WO2011129073A1

WO2011129073A1 - 天井扇

Info

Publication number: WO2011129073A1
Application number: PCT/JP2011/002059
Authority: WO
Inventors: 務加藤; 広幸近藤; 篤長田; 一平小田; 誠司白濱; 博幸宮本
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2010-04-15
Filing date: 2011-04-07
Publication date: 2011-10-20

Abstract

天井扇は、羽根車を覆う箱体と、箱体に空気を取り入れる吸込み口と、空気の圧力を高めて高圧空気を発生させる羽根車および羽根車を駆動するモータが設けられた高圧空気発生部と、高圧空気を吹出す吹出し口を有する気流吹出し部と、高圧空気発生部と気流吹出し部とを連通する連結ダクトとを備え、気流吹出し部が環形状であり、高圧空気発生部が天井に取り付けられている。

Description

天井扇

　本発明は、天井扇に関する。

　従来の天井扇は、長板状の羽根板が、その一端を支持する接続部材を介して、電動機により回転する回転体に固定されていた（例えば、特許文献１参照）。

　以下、特許文献１の従来の天井扇の正面図である図２１を参照しながら説明する。図２１に示すように天井扇１０１はキャノピー（上カバー）１０２と、中カバー１０３と、電動機の外側回転体１０４と、下カバー１０５と、外側回転体１０４のホルダー１０６に取り付けられた動翼１０７とから構成される。天井扇１０１は、キャノピー１０２の内部の簡易取り付け金具１０８が天井１０９にネジ止めされて吊り下げられている。

　上記構成において、羽根板である動翼１０７は回転軸の径方向に所定の角度を持って取り付けられている。電動機により動翼１０７が正方向に回転すると、動翼１０７の昇圧作用により、動翼１０７の外周から天井１０９と動翼１０７との間を通った空気が下方に送風される。

　また、羽根板を箱体により覆って薄型化した照明器具付き天井扇も知られている（例えば、特許文献２参照）。

　以下、特許文献２の異なる従来の天井扇を説明する図である図２２を参照しながら説明する。

　図２２に示すように、天井扇２０１は、その本体の天面２０２が天井２０３に面し、本体の底面２０４は照明器本体２０５に面している。本体の側面２０６には、本体の天面２０２側に側面２０６の全周のほぼ１／４に達する吹出し口２０７が備えられている。また本体の側面２０６には、本体の底面２０４側に全周のほぼ３／４に達する吸込み口２０８が備えられている。

　本体の天面２０２と本体の底面２０４とのほぼ中央には、ベルマウス２０９が天井扇２０１を上下方向に２分するように設けられている。その２分された空間の本体の底面２０４側には、駆動モーター２１０がモーター回転軸２１１を本体の天面２０２側に向け、本体の底面２０４にモーター取付ネジ２１２にて固着されている。ベルマウス２０９と本体の天面２０２との間には、エアーガイド２１３が設けられている。エアーガイド２１３の中に遠心羽根車２１４が、吸込み側をベルマウス２０９側にしてモーター回転軸２１１に取付けられている。

　上記構成により、駆動モーター２１０により遠心羽根車２１４が回転駆動され、これにより室内の中央部の空気が照明器本体の上方に位置する吸込み口２０８に吸い込まれる。さらに室内の空気は、ベルマウス２０９を通り、遠心羽根車２１４により吸込み、吹出しが行われる。そして室内の空気は、遠心羽根車２１４の外周部に位置するエアーガイド２１３により案内され、吹出し口２０７から吹出される。

　特許文献１の天井扇１０１は、床方向へ直接涼風を送れるものの、動翼１０７の回転が視認できるため、天井扇１０１の運転時に使用者に圧迫感を与えていた。

　これに対して特許文献２の天井扇２０１は、遠心羽根車２１４が箱体により覆われている。そのため、遠心羽根車２１４の回転が見えず、使用者に圧迫感を与えることがない。しかし天井扇２０１では、吹出す気流が主に天井２０３と平行方向に吹出されるため、床方向への気流が弱く、天井扇２０１から直接涼風が得られなかった。

