JP3714489B2 - ダイナミック型ramとメモリモジュール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ダイナミック型RAM(ランダム・アクセス・メモリ)とメモリモジュール及びそのリフレッシュ方法に関し、主として大記憶容量のものに利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイナミック型RAMでは、キャパシタに電荷の形態の記憶情報を保持するものであるので、それが失われる前に読み出して増幅してもとの状態に戻すというリフレッシュ動作が必要である。メモリセルの情報記憶時間が一定でないことから、短い周期でリフレッシュをすべきワード線のアドレスを記憶させてるようにしたものが、特開昭61−217988号公報より提案されている。また、全ワード線のアドレスをリフレッシュを行う順番で記憶させたものが、特開昭51−127629号公報により提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ダイナミック型メモリセルの情報保持時間(リテンション時間)は、図26に示すように、短いものから長いものまで連続的に分布して、かつそのサンプル毎においても区々となるものである。従来のダイナミック型RAMでは最も短いものに注目して、そのリフレッシュ周期を設定するものであるためにリフレッシュ回数が実際のダイナミック型メモリセルの実力に対して短くなるものが多くなり、消費電力が増大するという問題が生じる。そこで、上記特開昭61−217988号公報のように、短い周期のものを選び出して、それに付いては短く周期でリフレッシュするようにするものが提案されているが、上記のように短いものから長いものまで連続的に分布するものでは実質的に適用不可能となる。
【0004】
上記のように短い周期のものを記憶回路に記憶させるもの、あるいは上記短周期のワード線のアドレスやリフレッシュを行う順番のアドレスを記憶するような方式では、記憶情報に欠陥があるとメモリセルの情報保持時間に合わせて正しくリフレッシュ動作が行われなくなるため、それによって直ちにメモリセルの記憶情報が破壊されてしまうという不良につながり信頼性の観点からも大きな問題を有するものである。
【0005】
ダイナミック型RAMにおいて、リード・ライト動作時とリフレッシュ動作時のアドレスを同じくすると、リード・ライト時にメモリセルが存在しないワード線も選択状態にしなければならず電流消費が増大する。一方、リフレッシュ動作はメモリセルの情報保持時間以内に繰り返して行う必要があり、ワード線数の増大によりリフレッシュサイクル数が増大し、ダイナミック型RAMの動作の大半がリフレッシュ動作に占領されてしまう。そこで、大記憶容量化に伴いリード・ライト時に比べてリフレッシュ時には選択されるワード線の数を多くしてリフレッシュサイクル数を4K(4096)程度に抑えることが行われている。この場合、同時にリフレッシュされるメモリセルの数が増大し、その中で1つでも短い周期のものが存在すればそれに従う結果となるために、上記のように短周期と長周期に分けたとしても、短周期でリフレッシュされるものが増大してしまうという問題が生じる。
【0006】
この発明の目的は、大記憶容量化されたメモリセルの情報保持時間に合わせて合理的で、かつ高信頼性によりリフレッシュを行わせることが可能なダイナミック型RAMとメモリモジュール及びそのリフレッシュ方法を提供することにある。この発明の他の目的は、スタンバイモードでの低消費電力化を図ったダイナミック型RAMとメモリモジュール及びそのリフレッシュ方法を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、上記ダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスをを計数して複数のワード線に共通に割り当てられてなるリフレッシュアドレスを生成し、かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周回路により分周し、上記リフレッシュアドレスに割り当てられた複数のワード線毎に上記タイマ回路の出力パルスに相当した短周期か上記分周出力パルスに相当した長周期かのいずれか一方を記憶回路に記憶させて、上記リフレッシュアドレスにより実施されるメモリセルのリフレッシュ動作を上記記憶回路の記憶情報に対応して各ワード線毎に有効/無効にさせ、上記分周回路の出力パルスによりかかるリフレッシュ時間設定情報を無効にする。
【0008】
【作用】
上記した手段によれば、上記リフレッシュアドレスが共通に割り当てられた複数のワード線毎にメモリセルの情報保持時間に対応させられた2以上のリフレッシュ周期によりリフレッシュを行うことが可能となって大幅な低消費電力化を実現できる。
【0009】
【実施例】
図1には、この発明に係るダイナミック型RAM(以下、単にDRAMと称する)の一実施例の概略ブロック図が示されている。同図の各回路ブロックは、公知の半導体集積回路の製造技術により、特に制限されないが、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上に形成される。
【0010】
この実施例のDRAMは、DRAM本体と適応リフレッシュコントローラから構成される。DRAM本体は、特に制限されないが、約64Mb(メガビット)のような大きな記憶容量を持つようにされる。DRAM本体は、特に制限されないが、4つのメモリブロック(アレーブロック)から構成される。各アレーブロック0〜アレーブロック3は、それぞれが約16Mbの記憶容量を持ち、リフレッシュ動作のときにはそれぞれ1本ずつのワード線WLが選択されて、かかるワード線に接続されたメモリセルの記憶電荷が読み出されて、それがセンスアンプにより増幅されてものと状態に戻されるというリフレッシュ動作が行われる。
【0011】
上記ワード線は、物理的に一本のワード線であるという意味ではなく、リフレッシュアドレスに対応された論理的な意味でのワード線である。つまり、上記のように1つのアレーブロックが約16Mbのような記憶容量を持つ場合、1回のリフレッシュ動作によって4096個のメモリセルをリフレッシュさせることが必要になる。このような多数のメモリセルを1本のワード線に接続すると、ワード線の負荷が重くなって動作速度が遅くなる等のために、複数のワード線に分割されて、それらに同じロウアドレスを割り付けて同時選択させるようにするものである。
【0012】
上記のようなリフレッシュ動作のためのリフレッシュアドレス信号A0〜A11は(リフレッシュ)アドレスカウンタにより生成される。タイマ回路は、上記64Mbのメモリセルの中で最も情報保持時間が短いものに合わせたクロック信号CLKを発生させる。タイマ回路は、上記リフレッシュアドレス信号A0〜A11による4096回を1廻(1周期)りとしたリフレッシュ動作においては、上記最も短い情報保持時間Tmin とすると、Tmin /4096より短い周期のクロック信号CLKを発生させる。
【0013】
タイミング発生回路RASGenは、上記クロック信号CLKに同期してロウ系のタイミング信号を発生させ、上記リフレッシュアドレス信号A0〜A11により指定されたワード線の選択動作及びセンスアンプの増幅動作を制御してリフレッシュ動作を行わせる。上記アドレスカウンタは、上記タイミング発生回路RASGenによるリフレッシュ動作によるタイミング信号により+1の計数動作を行い、次のリフレッシュアドレスを生成する。このようなリフレッシュ制御回路は、基本的には従来のダイナミック型RAMにおけるリフレッシュ制御回路と同様である。
【0014】
この実施例では、上記のようなリフレッシュ制御回路を備えてなるDRAM本体に対して、データ保持動作(スタンバイモード)での低消費電力化を図る等のために次のような適応リフレッシュコントローラが設けられる。
【0015】
上記アドレスカウンタにより形成されたリフレッシュアドレス信号A0〜A11は、プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(以下、単にPROMという)に供給される。PROM(リフレッシュ周期保持回路)は、リフレッシュアドレスに対応した4K分のアドレス空間を持ち、1つのアドレスには上記DRAM本体の4つのアレーブロック0〜3のそれぞれに対応した4ビットの記憶情報を持つようにされる。それ故、PROMアレーの全体のメモリ容量は、4K×4=16Kビットとされる。
【0016】
上記アドレスカウンタからのキャリー(桁上げ)信号CARRYは、m進カウンタにより1/mに分周される。つまり、m進カウンタは、特定のメモリセルについてのリフレッシュ回数でみると、m回のリフレッシュに1回の割合で発生される分周パルスを形成することとなる。逆にいうならば、上記のように最も短い情報保持時間に対応したメモリセルのリフレッシュ周期t1に対して、m倍の長さに設定された分周パルス/T2(t2=m×t1)が形成される。
【0017】
特に制限されないが、上記アドレスカウンタで形成されたリフレッシュドレス信号A0〜A11のうち、下位5ビットのアドレス信号A0〜A4はPROMアレーのYデコーダに供給され、アドレス信号A5〜A11は、Xデコーダ(ワードドライバ)に供給される。上記PROMアレーには、DRAM本体側の4つのメモリマットにおいてリフレッシュアドレスA0〜A11によりそれぞれ指定される合計4つのワード線に一対一に対応された4ビットの記憶情報を持ち、それが短周期でのリフレッシュか長周期でのリフレッシュかを2値(‘0’と‘1’)のリフレッシュ時間設定情報(リフレッシュ周期の情報)に対応して記憶させる。すなわち、あるアレーブロック中の1つのワード線に注目した場合、(セルフ)リフレッシュ期間において、上記1つのワード線が選択状態にされてから、次に再び上記1つのワード線が選択状態とされる迄の期間を上記リフレッシュ時間設定情報(リフレッシュ周期の情報)であると定義する。
【0018】
上記アドレスカウンタにより形成されたリフレッシュアドレス信号は、他方においてマルチプレクサ機能を持つX−アドレスバッァを介して取り込まれ、内部アドレス信号BX0−BX8はX−プリデコーダに供給され、内部アドレス信号BX9−BX11はマット選択回路に供給される。上記マット選択回路に対しては、通常アクセス時に最上位ビットの内部アドレス信号BX12が供給されている。リフレッシュモードでは、かかる内部アドレス信号BX12が無効にされて、内部アドレス信号BX12によるメモリブロックの選択機能が無効となって、両方共に選択状態にされる。
【0019】
上記PROMアレーからの4ビットの読み出し信号は、センスアンプを通してラッチ回路に保持される。特に制限されないが、適応リフレッシュコントローラの低消費電力化のために、PROMは上記アドレス信号の入力により4ビットのデータが読み出されて出力部のラッチに保持されたなら、センスアンプを含めて全ての回路が非動作状態にされる。
【0020】
同図において、上記PROMから読み出された4ビットからなるリフレッシュ時間設定情報(category-0-3) は、m進カウンタの分周パルス/T2とアンドゲート回路により論理積が採られ、このアンドゲート回路により上記アレーブロック0〜アレーブロック3のそれぞれに対応したリフレッシュ禁止信号inhibit-0 〜inhibit-3 が形成される。上記リフレッシュ禁止信号inhibit-0 は、アレーブロック0に供給される。同様に、残りの他のリフレッシュ禁止信号inhibit-1 〜inhibit-3 は、アレーブロック1〜アレーブロック3にそれぞれ供給される。
【0021】
ここで、信号/T2は、それがロウレベルをアクティブレベルであることを表している。それ故、分周パルス/T2は、通常はハイレベルで、上記キャリー信号CARRYをm個計数したときにロウレベルにされる。上記リフレッシュアドレス信号A0〜A11によりリフレッシュ動作が行われるとき、上記リフレッシュ時間設定情報(category-0 )が短周期に対応した‘0’(ロウレベル)なら無条件にリフレッシュ禁止信号inhibit-0 が‘0’(ロウレベル)にされて、リフレッシュ動作が実施される。
【0022】
これに対して、例えば上記リフレッシュ時間設定情報(category-0 )が長周期に対応した‘1’(ハイレベル)なら分周パルス/T2がハイレベルの期間ではリフレッシュ禁止信号inhibit-0 を‘1’(ハイレベル)にしてリフレッシュ動作を行わせないように禁止して、そのリフレッシュサイクルをスキップさせる。上記リフレッシュ時間設定情報(category-0 )が長周期に対応した‘1’(ハイレベル)であっても、m回に1回の割合で上記分周パルス/T2がロウレベルにされため、上記アンドゲート回路により上記リフレッシュ禁止信号inhibit-0 を‘0’(ロウレベル)にする。このため、リフレッシュ時間設定情報(category-0 )が長周期とされたワード線においては、上記分周パルス/T2により設定された時間間隔によりリフレッシュ動作が実施されることになる。
【0023】
他のアレーブロック1〜アレーブロック3においても、上記リフレッシュ時間設定情報(category-1〜category-3) が長周期に対応した‘1’(ハイレベル)なら分周パルス/T2がハイレベルの期間ではそれぞれのリフレッシュ禁止信号inhibit-1 〜inhibit-3 が‘1’になってリフレッシュ動作を行わせないように禁止させてそのリフレッシュサイクルをスキップさせ、m回に1回の割合で上記分周パルス/T2がロウレベルにされることに応じて、上記リフレッシュ禁止信号inhibit-1 〜inhibit-3 が強制的にロウレベルの無効にされる結果、上記分周パルス/T2により設定された時間間隔によりリフレッシュ動作が実施されることになる。
