JP3765846B2 - 摩擦クラッチ - Google Patents

摩擦クラッチ Download PDF

Info

Publication number
JP3765846B2
JP3765846B2 JP07171795A JP7171795A JP3765846B2 JP 3765846 B2 JP3765846 B2 JP 3765846B2 JP 07171795 A JP07171795 A JP 07171795A JP 7171795 A JP7171795 A JP 7171795A JP 3765846 B2 JP3765846 B2 JP 3765846B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction clutch
force
pressure plate
disc spring
disengagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07171795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07317803A (ja
Inventor
マウハー パウル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Schaeffler Buehl Verwaltungs GmbH
Original Assignee
LuK Lamellen und Kupplungsbau Beteiligungs KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LuK Lamellen und Kupplungsbau Beteiligungs KG filed Critical LuK Lamellen und Kupplungsbau Beteiligungs KG
Publication of JPH07317803A publication Critical patent/JPH07317803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3765846B2 publication Critical patent/JP3765846B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/75Features relating to adjustment, e.g. slack adjusters
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/75Features relating to adjustment, e.g. slack adjusters
    • F16D13/757Features relating to adjustment, e.g. slack adjusters the adjusting device being located on or inside the clutch cover, e.g. acting on the diaphragm or on the pressure plate
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D2013/581Securing means for transportation or shipping
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/70Pressure members, e.g. pressure plates, for clutch-plates or lamellae; Guiding arrangements for pressure members
    • F16D2013/706Pressure members, e.g. pressure plates, for clutch-plates or lamellae; Guiding arrangements for pressure members the axially movable pressure plate is supported by leaf springs

