JP2014018163A - 白焼きパン生地 - Google Patents
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Abstract
【課題】白焼きパンは、白く焼き上げるために焼成温度が低い。そのため白焼きパンは水分含量が高く、ねちゃついた歯切れの悪い食感となりやすいという欠点があった。本発明はねちゃつきがなく、歯切れの良い食感を有する白焼きパンを提供することを課題とする。
【解決手段】油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する白焼きパン生地。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基
【選択図】なし
【解決手段】油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する白焼きパン生地。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基
【選択図】なし
Description
本発明は、歯切れのよい食感を有する白焼きパンに関する。
市場に定番商品として認知された白焼きパンは、焼き色をつけずに白く焼き上げたパンである。
白く焼き上げるために、焼成中にメイラード反応を起こす原材料である糖や蛋白質は極力配合されていないパンである。
また白焼きパンは、白く焼き上げるために焼成温度が低い。そのため白焼きパンは水分含量が高く、ねちゃついた歯切れの悪い食感となりやすいという欠点があった。
白く焼き上げるために、焼成中にメイラード反応を起こす原材料である糖や蛋白質は極力配合されていないパンである。
また白焼きパンは、白く焼き上げるために焼成温度が低い。そのため白焼きパンは水分含量が高く、ねちゃついた歯切れの悪い食感となりやすいという欠点があった。
この白焼きパンの食感について検討した先行技術としては特許文献1や2をあげることができる。
特許文献1には、大豆蛋白含有液をパン生地に含み、油脂組成物を折り込んだ層状パンの製造方法が記載されている。しかし、得られた層状パンは、大豆蛋白含有液による特有の風味を呈しやすく、パサつきのある食感となりやすいという欠点があった。
特許文献2には、アルギン酸類を有効成分とする製パン用醗酵風味改善剤が記載されている。この製パン用醗酵風味改善剤を白焼きパンに用いることにより、風味が改善され、経日的にソフトでしっとりとしたパンを得ることが可能であることが記載されているが、ねちゃつきを改善することについての記載は全くない。
特許文献1には、大豆蛋白含有液をパン生地に含み、油脂組成物を折り込んだ層状パンの製造方法が記載されている。しかし、得られた層状パンは、大豆蛋白含有液による特有の風味を呈しやすく、パサつきのある食感となりやすいという欠点があった。
特許文献2には、アルギン酸類を有効成分とする製パン用醗酵風味改善剤が記載されている。この製パン用醗酵風味改善剤を白焼きパンに用いることにより、風味が改善され、経日的にソフトでしっとりとしたパンを得ることが可能であることが記載されているが、ねちゃつきを改善することについての記載は全くない。
従って、本発明はねちゃつきがなく、歯切れの良い食感を有する白焼きパンを提供することを課題とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、特定組成を有するエステル交換油脂を含有する白焼きパン生地により上述の問題を解決できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する白焼きパン生地を提供するものである。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する白焼きパン生地を提供するものである。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基
本発明の白焼きパン生地により、ねちゃつきがなく、歯切れの良い食感を有する白焼きパンを製造することができる。
以下、本発明の白焼きパン生地について詳細に説明する。
本発明の白焼きパン生地は、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が好ましくは14〜20質量%、Pの占める割合が好ましくは31〜37質量%、Bの占める割合が好ましくは2〜5質量%、Sの占める割合が好ましくは53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基
本発明の白焼きパン生地は、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が好ましくは14〜20質量%、Pの占める割合が好ましくは31〜37質量%、Bの占める割合が好ましくは2〜5質量%、Sの占める割合が好ましくは53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14質量%よりも少ないと、白焼きパンがパサついた食感となるので好ましくなく、20質量%よりも多いと、白焼きパンがねちゃついた食感となるので好ましくない。
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちPの占める割合が31質量%よりも少なかったり、37質量%よりも多いと、白焼きパンがねちゃついた食感となるので好ましくない。
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちBの占める割合が2質量%よりも少なかったり、5質量%よりも多いと、白焼きパンがねちゃついた食感となるので好ましくない。
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちSの占める割合が53質量%よりも少なかったり、69質量%よりも多いと作業性が悪くなるので好ましくない。上記のSは炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基を、好ましくは炭素数8〜24の飽和脂肪酸残基を、より好ましくは炭素数8〜22の飽和脂肪酸残基を指す。
