JP2013215163A - パン生地及びパン類 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成直後のソフトでサックリした歯切れの良い食感を経日的に維持できるパン類を製造できるパン生地を提供することを課題とする。
【解決手段】澱粉類100質量部に対し、米麹を固形分として0.2〜3質量部、親油性乳化剤の水和物を0.05〜2質量部含有するパン生地である。上記親油性乳化剤の水和物は、可塑性乳化油脂組成物の水相中に存在する形態で含まれることが好ましい。本発明のパン生地を焼成したパン類は、ソフトでサックリした歯切れの良い食感を経日的に維持できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼成直後のソフトで歯切れのよい食感を経日的に維持できるパン類を提供できるパン生地に関する。
最近、ソフトで、歯切れのよいパン類が好まれてきている。しかしソフトさを追求すると歯切れが悪くなり、歯切れを追及するとソフトさが損なわれるという問題点があった。
このソフトさと歯切れの両立を追及した方法としては、乳化剤、澱粉、酵素及び増粘安定剤の活用をあげることができる。
特許文献1には、食用油脂、糖類、乳化剤を含むO/Wエマルジョンを乾燥粉末化した製パン用粉末油脂が記載されている。
特許文献2には食用油脂に化工澱粉、糖質分解酵素及び食用酸化剤を含有する食用油脂組成物が記載されている。
しかし、特許文献1や2に記載の製パン用粉末油脂や食用油脂組成物を用いて製造されたパン類は、焼成直後はソフトであるが、経日的にソフトさを維持できなかった。また歯切れは満足できるものではなかった。
特許文献3には卵白、糖類、澱粉及び安定剤を含む含気組成物を小麦粉含有生地に混合してなるパン生地が記載されている。
特許文献4には平均粒子径が20μm以下の増粘安定剤を含有することを特徴とする製菓・製パン用品質改良剤が記載されている。
しかし、特許文献3や4で得られたパン類は、焼成直後は、ソフトであるが、経日的にソフトさを維持できなかった。また歯切れについては、焼成直後は歯切れの良い食感が得られるが、経日的に歯切れの良い食感を維持できなかった。
特開2008−99581号公報 特開平9−94052号公報 特開2005−278534号公報 特開2002−291396号公報
したがって、本発明は、焼成直後のソフトでサックリした歯切れの良い食感を経日的に維持できるパン類を製造できるパン生地を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく種々検討した結果、米麹と親油性乳化剤の水和物を併用することにより、上記課題を解決できることを見出したものである。
すなわち本発明は、澱粉類100質量部に対し、米麹を固形分として0.2〜3質量部、親油性乳化剤の水和物を0.05〜2質量部含有するパン生地により、上記の課題を解決したものである。
本発明のパン生地により、焼成直後のソフトでサックリした食感を経日的に維持できるパン類を製造することができる。
以下、本発明のパン生地について説明する。
本発明のパン生地は米麹を含有する。本発明において米麹を用いることにより、パン類にサックリした食感を付与することができる。
上記の米麹とは、種麹菌を蒸米に成育させたものであり、得られた生米麹を用いても良いし、さらに乾燥し、粉砕した粉末状の米麹を用いてもよいが、本発明では粉末状の米麹を用いることが好ましい。
上記の米麹の水分含量は、生米麹で30〜40質量%、粉末状の米麹は5〜15質量%である。
また、米麹は、アミラーゼ(糖化酵素)などの糖化酵素作用、さらにはプロテアーゼ(蛋白質分解酵素)、リパーゼ(脂肪分解酵素)などの酵素作用を有するとともに、それらの相乗的作用をも有する。なお、上記のアミラーゼにはα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ及びβ−アミラーゼが含まれる。
上記の米麹は、米麹中、プロテアーゼを1000〜10000U/g、α−アミラーゼを100〜1000U/g、グルコアミラーゼを10〜200U/g、リパーゼが極微量含有されている米麹を用いることが、経日的にサックリした食感を有するパン類が得られるという点で好ましい。なお、上記酵素活性単位は国税庁所定分析法に拠って分析したものである。
本発明のパン生地は、澱粉類100質量部に対し、上記の米麹を固形分として0.2〜3質量部、好ましくは0.3〜2.5質量部、より好ましくは0.4〜2質量部、最も好ましくは0.5〜1.5質量部含有する。
本発明のパン生地において、上記の米麹の含有量が固形分として0.2質量部よりも少ないと歯切れの良い食感を経日的に維持できないので好ましくなく、3質量部よりも多いと米麹に含まれる酵素の影響を受け、生地物性が軟化やすいので好ましくない。
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ−ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用する。
本発明のパン生地は親油性乳化剤の水和物を含有する。
上記の親油性乳化剤の水和物は、親水基が表面に向けて配列した状態にあり、通常の表面が親油性の乳化剤よりも水や生地に対する分散性が良好である。上記の親油性乳化剤の水和物は通常、温水に乳化剤を攪拌しながら分散溶解させて水和させることにより得られる、水に親油性乳化剤を懸濁しただけでは親油性乳化剤の水和物は得られない。
上記の温水の温度は50〜70℃の範囲であり、乳化剤の種類にもよるが、一般的に乳化剤の融点以上、特に5℃程度高い温度が好ましい。また乳化剤の種類にもよるが、温水における乳化剤の濃度が、好ましくは1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、最も好ましくは2〜25質量%となるように調製することにより親油性乳化剤の水和物を得ることができる。
上記の親油性乳化剤は、好ましくはHLBが10未満、より好ましくはHLBが8以下である乳化剤である。
上記の親油性乳化剤の種類としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの中から選ばれた1種または2種以上を用いることが好ましく、グリセリンモノ脂肪酸エステルを用いることがより好ましい。上記の親油性乳化剤を構成する脂肪酸の鎖長、即ち炭素数は特に制限されないが、炭素数12〜24が一般的である。また結合脂肪酸の種類としては、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもかまわないが、飽和脂肪酸が好ましい。
本発明のパン生地は、澱粉類100質量部に対し上記の親油性乳化剤の水和物を0.05〜2質量部、好ましくは0.07〜1.8質量部、より好ましくは0.08〜1.5質量部、最も好ましくは0.1〜1質量部含有する。0.05質量部よりも少ないとソフトで口どけのよいパン類が得られない。2質量部より多くても、その効果が向上しない。
なお上記の親油性乳化剤の水和物の含有量は、親油性乳化剤の水和物に含まれる水分を除いた、純乳化剤の量である。
また本発明において上記の親油性乳化剤の水和物は市販品を用いることも可能である。
本発明では、上記の親油性乳化剤の水和物は後述する可塑性乳化油脂組成物の水相に存在する形態でパン生地に含有させることが好ましい。これは、親油性乳化剤の水和物のパン生地への分散性が向上するためである。
本発明のパン生地は食用油脂を含有することが好ましい。
上記食用油脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、ハイエルシン酸菜種油、キャノーラ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、落花生油、ゴマ油、オリーブ油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに完全水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。本発明のパン生地では、これらの食用油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記食用油脂は、通常、食用油脂を含有する食品の形態で用いられる。その代表的な例としては、マーガリン、ショートニング、バターなどの可塑性油脂組成物や、流動状ショートニング、粉末油脂、純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム、クリームチーズ、チョコペースト等をあげることができる。本発明では可塑性油脂組成物の形態で食用油脂を含有させることが好ましい。
上記の食用油脂を含有する食品が乳化物である可塑性乳化油脂組成物の場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わないが、油中水型乳化物の形態で使用することが好ましい。
本発明のパン生地は、澱粉類100質量部に対し上記食用油脂を、好ましくは3〜50質量部、より好ましくは4〜40質量部、最も好ましくは5〜30質量部含有する。3質量部よりも少ないと、食用油脂に期待される効果、すなわちパン生地の伸展性向上効果やグルテン膜の保護効果が得られず、得られるパン類が硬くなりやすいので好ましくない。また、50質量部よりも多いと、パン生地のグルテン膜の構造が脆弱になりやすく、十分な窯伸びが得られにくく、更には得られるパン類の食感が、ねちゃつきやすいので好ましくない。
尚、食用油脂の含有量は、上記食用油脂を含有する食品の形態で使用する場合は、その純油脂含量で計算する。
次に上記親油性乳化剤の水和物が、可塑性乳化油脂組成物の水相中に存在する形態で含有する場合について説明する。
上記の可塑性乳化油脂組成物中の上記の親油性乳化剤の水和物の含有量は、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜5質量%、最も好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%よりも少ないと、ソフト性のあるパン類が得られにくい。8質量%よりも多いと水相の粘度が増加してしまうため製造しにくい。なお、上記の可塑性乳化油脂組成物中の上記の親油性乳化剤の水和物の含有量は、親油性乳化剤の水和物に含まれる水分を除いた、純乳化剤の量である。
上記の可塑性乳化油脂組成物中の上記食用油脂の含有量は、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜65質量%、最も好ましくは40〜60質量%である。
上記の可塑性乳化油脂組成物は水を含有する。