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ケーシングに対して回動不能であるがしかしながら操作手段を用いて軸方向において制限されてシフト可能であるプレッシャプレートを備えた摩擦クラッチ、特に自動車用の摩擦クラッチであって、少なくとも1つの第1の蓄力器が設けられており、該蓄力器を介してプレッシャプレートが、該プレッシャプレートとはずみ車のような対応プレッシャプレートとの間において緊定可能なクラッチディスクに向かって負荷可能であり、少なくとも摩擦ライニングの範囲における摩耗を補償することができる後調節手段が設けられている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような形式の摩擦クラッチは例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4239289号明細書及び該明細書に記載された先行技術によって公知である。
【0003】
このような後調節可能な摩擦クラッチを使用することによって、高い圧着力にもかかわらず、極めて低い最大解離力を得ることが望まれており、この場合この解離力は摩擦クラッチの耐用寿命にわたって、つまりクラッチライニングの摩耗過程にわたって、可能な限り一定に保たれることが望まれている。
【0004】
比較的低い最大解離力を得るため、もしくは低い解離力経過を得るために、多くの場合複数の皿ばねが使用され、これらの皿ばねは、少なくとも解離運動距離の主な部分にわたって、力の下降もしくは逓減的な力・運動距離経過を有している。しかしながらこのようなばねを使用することによって、多くの場合解離力経過において、過剰な高まりもしくは最大値が発生することになる。つまりこの場合、もたらされる解離力は、解離運動距離にわたってまず初めに最大値に向かって上昇し、次いで再び最小値に向かって下降し、この際における力最大値と力最小値との間の差異は著しく大きなものになることがある。この場合力最大値と力最小値との間の比は、1.5〜2.5の間の値又はそれを上回るような値を想像することができる。
【0005】
解離力経過におけるこのような変動は、多くの場合不都合であり、つまり解離力経過における過剰な高まりは多くの使用例のために著しい欠点を有している。例えばこのような過剰な高まりはより大きな解離力を必要とし、このことはまた、サーボモータの使用時におけるより高い出力を意味し、ひいてはより大きな構造スペースを必要とする。つまり操作手段もしくは解離系は、解離力経過に過剰な高まりが存在していることに基づいて、相応により形状安定的にもしくはより大型に構成されねばならない。このことはまた、これらの部材の弾性度に基づく損失を、摩擦クラッチの解離系もしくは操作系において許容可能な程度に減じるためにも、必要なことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ゆえに本発明の課題は、上に述べた欠点を回避すべく冒頭に述べた形式の摩擦クラッチを改良して、解離運動距離全体にわたって、許容することができる可能な限り低い解離力を、もしくは解離運動距離の主な部分にわたって可能な限り一定の解離力を、もしくは相応な解離力経過を有する摩擦クラッチを提供することである。この場合特に、最大可能な解離運動距離にわたって、許容不能なもしくは不都合な力上昇の存在していることは、回避されることが望ましい。つまり操作力の経過における過剰な高まりは可能な限り回避されることが望まれており、言い換えればこの過剰な高まりは、許容可能な程度に減じられることが望まれている。すなわち、場合によっては存在する解離力最大値と解離力最小値との間における比は、可能な限り1.5のよりも低く押さえられることが望ましい。さらに本発明による摩擦クラッチは、単純かつ改善された機能を有し、しかも安価に製造できることが望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】
摩擦クラッチの本発明による構成によれば、摩擦クラッチが、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償する後調節手段を有しており、この後調節手段が、第1の蓄力器によって、プレッシャプレートに実質的に等しいままのつまり変わらない負荷を加えるようになっており、この場合、第1の蓄力器に対して並列的に配置された少なくとも1つの第2の蓄力器が設けられており、この第2の蓄力器は摩擦クラッチ内に次のように、すなわち該第2の蓄力器が摩擦クラッチの解離時に解離動作の少なくとも部分範囲にわたって該解離動作を助成する力を生ぜしめるように、緊張されて取り付けられている。
【0008】
【発明の効果】
本発明のように構成されていると、解離運動距離全体にわたって、許容することができる可能な限り低い解離力を、もしくは解離運動距離の主な部分にわたって可能な限り一定の解離力を有する摩擦クラッチが得られる。この場合特に、最大可能な解離運動距離にわたって、許容不能なもしくは不都合な力上昇が回避されており、過剰な高まりは、許容可能な程度に減じられることができる。しかも本発明による摩擦クラッチは、単純かつ改善された機能を有し、かつ安価に製造することができる。
【0009】
冒頭に述べた形式の摩擦クラッチの本発明による別の構成によれば、第1の蓄力器に対して並列的に配置された少なくとも1つの第2の蓄力器が設けられており、該第2の蓄力器が、摩擦クラッチの解離動作を助成する力を生ぜしめるようになっており、この場合付加的に、摩擦クラッチの摩擦ライニングの間に、摩擦クラッチの解離動作を同様に助成するライニングばねが設けられている。このような構成では、ある程度の間隔をおいて、例えば手によって後調節される、摩擦ライニングの摩耗のための補償手段が設けられていてもよい。しかしながらこの場合、このように構成された摩擦クラッチにおいても、自動的に後調節を行う補償手段が使用されると、特に有利である。
【0010】
冒頭に述べた形式の摩擦クラッチの本発明による別の構成では、プレッシャプレートを摩擦クラッチの閉鎖方向に負荷する第1の皿ばねと、少なくとも摩擦ライニングの摩耗を補償するために働き、かつ第1の皿ばねと共働する後調節手段と、第1の皿ばねに対して並列的に有効な少なくとも1つの第2の皿ばねとが設けられており、この場合第2の皿ばねは次のように、すなわち該第2の皿ばねが摩擦クラッチの解離時に解離動作の少なくとも部分範囲にわたって該解離動作を助成する力を生ぜしめるように、緊張されて取り付けられている。摩擦クラッチのこのような構成では、後調節手段は手によって操作可能である。しかしながら、後調節手段が自動的に後調節されるようになっていると、特に有利である。
【0011】
本発明による摩擦クラッチの構造及び機能のために特に有利な構成では、第2の蓄力器もしくは第2の皿ばねが、摩擦クラッチの解離のために必要な解離運動距離の少なくとも部分範囲にわたって、上昇するつまり正の力・運動距離経過を有している。
【0012】
本発明のさらに別の有利な構成では、第2の蓄力器が皿ばねによって形成されており、この場合この皿ばねが次のように、すなわち該皿ばねが摩擦クラッチの解離動作中に主として下降するつまり逓減的な力・運動距離経過を有していると、有利である。第1の蓄力器として皿ばねを使用すると、同様に、本発明による摩擦クラッチの機能のために有利な構成を得ることができる。
【0013】
本発明の別の有利な構成では、第1の蓄力器が皿ばね状の部材もしくは皿ばねによって形成されており、該皿ばねがリング状のベース体を有しており、該ベース体から半径方向内側に向かって、摩擦クラッチのための操作手段として働く舌片が延びている。第2の蓄力器は、その形状に関しては同様に構成されているが、しかしながらそのばね特性は、第1の蓄力器に比べて弱く構成されている。
【0014】
本発明による摩擦クラッチの機能及び構成のために特に有利な構成では、第1の蓄力器が、解離運動距離の少なくとも1部分にわたって、下降する力・運動距離経過を有している。摩擦クラッチの解離時には、プレッシャプレートが所定の運動距離だけシフトされるようになっていて、該運動距離が作用的に見て、2つの区分に分割されており、この場合第1の区分においては、プレッシャプレートからクラッチディスクに加えられる負荷力が取り去られ、かつ第2の区分においては、クラッチディスクとプレッシャプレート及び対応プレッシャプレートとの間における軸方向の遊びが生ぜしめられるようになっており、さらに第2の蓄力器が少なくとも第1の区分において、上昇するつまり正の力・運動距離経過を有している。クラッチディスクに作用する負荷力を徐々に取り去ることは、個々の部材の弾性率に基づいて徐々に行われる。第1の区分にわたる負荷力の取り去りは、特に、摩擦ライニングの間におけるライニングばね、クラッチケーシングの弾性度、クラッチケーシングの弾性度、及び第1の蓄力器の場合によっては設けられている皿ばね舌片の弾性度を相応に設計することによって、変化可能であり、つまりその都度の使用例に合わせることが可能である。摩擦ライニングの間におけるライニングばねの代わりに、該ライニングばねの代わりに働くばねを、別の箇所に設けることが可能である。ライニングばねの代わりに働くこのようなばねは、作用的に例えば、第1の蓄力器とプレッシャプレートとの間に設けることが可能である。本発明の有利な構成では、第2の蓄力器は次のように、すなわち該第2の蓄力器が少なくとも、第1の区分全体にわたって有効であるように、設計されかつ配置されもしくは緊張されて取り付けられている。この場合、第2の蓄力器が少なくとも、第2の区分の部分範囲にわたっても有効であると、特に有利である。この場合有利には、第2の蓄力器が少なくともほぼ、皿ばねによって形成されている第1の蓄力器の正弦状の特性線の逓減的な力・運動距離経過の最小値に至るまで、有効である。
【0015】
第2の蓄力器の設計のため及び摩擦ライニングの構成のために、本発明の特に有利な構成では、第2の蓄力器が、摩擦クラッチの操作手段とケーシングとの間において作用するように緊張されている。しかしながら別の有利な構成では、第2の蓄力器と第1の蓄力器とがそれぞれ皿ばねによって形成されている場合には、第2の蓄力器が、ケーシングと第1の蓄力器との間において作用するように緊張されて配置されている。この場合第2の蓄力器である第2の皿ばねが、その外縁部を介してケーシングに軸方向で支持されており、かつ半径方向さらに内側に位置している範囲で、第2の皿ばねを、つまり第2の皿ばねの操作舌片を負荷するようになっている。この場合さらに、両方の皿ばねの間における支持が少なくともほぼ、解離支承部のための第2の皿ばねの負荷直径の範囲おいて行われるようになっていると、特に有利である。
【0016】
第2の蓄力器は有利には、摩擦クラッチの係合状態において、緊張された状態に保持されており、この状態において第2の蓄力器が、第1の蓄力器によってもたらされる軸方向力に比べて、比較的小さな力を、摩擦クラッチの軸方向において作用するようになっている。このために本発明の有利な構成では、第2の蓄力器が、正弦状の力・運動距離特性線を有しており、かつ摩擦クラッチの係合状態において、少なくともほぼその力最小値にプレロードをかけられている。摩擦クラッチの機能のためにはしかしながら、摩擦クラッチの係合状態において第2の蓄力器が、なおある程度の規定された力を、解離方向においてもたらすようになっていると、有利である。
【0017】
いわゆるサーボばね(Servofeder)として働く第2の蓄力器は、有利には摩擦クラッチに次のように取り付けられている。すなわちこの場合、摩擦クラッチの解離動作もしくは解離操作にわたって、この第2の蓄力器が弛緩され、この場合まず初めにこの第2の蓄力器の力は、解離方向もしくは軸方向において増大し、かつある一定の部分解離運動距離の後で再び減少し、そしてプレッシャプレートもしくは摩擦クラッチの操作手段における解離運動距離の後で、つまり解離力が最小値になった後で、第2の蓄力器もしくはサーボばねがもはやまったくもしくは実質的にほとんど軸方向力をもたらさないようになっている。解離動作がさらに続くと、完全な解離運動距離が得られるまで、単に主皿ばねである第1の蓄力器だけが、緊張されて変形される。解離運動距離全体の最後の区分においては、つまり、第1の蓄力器によってもたらされる力が、克服されねばならない。
【0018】
本発明の特に有利な構成では、解離動作もしくは解離運動距離の開始時に、つまり摩擦クラッチの係合時に、サーボばねは、なお小さな力を解離方向において有している。したがってサーボばねは解離方向における正の力を、完全に係合された摩擦クラッチと、解離運動距離の、完全に弛緩されたサーボ蓄力器に相当するポイントとの間において、常に生ぜしめる。しかしながらまたサーボ蓄力器の弛緩を、例えばケーシングに設けることができる適当なストッパによって、制限することも可能であり、このようになっていると、サーボ蓄力器は、摩擦クラッチが完全に解離された状態において、少なくともわずかに緊張された状態を保つことができる。
【0019】
多くの使用例のためには、摩擦クラッチの係合状態においてサーボ蓄力器が、摩擦クラッチの係合方向における力を生ぜしめるようになっていると、有利である。このために本発明の有利な構成では、サーボ蓄力器が負の力最小値を有している。摩擦クラッチがこのように設計されている場合には、サーボばねはケーシングに対しても第1の蓄力器もしくは第1の主皿ばねに対しても、軸方向においては堅く、しかしながら旋回可能に保持されている。これによって摩擦クラッチの解離動作の開始時には、サーボ蓄力器もしくはサーボ皿ばねの強制的な連行が行われる。
【0020】
摩擦クラッチの解離時にクラッチディスクから伝達可能なトルクの逓増的な取り去りを、達成するために、本発明の特に有利な構成では、クラッチディスクがライニングばねを有している。このライニングばねは例えば、摩擦ライニングの間に設けられているばねセグメントによって形成されている。このライニングばねは、摩擦クラッチの係合動作中に、クラッチディスクから伝達可能なトルクを徐々に形成する。第1の蓄力器に直列的に配置されたこのようなばねは、摩擦クラッチの解離動作時にこの解離動作を助成するためにも働く。そしてこのような助成作用は、サーボ蓄力器によってもたらされる作用をも補足する。
【0021】
【実施例】
次に図面につき本発明の実施例を説明する。
【0022】
図1及び図2に示された摩擦クラッチ1は、ケーシング2と、該ケーシングに回動不能に結合されていて軸方向において制限されてシフト可能なプレッシャプレート3とを有している。軸方向で見てプレッシャプレート3とケーシング2との間には圧着皿ばね4が緊張されており、この圧着皿ばね4は、ケーシング2によって保持されたリング状の旋回支承部5を中心にして旋回可能であり、かつプレッシャプレート3を、ケーシング2に堅く結合された例えばはずみ車のような対応プレッシャプレート6に向かって負荷し、これによってクラッチデイスク8の摩擦ライニング7がプレッシャプレート3の摩擦面と対応プレッシャプレート6の摩擦面との間において緊定される。
【0023】
プレッシャプレート3は、周方向に向けられたもしくは接線方向に向けられた板ばねの形の枢着手段を介してケーシング2と回動不能に結合されている。図示の実施例ではクラッチデイスク8はいわゆるライニングばねセグメント10を有しており、これらのライニングばねセグメント10は、摩擦クラッチの係合時における逓増的なトルク形成を保証する。この場合ライニングばねセグメント10は、両方の摩擦ライニング7の相互に向かっての制限された軸方向のシフトを介して、摩擦ライニング7に作用する軸方向力の逓増的な上昇を可能にする。
【0024】
