JP3454437B2 - 低粘度無溶媒の一液型エポキシ樹脂接着性組成物 - Google Patents

低粘度無溶媒の一液型エポキシ樹脂接着性組成物

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    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
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    • H05K3/285Permanent coating compositions

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な一液型エポキシ
樹脂接着性組成物に関するものである。さらに詳しく
は、速硬化性を有し、貯蔵安定性、接着性および硬化物
性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れ、かつ無溶剤、
無公害の一液型エポキシ樹脂接着性組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、接着性、耐蝕性、機械
的性質、熱的性質および電気的性質に優れていることか
ら、接着剤、塗料、インキ、積層、注型および電気・電
子用絶縁材料として幅広く工業的に利用されている。こ
れらの用途に用いられるエポキシ樹脂配合物は、大きく
1成分系と2成分系に分けられる。
【0003】もっとも一般的に使用されているエポキシ
樹脂配合物は2成分系である。2成分系はエポキシ樹脂
配合物と硬化剤またはその配合物からなり、それらは別
々に保管されて、必要に応じて両者を計量・混合して使
用に供されるため、次のような欠点を指摘される。1)
計量ミスを避けて常に均質な硬化組成物とすることは困
難である。2)混合と脱泡の不完全さに起因する性能の
ばらつきが発生しやすい。3)エポキシ樹脂と硬化剤と
の反応は混合と同時に始まり、系の粘度は次第に上昇し
てゲル化を経て硬化に至る。配合物の粘度は経時的に変
化するため、自動化への適用は不可能になる。4)配合
物の可使時間はエポキシ樹脂と硬化剤の化学構造及び配
合によって定まる。一般に硬化速度の速い系ほど、可使
時間は短くなる。硬化速度に主眼をおけば室温あるいは
低温硬化配合も可能となるが、必然的に可使時間が短く
なり、少量を頻繁に配合する必要が生ずるなど作業効率
の大幅な低下は免れ難い。
【0004】これに対して1成分系では、エポキシ樹脂
に予め硬化剤が配合されているために、2成分系に付随
する問題はすべて解消される。しかしながら、室温で貯
蔵安定性のよい1成分系エポキシ樹脂配合物を調製する
ためには、硬化剤として潜在性硬化剤が必要である。こ
の目的に供される潜在性硬化剤としてこれまでいくつか
のものが提案されている。もっとも単純な潜在性硬化剤
は、室温では固体でエポキシ樹脂に溶解しないが、融点
近傍まで加熱すると溶解して急激に反応を開始する分散
型潜在性硬化剤、例えば、ジシアンジアミド、フェノー
ルノボラック、アジピン酸ジヒドラジド、ジアリルメラ
ミン、ジアミノマレオニトリル、三フッ化ホウ素−アミ
ン錯体、アミン塩、イミダゾール誘導体などがある。他
の潜在性硬化剤は、例えば熱分解により活性化されるア
ミンイミド化合物、水分との接触により活性化されるケ
チミン化合物、光照射により活性化される芳香族ジアゾ
ニウム塩化合物、ジアリルヨードニウム塩化合物、トリ
アリルスルホニウム塩またはセレニウム塩化合物、機械
的圧力または熱で破壊される材料でマイクロカプセル化
された硬化剤などが挙げられる。なかでも最も研究が進
んでいるのは、アミン化合物/エポキシ化合物付加体固
体粒子を液状エポキシ樹脂の共存下で多官能性イソシア
ネート化合物で処理してその潜在性を大幅に改良した硬
化剤であり、特開昭64−70523号公報、特開平1
−113480号公報および特開平4−53818号公
報で技術が開示されている。この場合、硬化剤粒子の表
面にカプセル化膜が形成されることが確認されている。
【0005】また最近、エポキシ樹脂に関する多くの応
用分野、例えば電子材料用ソルダーレジストインキ、導
電性塗料・接着剤、積層用プリプレグおよび金属防食プ
ライマーなどでは、作業または塗装の自動化によるライ
ンの生産性の向上が図られている。この場合、低粘度か
つ良好な硬化物性を与える一液型エポキシ樹脂硬化組成
物が必要である。一般に、汎用ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂の室温における粘度は約
10,000から15,000センチポイズ程度である
が、配合に必要な硬化剤、充填剤および添加剤を加える
と、必然的に配合物の粘度は更に上昇する。スプレーに
よる自動化を図る場合では、配合物の粘度を1,000
センチポイズ程度以下に抑えなければならない。これを
達成するためには、作業温度を室温以上に上げるか、有
機溶媒または反応性希釈剤を添加する方法が考えられ
る。しかしながら、前者の方法では、たとえ前記の潜在
性硬化剤を用いても、用いた硬化剤の硬化反応開始温度
が問題となり、一方、後者の方法では、用いた硬化剤の
耐溶媒性および耐反応性希釈剤の性質が重要となる。い
ずれの方法を用いても、硬化剤の潜在性が失われる傾向
にあり、硬化組成物の一液化は極めて困難である。ま
た、揮発性有機溶媒で希釈するという方法は、省エネル
ギー、環境汚染の観点から敬遠されつつある。さらに、
反応性希釈剤、特に1官能性エポキシ化合物を配合した
場合は、硬化樹脂の物性の低下を招く恐れがある。
【0006】このように、貯蔵安定性、硬化特性および
硬化物性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れ、かつ無
溶剤、無公害の1成分系エポキシ樹脂接着性組成物が強
く望まれているが、現状では、上記すべての要望を答え
るものはほとんど知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、エポ
キシ樹脂は折角優れた様々な利点を持ちながら、1成分
系接着性組成物においては、上記いろいろな問題点があ
るためそれが十分に生かされるには至っていない。
【0008】1成分系エポキシ樹脂接着性組成物の利点
を生かすために、貯蔵安定性、硬化特性および硬化物性
に優れ、しかも低粘度で作業性に優れ、かつ無溶剤、無
公害の一液型エポキシ樹脂接着性組成物が大いに望まれ
ている。
【0009】本発明者らは、従来の技術におけるエポキ
シ樹脂接着性組成物がもつ課題を克服し、1成分系エポ
キシ樹脂接着性組成物の利点が十分に生かせる配合を開
発すべく鋭意研究を重ねて本発明をなすに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)、
(B)、(C)三成分を必須成分として含有することを
特徴とする低粘度無溶媒の一液型エポキシ樹脂接着性組
成物に関する。
【0011】 (A)室温で液状のエポキシ樹脂 100 重量部 (B)反応性希釈剤 5〜100 重量部 (C)マイクロカプセル化アミン系潜在性硬化剤 1〜100 重量部。
【0012】また、他の態様においては、本発明は、上
記(B)成分である反応性希釈剤が、低粘度の1官能性
または多官能性エポキシ化合物である上記記載の一液型
エポキシ樹脂接着性組成物。
【0013】また、他の態様においては、本発明は、上
記(B)成分である反応性希釈剤が、液状酸無水物であ
る上記記載の一液型エポキシ樹脂接着性組成物に関する
ものである。
【0014】更に他の態様においては、本発明は、上記
(C)成分であるマイクロカプセル化アミン系潜在性硬
化剤が、アミン化合物とエポキシ化合物から合成される
破砕状または球状の付加体粒子であって、付加体粒子の
表面積1平方メートル当り、0.01〜0.5グラムの
多官能性イソシアネート化合物でマイクロカプセル化し
て潜在性を賦与した硬化剤粒子を含む粉体型またはマス
ターバッチ型の硬化剤である上記記載の一液型エポキシ
樹脂接着性組成物に関するものである。
【0015】これらの成分から構成される一液型エポキ
シ樹脂接着性組成物は、前述のような望まれていた速硬
化性、貯蔵安定性および硬化物性を満足し、しかも低粘
度で作業性に優れ、かつ無溶剤、無公害である。
【0016】以下、さらに本発明の組成物を構成する各
成分について、詳細に説明する。
【0017】本発明の組成物における(A)成分である
エポキシ樹脂は、室温において液状である、2官能性ま
たは多官能性のエポキシ化合物であれば特に制限はな
い。例えば、2官能性エポキシ化合物としてはビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエー
テル、フタル酸ジグリシジルエステル、環状脂肪族アジ
ピン酸ジエポキシ、ジグリシジルヒダントイン等、3官
能性エポキシ化合物としてはトリグリシジルイソシアネ
ート、トリグリシジルパラアミノフェノール等、4官能
性エポキシ化合物としてはテトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン等、それ以上の官能基を持つエポキシ化合物として
は、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル等が
挙げられる。配合物の粘度を低下させるためには重合度
の低いものが好ましい。本発明組成物においては上記の
化合物の1種または2種以上を混合して使用することが
できる。
【0018】本発明で使用する(B)成分の反応性希釈
剤としては、二つの系統に分けられる。一つは低粘度、
低分子量の1官能性または多官能性エポキシ化合物であ
り、もう一つは液状の酸無水物化合物である。これらの
エポキシ樹脂の粘度をかなり低い水準に効果的に低下さ
せることができる。実用的には、室温における粘度が
1,000センチポイズ以下、好ましくは500センチ
ポイズ以下のものがよい。例えば、1官能性のエポキシ
化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、C12
〜C14アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ス
チレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジ
ルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシ
ジルエステル、2官能性のエポキシ化合物としては(ポ
リ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポ
リ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタ
ンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメ
タノールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリ
ン、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3官能性のエポ
キシ化合物としてはトリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等が