上記の水としては水道水や天然水等の水や、上記の可塑性乳化油脂組成物で含有させるその他の材料に由来する水分も含めたものとする。上記の水の含有量は上記の可塑性乳化油脂組成物中、好ましくは70質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、最も好ましくは40質量%以下である。
上記の可塑性乳化油脂組成物はその他の材料を含有してもよい。
その他の材料としては、親油性乳化剤の水和物以外の乳化剤、増粘安定剤(キサンタンガム・アルギン酸・アルギン酸塩・アルギン酸エステル・グアガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・ペクチン・プルラン・タマリンドシードガム・結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン・ファーセルラン・タラガム・カラヤガム・トラガントガム・ジェランガム・大豆多糖類)、乳や乳製品(カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム)、チーズ類(ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ)、デキストリン、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、無機塩類、食塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵類、糖類や甘味料、β−カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを使用することができる。
その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、上記可塑性乳化油脂組成物中、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
上記可塑性乳化油脂組成物の油相と水相の割合は、質量比率で好ましくは、油相:水相=30:70〜70:30、より好ましくは油相:水相は45:55〜65:35である。
上記の可塑性乳化油脂組成物の製造方法は、まず食用油脂に必要によりその他の材料を添加した油相と、加温した水に親油性乳化剤の水和物となる親油性乳化剤や親油性乳化剤の水和物、必要によりその他の材料を添加した水相を乳化し、乳化物とする。
そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、可塑化する。本発明において、上記の冷却は好ましくは−0.5℃/分以上、より好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、上記の可塑性乳化油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
本発明のパン生地では糖類を含有することが好ましい。
上記糖類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。本発明で用いるパン生地では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
尚、上記糖類は、加糖練乳、ジャム、果汁、フルーツソース、チョコペースト等の上記糖類を含有する食品の形態で用いることもできる。
本発明のパン生地は、上記澱粉類100質量部に対し、上記糖類を固形分として好ましくは3〜30質量部、より好ましくは5〜25質量部含有する。3質量部よりも少ないと、得られるパン類が硬くなりやすいので好ましくない。また、30質量部よりも多いと、パン生地がベトついた物性になりやすく、更にはパン生地中の酵母の発酵が抑制されやすくなり、得られるパン類は、ボリュームが小さなものになりやすいので好ましくない。尚、糖類の含有量は、上記糖類を含有する食品を使用する場合は、その純糖類含量で計算する。
本発明のパン生地は水を含有する。
上記水としては、天然水や水道水の他に、水分を含有する食品の形態、たとえば牛乳などの乳や乳製品、卵類、液糖、水と油脂を含有する乳化物の形態である場合には、該乳化物に含まれる水分も含むものとする。
本発明のパン生地は、上記澱粉類100質量部に対し、上記水を好ましくは50〜100質量部、より好ましくは60〜80質量部含有する。50質量部よりも少ないと、得られるパン類のソフト感が持続しないので好ましくない。100質量部よりも多いと、パン生地がべたつきやすくなり、作業性が悪化するため好ましくない。
本発明で用いるパン生地は、上記の各成分以外に、通常のパン生地に使用可能な成分(以下、その他の成分という)を特に限定せず使用することができる。該その他の成分としては、例えば、親油性乳化剤の水和物以外の乳化剤、増粘安定剤(キサンタンガム・アルギン酸・アルギン酸塩・アルギン酸エステル・グアガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・ペクチン・プルラン・タマリンドシードガム・結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン・ファーセルラン・タラガム・カラヤガム・トラガントガム・ジェランガム・大豆多糖類)、乳や乳製品(カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム)、チーズ類(ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ)、デキストリン、イースト、膨張剤、甘味料、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、無機塩類、食塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵類、β−カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などがあげられる。