【0024】
本実施例のように、長周期でのリフレッシュ動作を行うか否かの制御をアレーブロック0〜3毎にえば、リフレッシュアドレス(A0〜A11)により一括して指定するのに比較して、より小さな単位(ワード線毎)でリフレッシュ時間を設定することができる。これにより、長周期でリフレッシュを行うメモリセルの割合が増えるのでリフレッシュに要する電力をより低減することができる。
【0025】
図2には、図1の1つのアレーブロックに対応した一実施例の概略回路図が示されている。1つのアレーブロックは、8個のメモリマットMAT0〜MAT7から構成される。1つのメモリマットMAT0が代表として例示的に示されているように、Xデコーダ・ワードドライバにより1つのワード線WLの選択信号が形成される。かかるワード線WLと交差するように一対の相補ビット線BL,/BLが配置される。ダイナミック型メモリセルは、アドレス選択用MOSFETQmと情報記憶用のキャパシタCsから構成される。アドレス選択用MOSFETQmのゲートは、上記ワード線WLに接続される。上記MOSFETQmの一方のソース,ドレインは上記一方のビット線BLに接続され、他方のソース,ドレインは上記キャパシタCsの一方の電極に接続されている。
【0026】
上記相補ビット線BL,/BLは、シェアードスイッチMOSFETQ1とQ2を介してセンスアンプに接続される。センスアンプは、ゲートとドレインが交差接続されたNチャンネル型MOSFETQ5,Q6及びPチャンネル型MOSFETQ7,Q8から構成される。上記Nチャンネル型MOSFETQ5とPチャンネル型MOSFETQ7のドレインは、一方のビット線BLに接続される。Nチャンネル型MOSFETQ6とPチャンネル型MOSFETQ8のドレインは、他方のビット線/BLに接続される。そして、上記Nチャンネル型MOSFETQ5とQ6の共通化されたソースは、上記ワード線WLと平行に延長されるコモンソース線CSNに接続され、Pチャンネル型MOSFETQ7,Q8の共通化されたソースは、上記ワード線WLと平行に延長されるコモンソース線CSPに接続される。上記コモンソース線CSNとCSPには、センスアンプの動作タイミングに同期してセンスアンプ制御回路から回路の接地電位と電源電圧VCCのような動作電圧が与えられる。
【0027】
上記相補ビット線BL,/BLに対応されたセンスアンプの入出力ノードには、プリチャージ回路が設けられる。プリチャージ回路は、センスアンプの両入力を短絡する短絡MOSFETQ11と、それぞれの入出力ノードにVCC/2のようなハーフプリチャージ電圧HVCを供給するMOSFETQ9とQ10から構成される。これらのMOSFETQ9〜Q11のゲートには、マットコントロール回路により形成されたプリチャージ信号/PCが供給される。
【0028】
上記Xデコーダには、X−プリデコーダからプリデコード信号AXiが供給される。マット選択回路は、上記8個のメモリマットMAT0〜MAT7の中から1つのメモリマットを選択するマット選択信号MS0〜MS7を形成し、それぞれのメモリマットMAT0〜MAT7に供給する。
【0029】
この実施例では、上記8個のメモリマットMAT0〜MAT7からなるアレーブロックに対応して形成されたリフレッシュ禁止信号inhibit-K(K=0-3)がインバータ回路により反転され、リフレッシュ禁止信号INHIBIT として各メモリマットMAT0〜MAT7に供給される。上記代表として例示的に示されているメモリマットMAT0において、上記インバータ回路により反転されたリフレッシュ禁止信号INHIBIT は、アンドゲート回路Gの一方の入力に供給される。このアンドゲート回路Gの他方の入力には、上記マットセレクト信号MS0が供給される。このアンドゲート回路Gの出力信号MS0’は、上記Xデコーダ、マットコントロール回路、センスアンプ制御回路を活性化させる制御信号とされる。
【0030】
例えば、リフレッシュアドレス信号によりマット選択回路がマット選択信号MS0を発生させ、X−プリデコーダにより形成されたプリデコード信号によりメモリマットMAT0の1つのワード線を指定したとき、上記リフレッシュ禁止信号inhibit-K がロウレベル(‘0’)なら、インバータ回路により反転された上記リフレッシュ禁止信号INHIBIT がハイレベル(‘1’)になり、上記アンドゲート回路Gのゲートを開くよう制御するので、上記制御信号MS0’がマット選択信号MS0のハイレベルに対応してハイレベルになり、上記Xデコーダ、マットコントロール回路、センスアンプ制御回路を活性化させ、上記Xデコーダ・ワードドライバにより1つのワード線を選択してそれに設けられるメモリセルのリフレッシュ動作が行われる。
【0031】
これに対して、リフレッシュアドレス信号によりマット選択回路がマット選択信号MS0を発生させ、X−プリデコーダにより形成されたプリデコード信号によりメモリマットMAT0の1つのワード線を指定したとき、上記リフレッシュ禁止信号INHIBIT がロウレベル(‘0’)なら、上記アンドゲート回路G1がゲートを閉じるよう制御されて、上記マット選択信号MS0がハイレベルの選択レベルであるにもにもかかわらずに、アンドゲート回路Gの出力信号MS0’がロウレベルのままとなり、上記Xデコーダ、マットコントロール回路、センスアンプ制御回路が非活性状態のままとなってリフレッシュが行われない。なお、図1のm進カウンタ、上記m進カウンタの出力信号/T2を受けるゲート、図2のリフレッシュ禁止信号inhibit-K を受けるインバータ回路及びアンドゲート回路Gにより制御回路が構成される。
【0032】
図3には、図2の1つのアレーブロックの動作を説明するためのタイミング図が示されている。タイマ回路により形成されたクロック信号CLKのロウレベルに同期して、内部ロウアドレスストローブ信号/RASがロウレベルになり、リフレッシュの起動がかかる。リフレッシュ禁止信号INHIBIT が実線で示したようにハイレベルなら、リフレッシュアドレス信号A0−A11に対応して内部アドレス信号BXi、それを解読してマット選択信号MSiとプリデコード信号AXiが形成される。そして、選択されたメモリマットにおいては、プリチャージ信号/PCがロウレベルになり、プリチャージ動作が停止させられる。その後、ワード線WLが選択レベルにされ、センスアンプ動作信号CSNがロウレベルに、CSPがハイレベルにされてセンスアンプが増幅動作を開始して、上記ワード線に接続されたメモリセルの記憶情報を増幅して再書込みを行ってリフレッシュ動作を終了させる。
【0033】
上記リフレッシュ禁止信号INHIBIT が点線で示したようにロウレベルなら、リフレッシュアドレス信号A0−A11に対応して内部アドレス信号BXi、それを解読してマット選択信号MSiとプリデコード信号AXiが形成されにもかかわらず、上記マット選択信号MSiがそれに対応したメモリマットMATiに供給されないから、プリチャージ信号/PCはハイレベルのままのプリチャージ動作を維持し、ワード線WLは非選択レベルのロウレベルに固定され、センスアンプ動作信号CSNとCSPも共にハーフプリチャージ電圧のままにされる。
【0034】
クロック信号CLKがロウレベルからハイレベルに立ち上がる時、次のリフレッシュ動作に用いられるリフレッシュアドレス信号A0−A11のインクリメント動作が行われ、それに対応して上記PROMアレーから読み出し動作が行われて上記リフレッシュ禁止信号INHIBIT が次のリフレッシュ動作に先行して出力される。以下、上記クロック信号CLKがハイレベルからロウレベルに変化したタイミングで、上記信号/RASがロウレベルになり、上記リフレッシュ禁止信号INHIBIT に対応してリフレッシュ動作が禁止されるから否かの決定される。
【0035】
図4には、上記メモリマットに設けられるXデコーダの一実施例の回路図が示されている。同図には、8個のワードドハライバ選択回路が代表として例示的に示されている。ワードドライバ選択信号XDS0は、Pチャンネル型MOSFETQ5とNチャンネル型MOSFETQ6からなるCMOSインバータ回路により形成される。このCMOSインバータ回路の入力には、デコーダ回路が設けられる。デコーダ回路は、Pチャンネル型のプリチャージMOSFETQ1とプリデコード信号がゲートに供給されたNチャンネル型MOSFETQ2と、かかるMOSFETQ2に対して直列に設けられるNチャンネル型MOSFETQ3から構成される。このMOSFETQ3のゲートには、プリデコード信号AX2iが供給され、残り7個のワードドライバ選択回路の同様なNチャンネル型MOSFETに対して共通に用いられる。
【0036】
上記Nチャンネル型MOSFETQ3のソースには、デスチャージ信号XDGBが供給される。つまり、マット選択信号MSとロウ系のタイミング信号R1がナンドゲート回路G1とインバータ回路N1及びインバータ回路N2を通して上記ディスチャージ信号XDGBが形成される。上記インバータ回路N1の出力がプリチャージ信号PCとして上記Pチャンネル型のプリチャージMOSFETQ1のゲートに供給される。上記マット選択信号MSは、前記図2の実施例では、上記アンドゲート回路Gにより形成された制御信号MS0’に対応した信号である。
【0037】
この実施例回路の動作は、次の通りである。マット選択信号MS又はタイミング信号R1がロウレベルのとき、上記プリチャージ信号PCがロウレベルになり、Pチャンネル型のプリチャージMOSFETQ1等をオン状態にしてプリチャージ動作を行わせる。これにより、各ワードトライバ選択回路を構成するCMOSインバータ回路の入力レベルがハイレベルになるので、各ワードドランバ選択信号XDS0〜XDS7はロウレベルの非選択レベルにされている。上記のようなプリチャージ信号PCがロウレベルときには、上記デスチャージ信号XDGBがハイレベルにされており、オン状態のプリチャージMOSFETQ1とプリデコード信号AX2i、AX5iによりたとえMOSFETQ2、Q3がオン状態にされていても直流電流が流れることはなく、上記プリチャージ電圧を確保することができる。
【0038】
上記マット選択信号MSとタイミング信号R1のハイレベルにより、上記プリチャージ信号PCがハイレベルになり、上記プリチャージMOSFETQ1等はオフ状態にされる。そして、上記ディスチャージ信号XDGBがロウレベルに変化するので、上記プリデコード信号AX2iとAX5iにより指定される1つのワードドライバ選択回路においてディスチャージ経路が形成されてロウレベルに引き抜かれる。これにより、例えばワードドライバ選択信号XDS7がロウレベルからハイレベルの選択レベルにされる。
【0039】
このとき、残りのワードトライバ選択回路では、ロウレベルの非選択信号により入力側と電源電圧VCCとの間に設けられた帰還用のPチャンネル型MOSFETQ7がオン状態にされて、その入力レベルを電源電圧VCCレベルに固定するというラッチ動作を行う。つまり、残りの非選択のワードドライバ選択回路において、上記プリチャージ電圧がリーク電流により低下してしまうことにより、誤って非選択のワードトライバを選択してしまうことを防止している。
【0040】
この実施例回路において、上記マット選択信号MSを前記のようなリフレッシュ禁止信号INHIBIT によりロウレベルのままにすることにより、上記タイミング信号R1やプリデコード信号AX2iやAX5iが発生されてもデコーダ回路はプリチャージ信号PCがロウレベルのままのプリチャージ動作となり、ワードドライバ選択信号が発生されないのでワード線の選択動作が禁止される。
【0041】
図5には、この発明に係るダイナミック型RAMにおける適応リフレッシュ動作を説明するためのタイミング図が示されている。上記のように短周期に対応されたワード線は、タイマ回路により形成されたクロック信号CLKに同期し、アドレスカウンタの1廻りに対応した時間t1に1回の割合でリフレッシュ動作が実施され、長周期に対応されたワード線はm回(/T2)に1回の割合でリフレッシュ動作が実施される。このようにして、実質的な全ワード線についてのリフレッシュ動作が行われる。
【0042】
リフレッシュ動作の詳細は、拡大して示されているように、クロック信号CLKのロウレベルにより/RAS信号がロウレベルにされて、アドレス信号A0〜A11により指定されたn−1番地のワード線は、分周パルス/T2がハイレベルであるために、PROM出力のデータラッチからのリフレッシュ時間設定情報(category)がロウレベルならリフレッシュ禁止信号inhibit もロウレベルにされることに応じて選択されて、それに設けらるメモリセルのリフレッシュ動作が行われる。もしも、アドレス信号A0〜A11により指定されたn−1番地のワード線は、上記リフレッシュ時間設定情報(category)がハイレベルなら信号inhibit もハイレベルにされるために選択動作が行われないことによりそれに設けられるメモリセルのリフレッシュ動作が禁止される。
【0043】
特に制限されないが、上記信号/RASのハイレベルへの変化に同期してリフレッシュアドレスカウンタが+1の歩進動作を行い、リフレッシュアドレスがn番地に更新される。そして、クロック信号CLKのハイレベルへの変化に同期して、かかるn番地のリフレッシュアドレスによりPROMの読み出しが実施されて、リフレッシュ動作に先行してそのリフレッシュ時間設定情報の読み出しが行われる。
【0044】
