JP3340882B2 - 半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置 - Google Patents
半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置Info
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- JP3340882B2 JP3340882B2 JP10839895A JP10839895A JP3340882B2 JP 3340882 B2 JP3340882 B2 JP 3340882B2 JP 10839895 A JP10839895 A JP 10839895A JP 10839895 A JP10839895 A JP 10839895A JP 3340882 B2 JP3340882 B2 JP 3340882B2
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- resin composition
- semiconductor device
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- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子を樹脂で封
止してなる樹脂封止型半導体装置と、この種半導体装置
の封止材料として用いられるエポキシ樹脂組成物に関す
る。
止してなる樹脂封止型半導体装置と、この種半導体装置
の封止材料として用いられるエポキシ樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置のプラスチックパッケージ
は、樹脂を用いてLSI等の半導体素子を例えばトラン
スファーモールド法により封止・パッケージ化したもの
で、いわゆるセラミックパッケージに比べて量産性が良
く、安価にできることから、近年、民生用パッケージと
して広く用いられている。
は、樹脂を用いてLSI等の半導体素子を例えばトラン
スファーモールド法により封止・パッケージ化したもの
で、いわゆるセラミックパッケージに比べて量産性が良
く、安価にできることから、近年、民生用パッケージと
して広く用いられている。
【0003】このプラスチックパッケージの製造に際し
ては半導体封止用の材料として一般にエポキシ樹脂組成
物が使用されるが、この種の樹脂組成物には、成形時間
の短縮を図るべく、硬化性を向上させる硬化促進剤が添
加される。ところが、硬化促進剤を添加すると、エポキ
シ樹脂組成物を封止材料として実際に使用する前にその
硬化が始まるおそれがあることから、これを防止するた
め、封止材料であるエポキシ樹脂組成物を低温保管する
ことが行われているが、低温保管のためには冷蔵あるい
は冷凍設備が必要であり、このことが樹脂封止のコスト
アップ要因となっている。
ては半導体封止用の材料として一般にエポキシ樹脂組成
物が使用されるが、この種の樹脂組成物には、成形時間
の短縮を図るべく、硬化性を向上させる硬化促進剤が添
加される。ところが、硬化促進剤を添加すると、エポキ
シ樹脂組成物を封止材料として実際に使用する前にその
硬化が始まるおそれがあることから、これを防止するた
め、封止材料であるエポキシ樹脂組成物を低温保管する
ことが行われているが、低温保管のためには冷蔵あるい
は冷凍設備が必要であり、このことが樹脂封止のコスト
アップ要因となっている。
【0004】そこで、このような問題を解消するため、
従来においては、パッケージの成形時に硬化促進剤が作
用するようにマイクロカプセルに硬化促進剤を封入して
用いることが提案されている。
従来においては、パッケージの成形時に硬化促進剤が作
用するようにマイクロカプセルに硬化促進剤を封入して
用いることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなマイクロ
カプセルを用いる場合、硬化促進剤の機能がタイミング
良く発揮されるよう成形時にカプセル壁が破壊して硬化
促進剤を溶出させる必要があるが、そのような観点から
マイクロカプセルの材質や厚みを調整すると、封止用エ
ポキシ樹脂組成物を混合・混練する際に、カプセル壁の
破壊が生じて硬化促進剤が溶出するおそれがある。その
一方、封止用エポキシ樹脂組成物の混合・混練時にカプ
セル壁の破壊が生じないようマイクロカプセルの材質や
厚みを調節すると、成形時にカプセル壁が壊れない場合
が生じ、その結果、硬化促進剤が溶出せずに樹脂の硬化
が遅れるという問題が発生する。このような事情から、
マイクロカプセルに硬化促進剤を封入したものを一成分
とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、これまでの
ところ実用化されるには至っていない。
カプセルを用いる場合、硬化促進剤の機能がタイミング
良く発揮されるよう成形時にカプセル壁が破壊して硬化
促進剤を溶出させる必要があるが、そのような観点から
マイクロカプセルの材質や厚みを調整すると、封止用エ
ポキシ樹脂組成物を混合・混練する際に、カプセル壁の
破壊が生じて硬化促進剤が溶出するおそれがある。その
一方、封止用エポキシ樹脂組成物の混合・混練時にカプ
セル壁の破壊が生じないようマイクロカプセルの材質や
厚みを調節すると、成形時にカプセル壁が壊れない場合
が生じ、その結果、硬化促進剤が溶出せずに樹脂の硬化
が遅れるという問題が発生する。このような事情から、
マイクロカプセルに硬化促進剤を封入したものを一成分
とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、これまでの
ところ実用化されるには至っていない。
【0006】本発明は、上記のような実情に鑑みてなさ
れたもので、マイクロカプセルの壁が成形時にのみ破壊
されて封止樹脂の硬化がタイミング良く促進される半導
体素子封止用エポキシ樹脂組成物を提供することによ
り、常温保管が可能な封止材料を実現するとともに、そ
のような封止材料により成形される耐湿信頼性等に優れ
た樹脂封止型半導体装置を提供することを目的とする。
れたもので、マイクロカプセルの壁が成形時にのみ破壊
されて封止樹脂の硬化がタイミング良く促進される半導
体素子封止用エポキシ樹脂組成物を提供することによ
り、常温保管が可能な封止材料を実現するとともに、そ
のような封止材料により成形される耐湿信頼性等に優れ
た樹脂封止型半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】封止用エポキシ樹脂組成
物中のマイクロカプセルの破壊について検討したとこ
ろ、カプセルの壁が破壊されるかどうかは、そのエポキ
シ樹脂組成物に含まれた充填剤の量に大きく影響される
こと、そして封止用エポキシ樹脂組成物に対する充填剤
の重量比率を60%以上80%以下、好ましくは60%
以上75%以下に設定するとカプセル壁がタイミング良
く破壊されるようになることが判明した。このような知
見に基づき、上記の目的を達成すべく、本発明の半導体
素子封止用エポキシ樹脂組成物は、1分子中に少なくと
も2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、硬化
剤と、マイクロカプセルに封入された硬化促進剤と、無
機充填剤とを含有するとともに、このうちの無機充填剤
の量が重量比で当該組成物総量の60〜80%に設定さ
れていることを特徴とする。
物中のマイクロカプセルの破壊について検討したとこ
ろ、カプセルの壁が破壊されるかどうかは、そのエポキ
シ樹脂組成物に含まれた充填剤の量に大きく影響される
こと、そして封止用エポキシ樹脂組成物に対する充填剤
の重量比率を60%以上80%以下、好ましくは60%
