JPH0689170B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0689170B2
JPH0689170B2 JP60208953A JP20895385A JPH0689170B2 JP H0689170 B2 JPH0689170 B2 JP H0689170B2 JP 60208953 A JP60208953 A JP 60208953A JP 20895385 A JP20895385 A JP 20895385A JP H0689170 B2 JPH0689170 B2 JP H0689170B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
type zeolite
zeolite
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP60208953A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6270432A (ja
Inventor
宗雄 三田
弘之 柏瀬
哲也 大崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP60208953A priority Critical patent/JPH0689170B2/ja
Priority to US06/884,373 priority patent/US4741779A/en
Priority to KR1019860005880A priority patent/KR900002857B1/ko
Publication of JPS6270432A publication Critical patent/JPS6270432A/ja
Priority to US07/067,118 priority patent/US4758619A/en
Publication of JPH0689170B2 publication Critical patent/JPH0689170B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は樹脂組成物に関し、更に詳しくは、樹脂に特定
の物性を有するA型ゼオライト又はこれを酸により改質
した非晶質アルミノシリケートに微細な不定形シリカを
含有せしめた樹脂添加剤を配合してなる樹脂組成物に関
する。
本発明にかかる樹脂組成物は、特にフィルム、シート等
の成型品の熱安定性、酸化防止性、耐ブロッキング性を
向上せしめ、あるいは樹脂加工の改善を計るのに好適で
ある。
〔従来の技術〕
従来、天然又は合成のゼオライト粉末が各種の合成樹脂
に充填剤として使用され、合成樹脂の物性を改善した樹
脂組成物が得られていることは公知である。
また、ゼオライトの独特な3次元結晶構造に基づく細
孔、カチオン交換性等の特有な物性により機能的な樹脂
添加剤として使用することも公知である。(例えば特開
昭51−23538号公報) 特にNa−A型ゼオライトがハロゲン含有樹脂に対して熱
安定作用を与えることが提案された。(特開昭54−3435
6号公報) また本出願人は既にNa−A型ゼオライトを他の金属カチ
オン、特にCa、Zn、Pbなどの二価カチオンで置換したA
型ゼオライトが含ハロゲン化樹脂に対する熱安定性をよ
り改善することを提案した。(特開昭55−142043号公
報、特開昭55−164236号公報、特開昭56−14542号公
報、特開昭56−72038号公報、特開昭56−120745号公
報、特開昭56−147851号公報、特開昭57−15346号公
報、特開昭57−28145号公報) また、本出願人は含エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
に対する熱安定性などの改善をゼオライトによりもたら
されることを見い出した。
(特開昭57−63342号公報) 更に、本出願人はポリオレフィン樹脂に対して金属置換
A型ゼオライトが劣化防止作用をもたらすことを見い出
した。(特開昭57−67638号公報) また、更にA型ゼオライト又はその酸処理物である非晶
質アルミノシリケートがポリオレフィンなどの樹脂フィ
ルムのブロッキング防止性を有することも公知である。
(特開昭58−118221号公報、特開昭58−180541号公報、
特開昭60−32836号公報、特開昭49−23245号公報、特開