この実施例においては、上記リフレッシュアドレスにより各メモリマットにおいてリフレッシュ動作が行われる約4Kビットからなるメモリセルの中で最も短い情報保持時間のものが、上記タイマ回路で形成されたクロック信号CLKのm倍よりも短いものは短周期として記憶され、上記m倍よりも長いものは長周期として記憶される。このとき、高信頼性化のために、PROMセルが未書き込みの状態を上記短周期の情報(例えば‘0’)とされ、それを書き込み状態としたものを上記長周期の情報(例えば‘1’)とされる。
【0045】
上記PROMを後述するようなEPROMセルを用いて構成した場合、書き込み不足やデータの揮発化によって、上記のように‘1’と書き込まれた情報が誤って‘0’と読み出されたとしても、長周期でリフレッシュ動作を行うべきメモリセルが短周期でリフレッシュされるだけとなり、DRAMのデータ保持動作そのものには何ら悪影響を与えないから高信頼性とすることができる。
【0046】
図6と図7には、この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例のブロック図が示されている。図6には、メモリアレイとその周辺選択回路が示され、図8にはアドレスバッファや入出力バッファのような入出力インターフェイス部とタイミング制御回路が示されている。
【0047】
図6において、2つのメモリマットMAT0とMAT1に挟まれてセンスアンプSA01が設けられる。すなわち、センスアンプSA01は、2つのメモリマットMAT0とMAT1に対して選択的に用いられるシェアードセンスアンプとされる。センスアンプSA01の入出力部には、図示しないが選択スイッチが設けられてメモリマットMAT0又はMAT1の相補ビット線(又は相補データ線あるいは相補ディジット線と呼ばれることもある)に接続される。
【0048】
他のメモリマットMAT2,MAT3や、MAT4,MAT5及びMAT6,MAT7もそれぞれ一対とされて、それぞれにセンスアンプSA23,SA45及びSA67が共通に設けられる。上記のような合計8個のメモリマットMAT0〜MAT7と4個のセンスアンプSA01〜SA67により、1つのメモリアレイMARY0が構成される。このメモリアレイMARY0に対してYデコーダYDECが設けられる。YデコーダYDECを挟んで対称的にメモリアレイMARY1が設けられる。このメモリアレイMARY1は、内部構成が省略されているが、上記メモリアレイMARY0と同様な構成にされる。
【0049】
各メモリマットMAT0〜MAT7において、デコーダXD0〜XD7が設けられる。これらのデコーダXD0〜XD7は、プリデコーダ回路XPDの出力信号AXiを解読して4本分のワード線選択信号を形成する。このデコーダXD0〜XD7と次に説明するマット制御回路MATCTRL01〜MATCTRL67の出力信号とによってワード線の選択信号を形成するワードドライバWD0〜WD7が設けられる。このワードドライバには、欠陥救済のための予備のワード線に対応したワードドライバも含まれる。
【0050】
上記一対のメモリマットMAT0,MAT1に対応してマット制御回路MATCTTL01が設けられる。他の対とされるメモリマットMAT2,MAT3〜MAT6,MAT7に対しても同様なマット制御回路MATCTRL23,MATCTRL45,MATCTRL67が設けられる。マット制御回路MATCTRL01〜MATCTRL67は、マット選択信号MSiと信号XE及びセンス動作タイミング信号φSA及び下位2ビットのアドレス信号の解読信号とを受けて、選択されたメモリマットに対した1つのマット制御回路において、4本のワード線の中の1本を選択する選択信号XiB等を出力する。
【0051】
この他に、マット制御回路MATCTRL01〜MATCTRL67は、上記選択されたメモリマットに対応して左右いずれかのメモリマットに対応したビット線選択スイッチをオン状態のままとし、非選択のメモリマットに対応したビット線選択スイッチをオフ状態にする選択信号や、センスアンプの増幅動作を開始させるタイミング信号を出力する。さらに、後述するようなリフレッシュ動作における待機時にはセンスアンプ、ビット線選択スイッチのいずれか1つ又は、両方を制御してビット線をフローティング状態にさせる機能が設けられる。
【0052】
不良ワード線へのアクセスが行われたときには、信号XEのロウレベルにより上記選択信号XiB等を出力が禁止されるので不良ワード線の選択動作が停止される。これに代えて、冗長回路側の選択信号XRiBが形成されるので、予備のワード線が選択状態にされる。
【0053】
図7において、タイミング制御回路TGは、外部端子から供給されるロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE及びアウトプットイネーブル信号/OEを受けて、動作モードの判定、それに対応して内部回路の動作に必要な各種のタイミング信号を形成する。この明細書及び図面では、/はロウレベルがアクティブレベルであることを意味するのに用いている。
【0054】
信号R1とR3は、ロウ系の内部タイミング信号であり、後述するようなロウ系の選択動作のために使用される。タイミング信号φXLは、ロウ系アドレスを取り込んで保持させる信号であり、ロウアドレスバッファRABに供給される。すなわち、ロウアドレスバッファRABは、上記タイミング信号φXLによりアドレス端子A0〜Aiから入力されたアドレスを取り込んでラッチ回路に保持させる。
【0055】
タイミング信号φYLは、カラムウ系アドレスを取り込んで保持させる信号であり、カラムアドレスバッファCABに供給される。すなわち、カラムアドレスバッファRABは、上記タイミング信号φYLによりアドレス端子A0〜Aiから入力されたアドレスを取り込んでラッチ回路に保持させる。
【0056】
信号φREFは、リフレッシュモードのときに発生される信号であり、ロウアドレスバッファの入力部に設けられたマルチプレクサAMXに供給されて、リフレッシュモードのときにリフレッシュアドレスカウンタ回路RFCにより形成されたリフレッシュ用アドレス信号に切り替えるよう制御する。リフレッシュアドレスカウンタ回路RFCは、タイミング制御回路TGに含まれる前記のようなタイマ回路により形成されたリフレッシュ用の歩進パルス(クロック信号CLK)φRCを計数してリフレッシュアドレス信号を生成する。この実施例ではオートリフレッシュとセルフリフレッシュを持つようにされる。
【0057】
タイミング信号φXは、ワード線選択タイミング信号であり、デコーダXIBに供給されて、下位2ビットのアドレス信号の解読された信号に基づいて4通りのワード線選択タイミング信号XiBが形成される。タイミング信号φYはカラム選択タイミング信号であり、カラム系プリデコーダYPDに供給されてカラム選択信号AYix、AYjx、AYkxが出力される。
【0058】
タイミング信号φWは、書き込み動作を指示する制御信号であり、タイミング信号φRは読み出し動作を指示する制御信号である。これらのタイミング信号φWとφRは、入出力回路I/Oに供給されて、書き込み動作のときには入出力回路I/Oに含まれる入力バッファを活性化し、出力バッファを出力ハイインピーダンス状態にさせる。これに対して、読み出し動作のときには、上記出力バッファを活性化し、入力バッファを出力ハイインピーダンス状態にする。
【0059】
タイミング信号φMSは、マット選択動作を指示する信号であり、ロウアドレスバッファRABに供給され、このタイミングに同期してマット選択信号MSiが出力される。タイミング信号φSAは、センスアンプの動作を指示する信号である。このタイミング信号φSAに基づいて、センスアンプの活性化パルスが形成されることの他、相補ビット線のプリチャージ終了動作や、非選択のメモリマット側のビット線を切り離す動作の制御信号を形成するにも用いられる。
【0060】
この実施例では、ロウ系の冗長回路X−RDEが代表として例示的に示されている。すなわち、上記回路X−REDは、不良アドレスを記憶させる記憶回路と、アドレス比較回路とを含んでいる。記憶された不良アドレスとロウアドレスバッファRABから出力される内部アドレス信号BXiとを比較し、不一致のときには信号XEをハイレベルにし、信号XEBをロウレベルにして、正規回路の動作を有効にする。上記入力された内部アドレス信号BXiと記憶された不良アドレスとが一致すると、信号XEをロウレベルにして正規回路の不良ワード線の選択動作を禁止させるとともに、信号XEBをハイレベルにして、1つの予備ワード線を選択する選択信号XRiBを出力させる。
【0061】
図7では省略されているが、上記ロウ系の回路と同様な回路がカラム系にも設けられており、それによって不良ビット線に対するメモリアクセスを検出すると、カラムデコーダYDによる不良ビット線の選択動作を停止させ、それに代えて、予備に設けられているビット線を選択する選択信号が形成される。
【0062】
図8には、この発明に係るダイナミック型RAMのメモリアレイ部の一実施例の要部回路図が示されている。同図においては、メモリマットMAT0の4本のワード線、2対の相補ビット線とこれらに関連したセンスアンプとプリチャージ回路等が代表として例示的に示され、メモリマットMAT1はブラックボックスとして示されている。また、一対の相補ビット線BLLと/BLLに対応した各回路を構成するMOSFETに代表として回路記号が付加されている。
【0063】
ダイナミック型メモリセルは、アドレス選択用MOSFETQmと情報記憶用キャパシタCsから構成される。アドレス選択用MOSFETQmのゲートは、ワード線WLiに接続され、このMOSFETQmのドレインがビット線/BLLに接続され、ソースに情報記憶キャパシタCsが接続される。情報記憶用キャパシタCsの他方の電極は共通化されてプレート電圧VPLが与えられる。
【0064】
上記ビット線BLLと/BLLは、同図に示すように平行に配置され、ビット線の容量バランス等をとるために必要に応じて適宜に交差させられる。かかる相補ビット線BLLと/BLLは、スイッチMOSFETQ1とQ2によりセンスアンプの入出力ノードと接続される。センスアンプは、ゲートとドレインとが交差接続されてラッチ形態にされたNチャンネル型MOSFETQ5,Q6及びPチャンネル型MOSFETQ7,Q8から構成される。Nチャンネル型MOSFETQ5とQ6のソースは、共通ソース線CSNに接続される。
【0065】
Pチャンネル型MOSFETQ7とQ8のソースは、共通ソース線CSPに接続される。共通ソース線CSPに例示的に示されているように、Pチャンネル型MOSFETのパワースイッチMOSFETQ14が設けられて、タイミング信号φSAPがロウレベルにされるとMOSFETQ14がオン状態になって、センスアンプの動作に必要な電圧供給を行う。Nチャンネル型MOSFETQ5とQ6に対応した共通ソース線CSNには、図示しないNチャンネル型MOSFETが設けられ、線の動作タイミングに回路の接地電位を供給する。
【0066】
これらセンスアンプを活性化させるパワースイッチMOSFETは、安定的なセンス動作を行わせるために、センスアンプが増幅動作を開始した時点では比較的小さな電流しか供給できないようなパワースイッチMOSFETをオン状態にし、センスアンプの増幅動作によってビット線BLLと/BLLとの電位差がある程度大きくなって時点で大きな電流を流すようなパワースイッチMOSFETをオン状態にする等して増幅動作を段階的に行うようにされる。
【0067】
上記センスアンプの入出力ノードには、相補ビット線を短絡させるMOSFETQ11と、相補ビット線にハーフプリチャージ電圧HVCを供給するスイッチMOSFETQ9とQ11からなるプリチャージ回路が設けられる。これらのMOSFETQ9〜Q11のゲートは、共通にプリチャージ信号PCBが供給される。MOSFETQ12とQ13は、カラム選択信号YSによりスイッチ制御されるカラムスイッチを構成する。この実施例では、1つのカラム選択信号YSにより4対のビット線を選択できるようにされる。それ故、上記カラム選択信号YSは、同図に例示的に示されている2対のビット線と図示しない残り2対のビット線とに対応した4つのセンスアンプの入出力ノードに設けられたカラムスイッチを構成するMOSFETのゲートに共通に供給され、かかるスイッチMOSFETを介して4対のビット線と4対の入出力線I/Oとがそれぞれ接続される。
【0068】
図9と図10には、この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例のメモリアレイのレイアウト図が示されている。この実施例のダイナミック型RAMは、上記のように約64Mビットのような記憶容量を持つようにされる。図9と図10には、横長とされたチップの左右半分(L,R)ずつのレイアウト図が示され、上記横長のチップにおける中央部分に設けられるY救済回路が両図に重複して示されている。
【0069】
2つのメモリマットを中心にしてセンスアンプと入出力線(SA&I/O)が設けられる。アドレス割り付けは、上側Uと下側LをXアドレスの最上位ビット/X12とX12が割り当てられる。上記のようなYデコーダYDECを中心にして8個ずつの2群に分けられたメモリマットは、アドレス信号/X11とX11が割り当てられる。同図には、X11により指定される下半分が省略されている。上記2群に分けられた8個のメモリマットは、4個ずつに分けられて/X10とX10が割り当てられる。同図では、下側Lの4つのメモリマットに割り当てられるアドレスX10が大小として例示的に示されている。そして、同図では省略されているが、センスアンプを中心にして分けられた2個ずつのメモリマットには、/X9とX9が割り当てられ、センスアンプを中心にして分けられたメモリマットは/X8とX8が割り当てられる。
【0070】
