JP5758108B2 - エステル交換油脂およびこれを用いたロールイン用油脂組成物 - Google Patents
エステル交換油脂およびこれを用いたロールイン用油脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5758108B2 JP5758108B2 JP2010256726A JP2010256726A JP5758108B2 JP 5758108 B2 JP5758108 B2 JP 5758108B2 JP 2010256726 A JP2010256726 A JP 2010256726A JP 2010256726 A JP2010256726 A JP 2010256726A JP 5758108 B2 JP5758108 B2 JP 5758108B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- fat
- mass
- composition
- roll
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
さらに良好な歯切れとサクサク感を持続できる層状ベーカリー食品に関する。
この歯切れが良くサクサク感を呈する層状ベーカリー食品を提供するため、ロールイン用油脂組成物の種類や焼成条件を各種設定するのが一般的である。
一方、エステル交換油脂において、全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうち炭素数14以下の飽和脂肪酸残基の占める割合や炭素数20以上の飽和脂肪酸残基の占める割合に着目した技術としては特許文献1〜3を挙げることができる。
また、特許文献2では、液状油5〜15重量%とベヘン酸又はそのエステルあるいはそれらを含む油脂とパーム油起源の油脂およびラウリン系油脂との配合油を、1,3位特異性リパーゼを作用させて選択的にエステル交換することを特徴とするハードストックの製造法が記載されている。
さらに、特許文献3では、構成脂肪酸含有率が炭素数12以下の飽和脂肪酸12〜17重量%、炭素数14以上の飽和脂肪酸30〜65重量%、炭素数20以上の飽和脂肪酸2重量%以下である油脂混合物を、ランダムエステル交換し、更に水素添加して得られる油脂組成物が記載されている。
また本発明のエステル交換油脂を用いたロールイン用油脂組成物を使用した層状ベーカリー製品は、良好な歯切れやサクサク感を有することができる。
本発明のエステル交換油脂は、油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちラウリン酸残基の占める割合が9〜15質量%、パルミチン酸残基の占める割合が31〜37質量%、ベヘン酸残基の占める割合が2.5〜5.5質量%、飽和脂肪酸残基の占める割合が53〜67質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂である。
上記の油脂1はパーム系油脂であり、パーム油及びこれらの分別油或いはエステル交換油脂を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にパーム油を用いることが好ましい。
上記の油脂2はラウリン系油脂であり、パーム核油、ヤシ油、ババス油及びこれらの分別油或いはエステル交換油脂を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にパーム核油、ヤシ油、ババス油を用いることが好ましい。
上記の油脂3としては長鎖飽和脂肪酸残基を高含量含有する油脂であり、ナタネ極度硬化油及び魚極度硬化油を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明では特にハイエルシンナタネ極度硬化油を用いることが好ましい。
上記の油脂1と油脂2と油脂3の配合比率が、油脂1が65〜75質量%、油脂2が19〜29質量%、油脂3が1〜11質量%の範囲外であると、得られたエステル交換油脂を用いたロールイン用油脂組成物において、広い温度許容性を有し難い。
なお、本発明においてランダムエステル交換ではない位置選択性のエステル交換をしたエステル交換油脂をロールイン用油脂組成物に用いると広い温度許容性が得られず、またこの位置選択性のエステル交換をしたエステル交換油脂を用いたロールイン用油脂組成物を使用した層状ベーカリー食品において良好な歯切れやサクサク感が得られないので好ましくない。
上記のランダムエステル交換油脂以外の油脂としては例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、サル脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂があげられる。本発明はこれらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。特に乳脂(乳脂を含有するバターを含む)を用いることが好ましい。
尚、ここでいう「トランス酸を実質的に含有しない」とは、トランス酸の含有量が、上記のロールイン用油脂組成物に含まれる油脂の構成脂肪酸組成において、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは2質量%以下であることを意味する。
尚、上記の油相とは、油脂に、必要に応じて、乳化剤、着色料、酸化防止剤、着香料、調味料等を添加したものを指す。また、上記の油脂には、乳製品(例えばバター中の乳脂)、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材から抽出される脂肪分も含まれる。
上記のその他の成分としては水、卵類、蛋白質、糖類、甘味料、乳化剤、増粘安定剤を含有することができる。
上記の卵類の含有量は、上記のロールイン用油脂組成物中、固形分として好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜0.5質量%、最も好ましくは0〜0.5質量%である。
上記の乳蛋白質としてはホエイ蛋白質のみ、カゼイン蛋白質のみ、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質との併用のいずれでもよいが、ホエイ蛋白質のみもしくは、ホエイ蛋白質とカゼイン蛋白質を併用するのが好ましい。