昭50−16744号公報、特開昭55−21496号公報等) その他、合成ゴムの補強充填剤(特開昭49−34936号公
報)、塗料添加剤(特開昭51−69528号公報)など数多
く提案され、かつ実施されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来、樹脂の添加剤として使用されてい
るA型ゼオライト、Na−A型ゼオライトあるいは非晶質
アルミノシリケート等のゼオライト粉末を配合した樹脂
組成物は熱安定性、酸化防止性あるいは耐ブロッキング
性等の改善の効果がある程度認められるが、特定の用途
あるいは特定な条件下においてはいまだ充分とは言え
ず、さらにそれ等の諸特性の改善が望まれている。
その原因として下記の理由が挙げられる。
従来使用されているゼオライト粉末は他の無機粉末と同
様にアグロメレートし易く、又合成樹脂への添加におい
て、分散性が劣るため、その使用において充分に注意し
て用いなければならない。また樹脂への分散性を考慮し
て用いてもその物性上アグロメレートの存在は避けられ
ず、特に薄いフィルムにした場合、しばしば品質上好ま
しからざる欠点を与える。
このため、ある種の燐酸エステル、金属石けん又は有機
シリケート化合物等の表面処理剤で粒子の表面改質を行
うことが提案されているが、ゼオライト粒子自体の基本
的分散特性の解決には至っていない。
本発明者らは、上記の問題に鑑みゼオライト粉末の樹脂
に対する分散性を本質的に改善すると共にその有する機
能をより発現せしめ、樹脂組成物の熱安定性、酸化防止
性および耐ブロッキング性をさらに向上させるべく鋭意
研究を重ねた結果本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕および〔作用〕 すなわち、本発明は樹脂に、該樹脂100重量部に対し
て、一次粒子の粒子形状が実質的に球状であり、かつ平
均粒子径が5μm以下の範囲にあるA型ゼオライト又は
その粒子特性を実質的に具備しているが、X線回折では
非晶質である該ゼオライトの酸処理物に該粒子径よりも
微細な不定形シリカをSiO2として0.2〜5重量%含有せ
しめた樹脂添加剤0.01〜50重量部を少なくとも安定剤又
は酸化防止剤を含む他の樹脂添加剤と共に配合して樹脂
の熱安定性、酸化防止性、耐ブロッキング性等を向上さ
せてなることを特徴とする樹脂組成物にかかるものであ
る。
以下、本発明について詳述する。
本発明にかかる樹脂組成物は樹脂に特定の樹脂添加剤を
一定割合で配合してなるものである。
本発明において用いられる樹脂添加剤は、特定な物性の
A型ゼオライト又はX線回折では非晶質であると認めら
れる該ゼオライトの酸処理物に該ゼオライトの粒子径よ
りも微細な不定形シリカを含有せしめてなるものであ
る。
ここにA型ゼオライトというのは、Na−A型ゼオライト
は勿論であるが、このゼオライトのカチオン交換性を有
するNa+とCa++、Mg++、Zn++、Pb++、Cu++またはAg+等の
金属イオンとイオン交換して得られる金属置換A型ゼオ
ライトを含む。かかる置換A型ゼオライトとしては、例
えば、Ca−A型ゼオライト、Mg−A型ゼオライト、Zn−
A型ゼオライト、Pb−4A型ゼオライト、Cu−A型ゼオラ
イト又はAg−A型ゼオライトなどがあげられるが、勿論
置換金属イオンは1種に限らず、2種以上の金属イオン
が置換されたものであってもよい。
なお、これらの金属置換A型ゼオライトの金属置換量は
特に限定されるものではなく、その使用目的に応じて定
まるが、樹脂の熱安定化剤又は老化防止性など、A型ゼ
オライトの化学物理的機能を期待して用いる場合には残
留Na+はNa2Oとして10重量%以下、特に5重量%以下に
ある金属置換A型ゼオライトであることが好ましい。な
お上記金属置換ゼオライトにおいてCu−A型ゼオライト
又はAg−A型ゼオライトは殺菌性能があるのでそのよう
な使用目的の場合には好適である。
かかるA型ゼオライトは、本発明において特にその一次
粒子の粒子形状が実質的に球状であり、かつ平均粒子径
が5μm以下の範囲にある粒度分布のシャープな整った
粒子特性を示すものであることが重要である。
ここで、一次粒子の粒形状が実質的に球状であるという
のは、走査型電子顕微鏡写真(倍率2000〜5000倍)によ
る観察をしたときに球状的に又は立方体のシャープな角
が完全に消失して滑らかな表面をした丸味があるゆえに
実質的に球状粒子として認められることをいう。
従って、A型ゼオライトの通常の粒子形状が同様の観察
