JP4522974B2 - アルミノシリケート安定化ハロゲン化ポリマー - Google Patents
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Description
本発明は、ハロゲン化ポリマーを安定化すること、およびその安定化のための改善された方法に関する。より詳細には、本発明は、通常高温で成形品に加工されるハロゲン化ポリマー樹脂の熱安定化に関する。特に、本発明は、特にこの目的のために調製された特定の合成結晶性アルミノシリケートまたはゼオライトモレキュラーシーブでの、このような樹脂の熱安定化に関する。
ハロゲン化ポリマー樹脂の安定性におけるこれらおよび他の改善が、このようなハロゲン化ポリマーの安定化成分として、個々の結晶が約0.01μm〜約1.0μmの範囲の微細な微結晶サイズを有するアルミノシリケートを利用することによって、本発明によって得られることが今や見出された。驚くべきことに、粒径はハロゲン化ポリマーシステムの物理的特性の維持において重要であるが、微細な微結晶サイズを有するアルミノシリケートの利用は、これらのポリマーの熱安定化におけるさらなる改善を得るために重要であることが今や見出された。このような微細な微結晶粒径安定剤は通常、従来の無機の、有機金属の、または有機の共安定剤(co−stabilizer)と共に用いられる。
したがって、本発明は以下を提供する。
(1) 安定化されたハロゲン化ポリマー組成物であって、上記組成物は、ハロゲン化ポリマー樹脂および安定剤を含み、上記安定剤は、式M2/nO.Al2O3.ySiO2.wH2Oの合成結晶性アルミノシリケートを含み、ここで、Mは、電荷均衡カチオンであり、nは、Mの原子価でありかつ1または2であり、yは、SiO2のモル数でありかつ約1.8〜約15であり、そしてwは、1分子の上記アルミノシリケートあたりの水和水のモル数であり、ここで、上記アルミノシリケートは、約0.01μm〜約1μmの範囲の平均微結晶サイズを有する、組成物。
(2) Mが、ナトリウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアリールアンモニウム、リチウム、NH4、Ag、Cd、Ba、Cu、Co、Sr、Ni、Fe、およびそれらの混合物からなる群より選択される、電荷均衡カチオンである、項目1に記載の安定化されたハロゲン化ポリマー組成物。
(3) Mが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選択される電荷均衡カチオンであり、ただし、Mが、ナトリウムおよびカリウムまたはカルシウムを含むアルカリ金属およびアルカリ土類金属の混合物である場合、上記カリウムおよびカルシウムの含量は、総アルカリ金属およびアルカリ土類金属含量の約35%未満である、項目1に記載の安定化されたハロゲン化ポリマー組成物。
(4) yが、約2〜約5の範囲であり、上記アルミノシリケートが、約0.01μm〜約1μmの範囲の平均微結晶サイズおよび約0.1μm〜約10μmの範囲の平均粒径を有する、項目1に記載の安定化されたハロゲン化ポリマー組成物。
(5) 上記アルミノシリケートが、約0.1μm〜約3μmの範囲の平均粒径を有する、項目4に記載の安定化されたハロゲン化ポリマー組成物。
(6) 上記組成物が、CPVC処方物または硬質PVC処方物を含む、項目5に記載の組成物。
(7) 上記ハロゲン化ポリマー樹脂が、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリクロロプレン(Neoprene)、アクリロニトリル−塩化ビニルコポリマー(Dynel)、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン−塩化ビニルコポリマー、およびポリフルオロ−クロロエチレンポリマーからなる群より選択される、項目1に記載の組成物。
(8) 上記ハロゲン化ポリマー樹脂が、ハロゲン化ビニルポリマー樹脂を含む、項目1に記載の組成物。
(9) 上記ハロゲン化ビニルポリマー樹脂が、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルから選択される、項目8に記載の組成物。