挙げられる。また、液状の酸無水物化合物としては脂肪
族のドデセニル無水コハク酸、脂環式のメチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水メチルハイミック酸、トリアルキルテトラヒドロ無
水フタル酸等が挙げられる。
【0019】有機溶媒などの非反応性希釈剤とは異なっ
て、上記2種類の反応性希釈剤はエポキシ樹脂の硬化構
造に組み込まれるので、硬化物性に対する影響が大き
い。酸無水物化合物は元々エポキシ樹脂の付加重合型硬
化剤として広く用いられており、硬化物に高い耐熱性や
優れた電気的、機械的性質を与えることが知られてい
る。本発明でエポキシ樹脂の粘度を下げるための希釈剤
として用いる場合、必ずしも当量で添加する必要はな
い。また、低粘度のエポキシ化合物、特に1官能性のも
のは、粘度が非常に低く希釈効果がもっとも大きいが、
硬化物の橋かけ密度を低下させるために耐熱性が損なわ
れるという欠点がある。従って、希望とする希釈粘度お
よび硬化物性を考慮した上で上記希釈剤の種類および添
加量を厳密に選択することが肝要である。本発明で
(B)成分の反応性希釈剤の添加量は、少なければ配合
樹脂の粘度低下に役立たず、多過ぎれば配合物の貯蔵安
定性、硬化物性に悪い影響を与えるため、前記(A)成
分のエポキシ樹脂100重量部に対して5〜100重量
部、好ましくは10〜50重量部の範囲がよい。
【0020】本発明の組成物において必須である(C)
成分のマイクロカプセル化アミン系潜在性硬化剤は、ア
ミン化合物とエポキシ化合物から合成される室温で固体
の付加体粒子であって、粒子の表面積1平方メートル当
り、0.01〜0.5グラムの多官能性イソシアネート
化合物でマイクロカプセル化して潜在性を賦与した硬化
剤粒子を含むアニオン重合触媒型硬化剤である。このア
ミン化合物とエポキシ化合物とから合成される付加体
は、破砕状の形状のものであってもあるいは球状のもの
であってもよい。破砕状の形状を有するアミン化合物と
エポキシ化合物との付加体は、従来公知の付加反応で合
成し、粉砕・分級のプロセスを経ることによって得るこ
とができる。また、球状の形状を有するアミン化合物と
エポキシ化合物との付加体粒子は、アミン化合物とエポ
キシ化合物との付加反応に際して、反応溶媒として、ア
ミン化合物とエポキシ化合物は溶解するが生成する付加
体は溶解しない有機溶媒を用い、更に適当な分散安定剤
を反応系中に共存させて、生成する球状付加体粒子を凝
集させることなく安定に分散させることを特徴とする沈
殿又は分散付加反応によって得ることができる。かかる
球状のアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子につい
ては、本願出願人が出願した特開平4−31427号公
報及び特開平4−53818号公報に詳細に記載されて
いる。また、本発明組成物における(C)成分の供給形
態は特に制限がなく、粉体型あるいはマスターバッチ型
のいずれも良い。マイクロカプセル化されていないアミ
ン系付加体を上記エポキシ樹脂(A)の硬化剤として用
い、さらに低分子量の反応性希釈剤(B)を共存させる
と、媒体に対する溶解性の関係でほとんどの付加体が溶
解する。従って、配合組成物の安定性をもたらし、1成
分配合を可能にするためには、反応性希釈剤に不溶かつ
丈夫なカプセル化膜が非常に重要な役割を果している。
カプセル化膜がないか又は薄い場合には硬化性はよくな
るが、逆に安定性は悪くなる。通常の硬化温度(例えば
150℃)で使用する場合は、むしろ組成物の安定性を
重視して比較的厚いカプセル化膜を作った方が好まし
い。多官能性イソシアネート化合物は、アミン化合物/
エポキシ化合物付加体粒子の表面上に存在する水酸基、
吸着された水分及び他の活性水素官能基と反応してポリ
ウレタン、ポリユリヤなどの重合体に転換し、カプセル
化膜を形成すると考えられる。従って、カプセル化膜の
厚みは付加体の固体粒子の表面反応に用いた多官能性イ
ソシアネート化合物の添加量によつて調節できる。多官
能性イソシアネート化合物によつて形成したカプセル化
膜の平均厚みは、100〜5,000Å の範囲がよい
が、特に200〜2,000Å が好ましい。
【0021】膜厚(t)は、電子顕微鏡によりマイクロ
カプセルを包埋した樹脂の薄片を観察して測定すること
ができるが、t=WS/ρS A の関係式から計算により
求めることも可能である。ここで、WS、ρS、Aは、そ
れぞれカプセル化膜の重さ、密度、および付加体粒子の
表面積である。WS /Aは付加体粒子の単位表面積当り
の用いた多官能性イソシアネート化合物の添加量を表す
ことから、上記記述のカプセル化膜の平均厚みを得るた
めには、付加体粒子の表面積1平方メートル当り、0.
01〜0.5グラム、好ましくは0.02〜0.2グラ
ムの多官能性イソシアネート化合物を用いればよい。
【0022】付加体粒子の表面積Aは、質量基準の比表
面積(SW)から、A=WaWの式で計算できる。ここ
で、Wa は付加体粒子の重さである。一般に、粒子の比
表面積(SW)は、SW=φ/φCVρa の式によって与え
られる。ここで、φを比表面積形状係数といい、球につ
いてφ=6である。また、φC をCarmanの形状係数とい
い、球の場合はφC=1であるが、球でない場合はφC
1となる。dVとρaは、それぞれ、粒子の等体積球相当
径と密度である。従って、付加体粒子の比表面積は粒子
の形状と粉体の粒度分布に依存する。破砕状粒子の場合
は、粒子の形状が不規則で、かつ粒度分布が広いので正
確な計算が複雑であるが、粒子の形状が球状で、更に粒
子径が均一であると仮定すれば、球状粒子の場合と同様
に、SW=6/dVρaで近似できる。但しCarmanの形状
係数を考慮にいれると、実際の比表面積は計算値よりも
1〜2倍大きくなる。
【0023】上記の関係より、本発明で言うカプセル化
膜の平均厚み(t)は、次式で与えられる。
【0024】t=(WS/Wa)(ρa/ρS)(dV
6) 平均粒子径の表し方と測定方法は様々あり、それぞれ異
なる値を与えるが、ここで、上式のdV は重力または遠
心沈降法で求めた粒子の体積平均ストークス径を指す。
この式から、カプセル化膜の平均厚みは、多官能性イソ
シアネート化合物の添加率、即ち、(WS/Wa)および
粒子の体積平均ストークス径(dV)に正比例すること
が分かる。(WS/Wa)とdV が分かれば、カプセル化
膜の近似的平均厚みは上式より直ちに求められる。ま
た、同じ(WS/Wa)とdV の条件下で、破砕状粒子の
場合に得られた実際の平均厚みは、球状粒子の場合に比
べて薄いことも予想される。本発明で言う付加体粒子の
単位表面積当り用いた多官能性イソシアネート化合物の
添加量(WS/A)は、次式で計算できる。
【0025】WS/A=(WS/Wa)(dV ρa/6) 多官能性イソシアネート化合物によるアミン化合物/エ
ポキシ化合物のマイクロカプセル化は、アミン化合物と
エポキシ化合物との付加反応によって生成した付加体粒
子に、更に多官能性イソシアネート化合物を反応させる
ことにより、生成した粒子の表面上に多官能性イソシア
ネート化合物による被包層を形成させることによって行
うことができる。
【0026】この目的に供される多官能性イソシアネー
ト化合物としては、トルエンジイソシアネート、メチレ
ンジフェニルジイソシアネートの1核体及び多核体、水
添メチレンジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テト
ラメチルキシレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキ
サメチレントリイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ならび
にそれらと他の活性水素含有化合物との付加反応で生成
する多官能性イソシアネート化合物などが挙げられる。
【0027】多官能性イソシアネート化合物によつてマ
イクロカプセル化されたアミン化合物/エポキシ化合物
付加体はもはや固体粒子であるので、それを上記のエポ
キシ樹脂系に配合すると、硬化直前は一種の充填材とし
て働き、増粘効果を示す。配合組成物の低粘度化を図る
ためには、供給形態としてマスターバッチ型よりも粉体
型のもの、また粒子の形状として破砕状のものよりも球
状のものが粘度に対する寄与が小さいので優れている。
本発明組成物の(C)成分としてマスターバッチ型硬化
剤を用いる場合には、アミン化合物とエポキシ化合物か
ら合成された直径が0.05〜3μmの範囲の付加体を
液状エポキシ樹脂中に分散してから、付加体100重量
部に対して5〜100重量部の多官能性イソシアネート
化合物で処理することによって製造することができ、ま
た、アミン化合物とエポキシ化合物から合成された直径
が1〜30μmの範囲の付加体を液状エポキシ樹脂中に
分散してから、付加体100重量部に対して2〜20重
量部の多官能性イソシアネート化合物で処理することに
よって製造することもできる。前者の製造方法の詳細に
ついては本出願人が出願の特開平4−53818号公報
に、また後者の製造方法の詳細については同様に本出願
人が出願の特開平4−320416号公報に記載されて
いる。また、粉体型硬化剤については、アミン化合物と
エポキシ化合物を付加反応させて付加体粒子を形成させ
るに際し、更に過剰の多官能性エポキシ化合物並びに多
官能性イソシアネート化合物を添加して更に反応を行わ
せることにより、その表面上に多官能性エポキシ樹脂に
より形成される被包層を有し、更に該エポキシ被包層上
に多官能性イソシアネート化合物により形成される被包
層または両者の混合被包層を有するアミン化合物/エポ
キシ化合物付加体粒子を製造させる工程において、多官
能性イソシアネート化合物の添加前の任意の時点におい
て、カルボン酸化合物を反応系に加えて反応させること
によって、低温速硬化性を有し、かつ室温での貯蔵安定
性、耐溶媒性及び硬化物性に優れたエポキシ樹脂用潜在
性硬化剤粒子からなる粉体型硬化剤を製造することがで
きる。かかる方法は、本願出願人が出願の特願平4−1
1199号明細書にその詳細が記載されている。ここで
は、多官能性イソシアネート化合物によるカプセル化反
応を実施する前に付加体を多官能性エポキシ化合物およ
びカルボン酸化合物で修飾しているが、これによって、
より強いカプセル化膜が得られ、硬化剤の潜在性、硬化
特性および耐反応性希釈剤の性質を制御するには、一層
効果的である。
【0028】以下に、本発明組成物の(C)成分である
マイクロカプセル化アミン系潜在性硬化剤の製造方法の
詳細について説明する。
【0029】本発明組成物の(C)成分の潜在性硬化剤
を構成する付加体の原料となるアミン化合物とエポキシ
化合物であるが、これらは硬化剤としての付加体の性質
を考慮して選択される。重要なのはアニオン重合硬化を
推進する化学構造、融点、溶融状態で硬化対象となる配
合エポキシ樹脂に対する優れた相溶性、速い硬化性及び
添加効果(少ない添加量での高い硬化反応性)である。
【0030】この目的に供されるアミン化合物としては
すべての種類が対象たりうるが、それに組み合わせるエ
ポキシ化合物の種類による制約を受ける。なぜならば、
純粋な付加体を合成するためには、重合を避けて付加反
応に止めなければならないからである。