によって、角砂糖の如きシャープな立方体の粒子とは明
らかに区別して認められるものである。
また、かかる粒子特性のA型ゼオライトはいずれも平均
粒子径が5μm以下の微細な粒子であり、特に0.5〜4
μmにあって、かつ平均粒子径(μ)の の範囲の粒度分布の部分が少なくとも60%以上、好まし
くは70%以上のシャープな粒度特性を有するものがよ
い。
なお、本発明において上記の粒度はコールターカウンタ
ーによる粒度測定法で求めた値として表わすものとす
る。
このような粒子特性を有することは、一般的な立方形状
のゼオライトと比してそれ自体分散性がすぐれたものに
なっているが、後述する微細な不定形シリカ粒子との関
係と相俟って著しい分散性を与え、かつ樹脂添加剤とし
ての好ましい機能発現のために重要なことである。
また、本発明において、前記A型ゼオライトのほかにそ
の粒子特性を実質的に具備しているが、X線回折では非
晶質アルミノシリケートであるA型ゼオライトの酸処理
物も樹脂添加剤の素材として含まれる。
一般にA型ゼオライトは酸との作用に弱く、最終的に強
い酸と作用すると分解してしまうが、本発明における酸
処理物とはA型ゼオライトのスラリーにpHを約4.5を限
度として、好ましくはpH5〜7の範囲で穏やかに酸を作
用するとA型ゼオライトの前記した粒子形状および粒度
特性を実質的にそのまま具備した状態の粒子となり、か
つ該粒子をX線回折によって同定した場合、実質的に何
らの結晶特性を示す回折線も認められない非晶質アルミ
ノシリケートをいい、A型ゼオライトとは化学的に区別
できるものである。
従ってかかる酸処理物はA型ゼオライトと外観状の粒子
特性で比較すると全く区別がつかないほど同一性を示す
ものであるが、前記結晶性の差異のほかにA型ゼオライ
トのカチオン交換性、吸着性又は、いわゆるゼオライト
水が示す吸脱着の可逆性等の性質は実質的に有しない。
それ故、この酸処理物はA型ゼオライトの如き樹脂安定
化などの機能は期待できないけれども、非晶質の無機充
填剤として用いることができる。
一般に数多くの無機質充填剤において、非晶質粉末は極
めて少なく代表的にはシリカが用いられているが本発明
における前記酸処理物は、その数少ない非晶質充填剤と
してシリカとは異なった特徴的使用が期待できるもので
ある。また、かかる酸処理物はA型ゼオライトと同様に
樹脂フィルムのブロッキング防止剤としてすぐれた機能
を有する。
なお、本発明においてA型ゼオライト又はその酸処理物
は結合水等を有する含水物、又はその加熱により脱水処
理した脱水物のいずれであってもよい。
含水物を用いた場合、樹脂の成形あるいは樹脂加工の際
に時として脱水による樹脂への発泡現象が生ずる場合が
あるが、このような問題はそのような影響が実質的に生
じないような成形、加工の方法を採るか、脱水物を使用
することにより回避することができる。
しかして、本発明における樹脂添加剤は上記の如きA型
ゼオライト又はその酸処理物である非晶質アルミノシリ
ケートの粉末に、該粉末の粒子よりも微細な不定形シリ
カを添加し含有せしめた配合物として構成されるもので
ある。
即ち、樹脂添加剤の配合成分たる不定形シリカは微細で
なければならず、これは一次粒子は勿論のこと二次粒子
としてもA型ゼオライトの平均粒子径よりも微細である
ことが必要であり、出来る限り微粒子であることが好ま
しい。
またA型ゼオライト又はその酸処理物に対する不定形シ
リカの配合量はSiO2として0.2〜5重量%の範囲であ
り、特に0.3〜5重量%の範囲が好適である。
この理由は、A型ゼオライト等の粒子特性、配合するシ
リカの種類、配合方式あるいは使用目的によって含有組
成は設定されるべきであるが、分散性の改善効果が0.2
重量%以下である場合は期待できなく、また分散性を与
える量的効果としては約5重量%で充分であるからであ
る。これを越えると微細なシリカのボールベアリング作
用による分散性が飽和するか、むしろ過剰の場合は悪く
なる傾向にある。
本発明にかかる樹脂組成物の配合成分である樹脂添加剤
は、A型ゼオライト又はその酸処理物である非晶質アル
ミノシリケートの粉末に比して著しく滑性又は自由流動
性があって、そのために樹脂に対する分散性が改善され
る。
次に、本発明に用いられる樹脂添加剤は前記の特徴によ
り製造ができるがその方法の態様は次の2通り; (1) 前記の粒子特性を有するA型ゼオライト又はそ
の特性を実質的に具備しているが、X線回折では非晶質
である該ゼオライトの酸処理物であるアルミノシリケー
トの粉末に不定型シリカを添加混合してセン断混合する