(10) 上記ポリマー樹脂が、ポリ塩化ビニルである、項目9に記載の組成物。
(11) 上記ポリ塩化ビニルが、任意の従来の重合方法によって作製されて、20,000〜100,000の範囲の数平均分子量および41〜98の範囲のフィッケンチャー K値を有する、項目10に記載の組成物。
(12) 上記アルミノシリケートが、ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトX、ゼオライトY、およびそれらの混合物からなる群より選択されるゼオライトである、項目1に記載の組成物。
(13) 上記アルミノシリケートが、ゼオライトAである、項目
12に記載の組成物。
(14) 上記ゼオライトが、上記アルミノシリケートの約0.1重量%と約20重量%との間の水含量に脱水されている、項目12に記載の組成物。
(15) 上記ゼオライトが、上記アルミノシリケートの約0.1重量%と約8重量%との間の水含量に脱水された、スチームか焼脱水ゼオライトを含む、項目14に記載の組成物。
(16) 上記ゼオライトが、上記アルミノシリケートの約10重量%よりも大きい水含量に再水和しない、項目15に記載の組成物。
(17) 上記ゼオライトが、約2.8〜約8オングストロームの範囲の平均孔直径を有する、項目12に記載の組成物。
(18) 上記ゼオライトが、約3〜約300m2/gの範囲の外表面積を有する、項目12に記載の方法。
(19) 上記安定剤が、上記アルミノシリケートおよび1以上の共安定剤との組み合わせである、項目1に記載の組成物。
(20) 項目19に記載の組成物であって、上記共安定剤が、マグネシウム、アンチモン、カドミウム、バリウム、スズ、カルシウム、亜鉛および鉛からなる群より選択される従来の有機金属錯体安定剤、種々の脂肪酸の多価エステル、β−ジケトン、有機ホスファイト、ヒンダードアミン、有機メルカプタン、エポキシド化油、エポキシ化合物およびフェノールからなる群より選択される従来の有機錯体安定剤、硫酸鉛(二塩基)、硫酸鉛(三塩基)および硫酸鉛(四塩基);亜リン酸鉛(二塩基);白鉛、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される従来の無機錯体安定剤である、組成物。
(21) ハロゲン化ポリマー樹脂を安定化するための方法であって、上記樹脂を、式M2/nO.Al2O3.ySiO2.wH2Oの合成結晶性アルミノシリケートを含む安定剤と混合する工程を包含し、ここで、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リチウム、亜鉛、カルシウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアリールアンモニウムおよびそれらの混合物から選択される電荷均衡カチオンであり、nは、Mの原子価でありかつ1または2であり、yは、SiO2のモル数でありかつ約1.85〜約10であり、そしてwは、1分子の上記アルミノシリケートあたりの水和水のモル数であり、ただし、Mが、ナトリウムおよびカリウムまたはカルシウムを含むアルカリ金属およびアルカリ土類金属の混合物である場合、上記カリウムおよびカルシウムの含量は、総アルカリ金属およびアルカリ土類金属含量の約35%よりも多くなく、ここで、上記アルミノシリケートは、約0.01μm〜約1μmの範囲の平均微結晶サイズを有する、方法。
(22) 上記アルミノシリケートが、約0.1μm〜約10μmの範囲の平均粒径を有する、項目21に記載の方法。
(23) yが、約2〜約5の範囲である、項目21に記載の方法。
(24) 上記ハロゲン化ポリマー樹脂が、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリクロロプレン(Neoprene)、アクリロニトリル−塩化ビニルコポリマー(Dynel)、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン−塩化ビニルコポリマー、ポリフルオロ−クロロエチレンポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるメンバーを含む、項目21に記載の方法。
