JP6513987B2 - シート状可塑性油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ロールイン時の伸展性が良く作業性に優れ、また、最終的に内相が均一で食感のよい層状ベーカリー製品を得られるシート状可塑性油脂組成物に関する。
近年、供給安定性の面からバターや乳脂等の乳原料、豚脂、牛脂といった動物由来の油脂原料から植物性油脂を利用することへのニーズが高まっている。とくに、生産量の多いパーム系の油脂原料は様々な用途に活用されるようになっており、デニッシュ・ペストリー、クロワッサン、パイ等の層状ベーカリー製品に必要なシート状油脂についても活用を求める声が強い。
層状ベーカリー製品の製造では、折パイ方式と練りパイ方式があるが、一般的にはまずシート状の可塑性油脂を生地の間に挟み込み、折り畳み、圧延を繰り返すことで生地中に薄い油脂層を多数形成させる折パイ法が行われる。ここでこの油脂層は、小麦粉生地層の相互の付着を防止する役割を果たし、続く焼成において、生地から発生する水蒸気や炭酸ガスの発散を遮り、この結果として製品を層状に膨張させフレーキーなテクスチャーを付与する。油脂層が生地に対して均一に伸展し、薄くかつ千切れることなく広がることが、層状ベーカリー製品の製造においてきわめて重要である。
しかし、上記パーム系油脂をシート状の可塑性油脂の原料油脂として使用した場合、パーム系の油脂は結晶化が遅く、保管中に結晶化が進んでしまうことから伸展性が悪く作業性が大きく損なわれ、結果的に得られるベーカリー製品の内相が不均一となったり、食感が劣ったものとなるほか、均一な製品が得られなくなるという問題があった。
このような課題を解決するため、シート状油脂へパーム系油脂を活用することについては、(特許文献1)には、パーム油とトランス酸とを多く含む油脂をエステル交換後、分別して得たオレイン画分を利用する方法、(特許文献2)には、パーム系油脂とラウリン系油脂、液体油脂のエステル交換油と魚油硬化油とを配合する方法が開示されている。
しかし、いずれも部分硬化油を一定量含有するものであり、近年の部分硬化油低減化への要請の中で改善策としては好ましくない。
一方、(特許文献3)には、パームステアリン1重量部に対し、ラードを1.0〜3.0重量部の比率で含有し、且つ、特定のSFCを有する可塑性油脂組成物が開示されている。
しかし、(特許文献3)では、ラードを主体としたものであって組成が限定されるうえ、実質的に利用できるパーム系油脂も限られるものであった。
特開昭59−174700号公報 特開平8−242765号公報 特開2005−320445号公報
よって本発明の目的は、パーム系の油脂原料を多く使用した場合であっても、ロールイン時の伸展性が良く作業性に優れ、また、内相が均一で食感のよい層状ベーカリー製品を得ることができるシート状可塑性油脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討した結果、パーム系油脂を主体とする特定の油脂を特定量含有させることで上記課題を解決できることを知見した。
本発明は上記知見に基づくものである。すなわち、
下記パーム系油脂を主体とする油脂Aを、油分基準で1〜20質量%含有することを特徴とする、シート状可塑性油脂組成物である。
油脂A:下記(a)〜(c)を満たすランダムエステル交換油脂
(a) S2Uが20〜60質量%
(b) SU2/S2U=0.2〜0.6
(c) P2St/PSt2=1〜4
(但し、
S2U:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてSを2個、Uを1個有するトリグリセリド
SU2:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてSを1個、Uを2個有するトリグリセリド
P2St:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてPを2個、Stを1個有するトリグリセリド
PSt2:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてPを1個、Stを2個有するトリグリセリド
S:炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基
U:炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基
St:ステアリン酸残基
P:パルミチン酸残基
である。)
本発明によれば、パーム系の油脂原料を多く使用した場合であっても、ロールイン時の伸展性が良く作業性に優れ、また、最終的に内相が均一で食感のよい層状ベーカリー製品を得られるシート状可塑性油脂組成物を得ることができる。
以下、本発明のシート状可塑性油脂組成物について詳述する。
本発明のシート状可塑性油脂組成物は、下記パーム系油脂を主体とする油脂Aを、油分基準で1〜20質量%含有するものである。
油脂A:下記(a)〜(c)を満たすランダムエステル交換油脂
(a) S2Uが20〜60質量%
(b) SU2/S2U=0.2〜0.6
(c) P2St/PSt2=1〜4
まず、本発明のシート状可塑性油脂組成物の必須成分である油脂Aについて説明する。
油脂Aは、パーム系油脂を主体とするものである。
ここでいうパーム系油脂とは、パーム油、さらにパーム油を原料油脂として分別、硬化、エステル交換等の処理のうち1種又は2種以上を組み合わせて得られた油脂をいう。
