JPS6045657B2 - 塩素含有樹脂用の安定剤 - Google Patents

塩素含有樹脂用の安定剤

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JPS6045657B2
JPS6045657B2 JP55099835A JP9983580A JPS6045657B2 JP S6045657 B2 JPS6045657 B2 JP S6045657B2 JP 55099835 A JP55099835 A JP 55099835A JP 9983580 A JP9983580 A JP 9983580A JP S6045657 B2 JPS6045657 B2 JP S6045657B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、塩素含有樹脂用安定剤に関し、その目的と
するところは、実質的に毒性の少ないすぐれた熱安定化
能を有する塩素含有樹脂用安定剤を提供することにある
一般に塩素含有合成樹脂は、加熱成型加工を行なう際
に、主として脱塩化水素に起因する熱分解を起し易く、
あるいは、使用する際日光への暴露等によつて同様に分
解する傾向があり、その結果黄橙、ピック、褐色と漸次
変色すると共に物理的性質や耐久性も損われる。
従つて、特に加熱加工処理に当り、上記の如き劣化を抑
制するため、これまて多くの安定剤が提案されかつ不可
欠なものとして使用されている。例えは、代表的なもの
としては、鉛系安定剤、金属石けん系の安定剤あるいは
有機錫系安定剤等がある。 しかしながら、これらは耐
熱性はあつても耐硫化物性に劣るとか、透明性に欠ける
、毒性を有するとか、高価であるとかで一長一短であつ
て多くJの場合併用してそれぞれの欠点を補なう妥協的
な使用方法が行なわれている。
とくに、最近は、成型加工は高温度域で行なうことが多
くなつているので加工時の耐熱安定性を付与する安定剤
への要求が高まると共にできるだけ作業時および使用面
から無毒性のものへの要求は一段と大きい。このような
事情において無機系安定剤としてゼオライトが知られて
いる。例えば、(1)300゜C以上の温度て脱水活性
化したA型ゼオライトを用いる場合(米国特許第324
5946号明細書)(2)含水率18〜25%の不活性
ゼオライトを他の安定剤と併用する場合(米国特許第4
0001(1)号明細書)(3)ナトリウム塩のイオン
交換容量が2.1m●Eq/y以上のゼオライト結晶の
アルミノ珪酸塩を用いる場合(特開昭54−34356
号)が代表的に提案されてきた。
これらはいずれも主として結晶構造にNa+を有するA
型ナトリウムゼオライトを用いた例であり、また一部に
はこれと等価的にカルシウムゼオライトの如き置換ゼオ
ライトも示唆してはいるが、具体的には全く開示されて
いない。
本発明者らは、これらの提案に基づきゼオライトの塩素
含有樹脂、特に塩化ビニル樹脂に対する熱安定化能に関
し数多くの実験を試みたが、前記の提案にも拘らず該性
能はナトリウム特有の赤味を呈する着色が加熱初期から
生じて実質的に実用性を期侍できるものは認められなか
つた。
更に、研究を重ねたところ他の金属とイオン交換して得
られるある種の金属置換型ゼオライトが優れた熱安定化
能および耐候性能、加工性を有することを見い出し、開
発を続け既に幾つか出願も行つてきた。しかしながら、
同じ種類の金属置換型ゼオライトであつてもその樹脂へ
の適用において再現性にバラツキが多く、また特に樹脂
の耐候性に大きな差異が生じる欠点があつた。
更に一方、他の安定剤との併用による樹脂特性をみると
著しい変化を.生じることから、本発明者らは鋭意研究
を重ねたところ安定剤の性能が主として置換金属と残留
ナトリウムの量に関係することを知見し、本発明を完成
した。本発明の第1の目的は毒性を実質的に有しない,
改良されたゼオライト系無機安定剤を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、ゼオライト系無機安定剤を鉛系安
定剤又は有機錫系安定剤と併用することによるそれらの
もつ短所を補つた相剰的にすぐれた複合安定剤を提供す
ることにある。
すなわち本発明は、イオン交換によりMg,Ca,Ba
,Sr,Pb又はSnから選ばれた金属イオンで置換さ
れ、かつ残留ナトリウムイオンがNa2Oとして1呼量
%以下の金属置換型合成結晶性アルミノ珪酸塩を有効成
分とする塩素含有樹脂用安定剤にかかるものである。
本発明に適用できる原体の合成アルミノ珪酸塩″はいわ
ゆるゼオライト結晶構造を有しそのカチオンが交換可能
なものである。
この結晶構造はX線回折によつて容易に確認され実質的
に無定形のアルミノ珪酸塩は原体としては適さない。
本発明に適用できる原体の結晶性アルミノ珪酸塩として