(25) 上記ハロゲン化ポリマー樹脂が、ハロゲン化ビニルポリマー樹脂である、項目21に記載の方法。
(26) 上記ハロゲン化ビニルポリマー樹脂が、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルから選択される、項目21に記載の方法。
(27) 上記ポリマー樹脂が、ポリ塩化ビニルである、項目21に記載の方法。
(28) 上記ポリ塩化ビニルが、任意の従来の重合方法によって作製されて、約20,000〜約100,000の範囲の数平均分子量および約41〜約98の範囲のフィッケンチャー K値を有する、項目27に記載の方法。
(29) 上記アルミノシリケートが、ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトX、ゼオライトY、およびそれらの混合物からなる群より選択されるゼオライトである、項目21に記載の方法。
(30) 上記アルミノシリケートが、ゼオライトAである、項目29に記載の方法。
(31) 上記ゼオライトが、上記アルミノシリケートの約0.1重量%〜約20重量%の範囲内の水含量に脱水されている、項目29に記載の方法。
(32) 上記ゼオライトが、約2.8〜約8オングストロームの範囲の平均孔直径を有する、項目29に記載の方法。
(33) 上記ゼオライトが、約3〜約300m2/gの範囲の外表面積を有する、項目29に記載の方法。
(34) 上記安定剤が、上記アルミノシリケートおよび少なくとも1つの共安定剤との組み合わせである、項目21に記載の方法。
(35) 項目34に記載の方法であって、上記共安定剤が、カドミウム、マグネシウム、アンチモン、バリウム、スズ、カルシウム、亜鉛、鉛およびそれらの混合物からなる群より選択される従来の有機金属錯体、種々の脂肪酸の多価エステル、β−ジケトン、有機ホスファイト、ヒンダードアミン、有機メルカプタン、およびフェノールからなる群より選択される従来の有機錯体、硫酸鉛(二塩基)、硫酸鉛(三塩基)および硫酸鉛(四塩基);亜リン酸鉛(二塩基)、および白鉛、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される従来の無機錯体である、方法。
(36) 上記混合する工程が、上記樹脂の重合前、重合の間または重合後に行う、項目21に記載の方法。
(37) 式M2/nO.Al2O3.ySiO2.wH2Oを有する合成結晶性アルミノシリケートであって、Mは、電荷均衡カチオンであり、nは、Mの原子価でありかつ1または2であり、yは、SiO2のモル数でありかつ約1.8〜約3.5であり、そしてwは、1分子の上記アルミノシリケートあたりの水和水のモル数であり、ここで、上記アルミノシリケートは、約0.01μm〜約1μmの範囲の平均微結晶サイズおよび約0.5μm〜約3μmの範囲の粒径を有する、合成結晶性アルミノシリケート。
(38) ゼオライトAを含む、項目37に記載のアルミノシリケート。
(39) 上記アルミノシリケートの約0.1重量%と約20重量%との間の水含量をさらに含む、項目37に記載のアルミノシリケート。
(40) 上記アルミノシリケートが、上記アルミノシリケートの約0.1重量%と約8重量%との間の水含量に脱水された、スチームか焼脱水アルミノシリケートである、項目39に記載のアルミノシリケート。
(41) 上記スチームか焼脱水アルミノシリケートが、上記アルミノシリケートの約10重量%よりも大きい水含量に再水和しない、項目40に記載のアルミノシリケート。
(42) 上記スチームか焼脱水アルミノシリケートが、スチームか焼前のアルミノシリケートの開始結晶化度の少なくとも約50%の結晶化度を有する、項目40に記載のアルミノシリケート。
(43) 式M2/nO.Al2O3.ySiO2.wH2Oの合成結晶性アルミノシリケートを作製するためのプロセスであって、Mは、電荷均衡カチオンであり、nは、Mの原子価でありかつ1または2であり、yは、SiO2のモル数でありかつ1.8〜3.5であり、そしてwは、1分子の上記アルミノシリケートあたりの水和水のモル数であり、改良点として、以下:
