JP2010075138A - パン生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割・丸目時や成形時の生地物性が良好で、風味がよく、体積 ・内相とも良好で、ソフトな食感で老化耐性も高いパン類を製造することのできるパン生地、及び、該特徴を有するパン類を提供すること。
【解決手段】膨潤抑制澱粉、好ましくはさらに、増粘安定剤を0.01〜10質量%使用したフラワーペーストを、穀粉類100質量部に対し5〜50質量%添加したことを特徴とするパン生地、及び、該パン生地を焼成してなるパン類。
【選択図】 なし

Description

本発明は、風味がよく、体積 ・内相とも良好で、ソフトな食感で老化耐性も高い、パン類を製造することのできるパン生地に関する。
食パンやフランスパン、菓子パンなどのパン類は、古来愛されてきた食品であり、そのソフトな食感が特徴である。しかし、経日的にぱさつきやすいため、通常は、パン生地に対し、糖類や油脂類を添加したり、モノグリセライドやショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤を添加することが行なわれている。
しかし、これらの方法はパン類の基本成分である穀粉類とは異なる成分であることから、特に、食パンやフランスパンなどのリーンな配合のパン類、すなわち糖類や油脂類を基本的に使用しないパン類においては、風味はもちろん食感についても大きな変化が生じてしまう問題があった。
ここで、各種の澱粉類を使用する方法が考案され提案されている。(例えば特許文献1参照)しかし、通常、澱粉類を糊化澱粉の形態でパン生地に添加した場合、ミキシング時にグルテン骨格の形成を妨害するのみならず、せっかく形成されたグルテン骨格を破壊してしまう問題があった。そのため、パン生地の段階ではある程度の粘弾性を示し、焼成時の加熱により糊化させるという方法により、生地物性を良好なものに保ったままパンの改良をする方法が提案されている。
たとえば、餅を小片化してパン生地に分散させる方法(例えば特許文献2参照)や、冷水膨潤度や常温での膨潤度が一定の範囲である加工澱粉を使用する方法(例えば特許文献3〜8参照)などが提案されている。
しかし、これらの方法では、パン類の経日的なぱさつきを完全に抑制することが難しいという問題があった。
一方、上記成分以外で、製パン改良効果を示す食品素材や食品添加物として増粘多糖類があり、例えば、λカラギーナン(例えば特許文献9参照)や、アルギン酸類(例えば特許文献10参照)などが提案されている。
しかし、特許文献9には増粘多糖類は、粉末として添加するか、水溶液として添加する方法の記載しかなく、これらの方法であると、得られたパン類の生地物性が悪くなりやすく、またパンのボリュームが出ないという問題があり、特許文献10記載の方法は、主に歯切れのよい食感を付与するものであり、ソフトな食感を積極的に飲食品に付与するものではなかった。
特開昭59−175845号公報 特開平3−180137号公報 特開平3−87135号公報 特開2001−86924号公報 特開平04−091744号公報 特開昭57−5700号公報 特開昭53−148554号公報 特開平5−15296号公報 特開平2−16928号公報 特開2007−236322号公報
したがって、本発明の目的は、分割・丸目時や成形時の生地物性が良好で、風味がよく、体積 ・内相とも良好で、ソフトな食感で老化耐性も高いパン類を製造することのできるパン生地、及び、該特徴を有するパン類を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討した結果、膨潤抑制澱粉を含有するフラワーペーストをパン生地に添加し、製パンすることにより、上記問題を解決可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、膨潤抑制澱粉を使用したフラワーペーストを穀粉類100質量部に対し5〜50質量部添加したことを特徴とするパン生地を提供するものである。
また、本発明は、上記パン生地を焼成してなるパン類を提供するものである。
また、本発明は、膨潤抑制澱粉を使用したフラワーペーストを穀粉類100質量部に対し5〜50質量部添加することを特徴とする製パン改良方法を提供するものである。
本発明のパン生地は生地物性が良好であり、風味がよく、体積 ・内相とも良好で、ソフトな食感で老化耐性も高いパン類を得ることができる。
まず、本発明で使用するフラワーペースト類について詳述する。
フラワーペースト類とは、澱粉類の糊化による糊化澱粉によるボディーを有するものであり、例えば、フラワーペースト、カスタード、スープ等が挙げられる。
フラワーペースト製造時に、上記澱粉類として、一般的には小麦粉やコーンスターチ等の未糊化未化工の澱粉が使用されているが、本発明では、その一部又は全部に膨潤抑制澱粉を使用したフラワーペースト類を使用するものである。