　このように従来の天井扇では、使用者に圧迫感を与えず、直接涼風を得ることを両立させられないという課題があった。

特開平１１－２１０６７８号公報特開２００２－１３０１８６号公報

　本発明の天井扇は、羽根車を覆う箱体と、箱体に空気を取り入れる吸込み口と、空気の圧力を高めて高圧空気を発生させる羽根車および羽根車を駆動するモータが設けられた高圧空気発生部と、高圧空気を吹出す吹出し口を有する気流吹出し部と、高圧空気発生部と気流吹出し部とを連通する連結ダクトとを備え、気流吹出し部が環形状であり、高圧空気発生部が天井に取り付けられている。

　このように羽根車が高圧空気発生部内に納められているので、使用者に圧迫感を与えることがない。また、環形状の気流吹出し部から床方向へ気流が送られるので、天井扇から直接涼風が得られる。

図１は、本発明の実施の形態１の天井扇の断面図である。図２は、同天井扇を天井側から見た斜視図である。図３は、同天井扇を床面側から見た斜視図である。図４は、同天井扇から照明器具を外した状態を示す天井側から見た斜視図である。図５は、同天井扇と照明器具との接続を示す天井側から見た斜視図である。図６は、同天井扇の気流吹き出し部の断面図である。図７は、本発明の実施の形態２の天井扇の斜視図である。図８は、本発明の実施の形態３の天井扇の斜視図である。図９は、本発明の実施の形態４の天井扇の断面図である。図１０は、同天井扇の気流吹き出し部の断面図である。図１１は、本発明の実施の形態５の天井扇の気流吹き出し部の断面斜視図である。図１２は、本発明の実施の形態６の天井扇の気流吹き出し部の断面斜視図である。図１３は、本発明の実施の形態７の天井扇の斜視図である。図１４は、同天井扇の高圧空気発生部の内部を示す構成図である。図１５は、同天井扇の吹出し部の拡大断面図である。図１６は、同天井扇のダンパの斜視図である。図１７Ａは、同天井扇の鉛直真下方向に送風時の天井側ダンパの開閉状態を示す図である。図１７Ｂは、同天井扇の鉛直真下方向に送風時の天井逆側ダンパの開閉状態を示す図である。図１８は、同天井扇の鉛直真下方向に送風時の送風概要図である。図１９Ａは、同天井扇のスポット気流送風時の天井側ダンパの開閉状態を示す図である。図１９Ｂは、同天井扇のスポット気流送風時の天井逆側ダンパの開閉状態を示す図である。図２０は、同天井扇のスポット気流送風時の送風概要図である。図２１は、従来の天井扇の正面図である。図２２は、異なる従来の天井扇を説明する図である。

　以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

　（実施の形態１）
　図１は本発明の実施の形態１の天井扇の断面図、図２は同天井扇を天井側から見た斜視図、図３は同天井扇を床面側から見た斜視図、図４は同天井扇から照明器具を外した状態を示す天井側から見た斜視図、図５は同天井扇と照明器具との接続を示す天井側から見た斜視図、図６は同天井扇の気流吹き出し部の断面図である。

　まず、実施の形態１の天井扇の構成について説明する。

　本発明の実施の形態１の天井扇は、図１から図６に示すように、羽根車３を覆う箱体１と、箱体１に空気を取り入れる吸込み口２と、高圧空気発生部５と、気流吹出し部７と、連結ダクト８を３本備えている。そして天井扇は、気流吹出し部７が環形状であり、高圧空気発生部５が天井２０に取り付けられる構成である。ここで高圧空気発生部５には、箱体１に取り入れた空気の圧力を高めて高圧空気（４０Ｐａ以上１０００Ｐａ以下）を発生させる羽根車３と、羽根車３を駆動するためのモータ４とが設けられている。気流吹出し部７は、高圧空気を下方に吹出す吹出し口６を有する。また気流吹出し部７は、天井２０から間隔を有して設けられている。連結ダクト８は複数本備えられ、高圧空気発生部５と気流吹出し部７とを連通する。

　高圧空気発生部５は比較的重いため、直接天井２０に取り付けられ、環形状の気流吹出し部７の略中心に配置されている。３本の連結ダクト８の長さは、ほぼ同じである。

　また、高圧空気発生部５には受電部１０が設けられている。受電部１０は、天井２０に設置された照明器具用の給電部１０ａから給電される。また、高圧空気発生部５に給電部１１が設けられ、高圧空気発生部５に照明部１２が取り付けられる。