チップの縦方向(上下)には設けられたロウデコーダXDEC及びアレイ制御回路ARYCTRL及びマット外入出力線I/Oは、前記図1におけるワードドライバWD、デコーダXD及びマット制御回路MATCTRLとマット外の入出力線から構成される。チップの長手方向の中央部には、アドレス側とI/O側の入力バッファや出力バっファ等の入出力インターフェイス回路が設けられる。
【0071】
メモリマットに付された矢印は、アドレスの方向を示している。つまり、リフレッシュの順序は、同図では上から下方向に順次に行われる。同図の矢印の方向に順次にリフレッシュを行うようにすると、8192サイクルになってしまいメモリアクセスが制限されので、例えば、アドレスX12により指定されるメモリマットを同時選択するようにして上記のような4つのアレーブロックに分けて、それぞれのワード線毎にリフレッシュ禁止信号を割り当てるとともに、4096(約4K)サイクルで全てのリフレッシュを終了させる。つまり、図1の4つのアレーブロック0〜3は、上記アドレスX12が無効にされることにより、図9(L側)の上側Uと下側Lとで2つのアレーブロック0と1に対応され、図10(R側)の上側Uと下側Lとで2つのアレーブロック2と3に対応される。
【0072】
カラム方向のアドレス割り付けは、Y救済回路を挟んで左側と右側をYアドレスの最上位ビット/Y12とY12が割り当てられる。上記のようなXデコーダXDEC等中心にして左右に分けられたメモリマットは、アドレス信号/Y11とY11が割り当てられる。そして、1つのメモリマット内において、/X10とX10が割り当てられる。上記のようにメモリマット内では4対のビット線が同時に選択されるので、そのうちのいずれか1つのを最終的に選択するときには、Y9とY8あるいは最下位の2ビットY0とY1が用いられる。これにより、Y方向においても全体としてX方向に対応して約8Kのアドレス割り当てが行われる。
【0073】
図11には、この発明に係るダイナミック型RAMの他の一実施例の概略レイアウト図が示されている。この実施例のダイナミック型RAMは、特に制限されないが、前記同様に約64Mbの記憶容量を持つようにされる。メモリアレイは、全体として8個に分けられる。半導体チップの長手方向に対して左右に4個ずつのメモリアレイが分けられて、中央部分に同図では省略されているが、アドレス入力回路、データ入出力回路等の入出力インターフェイス回路が設けられる。
【0074】
上述のように半導体チップの長手方向に対して左右に4個ずつに分けられたメモリアレイは、2個ずつ組となって配置される。このように2個ずつ組となって配置された2つのメモリアレイは、その中央部分にメインワードドライバが配置される。このメインワードドライバは、それを中心にして上下に振り分けられた2個のメモリアレイに対応して設けられる。メインワードドライバは、上記1つのメモリアレイを貫通するように延長されるメインワード線の選択信号を形成する。1つのメモリアレイは、上記メインワード線方向に2Kビット、それと直交する図示しない相補ビット線(又はデータ線ともいう)方向に4Kビットの記憶容量を構成するダイナミック型メモリセルが接続される。このようなメモリアレイが全体で8個設けられるから、全体では8×2K×4K=64Mビットのような大記憶容量を持つようにされる。
【0075】
上記1つのメモリアレイは、メインワード線方向に対して8個に分割される。かかる分割されたメモリブロック毎にサブワードドライバが設けられる。サブワードドライバは、メインワード線に対して1/8の長さに分割され、それと平行に延長されるサブワード線の選択信号を形成する。この実施例では、メインワード線の数を減らすために、言い換えるならば、メインワード線の配線ピッチを緩やかにするために、特に制限されないが、1つのメインワード線に対して、相補ビット線方向に4本からなるサブワード線を配置させる。このようにメインワード線方向には8本に分割され、及び相補ビット線方向に対して4本ずつが割り当てられたサブワード線の中から1本のサブワード線を選択するために、サブワード選択線ドライバが配置される。このサブワード選択線ドライバは、上記サブワードドライバの配列方向に延長される4本のサブワード選択線の中から1つを選択する選択信号を形成する。
【0076】
これにより、上記1つのメモリアレイに着目すると、1つのメインワード線に割り当てられる8個のメモリブロックのうち選択すべきメモリセルが含まれる1つのメモリブロックに対応したサブワードドライバにおいて、1本のサブワード選択線が選択される結果、1本のメインワード線に属する8×4=32本のサブワード線の中から1つのサブワード線が選択される。上記のようにメインワード線方向に2K(2048)のメモリセルが設けられるので、1つのサブワード線には、2048/8=256個のメモリセルが接続されることとなる。
【0077】
図12には、上記ダイナミック型RAMの一実施例のレイアウト図が示されている。同図においては、この発明に係るダイナミック型RAMの理解を助けるために、いわばカラム系の重要な回路ブロックであるセンスアンプSAやカラムデコーダの配置が示されている。同図において、MWDは上記メインワードドライバ、SWDはサブワードドライバ、SAはセンスアンプ、Column Decは、カラムデコーダである。そして、2つのメモリアレイの間に配置されたACTRLは、アレイ制御回路であり、アドレスデコーダや、動作に必要なタイミング信号を供給する。
【0078】
上記のように1つのメモリアレイは、相補ビット線方向に対して4Kビットの記憶容量を持つ。しかしながら、1つの相補ビット線に対して4Kものメモリセルを接続すると、相補ビット線の寄生容量が増大し、微細な情報記憶用キャパシタとの容量比により読み出される信号レベルが得られなくなってしまうために、相補ビット線方向に対しても8分割される。つまり、太い黒線で示されたセンスアンプSAにより 相補ビット線が8分割に分割される。特に制限されないが、後述するように、センスアンプSAは、シェアードセンス方式により構成され、メモリアレイの両端に配置されるセンスアンプを除いて、センスアンプを中心にして左右に相補ビット線が設けられ、左右いずれかの相補ビット線に選択的に接続される。
【0079】
図13には、上記メモリアレイのメインワード線とサブワード線との関係を説明するための要部ブロック図が示されている。同図においては、代表として2本のメインワード線MWL0とMWL1が示されている。これらのメインワード線MWL0は、メインワードドライバMWD0により選択される。同様なメインワードドライバによりメインワード線MWL1も選択される。
【0080】
上記1つのメインワード線MWL0には、それの延長方向に対して8組のサブワード線が設けられる。同図には、そのうちの2組のサブワード線が代表として例示的に示されている。サブワード線は、偶数0〜6と奇数1〜7の合計8本のサブワード線が1つのメモリブロックに交互に配置される。メインワードドライバに隣接する偶数0〜6と、メインワード線の遠端側(ワードドライバの反対側)に配置される奇数1〜7を除いて、メモリブロック間に配置されるサブワードドライバは、それを中心にした左右のメモリブロックのサブワード線の選択信号を形成する。
【0081】
これにより、前記のようにメモリブロックとしては、8ブロックに分けられるが、上記のように実質的にサブワードドライバにより2つのメモリブロックに対応したサブワード線が同時に選択されるので、実質的には4ブロックに分けられることとなる。上記のようにサブワード線を偶数0〜6と偶数1〜7に分け、それぞれメモリブロックの両側にサブワードドライバを配置する構成では、メモリセルの配置に合わせて高密度に配置されるサブワード線SWLの実質的なピッチがサブワードドライバの中で2倍に緩和でき、サブワードドライバとサブワード線とを効率よくレイアウトすることができる。
【0082】
上記サブワードドライバは、4本のサブワード線0〜6(1〜7)に対して共通に選択信号を供給する。また、インバータ回路を介した反転信号を供給する。上記4つのサブワード線の中から1つのサブワード線を選択するためのサブワード選択線FXが設けられる。サブワード選択線は、FX0〜FX7の8本から構成され、そのうちの偶数FX0〜FX6が上記偶数列のサブワードドライバ0〜6に供給され、そのうち奇数FX1〜FX7が上記奇数列のサブワードドライバ1〜7に供給される。特に制限されないが、サブワード選択線FX0〜FX7は、アレイの周辺部では第2層目の金属配線層M2により形成され、同じく第2層目の金属配線層M2により構成されるメインワード線MWL0〜MWLnの交差する部分では、第3層目の金属配線層M3により構成される。
【0083】
図14には、上記メモリアレイのメインワード線とセンスアンプとの関係を説明するための要部ブロック図が示されている。同図においては、代表として1本のメインワード線MWLが示されている。このメインワード線MWLは、メインワードドライバMWDにより選択される。上記メインワードドライバに隣接して、上記偶数サブワード線に対応したサブワードドライバSWDが設けられる。
【0084】
同図では、省略されているが上記メインワード線MWLと平行に配置されるサブワード線と直交するように相補ビット線(Pair Bit Line)が設けられる。この実施例では、特に制限されないが、相補ビット線も偶数列と奇数列に分けられ、それぞれに対応してメモリブロック(メモリアレイ)を中心にして左右にセンスアンプSAが振り分けられる。センスアンプSAは、前記のようにシェアードセンス方式とされるが、端部のセンスアンプSAでは、実質的に片方にした相補ビット線が設けられないが、後述するようなシェアードスイッチMOSFETを介して相補ビット線と接続される。
【0085】
上記のようにメモリブロックの両側にセンスアンプSAを分散して配置する構成では、奇数列と偶数列に相補ビット線が振り分けられるために、センスアンプ列のピッチを緩やかにすることができる。逆にいうならば、高密度に相補ビット線を配置しつつ、センスアンプSAを形成する素子エリアを確保することができるものとなる。上記センスアンプSAの配列に沿って入出力線が配置される。この入出力線は、カラムスイッチを介して上記相補ビット線に接続される。カラムスイッチは、スイッチMOSFETから構成される。このスイッチMOSFETのゲートは、カラムデコーダCOLUMN DECORDER の選択信号が伝えられるカラム選択線YSに接続される。
【0086】
この実施例でも、アレーブロックは、前記のように分けて構成される。また、1つのメインワード線に対して4本のサブワード線を同時に選択状態にすれば、リフレッシュサイクルを1/4に短くできる。つまり、1024サイクルにより1廻りのリフレッシュを行うようにすることができる。上記のように4本のサブワード線を同時に選択状態にするためには、最下位ビットのアドレスA0とA11を無効にすればよい。
【0087】
図15には、この発明に係るDRAMの他の一実施例の概略ブロック図が示されている。この実施例では、長期間とされるリフレッシュ周期がT2、T3及びT4のように複数種類設けられる。つまり、前述したように、DRAMに設けられたメモリセルの情報保持時間は、短いものから長いものまで連続的に分布するものであり、いっそうの最適化を図るためにメモリセルの持つ情報保持時間を可能な限りに有効利用するように、複数種類の最適周期をもってそれぞれのリフレッシュができるようにするものである。
【0088】
タイマ回路では、前記同様にメモリセルの中で最も短い情報保持時間を持つものに合わせたクロック信号CLKが形成される。これを基準にして、アドレスカウンタのキャリー信号CARRYを第1、第2及び第3の各段の分周回路によりそれぞれが1/m1、1/m2及び1/m3のような各分周比により順次に分周して、分周パルス/T2、/T3及び/T4をそれぞれ形成する。ここで、アドレスカウンタの1廻り、言い換えるならば、キャリー信号CARRYの1周期をt1とすると、第1分周回路の分周パルス/T2の周期t2はm1×t1に設定される。第2分周回路の分周パルス/T3の周期t3はm2×t2(=m1×m2×t1)に設定される。そして、第3分周回路の分周パルス/T4の周期t4はm3×t3(=m1×m2×m3×t1)に設定される。
【0089】
上記のように短周期を含めて3通りの長周期に対応して、PROMに記憶されるリフレッシュ時間設定情報(category) は2ビットを単位として行われる。例えば、2ビットの記憶情報が‘0’‘0’なら短周期とされ、‘0’‘1’なら分周パルス/T2に対応された長周期とされ、‘1’‘0’なら分周パルス/T3に対応された長周期とされ、‘1’‘1’なら分周パルス/T4に対応された長周期とされる。
【0090】
上記のようなリフレッシュ時間設定情報(category) は、論理回路LOGによりデコードされ、上記各分周パルス/T2、/T3及び/T4とそれぞれ前記同様に論理積が採られて、上記同様にして対応する分周パルスにより指定された時間割合で対応するリフレッシュ時間設定情報を無効にさせる。このような各信号の論理和信号がリフレッシュ禁止信号(inhibit)として前記のようなマット選択信号/MSの有効/無効を制御する。つまり、分周パルス/T2に対応されたリフレッシュ時間設定情報が設定されたワード線はt2の周期でリフレッシュが行われ、分周パルス/T3に対応されたリフレッシュ時間設定情報が設定されたワード線はt3の周期でリフレッシュが行われ、分周パルス/T4に対応されたリフレッシュ時間設定情報が設定されたワード線はt4の周期でリフレッシュが行われる。
【0091】
この構成では、短いものから長いものまで連続的に分布する情報保持時間を持つメモリセルに対して、各メモリセルの持つ情報保持時間に対応して長い周期でのリフレッシュ動作を行うようにすることができるから、いっそうの低消費電力化が可能になる。
【0092】