上記のホエイ蛋白質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトンの各単体や、これらの混合物、若しくはこれらを含有する食品素材として、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/又はWPI)等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記の蛋白質の配合量は特に制限はないが、上記のロールイン用油脂組成物中、好ましくは0〜3質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%、最も好ましくは0.05〜0.4質量%である。
特に上記の糖類としてブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖より選ばれた1種または2種以上を用いることが好ましい。
上記の糖類の配合量は特に制限はないが、上記のロールイン用油脂組成物中、固形分として好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは0.01〜3質量%である。
上記の乳化剤の含有量は特に制限はないが、上記のロールイン用油脂組成物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%、最も好ましくは2〜4質量%である。
特に上記のロールイン用油脂組成物では健康志向や風味の点で、上記の合成乳化剤を用いないのが好ましく、合成乳化剤や天然乳化剤を用いないのがさらに好ましい。
上記の増粘安定剤の含有量は、特に制限はないが、上記のロールイン用油脂組成物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。
なお、上記のロールイン用油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
まず本発明のエステル交換油脂に必要により上記のその他の成分を添加し、油相とする。そしてこの油相を加熱溶解し、必要により、水にその他の成分を添加した水相を加える。
そして殺菌処理するのが望ましい。殺菌方式は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続方式でも構わない。また殺菌温度は好ましくは80〜100℃、さらに好ましくは80〜95℃、最も好ましくは80〜90℃とする。その後、必要により油脂結晶が析出しない程度に予備冷却を行なう。予備冷却の温度は好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは40〜55℃、最も好ましくは40〜50℃とする。
これらの装置の後に、ピンマシンなどの捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブ、ホールディングチューブを使用してもよい。
また、上記のロールイン用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
上記のロールイン用油脂組成物の油相の10℃における固体脂含量(SFC)は、好ましくは80%以下、さらに好ましくは5〜70%、最も好ましくは10〜60%とするのがよい。また、20℃における固体脂含有量は、好ましくは60%以下、さらに好ましくは5〜50%、最も好ましくは10〜40%とするのがよい。
上記のロールイン用油脂組成物は、パイやデニッシュペストリーなどの層状ベーカリー食品の製造におけるロールイン用途に用いることができる。
上記用途における上記のロールイン用油脂組成物の使用量は、層状ベーカリー食品の種類などにより異なるものであり、特に限定されるものではない。
実施例1〜5は本発明のエステル交換油脂の実施例であり、比較例1〜7はエステル交換油脂の比較例である。
実施例6〜10は本発明のロールイン用油脂組成物の実施例であり、比較例8〜15はロールイン用油脂組成物の比較例である。尚、実施例6〜10及び比較例8〜15で使用したバターは、乳脂83質量%で、油相83質量%、水相17質量%であった。
実施例11〜15は本発明のロールイン用油脂組成物を用いたデニッシュペストリーの実施例であり、比較例16〜23は比較例のロールイン用油脂組成物を用いたデニッシュペストリーの比較例である。
パーム油70重量%とパーム核油24重量%とハイエルシン菜種極度硬化油6重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、本発明の油脂1を得た。得られた油脂1の組成を表1に示した。
パーム油65重量%とパーム核油29重量%とハイエルシン菜種極度硬化油6重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、本発明の油脂2を得た。得られた油脂2の組成を表1に示した。
パーム油75重量%とパーム核油19重量%とハイエルシン菜種極度硬化油6重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、本発明の油脂3を得た。得られた油脂3の組成を表1に示した。
パーム油70重量%とパーム核油19重量%とハイエルシン菜種極度硬化油11重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、本発明の油脂4を得た。得られた油脂4の組成を表1に示した。
パーム油65重量%とパーム核油24重量%とハイエルシン菜種極度硬化油11重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、本発明の油脂5を得た。得られた油脂5の組成を表1に示した。
パーム油70重量%とパーム核油24重量%とハイエルシン菜種極度硬化油6重量%とを混合、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、油脂6を得た。得られた油脂6の組成を表1に示した。
パーム油100重量%を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエ
ステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、油脂7を得た。得られた油脂7の組成を表1に示した。
パーム油68重量%とパーム核油30重量%とハイエルシン菜種極度硬化油2重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、油脂8を得た。得られた油脂8の組成を表1に示した。
パーム油77重量%とパーム核油20重量%とハイエルシン菜種極度硬化油3重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、油脂9を得た。得られた油脂9の組成を表1に示した。
パーム油73重量%とパーム核油27重量%とからなる油脂配合物を、ナト
リウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂
白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(25 0℃、
60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を 行ない、
油脂10を得た。得られた油脂10の組成を表1に示した。
パーム油75重量%とパーム核油15重量%とハイエルシン菜種極度硬化油10重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、油脂11を得た。得られた油脂11の組成を表1に示した。
パーム油60重量%とパーム核油30重量%とハイエルシン菜種極度硬化油10重量%とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、油脂12を得た。得られた油脂12の組成を表1に示した。
実施例1で得られた油脂1を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明の油中水型乳化のロールイン用油脂組成物1を得た。ロールイン用油脂組成物1に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
実施例2で得られた油脂2を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明の油中水型乳化のロールイン用油脂組成物2を得た。ロールイン用油脂組成物2に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
実施例3で得られた油脂3を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明の油中水型乳化のロールイン用油脂組成物3を得た。ロールイン用油脂組成物3に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.3質量%であった。
実施例4で得られた油脂4を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明の油中水型乳化のロールイン用油脂組成物4を得た。ロールイン用油脂組成物4に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
実施例5で得られた油脂5を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明の油中水型乳化のロールイン用油脂組成物5を得た。ロールイン用油脂組成物5に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
比較例1で得られた油脂6を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物6を得た。ロールイン用油脂組成物6に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
比較例2で得られた油脂7を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物7を得た。ロールイン用油脂組成物7に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.5質量%であった。
比較例3で得られた油脂8を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物8を得た。ロールイン用油脂組成物8に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
比較例4で得られた油脂9を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物9を得た。ロールイン用油脂組成物9に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.3質量%であった。
比較例5で得られた油脂10を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物10を得た。ロールイン用油脂組成物10含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
比較例6で得られた油脂11を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物11を得た。ロールイン用油脂組成物11に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.3質量%であった。
比較例7で得られた油脂12を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター27質量部と水13質量部とを加え、油相82.4質量%、水相17.6質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物12を得た。ロールイン用油脂組成物12に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
実施例1で得られた油脂1を95質量部、菜種油を5質量部配合した混合油を溶解し、この混合油87質量部に水13質量部とを加え、油相87質量%、水相13質量%の予備乳化物を製造し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した。
次に6本のAユニット、レスティングチューブを通過させ、急冷可塑化した。その後、サイズが縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、油中水型乳化のロールイン用油脂組成物13を得た。ロールイン用油脂組成物13に含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸の含有量は1.2質量%であった。