　これにより、天井扇を特別な工具および技術を必要とせず簡単に天井２０に設置できる。また、照明部１２が従来設置されている場所に、照明部１２の機能を保持した状態において天井扇を設置することができる。

　次に、実施の形態１の天井扇の動作について説明する。

　モータ４が駆動して羽根車３を回転させることにより、高圧空気発生部５によって吸込み口２から吸い込まれた空気が昇圧されて、吹出し口６から高圧空気が高速噴流に変換されて室内に放出される。図６に示すように吹出し口６から噴出される高速噴流が、気流吹出し部７の壁面に沿って流れると、付着噴流の誘引効果により周辺の空気が高圧空気の粘性によって巻き込まれ、多くの空気が天井２０から離れた箇所へ流れる。

　ここで気流吹出し部７と天井２０との間に間隔を設けたことにより、気流吹出し部７が、周辺から空気を誘引する。そのため、天井２０と気流吹出し部７との間から環形状の気流吹出し部７の中を通る風路において、吹出し口６から吹出される気流１７に誘引される気流１７ａが起こり、効率よく送風される。

　ここで、気流吹出し部７から吹出される気流１７の方向が天井２０に対し鉛直方向の上下に切替えられる。そして、気流吹出し部７が連結ダクト８から分離できるように構成され、気流吹出し部７の取り付け方向を自在に設置できる。その結果、気流の方向を床方向にすれば、夏季に涼風を使用者に提供できる。また気流の方向を天井方向にすれば、冬季に使用者にドラフト感を感じさせることなく室内空気の撹拌を行うことができる。

　また、図１に示すように気流吹出し部７に落下を防止するための落下防止手段９が設けられている。チェーン等の落下防止手段９により、気流吹出し部７と天井２０とが接続されている。落下防止手段９により、万一地震等によって高圧空気発生部５が天井２０から外れた場合でも天井扇の落下を防止でき、使用者の安全が確保される。

　なお、本実施の形態１では、連結ダクト８の本数を３本としたが、連結ダクト８の本数は２～４本が好ましい。１本では気流吹出し部７が片持ち支持になるため不安定となり、５本以上では、気流吹出し部７の内部の気流通過面積が小さくなり風量が低下する。連結ダクト８を複数本とすることにより、気流吹出し部７に供給する高圧空気の量をそれぞれの連結ダクト８の長さ、およびダクト断面積により制御できる。そのため、使用者に送風される気流の風速分布を任意に設定できる。

　また高圧空気発生部５が、環形状の気流吹出し部の中心１８に配置されている。そのため、気流吹出し部７と高圧空気発生部５との距離が均一になり、環形状の気流吹出し部７に囲まれた領域を通る気流を均一にできる。

　また、高圧空気発生部５および気流吹出し部７から連結ダクト８が分離できてもよい。その結果、天井扇を収納する際、コンパクトに収納できる。また、天井扇の清掃時等のメンテナンスが容易になる。

　（実施の形態２）
　本発明の実施の形態２において、実施の形態１と同一の構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。

　図７は、本発明の実施の形態２の天井扇の斜視図である。

　実施の形態２の天井扇は複数個、具体的には３個の環形状の気流吹出し部７を高圧空気発生部５の周辺に配置している。つまり、高圧空気発生部５の周辺に環状の気流吹出し部７が３個配置されている。そして、環状の気流吹出し部７の中心が、高圧空気発生部５を中心とした同心円（図７中の破線）上にある。すなわち、それぞれの環形状の気流吹出し部７の中心を繋ぎ形成される円７ａの中心７ｂと、高圧空気発生部の中心５ａとを一致させている。

　次に、実施の形態２の天井扇の動作について説明する。

　３個の環状の気流吹出し部７は、破線により示した同心円の大きさの環状の一つの気流吹出し部に比べて、広範囲にムラが少なく風を送ることができる。このように気流吹出し部７を複数個備えることにより、均一な送風が実現できる。

　また高圧空気発生部５から連結ダクト８を経て３個の環状の気流吹出し部７へ送る空気を同時には送らないように制御し、気流吹出し部７から空気が順々に吹出されるようにしてもよい。