また、油脂Aが「パーム系油脂を主体とする」とは、上記パーム系油脂を油脂Aの原料油脂として50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有していることを意味するものとする。
パーム系油脂を主体としない場合、本発明の効果が十分に得られず、またパーム系油脂を活用するという本発明の趣旨からも外れてしまう。
次に、油脂Aの条件(a)〜(c)について説明する。
条件(a)について:
本発明において、油脂Aは油分中に占めるS2U型トリグリセリド(以下、S2Uということもある。ただし、Sは炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基を示し、Uは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を示し、S2Uは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基として、Sを2個とUを1個有するトリグリセリドを示す。)の割合が20〜60質量%であり、好ましくは25〜55質量%、より好ましくは30〜50質量%である。S2Uが20質量%よりも少ないと、最終的に得られる層状ベーカリー製品の内相が不均一で食感が劣ったものとなってしまう。また、S2Uが60質量%よりも多いと、十分な可塑性が得られなかったり、伸展性の劣ったものとなってしまう。
条件(b)について:
本発明において、油脂Aは油分中に占めるS2U型トリグリセリドとSU2型トリグリセリドの比であるSU2/S2U(但し、SU2型トリグリセリドはトリグリセリドを構成する脂肪酸残基として、Sを1個、Uを2個有するトリグリセリドを示す。)が0.2〜0.6であり、好ましくは0.25〜0.55、より好ましくは0.3〜0.5である。0.2よりも小さいと伸展性の劣ったものとなってしまい、0.6よりも大きいと最終的に得られるベーカリー製品の食感が劣ったものとなってしまう。
条件(c)について:
本発明において、油脂Aは油分中に占めるP2St型トリグリセリドとPSt2型トリグリセリドの比であるP2St/PSt2(Pはパルミチン酸残基、Stはステアリン酸残基を示し、P2St型トリグリセリドはトリグリセリドを構成する脂肪酸残基として、Pを1個、Stを1個有するトリグリセリドを示す。また、PSt2型トリグリセリドは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基として、Pを1個、Stを2個有するトリグリセリドを示す。)は1〜4であり、好ましくは1.2〜3.8、より好ましくは1.5〜3.5である。
1よりも小さいと最終的に得られる層状ベーカリー製品の食感が劣ったものとなってしまい、また4よりも大きいと、食感が劣るほか、ロールイン時の伸展性が劣ったものとなってしまう。
本発明で必須成分である油脂Aは、上記条件(a)〜(c)を満たす他、ランダムエステル交換油脂であることが必要である。
上記ランダムエステル交換を行う方法としては、化学的触媒による方法でも、位置選択性のない酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記位置選択性のない酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes) 属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、ムコール(Mucor) 属、ペニシリウム(Penicillium) 属等に由来するリパーゼが挙げられる。尚、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
上記条件(a)〜(c)を満たし、ランダムエステル交換油脂である油脂Aは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、飽和脂肪酸残基の割合が50〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、65〜85質量%であることが最も好ましい。上記範囲で飽和脂肪酸残基を含有することで、本発明の効果がより高いものとなる。
上記油脂Aを得るためのランダムエステル交換反応に供する原料油脂としては特に限定されるものではないが、例えば、パーム油とパーム極度硬化油とを含む配合油をランダムエステル交換反応の原料として用いることが、本発明の効果を高め、且つ、油脂Aを比較的簡便な方法で得やすい観点等から好ましい。油脂Aが前記配合油をランダムエステル交換して得られる油脂である場合、該配合油中、パーム油とパーム極度硬化油との合計量は70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
本発明のシート状可塑性油脂組成物は、上記油脂Aを、油分基準で1〜20質量%、好ましくは2〜17質量%、より好ましくは3〜15質量%含有する。
1質量%よりも少ないと本発明の効果が得られず、また20質量%よりも多いと得られる層状ベーカリー製品の食感が悪くなるほか、内相及び伸展性も悪いものとなってしまう場合があり、特にシート状可塑性油脂組成物を経日的に保存した後の食感、内相、伸展性に劣る場合がある。
本発明のシート状可塑性油脂組成物は、上記油脂Aに加え、さらにパーム油を分別して得られる低融点部、パーム油を分別して得られる低融点部をさらに処理して得られる油脂、又はパーム油を分別して得られる低融点部及びパーム油を分別して得られる低融点部をさらに処理して得られる油脂の両方(以下、パーム油を分別して得られる低融点部とパーム油を分別して得られる低融点部をさらに処理して得られる油脂を合わせて油脂Bということもある)を油分基準で20〜90質量%含有することが好ましく、30〜85質量%含有することがより好ましく、50〜80質量%含有することが最も好ましい。
油脂Bを上記範囲で含有することにより、パーム系の油脂原料を多く使用しながら、ロールイン時の伸展性が良く作業性に優れ、また、内相が均一で食感のよい層状ベーカリー製品を得ることができるという本発明の効果を高めることが可能となる。
上記分別処理の方法は、特に限定されないが、アセトン分別やヘキサン分別等の溶剤分別、ドライ分別等の無溶剤分別、乳化分別等により行なうことができ、特に、ドライ分別により経済的に行なうことができる。
また、上記「処理」とは、分別処理、エステル交換、水素添加等の物理的又は化学的処理から選択される一又は二種以上の処理を施すことを意味し、好ましくは分別処理、エステル交換から選択される一又は二種の処理を施すことを意味する。
油脂Bとしては、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%であることが好ましく、35〜49質量%であることがより好ましく、40〜48質量%であることが最も好ましい。
次に、上記油脂A及び油脂B以外に、本発明のシート状可塑性油脂組成物で使用することのできる食用油脂について説明する。
上記油脂A及び油脂B以外に、本発明のシート状可塑性油脂組成物で使用可能なその他油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる(上記油脂A及び油脂Bに相当する油脂を除く)。
本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用いることができる。
本発明のシート状可塑性油脂組成物において、上記油脂A、油脂B、その他油脂を含めた油脂の含有量は、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45〜95質量%、最も好ましくは50〜90質量%である。油脂の含有量を40質量%以上とすることで、シート状可塑性油脂組成物の安定性がより向上する。
尚、上記の「油脂」には、必要に応じて含有させる後述の他の成分に由来する油分も含めるものとする。
本発明のシート状可塑性油脂組成物においては、パーム系の油脂原料を多く含有する場合であってもロールイン時の伸展性がよく作業性に優れ、最終的に内相が均一で食感の良い層状ベーカリー製品が得られることから、油分基準で50質量%以上がパーム系油脂であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が最も好ましい。
なお、上記油脂Aや油脂Bも含め、エステル交換油脂の原料油脂にパーム系油脂を使用した場合は、エステル交換に使用したパーム系油脂の量もパーム系油脂含有量に算入するものとする。
本発明のシート状可塑性油脂組成物は、必要に応じて本発明の効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、水、乳化剤、乳製品、糖類・甘味料、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、CMC、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等の増粘安定剤、澱粉類、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼ、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、卵類、調味料、アミノ酸、pH調整剤、原料アルコール、焼酎、ウイスキー、ウォッカ、ブランデー等の蒸留酒、ワイン、日本酒、ビール等の醸造酒、各種リキュール、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、緑茶、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料等を挙げることができる。
上記の水としては水道水や天然水等の水等が挙げられ、その他の成分に由来する水分も含めた本発明のシート状可塑性油脂組成物中での水の含有量は、好ましくは0〜55質量%、さらに好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは10〜50質量%である。
なお本発明のシート状可塑性油脂組成物が水を含有する場合、その乳化型は油中水型であり、油中水型には、W/O型、O/W/O型、及びO/W/O型の特別な形態であるO/O型の乳化形態を含むものとする。
上記の乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム及びポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化成分が挙げられる。上記のシート状可塑性油脂組成物では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
本発明のシート状可塑性油脂組成物において、乳化剤の含有量は好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.3〜3質量%である。
上記乳製品としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム、クリームパウダー、サワークリーム、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC及び/又はWPI)、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、バターミルク、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエイプロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン及び乳清ミネラル等が挙げられる。本発明ではこれらの乳製品の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のシート状可塑性油脂組成物において、上記の乳製品の含有量は固形物換算で好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。
上記の糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の甘味料としては、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、甘草、羅漢果等があげられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のシート状可塑性油脂組成物において、上記の糖類の含有量及び上記の甘味料の含有量の合計は、固形物換算で好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
また、本発明のシート状可塑性油脂組成物は、トランス酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「トランス酸を実質的に含有しない」とは、シート状可塑性油脂組成物の全構成脂肪酸中、トランス酸含量が好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは2質量%以下であることをいう。
次に、本発明のシート状可塑性油脂組成物の好ましい製造方法について以下に説明する。
本発明のシート状可塑性油脂組成物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、例えば、加熱溶解した上記油脂A及び必要に応じて油脂B、その他油脂に必要に応じてその他の成分を添加・分散後、冷却・可塑化後、シート状に成形することにより得ることができる。
具体的には、まず上記油脂A及び必要に応じて油脂B、その他油脂を50〜80℃加温し、均一になるよう攪拌・混合する。続いて、その他の油溶性の成分を添加し、混合し油相を得る。本発明においては水相は必須ではないが、必要に応じて水、その他水溶性の成分を混合した水相を油相と混合乳化することができる。
上記の水相を用いる場合、油相と水相との質量比率(前者:後者)は、好ましくは45〜95:5〜55、より好ましくは50〜90:10〜50である。本発明において油相が45質量%よりも少なく水相が55質量%よりも多いと乳化が不安定となる場合がある。また、油相が95質量%よりも多く、水相が5質量%よりも少ないと、良好な可塑性が得られない場合がある。ここでいう油相と水相との質量比率とは、O/W/O型、O/O型の場合における、各油相の合計量と水相との質量比率を含む。
そして次に殺菌処理をすることが望ましい。殺菌方式は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続方式でも構わない。また殺菌温度は好ましくは80〜100℃、更に好ましくは80〜95℃、最も好ましくは80〜90℃とする。その後、必要により油脂結晶が析出しない程度に予備冷却を行なう。予備冷却の温度は好ましくは40〜60℃、更に好ましくは40〜55℃、最も好ましくは40〜50℃とする。
次に冷却・可塑化、好ましくは急冷可塑化を行なう。この急冷可塑化は、コンビネーター、ボテーター、パーフェクター、ケムテーターなどの密閉型連続式掻き取りチューブチラー冷却機(Aユニット)、プレート型熱交換機等が挙げられ、また開放型冷却機のダイヤクーラーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。この急冷可塑化を行なうことにより、可塑性を有する油脂組成物となる。
急冷可塑化の際に、ピンマシン等の捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブ、ホールディングチューブを使用してもよい。
上記のシート状可塑性油脂組成物の製造工程において、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
続けてシート状に成形する。
シート状に成形する方法は特に限定されず、冷却可塑化後に成形ノズルを使用して押し出し、カットする方法などを挙げることができる。また、冷却可塑化時にいったんブロック状に成形し、これを麺棒やローラーで圧延成形したり、バターポンプ等でシート状に押出す方法などによって得ることもできる。
なお、シート状に成形する際の厚さはとくに制限されず、一般的には1〜50mm、好ましくは5〜20mmである。
また、カット成形する場合、その好ましいサイズは、:縦50〜1000mm、横:50〜1000mm、厚さ:1〜50mmである。
本発明のシート状可塑性油脂組成物は、ロールイン用としてデニッシュ・ペストリー、クロワッサン、パイ等のベーカリー生地に好適に用いられ、該ベーカリー生地を焼成することにより、層状構造を有する本発明の層状ベーカリー製品を製造することができる。
次に本発明の層状ベーカリー製品について説明する。
本発明の層状ベーカリー製品は、上述した本発明のシート状可塑性油脂組成物を用いて得られるものである。本発明の層状ベーカリー製品における上記シート状可塑性油脂組成物の使用量は、特に限定されるものではなく、適宜選択することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何等制限するものではない。
<油脂Aの調製>
(油脂A−1)
ヨウ素価52のパーム油65質量部及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂35質量部を70℃にて混合溶解して得た油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、ランダムエステル交換油脂A−1を得た。
(油脂A−2)
ヨウ素価52のパーム油50質量部及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂50質量部を70℃にて混合溶解して得た油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、ランダムエステル交換油脂A−2を得た。
<油脂Bの調製>
(油脂B−1)
パーム油をドライ分別して得られた低融点部であるヨウ素価55のパームオレインを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、油脂B−1を得た。
(油脂B−2)
油脂B−1をさらにドライ分別して得られた低融点部である、ヨウ素価60のパームスーパーオレインを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、油脂B−2とした。
<油脂Cの調製>
(油脂C−1)
パーム油をドライ分別して得られた高融点部であるヨウ素価36のパームステアリンを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、油脂C−1を得た。
上記油脂A−1、油脂A−2、油脂B−1、油脂B−2及び油脂C−1の各油脂のS2U、SU2/S2U及びP2St/PSt2の値を[表1]に示す。
Figure 0006513987
<シート状可塑性油脂組成物の製造>
[実施例1]
上記油脂A−1を10質量部、油脂B−1を70質量部、ナタネ油20質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型(W/O型、以下各実施例及び比較例も同様)の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Aを得た。
[実施例2]
上記油脂A−1を14質量部、油脂B−1を65質量部、ナタネ油21質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Bを得た。
[実施例3]
上記油脂A−1を5質量部、油脂B−1を78質量部、ナタネ油17質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Cを得た。
[実施例4]
上記油脂A−1を3.5質量部、油脂B−1を80質量部、ナタネ油16.5質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Dを得た。
[実施例5]
上記油脂A−1を1.5質量部、油脂B−1を80質量部、ナタネ油18.5質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Eを得た。
[実施例6]
上記油脂A−1を20質量部、油脂B−2を45質量部、パーム油をドライ分別して得られた高融点部であるヨウ素価36のパームステアリン15質量部、ナタネ油20質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Fを得た。
[実施例7]
上記油脂A−2を10質量部、油脂B−1を70質量部、ナタネ油20質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Gを得た。
[実施例8]
上記油脂A−2を14質量部、油脂B−1を50質量部、油脂B−2を20質量部、ナタネ油16質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Hを得た。
[実施例9]
上記油脂A−2を20質量部、油脂B−1を50質量部、油脂B−2を10質量部、ナタネ油20質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、本発明のシート状可塑性油脂組成物Iを得た。
[比較例1]
上記油脂A−1を30質量部、油脂B−2を50質量部、ナタネ油20質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、比較例であるシート状可塑性油脂組成物Jを得た。
[比較例2]
上記油脂B−1を40質量部、パーム油をドライ分別して得られた高融点部であるヨウ素価36のパームステアリン30質量部、ナタネ油30質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、比較例であるシート状可塑性油脂組成物Kを得た。
[比較例3]
上記油脂B−1を40質量部、パーム油を40質量部、ナタネ油20質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、比較例であるシート状可塑性油脂組成物Lを得た。
[比較例4]
上記油脂B−1を70質量部、油脂C−1を20質量部、ナタネ油10質量部を60℃に加熱・混合し、混合油を得た。
次に得られた混合油82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量部、食塩1質量部を混合・溶解した水相とを常法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけた後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、比較例であるシート状可塑性油脂組成物Mを得た。
<ベーカリー試験>
得られた本発明のシート状可塑性油脂組成物A〜I及び比較例であるシート状可塑性油脂組成物J〜Mを5℃で1週間又は3か月間保存し、その後下記配合と製法によりデニッシュペストリーA〜Mを製造した。
<デニッシュペストリーの製造と評価>
強力粉80質量部、薄力粉20質量部、イースト4質量部、イーストフード0.2質量部、上白糖15質量部、全卵(正味)10質量部、純植物性マーガリン5質量部、水45質量部をミキサーボールに入れ、フックを用い、縦型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングし、デニッシュ用生地を得た。得られたデニッシュ用生地はフロアタイム20分、−5℃の冷凍庫で24時間リタードさせた後、定法により、上記シート状可塑性油脂組成物A〜Mのいずれか45質量部をロールイン(3つ折り3回)し、デニッシュペストリー生地A〜Mを得た。得られたデニッシュペストリー生地A〜Mは厚さ4mmに圧延し、10mm×10mmの板状に切り出し、34℃60分ホイロ後、固定オーブンで200℃15分焼成し、デニッシュペストリーA〜Mを得た。
ロールイン時の作業性(油脂の伸展性)について、下記基準で評価し、結果を[表2]に示した。
<作業性評価(伸展性)>
◎:伸展性が非常に良好
○:伸展性が良好
△:若干油脂切れが起こりやすく、やや不良
×:油脂切れが起こりやすく、不良
また、焼成1日後のデニッシュペストリーの内相について下記基準で評価し、結果を[表2]に示した。
<内相評価>
◎:薄い膜のきれいな層状で且つ、均一な内相である。
○:きれいな層状で且つ、均一な内相である。
△:やや不均質な部分が見られる内相である。
×:層状の部分とパン目の部分があり、不均一な内相である。
さらに、焼成1日後の「食感」について、15人のパネラーにて下記評価基準にて官能試験を行った。合計点が25点以上のものを◎、20〜24点のものを○、15〜19点のものを△、14点以下のものを×とした。結果を[表2]に示した。
<食感評価基準>
2点…非常に良好
1点…良好
0点…不良
Figure 0006513987

Claims (4)

  1. 下記パーム系油脂を主体とする油脂Aを、油分基準で1〜20質量%含有することを特徴とする、シート状可塑性油脂組成物。
    油脂A:下記(a)〜(d)を満たすランダムエステル交換油脂
    (a) S2Uが0〜60質量%
    (b) SU2/S2U=0.2〜0.6
    (c) P2St/PSt2=1〜4
    (d) パーム油とパーム極度硬化油との合計量が90質量%以上である配合油をランダムエステル交換して得られる油脂である。
    (但し、
    S2U:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてSを2個、Uを1個有するトリグリセリド
    SU2:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてSを1個、Uを2個有するトリグリセリド
    P2St:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてPを2個、Stを1個有するトリグリセリド
    PSt2:トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてPを1個、Stを2個有するトリグリセリド
    S:炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基
    U:炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基
    St:ステアリン酸残基
    P:パルミチン酸残基
    である。)
  2. さらに、パーム油を分別して得られる低融点部、パーム油を分別して得られる低融点部をさらに処理して得られる油脂、又はパーム油を分別して得られる低融点部及びパーム油を分別して得られる低融点部をさらに処理して得られる油脂、を油分基準で20〜90質量%含有する、請求項1記載のシート状可塑性油脂組成物。
  3. 油分中、油分基準でパーム系油脂の割合が50質量%以上である請求項1又は2記載のシート状可塑性油脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載のシート状可塑性油脂組成物を用いた層状ベーカリー製品。
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