JP2019010039A - 食用油脂および該食用油脂を含む食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な風味を有する食用油脂、特に低糖質食品への使用に適した食用油脂の提供。【解決手段】60〜99.9質量%の中鎖脂肪酸含有トリグリセリドおよび0.1〜30質量%の風味油脂を含む、食用油脂。前記中鎖脂肪酸含有トリグリセリドに占める中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、30〜100質量%である、食用油脂。前記中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを構成する中鎖脂肪酸の全量に占めるカプリン酸の含有量が、20〜100質量%である、食用油脂。前記風味油脂が、焙煎油、バージンオイル、及び動物油脂から選ばれる1種以上である、食用油脂。好ましくは、糖質の含有量が25質量%以下である、食品。亦、好ましくは、蛋白質と糖質の合計含有量に対する、脂質の含有量{脂質/(蛋白質+糖質)}が0.9以上である、食品。【選択図】なし

Description

本発明は、良好な風味を有し、低糖質食品に適した食用油脂に関する。
肥満あるいは糖尿病の対策として、糖質制限食が度々注目を集めてきた。2003〜2004年頃には、北米を中心にアトキンスダイエットが流行した。アトキンスダイエットは、通常1日あたり200〜300gといわれる炭水化物の摂取量を20〜40gと非常に少なくし、糖質の代わりに脂肪がエネルギーとして使われる状態に誘導する食事方法である。たんぱく質・脂質の摂取はあまり制限されないので、カロリーが高い肉類や揚げものを気兼ねなく食べられるということが、流行の一因ともいわれている。しかしながら、肉類や揚げ物ばかりの食事では、毎日摂取すると飽きがくる。また、たんぱく質の多い食事は腎臓に負担をかけるなど、良い面ばかりではない。
現在では、極端な糖質制限ではなく、1日の糖質摂取量を70〜130g程度に抑えた、おだやかな糖質制限も注目されている。おだやかな糖質制限により、無理なく糖質制限を継続できるとされている。また、低糖質素材として、全粒粉、ふすま、大豆粉など、糖質の含有量が低い穀類を使用した、各種食品が開発されている。低糖質食品において、摂取カロリーの大部分は脂質で補われることになるので、低糖質食品の食味に占める脂質の役割は相対的に大きいといえる。しかしながら、糖質を低減することによる食味の低下を抑えるために使用されるのは、現在のところ、高甘味度甘味料や糖アルコール(例えば、特許文献1)、食物繊維素材などである。しかし、糖質を糖質代替品で置き換えても、食味(風味がよく、食べやすい)の低下は避けられない。
特開2016−106584号公報
本発明の課題は、良好な風味を有する食用油脂、特に低糖質食品への使用に適した食用油脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、中鎖脂肪酸含有トリグリセリドおよび風味油脂を特定量含有する食用油脂を、低糖質食品に使用することにより、上記課題が解決することを見いだした。これにより、本発明は完成された。
本発明は以下のものを提供する。
(1)60〜99.9質量%の中鎖脂肪酸含有トリグリセリドおよび0.1〜30質量%の風味油脂を含む、食用油脂。
(2)前記中鎖脂肪酸含有トリグリセリドに占める中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、30〜100質量%である、(1)の食用油脂。
(3)前記中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを構成する中鎖脂肪酸の全量に占めるカプリン酸の含有量が、20〜100質量%である、(1)または(2)の食用油脂。
(4)前記風味油脂が、焙煎油、バージンオイル、および動物油脂から選ばれる1種以上である、(1)〜(3)の何れか1つの食用油脂。
(5)(1)〜(4)の何れか1つの食用油脂を含有する食品。
(6)糖質の含有量が25質量%以下である、(5)の食品。
(7)タンパク質と糖質の合計含有量に対する脂質の含有量(脂質/(タンパク質+糖質))が0.9以上である、(5)または(6)の食品。
本発明によると、食品の風味を引き立てる食用油脂、特に低糖質食品の風味を引き立てる食用油脂を提供できる。また、本発明によると、上記食用油脂を使用した風味のよい食品、特に風味のよい低糖質食品を提供できる。
〔本発明の実施の形態に係る食用油脂〕
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、60〜99.9質量%の中鎖脂肪酸含有トリグリセリドおよび0.1〜30質量%の風味油脂を含む、食用油脂である。
(風味油脂)
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される風味油脂は、一般に、食品の風味付けに使用される油脂である。例えば、焙煎油、バージンオイル、および動物油脂などが挙げられる。風味油脂は1種もしくは2種以上を任意に使用できる。