　これにより、心地よい気流感が得られる。そして、気流吹出し部７を一つにより構成して、直径を大きくした場合と比較して、広範囲にムラが少なく送風できる。

　（実施の形態３）
　本発明の実施の形態３において、実施の形態１および実施の形態２と同一の構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。

　図８は、本発明の実施の形態３の天井扇の斜視図である。まず、実施の形態３の天井扇の構成について説明する。

　実施の形態３の天井扇は、２個の環状の気流吹出し部７が高圧空気発生部５を中心とした同心円となるように配置されている。すなわち、それぞれの環形状の気流吹出し部の中心７ｃと、高圧空気発生部の中心５ａとを一致させている。ここで、２個の気流吹出し部７が、天井２０との間隔がそれぞれ異なるように、すなわち、環径が大きい外側の気流吹出し部７が上側に、環径が小さい内側の気流吹出し部７が下側になるように配置されている。

　また、高圧空気発生部５から気流吹出し部７に高圧空気を供給する連結ダクト８が複数（図８では各３本）設けられている。連結ダクト８の本数は、実施の形態１と同様に２～４本が好ましい。

　次に、実施の形態３の天井扇の動作について説明する。

　まず、鉛直方向の上側の環径が大きい気流吹出し部７の吹出し口６から、気流吹出し部７の直下方向に風速の大きい気流が吹出される。鉛直方向の下側の環径が小さい気流吹出し部７の吹出し口６から、気流吹出し部７の直下方向に風速の大きい気流が吹出される。この二つの気流が混合されることにより、環径が大きい気流吹出し部７のみに比べ、環状の気流吹出し部７の中心部の風速が小さくならない。すなわち、環径の大きい気流吹出し部７では、誘引気流が環状の気流吹出し部７の中心部付近では発生しにくい。そのため、環径が小さい気流吹出し部７と組み合わせることにより、環状の気流吹出し部７の中心部の風速が小さくならない。

　（実施の形態４）
　本発明の実施の形態４では、実施の形態１～３と同一の構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図９は本発明の実施の形態４の天井扇の断面図、図１０は同天井扇の気流吹き出し部の断面図である。

　まず、実施の形態４の天井扇の特徴とする構成について説明する。

　本発明の実施の形態４の天井扇は、図９に示すように連結ダクト８に切替ダンパ１９が備えられている。切替ダンパ１９は、気流制御部の１例であり、気流吹出し部７から吹き出される気流１７の方向を、環形状の気流吹出し部７の内側１３と外側１４とに切り替える。図１０に示すように、連結ダクト８および環形状になっている気流吹出し部７が上下に分割されている。切替ダンパ１９は、環形状の気流吹出し部７の内側１３に吹出す上側の中心側空洞２１と、環形状の気流吹出し部７の外側１４に吹出す下側の外周側空洞２２とに高圧空気を分岐する。

　高圧空気発生部５は、環形状の気流吹出し部７の略中心に配置されることにより、天井扇全体の重心に位置して天井扇を安定させ、天井扇をコンパクトにできる。

　次に、実施の形態４の天井扇の特徴とする動作について説明する。

　図１０に示すように、切替ダンパ１９の切替により中心側空洞２１に高圧空気を送風すると、気流１７が吹出し口６ａから環形状の気流吹出し部７の内側１３斜め下方向に吹き出す。切替ダンパ１９の切替により外周側空洞２２に高圧空気を送風すると、気流１７が吹出し口６ｂから環形状の気流吹出し部７の外側１４斜め下方向に吹き出す。すなわち、使用者が天井扇の真下に居て直接風速の速い涼風を得たいときには、環形状の気流吹出し部７の内側１３斜め下方向に吹き出すスポット送風にする。使用者が天井扇の真下から離れた位置に居る場合、または天井扇の真下に居て風速の速い涼風が不要の場合、環形状の気流吹出し部７の外側１４斜め下方向に吹き出すワイド送風にする。

　（実施の形態５）
　本発明の実施の形態５において、実施の形態４と同一の構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。

　図１１は、本発明の実施の形態５の天井扇の気流吹き出し部の断面斜視図である。

　まず実施の形態５の天井扇の特徴とする構成について説明する。

　実施の形態５の天井扇は、連結ダクト８に気流制御部である切替ダンパ１９（図９）を備えている。切替ダンパ１９は、気流吹出し部７から吹き出される気流１７の方向を床方向１５と、天井方向１６とに切り替える。図１１に示すように連結ダクト８、および環形状になっている気流吹出し部７が上下に分割されている。切替ダンパ１９（図９）は、床方向１５に吹出す天井側空洞２３と、天井方向１６に吹出す床面側空洞２４とに分岐する。