なお上記の炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基としては、具体的にカプロン酸残基、カプリル酸残基、カプリン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、アラキジン酸残基、ベヘン酸残基、リグノセリン酸残基を挙げることができる。
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちPの占める割合が31質量%よりも少なかったり、37質量%よりも多いと、白焼きパンがねちゃついた食感となるので好ましくない。
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちBの占める割合が2質量%よりも少なかったり、5質量%よりも多いと、白焼きパンがねちゃついた食感となるので好ましくない。
上記の油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちSの占める割合が53質量%よりも少なかったり、69質量%よりも多いと作業性が悪くなるので好ましくない。上記のSは炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基を、好ましくは炭素数8〜24の飽和脂肪酸残基を、より好ましくは炭素数8〜22の飽和脂肪酸残基を指す。
なお上記の炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基としては、具体的にカプロン酸残基、カプリル酸残基、カプリン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、アラキジン酸残基、ベヘン酸残基、リグノセリン酸残基を挙げることができる。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合は、好ましくは15〜20質量%、より好ましくは15〜19質量%、最も好ましくは16〜18質量%である。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちPの占める割合は、好ましくは31〜36質量%、より好ましくは33〜36質量%、最も好ましくは33〜35質量%である。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちBの占める割合は、好ましくは2.4〜5質量%、より好ましくは2.6〜5質量%、最も好ましくは3〜5質量%である。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちSの占める割合は、好ましくは59〜64質量%、より好ましくは60〜63質量%、最も好ましくは60〜62質量%である。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちPの占める割合は、好ましくは31〜36質量%、より好ましくは33〜36質量%、最も好ましくは33〜35質量%である。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちBの占める割合は、好ましくは2.4〜5質量%、より好ましくは2.6〜5質量%、最も好ましくは3〜5質量%である。
上記油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちSの占める割合は、好ましくは59〜64質量%、より好ましくは60〜63質量%、最も好ましくは60〜62質量%である。
上記の油脂配合物は具体的には以下の油脂1と油脂2及び油脂3を配合することにより得ることができる。
上記の油脂1はパーム系油脂であり、パーム油及びこれらの分別油或いはエステル交換油脂を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にパーム油を用いることが好ましい。
上記の油脂2はラウリン系油脂であり、パーム核油、ヤシ油、ババス油及びこれらの分別油或いはエステル交換油脂を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にパーム核油、ヤシ油、ババス油を用いることが好ましい。
上記の油脂3としては長鎖飽和脂肪酸残基を高含量含有する油脂であり、ハイエルシンナタネ極度硬化油及び魚極度硬化油を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にハイエルシンナタネ極度硬化油を用いることが好ましい。
上記の油脂1はパーム系油脂であり、パーム油及びこれらの分別油或いはエステル交換油脂を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にパーム油を用いることが好ましい。
上記の油脂2はラウリン系油脂であり、パーム核油、ヤシ油、ババス油及びこれらの分別油或いはエステル交換油脂を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にパーム核油、ヤシ油、ババス油を用いることが好ましい。
上記の油脂3としては長鎖飽和脂肪酸残基を高含量含有する油脂であり、ハイエルシンナタネ極度硬化油及び魚極度硬化油を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にハイエルシンナタネ極度硬化油を用いることが好ましい。
上記の油脂1と油脂2と油脂3の配合割合は、好ましくは油脂1が65〜75質量%、油脂2が19〜29質量%、油脂3が1〜11質量%、より好ましくは油脂1が68〜73質量%、油脂2が22〜27質量%、油脂3が4〜9質量%、最も好ましくは油脂1が69〜71質量%、油脂2が23〜25質量%、油脂3が5〜7質量%である。
上記の油脂1と油脂2と油脂3の配合割合が、油脂1が65〜75質量%、油脂2が19〜29質量%、油脂3が1〜11質量%の範囲外であると、口溶けが良く、ねちゃつきがなく、歯切れの良い食感を維持できる白焼きパンを得られにくい。
上記の油脂1と油脂2と油脂3の配合割合が、油脂1が65〜75質量%、油脂2が19〜29質量%、油脂3が1〜11質量%の範囲外であると、口溶けが良く、ねちゃつきがなく、歯切れの良い食感を維持できる白焼きパンを得られにくい。