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される風味油脂の好ましい態様の1つは焙煎油である。焙煎油は、焙煎された油糧原料から搾油され、食用に適したものであれば特に限定されない。一般に焙煎油の製造においては、油糧原料(油糧種子など)は、鍋、ロータリーキルン、あるいはマイクロ波加熱などにより、直接もしくは間接に、乾式または湿式で、加熱焙煎(焙煎処理)される。焙煎された油糧原料は、そのまま、あるいは適当な粉砕機で粉砕され、その後、公知の圧搾装置(例えば、エキスペラー、玉締め機など)を用いて、常法により圧搾または圧搾抽出される。得られた焙煎油は、香ばしい風味をもつ茶褐色の油脂である。油糧原料としては、胡麻、大豆、菜種、落花生、サフラワー、ヒマワリ、小麦胚芽、コーンジャーム、カカオ豆、アーモンド、ならびに各種ナッツ類などが用いられる。焙煎油は、例として、焙煎胡麻油、焙煎落花生油、焙煎菜種油、焙煎紅花油、焙煎向日葵油、焙煎亜麻仁油、焙煎大豆油、および焙煎ココアバターなどが挙げられる。焙煎油は、好ましくは、焙煎ココアバター、焙煎落花生油または焙煎胡麻油であり、より好ましくは焙煎胡麻油である。
上記焙煎処理の条件は、特に制限はなく、焙煎処理する油糧原料により適宜設定すればよい。焙煎条件の一例を挙げると、焙煎される油糧原料は、平鍋、ロータリーキルン、あるいはマイクロ波加熱などにより、空気の存在下、120℃以上、好ましくは150〜200℃で2〜60分間、焙煎される。焙煎原料より搾油された焙煎油は、必要に応じて、濾過、水洗いなどが行われるが、通常の食用油脂(例えば、サラダ油)の製造過程で行われている精製工程(脱酸、脱色、脱臭など)は行なわれない。
焙煎油として焙煎胡麻油を例に挙げる。焙煎胡麻油は、好ましくはロビボンド比色値(25.4mmセル)が130〜350である。ここで、ロビボンド比色値(25.4mmセル)は、ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法2.2.1.1)に基づいて測定したY,R,Bの数字を以下の式に当てはめることにより求められる。焙煎胡麻油のロビボンド比色値(25.4mmセル)は、好ましくは150〜330であり、より好ましくは180〜300である。焙煎胡麻油のロビボンド値が上記範囲内にあると、本発明の食用油脂に好ましい焙煎風味が付与される。
ロビボンド比色値(25.4mmセル)=Y+10×R+10×B
Y:黄色スライドの数字
R:赤色スライドの数字
B:青色スライドの数字
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される風味油脂の好ましい態様の1つはバージンオイルである。バージンオイルは、油糧原料からそのまま搾油され、食用に適したものであれば特に限定されない。例えば、バージンオリーブオイル、バージンココナッツオイルなどが挙げられる。
上記バージンオリーブオイルは、酸度3.3以下であるものが好ましい。バージンオリーブオイルは、好ましくは、風味が豊かな、エキストラバージンオリーブオイルである。なお、バージンオリーブオイルおよびエキストラバージンオリーブオイルは、好ましくは国際オリーブオイル協会の定めた基準による。
バージンオリーブオイルは、選別・洗浄されたオリーブ果実を、粉砕・攪拌し、油と絞り粕に分離することで、製造できる。分離には、現在主流である「遠心分離法」や、昔ながらの伝統的製法である「圧搾法」を用いてもよい。なお、バージンオリーブオイルは、必要に応じてろ過などが行われるが、通常の食用油脂(例えば、サラダ油)の製造過程で行われている精製工程(脱酸、脱色、脱臭など)は行なわれない。
上記バージンココナッツオイルは、酸価が2以下であることが好ましい。バージンココナッツオイルは、好ましくは、風味が豊かな、エキストラバージンココナッツオイルである。なお、バージンココナッツオイルおよびエキストラバージンココナッツオイルは、好ましくはAPCC(Asian and Pacific Coconut Community)(国際連合アジア太平洋経済社会委員会(UN-ESCAP)の後援で組織された、ココナッツ生産国が加盟する政府間組織)が公表している基準による。
バージンココナッツオイルの製造方法としては、(1)ココヤシの胚乳を乾燥して得られたコプラを粗砕し、圧搾濾過する方法や、(2)ココヤシの堅果を割って得た胚乳を乾燥せず、直接圧搾濾過する方法や、(3)ココヤシの堅果を割って得た胚乳を乾燥せず直接圧搾濾過し、得られた油を静置して分離する方法等が挙げられる。前記(1)〜(3)の製造方法では、原料バージンココナッツオイルが有する芳香を損なわない限りにおいて、発酵・分離工程や、水(湯)洗い工程を必要に応じ追加実施してもよい。なお、バージンココナッツオイルは、通常の食用油脂(例えば、サラダ油)の製造過程で行われている精製工程(脱酸、脱色、脱臭など)は行われない。