(a)少なくとも50%の開始結晶化度を維持しながら、上記アルミノシリケートの0.1重量%と約8重量%との間の水含量に上記アルミノシリケートをスチームか焼する工程であって、その結果、生じる脱水アルミノシリケートが、上記アルミノシリケートの約10重量%より大きい水含量に再水和しない、工程
を包含する、プロセス。
(44) さらに、約0.01μm〜約1μmの範囲の平均微結晶サイズおよび約0.5ミクロン〜約3ミクロンの範囲の粒径を有する、上記合成結晶性アルミノシリケートを形成する工程を包含する、項目43に記載のプロセス。
一般に、本発明は、ハロゲン化ポリマー樹脂および約0.01μm〜約1.0μmの範囲の、好ましくは、約0.2μm〜1μmの範囲の平均微結晶サイズ、そして最も好ましくは、約0.2μm〜約0.85μmの範囲の微細な平均微結晶サイズを有する安定化量の合成結晶性アルミノシリケートを含む、安定化ハロゲン化ポリマー組成物を含む。微結晶サイズは本発明に重要であるとはいえ、粒径は、一般に広範囲に変動し得るが、約0.1μm〜約5.0μmの範囲の、より好ましくは特にCPVCおよび剛直なPVC処方物においては、約0.1μm〜約3μmの平均粒径を有する粒子を用いることが好ましい。本発明にまた含まれるのは、ハロゲン化ポリマーを、単独で、または従来の無機の、有機金属の、および/もしくは有機の共安定剤と組み合わせて、上記のアルミノシリケートと混合することによって、このような化合物を安定化するための方法である。
(溶液Aの合成)
試薬等級の水酸化ナトリウムペレット(316.3g)を、脱イオン水(316.3g)に添加し、そしてこの溶液が透明になるまで攪拌した。次いで、この溶液を沸騰するまで加熱し、そして酸化アルミニウム三水和物(63.1g)を、これが溶解するまで攪拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、この溶液を100℃未満まで冷却し、そして脱イオン水(1090.4g)を添加した。2.0の比のナトリウムシリケート(1,237.5g,SiO2/Na2O=2.0,56重量%の水)溶液を、この攪拌アルミネートにゆっくりと添加し、そして使用の前に少なくとも12時間寝かせた。
試薬等級の水酸化ナトリウムペレット(203.5g)を、脱イオン水(203.5g)に添加し、そしてこの溶液が透明になるまで攪拌した。次いで、この溶液を沸騰するまで加熱し、そして酸化アルミニウム三水和物(162.0g)を、これが溶解するまで加熱攪拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、この溶液を100℃未満に冷却し、脱イオン水(180g)で希釈し、さらに60℃まで冷却した。
(4Aゼオライトの合成)
試薬等級の水酸化ナトリウムペレット(207g)を、脱イオン水(207g)に添加し、そしてこの溶液が透明になるまで攪拌した。次いで、この溶液を沸騰するまで加熱し、そして酸化アルミニウム三水和物(162.0g)を、これが溶解するまで攪拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、この溶液を100℃未満まで冷却させ、脱イオン水(240g)を添加し、そしてこれを60℃まで冷却させた。
(4Aゼオライトの合成)
試薬等級の水酸化ナトリウムペレット(207g)を、脱イオン水(207g)に添加し、そしてこの溶液が透明になるまで攪拌した。次いで、この溶液を沸騰するまで加熱し、そして酸化アルミニウム三水和物(162.0g)を、これが溶解するまで攪拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、この溶液を100℃未満まで冷却させ、脱イオン水(240g)を添加し、そしてこれを60℃まで冷却させた。
(小さな結晶の13Xゼオライトの合成)
50重量%のNaOHの溶液(141g)を、沸騰するまで加熱し、そして酸化アルミニウム三水和物(81g)を、これが溶解するまで攪拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、この溶液を100℃未満まで冷却させ、脱イオン水(55g)を添加し、そしてこれを周囲温度まで冷却させた。
微結晶サイズの異なる4Aゼオライトのサンプルを、表4に示されるように可塑化PVC処方物に配合した。試験の各セットのための処方物を、共通のマスターバッチから調製し、次いで示される量のゼオライトを添加した。このマスターバッチを、以下のように調製した:Henschel高強度実験ミキサーを、約77℃まで予熱した。次いで、PVC樹脂(1,200g)およびエポキシド化ダイズ油(ESO)を充填し、この混合物を3000RPMで攪拌した。このブレンドが70℃に達したときに、ジ−オクチルフタレート(DOP)可塑剤をゆっくりと添加した。75℃で、ステアリン酸亜鉛および酸化ポリエチレンワックスを添加し、そして80℃で、このブレンドを冷却し、そして攪拌を約1900RPMまで低下させた。温度が45℃未満まで低下したとき、このミキサーを空にした。
**ゼオライトを含まないコントロール。
この実施例は、大きな微結晶の4Aゼオライトおよび小さな微結晶の4Aゼオライトを使用して、PVCの安定剤としての性能についての粒径の減少の相対的効果を実証する。実施例2に記載の4Aゼオライトを、その粒径を減少させるために120psiでmicronizerTMジェットミルを使用して粉砕した。次いで、このゼオライトを実施例4の可塑化PVC処方物に配合し、そして同じ条件で試験した。実施例5の処方物および試験した結果を、以下の表5に示す。
実施例6は、PVCのための安定剤としての性能についての、フォージャサイト構造のゼオライト13Xの微結晶サイズの減少の効果を実証する。Xゼオライトを、可撓性PVC処方物と配合し、そして実施例4のように試験した。MetrastatTM静的熱安定試験を、DIN 5381FおよびAFNOR T51−224に従って、MetrastatTMオーブンを使用して190℃で2時間行った。この処方物を、HaakeTM二軸スクリューエクストルーダーを使用して175℃のストック温度で押出し、試験のための1×0.04インチのストリップを作製した。以下の実施例についてのMetrastatTMの初期カラーは、色の変化が観察可能になるまでの時間として規定され、そしてMetrastatTMの安定性は、暗褐色または黒への色の変化として観察される完全な分解までの時間として規定される。表6は、処方物および試験の結果を示す。
実施例7は、より高い安定剤ローディングでの、小さな微結晶のゼオライトAおよび13Xの性能を示す。可塑化PVC化合物を、実施例4に示した条件で、調製および試験した。表7を以下に示し、これは調製したPVC処方物およびその特性を列挙する。
実施例8は、PVCのための安定剤としての他のゼオライトの性能を比較する。PVC処方物を、実施例4に記載するように調製し、そして試験した。その評価を、以下の表8に記載する。
実施例9は、熱的に活性化されたゼオライト4Aの効果を示す。1.5μmおよび0.4μmの結晶サイズを有するゼオライトを、以下に示される温度で4時間加熱した。ゼオライトAサンプル中の水分レベルを、1000℃での強熱減量(LOI)によって試験した。PVC処方物を、実施例4に記載されるように調製し、そして試験した。表9は、PVC処方物およびその特性を列挙する。
実施例10は、実施例1Bの性能を示す(ここで、交換可能なナトリウムカチオンの一部が、カリウムで置換されている)。これらのサンプルを、従来のイオン交換方法を用いて調製した。(Zeolite Molecular Sieves,D.Breck,Krieger Publishing Company,Malabar,Florida 第7章、537〜549頁)。カリウム交換されたAゼオライトを、可撓性PVC処方物に配合し、実施例4のように試験し、そして以下の表10に示す。
実施例11は、Advera 401Pおよび実施例1B(ここで、交換可能なナトリウムカチオンの一部が、カルシウムで置換されている)の性能を示す。これらのサンプルを、従来のイオン交換方法を用いて調製した。(Zeolite Molecular Sieves,D.Breck,第7章、537〜549頁)。カルシウム交換されたAゼオライトを、可撓性PVC処方物に配合し、実施例4のように試験し、そして以下の表11に示す。
以下の実施例は、CPVCパイプ処方物における動的熱安定性(dynamic thermal stability)の性能に対する、ゼオライトの微結晶サイズおよび粒径の両方の減少に関する、正の効果を示す。
bX線回折によって測定された、開始結晶性と比較した結晶性。
cTempRite(登録商標)3114は、BF Goodrich Companyにより販売される、粉末のCPVCパイプ化合物である。
d異例な結果。
実施例12Cを、まず、試薬グレードの水酸化ナトリウムペレット(298.0g)を(298.0g)脱イオン水に溶解することによってアルミン酸ナトリウム溶液を調製することによって、調製した。この溶液を100℃まで加熱し、そして酸化アルミニウム三水和物(324g)を、溶解するまで攪拌しながらゆっくりと添加した。次いで、生じたアルミン酸ナトリウム溶液を75℃より下に冷却し、次いで、さらに(1212.5gの)脱イオン水を添加した。次いで、この溶液を室温に冷却した。1.5の比のケイ酸ナトリウム(903.0g、SiO2/Na2O=1.5、57重量%の水)溶液を、(1510.5g)脱イオン水を用いて希釈した。この溶液に対して、アルミン酸ナトリウム溶液を、30分間にわたって強く攪拌しながら添加し、次いで、さらに15分間均質化した。この反応混合物を、1時間65.5℃で寝かせた。次いで、この反応混合物を、3時間93.3℃に加熱した。次いで、この内容物を濾別し、脱イオン水で洗浄し、そして分析した。この生成物は、X線回折によって決定されたように純粋なゼオライトAから成り、そして1.0 Na2O:1 Al2O3:2.00 SiO2の化学組成を有した。
実施例12Dを、まず、(1290.0g)脱イオン水中、試薬グレードの水酸化ナトリウムペレット(307.6g)、酸化アルミニウム三水和物(280.0g)を用いて、実施例12Cの上記のような手順によって、アルミン酸ナトリウム溶液を調製し、次いで、室温に冷却することによって調製した。1.5の比のケイ酸ナトリウム(792.0g、SiO2/Na2O=1.5、57重量%の水)溶液を、(1290.0g)脱イオン水を用いて希釈した。この溶液に対して、アルミン酸ナトリウム溶液を、60分間にわたって強く攪拌しながら添加した。次いで、溶液A(31.2g)を、この反応混合物に添加し、15分間十分に混合した。次いで、この反応混合物を、1.5時間93.3℃に加熱した。次いで、この内容物を濾別し、脱イオン水で洗浄し、そして分析した。この生成物は、X線回折によって決定されたように純粋なゼオライトAから成った。
実施例12Fを、まず、(1100.0g)脱イオン水中、試薬グレードの水酸化ナトリウムペレット(335.0g)、酸化アルミニウム三水和物(324.0g)を用いて、実施例12Cの上記のように、アルミン酸ナトリウム溶液を調製し、次いで、室温に冷却することによって調製した。3.2の比のケイ酸ナトリウム(820.0g、SiO2/Na2O=3.2、62重量%の水)溶液を、(1100.0g)脱イオン水を用いて希釈した。次いで、溶液A(2.4g)を、このシリケート溶液に添加し、15分間十分に混合した。この溶液に対して、アルミン酸ナトリウム溶液を、30分間以上強く攪拌しながら添加し、次いで、さらに15分均質化させた。次いで、この反応混合物を、3時間93.3℃に加熱した。次いで、この内容物を濾別し、脱イオン水で洗浄し、12時間100℃で乾燥させ、そして分析した。この生成物は、X線回折によって決定されたように純粋なゼオライトAから成り、そして1.0 Na2O:1 Al2O3:2.00 SiO2の化学組成を有した。
実施例12Gを以下のように調製した。アルミン酸ナトリウム溶液を、(1100.0g)脱イオン水中、試薬グレードの水酸化ナトリウムペレット(334.0g)、酸化アルミニウム三水和物(324.0g)を用いて、実施例12Cの上記のように調製し、次いで、室温に冷却した。3.2の比のケイ酸ナトリウム(814.0g、SiO2/Na2O=3.2、62重量%の水)溶液を、(1100.0g)脱イオン水を用いて希釈した。次いで、溶液A(16.0g)を、このシリケート溶液に添加し、15分間十分に混合した。この溶液に対して、アルミン酸ナトリウム溶液を、30分間にわたって強く攪拌しながら添加し、次いで、さらに15分均質化させた。次いで、この反応混合物を、3時間93.3℃に加熱した。次いで、この内容物を濾別し、脱イオン水で洗浄し、12時間100℃で乾燥させ、そして分析した。この生成物は、X線回折によって決定されたように純粋なゼオライトAから成り、そして1.0 Na2O:1 Al2O3:2.00 SiO2の化学組成を有した。
以下の実施例は、PVCカレンダー処方物(calendering formulation)に対するゼオライトの量の影響を示す。
b平衡より20%増加のトルクにおける概算された分解時間。
c平衡より25%増加のトルクにおける概算された分解時間。
dDTS試験を、60gのサンプルを使用して、190℃かつ50RPMでHaakeトルクレオメーターを用いて実施した。
本実施例は、塩素化されたポリ塩化ビニル(CPVC)粉末化合物の動的熱安定性の試験を示す。各試験について、3.44gのゼオライトサンプルを、200gのTempRite(登録商標)3114粉末CPVCパイプ押し出し成形化合物に添加し、そして、食品加工ミキサーで15分間混合した。以前の実施例のように、粉末CPVC化合物の熱安定性試験を、ASTM方法D2538−95に従う、動的熱安定性(DTS)の試験を用いて実施した。ここで、DTSの性能を、平衡トルクが確立された後の迅速なCPVC分解およびトルク増加の点に到達するのに必要とされる時間として規定する。本実施例についての動的熱安定性の試験を、3分間事前に加熱した(1分間は10RPM、2分間は5RPM)後に、70.5gのサンプルに対して195℃または205℃および35RPMでHaakeレオメーターを用いて実施した。各試験を繰返し、そして報告される結果は、各化合物についての2回または3回の試験の平均である。
b4.6Torrにおいて平衡水吸着。
cX線回折によって測定された、開始結晶性と比較した結晶性。
d異例な結果
当該分野で周知のように、McBain−Bakr試験は、所定の圧力における蒸気の制御された雰囲気下、サンプルの平衡な重量増加を測定する工程を包含する。本発明に関する試験について、4.6Torrの水蒸気圧を使用した。
Claims (4)
- 式M2/nO.Al2O3.ySiO2.wH2Oを有する合成結晶性アルミノシリケートであって、Mは、電荷均衡カチオンであり、nは、Mの原子価でありかつ1または2であり、yは、SiO2のモル数でありかつ1.8〜3.5であり、そしてwは、1分子の該アルミノシリケートあたりの水和水のモル数であり、ここで、該アルミノシリケートは、0.01μm〜1μmの範囲の平均微結晶サイズおよび0.5μm〜3μmの範囲の粒径を有し、ここで、該アルミノシリケートは、該アルミノシリケートの0.1重量%〜8重量%の範囲内の水含量に脱水されたスチームか焼脱水アルミノシリケートである、合成結晶性アルミノシリケート。
- ゼオライトAを含む、請求項1に記載のアルミノシリケート。
- 前記スチームか焼脱水アルミノシリケートが、前記アルミノシリケートの10重量%よりも大きい水含量に再水和しない、請求項1に記載のアルミノシリケート。
- 式M2/nO.Al2O3.ySiO2.wH2Oの合成結晶性アルミノシリケートを作製するためのプロセスであって、Mは、電荷均衡カチオンであり、nは、Mの原子価でありかつ1または2であり、yは、SiO2のモル数でありかつ1.8〜3.5であり、そしてwは、1分子の該アルミノシリケートあたりの水和水のモル数であり、改良点として、以下:
(a)0.01μm〜1μmの範囲の平均微結晶サイズおよび0.5μm〜3μmの範囲の粒径を有する、該合成結晶性アルミノシリケートを形成する工程;および
(b)該アルミノシリケートの0.1重量%と8重量%との間の水含量に該アルミノシリケートをスチームか焼する工程であって、生じる脱水アルミノシリケートが、該アルミノシリケートの10重量%より大きい水含量に再水和しない、工程
を包含する、プロセス。
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