以上75%以下に設定するとカプセル壁がタイミング良
く破壊されるようになることが判明した。このような知
見に基づき、上記の目的を達成すべく、本発明の半導体
素子封止用エポキシ樹脂組成物は、1分子中に少なくと
も2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、硬化
剤と、マイクロカプセルに封入された硬化促進剤と、無
機充填剤とを含有するとともに、このうちの無機充填剤
の量が重量比で当該組成物総量の60〜80%に設定さ
れていることを特徴とする。
【0008】ところで、封止用エポキシ樹脂組成物にお
いて充填剤の重量比率を下げると、これを用いて成形さ
れた樹脂封止型半導体装置において耐湿信頼性が低下す
るおそれが生じる。そこで、このような問題を解消する
ため、本発明の樹脂封止型半導体装置は、半導体素子を
樹脂で封止してなる構成において、封止樹脂として上述
した本発明のエポキシ樹脂組成物を用いたうえで、その
封止樹脂からなるパッケージの表面を金属箔で被覆した
ことを特徴とする。
いて充填剤の重量比率を下げると、これを用いて成形さ
れた樹脂封止型半導体装置において耐湿信頼性が低下す
るおそれが生じる。そこで、このような問題を解消する
ため、本発明の樹脂封止型半導体装置は、半導体素子を
樹脂で封止してなる構成において、封止樹脂として上述
した本発明のエポキシ樹脂組成物を用いたうえで、その
封止樹脂からなるパッケージの表面を金属箔で被覆した
ことを特徴とする。
【0009】以下に、本発明の半導体素子封止用エポキ
シ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置についてさら
に詳細に説明する。 エポキシ樹脂について 本発明に用いられるエポキシ樹脂は、液状であっても固
形状であってもよく、通常エポキシ等量100〜350
0程度のもので、1分子中に平均2個以上のエポキシ基
を有するものであればよい。具体的には、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポ
キシ樹脂、ヒダントインエポキシ樹脂、ハイドロキノン
型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリグ
リシジルエーテルトリフェニルメタン等のグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸グリシジ
ルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、テ
トラグリシジルアミノジフェニルメタン等のグリシジル
アミン型エポキシ樹脂、4,4’−ビス(グリシジルオ
キシ)−3,3’−ジアリルビフェニル等のビフェニル
型エポキシ樹脂、ホルマリン以外のアルデヒドを用いて
縮合反応により得られるフェノール樹脂をベースとする
エポキシ樹脂などを単独もしくは2種以上混合して用い
ることができる。 硬化剤について 本発明においては、エポキシ樹脂の加熱硬化に用いられ
る通常の硬化剤を用いることができ、例えばフェノール
系、酸無水物系、ジシアンジアミド系、イミダゾール
系、酸ヒドラジド系、アミン系、アミンイミド系、フッ
化硼素化合物系の硬化剤をあげることができる。これら
は単独で、または2種以上を混合した状態で用いうる。
シ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置についてさら
に詳細に説明する。 エポキシ樹脂について 本発明に用いられるエポキシ樹脂は、液状であっても固
形状であってもよく、通常エポキシ等量100〜350
0程度のもので、1分子中に平均2個以上のエポキシ基
を有するものであればよい。具体的には、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポ
キシ樹脂、ヒダントインエポキシ樹脂、ハイドロキノン
型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリグ
リシジルエーテルトリフェニルメタン等のグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸グリシジ
ルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、テ
トラグリシジルアミノジフェニルメタン等のグリシジル
アミン型エポキシ樹脂、4,4’−ビス(グリシジルオ
キシ)−3,3’−ジアリルビフェニル等のビフェニル
型エポキシ樹脂、ホルマリン以外のアルデヒドを用いて
縮合反応により得られるフェノール樹脂をベースとする
エポキシ樹脂などを単独もしくは2種以上混合して用い
ることができる。 硬化剤について 本発明においては、エポキシ樹脂の加熱硬化に用いられ
る通常の硬化剤を用いることができ、例えばフェノール
系、酸無水物系、ジシアンジアミド系、イミダゾール
系、酸ヒドラジド系、アミン系、アミンイミド系、フッ
化硼素化合物系の硬化剤をあげることができる。これら
は単独で、または2種以上を混合した状態で用いうる。
【0010】このような加熱硬化型硬化剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲で添
加、混合される。 マイクロカプセルについて 本発明に用いられる硬化促進剤を封入したマイクロカプ
セルは種々の公知の任意の方法および材料を用いて製造
できる。具体例としては、特開平1−242616号、
特開平3−182520号、特開平6−73163号、
特開平6−184283号、特開平6−16788号の
各公報等に記載の材料および製造方法をあげることが可
能であり、壁膜としてポリスチレン、ポリメタクリル酸
メチル、ポリビニルトルエン、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸などのエチレン型単量体を主
重合成分とする重合体、ポリウレアなどが例示できる
が、好ましくは多価イソシアネートと多価アミンの重付
加反応により形成されるポリウレア系重合体、もしくは
多価イソシアネートと水との反応により形成されるポリ
ウレア系重合体をあげることができる。
樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲で添
加、混合される。 マイクロカプセルについて 本発明に用いられる硬化促進剤を封入したマイクロカプ
セルは種々の公知の任意の方法および材料を用いて製造
できる。具体例としては、特開平1−242616号、
特開平3−182520号、特開平6−73163号、
特開平6−184283号、特開平6−16788号の
各公報等に記載の材料および製造方法をあげることが可
能であり、壁膜としてポリスチレン、ポリメタクリル酸
メチル、ポリビニルトルエン、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸などのエチレン型単量体を主
重合成分とする重合体、ポリウレアなどが例示できる
が、好ましくは多価イソシアネートと多価アミンの重付
加反応により形成されるポリウレア系重合体、もしくは
多価イソシアネートと水との反応により形成されるポリ
ウレア系重合体をあげることができる。
【0011】ここでいう多価イソシアネートとは、分子
中に2つ以上のイソシアネート基をう有する化合物を意
味し、具体例としては、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレ
ンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイ
ソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレ
ン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4
−ジイソシアネート等のジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイ
ソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネートの
ようなトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェ
ニルメタン−2,2’5,5’−テトライソシアネート
のようなテトライソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとヘキサントリオールとの付加物、2,4−
トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付
加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオール
との付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、ト
リフェニルジメチレントリイソシアネート、テトラフェ
ニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタフェニ
ルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジンイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族
多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネートプ
レポリマーをあげることができる。
中に2つ以上のイソシアネート基をう有する化合物を意
味し、具体例としては、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレ
ンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイ
ソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレ
ン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4
−ジイソシアネート等のジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイ
ソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネートの
ようなトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェ
ニルメタン−2,2’5,5’−テトライソシアネート
のようなテトライソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとヘキサントリオールとの付加物、2,4−
トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付
加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオール
との付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、ト
リフェニルジメチレントリイソシアネート、テトラフェ
ニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタフェニ
ルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジンイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族
多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネートプ
レポリマーをあげることができる。
【0012】上記した中でも、本発明においてはプレポ
リマー類を用いるのが好ましい。具体的には、例えば、
トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンと
の付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート
などのポリメチレンポリフェニルイソシアネート類等を
用いるのが好ましい。これらのプレポリマー類は、カプ
セル調整時において造膜性に優れ、厚く強度のある壁が
形成されすい。
リマー類を用いるのが好ましい。具体的には、例えば、
トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンと
の付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート
などのポリメチレンポリフェニルイソシアネート類等を
用いるのが好ましい。これらのプレポリマー類は、カプ
セル調整時において造膜性に優れ、厚く強度のある壁が
形成されすい。
【0013】一方、上記多価アミンは、分子中に2つ以
上のアミノ基を有する化合物を意味する。具体例として
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタン、1,6−ヘキサメチレンジア
ミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ド
デカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−キ
シリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシ
リレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ
−3メチルシクロヘキシル)メタン、イソフオロンジア
ミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタ
ール系ジアミン等をあげることができる。
上のアミノ基を有する化合物を意味する。具体例として
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタン、1,6−ヘキサメチレンジア
ミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ド
デカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−キ
シリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシ
リレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ
−3メチルシクロヘキシル)メタン、イソフオロンジア
ミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタ
ール系ジアミン等をあげることができる。
【0014】多価イソシアネートと水との反応では、ま
ず多価イソシアネートの一部と水の加水分解反応により
アミンが形成され、次いで共存している多価イソシアネ
ートとの自己重付加反応によりポリウレアが形成され
る。(以下反応) −NCO+H2 O → −NH2 +CO2 −NH2 +−NCO → −NHCONH− 本発明において使用するマイクロカプセルの粒径は、特
に限定されないが、通常は0.05〜500μmの範囲
である。 硬化促進剤について マイクロカプセル中に封入される硬化促進剤としては、
エポキシ樹脂に使用されるものであれば特に限定されな
いが、具体的には、ベンジルジメチルアミン、2−(ジ
メチルアミノ)フェノール、2,4,6(ジアミノメチ