本発明のパン生地は、本発明の目的を損なわない限り、上記のその他の成分を任意に使用することができるが、パン生地で用いる澱粉類100質量部に対し、合計で好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、最も好ましくは70質量部以下となる範囲で含有させる。
本発明のパン生地は速成法、ストレート法、中種法、液種法、サワー種法、湯種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法、冷凍生地法等の製パン法を適宜選択して製造することができ、ストレート法または中種法で製造することが好ましい。なお上記冷凍生地法は、混涅直後に冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する玉生地冷凍法、成形後に生地を冷凍する成形冷凍法、最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法等の種々の方法が採用できる。
本発明のパン生地は、パン生地であれば特に制限はないが、例えば食パン生地、菓子パン生地、デニッシュ・ペストリー生地、パイ生地、ドーナツ生地をあげることができる。なお上記のデニッシュ・ペストリー生地とパイ生地は、ロールイン用油脂を折り込む前の生地を指すものとする。
本発明のパン類は、澱粉類100質量部に対し、米麹を固形分として0.2〜3質量部、親油性乳化剤の水和物を0.05〜2質量部含有するパン生地を必要によりフロアータイム、分割、ベンチタイム、成形、ホイロをとり、焼成することにより得ることができる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(可塑性乳化油脂組成物1の製造)
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油47.5質量%とパームステアリン2.5質量%を60℃前後に加熱し、乳化剤としてグリセリンモノオレイン酸エステル2質量%とグリセリンモノパルミチン酸エステル7質量%を混合した油相59質量%と、コーンスターチ1.8質量%、水和物となる親油性乳化剤であるHLB2のグリセリンモノパルミチン酸エステル2質量%を70℃に加温した温水37.2質量%に混合した水相41質量%とを油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分)にかけ、可塑性乳化油脂組成物1を製造した。得られた可塑性乳化油脂組成物1を電子顕微鏡で確認したところ親油性乳化剤の水和物を含有していた。
(可塑性乳化油脂組成物2の製造)
大豆油24質量%、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油23.5質量%とパームステアリン2.5質量%を60℃前後に加熱し、乳化剤としてグリセリンモノオレイン酸エステル2質量%とグリセリンモノパルミチン酸エステル7質量%を混合した油相59質量%と、コーンスターチ1.8質量%、水和物となる親油性乳化剤であるHLB2のグリセリンモノパルミチン酸エステル2質量%を70℃に加温した温水37.2質量%に混合した水相41質量%とを油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分)にかけ、可塑性乳化油脂組成物2を製造した。得られた可塑性乳化油脂組成物2を電子顕微鏡で確認したところ親油性乳化剤の水和物を含有していた。
(可塑性乳化油脂組成物3の製造)
大豆油24質量%、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油23.5質量%とパームステアリン2.5質量%を60℃前後に加熱し、乳化剤としてグリセリンモノオレイン酸エステル2質量%とグリセリンモノパルミチン酸エステル9質量%を混合溶解した油相61質量%と、コーンスターチ1.8質量%を70℃に加温した温水37.2質量%に混合した水相39質量%とを油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分)にかけ、可塑性乳化油脂組成物3を製造した。得られた可塑性乳化油脂組成物3を電子顕微鏡で確認したところ親油性乳化剤の水和物を含有していなかった。
(米麹)
水分10.6質量%、酵素としてプロテアーゼ1300U/g、α−アミラーゼ150U/g、グルコアミラーゼ25U/gを含有する粉末状の米麹を用いた。
(実施例1)
上記の可塑性乳化油脂組成物1を用い、以下の配合と製法にて本発明のパン類である実施例1の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
米麹 1質量部
ブドウ糖 3質量部
水 40質量部
(本捏配合)
強力粉 30質量部
食塩 1.5質量部
上白糖 15質量部
可塑性乳化油脂組成物1 10質量部
水 23質量部
<製法>