次に、上記油脂配合物に対しランダムエステル交換を行ない、エステル交換油脂を得る。このエステル交換反応は、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよく、常法に従って行うことができる。上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が用いられる。
また、上記酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。尚、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土やセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
なお、本発明においてランダムエステル交換ではない位置選択性のエステル交換をしたエステル交換油脂では口溶けが良く、ねちゃつきがなく、歯切れの良い食感を有する白焼きパンを得られにくい。
本発明では、上記のエステル交換油脂は可塑性油脂組成物の形態で白焼きパン生地に含有させることが好ましい。これは、上記のエステル交換油脂の白焼きパン生地への分散性が向上するためである。
本発明の白焼きパン生地は、澱粉類100質量部に対し、油脂を好ましくは1.2〜30質量部、より好ましくは1.8〜20質量部、最も好ましくは3〜15質量部含有する。本発明の白焼きパン生地において、油脂の含有量が1.2質量部よりも少ないと、白焼きパンが硬くなりやすい。また、30質量部よりも多いと、白焼きパンがねちゃつきやすい。
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用する。
本発明の白焼きパン生地で含有させる上記油脂のうち、上記のエステル交換油脂の含有量は好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、一層好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上である。
本発明の白焼きパン生地は必要により、液状油脂を含有させても良い。液状油脂とは、常温(30℃)で液状の油脂を指し、好ましくは融点20℃未満である油脂、最も好ましくは融点10℃未満である油脂である。
上記液状油脂としては、例えば大豆油、菜種油、米油、綿実油、とうもろこし油、サフラワー油、ひまわり油、落花生油、ゴマ油、キャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックひまわり油、オリーブ油等の常温で液状の油脂や、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、サル脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油の常温で固形である油脂の分別軟部油であってもよく、本発明ではこれらの液状油脂の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用いることができる。本発明では、菜種油、米油、ゴマ油、キャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックひまわり油の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用いることが好ましい。
本発明の白焼きパン生地で含有させる上記油脂のうち、上記の液状油脂の含有量は好ましくは25質量%以下、より好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%である。
上記液状油脂としては、例えば大豆油、菜種油、米油、綿実油、とうもろこし油、サフラワー油、ひまわり油、落花生油、ゴマ油、キャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックひまわり油、オリーブ油等の常温で液状の油脂や、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、サル脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油の常温で固形である油脂の分別軟部油であってもよく、本発明ではこれらの液状油脂の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用いることができる。本発明では、菜種油、米油、ゴマ油、キャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックひまわり油の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用いることが好ましい。
本発明の白焼きパン生地で含有させる上記油脂のうち、上記の液状油脂の含有量は好ましくは25質量%以下、より好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%である。
本発明の白焼きパン生地は上記のエステル交換油脂や、液状油脂以外のその他の油脂を含有しても良い。
上記のその他の油脂としては例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、サル脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂及び上記液状油脂の極度硬化油である。本発明はこれらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の白焼きパン生地で含有させる上記油脂のうち、上記のその他の油脂の含有量は好ましくは5質量%以下である。
上記のその他の油脂としては例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、サル脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂及び上記液状油脂の極度硬化油である。本発明はこれらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の白焼きパン生地で含有させる上記油脂のうち、上記のその他の油脂の含有量は好ましくは5質量%以下である。
なお、上記油脂は、硬化油を含有しないことが好ましい。