該膨潤抑制澱粉としては、アミロース含量が好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であるハイアミロース澱粉や、リン酸架橋処理、乳化剤処理、湿熱処理等によって、澱粉ミセルを強化した化工澱粉等が挙げられる。尚、上記ハイアミロース澱粉の澱粉種については、米やコーンが一般的であるが、特に限定されない。また、上記化工澱粉の原料澱粉としては、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の市販の澱粉質材料等を用いることができる。また、これらの澱粉質材料をあらかじめ、エーテル処理、酸化処理又はエステル化処理したものも、上記原料澱粉として使用することができる。本発明では、上記膨潤抑制澱粉として、馬鈴薯澱粉及び/又はコーン澱粉を原料澱粉としたリン酸架橋澱粉を使用すると、より体積が大きく、ソフトでありながら歯切れが良好なパン類が得られる点で好ましい。
上記膨潤抑制澱粉の配合量は、上記フラワーペースト類中、好ましくは1〜30質量部が好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。
なお本発明で使用するフラワーペースト類には、上記膨潤抑制澱粉に加え、一般のフラワーペースト類で使用する未糊化未化工の澱粉類を併用することもできるが、その添加量はフラワーペースト類中、2質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは使用しないことが好ましい。該澱粉類の含有量が2質量%を超えると、得られるフラワーペーストの粘性が高まったり、硬くなったりするため、パン生地に練込使用する際にグルテン構造の生成を阻害したりグルテン構造を破壊するため、得られるパン類の体積が小さく、硬い食感になってしまう。
また、本発明のフラワーペースト類は、増粘安定剤を含有することが好ましい。これは、上記フラワーペースト類が、本発明では澱粉類として膨潤抑制澱粉を使用することにより、澱粉ゲルのほぐれ性が高まった状態になっているため、増粘安定剤を含有させることにより、フラワーペースト類の製パン練込用として好ましい粘性を付与するためである。
また、フラワーペースト類の製造時における乳化破壊を防止することによる物性改良効果や、保水性を向上させることによる離水防止効果や、得られるパン類の食感向上効果を得ることが可能となるためである。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のフラワーペースト類では、離水防止効果が高いことから、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム及びゼラチンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましく、とりわけ、パン生地へ練り込む際に短時間で均質に練りこまれやすいこと、及び、得られたパン生地が良好な伸展性を有する点でλ−カラギーナンを増粘安定剤中好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上使用することが好ましい。
上記増粘安定剤の含有量は、本発明のフラワーペースト類中、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明のフラワーペースト類は、油脂を含有することが好ましい。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記油脂類の含有量は、本発明のフラワーペースト類中、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。該油脂の含有量が3質量%未満では、得られるパン生地の伸展性が悪化するおそれがあり、その場合、得られるパン類の体積が減少し、また食感や老化耐性が悪化してしまうおそれもある。また、40質量%超では、得られるパン生地が、べとつきやすく、油分が分離しやすくなる。
なお、本発明のフラワーペースト類に、油脂を含有する副原料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの副原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
また、本発明のフラワーペースト類は、糖類を含有することが好ましい。
上記糖類は、上記澱粉類のような高分子の糖類以外の単糖類、二糖類、オリゴ糖等の低分子の糖類であれば特に限定されず、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類の含有量は、本発明のフラワーペースト類中、好ましくは8〜30質量%、より好ましくは10〜27質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。糖類の含有量が8質量%未満では、得られるパン類の食感が硬く、老化しやすいものとなることがある。また、30質量%超では、得られるパン生地がべたつきやすく、扱いにくくなる等の問題が生じるおそれがある。
また、本発明のフラワーペースト類は、実質的にトランス酸を含まないことが好ましい。水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、水素添加油脂は、完全水素添加油脂(極度硬化油脂)を除いて、通常、構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。ここでいう「実質的にトランス酸を含まない」とは、油脂の全構成脂肪酸中、トランス酸の含有量が好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下であることを意味する。本発明においては、上記極度硬化油以外の油脂として、天然油脂、並びに該天然油脂に分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることにより、実質的にトランス酸を含まないフラワーペースト類を簡単に得ることができる。