中種配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に本捏配合の可塑性乳化油脂組成物1以外の全原料と上記の中種発酵を行った中種生地を、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングした後、本捏配合の可塑性乳化油脂組成物1を添加して、低速3分、中速4分ミキシングし、パン生地(捏ね上げ温度=28℃)を得た。
得られたパン生地は、フロアータイムを30分とり、50gに分割した。さらに30分ベンチタイムを取った後、丸め成形をし、38℃、相対湿度85%、50分のホイロを取った後、上火200℃下火200℃のオーブンで10分焼成した。
(実施例2)
配合は以下の配合とし、製法は実施例1に記載の製法にて本発明のパン類である実施例2の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
米麹 2.5質量部
ブドウ糖 3質量部
水 40質量部
(本捏配合)
強力粉 30質量部
食塩 1.5質量部
上白糖 15質量部
可塑性乳化油脂組成物1 20質量部
水 23質量部
(実施例3)
配合は以下の配合とし、製法は実施例1に記載の製法にて本発明のパン類である実施例3の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
米麹 0.3質量部
ブドウ糖 3質量部
水 40質量部
(本捏配合)
強力粉 30質量部
食塩 1.5質量部
上白糖 15質量部
可塑性乳化油脂組成物1 4質量部
水 23質量部
(実施例4)
実施例1において可塑性乳化油脂組成物1のかわりに、可塑性乳化油脂組成物2を用いたほかは、実施例1と同様の配合と製法にて本発明のパン類である実施例4の菓子パンを得た。
(実施例5)
上記の可塑性乳化油脂組成物1を用い、以下の配合と製法にて本発明のパン類である実施例5の菓子パンを製造した。
<配合>
強力粉 100質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
米麹 1質量部
上白糖 15質量部
食塩 1.5質量部
可塑性乳化油脂組成物1 10質量部
水 68質量部
<製法>
配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速4分、中速5分ミキシングした後、本捏配合の可塑性乳化油脂組成物1を添加して、低速4分、中速5分、高速1分ミキシングし、パン生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。
得られたパン生地は、28℃、相対湿度85%、120分の発酵をとり、50gに分割した。さらに30分ベンチタイムを取った後、丸め成形をし、38℃、相対湿度85%、50分のホイロを取った後、上火200℃下火200℃のオーブンで10分焼成した。
(比較例1)
実施例1において可塑性乳化油脂組成物1のかわりに、可塑性乳化油脂組成物3を用いたほかは、実施例1と同様の配合と製法にて比較例1の菓子パンを得た。
(比較例2)
配合は以下の配合とし、製法は実施例1に記載の製法にて比較例2の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
ブドウ糖 3質量部
水 40質量部
(本捏配合)
強力粉 30質量部
食塩 1.5質量部
上白糖 15質量部
可塑性乳化油脂組成物1 10質量部
水 23質量部
<評価>
実施例1〜5、比較例1と2で得られた菓子パンについて以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
(硬さ)
焼成した菓子パンを室温で1時間冷却し、ポリエチレン袋に密封し、室温(25℃)に保管した。焼成1日後、焼成2日後、焼成3日後のパンを高さ30mmにカットした後、レオメーター(株式会社レオテック製)にて、厚さ50%まで加圧した時の荷重を測定した。測定条件は、測定速度6cm/min、接触面積314mm(アダプター:直径2cm円盤使用)、1サンプルを3回測定し、その平均値を求め、これを硬さの評価とした。
(歯切れ感)
焼成2日後の菓子パンをパネラー8人にて歯切れ感について、下記基準にて評価し、その合計点にて評価をした。
3点:非常にサックリしている
2点:ややサックリしている
1点:サックリしていない
(合計点)
◎:20〜24点、○:12〜19点、×:11点以下
Figure 2013215163

Claims (3)

  1. 澱粉類100質量部に対し、米麹を固形分として0.2〜3質量部、親油性乳化剤の水和物を0.05〜2質量部含有するパン生地。
  2. 上記親油性乳化剤の水和物が、可塑性乳化油脂組成物の水相中に存在する形態で含有する請求項1記載のパン生地。
  3. 請求項1または2に記載のパン生地を焼成したパン類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017055662A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 日東富士製粉株式会社 食品用組成物
JP2018050598A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 日油株式会社 製パン用油脂組成物

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