場合。(以下乾式法という) (2) 上記アルミノシリケート(A型ゼオライト又は
その酸処理物)のスラリーにシリカゾールを添加混合し
た後、固液分離、加熱および粉砕処理する場合。(以下
湿式法という) を含むものである。
乾式法において添加する不定型シリカは、例えばSiC
l4、SiH4あるいは有機珪素化合物等の気相加水分解によ
り得られるヒュームドシリカ又は珪酸ソーダ水溶液の酸
分解による合成シリカ等が代表的なものであり、又他の
製法に基づく微細にシリカであれば特に限定はない。
この乾式法は、かかる不定型シリカを添加配合した後、
充分に脱アグロメレートさせるため、単なる混合ではな
く強力なセン断処理を伴った混合をすることが重要であ
る。
従って、例えばヘンシルミキサーその他セン断力を強力
に作用する混合装置を用いて充分に混合すればよいが、
この際、必要に応じて粒子表面の疏水化処理を同時に行
うこともできる。
このような表面処理剤としては、有機シリケート化合
物、有機チタネート化合物、高級脂肪酸又はその金属
塩、高級アルコール、ロウ類、燐酸エステル類があげら
れ、これらは必要により有機溶剤と共に上記のセン断処
理の際に添加すれば疎水化でき、樹脂への分散性をより
一層改善させることができる。
他方、湿式法においては、A型ゼオライト又はその酸処
理物のスラリーに添加する不定形シリカは、上記のシリ
カの外に特にシリカゾルを好ましい。
他の不定形シリカを用いる場合は、湿式法においても、
例えばコロイドミル、ホモジナイザーあるいは高速撹拌
等によってセン断混合を必要とするけれども、シリカゾ
ルにあっては通常撹拌による混合操作で充分であり、し
かもその添加効果は驚くほど少量で発現する。
従って、本発明に用いられる樹脂添加剤の製法としては
シリカゾルを用いる湿式法が最も有利なものということ
ができる。
なお、このスラリーの混合は常温又は加温のいずれであ
ってもよい。
次いで、混合後、固液分離、必要に応じて水洗を行った
後加熱処理するが、ここで加熱処理とは単に付着水分の
乾燥のための加熱のほかに、更に結合水の脱水のための
加熱焼成を含むものである。
従って加熱条件としては100〜450℃の範囲が適宜選択で
き、必要に応じて含水物又は脱水物を得ることができ
る。
次いで常法により粉砕処理して樹脂添加剤とし、この場
合、前記乾式法と同様、必要に応じてさらに疎水化処理
を行ってもよい。
かくして得られる樹脂添加剤は驚くほど滑性又は自由流
動性が優れており、この性能は微妙であるので指による
感触によって最も容易にかつ明確に区別することができ
る。
本発明にかかる樹脂組成物は上記の樹脂添加剤を樹脂に
配合してなるものであるが、樹脂としては各種の合成樹
脂を用いることができ、特に限定されるものではない。
例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポ
レオレフィン、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニルある
いは他のものと共重合体等の含ハロゲン樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブデンなどのα−オレフィ
ン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−アクリレート共重合体
のα−オレフィンと他の単量体との共重合体のポリオレ
フィン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、
シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などがあげられる。
本発明において、樹脂添加剤の樹脂に対する使用量は、
その使用目的、添加剤の種類、対象樹脂の種類等によっ
て適宜設定することができるが、具体的には樹脂100重
量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜5重量
部が望ましく、0.01重量部未満では効果が不充分であ
り、50重量部をこえると各種特性の改善効果は頭打ち傾
向であり経済性などはむしろ不利となる。
さらに、樹脂の各種の特性の改善を行うのに好適な樹脂
添加剤の配合量を例示すると、樹脂100重量部に対し
て、樹脂フィルムのブロッキング防止剤として使用する
場合は、通常0.01〜2.0重量部の範囲であり、樹脂に対
する熱安定化剤あるいは抗菌剤としての使用の場合は0.