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される風味油脂の好ましい態様の1つは動物油脂である。
動物油脂は、動物組織あるいは乳から、レンダリングなどにより得られ、食用に適したものであれば特に限定されない。例えば、乳脂肪、ラード、牛脂、鶏油などが挙げられる。動物油脂は、好ましくは乳脂肪である。
上記乳脂肪は、いわゆるバターとその加工品を含むものであり、より具体的には、バター、バターオイルもしくはそれらの分別油、分別油の発酵物、発酵バター、発酵バターオイルもしくはそれらの分別油などが挙げられる。乳脂肪は、必要に応じて、濾過、水洗いなどが行われるが、通常の食用油脂(例えば、サラダ油)の製造過程で行われている精製工程(脱酸、脱色、脱臭など)は行なわれない。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、上記風味油脂を、0.1〜30質量%含有する。食用油脂に占める風味油脂の含有量は、好ましくは0.5〜25質量%であり、より好ましくは1〜20質量%であり、さらに好ましくは2〜15質量%であり、ことさら好ましくは3〜12質量%であり、最も好ましくは4〜9質量%である。本発明の効果を損なわない範囲において、風味油脂は2種以上を混合して使用してもよい。本発明の食用油脂に占める風味油脂の含有量が上記範囲内にあると、食用油脂を使用した低糖質食品の風味がよくなる。
(中鎖脂肪酸含有トリグリセリド)
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される中鎖脂肪酸含有トリグリセリド(以下、MTGとも表す)は、中鎖脂肪酸を構成脂肪酸の一部もしくは全部とするトリグリセリドである。構成脂肪酸の全部が中鎖脂肪酸であるトリグリセリドは、中鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、MCTとも表す)であり、MTGに含まれる。また、ここで、中鎖脂肪酸は、炭素数6〜10の脂肪酸であり、好ましくは、直鎖の飽和脂肪酸である。具体的には、n−ヘキサン酸(カプロン酸)、n−オクタン酸(カプリル酸)、n−デカン酸(カプリン酸)が挙げられる。
上記中鎖脂肪酸含有トリグリセリド(MTG)は、食用油脂に含まれるMTG全量の構成脂肪酸に含まれる中鎖脂肪酸に占めるカプリン酸の含有量が、好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは30〜90質量%であり、さらに好ましくは40〜80質量%である。また、MTG全量の構成脂肪酸に含まれる中鎖脂肪酸に占めるカプロン酸の含有量は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは0〜10質量%である。MTG全量の構成脂肪酸に含まれる中鎖脂肪酸に占めるカプリン酸含有量及びカプロン酸含有量が上記範囲内であると、本発明の食用油脂を使用した低糖質食品の風味が引き立ち易い。
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される中鎖脂肪酸含有トリグリセリド(MTG)は、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を含んでもよい。上記MTGに占めるMCTの含有量は、好ましくは30〜100質量%であり、より好ましくは50〜100質量%であり、さらに好ましくは70〜100質量%である。中鎖脂肪酸トリグリセリドは、前述のとおり、グリセロールにエステル結合する3個の脂肪酸が全て中鎖脂肪酸であるトリグリセリドである。
上記MCTは、従来公知の方法を用いて製造できる。例えば、炭素数6〜10の脂肪酸とグリセロールとを、120〜180℃に加熱し、脱水縮合させることにより製造できる。この縮合反応は、減圧下で行うのが好ましい。上記縮合反応には、触媒を用いることができる。しかし、無触媒下で、上記縮合反応を行うことが好ましい。
本発明の実施の形態に係る食用油脂に含有される中鎖脂肪酸含有トリグリセリド(MTG)は、また、中長鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、MLCTとも表す)を含んでもよい。中長鎖脂肪酸トリグリセリド(MLCT)は、グリセロールに結合する3個の脂肪酸のうち、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸とがそれぞれ少なくとも1個は結合したトリグリセリドである。ここで、長鎖脂肪酸とは、炭素数12以上の脂肪酸であり、好ましくは直鎖の脂肪酸である。より具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