ル)フェノールなどの芳香族三級アミン類や脂環族三級
アミン類、またはこれらの変成アミン類、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾー
ル、2−ドデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダ
ゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル
イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、これらのイミダゾール類と酢酸、乳酸、サリチル
酸、安息香酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、酒石
酸、マレイン酸、トリメリット酸などとのイミダゾール
カルボン酸塩、2−メチルイミダゾリン、2−フェニル
イミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプ
タデシルイミダゾリンなどのイミダゾリン類、2−アミ
ノピリジンなどのモノアミノピリジン類、N,N−ジメ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピ
ル)アミン−N’−ラクトイミドなどのアミンイミド系
類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホ
スフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、オ
リオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
シクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/
トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレートなどのリン化合物、1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等のDBU系化
合物などがあげられる。
ず多価イソシアネートの一部と水の加水分解反応により
アミンが形成され、次いで共存している多価イソシアネ
ートとの自己重付加反応によりポリウレアが形成され
る。(以下反応) −NCO+H2 O → −NH2 +CO2 −NH2 +−NCO → −NHCONH− 本発明において使用するマイクロカプセルの粒径は、特
に限定されないが、通常は0.05〜500μmの範囲
である。 硬化促進剤について マイクロカプセル中に封入される硬化促進剤としては、
エポキシ樹脂に使用されるものであれば特に限定されな
いが、具体的には、ベンジルジメチルアミン、2−(ジ
メチルアミノ)フェノール、2,4,6(ジアミノメチ
ル)フェノールなどの芳香族三級アミン類や脂環族三級
アミン類、またはこれらの変成アミン類、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾー
ル、2−ドデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダ
ゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル
イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、これらのイミダゾール類と酢酸、乳酸、サリチル
酸、安息香酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、酒石
酸、マレイン酸、トリメリット酸などとのイミダゾール
カルボン酸塩、2−メチルイミダゾリン、2−フェニル
イミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプ
タデシルイミダゾリンなどのイミダゾリン類、2−アミ
ノピリジンなどのモノアミノピリジン類、N,N−ジメ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピ
ル)アミン−N’−ラクトイミドなどのアミンイミド系
類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホ
スフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、オ
リオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
シクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/
トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレートなどのリン化合物、1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等のDBU系化
合物などがあげられる。
【0015】本発明に使用されるマイクロカプセル化硬
化促進剤の調整方法としては、通常知られているマイク
ロカプセル化手法を用いることができるが、界面重合法
(後述する本発明の実施例参照)を利用すれば、特性上
優れたマイクロカプセルが得られるので好ましい。
化促進剤の調整方法としては、通常知られているマイク
ロカプセル化手法を用いることができるが、界面重合法
(後述する本発明の実施例参照)を利用すれば、特性上
優れたマイクロカプセルが得られるので好ましい。
【0016】マイクロカプセル中の硬化促進剤の内包量
は、通常、マイクロカプセル重量の10〜95重量%、
好ましくは30〜80重量%の範囲である。内包量が1
0重量%よりも少ないときは硬化時間が長くなる傾向を
示し、また95重量%を超える場合は隔離性、機械的強
度が低下する。
は、通常、マイクロカプセル重量の10〜95重量%、
好ましくは30〜80重量%の範囲である。内包量が1
0重量%よりも少ないときは硬化時間が長くなる傾向を
示し、また95重量%を超える場合は隔離性、機械的強
度が低下する。
【0017】マイクロカプセル化硬化促進剤の配合部数
としては、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜
30重量部、好ましくは1〜20重量部である。 無機充填剤について 無機充填剤は、得られるプラスチックパッケージの強度
向上や耐湿信頼性確保等の観点から加えられるもので、
具体例としては、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、石英粉、ガラス繊維、カオリン、マ
イカ、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、
タルク、ドロマイト、ジルコン、チタン化合物、モリブ
デン化合物、アンチモン化合物などがあげられる。ま
た、シランカップリング剤や顔料、老化防止剤、その他
任意の添加成分も目的や用途に応じて適宜配合すること
ができる。 その他の添加剤等について 本発明組成物には、その成形体の耐熱性を向上させるた
めに各種のビスマレイミドを、また同成形体を低応力化
させるためにシリコーンゴム、有機ゴム等のエラストマ
ーを添加してもよい。さらに、上記以外の充填剤、離型
剤、難燃剤、添加剤、処理剤、着色剤(顔料)等を目的
に応じて配合してもよい。 樹脂封止型半導体装置における金属箔について この金属箔は、400°C以上の融点を有する金属から
なるものであればよく、例えばアルミニウム、ステンレ
ス鋼、銅、鉄−ニッケル合金などからなる箔があげられ
る。また、その厚みは、0.1〜100μmの範囲、好
ましくは5〜50μmの範囲に設定される。厚みが0.