(デニッシュペストリーの配合)
強力粉 70 質量部
薄力粉 30 質量部
イースト 5 質量部
イーストフード 0.1 質量部
上白糖 15 質量部
食塩 1.2 質量部
脱脂粉乳 3 質量部
全卵 6 質量部
練り込み用油脂(マーガリン) 8 質量部
水 47 質量部
ロールイン用油脂組成物1 50 質量部
呈味材(水分40質量%のフラワーヘ゜ースト) 30 質量部
ロールイン用油脂組成物1と上記の練り込み用油脂とフラワーペースト以外の材料をミキサーボールに入れ、フックを用い、縦型ミキサーにてL3、M2にてミキシングを行ない、練り込み用油脂を入れ、さらにL3、M3、H2にてミキシングを行ない、生地を調製した。そしてフロアタイムを20分とり、−10℃の冷凍庫で24時間リタードさせた。
次にこの生地で実施例6で得られたロールイン用油脂組成物1を包み、3つ折り2回行い、ベーカリー生地を得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに実施例7で得られたロールイン用油脂組成物2を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに実施例8で得られたロールイン用油脂組成物3を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに実施例9で得られたロールイン用油脂組成物4を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに実施例10で得られたロールイン用油脂組成物5を用いた以外は、実施例と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例8で得られたロールイン用油脂組成物6を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例9で得られたロールイン用油脂組成物7を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例10で得られたロールイン用油脂組成物8を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例11で得られたロールイン用油脂組成物9を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例12で得られたロールイン用油脂組成物10を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例13で得られたロールイン用油脂組成物11を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例14で得られたロールイン用油脂組成物12を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
ロールイン用油脂組成物1の代わりに比較例15で得られたロールイン用油脂組成物13を用いた以外は、実施例11と同様の配合と製法にて、デニッシュペストリーを得た。
得られたデニッシュペストリーの評価を表2に示した。
温度許容性: 上記のデニッシュペストリーの製法において生地でロールイン用油脂組成物を包んだものを低温(10℃の恒温室)または高温(30℃の恒温室)に1時間保持した後、3つ折りを行った際のロールイン用油脂組成物の状態を評価した。
◎:低温で保持した場合においてロールイン用油脂組成物に割れがなく、且つ高温で保持した場合においてロールイン用油脂が軟化(油脂分離)しない。
〇 :低温で保持した場合においてロールイン用油脂組成物にやや割れが見られるか、または高温で保持した場合においてロールイン用油脂がやや軟化(油脂分離)する。
△ :低温で保持した場合においてロールイン用油脂組成物が割れるか、または高温で保持した場合においてロールイン用油脂が軟化(油脂分離)する。
× :低温で保持した場合においてロールイン用油脂組成物が割れ、且つ高温で保持した場合においてロールイン用油脂組成物が軟化(油脂分離)する。
◎ :噛み切りやすい
〇 :やや噛み切りやすい
△ :やや噛み切りにくい
× :噛み切りにくい
◎ :咀嚼時に砕けやすい
〇 :咀嚼時にやや砕けやすい
△ :咀嚼時にやや砕けにくい
× :咀嚼時に砕けにくい
◎ :咀嚼時に砕けやすい
〇 :咀嚼時にやや砕けやすい
△ :咀嚼時にやや砕けにくい
× :咀嚼時に砕けにくい
Claims (4)
- 油脂配合物中の全トリグリセリドを構成する全脂肪酸残基のうちラウリン酸残基の占める割合が9〜15質量%、パルミチン酸残基の占める割合が31〜37質量%、ベヘン酸残基の占める割合が2.5〜5.5質量%、飽和脂肪酸残基の占める割合が53〜67質量%である油脂配合物をランダムエステル交換したことを特徴とするエステル交換油脂。
- 請求項1記載のエステル交換油脂を油相中に40〜80質量%含有するロールイン用油脂組成物。
- 含まれる油脂の構成脂肪酸組成においてトランス酸を実質的に含有しない請求項2記載のロールイン用油脂組成物。
- 請求項2または3に記載のロールイン用油脂組成物を用いた層状ベーカリー食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010256726A JP5758108B2 (ja) | 2010-11-17 | 2010-11-17 | エステル交換油脂およびこれを用いたロールイン用油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010256726A JP5758108B2 (ja) | 2010-11-17 | 2010-11-17 | エステル交換油脂およびこれを用いたロールイン用油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012105583A JP2012105583A (ja) | 2012-06-07 |
JP5758108B2 true JP5758108B2 (ja) | 2015-08-05 |
Family
ID=46491959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010256726A Active JP5758108B2 (ja) | 2010-11-17 | 2010-11-17 | エステル交換油脂およびこれを用いたロールイン用油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5758108B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6585346B2 (ja) * | 2012-09-26 | 2019-10-02 | 日清オイリオグループ株式会社 | 可塑性油脂組成物及びその製造方法 |
JP6193792B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-09-06 | 日清オイリオグループ株式会社 | ロールイン用油脂組成物、層状穀粉膨化食品用生地及び層状穀粉膨化食品 |
JP6507736B2 (ja) * | 2015-03-12 | 2019-05-08 | 株式会社カネカ | 新規なパン生地及び練り込み用油中水型乳化油脂組成物 |
JP6072331B2 (ja) * | 2015-05-01 | 2017-02-01 | 太陽油脂株式会社 | 家庭用マーガリン類製造用油脂組成物 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5774041A (en) * | 1980-10-27 | 1982-05-10 | Asahi Denka Kogyo Kk | Oil and fat composition |
DE69711952T2 (de) * | 1996-01-23 | 2002-10-02 | Csm Nederland Bv | Geschichtetes Fettprodukt |
JP2001262181A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-09-26 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 可塑性油脂組成物 |
JP2002121585A (ja) * | 2000-10-16 | 2002-04-26 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂組成物及びその製造方法 |
JP5507842B2 (ja) * | 2006-09-06 | 2014-05-28 | 不二製油株式会社 | 層状小麦粉膨化食品用可塑性油中水型乳化物 |
JP4582099B2 (ja) * | 2007-02-14 | 2010-11-17 | 不二製油株式会社 | ロールイン用可塑性油中水型乳化物 |
JP4965405B2 (ja) * | 2007-10-18 | 2012-07-04 | 株式会社カネカ | 可塑性油脂組成物 |
MY157397A (en) * | 2008-05-15 | 2016-06-15 | Nisshin Oillio Group Ltd | Hard fat |
-
2010
- 2010-11-17 JP JP2010256726A patent/JP5758108B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012105583A (ja) | 2012-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5406050B2 (ja) | コク味強化剤 | |
JP5851169B2 (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP5306757B2 (ja) | 起泡性水中油型乳化油脂組成物 | |
JP5855370B2 (ja) | ロールイン用油中水型乳化組成物 | |
JP6231282B2 (ja) | ベーカリー食品用油脂組成物 | |
JP6174308B2 (ja) | 可塑性油中水型乳化油脂組成物 | |
JP5758108B2 (ja) | エステル交換油脂およびこれを用いたロールイン用油脂組成物 | |
JP5714288B2 (ja) | ベーカリー練り込み用可塑性油中水型乳化油脂組成物 | |
JP6745576B2 (ja) | 湯種用油脂組成物 | |
JP5004847B2 (ja) | 油中水型乳化油脂組成物 | |
JP2014161247A (ja) | 層状ベーカリー生地 | |
JP5982173B2 (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP2016111985A (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP2015116147A (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP6144555B2 (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP7063631B2 (ja) | ロールイン用油脂組成物 | |
JP7007050B2 (ja) | 油中水型乳化油脂組成物 | |
JP6824564B2 (ja) | 起泡性水中油型乳化油脂組成物 | |
JP2009240261A (ja) | 製パン改良剤 | |
JP2010081845A (ja) | 積層状フライ食品の製造方法 | |
JP6940263B2 (ja) | ロールイン用可塑性油脂組成物 | |
JP4093689B2 (ja) | 可塑性油中水型乳化物 | |
JP2012217432A (ja) | ベーカリー用上掛け生地 | |
JP2010239902A (ja) | 米粉パン用風味改良剤 | |
JP6513987B2 (ja) | シート状可塑性油脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130918 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141021 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150526 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150603 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5758108 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03 |