図示の実施例では皿ばね4は、圧着力をもたらすリング状のベース体4aを有しており、このベース体4aからは半径方向内側に向かって操作舌片4bが延びている。皿ばね4はこの場合次のように、すなわち、皿ばね4が半径方向においてさらに外側に位置している範囲でつまり外側の縁部範囲で、旋回支承部5を中心にして旋回可能であり、かつ半径方向内側に位置している範囲でプレッシャプレート3を負荷するように、取り付けられている。旋回支承部5は旋回支持11を有しており、この旋回支持11は、ここでは、ケーシング2においてセンタリングされたワイヤリングによって形成されている。操作皿ばね4は、ケーシング2に対してセンタリングされていて、回動を防止されている。
【0025】
摩擦クラッチ1は、プレッシャプレート3、対応プレッシャプレート6及び摩擦ライニング7の摩擦面における軸方向における摩耗を補償する後調節手段12を有しており、この後調節手段12は、圧着皿ばね4とプレッシャプレート3との間に設けられている摩耗補償装置13と、摩耗を検出するセンサ装置14とから成っている。両方の装置13,14は少なくともほぼ等しい直径上に設けられている。さらに両装置13,14は軸方向において互いに上下に配置されている。
【0026】
摩耗センサとして有効な装置14は、周方向において有利には均等に分配配置された複数の摩耗センサ15を有している。これらの摩耗センサ15はそれぞれ、軸方向においてシフト可能な部材16を有しており、この部材16は、図示の実施例ではブシュもしくはスリーブ16によって形成されている。センサ部材として働くこのようなスリーブ16は、図示の実施例ではピン17によって形成されているプレッシャプレート3の軸方向の突出部に受容されている。ピン17は軸方向に延びていて、プレッシャプレート3の孔18において堅く受容されている。スリーブ16は、ピン17と摩擦結合を介して連結されている。このためにスリーブ16は長手方向にスリットを有していて、半径方向においてばね弾性的であってもよく、この場合スリーブ16の弛緩された状態において、スリーブ16の内径は、ピン17の外径よりも小さく、この結果スリーブ16は半径方向において緊張させられてピン17に受容されており、これによってスリーブ16とピン17との間には、スリーブ16のプレロードによって規定された摩擦抵抗が軸方向において与えられている。スリーブ16は、半径方向のカラーによって形成されたストッパ19を有しており、このストッパ19は少なくとも、摩擦ライニング7において摩耗が生じた場合に、軸方向においてケーシング2に支持される。ストッパカラー19はケーシング2の、プレッシャプレート3とは反対の側に設けられている。ピン17とスリーブ16とは、カバーであるケーシング2の底部範囲に設けられた開口を貫いて延びている。さらにピン17及び有利にはスリーブ16も、皿ばね4に設けられた開口を貫いて延びている。摩擦クラッチの係合時及び摩擦ライニング7における摩耗発生時に、センサ部材16はそのストッパ19でケーシング2に接触し、これによって、プレッシャプレート3が生じたライニング摩耗に相応してセンサ部材16に対して軸方向にシフトされることが保証される。
【0027】
摩耗補償装置13は、皿ばね4によって負荷される補償部材を有しており、この補償部材は、横断面U字形に構成された金属薄板リング20の形をしている。この金属薄板リングである補償リング20は、摩擦クラッチ1の係合状態において皿ばね4によって負荷され、皿ばね4によってもたらされる軸方向力をプレッシャプレート3に伝達する。
【0028】
補償リング20とプレッシャプレート3との間には、補正装置(Ausgleichseinrichtung)21が設けられており、この補正装置21は摩擦クラッチ1の解離時及びライニング摩耗時に、補償リング22の自動的な後調節を可能にし、かつクラッチの係合時にロック作用を生ぜしめる。これによって、摩擦クラッチ1の係合段階中に補償リング20がプレッシャプレート3に対する規定された軸方向位置を維持することが保証される。この規定された位置は、解離動作中にしかかつ発生したライニング摩耗に相応してしか変化することができない。
【0029】
後調節装置として働く補正装置21は、有利には全周にわたって均一に分配配置された複数対のランプもしくは傾斜面22,23(図2)を有しており、これらの傾斜面22,23は周方向に延びていて、かつ、摩擦クラッチ1の軸方向で見て、高さの差異を補正する。図示の実施例では、一方の傾斜面22は直接補償リング20に一体成形されている。このために補償リング20の、軸方向に延びている外側の縁部範囲24は、相応な一体成形部もしくは切欠きを備えている。他方の傾斜面23はプレッシャプレート3に直接一体成形されている。この他方の傾斜面23は、突子もしくは軸方向の突出部によって形成されており、これらの突出部は、プレッシャプレート3の、ケーシング2に向けられた側に設けられている。図示の実施例では、対をなして対応配置された傾斜面22,23は互いに直接的に支持し合っている。乗り上げ斜面である傾斜面22,23は互いに緊張させられている。このために図2に示されているように、コイルばね25の形の複数の蓄力器が設けられており、これらの蓄力器は、摩擦クラッチ1の周方向で見て、補償リング20とプレッシャプレート3との間において緊縮されている。
【0030】
後調節リングとして働く補償リング20は、プレッシャプレート3に対して回動可能であり、つまり回動時に両方のランプもしくは傾斜面22,23が互いに乗り上げるようになっている。補償リング20のこのような回動を可能にするために、補償リング20には、周方向に延びている縦長の切欠き26が設けられており、これらの切欠き26を貫いてピン17が軸方向に延びている。
【0031】
摩擦クラッチ1の回転軸線に対して垂直な平面に対する傾斜面22,23のくさび角度もしくは傾斜角度27は、次のように、すなわち傾斜面22,23が互いに押し付けられた場合に生じる摩擦によって、両傾斜面22,23の間における滑りが阻止されるように、選択されている。傾斜面22,23の範囲における材料に応じて、この角度27は例えば4〜15゜の間の値、有利には4〜8゜の間の値である。補償リング20と回動不能である傾斜面22は、次のように、すなわちこの傾斜面22の傾斜角度の先端が、摩耗補償装置13の後調節を生ぜしめる、プレッシャプレート3に対する補償リング20の回転方向28を示すように、配置されている。
【0032】
傾斜面22,23の蓄力器であるコイルばね25による緊張と傾斜角度27とは、次のように、すなわち後調節リング20に作用する軸方向力が、摩耗センサ15のために必要なシフト力よりも小さくなるように、調和させられている。
【0033】
プレッシャプレート3と、特にケーシング2のような軸方向において固定の部材との間に、プレッシャプレート3の解離運動を制限するストッパが設けられていない場合には、次のように構成されていると有利である。すなわちこの場合、後調節リング20に作用する前記軸方向力が、プレッシャプレート3をケーシング2と回動不能にしかしながら軸方向シフト可能に結合する板ばね部材に対して次のように、すなわち摩耗補償装置13の後調節機能が保証されるように、設定されていると、有利である。このために有利な構成では、ケーシング2とプレッシャプレート3との間に設けられた板ばね部材が、摩擦クラッチ2の解離状態において実質的にもはや軸方向のプレロードを有していないか、もしくはこの場合になお残っている板ばね部材の軸方向におけるプレロードが、後調節リング20に対して作用する軸方向の後調節力よりも小さい。
【0034】
しかしながら多くの使用例のためには、プレッシャプレート3の解離運動距離(Ausrueckweg)は、少なくとも1つのストッパ29によって有利には一定の運動距離に制限される。このストッパ29は、発生した摩耗に相応してプレッシャプレート3に対して同様にシフトされる。この場合このストッパは、センサ装置14に直接一体に組み込まれていてもよい。このことは例えば、センサ部材もしくはスリーブ16にストッパ輪郭29を設けることによって行うことも可能であり、このようなストッパ輪郭29は、摩擦クラッチ1の解離時に、規定された運動距離の後でカバーであるケーシング2に当接する。このようなストッパ29はプレッシャプレート3のほぼ1.5〜3mmの解離運動距離30の後で、クラッチケーシング2の開口に隣接するクラッチケーシング範囲に接触する。使用例に応じて、ストッパ29によって制限されるプレッシャプレート3の解離運動距離は、より小さな値を有することも又はより大きな値を有することもできる。さらに、プレッシャプレート3の解離運動距離を制限するストッパ手段は固有の手段によって形成されていてもよい。このような手段は、例えば米国特許第4207972号明細書によって公知である。
【0035】
さらに皿ばね4を設計する場合に考慮しなくてはならないことは次のことである。すなわちこの場合皿ばね4によってもたらされる、プレッシャプレート3のための圧着力は、摩耗センサ16のために必要なシフト力だけ及び、ケーシングとプレッシャプレート3との間において場合によっては緊張させられている板ばねの緊張力だけ、高められねばならない。このような板ばね部材もしくはケーシング2とプレッシャプレート3との間のトルク伝達手段は、例えば米国特許第4615424号明細書によって公知である。
【0036】
有利にはプレッシャプレート3とケーシング2との間における、特に板ばねのようなトルク伝達部材は、軸方向において次のように、すなわちトルク伝達部材が、摩擦クラッチ1の解離時にプレッシャプレート3をケーシング2に向かってシフトするように、プレロードをかけられている。このようになっていると、実質的に解離段階全体にわたってもしくは、場合によっては設けられている制限手段(ストッパ)29が有効になるまで、補償リング20は確実に皿ばね4に接触していることができる。図1から分かるように、後調節手段12は次のように構成されている。すなわち傾斜面22,23の間の接触範囲と、補償部材20と皿ばねとの間のリング状の支持範囲と、補償部材20とセンサ部材16との間の支持箇所もしくは接触箇所とが、軸方向で見て少なくともほぼ互いに上下に配置されており、つまり少なくともほぼ等しい直径上に設けられている。図示の実施例では、センサ部材16のストッパ範囲19,29もまた少なくともほぼ上に述べた直径上に設けられている。
【0037】
ストッパもしくは運動距離制限手段29を使用する場合には、摩擦クラッチの解離運動距離は舌片先端4cの範囲において有利には次のように、すなわち摩擦クラッチの解離時に皿ばね4が小さな値だけ補償リング20から持ち上げられるように、選択される。ことことはつまり次のことを意味している。すなわちこの場合、摩擦クラッチの解離時において、皿ばね4によるプレッシャプレート負荷部の直径範囲における皿ばね運動距離(Tellerfederweg)は、プレッシャプレート3の、運動距離制限手段29によって決定された上昇運動距離(Abhubweg)30よりも大きい。
【0038】
摩擦クラッチ1は付加的な蓄力器31を有しており、この蓄力器31は皿ばね状の部材によって形成されている。皿ばね状の部材31はリング状のベース体32を有していて、このベース体32からは半径方向内側に向かって舌片33の形のアームが延びている。皿ばね状の部材31は半径方向外側においてケーシング2に旋回可能に支持もしくは保持されている。半径方向内側において皿ばね状の部材31は、舌片33を介して皿ばね4に枢着的に支持されている。このために図示の実施例では、皿ばね4の舌片4bの範囲にリベット35が設けられており、これらのリベット35はヘッド36の形の支持範囲を有していて、これらのヘッド36において、皿ばね状の部材31の舌片33が軸方向に支持されている。
【0039】
摩擦クラッチ1の、対応プレッシャプレート6に取り付けられた状態において、皿ばね状の部材31は、規定された運動距離だけ軸方向にプレロードをかけられており、つまりこの場合有利には次のように、すなわち皿ばね状の部材31が少なくともほぼそのばね力最小値にプレロードをかけられるようになっている。このばね力最小値は、正弦状の構成を備えた力・運動距離経過を有する皿ばね状の部材31において与えられている。摩擦クラッチ1の係合状態において、皿ばね状の部材31によって皿ばね4に加えられる軸方向力は有利にはほぼ0であることが望ましい。この場合、サーボばねとして働く皿ばね状の部材31が摩擦クラッチ1の係合時に、解離方向37によっておいて小さな力を皿ばね4に加えるようになっていると、特に有利である。摩擦クラッチ1の操作を助成するサーボばね31は、これによって、皿ばね舌片4bによって形成された摩擦クラッチ1の操作手段の解離方向37における正の力を、常に有することになる。
【0040】
摩擦クラッチ1の解離動作時に、サーボばねもしくは皿ばね状の部材31は、解離運動距離にわたって弛緩され、この場合、サーボばね31によって解離方向37において皿ばね4に加えられる力は、まず初め増大し、ほぼ解離力経過の最小値が得られる部分解離距離を過ぎた後で、このサーボ力は再び減少する。解離動作中に皿ばね状の部材31は、完全に弛緩された状態を占めることができる。舌片先端4cの範囲における解離運動が続いている際には、主皿ばね4だけがその円錐度を変えられる。すなわち、この際にもたらされる解離力もしくはこの場合になお存在する解離力経過は、主として皿ばね4によって規定される。
【0041】
次に、図3及び図4に示された線図に示されている、トラックにおける使用例のための特性線との関連において、上に述べた摩擦クラッチ1の作用形式を詳しく説明する。
【0042】
特性線40は、皿ばね4の円錐度に関連してかつ、プレッシャプレート3に場合によっては作用する特に板ばね部材のような持上げ手段もしくは上昇手段(Abhubmittel)の考慮下で生じる合成された軸方向力経過を示しており、つまり半径方向における間隔が、旋回支承部5と半径方向さらに内側に位置しているプレッシャプレート3における支持直径38に相当している、完全に弛緩された状態からの2つの支持の間における皿ばね4の変化時に生じる軸方向経過を示している。横座標には、両支持の間における相対的な軸方向運動距離が示され、かつ縦座標には、皿ばね4と、ケーシング2とプレッシャプレート3との間において場合によっては設けられている板ばね部材とによって生ぜしめられる合力が示されている。ポイント41は、閉鎖された摩擦クラッチ1における皿ばね4の取付け状態を、つまり、相応な取付け状態のために皿ばね4が最大圧着力をプレッシャプレート3に加える状態を再現している。そしてこのポイント41は、皿ばね4の円錐状の取付け状態の変化によって、特性線40に沿って上方に向かって又は下方に向かってシフトされることができる。
【0043】
特性線42は、ライニングばねセグメント10によってもたらされる軸方向の拡開力、つまり両方の摩擦ライニング7の間において作用する拡開力を示している。この特性線にはさらに、ライニングばね弾性と同様な形式で有効であるすべてのばね作用、例えばケーシング弾性度、旋回支承部の弾性度、又は皿ばねとプレッシャプレート支持との間における弾性手段又はこれに類したもののようなすべてのばね作用が含まれている。この軸方向の拡開力は、皿ばね4からプレッシャプレート3に加えられる軸方向力に抗して作用する。この場合、ばねセグメント10の最大可能な弾性変形のために必要な軸方向力が、少なくとも、摩擦クラッチ1の係合状態において皿ばね4からプレッシャプレート3に加えられる力に相当していると、有利である。摩擦クラッチ1の解離時には、ばねセグメント10は、運動距離43にわたって弛緩する。皿ばね4とばねセグメント10とは作用的に見て直列に接続されている。プレッシャプレート3の相応な軸方向におけるシフトにも相当するこの運動距離43にわたって、摩擦クラッチ1の解離動作はばね10によって助成され、つまりこの場合、ライニングばねセグメント10が設けられていない場合における取付けポイントに相当するであろう最大解離力よりも、小さな最大解離力がもたらされるだけでよい。ポイント44が超過されると、摩擦ライニング7は解放され、この場合皿ばね4の徐々に低下する特性線範囲に基づいて、この際になおもたらされる解離力は、ポイント41に相当するであろう解離力に対して著しく減じられている。特性線45による解離力経過から分かるように、皿ばね4とプレッシャプレート3との間における支持直径38に関連した、摩擦クラッチ1のための解離力は、ばね31のサーボ助成なしに、まず初め上昇し、次いで、横軸に位置しているポイント46が得られるまで、再び減じられる。摩擦クラッチ1の解離動作中に正弦曲線状の特性線40の最小値つまり谷ポイント46が超過されると、皿ばね4によって加えられる力は再び増大する。