1〜5重量部、充填剤としての使用の場合は0.1〜50重量
部、酸化防止等の安定化剤としての使用の場合は0.1〜
5重量部の範囲で用いることが好ましい。
また、本発明にかかる樹脂組成物は、上記の樹脂添加剤
を使用する際に他の樹脂用添加剤例えば可塑剤、安定
剤、キレータ、酸化防止剤、滑剤、着色剤等を併用する
が、これらのうち少なくとも安定剤又は酸化防止剤は必
ず併用しなければならない。これらの樹脂添加剤は、必
要により、いわゆるワンパック型の添加剤として予め混
合物として使用することができる。この理由は、上記シ
リカ含有A型ゼオライト又はその酸処理物自体が樹脂の
熱安定性、酸化防止性を主体的に発揮させるというより
は、他の樹脂添加剤と併用することにより、その奏する
機能をより効果的に助長させることにある。
次に、本発明にかかる樹脂組成物は押出成形、キャスチ
ング、真空成形、低圧成形等の通常の成形方法により、
フィルム、シート、板状、ペレット状等に成形すること
ができる。
これ等の成形方法においては、まず樹脂と樹脂添加剤及
び可塑剤、安定剤、着色剤等の他の樹脂用添加剤を配合
してマスターバッチを形成し、さらに該マスターバッチ
を樹脂とブレンドして押出すか、その他の熱配合によっ
て成形することにより、樹脂添加剤が樹脂に均一に分
散、分布した成形品を得ることができる。
また、本発明にかかる樹脂組成物は織物、紙などに塗布
又は含浸せしめて樹脂加工に使用することもできる。
本発明において、樹脂組成物に添加配合される樹脂添加
剤は粉体としての滑性又は自由流動性が著しくすぐれて
おり、硬い凝集2次粒子の形成が殆んどないために樹脂
に対する分散性が極めて良好であり、フィッシュアイな
ど分散不良にもとづくトラブルを生じることなく、熱安
定性、酸化防止性および耐ブロッキング性の改善された
樹脂組成物を与える。
しかして、本発明の樹脂組成物に添加される樹脂添加剤
粒子の分散性が特に良好であることの作用機構の詳細は
不明であるけれども恐らく次の理由が考えられる。
即ち、平均粒子径が5μm以下でその粒度分布の幅が狭
い実質的な球状の粒子形状を有するA型ゼオライト等の
粒子間に微細な不定形シリカが介在して、一種のボール
ベアリング的効果を発現し、A型ゼオライト等の粒子相
互の滑りや移動を容易にさせ、滑性又は自由流動性を与
えるために、その製造過程で硬い凝集2次粒子を形成す
ることがなく、樹脂に配合されると樹脂成形品の組織の
中に均一に分布するようになるものと思われる。
〔実施例〕
以下、本発明について具体的に実施例にて説明する。
○ 試料調製例1〜5 試料1〜2 珪酸ソーダ水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液とをモル比
SiO2/Al2O3=2の割合で同時に反応容器中に注入してバ
ックミキシングのない瞬間的混合によりアルミノシリケ
ートのゲルを得、次いで加熱熟成してNa−A型ゼオライ
トの結晶スラリーを得た。
次いで、このゼオライトをリパルプして得られる30重量
%のゼオライトスラリーにゼオライト固形分に対し、Si
O2として0.5重量%、1.0重量%の割合において、それぞ
れシリカゾルを添加し、均一に混合した。
次いで、濾過分離して120℃で乾燥および粉砕してSiO2
量の異なる2種の樹脂添加剤(試料1および試料2)を
得た。
なお、このNa−A型ゼオライト(Na2O・Al2O3・2SiO2
4.5H2O)の粒子特性は第1表に示すものであった。
試料3〜5 試料1の調製において得られたシリカゾル未添加のNa−
A型ゼオライトに水を添加して20重量%スラリー250重
量部を得た。なお、このスラリーのpHは11.7であった。
次いで、このスラリーの撹拌下において、4重量%硫酸
250重量部を徐々に添加して添加後1時間撹拌したとこ
ろ、スラリーのpHは5.3であった。
次いでリパルプした後、スラリー固形分に対しSiO2とし
て1.0重量%のシリカゾルを添加して均一に混合した
後、常法により濾過、乾燥および粉砕してNa−A型ゼオ