また、本発明のフラワーペースト類は、合成乳化剤を含有しないことが好ましい。
上記の合成乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。
本発明のフラワーペースト類には、上記合成乳化剤でない乳化剤を用いることができる。該乳化剤としては、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、乳脂肪球皮膜蛋白質が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
その他、本発明のフラワーペースト類には、通常フラワーペースト類の原料として使用し得る成分を使用することが可能であり、例えば、水、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、牛乳・練乳・脱脂粉乳・カゼイン・ホエーパウダー・バター・クリーム・ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・発酵乳等の乳や乳製品、ステビア・アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、ホエー蛋白濃縮物・トータルミルクプロテイン等の乳蛋白や動物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、香辛料抽出物、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。尚、これらの成分のうち、水並びに牛乳及び卵等の水分を含有する成分は、本発明のフラワーペースト類中の水分含有量が30〜85質量%となるように使用することが好ましい。
次に、本発明のフラワーペースト類の好ましい製造方法について述べる。
本発明のフラワーペースト類は、膨潤抑制澱粉を含有するフラワーペースト原料を、均質化処理した後、加熱することによって得ることができる。
具体的には、まず、膨潤抑制澱粉、油脂、糖類、水等のフラワーペースト原料を、加熱溶解、乳化混合して予備乳化組成物を作成する。なお、増粘安定剤を添加する場合は、作業性の点から、油相に添加するのが好ましい。
得られた予備乳化組成物は、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により、好ましくは圧力0〜800kg/cm2 の範囲で、均質化した後、加熱する。加熱は、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT、HTST、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、あるいは直火等を用いた加熱調理により行なうことができるが、膨潤抑制澱粉の糊化度を適度に抑制することが可能な点で、100〜140℃でのUHT、HTST等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理を使用することが好ましい。
また、加熱後には、必要により、再度均質化してもよい。また、加熱後には、必要により、急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施したり、エージングを行ってもよい。更に、得られた本発明のフラワーペースト類は、必要により、冷蔵状態もしくは冷凍状態で保存してもよい。
さらに、本発明のフラワーペースト類は、パン生地に練り込にやすくするためにその形状を、シート状、ブロック状、円柱状、ダイス状等としてもよい。各々の形状についての好ましいサイズは、シート状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50mm、ブロック状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ50〜500mm、円柱状:直径1〜25mm、長さ5〜100mm、ダイス状:縦5〜50mm、横5〜50mm、厚さ5〜50mmである。
本発明のパン生地は、上記フラワーペースト類を、パン生地に使用する穀粉類100質量部に対し5〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは10〜20質量部添加したものである。
上記パン生地の種類としては、小麦粉を主体とするパン類の生地であればどのようなものでも構わない。例えば、食パン生地、菓子パン生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、フランスパン生地ドーナツ生地等をあげることができる。
上記穀粉類としては、特に限定されるものではないが、小麦粉(薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉)、小麦全粒粉、小麦胚芽、小麦ふすま、デュラム粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉等を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、これらの中でも、小麦粉、小麦全粒粉、デュラム粉、ライ麦粉及びライ麦全粒粉の中から選ばれた1種又は2種以上を用いるのが好ましい。また、上記穀粉類としては、市販されているパン類用ミックスを用いてもよい。
上記パン生地には、上記のフラワーペースト類及び穀粉類以外に、通常のパン類におけるパン生地に使用可能なその他の成分を特に限定せず使用することができる。該その他の成分としては、例えば、水、ブドウ糖・果糖・ショ糖・麦芽糖・酵素糖化水飴・乳糖・還元澱粉糖化物・異性化液糖・ショ糖結合水飴・オリゴ糖・還元糖ポリデキストロース・ソルビトール・還元乳糖・トレハロース・キシロース・キシリトール・マルチトール・エリスリトール・マンニトール・フラクトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・ガラクトオリゴ糖・乳果オリゴ糖・ラフィノース・ラクチュロース・パラチノースオリゴ糖等の糖類、マーガリン・ショートニング・食用油脂等の油脂類、全卵・卵黄・卵白・乾燥全卵・乾燥卵黄・乾燥卵白等の卵類、イースト、甘味料、澱粉や化工澱粉、増粘安定剤、着色料、酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳等の乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズ等のチーズ類、アルコール類、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・卵黄レシチン・大豆レシチン等の乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、チョコチップ等のカカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、食品添加物等が挙げられる。これらのその他の成分は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、パン生地中において、穀粉類100質量部に対し、合計で200質量部以下、より好ましくは100質量部以下となる範囲で使用する。
本発明のパン生地は、通常のパン類におけるパン生地の製造方法を踏襲して製造することができ、その製造方法は、ストレート法、中種法、湯種法、長時間中種法、100質量%中種法、水種法、速成法、ノータイム法等の各種製造方法から適宜選択可能である。
次に本発明のパン類について述べる。
本発明のパン類は、上記のパン生地を通常のパン類と同様に、必要に応じ、丸めたり、延展したり、さらに打抜くなどの成形、型入れ、ホイロなどを行なった後、焼成、フライ、蒸すなどの加熱工程に供することにより、得ることができる。
また、本発明のパン生地は、ホイロをとらずに冷凍または冷蔵しても良いし、ホイロをとった後に冷凍または冷蔵しても良い。ホイロをとらずに冷凍または冷蔵したものも、ホイロをとった後に冷凍または冷蔵したものも、常法に従い、焼成、フライ、蒸すなどの加熱工程に供することにより、本発明のパン類とすることができる。
また、本発明のパン生地を焼成などの加熱工程に供して得られたパン類は、冷凍保存することが可能であり、冷凍保存した該パン類は、電子レンジで解凍調理することが可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
<フラワーペーストAの製造>
パーム油のランダムエステル交換油脂25質量%に、λ−カラギーナン:κ−カラギーナン:ゼラチン=4:1:2の増粘安定剤0.4質量%を添加し油相とした。水32質量%、コーン由来のリン酸架橋デンプン5質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)35質量%、WPI(タンパク質含有量92質量%)2.5質量%及び香料0.1質量%を混合し水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化後、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、合成乳化剤無添加で、ペースト状であるフラワーペーストを得た。
このフラワーペーストAの糖類含量は26.2質量%、油脂含有量は25質量%、トランス酸含量は1質量%以下であり、合成乳化剤を含まないものであった。
<フラワーペーストBの製造>
コーン由来のリン酸架橋デンプン5質量%に代えてコーンスターチ5質量部とした以外はフラワーペーストAと同様の配合・製造でフラワーペーストBを得た。
このフラワーペーストBの糖類含量は26.2質量%、油脂含有量は25質量%、トランス酸含量は1質量%以下であり、合成乳化剤を含まないものであった。
〔実施例1〕
下記配合・製法により、本発明のパン生地(菓子パン生地)、及び、パン類(菓子パン)を得た。
<配合・製法(中種法)>
〔実施例1〕