【0044】
特性線45によって示された力経過と、ポイント44,46,47を通る特性線区分とから分かるように、付加ばねである皿ばね状の部材31が設けられていないと、プレッシャプレート3の軸方向における上昇による摩擦ライニング7の解放後に、解放力経過における著しい力変化が生じる。
【0045】
図4には、特性線45によって示された力経過と、ポイント44,46,47を通る特性線区分とに相応する解離力経過48が、舌片先端4cの範囲における操作直径4dに関連して示されている。
【0046】
舌片先端4cの範囲においてもしくは、例えば解離軸受39のための支持直径の範囲において必要なもしくは可能な、摩擦クラッチ1のための解離運動距離は、プレッシャプレート3の、図3から分かる可能な軸方向のシフト運動距離50に対して、皿ばね4のレバー比だけ相応に増大されている。この皿ばね比もしくはレバー比は、皿ばね4とプレッシャプレート3もしくは補償リング20との間における支持直径38と旋回支承部5との間における半径方向の間隔に対する、操作直径もしくは支持直径4dと旋回支承部5との間における半径方向の間隔の比に、相当している。この伝達比は、多くの場合3:1〜6:1の間の値であるが、しかしながら幾つかの使用例のためにはそれよりも大きくても又は小さくてもよい。図1に示されている図示の実施例では、この伝達比は6である。
【0047】
舌片先端4cの範囲における操作直径4dに関する、可能な全解離運動距離49にわたる解離力の経過48は、同様に前記伝達比に相応して、図3に示された伝達比に対して減じられている。
【0048】
図3において、ポイント44までの特性線45の経過は、摩擦クラッチの解離のためにプレッシャプレート3と皿ばね4との間の接触直径38の範囲においてばねセグメント10の弛緩運動距離43にわたってもたらされる力経過に相当している。この力経過は、ポイント41,44の間において特性線40で示された力経過と、ばねセグメント10の力経過42との間における差異に相当している。
【0049】
図3におけるポイント44は、全解離運動距離50の次のポイント、つまりクラッチディスク8もしくは摩擦ライニング7の解放が少なくともほぼ保証されているポイントに相当している。つまりポイント44は摩擦クラッチ1における次のような操作状態、すなわち摩擦ライニング7が、摩擦ライニング7はもはやまったくもしくは実質的に、プレッシャプレート3の摩擦面と対応プレッシャプレート6の摩擦面との間において緊定されていない操作状態を、再現している。つまりポイント44は摩擦クラッチ1の次のような状態、すなわち対応プレッシャプレート6からクラッチディスク8に実質的にまったくトルクが伝達され得ない状態を、再現している。摩擦クラッチ1のこの操作状態において、ライニングばねセグメント10は弛緩されている。解離方向においてこのポイント44を過ぎた後で、さらに空隙運動距離51がプレッシャプレート3によって進まれることができる。
【0050】
後調節手段12とライニングばねセグメント10とによって本発明による摩擦クラッチ1では、解離力経過が汎用の摩擦クラッチに対して極めて強く低下させられ得るのにもかかわらず、両方の線図、特に図4の特性線48による解離力経過から分かるように、全解離力運動距離49にわたって見て解離力最大値52と解離力最小値53との間には、なお著しく大きな差異もしくは力のばらつきが存在している。図示の実施例では、解離力最大値52と解離力最小値53との間における比は、ほぼ1.7である。しかしながらこの数値は、摩擦クラッチの設計に応じてもっと大きな値であってもよい。線図から分かるように、解離力は解離力運動距離にわたって見て、まず初め規定のレベルに上昇し、その後で再び最小値に下降する。解離力最大値52と解離力最小値53との間において多くの場合になお存在している、解離力経過における大きな力の変化は、欠点と見なすことができる。それというのはこの場合、係合運動距離及び解離運動距離を正確に配量することは困難である。このことは、足によって操作される摩擦クラッチにおいても言えるし、特にまたサーボモータを介して操作される摩擦クラッチにおいて言えることである。さらに、摩擦クラッチ1を操作するために、例えば電動機のようなサーボモータを使用する場合には、このサーボモータは、ポイント52に相当する力最大値に合わせて設計されねばならず、この結果サーボモータは、その構造が比較的大型であり、かつ著しく大きな出力もしくは高いエネルギ消費を有することになる。
【0051】
上に述べたような欠点を排除するために、もしくは必要な解離運動距離49にわたって所望の解離力経過を得るために、皿ばね状の部材31が設けられており、この皿ばね状の部材31は、図示の実施例では図4における特性線54で示されているような力・運動距離経過を生ぜしめる。図4に示されている力経過54では、皿ばね31によってリベット35のヘッド36に加えられる力負荷は、同じ作用を生ぜしめる、直径4dの範囲における力負荷に、換算された。つまり相応なレバー比が考慮された。図4から明らかなように、サーボ皿ばねとも呼ばれる皿ばね状の部材31は、全解離運動距離49の部分範囲55にわたって、摩擦クラッチ1の解離動作を助成する力を生ぜしめる。皿ばね4と皿ばね状の部材31とは、この場合横軸に対して逆向きの力・運動距離経過を有している。摩擦クラッチ1の係合状態において、皿ばね状の部材31は少なくともほぼ緊張された状態にあり、この状態は力最小値56にほぼ相当している。この場合、この緊張された状態において皿ばね状の部材31が、なお残留力を、つまり解離方向つまり図1の矢印37の方向において正の力を生ぜしめるようになっていると、有利である。運動距離55にわたって皿ばね状の部材31は弛緩し、この場合まず初めに、この皿ばね状の部材31によってもたらされる軸方向力は増大し、つまり最大値57に達するまで増大する。この最大値57を越えると、皿ばね状の部材31によってもたらされる軸方向力は再び減少する。ポイント58に達すると、皿ばね状の部材は完全に弛緩する。この状態において皿ばね状の部材31はケーシング2によって保持される。しかしながら皿ばね状の部材31は、該部材31が残留プレロードを有するように、その弛緩をストッパによって制限されることもできる。すなわち皿ばね状の部材31は、ポイント58に至るまでに完全に弛緩されなくともよい。このために例えばケーシング2に、適当なストッパを設けることが可能である。図1には、皿ばね状の部材31のためのこのようなストッパ2aが概略的に示されている。解離方向においてポイント58が越えられると、皿ばね状の部材31はその弛緩された位置に留まり、これに対して皿ばね4はさらに旋回されることができる。このために、皿ばね状の部材31の内側の範囲つまり舌片先端と、皿ばね4の、軸方向で見て対向して位置している範囲との間には、適当な遊び36aが設けられている。
【0052】
特性線48と特性線54とを重畳することによって生じる力経過は、符号59で示されている。この経過は、解離動作の開始において生じる。図3には、存在するレバー比の考慮下で図4における経過59に相当する経過60が、示されている。
【0053】
特に図4から明らかなように、解離力経過のレベルは、皿ばね状の部材31の使用によってほぼ実現されることができる。このような皿ばね状の部材31の使用によって、解離力経過を直線的にすることつまり均等化すること及び同時に小さな力の範囲内にシフトさせることが、可能である。すなわち皿ばね状の部材31を使用することによって、解離力経過における過剰な高まりを回避することができる。さらに、図4の斜線で示された領域によって再現されている作業もしくはエネルギが省かれる。つまり摩擦クラッチ1を本発明のように構成することによって、摩擦クラッチを操作するために小型のサーボモータを使用することが可能になる。
【0054】
図1及び図2に示された個々の部材の相対ポジションは、摩擦クラッチの新しい状態に相当している。特に摩擦ライニング7の軸方向における摩耗が生じた場合に、プレッシャプレート3のポジションは対応プレッシャプレート6に向かってシフトし、これによってまず初めに円錐度が変化し、ひいては、摩擦クラッチ1の係合状態において皿ばねによってもたらされる圧着力の変化が、つまり有利には増大の方向で、生じる。この変化によって、プレッシャプレート3は、ケーシング2に軸方向において支持される摩耗センサ16に対するその軸方向ポジションを変化させる。補償リング20に作用する皿ばね力に基づいて、この補償リング20は、ライニング摩耗に起因する対応プレッシャプレート3の軸方向シフトに追従し、これによって補償リング20は、軸方向において摩耗センサ16から、ほぼライニング摩耗に相当する値だけ、上昇する。補償リング20は係合動作中にプレッシャプレート3に対するその軸方向位置を維持する。なぜならば補償リング20は皿ばね4によってプレッシャプレート3に向かって負荷され、かつ摩耗補償装置13は係合動作中に、セルフロック作用を生ぜしめる、つまり軸方向におけるロック体として働くからである。摩擦クラッチ1の解離時にプレッシャプレートは、例えば軸方向において緊張された板ばねによって、ケーシング2に向かって負荷され、運動距離制限手段29がケーシング2に接触するまで、シフトされる。プレッシャプレート3の上昇運動距離(Abhubweg)に相当するこの解離運動距離に至るまで、プレッシャプレート3に対する補償リング20の軸方向ポジションは維持されたままである。解離動作がさらに続くと、プレッシャプレート3は軸方向において留まり、これに対して補償リング20が回転によって軸方向において、負荷直径38の範囲における皿ばね4の解離運動に追従する。この追従運動は、補償リング20のストッパ範囲が再び摩耗センサ16の対応ストッパ範囲に接触するまで続く。皿ばね4がさらに解離方向において旋回されると、この皿ばね4は後調節リングとも呼ばれる補償リング20から上昇する。それというのは補償リング20は、既に述べたように、摩耗センサ16によってプレッシャプレート3に対して軸方向において引き留められるからである。解離動作中に補償リング20に対して皿ばね4がこのように、少なくともわずかに上昇することは、後調節手段12の機能にとって特に有利である。
【0055】
後調節手段を本発明のように構成することによって、解離手段4bの範囲における過剰な運動距離の場合にも又はプレッシャプレート3の軸方向振動時にも、後調節手段12の移動調節が行われ得ないことが、保証される。
【0056】
本発明による後調節手段12によって、摩擦クラッチの全耐用寿命にわたって、皿ばね4と皿ばね状の部材31とが、実質的に等しい特性線範囲にわたって働くことが保証される。摩擦クラッチの係合状態において、この両方のばね4,31は、実質的に一定なままの緊張状態を有しているので、プレッシャプレート3に作用する圧着力及び解離力経過は、摩擦クラッチの耐用寿命にわたって同様に実質的に等しいままである。
【0057】
解離力経過を最適化する皿ばね状の部材31の本発明による使用は、図示の実施例に制限されるものではない。このような皿ばね状の部材31は、少なくともライニング摩耗を補償する後調節手段を有している摩擦クラッチにおいて、有利な形式で一般的に使用することが可能である。このような摩擦クラッチは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第4239389号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4239291号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4306505号明細書及びドイツ連邦共和国特許出願公開第4322677号明細書並びにこれらの明細書に記載された先行技術によって、公知である。
【0058】
皿ばね状の部材31は、摩擦クラッチの係合状態において、次のような緊張された状態を有することも可能である。すなわちこの場合皿ばね状の部材31は、負のばね力最小値を有しており、つまり摩擦クラッチ1の係合状態において、係合方向の力を皿ばね4に対して加える。図1に示されているような構成においては、皿ばね4に向かっての皿ばね状の部材31のスナップ作用(Durchschnappen)を回避するために、舌片33と皿ばね4との間に、空隙36aを満たす適当なスペーサ手段が設けられる必要がある。しかしながらまたこの場合に、主皿ばね4と皿ばね状の部材31との間に、有利にはリベットヘッド36における皿ばね状の部材31の支持もしくは空隙36aの範囲に、蓄力器を設けることも可能である。この付加的な蓄力器が設けられていると、皿ばね状の部材31の舌片33はリベットヘッドもしくは支持36に向かって負荷されるもしくは緊張される。皿ばね状の部材31の完全に弛緩されたポジションに相当する解離運動距離が越えられると、しかしながら前記付加的な蓄力器は圧縮されるか、又は皿ばね状の部材31は付加的に旋回されねばならない。そしてこのことはまた、この運動距離範囲において解離力が高められることを意味している。
【0059】
解離運動距離49の最終範囲において解離力が過剰に高まることが不都合な場合には、経過を均等化するもしくは一直線化するいわゆる補償ばね(Kompensationsfeder)を使用することが可能である。このような補償ばねは、ドイツ連邦共和国特許出願P4317586.4によって提案されている。
【0060】
摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償もしくは補正する後調節手段を備えた本発明のように構成された摩擦クラッチでは、摩擦クラッチの搬送及び/又は組立てのために、後調節手段をその出発ポジションつまり引き戻されたポジションにおいて保持する手段を設けることが必要である。搬送中又は組立て中における不都合な後調節を阻止するこのような手段は、摩擦クラッチの組立て後に除去することが可能であり、又はこのような手段の作用を、摩擦クラッチの運転時に、例えばトルク伝達によって又は摩擦クラッチの最初の操作によって、中断させることが可能である。このような手段は先行技術において記載されている。そしてこの手段によって、後調節手段の少なくとも1つの部材、例えばリング20及び/又は皿ばね4及び/又はプレッシャプレート3は、ケーシング2に対して、規定された角度ポジションもしくは軸方向ポジションを、摩擦クラッチ1の組立て前に確実に有することができ、これによって後調節手段12は、摩擦クラッチの新規状態に相当する状態を占めることができる。
【0061】
図3及び図4に示されている線図に表されている特性線は、共働する個々のばね部材の間における多くの調和可能性のうちの1つだけを示している。つまりその他の解離力経過を得ることも可能であり、この場合解離運動距離にわたって負の力を生ぜしめることも可能である。すなわち、解離運動距離全体にわたって見ると、解離運動距離の少なくとも部分範囲にわたって、図4に示されている解離力経過例えば59は、少なくとも部分的に横軸の下を延びている。この場合この範囲においては摩擦クラッチは、強制的に開放されねばならないが、しかしながらこのことは、設計及び、これに関連した例えば電動機であるサーボモータを用いた小さな力に基づいて、難無く達成することができる。また、摩擦クラッチ1の係合状態においてサーボばね31が摩擦クラッチの係合方向において力をもたらすようになっている設計も可能である。この場合摩擦クラッチの解離時には、解離運動距離の少なくともわずかな部分範囲にわたって、サーボばねはその力に抗して強制的に旋回され、この部分範囲を越えた後で、サーボばねによってもたらされる力の作用方向は逆転し、この結果サーボばねは、摩擦クラッチの解離動作を助成する力をもたらす。