図16には、この発明に係るDRAMに搭載される適応リフレッシュコントローラのPROMアレイに用いられるメモリセルの一実施例の構成図が示されている。この実施例では、メモリセルとしてフローティングゲートとコントロールゲートとを持つ不揮発性メモリセルが利用され、フローティングゲートに電荷を注入して、そのしきい値電圧を変化させて情報記憶を行わせるようにされる。
【0093】
この実施例では、DRAMの製造プロセスを利用して上記のような不揮発性メモリセルを形成するために、ゲートが単層ポリシリコン層により構成される。同図(A)には、NMOS方式のものが示され、(B)にはPMOS方式のものが示されている。
【0094】
(A)NMOS方式では、n+型のソース,ドレインの拡散層を挟む半導体領域上に薄いゲート絶縁膜上にフローティングゲート(Floating Gate)が形成される。この単層のフローティングゲートは素子分離用のフィールド絶縁膜を挟んだ隣接の素子形成領域まで延長して形成される。この素子形成領域には、n+型の拡散層からなるコントロールゲート(Control Gate)が形成される。このコントロールゲートは、ワード線WLを兼ねている。
【0095】
(B)PMOS方式では、上記同様にn+型のソース,ドレインの拡散層を挟む半導体領域上に薄いゲート絶縁膜上にフローティングゲートが形成される。このフローティングゲートは素子分離用のフィールド絶縁膜を挟んだ隣接の素子形成領域まで延長して形成される。この素子形成領域には、n型のウェル領域とされており、p+型の拡散層からなるコントロールゲートが形成される。このコントロールゲートは、上記同様にワード線WLを兼ねている。このPMOS方式では、コントロールゲートをn型ウェル領域に形成するため、素子分離用のフィールド絶縁膜のピッチが広くなる結果、NMOS方式よりもメモリセルのサイズが若干大きくなる。
【0096】
上記のような単層ゲート構造とすることにより、DRAMの製造プロセスをそのまま利用し、言い換えるならば、DRAM本体部と同じ製造プロセスにより、適応リフレッシュコントローラを構成するPROMを形成することができる。このPROMは、ワード線毎の情報保持時間に対応して1回限りのリフレッシュ時間設定情報が書き込まれる。それ故、通常のEPROMのように紫外線消去用窓は不要とされる。
【0097】
図17には、上記PROMの一実施例の概略回路図が示されている。ワード線WLは、コントールゲートに接続される。メモリセルのソースは回路の接地電位に接続され、ドレインはデータ線DLに接続される。ワード線には、高抵抗値を持つようにされた負荷MOSFETQ4が設けられる。このMOSFETQ4は、特に制限されないが、Pチャンネル型MOSFETからなり、ソースには書き込み動作のときに高電圧にされる電源端子V3に接続される。上記ワード線WLは、ゲートに定常的に電源電圧V2が与えられたNチャンネル型MOSFETQ3を介してワードドライバの出力端子に接続される。ワードドライバは、Pチャンネル型MOSFETQ1とNチャンネル型MOSFETQ2からなるCMOSインバータ回路により構成される。このワードドライバの動作電圧V1は、特に制限されないが、上記電源電圧V2と同じ電圧とされる。
【0098】
読み出し動作時には、電源端子V3は回路の接地電位又は電源電圧とされるのでPチャンネル型MOSFETQ4は実質的にオフ状態にされる。これにより、ワード線WLはワードドライバの出力信号のハイレベルとロウレベルに対応してハイレベルとロウレベルにされる。ただし、ワード線のハイレベルは、ワードドライバの出力ハイレベルに対してNチャンネル型MOSFETQ3のしきい値電圧分だけ低いレベルにされる。
【0099】
書き込み動作時には、電源端子V3には約12Vのような高い電圧が供給される。ワードドライバの出力信号がロウレベルのときには、MOSFETQ2のコンダクタンスが、上記MOSFETQ4に比べて十分小さいためにワード線WLをロウレベルにする。これに対して、ワードドライバの出力信号がハイレベルにされると、MOSFETQ3がオフ状態になり、ワード線WLは高抵抗としてのMOSFETQ4により電圧V3に対応して約12Vのような高電圧とされる。このとき、データ線DLにハイレベルの書き込み信号が供給されているなら、メモリセルがオン状態となり、ドレイン近傍で高電界で発生したホットエレクトロンがフローティングゲートに注入されて書き込み動作が行われる。もしも、データ線DLがロウレベルなら、メモリセルに電流が流れないので上記のような書き込み動作が行われない。
【0100】
上記のようにフローティンクゲートに電荷が注入されたメモリセルは、上記のような読み出し動作においてワード線WLの選択レベルに対して、高いしきい値電圧を持つようにされる。これにより、ワードトライバでワード線がハイレベルにされるにもかかわらず、メモリセルはオフ状態となってメモリ電流が流れない。上記フローティングゲートへの電荷の注入の有無に対応したメモリセルのオフ状態/オン状態に対応したメモリ電流の有無をセンスアンプによりセンスして‘0’又は‘1’の読み出し信号が得られる。
【0101】
図18には、上記PROMの他の一実施例の概略回路図が示されている。この実施例では、ワードトライバの構成が前記実施例とは異なるようにされる。読み出し動作のときには、信号/WEのハイレベルにより、ゲートに電源電圧VCCが供給されたNチャンネル型MOSFETQ3のソースがロウレベルとなるため、かかるMOSFETQ3がオン状態となり、Pチャンネル型MOSFETQ2のゲートに上記ロウレベルを伝える。Nチャンネル型MOSFETQ1のゲートには、定常的に電源電圧VCCが供給されているのでオン状態にされている。それ故、上記同様なワードトライバを構成するCMOSインバータ回路の出力信号がそのままワード線WLに伝えられる。
【0102】
読み出し動作のときには、信号/WEのロウレベルにより、ロウレベルの選択信号が供給されたときにはゲートに電源電圧VCCが供給されたNチャンネル型MOSFETQ3のソースがハイレベルとなるため、かかるMOSFETQ3がオフ状態となり、Pチャンネル型MOSFETQ2のゲートにはPチャンネル型MOSFETQ5を通して高電圧が供給されるために同様にオフ状態にされる。Nチャンネル型MOSFETQ1のゲートには、定常的に電源電圧VCCが供給されているのでオン状態にされており、上記ワードドライバの出力信号のハイレベルによりオフ状態にされる。それ故、ワード線WLはPチャンネル型MOSFETQ4を通して書き込み用高電圧VPPが伝えられる。
【0103】
もしも、ワードトライバの入力にハイレベルの非選択信号が供給されたなら、ノアゲート回路の出力がロウレベルとなり、Nチャンネル型MOSFETQ3をオン状態にさせる。これにより、Pチャンネル型MOSFETQ3がオン状態となり、ワードトライバの出力信号のロウレベルをワード線WLに伝える。Pチャンネル型MOSFETQ4やQ5は、そのオン抵抗値が上記ワードトライバを構成するNチャンネル型MOSFETに比べて大きくされているので、上記のようにワード線WLはワードドライバの出力信号に対応してロウレベルにされる。メモリセルに対する書き込み動作と読み出し動作は、前記同様であるのでその説明を省略する。
【0104】
図19には、上記PROMの他の一実施例の概略回路図が示されている。この実施例では、記憶情報としてヒューズ(FUSE)が利用される。メモリセルは、ソースが回路の接地電位に接続され、ゲートがワード線に接続され、ドレインとデータ線の間にヒューズが設けられたMOSFETにより構成される。このヒューズは、特に制限されないが、レーザー光線のようなエネルギー線を選択的に照射して切断させられる。
【0105】
上記ワード線WL0〜WL7等は、Xデコーダ(X−DECODER)により選択され、データ線はカラムスイッチを介してセンスアンプSAの入力線(共通データ線)に選択的に接続される。かかるカラムスイッチを構成するMOSFETのゲートには、Yデコーダ(Y−DECODER)により形成された選択信号YS0〜YS11等が供給される。
【0106】
センスアンプSAの入力線(共通データ線)には、プリチャージMOSFETが設けられる。この実施例のPROMでは、非選択期間に信号PCのハイレベルによりPチャンネル型のプリチャージMOSFETがオン状態となって、共通データ線を電源電圧VCCのようなハイレベルにチャージアップしている。選択されたワード線とデータ線の交点に設けられたメモリセルのヒューズが切断されているなら、上記共通データ線のディスチャージ経路が形成されないからハイレベルのままとされ、センスアンプSAを構成するインバータ回路の出力信号がロウレベルにされる。このロウレベルの出力信号を受けて、入力側に設けられたPチャンネル型MOSFETがオン状態となって、上記フローティング状態でハイレベルにされている共通データ線をハイレベルにするというラッチをかける。
【0107】
選択されたワード線とデータ線の交点に設けられたメモリセルのヒューズが切断されない状態なら、上記共通データ線は、上記カラムスイッチMOSFET、データ線及びメモリセルのヒューズとMOSFETからなるディスチャージ経路が形成されてロウレベルにされる。センスアンプSAを構成するインバータ回路は、かかる入力信号のロウレベルにより出力信号をハイレベルにする。このようなハイレベルの読み出し出力のときには、上記ディスチャージ経路により共通データ線はロウレベルに固定されているので、センスアンプSAでは上記のようなラッチ動作を行う回路を用意する必要はない。
【0108】
図20には、上記図19の実施例における2個分のメモリセルの一実施例の構成図が示されている。同図(A)は、2層目と3層目のメタル層M2とM3及びスルーホールTH2のパターン図が示され、(B)は、1層目のメタル層M1、第1層目ポリシリコン層FG、スルーホールTH1、及びコンタクトホールCNTのパターン図が示されている。同図の(A)と(B)は、実際には重合わされて構成されるが、図面が複雑になるので上記のように(A)(B)の2つに分けて示されている。
【0109】
ヒューズは、レーザー光線等の照射による切断を可能にするために最上層のメタル層(アルミニュウム等)により形成される。ヒューズの両端は、スルーホールTH2により2層目のメタル層M2に導かれ、上部ではデータ線DLに接続される。つまり、2層目のメタル層M2は1層目のメタル層M1を介して1層目のポリシリコンFGからなる縦方向に延びるようにされたデータ線DLに接続される。ワード線は1層目のメタル層M1により構成され、横方向に延びるように形成される。このメタル層M1は、MOSFETのゲート電極を構成する1層目のポリシリコン層FGに接続される。
【0110】
上記ヒューズを構成する3層目のメタル層M3は、下部で上記同様に2層目のメタル層M2に接続され、更に1層目のメタル層を介してドレインの拡散層に接続される。ソース拡散層は、上記2つのMOSFET対して共通化されており、接地電位GNDが与えられる。
【0111】
図21には、この発明に係るDRAMの一実施例の概略レイアウト図が示されている。この実施例では、特に制限されないが、適応リフレッシュコントローラに設けられるPROMは、上記のようなヒューズを用いて構成される。このPROMは、ワード線を長く形成してデータ線に接続されるメモリセルの数を数個程度と少なくして、ワード線方向に細長いレイアウト構成とする。これによりメモリチップの長手方向の一端に設けられる。これにより、メモリチップのサイズを長手方向に約0.1351mm程度大きくするだけで済む。
【0112】
この実施例では、リフレッシュアドレス信号A0〜A11がメモリチップの中央部分のエリアを長手方向に適応リフレッシュコントローラが形成された端部に向かうような配線により供給され、かかるコントローラから出力されるリフレッシュ禁止信号inhibit-0 〜inhibit-3 が大きく4つに分けられたメモリマットに供給される。
【0113】
図22には、この発明に係る適応リフレッシュコントローラのPROMに用いられるメモリセルの他の実施例の回路図が示されている。この実施例では、ダイナミック型メモリセルが利用される。ただし、ダイナミック型メモリセルの情報記憶用キャパシタに対して耐圧以上の電圧を選択的に印加してかかるキャパシタを破壊して、その極板間を導通させることにより記憶動作を行われる。
【0114】
このため、メモリセルのプレート電極側には、ダイナミック型RAMのメモリセルと異なり、電圧が変化させられるようされる。つまり、書き込み動作のときには、電源電圧又は電源電圧より若干高い電圧にされる。上記のように破壊を生じさせるメモリセルに対しては、データ線を通して回路の接地電圧を印加することにより、両電極間に比較的高い電圧を供給して絶縁破壊を生じさせるようにする。これにたいして、書き込みを行わないメモリセルに対しては電源電圧に対応したハイレベルを供給して高い電圧が印加されないようにする。
【0115】
DRAMと同じセンスアンプを用いて読み出し動作を行う場合、プレート電圧中間電圧に対して少し高い電圧に設定される。上記絶縁破壊されたキャパシタを持つメモリセルでは中間電圧に対して高い電圧が出力され、絶縁破壊されないキャパシタではロウレベルの出力信号が出力される。つまり、ダイナミック型メモリセルではリフレッシュ動作を行わないと放電してしまいう自然にロウレベルの保持状態にされるからである。
【0116】
図23には、この発明に係るメモリモジュールの一実施例のブロック図が示されている。この実施例のメモリモジュールは、複数のDRAMチップとコントローラチップが同じ実装基板に搭載されて構成される。DRAMチップは、それぞれが公知のリフレッシュ制御回路を持つようにされる。通常のメモリアクセスのときには、通常のリフレッシュ制御動作、CBR(CASビフォワーRASリフレッシュ)等によりリフレッシュ動作が行われる。