は、例えばA型、X型、Y型およびP型ゼオライト又は
ーダライト族アルミノ珪酸塩等から選ばれた合成結晶性
アルミノ珪酸塩であり、その製法は特に限定する必要は
ない。これらのうちA型ゼオライト、ソーダライト族ア
ルミノ珪酸塩が特に性能上および工業的有用性のために
好ましい。前記アルミノ珪酸塩において、カチオンは、
通常ナトリウムであり、カリウムその他の場合もあるが
、本発明に使用する安定剤としてのゼオライトはこれら
のカチオンが他の金属イオンとイオン交換された金属置
換型アルミノ珪酸塩でなければならない。
かかる金属としては、Mg,Ca,B2l,Sr,Pb
又はSnから選ばれたものの少なくとも1種又は2種以
上であり、これらのうち、特にMg又はCaの金属置換
ゼオライトが特に好適てある。
ゼオライトのイオン交換により前記金属の金属置換ゼオ
ライトは、例えば次の方法で容易に調製することがでる
。すなわち、例えばA型ナトリウムゼオライトの如き原
体ゼオライトとイオン交換すべき金属の可溶性塩水溶液
と充分に接触させることによつて得られる。金属塩とし
ては塩化物、硝酸塩、硫酸塩又は有機酸塩等があげられ
る。従つて、上記金属塩水溶液に原体ゼオライトを浸漬
してイオン交換させるバッチ方式又は原体ゼオライト固
体層に金属塩水原体を流通させるカラム方式、あるいは
それらを適宜併用する方式などが採用され、原体ゼオラ
イト中のカチオンの全部は大部分を水溶液中の他のカチ
オンによつて置換させ、次いで洗浄することによつて金
属置換型ゼオライトを得る。本発明に係る安定剤は前記
の如き金属置換型ゼオライトを有効成分とするものであ
るけれども、該ゼオライト中の残留ナトリウムイオンが
Na2Oとして約w重量%以下でなければならず、その
量は少ない程よく、特にNa2Oとして約5重量%以下
か好ましい。
ナトリウムは塩基性が強く塩化水素捕捉能という観点か
らは非常に優れている筈であるが、実際にナトリウム塩
を塩化ビニル樹脂に配合すると加熱加工初期に樹脂が赤
色に着色し、その耐候性も著しく低下する。
この理由は明らかではないが樹脂の加熱加工初期又は成
型された樹脂力泪光に曝される際、ナトリウムがその強
い塩基性の故に塩化ビニル樹脂から塩化水素を強制的に
離脱させて樹脂の劣化を促進する為と推定される。した
がつて、特殊な目的でステアリン酸ナトリウム等のナト
リウム塩を塩化ビニル樹脂に配合する場合に於いても配
合量は0.1〜0.2phrが限度で、それ以上添加す
ると上記欠点が顕著に現われる。
しかしながら、ゼオライト結晶構造中のナトリウムにつ
いては他のナトリウム塩と異つて、塩化水素捕捉能か有
効に作用して安定剤としてすぐれているとする提案が前
記のようになされているが、本発明者らの実験によれば
、ゼオライト結晶骨格中に保持されているナトリウムイ
オンについても、この例外でなくナトリウムイオンを含
有するゼオライトを配合した塩化ビニル樹脂を屋外に曝
露すると劣化が激しく赤色に着色して耐候性に著しい悪
影響を及ぼす。
ゼオライトの塩素含有樹脂に対する安定化能は、置換さ
れるカチオンの種類やその置換量と残留ナトリウムイオ
ンとの関係に著しく左右され、特に樹脂加工における初
期着色あるいは耐候性については残留ナトリウムイオン
の影響を受け易い。
よつて、本発明に係る安定剤はその使用量や使用条件に
よつて一様ではないが、多くの場合残留ナトリウムイオ
ンがNa2Oとして10重量%以下てあれは前記の問題
は実質的に起らす好ましいものとして使用できる。
もつとも、この安定剤は前記の如き方法で製造されるも
のであり、その性質上高置換率のゼオライトてあつても
多少はナトリウムイオンが残留するが特に5重量%以下
にあつてはその影響は見られず、例えば塩化ビニル樹脂
1〜2phr程度配合した場合ても有効に使用すること
ができる。なお本発明における残留ナトリウムイオン量
は原子吸光光度計による測定で算出される値を採るもの
とする。
本発明に係る安定剤において、金属置換ゼオライトは通
常結晶水を含有し、その有無に安定化能は影響を受ける
ことはないが、樹脂の成形加工の態様や他の添加剤との
配合如何によつて樹脂の成形加工時にその含有水分の蒸
発のために樹脂が発泡する場合が起りうる。
従つて、このような可能性のある場合には含水率の低い
脱水されたものを用いることが望ましい。即ち、塩素含
有樹脂組成物の成形加工温度近辺で実質的に水分蒸発が
生じない程度にまで含水率が低下したものであればよい
このような含水率は約8重量%以下、好ましくは5重量
%以下に脱水されたものであり、これは多くの場合15
0〜800゜C好ましくは200〜700℃て1時間以
上加熱することによつて前記含水率の金属置換型ゼオラ
イト脱水物となる。更にまた、このゼオライトの再吸湿
を予防して脱水物を効果たらしめるために、有機物質で
その粒子表面又は空胴内を被覆させたものか好ましい。
このような有機物質は、本発明においては格別なものは
必要とせず、塩素含有樹脂組成物を構成できる少なくと
も1種の有機添加剤を用いて配合処理すればよい。かか
る有機添加剤としては、例えば可塑剤、安定剤、キレー
タ、酸化防止剤、滑剤又は熱可塑性樹脂から選はれたも
のである。また、これらは塩素含有樹脂の加■温度より
も高い沸点を有し、かつそれにより低い融点をもつもの
がより効果的で好ましい。その配合処理は前記脱水物と
前記有機添加剤とを所定量配合して加熱溶融するか、所
望の溶媒中で混練することによつて調製できる。本発明
に係る安定剤は、以上のようなゼオライト系の無機化合
物から実質的になり、それ自体で有効な安定剤として供
し得るが、樹脂の用途、種類、安定剤の種類その他の条
件によつては他の安定剤と併用すると一層効果的に作用
する場合があり、例えば鉛系無機安定剤あるいは有機錫
系安定剤との併用が好適にあげられる。
この場合、本発明における安定剤としてはカルシウム置
換A型ゼオライトが好ましく適用される。
前記公知安定剤において前者は毒性を有し、又後者ては
加工性あるいは耐久性においてそれぞれ難点を持つが前
記ゼオライトとの併用によつてそれらの短所は著しく改
善され安定剤としての好ましい相剰的作用を発現する。
特に樹脂の成形加■時の初期着色やプレートアウト等は
実質的に抑制されて好ましい成形樹脂を提供できる。こ
の併用型の安定剤において適用するゼオライトは脱水物
をも含むことは勿論であるが、この場合ゼオライト脱水
物と鉛系安定剤との混合物に前記有機物による配合処理
によつて造粒したものが好適であり、又、有機系安定剤
にあつては、この種の液体にゼオライト脱水物を混合し
て充分に含浸せしめ、次いで、滑剤等その他の有機物で
表面を被覆して得られるものが好適なものとしてあげら
れる。
このような鉛系安定剤としては、例えば、珪酸塩、塩基
性硫酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛な
どが代表的であり、また、有機錫系安定剤としては次の
ものがあげられる。
即ら、メチルスタノイツク酸、ブチルスタノイツク酸、
オクチルスタノイツク酸、ジメチル錫オキサイド、ジブ
チル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジメチル
錫サルファイド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル
錫サルファイド、ジシクロヘキシル錫サルファイド、モ
ノブチル錫オキサイド◆サルファイド、メチルチオスタ
ノイツク酸、ブチルチオスタノイツク酸、オクチルチオ
スタノイツク酸、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ス
テアレート、ジオクチル錫ジオレート、ジブチル錫塩基
性ラウレート、ジブチル錫ジクロトネート、ジブチル錫
ビス(ブトキシジエチレングリコールマレート)、ジブ
チル錫メタクリレート、ジブチル錫ジシンナメート、ジ
オクチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫ビス
(ステアリルマレート)、ジブチル錫イタコネート、ジ
オクチル錫マレート、ジアミル錫ビス(シクロヘキシル
マレート)、ジメチル錫ジクロトネート、ジエチル錫ビ
ス(イソオクチルシトラコネート)、ジプロピル錫ビス
(ベンジルマレート)、ジイソブチル錫ビス(プロピル
マレート、ジシクロヘキシル錫マレート、ジオクチル錫
ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ジメトキシド、ジ
ブチル錫ジラウロキシド、ジオクチル錫エチレングリコ
キシド、ペンタエリスリトール、ジブチル錫オキシド縮
合物、ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、ジ
メチル錫ビス(ステアリルメルカプタイド)、モノブチ
ル錫トリス(ラウリルメルカプタイド)、ジブチル錫一
β−メルカプトプロピオネート、ジオクチル錫−β−メ
ルカプトプロピオネート、ジブチル錫メルカプトアセテ
ート、モノブチル錫トリス(イソオクチルメルカプトア
セテート)、モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシ
ルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス(イソオク
チルメルカプトアセテート)、ジオクチル錫ビス(イソ
オクチルメルカプトアセテート)、ジオクチル錫ビス(
2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジメチル
錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジメチ
ル錫ビス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、
モノブチル錫トリス(イソオクチルメルカプトプロピオ
ネート)、ビス〔モノブチルジ(イソオクトキシカルボ
ニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジブチル
モノ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)錫〕サ
ルファイド、モノブチルモノクロル錫ビス(イソオクチ
ルメルカフ0トフ0口ビオネート)、モノブチルモノク
ロロ錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、モ
ノブチルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカプタイド)
、ジブチル錫ビス(エチルセルソロブマレート)、ビス
(ジオクチル錫ラウレート)マレート、ビス(ジオクチ
ル錫ブチルマレート)マレートなどである。
更に、一方本発明に係る安定剤の使用においてエポキシ
化合物、多価アルコールあるいはその部分エステル等を
併用すると一層その効果が期待できる。
エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化大豆油、
エポキシ化アマニ油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル
、エポキシブチルステアレートなどのエポキシ化不飽和
油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、エポキシ
シクロヘキサン誘導体、エピクロルヒドリン誘導体など
、また上記多価アルールとしては、例えは、1・1・1
−トリメチロールプロパン、111−トリメチロールエ
タン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1・2
・3・4−ペンタンテトロール、13・4・5−ヘキサ
ンテトロール、ジペンタエリスリトール、キシリトール
、アドニトール、ソルビトール、マンニトール、ヘプチ
トール、オクチトール、プロピレングリコール、トリエ
チレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、あるいはそれらのエチ
レンオキシド付加物、グルコース、フルクトース、ガラ
クトースサッカロース、マルトース、ラクトースなどが
あげられる。
更に、その部分エステルとしては、グリセリン脂肪酸モ
ノエステル、1●3−ブタンジオールモンタン酸モノエ
ステル、ポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステルな
どが代表的である。本発明に用いられる塩素含有樹脂と
しては次のようなものがある。
例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリフ槍ピレン、塩化ゴム、塩化
ビニルー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共
重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル
−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合
体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
−スチレンー無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル
ースチレンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−
ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体
、塩化ビニルー塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル
ー塩化ビニリデンー酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニ
ル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイ
ン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エス
テル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体