【0062】
図1に示された摩擦クラッチが属している引張り構造形式(gezogene Bauart)の摩擦クラッチでは、摩擦クラッチの耐用寿命にわたって主皿ばね4はシフトせず、この結果主皿ばね4とサーボばね31との間の関係は、耐用寿命にわたって実質的に変化しない。これに対して、図5〜図8に示されていて力センサを備えた後調節手段を有する押圧構造形式(gedrueckte Bauart)の摩擦クラッチでは、摩擦クラッチ内部における皿ばねのポジションは一定ではない。それというのは、この場合皿ばねは、摩擦クラッチの耐用寿命にわたって見ると、クラッチケーシングに対して、軸方向にシフトするからである。このような場合のためには、サーボばねの作用を摩擦クラッチの耐用寿命にわたって実質的に一定に保つために、サーボばねのための相応な運動距離補正を保証する処置が設けられていなくてはならない。
【0063】
図5及び図6に示された摩擦クラッチ101は、ケーシング102とプレッシャプレート103と、該ケーシング102とプレッシャプレート103との間において緊張された圧着皿ばね104とを有している。この皿ばね104は、半径方向外側の範囲でプレッシャプレート103を負荷し、これによってクラッチディスク108の摩擦ライニング107は、プレッシャプレート103と、ケーシング102に堅く結合された対応プレッシャプレートとの間において緊定される。摩擦クラッチの操作時もしくは皿ばね104の旋回時に、皿ばね104は、2腕状のレバーのように、半径方向さらに内側に位置している旋回範囲105を中心にして旋回させられる。操作皿ばねとも呼ぶことができる皿ばね104は、ケーシング102とは反対の側つまりプレッシャプレート103に向けられた側において、プレロードをかけられた皿ばね106の形の蓄力器によって負荷され、この場合皿ばね106は、操作皿ばね104とケーシング102との間に軸方向で緊張されて配置されている。皿ばね106によってもたらされる軸方向力は、この場合次のように寸法設定されている。すなわちこの場合該軸方向力は、摩擦クラッチ101の解離動作中に通常生じる解離力、つまり摩擦クラッチ101の操作のために皿ばね舌片111の先端110に作用する解離力よりも、大きく設定されている。図示の実施例では支持皿ばね106は、半径方向内側に設けられた舌片106aを介して操作皿ばね104を旋回支承部105の半径方向高さにおいて負荷する。操作皿ばね104に作用する、力センサばねとして働く支持皿ばね106によって次のことが保証される。すなわちこの場合、摩擦クラッチ101の通常の解離運動距離106を越えてもしくは皿ばね104の通常の旋回角度を越えて、該皿ばね104は、ケーシング側の支持109に向かって負荷され、これによって該支持109に、規定された軸方向力で接触している。
【0064】
皿ばね104のための、ケーシング側のリング状の支持109は、後調節手段112の構成部分であり、この後調節手段112には力センサばね106も属している。この後調節手段112は、図示されていない対応プレッシャプレートのもしくはプレッシャプレート103の摩擦ライニング107及び/又は摩擦面において生じる摩耗に相応して、皿ばね104を軸方向にシフトさせる。
【0065】
後調節手段112は、リング状の部材113の形のばね負荷された後調節部材を有しており、この後調節部材もしくはリング状の部材113は、摩耗補正リングを形成している。この摩耗補正リングは、周方向に延びていて軸方向に隆起している複数の乗り上げランプを有しており、これらの乗り上げランプは、リング状の部材113の全周にわたって分配配置されており、ケーシング102によって保持された対応乗り上げランプと共働する。後調節手段112は、同様に乗り上げランプを有している別のリング状の部材114を有しており、この場合乗り上げランプは、ケーシング102によって保持された対応乗り上げランプと共働する。
【0066】
リング状の部材114には、皿ばね104とケーシング102との間において作用するように緊張されて配置されているサーボばね131が軸方向において支持されている。半径法方向内側においてサーボばね131は、皿ばね104の舌片111に軸方向で支持されている。
【0067】
両方のリング113,114は、後調節回転方向において周方向に蓄力器115,116によって負荷されている。両方のリング113,114は、作用的に見て直列に配置されており、この場合支持リング113は、リング114のための回動防止部材もしくはブレーキとして働く。このために、図6に示されているように、リング113,114には、適当なストッパもしくは突子113a,114aが設けられている。リング114と、該リングとケーシング102との間において緊張されたコイルばね116の形の蓄力器とは、摩耗によって操作皿ばね104が軸方向にシフトした場合に、サーボばね131の後調節を保証する。皿ばね104においてこのような軸方向のシフトが生じた場合には、まず初めにリング113が、特に摩擦ライニング107における摩耗に関連した値だけ、回動する。この運動は、摩擦クラッチ101の解離動作中に行われ、この結果サーボばね131は、この際に該サーボばねによってもたらされる軸方向力に基づいて、まず初めにリング114が回動することを防止する。この段階においてリング113のストッパ113aは、リング114のストッパ114aから持ち上がる。摩擦クラッチの係合時に、皿ばね104は再び、図4に示されたような角度位置を占め、この場合サーボ皿ばね131は、このサーボ皿ばねによってもたらされる軸方向力が極めて小さいかもしくは実質的に0であるような緊張された状態を有しており、これによってリング114はばね116のプレロードに基づいて、ストッパ114aがストッパ113aに接触するまで、回動させられることができる。これによってサーボ皿ばね131は、再びその本来の緊張された状態にもたらされ、かつ同時に相応に軸方向において後調節される。
【0068】
センサ蓄力器と後調節リング113とを備えた後調節手段の正確な作用形式に関しては、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4239291号明細書及びドイツ連邦共和国特許出願公開第4239289号明細書に記載されている。したがって本明細書においては、後調節動作もしくは後調節手段112の作用に関する詳しい記載は省く。
【0069】
図7及び図8に示されたいわゆる押圧式の摩擦クラッチの構成では、リング114によって引き受けられる機能が、サーボばね231を形成する部材に一体に組み込まれている。この部材231は、主として同様に、半径方向内側のアームもしくは舌片のリング状のベース体を備えた皿ばねを有している。サーボ力蓄力器231の後調節のために必要な傾斜面214は、この部材に直接一体成形されている。このために皿ばね状のサーボ力蓄力器231には、アーム214の形の半径方向外側の範囲が設けられており、これらのアーム214は、該アームが直接、サーボ力蓄力器231を後調節するために必要な傾斜面を形成するように、構成されている。対応傾斜面は、図5及び図6との関連において既に述べたように、ケーシング202によって保持されており、つまりケーシング202に一体成形されている。アーム214は同時に、リング213の対応ストッパ213aと共働するストッパ214aとして働く。後調節リング213及びサーボばね231は、また、コイルばね215,216の形の蓄力器によって後調節方向に負荷されている。後調節は、図5及び図6との関連において記載されたのと同様な形式で行われる。しかしながらリング114の代わりに、皿ばね状の蓄力器231が、ケーシング202及び操作皿ばね204に対して回動されるようになっていてもよい。
【0070】
図9に示されたクラッチ装置は、ケーシング202を備えた摩擦クラッチ201と、該摩擦クラッチに回動不能に結合されているがしかしながら軸方向において制限されてシフト可能なプレッシャプレート203とを有している。軸方向においてプレッシャプレート203とケーシング202との間には、圧着皿ばね204が緊張されてされて配置されており、この圧着皿ばね204は、ケーシング202によって保持されたリング状の旋回支承部205を中心にして旋回可能であり、かつプレッシャプレート203を、ケーシング202と堅く結合された対応プレッシャプレート206に向かって負荷している。これによって、クラッチディスク208の摩擦ライニング207はプレッシャプレート203の摩擦面と対応プレッシャプレート206の摩擦面との間のおいて緊定される。プレッシャプレート203は、周方向にもしくは接線方向に方向付けられた板ばね209を介して、ケーシング202と回動不能に結合されている。クラッチディスク208はいわゆる板ばねセグメント210を有しており、これらの板ばねセグメント210は、摩擦クラッチ201の係合時における逓増的なトルク消滅を保証する。この場合板ばねセグメント210は、摩擦ライニング207が互いに向かって制限されて軸方向にシフトすることによって、摩擦ライニング207に作用する軸方向力の逓増的な上昇を可能にする。
【0071】
旋回支承部205は2つの旋回支持211,212を有しており、両旋回支持211,212の間には皿ばね204が軸方向に保持されており、つまり旋回可能に緊定されている。図5との関連において記載されたのと同様な形式で、皿ばね204の、プレッシャプレート203に向けられた側に設けられている旋回支持211は、軸方向においてケーシング202に向かって負荷される。このために旋回支持211は、皿ばねもしくは皿ばね状の部材213の一部である。
【0072】
ケーシング側の旋回支持212は、後調節手段216を介してケーシング2に支持されている。この後調節手段216は次のこと、すなわちプレッシャプレート203に向かってもしくは対応プレッシャプレート206に向かって旋回支持211,212が軸方向にシフトした場合に、旋回支持212とケーシング202との間もしくは旋回支持212と皿ばね204との間に不都合な遊びが発生することを、確実に阻止している。摩擦クラッチ201もしくはクラッチ装置はさらに補正手段220を有しており、この補正手段220によって次のことが保証される。すなわちこの場合、皿ばね舌片204aによって形成された、摩擦クラッチ201の解離手段は、軸方向において遊びなしに操作され、かつこの際に一定の運動距離だけシフトすることができる。補正手段220は、解離軸受を有する解離装置220aと舌片先端204cとの間において有効である。摩擦クラッチ201もしくは後調節手段216及び補正手段220の作用形式及び可能な実施例は、既に述べた先行技術、特にドイツ連邦共和国特許出願公開第4322677号明細書に開示されている。摩擦クラッチ201の解離動作を助成するサーボ皿ばね231は、ケーシング202と、摩擦クラッチ201の操作時に軸方向においてシフト可能な補正手段220の部材230との間において、作用するように配置されている。この部材230は、皿ばね舌片先端204bの軸方向における操作運動距離を制限するために働くリングの1構成部材である。サーボ皿ばね231の半径方向内側の範囲は、このリング230に旋回可能に支承され、かつ軸方向に支持されている。サーボ皿ばね231の半径方向外側の範囲は、ケーシング202に対して軸方向に支持され、かつ旋回可能に支承されている。図9に示されているように、サーボ皿ばね231は摩擦クラッチ201の操作時にその円錐度を変化し、この結果、図3及び図4に示された線図との関連において記載されたように、摩擦クラッチ201の解離動作を助成するサーボ力を、少なくとも解離運動距離の部分範囲にわたって生ぜしめる。つまりサーボ皿ばね231は、解離動作中に軸方向力を部材230に対して加え、この際にこの部材はこの軸方向力を同様に操作手段もしくは皿ばね舌片先端204bに伝達する。部材230と皿ばね204との間には、皿ばね204の軸方向におけるシフトを補償する補正リング230aが設けられている。
【0073】
図面との関連において記載されたように、摩擦クラッチの解離動作もしくは操作動作を助成するサーボばねは、有利には摩擦クラッチに一体に組み込まれている。本発明のように構成されたサーボばねもしくはサーボ皿ばねはしかしながら、摩擦クラッチの外部に配置することも可能である。例えばこのようなサーボばねは、摩擦クラッチと共働する解離系の任意の箇所に設けられていてもよい。この場合「解離系」というのは、摩擦クラッチのための操作力を導入して、該操作力を例えば皿ばね舌片4bのような摩擦クラッチの操作手段に伝達するユニットもしくは部材を意味している。解離系はつまり例えば、以下に記載の部材、すなわち主シリンダ(Geberzylinder)、従シリンダ(Nehmerzylinder)、解離軸受、ハイドロリック式もしくはニューマチック式のサーボ装置、電動機、伝達ロッドもしくは伝達導体もしくはボーデンケーブル、操作レバー及び/又は操作ペダルのような部材のうちの少なくとも2つの部材を有していることができる。
【0074】
本発明は、図示及び記載の実施例に制限されるものではなく、種々様々な実施例及び/又は記載の先行技術との関連において記載された特徴もしくはエレメントによって形成され得るバリエーションをも有している。さらに、図面との関連において記載された個々の特徴もしくは作用形式それ自体もまた、独立した発明を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による摩擦クラッチを示す断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1に示された個々のばね部材及び後調節部材が共働する様子を示す種々の特性線が示されている線図である。
【図4】図1に示された個々のばね部材及び後調節部材が共働する様子を示す種々の特性線が示されている線図である。
【図5】本発明による押圧式の摩擦クラッチを示す断面図である。
【図6】本発明による押圧式の摩擦クラッチを示す図である。
【図7】本発明による押圧式の摩擦クラッチの別の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明による押圧式の摩擦クラッチの別の実施例を示す図である。
【図9】本発明による摩擦クラッチのさらに別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1,101,201 摩擦クラッチ、 2,102,202 ケーシング、 3,103,203 プレッシャプレート、 4,104,204 皿ばね、 5,105,205 旋回支承部、 6,106,206 対応プレッシャプレート、 7,107,207 摩擦ライニング、 8,108 クラッチディスク、 10 ライニングばねセグメント、 11 旋回支持、 12,112 後調節手段、 13 摩耗補償装置、 14 センサ装置、 15 摩耗センサ、 16 スリーブ(センサ部材)、 17 ピン、 18 孔、 19 ストッパ、 20 補償リング(後調節リング)、 21 補正装置、 22,23傾斜面、 24 縁部範囲、 25 コイルばね、 26 切欠き、 27 傾斜角度、 28 回転方向、 29 ストッパ、 30 解離運動距離、 31,131,231 皿ばね状の部材(蓄力器)、 32 ベース体、 33 舌片、 35 リベット、 36 ヘッド、 37 解離方向、 38 支持直径、 113,114 リング

