JPH07190443A - 送風装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風量増による騒音増加とドラフト感の抑制を
図ることができる送風装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 漸次口径が拡大するラッパ状のベンチュリー
２の大口径側を吐出口１２とし、オリフィス３の反隙間
側開口面を吸込口１０として誘引送風させて、加圧空気
吹出し流れ１４と外気１５の混合により風量増となった
合流１６の騒音とドラフトを低減させる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、おもに住宅などの換気
のために用いられる送風装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より送風装置は、基本的に電動機と
羽根からなる送風機器により室内換気を行っていたが、
電動機と羽根による騒音発生が著しく、低騒音化への大
きな課題となっていた。

【０００３】そこで、騒音の発生源である電動機や羽根
を用いない送風装置として特開昭６２−５８１００号公
報に示すようなものが発案されていた。以下、その構成
について図３を参照しながら説明する。

【０００４】図に示すように、１０１は誘引送風器で、
円筒箱状の圧力チャンバー１０２内部には、円錐筒部１
０３と円筒部１０４を滑らかに結んだラッパ状のベンチ
ュリー１０５と、このベンチュリー１０５の円錐筒部１
０３側開口端部の内側に位置して、その外周部と円錐筒
部１０３との間に環状の隙間Ｂを形成するオリフィス１
０６と、このオリフィス１０６を固定するとともに、オ
リフィス１０６、およびベンチュリー１０５の外周と前
記圧力チャンバー１０２の内周とで形成された空間部１
０７と、この空間部１０７に連通し圧力チャンバー１０
２外側に形成された加圧空気流入口１０８に接続された
接続管１０９を通して圧力チャンバー１０２内部に加圧
空気１１０を供給する送風機（図示せず）とから送風装
置が構成されている。そして、上記構成の送風装置を給
気向けとして用いた場合、オリフィス１０６の吸込口１
１１を室外に連通させるとともに、ベンチュリー１０５
の吐出口１１２を室内に連通させておき、送風機で加圧
した加圧空気１１０を圧力チャンバー１０２内部に送り
込むと、この加圧空気１１０が環状の隙間Ｂを通過する
際にその風速が高められて、ベンチュリー１０５内部の
吐出口１１２側に吹き出される。これによって、ベンチ
ュリー１０５内部およびオリフィス１０６内部に誘引作
用が発生し、室外の新鮮な空気１１３が吸込口１１１か
ら吸い込まれていき、ベンチュリー１０５およびオリフ
ィス１０６内部を通過して吐出口１１２から室内へ給入
される。

【０００５】そして上記構成の誘引作用は、コアンダ効
果（Ｃｏａｎｄａ ｅｆｆｅｃｔ…気体の噴流が、噴流
軸の方向と湾曲した壁の曲面に沿った方向の近くを流れ
ようとする傾向を言い、流体素子としての応用が考えら
れている。）によって、加圧空気の吹き出し音を上げる
ことなく、誘引効率を向上させていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の送風
装置を住宅に設置する場合おいて、オリフィス１０６の
吸込口１１１に給入された空気１１３は、環状の隙間Ｂ
から吹き出された加圧空気１１０と混合して合流１１４
となりベンチュリー１０５の吐出口１１２側に向かう
が、前記ベンチュリー１０５の構造上において吐出口１
１２の口径が吸込口１１１に対して小口径となっている
ので、流量が増加するにもかかわらず通過面積が縮小さ
れて合流１１４の流速が一気に高まり風切り音が大幅に
増加してしまった。しかも、この状態で吐出口１１１を
室内に連通させているので、流速の高い合流１１４が人
体に当たってドラフト感による非常な不快感をもたらし
てしまうという問題があった。

【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、送風
装置を室内の給気用として用いる場合、給入された外気
と環状の隙間から吹き出された加圧空気との合流による
風切り音を低減させ、ドラフトによる人体への不快感を
取り除くことのできる送風装置を提供することを目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の送風装置は上記
目的を達成するために、箱状の圧力チャンバー内部に、
漸次口径が拡大するラッパ状のベンチュリーと、このベ
ンチュリーの小口径側開口端部の内側に位置して、その
外周部と前記ベンチュリー小口径側内壁面との間に環状
の隙間を形成するオリフィスを配置し、前記ベンチュリ
ーおよびオリフィスの外周と前記圧力チャンバーの内周
との間で形成された空間部に連通した加圧空気流入口を
設けた誘引送風装置と、前記誘引送風装置の加圧空気流
入口に連通接続させた接続管を通して加圧空気を供給す
る加圧空気供給装置とを備え、オリフィスの空気入口よ
りベンチュリーの吐出口の口径を大きくした構成とした
ものである。