【0031】1官能性エポキシ化合物に対しては、すべ
ての種類のアミン化合物を組み合わせることが可能であ
るが、多官能性エポキシ化合物に組み合わせうるのは、
エポキシ基との反応に寄与する活性水素を1個しか持た
ないアミン化合物だけとなる。いずれの場合において
も、活性水素を持たない3級アミノ基が含まれることは
望ましい。なぜならば、付加体の硬化反応に寄与するア
ミノ基濃度を高める、即ち硬化剤としての添加効果を高
めるうえにおいてその存在は好ましい。更に、この組合
せの条件を満たせば、1種類又は2種類以上のアミン化
合物を組合せて使用してもよい。
【0032】多官能性エポキシ化合物に組合せ得るアミ
ン化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾールや
2,4−ジメチルイミダゾールを代表とするイミダゾー
ル化合物、イミダゾリンや2−メチルイミダゾリンを代
表とするイミダゾリン化合物、N−メチルピペラジンや
N−ヒドロキシエチルピペラジンを代表とするピペラジ
ン化合物、アナバシンを代表とするアナバシン化合物、
3,5−ジメチルピラゾールを代表とするピラゾール化
合物、テトラメチルグアニジンやプリンを代表とするプ
リン化合物、1,2,4−トリアゾールを代表とするト
リアゾール化合物などが挙げられる。
【0033】もう一方の原料であるエポキシ化合物とし
てもすべての種類が対象たりうる。例を挙げれば、1官
能性エポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエ
ーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテ
ル、2官能性エポキシ化合物としては、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、
フタル酸ジグリシジルエステル、3官能性エポキシ化合
物としては、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグ
リシジルパラアミノフェノール、4官能性エポキシ化合
物としては、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、それ以上
の官能基を持つエポキシ化合物としては、クレゾールノ
ボラックポリグリシジルエーテル、フェノールノボラッ
クポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。また、前
記記載の(A)成分又は(B)成分のエポキシ化合物を
用いてもよい。但し、組み合わせるアミン化合物の種類
によって制約を受けることはアミン化合物について述べ
たと同様である。即ち、活性水素を1個しか持たないア
ミン化合物についてはすべての種類のエポキシ化合物と
組み合わせることが可能であるが、2個以上の活性水素
を持つアミン化合物に組合せうるのは1官能性のエポキ
シ化合物だけである。
【0034】エポキシ化合物は、生成する付加体の融点
と溶融状態においての硬化対象であるエポキシ樹脂との
相溶性を考慮して選ばれる。硬化対象となるエポキシ樹
脂としては圧倒的な量がビスフェノールAジグリシジル
エーテルで占められているから、付加体の原料であるエ
ポキシ化合物としては、それに対する相溶性に優れかつ
コスト的にも有利なこの化合物が一般的に用いられる。
エポキシ化合物において、エポキシ濃度はエポキシ当量
(1当量当たりのグラム数)の逆数で表される。エポキ
シ当量が低くなるほどエポキシ基濃度は高くなる。アミ
ンとの付加反応で形成した付加体に含まれる3級アミノ
基濃度をできるだけ高くして硬化剤としての添加効果を
高めるために高いエポキシ基濃度が望ましい。したがっ
て、エポキシ化合物のエポキシ当量としては、出来る限
り小さいことが望まれる。通常は1000以下、好まし
くは500以下のエポキシ化合物が用いられる。
【0035】アミン化合物/エポキシ化合物付加体の融
点は、用いた原料の化学構造、並びに付加の方式、付加
体の構造及びアミン化合物に対するエポキシ化合物の付
加比率によって決定される。それらの適切な選択によ
り、目的に応じて低融点から高融点の付加体を合成する
ことが可能となる。融点が高くなるほど取扱い易くなる
が、反対に配合物の硬化反応開始温度が高くなる。した
がって、硬化性から見れば融点は低いにこしたことはな
いが、取り扱い性、特に夏季における取り扱いを考慮す
ると最低50℃の融点を必要とする。
【0036】アミン化合物/エポキシ化合物付加体は、
通常、等当量又はアミン過剰の条件下で合成されるが、
1官能性エポキシ化合物を用いた場合、エポキシ過剰に
すると得られる付加体の融点が下がる。逆に多官能性エ
ポキシ化合物を用いた場合には、エポキシ過剰にすると
付加反応と重合反応が競争的に起こり、付加体の融点が
上昇する。本発明でアミン化合物/エポキシ化合物付加
体を製造する際のエポキシ化合物とアミン化合物との反
応当量比は、特に制限はないが化学量論量を基本とす
る。
【0037】本発明組成物の(C)成分として粉体型硬
化剤を用いる場合には、本願出願人が出願の特願平4−
11199号に記載の方法によって製造することができ
る。その詳細を以下に記載する。
【0038】かかる態様においても、付加体粒子を形成
するアミン化合物、エポキシ化合物、及びカプセル膜を
形成するイソシアネート化合物等については、上述の通
りである。
【0039】本発明のかかる態様において粉砕型の付加
体粒子を得る場合には、無溶媒又は溶媒中においてアミ
ン化合物とエポキシ化合物とを反応させるにあたって、
上記の量比に基づいて更なる過剰量の多官能性エポキシ
化合物を作用させて、その中に多官能性エポキシ化合物
によって形成される重合エポキシ樹脂の部分が混在して
いるアミン化合物/エポキシ化合物付加体を生成させた
後、反応系から溶媒を除去し、得られた付加体を粉砕・
分級して目的とする付加体粒子を得る。また、他の態様
によって粉砕型の付加体粒子を得る場合においては、ア
ミン化合物/エポキシ化合物付加体を生成させた後、反
応系から溶媒を除去して得られた付加体を粉砕・分級す
ることによって付加体粒子を得、得られた粒子を更に溶
媒に再分散した後に更なる多官能性エポキシ化合物と反
応させて、付加体粒子の表面上に多官能性エポキシ化合
物により形成される重合体の被包層を形成させる。
【0040】かかる更なる多官能性エポキシ化合物の添
加量は、最終的に形成させる付加体粒子の粒径等によっ
て変化するが、一般的には上記付加体100重量部に対
して1〜100重量部であり、5〜50重量部が好まし
い。かかる量が1重量部未満ではエポキシ樹脂用潜在性
硬化剤としての潜在性が十分でなく、かかる硬化剤を添
加した1液型エポキシ樹脂硬化性組成物の保存安定性が
十分でなくなる。また、100重量部を超えると、低温
硬化性が損なわれ、実用的でない。
【0041】重合エポキシ樹脂による混在部分又は被包
層を形成するかかる更なる多官能性エポキシ化合物は多
官能性のものであればよく、アミン化合物と反応して付
加体を形成するエポキシ化合物が多官能性エポキシ化合
物である場合には、付加体を形成するエポキシ化合物と
同じものであってもよく、異なる種類のものであっても
よい。かかる更なる多官能性エポキシ化合物を添加する
時期は、上記に示したように、付加体形成反応の開始前
(即ち反応原料の仕込み段階)、付加体形成反応中、付
加体形成反応終了後、溶媒を除去することによって生成
した付加体を取り出し、粉砕・分級して所望の粒径の粒
子を形成させた後のいずれであってもよい。
【0042】アミン化合物とエポキシ化合物との反応
は、無溶媒又は反応溶媒中において行う。しかし、反応
熱の除去や均一反応の観点から、溶媒中で行った法が望
ましい。かかる目的に用いられる溶媒は当該技術におい
て周知のものであり、アミン化合物とエポキシ化合物の
両方が溶ける単一又は混合溶媒であればよい。例えば、
エタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、セロソルブ、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
【0043】付加体形成反応終了後にかかる反応溶媒を
除去することによって、生成した付加体をまず塊状の形
態で得る。溶媒の除去は、加熱下で減圧蒸発法によって
行われる。次に、得られた塊状の付加体を粉砕・分級す
ることによって所定の粒径を有する付加体粒子を得る。
付加体の粉砕は、まず、カッターミルやピンミルなどで
粗砕した後、次いでジェット粉砕機や遠心分級型ミルで
粒子径が数μmまで微粉砕する。また、付加体粒子の分
級は、ふるい分け機又はエアセパレーターやミクロンセ
パレーターなどの乾式遠心風力分級機によって行われ、
希望とする平均粒子径のものが取り出される。また、か
かる工程によって粉砕・分級した付加体粒子を更に溶媒
に再分散させる際に用いる溶媒は、付加体の生成反応に
おいて用いた溶媒と同一のものであっても異なるもので
あってもよい。かかる再分散用の溶媒としては付加体に
対して溶解性を示さない溶媒を用いる。例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキ
サンなどを用いることができる。また、付加体粒子を溶
媒中に、沈降・凝集を避けて安定に再分散させるため
に、機械的高速撹拌を施してもよく、また、後述の高分
子分散安定剤を適当に添加してもよい。
【0044】本態様の重要な特徴は、生成したアミン化
合物/エポキシ化合物付加体にカルボン酸化合物を反応
させることにある。かかるカルボン酸化合物を作用させ
る時期は、前記の多官能性イソシアネートを付加体粒子
に反応させる前であれば、どの段階で作用させてもよ
い。例えば、アミン化合物/エポキシ化合物の付加体の
形成後にカルボン酸化合物を作用させる場合には、付加
体形成反応終了後、該反応において用いた反応溶媒を除
去する前に、反応系中にカルボン酸化合物を添加して更
に反応を行わせることができる。また、溶媒を除去して
該付加体を取り出して粉砕・分級した後、溶媒中に再分
散させてこれにカルボン酸化合物を加えることによって
反応を行わせることもできる。更に、粉砕・分級した付
加体粒子を溶媒中に再分散させて更なる多官能性エポキ
シ化合物を反応させた後に、反応系中にカルボン酸化合
物を添加して反応を行わせることもできる。
【0045】かかる反応によって、得られる硬化剤粒子
の硬化反応開始温度を低下させ、低温速硬化性を与える
ことができる。この目的に供されるカルボン酸化合物と
しては、全ての種類が対象たりうる。1官能性カルボン
酸化合物と多官能性カルボン酸化合物のいずれを用いる
こともでき、また、脂肪族、脂環式及び芳香族カルボン
酸化合物のいずれを用いることもできる。具体例を挙げ
れば、1官能性の脂肪族カルボン酸化合物としては、酢
酸、トリメチル酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪
酸、2−メチル酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、3−メ
チル吉草酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オク
タン酸、n−デカン酸、ラウリン酸、2官能性の脂肪族
カルボン酸化合物としては、酒石酸、マロン酸、メチル
マロン酸、ジメチルマロン酸、琥珀酸、メチル琥珀酸、
2,2−ジメチル琥珀酸、2,3−ジメチル琥珀酸、グ
ルタル酸、2−メチルグルタル酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1官能性の脂環式カ
ルボン酸化合物としては、シクロプロパンカルボン酸、
1−メチルシクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカ
ルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサン
カルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸、2官能性の脂
環式カルボン酸化合物としては、1,1−シクロブタン
ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ−
4−メチルフタル酸、芳香族カルボン酸化合物として
は、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、o−ベンゾイ
ル安息香酸、トルイル酸、フタル酸、イソフタル酸、サ
リチル酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、p−メトキ
シフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、プロトカテキュ酸、
ベンジル酸、無水トリメリット酸などである。これらの
1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することがで
きるが、添加する反応系において用いられている溶媒に
溶解するものを選択しなければならない。カルボン酸化
合物の付加体に対する添加量は、付加体及びカルボン酸
化合物の種類にもよるが、一般に1〜200重量%であ
り、5〜100重量%が好ましい。
【0046】上記までの処理を行うと、カルボン酸化合
物によって処理され、かつ、過剰量の多官能性エポキシ
化合物により形成される重合エポキシ樹脂部分又は重合
エポキシ樹脂被包層を有するアミン化合物/エポキシ化
合物付加体粒子が得られる。
【0047】かかる粒子が生成した後に、更に多官能性
イソシアネート化合物を反応させることによって、生成
した粒子の表面上に多官能性イソシアネート化合物によ
って被包層を形成させ、又は重合エポキシ樹脂との混合
被包層を形成させる。かかる被包層を形成させないと、
硬化剤粒子の潜在性が期待できない。
【0048】また、他の態様においては、本発明組成物
の成分(C)は、アミン化合物とエポキシ化合物とを、
分散安定剤の存在下において、そのアミン化合物及びエ
ポキシ化合物を共に溶解するが、両者から生成する付加
体は溶解しない有機溶媒中で反応させて形状が球状の付
加体粒子を製造するにあたって、更にアミン化合物とエ
ポキシ化合物との反応の過程中に更なる多官能性エポキ
シ化合物を存在させるか、あるいは該反応の終了後に更
なる多官能性エポキシ化合物を添加して更に反応させ
て、その表面上に多官能性エポキシ化合物により形成さ
れる被包層を有するアミン化合物/エポキシ化合物付加
体球状粒子を生成させた後、得られた付加体球状粒子に
更に多官能性のイソシアネート化合物を作用させること
によって、アミン化合物とエポキシ化合物から合成され
る形状が球状の付加体の表面上に更にエポキシ樹脂によ
り形成される被包層を有し、更に該エポキシ被包層上に
多官能性イソシアネート化合物により形成される被包
層、又は上記両者の混合被包層を有する球状付加体粒子
を製造する方法であって、多官能性イソシアネート化合
物を反応させる前の任意の時点に、該付加体粒子にカル
ボン酸化合物を反応させることを特徴とする方法によっ
て製造することができる。
【0049】かかる態様において用いるアミン化合物、
エポキシ化合物、更なる多官能性エポキシ化合物、多官
能性イソシアネート化合物及びカルボン酸化合物として
は、前述の粉砕型付加体粒子の製造において用いられる
ものを、粉砕型付加体粒子の製造の場合において用いら
れる量と同等の量比で使用することができる。
【0050】かかる態様におけるアミン化合物/エポキ
シ化合物球状付加体粒子の形成は、本発明者らが特開平
4−31427号において提案している沈殿又は分散付
加反応によりはじめて実現できるものである。即ち、本
発明のかかる態様における球状付加体粒子の形成は、ア
ミン化合物とエポキシ化合物とを、有機溶媒として、ア
ミン化合物とエポキシ化合物は溶解するが得られる付加
体は溶解しないものを選び、更に適当な分散安定剤を共
存させ、生成する付加体粒子を凝集させることなく安定
に分散させることによって行い、かかる方法によって粒
子径が制御された球状のアミン化合物/エポキシ化合物
付加体粒子を一段で得ることができる。この反応を行う
に際して最も重要なのは反応に用いる溶媒の選択であ
る。基本的に付加体の原料としてのアミン化合物とエポ
キシ化合物及び後述の分散安定剤を溶解し、その付加生
成物を溶解することなく粒子として析出させる溶媒を用
いることが必要である。一般的にいえば、物質はその極
性が近似した溶媒に溶解する。溶媒の極性の尺度として
溶解度パラメーター(単位:[cal/cm3]1/2)がよく用い
られる。この表示方法によれば、エポキシ化合物、アミ
ン化合物、アミン化合物/エポキシ化合物付加体は、そ
れぞれ、溶解度パラメーターが8〜11、8以上及び1
1〜16の溶媒に溶解する。したがって、本発明の沈殿
又は分散付加反応を実施するためには、溶解度パラメー
ターが8〜11の溶媒が適当である。
【0051】本発明のかかる態様における球状付加体粒
子の形成反応に用いられる溶媒の例を挙げれば、メチル
イソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル
エチルケトン、アセトン、n−ブチルアセテート、イソ
ブチルアセテート、エチルアセテート、メチルアセテー
ト、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、セロソ
ルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、アニソール、トルエ
ン、p−キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン、塩化メ
チレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、クロロベ
ンゼン、ピリジンなどがある。単独あるいは2種以上の
組合せで使用に供される。溶解度パラメーターが8〜1
1の範囲外の溶媒であっても、2種以上の組合せで特定
した範囲内の溶解度パラメーターに調節して使用に供す
ることも可能である。ただし、適合する溶媒の正確な溶
解度パラメーターは当然アミン化合物とエポキシ化合物
の化学構造によって多少異なるので、個々の場合に応じ
て厳密に選択することが肝要である。選択が厳密でない
と、確かに沈殿反応は円滑に進行したとしても、溶媒に
対する生成付加体の溶解度が高くて収率が低くなるとい
うこともありうる。
【0052】分散安定剤は、沈殿反応において析出する
付加体粒子を安定に溶媒中に分散する。それが存在しな
いと、生成した付加体粒子が反応中に凝固して、目的と
する球状粒子が得られなくなる。この目的に供される分
散安定剤としては、生成した付加体と有機溶媒の両方に
対して共に高い親和性をもつ両親媒性の高分子化合物が
適する。また、最初は両親媒性を示さなくても、官能基
の変換反応により両親媒性に変換し得る高分子化合物を
用いてもよい。化学構造的には、グラフト共重合体、ブ
ロック共重合体、ランダム共重合体及びその他の共重合
体のいずれもが資格要件を備えている。
【0053】グラフト共重合体としては、例えばポリ
((メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)−g
−スチレン)、ポリ((メチルメタクリレート−co−
2−ヒドロキシエチルメタクリレート)−g−スチレ
ン)、ポリ((メチルメタクリレート−co−グリシジ
ルメタクリレート)−g−スチレン)、ポリ((スチレ
ン−co−グリシジルメタクリレート)−g−スチレ
ン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート−g
−スチレン)、ポリ(2,3−ジヒドロキシプロピルメ
タクリレート−g−スチレン)、ポリ(アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸−g−スチレン)、ポ
リ(酢酸ビニル−g−スチレン)、ポリ(メタクリル酸
−g−スチレン)、ポリ(アクリルアミド−g−スチレ
ン)、ポリ(エチレンオキシド−g−スチレン)、ポリ
(4−ビニル−N−エチルピリジウムブロミド−g−ス
チレン)、ポリ((メチルメタクリレート−co−メタ
クリル酸)−g−メタクリル酸アルキル(R=C1〜C
12))、ポリ((メチルメタクリレート−co−フルオ
ロアルキルアクリレート)−g−メチルメタクリレー
ト)、ポリ((メチルメタクリレート−co−グリシジ
ルメタクリレート)−g−メチルメタクリレート)、ポ
リ((スチレン−co−グリシジルメタクリレート)−
g−メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール
−g−メチルメタクリレート)、ポリ((メチルメタク
リレート−co−グリシジルメタクリレート)−g−メ
タクリル酸)、ポリ(ブタジエン−g−メタクリル
酸)、ポリ(メチルメタクリレート−g−2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレー
ト−g−N−メチロールアクリルアミド)、ポリ(2−
ヒドロキシエチルメタクリレート−g−N−メチロール
アクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート−g−
12−ヒドロキシステアリン酸)、ポリ((エチルアク
リレート−co−メタクリル酸)−g−12−ヒドロキ
システアリン酸)、ポリ((メチルアクリレート−co
−メタクリル酸)−g−12−ヒドロキシステアリン
酸)、ポリ((スチレン−co−メタクリル酸)−g−
12−ヒドロキシステアリン酸)、ポリ((エチルアク
リレート−co−メタクリル酸)−g−ラウリルメタク
リレート)、ポリ(酢酸ビニル−g−2−エチルヘキシ
ルアクリレート)、ポリ(クロロプレン−g−2−エチ
ルヘキシルアクリレート)などが挙げられる。
【0054】ブロック共重合体としては、例えばポリ
(酢酸ビニル−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−
ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン−b−メタクリ
ル酸)、ポリ(ラウリルメタクリレート−b−メタクリ
ル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−スチレン−b−
エチレンオキシド)、ポリ(12−ヒドロキシステアリ
ン酸−b−エチレンオキシド−b−12−ヒドロキシス
テアリン酸)などが挙げられる。
【0055】また、ランダム共重合体としては、例えば
ポリ(酢酸ビニル−co−ビニルアルコール)、ポリ
(N−ビニルピロリドン−co−酢酸ビニル)、ポリ
(N−ビニルピロリドン−co−メチルメタクリレー
ト)、ポリ(長鎖メタクリレート又はアクリレート−c
o−N−ビニルピロリドン)などが挙げられる。更に、
その他の重合体の例としては、カルボン酸変性ポリフタ
ル酸グリコールエステル、4級化アミン変性ポリエステ
ルなどが挙げられる。
【0056】本発明のかかる態様においては、まず、ア
ミン化合物とエポキシ化合物との球状付加体粒子形成反
応において、更なる過剰の多官能性エポキシ化合物を存
在させることによって、その表面上に多官能性エポキシ
化合物によって生成する重合エポキシ樹脂による被包層
を有する、アミン化合物/エポキシ化合物球状付加体粒
子が得られる。
【0057】被包層を形成するかかる更なる多官能性エ
ポキシ化合物は多官能性のものであればよく、アミン化
合物と反応して付加体を形成するエポキシ化合物が多官
能性エポキシ化合物である場合には、付加体を形成する
エポキシ化合物と同じものであってもよく、異なる種類
のものであってもよい。かかる更なる多官能性エポキシ
化合物を添加する時期は、上記に示したように、球状付
加体粒子形成反応の開始前(即ち反応原料の仕込み段
階)、球状付加体粒子形成反応中、球状付加体粒子形成
反応終了後のいずれであってもよい。付加体形成用エポ
キシ化合物と被包形成用多官能性エポキシ化合物とが同
一の場合には、アミン化合物とエポキシ化合物との反応
に際して予めエポキシ化合物を過剰量用いることによっ
ても本発明の被包層を有する球状付加体粒子を製造する
ことができる。
【0058】生成したアミン化合物/エポキシ化合物球
状付加体粒子とカルボン酸化合物とを反応させる時期
は、多官能性イソシアネート化合物と球状付加体粒子と
の反応の前であれば、どの段階で作用させてもよい。例
えば、付加体を形成するためにアミン化合物と反応させ
るエポキシ化合物として、多官能性エポキシ化合物を過
剰量用いて反応を行わせて、その表面上に過剰の多官能
性エポキシ化合物によって形成される重合エポキシ樹脂
による被包層を有するアミン化合物/エポキシ化合物球
状付加体粒子を形成させる場合には、アミン化合物とエ
ポキシ化合物との反応開始前又は反応が100%終了し
た後にカルボン酸化合物を反応系に添加して反応させる
ことができる。また、アミン化合物とエポキシ化合物と
を反応させて球状付加体粒子を形成した後に更なる多官
能性エポキシ化合物を添加・反応させて該球状粒子上に
重合エポキシ樹脂による被包層を形成させる場合には、
該粒子の形成後又は該被包層の形成後のいずれにおいて
カルボン酸化合物を添加・反応させてもよい。
【0059】かかる反応によって、得られる球状硬化剤
粒子の硬化反応開始温度を低下させ、低温速硬化性を与
えることができる。
【0060】本発明のかかる態様においても、上述の粉
砕型の付加体粒子を得る場合と同様、上記までの工程が
終了した後に、更に多官能性イソシアネート化合物を付
加体球状粒子と反応させることによって、生成した粒子
の表面上に多官能性イソシアネート化合物によって被包
層を形成させ、又は重合エポキシ樹脂との混合被包層を
形成させる。かかる被包層を形成させないと、硬化剤粒
子の潜在性が期待できない。
【0061】ここで用いる多官能性イソシアネート化合
物は、前記と同様のものを、同等の量比で用いることが
できる。
【0062】本発明のかかる態様による球状付加体又は
硬化剤粒子の生成反応において、適切な溶媒及び分散安
定剤を選択することによって、凝集物の生成を避けて付
加反応、カルボン酸化合物による修飾反応及び多官能性
エポキシ化合物又は多官能性イソシアネート化合物によ
る被包層形成反応を反応率100%まで円滑に進行させ
ることが可能であるが、生成する付加体粒子の粒子径の
制御は重要である。付加体粒子の粒子径は、原料と溶媒
の種類、反応条件並びに分散安定剤の化学構造、分子構
造及びその添加量によって支配される。これらの因子の
うち、決定的なのは分散安定剤の化学構造と分子構造で
ある。例えば、2−メチルイミダゾールとビスフェノー
ルAジグリシジルエーテルとのメチルイソブチルケトン
中での沈殿又は分散付加反応において、ポリ((メチル
メタクリレート−co−メタクリル酸)−g−スチレ
ン)のグラフト共重合体を分散安定剤として用いる場合
にはミクロンサイズの粒子を与えるのに対して、4級化
アミン変性ポリエステル系の分散安定剤はサブミクロン
サイズの微粒子を与える。また、分散安定剤の化学構造
にもよるが、一般に分散安定剤の分子量が小さいほど、
得られる付加体粒子の粒子径は大きくなる。次に、粒子
の生成に大きな影響を及ぼすのは反応条件である。一般
的にいえば、分散安定剤濃度、反応温度及び撹拌速度が
高くなるほど、また原料濃度及び反応率が低くなるほ
ど、生成する粒子は小さくなる。これらの因子を適当に
組み合わせれば、生成する付加体又は硬化剤粒子の体積
平均粒子径を0.05〜100μmまで制御することが
できる。
【0063】所望粒子径の付加体粒子の生成後、更なる
多官能性エポキシ化合物と多官能性イソシアネート化合
物の添加によって、付加体粒子の表面上に被包層が形成
される。従って、得られた潜在性硬化剤の平均粒子径
は、元の付加体粒子の平均粒子径よりも大きくなる。前
記記載の付加体粒子の平均粒子径、多官能性エポキシ化
合物の過剰添加量及び多官能性イソシアネート化合物の
添加量の範囲に対して、得られた本発明のかかる態様に
よる球状硬化剤粒子の体積平均粒子径は、0.1〜20
0μmとなる。
【0064】反応装置に所定量の溶媒を仕込み、それに
選択されたアミン化合物、エポキシ化合物及び分散安定
剤を溶解し、撹拌しながら所定温度まで昇温して加熱し
続けると、当初透明であった反応溶液は付加体粒子の生
成に伴って不透明になる。反応の進行に伴って系の不透
明度は次第に増し、分散液特有の乳白色を呈するように
なる。この段階において、アミン化合物とエポキシ化合
物との量比が等当量である場合にはアミン化合物/エポ
キシ化合物付加体球状粒子が形成されており、アミン化
合物に対して多官能性エポキシ化合物を用いておりかつ
該多官能性エポキシ化合物の当量が過剰量である場合に
はアミン化合物/エポキシ化合物付加体球状粒子の表面
上に更に多官能性エポキシ化合物により形成される被包
層を有する球状付加体粒子が形成される。前者の場合に
は、この時点で更なる多官能性エポキシ化合物を添加混
合して反応を継続させることによって、付加体粒子の表
面上に多官能性エポキシ化合物による被包層を形成させ
ることができる。更に、上記の付加体形成及び被包層形
成の後に多官能性イソシアネート化合物を添加して反応
を更に継続することによって、多官能性エポキシ化合物
による被包層の上に多官能性イソシアネート化合物によ
る被包層、又は上記両者の混合被包層を更に形成させる
ことができる。付加体粒子生成反応前又は反応後又は多
官能性イソシアネート化合物による被包層の形成反応前
の任意の段階でカルボン酸化合物を添加することによっ
て、該カルボン酸化合物が付加体粒子の表面あるいは多
官能性エポキシ化合物による被包層の表面から、分子レ
ベル的に粒子の内部に侵入して付加体との修飾反応(イ
オンコンプレックスの形成と考えられる)が起こり、硬
化剤粒子に低温速硬化性を与えることができるものと考
えられる。また、後の多官能性イソシアネート化合物に
よる被包層の形成反応にも寄与し、より強い被包層を形
成させ、硬化剤粒子の耐溶媒性及び潜在性をより向上さ
せることができる。
【0065】これらの反応が終了した後に、分散液を室
温に冷却して有機溶媒用のスプレードライヤーで噴霧乾
燥するか、強制沈降回収して乾燥すれば、目的とする球
状の硬化剤粒子の粉末が直ちに得られる。
【0066】スプレー乾燥法による硬化剤粒子の回収は
最も効率的である。スプレードライヤーに付属の冷却装
置によって、反応に用いた溶媒はほぼ100%回収で
き、次の反応にリサイクル的に利用することが可能であ
る。したがって、原料コストに使用する溶媒の分がほと
んどかからないことがこのプロセスの大きな特徴のひと
つである。スプレードライヤーを用いない場合には、硬
化剤粒子は溶媒中にかなり安定に分散されていて、また
粒子径も小さいため、通常の濾過法や自然沈降法による
粒子の回収はかなり難しい。この場合、分散系に対して
凝集作用を示す溶媒を添加し、分散粒子を凝集沈降させ
て濾過するかまたは遠心分離すれば、硬化剤粒子を溶媒
から分離することができる。更に所定温度で乾燥すると
粒子はほぼ100%回収できる。用いた溶媒は、分別蒸
留することによってスプレー乾燥法と同様に再利用する
ことができる。
【0067】また、本発明組成物の(C)成分として、
マスターバッチ型硬化剤を用いる場合には、以下に記載
する方法によって製造することができる。
【0068】硬化剤マスターバッチは、液状エポキシ樹
脂に分散した付加体粒子を前述の多官能性イソシアネー
ト化合物で処理することによって製造される。
【0069】ここで言う付加体粒子は、前記で無溶媒又
は溶媒中においてアミン化合物とエポキシ化合物とを反
応させた後、反応系から溶媒を除去し、続いて粉砕・分
級のプロセスを経て得られた粒子の形状が破砕状の付加
体粒子、又は前述の本願出願人が特開平4−31427
号公報において提案している沈殿又は分散付加反応によ
って合成された粒子の形状が球状のアミン化合物/エポ
キシ化合物付加体粒子のいずれかを用いてもよい。
【0070】硬化剤マスターバッチ分散媒として用いら
れる液状エポキシ樹脂にとって基本的に重要なのは、そ
れが含む水酸基と粘度である。水酸基はポリイソシアネ
ートと反応して系の粘度を上昇させ、極端な場合にはゲ
ル化に至らしめる。したがって、この目的に供する液状
エポキシ樹脂としては、水酸基を全く含まないか又は含
有してもその水準が極めて低いことが要求される。ま
た、粘度はできるだけ低いことが望ましい。分散媒の粘
度が低いほど、高い濃度での付加体粒子の分散が可能に
なる。この基本的要件に加えて、配合するエポキシ樹脂
と硬化配合物の用途も考慮されるべきである。分散媒と
してのエポキシ樹脂も硬化構造に組み入れられるので、
この配慮は当然のことである。高耐熱性配合の場合には
この目的に適った分散媒エポキシ樹脂が、低金属腐食性
配合においては分解性塩素含有率の低い分散媒エポキシ
樹脂が選ばれるべきである。
【0071】硬化剤マスターバッチを製造するために
は、まず、付加体粒子を分散媒エポキシ樹脂中に均一に
分散する。微細粒子は往々にして2次粒子を形成してい
るので、1次粒子としての分散のためには、機械的分散
処理を必要とする。具体的には、例えば3本ロールミル
による混練が挙げられる。次いで、付加体粒子を分散し
たエポキシ樹脂を、撹拌下に硬化剤の融点以下で加熱す
る。所定の温度に達したところで、過度の温度上昇が起
きない速度でポリイソシアネート化合物を添加し、加熱
を続けながら付加体粒子の処理を行う。反応時間の経過
と共に系中のポリイソシアネート化合物の濃度が低下す
る。イソシアネート基の完全な消失をもって反応終了と
する。この処理により、付加体粒子の表面上にカプセル
膜が形成される。
【0072】本発明組成物における(C)成分の配合量
は目標とする硬化条件と組成物の粘度によるが、少なけ
れば硬化速度が遅くなり実用的でなく、多過ぎれば組成
物の粘度が高くなり作業性が悪くなるため、前記(A)
成分のエポキシ樹脂100重量部に対して1〜100重
量部、好ましくは5〜50重量部の範囲がよい。
【0073】本発明組成物においては、所望によって他
の公知の硬化剤を併用することができる。他の公知の硬
化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、アジピン酸
ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、ジアリルメラミ
ン、ポリ(ピペリジンセバシン酸)アミド、フェノール
樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0074】また、所望によって沈降防止剤、可塑剤、
充填材、顔料等の有機または無機質の改質剤を加えても
よい。沈降防止剤としては、ベントナイト、カオリン、
無水ケイ酸等の粉末およびブロック・グラフト共重合体
を用いることができる。可塑剤の例としては、例えばエ
ポキシ化カダノール、ポリプロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、重合脂肪酸ポリグリシジルエステル等
が挙げられる。充填材の例としては、例えばガラス繊
維、アスベスト繊維、炭素繊維、ケイ酸カルシウム、ア
タバルジャイト、バライト、ケイ藻土、酸化マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、石英粉、溶融シリカ粉、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、タルク、長石粉、マイカ、無水
石膏、カーボンブラック、グラファイト、銀粉、アルミ
ニウム粉、鉄粉などが挙げることができ、配合組成物の
増量、エポキシ樹脂の硬化収縮の低減、機械的性質の改
良、熱伝導性および電気伝導性の向上、難燃化などの目
的に応じて選択される。顔料としては、例えば、カドミ
ウムイエロー、クロムイエロー、ベンガラ、鉛白、チタ
ン白、カーボンブラック等の無機顔料、アゾ系、キノリ
ン系、アントラキノン系、フタロシアリン系等の有機顔
料を挙げることができる。また、硬化樹脂の強靭性を改
良するために、シリコーン、ウレタンやゴム変性エポキ
シ樹脂、CTBNを代表とする液状ゴムを適当にブレン
ドしてもよい。
【0075】上記改質剤の配合量は目的にもよるが、一
般的に、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に
対して0.1〜100重量部、好ましくは、1〜50重
量部がよい。
【0076】本発明の一液型エポキシ樹脂接着性組成物
を製造するには、一般に知られる配合手法を用いること
ができ、単に必須成分である(A)、(B)、(C)の
3成分及び他の硬化剤や改質剤をホモミクサー、プラネ
タリーミクサー、三本ロールミル、あるいはニーダー等
で均一混練するだけで容易に得られる。本組成物は、速
硬化性を有し、貯蔵安定性、接着性および硬化物性に優
れ、しかも揮発性の有機溶剤を含まず低粘度であること
は、スプレー、含浸、注型など作業の自動化および作業
環境の保全が可能となり、従来提案された他のエポキシ
樹脂接着性組成物よりもかなり優れていると言える。
【0077】
【実施例】以下、比較例および実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。これらの例によって、本発明の範
囲を制限するものではない。なお、比較例および実施例
に用いた(A)成分及び(B)成分の具体的内容は、次
の通りである。
【0078】(A)成分:液状エポキシ樹脂:EP825 :ビスフェノールAジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、エポキシ当量175(油化シェルエポキ
シ(株)、エピコート825)EP807 :ビスフェノールFジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、エポキシ当量170(油化シェルエポキ
シ(株)、エピコート807) (B)反応性希釈剤:CGE :クレジルグリシジルエーテル(坂本薬品工業
(株)、m,p−CGE)CYH :シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエー
テル(エイ・シー・アイ・ジャパン・リミテッド、ヘロ
キシMK−107)MHHPA :メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化
成工業(株)、HN−5500E)
【0079】
【製造例】本発明組成物及び比較用組成物の(C)成分
であるアミン系硬化剤は、以下のようにして製造した。
【0080】硬化剤C(比較例):温度計、還流冷却器
及びステンレス鋼製プロペラー型撹拌装置を備えた内容
積3,000mlの丸底三つ口フラスコに、キシレン60
0gと2−メチルイミダゾール300gを仕込み、撹拌
しながら120℃に加熱して、2−メチルイミダゾール
を完全に溶解させた。次いで撹拌を続けながら、300
gのキシレンに680gのエポキシ当量186のビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル(油化シェルエポキシ
株式会社製、エピコート828)を溶解した溶液を、温
度を120℃に保ちながら90分間にわたって添加し
た。生成した付加体はキシレンに不溶のために、反応の
進行に伴って粘稠な飴状体として析出した。更に2時間
にわたって反応を続け、エポキシ基の分析によって反応
率が98%以上に達したことを確認してから、温度を室
温まで下げた。
【0081】撹拌を停止し、上層のキシレンを傾斜法で
除去してから、フラスコの内容物を140℃に加熱し、
残留キシレンを10mmHgの減圧下で留去した。次いで、
溶融している付加体を浅皿に流し込み、冷却して赤褐色
の付加体塊を得た。これをジェットミルで繰り返し粉砕
し、最後に分級して、ストークス平均粒子径で2.9μ
mの破砕状の形状を有する付加体粒子を得た。この2−
メチルイミダゾール(2Mz)/ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル(BADGE)型エポキシ樹脂の破砕
状付加体粒子の微粉体を「硬化剤C」と称する。
【0082】硬化剤S(比較例):温度計、還流冷却器
およびテフロン製半月型撹拌装置を備えた内容積1,0
00mlの三つ口丸底フラスコに、28.0gの2−メチ
ルイミダゾールおよび分散安定剤としてポリ((スチレ
ン−co−グリシジルメタクリレート)−g−メチルメ
タクリレート)のグラフト共重合体(東亜合成化学工業
株式会社製、レゼダGP−300)4.54gを仕込、
これに542.53gのメチルイソブチルケトン(MI
BK)を加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解
した。次いでエピコート828の50%MIBK溶液1
25.60gを加え、内容物を300rpmの速度で撹拌
しながら70℃で9時間反応させた。当初無色透明の反
応液は、反応時間が経過するにつれて次第に乳白色・不
透明な液に変化し、反応終期においてはクリーム色を帯
びた乳白色の分散液となった。
【0083】70℃で9時間の反応率100%に達した
ら、室温に冷却し、有機溶剤系用スプレードライヤー
(ヤマト科学株式会社製、GS−31型)で噴霧乾燥し
て、硬化剤粒子を回収した。噴霧乾燥の条件は次の通り
であった。
【0084】乾燥チャンバー入口温度: 100℃ 乾燥チャンバー出口温度: 74℃ コンデンサー出口温度: 16℃ 噴霧ノズル径: 0.4 mm 噴霧圧力: 1.2 kg/cm2 熱風流量: 0.5 m3/min 送液速度: 10 g/min この噴霧乾燥により、ほぼ理論量の付加体粒子が白色の
乾燥粉末として回収された。走査型電子顕微鏡による観
察では、硬化剤粒子はほぼ一次粒子のままで回収されて
いることがわかった。また、超遠心式自動粒度分布測定
装置(堀場製作所製、CAPA−700)による測定
で、得られた付加体粒子の体積平均粒子径は2.8μm
であった。この2Mz/BADGEエポキシ樹脂の球状
付加体粒子の微粉体を「硬化剤S」と称する。
【0085】硬化剤SP(本発明に係る粉体型マイクロ
カプセル化潜在性硬化剤):上記の反応で得られた硬化
剤Sの球状付加体粒子を、多官能性エポキシ化合物及び
カルボン酸化合物で処理した後、多官能性イソシアネー
ト化合物(付加体粒子に対して16%の添加量、WS
A=0.10g/m2)を用いて反応させて、粉体型マイ
クロカプセル化潜在性硬化剤を製造した。製造方法の詳
細は以下の通りである。
【0086】温度計、還流冷却器、滴下漏斗およびテフ
ロン製半月型撹拌装置を備えた内容積1,000mlの四
つ口丸底フラスコに、24.0gの2−メチルイミダゾ
ール及び3.90gのレゼダGP−300を仕込、これ
に465.03gのMIBKを加えてから、温度を70
℃に上げて完全に溶解した。次いでエピコート828の
50%MIBK溶液107.66gを加え、内容物を3
00rpmの速度で撹拌しながら70℃で9時間反応させ
た。これにエピコート828の50%MIBK溶液5
1.01gおよび洗浄用のMIBK21.43gを添加
し、さらに同温度で4時間反応させた。これに2−エチ
ルヘキサン酸の30%MIBK溶液71.50gを漏斗
よりゆっくり滴下し、滴下終了後さらに同温度で3時間
反応させた。最後にメチレンジフェニルジイソシアネー
ト(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートM
T)の10%MIBK溶液128.7gを漏斗より12
0分間にわたって滴下し、滴下終了後さらに同温度で1
0時間反応させ、反応率をほぼ100%まで到達させ
た。反応終期においては、若干クリーム色を帯びた乳白
色を呈する均一かつ安定な分散液となった。こうして合
成した硬化剤粒子の分散液をn−ヘキサンによる粒子の
凝集沈降回収および40℃で3日間真空乾燥を行い、乾
燥した白色の粉末をほぼ定量的に得た。得られた硬化剤
粒子の体積平均粒子径は3.3μmであった。
【0087】このようにして得られた本発明に係る粉体
型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を「硬化剤SP」と
称する。
【0088】硬化剤CP(本発明に係る粉体型マイクロ
カプセル化潜在性硬化剤):上記の反応で得られた硬化
剤Cの破砕状付加体粒子を多官能性エポキシ化合物及び
カルボン酸化合物で処理した後、多官能性イソシアネー
ト化合物(付加体粒子に対して20%の添加量、WS
A=0.12g/m2)を用いて反応させて、本発明に係
る粉体型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を製造する。
製造方法の詳細は、以下の通りである。
【0089】温度計、還流冷却器、滴下漏斗およびテフ
ロン製半月型撹拌装置を備えた内容積1,000mlの四
つ口丸底フラスコに、上記で製造された平均粒子径2.
9μmの硬化剤Cの微粉体80.0gを仕込、これに5
30.0gのシクロヘキサン及び分散安定剤として6.
0gのICI(株)製ハイパーマーLP8(4級化アミ
ン変性ポリエステルの40%トルエン溶液)を加えてか
ら、内容物を400rpmの速度で撹拌しながら温度を
60℃に上げて完全に分散させた。これにエピコート8
28の50%MIBK溶液52.50gを漏斗より60
分間にわたって滴下し、滴下終了後さらに同温度で8時
間反応させた。これに2−エチルヘキサン酸の30%シ
クロヘキサン溶液36.80gを漏斗よりゆっくり滴下
し、滴下終了後さらに同温度で4時間反応させた。最後
にメチレンジフェニルジイソシアネート(ミリオネート
MT)の10%シクロヘキサン溶液160.0gを漏斗
より180分間かけて滴下し、滴下終了後さらに同温度
で20時間反応させ、反応率をほぼ100%まで到達さ
せた。反応終期においては、クリーム色を呈する均一の
分散液となった。こうして合成した硬化剤粒子の分散液
を2,000mlのビーカーに移し、一晩静置沈降さ
せ、粒子をガラスフィルターで濾別し、さらに45℃で
2日間真空乾燥して淡黄色の粉体を得た。得られた硬化
剤粒子の体積平均粒子径は3.4μmであった。
【0090】このようにして得られた本発明に係る粉体
型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を「硬化剤CP」と
称する。
【0091】硬化剤SM(マイクロカプセル化潜在性硬
化剤):水酸基を含まない液状エポキシ樹脂中に平均粒
子径0.2μmの2Mz/BADGEエポキシ樹脂の球
状付加体粒子を分散し、これに多官能性イソシアネート
化合物として日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネ
ートMR−300を付加体粒子に対して40%(WS
A=0.02g/m2)添加して本発明に係るマスターバ
ッチ型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を製造した。製
造方法の詳細は以下の通りである。
【0092】温度計、還流冷却器及びガラス製半月型撹
拌装置を備えた内容量5,000mlの丸底三つ口フラス
コに、3,400gのメチルイソブチルケトン(MIB
K)を仕込み、これに115gの2−メチルイミダゾー
ル(2Mz)(1.39当量)を加え、温度を50℃に
上げて完全に溶解させた。次いで、分散安定剤としてポ
リ((メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)−
g−メチルメタクリレート)のグラフト共重合体の25
%メチルエチルケトン/酢酸ブチル溶液(東亜合成化学
工業株式会社製、GC−10)146gを加えてから、
エポキシ当量186のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル(BADGE)(油化シェルエポキシ株式会社
製、エピコート828)の50%MIBK溶液500g
(1.34当量)を加えた。内容物を400rpmの速度
で撹拌しながら、50℃で24時間反応させた。当初透
明な反応系は、次第に青味がかった半透明状を呈するよ
うになったが、反応終期においては乳白色不透明状に変
化した。所定の反応の後、室温に冷却し、一昼夜放置し
て生成した粒子を沈殿させた。上澄液を傾斜法で除去し
てから、粒子を濾過分離し、MIBKで十分に洗浄し
た。更に、40℃で24時間真空乾燥して、81gの白
色付加体粒子を得た。粒子径は、反応終了直後のMIB
K分散液について大塚電子製のレーザー粒子径解析装
置:LPA3000/3100で測定した。平均粒子径
は0.21μmであった。電子顕微鏡での観察によれ
ば、この沈殿反応法で製造された2Mz/BADGE付
加体粒子の形状は球状であった。また、赤外分光光度計
による分析では、製造に使用した分散安定剤の一部が付
加体粒子に固定されていることが分かった。
【0093】こうして製造された球状付加体粒子150
gを飽和湿度下に48時間放置して、付加体に対して
5.2%の水分を吸収させた。この調湿付加体粒子をエ
ポキシ当量173のほとんど水酸基を含まないBADG
Eエポキシ樹脂(ダウケミカル社製DER332)30
0gに加え、乳鉢で簡単に粗練してから3本ロールミル
を2回通して完全に分散させた。このようにして得られ
た50phrの付加体粒子の分散液300gを加熱可能
な撹拌装置付き反応器に移し、撹拌しながら60℃に加
熱した。次いでこの温度を保ちながら約1時間にわたっ
て40gのポリ(メチレンジフェニルジイソシアネー
ト)(日本ポリウレタン工業株式会社製、ミリオネート
MR−300)を添加し、同温度を保ちながら3時間加
熱撹拌してから冷却し、硬化剤マスターバッチとした。
【0094】このようにして得られた本発明に係るマス
ターバッチ型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を「硬化
剤SM」と称する。
【0095】硬化剤CM(マイクロカプセル化潜在性硬
化剤):平均粒子径2.9μmの2Mz/BADGEエ
ポキシ樹脂の破砕状付加体粒子(硬化剤C)を液状エポ
キシ樹脂中に分散し、多官能性イソシアネート化合物
(ミリオネートMR−300)を付加体粒子に対して1
5%(WS/A=0.09g/m2)添加して、本発明に係
るマスターバッチ型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を
製造した。製造方法の詳細は以下の通りである。
【0096】前記で製造されたストークス径2.9μm
の2Mz/BADGEエポキシ樹脂の破砕状付加体粒子
(即ち硬化剤C)150gを、300gのダウケミカル
社製のDER332に加え、乳鉢で約30分間粗練して
から3本ロールミルを3回通して完全に分散させ、50
phrの付加体粒子の分散液とした。この分散液300
gを加熱可能な撹拌装置付き反応器に移し、撹拌しなが
ら50℃に加熱した。次いでこの温度を保ちながら約1
時間にわたって15gのポリ(メチレンジフェニルジイ
ソシアネート)(ミリオネートMR−300)を添加
し、同温度を保ちながら4時間加熱撹拌してから冷却
し、硬化剤マスターバッチとした。
【0097】このようにして得られた本発明に係るマス
ターバッチ型マイクロカプセル化潜在性硬化剤を「硬化
剤CM」と称する。
【0098】また、(D)改質成分として以下の成分を
加えた。
【0099】Dicy:ジシアンジアミド(味の素
(株)、アミキュアAH−150)シリカ :結晶性シリカ粉末(Pfizer 社(米国)、William
s Super-White Silica)。
【0100】
【本発明組成物の製造】表1及び表2に示す割合(重量
部で示す)で、まず(C)成分の硬化剤を(A)成分の
エポキシ樹脂に加え、乳鉢で粗練してから3本ロールミ
ルを通して完全に分散させた。得られた(A)成分と
(C)成分の分散液を適当な容器に移し、次いでこれを
ホモディスパーで撹拌しながら(D)成分の改質剤を加
えて均一に分散させた。最後に、内容物を撹拌しながら
(B)成分である反応性希釈剤を添加して完全に混合
し、本発明及び比較例の接着性組成物を調製した。
【0101】調製したそれぞれの接着性組成物につい
て、25℃と40℃の初期粘度、160℃における硬化
時間および40℃で8時間と1週間保存後の粘度増加倍
率を測定した。さらに、該組成物を被着体鉄/鉄に塗布
し、160℃で10分間硬化後の引張せん断接着強度を
測定した。また、組成物を160℃で30分間加熱硬化
して硬化体を作成し、そのガラス転移温度(Tg)およ
び沸騰水中における吸水率を測定した。
【0102】測定方法または使用装置は以下の通りであ
った。
【0103】粘度:B型粘度計(東京計器(株))。
【0104】硬化時間:東洋精機製作所のゲルタイムテ
スターを用い、予め所定温度に調整した熱板上に試料を
約5g垂らして加熱硬化させ、プローブに印加した荷重
の値が1グラムになったときの時間を測定した。
【0105】Tg:熱機械分析装置(TMA、セイコー
電子工業(株)製)を用い、ペネトレーション法にて測
定した。
【0106】沸騰吸水率:直径約40mm、厚さ約4mmの
試料を100℃の沸騰水中に24時間浸漬した後、その
重量増加率を測定した。
【0107】引張せん断接着強度:JIS−K6850
に準拠。
【0108】これらの結果を表3及び表4に示す。
【0109】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 上記表に示す組成物は、必要量の充填材(例えばシリ
カ)を加えても40℃でスプレー塗布できる(上限粘度
約1,000cps位)ように配合したものである。勿
論、充填材を加えない場合(例えば実施例1、2、と
7)は、組成物の粘度が更に低く(約500cps)、積
層品用プリプレグの含浸にも使用可能であると考えられ
る。
【0110】40℃でスプレー塗布できるような接着性
組成物を調製するために、主成分(A)として、汎用液
状ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、例えば油化シェルエポキシ(株)のエピコート82
8(エポキシ当量=190、25℃粘度約12,000
cps)を用いると、樹脂自身の粘度が高いため、必然的
に(B)成分の反応性希釈剤を多量に配合しなければな
らない。これは、しばしば硬化物性の大幅な低下を招く
原因となるので不利である。従って、エポキシ当量また
は重合度が低いもの、例えばエピコート825(エポキ
シ当量=175、25℃粘度約6,000cps)が好ま
しい。さらに、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
型よりもビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂、例えばエピコート807の方が粘度が比較的
低い(25℃粘度約2,200cps)ので、配合の自由
度が高くなる。従って、表に示すように主成分(A)の
例として、両方を用いることにした。
【0111】(A)成分のエポキシ樹脂に硬化剤である
(C)成分を添加し、さらに充填材を加えると、組成物
の粘度が上がる。一般的な目安として、もし25℃で粘
度が4,000cpsを越えると、40℃における粘度は
1,000cps以上になるので、スプレー塗布が難しく
なる。従って、本発明の組成物には、(B)成分の反応
性希釈剤が必須成分となる。実施例と比較例には、
(C)成分として1官能性エポキシ化合物のCGE、2
官能性エポキシ化合物のCYHおよび液状酸無水物のM
HHPAを用いた。上記25℃における粘度はそれぞれ
5〜10cps、55〜75cpsと70cpsであるので、1
官能性エポキシ化合物は、粘度がかなり低い点で希釈剤
としてもっとも有効である。一方、硬化物の耐熱性の観
点から考えると、多官能性エポキシ化合物と液状酸無水
物の方が優れている。但し、これは勿論必要とする配合
物の粘度、硬化特性、貯蔵安定性および硬化物性によっ
て、適切に選択される。
【0112】接着性、耐熱性および貯蔵安定性に優れ、
かつ低粘度の一液型接着性組成物を調製するために、表
3と表4の実施例の性能評価の結果からも分かるよう
に、本発明の(C)成分のマイクロカプセル化潜在性硬
化剤が非常に重要な役割を果している。それを用いては
じめて一液化が達成できるものである。表3の比較例に
示すように、アミン系硬化剤の製造方法または粒子形状
(球状または破砕状)に関係なく、カプセル化していな
い硬化剤Sと硬化剤Cを用いた場合、硬化剤粒子が反応
性希釈剤に溶解しやすく、潜在性を持たないため、すべ
ての希釈系は40℃で1日操業時間である8時間以内に
ゲル化してしまった。これに対して、本発明の実施例で
(C)成分であるマイクロカプセル化潜在性硬化剤、す
なわち、硬化剤SP、CP、SMとCMを用いた場合、
硬化剤粒子の形状(球状または破砕状)および供給形態
(粉体型またはマスターバッチ型)を問わずに、多官能
性イソシアネート化合物によるカプセル化の結果、硬化
剤粒子の耐溶媒性が強くなったため、すべての希釈系は
かなりよい貯蔵安定性を示した。実施例に示すすべての
希釈系は40℃で1日操業時間である8時間以内にほと
んど増粘することなく、また1週間保存後の粘度増加倍
率もかなり小さいことが注目される。これはスプレー塗
布接着の自動化および製品品質の安定化を約束する。実
施例1と比較例1および実施例4と比較例5の比較か
ら、カプセル化の効果がより明白になる。実施例に示す
硬化剤の配合量は、比較例とほぼ同じアミン濃度、即
ち、(A)成分と(B)成分の合計が100重量部に対
して、イミダゾール付加体は10重量部になるように決
定したものである。アミン濃度が同じであれば、硬化速
度的にはほとんど変わらず、カプセル化による影響がな
いことが分かる。これらの系は、いずれも160℃にお
いて約25秒で硬化し、速硬化性を示している。組成物
の性質に及ぼすマイクロカプセル化潜在性硬化剤の粒子
の形状および供給形態の効果を明らかにするために、実
施例の3、4、5と6で検討して見た。勿論この場合も
アミン濃度が同じように配合されている。表2と表4の
結果から分かるように、破砕状粒子よりも球状粒子、マ
スターバッチ型よりも粉体型の方は、組成物の粘度が低
くて有利である。また、貯蔵安定性、硬化速度、接着強
度、耐熱性および耐水性がほぼ変わらないことが分か
る。
【0113】本発明の必須成分である(A)、(B)、
(C)の3成分からなる組成物(実施例1)は、接着強
度と耐熱性(Tg)が共に良好であるが、改質成分であ
るDicyを適量添加すると(実施例2)、より一層高
い接着強度を発現することが可能であった。また、充填
材であるシリカを加えた系(実施例3)は、製品コスト
と硬化収縮の低減が期待できるばかりでなく、接着強度
と耐水性の向上にも役に立つことが示された。また、一
般的な傾向として、シリカを添加した系は貯蔵安定性が
悪くなるが、本発明では、その影響は顕著ではなかっ
た。
【0114】(B)成分の反応性希釈剤として、液状酸
無水物を用いた場合(実施例7と8)は、1官能性また
は2官能性エポキシ化合物を用いた場合に比べて長期間
の貯蔵安定性が比較的劣るが、より速い硬化速度と高い
耐熱性(Tg)を示すことは特徴的である。さらに、1
官能性と2官能性のエポキシ化合物(実施例9と10)
を比較すると、硬化速度と吸水率の値はあまり変わらな
いが、2官能性エポキシ化合物(CYH)を用いた系は
接着強度と耐熱性の向上が共に観察された。
【0115】
【発明の効果】以上のように、本発明の(A)室温で液
状のエポキシ樹脂、(B)反応性希釈剤および(C)マ
イクロカプセル化アミン系潜在性硬化剤の三成分を必須
成分として用いれば、接着性、硬化物性および貯蔵安定
性に優れ、しかも低粘度で速硬化性を有し、かつ無溶
剤、無公害の一液型エポキシ樹脂接着性組成物を調製す
ることが可能であった。これらの特徴を生かせば、スプ
レー塗布または塗装の自動化、ライン生産性の向上、製
品品質の安定化および作業環境の保全などが期待でき
る。
【0116】さらに、これらの特徴を生かして本発明の
組成物は広い分野に1成分系エポキシ樹脂接着性組成物
の提供を可能にする。本発明組成物を応用できる分野と
しては、例えば、構造接着剤分野:車両組立用接着剤、
光学機械組立用接着剤、電子・電気機器組立用接着剤な
ど、塗料分野:金属防食用プライマー、焼付け塗料な
ど、電子分野:プリント配線基板ガラスクロス含浸材、
ICチップ封止材、導電性塗料、ソルダーレジストイン
キ、ダイボンディング用接着剤、プリント基板接着剤、
導電性接着剤など、電気分野:電気絶縁材料、コイル含
浸材、バッテリーケース接着剤、テープヘッド接着剤な
どが挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−70523(JP,A) 特開 平3−48416(JP,A) 特開 平3−281625(JP,A) 特開 平4−53818(JP,A) 特開 平4−31427(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 163/00 C08G 59/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)、(C)三成分を必
    須成分として含有することを特徴とする低粘度無溶媒の
    一液型エポキシ樹脂接着性組成物。 (A)室温で液状のエポキシ樹脂100重量部; (B)反応性希釈剤5〜100重量部; (C)その表面上に多官能性エポキシ樹脂により形成さ
    れる被包層を有し、更に該エポキシ被包層上に多官能性
    イソシアネート化合物により形成される被包層、又は多
    官能性エポキシ樹脂及び多官能性イソシアネート化合物
    により形成される混合被包層を有するアミン化合物/エ
    ポキシ化合物付加体球状粒子であって、多官能性イソシ
    アネート化合物による被包層の形成前にカルボン酸化合
    物が反応せしめられているマイクロカプセル化アミン/
    エポキシ付加体粒子を含むアミン系潜在性硬化剤1〜1
    00重量部;
  2. 【請求項2】 (B)成分である反応性希釈剤が、低粘
    度の1官能性または多官能性エポキシ化合物である請求
    項1記載の一液型エポキシ樹脂接着性組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分である反応性希釈剤が、液状
    酸無水物である請求項1記載の一液型エポキシ樹脂接着
    性組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分であるアミン系潜在性硬化剤
    が、アミン化合物とエポキシ化合物から合成される球状
    の付加体粒子であって、付加体粒子の表面積1平方メー
    トル当り、0.01〜0.5グラムの多官能性イソシア
    ネート化合物でマイクロカプセル化して潜在性を賦与し
    た硬化剤粒子を含む粉体型またはマスターバッチ型の硬
    化剤である請求項1記載の一液型エポキシ樹脂接着性組
    成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分であるアミン系潜在性硬化剤
    が、アミン化合物と該アミン化合物に対して過剰量の多
    官能性エポキシ化合物とを分散安定剤の存在下におい
    て、そのアミン化合物及びエポキシ化合物を共に溶解す
    るが、両者から生成する付加体は溶解しない有機溶媒中
    で反応させた後、多官能性のイソシアネート化合物を添
    加して更に反応を行わせると共に、多官能性イソシアネ
    ート化合物の添加前の時点において、カルボン酸化合物
    を反応系に加えて反応させることによって製造されたも
    のである請求項1に記載の一液型エポキシ樹脂接着性組
    物。
  6. 【請求項6】 (C)成分であるアミン系潜在性硬化剤
    が、アミン化合物とエポキシ化合物とを分散安定剤の存
    在下において、そのアミン化合物及びエポキシ化合物を
    共に溶解するが、両者から生成する付加体は溶解しない
    有機溶媒中で反応させ、該反応中又は該反応の終了後に
    更なる多官能性エポキシ化合物を添加して更に反応を行
    わせた後、更に多官能性イソシアネート化合物を添加し
    て更に反応を行わせると共に、多官能性イソシアネート
    化合物の添加前の時点において、カルボン酸化合物を反
    応系に加えて反応させることによって製造されたもので
    ある請求項1に記載の一液型エポキシ樹脂接着性組成
    物。
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