ライトの酸処理物(試料3)を得た。
一方、この試料3における濾過ケーキを450℃で2時間
脱水処理後、粉砕してシリカ配合のNa−A型ゼオライト
の酸処理脱水物(試料4)を得た。
他方、メチルハイドロジエンポリシロキサン3重量部に
ベンゼン18重量部を加えて溶解した液を上記酸処理脱水
物(試料4)100重量部に添加してヘンシルミキサーで
セン断混合して疎水化したシリカ配合Na−A型ゼオライ
トの酸処理脱水物(試料5)を得た。なお、得られた各
試料の物性は第2表に示すとおりである。
○ 試料調製例6〜8 試料調製例1と同様にしてNa−A型ゼオライトの結晶ス
ラリーを水にリパルプして30重量%のゼオライトスラリ
ーを調製した。
次いで、このスラリーの各フラクションにシリカゾルを
SiO2としてゼオライト固形分に対し0.42重量%、1.0重
量%および2重量%添加して撹拌を続けた後、Na+と交
換当量の2倍量のCa に相当する10重量%CaCl2溶液を
添加して室温で5時間撹拌を続け、次いで濾過,水洗,
乾燥および粉砕してCa−A型ゼオライト粉末をそれぞれ
得た。(試料6,7,8) なお、得られた試料(6〜8)の物性はいずれも次の第
3表のとおりであった。
○ 試料調製例9〜14 試料調製例7においてシリカゾルを添加しない以外は全
く同様にしてCa−A型ゼオライトの粉末を得た。
次いで、このゼオライト粉末100重量部に対してヒュー
ムドシリカをSiO2としてそれぞれ0.5,1.0,2.0重量%添
加したもの、同じくホワイトカーボン(湿式法シリカ)
を1.0,2.0および5.0重量%添加したものをそれぞれ6バ
ッチ調製し、それぞれをヘンシルミキサーにて均一に混
合して試料を調製した。(これらの試料は順次9,10,11,
12,13,14とする) ○ 試料調製例15 試料調製例7において、ゼオライト固形分に対しSiO2
して1.0重量%のシリカゾル入りの原料Na−A型ゼオラ
イトスラリーを用いてCaCl2溶液の代りにZnSO4溶液を用
いて同様にイオン交換処理してZn−A型ゼオライトを調
製した。
このゼオライトの物性は平均粒子径:2.5μm,平均粒子径
の範囲の粒度%:81,粒子形状:角のない実質的な球状粒
子,ZnO含有率:19.2重量%,残留Na2O:2.6重量%であっ
た。
評価試験 (1) 試料粉末の滑性又は自由流動性 試料を直接指でさわったときの滑性の感触と一定量試料
を充填したポリ袋を指で押えたときの試料の自由流動性
を観察する官能テストを識別能力の優れているパネル20
名にて実施した。その評点は、最も滑り・自由流動性の
よいものを◎,次いで○,△及び最もそれが劣るものを
×とする4段階評価で行ったところ、第4表の結果が得
られた。
(2) 塩化ビニル樹脂に対する分散性および熱安定性 塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤(DOP)30重量部、ス
テアリン酸0.5重量部およびエポキシ大豆油4重量部に
試料粉末3重量部を添加配合したものをテストロールに
て、190℃、5分間よく混練した後、試験片シート、
(厚さ0.3mm×よこ3cm×たて4cm)を作成した。
次いで、これを倍率100の顕微鏡にて所定視野内・凝集
粒子の存在の程度を観察した。凝集粒子が実質的に認め
られない分散性良好なものを4,分散性の最も悪いものを
1として4段階法で評価した。一方、この試験片を190
℃のギヤオーブン中に静置して着色度の経時変化を調べ
て塩化ビニル樹脂の熱安定性をみた。
なお、評価は次の6段階法で表わした。
上記の結果を第5に示す。
(3) ポリプロピレン樹脂フィルムに対する耐ブロッ
キング性 メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロピレン
樹脂100重量部に酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール0.10重量部、イルガノックス1010 0.