上記MLCTは、MCTと同様に、エステル合成により調製されてもよい。MLCTは、また、MCTと長鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、LCTとも表す)との混合物をエステル交換することにより調製されてもよい。ここで、長鎖脂肪酸トリグリセリドは、グリセロールにエステル結合する3個の脂肪酸が全て長鎖脂肪酸であるトリグリセリドである。LCTとしては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、かぼちゃ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、サル脂、カカオ脂、豚脂、牛脂、乳脂、魚油及びこれらの混合油、分別油、エステル交換油などが挙げられる。
上記MCTとLCTとの混合物のエステル交換は、MCTとLCTとが、質量比で、好ましくは10:90〜90:10(より好ましくは20:80〜80:20)の割合で混合された混合物のエステル交換であることが好ましい。エステル交換する方法は、特に限定されない。エステル交換は、ナトリウムメトキシドを触媒とした化学的エステル交換や、リパーゼ製剤を触媒とした酵素的エステル交換など、通常行われる方法で行えばよい。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、上記中鎖脂肪酸含有トリグリセリド(MTG)を、60〜99.9質量%含有する。食用油脂に占めるMTGの含有量は、好ましくは64〜99質量%であり、より好ましくは68〜97質量%であり、さらに好ましくは73〜95質量%であり、最も好ましくは77〜94質量%である。本発明の食用油脂に占めるMTGの含有量が上記範囲内にあると、風味油脂を含む食用油脂を使用した低糖質食品の風味がよくなる。また、副次的な効果として、食用油脂を使用した食品の食感がよくなるので、食品が食べやすくなる。なお、風味油脂にMTGが含まれる場合は、そのMTGは風味油脂に含める。
(食用油脂の調製)
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、例えば、MCT、MCTとLCTのエステル交換油脂など、中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを含む油脂と、風味油脂とを使用し、中鎖脂肪酸含有トリグリセリドの含有量が60〜99.9質量%、風味油脂の含有量が0.1〜30質量%となるように調整すればよい。好ましい実施の態様の一例としては、例えば、MCTやMCTとLCTのエステル交換油脂など、中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを含む油脂と、風味油脂とを、中鎖脂肪酸含有トリグリセリドと風味油脂との質量比が、99.9:0.1〜70:30となるように混合すればよい。より具体的には、MCTと風味油脂とを、99.9:0.1〜70:30の質量比で混合した調合油脂が挙げられ、また、MCTとLCTとを質量比20:80〜80:20で混合した混合油のエステル交換油と風味油脂とを、99.9:0.1〜70:30の質量比で混合した調合油脂が挙げられる。中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを含む油脂と風味油脂との質量比が上記範囲内にあると、食用油脂を使用した低糖質食品の風味がよくなり、嗜好性が改善される。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、また、60〜99.9質量%の中鎖脂肪酸含有トリグリセリドおよび0.1〜30質量%の風味油脂を含有し、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、その他の食用に適した油脂を含んでもよい。その他の油脂としては、例えば、上述した風味油脂を除くLCTが挙げられる。その他油脂の含有量は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、ことさら好ましくは0〜5質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
なお、油脂の構成脂肪酸およびトリグリセリドを確認、定量する方法としては、例えば、ガスクロマトグラフィーにより定量分析する方法が挙げられる。
(食用油脂の用途)
本発明の実施の形態に係る食品は、本発明の食用油脂が含有される限りにおいて、特に限定されない。本発明の実施の形態に係る食品は、乳化飲料などの飲料を含む。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、フライ油または炒め油として、素揚げ、から揚げ、フライ、フリッター、天ぷらなどの揚げ物や炒め物などの加熱調理に好適に使用できる。加熱調理食品の具体例としては、例えば、素揚げ、から揚げ、竜田揚げ、カツ、コロッケ、フライ、ナゲット、フリッター、天ぷら、ドーナツ、せんべい、あられ、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ、バターピーナツ、スナック菓子などが挙げられる。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、また、食品のコーティング用として好適に使用できる。本発明の油脂を食品にコーティングする方法としては、スプレー、刷毛塗りなどの塗布、どぼ漬け(浸漬)などの方法があるが、コーティングする食品の特性に合せて、適宜選択できる。コーティングは、例えば、焼成あるいは油ちょうされた加熱調理食品の仕上げ用としても使用できるし、また、非加熱状態でコーティングしたものをオーブン等で加熱処理することもできる。本発明の実施の形態に係る食用油脂は、従来コーティング用油脂が使用されている食品であれば特に制限なく使用できるが、特にスナック類に使用することが好ましい。スナック類とは、せんべい、あられ、ビスケット、クラッカー、プレッツェル、クッキー、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ類などのスナック菓子を主にいうが、従来コーティング用油脂が使用されている菓子、ケーキ、パンなどの製菓製パン食品であればその種類は問わない。例えばピザ、パイ、ケーキ、シリアルなども挙げられる。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、また、ショートニングやマーガリン等の可塑性油脂に加工することにより、食パン・菓子パン・クロワッサン・デニッシュなどのパン類や、クッキー・ビスケット・ケーキ・パイ等の焼き菓子類などの製菓製パン製品に、生地折り込み或は生地練り込み用として、好適に用いられる。本発明の油脂を生地に使用した製菓製パン食品としては、例えば、パン類(食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッドなど)、イースト菓子(シュトーレン、パネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツなど)、ペストリー(デニッシュ、クロワッサン、パイなど)、ケーキ(バターケーキ、スポンジ、ビスケット、クッキー、ドーナツ、ブッセ、ホットケーキ、ワッフル、バウムクーヘンなど)、和菓子(饅頭、乳菓、蒸しパン、かすてら饅頭、どら焼き、など)、麺類(うどん、そば、中華めん、パスタなど)、点心(餃子、焼売、饅頭、ワンタン、春巻きなど)などが挙げられる。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、また、食用クリームに含有される油脂として好適に使用できる。具体的な好ましい態様の1つとしては、少なくとも油脂と糖類とを練り合わせた、水を配合しない、無水クリームが挙げられる。無水クリームは、そのままで、または、適宜起泡化して、例えば、コーティングクリーム、サンドクリーム、フィリングクリームとして使用できる。また別の好ましい態様としては、少なくとも油脂と水とを含み、乳化された含水クリームが挙げられる。含水クリームは、O/W型、W/O型、複合乳化型の何れの乳化型であっても良い。O/W型含水クリームであって、起泡化して使用される所謂ホイップクリームは、糖類を配合して起泡化することにより、もしくは、予め糖類が配合された加糖ホイップクリームを起泡化することにより、例えば、コーティングクリーム、サンドクリーム、フィリングクリームとして使用できる。また、O/W型含水クリームであって、コーヒー等の飲料に添加して使用する飲料用クリーム、あるいは、ソースやルウなどに添加使用する調理用クリーム、製菓製パン生地に練り込んで使用するベーカリークリーム、アイスクリームやプリンなどの冷菓に練り込んで使用する冷菓練り込み用クリームなども、食用クリームの好ましい態様の1つである。また、O/W型含水クリームであって、さらに澱粉(穀物粉に含まれる澱粉も含む)を含み、澱粉を加熱糊化することによってボデーを付与した、所謂フラワーペーストも、食用クリームの好ましい態様の1つである。また、W/O型含水クリームであって、スプレッドとして、また、製菓製パン用として使用するW/O型可塑性油脂組成物、及び、W/O型可塑性油脂組成物を起泡化させて液糖などの糖類を混ぜ合わせた、もしくは、W/O型可塑性油脂組成物に液糖などの糖類を配合して起泡させたバタークリームも、食用クリームの好ましい態様の1つである。またさらに、無水の可塑性油脂組成物(所謂ショートニング)を起泡化させて液糖類を混ぜ合わせた、もしくは、無水の可塑性油脂組成物に液糖類を配合して起泡させたものも食用クリーム(バタークリーム)の好ましい態様の1つである。
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、また、カレー、シチュー、ハヤシ、ホワイトソース等の加工食品に用いられるルウの油脂として好適に用いられる。一般的にルウとは、小麦粉および油脂を加熱混合し、必要に応じてここにカレー粉等の香辛料、食塩、糖類、調味料等の副原料を添加混合したものである。ルウは、固形状の固形ルウや可塑性のあるルウ、或は、流動状のペーストルウや液状ルウ、いずれの形態でもよい。また、含水物であっても良く、乳化形態は、油中水型、水中油型及び二重乳化型のいずれでも構わない。本発明の実施の形態に係る食用油脂を使用したルウは、カレー、シチュー、ハヤシ、ホワイトソースなどの加工食品に用いることができる。
本発明の実施の形態に係る食用油脂を含む食品は、副原材料として、例えば、アーモンドパウダー、ココアパウダー、チョコレート、キャラメル、チーズ、ナッツ、及びハチミツなどの食品素材、果実ペースト、果実ピューレ、野菜ペースト、野菜ピューレなどの加工品、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリド及び有機酸モノグリセリドなどの乳化剤、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE及びビタミンCなどのビタミン類、鉄分、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類、全脂粉乳、脱脂粉乳、乳パウダー、クリーミングパウダーなどの乳成分、ジェランガム、キサンタンガム、寒天などのゲル化剤、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、カラギーナン、セルロースなどの食物繊維、エリスリトールなどの糖アルコール類、スクラロース、ソーマチン、ネオテームなどの甘味料、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸、食塩やシーズニングなどの各種調味料、重曹およびベーキングパウダーなどの膨張剤、各種フレーバー、着色料、水、牛乳、豆乳などを必要に応じて適宜配合してもよい。
本発明の実施の形態に係る食用油脂を含む食品は、食品に含まれる油脂に占める本発明の食用油脂の含有量が、好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは50〜100質量%であり、さらに好ましくは70〜100質量%であり、最も好ましくは90〜100質量%である。
(低糖質食品)
本発明の実施の形態に係る食用油脂は、特に、低糖質食品用の油脂として好適に用いられる。ここで低糖質食品は、0〜25質量%の糖質を含む食品である。低糖質食品に含まれる糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたものである。糖質は、例えば、グルコース、デキストリン、ラクトース、スクロース、ガラクトース、リボース、トレハロース、でんぷん、加工でんぷん、水飴、粉末水飴などが挙げられる。ラクトース、ガラクトース、リボースなどの非ブドウ糖は、酸化ストレスを軽減するので好ましい。低糖質食品に含まれる糖質の量は、好ましくは1〜21質量%であり、より好ましくは1〜18質量%である。
上記低糖質食品は、また、好ましくは、15〜80質量%の脂質および0〜40質量%のタンパク質を含む食品である。低糖質食品は、より好ましくは、20〜75質量%の脂質、0〜30質量%のタンパク質および1〜20質量%の糖質を含む食品であり、さらに好ましくは、22〜70質量%の脂質、0〜20質量%のタンパク質および1〜18質量%の糖質を含む食品である。これに加えて、低糖質食品は、栄養障害を避けるために、十分なミネラルやビタミンなどを含んでもよい。なお、これらの質量%は、低糖質食品100質量%とした場合の数値である。
上記低糖質食品に含まれるタンパク質は、8個のアミノ酸よりも大きなペプチドを含有するものであれば特に制限されない。例えば、コーングルテン、小麦グルテン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、乳タンパク質、乳清タンパク質、食肉又は魚肉から得られる動物性タンパク質(コラーゲンを含む)、卵白、卵黄などが挙げられる。また、例えば、強力な乳化力を有するカゼイン等のタンパク質を用いてもよい。タンパク質は、ヒトの全必須アミノ酸、特に、リジン、ロイシン、メチオニン、システインを含むことが好ましい。これらのアミノ酸に富むαラクトアルブミンが含まれてもよい。低糖質食品に含まれるタンパク質の量は、好ましくは0〜40質量%であり、より好ましくは0〜30質量%であり、さらに好ましくは0〜20質量%である。
上記低糖質食品に含まれる脂質は、油脂を意味する。油脂としては、液体油、固形脂、粉末油脂などが挙げられ、より具体的には、上述の、LCT、MCT、MLCTなどが挙げられる。油脂は、これらの1種又は2種以上を用いることができる。油脂は、天然油脂に見られるように、グリセリド以外に、ステロール、リン脂質、トコフェロールなどの少量(10質量%以下、好ましくは5質量%以下)の脂溶性物質を含んでいてもよい。低糖質食品に含まれる油脂の量は、好ましくは15〜80質量%であり、より好ましくは20〜75質量%であり、さらに好ましくは22〜70質量%である。そして、低糖質食品の風味を改善して食べやすくするために、低糖質食品に含まれる油脂の、好ましくは50質量%以上に、本発明の食用油脂が使用される。低糖質食品に含まれる油脂に占める本発明の食用油脂の含有量は、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、ことさら好ましくは90〜100質量%である。
なお、本発明において、食品に含まれる脂質は、ココアバターのように油脂として配合されるもの以外に、例えばココアバターを含むココアパウダーのように、油脂を含有する原材料に由来する油脂も含める。例えば、ココアパウダーを20質量%配合された食品は、ココアパウダーの油脂含有量が約11質量%であるため、これに相当する油脂(2.2質量%)を含む。これは、タンパク質、糖質についても同様である。
本発明の実施の形態に係る食用油脂を含む低糖質食品は、また、タンパク質と糖質の合計含有量に対する脂質含有量の割合が0.9以上である低糖質高脂質食品が挙げられる。低糖質高脂質食品における、前記タンパク質と糖質の合計含有量に対する脂質含有量の割合は、好ましくは1.3以上であり、より好ましくは1.8〜6.0であり、さら好ましくは2.5〜5.9である。
本発明の実施の形態に係る食用油脂を含む低糖質食品は、風味がよく、食べやすいので、継続的に無理なく摂取できる。したがって、糖質制限ダイエット、低糖質ダイエット、ローカーボダイエットなどの、主食あるいは副食として適している。
次に、諸例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明はこれらに限定されない。
<分析方法>
中鎖脂肪酸含有トリグリセリドの含有量は、AOCS Ce5−86に準じて測定した。
各脂肪酸の含有量は、AOCS Ce1f−96に準じて測定した。
ロビボンド比色値の測定は、日本油化学協会編「基準油脂分析試験法2.2.1.1.」のロビボンド法に準拠し、測定した。装置には、ロビボンド比色計(25.4mmセル使用,F型,Tintometer社製)を用いた。比色値は、測定したY,R,Bの数字を以下の式に当て嵌めて求めた。
ロビボンド比色値(25.4mmセル)=Y+10×R+10×B
Y:黄色スライドの数字
R:赤色スライドの数字
B:青色スライドの数字
<原料油脂>
MCT1:構成脂肪酸がカプリル酸とカプリン酸であり、その質量比が3:7であるMCT(日清オイリオグループ株式会社製、MTG含有量100質量%)を、MCT1とした。
MCT2:構成脂肪酸がカプリル酸とカプリン酸であり、その質量比が75:25であるMCT(日清オイリオグループ株式会社製、MTG含有量100質量%)を、MCT2とした。
MLCT1:50質量部のMCT1と50質量部のFHPMOとの混合油をエステル交換したエステル交換油脂(日清オイリオグループ株式会社製、MTG含有量93.3質量%、MCT含有量17.2質量%)を、MLCT1とした。
風味油脂1:125℃で焙煎されたカカオ豆より得られたココアバター(日清オイリオグループ株式会社製)を風味油脂1とした。
風味油脂2:バターオイル(日清オイリオグループ株式会社製、融点32℃)を風味油脂2とした。
風味油脂3:エキストラバージンオリーブオイル(日清オイリオグループ株式会社製、酸度0.4)を、風味油脂3とした。
風味油脂4:エキストラバージンココナッツオイル(日清オイリオグループ株式会社製、酸価0.1)を風味油脂4とした。
風味油脂5:ロビボンド比色値(25.4mmセル)が180である焙煎胡麻油(日清オイリオグループ株式会社製)を、風味油脂5とした。
風味油脂6:ロビボンド比色値(25.4mmセル)が330である焙煎胡麻油(日清オイリオグループ株式会社製)を、風味油脂6とした。
菜種油:菜種油(日清オイリオグループ株式会社製)を使用した。
パーム油:パーム油(日清オイリオグループ株式会社製)を使用した。
FHERSO:ハイエルシン酸菜種油の極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を使用した。
FHPMO:パーム油の極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を使用した。
(油脂の調製および評価1)
表1に示した配合で原料油脂を混合し、例1〜7の油脂を得た。各油脂は、融液状態から自然放冷により、可塑性状態となった。例1〜7の油脂を使用して、表2の配合に従ってパン生地をノータイム法により調製した。調製した生地をオーブンで焼成し、例1〜7の油脂を使用したパン(100gあたり、14.2gの糖質、26.8gのタンパク質および19.5gの脂質を含有。脂質/(タンパク質+糖質)=0.48)を得た。
上記の例1〜7の油脂をそれぞれ生地に練り込んだパンについて、例1の油脂を練りこんだパンを対照として、以下の評価基準に従って社内認定の専門パネラー5名により官能評価を行った。結果を表1に示した。
評価基準
対照と比較して、風味、食感がよく、非常に食べやすい 4点
対照と比較して、風味、食感がよく、食べやすい 3点
対照と比較して、風味や食感がよく、やや食べやすい 2点
対照と比較して、食べやすさに差がない 1点
対照と比較して、風味や食感に違和感があり、よくない 0点

各パネラーの評点を合計して以下の基準により総合評価した。
15点以上 ◎
11点以上15点未満 ○
8点以上11点未満 △
5点以上 8点未満 ▲
5点未満 ×
Figure 2019010039
Figure 2019010039
(油脂の調製および評価2)
表3に示した配合で原料油脂を混合し、例8〜14の油脂を得た。各油脂は、融液状態から攪拌冷却により、可塑性状態となった。例8〜14の油脂を使用して、表4の配合に従ってクッキー生地をオールインミックス法により調製した。調製した生地をオーブンで焼成し、例8〜14の油脂を使用したクッキー(100gあたり、20.3gの糖質、23.8gのタンパク質および42.6gの脂質を含有。脂質/(タンパク質+糖質)=0.97)を得た。
上記の例8〜14の油脂をそれぞれ生地に練り込んだクッキーについて、例8の油脂を練りこんだクッキーを対照として、評価1と同様の評価基準に従って社内認定の専門パネラー5名により官能評価を行った。結果を表3に示した。
Figure 2019010039
Figure 2019010039
(油脂の調製および評価3)
表5に示した配合で原料油脂を混合し、例15〜19の油脂を得た。例15〜19の油脂を使用して、表6の配合に従ってプリンを調製した。すなわち、沸騰した水に寒天を溶解させた。油脂とピューレまたはペースト以外の原料をホモミキサーに投入し、撹拌溶解した。その後、ピューレまたはペーストを投入し、混合して均一な調合液とした。調合液に油脂を投入してホモミキサーで予備乳化した。さらに、予備乳化調合液をホモジナイザーで均質化した。このようにして得られた乳化調合液を40gずつ、プラスチック容器に充填・密封した。充填された乳化調合液を、レトルト殺菌(121.1℃、25分間)した後、冷却することにより、プリン(100gあたり、12.5gの糖質、0gのタンパク質および23.8gの脂質を含有。脂質/(タンパク質+糖質)=1.9)を得た。
上記の例15〜19の油脂を使用したプリンについて、例15の油脂を使用したプリンを対照として、以下の評価基準に従って社内認定の専門パネラー5名により官能評価を行った。結果を表5の官能評価1に示した。
上記の例15〜19の油脂を使用して、表7の配合に従ってプリン(100gあたり、1.2gの糖質、3.2gのタンパク質および25.4gの脂質を含有。脂質/(タンパク質+糖質)=5.8)を調製した。例15の油脂を使用したプリンを対照として、以下の評価基準に従って社内認定の専門パネラー5名により官能評価を行った。結果を表5の官能評価2に示した。
評価基準
対照と比較して、風味がよく、非常に食べやすい 4点
対照と比較して、風味がよく、食べやすい 3点
対照と比較して、風味がよく、やや食べやすい 2点
対照と比較して、食べやすさに差がない 1点
対照と比較して、風味に違和感があり、食べやすくない 0点

各パネラーの評点を合計して以下の基準により総合評価した。
15点以上 ◎
11点以上15点未満 ○
8点以上11点未満 △
5点以上 8点未満 ▲
5点未満 ×
Figure 2019010039
Figure 2019010039
Figure 2019010039
(油脂の調製および評価4)
表8に示した配合で原料油脂を混合し、例20〜25の油脂を得た。例20〜25の油脂を使用して、予め湯せんして渋皮を剥き水切りしたピーナッツを、少量の食塩とともに中火で約10分間炒めて、バターピーナッツ(100gあたり、11gの糖質、25gのタンパク質および52gの脂質を含有。脂質/(タンパク質+糖質)=1.4)を得た。
上記の例20〜25の油脂でそれぞれ調理したバターピーナッツについて、例20の油脂を使用して調理したバターピーナッツを対照として、評価3と同様の評価基準に従って社内認定の専門パネラー5名により官能評価を行った。結果を表8に示した。
Figure 2019010039

Claims (7)

  1. 60〜99.9質量%の中鎖脂肪酸含有トリグリセリドおよび0.1〜30質量%の風味油脂を含む、食用油脂。
  2. 前記中鎖脂肪酸含有トリグリセリドに占める中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、30〜100質量%である、請求項1に記載の食用油脂。
  3. 前記中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを構成する中鎖脂肪酸の全量に占めるカプリン酸の含有量が、20〜100質量%である、請求項1または2に記載の食用油脂。
  4. 前記風味油脂が、焙煎油、バージンオイル、および動物油脂から選ばれる1種以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の食用油脂。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の食用油脂を含有する食品。
  6. 糖質の含有量が25質量%以下である、請求項5に記載の食品。
  7. タンパク質と糖質の合計含有量に対する脂質の含有量(脂質/(タンパク質+糖質))が0.9以上である、請求項5または6に記載の食品。
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