1μmに満たないものは変形しやすく、取り扱いが困難
であり、100μmを超えるものは、強度的に過大であ
り、パッケージ全体の薄型化の妨げになるので好ましく
ない。
としては、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜
30重量部、好ましくは1〜20重量部である。 無機充填剤について 無機充填剤は、得られるプラスチックパッケージの強度
向上や耐湿信頼性確保等の観点から加えられるもので、
具体例としては、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、石英粉、ガラス繊維、カオリン、マ
イカ、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、
タルク、ドロマイト、ジルコン、チタン化合物、モリブ
デン化合物、アンチモン化合物などがあげられる。ま
た、シランカップリング剤や顔料、老化防止剤、その他
任意の添加成分も目的や用途に応じて適宜配合すること
ができる。 その他の添加剤等について 本発明組成物には、その成形体の耐熱性を向上させるた
めに各種のビスマレイミドを、また同成形体を低応力化
させるためにシリコーンゴム、有機ゴム等のエラストマ
ーを添加してもよい。さらに、上記以外の充填剤、離型
剤、難燃剤、添加剤、処理剤、着色剤(顔料)等を目的
に応じて配合してもよい。 樹脂封止型半導体装置における金属箔について この金属箔は、400°C以上の融点を有する金属から
なるものであればよく、例えばアルミニウム、ステンレ
ス鋼、銅、鉄−ニッケル合金などからなる箔があげられ
る。また、その厚みは、0.1〜100μmの範囲、好
ましくは5〜50μmの範囲に設定される。厚みが0.
1μmに満たないものは変形しやすく、取り扱いが困難
であり、100μmを超えるものは、強度的に過大であ
り、パッケージ全体の薄型化の妨げになるので好ましく
ない。
【0018】
【作用】本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、これに
含まれた無機充填剤の総量に対する重量比率が60%以
上80%以下に設定されていることにより、当該組成物
中のマイクロカプセルの壁が、封止材料の混合・混練時
には破壊されないで成形時にのみ破壊されることとな
る。したがって、その保存中に硬化促進剤が作用するこ
とがないから低温保管する必要がなくなる一方、成形時
にはマイクロカプセルの破壊に伴う硬化促進剤の溶出に
より硬化が促進されるから、成形時間の短縮を図ること
ができる。これにより、半導体素子の封止材料として、
保存性に優れたエポキシ樹脂組成物が実現されることと
なる。
含まれた無機充填剤の総量に対する重量比率が60%以
上80%以下に設定されていることにより、当該組成物
中のマイクロカプセルの壁が、封止材料の混合・混練時
には破壊されないで成形時にのみ破壊されることとな
る。したがって、その保存中に硬化促進剤が作用するこ
とがないから低温保管する必要がなくなる一方、成形時
にはマイクロカプセルの破壊に伴う硬化促進剤の溶出に
より硬化が促進されるから、成形時間の短縮を図ること
ができる。これにより、半導体素子の封止材料として、
保存性に優れたエポキシ樹脂組成物が実現されることと
なる。
【0019】また、本発明の樹脂封止型半導体装置によ
れば、そのパッケージ表面を被覆している金属箔が同パ
ッケージを補強し、熱衝撃を緩和するため、封止樹脂の
吸湿による半田溶融液浸漬時のクラックの発生が防止な
いし抑制されることになる。これにより、上述のように
充填剤の添加量を抑制したことによる耐湿信頼性の低下
を防止することができる。したがって、上述の保存性に
優れたエポキシ樹脂組成物を封止材料として用いなが
ら、耐湿信頼性に優れた半導体装置を実現できる。
れば、そのパッケージ表面を被覆している金属箔が同パ
ッケージを補強し、熱衝撃を緩和するため、封止樹脂の
吸湿による半田溶融液浸漬時のクラックの発生が防止な
いし抑制されることになる。これにより、上述のように
充填剤の添加量を抑制したことによる耐湿信頼性の低下
を防止することができる。したがって、上述の保存性に
優れたエポキシ樹脂組成物を封止材料として用いなが
ら、耐湿信頼性に優れた半導体装置を実現できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を、その比較例とあわ
せて説明する。 <マイクロカプセル化硬化促進剤の調整>トリレンジイ
ソシアネート3モル/トリメチロールプロパン1モル付
加物6.7部(重量部、以下同じ)を、芯物質(硬化促
進剤)であるトリフェニルホスフィン7.5部と酢酸エ
チル12.5部との混合液中に均一に溶解させて、油相
を調整した。また、これとは別に、蒸留水95部とポリ
ビニルアルコール5部とからなる水相を調整した。
せて説明する。 <マイクロカプセル化硬化促進剤の調整>トリレンジイ
ソシアネート3モル/トリメチロールプロパン1モル付
加物6.7部(重量部、以下同じ)を、芯物質(硬化促
進剤)であるトリフェニルホスフィン7.5部と酢酸エ
チル12.5部との混合液中に均一に溶解させて、油相
を調整した。また、これとは別に、蒸留水95部とポリ
ビニルアルコール5部とからなる水相を調整した。
【0021】次いで、上記油相と水相とをホモミキサ−
にて乳化混合し、これを還流管、攪拌装置および滴下漏
斗を備えた重合反応器に仕込んだ。また、これとは別