　次に、実施の形態５の天井扇の特徴とする動作について説明する。

　切替ダンパ１９の切替により床方向１５の送風を選択すると、気流１７が吹出し口６ａから床方向１５に吹き出す。また天井方向１６を選択すると、気流１７が吹出し口６ｂから天井方向１６に吹き出す。

　これにより夏季には鉛直方向下向きの気流により涼が得られ、冬季には鉛直方向上向きの気流によりサーキュレーション効果が得られる。

　（実施の形態６）
　本発明の実施の形態６において、実施の形態４および実施の形態５と同一の構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。

　図１２は、本発明の実施の形態６の天井扇の気流吹き出し部の断面斜視図である。

　まず、実施の形態６の天井扇の特徴とする構成について説明する。

　図１２に示すように本発明の実施の形態６の天井扇は、吹出し口６ａの近傍に気流制御部の１例であるフラップ可変部２５が備えられている。

　次に、実施の形態６の天井扇の特徴とする動作について説明する。

　フラップ可変部２５の動作により、吹出し口６ａから吹出す高速噴流はフラップ可変部２５に付着して、気流の方向を変化させ、誘引する空気の方向を変更できる。

　これにより、床方向１５へ気流を送ることにより天井扇から直接涼風を得ることができる。また冬季の直接の涼風はいらない場合、天井方向１６への気流により、室内の空気を循環させて、部屋の中の空気が均一化できる。

　（実施の形態７）
　図１３は本発明の実施の形態７の天井扇の斜視図、図１４は同天井扇の高圧空気発生部の内部を示す構成図、図１５は同天井扇の吹出し部の拡大断面図、図１６は同天井扇のダンパの斜視図である。

　まず、実施の形態７の天井扇の構成について説明する。

　図１３から図１５に示すように本発明の実施の形態７の天井扇３１は、箱体３２と、吸込み口３３と、高圧空気発生部３６と、気流吹出し部５５とを備えている。ここで吸込み口３３は、箱体３２に空気を取り入れる。高圧空気発生部３６には、高圧空気を発生するための羽根車３４と、羽根車３４を駆動するためのモータ３５とが設けられている。また高圧空気発生部３６は、高圧空気を吹出すための吹出し口３７を有している。高圧空気発生部３６を中心に囲む２つの円環形状の内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とは、気流吹出し部５５を構成している。

　内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とは、６本の連通部４０により高圧空気発生部３６に保持されている。そして内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とは、高圧空気発生部３６に備えられた取付部材４１を介して天井４２と平行になるように天井４２に取り付けられている。６本の連通部４０は、鉛直上下に内部が２分されている。

　ここで内側気流吹出し部３８の吹出し口である内側気流吹出し口４３は、鉛直線に対し角αとして３０度外向きとなるように開口している。また外側気流吹出し部３９の吹出し口である外側気流吹出し口４４は、鉛直線に対し角βとして３０度内向きとなるように開口している。ここで外向き、内向きとは環形状の気流吹出し部５５の外側方向、内側方向を意味する。

　また図１３の点線部により示されるように、内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とは、環形状の気流吹出し部５５の周方向に６分割されている。１つの連通部４０に対応して１つの気流吹出し部５５へ空気が流れる。

　また、内部が２分された連通部４０により、天井側連通部４５を通って外側気流吹出し部３９へ、天井逆側連通部４６を通って内側気流吹出し部３８へ空気が流れる。

　また図１６に示すように、高圧空気発生部３６の内部には、高圧空気発生部３６と連通部４０との接続部にダンパ４９と、小型モータ５０と、歯車５１とを備えている。ここでダンパ４９は、周方向にスライドする円環形状である。小型モータ５０は、ダンパ４９を駆動する。歯車５１は、ダンパ４９と小型モータ５０とを連携させる。またダンパ４９には天井側連通部４５への開口率を調整する天井側穴５２と、天井逆側連通部４６への開口率を調整する天井逆側穴５３とが開けられている。