上記の硬化油を含有しないとは、硬化油には通常、構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50質量%程度含まれているためであり、トランス酸に起因する健康阻害回避のため本発明では含有しないことが好ましい。
ただし、極度硬化油脂は完全に水素添加されており、トランス酸を含まないため、本発明では上記油脂として極度硬化油を含有することは構わない。
上記の硬化油を含有しないとは、硬化油には通常、構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50質量%程度含まれているためであり、トランス酸に起因する健康阻害回避のため本発明では含有しないことが好ましい。
ただし、極度硬化油脂は完全に水素添加されており、トランス酸を含まないため、本発明では上記油脂として極度硬化油を含有することは構わない。
上記油脂は、通常、油脂を含有する食品の形態で用いられ、その代表的な例としては、マーガリン・ショートニング・バターなどの可塑性油脂組成物や、流動ショートニング、液状油脂組成物、粉末油脂、純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム、クリームチーズ、チョコペースト等をあげることができる。本発明で用いる白焼きパン生地では可塑性油脂組成物の形態で油脂を用いることが好ましい。
上記油脂を含有する食品が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わないが、油中水型乳化物の形態で使用することが好ましい。
また油脂の含有量は、上記油脂を含有する食品の形態で使用する場合は、その純油脂含量で計算する。
上記油脂を含有する食品が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わないが、油中水型乳化物の形態で使用することが好ましい。
また油脂の含有量は、上記油脂を含有する食品の形態で使用する場合は、その純油脂含量で計算する。
ここで上記の可塑性油脂組成物について詳しく説明する。
上記の可塑性油脂組成物中の油脂の含有量は、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは75〜95質量%、最も好ましくは80〜95質量%である。上記の可塑性油脂組成物において、油脂の含有量が、60質量%よりも少ないと可塑性油脂組成物の乳化が不安定となりやすく、95質量%よりも多いと可塑性が不足しやすい。なお、上記の油脂として、上記の可塑性油脂組成物で含有させる以下のその他の成分に由来する油分も含めるものとする。
上記の可塑性油脂組成物中の油脂の含有量は、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは75〜95質量%、最も好ましくは80〜95質量%である。上記の可塑性油脂組成物において、油脂の含有量が、60質量%よりも少ないと可塑性油脂組成物の乳化が不安定となりやすく、95質量%よりも多いと可塑性が不足しやすい。なお、上記の油脂として、上記の可塑性油脂組成物で含有させる以下のその他の成分に由来する油分も含めるものとする。
上記の可塑性油脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、水、乳化剤、乳製品、グアーガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・アルギン酸類・ペクチン・キサンタンガム・プルラン・タマリンドシードガム・サイリウムシードガム・結晶セルロース・CMC・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン・ファーセルラン・タラガム・カラヤガム・トラガントガム・ジェランガム・澱粉・化工澱粉等の増粘安定剤、食塩・塩化カリウム等の塩味剤、アミラーゼ・プロテアーゼ・アミログルコシダーゼ・プルラナーゼ・ペントサナーゼ・セルラーゼ・リパーゼ・ホスフォリパーゼ・カタラーゼ・リポキシゲナーゼ・アスコルビン酸オキシダーゼ・スルフィドリルオキシダーゼ・ヘキソースオキシダーゼ・グルコースオキシダーゼ等の酵素、デキストリン、糖類、甘味料、無機塩類、食塩・塩化カリウム等の塩味剤、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、卵類、調味料、アミノ酸、pH調整剤、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデー等の蒸留酒、ワイン・日本酒・ビール等の醸造酒、各種リキュール、小麦蛋白・大豆蛋白などの植物蛋白、食品保存料、苦味量、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、ナッツペースト、香辛料、カカオ及びカカオ製品、ココアパウダー、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、紅茶、緑茶、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、食品添加物等を含有させてもよい。
上記の水としては水道水や天然水等の水や、上記の可塑性油脂組成物で含有させるその他の成分に由来する水分も含めたものとする。上記の可塑性油脂組成物において、上記の水の含有量は好ましくは5〜40質量%、より好ましくは5〜25質量%、最も好ましくは5〜20質量%である。
上記の乳化剤として、例えばグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。
上記の可塑性油脂組成物において、上記の乳化剤の含有量は好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。
上記の可塑性油脂組成物において、上記の乳化剤の含有量は好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。
上記乳製品としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、バター、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム、クリームパウダー、サワークリーム、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/又はWPI)、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、バターミルク、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、トータルミルクプロテイン、乳清ミネラル等が挙げられる。本発明ではこれらの乳製品の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の可塑性油脂組成物において、上記の乳製品の含有量は固形分換算で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。
上記の可塑性油脂組成物において、上記の乳製品の含有量は固形分換算で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。
次に上記の可塑性油脂組成物の好ましい製造方法について以下に説明する。
上記の可塑性油脂組成物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、油脂を溶解し、急冷可塑化することにより得ることができる。
上記の可塑性油脂組成物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、油脂を溶解し、急冷可塑化することにより得ることができる。
具体的には、まず油脂に必要によりその他の成分を添加し、油相とする、また水に必要によりその他の成分を添加し、水相とする、上記の油相を加熱溶解し、必要により水相を加え、混合し、油脂組成物とする。
上記水相を用いる場合、油相と水相との質量比率(前者:後者)は、好ましくは60〜95:5〜40、より好ましくは75〜95:5〜25、最も好ましくは80〜95:5〜20である。本発明において油相が60質量%よりも少なく水相が40質量%よりも多いと乳化が不安定となりやすい。また、油相が95質量%よりも多く、水相が5質量%よりも少ないと、良好な可塑性が得られにくい。
そして次に殺菌処理をすることが望ましい。殺菌方式は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続方式でも構わない。また殺菌温度は好ましくは80〜100℃、更に好ましくは80〜95℃、最も好ましくは80〜90℃とする。その後、必要により油脂結晶が析出しない程度に予備冷却を行なう。予備冷却の温度は好ましくは40〜60℃、更に好ましくは40〜55℃、最も好ましくは40〜50℃とする。
次に急冷可塑化を行なう。この急冷可塑化は、コンビネーター、ボテーター、パーフェクター、ケムテーターなどの密閉型連続式掻き取りチューブチラー冷却機(Aユニット)、プレート型熱交換機などが挙げられ、また開放型冷却機のダイヤクーラーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。この急冷可塑化を行なうことにより、可塑性を有する可塑性油脂組成物となる。
急冷可塑化の際に、ピンマシンなどの捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブ、ホールディングチューブを使用してもよい。
上記の可塑性油脂組成物の製造工程において、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
上記水相を用いる場合、油相と水相との質量比率(前者:後者)は、好ましくは60〜95:5〜40、より好ましくは75〜95:5〜25、最も好ましくは80〜95:5〜20である。本発明において油相が60質量%よりも少なく水相が40質量%よりも多いと乳化が不安定となりやすい。また、油相が95質量%よりも多く、水相が5質量%よりも少ないと、良好な可塑性が得られにくい。
そして次に殺菌処理をすることが望ましい。殺菌方式は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続方式でも構わない。また殺菌温度は好ましくは80〜100℃、更に好ましくは80〜95℃、最も好ましくは80〜90℃とする。その後、必要により油脂結晶が析出しない程度に予備冷却を行なう。予備冷却の温度は好ましくは40〜60℃、更に好ましくは40〜55℃、最も好ましくは40〜50℃とする。
次に急冷可塑化を行なう。この急冷可塑化は、コンビネーター、ボテーター、パーフェクター、ケムテーターなどの密閉型連続式掻き取りチューブチラー冷却機(Aユニット)、プレート型熱交換機などが挙げられ、また開放型冷却機のダイヤクーラーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。この急冷可塑化を行なうことにより、可塑性を有する可塑性油脂組成物となる。
急冷可塑化の際に、ピンマシンなどの捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブ、ホールディングチューブを使用してもよい。
上記の可塑性油脂組成物の製造工程において、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
本発明の白焼きパン生地は澱粉類100質量部に対して、上記の可塑性油脂組成物を好ましくは2〜30質量部、より好ましくは3〜20量部、最も好ましくは5〜15質量部含有する。
本発明の白焼きパン生地は水を含有する。
上記水としては、天然水や水道水の他に、水分を含有する食品の形態、たとえば牛乳などの乳や乳製品、卵類、液糖、水と油脂を含有する乳化物の形態である場合には、該乳化物に含まれる水分も含むものとする。
本発明の白焼きパン生地は、上記澱粉類100質量部に対し、上記水を好ましくは50〜100質量部、より好ましくは60〜80質量部含有する。50質量部よりも少ないと、得られるパン類のソフト感が持続しないので好ましくない。100質量部よりも多いと、パン生地がべたつきやすくなり、作業性が悪化するため好ましくない。
上記水としては、天然水や水道水の他に、水分を含有する食品の形態、たとえば牛乳などの乳や乳製品、卵類、液糖、水と油脂を含有する乳化物の形態である場合には、該乳化物に含まれる水分も含むものとする。
