油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下である実施例28~31では、乳脂肪量を減らした場合であっても、乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味が良好であることが確認された。特に、油脂1、2を含み、ストロベリーフラノンの含有量が0.02ppm以上であり、かつ、マルトールの含有量が好ましい範囲である実施例29~31は、特に爽やかさ、深いミルク風味が優れていることが確認された。一方、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm未満である比較例7では、十分な乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味を得ることはできなかった。
<8>ホイップクリーム
(1)表5に示す配合の呈味素材(A~E)を使用し、起泡性水中油型乳化物を作製した。呈味素材、液糖、ショ糖脂肪酸エステル、リン酸ナトリウム、増粘多糖類を添加した水相を60℃に加温し、油相を添加し攪拌して乳化した後、高温(約140℃)で殺菌し、高圧ホモジナイザーで均質化した。さらに5℃に急冷し、48時間冷蔵保管した。
起泡性水中油型乳化物における配合量は次のとおりである。なお、残部を水とし、全体を100質量部とした。
油脂原料 表5記載
呈味素材 表5記載
液糖 5.0質量%
乳化剤 0.67質量%
グリセリン脂肪酸エステル 0.2質量%
レシチン 0.2質量%
ショ糖脂肪酸エステル 0.4質量%
リン酸ナトリウム 0.2質量%
増粘多糖類 0.05質量%
<ホイップドクリームの作製>
上記のようにして得られた起泡性水中油型乳化物4kgに0.4kgのグラニュー糖を加え、20コートボウル内で5℃に調温後、縦型ミキサー(関東混合機工業(株)製)を使用し、起泡させ、ホイップドクリームを得た。
(2)乳脂感、爽やかさおよび深いミルク風味について、以下の評価基準で評価した。
(ホイップドクリームの乳脂感)
ホイップドクリームを喫食し、感じる乳脂感を以下の基準で評価した
◎+:20名17名以上が乳脂感があると評価した
◎:20名中13名~16名が乳脂感があると評価した
○:20名中9名~12名が乳脂感があると評価した
△:20名中5名~8名が乳脂感があると評価した
×:乳脂感があると評価したのは20名中4名以下であった
(爽やかさ)
ホイップドクリームを喫食し、感じる爽やかさを以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が爽やかさがあると評価した
◎:20名中13名~16名が爽やかさがあると評価した
○:20名中9名~12名が爽やかさがあると評価した
△:20名中5名~8名が爽やかさがあると評価した
×:爽やかさがあると評価したのは20名4名以下であった
(深いミルク風味)
ホイップドクリームを喫食し、感じる深いミルク風味を以下の基準で評価した
◎+:20名中17名以上が深いミルク風味があると評価した
◎:20名中13名~16名が深いミルク風味があると評価した
○:20名中9名~12名が深いミルク風味があると評価した
△:20名中5名~8名が深いミルク風味があると評価した
×:深いミルク風味があると評価したのは20名4名以下であった
(総合評価)
得られた評価のうち、◎+:5点、◎:4点、○:3点、△:2点、×:1点とし、
合計点を総合評価とした
◎+:14~15点
◎:12~13点
○:8~11点
△:5~7点
×:3~4点
Figure 0007397613000005
表5に示したように、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm以上であり、かつ、油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下である実施例32~38では、乳脂肪量を減らした場合であっても、乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味が良好であることが確認された。特に、油脂1または油脂2を含み、ストロベリーフラノンの含有量が0.02ppm以上であり、かつ、マルトールの含有量が1ppm以上である実施例32、34、36は、特に爽やかさ、深いミルク風味が優れていることが確認された。なお、マルトールの含有量が18ppm以上である実施例37は、実施例32、34、36などと比較して各評価はやや劣っていた。
一方、ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm未満である比較例8では、十分な乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味を得ることはできなかった。
<9>味覚センサー
フードプロセッサーに実施例3、比較例1の油脂組成物を使用し、前記方法にて焼成したクッキーをそれぞれ30g計量し、40℃に保温した120gの基準液を加え、20分間40℃に置いてクッキーを膨潤させた。ブラウン製のブレンダーにて攪拌後、冷蔵で1時間静置し、上層の油脂分を固め取り除くと共に、水相部分を不織紙で濾過し測定サンプルとした。TS-5000Z((株)インテリジェントセンサーテクノロジー製)を用い20℃にて得られたサンプルの旨みコク、苦味雑味、渋み刺激の測定を行った。
結果を図1に示す。図1は、味覚センサーの結果により作製した図であり、数値(絶対値)が大きい程、測定した味を感じ易い。実施例3を使用したクッキーは、比較例1を使用したクッキーに比べ、旨みコクが強いという結果が得られた。また苦味雑味、渋味刺激が減少していることが確認され、その結果、乳脂感、爽やかさ、深いミルク風味の評価が最上となったと考えられる。

Claims (5)

  1. 油脂、ストロベリーフラノンを含む油脂組成物であって、
    前記油脂は、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油脂を含み、
    前記エステル交換油脂の含有量は、前記油脂全体の質量に対して5~60質量%であり、
    前記ストロベリーフラノンの含有量が0.001ppm以上であり、かつ、前記油脂中の乳脂肪の含有量が85質量%以下であることを特徴とする油脂組成物。
  2. マルトールを1.0~17ppm含むことを特徴とする請求項1の油脂組成物。
  3. 前記エステル交換油脂のヨウ素価が20~33であることを特徴とする請求項の油脂組成物。
  4. 糖と濃縮乳の加熱混合物を含むことを特徴とする請求項1からのいずれかの油脂組成物。
  5. 前記ストロベリーフラノンと前記マルトールの配合比(ストロベリーフラノン/マルトール)が、0.005~0.15であることを特徴とする請求項からのいずれかの油脂組成物。
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