　図１７Ａは本発明の実施の形態７の天井扇の鉛直真下方向に送風時の天井側ダンパの開閉状態を示す図、図１７Ｂは同天井扇の鉛直真下方向に送風時の天井逆側ダンパの開閉状態を示す図、図１８は同天井扇の鉛直真下方向に送風時の送風概要図である。図１７Ａ、図１７Ｂ、図１８に示すように、それぞれの連通部４０に対し、それぞれの天井側穴５２と天井逆側穴５３とは、間隔と幅とがずれている。

　次に、実施の形態７の天井扇の動作について説明する。

　使用者が有線または無線のリモコン（図示せず）によりモータ３５を駆動させると、羽根車３４が回転する。羽根車３４は、高圧発生に適したターボファンである。回転の際の遠心力により吸込み口３３の近辺の空気が吸い込まれ、その空気は羽根車３４の外側である高圧空気発生部３６の内部に昇圧されて蓄えられる。蓄えられた空気はダンパ４９によって天井側連通部４５と、天井逆側連通部４６とに気流を分けて送風される。天井側連通部４５へ送風された空気は、外形が９００ｍｍの円環状の外側気流吹出し部３９の内部へ蓄えられて高圧状態となっている高圧空気のエネルギを利用して、隙間１．５ｍｍのスリットノズルである外側気流吹出し口４４から内側３０度に吹出される。天井逆側連通部４６へ送風された空気は、内側気流吹出し部３８の内部へ蓄えられて高圧状態となっている高圧空気のエネルギを利用して、隙間１．５ｍｍのスリットノズルである内側気流吹出し口４３から外側３０度に吹出される。

　すなわち本発明の実施の形態７の天井扇は、気流吹出し部５５が内側気流吹出し部３８と、外側気流吹出し部３９とから構成されている。ここで内側気流吹出し部３８は、環形状の気流吹出し部５５の外側に向けて高圧空気を吹出す内側気流吹出し口４３を備えている。また外側気流吹出し部３９は、気流吹出し部５５の内側に向けて高圧空気を吹出す外側気流吹出し口４４を備えている。そして内側気流吹出し部３８、および外側気流吹出し部３９の風量が調整され、床方向５６に吹出される気流５７の送風角度が制御される。

　その結果、内側気流吹出し部３８の気流５８と外側気流吹出し部３９の気流５８とが衝突して合成されて、任意方向の気流５７を発生させられる。ここで図１８に示すように、全ての気流吹出し部５５から気流５８が吹出されると、環形状の気流吹出し部５５の鉛直下方向の気流５７となる。

　また本発明の実施の形態７の天井扇は、気流吹出し部５５を環形状の周方向に等しい長さにより偶数分割した複数の分割気流吹出し部のうち、任意の分割気流吹出し部５５ａと分割気流吹出し部５５ａから最遠方の分割気流吹出し部５５ｂからのみ気流５８を吹出してもよい。

　その結果、分割気流吹出し部５５ａ、分割気流吹出し部５５ｂとも内向き送風とすると、任意方向にスポット的に送風でき、風向の揃った気流５７を生成することができる。

　吹出し部の変更は、ダンパ４９により行われる。使用者からの指示により小型モータ５０が回転し、この回転に同期して歯車５１が回転し、ダンパギヤ５４に力が伝わり、ダンパ４９が周方向にスライドする。

　図１７Ａ、図１７Ｂに示すように、全ての天井側連通部４５と天井逆側連通部４６とに矢印Ｆにて示す高圧空気が通ずると、全周において内側気流吹出し口４３と外側気流吹出し口４４とから同時に同風量の気流が吹出される。そして図１８に示すように、互いの気流５８が衝突し、衝突した気流５８は鉛直真下方向の気流５７となる。

　図１９Ａは本発明の実施の形態７の天井扇のスポット気流送風時の天井側ダンパの開閉状態を示す図、図１９Ｂは同天井扇のスポット気流送風時の天井逆側ダンパの開閉状態を示す図、図２０は同天井扇のスポット気流送風時の送風概要図である。図１９Ａ、図１９Ｂに示すように、開口している外側気流吹出し部３９と、開口している外側気流吹出し部３９と最遠方の内側気流吹出し部３８のみから矢印Ｆにて示す高圧空気を噴出させる。その結果各吹出し部から、そのままの送風方向の気流５８となり、図２０に示す任意方向への気流５７が生成される。このようにダンパ４９のスライド位置によって風向が変化する。ダンパ４９のスライド位置は、使用者が任意の位置に変えられる。

　このように、内側気流吹出し部３８が環形状の気流吹出し部５５の外側に向き、外側気流吹出し部３９が内側向いている。このことにより、各気流吹出し部の気流５８の方向に加えて、各気流吹出し部の気流が衝突して合成される気流５７を発生させることができる。そして風量調整を行うことにより、気流方向が変更できる。

　また、内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とが同心の円環形状である。このことにより、円環の中心を軸として吹出し部が軸対称形状となる。そのため、円環の周方向に一様な風を送ることができ、強風、弱風のムラの無い快適な気流を生成することができる。

　また、内側気流吹出し口４３、外側気流吹出し口４４への風量を高圧空気発生部３６の内部の風量可変機構にて調整することにより、１つのアクチュエータによって容易にダンパ４９を開閉できる。

　また、高圧空気発生部３６が吹出し部の環形状内側にあり、かつダンパ４９が環形状に対して周方向にスライドする円環形状である。そして円環曲面部に開けられた天井側穴５２および天井側連通部４５と、天井逆側穴５３および天井逆側連通部４６に通じる穴との重なり量を変えることにより各吹出し部への風量を変更できる。そのため、高圧空気発生部３６が吹出し部の内側にある場合、１つのアクチュエータにより容易にダンパ４９を開閉できる。

　また、内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とが、天井４２に平行な床面（図示せず）とほぼ垂直になるようにしている。また内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９との中央に高圧空気発生部３６が備えられている。複数の連通部４０を介して内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とが保持され、高圧空気発生部３６が天井に取り付けられる。このことにより、天井に取り付けて使用する涼をとるための天井扇として適した構成にできる。

　なお、実施の形態７の天井扇は、６本の連通部４０により構成されている。しかし、内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とをバランスよく吊ることができれば良く、連通部４０は３本以上であることが望ましい。

　また本発明の実施の形態７の天井扇は、スポット送風と、ワイド送風とを備えてもよい。ここでスポット送風は、任意の分割気流吹出し部５５ａと分割気流吹出し部５５ａから最遠方の分割気流吹出し部５５ｂとの外側気流吹出し部３９からのみ送風する。ワイド送風は、任意の分割気流吹出し部５５ａと分割気流吹出し部５５ａから最遠方の分割気流吹出し部５５ｂとの内側気流吹出し部３８からのみ送風する。

　その結果、環状の気流吹出し部５５の内側に集中して強い涼風を送風する場合と、環状の気流吹出し部５５の外側に広範囲に涼風を送風する場合との選択が可能となり、状況に応じた気流５７を生成することが出来る。

　また本発明の実施の形態７の天井扇は、内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とが隣接してもよい。

　吹出し口３７は、高速気流を発生させるために狭小隙間となる。そのため気流吹出し部５５の形状は、薄型の形状となるが、強度が不足するのを防ぐため、内側気流吹出し部３８と外側気流吹出し部３９とを接して構成することにより、強度を向上できる。

　本発明の天井扇は、室内空気の撹拌を目的に使用される各種送風機器として有用である。

１，３２　　箱体
２，３３　　吸込み口
３，３４　　羽根車
４，３５　　モータ
５，３６　　高圧空気発生部
５ａ　　高圧空気発生部の中心
６，６ａ，６ｂ，３７　　吹出し口
７，５５　　気流吹出し部
７ａ　　それぞれの環形状の気流吹出し部の中心を繋ぎ形成される円
７ｂ　　それぞれの環形状の気流吹出し部の中心を繋ぎ形成される円の中心
７ｃ　　それぞれの環形状の気流吹出し部の中心
８　　連結ダクト
９　　落下防止手段
１０　　受電部
１０ａ　　照明器具用の給電部
１１　　給電部
１２　　照明部
１３　　内側
１４　　外側
１５，５６　　床方向
１６　　天井方向
１７，５７，５８　　気流
１７ａ　　誘引される気流
１８　　気流吹出し部の中心
１９　　切替ダンパ
２０，４２　　天井
２１　　中心側空洞
２２　　外周側空洞
２３　　天井側空洞
２４　　床面側空洞
２５　　フラップ可変部
３１　　天井扇
３８　　内側気流吹出し部
３９　　外側気流吹出し部
４０　　連通部
４１　　取付部材
４３　　内側気流吹出し口
４４　　外側気流吹出し口
４５　　天井側連通部
４６　　天井逆側連通部
４９　　ダンパ
５０　　小型モータ
５１　　歯車
５２　　天井側穴
５３　　天井逆側穴
５４　　ダンパギヤ
５５ａ，５５ｂ　　分割気流吹出し部

Claims

羽根車を覆う箱体と、
前記箱体に空気を取り入れる吸込み口と、
前記空気の圧力を高めて高圧空気を発生させる前記羽根車および前記羽根車を駆動するモータが設けられた高圧空気発生部と、
前記高圧空気を吹出す吹出し口を有する気流吹出し部と、
前記高圧空気発生部と前記気流吹出し部とを連通する連結ダクトとを備え、
前記気流吹出し部が環形状であり、前記高圧空気発生部が天井に取り付けられることを特徴とする天井扇。
前記気流吹出し部は、前記天井から間隔を有して設けられたことを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記高圧空気発生部が前記気流吹出し部の中心に配置されたことを特徴とする請求項１または２どちらか１項に記載の天井扇。
前記気流吹出し部を複数個備えたことを特徴とする請求項１または２どちらか１項に記載の天井扇。
それぞれの環形状の前記気流吹出し部の中心を繋ぎ形成される円の中心と、前記高圧空気発生部の中心とを一致させたことを特徴とする請求項４記載の天井扇。
それぞれの環形状の前記気流吹出し部の中心と、前記高圧空気発生部の中心とを一致させたことを特徴とする請求項４記載の天井扇。
前記連結ダクトが複数本備えられたことを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記気流吹出し部から吹出される気流の方向が前記天井に対し鉛直方向の上下に切替えられることを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記高圧空気発生部に受電部が設けられ、前記受電部は前記天井に設置された照明器具の給電部から給電されることを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記高圧空気発生部および前記気流吹出し部から前記連結ダクトが分離できることを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記気流吹出し部から吹き出される気流の方向を切り替える気流制御部を前記連結ダクトに備えたことを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記気流吹出し部は内部に中心側空洞と外周側空洞とを備え、前記気流制御部は前記高圧空気を前記中心側空洞と前記外周側空洞とに分岐する切替ダンパであることを特徴とする請求項１１に記載の天井扇。
前記気流制御部は前記気流吹出し部から吹き出される気流の方向を床方向と天井方向とに切り替えることを特徴とする請求項１１に記載の天井扇。
前記気流吹出し部は内部に床面側空洞と天井側空洞とを備え、前記気流制御部は前記高圧空気を前記床面側空洞と前記天井側空洞に分岐する切替ダンパであることを特徴とする請求項１３に記載の天井扇。
前記気流吹出し部は環形状の前記気流吹出し部の外側に向けて前記高圧空気を吹出す内側気流吹出し口を備えた内側気流吹出し部と、前記気流吹出し部の内側に向けて前記高圧空気を吹出す外側気流吹出し口を備えた外側気流吹出し部とから構成され、
前記内側気流吹出し部および前記外側気流吹出し部の風量を調整して床方向に吹出される気流の送風角度を制御することを特徴とする請求項１に記載の天井扇。
前記気流吹出し部を環形状の周方向に等しい長さにより偶数分割した複数の分割気流吹出し部のうち、任意の前記分割気流吹出し部と前記分割気流吹出し部から最遠方の分割気流吹出し部からのみ前記気流を吹出すことを特徴とする請求項１５記載の天井扇。
任意の前記分割気流吹出し部と前記分割気流吹出し部から最遠方の分割気流吹出し部との前記外側気流吹出し部からのみ送風するスポット送風と、任意の前記分割気流吹出し部と前記分割気流吹出し部から最遠方の分割気流吹出し部との前記内側気流吹出し部からのみ送風するワイド送風と、を備えたことを特徴とする請求項１６記載の天井扇。
前記内側気流吹出し部と前記外側気流吹出し部とが隣接することを特徴とする請求項１５記載の天井扇。