本発明の白焼きパン生地は、上記澱粉類100質量部に対し、上記水を好ましくは50〜100質量部、より好ましくは60〜80質量部含有する。50質量部よりも少ないと、得られるパン類のソフト感が持続しないので好ましくない。100質量部よりも多いと、パン生地がべたつきやすくなり、作業性が悪化するため好ましくない。
本発明の白焼きパンは、パン生地中の糖類及び/または蛋白質を、通常のパンに比べて配合量を減じ、必要に応じ、焼成温度を下げることによって、焼成時のクラスト部分のメイラード反応による着色を抑制したパンである。
すなわち、糖類、乳や乳製品、卵類については、これらの合計量が澱粉類100質量部に対し好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下にすることが好ましい。
すなわち、糖類、乳や乳製品、卵類については、これらの合計量が澱粉類100質量部に対し好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下にすることが好ましい。
なお、上記「糖類」とは、上白糖、グラニュー糖、粉糖、蔗糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、モラセス等が挙げられる。
また、上記「乳や乳製品」としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、クリームチーズ、バター、チーズ、濃縮ホエイ、ホイップクリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料等、脱脂粉乳、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエープロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。
また、上記「卵類」としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等が挙げられる。
また、本発明では、甘味成分として、糖アルコール及び/または高甘味度甘味料を使用することが好ましい。これらの含有量は、澱粉類100質量部に対し、甘味度を考慮したショ糖換算で好ましくは2〜30質量部、より好ましくは4〜20質量部である。
すなわち、糖アルコールの場合は、穀粉類100質量部に対し、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部となる含量である。高甘味度甘味料の場合は、澱粉類100質量部に対し、好ましくは0.005〜10質量部、より好ましくは0.05〜3質量部である。
なお、甘味度とは、甘味の強さを示す尺度のことであり、通常、基準にショ糖溶液を用い、ショ糖の甘味を1として、ショ糖以外の甘味料の甘さの強さをショ糖の甘さの強さに対する倍率で示したものである。
すなわち、糖アルコールの場合は、穀粉類100質量部に対し、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部となる含量である。高甘味度甘味料の場合は、澱粉類100質量部に対し、好ましくは0.005〜10質量部、より好ましくは0.05〜3質量部である。
なお、甘味度とは、甘味の強さを示す尺度のことであり、通常、基準にショ糖溶液を用い、ショ糖の甘味を1として、ショ糖以外の甘味料の甘さの強さをショ糖の甘さの強さに対する倍率で示したものである。
なお、上記糖アルコールとしては、還元水あめ、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトールが挙げられる。
また、上記高甘味度甘味料としてはスクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム、ネオテーム等が挙げられる。
本発明の白焼きパン生地は、上記以外に、通常のパン生地に使用可能な成分(以下、その他の材料という)を特に限定せず使用することができる。該その他の材料としては、例えば、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリン酒石酸脂肪酸エステル・グリセリンクエン酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤、大豆レシチン・卵黄レシチン・大豆リゾレシチン・卵黄リゾレシチン・酵素処理卵黄・サポニン・植物ステロール類・乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤)、増粘安定剤(キサンタンガム・アルギン酸・アルギン酸塩・アルギン酸エステル・グアガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・ペクチン・プルラン・タマリンドシードガム・結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン・ファーセルラン・タラガム・カラヤガム・トラガントガム・ジェランガム・大豆多糖類等)、デキストリン、イースト、膨張剤、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、無機塩類、食塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などがあげられる。
本発明の白焼きパン生地は、本発明の目的を損なわない限り、上記のその他の材料を任意に使用することができるが、パン生地で用いる澱粉類100質量部に対し、合計で好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、最も好ましくは70質量部以下となる範囲で含有させる。
本発明の白焼きパン生地は、本発明の目的を損なわない限り、上記のその他の材料を任意に使用することができるが、パン生地で用いる澱粉類100質量部に対し、合計で好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、最も好ましくは70質量部以下となる範囲で含有させる。