、内部可塑化ポリ塩化ビニルなどの塩素含含有合成樹脂
及びこれらの塩素含有樹脂とポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、ポリー3−メチルブテンなどのα−
オレフィン重合体又はエチレンー酢酸ビニル共重合体、
エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン及
びこれらの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、ス
チレンと他の単量体(例えば無水マレイン酸、ブタジエ
ン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニ
トリルーブタジエンースチレン共重合体、アクリル酸エ
ステルーブタジエンースチレン共重合体、メタクリル酸
エステルーブタジエンースチレン共重合体とのブレンド
品をあげることができる。これらのうち最も一般的なも
のは、塩化ビニル系樹脂てある。
これらの樹脂に対する本発明に係る安定剤の添加量はゼ
オライトの物性、樹脂の種類、樹脂組成物の使用目的な
どによつて一様ではないが、多くの場合、原料樹脂10
0部に対して0.2乃至m部の範囲であり、特に1〜5
部の範囲が好適である。添加量が約01部以下の場合は
耐熱効果が不充分であり、一方、約1(2)以上ては効
果が飽和傾向を示す加工性や透明性が劣化する傾向とな
つてくるので好ましくない。本発明に係る安定剤を用い
て塩素含有樹脂を調製する場合、フタル酸エステル系可
塑剤剤、ポリエステル系可塑剤剤、燐酸エステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤その他の可塑剤をその用途に応じ
て適宜使用することができる。
更に、フェノール系又は含硫黄化合物の酸化防止剤、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート
系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系、金属キレ
ート系等の紫外線吸収剤も光安定性の向上の点から適宜
使用できる。その他必要に応じて、例えば顔料、充填剤
、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤
、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤
、金属不活性化剤、光劣化剤、非金属安定化剤、硼酸エ
ステル、チオ尿素誘導体、加工助剤、離型剤、補強剤な
どを包含させることがで・きる。
実施例1 本実施例に於いて残留ナトリウム含有率の種々異なるカ
ルシウムで置換されたA型ゼオライト安定剤について説
明する。
各試料の調製方法と残留・ナトリウム含有率を第1表に
示す。第1表に示した各試料のハロゲン含有樹脂用安定
剤としての性能を調べるために、塩化ビニル樹脂(ゼオ
ン103EP)10鍾量部に対して第2表に示す配合割
合(重量部、以下同じ)で各ゼオライト試料と他の安定
剤及び滑剤をそれぞれ添加した塩化ビニル樹脂組成物の
緒特性を下記の方法で測定、評価してその結果を第2表
に併せて示した。
(1)静的熱安定性各配合割の塩化ビニル樹脂組成物を
160゜Cのテストロールで5分間混練したのち厚さ0
.5Trr1nのシート状にとり出した。
得られたシートを2cm×5cmの矩型に切り取つて試
験片とした。試験片を200゜Cに保たれたギアオープ
ン中に入れ、熱着色の経時変化を観察し下記6段階の数
値て塩化ビニル樹脂組成物の熱劣化を評価した。0.0
無着色 1.0やや着色 2.0淡黄色 3.0黄色 4.0褐色 5.0黒色 尚、ギア・オープン中2紛までの着色を特に耐初期着色
性として別に評価した。
着色の無いものを耐初期着色性良好とした。(2)動的
熱安定性(ロング・ラン性) 各配合割合の塩化ビニル樹脂組成物を190℃のテスト
ロールで継続して6吟間混練しその間1吟毎にシート状
に取り出して着色度合を上記6段階で評価した。
(3) 耐蓄熱変色性 塩化ビニル樹脂組成分を160度Cのテストロールで5
分間混練し、厚さ0.5?のシートとしこれを二枚重ね
て170℃、30k9/CTlで5分間熱ブレスして試
験片(厚さ1Trm)とした。
この試験片を100℃に保たれたギア・オープン中に4
8時間放置したのち熱変色の度合を観察した。
熱変色の少ないものを耐蓄熱変色性良好としノた。(4
) 耐候性 (1)屋外曝露試験 上記試験片(1WIL厚)を6ケ月問屋外に曝露して試
験片の変色の度合から、塩化ビニル樹脂組成物の耐候性
を評価した。
変色の度合の少ないものを耐候性良好とした。(Ii)
殺菌灯試験(紫外線照射) 上記試験片に殺菌灯によつて紫外線を2肴間照射したの
ち、試験片の変色の度合から耐光性を評価した。
変色の少ないものを耐光性良好とした。(5)耐ブルー
ミング性 上記試験片を70゜Cの温水に24時間浸漬したのち風
乾し、試験片の表面への白色吐出状態を観察して耐ブル
ーミング性を評価した。
白化の程度が少ないものを耐ブルーミング性良好と伴定
した。(6)耐プレートアウト性各塩化ビニル樹脂組成
物に更にウオツチングレツド1虹部を添加してものを1
60ツCのテストロールで1紛間混練し、シート状に取
り出し、次にロール表面を掃除することなく別に用意し
た下記のクリーニング配合の塩化ビニル樹脂組成物を5
分間同一条件で混練したのちシートとし、シートのロー
ル表面の残存附着物による赤色着色の程度から耐プレー
トアウト性を評価した。
赤色着色の少ないものを耐プレートアウト性良好と判定
した。クリーニング配合塩化ビニル樹脂(ゼオン10他
P) 1(1)部DOP4O炭酸カルシウム
10酸化チタン
1Cd−Ba系複合金属石ケン 1
第2表に示した結果より残留ナトリウム含有率の少ない
カルシウム置換A型ゼオライト(試料1−3,1−4)
は、鉛系又は有機錫系安定剤と組合せて使用した場合(
実験NO.l〜4)、耐初期着色性、耐蓄熱変色性、耐
プレートアウト性及び耐ブルーミング性の向上に顕著に
寄与し、耐候性の面ても従来の鉛系又は有機錫系安定剤
単独の使用の場合よりも優れていることが理解される。
これに対して残留ナトリウム含有率がNa2Oとして1
0%を超えるカルシウム置換A型ゼオライトの場合は耐
候性の面て好ましい結果を(試料1−1,1−2)(実
験NO.5〜8)与えないことが判る。実施例2 本実施例に於いては種々のタイプのカルシウム置換型結
晶性アルミノ珪酸塩の安定剤としての性能について説明
する。
各試験の調製方法と残留ナトリウム含有率を第3表に示
す。第3表に示した各試料のハロゲン含有樹脂用安定剤
としての性能を調べるために塩化ビニル樹脂(ゼオン1
03EP)1卯重量部に対して第4表に示す配合割合で
各アルミノ珪酸塩試料と他の安定剤及び滑剤をそれぞれ
配合した塩化ビニル樹脂組成物の諸特性を実施例1に記
載したのと同じ方法で測定、評価してその結果を併せて
示した。
第4表に示した結果より、各種カルシウム置換結晶性ア
ルミノ珪酸塩はいずれもカルウム置換A型ゼオライト
(実施例1)に近い効果を発揮することが判る。
実施例3 本実施例に於いては種々の金属イオンで置換された金属
置換A型ゼオライト安定剤について説明する。
各試料の調製方法と残留ナトリウム含有率を第5表に示
す。第5表に示した各試料のハロゲン含有樹脂用安定剤
としての性能を調べるために塩化ビニル樹脂(ゼオン1
03EP)100重量部に対して第6表に示す配合割合
で各金属置換A型ゼオライト試料と他の安定剤及び滑剤
をそれぞれ配合した塩化ビニル樹脂組成物の諸特性を実
施例1記載と同様の方法て測定、評価してその結果を第
6表に併せて示した。
第6表に示した結果から各種金属置換A型ゼオライトは
いずれも実施例1に示したカルシウム置換A型ゼオライ
トと同様の性能を示すことが理解される。
以上の各実施例は塩素含有樹脂として代表的な塩化ビニ
ル樹脂を用いて説明したが、他の塩素含有樹脂について
も同様な作用効果を示すのはいうまでもない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イオン交換によりMg、Ca、Sr、Ba、Pb又
    はSnから選ばれた金属イオンで置換され、かつ残留ナ
    トリウムイオンがNa_2Oとして10重量%以下の金
    属置換型合成結晶性アルミノ珪酸塩を有効成分とする塩
    素含有樹脂用安定剤。 2 金属置換型合成結晶性アルミノ珪酸塩は少なくとも
    樹脂の成形加工温度近辺で実質的に蒸発しない程度の含
    水率に脱水されたものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の塩素含有樹脂用安定剤。 3 金属置換型合成結晶性アルミノ珪酸塩が金属置換型
    A型ゼオライであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の塩素含有樹脂用安定剤。 4 金属置換型合成結晶性アルミノ珪酸塩は鉛系安定剤
    と併用されたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の塩素含有樹脂用安定剤。 5 金属置換型合成結晶性アルミノ珪酸塩は有機機錫系
    安定剤と併用されたものであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の塩素含有樹脂用安定剤。
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