に、トリエチレンテトラミン4.7部を含む水溶液1
4.7部を調整し、これを滴下漏斗を用いて反応器中の
エマルジョンに加えた後、70°Cで3時間、界面重合
させた。
にて乳化混合し、これを還流管、攪拌装置および滴下漏
斗を備えた重合反応器に仕込んだ。また、これとは別
に、トリエチレンテトラミン4.7部を含む水溶液1
4.7部を調整し、これを滴下漏斗を用いて反応器中の
エマルジョンに加えた後、70°Cで3時間、界面重合
させた。
【0022】得られたマイクロカプセル(マイクロカプ
セル化硬化促進剤)は、遠心分離機にて分離させ、洗浄
する操作を繰り返した後、乾燥して自由流動性のある粒
子生成物とした。この粒子の平均粒径は3μmであっ
た。 <エポキシ樹脂組成物の調整>上で得られたマイクロカ
プセル化硬化促進剤4.6部を、オルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(軟化点65°C、エポキシ当量
約190)100部、フェノールノボラック樹脂(軟化
点98°C、水酸基当量105)53部および溶融シリ
カ300部とともに混合し、さらに熱ロールミルを通し
て溶融混練することにより、本発明のエポキシ樹脂組成
物を得た。
セル化硬化促進剤)は、遠心分離機にて分離させ、洗浄
する操作を繰り返した後、乾燥して自由流動性のある粒
子生成物とした。この粒子の平均粒径は3μmであっ
た。 <エポキシ樹脂組成物の調整>上で得られたマイクロカ
プセル化硬化促進剤4.6部を、オルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(軟化点65°C、エポキシ当量
約190)100部、フェノールノボラック樹脂(軟化
点98°C、水酸基当量105)53部および溶融シリ
カ300部とともに混合し、さらに熱ロールミルを通し
て溶融混練することにより、本発明のエポキシ樹脂組成
物を得た。
【0023】こうして得られたエポキシ樹脂組成物にお
いては、その総量(4.6+100+53+300=4
57.6部)に対する充填剤(溶融シリカ300部)の
重量比率(300/457.6)が約66%とされてい
るため、硬化促進剤が封入されたマイクロカプセルの壁
が成形時にタイミング良く破壊されることとなる。した
がって、このエポキシ樹脂組成物を封止材料として実際
に使用する前においてはマイクロカプセルの壁の破壊が
発生せず、保存中に硬化促進剤が作用することもない。
これにより、半導体素子封止材料として、保存性に優れ
たエポキシ樹脂組成物が実現されることとなる。 <実施例の半導体装置の作製>得られたエポキシ樹脂組
成物を用い、図1に示すように、半導体素子1をトラン
スファー成形(175°C×2分)により樹脂封止し、
かつ、そのパッケージ2の表面をアルミ箔(厚み15μ
m)3で被覆(被覆率80%)してなる本実施例の半導
体装置4を作製した。この作製に当たっては、アルミ箔
上に仮接着剤層(ゴム−エポキシ樹脂層、厚み10μ
m)を予め設けておき、金型の所定位置にアルミ箔を仮
接着剤層を介して仮固定した後、封止材料である上述の
エポキシ樹脂組成物を加熱、加圧して金型内に注入する
ことにより成形を行った。
いては、その総量(4.6+100+53+300=4
57.6部)に対する充填剤(溶融シリカ300部)の
重量比率(300/457.6)が約66%とされてい
るため、硬化促進剤が封入されたマイクロカプセルの壁
が成形時にタイミング良く破壊されることとなる。した
がって、このエポキシ樹脂組成物を封止材料として実際
に使用する前においてはマイクロカプセルの壁の破壊が
発生せず、保存中に硬化促進剤が作用することもない。
これにより、半導体素子封止材料として、保存性に優れ
たエポキシ樹脂組成物が実現されることとなる。 <実施例の半導体装置の作製>得られたエポキシ樹脂組
成物を用い、図1に示すように、半導体素子1をトラン
スファー成形(175°C×2分)により樹脂封止し、
かつ、そのパッケージ2の表面をアルミ箔(厚み15μ
m)3で被覆(被覆率80%)してなる本実施例の半導
体装置4を作製した。この作製に当たっては、アルミ箔
上に仮接着剤層(ゴム−エポキシ樹脂層、厚み10μ
m)を予め設けておき、金型の所定位置にアルミ箔を仮
接着剤層を介して仮固定した後、封止材料である上述の
エポキシ樹脂組成物を加熱、加圧して金型内に注入する
ことにより成形を行った。
【0024】なお、ここで作製したパッケージは、80
ピン4方向フラットパッケージ(80pin QFP、サイ
ズ20mm×20mm×2mm)である。 <比較例の半導体装置の作製>上記エポキシ樹脂組成物
を用い、半導体素子をトランスファー成形(175°C
×2分)により樹脂封止して、パッケージ表面がアルミ
箔で被覆されていない点を除いて実施例の場合と同様の
半導体装置を作製した。 <評価>上記実施例および比較例の各半導体装置を85
°C/85%相対湿度の恒温槽中に放置して吸湿させた
後、260°Cの半田溶融液に10秒間浸漬し、それぞ
れの半導体装置のクラック発生状況を調べた。その結果
を表1に示す。
ピン4方向フラットパッケージ(80pin QFP、サイ
ズ20mm×20mm×2mm)である。 <比較例の半導体装置の作製>上記エポキシ樹脂組成物
を用い、半導体素子をトランスファー成形(175°C
×2分)により樹脂封止して、パッケージ表面がアルミ
箔で被覆されていない点を除いて実施例の場合と同様の
半導体装置を作製した。 <評価>上記実施例および比較例の各半導体装置を85
°C/85%相対湿度の恒温槽中に放置して吸湿させた
後、260°Cの半田溶融液に10秒間浸漬し、それぞ
れの半導体装置のクラック発生状況を調べた。その結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】同表に示すように、比較例の半導体装置で
は、その略全てにクラックが発生したが、実施例の半導
体装置では、同表に示した範囲内で吸湿時間が長時間と
なるに従ってクラックの発生個数が増加したものの、そ
れでも全個数の半分に過ぎなかった。このことは、本実
施例の場合は、半導体装置の表面を被覆しているアルミ
箔がパッケージを補強し、熱衝撃を緩和するため、半田
溶融液浸漬時のクラックの発生が抑制されたことを意味
する。こうして本発明の実施例によれば、保存性に優れ
た封止材料を用いながら、耐湿半田クラック性に優れた
半導体装置を実現できることが確認された。
は、その略全てにクラックが発生したが、実施例の半導
体装置では、同表に示した範囲内で吸湿時間が長時間と
なるに従ってクラックの発生個数が増加したものの、そ
れでも全個数の半分に過ぎなかった。このことは、本実
施例の場合は、半導体装置の表面を被覆しているアルミ
箔がパッケージを補強し、熱衝撃を緩和するため、半田
溶融液浸漬時のクラックの発生が抑制されたことを意味
する。こうして本発明の実施例によれば、保存性に優れ
た封止材料を用いながら、耐湿半田クラック性に優れた
半導体装置を実現できることが確認された。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明のエポキシ樹脂組
成物によれば、成形時にタイミング良くマイクロカプセ
ルの壁が破壊して硬化促進剤が溶出する保存性に優れた
封止材料を実現することができる。
成物によれば、成形時にタイミング良くマイクロカプセ
ルの壁が破壊して硬化促進剤が溶出する保存性に優れた
封止材料を実現することができる。
【0028】また、本発明の半導体装置によれば、封止
材料として上述のエポキシ樹脂組成物を用いながら、そ
のパッケージ表面を金属箔で被覆したことにより、耐湿
半田クラック性の発生を抑制ないし防止することができ
る。これにより、保存性に優れた封止材料を用いなが
ら、耐湿信頼性に優れた樹脂封止型半導体装置が実現さ
れることとなる。
材料として上述のエポキシ樹脂組成物を用いながら、そ
のパッケージ表面を金属箔で被覆したことにより、耐湿
半田クラック性の発生を抑制ないし防止することができ
る。これにより、保存性に優れた封止材料を用いなが
ら、耐湿信頼性に優れた樹脂封止型半導体装置が実現さ
れることとなる。
【図1】本発明の一実施例に係る半導体装置の構造を示
す全体縦断面図
す全体縦断面図
1・・・半導体素子 2・・・パッケージ 3・・・金属箔(アルミ箔) 4・・・樹脂封止型半導体装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 (56)参考文献 特開 平1−242616(JP,A) 特開 平1−287131(JP,A) 特開 平2−292324(JP,A) 特開 昭64−70523(JP,A) 特開 平4−53818(JP,A) 特開 平6−207152(JP,A) 特開 平7−99270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/40 C08L 63/00 - 63/10 H01L 21/56 H01L 23/29
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体素子の封止材料として用いられる
エポキシ樹脂組成物であって、1分子中に少なくとも2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、硬化剤
と、ポリウレアからなるマイクロカプセルに封入された
硬化促進剤と、無機充填剤とを含有し、このうちの無機
充填剤が重量比で当該組成物総量の60〜80%に設定
されていることを特徴とする半導体素子封止用エポキシ
樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリウレアが、多価イソシアネートと多
価アミンの重付加もしくは多価イソシアネートと水との
反応により形成される重合体である請求項1に記載の半
導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 半導体素子を樹脂で封止してなる樹脂封
止型半導体装置であって、封止樹脂として請求項1また
は2に記載のエポキシ樹脂組成物が用いられているとと
もに、その封止樹脂からなるパッケージの表面が金属箔
で被覆されていることを特徴とする樹脂封止型半導体装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10839895A JP3340882B2 (ja) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | 半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10839895A JP3340882B2 (ja) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | 半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08301978A JPH08301978A (ja) | 1996-11-19 |
JP3340882B2 true JP3340882B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=14483753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10839895A Expired - Fee Related JP3340882B2 (ja) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | 半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3340882B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103396652A (zh) * | 2013-07-09 | 2013-11-20 | 杨林江 | 一种沥青混凝土裂缝自愈和微胶囊及制备方法 |
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---|---|---|---|---|
WO1999064513A1 (en) * | 1998-06-09 | 1999-12-16 | Nitto Denko Corporation | Semiconductor sealing epoxy resin composition and semiconductor device using the same |
JP2000230039A (ja) * | 1998-12-08 | 2000-08-22 | Nitto Denko Corp | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
WO2004058844A1 (ja) * | 2002-12-25 | 2004-07-15 | E-Tec Co., Ltd. | 樹脂微粒子及び樹脂マイクロカプセル、並びにそれらの製造方法 |
JP4965715B1 (ja) * | 2011-02-03 | 2012-07-04 | ナミックス株式会社 | エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材 |
CN115124957B (zh) * | 2022-08-17 | 2024-04-23 | 浙江科力厌氧胶有限公司 | 一种易于储存的单组分环氧树脂胶粘剂及其制备方法 |
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---|---|---|---|---|
DE3750166T2 (de) * | 1987-08-26 | 1995-02-23 | Asahi Chemical Ind | Härtemittel für ein härtbares Eintopfepoxidharzsystem. |
JPH01287131A (ja) * | 1988-03-23 | 1989-11-17 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び硬化促進剤 |
JPH01242616A (ja) * | 1988-03-23 | 1989-09-27 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JP2730966B2 (ja) * | 1989-05-02 | 1998-03-25 | 日東電工株式会社 | マイクロカプセル型硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物 |
JP2914390B2 (ja) * | 1990-06-21 | 1999-06-28 | ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・インベストメント・ホールディング・コーポレーション | 改良されたエポキシ樹脂用硬化剤マスターバッチ |
JP3454437B2 (ja) * | 1992-10-02 | 2003-10-06 | ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション | 低粘度無溶媒の一液型エポキシ樹脂接着性組成物 |
JPH0799270A (ja) * | 1993-05-13 | 1995-04-11 | Nitto Denko Corp | 半導体装置 |
-
1995
- 1995-05-02 JP JP10839895A patent/JP3340882B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103396652A (zh) * | 2013-07-09 | 2013-11-20 | 杨林江 | 一种沥青混凝土裂缝自愈和微胶囊及制备方法 |
CN103396652B (zh) * | 2013-07-09 | 2016-06-01 | 杨林江 | 一种沥青混凝土裂缝自愈合微胶囊及制备方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08301978A (ja) | 1996-11-19 |
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