本発明の白焼きパン生地は速成法、ストレート法、中種法、液種法、サワー種法、湯種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法、冷凍生地法等の製パン法を適宜選択して製造することができ、ストレート法または中種法で製造することが好ましい。なお上記冷凍生地法は、混涅直後に冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する玉生地冷凍法、成形後に生地を冷凍する成形冷凍法、最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法等の種々の方法が採用できる。
本発明の白焼きパン生地は、例えば食パン生地、フランスパン生地、菓子パン生地、スイートロール生地、デニッシュ・ペストリー生地、イーストパイ生地、イーストドーナツ生地をあげることができる。なお上記のデニッシュ・ペストリー生地とパイ生地は、ロールイン用油脂を折り込む前の生地を指すものとする。
本発明の白焼きパンは、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有する白焼きパン生地を必要によりフロアータイム、分割、ベンチタイム、成形、ホイロをとり、焼成することにより得ることができる。
焼成する際の焼成温度は、好ましくは140〜190℃、より好ましくは160〜175℃である。焼成温度が140℃より低いとパンの骨格形成に時間がかかりボリュームのないパンとなりやすく、190℃よりも高いと目的とする白色の白焼きパンが得られにくい。
焼成する際の焼成温度は、好ましくは140〜190℃、より好ましくは160〜175℃である。焼成温度が140℃より低いとパンの骨格形成に時間がかかりボリュームのないパンとなりやすく、190℃よりも高いと目的とする白色の白焼きパンが得られにくい。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
〔エステル交換油脂A〕
パーム油70質量%とパーム核油24質量%とハイエルシン菜種極度硬化油6質量%からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ないエステル交換油脂Aを得た。
得られたエステル交換油脂Aの組成は、全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が16.6質量%、Pの占める割合が33.9質量%、Bの占める割合が3.6質量%、Sの占める割合が61.4質量%であった。
〔エステル交換油脂A〕
パーム油70質量%とパーム核油24質量%とハイエルシン菜種極度硬化油6質量%からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ないエステル交換油脂Aを得た。
得られたエステル交換油脂Aの組成は、全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が16.6質量%、Pの占める割合が33.9質量%、Bの占める割合が3.6質量%、Sの占める割合が61.4質量%であった。
(製造例1)
エステル交換油脂A95質量%とキャノーラ油5質量%からなる配合油82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例1の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
エステル交換油脂A95質量%とキャノーラ油5質量%からなる配合油82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例1の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
(製造例2)
エステル交換油脂A82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例2の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
エステル交換油脂A82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例2の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
(製造例3)
大豆油15質量%、パーム油60質量%、パーム硬化油(融点40℃)15質量%、パーム硬化油(融点45℃)10質量%からなる配合油82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例3の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
大豆油15質量%、パーム油60質量%、パーム硬化油(融点40℃)15質量%、パーム硬化油(融点45℃)10質量%からなる配合油82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例3の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
(製造例4)
大豆油15質量%、パーム油75質量%、パーム硬化油(融点40℃)10質量%からなる配合油82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例4の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
大豆油15質量%、パーム油75質量%、パーム硬化油(融点40℃)10質量%からなる配合油82質量%にグリセリン脂肪酸エステル0.5質量%、及びレシチン0.5質量%を配合し、油相を調製した。この油相83質量%に、水相として水17質量%を加えて、油中水型に乳化し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。次に予備冷却した油脂組成物を6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化し、製造例4の油中水型乳化の可塑性油脂組成物を得た。
(実施例1、2、比較例1、2)
製造例1〜4で得られた可塑性油脂組成物を用い、下記配合と製法により実施例1と実施例2、比較例1と比較例2の白焼きパンを製造した。なお、実施例1及び2には、製造例1及び2で得られた可塑性油脂組成物をそれぞれ用い、比較例1及び2には、製造例3及び4で得られた可塑性油脂組成物をそれぞれ用いた。
<白焼きパンの配合>
(中種配合)
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
パン酵母 3質量部
上白糖 3質量部
水 40質量部
(本捏配合)
強力粉 30質量部
食塩 1.4質量部
上白糖 5質量部
還元水あめ 5質量部
可塑性油脂組成物 8質量部
水 20質量部
製造例1〜4で得られた可塑性油脂組成物を用い、下記配合と製法により実施例1と実施例2、比較例1と比較例2の白焼きパンを製造した。なお、実施例1及び2には、製造例1及び2で得られた可塑性油脂組成物をそれぞれ用い、比較例1及び2には、製造例3及び4で得られた可塑性油脂組成物をそれぞれ用いた。
<白焼きパンの配合>
(中種配合)
強力粉 70質量部
イーストフード 0.1質量部
パン酵母 3質量部
上白糖 3質量部
水 40質量部
(本捏配合)
強力粉 30質量部
食塩 1.4質量部
上白糖 5質量部
還元水あめ 5質量部
可塑性油脂組成物 8質量部
水 20質量部
<菓子パンの製法>
中種配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に本捏配合の可塑性油脂組成物以外の全原料と上記の中種発酵を行った中種生地を、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングした後、本捏配合の可塑性油脂組成物を添加して、低速3分、中速4分ミキシングし、白焼きパン生地(捏ね上げ温度=28℃)を得た。
得られた白焼きパン生地は、フロアータイムを20分とり、100gに分割した。さらに15分ベンチタイムを取った後、ロール成形をし、38℃、相対湿度85%、60分のホイロを取った後、上火170℃下火190℃のオーブンで13分焼成し、白焼きパンを得た。
中種配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に本捏配合の可塑性油脂組成物以外の全原料と上記の中種発酵を行った中種生地を、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングした後、本捏配合の可塑性油脂組成物を添加して、低速3分、中速4分ミキシングし、白焼きパン生地(捏ね上げ温度=28℃)を得た。
得られた白焼きパン生地は、フロアータイムを20分とり、100gに分割した。さらに15分ベンチタイムを取った後、ロール成形をし、38℃、相対湿度85%、60分のホイロを取った後、上火170℃下火190℃のオーブンで13分焼成し、白焼きパンを得た。
<評価>
焼成1日後と焼成2日後の白焼きパンを食したときの歯切れを下記評価基準により評価し、結果を表1に示した。
(基準)
◎ 非常に良好
○ 良好
× ねちゃつく
焼成1日後と焼成2日後の白焼きパンを食したときの歯切れを下記評価基準により評価し、結果を表1に示した。
(基準)
◎ 非常に良好
○ 良好
× ねちゃつく
表1より、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂であるエステル交換油脂Aを含有した実施例1と実施例2で得られた白焼きパンは焼成1日後、焼成2日後ともに歯切れが非常に良好であった。
一方、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有しない比較例1と比較例2で得られた白焼きパンは焼成1日後、焼成2日後ともにねちゃついていた。
一方、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有しない比較例1と比較例2で得られた白焼きパンは焼成1日後、焼成2日後ともにねちゃついていた。
Claims (3)
- 油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちLの占める割合が14〜20質量%、Pの占める割合が31〜37質量%、Bの占める割合が2〜5質量%、Sの占める割合が53〜69質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を含有することを特徴とする白焼きパン生地。
ただし、上記のL,P、B,Sは以下の脂肪酸残基を示す。
L :ラウリン酸残基及びミリスチン酸残基
P :パルミチン酸残基
B :アラキジン酸残基及びベヘン酸残基
S :炭素数6〜24の飽和脂肪酸残基 - 澱粉類100質量部に対し、油脂を1.2〜30質量部含有し、該油脂のうち70質量%以上が、上記エステル交換油脂である請求項1に記載の白焼きパン生地。
- 請求項1または2に記載の白焼きパン生地を焼成した白焼きパン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012161144A JP2014018163A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 白焼きパン生地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012161144A JP2014018163A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 白焼きパン生地 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014018163A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115399355A (zh) * | 2022-09-16 | 2022-11-29 | 合肥工业大学 | 一种芝麻粕美拉德反应物的制备方法及其在面包中的应用 |
-
2012
- 2012-07-20 JP JP2012161144A patent/JP2014018163A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115399355A (zh) * | 2022-09-16 | 2022-11-29 | 合肥工业大学 | 一种芝麻粕美拉德反应物的制备方法及其在面包中的应用 |
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