【0117】
コントローラチップには、前記と同様なタイマ回路、アドレスカウンタ及びPROMからなる適応リフレッシュコントローラが設けられる。PROMには、各リフレッシュアドレスに対応したDRAMの情報保持時間に対応した短周期か長周期かのリフレッシュ時間設定情報が記憶される。CBRリフレッシュでは内蔵のリフレッシュアドレスカウンタによりリフレッシュ動作が行われるものであり、外部からはどのワード線が選択されるかが不明である。そのため、メモリモジュールにおていは、RASオンリーリフレッシュが利用される。つまり、上記コントローラチップからRASオンリーリフレッシュ動作に必要なRAS信号とアドレス信号が入力される。
【0118】
例えば、リフレッシュ時間設定情報が前記のように短周期と長周期の2種類にされているときには、特定のリフレッシュアドレスA0〜A11に対してPROMからのリフレッシュ時間設定情報が短周期とされたものではタイマ回路により形成されたクロック信号CLKに同期してRAS信号がDRAMに入力されるので上記特定リフレッシュアドレス信号A0〜A11に対してリフレッシュ動作が行われる。特定のリフレッシュアドレスA0〜A11に対してPROMからのリフレッシュ時間設定情報が長周期とされたものは原則としてRAS信号の発生が禁止されるから、リフレッシュ動作が原則として行われない。ただし、前記同様にアドレスカウンタのキリャー信号CARRYを分周回路により1/m1に分周して、上記PROMからの信号を論理回路LOGにより無効にさせる。
【0119】
上記長周期に対応されたリフレッシュ時間設定情報は、実質的にリフレッシュ動作を禁止する信号としてされる。したがって、上記分周回路の分周パルスによりm回に1回の割合でそれを無効にさせることにより、リフレッシュ動作が実施される。このようにして、長周期のリフレッシュ動作は、短周期に対して分周回路の分周比1/mに対応されたm倍の長い周期とされる。
【0120】
図24には、この発明に係るリフレッシュ方法を説明するためのメモリセルの情報保持時間と累積度数の関係を説明するための特性図が示されている。DRAMに形成されるメモリセルは、その製造プロセスのバラツキ等により区々となり、0.1秒以下のものから10秒を超える長いものまで広い範囲に連続的に分布し、しかも全体としては情報保持時間の長いもの多いという傾向にある。従来のリフレッシュ方法では、このようなメモリセルの情報保持時間の分布に対しては何らの配慮もなく、単純に最も短い情報保持時間t1を基準にしてリフレッシュ周期が決定される。累積度数からみると、全体に対して極く少数のメモリセルの情報保持時間によりリフレッシュ周期が決定されるために、メモリセルの持つ情報保持時間をいかに無駄にしているかが判り、それは消費電流を増大させることにつながるものである。
【0121】
この実施例では、最も短い情報保持時間t1を短周期とし、それに対して整数倍にされた保持時間t2を選びだし、それ以上の情報保持時間を持つものを上記長周期t2によりリフレッシュ動作を行わせるようにするものである。これにより、メモリセルの全体からみれば、短周期でリフレッシュ動作が行われるものは、せいぜい1%以下で残り99%を長周期t2によりリフレッシュ動作させることができるから、大幅な低消費電力化を図ることができる。
【0122】
図25には、この発明に係る適応リフレッシュコントローラを起動させるためのタイミング図が示されている。この実施例の適応リフレッシュ動作は、通常のメモリアクセス時の時に行われるリフレッシュ動作ではなく、DRAMがスタンバイ状態にされるときのセルフリフレッシュ動作に利用される。つまり、CBRのタイミングでリフレッシュモードに入り、そのときにライトイネーブル/WEをロウレベルにすることにより、通常のCBRリフレッシュから適応リフレッシュコントローラの動作が有効となって、PROMに記憶されたリフレッシュ時間設定情報に対応された適応リフレッシュ動作(スーパーローパワーモード)が実施される。このスーパーローパワーモードでは、基板バックバイアス電圧発生回路に対してもローパワーモードに切り換えるようにすることにより、スタティック型RAMと同等のデータ保持動作を実現することが可能となる。
【0123】
シンクロナスDRAMのようにコマンドを持つものでは、特定のコマンドの設定により上記適応リフレッシュコントローラの動作を有効にするものであってもよい。このように、適応リフレッシュコントローラによるリフレッシュ動作を起動させる方法は、特定の外部制御端子端子を設けるもの等種々の実施形態を採ることができる。また、メモリモジュールに搭載されるリフレッシュコントローラでは、レジスタを設けてそこに適応リフレッシュ動作を指示するフラグを書き込むようにしてリフレッシュ動作を起動させる等種々の実施形態を採ることができる。
【0124】
図26には、この発明を説明するためのメモリセルの情報保持時間と累積度数の関係を説明するための特性図が示されている。前記のようにDRAMに形成されるメモリセルは、製造プロセスのバラツキ等により区々となり、しかも各DRAM#1〜#3毎に分布が異なる。このため、DRAM#1に対応した時間t1とt2のように固定したのでは、DRAM#2やDRAM#3では保持データが破壊されてしまうメモリセルが生じる。したがって、タイマ回路はそれぞれのDRAM#1〜#3における最も短い情報保持時間に対応したクロック信号CLKを発生させるようにプログラマブルにされる。このようなタイマ回路の発振周波数をプログラマブルにする方法は、前記のようなヒューズを用いて発振回路の時定数をトリミングするもの等により実施される。それぞれのDRAM#1〜#3の保持時間の分布に応じて、長周期に対応された時間t2も任意に設定できるようにされる。この時間t2の設定は、分周回路を可変分周回路とすればよい。
【0125】
図26には、この発明に係る適応リフレッシュ方法を説明するための長周期と平均リフレッシュ周期との関係を説明するための特性図が示されている。上記長周期の時間t2は、最適値が存在する。つまり、この時間t2を長くすれば、単位時間当たりの長周期でのリフレッシュ回数が少なってそこでの消費電流は減少するが、反面では短周期でのリフレッシュ動作が行われるワード線の数が増大して消費電流が増加してしまう。
【0126】
上記短周期t1によるリフレッシュ及び長周期t2によるリフレッシュとによる平均リフレッシュ周期tRは、次式(1)により求められる。
1/tR=(1−Pm(t2))/t1+Pm(t2)/t2 ・・・(1)
ここで、Pm(t2)は、長周期t2でリフレッシュを行うワード線の割合であり、次式(2)で与えられる。
Pm(t2)=(1−Pcell(t2))m ・・・(2)
mは1ワード線当たりのメモリセルの数であり、Pcell(t2)は、メモリセルのリフレッシュ時間がt2以下である確率を示す。
【0127】
図27は、この発明に係るリフレッシュ方法における最適リフレッシュ周期を説明するための特性図が示されている。同図には、2つのサンプル#1と#2が示され、各サンプルにおいてワード線当たりのメモリセルの数が4Kと16Kの場合がそれぞれ示されている。短周期t1に対して長周期t2を長くするに従い、平均リフレッシュ周期が長くされて消費電力となる。しかし、ある長周期t2を長くしていくと、短周期でリフレッシュが行われるメモリセルが増加してしまうので、逆に平均リフレッシュ周期が短くなる。そこで、上記特性のピークに対応して長周期t2が設定される。つまり、式(1)が最小値(tRが最大値)となるようなt2を選ぶようにする。
【0128】
上記のようなメモリセルの情報保持時間の判定は、例えば50ms、100ms、400ms、800ms、2s、4sのような数点でのポーズテストを行うことにより、それぞれの時間で記憶情報が失われていないかの読み出し試験を行う。上記のような数点の試験結果から最短の情報保持時間t1と全体の情報保持時間の予測して最適な長周期t2を求めて、タイマ回路のクロック信号CLKの周波数と、分周回路の分周比を設定するとともに、それぞれのリフレッシュアドレスに対応して短周期か長周期かのリフレッシュ時間設定情報をPROMに書き込むようにする。
【0129】
リフレッシュアドレス毎に一括して長周期でリフレッシュするか短周期でリフレッシュするかを指定するようにすると、必然的に同時にリフレッシュされるメモリセルの数が増大してしまう。この結果、1つでも短周期でリフレッシュする必要があるものが存在したときには、他の全てが長周期でのリフレッシュで足りるにもかかわらず短周期でのリフレッシュをする結果となってしまう。これに対して、本願発明では、リフレッシュアドレスにより選択されるワード線を複数に分割し、各分割されたワード線に設けられるメモリセルの情報保持時間に対応して、ワード線毎に短周期か長周期かを設定できるようにしている。このため、上記の例では上記リフレッシュアドレスにより選択されるメモリセルのうち1つだけ短周期のものが存在した場合、N本に分割されたワード線のうち、上記短周期のメモリセルが存在する1つのワード線のみが短周期でのリフレッシュ動作を行い、他のN−1本のワード線については長周期でのリフレッシュ動作を実施するようにできる。これにより、平均的なリフレッシュ周期が長くでき、低消費電力化を図ることができる。
【0130】
図28には、SOI(Silicon On Insulator) 基板上に形成されたDRAM(以下、SOI−DRAMという)の情報保持時間(リテンション時間)と累積度数との関係を説明するための特性図が示されている。同図には、比較のために通常基板(バルク)に形成されたDRAMの特性も点線で示されている。
【0131】
リテンション時間の平均値は、SOI基板を用いることにより通常の基板(バルク)を用いた場合に比較して5倍ないし10倍程度改善される。これは、SOI基板上に形成されたDRAMメモリセルは、その構造上情報蓄積ノードに相当する拡散層の底面が埋め込み酸化膜に接してpn接合を形成していない。このため、かかるpn接合の面積に比例するリーク電流が大幅に低減されることに起因していると考えられるからである。
【0132】
これに対して、リテンション時間のワースト値は、SOI基板を用いてもほとんど改善されない。そのため、リテンション時間の分布は、同図のように時間の短い側にテールを引いた形状になる。このテール部分のリテンション時間を決めている要因は、欠陥に起因するリーク電流であると考えられる。このような欠陥は、基板内に一定の密度で分布しており、それが接合の近傍に存在すると、その接合のリーク電流を異常に増大させる。SOI−DRAMでは、上記のように接合面積が小さいので、そのようなことが起こる頻度は低くなるるが、リーク電流の大きさ自体は接合面積によらないのでリテンション時間のワースト値そのものは改善されない。
【0133】
上記のようにSOI−DRAMにおいては、大多数のメモリセルのリテンション時間が改善されるにもかかわず、従来技術のリフレッシュ方式ではリフレッシュ周期を効果的に延長することができない。これに対して、本発明のリフレッシュ方式では、分布のテール部分に属するメモリセルとその他の欠陥の無いメモリセルとをそれぞれの実力に応じた周期でリフレッシュを行うことができるので、SOI−DRAM本来の特徴である低リーク電流を生かした低消費電力のDRAMを実現することができる。
【0134】
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。すなわち、
(1) 上記ダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスをを計数して複数のワード線に共通に割り当てられてなるリフレッシュアドレスを生成し、かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周回路により分周し、上記リフレッシュアドレスに割り当てられた複数のワード線毎に上記タイマ回路の出力パルスに相当した短周期か上記分周出力パルスに相当した長周期かのいずれか一方を記憶回路に記憶させて、上記リフレッシュアドレスにより実施されるメモリセルのリフレッシュ動作を上記記憶回路の記憶情報に対応して各ワード線毎に有効/無効にさせ、上記分周回路の出力パルスによりかかるリフレッシュ時間設定情報を無効にすることにより、メモリセルの情報保持時間に対応させられた2以上のリフレッシュ周期によりリフレッシュを行うことが可能となって大幅な低消費電力化を実現できるという効果が得られる。
【0135】
(2) 上記リフレッシュアドレスにより、複数のアレーブロックにおいてそれぞれ設けられたアドレス選択回路をマット選択信号により活性化して1本ずつのワード線を選択するとともに、上記記憶回路に記憶されるリフレッシュ時間設定情報により上記マット選択信号を有効/無効にするという簡単な構成により複数のアレーブロックのワード線毎のメモリセルの情報保持時間に対応させて適応リフレッシュが可能となって低消費電力化を実現することができるという効果が得られる。
【0136】
(3) SOI−DRAMにおいてこの発明に係る適応リフレッシュコントローラを設けることにより、分布のテール部分に属するメモリセルとその他の欠陥の無いメモリセルとをそれぞれの実力に応じた周期でリフレッシュを行うことができるので、SOI−DRAM本来の特徴である低リーク電流を生かした低消費電力のDRAMを実現することができるという効果が得られる。
【0137】
(4) 上記分周回路を第1の分周出力と、かかる第1の分周出力を更に分周した第2の分周出力を形成するものとし、上記リフレッシュ設定情報をかかる分周出力に対応させた複数段階に分けるようにすることによりいっそうの低消費電力化を実現することができるという効果が得られる。
【0138】
(5) 上記記憶回路として、ソースとドレインを構成する拡散層が形成された第1素子形成領域と、コントロールゲートを構成する拡散層が形成された第2素子形成領域と、かかる第1と第2の素子形成領域上の半導体基板上に両領域をまたがるように形成されたフローティングゲートとから単層ゲート構造の不揮発性メモリセルを用いることより、DRAMのプロセスをそのまま利用してPROMも一体的に形成することができるという効果が得られる。
【0139】
(6) 上記記憶回路として、最上層の金属配線層をヒューズと直列形態に接続されたアドレス選択用MOSFETをメモリセルとし、上記ヒューズを高エネルギー光線で選択的に切断させることにより記憶情報の書き込みを行わせることにより簡単にPROMを形成することができるという効果が得られる。
【0140】
(7) 上記記憶回路としては、ダイナミック型メモリセルを用い、かかるメモリセルの情報記憶キャパシタに高電界を作用させて絶縁破壊を生じさせることにより記憶情報の書き込みを行うようにすることにより簡単にPROMを形成することができるという効果が得られる。
【0141】
(8) 上記タイマ回路と上記分周回路の分周比をそれが搭載されたダイナミック型RAMに形成されたメモリセルの情報保持時間に対応してプログラマブルに設定可能することにより、製造プロセスバラツキに適応した最適リフレッシュが実施できるという効果が得られる。
【0142】
(9) 記憶回路に記憶されるリフレッシュ時間設定情報を、メモリセルの未書き込み状態が短時間で実施されるリフレッシュ動作を有効にする記憶情報とされ、書き込み状態が短時間で実施されるリフレッシュ動作を無効にする記憶情報とすることにより、書き込み情報の不足ないし揮発化に対する誤りに対してもメモリ保持データが破壊されてしまうという動作が防止できるから高信頼性にできるという効果が得られる。
【0143】
(10) ダイナミック型メモリセルがマトリックス配置されてなるメモリアレイと、かかるダイナミック型メモリセルの選択動作を行うアドレス選択回路と、外部端子から供給された制御信号又はタイミング信号を受けて動作モードの判定とそれに対応したタイミング信号を形成する制御回路とを備えてなる複数のダイナミック型RAMと、これら複数のダイナミック型RAMに形成されたダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスを発生させるタイマ回路と、かかるタイマ回路の出力パルスを計数してリフレッシュアドレスを生成するリフレッシュアドレスカウンタと、かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周する分周回路と、上記リフレッシュアドレスにより読み出し動作が行われ、複数のダイナミック型RAMにおいて上記リフレッシュアドレスにより選択されるワード線に接続されるダイナミック型メモリセルの最も短い情報保持時間に対応され、上記タイマ回路の出力パルス又は分周回路の分周出力に対応されたリフレッシュ時間設定情報が記憶された記憶回路と、上記リフレッシュアドレスにより各ダイナミック型RAMに対してRASオンリーリフレッシュ動作により実施されるリフレッシュ動作を上記記憶回路に記憶されたリフレッシュ時間設定情報に対応して有効/無効にさせ、上記分周回路の出力によりかかるリフレッシュ時間設定情報を無効にしてなる適応リフレッシュコントローラとを共通の実装基板に搭載してメモリモジュールを構成することにより、メモリモジュールでのリフレッシュ動作の大幅な低消費電力化を図ることができるという効果が得られる。
【0144】
(11) 上記タイマ回路と上記分周回路の分周比を上記ダイナミック型RAMに形成されたメモリセルの情報保持時間に対応してそれぞれがプログラマブルに設定可能にされることにより搭載されるダイナミック型RAMの選別を不要にできるとともに最適リフレッシュの設定が可能になるという効果が得られる。
【0145】
(12) 上記ダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した第1のパルスと、かかる第1のパルスを計数してリフレッシュアドレスと、その1廻りのリフレッシュ動作毎に発生されるキャリー信号を分周してなる第2のパルスを形成し、かかるリフレッシュアドレスに対応された複数のワード線毎のそれぞれに対応され、上記第1のパルス又は第2のパルスに対応されたリフレッシュ時間設定情報を記憶回路に記憶し、上記リフレッシュアドレスにより実施されるリフレッシュ動作を上記記憶回路から読み出されたリフレッシュ時間設定情報に対応して有効/無効にさせ、上記第2のパルスにより記憶回路から読み出されたリフレッシュ時間設定情報を無効にすることにより、DRAMに形成されたダイナミック型メモリセルの情報保持時間に適合したリフレッシュ動作を実施することができるという効果が得られる。
【0146】
(13) 上記第1のパルスと第2のパルスの周期は、それによりリフレッシュ動作が行われるダイナミック型メモリセルの情報保持時間に対応してプログラマブルに設定することによりDRAMの製造バラツキに適合したリフレッシュ動作を実施することができるという効果が得られる。
【0147】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、図9及び図10の実施例において、XDEC、ARYCTRL、I/Oが設けられるエリア中心にして2つのアレーブロックに分けて、言い換えるならば、YアドレスY11と/Y11に対応してアレーブロックを更に2分割し、全体として8個のアレーブロックに分けて、1つのリフレッシュアドレスにより8本のワード線を割り当てるようにしてもよい。この場合には、それぞれのリフレッシュ設定時間情報に対応してリフレッシュ動作の有効/無効を簡単に制御できるようにするため、図1のマット選択回路においては、8個のアレーブロックに対応したマッツト選択信号を形成するようにしておくことが便利である。このように、1つのリフレッシュアドレスにより指定されるワード線の数、言い換えるならば、アレーブロックの数はメモリアレイのレイアウト方式に応じて種々の実施形態を採ることができる。
【0148】
リフレッシュ時間設定情報が記憶されるPROMは、強誘電体キャパシタとアドレス選択用MOSFETとからなる不揮発性のメモリセルを用いるもの、あるいはポリシリコン層からなるヒューズを電気的に切断させるもの等種々の実施形態を採ることができる。
【0149】
DRAM本体の構成、特にメモリアレイのマット分割方法やその選択方法は種々の実施形態を採ることができる。回路の簡素化のために上記メモリアレイが複数のメモリマットに分割され、各メモリマットにおいて同時にリフレッシュ動作のためのワード線が同時に選択されるものにおいても、リフレッシュアドレス単位でのリフレッシュ時間設定情報を決めるようにしてもよい。この場合には、複数のメモリマットの中で最も短い情報保持時間を持つメモリセルにより、上記リフレッシュ時間が合わせられる。
【0150】
DRAMは、制御信号RASやCAS及びWEにより動作が制御されるもの他、クロック信号に同期して動作させられるシンクロナスDRAMや、ランダム入出力回路とシリアル入出力回路とを備えた2ポートメモリ等その入出力インターフェイスは種々の実施形態をとることができるものである。
【0151】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、上記ダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスをを計数して複数のワード線に共通に割り当てられてなるリフレッシュアドレスを生成し、かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周回路により分周し、上記リフレッシュアドレスに割り当てられた複数のワード線毎に上記タイマ回路の出力パルスに相当した短周期か上記分周出力パルスに相当した長周期かのいずれか一方を記憶回路に記憶させて、上記リフレッシュアドレスにより実施されるメモリセルのリフレッシュ動作を上記記憶回路の記憶情報に対応して各ワード線毎に有効/無効にさせ、上記分周回路の出力パルスによりかかるリフレッシュ時間設定情報を無効にすることにより、メモリセルの情報保持時間に対応させられた2以上のリフレッシュ周期によりリフレッシュを行うことが可能となって大幅な低消費電力化を実現できる。
【0152】
上記リフレッシュアドレスにより、複数のアレーブロックにおいてそれぞれ設けられたアドレス選択回路をマット選択信号により活性化して1本ずつのワード線を選択するとともに、上記記憶回路に記憶されるリフレッシュ時間設定情報により上記マット選択信号を有効/無効にするという簡単な構成により複数のアレーブロックのワード線毎のメモリセルの情報保持時間に対応させて適応リフレッシュが可能となって低消費電力化を実現することができる。
【0153】
SOI−DRAMにおいてこの発明に係る適応リフレッシュコントローラを設けることにより、分布のテール部分に属するメモリセルとその他の欠陥の無いメモリセルとをそれぞれの実力に応じた周期でリフレッシュを行うことができるので、SOI−DRAM本来の特徴である低リーク電流を生かした低消費電力のDRAMを実現することができる。
【0154】
上記分周回路を第1の分周出力と、かかる第1の分周出力を更に分周した第2の分周出力を形成するものとし、上記リフレッシュ設定情報をかかる分周出力に対応させた複数段階に分けるようにすることによりいっそうの低消費電力化を実現することができる。
【0155】
上記記憶回路として、ソースとドレインを構成する拡散層が形成された第1素子形成領域と、コントロールゲートを構成する拡散層が形成された第2素子形成領域と、かかる第1と第2の素子形成領域上の半導体基板上に両領域をまたがるように形成されたフローティングゲートとから単層ゲート構造の不揮発性メモリセルを用いることより、DRAMのプロセスをそのまま利用してPROMも一体的に形成することができる。
【0156】
上記記憶回路として、最上層の金属配線層をヒューズと直列形態に接続されたアドレス選択用MOSFETをメモリセルとし、上記ヒューズを高エネルギー光線で選択的に切断させることにより記憶情報の書き込みを行わせることにより簡単にPROMを形成することができる。
【0157】
上記記憶回路としては、ダイナミック型メモリセルを用い、かかるメモリセルの情報記憶キャパシタに高電界を作用させて絶縁破壊を生じさせることにより記憶情報の書き込みを行うようにすることにより簡単にPROMを形成することができる。
【0158】
上記タイマ回路と上記分周回路の分周比をそれが搭載されたダイナミック型RAMに形成されたメモリセルの情報保持時間に対応してプログラマブルに設定可能することにより、製造プロセスバラツキに適応した最適リフレッシュが実施できる。
【0159】
記憶回路に記憶されるリフレッシュ時間設定情報を、メモリセルの未書き込み状態が短時間で実施されるリフレッシュ動作を有効にする記憶情報とされ、書き込み状態が短時間で実施されるリフレッシュ動作を無効にする記憶情報とすることにより、書き込み情報の不足ないし揮発化に対する誤りに対してもメモリ保持データが破壊されてしまうという動作が防止できるから高信頼性にできる。
【0160】
ダイナミック型メモリセルがマトリックス配置されてなるメモリアレイと、かかるダイナミック型メモリセルの選択動作を行うアドレス選択回路と、外部端子から供給された制御信号又はタイミング信号を受けて動作モードの判定とそれに対応したタイミング信号を形成する制御回路とを備えてなる複数のダイナミック型RAMと、これら複数のダイナミック型RAMに形成されたダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスを発生させるタイマ回路と、かかるタイマ回路の出力パルスを計数してリフレッシュアドレスを生成するリフレッシュアドレスカウンタと、かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周する分周回路と、上記リフレッシュアドレスにより読み出し動作が行われ、複数のダイナミック型RAMにおいて上記リフレッシュアドレスにより選択されるワード線に接続されるダイナミック型メモリセルの最も短い情報保持時間に対応され、上記タイマ回路の出力パルス又は分周回路の分周出力に対応されたリフレッシュ時間設定情報が記憶された記憶回路と、上記リフレッシュアドレスにより各ダイナミック型RAMに対してRASオンリーリフレッシュ動作により実施されるリフレッシュ動作を上記記憶回路に記憶されたリフレッシュ時間設定情報に対応して有効/無効にさせ、上記分周回路の出力によりかかるリフレッシュ時間設定情報を無効にしてなる適応リフレッシュコントローラとを共通の実装基板に搭載してメモリモジュールを構成することにより、メモリモジュールでのリフレッシュ動作の大幅な低消費電力化を図ることができる。
【0161】
上記タイマ回路と上記分周回路の分周比を上記ダイナミック型RAMに形成されたメモリセルの情報保持時間に対応してそれぞれがプログラマブルに設定可能にされることにより搭載されるダイナミック型RAMの選別を不要にできるとともに最適リフレッシュの設定が可能になる。
【0162】
上記ダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した第1のパルスと、かかる第1のパルスを計数してリフレッシュアドレスと、その1廻りのリフレッシュ動作毎に発生されるキャリー信号を分周してなる第2のパルスを形成し、かかるリフレッシュアドレスに対応された複数のワード線のそれぞれにに対応され、上記第1のパルス又は第2のパルスに対応されたリフレッシュ時間設定情報を記憶回路に記憶しておき、上記リフレッシュアドレスにより実施されるリフレッシュ動作を上記記憶回路から読み出されたリフレッシュ時間設定情報に対応して有効/無効にさせ、上記第2のパルスにより記憶回路から読み出されたリフレッシュ時間設定情報を無効にすることにより、DRAMに形成されたダイナミック型メモリセルの情報保持時間に適合したリフレッシュ動作を実施することができる。
【0163】
上記第1のパルスと第2のパルスの周期は、それによりリフレッシュ動作が行われるダイナミック型メモリセルの情報保持時間に対応してプログラマブルに設定することによりDRAMの製造バラツキに適合したリフレッシュ動作を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るダイナミック型RAMの一実施例を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の1つのアレーブロックに対応した一実施例を示す概略回路図である。
【図3】図2の1つのアレーブロックの動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】図2のメモリマットに設けられるXデコーダの一実施例を示す回路図である。
【図5】この発明に係るダイナミック型RAMにおける適応リフレッシュ動作を説明するためのタイミング図である。
【図6】この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例を示すメモリアレイとその周辺回路部のブロック図である。
【図7】この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例を示す入出力インターフェイスと制御回路部のブロック図である。
【図8】この発明に係るダイナミック型RAMのメモリアレイ部の一実施例を示す要部回路図である。
【図9】この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例を示すメモリアレイの一部のレイアウト図である。
【図10】この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例を示すメモリアレイの残り一部のレイアウト図である。
【図11】この発明に係るダイナミック型RAMの他の一実施例を示す概略レイアウト図である。
【図12】図11のダイナミック型RAMの一実施例を示すレイアウト図である。
【図13】図12メモリアレイのメインワード線とサブワード線との関係を説明するための要部ブロック図である。
【図14】図12のメモリアレイのメインワード線とセンスアンプとの関係を説明するための要部ブロック図である。
【図15】この発明に係るDRAMの他の一実施例を示す概略ブロック図である。
【図16】この発明に係るDRAMに搭載される適応リフレッシュコントローラのPROMアレイに用いられるメモリセルの一実施例を示す構成図である。
【図17】図16のPROMの一実施例を示す概略回路図である。
【図18】図16のPROMの他の一実施例を示す概略回路図である。
【図19】図16のPROMの他の一実施例を示す概略回路図である。
【図20】図19のPROMにおける2個分のメモリセルの一実施例を示す構成図である。
【図21】この発明に係るDRAMの一実施例を示す概略レイアウト図である。
【図22】この発明に係る適応リフレッシュコントローラのPROMに用いられるメモリセルの他の実施例を示す回路図である。
【図23】この発明に係るメモリモジュールの一実施例を示すブロック図である。
【図24】この発明に係るリフレッシュ方法を説明するためのメモリセルの情報保持時間と累積度数の関係を示す特性図である。
【図25】この発明に係る適応リフレッシュコントローラを起動させるための一実施例を示すタイミング図である。
【図26】この発明を説明するためのメモリセルの情報保持時間と累積度数の関係を示す特性図である。
【図27】この発明に係る適応リフレッシュ方法を説明するための長周期と平均リフレッシュ周期との関係を示す特性図である。
【図28】SOI基板上に形成されたDRAMの情報保持時間と累積度数との関係を説明するための特性図である。
【符号の説明】
MAT0〜MAT7…メモリマット、MARY0,MARY1…メモリアレイ、XD0〜XD7…デコーダ回路、WD0〜WD7…ワードドライバ、SA01〜SA67…センスアンプ、XDEC…ロウデコーダ回路、ARYCTRL…アレイ制御回路、YDEC…カラムデコーダ回路、MATCTRL0〜MATCTRL3…マット制御回路、TG…タイミング制御回路、I/O…入出力回路、RAB…ロウアドレスバッファ、CAB…カラムアドレスバッファ、AMX…マルチプレクサ、RFC…リフレッシュアドレスカウンタ回路、XPD,YPD…プリテコーダ回路、X−DEC…ロウ系冗長回路、XIB…デコーダ回路、
MWD…メインワードドライバ、SWD…サブワードドライバ、ACTRL…アレイコントローラ、Q1〜Q14…MOSFET、BLL,/BLL…ビット線、CSP,CSN…共通ソース線、YS…カラム選択信号、HVC…ハーフプリチャージ電圧、M1〜M3…メタル(アルミニュウム)層、TH1,TH2…スルーホール、CNT…コンタクト、FG…1層目ポリシリコン層。
Claims (11)
- ダイナミック型メモリセルがマトリックス配置されてなるメモリアレイと、上記メモリセルの選択動作を行うアドレス選択回路と、外部端子から供給された制御信号又はタイミング信号を受けて動作モードの判定とそれに対応したタイミング信号を形成する制御回路とを備えたダイナミック型RAMにおいて、
上記ダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスを発生させるタイマ回路と、
かかるタイマ回路の出力パルスを計数して複数のワード線に共通に割り当てられてなるリフレッシュアドレスを生成するリフレッシュアドレスカウンタと、
かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周する分周回路と、 上記リフレッシュアドレスに割り当てられた複数のワード線毎に、上記タイマ回路の出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報と上記分周出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報とからなる2値情報のいずれかを記憶するようにされた記憶回路と、
上記記憶回路に記憶された2値情報が上記タイマ回路の出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報なら上記リフレッシュアドレスによりリフレッシュ動作を実施し、上記記憶回路に記憶された2値情報が上記分周出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報なら上記リフレッシュアドレスによるリフレッシュ動作をスキップさせ、上記分周回路の出力パルスにより上記記憶回路の2値情報を無視して上記リフレッシュアドレスによりリフレッシュ動作を実施してなる適応リフレッシュコントローラとを設け、
上記リフレッシュアドレスに割り当てられる複数のワード線は、複数のアレーブロックに対応して設けられるものであり、かかるアレーブロックは、ワード線の選択動作を行うXデコーダとワードドライバ、マットコントロール回路及びセンスアンプ制御回路がそれぞれ設けられてなる複数のメモリマットからなり、かかる複数のメモリマットにおける上記Xデコーダとワードドライバ、マットコントロール回路及びセンスアンプ制御回路はそれぞれに対応されたマット選択信号により動作制御が行われるものであり、上記マット選択信号を上記記憶回路の2値情報と分周回路の出力パルスに基づいて制御してなることを特徴とするダイナミック型RAM。 - 少なくとも上記メモリセルは、SOI基板上に形成されてなるものであることを特徴とする請求項1のダイナミック型RAM。
- 上記分周回路は、分周比が異なる複数通りの分周出力パルスを形成するものであり、上記リフレッシュ時間設定情報は、かかる複数通りの分周出力パルスの周期に対応させた複数段階に分けられてなる複数通りに設定されるものであり、それに対応した複数ビットからなる記憶情報が上記記憶回路に記憶され、上記記憶回路に記憶された複数ビットからなる記憶情報が上記複数段階の分周出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報なら上記リフレッシュアドレスによるリフレッシュ動作をスキップさせ、上記記憶回路に記憶された複数ビットからなるリフレッシュ時間設定情報は、それに対応する分周パルスが到来する度に無視されて上記リフレッシュアドレスによるリフレッシュ動作が実施されることを特徴とする請求項1又は請求項2のダイナミック型RAM。
- 上記記憶回路は、ソースとドレインを構成する拡散層が形成された第1素子形成領域と、コントロールゲートを構成する拡散層が形成された第2素子形成領域と、かかる第1と第2の素子形成領域上の半導体基板上に両領域をまたがるように形成されたフローティングゲートとから単層ゲート構造のメモリセルを用い、上記フローティングゲートに電荷を注入することにより記憶情報の書き込みを行い、未書き込み状態と書き込み状態からなる2値情報を記憶するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1のダイナミック型RAM。
- 上記記憶回路は、最上層の金属配線層をヒューズとして用い、かかるヒューズに直列形態に接続されたアドレス選択用MOSFETをメモリセルとし、上記ヒューズを高エネルギー光線で選択的に切断させることにより記憶情報の書き込みを行い、未書き込み状態と書き込み状態からなる2値情報を記憶するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1のダイナミック型RAM。
- 上記記憶回路は、ダイナミック型メモリセルを用い、かかるメモリセルの情報記憶キャパシタに高電界を作用させて絶縁破壊を生じさせることにより記憶情報の書き込みを行い、未書き込み状態と書き込み状態からなる2値情報を記憶するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1のダイナミック型RAM。
- 上記タイマ回路と上記分周回路の分周比は、それが搭載されたダイナミック型RAMに形成されたメモリセルの情報保持時間に対応してプログラマブルに設定可能にされるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1のダイナミック型RAM。
- 上記記憶回路は、未書き込み状態が上記タイマ回路の出力パルスに同期して実施されるリフレッシュ動作を有効にする記憶情報とされ、書き込み状態が上記タイマ回路の出力パルスに同期して実施されるリフレッシュ動作を無効にする記憶情報とされるものであることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1のダイナミック型RAM。
- ダイナミック型メモリセルがマトリックス配置されてなるメモリアレイと、かかるダイナミック型メモリセルの選択動作を行うアドレス選択回路と、外部端子から供給された制御信号又はタイミング信号を受けて動作モードの判定とそれに対応したタイミング信号を形成する制御回路とを備えてなる複数のダイナミック型RAMと、
上記複数のダイナミック型RAMに形成されたダイナミック型メモリセルのうち最も短い情報保持時間よりも短くされたリフレッシュ周期に対応した周期的なパルスを発生させるタイマ回路と、かかるタイマ回路の出力パルスを計数して上記複数のダイナミック型RAMに対して共通に供給されるリフレッシュアドレスを生成するリフレッシュアドレスカウンタと、かかるリフレッシュアドレスカウンタのキャリー信号を分周する分周回路と、上記リフレッシュアドレスに対応した複数のダイナミック型RAMのワード線毎に、上記タイマ回路の出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報と上記分周出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報とからなる2値情報のいずれかを記憶するようにされた記憶回路と、上記記憶回路に記憶された2値情報が上記タイマ回路の出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報なら上記リフレッシュアドレスによりリフレッシュ動作を実施し、上記記憶回路に記憶された2値情報が上記分周出力パルスに相当したリフレッシュ時間設定情報なら上記リフレッシュアドレスによるリフレッシュ動作をスキップさせ、上記分周回路の出力パルスにより上記記憶回路の2値情報を無視して上記リフレッシュアドレスによりリフレッシュ動作を実施してなる適応リフレッシュコントローラとを備えてなることを特徴とするメモリモジュール。 - 上記適応リフレッシュコントローラは、1つの半導体集積回路装置により形成されるものであることを特徴とする請求項9のメモリモジュール。
- 上記タイマ回路と上記分周回路の分周比は、上記ダイナミック型RAMに形成されたメモリセルの情報保持時間に対応してそれぞれがプログラマブルに設定可能にされるものであることを特徴とする請求項9又は請求項10のメモリモジュール。
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