強力粉(イーグル:日本製粉製)70質量部、生イースト3質量部、イーストフード0.1質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は26℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85質量%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉(イーグル:日本製粉製)30質量部、食塩1.5質量部、上白糖20質量部、全卵(正味)6質量部、上記フラワーペーストA20質量部、水15質量部を添加し、低速で3分、中速で4分、高速で1分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%)5質量部を投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で3分、高速で2分ミキシングを行ない、本発明のパン生地である菓子パン生地を得た。得られた菓子パン生地の捏ね上げ温度は28℃であった。ここで、フロアタイムを30分とった後、60gに分割・丸目を行なった。分割・丸目時の菓子パン生地はべたつかず、作業性は良好であった。次いで、ベンチタイムを30分とった後、丸め成形し、展板に並べ、38℃、相対湿度80質量%で60分ホイロをとった後、190℃に設定した固定窯に入れ13分焼成して菓子パンを得た。得られた菓子パンの比容積は6.1であり、スライスしたところ、内相は良好であった。なお得られた菓子パンは下記のソフト性評価試験に供した。
〔比較例1〕
実施例1におけるフラワーペーストAに代えてフラワーペーストBを使用した以外は実施例1の配合・製法と同様にして、比較例の菓子パン生地、さらに菓子パンを得た。
分割・丸目時の菓子パン生地は伸展性が悪く、作業性は不良であった。
得られた菓子パンの比容積は5.5であり、スライスしたところ、内相は詰まっており不良であった。なお得られた菓子パンは下記のソフト性評価試験に供した。
〔比較例2〕
実施例1におけるフラワーペーストAを無添加とし、水を13質量部から15質量部に変更した以外は実施例1の配合・製法と同様にして、比較例の菓子パン生地、さらに菓子パンを得た。
分割・丸目時の菓子パン生地はややべたつきがあったが、作業性はほぼ良好であった。
得られた菓子パンの比容積は6.0であり、スライスしたところ、内相は良好であった。なお得られた菓子パンは下記のソフト性評価試験に供した。
<ソフト性評価試験>
実施例1、比較例1及び比較例2で得られた菓子パンをそれぞれ袋に詰めて25℃で24時間及び72時間静置した後、厚さ20mmにスライスしてサンプルを得た。FUDOHレオメーター(株式会社レオテック製)にて、直径3cmのプランジャーを用い、テーブルスピード6cm/分にてサンプルの応力を測定し、サンプルの50%厚までプランジャーが陥入した時点の応力値(gf)を算出した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2010075138
表1の結果からわかるとおり、膨潤抑制澱粉を使用したフラワーペーストを穀粉類100質量部に対し5〜30質量部添加したパン生地から得られた実施例1の菓子パンは、焼成30時間後でもソフトであり、72時間経過後においても老化が防止されていることがわかる。
それに対し、膨潤抑制澱粉に代えて通常の未糊化未化工のコーンスターチを使用したフラワーペーストを添加したパン生地から得られた比較例1の菓子パンは、焼成30時間後においてすでに硬く、72時間後にはさらに老化がすすんでいることがわかる。
また、フラワーペースト類を使用せずに得られた比較例2の菓子パンは、焼成30時間後においてやや硬く、72時間後には老化がすすんでいることがわかる。

Claims (5)

  1. 膨潤抑制澱粉を使用したフラワーペーストを穀粉類100質量部に対し5〜50質量部添加したことを特徴とするパン生地。
  2. 上記フラワーペーストが増粘安定剤を0.01〜10質量%含有することを特徴とする請求項1記載のパン生地。
  3. 上記増粘安定剤がλカラギーナンを30質量%以上含有することを特徴とする請求項2記載のパン生地。
  4. 上記フラワーペーストの油脂含有量が3〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパン生地。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のパン生地を焼成してなるパン類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014093947A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Adeka Corp フラワーペースト類及びその製造方法
JP2014113101A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Kaneka Corp 冷凍パン生地
WO2016046867A1 (ja) * 2014-09-26 2016-03-31 松谷化学工業株式会社 スライス適性に優れたベーカリー製品及びその製造方法

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