02重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシウ
ム0.05重量部、及び本発明にかかる樹脂添加剤および比
較試料を、下記の第6表に示すそれぞれの所定量を添加
し、スーパーミキサーで混合後押出機でそれぞれペレッ
ト化した。
ブランクを同様にして造った。
このペレットを押出機を用いてシート状フィルムにし、
縦方向5倍、横方向10倍に逐次延伸して最終的に厚さ30
μmの延伸フィルムを得た。延伸フィルムの一面には、
コロナ放電処理を施した。
これらの二軸延伸フィルムについて、透明性、ブロッキ
ング性及びフイッシュアイを測定した。
フィルムの透明性はASTM−D−1003に準拠して、フィル
ムを4枚重ねて測定した。
フィルムのブロッキング性は、2枚のフィルムの接触面
積が10cm2となるように重ねて、2枚のガラス板の間に
おき、50g/cm2の荷重をかけて40℃の雰囲気中に7日間
放置後、ショッパー型試験機に用いて、引張速度500mm/
分にて引き剥して、その最大荷重を読みとって評価し
た。
また、フィルムのフィッシュアイの有無について倍率10
0倍の顕微鏡で観察した。
上記の結果を第6表に示す。
(4) ポリエチレン樹脂に対する諸特性 未安定化高密度ポリエチレン樹脂粉末(メルトインデッ
クス0.9)100重量部に対して第7表に示す配合割合(重
量部)で試料粉末、酸化防止部類及び活性物質を添加し
たポリエチレン樹脂組成物の諸特性を下記の方法で測
定、評価してその結果を第7表に併せて示した。
(a) 耐熱安定性 各配合割合のポリエチレン樹脂組成物を前ロール表面温
度160℃、後ロール表面温度120℃に調節したテストロー
ルで5分間混練したのち厚さ0.5mmのシート状にとり出
した。得られたシートを3cm×5cmの矩型に切り取って試
験片とした。試験片を200℃に保たれたギア・オーブン
中に入れ、熱着色の経時変化を観察し下記3段階の数値
でポリエチレン樹脂組成物の耐熱変色性を評価した。
(b) 耐ブリーディング 上記試験片を殺菌灯で24時間照射し、表面への滲出度
(ブリーディング)を肉眼で観察して下記3段階の数値
で評価した。
(c) 耐ブルーミング 上記試験片を70℃の温水に24時間浸漬したのち風乾して
表面への吐出度(ブルーミング)を肉銀で観察して下記
3段階の数値で評価した。
(d) ロール粘着性 各配合のポリエチレン樹脂組成物をテストロールで混練
する際のロールへの粘着程度を観察した下記3段階の数
値で評価した。
(e) 分散性 塩化ビニル樹脂に対する分散性の評価法と同じ方法で評
価する。
〔発明の効果〕 本発明にかかる樹脂組成物は、樹脂用の添加剤として、
実質的に球状の粒子形状のA型ゼオライト又はその酸処
理物である非晶質アルミノシリケートに微細な不定型シ
リカを含有せしめた分散性のよい状態で配合されている
ため、その樹脂添加剤の本来の機能がより発現できる。
即ち、樹脂組成物としては、添加剤粒子の分散不良にも
とづくフィッシュアイなどの重大なトラブルを生じるこ
となく、A型ゼオライト等の元来有する機能を完全に発
現させることができ、本発明にかかる樹脂組成物におけ
る各種の樹脂特性、例えば熱安定性、酸化防止性、耐ブ
ロッキング性等の改善あるいは樹脂加工の改善をもたら
すことができる。
また、本発明にかかる樹脂組成物はペレット、フィル
ム、シート、板等に容易に成形することができると共に
織物、紙等の樹脂加工も容易に行うことができ、上記と
同様にそれ等の熱安定性、酸化防止性、耐ブロッキング
性の向上を計ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大崎 哲也 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−101543(JP,A) 特開 昭62−20537(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂に、該樹脂100重量部に対して、一次
    粒子の粒子形状が実質的に球状であり、かつ平均粒子径
    が5μm以下の範囲にあるA型ゼオライト又はその粒子
    特性を実質的に具備しているが、X線回折では非晶質で
    ある該ゼオライトの酸処理物に該粒子径よりも微細な不
    定形シリカをSiO2として0.2〜5重量%含有せしめた樹
    脂添加剤0.01〜50重量部を少なくとも安定剤又は酸化防
    止剤を含む他の樹脂添加剤と共に配合して樹脂の熱安定
    性、酸化防止性、耐ブロッキング性等を向上させてなる
    ことを特徴とする樹脂組成物。
JP60208953A 1985-07-19 1985-09-24 樹脂組成物 Expired - Fee Related JPH0689170B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60208953A JPH0689170B2 (ja) 1985-09-24 1985-09-24 樹脂組成物
US06/884,373 US4741779A (en) 1985-07-19 1986-07-11 Additives for resins and their composition
KR1019860005880A KR900002857B1 (ko) 1985-07-19 1986-07-19 수지 첨가제 및 그 조성물
US07/067,118 US4758619A (en) 1985-07-19 1987-06-29 Additives for resins and their compositions

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60208953A JPH0689170B2 (ja) 1985-09-24 1985-09-24 樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6270432A JPS6270432A (ja) 1987-03-31
JPH0689170B2 true JPH0689170B2 (ja) 1994-11-09

Family

ID=16564877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60208953A Expired - Fee Related JPH0689170B2 (ja) 1985-07-19 1985-09-24 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0689170B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2249549A (en) * 1990-11-08 1992-05-13 Shell Int Research Stabilised copolymer compositions
US6096820A (en) * 1999-07-29 2000-08-01 Pq Corporation Aluminosilicate stabilized halogenated polymers
US6414071B1 (en) 1999-07-29 2002-07-02 Pq Corporation Aluminosilicate stabilized halogenated polymers
DE102005001793A1 (de) * 2005-01-13 2006-07-27 Basf Ag Polyoxymethylen und Zeolith enthaltende Formmasse
US11351525B2 (en) * 2016-12-20 2022-06-07 Basf Se Use of an acid treatment to decrease the plasticity of a composition comprising a titanium-containing zeolitic material having framework type MWW
CN111751398B (zh) * 2020-07-06 2024-01-26 圣奥化学科技有限公司 不溶硫喷霜性能的评价方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60158272A (ja) * 1984-01-30 1985-08-19 Mitsui Touatsu Kiko Kk 耐摩耗用塗膜組成物
JPS61101543A (ja) * 1984-10-23 1986-05-20 Nippon Petrochem Co Ltd ポリオレフイン組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6270432A (ja) 1987-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900002857B1 (ko) 수지 첨가제 및 그 조성물
EP0052868B1 (en) Fire-retarding resin composition and fire retardant composition
DE60217087T2 (de) Metallsalze von hexahydrophthalsäure als keimbildende additive für kristalline thermoplaste
US4017452A (en) Polymer modified hydrophilic inorganic fillers for thermoplastic polymeric materials
JP3863778B2 (ja) アルミノシリケート安定化ハロゲン化ポリマー
DE10330287A1 (de) Organopolysiloxangranulat
JP2642934B2 (ja) 合成樹脂フイルム用ブロツキング防止剤及び組成物
JPH04288353A (ja) 非晶質シリカ系充填剤
KR0162491B1 (ko) 염소함유 중합체용 안정화제 조성물 및 그것의 제조방법
DE69730900T2 (de) Harzadditiv, Verfahren zu seiner Herstellung und dieses Additiv verwendende Olefinharzzusammensetzung
JPH0689170B2 (ja) 樹脂組成物
JPS6116735B2 (ja)
JPS6136866B2 (ja)
JP2540553B2 (ja) 樹脂用充填剤組成物
JPH0472851B2 (ja)
JP2687176B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
DE3429766A1 (de) Kornfoermiger stabilisator fuer chlorhaltige polymere und verfahren zu dessen herstellung
EP0355808B1 (de) Beschichteter Mineralfüllstoff oder beschichtetes mineralisches Flammschutzmittel
DE3715407A1 (de) Pulverfoermige copolymere von vinylester/ethylen
EP0027588B1 (de) Verfahren zur Stabilisierung von Polyvinylchloridformmassen und Mittel zur Durchführung des Verfahrens und damit hergestellte Artikel
JPS5919144B2 (ja) 高耐衝撃性組成物
JPH0312576B2 (ja)
JPH0231739B2 (ja)
DE2338234C2 (de) Verfahren zur Herstellung einer Tablettenmasse mit einem Gehalt an Paracetamol
JPH1030041A (ja) 熱に対して安定化されたフッ化ビニリデンポリマーを含有する組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees