JP5030106B2 - 送風機 - Google Patents

Description

本発明は、電気器具としての送風機に関する。特に、本発明は、部屋、オフィス又は他の家庭環境において空気の循環及び空気の流れを生じさせる家庭用送風機、例えば卓上送風機に関するが、これには限定されない。

多くの形式の家庭用送風機が知られている。従来型送風機は、軸線回りに回転可能に設けられた単一の組をなす羽根又は翼及びこの軸線回りに設けられていて、かかる組をなす羽根を回転させる駆動装置を有するのが通例である。家庭用送風機は、種々のサイズ及び直径で入手でき、例えば、天井送風機は、直径が少なくとも１ｍの場合があり、通常、天井から吊り下げられた状態で取り付けられると共に空気の下向きの流れを生じさせると共に部屋全体の冷却を可能にするよう位置決めされている。

他方、卓上送風機は、直径が約３０ｃｍである場合が多く、通常、自立型且つ携帯型である。標準型卓上送風機の構成では、単一の組をなす羽根は、ユーザの近くに位置決めされ、送風機羽根の回転により、部屋の中に又は部屋の一部及びユーザに向かって空気の前向きの流れが生じる。他形式の送風機は、床に取付け可能であり又は壁に設置できる。空気の移動及び循環により、いわゆる「風冷（wind chill）」又はそよ風が生じ、その結果、ユーザは、熱が対流及び蒸発により消散するので冷却効果を受ける。例えば米国意匠特許第１０３，４７６号明細書に開示された送風機は、机又はテーブル上に立てて置くのに適している。米国特許第２，６２０，１２７号明細書は、窓に嵌め込まれて用いられ、又は携帯可能な卓上送風機として用いられるのに適した二重目的送風機を開示している。

家庭環境では、電気器具は、できるだけ小型で且つコンパクトであることが望ましい。米国特許第１，７６７，０６０号明細書は、２つ又は３つ以上の先行技術の送風機と同等の空気循環をもたらすことを目的とする首振り機能を備えた卓上送風機を記載している。家庭環境では、部品は電気器具から突き出ることは望ましくなく又はユーザが送風機の可動部品、例えば羽根に触れることができるようになっていることは望ましくない。米国意匠特許第１０３，４７６号明細書は、羽根の周りに設けられたケージ（かご）を記載している。他形式の送風機又は循環機が、米国特許第２，４８８，４６７号明細書、同第２，４３３，７９５号明細書及び日本国特開昭５６−１６７８９７号公報に記載されている。米国特許第２，４３３，７９５号明細書の送風機は、送風機羽根に代えて、回転シュラウドに設けられた螺旋スロットを有している。

米国意匠特許第１０３，４７６号明細書 米国特許第２，６２０，１２７号明細書 米国特許第１，７６７，０６０号明細書 米国特許第２，４８８，４６７号明細書 米国特許第２，４３３，７９５号明細書 日本国特開昭５６−１６７８９７号公報

上述の先行技術の装置のうちの幾つかは、ユーザが送風機の可動部品に触れて怪我することのないよう保護する羽根周りの安全特徴部、例えばケージ又はシュラウドを有している。しかしながら、ケージ入り羽根部品は、クリーニングが困難な場合があり、空気を切る羽根の動きは、家庭又はオフィス環境では騒々しくて支承を来たす場合がある。

先行技術の装置のうちの或る特定のものの欠点は、送風機により得られる空気流が、送風機の羽根表面又は外方に向いた表面を横切る際のばらつきによりユーザにとって一様には感じられないということにある。むらのある又は「風向きが不定の」空気流は、空気の一連のパルス又はブラストとして感じられる場合がある。別の欠点は、送風機により生じる冷却効果は、ユーザからの距離につれて減少するということにある。このことは、ユーザが送風機の恩恵を受けるためには、送風機をユーザに密接して配置しなければならないということを意味している。

例えば上述したような送風機をユーザに近接して配置することは、いつでも可能であるというわけではない。というのは、形状及び構造が嵩張っているということは、送風機がユーザの作業空間領域のうちの相当な量を占めるということを意味しているからである。机上に配置され又はこれに近接して配置される送風機の特定の場合、送風機本体は、事務処理、コンピュータ又は他のオフィス機器に利用可能な領域を減少させる。

机に配置された送風機の形状及び構造は、ユーザに利用可能な作業領域を減少させるだけでなく、自然な光（又は人工源からの光）が机上領域に達するのを阻止する場合がある。細かい作業及び読書のためには机上領域が十分に明るく照明されることが望ましい。加うるに、十分に明るく照明された領域は、光レベルが減少した状態で作業を行う期間が長時間にわたることに起因する場合のある目の酷使及び関連の健康上の問題を減少させることができる。

本発明は、先行技術の欠点を無くす改良型送風機組立体を提供としようとするものである。本発明の目的は、使用の際に空気流を送風機の送風出力領域全体にわたりむらの無い量で生じさせる送風機組立体を提供することにある。別の目的は、送風機から距離を置いたところに位置するユーザが先行技術の送風機と比較して空気流の増大及び冷却効果の向上を感じるようにする改良型送風機組立体を提供することにある。

本発明によれば、空気の流れを生じさせる羽根無し送風機組立体であって、ノズルと、ノズルを通る空気流を生じさせる手段とを有し、ノズルは、内部通路と、内部通路からの空気流を受け入れる口と、口に隣接して設けられたコアンダ面とを有し、口は、空気流をコアンダ面上に差し向けるよう構成されていることを特徴とする送風機組立体が提供される。

有利には、この構成により、羽根付き送風機を必要とすることなく、空気の流れが生じると共に冷却効果が得られる。羽根無し構成により、空気を切って動く送風機羽根の音が存在しないので放出騒音が減少し、しかも可動部品が減少すると共に複雑さが減少する。

送風機、特に好ましい実施形態の送風機に係る以下の説明では、「羽根無し」という用語は、羽根を用いないで空気流を送風機組立体から前方に放出し又は送り出す装置を形容するために用いられている。この定義により、羽根無し送風機組立体は、空気流をユーザに適した方向で送り出し又は放出する起点としての、羽根又は翼が設けられていない出力領域又は放出ゾーンを有するものであると考えることができる。羽根無し送風機組立体には、種々の源又は発生手段、例えば各種ポンプ、各種発生器、各種モータ又は回転装置、例えばモータロータ及び空気流を発生させる羽根付きインペラを含む他の各種流体輸送装置からの一次空気源を供給することができる。モータにより生じる空気の供給により、空気の流れは、送風機組立体の外部の室内空間又は環境から内部通路を通ってノズルに流れ、次に、口から流れ出る。

それ故、送風機組立体を羽根無しとして形容することは、動力源及び例えば補助送風機機能に必要なコンポーネント、例えばモータの説明にまで及ぶものではない。補助送風機機能の例としては、送風機の照明、調節及び首振りが挙げられる。

羽根無し送風機組立体は、コアンダ効果を利用した増幅領域をもたらすコアンダ面を有するノズルに関して上述した出力及び冷却効果を達成する。コアンダ面は、表面に近接した出力オリフィスを出た流体の流れがコアンダ効果を示す公知形式の表面である。流体は、表面上をこれに沿って密接し、ほぼ「くっついて」又は「貼りついて」流れようとする。コアンダ効果は、一次の空気の流れをコアンダ面上に差し向ける既に証明されて調べが良くついている同伴方法である。コアンダ面の特徴及びコアンダ面上の流体の流れの効果に関する説明は、レバ（Reba）著，「サイエンティフィック・アメリカン（Scientific American）」，第２１４巻，１９６３年６月，ｐ．８４〜９２の記事に見られる。

好ましくは、ノズルは、開口部を備え、送風機組立体の外部からの空気がコアンダ面上に差し向けられた空気流によって開口部を通って吸い込まれる。外部環境からの空気は、コアンダ面上に差し向けられた空気流により開口部を通って引き込まれる。有利には、この構成により、送風機組立体を、先行技術の送風機に必要な部品数よりも少ない部品数で製作したり製造したりすることができる。これにより、製造費及び複雑さが減少する。

本発明では、空気流は、送風機組立体のノズルを通って作られる。以下の説明において、この空気流を一次空気流と称する。一次空気流は、口を通ってノズルから出て、コアンダ面上をこれに沿って流れる。一次空気流は、ノズルの口の周りの空気を同伴し、これは、一次空気流と同伴空気の両方をユーザに送る空気増量手段（air amplifier ）としての役目を果たす。本明細書においては、同伴空気を二次空気流と称する。二次空気流は、ノズルの口を包囲した室内空間、領域又は外部環境から引き込まれると共に変位により送風機組立体の周りの他の領域から引き込まれる。コアンダ面上に差し向けられた一次空気流と空気増量手段により同伴された二次空気流との組み合わせにより、ノズルにより画定された開口部からユーザに向かって前方に放出され又は送り出される全空気流が得られる。全空気流は、送風機組立体が冷却に適した空気の流れを生じさせるのに十分である。

送風機組立体によりユーザに送り出される空気流は、乱流が少なく且つ他の先行技術の装置により提供される空気流プロフィールよりも一層直線状の空気流プロフィールを有する空気流であるという利点を有する。乱流の少ない直線状空気流は、放出箇所から効率的に流れるので、乱流により失われるエネルギー及び速度が、先行技術の送風機により生じる空気流の場合よりも低い。ユーザにとっての利点は、距離を置いたところでも冷却効果を感じ取ることができ、しかも送風機の全体的効率が増大するということにある。このことは、ユーザが送風機を作業領域又は机から或る程度の距離を置いて据え置くことを選択でき、しかも依然として送風機の冷却効果による利点を感じ取ることができるということを意味している。

有利には、かかる送風機組立体の提供の結果として、ノズルの口の周りの空気が同伴されて一次空気流が少なくとも１５％増量し、しかも円滑な全体的出力が維持されるようになっている。送風機組立体の同伴及び増量特徴の結果として、先行技術の装置よりも高い効率を発揮する送風機が得られる。ノズルにより画定された開口部から放出される空気流は、ノズルの直径の端から端までほぼフラットな速度プロフィールを有する。全体として、流量及びプロフィールを層流又は部分層流を有する幾つかの領域を備えたプラグ流れとして説明することができる。

好ましくは、ノズルは、ループを構成する。ノズルの形状は、羽根付き送風機のためのスペースを含む要件によって束縛されることはない。好ましい実施形態では、ノズルは、環状である。環状ノズルを設けることにより、送風機は、潜在的に広範な領域に達することができる。別の好ましい実施形態では、ノズルは、少なくとも部分的に円形である。この構成により、送風機に関して種々の設計上のオプションを提供することができ、それによりユーザ又は顧客に利用可能な選択肢が多くなる。

好ましくは、内部通路は、連続している。これにより、ノズル内に円滑で妨げのない空気流が得られ、摩擦損失及び騒音が減少する。この構成では、ノズルは、単一の部品として製作可能なので、送風機組立体の複雑さが減少し、それにより製造費が減少する。

口は、実質的に環状であることが好ましい。実質的に環状の口を設けることにより、広範な領域全体にわたり全空気流をユーザに向かって放出することができる。有利には、室内又は卓上送風機の設置場所のところに設けられた照明源又は自然光が、中央開口部を通ってユーザに達することができる。

好ましくは、口は、内部通路と同心である。この構成は、見た目に引き立ち、口と内部通路が同心に配置されていることにより、製造が容易になる。好ましくは、コアンダ面は、軸線回りに対称に延びている。より好ましくは、コアンダ面とこの軸線との間に張られる角度は、７°〜２０°、好ましくは約１５°である。これにより、コアンダ面上への効率的な一次空気流が得られると共に空気の同伴及び二次空気流が最大になる。

好ましくは、ノズルは、軸線の方向に少なくとも５ｃｍの距離だけ延びる。好ましくは、ノズルは、３０ｃｍ〜１８０ｃｍの距離だけ軸線回りに延びる。これにより、例えば机で作業しているときにユーザの上半身及び顔面を冷却するのに適した所与の範囲の種々の出力面積及び開口サイズについて空気の放出のためのオプションが得られる。好ましい実施形態では、ノズルは、記コアンダ面の下流側に位置したディフューザを有する。ディフューザ表面の斜め配置並びにノズル及びディフューザ表面のエーロフォイル型の付形により、送風機組立体の増量特性を向上させることができ、その上、騒音及び摩擦損失を最小限に抑えることができる。

好ましい構成では、ノズルは、内部通路及び口を画定する少なくとも１つの壁を有し、少なくとも１つの壁は、口を画定する互いに向かい合った表面を有する。好ましくは、口は、出口を有し、口の出口のところのこれら対向した表面相互間の間隔は、１ｍｍ〜５ｍｍ、より好ましくは約１．３ｍｍである。この構成により、ノズルは、一次空気流をコアンダ面上でこれに沿って案内すると共にユーザに到達する比較的一様な又は一様に近い全空気流を提供する所望の流れ特性を備えることができる。

送風機の好ましい構成では、ノズルを通る空気流を生じさせる手段は、モータにより駆動されるインペラから成る。この構成により、効率的な空気流発生方式の送風機が得られる。より好ましくは、内部通路を通る空気流を生じさせる手段は、ＤＣブラシレスモータ及び混流インペラから成る。この構成により、モータブラシに起因する摩擦損失が減少し、更に、伝統的なモータのブラシに起因するカーボンデブリが減少する。カーボンデブリ及び排出物質を減少させることは、クリーンな又は汚染物質に敏感な環境、例えば病院又はアレルギーのある人々の周囲において有利である。

ノズルは、送風機組立体の基部又は他の部分に対して回転可能又は旋回可能であるのが良い。これにより、ノズルを必要に応じてユーザに向かって差し向け又はユーザから遠ざけて差し向けることができる。送風機組立体は、机設置型、床設置型、壁設置型又は天井設置型であるのが良い。このことは、ユーザが冷却作用を受ける部屋の部分を広げることができる。

次に、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。

図１は、送風機組立体１００の一例をその正面から見た状態で示している。送風機組立体１００は、中央開口部２を画定している環状ノズル１を有している。図２及び図３も又参照すると、ノズル１は、内部通路１０、口１２及び口１２に隣接して位置するコアンダ面１４を有している。コアンダ面１４は、口１２から出てコアンダ面上に差し向けられる一次空気流がコアンダ効果によって増量されるよう構成されている。ノズル１は、外側ケーシング１８を備えた基部１６に連結されると共にこれによって支持されている。基部１６は、外側ケーシング１８を通って接近可能な複数個の選択ボタン２０を有し、かかる選択ボタンにより、送風機組立体１００を作動させることができる。

図３、図４及び図５は、送風機組立体１００の別の特定の細部を示している。ノズル１を通る空気流を生じさせるモータ２２が、基部１６の内部に設置されている。基部１６は、外側ケーシング１８に形成された空気入口２４を更に有している。モータハウジング２６が、基部１６の内部に配置されている。モータ２２は、モータハウジング２６によって支持されると共にゴムマウント又はシール部材２８によって固定位置に保持されている。

図示の実施形態では、モータ２２は、ＤＣブラシレスモータである。インペラ（羽根車）３０が、モータ２２から外方に延びる回転シャフトに連結され、ディフューザ３２が、インペラ３０の下流側に位置決めされている。ディフューザ３２は、螺旋羽根を備えた固定状態且つ静止状態のディスクを有している。

インペラ３０の入口３４が、基部１６の外側ケーシング１８に形成された空気入口２４と連通している。ディフューザ３２の出口３６及びインペラ３０排気部は、インペラ３０からノズル１の内部通路１０への空気流を確立するために基部１６の内部に配置された中空通路部分及びダクトと連通している。モータ２２は、電気接続部及び電源に接続され、コントローラ（図示せず）によって制御される。コントローラと複数個の選択ボタン２０との間の連絡により、ユーザは、送風機組立体１００を作動させることができる。

次に、図３及び図４を参照してノズル１の特徴について説明する。ノズル１の形状は、環状である。この実施形態では、ノズル１の直径は、約３５０ｍｍであるが、ノズルは、任意所望の直径、例えば約３００ｍｍの直径を有しても良い。内部通路１０は、環状であり、この内部通路は、ノズル１内の連続ループ又はダクトとして形成されている。ノズル１は、内部通路１０及び口１２を画定する少なくとも１つの壁から形成されている。この実施形態では、ノズル１は、内壁３８及び外壁４０を有している。図示の実施形態では、壁３８，４０は、内壁３８と外壁４０が互いに近づくようにループ状又は折曲げ形状で配置されている。内壁３８と外壁４０は、一緒になって口１２を画定し、口１２は、軸線Ｘ回りに延びている。口１２は、出口４４まで次第に幅が狭くなっているテーパ付き領域４２を有している。出口４４は、ノズル１の内壁３８とノズル１の外壁４０との間に形成された隙間又は間隔を有している。口１２の出口４４のところの壁３８，４０の互いに向かい合った表面相互間の間隔は、１ｍｍから５ｍｍまでの範囲にあるように選択されている。間隔の選択は、送風機の所望の性能特性で決まることになろう。この実施形態では、出口４４は、幅が約１．３ｍｍであり、口１２及び出口４４は、内部通路１０と同心である。

口１２は、コアンダ面１４に隣接して位置している。ノズル１は、コアンダ面の下流側に配置されたディフューザ部分を更に有する。ディフューザ部分は、送風機組立体１００から送り出され又は出力される空気の流れを一段と助けるディフューザ表面４６を有している。図３に示す実施例では、ノズル１の口１２及び全体構成は、コアンダ面１４と軸線Ｘとの間に張られた角度が約１５°であるようなものである。この角度は、コアンダ面１４上をこれに沿って流れる効率的な空気の流れが得られるよう選択されている。基部１６及びノズル１は、軸線Ｘの方向に所与の深さを有している。ノズル１は、この軸線方向に約５ｃｍの距離だけ延びている。ノズル１のディフューザ表面４６及び全体的プロフィールは、エーロフォイル形状に基づいており、図示の実施例では、ディフューザ部分は、ノズル１の深さ全体の約２／３の距離だけ延びている。

上述した送風機組立体１００は、以下のように動作する。ユーザが複数個のボタン２０の中から適当に選択して送風機組立体１００を作動させ又は起動させると、信号又は他の連絡手段が送られてモータ２２が駆動される。かくして、モータ２２が起動され、空気が空気入口２４を介して送風機組立体１００内に吸い込まれる。好ましい実施形態では、空気は、毎分約２０〜３０リットル、好ましくは約２７Ｌ／ｓ（リットル／秒）の流量で吸い込まれる。空気は、外側ケーシング１８を通り、図３の矢印Ｆにより示された道筋に沿ってインペラ３０の入口３４まで流れる。ディフューザ３２の出口３６及びインペラ３０の排気部を出た空気流は、内部通路１０を通って互いに逆の方向に進む２つの空気流に分けられる。空気流は、これが口１２に入る際に絞られ、そして口１２の出口４４のところで更に絞られる。空気流は、一次空気流として出口４４を通って出る。

一次空気流の出力及び放出により、空気入口２４のところに低圧領域が生じ、その結果、追加の空気が送風機組立体１００内に吸い込まれる。送風機組立体１００の作動により、ノズル１を通って多量の空気流が引き込まれて開口部２を通って出る。一次空気流は、コアンダ面１４及びディフューザ表面４６上に差し向けられ、そしてコアンダ効果によって増量される。二次空気流は、外部環境、特に出口４４周りの領域及びノズル１の外縁部周りからの空気の同伴によって生じる。一次空気流により同伴された二次空気流の部分は又、ディフューザ表面４６上でこれに沿って案内される場合がある。この二次空気流は、開口部２を通り、ここで、一次空気流と混ざり合って５００〜７００Ｌ／ｓの状態で送風機組立体１００から前方に放出される全空気流が生じる。

同伴と増量の組み合わせの結果として、送風機組立体１００の開口部２からの全空気流が得られ、かかる全空気流は、放出領域に隣接してコアンダ効果又は増量効果を発揮する表面が設けられていない送風機組立体からの空気流出力よりも多い。

増量及び層流形式の空気流が生じる結果として、空気の持続流が、ノズル１からユーザに向かって差し向けられることになる。ユーザからノズル直径の最大３つ分（即ち、約１０００〜１２００ｍｍ）の距離のところの流量は、約４００〜５００Ｌ／ｓである。全空気流の速度は、約３〜４ｍ／ｓ（メートル／秒）である。これよりも高い速度は、コアンダ面１４と軸線Ｘとの間に張られた角度を減少させることにより達成可能である。角度が小さいと、その結果として、全空気流は、集束度及び方向性（差し向け具合）がより高い状態で放出される。この種の空気流は、速度が高いが質量流量が低い状態で放出される傾向がある。これとは逆に、大きな質量流量は、コアンダ面と上述の軸線との間の角度を増大させることにより達成できる。この場合、放出空気流の速度は減少するが、生じる質量流量は増大する。かくして、送風機組立体の性能は、コアンダ面と軸線Ｘとの間に張られる角度を変えることにより変更可能である。

本発明は、上述の詳細な説明には限定されない。種々の変形例が当業者には明らかであろう。例えば、送風機は、異なる高さ又は直径のものであって良い。送風機は、机の上に置かれる必要はなく、自立型、壁取付け型又は天井取付け型のものであって良い。送風機の形状は、空気の冷却流が望ましい任意の種類の状況又は場所にあるように設定可能である。携帯型送風機は、直径が小さなノズル、例えば５ｃｍのノズルを有しても良い。ノズルを通る空気流を生じさせる手段は、モータ又は送風機組立体が室内で空気の流れを生じさせることができるように使用可能な他の空気放出装置、例えば任意の送風機又は真空源であって良い。例としては、モータ、例えばＡＣ誘導モータ又は種々の形式のＤＣブラシレスモータが挙げられるが、任意適当な送風装置又は空気運搬装置、例えばポンプ又は空気流を発生させたり生成させたりする方向性のある流体の流れをもたらす他の手段であっても良い。モータの特徴部としては、モータハウジング内及びモータ中で失われた静圧のうちの何割かを回収するためにモータの下流側に配置されたディフューザ又は二次ディフューザが挙げられる。

口の出口を改造することができる。口の出口は、空気流を最大にするために種々の間隔に合わせて幅を広げ又は幅を狭くすることができる。コアンダ効果は、多くの種々の表面上で起こるようになっているのが良く、或いは、多くの内部設計又は外部設計を組み合わせて用いると、所要の流量及び同伴を達成することができる。

ノズルについて他の形状が想定される。例えば、長円形又は「競技場」の形状、単一のストリップ若しくは線又はブロックの形状から成るノズルを使用しても良い。本送風機組立体は、羽根が設けられていないので送風機の中央部分への接近を可能にする。このことは、追加の特徴部、例えば照明、時計又はＬＣＤディスプレイをノズルにより画定された開口部内により設けることができるということを意味している。

他の特徴としては、ユーザにとってノズル位置の移動及び調整が容易であるようにするための旋回可能又は傾動可能な基部が挙げられる。

送風機組立体の正面図である。 図１の送風機組立体の一部の斜視図である。 Ａ−Ａ線に沿って取った図１の送風機組立体の部分の側面断面図である。 図１の送風機組立体の一部の拡大側面断面詳細図である。 図３のＢ−Ｂ線矢視断面に沿って取ると共に図３の方向Ｆから見た送風機組立体の断面図である。

符号の説明

１ ノズル
２ 中央開口部
１０ 内部通路
１２ 口
１４ コアンダ面
１６ 基部
１８ 外側ケーシング
２０ 選択ボタン
２２ モータ
２４ 空気入口
２８ ゴム製マウント又はシール部材
３０ インペラ
３２ ディフューザ
４０ 外壁
４２ テーパ付き領域
４４ 出口
４６ ディフューザ表面

Claims (16)

1. 空気の流れを生じさせる羽根無し送風機組立体であって、基部に連結されると共に前記基部に支持されるノズルを有し、前記基部は、前記ノズルを通る空気流を生じさせる手段を有し、前記ノズルを通る空気流を生じさせる前記手段は、混流インペラと、前記混流インペラを駆動するモータと、前記インペラの下流側に位置するディフューザとを有し、前記ノズルは、一緒になって内部通路を画定する内壁及び外壁であって、前記内部通路からの前記空気流を受け入れる口を画定するように互いに近づくように構成された内壁及び外壁を有し、前記口は、前記内壁及び前記外壁の間に形成された出口まで次第に幅が狭くなっているテーパ付き領域を有し、前記送風機組立体は、前記口に隣接して設けられたコアンダ面を有し、前記口は、前記空気流を前記コアンダ面上に差し向けるよう構成されている、送風機組立体。
2. 前記ノズルは、開口部を備え、前記送風機組立体の外部からの空気が前記コアンダ面上に差し向けられた前記空気流によって前記開口部を通って吸い込まれる、請求項１記載の送風機組立体。
3. 前記ノズルは、ループを構成している、請求項１又は２記載の送風機組立体。
4. 前記ノズルは、実質的に環状である、請求項１、２又は３記載の送風機組立体。
5. 前記ノズルは、少なくとも部分的に円形である、請求項１〜４のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
6. 前記内部通路は、連続している、請求項１〜５のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
7. 前記内部通路は、実質的に環状である、請求項１〜６のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
8. 前記口は、実質的に環状である、請求項１〜７のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
9. 前記口は、前記内部通路と同心である、請求項１〜８のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
10. 前記コアンダ面は、軸線に関して対称に延びている、請求項１〜９のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
11. 前記コアンダ面と前記軸線との間に張られる角度は、７°〜２０°、好ましくは約１５°である、請求項１０記載の送風機組立体。
12. 前記ノズルは、前記軸線の方向に少なくとも５ｃｍの距離だけ延びている、請求項１０又は１１記載の送風機組立体。
13. 前記ノズルは、３０ｃｍ〜１８０ｃｍの距離だけ前記軸線回りに延びている、請求項１０〜１２のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
14. 前記ノズルは、前記コアンダ面の下流側に位置したディフューザを有する、請求項１〜１３のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
15. 前記ノズルは、前記内部通路を画定する少なくとも１つの壁を有し、前記口は、前記少なくとも１つの壁の互いに向かい合った表面によって画定される、請求項１〜１４のうちいずれか一に記載の送風機組立体。
16. 前記口は、出口を有し、前記口の前記出口のところの前記互いに向かい合った表面相互間の間隔は、１ｍｍ〜５ｍｍである、請求項１〜１５のうちいずれか一に記載の送風機組立体。

Images