【０００９】

【作用】本発明は上記した構成により、送風装置給気用
として住宅に用いる際、給入された空気と環状の隙間か
ら吹き出された加圧空気の合流の流速上昇による騒音増
加と人体への不快感を激減させることができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図１およ
び図２を参照しながら説明する。

【００１１】図において、１は箱状の圧力チャンバー
で、この圧力チャンバー１内部には、漸次口径が拡大す
るラッパ状のベンチュリー２を設け、このベンチュリー
２の小口径開口端部の内側に位置して、その外周部とベ
ンチュリー２の小口径側内壁面との間に環状の隙間Ａを
形成するオリフィス３を備えている。また圧力チャンバ
ー１の外周部には、その内周とベンチュリー２およびオ
リフィス３の外周との間で形成された空間部４に連通す
る加圧空気流入口５が突設されて誘引送風装置６を形成
している。そして加圧空気流入口５には、接続管７の一
方の端部が連通接続されており、接続管７のもう一方の
端部は、加圧空気供給装置８に連通接続されている。

【００１２】このような構成の送風装置を天井裏に設置
する場合、たとえば、加圧空気供給装置８を室外９に設
置し、そこから天井裏に向かって接続管７を配管して、
室外９にオリフィス２の反隙間側開口面である吸込口１
０を連通接続させ、室内１１にベンチュリー２の大口径
側である吐出口１２をそれぞれダクト等を用いて連通さ
せた誘引送風装置６に接続固定させる。

【００１３】上記構成において、加圧空気供給装置８で
加圧された加圧空気１３を空間部４に送り込むと、この
加圧空気１３は環状の隙間Ａからコアンダ効果によって
ベンチュリー２内壁に沿って流れ出る。その際ベンチュ
リー２やオリフィス３内部の空気を誘引し、吸込口１
０、オリフィス３、ベンチュリー２および吐出口１２を
通じて送風される。その際、吸込口１０が小口径である
のに対し、吐出口１２が大口径となっているために、環
状の隙間Ａから吹き出された加圧空気吹出し流れ１４と
給入された外気１５が混合して風量増となった合流１６
の流速を早めることなく穏やかに室内に吹き出され風切
り音による騒音発生の低減を図ることができ、しかも、
人体に対する不快なドラフト感を抑制することができ
る。

【００１４】このように本発明の一実施例の送風装置に
よれば、合流による風量増に対して通過面積が漸次拡大
するので流速を遅くさせて騒音やドラフト感を大幅に減
少させた送風装置を実現することができる。

【００１５】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、吸込口よりも吐出口の口径を漸次拡大させ
ているので、合流による風量増加にもかかわらず騒音増
加とドラフト感を抑えた送風装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の送風装置の断面図

【図２】同送風装置を住宅に設置した状態を示す断面図

【図３】従来の送風装置の住宅設置状態を示す断面図

【符号の説明】

１ 圧力チャンバー ２ ベンチュリー ３ オリフィス ４ 空間部 ５ 加圧空気流入口 ６ 誘引送風装置 ７ 接続管 ８ 加圧空気供給装置 １３ 加圧空気 Ａ 環状の隙間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱状の圧力チャンバー内部に、漸次口径
   が拡大するラッパ状のベンチュリーと、このベンチュリ
   ーの小口径側開口端部の内側に位置して、その外周部と
   前記ベンチュリー小口径側内壁面との間に環状の隙間を
   形成するオリフィスを配置し、前記ベンチュリーおよび
   オリフィスの外周と前記圧力チャンバーの内周との間で
   形成された空間部に連通した加圧空気流入口を設けた誘
   引送風装置と、前記誘引送風装置の加圧空気流入口に連
   通接続させた接続管を通して加圧空気を供給する加圧空
   気供給装置とを備え、オリフィスの空気入口よりベンチ
   ュリーの吐出口の口径を大きくした構成の送風装置。