Claims (18)

  1. ケーシングに対して回動不能であるがしかしながら軸方向において制限されてシフト可能なプレッシャプレートを備えた摩擦クラッチであって、少なくとも1つの第1の蓄力器が設けられており、該蓄力器を介してプレッシャプレートが、該プレッシャプレートとはずみ車のような対応プレッシャプレートとの間において緊定可能なクラッチディスクに向かって負荷可能であり、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を補償する後調節手段が設けられており、さらに、プレッシャプレートをシフトさせるための操作手段と、第1の蓄力器に対して並列的に配置された少なくとも1つの第2の蓄力器とが設けられており、この場合第2の蓄力器は摩擦クラッチ内に次のように、すなわち該第2の蓄力器が摩擦クラッチの解離時に解離動作の少なくとも部分範囲にわたって該解離動作を助成する力を生ぜしめるように、緊張されて取り付けられており、しかも第2の蓄力器が摩擦クラッチの係合状態において、摩擦クラッチの軸方向において作用する力をまったく又は僅かしか生ぜしめないようになっており、さらに、摩擦クラッチの解離時に第2の蓄力器が、摩擦クラッチの解離のために必要な解離運動距離の少なくとも部分範囲にわたって、上昇する力・運動距離経過を有していることを特徴とする摩擦クラッチ。
  2. ケーシングに対して回動不能であるがしかしながら軸方向において制限されてシフト可能なプレッシャプレートを備えた摩擦クラッチであって、第1の皿ばねが設けられており、該皿ばねを介してプレッシャプレートが、該プレッシャプレートとはずみ車のような対応プレッシャプレートとの間において緊定可能なクラッチディスクに向かって負荷可能であり、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を補償するための後調節手段が設けられており、該後調節手段を用いて、第1の皿ばねによるプレッシャプレートの力負荷が調節可能であり、さらに、プレッシャプレートをシフトさせるための操作手段と、第1の皿ばねに対して並列的に配置された少なくとも1つの第2の皿ばねとが設けられており、この場合第2の皿ばねは次のように、すなわち該第2の皿ばねが摩擦クラッチの解離時に解離動作の少なくとも部分範囲にわたって該解離動作を助成する力を生ぜしめるように、緊張されて取り付けられており、しかも第2の皿ばねが摩擦クラッチの係合状態において、摩擦クラッチの軸方向において作用する力をまったく又は僅かしか生ぜしめないようになっており、さらに、摩擦クラッチの解離時に第2の皿ばねが、摩擦クラッチの解離のために必要な解離運動距離の少なくとも部分範囲にわたって、上昇する力・運動距離経過を有していることを特徴とする摩擦クラッチ。
  3. ケーシングに対して回動不能であるがしかしながら軸方向において制限されてシフト可能なプレッシャプレートを備えた摩擦クラッチであって、少なくとも1つの第1の蓄力器が設けられており、該蓄力器を介してプレッシャプレートが、該プレッシャプレートとはずみ車のような対応プレッシャプレートとの間において緊定可能なクラッチディスクに向かって負荷可能であり、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングにおける摩耗を補償するための後調節手段が設けられており、さらに、プレッシャプレートをシフトさせるための操作手段と、第1の蓄力器に対して並列的に配置された少なくとも1つの第2の蓄力器とが設けられており、この場合第2の蓄力器が、摩擦クラッチの解離動作を助成する力をもたらすようになっており、さらにクラッチディスクの摩擦ライニングの間に、摩擦クラッチの解離動作を同様に助成するライニングばねが設けられており、しかも第2の蓄力器が摩擦クラッチの係合状態において、摩擦クラッチの軸方向において作用する力をまったく又は僅かしか生ぜしめないようになっており、さらに、摩擦クラッチの解離時に第2の蓄力器が、摩擦クラッチの解離のために必要な解離運動距離の少なくとも部分範囲にわたって、上昇する力・運動距離経過を有していることを特徴とする摩擦クラッチ。
  4. 第2の蓄力器が皿ばねによって形成されている、請求項1又は3記載の摩擦クラッチ。
  5. 第1の蓄力器が皿ばねによって形成されている、請求項1、3及び4のいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  6. 第1の蓄力器がリング状のベース体を有しており、該ベース体から半径方向内側に向かって、摩擦クラッチのための操作手段として働く舌片が延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  7. 第1の蓄力器が、解離運動距離の少なくとも1部分にわたって、下降する力・運動距離経過を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  8. 摩擦クラッチの解離時にプレッシャプレートが、所定の解離運動距離を進むようになっていて、該解離運動距離が2つの区分に分割されており、この場合第1の区分においては、プレッシャプレートからクラッチディスクに加えられる負荷力が取り去られ、かつ第2の区分においては、クラッチディスクとプレッシャプレート及び対応プレッシャプレートとの間における軸方向の遊びが生ぜしめられるようになっており、さらに第2の蓄力器が少なくとも第1の区分において、上昇する正の力・運動距離経過を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  9. 第2の蓄力器が少なくとも、第1の区分全体にわたって有効である、請求項8記載の摩擦クラッチ。
  10. 第2の蓄力器が少なくとも、第2の区分の部分範囲にわたっても有効である、請求項8又は9記載の摩擦クラッチ。
  11. 第2の蓄力器が、摩擦クラッチの操作手段とケーシングとの間において作用するように緊張されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  12. 第2の蓄力器が、ケーシングと第1の蓄力器との間において作用するように緊張されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  13. 第2の蓄力器が、正弦状の力・運動距離特性線を有しており、かつ摩擦クラッチの係合状態において、少なくともほぼその力最小値にプレロードをかけられている、請求項1から12までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  14. 摩擦クラッチの係合状態において、緊張された第2の蓄力器が解離方向における力を生ぜしめるようになっている、請求項1から13までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  15. クラッチディスクがライニングばね装置を有している、請求項1から14までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  16. 第2の蓄力器を形成する皿ばねが、ケーシングに旋回可能に支承されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  17. 皿ばねが、半径方向外側の範囲で旋回可能に支承されている、請求項16記載の摩擦クラッチ。
  18. 皿ばねが、半径方向内側の範囲で、摩擦クラッチの操作手段を解離方向において負荷している、請求項2及び4から17までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
JP07171795A 1994-03-29 1995-03-29 摩擦クラッチ Expired - Fee Related JP3765846B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4410837.0 1994-03-29
DE4410837 1994-03-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07317803A JPH07317803A (ja) 1995-12-08
JP3765846B2 true JP3765846B2 (ja) 2006-04-12

Family

ID=6514118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07171795A Expired - Fee Related JP3765846B2 (ja) 1994-03-29 1995-03-29 摩擦クラッチ

Country Status (11)

Country Link
US (2) US5632365A (ja)
JP (1) JP3765846B2 (ja)
KR (1) KR100392935B1 (ja)
CN (1) CN1142374C (ja)
BR (1) BR9501240A (ja)
DE (1) DE19510905A1 (ja)
ES (1) ES2119627B1 (ja)
FR (1) FR2718205B1 (ja)
GB (1) GB2287994B (ja)
IT (1) IT1274372B (ja)
RU (1) RU2145008C1 (ja)

Families Citing this family (77)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19510905A1 (de) * 1994-03-29 1995-10-05 Luk Lamellen & Kupplungsbau Reibungskupplung
US5628389A (en) * 1994-07-20 1997-05-13 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Gmbh Friction clutch
JP3086847B2 (ja) * 1994-12-24 2000-09-11 マンネスマン ザックス アクチエンゲゼルシャフト クラッチ解除力を補助するための補助ばねを有する摩擦クラッチ
GB2325499B (en) * 1994-12-24 1999-02-10 Mannesmann Sachs Ag Friction clutch
ES2119668B1 (es) * 1994-12-24 1999-04-01 Fichtel & Sachs Ag Embrague de friccion con muelle auxiliar para asistir a la fuerza de desembragado.
GB2296541B (en) * 1994-12-24 1999-01-06 Fichtel & Sachs Ag Friction clutch
DE19535712C1 (de) * 1995-09-26 1996-10-31 Fichtel & Sachs Ag Reibungskupplung im Antriebsstrang eines Kraftfahrzeuges
WO1997019275A1 (en) * 1995-11-17 1997-05-29 Kemper Yves J Controlled force actuator system
FR2742504B1 (fr) * 1995-12-14 1998-01-23 Valeo Ensemble elastique unitaire a pieces globalement annulaires et mecanisme d'embrayage comportant un tel ensemble elastique unitaire
EP0890034A4 (en) * 1996-01-30 2000-10-11 Yves J Kemper REGULATED FORCE ACTUATOR SYSTEM
DE19608772C2 (de) * 1996-03-07 2002-07-18 Zf Sachs Ag Reibungskupplung mit Erzeugung der Anpreßkraft durch zwei Federn
US5826691A (en) * 1996-03-08 1998-10-27 Exedy Corporation Clutch cover assembly having a diaphragm spring and a secondary biasing spring working in tandem
DE19611183C2 (de) * 1996-03-21 2003-01-23 Zf Sachs Ag Reibungskupplung mit einem Stellantrieb für den automatisierten Betrieb
JP3317631B2 (ja) * 1996-04-04 2002-08-26 株式会社エクセディ 摩擦クラッチ
FR2747750A1 (fr) * 1996-04-23 1997-10-24 Exedy Corp Embrayage a friction
US5984071A (en) * 1996-07-12 1999-11-16 Kemper; Yves J. Controlled force actuator system
US5960920A (en) * 1996-07-26 1999-10-05 Daikin Clutch Corporation Wear compensating friction clutch
FR2753756B1 (fr) * 1996-09-06 1999-01-22 Mecanisme d'embrayage pour embrayage a friction a faible effort de debrayage
US6202815B1 (en) * 1996-09-06 2001-03-20 Valeo Friction clutch with low disengaging force
DE19638909C2 (de) * 1996-09-23 2003-02-27 Zf Sachs Ag Druckplattenanordnung für eine Rebungskupplung
US5967283A (en) * 1996-12-04 1999-10-19 Kemper; Yves J. Clutch spring assembly
DE19755713B4 (de) * 1996-12-13 2008-05-08 Exedy Corp., Neyagawa Vorrichtung zur Verschleißkompensation für einen Kupplungsmechanismus
US5845757A (en) * 1996-12-13 1998-12-08 Ryobi North America, Inc. Centrifugal clutch
FR2764015B1 (fr) * 1997-05-30 1999-08-06 Valeo Mecanisme d'embrayage pour embrayage a friction
FR2764020B1 (fr) * 1997-05-30 1999-08-06 Valeo Mecanisme d'embrayage pour embrayage a friction a faible effort de debrayage
FR2764022B1 (fr) * 1997-05-30 1999-08-13 Valeo Mecanisme d'embrayage pour embrayage a friction, a dispositif de rattrapage d'usure, en particulier pour vehicule automobile, et sous-ensemble constitue d'un couvercle et d'un diaphragme pour un tel mecanisme
FR2767167B1 (fr) 1997-08-04 2003-10-03 Luk Lamellen & Kupplungsbau Embrayage a friction
DE19742468A1 (de) 1997-09-26 1999-04-01 Schaeffler Waelzlager Ohg Nehmerzylindergehäuse aus Kunststoff, in das eine Führungshülse aus Stahl eingesetzt ist
WO1999030050A2 (de) 1997-12-09 1999-06-17 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Gmbh Reibungskupplung mit progressivem ausrückwegskraftverlauf
US6145642A (en) * 1998-03-19 2000-11-14 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Gmbh Friction clutch with automatic compensation for wear
DE10025850B4 (de) * 1999-05-31 2011-12-01 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Reibungskupplung
GB2353071B (en) * 1999-06-23 2003-10-01 Mannesmann Sachs Ag Friction clutch and pressure plate module therefor
FR2796435B1 (fr) * 1999-07-12 2008-08-01 Luk Getriebe Systeme Gmbh Entrainement de generation d'un deplacement relatif de deux composants
DE19959584B4 (de) * 1999-12-10 2011-07-07 ZF Sachs AG, 97424 Druckplattenbaugruppe
US6347694B1 (en) * 2000-03-20 2002-02-19 Zf Meritor, Llc Biased wear sensor assembly for self-adjusting clutch
US6325193B1 (en) 2000-04-19 2001-12-04 Eaton Corporation Friction clutch with an adjustment limiting device
FR2812918B1 (fr) * 2000-08-11 2003-03-07 Valeo Perfectionnement a un mecanisme d'embrayage a diaphragme pour moteur de vehicule automobile
JP5023372B2 (ja) 2000-11-22 2012-09-12 シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト クラッチ装置
DE10064851A1 (de) * 2000-12-23 2002-06-27 Zf Sachs Ag Druckplattenbaugruppe für eine Reibungskupplung
JP4873336B2 (ja) * 2001-02-27 2012-02-08 シェフラー テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト 摩擦クラッチ
DE10209409A1 (de) 2001-03-08 2002-09-12 Luk Lamellen & Kupplungsbau Drehschwingungsdämpfer
BR0304228A (pt) * 2002-04-10 2004-07-27 Luk Lamellen & Kupplungsbau Conjunto de embreagem
DE10316445A1 (de) * 2002-04-10 2003-10-23 Luk Lamellen & Kupplungsbau Kupplungsaggregat
US7063199B2 (en) * 2003-06-30 2006-06-20 Zf Sachs Ag Centrifugal clutch
EP1647729A3 (de) 2004-10-15 2009-12-02 LuK Lamellen und Kupplungsbau Beteiligungs KG Kupplungsscheibenanordnung für eine Mehrscheibenkupplung
BRPI0619390A2 (pt) * 2005-11-29 2011-10-04 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg unidade de embreagem
JP4667222B2 (ja) * 2005-12-09 2011-04-06 株式会社エクセディ クラッチカバー組立体
JP4754958B2 (ja) * 2005-12-09 2011-08-24 株式会社エクセディ クラッチカバー組立体
JP4576327B2 (ja) * 2005-12-09 2010-11-04 株式会社エクセディ クラッチカバー組立体
DE102006026129A1 (de) * 2006-06-03 2007-04-19 Daimlerchrysler Ag Kupplungssystem für ein Kraftfahrzeug
JP2008039018A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Yamaha Motor Co Ltd オートクラッチ機構、鞍乗型車両用オートクラッチ機構および鞍乗型車両
WO2008058508A1 (de) * 2006-11-17 2008-05-22 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg Kupplungsaggregat
EP1950441B1 (de) * 2007-01-27 2012-11-28 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Selbstnachstellende Reibungskupplung
DE102008027069B4 (de) * 2007-06-18 2015-10-29 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplung mit integrierter Verschleißnachstellung
DE102008028179A1 (de) 2007-06-28 2009-01-08 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg Kupplungsaggregat
EP2025961A1 (de) 2007-07-25 2009-02-18 LuK Lamellen und Kupplungsbau Beteiligungs KG Kupplungsaggregat
EP2207978B1 (de) 2007-09-24 2013-05-29 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplung
DE102008043492A1 (de) 2008-11-05 2010-05-06 Zf Friedrichshafen Ag Verfahren und Anordnung zum Bestimmen des Verschleißzustandes einer Schaltkupplung
DE102010006054B4 (de) 2009-02-12 2019-07-25 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Kupplungsaggregat mit Verschleißnachstelleinrichtung
DE102010008439B4 (de) * 2009-03-09 2019-07-25 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplung mit Transportsicherung
DE102011104962B4 (de) 2010-06-29 2020-07-02 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Kupplungsaggregat mit zumindest einer Verschleißnachstelleinrichtung
CN102155510B (zh) * 2011-03-22 2012-10-03 芜湖通力电机有限责任公司 一种离合器电动机的摩擦片组件
DE112012003078A5 (de) * 2011-07-22 2014-07-10 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplung mit Nachstelleinrichtung
JP5974450B2 (ja) * 2011-10-27 2016-08-23 アイシン精機株式会社 クラッチ装置
DE102012219787A1 (de) 2011-11-25 2013-05-29 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplung
DE102012205682A1 (de) 2012-04-05 2013-10-10 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplungseinrichtung
DE102012212008A1 (de) 2012-07-10 2014-01-16 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplungseinrichtung
DE102013214725A1 (de) 2012-08-24 2014-05-15 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Verfahren zum Vorbereiten einer Reibungskupplungseinrichtung und Vorrichtung zur Durchführung eines derartigen Verfahrens
DE102014208889A1 (de) 2013-06-06 2014-12-11 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Mehrteiliger Klemmfederring für ein Kupplungsaggregat
DE102013222551A1 (de) 2013-11-06 2015-05-07 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Wuchtelement zum Auswuchten der Reibungskupplung, Verfahren zum Auswuchten einer Reibungskupplung sowie Verwendung eines Bauteils einer Reibungskupplung
CN103629268B (zh) * 2013-11-22 2016-06-22 宁波宏协离合器有限公司 一种上置感应弹簧的自调式离合器
CN106104044A (zh) * 2014-03-20 2016-11-09 爱信精机株式会社 离合器装置
DE102014211645A1 (de) 2014-06-18 2015-12-24 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Reibungskupplung mit an integralen Axialfortsätzen eines Gehäuses befestigter Verschleißkompensationsfeder
FR3048040B1 (fr) * 2016-02-24 2019-08-16 Valeo Embrayages Double embrayage a rattrapage d'usure, notamment pour vehicule automobile
FR3048041B1 (fr) * 2016-02-24 2019-08-16 Valeo Embrayages Double embrayage a rattrapage d'usure, notamment pour vehicule automobile
DE102016217661A1 (de) 2016-09-15 2018-03-15 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Deckelanordnung für eine Reibungskupplung
DE102018222020A1 (de) * 2018-12-18 2020-06-18 Zf Friedrichshafen Ag Druckplattenanordnung, Kupplungsanordnung sowie Kraftfahrzeug

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1233669B (de) * 1963-05-18 1967-02-02 Fichtel & Sachs Ag Kupplungsscheibe mit abgefederten Reibbelaegen, insbesondere fuer Kraftfahrzeuge
US4207972A (en) * 1978-05-26 1980-06-17 Borg-Warner Corporation Automatic wear compensator for Belleville spring clutches
DE3224404A1 (de) * 1982-06-30 1984-01-05 LuK Lamellen und Kupplungsbau GmbH, 7580 Bühl Reibungskupplung sowie verfahren zu deren montage
US5180335A (en) * 1984-06-12 1993-01-19 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Gmbh Torsion damping assembly for use with clutches in motor vehicles
JPS6263226A (ja) * 1985-09-02 1987-03-19 Daikin Mfg Co Ltd クラツチ
JPH0648019B2 (ja) * 1986-02-26 1994-06-22 株式会社大金製作所 クラツチ
US4832164A (en) * 1987-06-15 1989-05-23 Dana Corporation Adjuster ring lock strap adapted for use in manual wear compensating clutches
FR2639694B1 (fr) * 1988-11-29 1993-04-09 Valeo Disque porte-garnitures, notamment pour embrayage de vehicule automobile
US5029687A (en) * 1989-01-18 1991-07-09 Kabushiki Kaisha Daikin Seisakusho Self adjuster for pull-type clutch
JPH0532664Y2 (ja) * 1989-07-20 1993-08-20
DE4010543C2 (de) * 1990-04-02 1998-07-09 Mannesmann Sachs Ag Kupplungsscheibe mit optimierten Reibbelägen
SE512438C2 (sv) * 1991-11-26 2000-03-20 Luk Lamellen & Kupplungsbau Friktionskoppling
US5634541A (en) * 1992-03-05 1997-06-03 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Gmbh Automatically adjustable friction clutch
US5377803A (en) * 1992-05-06 1995-01-03 Fichtel & Sachs Ag Pressure plate arrangement for a motor vehicle friction clutch
JP2656200B2 (ja) * 1992-07-06 1997-09-24 株式会社エクセディ クラッチカバー組立体
US5238093A (en) * 1992-08-28 1993-08-24 Dana Corporation Wear indicator for adjustable clutch
JP2656197B2 (ja) * 1992-09-07 1997-09-24 株式会社エクセディ クラッチカバー組立体
KR100326408B1 (ko) * 1992-12-22 2002-10-31 룩라멜렌운트쿠플룽스바우베타일리궁스카게 마찰클러치
EP0622559B1 (de) * 1993-04-29 1996-06-12 FICHTEL & SACHS AG Reibungskupplung mit automatischem Verschleissausgleich
RU2166679C2 (ru) * 1993-05-26 2001-05-10 Лук Ламеллен унд Купплюнгсбау ГмбХ Фрикционное сцепление
US5690203A (en) * 1993-11-04 1997-11-25 Fichtel & Sachs Ag Motor vehicle friction clutch with automatic wear adjustment
DE4337613A1 (de) * 1993-11-04 1995-05-11 Fichtel & Sachs Ag Reibungskupplung mit automatischem Verschleißausgleich und Spielgeber
JPH07238953A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Daikin Mfg Co Ltd クラッチカバー組立体
JP3204832B2 (ja) * 1994-03-08 2001-09-04 株式会社エクセディ クラッチカバー組立体
DE19510905A1 (de) * 1994-03-29 1995-10-05 Luk Lamellen & Kupplungsbau Reibungskupplung
JP3227306B2 (ja) * 1994-05-31 2001-11-12 株式会社エクセディ クラッチ押圧組立体
DE4436109C1 (de) * 1994-10-10 1996-01-18 Fichtel & Sachs Ag Reibungskupplung für eine Brennkraftmaschine
DE4440412C2 (de) * 1994-11-11 2002-11-14 Zf Sachs Ag Reibungskupplung mit automatischem Verschleißausgleich
JP3086847B2 (ja) * 1994-12-24 2000-09-11 マンネスマン ザックス アクチエンゲゼルシャフト クラッチ解除力を補助するための補助ばねを有する摩擦クラッチ
ES2119668B1 (es) * 1994-12-24 1999-04-01 Fichtel & Sachs Ag Embrague de friccion con muelle auxiliar para asistir a la fuerza de desembragado.
DE19532509A1 (de) * 1995-09-02 1997-03-06 Fichtel & Sachs Ag Reibungskupplung mit mechanisch betätigtem konzentrischen Ausrücker

Also Published As

Publication number Publication date
US5971124A (en) 1999-10-26
RU2145008C1 (ru) 2000-01-27
CN1142374C (zh) 2004-03-17
GB2287994B (en) 1998-10-07
FR2718205A1 (fr) 1995-10-06
ITMI950627A1 (it) 1996-09-28
GB2287994A (en) 1995-10-04
US5632365A (en) 1997-05-27
ITMI950627A0 (it) 1995-03-28
KR100392935B1 (ko) 2003-10-22
ES2119627B1 (es) 1999-04-16
KR950033154A (ko) 1995-12-22
ES2119627A1 (es) 1998-10-01
FR2718205B1 (fr) 1998-07-24
GB9506316D0 (en) 1995-05-17
DE19510905A1 (de) 1995-10-05
RU95104324A (ru) 1996-11-27
CN1126287A (zh) 1996-07-10
IT1274372B (it) 1997-07-17
BR9501240A (pt) 1995-11-21
JPH07317803A (ja) 1995-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3765846B2 (ja) 摩擦クラッチ
JP3715660B2 (ja) 摩擦クラッチ
JP3471834B2 (ja) 摩擦クラッチ
JP3437598B2 (ja) 摩擦クラッチ
JPH06257623A (ja) 摩擦クラッチ
JP5340294B2 (ja) 摩擦クラッチ
US8381890B2 (en) Friction clutch having a wear adjuster
JP2009517609A (ja) クラッチユニット
JP4236711B2 (ja) 摩擦クラッチ
JP2656197B2 (ja) クラッチカバー組立体
JP2013543093A (ja) クラッチ装置
JP2001526362A (ja) 摩擦クラッチ
JP3704174B2 (ja) 摩擦クラッチ
US20090014270A1 (en) Clutch unit
US9810270B2 (en) Clutch device
JPH09504355A (ja) 特に自動車用の摩擦クラッチ
CN107314053B (zh) 用于尤其用于机动车辆的离合器装置的组件
JPH0882331A (ja) ダイヤフラムスプリングクラッチ
JP2984656B2 (ja) 損耗補償能力を有する摩擦クラッチ
US6024199A (en) Clutch cover assembly
FR2922283A1 (fr) Mecanisme d'embrayage, en particulier pour vehicule automobile
KR20170121070A (ko) 특히 자동차용의 마모 보정 클러치 장치
EP0640772B1 (en) Clutch release assembly for a friction clutch
KR20170061613A (ko) 특히 자동차용의 마모 보정 클러치 장치
JP4873336B2 (ja) 摩擦クラッチ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040903

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20041130

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20041203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051031

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees